ペリーヌ「あら、ユーティライネンさん」 エイラ「……」

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1名も無き被検体774号+
記憶喪失のペリーヌさんと、彼女をとりまく501のあれやこれやを描く、
ちょっと雰囲気の違ったストライクウィッチーズSSスレ。

スレが落ちていましたので取り急ぎ立て直しですわ!
2名も無き被検体774号+:2013/02/04(月) 22:35:25.38 ID:aUwFMo7V0
まず保守
3名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 07:29:35.50 ID:NdhdviPy0
興味深い
4 忍法帖【Lv=39,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/05(火) 11:09:22.00 ID:w6PKlkE70
やった!!新しくスレたってた!!
次からはちゃんと保守しなきゃな
5名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 12:29:07.75 ID:owcLxzfX0
皆いい子すぎてつらい
6名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 22:03:46.76 ID:0CtThhDb0
さて、そう遠くないうちに新しいのを投下しようかと思うんですけど
前の話って一応全部貼り付けておいたほうがいいのかな?
7名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 22:08:44.97 ID:NdhdviPy0
ぜひ頼むよ
8 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/05(火) 22:11:12.04 ID:w6PKlkE70
それもいいかもしれない

それか、txtにまとめてどこかにあげるか
9名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 22:56:24.30 ID:0CtThhDb0
了解。
じゃあ保守代わりに時間作ってちょろちょろ過去の話を落としていくね
いくつか誤字は見つけてるんだけど…まあ、それもそれでありかな、と
10名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:06:32.17 ID:0CtThhDb0
1945年、ロマーニャ501統合戦闘航空団基地
〜〜ある日〜〜

ペリーヌ「本当に、いつもお見舞いしてくれてありがとう。
      でも、お忙しいのでしょうに、ちょっと申し訳ないですわ」

エイラ「…あ、ああ。
     いや、その、わたしの事はいいんだよ!」

エイラ「それより、調子はどうなんだ、つんつ…いや、ペリーヌ」

ペリーヌ「おかげさまで、体の方はとても調子がいいですわ。
      ただ…」

エイラ「まだ、何も思い出せないのか?」

ペリーヌ「本当にごめんなさい。毎日手厚く看病までしていただいているのに…」

エイラ「べ、別に謝ることなんてない…。
    ま、まあアレだ、まずはケガを治して、早く起き上がれるようになるといいよな」

ペリーヌ「…ええ」

エイラ「……」

ペリーヌ「……」

エイラ「そ、それじゃあ、行くから。またな」

ペリーヌ「…ええ、ありがとうユーティライネンさん」
11名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:07:04.18 ID:0CtThhDb0
〜〜翌朝〜〜
ミーナ「ペリーヌさんですが、 医師の診断ではすでにケガもだいぶ治癒して、体力もだいぶ戻ってきたということです。
     恐らく数日後には退院という事になると思います」

シャーリー「そっか。
       なんにせよ、助かってよかったな」

芳佳「でも、まだ記憶が…」

坂本「そうだな、まだ記憶の回復は報告されていない」

バルクホルン「身体はもう大丈夫なはずなのにな…」

◆一週間前◆◆
坂本「ペリーヌ、ペリーヌ!」

宮藤「坂本さん、動かしちゃダメです!」

リーネ「ごめんなさい、ごめんなさい…」ぽろぽろ

ペリーヌ「…ん、うう…」むくっ

坂本「おお、ペリーヌ!
    目が覚めたか…体の調子はどうだ?」

ペリーヌ「……う…。
      あの、申し訳ありません」

ペリーヌ「あなたは、どなたですか?」
◆◆
12名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:12:43.80 ID:0CtThhDb0
ミーナ「……一週間前の出撃において、ペリーヌさんは戦闘中に撃墜されました。
     宮藤さんの治癒魔法と基地の医療スタッフの懸命の治療によって一命は取り留めたものの、
     失血と、恐らく墜落時に頭部を強打していて、意識を回復した時点で記憶喪失の状態でした」

エーリカ「起きた時には、自分の名前さえ憶えてなかったんだよね」

ミーナ「幸い外科的には脳へのダメージはないことは確認できました。
     ショックによるものという事なら、いつか記憶も戻るはずという事なのだけれど…」

リーネ「私が悪いんです。
     ペリーヌさんは私を庇ってネウロイのビームに…」

坂本「いや、あの状況ではどうしようもなかった。
    むしろ、戦闘指揮官たる私の責任がもっとも大きい」

ミーナ「ふたりとも、そこまでよ。ここは責任追及の場じゃないのだから」

芳佳「私の治癒魔法でペリーヌさんの記憶を戻せればよかったのに…」

エーリカ「しょーがないよ、宮藤。
      脳と記憶の問題ばっかりは、ケガを治すようにはいかないよ」

バルクホルン「そういうものなのか?」

エーリカ「これでも医者志望だからね、ちょっとはわかってるつもり」

ミーナ「とにかく、ペリーヌさんの記憶が戻るまではわたしたち10人で頑張りましょう」


シャーリー「…あれ、そういえばルッキーニどこにいったんだ?」
13名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:19:07.48 ID:0CtThhDb0
〜〜そのころ〜〜

ペリーヌ「……ふう」

こんこん

ルッキーニ「ペリーヌ、いるー?」

ペリーヌ「あ、はーい」

がちゃ

ルッキーニ「やっほーペリーヌ♪」

ペリーヌ「あら、こんにちは…えーと、フランチェスカ・ルッキーニさん、でしたよね?」

ルッキーニ「うじゅ。なんかカユイからルッキーニでもフランカでもどっちでもいいよ」

ペリーヌ「はい、じゃあルッキーニさん」くすくす

ルッキーニ「えーと、えーと…げ、げんき?」

ペリーヌ「ええ、おかげさまで」

ルッキーニ「そ、そか。
        …ね、ねーペリーヌ?」

ペリーヌ「なんですか?」
14名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:29:02.94 ID:0CtThhDb0
ルッキーニ「ペリーヌ、ホントになんにも憶えてないの?
        あたしのことも、芳佳やリーネのことも?」

ペリーヌ「…ごめんなさい、ルッキーニさん。本当に、何も憶えていないのよ。
      なにせ、最初は自分の名前もわからなくって…」

ルッキーニ「……」

ペリーヌ「ぺりーぬって呼ばれても、最初の頃は自分のことだって気づけなくって。
      ユーティライネンさんに”むしすんなー”って、ちょっと怒られてしまったこともありますの」くすくす

ルッキーニ「そ、そーなんだ」

ペリーヌ「でも、なんとなくですけど今はわたしがそう呼ばれていた事はわかるんですの。
      だから、いつかは記憶が戻ってくれればいいんですけれど…
      でも、まだ名前以外のことは全然思い出せなくて」

ルッキーニ「そ、それなんだけどさ!
        た、例えばこれはっ!?」ごそごそ

ルッキーニ「ほら、少佐の替えのズボン持ってきたんだよ!
        芳佳が洗濯して干したのをこっそり」

ペリーヌ「まあ…」

ルッキーニ「どう?欲しい?
        今ならこれに替えの眼帯もつけるよ!」

ペリーヌ「……」
15名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:31:20.03 ID:0CtThhDb0
ペリーヌ「…もう、ルッキーニさん。
      勝手に人のズボンを取ってきたらいけませんよ。
      そんな事をしたら宮藤さんがびっくりするでしょう?」

ルッキーニ「え?え?」

ペリーヌ「それに、坂本さんだってズボンがなくなったら着替えられないですわよ」

ルッキーニ「あの、あの…少佐のズボンなんだよペリーヌ。
        ホントにいらないの?」

ペリーヌ「わたくしが?
      …ふふ、どうしてわたくしが、坂本さんのズボンを?」

ルッキーニ「……ひぅ」

ペリーヌ「もし一人で謝るのが恐いんだったら、付いて行ってあげましょうか?
      …あ、でも今わたくしベッドから動けないんでしたわ、ごめんなさい」

ルッキーニ「……ぅじ、」

どたどた

シャーリー「あ、ルッキーニこんなところに」

ルッキーニ「…うわああんシャーリいぃ」ばさっ

ペリーヌ「…!」

シャーリー「お、おいおいルッキーニ、いきなり抱きついてどうした?」
16名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:34:26.10 ID:0CtThhDb0
ルッキーニ「ぺ、ペリーヌが、ペリーヌが…」ぐしぐし

シャーリー「まったく、しょうがないなあ。
       とりあえず、食堂にでも戻ってな、わたしもすぐ行くから」

ルッキーニ「…うん」

ルッキーニ「んと、ペリーヌ、ばいばい…」すたすた

シャーリー「やれやれ。
       悪かったなペリーヌ、迷惑をかけてしまって」

ペリーヌ「いいえ、わたくしこそ。
      あの、イェーガーさん、わたくしなにかルッキーニさんを泣かせるような事を言いましたでしょうか…?」

シャーリー「……いや、そうじゃない。そうじゃないんだよ。
       ペリーヌが気にするようなことじゃないんだ」

ペリーヌ「そう、なんですか?」

シャーリー「早く身体を治して、元気になってくれよな。
       じゃ、わたしももう行くからさ」

ペリーヌ「はい」

シャーリー「…それと、私のことはシャーリーでいいよ。
       記憶を失う前のお前も、そう呼んでいたから。
       他のみんなの事だって、名前で呼んでくれよ」

ペリーヌ「わかりました、シャーリーさん」
17名も無き被検体774号+:2013/02/05(火) 23:42:13.53 ID:0CtThhDb0
〜〜夜〜〜

ミーナ「明日、ペリーヌさんが退院することになったわ」

坂本「そうか。ひとまずは、良かった…」

ミーナ「でも、そうとも言っていられないのよ。
     これを見て」

坂本「これは…ペリーヌに関する帰国の要望だと?」

ミーナ「形式上は、戦傷したウィッチの後送の提案という体裁をとっているけれど。
     ガリア政府が、ペリーヌさんを本国に戻したいと強く要望しているのよ」

ミーナ「もともと、ガリアにとってペリーヌさんはガリア防衛の506の司令を推すほどの人材よ。
     それが、例え政治的なものを含んでいるとしても、ね
     ウィッチとして飛べる状態ではなくても…いえ、だからこそむしろシンボルとしては最上と言うことなのかも」

坂本「ペリーヌは、506司令への要望を蹴って501に来てくれていたんだよな。
    なんとかできないのか。
    501は現状でも定員の14名を割っている、という事もあるし、それに」

ミーナ「…ガリア政府は、必要であれば補充として自国のウィッチを501に派遣してもいい、という提案さえしてきてるの」

坂本「むこうも、本気か…」

ミーナ「現状では、ペリーヌさんの記憶が一日でも早く戻って、戦列に復帰してくれることを期待するしかない。
     まったく、こんな時に大したこともできないなんて、嫌になるわね」

坂本「…わたしたちは、わたしたちにできることをしよう、ミーナ」
18 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/06(水) 01:02:30.70 ID:IoTmu0r+0
連投制限なければ代行して>>1の全レス書き込むんだかなぁ…
19 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/06(水) 17:26:03.48 ID:IoTmu0r+0
保守
20名も無き被検体774号+:2013/02/06(水) 23:46:09.67 ID:45OQ0wXt0
〜〜翌日〜〜
坂本「せい!せい!」びしゅっ!びしゅっ

芳佳「せい!やー!」ぶん、ぶん

坂本「腕の振りが甘い!」

芳佳「はい!」

坂本「常に研鑽だ、今の一振りと次の一振りを同じと考えるな!あと100本!」

芳佳「はい!
    せい!やあ!」ぶんっ、ぶんっ

芳佳「せい!や…あ、ペリーヌさん、おはよう!」

坂本「こら宮藤、よそ見を…と。
    おお、ペリーヌじゃないか、こんなところでどうした?」

ペリーヌ「宮藤さん、坂本さん、おはようございます。
      無事、退院させていただくことになりまして、せっかくなのでお散歩を…。
      お二人は、何を?」

坂本「おう、これか?
    訓練だ。我々は最前線で戦うウィッチだからな、暇さえあれば訓練をしているのだ」
21名も無き被検体774号+:2013/02/06(水) 23:58:15.37 ID:45OQ0wXt0
坂本「おお、そうだ。ペリーヌも一緒にやらんか?」

ペリーヌ「わたくしも、参加してよろしいんですか?」

坂本「もちろんだとも。
    さあ、この竹刀を使うといい」

ペリーヌ「ありがとうございます。では…。
      ええと、どう構えたらいいんでしょう?」

芳佳「あ、ペリーヌさん。持ち手はええと、こう…」



シャーリー「……」

バルクホルン「何を見ているんだ、リベリアン?」

シャーリー「バルクホルンか…ほら、あの三人」

バルクホルン「ペリーヌ、無事退院したんだな…」

シャーリー「まったく、皮肉だよな」

バルクホルン「ん?」

シャーリー「あいつ、あれほど少佐の事大好きで、そのくせ近づきたがってても近づけなくて。
       それが、記憶をなくしちまえばあんなにあっさりと、さ…」

シャーリー「…不謹慎だな。わりい、忘れてくれ」
22名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:09:13.42 ID:B1wh8S1h0
〜〜翌日〜〜

ミーナ「それでは、本日のミーティングをはじめます。
     まず、ペリーヌさんが本日無事退院しました。
     基地で生活してもらいますが、当面は出撃禁止とします」

ミーナ「ペリーヌさんにも後で意見を聞くことになるとは思うけど、もしペリーヌさんが希望したら
     部屋割りは前と同じように宮藤さんリーネさんと同室にしたのだけれど、二人はそれでいいかしら?」

宮藤「はい、もちろんです!」

リーネ「……あ」

坂本「どうした、何か問題があるのかリーネ?」

リーネ「あ、い、いいえありません!
     ごめんなさい……」

ミーナ「…それじゃあ、よろしくね」

リーネ「はい…」

ミーナ「それじゃあ、質問がなければ解散にしましょうか?」

バルクホルン「ペリーヌが戦線に復帰する予定はあるのか?」

ミーナ「今のところは、なんとも言えないわ」
23名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:11:12.50 ID:B1wh8S1h0
シャーリー「なんだよ堅物、たとえ元ケガ人で記憶喪失してるヤツでも飛べるなら戦えってか?」

バルクホルン「そ、そういうワケではない!
         だが、過去には記憶喪失のウィッチが後方の戦域に転属して戦ったという実績があってな…」

エイラ「わたしの国の、スオムス義勇飛行中隊にもそんな話あったな…」

サーニャ「…じゃあ、ひょっとしてペリーヌさん、501から」

坂本「あー、ごほん!
    ミーナ!」

ミーナ「確かに、昔はそういう事もあったみたいだけれど、そのことで発生した問題もあったし
     現代の組織的な編隊飛行の知識を要求される戦場では、そういうケースはほとんどないわ」

バルクホルン「そ、そうか」

シャーリー「……」

シャーリー「すまん、バルクホルン。誤解してた」ぺこっ

バルクホルン「な、なな…!
         ば、馬鹿者こんなつまらない事で謝るな!お前らしくもない」

坂本「貴様らいつまでべらべら喋っているんだ!
    哨戒任務のものはハンガーへ走れ!
    そうでない連中は訓練だ、いけー!」

「「「 りょ、了解! 」」」
24名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:14:00.04 ID:B1wh8S1h0
ミーナ「みんな行ったみたいね?」

坂本「そうだな」

ミーナ「…みんな、困惑しているみたいね」

坂本「そうだな」

ミーナ「確かに、普段からシャーリーさんはトゥルーデをからかうクセがあるけど、
     さっきのは、ちょっとトゲがあったし、そのことにシャーリーさん自身驚いていたみたい」

坂本「そうだな」

ミーナ「…あなたも戸惑っているのね、少佐」

坂本「……そうかもしれん」

ミーナ「…昨日、ちょっとだけとはいえペリーヌさんも訓練に参加したんでしょう?
     どうだったの?」

坂本「…うん」

ミーナ「美緒?」

坂本「ペリーヌのやつ、あんなに教えたのに竹刀の握り方すら忘れてしまっていたよ」

ミーナ「…厳しいわね」

坂本「ああ、つらいな」
25名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:27:51.43 ID:B1wh8S1h0
〜〜夜〜〜
宮藤「ここが私たちの部屋ですよー」

