1 :
代行:
エープリルフールだし、
恋の話でも書こうとおもう
2 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:14:55.95 ID:7GV1JxIg0
代行さんありがとうございます。
立ったら書きます
3 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:16:56.50 ID:zBjTmGik0
釣りってこと?
いいよハッピーエンド頼む
4 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:19:15.04 ID:7GV1JxIg0
≫3
ありがとう。
スレ立て初めてなんで
至らない部分はすいません。
では、淡々と書き溜め貼っていきます。
5 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:21:18.32 ID:7GV1JxIg0
ないと思うけど先に宣言。
転送禁止でおねがいします。
スペック
咲♀ 19歳 短大生
豪♂ 20歳 大学生
健♂ 18歳 高校生
6 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:23:19.14 ID:7GV1JxIg0
健とは1年以上付き合っていて
私も健のことが大好きだった。
今思えば、ただの子供の付き合いだったけど
健の優しさと男らしい振る舞いに
当時は夢を見ていたんだろうと思う。
7 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:25:40.54 ID:7GV1JxIg0
私は大学受験に失敗して
希望の大学には行けなかったけど
滑り止めの短大にぎりぎりで合格して
気は進まなかった進学だったけど
行ってみたらそんな事もなく
人見知りなりに頑張って友達も作って
なんとなくいいキャンパスライフを送っていた。
8 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:27:55.79 ID:7GV1JxIg0
学校にも慣れてきたから
バイトもそろそろ再開しようと
地元のある店舗の面接を受けて結果は合格。
次の週から働くことになった。
同系列のバイト経験は今までもあったから
仕事を覚えるのはそんなに大変じゃなかった。
9 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:30:11.25 ID:zBjTmGik0
ほう 期待
10 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:30:56.31 ID:7GV1JxIg0
何日かシフトに入るうちに
まだ一人だけあった事のない人がいる事には気づいてた。
シフト表にはガッツリと休みが書いてあって
「きっとロクなひとじゃない」っと
勝手に思い込んでた。
11 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:34:20.44 ID:7GV1JxIg0
12 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:38:42.93 ID:7GV1JxIg0
また何日かたって
バックルームで店長と雑談していたら
知らない人が陽気に入ってきて
「戻ってきましたよ〜」なんて言ってた。
私を見るなり、宇宙人でも見たかのように
誰お前臭満載。
店長「新しくバイトで入った子、咲ちゃん、よろしくね」
私「よろしくお願いします」
13 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:40:49.94 ID:7GV1JxIg0
その人は豪といった。
身長は180位あるフツメン。
あんまり人相もよくは無いけど、笑顔がかわいい大学生。
田舎から私の地元にある大学に通いに来てた。
その日はそのままお土産を置いて
豪は帰ってしまった。
もう少し話してみたかった。と、思う反面
大学生なんて嫌いだ。と、警戒もしていた。
14 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:43:05.15 ID:7GV1JxIg0
うちのバイトは早朝/昼/夕方/深夜を各1〜2人体制で
だいたいシフトが交代される。
豪は深夜の人間で、私は夕方の人間だったので
「また交代とかですれ違ったりすると思うよ。」
っと店長は何かを察したのか一言だけ言うと
「さっ仕事に戻ろう」と、煙草を消して戻っていった。
15 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:45:14.99 ID:7GV1JxIg0
随分バイトにも慣れてきた頃
なぜか夕方のシフトで豪と一緒なことに気付いた。
「あれ?深夜のひとじゃなかったっけ?」
っと思いながらも
人不足という内情がわかってきていた私は
「まぁこういうイレギュラーもあるか」
そう思って、特に気にせず居た。
16 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:47:23.99 ID:7GV1JxIg0
豪と意気投合するのには、時間がかからなかった。
他愛ない話から、お店のもっと深い内情
いろんなことを教えてくれた。
バイト中、まだ日の浅い私のフォローも丁寧にしてくれて
優しいいい人だって思った。ロクでもない人ではなかったなっと。
そして何より、私の好きな香水をつけている豪からは
いつも心地よくて甘い匂いがした。
17 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:49:58.31 ID:7GV1JxIg0
そんな変則シフトで何度かかぶることはあっても
毎回そんな他愛ない話で盛り上がって話て、
時間が来れば「お疲れっ」と言って私は先に店を出る。
そんな日が続いた。
(---見てる人居るんだろうか…?)
