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名も無き被検体774号+:
男「ま、いいよ。どうせこれから一ヶ月一緒に暮らすんだから、徐々に打ち解けていこうよ」
幽霊「性癖カミングアウトされた後で、そんな爽やかに打ち解けようとか言われても」
男「いや、黙っておくのってフェアじゃないじゃん」
幽霊「でも、でもわたし、当面そういうつもりないし」
男「幽霊のくせに『当面』ときたか……そろそろ、死んだっていう自覚持とうよ」
幽霊「と言われても」
男「妙に活気があるんだよね、キミ。ほんとに死んでんのか疑わしいくらいだよ」
幽霊「死んでるのは死んでるんだと思う」
男「ちょっと触ってみていい?」
幽霊「え、あ……はい」
男「うん、普通にすり抜けるね。実体ないね。半透明だしね」
幽霊「なんでわざわざ胸のとこ触ったの」
男「半透明なだけの普通な人間という可能性もあったけど」
幽霊「なんでわざわざ胸のとこ触ったの」
男「まあ半透明な人間とか、見たことないんだけどね。その時点で普通じゃないね」
幽霊「なんでわざわざ胸のとこ触ったの」