リーネ「…………」

ペリーヌ「ここが宮藤さんとリーネさんのお部屋ですのね」

宮藤「ペリーヌさんのお部屋でもあるんですよ。あっちのおっきなベッドがペリーヌさんのです」

ペリーヌ「そういえば、ミーナさんからそういうふうに説明されましたわね」

宮藤「どうですか、何か思い出したことありますか?」

ペリーヌ「うーん……。
      ごめんなさい、何も…」

宮藤「そうですか…。
    あのでも、大丈夫ですよペリーヌさん!時間はいくらでもあるんだから」

ペリーヌ「ありがとう、宮藤さん」

宮藤「えへへ、なんかペリーヌさんにお礼言われるとくすぐったいなー」

宮藤「今日は3人で一緒に寝ようよ。
    ね、リーネちゃん!」

リーネ「う、うん…」
26名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:29:58.15 ID:B1wh8S1h0
ペリーヌ「わ、わたくしがまんなかですの?」

宮藤「そーだよ。じゃあ布団かけるからね」

ふぁさっ

ペリーヌ「なんか、人と一緒に寝るのってどきどきしますわね」

宮藤「うん。ペリーヌさんせまくない?」

ペリーヌ「大丈夫ですわ。
      リーネさん、そちらはせまくありませんか?」

リーネ「あ、いえ大丈夫です、ごめんなさい…」

ペリーヌ「なんで謝るんですの?」

宮藤「じゃあ電気けしますよー」ぱちっ

宮藤「おやすみー」

ペリーヌ「おやすみなさい」

リーネ「…さい」





リーネ「ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい、ペリーヌさん、ごめんなさい…」
27名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:35:39.21 ID:B1wh8S1h0
〜〜数日後のある日中〜〜

エイラ「んーむ…」てくてく

宮藤「あ、エイラさん。
    こんな時間に起きてるなんて珍しいですね」

エイラ「サーニャが寝ちゃったからさー、私は眠くないし、サーニャの邪魔したくないからなー。
     宮藤はなにやってんだ?」

宮藤「これから洗濯するんです。
    洗い物あるんだったら出してもらえますか?」

エイラ「おう」

ペリーヌ「んしょ、んしょ…」

ぼすっ

ペリーヌ「宮藤さん、お洗濯もの、とりあえずひとつめのカゴ持って来ましたわ」

エイラ「んなっ、ぺ、ペリーヌ!?」

宮藤「ありがとうございますペリーヌさん。
    なんか便利使いしちゃってすいません」

ペリーヌ「いえ、これくらい」
28名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:38:24.57 ID:B1wh8S1h0
エイラ「おい、つんつ…いや、ペリーヌ。
     何やってんだ?」

ペリーヌ「お洗濯のお手伝いです」

エイラ「そうじゃなくてさ。
     なんでオマエがそんな事やってんだって事!」

ペリーヌ「…なにか、いけなかったでしょうか…?」

エイラ「うっ…!
     いや、別にいけないことはねーけどさ」

宮藤「ペリーヌさん、てつだってくれるって言ってくれて。
    最初は悪いなあって思ったんですけど、せっかくですから」

ペリーヌ「みなさんにお世話になってるだけでは申し訳ありませんもの、もっと使ってくださいまし」

エイラ「……あー。
     まぁ、うん…」

宮藤「エイラさん?」

ペリーヌ「…?
      宮藤さん、わたくし、残ったふたつめの洗濯カゴもってきますわね」

宮藤「あ、はいペリーヌさん」

エイラ「……」
29名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:40:52.46 ID:B1wh8S1h0
ペリーヌ「よいしょ、よいしょ」

ペリーヌ「ふぅ、なかなか大変ですわね。
      でも宮藤さんを待たせては悪いですし、急がないと…」

エーリカ「ん、ペリーヌだ。
      おーい、何やってんだペリーヌ?」

ペリーヌ「あ、ハルトマンさん。それにバルクホルンさんも。
      わたくし、洗濯物を宮藤さんのところまで運んでいるところです」

バルクホルン「重そうにしているがその程度の荷物、魔法力を使えば簡単に運べるんじゃないか?」

ペリーヌ「あ…なるほど、ちょっとやってみますわ」ぴょこん

エーリカ「魔法はちゃんと発現できるんだね」

ペリーヌ「みたいです…あら、確かに重さがなくなりましたわ。
      ありがとうございます、バルクホルンさん」

バルクホルン「あ、ああ…」

ペリーヌ「それじゃ、失礼します」すたすた


エーリカ「…トゥルーデ、固まってる」

バルクホルン「す、すまん。どうにも調子が狂って…」
30名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:44:35.70 ID:B1wh8S1h0
〜〜〜〜

宮藤「ふー、お洗濯終わったー。
    ありがとう、ペリーヌさん!」

ペリーヌ「とんでもありませんわ。
      それにしても11人分の洗濯物ともなるとずいぶんな量になりますのね。
      こんな大変なお仕事をいつもおひとりで?」

宮藤「ううん、いつもはリーネちゃんと一緒にやるの。
    でも、最近リーネちゃん元気ないんだ、だから…」

ペリーヌ「リーネさん、お仕事の時以外はお部屋に篭りがちですわね。
      わたくしに対して怯えのようなものが見えますし、わたくしの事となにか関係があるのでしょうか」

宮藤「怯えてなんていないよ。たぶん、リーネちゃんはペリーヌさんの事尊敬してたから
    守ってあげられなかったことを後悔してるんだと思う」

ペリーヌ「わたくしの記憶が戻らないせいで、リーネさんが…」

宮藤「ペリーヌさんが悪いんじゃないよ!
    悪いのはネウロイだもん。
    だからリーネちゃんにも早く元気になってほしいんだけど」

ペリーヌ「どうすれば、記憶が戻るのかしら…」

宮藤「ミーナ中佐は、時間をかければ治るって言ってたから大丈夫だよ。一緒にがんばろ?」

ペリーヌ「……はい、ありがとうございます、宮藤さん」
31名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:48:46.83 ID:B1wh8S1h0
〜〜夕方〜〜

エイラ「なんか、調子狂うんだよなー」

バルクホルン「ペリーヌの事か」

エイラ「大尉もか。
     なんていうか、アイツの顔であんなふうな態度に出られると面食らうんだよ」

バルクホルン「額に汗して洗濯物を懸命に運ぶペリーヌを見ることになるとは、まさか思わなかったからな…。
         いや、別に普段のペリーヌに不満があるわけではないが、あまりにもその、ありえないような姿でな…」

シャーリー「おいおい、酷い事いうなあ…ま、気持ちはわからないでもないけど。
       ルッキーニも、ずいぶんショックを受けてたみたいだし」

バルクホルン「記憶は、まだ戻らないようだな」

シャーリー「身体には、問題ないんだろ?」

エーリカ「魔法力も使えるみたいだしね」

シャーリー「ホントか?」

バルクホルン「本当だ。一応ミーナと坂本少佐にも伝えてある。
         とはいえ、この前の話の通りならば今の状態のペリーヌが戦線に復帰する可能性はあるまい」

エーリカ「飛べるだけのウィッチなんて、ただの的だもんね」

シャーリー「そもそもストライカーで飛べるかどうかも怪しいしな」
32名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:49:46.60 ID:B1wh8S1h0
エイラ「…っていうか、そうしたらアイツ、どうなるんだ?」

シャーリー「どうなるって…まあ、一応ここは最前線だからなあ。
       戦闘不能っていう状況が継続するようなら最悪、負傷者として後送されるだろうな」

エイラ「後送…って、身体はもう異常ないのに、かよ。
    でも、記憶が戻れば戻ってくるんだよな?」

シャーリー「それは、わたしに聞かれてもなんとも言えないけど」

バルクホルン「後送されてしまえばこちらからは手が出せなくなるからな。
         回復しても、最前線勤務が難しいと判断されれば、あるいはという事も…」

エイラ「なんだよ、はっきりしないな。
     お前らツンツンメガネが帰ってこなくてもいいのかよ」

バルクホルン「なっ…」

エーリカ「……」ジトー

シャーリー「おい」

エイラ「え?」

シャーリー「そんな風に考えてる奴がここにいるわけ、ないだろ」

エイラ「……ごめん」
33名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:51:40.30 ID:B1wh8S1h0
〜〜〜〜

ペリーヌ「これが、ストライカーユニットですの?」

ミーナ「え、ええそうよペリーヌさん…。
     でも、本当にやるの?」

ペリーヌ「是非ともお願いしたいのです、ミーナさん。
      以前のわたくしは、これにのって戦っていたのでしょう?」

ミーナ「ええ、それはそうなのだけれど…」

ペリーヌ「わたくし、なんとしても記憶を取り戻さなければなりません。
      記憶を失う前に空を飛んでいたのであれば、同じ事をすれば記憶が戻るかもしれません」

ミーナ「…わかったわ、やってみましょう」

ペリーヌ「ありがとうございます」

ミーナ「でも、気をつけてね。
     最初はストライカーについて学習するところから。
     飛ぶのは、もうちょっと慣れてからよ、いい?」

ペリーヌ「はい、ミーナさん」

ミーナ「じゃあ、ストライカーの基本に関する座学から始めます。まずは――」
34名も無き被検体774号+:2013/02/07(木) 00:54:00.15 ID:B1wh8S1h0
バルクホルン「ペリーヌのやつ、ミーナに頼んで飛ぶための訓練をしているようだな」

シャーリー「記憶戻ったのか?」

バルクホルン「それはまだらしい」

シャーリー「…そっか」

エーリカ「前のペリーヌだったら少佐に頼みそうなもんだけどな」

シャーリー「だな。本当に記憶がないんだなって、改めて思うよ」

バルクホルン「いや、少佐にも頼んだようだが、少佐が断ったらしい。
         しかし、これで飛べるようになったとしても、その先が問題だな」

エーリカ「あー、その問題もあったね。
      まさか私たちと一緒に戦えるわけないし、かといって飛べるんであれば
      軍としてはペリーヌを遊ばせておくわけにはいかなくなるよね」

シャーリー「それこそ、転属命令って可能性も出てくるのか」

エーリカ「これ、リスキーな賭けだね…これでペリーヌがなにか思い出してくれればいいんだけど」

バルクホルン「それにしても、ミーナもミーナだ。
         忙しい身だろうに、部下の訓練くらい、私を使えばいいだろうに」

シャーリー「…こういう事態だからな、中佐も人任せにしたくないんだろ。
       司令官だからこそな。頼られたいのはわかるけど、我慢しよう」

バルクホルン「うるさいな、リベリアン…わかってるさ」
35 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/07(木) 01:16:17.60 ID:ysBh5e1E0
36名も無き被検体774号+:2013/02/08(金) 00:05:44.93 ID:g1ca1VVq0
ho
37名も無き被検体774号+:2013/02/08(金) 18:00:40.19 ID:lIzdE9IG0
保守間隔ってどれくらいだ?
38 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/08(金) 18:16:16.38 ID:XNNWSNqU0
最近落ちやすいから半日に一回くらいがいいかと
39名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 04:27:37.01 ID:e9Jzo+WU0
〜〜数日後〜〜

ペリーヌ「…あ、そろそろ時間ですわ。
      宮藤さん、リーネさん。わたくし、失礼しますわね」

宮藤「ペリーヌさん、今日も飛ぶ練習?」

ペリーヌ「ええ。ミーナさんに空いたお時間をいただいてご教授いただいています」

宮藤「坂本さんは?」

ペリーヌ「坂本さんにもお願いをしたのですが、断られてしまって…」

宮藤「そーなんだ…坂本さんが訓練したいって言うのを断るなんて珍しいなあ」

ペリーヌ「きっとお忙しいのだと思います」

宮藤「うん、そうかもしれないね。
    …ね、リーネちゃん」

リーネ「……」

宮藤「リーネちゃん」

リーネ「…あ。ご、ごめん芳佳ちゃん、なあに?」

宮藤「…リーネちゃん」

ペリーヌ「……」
40名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 04:28:51.88 ID:e9Jzo+WU0
ペリーヌ「ミーナさん、よろしくお願い致します」

ミーナ「…最後にもう一度聞くけれど、本当にいいの?」

ペリーヌ「無論です。
      どうしてそのようなことをお聞きになるのですか?」

ミーナ「いちど飛んだら、着陸するまではずっと命のやりとりなのよ。
     空を飛ぶというのは確かに気持ちのいいことだけど、それだけじゃないの。
     どんな理由で墜落することになるか、わからないのよ」

ペリーヌ「確かに、みなさんが空をとぶのを見て憧れているのも本当ですけど、それだけじゃないんです」

ミーナ「わかってるわ、記憶を取り戻すため、よね。
     でも、例え飛んだとしても記憶が戻るとは限らないわ」

ペリーヌ「だからといって、日々をただ漫然と過ごすなんてできません!」

ペリーヌ「お友達が…いえ、わたくしは覚えていないのですが、わたくしのお友達のはずの人が
      わたくしの記憶が戻らないせいでつらい思いをしているのです」

ミーナ「……ふぅ。わかったわ。意志は堅いようね」

ペリーヌ「はい」

ミーナ「それじゃあ、一緒に飛びましょう。空ではわたしの後ろを離れないで」

ペリーヌ「わかりました!」

ミーナ「では、エンジン始動――」
41名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 04:30:43.51 ID:e9Jzo+WU0
〜〜夜〜〜

ペリーヌ「ふぅ、今日は疲れました。
      でも、空を飛ぶのって気持ちいいのね。
      …って、いけませんわ、あくまで、記憶を戻すために練習しているのですから…でも」かぁぁ

ペリーヌ「ほぅ……もう夜も遅いけど、興奮してしまってすぐには眠れなさそう。
      ちょっとだけお散歩させてもらおうかしら…」

すたすた

サーニャ「…あ、ペリーヌさん」

ペリーヌ「あ、リトヴャクさん、こんばんは」

サーニャ「サーニャ、でいいですよ。ペリーヌさん。こんばんわ」

ペリーヌ「はい、サーニャさん。
      …それにしても、こんな時間にどうしたのです?」

サーニャ「わたし、これから夜間哨戒だからハンガーに行くの」

ペリーヌ「こんな夜遅くからですの?
      …そうですわね、皆さんは戦争をされているんですものね。ごめんなさい」

サーニャ「そんな、謝らないで。
      ケガをするまえは、ペリーヌさんだって戦ってたんですよ」

ペリーヌ「ええ…そう聞いていますけど、未だに思い出せませんの。
      皆さんにもご迷惑をおかけして…」
42名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 04:33:00.76 ID:e9Jzo+WU0
サーニャ「だれも、迷惑なんて思ってないと思います」

ペリーヌ「そうかしら…」

サーニャ「うん。
      ……ねえペリーヌさん、今日、ストライカーで飛んだって聞いたけど、危ないわ。
      ペリーヌさんは、ムリしないで」

ペリーヌ「サーニャさん…」

サーニャ「みんな、心配しているから…」

ペリーヌ「ありがとう、サーニャさん。
      練習はしますけど、今後は無理はしないようにします」

サーニャ「…うん。
      じゃあ、わたしいく」

ペリーヌ「はい、頑張ってくださいサーニャさん」

サーニャ「……」こくり

すたすた




サーニャ「…エイラも、心配してるから」ボソッ
43名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 04:39:06.18 ID:e9Jzo+WU0
エイラ「へっくしょん!」

エイラ「ずびび。
     うえー、なんだよもー、だれかわたしのうわさ話でもしてんのかな?
     ま、そんな事より、なんか眠くならないし、どうせなら今のうちに
     サーニャが帰ってきた時のために食堂からなにか甘いものでも見繕ってこようかな」

???「………………」
         「………………」???