18 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 15:51:18.53 ID:zBjTmGik0
(――最初からずっと俺が見ている)
19 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:52:03.19 ID:7GV1JxIg0
そんな中、健との生活もうまくいってた。
バイトを始めてからというもの
少し時間は少なくなったけど
お互いの実家に泊まりに行ったり
どこかへ旅行へ行ったり
幸せなカップルライフだったと思う。
健は一つ下だったのでまだ高校生。
その年は受験という大切な時期でもあった。
健は男らしくもあるけど甘え上手で人望もある人だった。
少し朝に余裕があった私は
ねだられて、毎朝お弁当を作って健に渡してた。
初めは料理はあまり得意ではないからと
乗り気じゃなかったんだけど
少しでも支えになるならっと思うのと同時に
変な虫が付くのを少しでも避けるためにと
いつの間にかそのお弁当を作る作業も習慣化していった。
20 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:54:04.57 ID:7GV1JxIg0
>>18 (---ありがとう!心強い!)
でもそんな健でも時折私に手を上げることがあった。
喧嘩がエスカレートするとそうなる。
親友には「もう別れなよ」っと言われ
他の友達にも「そこまでして何で付き合うの?」っと言われてた。
それでも好きだったから当時の私はそれでよかった。
一緒にいられることが幸せだったから。
21 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:56:10.40 ID:7GV1JxIg0
バイトは相変わらずだったけど
豪とシフトに入ることがなんとなく増えていた。
豪と話が盛り上がって
バイトが終わってバックヤードで話し込んで
帰りが遅くなることが続いていた。
帰り道いつも健に電話して
「今日はこんなことがあったよ」
っと話を他愛ない続けていたら
だんだんと健の声がかげっていく。
22 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 15:58:46.77 ID:7GV1JxIg0
健「最近帰りがどんどん遅くなってるけど、なんで?」
「バックヤードで話が盛り上がっちゃって、つい」
この後の話は省略するけど
要するに「早く帰りなさい」という事だった。
今思えばただの嫉妬だったんだけど
当時はそんな事を考えることよりも
「それで豪が怒らないなら」
「それで殴られないなら」っと思って従う事にした。
23 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:00:48.88 ID:7GV1JxIg0
その出来事があった後
豪とシフトが被っても
帰りにはあっさり帰るような生活に戻った。
そんなある日、いい加減お腹が痛すぎて
健に付き添われて産婦人科に行って診察を受けた。
このままにしておくと
3〜5年以内に子宮撤去位の病気が現れる可能性が高いから
治療しましょう。
子供が産めなくなってしまうかもしれないから。
医者にそう宣告されて
健にもそのままを伝えた。
24 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:04:22.33 ID:7GV1JxIg0
不思議とショックは少なかった。
現実味がなかっただけなのかもしれない。
それから私は、学校・バイト・遊びに病院と
バタバタした日が続いた。
その一週間後位にはまた豪とシフトがぶって
何てことない話題の一つとして
病院の話をうっかり口走った。
そんな事、いう必要無かったのに
豪との壁が結構薄くなっていたから
友達に話すテンションで話ていた。
25 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:06:54.07 ID:7GV1JxIg0
豪「そうなんだ…ちゃんと病院通わないとね」
「うん、そうだね。今のうちから治療しておけば安心だし」
この時はそんな感じに話も流れ
また別の話に移り変わっていった。
その頃には、豪とアドレス交換をしていたので
不眠症だった私のメール相手を深夜のシフト中もしてくれていた。