エイラ「ん?
     なんか話し声が聞こえるけど、こんな時間に誰だ?」

エイラ「あれは、坂本少佐にミーナ中佐か。こんな時間に何を話してんのかな?」

〜〜〜〜
44名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 06:27:05.59 ID:e9Jzo+WU0
坂本「ペリーヌを、飛ばしているそうだな」

ミーナ「ペリーヌさん自身が、そう強く望んだからよ」

坂本「止めようと思えばできたはずだ。
    少なくとも私は教えなかった」

ミーナ「……」

坂本「危険だとは思わなかったのか。
    素人にストライカーを履かせるなんて」

ミーナ「ペリーヌさんは素人じゃない。
     記憶は失ってても、優秀なウィッチであることに変わりはないわ」

坂本「しかし!」

ミーナ「出発前の準備は細心の注意を払ったし、空では常に私がついていたもの。
     だいいち、仮にひとりで飛べるようになったとしても、記憶が戻らないまま戦場にだすなんて事はしないわよ。
     せめて、記憶を取り戻す手助けになれば…わたしが考えているのはそれだけよ」

坂本「だが、事を焦りすぎて事故でも起こしたらどうするんだ?
    今のペリーヌは緊急脱出すらおぼつかないはずだぞ」

ミーナ「美緒もわかってるはずよ。もう時間がないの」

坂本「そんな理由で」

ミーナ「そんな理由ですって!?
     こっちの時間稼ぎに対して、ガリア政府はついに強攻策に出てきたのよ」
45名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 06:28:41.10 ID:e9Jzo+WU0
坂本「…まさか、ほかの統合戦闘航空団からガリアウィッチの引き上げさえ考えている、などと。
    ウィッチを負傷したまま飼い殺しにするような軍に、我が国の大切なウィッチを預けられないだのと屁理屈をまいて…
    だが無論、向こうも本気でそんな事をするつもりはないはずだ」

ミーナ「もちろん、本気なはずがない、ただのブラフよ。
     それにしたって連合軍に戦力を提供している一国家が、そんな発言をするだけでも大問題よ。
     それでも、普通なら、そんな発言はガリアの品格を下げるだけのはずだったけれど…」

坂本「だが、今回のケースでは、いやペリーヌは普通ではなかった。
    他の国の連中にまで”最悪の場合、本当にやるのでは”と思われてしまうとは思わなかったな。
    私たち501だけで収まる問題ならともかく、他の戦闘航空団まで巻き込むわけにはいかない…」

ミーナ「正直、ペリーヌさんの政治的価値を過小評価していたわ…いえ、政治的価値しか見ていなかった事自体が誤りだった。
     でも、よくよく考えてみたらガリア側の反応は当然よね。
     彼女は、ガリア人にとっては祖国を解放した部隊の、唯一の自国民だから…純粋に、死なせたくないって気持ちもあるのよね。
     解放からまだほどないという事もあって、軍内部の情勢はガリア側に同情的よ」

坂本「理由はともかく、飛行不能になったウィッチは負傷兵扱いだ。
    我々としても、いつまでも最前線に留めているのは逆に不自然だという主張には反論できない、か」

ミーナ「……!」

ミーナ「ねえ美緒、いえ坂本少佐、誤解していたら大変だから、正直に言ってちょうだい。
     あなた、ひょっとしてペリーヌさんがこのままガリアに戻ったほうがいいと思っているの?」

坂本「…身勝手かもしれないが、あるいは、それがペリーヌの幸福なのかもしれない、とは思っている」

がたたん!

坂本「! 誰だ!?」
46名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 06:30:04.13 ID:e9Jzo+WU0
ミーナ「…どう、美緒?」

坂本「……いない。逃げられたようだ」

ミーナ「そう。
     無用心だったわね」

坂本「魔法を使わないのか?」

ミーナ「え?」

坂本「お前の固有魔法なら、今逃げたのが誰なのかくらいはわかるだろう」

ミーナ「…仲間に対して魔法を使いたくはないわ。
     それに、聞き耳をたてていたのが誰かわかったところで、どうするの?」

坂本「それは…まあ、そうだな」

ミーナ「とにかく、あなたの気持ちはわかりました、坂本少佐。
     でも、どちらにしてもペリーヌさん次第なのだし、今これ場で議論を重ねても時間の無駄ね」

坂本「そのようだ。
    この問題については、今のところはお互い良かれと思うことを為すしかないようだな」

ミーナ「……じゃあ、私はいくわ。おやすみなさい、美緒」すたすた



坂本「仲間に対して、か…聞いていたのが”仲間の誰か”だとわかっている、と告白しているようなものじゃないか。
    ミーナらしくもないミスだな。あいつも、迷っているのか…」
47名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 06:31:19.91 ID:e9Jzo+WU0
はぁ、はぁ

エイラ「……」

はぁ、はぁ、はっ

エイラ「……っ!
     げほ、げほげほっ」

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ

エイラ「あっ」こけっ

どたっ

エイラ「……メガネが」


エイラ「…ペリーヌが、いなくなる?」

エイラ「…………」

エイラ「――ダメだ!
     そんなの、ダメだ!」

エイラ「坂本少佐までアイツを見捨てるなんて…。
     わたしが、わたしがなんとかしなきゃ」

エイラ「…わたしが!」
48名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 06:33:41.70 ID:e9Jzo+WU0
〜〜翌日〜〜

エイラ「うーん…なんとかしなきゃとは思ったけど、なんとかするっていったって
     いったい何をどーすればいいんだろーな」

バルクホルン「そんなところでうんうんと唸って、どうしたんだエイラ。腹でも壊したか?」

エイラ「ん、なんだ大尉か。
     ちょっと考え事してるだけだって」

バルクホルン「お前が考え事だなんて珍しい、まさか悪巧みでも企てているんじゃないだろうな」

エイラ「さっきから何気に失礼だな…」

バルクホルン「そんな事より、いったい何をそんなに深刻そうに考えているんだ?」

エイラ「いや、ツンツン…いや、もうツンツンしてねーから、ただのメガネなんだけどさ」

バルクホルン「ペリーヌの事か…しかし、身体は無事治ったのだからまずは一段落というところか。
         記憶については何ができるわけでもないし、時間をかけて待つしかないだろう」

エイラ「そんなノンキに待ってる時間なんかねーんだってのに…」

バルクホルン「ん、何か言ったか?」

エイラ「うげ、なんでもねーよ。じゃ、じゃあな大尉」すたこらさっさ



バルクホルン「…なんだ、ヘンな奴だな。まあエイラがヘンなのはいつものことか」
49名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:37:18.58 ID:e9Jzo+WU0
エイラ「…思わず大尉からは逃げちゃったけど、考えてみたら
     誰かに相談したほうがいいのかもしんないな」

エイラ「でも、こんな事を相談できるようなヤツがここにいるのかな。
     ヘタに適当な相手に相談したら大事になりそうだしなー」

シャーリー「よー、どうしたエイラ、そんなところでうんうん唸って。腹でもぶっ壊したか?」

エイラ「シャーリーか。ちょっと考え事してるだけだって」

シャーリー「ふーん、エイラが考え事なんてなあ。こりゃ雨でも降るかな」

エイラ「なんかさっきからどいつもこいつも失礼だな、わたしをなんだと思ってんだ。
     でも、こいつなら意外とマジメに聞いてくれそうな気がするな…」

シャーリー「ん、なんだ?」

エイラ「なあ、もしわたしに悩み事があるとして、いや、別に悩み事なんかないんだぞ!
     もしもの話だかんな」

シャーリー「?」

エイラ「いや、まあ…もし仮に、わたしがオマエに相談したい事があるって言ったら、笑わないか?」

シャーリー「…なんかよくわからないけど、あたしでよかったら相談してくれよ。
       つまんない遠慮なんかするなよ、仲間だろ」

エイラ「おー、シャーリー!
     オマエって、実はいいヤツだったんだな」
50名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:38:50.63 ID:e9Jzo+WU0
エイラ「…こほん。
    なあ、シャーリー。他のヤツにはナイショの話があるんだけどさ…」

ルッキーニ「どんな話?」

エイラ「それが、中佐たちが話してたんだけど、実はペリーヌのやつ…って!?
     しまったー、シャーリーのそばにはコイツがいたんだった!」

シャーリー「ペリーヌがどうかしたのか?」

エイラ「な、なんでもない!
    まったくぜんぜん、なんでもないぞ」

エイラ「じゃ、じゃあわたしはこれで」すたこらさっさ

シャーリー「あ、おい!」

ルッキーニ「行っちゃった」

シャーリー「なんだったんだろうなあ」

ルッキーニ「ひょっとして、エイラ、シャーリーとふたりで話したかったのかな?」

シャーリー「いやいや、ルッキーニは最初からいたじゃんか。
       もしルッキーニに気づいてなかったんなら、あいつ、いったいドコに目付けてんだろうな」

ルッキーニ「シャーリーのおっぱいしか見てなかったんじゃない?」つんつん

シャーリー「あはははは!
       ま、目立つから仕方ないな」ゆっさゆっさ
51名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:42:03.77 ID:e9Jzo+WU0
シャーリー「しかし…中佐たちがペリーヌをどうこう、とか言ってたけどよくわかんないな」

ルッキーニ「ね」

シャーリー「ナイショの話って言ってたから、ひょっとしたらなんか大事な話だったのかなあ。
       ま、エイラも行っちまったし、考えてもしょうがないか」

ペリーヌ「わたくしがどうかしましたか?」

ルッキーニ「うにゃ!」

シャーリー「おおっと。
       ようペリーヌ。いつからいたんだ?」

ペリーヌ「こんにちは。あの、たまたまいま通りかかっただけなのですけど…。
      それより、わたくしがなにか?」

シャーリー「いや、なんでもないんだ、気にしないでくれ」

ペリーヌ「わかりました」

シャーリー「…って、おいルッキーニ、なんであたしの後ろに隠れてんだ?」

ルッキーニ「か、隠れてなんかないよぉ!」もじもじ

シャーリー「な、なんだよ。そういうの、ルッキーニらしくないぞ。
       ちゃんと人に会ったらあいさつ、いつものルッキーニなら出来てることだろ?」
52名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:43:44.75 ID:e9Jzo+WU0
ルッキーニ「うにゃ…別になんでもないもん」

シャーリー「やれやれ…。
       すまん、ペリーヌ。ルッキーニのやつ、たぶん悪気はないと思うんだ」

ペリーヌ「いえ、気にしていませんわ。
      …きっと、ルッキーニさんもいまのわたくしに戸惑っていらっしゃるんだと思います」

シャーリー「え?」

ペリーヌ「実は、リーネさんにも、避けられてしまっていて…。
      わたくしの友達だった方だって宮藤さんが教えて下さったので、仲良くしたいんですけれど
      わたくしを見るときのあの竦んだような、悲しそうな顔を見てしまうと、話しかけるのも憚られてしまって」

ルッキーニ「ぺりーぬ…」

ペリーヌ「みなさん、とてもよくしてくださって感謝の言葉もないとは思っているんです。
      でも、最近はなんとなくわかるんです。皆さんがわたくしの後ろに、以前のわたくしを見ているのだと。
      わたくしの知らない、ペリーヌ・クロステルマンという人の事を…」

ペリーヌ「やっぱり、記憶をなくしたままの今のわたくしではみなさんに近づく資格は、ないのかもしれません」

シャーリー「いや、そんな事は…」

ルッキーニ「そんな事ないよ!!」

ペリーヌ「!」
53名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:46:48.21 ID:e9Jzo+WU0
シャーリー「る、ルッキーニ?」

ルッキーニ「ぜったい、そんな事ない!
        だって、ペリーヌはペリーヌだもん」

ペリーヌ「ルッキーニさん…?」

ルッキーニ「――ごめんね、ペリーヌ。
        あたし、ホントは最初、ペリーヌの事怖かった。
        だって、今のペリーヌはあたしの知ってるペリーヌじゃないし…」

シャーリー「お、おいおい…」

ルッキーニ「でも、でもね!
        この前、ペリーヌが中佐に勉強教えてもらってるところとか、
        中佐と飛んでるところを見てて、わかったんだ。
        なんか、うまくちゃんと言えないけど、ペリーヌはペリーヌなんだって」

ルッキーニ「今でも、ホントはちょっとだけ恐いけど、でもそれでもペリーヌはペリーヌだもん」

ペリーヌ「わたくしが、ペリーヌ・クロステルマン…」

ルッキーニ「そーだよ!
        だから、だから……うじゅ、うー」

シャーリー「頑張ったな、ルッキーニ…(なでなで)。あたしもそう思うよ、ペリーヌ。
       今の君には、あたしたちの知ってるペリーヌとは違う部分もあるけど、同じ部分もある。
       努力家なところとか、ナイーブなところとかね」

シャーリー「それに、そのご丁寧な話し言葉も、やっぱりあたしたちの知ってるペリーヌのものだよ」
54名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:48:54.53 ID:e9Jzo+WU0
〜〜〜〜
エイラ「…駄目だ、誰にも相談できない」

エイラ「やっぱりもう一度バルクホルン大尉に…駄目だ、大尉は隠し事なんかできそうな性格じゃないし、
    絶対にみんなにバレる。基地中大騒ぎになるぞ」

エーリカ「そりゃすごい、どんな隠し事なんだい」

エイラ「いや、実はペリーヌがガリアに…って、でたー黒い悪魔!」

エーリカ「そっちが自分でここまで歩いてきたくせによくいうよ」

エイラ「あれれ、いつの間にか大尉たちの部屋の前にいたのか?
     大尉の事考えてたせいかな」

エーリカ「トゥルーデがどうかしたの?」

エイラ「い、いや、なんでもない。それじゃわたしはこれで」すたこら

エーリカ「ちょっと待った」がしっ

エイラ「うわ、中尉、手ぇ掴まないでくれよ!」

エーリカ「ペリーヌが、なんだって?」

エイラ「…………いや、その」

エーリカ「興味あるね」

エイラ「う、ううう…!」
55名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 15:51:20.85 ID:e9Jzo+WU0
エイラ「ぎゃあああ」

どたんばたん
どんがらがっしゃーん


サーニャ「……?」

サーニャ「ハルトマンさん、エイラを部屋に連れ込むなんて。めずらしい…」

宮藤「あ、サーニャちゃん。
    こんなところでどうしたの?」

サーニャ「…芳佳ちゃん」

サーニャ「……」

宮藤「?」

サーニャ「おなか、へった」

宮藤「あはは。
    じゃあ、食堂で軽くなにか食べようか」

サーニャ「うん」
56名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 18:28:08.80 ID:zkrRd8m/0
保守
ペリーヌの記憶が戻るまで保守するぞ
57保守d。休み中までにはなんとか過去分取り戻したいから頑張る:2013/02/09(土) 20:09:26.85 ID:e9Jzo+WU0
宮藤「あんまり材料がないから簡単なものしかなくてごめんねー」もぐもぐ

サーニャ「ううん、おいしい」もぐもぐ

もぐもぐ

……
「ごちそうさま」「ごちそーさまあ」

宮藤「サーニャちゃんがこんな時間から起きだしてるなんてちょっと珍しいよね」

サーニャ「起きたらエイラがいなくて、ハルトマンさんのところにでも行こうと思ったの」

宮藤「あ、そうだったんだ。ひょっとしてさっき邪魔しちゃった?」

サーニャ「ううん、だいじょうぶ」

サーニャ「芳佳ちゃんは、このあとどうするの?」

宮藤「どうしようかなー。
    お洗濯取り込んで、晩御飯の下ごしらえして…」

サーニャ「ふふ。芳佳ちゃんって、お母さんみたいね」

宮藤「あはは、そうかなー」

サーニャ「うん。
      …そうだ、お茶淹れようと思うんだけど、のむ?」

宮藤「うん、ありがとう」
58名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 20:16:41.84 ID:e9Jzo+WU0
サーニャ「……はい」かちゃ

宮藤「わあ、ありがとう」

サーニャ「リーネさんが淹れるのほど、美味しくないと思う」

宮藤「ううん、そんな事ないよ。
    リーネちゃんのと違ってちょっと苦くてオトナの味って感じ」

サーニャ「ふふ…ありがとう」

サーニャ「…あ。
      そういえば、リーネさんは?」

宮藤「あ…うん、お部屋にいるよ」

サーニャ「どうしたの、ひょっとして風邪でも引いてるの?」

宮藤「そういうことじゃないよ、大丈夫」

サーニャ「…ペリーヌさんの、こと?」

宮藤「うん」

サーニャ「心配ね」

宮藤「…うん」
59名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 20:20:38.40 ID:e9Jzo+WU0
〜〜〜〜
エーリカ「ミーナと少佐が、そんな事を…」