26 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:09:42.73 ID:7GV1JxIg0
その頃には、豪とアドレス交換をしていたので
不眠症だった私のメール相手を深夜のシフト中もしてくれていた。
豪と仲良くなるのとは反対に
健との関係はこじれていった。
お互いの嫉妬と、彼の受験ストレスで関係は最低だった。
会えば仲が良くても
どこか寂しさだけが私の中にあった。
豪は支えてくれた。
健との関係を相談すれば
「大丈夫だよ、うまく行く。」
そういって励ましてくれた。
27 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:11:45.25 ID:7GV1JxIg0
いつしか夜のメールは日課になって
メールが途切れないように文末には必ずしりとりの返事を書く。
くだらないメールだったけど、支えだった。
豪「気分転換に休みにどっか出掛けない?」
「いいねぇ〜、でも、健に怒られるわw」
豪「言わなきゃ大丈夫でしょ!少し遠いとこまで行けば!どこ行きたい?」
「アハハ、そうね、プラネタリウムとか行きたいわ〜」
「社交辞令もいいとこだ。行く気もないくせに」
っと思いながら何処か嬉しかった。
でも2人で出かけるなんてそんな事、健が許すわけがない。
ばれたら大変な事になる。
そう思って、その話は流れた。
(---ちょっとお昼ご飯休憩してくる)
28 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:14:47.84 ID:zBjTmGik0
(保守は任せろ)
29 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:17:50.19 ID:zBjTmGik0
春はやっぱこういう話いいよな
俺もこう言う、甘酸っぱい恋がしてみたい
30 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:20:38.99 ID:zBjTmGik0
恋のことを考え出すと愛のことを考えてしまう
31 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:25:12.60 ID:zBjTmGik0
ばっちゃは「相手に万一のことがあったとき責任が取れたら愛」
って言ってたがどうなんだろうな
それが愛の定義だと仮定すると、俺は一生人を愛せないような気もする
32 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:27:59.06 ID:7GV1JxIg0
>>28-30 (---保守ありがとう!!!!)
っと、思ってた。
豪「××日、二人ともシフト入ってないし、行こうよ、プラネタリウム!」
「まじか」っと思った。
でも、「まぁいいか」っとも、思った。
ちょうどその日は健も出かけて会えない日だし。
33 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:32:30.38 ID:7GV1JxIg0
>>31 (---深い!いや、いざとなったら撮るもんだよ責任、きっとだけど)
その日はなぜだか少し緊張した。
さすがに気心も知れてきた仲だけど店の外で会うとなると、
なんだかな。
二人で少し遠くの町までプラネタリウムを見に行った。
偽物の星でも、どこか宇宙の広さと
自分の小ささを感じて、少し泣きそうだった。
健は本当に気が利く人で、常にレディファースト。
ご飯も電車賃すら自分で出させてもらったことはなかった。
豪は違ったけど、それが楽でよかった。
電車から降りた時、モタモタしてはぐれそうだった私の手を
豪はそっと握ってくれた。
それだけで、嬉しかった。
その位が、心地よかった。
34 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:36:30.89 ID:7GV1JxIg0
その後、ご飯を食べてする事もないから帰ろうかっと
地元行きの電車に乗って思った。
まだ、帰りたくない。
結局、豪の家に遊びに行くことになった。
豪は一人暮らしでロフト付きのワンルームに住んでた。
やけに片付いた部屋には、いつもの豪の匂いがした。
コンビニで買ったお菓子を食べながら
テレビをみたりして
「何してんだろ、私。」そう思いながらも
まだ帰りたくないと思った。