エイラ「くそ、酷いじゃないか!
     洗いざらい吐かせるなんて」

エーリカ「こんな重大なことを一人だけでナイショにしてたエイラのほうが酷いと思うけど?」

エイラ「うっ…いや、わたしだって誰かに相談しようと思ってたんだよー!」

エーリカ「なら、わたしに相談できてよかったじゃん」

エイラ「いや、なんか考えてたのと違うんだよなー…」

エーリカ「わたしも、実は気になってるんだよね、ペリーヌのこと」

エイラ「え?」

エーリカ「記憶喪失って――医学的には健忘っていうんだけど――まぁ原因にもよるんだけど、ペリーヌの場合、
      仮に頭を打ったとしてもケガも治ったし、脳に物理的に障害を負ったってわけじゃあない。
      その場合、普通は時間を追って少しづつ記憶が戻ってくるのが一般的なんだよね」

エイラ「そうなのか?」

エーリカ「もちろん、必ずってわけじゃないけど、医学的に考えた場合、
      過去の症例っていうのはやっぱりそれなりに参考になるんだよ」

エイラ「へー…」
60名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 20:25:21.92 ID:e9Jzo+WU0
エーリカ「でもね。
      ペリーヌの場合、事故後からほとんど記憶の回復がないわけじゃん」

エイラ「うん」

エーリカ「しかも、ペリーヌの記憶喪失にはネウロイが絡んでる」

エイラ「絡んでるっていうか…ま、ネウロイに撃墜されてああなったっていう意味では、そーだな」

エーリカ「…まだ気づかない?」

エイラ「うん?」

エーリカ「鈍いなあ、前にエイラが自分で言ったんじゃないか。
      エイラの国のスオムスの義勇飛行中隊に、記憶喪失のウィッチが転属してきたって話」

エイラ「そーいえば、そんな話したな」

エーリカ「エイラに話したかどうか憶えてないけど、実は私の妹のウルスラも、前に
      そのスオムス義勇飛行中隊にいた事があるんだ」

エイラ「それが、ペリーヌの事とどうつながるんだ?」

エーリカ「…この件、ひょっとしたらネウロイが絡んでるかも知れないって事」

エイラ「ね、ネウロイが!?」
61名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 20:26:50.50 ID:e9Jzo+WU0
エーリカ「前に、ウルスラから聞いたことがあるんだよ。
      記憶喪失したウィッチがウルスラたちの中隊に来た時の事」

エーリカ「よく憶えてないんだけど、そのウィッチの場合
      記憶喪失にネウロイが関わってたらしい、っていう話だった」

エイラ「スオムスでそんな事があったなんて聞いてないぞ」

エーリカ「当時ではトップレベルの機密扱いって話だったからね。
      トゥルーデも知らないはずだし、知っているとしたらミーナと少佐くらいのものじゃないかな」

エイラ「で、具体的にはどーいう事なんだ?」

エーリカ「忘れた」

エイラ「おい!
     それじゃ意味ないだろ!」

エーリカ「うるさいなー。
      だから、もうすでにウルスラへはもういちど細かいこと教えてくれって手紙送ってるって」

エイラ「そ、そーか」

エーリカ「ま、航空便ならそれほど時間はかかんないはずだから、もうちょっと待っててよ。
      返事の内容によっては、ペリーヌを治す役にも立つんじゃないかな」

エイラ「そーかぁ…ハルトマン中尉、ありがとな」

エーリカ「どーいたしまして。
      …って言っても、あくまでひとつの可能性だから、絶対にこれでどうにかなるとも限らないけどね」
62名も無き被検体774号+:2013/02/09(土) 20:27:49.24 ID:e9Jzo+WU0
エイラ「でも、機密の情報なんて手紙でやり取りしたら検閲されちゃうんじゃないのか?」

エーリカ「そこらへんは姉妹の知恵だよ。
      軍にナイショで情報をやり取りする方法くらいいくらでもあるんだ」

エイラ「すごいもんだな」

エーリカ「ウルスラはいまじゃ軍の兵器開発局にいるからね。
      あそこはすっごい検閲がピリピリしてんだよな。
      そのせいもあって、いろいろやりかたを考えなきゃいけなかったってわけ」

エイラ「ふ、ふーん…」

エーリカ「…しかし、最近のエイラはえらくペリーヌを気にかけてるよね。
      さーにゃんが嫉妬しても知らないよ?」

エイラ「さ、サーニャは関係ないって!
     だいたい、わたしとツンツンメガネはそーいうアレじゃ…」

エーリカ「はいはい、そーだよね」

エイラ「…ただ、なんていうか、アイツがああいう状態だと背中がカユくなるんだよ。
     さっさといつものツンツンメガネに戻ればいいんだ」

エーリカ「ま、いつもきーきーうるさいのが急に静かになっちゃうと、なんとなく気になるよね」

エイラ「そ、そうそう!」

エーリカ「…にしし」
63名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 02:48:33.86 ID:6AyTAeME0
ほし
64名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 16:14:33.35 ID:IMyNKowd0
〜〜夜、食堂〜〜

宮藤「ミーナ隊長、晩御飯の準備できました」

ミーナ「ありがとう宮藤さん。
     それじゃあみなさん、いただきます」
                      「「「 いただきます! 」」」

バルクホルン「おい、リベリアン」

シャーリー「なんだよ、バルク(ずぞぞぞっ」

バルクホルン「なんで、お前がわたしの隣にいるんだ。
         いつも隣にいる相方はどうした」

シャーリー「あっちにいるじゃんか」


ペリーヌ「はふ、はふ……おいしいですわねこのパスタ」

ルッキーニ「今日のはパスタじゃなくてうろん、っていうんだよ」

宮藤「ルッキーニちゃん、それをいうならうどん、だよ。
    それよりペリーヌさん、おうどんを食べるんならそういう風に
    ちょこちょこ食べるんじゃなくて、こう、ずずっと啜ったほうがおいしいよ」ずるるる

ペリーヌ「え、ええっと、こうかしら。ずずず…ふぐっ」

ルッキーニ「うにゃ、詰まった!
        芳佳、お水お水!」
65名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 17:57:08.29 ID:IMyNKowd0
バルクホルン「ルッキーニ少尉は、今日はペリーヌの隣か…ずいぶんと親しくなっているようだが、何があった?」

シャーリー「ルッキーニだって、今日まで自分の気持ちを整理しようと頑張ってた、その成果って事さ。
       それに、あいつは人が悲しい顔してたらほっとけないヤツだからな」

シャーリー「それより、そっちの相方も今日はあっちにいるじゃないか。
       どうしたんだよ、また部屋の掃除の事で喧嘩でもしたのか?」

バルクホルン「部屋のことは放っておいてくれ。
         ハルトマンについてはよくわからん、エイラと何やら話し込んでたみたいだが、
         私が部屋に入ったら急に声を潜めたからな」

シャーリー「確かにエイラとなんかやってんな。
       珍しい組み合わせだな」

バルクホルン「今もふたりでひそひそやってるが、なにを企んでいるのやら」

シャーリー「あはははは!
       なんだ、あたしたちお互いいつもの相手に振られた組ってわけか」

バルクホルン「振られただなどと、くだらん」

シャーリー「なんだよぅ、バルクホルンだってホントは寂しいんだろ〜?
       あたし実はちょー寂しいんだよぅ、かまってくれよーぅ」ずりずり

バルクホルン「ええい、わざとらしくすり寄るなリベリアン!
         おまえみたいな寂しがり屋がいてたまるか!」
66名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 17:57:44.05 ID:IMyNKowd0
サーニャ「……」じー…

バルクホルン「そ、そういえば今日はサーニャも私の隣にいたんだったな。
         この不埒なリベリアンになにか言ってやってくれ」

サーニャ「…仲がいいことは、いいこと」にこ

バルクホルン「だ、断じてそんなものではなーい!」

シャーリー「いいぞサーニャ、ナイスフォロー!」

サーニャ「……」こくり

シャーリー「でも、エイラが隣にいないと、サーニャもちょっともの足りないんじゃないか?」

サーニャ「……。
      エイラに友達ができることはいいことだし、いい」

シャーリー「そっかそっか。強いな、サーニャは」

サーニャ「そんなのじゃない…です」

バルクホルン「まったく、サーニャのようないたいけな少女をからかうものではないぞ。
         サーニャ、何かあったらわたしに相談するといい」

サーニャ「?
      …はい、大尉。ありがとう」

シャーリー「はは、噛み合ってないのに噛み合ってるな」
67名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 17:58:26.89 ID:IMyNKowd0
サーニャ「でも、わたしよりも、リーネさんのほうが心配」

シャーリー「リーネか。
       今日はとうとう飯にも来なくなっちまったな」

バルクホルン「体調不良という申告があっただろう。
         無理に食事に引きずり出しても仕方あるまい」

シャーリー「そんな単純なもんならいいけどな」

バルクホルン「まさか、仮病だとでもいうのか?
         あの真面目なリーネに限って、ありえん」

シャーリー「そーいう事じゃねーって」

シャーリー「あーあ、お前って、悪いやつじゃないけど鈍いよな」

バルクホルン「……リネット曹長が、ペリーヌの事で自分を責めているのは理解している」

シャーリー「ん?」

バルクホルン「大切なものを失いそうになった時の気持ちは、わかっているつもりだ。
         私自身、そのために戦いに命を投げ棄てようとしていた時期もある」

バルクホルン「あの日、クリスの姉、ゲルトルート・バルクホルンという人間は死んだのだと。
         いまここにいるのは、ただネウロイを滅ぼすための魔女なのだと、そう思っていた」

シャーリー「バルクホルン…」

バルクホルン「もちろん、昔の話だ」
68名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 18:01:05.59 ID:IMyNKowd0
バルクホルン「あの頃の私は、ある意味で戦場に救いを求めていたんだろう。
         リーネが、自分の殻にこもっているのなら、
         それがリーネなりの戦いでもあり、自分の救い方なんだろう、と思う」

サーニャ「……」

バルクホルン「だから、今のリーネが部屋から出て来られないというなら、それは仮病ではない。
         もちろん、ずっとその状態が続くようならいずれは問題になるかもしれないが、今は、まだ見守るべきだ」

バルクホルン「しょ、食事時にする話ではなかったな。すまん」

シャーリー「……おい、今夜あたしの部屋で一緒に呑もうぜ」がしっ

バルクホルン「は、はァ!? な、なんでいきなりそうなる!」

シャーリー「いいだろ別に。なんかお前と呑みたくなったんだよ。
       せっかくだしサーニャも来いよ、今夜は休んでもいいんだろ」

サーニャ「はい」こくり

バルクホルン「ば、馬鹿者め、サーニャはまだ未成年だぞ!
         それに私はまだ19だ、我がカールスラントの法律では18歳から20歳までは保護者がいなくては酒は…」

シャーリー「あたしがママをやってやるよ、お姉ちゃん。サーニャのためにジュースも用意してやるさ。
       だいたいウィッチなら未成年もへったくれもねーって」(いらんこ話)

バルクホルン「くっ、傍若無人なリベリアンめ。
         ……明日の任務に障らない程度だぞ、わかっているだろうな!」

シャーリー「はーいはい。あはははは!」
69名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 18:01:41.16 ID:IMyNKowd0
ミーナ「みんな、だいぶこの状態にも慣れてきたみたいね。
     戸惑っている部分もまだあるけれど、受け入れようと頑張ってるわ」

坂本「そうだな。
    一人が戦闘不能になった分、個々への負担も増えているというのに。
    わたしたちは何もできなかったが、みんな強かなものだよ」

坂本「それとミーナ、今日の昼の飛行、見させてもらった。
    昨日と比べると、ペリーヌのストライカーの扱いが上達しているようで驚いている」

ミーナ「あら、見ていたのね」

坂本「そりゃ、気になるからな。
    だが、私の心配は杞憂だったようだな。
    昨日初めて飛んだというふうには思えん」

ミーナ「やっぱり、思い出せはしなくても潜在的に蓄積されているものはあるのね。
     座学でもどんどん知識を吸い込んでいくし、やっぱりウィッチとして資質は失われてないわね」

ミーナ「でも、やっぱり今のあの娘には武器は持たせられないわ」

坂本「そうか」

ミーナ「ええ」

ミーナ「いまこうして朗らかに笑っているペリーヌさんを見ていると、
     昨日のあなたの気持ちも、わかる気がするわ。
     戦わないで済むのなら、そのほうがいいもの」

坂本「……」
70名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 18:03:29.95 ID:IMyNKowd0
ミーナ「……どうしたの?」

坂本「そうではないんだよ、ミーナ」

ミーナ「え?」

坂本「済まない、私は行かせてもらう」がたっ

ミーナ「ちょ、少佐…美緒!」

坂本「……辛いんだ」

ミーナ「え?
     少佐、いま何て…」

シャーリー「ミーナ中佐ミーナ中佐!
       今夜この堅物と飲むんだけど許可くださいよ!
       こいつ、ミーナ中佐の許可がないとダメとか言い出して…」

ミーナ「ちょ、シャーリーさん!
     わかった、わかりました許可します!」

シャーリー「ひゃっほーい!」

ミーナ「ふぅ…ねえ少佐、今何を…。
     いない」

ミーナ「…どうしたのよ、美緒」
71名も無き被検体774号+:2013/02/10(日) 21:42:16.09 ID:IMyNKowd0
出かけるはめに。明日の夕方までスレをお願いします。

明日中に過去投下まで全部埋めて、次の2,3日後には投下出来ると思うけど
さすがに過去分の戻しばかりで最近想像力が枯渇してきたから
なんかお題くだされ。短編書く。
72 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/10(日) 22:34:01.38 ID:t+bTVdrp0
温泉!!
アニメでもあったけど、ペリーヌの記憶がないことでどうなるのか

あ、無理ならスルーで
73名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 02:26:56.31 ID:YMJSU+9A0
ho
74名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 09:02:41.84 ID:kjKqu44S0
納豆が食卓に出てきた時のペリーヌの反応!
75名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 11:34:22.59 ID:YMJSU+9A0
>>74をみてみたいな
76名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 17:44:21.63 ID:OUM1HEjvP
C
77名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:34:33.88 ID:4qBMA7K40
〜〜ある日の戦場〜〜

坂本「敵コアを確認、バルクホルン隊突撃!」

バルクホルン「了解。いくぞハルトマン」

エーリカ「ひょひょーいっと、了解」

ドガガガガ…ババン、ドーン!

ミーナ「攻撃成果を確認。後衛のシャーリー隊、とどめを刺して。
     リーネさん、牽制射撃お願い」

リーネ「了解」

シャーリー「いっくぞー、ルッキーニ!」

ルッキーニ「うん、シャーリー!」

ガガガ、ドドン
       パーン!

坂本「コアの破壊を確認、みんなよくやった」
78保守ありがとん:2013/02/11(月) 19:35:17.62 ID:4qBMA7K40
ミーナ「戦闘終了、全機帰投しましょう」

ドンッ! ドンッ!

リーネ「……」

ミーナ「…リーネさん?」

リーネ「……」ドンッ! ドンッ!

エーリカ「なに、やってんだ?」

シャーリー「ネウロイを、撃ってるんだろうけど……もう、なあ」

バルクホルン「すでに敵コアは崩壊しているというのに、なにをやっているんだ。
         おい、リーネ聞こえなかったのか、戦闘終了だ!」

リーネ「……」ドンッ! ドンッ!