35 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:42:27.77 ID:7GV1JxIg0
豪「今日、泊まっていけば?」
豪の家から私の家まで歩いて15分。
健の事もあるし帰ればいいだけの話だった。
でも、できなかった。
次の瞬間には静かに頷いてた。
豪「何もしないから大丈夫」
そういった豪を信用した。
ただのバカな女だけど豪は裏切る気がしなかった。
だから豪を信用した。
健と実家には、友達の家に泊まると嘘をついた。
健から来た電話に出ると、豪は静かに黙って話を聞いていた。
電話が終わると豪は
「ひやひやしたわ」っと笑って話をすり替えた。
36 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:44:35.68 ID:7GV1JxIg0
映画を見て、お風呂に入って、話疲れてそのまま寝る事にした。
豪「一人暮らしだから布団は一つだけど、風邪ひくし仕方ないよね」
「そうだね、ありがとう」
豪「寝れるまで起きててあげるから、大丈夫、ゆっくり寝てね」
「なんかしたら怒るよ」
豪「何もしないから、本当にw」
この言葉がたとえ嘘でも、嬉しかった。
何かされても、たぶん怒れないだろうとも思った。
明け方まで他愛ない話を続けていたら
自分でも気づかないうちに寝たらしく久しぶりに、熟睡できた。
豪は本当に起きていてくれたらしい。
そして本当に何もしないでくれた。
「流石に帰るね、ありがとう」
っと支度をしていると寝ぼけたまま、
豪「またいつでもおいで」
そう言って、見送ってくれた。
37 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:46:41.79 ID:7GV1JxIg0
もう、豪に惹かれているのは分かってた。
でも認めたらいけない気がしてた。
豪の優しさに甘えたいだけないのは分かってた。
だから、自分の気持ちに蓋をした。
健とは相変わらずで、その頃にはもう限界だった。
喧嘩すれば私が泣いて健が暴れて。
それに、健は県外の学校への進学を決めていた。
地元を出て行くと言って家も借りたりしていた。
頑張ってほしいと思う反面、寂しかった。
遠くへ行ってしまうことが、不安だった。
気持ちもすれ違ったまま、しまいには友達の家で大喧嘩になり
傷だらけの私を介抱してくれる友達
健にキレて追いかけるもう一人の友達。
二人の友達に多大な迷惑をかけていた。
そして健と私は終わった。
38 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:48:54.76 ID:7GV1JxIg0
来るべき時が来ただけと、
いつかくる事はわかっていたじゃないと、
強がりの私は思ってたけど思ったけど
考えられないくらい泣いた。
その日の夜。
たまたま一人で深夜シフトだった豪に
スエットのまま、泣きはらした目のまま
気付けば会いに店に歩いてた。
豪「どうしたん!?」
「別れちゃった」
豪「そっか、まぁゆっくりしてったら?」
「そだね」
豪はその話にふれずにいてくれた。
何も話さずただ傍で黙々と仕事をしていた。
気持ちを持ち直した私は
「よし、もうとりあえず、帰って寝るわ」
豪「それがいいよ、気を付けて」
帰り道。
また涙が止まらなくなって泣きながら家に帰った。
39 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:50:29.41 ID:zBjTmGik0
リアルだな
釣りじゃねえのか?
どっちにしろ俺は最後まで見届けるが
40 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:51:06.30 ID:7GV1JxIg0
でもさすがに泣き疲れていたらしく
泣きながらいつの間にか眠ってしまっていた。
目が覚めて、豪からメールが来てた。
豪「ちゃんと帰った?大丈夫?」
豪の優しさにまた涙が出た。
本当は、豪が私の事を好きでいてくれてるのを気づいてた。
だから余計に、
その優しさに甘えている自分に嫌気がさした。
それでも頼りたいと思う自分を
本当に糞女だとおもった。
41 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:54:19.31 ID:7GV1JxIg0
>>39 (---見届け人に感謝!)
でも結局。
数日たって、豪と付き合うことにした。
店長「手出すなってあれだけ言ったのに。」
私たちの関係を聞いての、豪に対しての第一声だった。
店長「だから初めのうちシフト入れるの渋ってたけど、
予想通り結局こうなったか」
呆れたように笑うと、仕事に戻ってしまった。
後から豪に聞いた話だと
店長「人いないから咲ちゃんとシフト入れたいんだけど、
豪手ぇ出しそうだしな」
豪「いやいや、そんな事しないですよ」
の、やり取りが相当あったらしい。
まぁ結局ですよね、店長が言う通り。
42 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:57:30.86 ID:xJKQ6Et40
彼女に振られたやつが通ります
43 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 16:58:26.15 ID:7GV1JxIg0
その後は、豪と幸せに過ごしてた。
喧嘩もしたりしたが、ただワンルームのあの豪の部屋で
何もしないでいたあの日とは対照的に
何度も何度も愛し合った。
正直、今までの誰よりもセクロスの相性もよかった。
本当に幸せ。
幸せって言葉が軽いくらい幸せ。
な、はずだった。
44 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:01:36.98 ID:7GV1JxIg0
>>42 よし、一緒に泣こうぜ!
ん?エイプリルフールか!?
半年位たったある日、豪の様子がおかしくて
パートのおばちゃんに「なんでかな」って相談したりしていた。
本人に聞いても上の空。
あれだけ信じていた豪の事を、もう信じられなくなった。
そして豪が「もう隠しておけないから。」
そういって、口を開いた。
豪「この前、先輩たちと風俗いってきた」
「…そう。じゃぁ、別れよう」
強がり万歳な私は、心では号泣しながら
クールに言い遂げて去った。
45 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:04:48.77 ID:7GV1JxIg0
なにより頭にきた。
確かに浮気されるよりも良かったのかもしれない。
そう頭は理解しても、心はついてこなかった。
だけど先輩たちの話も実は聞いてしまっていたから。
すごく可愛かったし良かったと、気持ちよかったんだと。
パートのおばちゃんも本当は知っていたらしい。
だけど私を傷つけないようにと、隠していてくれた。
頭にきた倍は悲しかった。
満足させてあげれなくてごめんね。
そう思った。
可愛いわけでもなく、スタイルがいいわけでもなく
テクがあるわけでもなくごめんね。
大好きな人を満足させてあげられないような貧乳でごめんね。
私は泣くだけ泣いた。
豪は何度も謝った。
それでも許せなかった。
殺してやりたいくらい、憎かった。
46 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:07:55.23 ID:7GV1JxIg0
店長が心配していたのは、
別れた後仕事がしずらくなる事。
それによって辞められることだった。
だから意地もあってバイトは辞めずにつづけた。
何事もなかったようにふるまった。
でも裏切られたことで崩壊した私は
復縁したいとずっと言われていた健と
よりを戻した。
地元を出ている健に
何時間もかけて電車に乗って会いに行った。
片道3時間、ただ電車に揺られて会いに行った。
47 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 17:08:42.71 ID:xJKQ6Et40
エイプリルフールだとおもいたいよ。ほんとに。
48 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:10:24.95 ID:7GV1JxIg0
豪とはあれ以来業務以外の事では話さなかった。
それでも少しずつ、前のように話すように関係が回復していった。
豪「もう一度話をしたい」
「健とよりを戻したこと知ってるけど、
やっぱり咲が好きだからやりなおそう」
豪はそう言って、
「あの時はごめん」と、また謝った。
健の事は好きだったけど、豪の事は忘れられなかった。
健に抱かれながら、豪を思って何度も泣いて
健には言えずに何でもないからとだけ言って困らせた。
健、ごめん。
私がこんなんでごめん。
健とは、長く続かず
半年くらいで終わってしまった。
49 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:13:05.74 ID:7GV1JxIg0
>>47 Oh...平たい胸で良ければ貸すから泣いていいぞ!