バルクホルン「リネット・ビショップ曹長!」

リーネ「…了解」




リーネ「……ネウロイ…!」
79名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:36:44.46 ID:4qBMA7K40
〜〜宮藤リーネペリーヌの部屋〜〜

がちゃ
リーネ「ただいま、芳佳ちゃん」

宮藤「お帰りリーネちゃん。出撃お疲れ様。
    大丈夫、ケガとかない?」

リーネ「だいじょうぶ。ありがとう芳佳ちゃん」

宮藤「そっか、よかったあ」

宮藤「…あ、そうだリーネちゃん、私これからお洗濯を取り込んでくるんだけど
    もし良かったらその後お茶でもしない?
    今日は私が扶桑のお茶を…」

リーネ「ごめんね、芳佳ちゃん。
     疲れてるから、また……」ベットにぼすん

宮藤「あ、そうだよね、ごめんね」

宮藤「それじゃ、わたし行ってくるからね。
    今日は晩御飯、一緒に食べよう、ね?」

リーネ「……」

宮藤「…いってくるね」
80名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:37:23.75 ID:4qBMA7K40
宮藤「ふぅ、これでおしまい」ぽんぽん

宮藤「やっぱり一人でやると時間がかかるな…。
    ううん、こんな事言ってちゃリーネちゃんに悪いよね。
    きっとリーネちゃんが一番辛いんだもん」

宮藤「…これからどうしようかな」

坂本「おお、宮藤。こんなところで何をしている?」

宮藤「あ、坂本さん。
    いまお洗濯を取り込んだところですよ」

坂本「そうか、ご苦労…この量をひとりでか?」

宮藤「え、ええ…でもこれくらいの量なら一人でもへっちゃらです」

坂本「そうか。
    ところで、この後何か予定はあるか?」

宮藤「えっ!
    あ、あの…特には、ないです、けど…」
    (ひ、ひょっとして訓練かな…)

坂本「そうか。
    …あー、うん。まあ、それならゆっくり休め。ではな」すたすた


宮藤「あれ、訓練じゃない。
    …坂本さん、珍しいな」
81名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:39:52.51 ID:4qBMA7K40
宮藤「ひとりでお茶なんか飲んでも退屈だし、どうしようかな」

ぶぉろろろろろ……

宮藤「あれ、ストライカーのエンジン音が聞こえる…上?」

ペリーヌ「宮藤さん、こんにちは」

宮藤「わ、ペリーヌさん!
    飛んでたのペリーヌさんだったんですか」

ペリーヌ「ふふ、はい、わたくしですわ」

ミーナ「ちょ、ペリーヌさん!
     こんな低空を飛ぶなんて危ないわよ」

ペリーヌ「あっすみませんミーナさん!
      宮藤さんの姿が見えたので、つい」

ミーナ「まったくもう…宮藤さん、驚かせてしまってごめんなさい」

宮藤「い、いいえ!」

ミーナ「じゃあ、戻りましょう、ペリーヌさん」

ペリーヌ「はい」

ぶぉーん…

宮藤「…ペリーヌさん、うまいなあ。すごい」
82名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:40:29.21 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜

エイラ「ペリーヌのやつ、どんどんうまくなってるな」

エーリカ「そーだね、少なくとも技量的にはもう宮藤と同じくらいのところまで来てるかも」

エイラ「宮藤程度っていうとなんかチョロそうだけどな」

エーリカ「そうは言っても宮藤だってもう結構な経験積んでるけどね」

エイラ「ま、まぁ…アイツもちょっとはやるようになったけどさ。
     でも、わたしと比べりゃまだまだだかんな」

エーリカ「にしし」

エイラ「なんか気になる笑いだな」

エイラ「…ま、それはいいけどさ、妹さんからの手紙はまだ来ないのかー?」

エーリカ「まだ来ないね。
      まぁもうちょっと待ってよ」

エイラ「…本当に、ツンツンメガネとネウロイ、なんか絡んでるのかな?」

エーリカ「やっぱり、信じられない?」

エイラ「そ、そーいうワケじゃねーよ…」

エーリカ「いいっていいって。じっさい、言ってる私も半分くらいは思い過ごしだと思ってるくらいだし。
      まあ、わたしの思いすごしなら、そのほうがいいもんね」
83名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:41:48.51 ID:OL1B9bd30
まず本文
くぅ〜疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり
84名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:41:51.70 ID:4qBMA7K40
〜〜ハンガー〜〜

ペリーヌ「ミーナさん、今日もありがとうございました」

ミーナ「お疲れ様、ペリーヌさん。
     毎日すごい上達ぶりだけれど…今日は、減点一、ね」

ペリーヌ「さきほどは、本当にすみませんでした」

ミーナ「お友達の姿を見て、話をしたくなる気持ちはわかるけど、
     いつかも言ったとおり、ストライカーで飛ぶということは常に命のやりとりなのよ」

ペリーヌ「はい、肝に銘じます、ミーナさん」

ミーナ「よろしい。
     …ふふ、まるで、いまのわたしは学校の先生みたいね」

ペリーヌ「?」

ミーナ「いいえ、なんでもないのよ、ごめんなさい」
85>>83おいィ、勝手に完結さるるとかお前絶対QBだろ…:2013/02/11(月) 19:44:04.44 ID:4qBMA7K40
ミーナ「それより、今日まで飛んでみて、どうかしら。
     何か思い出せそう?」

ペリーヌ「いいえ、それがやっぱり…空を飛んでいる間は、どういうわけか身体が動くんですけれど」

ミーナ「身体は覚えているということよ、それは。
     焦らず、経験を重ねていけばいつかは記憶につながるわ」

ペリーヌ「はい、ミーナさん」

ミーナ「それじゃあ、解散。
     ゆっくり疲れをほぐしなさいね」

ペリーヌ「ありがとうございました、ミーナさん。
      では失礼します」




ミーナ「…焦らず、か。わたしが言っていいセリフでは、ないわね」

ミーナ「ペリーヌさんの飛行訓練の上達ぶりを、記憶回復の萌芽ありとみなして報告することで
     なんとかガリア政府からの要求をかわしてはいるけれど、それもいつまで持つのか…」

ミーナ「今の無垢なペリーヌさんをガリアに戻すことは…あの国も、今この瞬間は彼女を優しさで包んでくれるはず。
     でも、時を経ればいずれあの娘の実績と、無知を自らの権勢に利用しようとするものたちが現れる。
     そんな事を許すわけにはいかない…でも、それともこういう考え方は私のエゴなのか…」

ミーナ「…ダメね、何のためにペリーヌさんの記憶を取り戻そうとしているのかわからなくなってきている。
     こんな事では、司令として失格よね」
86名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:45:42.17 ID:4qBMA7K40
ペリーヌ「…ふぅ。
      空を飛ぶのは楽しいけれど、本当にこのままで記憶回復につながるのかしら。
      いいえ、ミーナさんがああ仰ってくださるんだから、信じないといけませんわね」

宮藤「あ、お疲れ様ペリーヌさん。
    さっきの飛行すごかったね、わたしびっくりしちゃった」

ペリーヌ「あら、宮藤さん。
      いえ、あの後ミーナさんには怒られてしまって…減点をいただいてしまいました」

宮藤「ありゃりゃ、そうなんだ、ごめんね」

ペリーヌ「宮藤さんが悪いんじゃありませんわ」

ルッキーニ「やっほー芳佳。ペリーヌは訓練おわったー?」

宮藤「あ、ルッキーニちゃん」

ペリーヌ「今ちょうど終わったところよ」

ルッキーニ「じゃあさ、食堂でお菓子食べようよお菓子」

宮藤「あ、うん。いくいくー」

ペリーヌ「じゃあ、行きましょうか。宮藤さん、フランカ」

宮藤「ふらんか?」

ルッキーニ「あたしの事だよお」
87名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:46:36.37 ID:4qBMA7K40
〜〜食堂〜〜

宮藤「じゃあ、今はペリーヌさん、ルッキーニちゃんの事フランカって呼んでるんだ」

ペリーヌ「ええ」

ルッキーニ「芳佳だって、別にそう呼んでいいんだよ」

宮藤「うーん…でも、わたしはルッキーニちゃんのほうが慣れてるから、いいや」

ルッキーニ「そっかー。
        うん、そだなー」

ペリーヌ「ふふ」

ルッキーニ「そんなことよりさ、さっきの見てたよ!
        ペリーヌ、どんどん上手くなってるよね」

ペリーヌ「ええ、おかげさまで。
      …いつかは記憶回復につながるだろう、ってミーナさんもおっしゃってくれて」

宮藤「そうなんだ」

ペリーヌ「早く記憶を取り戻せるように、これからも頑張りますわ」
88名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:48:13.61 ID:4qBMA7K40
ルッキーニ「でもさ、無理に記憶なんて戻さなくてもいいんじゃない?」

ペリーヌ「え?」

ルッキーニ「だってさ、記憶がなくたってペリーヌはいままで通りここにいるわけだし、
        あたしはいまのペリーヌも好きだし、いいじゃん」

宮藤「る、ルッキーニちゃんっ!
    ダメだよ、そういう事いったら」

ルッキーニ「ほぇ、なんで?」

宮藤「なんでって…」

ペリーヌ「記憶を失う前のわたくしが、どういう人だったのかは存じ上げませんけれど、
      他の皆さんの様子を見ると、今のわたくしとはずいぶんと違う人だったようですわね」

宮藤「でで、でもペリーヌさんはペリーヌさんだもん、大丈夫だよ!」

ルッキーニ「にゃ。
        そーいう事じゃなくてさー、前のペリーヌも今のペリーヌも、ペリーヌはペリーヌじゃん
        シャーリーもそう言ってたでしょ」

宮藤「う、うーん…ごめん、ルッキーニちゃんが言いたいこと、ちょっとよくわかんないや」

ペリーヌ「ありがとう、宮藤さん。
      でも、リーネさんのためにも練習に付き合ってくださるミーナさんのためにも、
      早く記憶を取り戻したいんです」

宮藤「…うん、そうだね。ありがとう」
89名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:49:40.35 ID:4qBMA7K40
〜〜数日後、早朝〜〜

宮藤「せい、せい!」ぶん、ぶん

坂本「手の握りが甘い」

宮藤「はい!」

宮藤「せい、せい!」ぶん!ぶん!
   (坂本さん、今日は竹刀も振らずにわたしのことばっかり見て、どうしたんだろう?)

坂本「宮藤」

宮藤「は、はい!」

坂本「ふっ、そう緊張するな」

宮藤「はぃ…え?」

坂本「…宮藤、訓練は楽しいか?」

宮藤「く、訓練ですか?
    えと、そうですね…ちょっと、疲れるときもあります」

坂本「そうか」

宮藤「でも、上達したときはやっぱり嬉しいし、楽しい時もありますよ」

坂本「そうか」
90名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:52:48.17 ID:4qBMA7K40
坂本「宮藤、今日はここまでにしよう」

宮藤「え?
    でも、まだ始めてからあんまり時間経ってないですけど…」

坂本「すまない、私のほうが疲れてしまってな」

宮藤「大丈夫ですか、坂本さん…」

坂本「ん?
    なあに、心配するな、宮藤。たまにはこういう日もある」

宮藤「そ、そうですよね!」

坂本「さあ、今日は当番だろう。この後もちゃんと任務に励むんだぞ」

宮藤「は、はい。
    それじゃあ失礼します」




坂本「……。
    すまない、宮藤」
91名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:53:50.55 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜

宮藤「坂本さん、最近あまり元気ないな。
    リーネちゃんも元気ないままだし、わたし、何かしてあげられることないのかな…
    どうしたらいいのかな…」

ぼすっ

宮藤「わぷっ」

バルクホルン「む」

宮藤(ふかふかだ…って)

宮藤「あ、ば、バルクホルンさん!」

バルクホルン「まったく、お前というやつは、ちゃんと前を見て歩かないからこうなるのだぞ」

宮藤「は、はい…。
    ごめんなさい」

バルクホルン「……?
         どうした、具合でも悪いのか?」

宮藤「いえ、大丈夫です。すみませんでした」とぼとぼ



バルクホルン「…宮藤?」
92名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:55:32.20 ID:4qBMA7K40
〜〜その夜〜〜

バルクホルン「…という事があったんだが、宮藤のヤツ体調でも崩したのではないかと思ってな」

シャーリー「うーん…でも今日作った晩飯だってうまかったし、別に体調悪いふうには見えなかったけどなあ。
       考えすぎじゃないのか?」

シャーリー「って、この前からたまにここで呑むようになったな、お前。
       意外に酒好きだったのか?」

バルクホルン「そ、そういうわけではない!
         その、貴様は軽佻浮薄なすちゃらかリベリアンだが、一応私と同じ階級だから…」

シャーリー「相談する相手が欲しい、ってか」

バルクホルン「…まあ、否定はしないでやる」

シャーリー「ひひ、なるほどね」

バルクホルン「な、なんだその笑いは!」

シャーリー「いや、いや。悪かった。
       仲間だろ、あたしで良かったら相談くらいのってやるさ」

バルクホルン「フン…私にあの年頃の娘の気持ちがわかれば、相談などせんでも済むのだが」

シャーリー「むすめ、て。
       それより、ビールでいいか?」

バルクホルン「うむ」
93名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:56:17.15 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜

ごく、ごく、ごく…

エイラ「ぷはー、うめー!」

サーニャ「エイラ、お茶をそんな風に飲むの、はしたない」

エイラ「うっ…ごめん」

サーニャ「ううん、いい」

サーニャ「ねえ、エイラ。
      ペリーヌさんの記憶、どうなの」

エイラ「え?」

サーニャ「ハルトマンさんと、相談してるんでしょ」

エイラ「あー…うん、まあ」

サーニャ「大切なお友達だもんね、ペリーヌさん。
      早く記憶が治るといいね」

エイラ「ま、まあな」

エイラ「で、でも!
     わたしの一番はサーニャだかんな!」

サーニャ「…うん。ありがとう、エイラ」
94名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:57:45.88 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜
バルクホルン「それより、宮藤の話なんだが」

シャーリー「まー風邪引いてたりはしないだろうけど、あいつ、いま結構ストレス溜まる状況なんじゃないかな、とは思うぞ」

バルクホルン「そうなのか?」

シャーリー「わかってないのかよ、堅物軍人」

バルクホルン「うるさい。からかうつもりなら、帰るぞ」

シャーリー「まーまーまー、バルクホルン大尉どの、ちょっと落ち着け」

シャーリー「まあ、ミーナ中佐も悪気はないと思うんだけどな、いまアイツ、ペリーヌリーネと同室だろ。
       記憶喪失しちまったペリーヌだけでもキツイのに、今のリーネは、ちょっと、アレだろ。
       宮藤も疲れが溜まっておかしくないさ」

バルクホルン「リーネか。積極的に出撃をするようにはなったが
         この前のオーバーキルといい、問題行動が散見されるようになったのが困りものだ」

シャーリー「なんていうか、血気にはやってる感じだよ。
       そのくせ普段はまるで覇気もなくぼっとしてるし、なんていうか…あー」

バルクホルン「以前の私のよう、か?」

シャーリー「あ、いや、それは」

バルクホルン「妙な遠慮をするな、リベリアン。
         この前も言ったが、今のリーネが以前の私に似ていることは確かだ」
95名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:59:09.04 ID:4qBMA7K40
シャーリー「まあ、ペリーヌだってネウロイにやられてああなったんだ。
       怒りをぶつけるのも、おかしかぁないけどな」

バルクホルン「いや、きっと、ネウロイに対する怒りだけが理由ではあるまい。
         リーネは、あの日ペリーヌのそばにいたのだからな」

シャーリー「罪悪感や自己嫌悪とかも混ざってんのか、そりゃ厄介だな
       …で、過去、棺桶に片足突っ込んだ経験をお持ちのバルクホルン大尉としては、
       いったいどうやってその棺桶から足を引っこ抜けたんだ?」

バルクホルン「遠慮せんでいいとは言ったが、それはそれで遠慮を失いすぎだろうが!
         まあ、そうだな…私の場合は、ミーナとハルトマンのおかげだろうな。
         あの二人がいなかったら、クリスが目覚めるまで生きていられなかったかもしれん」

シャーリー「リーネにとっては、宮藤か。
       でも、ミーナ中佐ならともかく、まだガキみたいな宮藤じゃ、逆にリーネに引っ張られて
       調子を崩しちまってもしかたないな」

バルクホルン「…私も、どうにかして力になれんのだろうか?」

シャーリー「いや、バルクホルンはいつもどおり、バルクホルンなりのやり方で気ぃ遣ってやればいいだけだろ」

バルクホルン「そんなことでいいのか?」

シャーリー「…ま、こういうのはさ、特定の”誰か”にしかどうにもできないっていう事があるんだよ。
       あたしが、君にとってのミーナ中佐やハルトマンの変わりになってやれないのと同じようにね。
       だからバルクホルン大尉は、大尉なりのやり方で宮藤に接してやればいいのさ。いつもよりちょっとだけ優しく、な」