やっぱり私は、豪が好きだった。
殺したいくらい憎んだのに大好きだった。
結局しばらくして、豪とよりを戻した。
でも豪に条件を出した。
豪はこの年、就活の年。
「この町で就職してくれるなら、よりを戻す」
もう、遠くへ行かれるのは嫌だった。
そして二度と裏切らないでほしいと言った。
風俗が裏切りに入るかはわからない。
それでも、私以外の誰かに一瞬でも愛を注がれるのが嫌だった。
豪は「勿論そうする」と言ってくれた。
豪は今まで以上に大切にしてくれた。
初めこそギクシャクした中学生みたいな付き合いだったけど
少ししたらすぐ元の関係にもどった。
50 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:15:15.63 ID:7GV1JxIg0
豪はうちの両親とも仲が良く、時々遊びに来ては
ご飯を食べて帰ったりしていた。
バイトで長期休みが取れることになったので
豪の地元に旅行に行くことになって、うちの父親に豪が呼ばれた。
当時私は20歳。豪は21歳。
二人で、「何の話かな?」なんて言ってたら
父「豪君、子供だけはまだ作らないように注意だぞ」
それだけだった。
「おい、父wwwイケメンだなwww」なんて勝手におもった。
豪はいきなりそんな事言われると思ってなかったらしく
顔を真っ赤にしながら
「あっ大丈夫です!気を付けてます!」っと叫んでいた。
そんな豪を可愛いと思った。
51 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:17:40.48 ID:7GV1JxIg0
豪の両親はとってもいい人だった。
豪の実家にしばらく泊まらせてもらう事になっていたから
苦手なタイプの人だったらどうしようって思ってたけど
まだ結婚もしていないのに、娘のようにかわいがってくれた。
弟君も、初めは人見知りこそしていたけど、
しばらくしたら馴染んでくれて、とてもいい子だった。
夜な夜な弟君と二人でDVDを見ながら盛り上がるまで仲良くなった。
豪のお父さんとなぜか三人で動物園に行ったり
いろんあ場所を観光したりもしたし
お母さんとも色々話したし、豪と二人でいろんなところに行った。
52 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:20:16.49 ID:7GV1JxIg0
本当に幸せで
「あぁ、きっと私、豪と結婚するんだな」
「豪と結婚したら、すごく幸せなんだろうな」
そんな風に自然に思っていった。
豪もそう言ってくれていた。
「子どもが出来ないかもしれない」と言っても
豪「それはそれで二人で自由に遊びに行けていいじゃん」
と、言ってくれた。
いつしか関係が恋人から夫婦に少し近づいて
当たり前に一緒に居て良い意味で空気化していった。
豪は就活でスーツが増えて尚更
「結婚したらこうなるのか」なんて思ってた。
53 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 17:21:30.87 ID:zBjTmGik0
いいね
54 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:23:23.51 ID:7GV1JxIg0
豪の就活はうまく行かなかった。
希望職種に着くことは難しくなって
内定はいくつか決まっていたけど浮かない顔をしていた。
1種類はこの地元の豪があまりつきたくない職種。
もう1種類は、豪の地元の豪の希望職種。
私は豪に
「豪の行きたいほうにしなよ」
そう言った。
強がりは良くないと思っていても
素直になれない自分がいた。
「豪が地元に戻るなら私はまだついていけない。」
「遠距離なんて無理だし」
そうも言った。
55 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:26:06.39 ID:7GV1JxIg0
>>53 ありがとう!!!