バルクホルン「…なるほどな、理解した。
         私にとってのミーナ…宮藤にとっては、坂本少佐になるのだろうな」
96名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 19:59:59.24 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜

ミーナ「――少佐」

坂本「……ん?
    どうした、ミーナ」

ミーナ「どうした、じゃないわよ。
     今の話、ちゃんと聞いてなかったの?」

坂本「すまん」

ミーナ「疲れているみたいね。
     今日はもうおしまいにしましょうか」

坂本「すまない」

ミーナ「いいのよ。たいした話ではなかったし」

坂本「いや、それだけじゃない」

ミーナ「?」

坂本「ペリーヌを、ずっと預けっぱなしだからな。
    司令の仕事だけでも大変だろうに」

ミーナ「ああ、その事」
97名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:00:41.36 ID:4qBMA7K40
ミーナ「ペリーヌさんの事は、私が好きでやっていることだもの、気にしないで。
     …でも、気を遣ってくれてありがとう」

坂本「うん」

ミーナ「でも、あなたらしくないわね。
     ふだんのあなたなら、気にするくらいなら自分で手をだしそうなものなのに」

坂本「そうだろうな…だが」

ミーナ「この前、あなたが出て行く時、かろうじて【辛い】と聞こえたけれど、それと関係があるのかしら」

坂本「……」

ミーナ「……」

坂本「……ふぅ。
    なあミーナ、航空ウィッチに必要な”3つのH”、覚えているか?」

ミーナ「ヘッド、ハンド、ハート、ね。
     あなたがよく言っていた…忘れるわけがないじゃないの」

坂本「わたしがペリーヌと出会ったのはブリタニアのある小さな基地だった。
    知識も技術も、まだまだ荒削りだったが、撃たれても撃たれても私に挑むあのひたむきな熱意に打たれた。
    ハートだけは持っていたあいつに、わたしは残る二つを教えてやった」

坂本「ブリタニアからこっち、5年ちかくもあいつの成長を見届けてきたんだ…」

ミーナ「美緒…?」
98名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:01:49.42 ID:4qBMA7K40
坂本「いや、すまない。辛いのは、みんな同じだというのにな。
    聞かなかったことにしてくれ」

ミーナ「ダメよ、美緒」

坂本「?」

ミーナ「みんな辛いのだから、だからこそ支えあう必要があるのよ」

坂本「ミーナ…」

ミーナ「あなたには、わたしがいるわ。
     悲しいなら私の胸で泣きなさいなんて言わない、でもせめて言葉くらいぶつけてほしい。
     話すことで少しでも楽になるのなら、わたしに話をしてほしい」

ミーナ「あなたのちからに、ならせて」

坂本「…ありがとう、ミーナ」

坂本「わたしは…今のペリーヌを見るのが恐ろしいんだ。
    わたしはあの子を救えず、そのせいであの子は私が教えてやったことも含めてすべて忘れてしまった。
    いったい、わたしがやってきたことは、台無しにしてしまったものはなんだったんだろう」

坂本「今のあの子の姿は、あの日、ペリーヌを助けてやることができなかった私への戒めのようだ、と感じてしまう」

坂本「そして、そう感じてしまう自分が許せないんだ。
    いつか、今度は宮藤を守れなかった日がもし来たら、宮藤も…。
    そう思ったらアイツへの訓練にもちゃんと取り組む事ができない」

坂本「そんな弱い自分が、情けない…!」
99名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:03:17.92 ID:4qBMA7K40
ミーナ「…ねえ、美緒。
     ペリーヌさん、日々上達していることは知っているでしょ?」

坂本「あ、ああ」

ミーナ「あの娘は、一日ごとに思い出しているのよ。
     あなたに伝授されたヘッド、そしてハンドをね」

坂本「……」

ミーナ「だけれど、ハートを教えてあげる事は誰にもできない。
     あなたの言葉よね」

坂本「ああ」

ミーナ「…いつか、あの娘は自分の中に眠ったハートを掘り起こす日がくる。
     そのお手伝いは、あの娘のハートを見出してあげた、美緒。

     ――あなたにしかできないと思うの」

坂本「わたしが、ペリーヌのハートを…」

ミーナ「ペリーヌさんと関わるのが辛ければ、いまはまだいいわ。
     わたしが、あの娘のヘッドとハンドを取り戻してあげる。
     そして、いつかあなたが…」

坂本「……わたしに、できるだろうか?」

ミーナ「それが出来るかは、誰にもわからない。
     でも、もし可能なのだとしたら、それはあなたしかいないわ、坂本少佐」
100名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:04:51.98 ID:4qBMA7K40
坂本「――すまなかった、ミーナ。
    重苦しい話を聞かせてしまった」

ミーナ「いいえ。
     やっと気持ちを告白してくれて、嬉しいわ」

坂本「…ああ」

ミーナ「…でも、現実のところ、私たちの手元にいつまでペリーヌさんを置いておけるか、それが問題ね」

坂本「ミーナの交渉でも、そろそろ限界か」

ミーナ「悔しいけれど。
     もちろん、ガリア帰国後にでも記憶が回復すれば何の問題もないのだけれど」

坂本「そうだな…」

ミーナ「だけど、現状でも部隊のみんなには動揺が残っているわ。
     この上、ペリーヌさんを帰国させるようなことになったら…正直、厳しいわね」

坂本「最悪の場合、なんとかみんなに穏便に事態を伝える方法も考えないといけないか。
    よくペアを組む、宮藤とリーネは特に心配だな…リーネは最近戦闘中の問題行動が多い」

ミーナ「そうね。
     リーネさん、かなり情緒不安定になっているわ。
     このままの状態が続くと、戦闘に出すのは危険になってくるかも」

坂本「リーネは宮藤と仲が良かったな…お互い、うまくフォローが出来ればいいのだが、難しいか。
    わたしも宮藤と話さねばならないだろうな」
101名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:05:34.48 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜

宮藤「……」

宮藤「……」

宮藤「わたし、どうしたらいいんだろう」

宮藤「誰か、助けて…」

ぽつ、ぽつ


ざー……
  ざー……


宮藤「ペリーヌさんも、リーネちゃんも、私じゃ助けてあげられない…」

宮藤「坂本さんにも相談できない…」

宮藤「わたし、こんなのいやだよ…リーネちゃん」

    ぽた、ぽたた…



宮藤「…おとうさん、たすけて……」
102名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 20:07:20.86 ID:4qBMA7K40
前回分までここでおわり。
103名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 21:23:21.52 ID:4qBMA7K40
>>72のお題書き中。
書き10時までのタイムリミットを切って書いてみる。
104名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 21:55:18.51 ID:4qBMA7K40
ミーナ「温泉が湧いた、ですって?」

坂本「ああ。
    基地の敷地の隅っこから吹き出すように湧いたらしい」

ミーナ「なんでこんな唐突に温泉が…」

坂本「まあ、細かいことはいいじゃないか、ミーナ」

ミーナ「細かいことじゃないでしょう。まったく、扶桑人はお風呂の事になるといつもこうなんだから。
     で、その温泉に関する調査は?」

坂本「調査したところ、とてもいい湯加減らしい」

ミーナ「湯加減って…。
     あの、そういうことじゃなくて、毒性の有無だとか、他に気にすることがあるでしょう?」にこにこ

坂本「成分的にはかなり効能のある湯だという事だ。いわゆる薬湯というヤツだな」

ミーナ「そ、そうなの。でも、基地にはすでに設営班が作ってくれたお風呂があるわけだし、今更温泉が湧いても…。
     管理費を計上するのも大変だし、そのまま放置でいいような気がするわね」

坂本「それは違うぞ、ミーナ!」

ミーナ「え?」

坂本「温泉というのは、風呂以上に体にいいものなのだぞ。
    扶桑には、体の具合を悪くした人間が温泉宿に逗留し、温泉にじっくりと浸かって
    心身ともに癒し、調子を整える湯治という風習もある」

ミーナ「はあ、トージ、ねえ…」

坂本「もちろん、温泉に当たりすぎても良くない事があるわけだから、設営班の作った風呂も活用しつつ、
    負傷者や調子を崩した人間のために湯治場としての温泉を残しておくべきだろう」

ミーナ「ふぅ。わかった、わかりました。
     もう、扶桑の魔女ってお風呂が絡むと本当におかしくなるんだから…」

坂本「ん?」

ミーナ「……お風呂は関係ないわね」

ミーナ「しかたないわね、それじゃあ最低限の維持をするための予算を計上できるよう補正予算を編成してみるわ。
     …でも、施設機能としてはお風呂と重複するわけだし、有効性を証明するための方法を検討するか、
     もしくは施設利用を既成事実化するなりして予算計上の必要性を強調する、だとか……」ぶつぶつ

坂本「おい、ミーナ。なにをブツブツいっているんだ?」

ミーナ「――♪
     そうだわ、少佐。さっきあなたがいっていたトージという風習なんだけれど…」
105名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 21:57:17.58 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜
坂本「で」

坂本「なんでこうなるのだろうな…」

ペリーヌ「?」

坂本「ペリーヌを湯治に連れて行け、などと、ミーナのやつめ」

  。o ○ミーナ『あとで援軍も寄越すから、まずは少佐一人で頑張ってちょうだい。
          ペリーヌさんを温泉に入れてあげて、可能であれば湯治の効果も確認してね』

坂本「…だなどと。
    わたしは今のペリーヌは苦手なんだが…」

ペリーヌ「わたくしが、どうかしましたか?」

坂本「む。いや、なんでもない。気にするな」

ペリーヌ「はい」

ペリーヌ「…で、これがミーナさんから教えていただいた”オンセン”ですのね。
      なんか湯気がでてるし、お湯がぼこぼこいってます…めずらしい池ですけど、ここで何をするんですの?」

坂本「池じゃない、温泉だ」

ペリーヌ「オンセン池?」

坂本「…まあいいか。
    これに入るんだよ」

ペリーヌ「まあ、水泳の練習ですのね」

坂本「いや、泳いではダメだぞ。
    いいからまず服を脱ぐんだ」

ペリーヌ「ぜんぶですか?」

坂本「決まっているだろ、これから温泉に入るんだからな」

ペリーヌ「で、でもお外でお服を脱ぐなんて、ちょっと恥ずかしいですわ…」もじもじ

坂本「安心しろ、誰も見ていない。とにかく脱がないと始まらないぞ」

ペリーヌ「あうぅ…わかりました」ぬぎぬぎ

坂本「そんなのそのそやってないで早く脱げ。
    露天でそんなふうにしていたら風邪を引いてしまうぞ」すぽーん!

ペリーヌ「は、はいっ」すぽぽんっ

坂本「脱いだら、湯に入る前にまずは身体を洗うんだぞ」ごしごし

ペリーヌ「は、はいっ」ごしごし

ペリーヌ「……」

ペリーヌ「…坂本さん。ひょっとして、オンセンってお風呂なんですか?」

坂本「ああ、そうだぞ。一体何だと思っていたんだ」
106名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 21:58:36.34 ID:4qBMA7K40
ちゃぷ…

ペリーヌ「あつっ!」じゃばっ

坂本「そうか?
    ちょうどいい湯加減だが」

ペリーヌ「あっついです。
      …ちょっとお水をいれますね」

坂本「こら、まてペリーヌ!」

ペリーヌ「!」びくっ

坂本「…あ」

ペリーヌ「ひぅ」おどおど

坂本「あ、あー…いきなり大声を出してしまって悪かったな。
    だがなペリーヌ、温泉を水で薄めてはいかんぞ」

ペリーヌ「でも、お風呂が熱いときにはお水で埋めるって宮藤さんが教えて下さいましたわ」

坂本「それは普通のお風呂の場合だ。
    温泉は自然のものだから水を混ぜたりしてはいけないんだ」

ペリーヌ「なるほど。でもこれでは熱くて入れませんわ」

坂本「むぅ、そうだな…」うろうろじゃぶじゃぶ

坂本「おお、このあたりならそれほど熱くないぞ」

ペリーヌ「ほんとうですか?」とてとて...

ちゃぷ

ペリーヌ「あ、ほんとうです。ここならわたくしでも入れますわ」ざぶん

坂本「よかったな、ペリーヌ」

ペリーヌ「はい!
      ありがとうございます、坂本さん」

坂本「あ、ああ。
    …しかし、ここだと私にはちと温いな。わたしはさっきの場所に戻るか…」じゃぶじゃぶ

ペリーヌ「あ…」

坂本「ん?」

ペリーヌ「あ、いいえ、ごめんなさい。
      でも、せっかくふたりでお風呂に入っているのに離れてしまっては寂しいなって…」

坂本「…ふむ、まぁそれも一理あるな」じゃぶじゃぶ

坂本「まあ、たまには温めの湯にゆったり浸かるのも悪くない。
    隣、邪魔するぞ」ざぶん

ペリーヌ「坂本さん…!」
107名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 22:02:39.89 ID:4qBMA7K40
カォ、カォ、カォ……
   カォ、カォ、カォ……

ペリーヌ「もう夕方ですのね」

坂本「海鳥が鳴いているな…今日も1日が終わる」

ペリーヌ「…坂本さん」

坂本「ん?」

ペリーヌ「今日は、温泉に誘っていただいてありがとうございました」

坂本「いやいや。
    温泉は気持ちいいか?」

ペリーヌ「はい、とっても。
      でも、ちょっとあたまがぼーっとしてきました」

坂本「のぼせてはじめてきたか…じゃあ、もう上がるか」

ペリーヌ「いえ、もうちょっと入りたいです」

坂本「こらこら、のぼせてしまっては後が辛いぞ。こういうのは自覚し始めた時にはもうおそk」
ペリーヌ「坂本さん…!」

坂本「わ。なんだペリーヌ?」

ペリーヌ「…あの、わたくし、坂本さんにはずっと避けられていると思っていました」

坂本「う」 ←避けてたひと

ペリーヌ「だから、今日温泉に誘ってくださって、本当に。本当に嬉しかったんです」

坂本「ペリーヌ……」

ペリーヌ「いまのわたくしは、坂本さんが望んだペリーヌ・クロステルマンではないと思います。
      リーネさんみたいに、坂本さんがわたくしを見る時の目、とても悲しそうだったから…」

坂本「うぅ」 ←辛かったひと

ペリーヌ「でも、それでもこんなわたくしを大切にしてくれるのが、とても嬉しいんです。
      だから、もうちょっと。もうちょっとだけ、坂本さんといっしょに温泉に入っていたいです」

坂本「そ、そうか」

ペリーヌ「…わがまま言って、すみません」

坂本「――!」かぁぁっ

坂本「……健気な事をいいおって」

ペリーヌ「坂本さん?」

坂本「ペリーヌ。たまには、わがままくらい、言っていいんだ。
    今日だけじゃない。この先、ずっとな。たまには、いいじゃないか」

ペリーヌ「…ありがとうございます、坂本さん」

ペリーヌ「…それじゃあ、わがままついでに、もうひとつ…」ちゃぷ…
108名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 22:05:13.20 ID:4qBMA7K40
〜〜〜〜
坂本「もう日もほとんど落ちてしまったか。
    こうなってはさすがに湯に浸かっていても夜風が沁みるな」

坂本「さて、と…」

ペリーヌ「すー、すー…」

坂本「眠ってしまったか。まあ、温泉は不慣れなはずだし無理もないな。
    のぼせ上がってしまってないかだけが心配だが、顔色は悪くないから大丈夫か…」

坂本「さて、どうしたものかな」

エーリカ「…あ、いたいたー。トゥルーデ、少佐とペリーヌ、まだ温泉入ってたよ」

バルクホルン「まさかと思ってきてみたら、本当にまだ入っていたとは…」

坂本「おお、ハルトマンとバルクホルンか。ミーナの言っていた援軍とはお前らの事だな。
    見ての通り、ペリーヌが寝てしまって動くに動けなくてな。すまんがあっちからタオルを持ってきてくれんか」