もう学生では無かったけど
自分を取り巻く環境がそれを無理だと言っていた。
「仕事は一生だから、やりたくない仕事じゃ辛いだろうし
迷うなら地元に帰りなよ」
突き放すように、豪にそう言った。
なんでもない事のようにそう言った。
本当は、無理してでも私の地元で就職してほしかった。
傍にいてほしかった。
最終的に豪は
私を選ばなかった。
そして私たちに二度目の別れが来た。
泣いて泣いて泣いた。
考えられないくらい涙が出た。
誰か助けてと、叫びたかった。
豪の事が大好きだった。
でも、きっとこのほうが豪は幸せだと言い聞かせた。
56 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:28:35.62 ID:7GV1JxIg0
私はバイトを辞めることにした。
豪が辞めて地元にかえるよりも先にと決めて辞めた。
いつか戻るかもしれないからと
送別会も断った。
私は違う職種についた。
一般事務で企業に就職して、豪との接点もなくなっていった。
57 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:31:33.24 ID:7GV1JxIg0
しばらくして豪がバイトを辞める時
送別会が開かれることになった。
悩んだけど、行かなかったら後悔しそうだったから
内心は最後に豪に会いにいこうと、
表面的には、久しぶりにみんなに会いたいからといって
出席することにした。
豪ともみんなとも楽しい時間を過ごしたけど
私はみんなより先に帰った。
このまま最後までいたら
豪に泣き顔を見せることになるかもしれない。
だから帰ろう。
そう決めて、そそくさと帰った。
「豪、地元帰っても元気でね、たまには連絡してよね」
それだけ告げて帰った。
58 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:33:39.21 ID:7GV1JxIg0
それから数日たって、
豪が地元に帰る日が近づいていた。
気晴らしにと出かけていたら
パートのおばちゃんからメールが入った。
「豪、今引っ越しの準備で大変みたい。
余計なお世話かもだけど行ったら?」
悩んだ。
今すぐにでも行きたい。
そう思ってた。
でも、行かなかった。
豪が悩んで決めたこと。
私のわがままで引き留めてはいけない。
59 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:35:41.33 ID:7GV1JxIg0
それでも私は弱かった。
おばちゃんへの返信もそこそこに
豪へメールを送った。
「引っ越し大変なんだって?おばちゃんから連絡きたよ。
もう少しだもんね、がんばって!
豪、いつ地元帰るの?最後位お見送りいくよ」
豪「大変だよー。ロフトにものが多くて。
帰るのは4日後の夜かな?まだ決めてないけど」
返信は早かった。
仕事を早退してでも、見送りには行こうと決めていた。
「決めたら教えてね」とだけ告げて
メールを打ち切った。
60 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:40:40.69 ID:7GV1JxIg0
言っていた4日後が来た。
デスクの新人の私は朝の掃除も終わって、一息ついたころ。
豪からメールが入った。
時間の連絡かと思って、急いで開く。
豪「咲、実はもうこれから帰るんだ。今空港。
言わないでいてごめん。
今まで本当にありがとう。元気でね。」
61 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:42:43.42 ID:7GV1JxIg0
豪に返信を打った。
「なんだ!そうだったんだね!
言ってくれればよかったのに!見送り行きたかったな。
元気でね、豪。
もし、私たちが本当に運命の相手なら
またいつか必ず会えるよね。またね」
豪「咲も元気で。
そうだね、いつかまた会えると信じて、またね。」
「もし、私たちが本当に運命の相手なら」
なんて話は何度も話した内容だった。
2人の中では
「ばいばい」も、言わない約束だった。
必ず「またね」と言おうという約束。
豪は帰った。
そして私はまた、この町に残された。
62 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:44:55.47 ID:7GV1JxIg0
それから一年後。
豪はこの町に帰ってきた。
一泊二日の弾丸で私に会いに来た。
口実としては
「二人が出会った店が閉店になるから
みんなで店の送別会をしよう。」
と、いったものだった。
みんなで飲みに行く前に
誰より先に豪に会いたくて、二人で待ち合わせた。
豪は先に駅についていて、私のほうが遅れて到着。
63 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 17:46:48.83 ID:RSXJMHOZ0
支援要りそうだな
64 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:47:09.62 ID:7GV1JxIg0
会った瞬間に飛びつこうとか
会いたかったと泣こうとか
色々思ったけど
現実私はそんなに可愛い女ではなく
久しぶりに見る豪の後ろ姿にニヤニヤしながら
「豪、待った?」
楽しみになんて、全然してないんだから!
っという強がりでクールにいつも通り声をかける。
豪は言った。
豪「咲らしい声かけだね。感動の再会とかやらなくていいの?」
「はいはい。とりあえず、お腹空いたしお昼ご飯食べよ」
お互い笑いあった。
一瞬で、あの頃の二人に戻った気がした。
65 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:50:12.70 ID:7GV1JxIg0
>>63 ありがとう!!