バルクホルン「わ、わかった」ばたばた

エーリカ「ほんとに寝ちゃってるの、ペリーヌ?」

ペリーヌ「すー、すー」

坂本「起こさんでやってくれ」

エーリカ「そりゃいいけどさ…。しかし、こりゃすごいね。さながら極上のベッドってヤツかな」

坂本「何を言ってるんだ、ハルトマン?」

エーリカ「いやー、だってさ。少佐のふともものベッドで、おっぱいを枕に眠るなんて
      記憶を失くす前のペリーヌだったら天にも昇るってヤツじゃないかな」

坂本「やれやれ…抱っこしてほしい、と言われただけで、わたしの乳なんぞそんなたいしたものではないんだがなあ。
    …ところで。なあ、ハルトマン?」

エーリカ「ん?」

坂本「ペリーヌは、良い娘だよな」

エーリカ「何を今更」

坂本「なあハルトマン。わたしは今日、初めてこの娘の我儘をきかせてもらったよ。
    考えれば、この子は5年近く、わたしに我儘を言ったことなど一度もなかった。
    だから忘れていた…軍人だから、と言ってしまえばそれまでかもしれんが、それ以前に
    この子の歳を考えれば、この子も本来、我儘盛りの少女のはずだよな」

エーリカ「記憶を失う前のペリーヌも、ほんとは言いたいこと、いっぱいあったはずだよね」

坂本「…いま私は、それを聞いてやりたくてならないよ。
    なあ、例えばお前はなにか言いたい我儘はないのか?」

エーリカ「わたし?
      わたしは、トゥルーデひとりで間にあってるからいいよ」

坂本「……ふ。それもそうか、はっはっは!」

坂本「湯治の効果だのはどうでもいい。今日、こうしてこの子と湯に浸かれてよかった。そういう事だな」
109名も無き被検体774号+:2013/02/11(月) 22:17:47.81 ID:4qBMA7K40
短編おわり。
ちなみに本編とは絡まないパラレル、のつもり

本編では直接絡みづらいもっペリで一本。
宮藤との絡みでよくわかるけど、もっさんは素直な感情をぶつけられると意外なほど脆い感じ
少女ペリーヌと向き合うことで青の一番の彼女への思いが思わぬ形で変化していくという。

もっさんは「風呂の中では階級など気にするな」というけれど、それって逆に言えば
ある程度気心の知れた仲でないと一緒に風呂に入れないナイーブさがあるはずで、
だけれどそれを克服する強さがあるからこそ「一緒に風呂に入れば気心が知れる」という
主客転倒した(でもそれなりに正論かも?)な方法論で生きてきたんじゃないかな、という想像。

ペリーヌさんはペリーヌさんで、記憶があった頃に彼女に働いてた感情発露を抑制するような
立場的なものとかを欠落させてるので割りと素直に感情を出してくる感じ。
もっさんに怒られた時に「宮藤さんが教えて下さいましたわ」とか言うあたり、
やっぱり今の彼女の中では宮藤芳佳が最上位というか判断の基準になってる感じ。

そしてミーナさんは温泉の管理費を予算計上しないといけないのに
もっさんからのレポートが「ペリーヌと一緒に風呂に入れてよかった」みたいなクソの役にもたたない内容で
あたまを抱えるはめに。もっさん仕事しろ。
110 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/11(月) 22:57:54.59 ID:Ym6pf3XB0
乙!!
短編もいい話だった
111名も無き被検体774号+:2013/02/12(火) 07:51:35.14 ID:1ojharwD0
ほーしゅ
112名も無き被検体774号+:2013/02/12(火) 20:52:18.13 ID:swba+O520
保守
113名も無き被検体774号+:2013/02/13(水) 00:43:11.23 ID:q6ljNYH50
ho
114名も無き被検体774号+:2013/02/13(水) 00:46:41.07 ID:zI0CfPej0
短編なのにいろいろ考えててすごいな
よかったら短編もまた書いてください
115名も無き被検体774号+:2013/02/13(水) 01:41:50.36 ID:q6ljNYH50
>>114
次の投下の後に>>74やってみるつもり。
実は結構難しいお題。ペリーヌはそもそもアニメじゃ納豆を口に入れてないんだよな…
116名も無き被検体774号+:2013/02/13(水) 21:47:07.27 ID:EMwhXqvU0
もう食ったから嫌ってるのかと思ってた
このペリーヌでも無理だろうか…
117名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 01:25:57.43 ID:e2CJnVsQ0
エイペリ……ゴクリ
118名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 04:08:13.41 ID:01HjB9Oh0
とりあえず保守
119名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 08:55:44.64 ID:mPLOB8sw0
(・×・)ホシュダナ
120 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/14(木) 18:47:01.78 ID:o57F44cJ0
保守あげ
121名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 19:54:28.04 ID:WGbelq7X0
うじゅーほしゅー
122名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 21:13:47.57 ID:mPLOB8sw0
保守したいんです!
123名も無き被検体774号+:2013/02/14(木) 23:07:46.40 ID:bOKlD4uI0
だから何なの!

というわけで明日の夜投下しにきます。

あれだね、兄弟が結婚すると結構兄弟にも手間ごと増えるんだね。
ちょっとびっくりしてる。
124名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 07:30:32.59 ID:wVwU4sh80
ho
125名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 15:08:05.27 ID:5qfBlMR60
保守だ保守!はっはっはっは!
126名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 19:07:41.89 ID:3S4nQOsz0
保守で勝負だ!ハルトマン
127名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 20:16:29.13 ID:XQYnoHP40
今日はおやすみと保守のひー
128名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 22:25:23.54 ID:wVwU4sh80
23時ころからスタートです。
129>>101から:2013/02/15(金) 23:03:54.90 ID:wVwU4sh80
バルクホルン「宮藤が体調不良だと!?」

坂本「風邪、だそうだ」

シャーリー「昨日は体調悪いようには見えなかったのに、いったいどうしたんです?」

ミーナ「それが、昨日の夜、いつの間にか部屋から出ていて、何故かあの雨の中を歩いていたようなのよ」

エーリカ「うわ、まるで自分から風邪を引きにいったようなもんじゃん」

バルクホルン「宮藤め、なんでそんな愚かなことを…」

シャーリー「だいたい、夜に部屋を出て行ったって、同室のふたりは気づかなかったのか?」

ペリーヌ「申し訳ありません、眠ってしまっていて、まったく気づきませんでした」

バルクホルン「お前はどうなんだ、リーネ」

リーネ「…ごめんなさい」

バルクホルン「ごめんなさいではわからんだろう!」

リーネ「……」
130名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:07:23.54 ID:wVwU4sh80
坂本「まあまて、バルクホルン。
    深夜の事だったんだろう、同室の人間だとしても気付かないことも有り得る事だ」

ミーナ「とりあえず、宮藤さん抜きのシフトを至急編成しなくてはなりません。
     501戦闘航空団の各員は直ちにブリーフィングルームへ集合して」

「「「了解!」」」

ペリーヌ「あの、ミーナさん、わたくしは…」

ミーナ「ペリーヌさんはいいのよ、部屋にいて頂戴」

ペリーヌ「でも、わたくしも前は501の一員ですし、宮藤さんの変わりに…」

ミーナ「今のあなたは戦闘にだせるような状態じゃないのよ、ペリーヌさん。
     …おねがい、私達の代わりに宮藤さんを看てあげていて」

ペリーヌ「は、はい」

ミーナ「それと、こんな状況だから、しばらくは訓練をお休みさせてちょうだい。
     宮藤さんが回復するまでは、たぶん無理だと思うわ」

ペリーヌ「わかりました…」
131名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:10:47.33 ID:wVwU4sh80
〜〜〜〜

宮藤「うーん…はぁ、はぁ」

ペリーヌ「ごめんなさい、宮藤さん。
      わたくしが気づいていたら、こんな事にはならなかったのに」

ペリーヌ「こんな時に、力になれないだなんて…」

ペリーヌ「…ごめんなさい、ちょっと汗を拭かせてください」

ふきふき

ペリーヌ「小さいからだ…。
      こんな身体で、ばけものと戦っているなんて」

ペリーヌ「…わたくしも、戦っていたのよね?」

ペリーヌ「戦うだなんて、想像もつかないわ。
      ねえ、宮藤さん。昔のわたくしは、勇敢でしたか?」

宮藤「……」すー、すー

ペリーヌ「…ごめんなさい、こんな時に聞くことではないですわよね」

ペリーヌ「でも、少しは落ち着いたみたい。よかった。
      お願い、早く良くなって……」
132名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:14:04.72 ID:wVwU4sh80
〜〜〜〜

ミーナ「…というわけで、皆さん、宮藤さんが回復するまではみんなで頑張りましょう」

シャーリー「宮藤がああいう状態だからな。いまは万が一にも大怪我なんてできないぞ」

坂本「…となると、しばらくは技量十分な者のみで任務に当たるべきかもしれんな」

エイラ「でもさー、ペリーヌのやつも抜けた状態で、ただでさえ人がたんねーのに
     そんな事言ってる余裕あるのか?」

バルクホルン「まあ、それもそうだが」

坂本「さて、どうする。ミーナ」

ミーナ「……尉官以上の階級の隊員で、一時的に編隊を再編成します。
     しばらくは不慣れな組み合わせになると思うけど、みんななら協調できると信じます」

ミーナ「そして、リーネさん。
     あなたには自室待機を命じます」

リーネ「わ、わたしも戦います!」

ミーナ「いいえ。
     許可しません」
133名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:16:13.53 ID:wVwU4sh80
リーネ「なんで…どうしてですか!
     さっきエイラさんだって人手が足りないって…」

バルクホルン「いい加減にしないか、リーネ」

シャーリー「命令だろ、素直に受けとけよ」

リーネ「イヤです!
     わたしは戦わないといけないんです!
     それなのに、どうして中佐だけじゃなく大尉たちまで…」

ミーナ「…今のあなたを戦場に出すわけにはいきません」

ミーナ「皆さんへの具体的な指示は追って通達します。
     バルクホルン大尉、シャーリー大尉の両名はこの後私の執務室に出頭してください」

バルクホルン「了解」

シャーリー「了解です、中佐」

坂本「…では、解散」




リーネ「…なんで」
134名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:21:26.18 ID:wVwU4sh80
〜〜執務室〜〜

シャーリー「リーネのやつ、アレで良かったんですか?」

バルクホルン「お前だってリーネを止めた側だろうが」

シャーリー「いや、このまま出撃させたらアイツ、次あたりで死ぬだろ」

バルクホルン「お、お前なあ」

ミーナ「…シャーリーさん?」にこにこ

シャーリー「あ。
       す、すんません中佐」

ミーナ「……こほん。
     実際のところ、今のリーネさんには慣れない編成に対応するだけの柔軟性は発揮できないでしょう。
     それに、宮藤さんの元に付いている人間が必要だもの」

バルクホルン「ま、同室のあいつなら適任だろうからな」

シャーリー「そうですかね?
       ただでさえペリーヌの事で気を病んでるのに、いまの宮藤を任せちまったら、
       それも自分のせいだ、とか言って、それこそほんとに潰れるんじゃないですか」

坂本「とはいえ、今のリーネを戦場に出すのは部隊全体にとって大きなリスクだ」

シャーリー「そりゃそうですが…」
135名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:23:12.59 ID:wVwU4sh80
坂本「…すまないな、シャーリー」

シャーリー「え?」

坂本「いつもお前には気を遣ってもらっている。助かる」

シャーリー「あ…いや、そ、そんな事は。あはは」

坂本「リーネの事については、しばらくは見守っていくしかないだろう。
    少なくとも、今リーネを戦場に出すことは誰にとってもデメリットしかない。
    特に、宮藤が倒れている今はな」

坂本「すまないが、これからもしばらくはいろんなで負担が増えると思う。
    特にお前たち二人の大尉は、私たち以上に部隊では中心的な立場にいるしな」

シャーリー「は、はあ」

ミーナ「わたしたちも、出来る限りのことはします。
     何かあったら、随時報告・相談してちょうだい」

坂本「頼んだぞ、ふたりとも」

ミーナ「それじゃあ、解散」

バルクホルン「了解」

シャーリー「りょ、りょーかい」
136名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:24:20.39 ID:wVwU4sh80
〜〜宮藤リーネペリーヌの部屋〜〜

宮藤「…すー、すー」

ペリーヌ「宮藤さん、早く元気になって…」

〜〜部屋、のドアの前〜〜

リーネ「……芳佳ちゃんがああなったのはわたしのせいだ」

リーネ「今のわたしが、芳佳ちゃんに会うなんて…」だだっ




バルクホルン「…む、あれはリーネか。
         廊下を走るな、とあれほど…」

シャーリー「そーいう問題じゃあないだろ」

バルクホルン「わ、わかっている!」

バルクホルン「……」そわそわ

シャーリー「気になるなら追っかければいいのに」

バルクホルン「ば、馬鹿者、そういう事ではない。
         そうだ、シャーリー。私は急用を思い出した、ではな」すたすた

シャーリー「…やれやれ、素直なんだか素直じゃないんだか」
137名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:27:15.89 ID:wVwU4sh80
ざー…
  ざー…

リーネ「……」

バルクホルン「む、やっと見つけた」

バルクホルン「リネット・ビショップ曹長!」

リーネ「……」

バルクホルン「おい、リーネ、聞こえているのか!
         出撃でもないのにこんな雨の中を出歩くなど、何を考えている」

リーネ「芳佳ちゃん…」

バルクホルン「よし…宮藤だと?」

リーネ「芳佳ちゃんがああなったのは、わたしのせいだから」

バルクホルン「何をわけのわからないことを言っている。
         部屋に帰るぞ、この雨と気温では風邪を引いてしまう」

リーネ「放って置いてください」

バルクホルン「おい、リーネ」

リーネ「あなただって、わたしのせいだって思ってるくせに!」

バルクホルン「な、なんだと…」
138名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:30:49.21 ID:wVwU4sh80
バルクホルン「な、何を言っているんだリーネ。
         わたしが、何をお前のせいにした?」

リーネ「大尉だけじゃない、ミーナ中佐も、他のみんなも!
     わたしが弱いから、友達一人守れない弱いウィッチだから、みんなしてわたしを除け者にしたんでしょう!」

バルクホルン「ち、違う、それは」

リーネ「わたしは、ペリーヌさんだって守ってあげられなかった…近くにいたのに。
     手を伸ばせば届くくらい、近くにいたのに!」

バルクホルン「……」

リーネ「芳佳ちゃんも、きっと辛かったはずなのに…気づいてあげられなかった。
     友達なのに、芳佳ちゃんは私を友達だと思ってくれてたのに、わたし、わたしは
     芳佳ちゃんの優しさに甘えて、そのせいで…」

バルクホルン「それはお前の思い込みだ。宮藤は…」

リーネ「あなたに芳佳ちゃんの何がわかるの!」

バルクホルン「!」

リーネ「…………。
     もうしわけありません、バルクホルン大尉。
     でも、どうせ出撃もないんです、わたしはもう誰にも必要とされていません。
     だから、もうほうっておいてください…」すたすた


バルクホルン「……馬鹿め!」
139名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:32:44.71 ID:wVwU4sh80
〜〜宮藤リーネペリーヌの部屋〜〜

こんこん
 こんこん

坂本「すまない、入るぞ…」

坂本「やれやれ、ペリーヌめ。
    宮藤に寄りかかったまま眠ってしまったのか。
    こんな風に寝てたらお前まで風邪を引いてしまうだろうに。仕方ないな」だきっ

すたすた

坂本「よい、せと。あとは掛け布団を掛けてやれば、これでいいか。
    それにしても、軽いな…」

坂本「リーネは、いないのか。やれやれ、あいつも、どうしてやればいいのかな…」

宮藤「…さかもとさん?」

坂本「ん、おお宮藤。起こしてしまったか?」

宮藤「いいえ」

宮藤「坂本さん、心配かけてしまってすみませんでした」

坂本「何を言っている、気にするな。
    それより、気分はどうだ?」

宮藤「はい、おかげさまでだいぶ良くなりました」
140名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:34:47.90 ID:wVwU4sh80
宮藤「わざわざお見舞いに来てくれて、ありがとうございます」