支援嬉しいです。
夜になってみんなに会って
テーブルの下で密かに手を繋ぐ私たちに
気がついた一人が
男「それで、お前ら結局今どうなってるわけ?」
「どうもなってないよ」
二人してそう言った。
その後、みんなと別れ
豪と共通の友達の家に二人で顔おだしながら
泊めてもらうことにした。
いろんな話をしていたけれど
私の中にあるのは
豪との時間のカウントダウンだけ。
66 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:56:24.41 ID:7GV1JxIg0
それでも疲れ果てて
友達とその彼氏はロフトで布団へ。
私と豪はこたつに入って寝る事になった。
あの頃とは違う気持ちで
あの頃とは違う天井を二人で見て
どちらともなくキスをした。
もう二度と
する事は出来ないであろうキスをかみしめるように
随分と長い間していたと思う。
友達の家だし、
絶対にお互いの為にならないと
お互い感じていたから、それ以上はしなかった。
67 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 17:58:26.16 ID:7GV1JxIg0
それ以来、連絡は取るけど
豪とは一度も会っていない。
私にはその後彼氏ができた。
豪はもう結婚して
あの時選んだ就職先で役職にも就いたらしい。
豪「咲に似てる子だと思って結婚したんだけど
全然違うよ、間違ったな」
「そんな事言わないの。だいたい当たり前でしょ。
私は私だけだよ。それに、奥さんは奥さんだけだよ。
奥さんとお幸せに」
68 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 18:02:15.81 ID:7GV1JxIg0
私は私でしかない事
豪が豪でしかない事
誰かは誰かでしかない事
私は痛いくらい知っている。
誰かに豪の影を重ねても
誰も豪ではなかった。
今でも豪の事は大好きです。
あれから随分経つけど
あれ以上の恋愛はもうないだろうし
多分生涯豪より好きな誰かに会う事はないと思います。
みんなは運命の相手逃さないようにね。
手放してしまって戻らないものもあるので
素直になることが一番だと思います。
ほんとにこういうことってあるんだなぁ
70 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 18:05:09.52 ID:zBjTmGik0
ちょうどアイデンティティ聞いてた
「自分らしさ」ってなんだろうな
自分らしい恋愛ができたのなら、咲にとっても豪にとっても
御の字だな
乙! 面白かったよ パートナーを大切にな
71 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 18:06:21.99 ID:7GV1JxIg0
4月に入って
また今年もこの季節が来たことで思い出し
スレたてしました。
誰得のオナニースレ読んでくれて
ありがとうございました。
そして長々と
しかも兎に角淡々とですいませんでした。
スレ立てって難しいね!
ハッピーエンドじゃなくてすいません。
エープリルフールって事で多めに見てください。
それではみなさん素敵なエープリルフールを!w
72 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 18:08:48.79 ID:zBjTmGik0
>>57 創作だと思ってたんだ
だからhappy endで頼むといったんだ
現実は創作程綺麗にまとまらないさwww
素敵なお話をしてくれてありがとう
73 :
名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 18:10:02.25 ID:zBjTmGik0
ああっ 寝ぼけてて安価ミスwww
>>71 本当にお疲れ様でした
74 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 18:10:48.88 ID:7GV1JxIg0
>>69 あるもんですよ、人生色々です。
>>70 「自分らしさ」は、難しいものですよね。
未熟な自分達もまた「自分」なわけで
それは「自分らしい」わけですよね。
ずっと支援してくれてありがとうございました!
75 :
◆RNPoEKF5kPia :2013/04/01(月) 18:13:40.98 ID:7GV1JxIg0
>>72-73 現実は厳しいもんですな!w
こちらこそ、ありがとうございました!!
創作だとしたら、つまらん
もうちょっとおもしろくしてくれ
実話なら咲きもい
77 :
◆RNPoEKF5kPia :