坂本「ああ」

坂本「……」

宮藤「聞かないんですか?」

坂本「ん?」

宮藤「私が、なんで雨のなかを歩いていたのか、をです」

坂本「話したいのか?」

宮藤「…ごめんなさい」

坂本「そうか」

坂本「…宮藤、すまなかったな」

宮藤「え?」

坂本「ペリーヌのこと、リーネのこと…お前には重いものを背負わせすぎた。
    それに、わたし自身、自分のことで手一杯でお前をしっかりみてやれなかった」

宮藤「坂本さん…」

坂本「本当に、すまん」ぺこり

宮藤「わ、坂本さん。頭を下げるなんてやめてください!」
141名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:37:51.53 ID:wVwU4sh80
宮藤「あー、びっくりした。
    坂本さんはやることが唐突過ぎます!」

坂本「そうか?」

宮藤「そうですよ、もう…」

宮藤「…坂本さん」

坂本「ん?」

宮藤「すこし、のどが乾きました」

坂本「ん…そうか、風邪ひきなんだから当然か。
    水をすぐ入れてやるからまっていろ…ほら」すっ

宮藤「ありがとうございます」

ごくごくごく

坂本「あ、おいそんなに勢い良く飲むな、体に毒だぞ」

宮藤「ぷはー、おいしいです」

坂本「やれやれ、しょうがないやつだな。
    …おかわりは?」

宮藤「お願いします」
142名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:41:47.51 ID:wVwU4sh80
宮藤「……」ごく、ごく

坂本「落ち着いたか?」

宮藤「はい、ありがとうございます坂本さん」

坂本「ああ」

宮藤「…そういえば、リーネちゃんとペリーヌさんは?」

坂本「ペリーヌは、看病疲れで眠ってしまっていたからベッドに移した。
    リーネは、今はどこにいるのかわからん」

宮藤「そうですか」

宮藤「坂本さん、わたし…」

坂本「ん?」

宮藤「…いえ。
    ごめんなさい、なんでもありません」

坂本「いかんぞ、宮藤」

宮藤「え?」

坂本「うむ。その…まあなんというかだな。話せ」

宮藤「は、はあ」
143名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:45:41.09 ID:wVwU4sh80
〜〜〜〜

ざー…
  ざー…

リーネ「はぁ、はぁ」

リーネ「はぅ…」へたり

リーネ「……っひ、ぐす…」

リーネ「う……」ぶるるっ

バルクホルン「いい加減にしないと、本当に風邪を引くぞ」

リーネ「……バルクホルンさん。追いかけてくるなんて…」

バルクホルン「もういいだろう、部屋に帰って着替えてこい」

リーネ「戻れません」

バルクホルン「お前は…!」

リーネ「芳佳ちゃん、とっても辛そうだった…。
     このままのうのうと戻るなんて…あそこにはペリーヌさんもいるのに。
     芳佳ちゃんもペリーヌさんも苦しんでるのに、わたしだけが…」

バルクホルン「なら、お前が宮藤と同じように風邪を引いて苦しむのが宮藤の望みだとでもいうのか!」

リーネ「!」
144名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:52:42.27 ID:wVwU4sh80
ざー…
  ざー…

バルクホルン「宮藤は、自分が苦しんだ分だけ他人が苦しむことを望むようなヤツなのか」

リーネ「そんなことありません!」

バルクホルン「なら、貴様はいったい何をしているんだ。
         ただでさえ風邪を引いて苦しんでいる宮藤に、
         お前まで風邪を引いてみせて、さらにつらい思いをさせるのがお前の望みか」

リーネ「ち、ちがう…」

バルクホルン「お前がこのまま戻らなかったら、宮藤がどう思うと思うんだ。
         ペリーヌも心配するとは思わんのか」

リーネ「やめて…」

バルクホルン「お前は、あのふたりがお前のことをどれほど気にかけているのかわかっているのか!」

リーネ「やめてください!」

バルクホルン「……」

リーネ「…もう、やめて」
145名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:56:02.30 ID:wVwU4sh80
バルクホルン「……ごほん」

バルクホルン「人に気をかけてもらうのは、時にひどくつらく、重苦しく感じるものだ」

リーネ「…?」

バルクホルン「お前は、お前が宮藤やペリーヌを傷つけたつもりで、そんなお前が
         当の二人から気を遣ってもらうのがひどく重荷なんじゃないか?」

リーネ「……」

バルクホルン「…だが、気づけ、リネット・ビショップ」

バルクホルン「相手を想って自分を傷つけたいと思うほどに、お前が思いをかける相手のほうだって
         お前がつらい目にあって平気なわけがないだろう」

リーネ「大尉…」

バルクホルン「宮藤の事に責任を感じるというのなら、リーネ。
         宮藤も、お前のことに責任を感じているはずだぞ」

リーネ「芳佳ちゃんが、わたしに…」

バルクホルン「悔しいが、お前の言うとおり、わたしには宮藤の事なぞ如何程もわからん。
         お前が知るほどには、わたしは宮藤をしらん。
         ペリーヌについても、おそらくはそうなんだろうさ」

バルクホルン「ならばこそ、お前はあの二人に対して責任を持て」

リーネ「責任…を」
146名も無き被検体774号+:2013/02/15(金) 23:59:06.97 ID:wVwU4sh80
リーネ「……」

バルクホルン「……」

リーネ「…わたしには、どうすればいいのかまだわかりません」

リーネ「でも…戻ります。
     芳佳ちゃんの看病をします」

リーネ「今は、それしかできないから…」

バルクホルン「……」

リーネ「……」ぺこっ

すたたた…



バルクホルン「……ふー」

バルクホルン「慣れない説教なぞ、するものではないな」

バルクホルン「わたしもびしょ濡れだな。風呂にでも、入るか」

さーっ…

バルクホルン「今頃になって雨が止んだか、遅いわ!」
147名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 00:02:03.72 ID:lVjGbTGI0
〜〜〜〜

坂本「うーん…」

宮藤「……」

坂本「うむ、どうもこういうのは苦手でな、すまん」

宮藤「…くすくす」

坂本「む?」

宮藤「なんか、今日はいつもの坂本さんです」

坂本「そ、そうか?
    って、それではまるで最近はいつもの私ではなかったみたいじゃないか」

宮藤「だって、最近の坂本さん、ちょっと元気なかったですから。
    とても深く思い悩んでいたみたいで」

坂本「うーん…まあ、そうだな」

宮藤「…でも、よかったです。
    坂本さんが元気になって」

坂本「病人のお前が人を心配するな、と言いたいところだが…
    お前には心配をかけてしまったな、すまない」

宮藤「いいえ、いいんです」
148名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 00:04:01.81 ID:lVjGbTGI0
宮藤「…坂本さん」

坂本「どうした?」

宮藤「リーネちゃんもペリーヌさんも、私には助けてあげられなかったんです」

宮藤「わたし、どうすればいいんでしょうか。
    ペリーヌさんには私の魔法の効果がないみたいだし、
    リーネちゃんもペリーヌさんが治らない事でとても自分を責めてて…」

坂本「……」

宮藤「私、近くにいるのに何もしてあげられなくって。
    どうすればいいのかわからないんです」

坂本「それは、私にもわからん」

宮藤「さ、坂本さあん」

坂本「はっはっは、すまん。
    お前も知っているかもしれんが、私はそういう事には本当に疎くてなあ」

坂本「だが、お前にできることがひとつ、ある」

宮藤「え!
    なんですか、坂本さん。教えてください」
149名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 00:05:31.09 ID:lVjGbTGI0
坂本「それはな、話を聞いてやることだよ」

宮藤「話を?」

坂本「まあ、相手が話をしたくないんなら、そばにいてやるだけでもいい。
    少なくとも、わたしは、それで助けられた」

宮藤「そばに…。でも、ペリーヌさんは」

坂本「確かに、ペリーヌの記憶は戻っていない。
    だが、お前がそばに居てやっているから”今のペリーヌ”は元気じゃないか」

宮藤「あ…うーん、そうなんですか?」

坂本「ああ。
    それに、ペリーヌはリーネのために記憶を取り戻そうとしているんだろ?」

宮藤「そう聞いてます」

坂本「その姿にリーネが気づくことができれば、リーネの気持ちも変わってくるはずだ」

宮藤「なるほど…すごいです坂本さん!
    なんか、なんとかなりそうな気がして来ました」

坂本「そ、そうか?
    それならよかったな、はっはっは!」

坂本「…まあ、なんとなく思ったことを言ってみただけなんだけどな」

宮藤「もー、さ、坂本さあんっ」
150名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 00:07:30.53 ID:wVwU4sh80
今日はここまで
今回はそんなダイナミックな動きはないね

ナットウはなしはまた明日明後日こっそり投下するわ。
お題は今後も適当に募集したり。

ではまた
151名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 01:43:58.30 ID:29hhPJAC0
152 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/16(土) 02:01:09.37 ID:n6JIbKhL0
おつお!!
153名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 02:09:00.52 ID:k4W75wWj0


エイリーヌどっちも出番がワロロン
154名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 04:41:12.95 ID:lVjGbTGI0
>>153
今回はお当番回ではなかったのである

投下終わってうっかりこたつで横になったと思ったらこの時間まで寝てしまって
なんか寒気が止まらないんだけど、ペリーヌさん看病しにきてくれるかしら
155 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/16(土) 11:38:19.93 ID:n6JIbKhL0
>>154
こたつで寝ると風邪引きやすいらしい
脱水症状やらも気付かないだけで起きてるかもよ

忘れがちな水分補給はしっかりね
156名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 18:17:35.78 ID:lVjGbTGI0
ho
157名も無き被検体774号+:2013/02/16(土) 20:00:19.15 ID:pE4CdrF00
起きろハルトマン!保守の時間だ
158名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 08:51:57.59 ID:CpiNEhvq0
エイラ……保守よ
159名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 14:46:12.54 ID:7cxx1Zmu0
ho
160名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 20:02:38.96 ID:pna/9MxP0
保守しない奴は飯抜きだ!
161名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 22:16:29.59 ID:7cxx1Zmu0
ウィッチーズ「うわぁ……」

ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ

宮藤「混ぜれば混ぜるほど美味しくなりますよ、ペリーヌさん」

ペリーヌ「はい、宮藤さん」

ルッキーニ「ぐちょぐちょーで、ぬろろろーん」

にっちゃにっちゃにっちゃにっちゃ

バルクホルン「ルッキーニ少尉はともかく、ぺ、ペリーヌめ…あいつは納豆は平気なのか?」

シャーリー「いや、記憶がないからだろ…」

バルクホルン「くそっ、邪気がないだけに厄介な!」

もわわ〜ん

シャーリー「…………うっ!
       ご、ごめん、あたし、ちょっと部屋に帰るわ…」だだっ

バルクホルン「こ、堪え性のないリベリアンめ。
         わ、わたしはまだ退かん!」

エイラ「すんすん。うげ、なんちゅう匂いだ」

エーリカ「シュールストレミングの国の人がそれをいうかね」

サーニャ「……」ふらっ

エイラ「ああ、サーニャっ!?」

バルクホルン「くそ、このままでは部隊は全滅してしまうぞ…」

宮藤「もっと、もっと混ぜてー混ぜてー」

ペリーヌ「はい、宮藤さん!」

ぐっちゃぐっちゃぐっちゃぐっちゃ

バルクホルン「ぐっ…!
         す、すまん、クリス…」ばたっ

エーリカ「わ、トゥルーデがやられた!」
162名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 22:17:53.12 ID:7cxx1Zmu0
エイラ「サーニャが大変だし、大尉も倒れるし…だ、だれかこいつらを止められるのは…そうだ、少佐は!?」

エーリカ「あっち」

坂本「納豆は健康にいいからな、みんなも食うといいぞ」ぐっちゃぐっちゃ

エイラ「被害拡大要因じゃないか!」

エーリカ「ちなみにミーナは隣で笑顔で気絶してる」

エイラ「そんな説明はいらねーよ!」

エイラ「そうだ、リーネ…リーネはどこだ!」

エーリカ「部屋で寝てる」

エイラ「またかよ!
     肝油もうまく避けてたろあいつは」

エーリカ「黒いんじゃないんだ、リーネは辛いことをいっぱい抱えているんだよ。うんうん」

エイラ「ぐっ!?
     そ、そりゃまあそうかもしれないけど」

エーリカ「しかし、このままじゃあ収拾が付かないな」

宮藤「さあ、十分に納豆が練り上がりましたから、そろそろ食べましょう」

ペリーヌ「はい、宮藤さん!」

ルッキーニ「うん、芳佳!」

宮藤「ごはんに納豆をたっぷりかけて、よく混ぜますー」ねっちゃねっちゃ

エーリカ「げ、このうえまだ混ぜるのか」

宮藤「それじゃ、いただきまーす」

ペリーヌ「いただきます」

ルッキーニ「いただきまぁーす!」

ぱくっ


ペリーヌ「ふぐぅっ」

ルッキーニ「芳佳、おかわりー!」


おわれ
163名も無き被検体774号+:2013/02/17(日) 22:20:36.67 ID:7cxx1Zmu0
短編ギャグは俺には無理だと思った。

記憶は味覚を超克しない、という事で一つ。
ペリーヌが納豆を食ったことがあるかないかは最後の最後まで悩んだけど
1期3話で「いくら少佐の好みでもこれだけは我慢できない」って言ってたから
最低でも一回は口に入れた事があるんだろう、と思った。

ではまた。
164名も無き被検体774号+:2013/02/18(月) 00:57:12.14 ID:IPXFe0hz0


ペリーヌはかわえーな
165名も無き被検体774号+:2013/02/18(月) 07:38:43.93 ID:sCSRxHNY0
ho
166名も無き被検体774号+:2013/02/18(月) 19:22:37.28 ID:YHLeblSn0
ho
167名も無き被検体774号+:2013/02/18(月) 23:51:46.79 ID:fsnI7l2qP
C
168名も無き被検体774号+:2013/02/19(火) 00:30:06.19 ID:o24QI3Ny0
火消しとして炎上Pに投入されることになったのでしばらく帰って来ないかもしれません。
うう…。

あと3回ぶんくらいで終わるはずだけど、万一次また落ちたら流石にこんどは制作速報あたりに立て直すね。
その時にはこっちにも告知でスレ立てるのでよろしくです。
いや、もちろんこのスレで完結できればそれが一番いいんですけど!
169名も無き被検体774号+:2013/02/19(火) 01:51:26.90 ID:CCj7kUMn0
(´・ω・`)
170名も無き被検体774号+:2013/02/20(水) 00:35:39.40 ID:7DvKlUBM0
171名も無き被検体774号+:2013/02/20(水) 00:39:44.64 ID:U89+Yz4FT
なんやと…
172名も無き被検体774号+:2013/02/20(水) 13:53:24.22 ID:7DvKlUBM0
173名も無き被検体774号+:2013/02/20(水) 18:46:45.09 ID:Et2sBYnH0
少尉!定期的な保守は軍規に定められています!軍規は絶対なんです!
174名も無き被検体774号+:2013/02/21(木) 00:57:32.89 ID:1YjjOwrz0
175名も無き被検体774号+:2013/02/21(木) 22:36:10.16 ID:CjcVZsA70
176名も無き被検体774号+:2013/02/22(金) 07:51:12.20 ID:8YVZUFJQ0
177名も無き被検体774号+:2013/02/22(金) 09:21:25.76 ID:lV3lMG2c0
178 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(2+0:8) :2013/02/22(金) 18:26:56.20 ID:sZJu5RQe0
保守あげ
179名も無き被検体774号+:2013/02/22(金) 23:16:07.36 ID:ZkP1Y5+N0
180名も無き被検体774号+:2013/02/23(土) 15:12:22.56 ID:ajiRdDGkT
間に合えー!
181名も無き被検体774号+:2013/02/23(土) 22:59:36.38 ID:ymSr3mSp0
保守
182名も無き被検体774号+:2013/02/24(日) 02:36:04.91 ID:C/NJ0Fl00
6/14
183名も無き被検体774号+:2013/02/24(日) 10:23:00.29 ID:BBINZ7pG0
まさかまだスレが残っていたとは…
184名も無き被検体774号+:2013/02/24(日) 20:31:34.81 ID:3NuPdr2d0
保守
185名も無き被検体774号+:2013/02/24(日) 23:21:41.32 ID:O8ZM7gXr0
保守しなかったら、それまでなんです!
186名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:45:54.60 ID:9aJ4fi2I0
ゲリラ投下ですわ!
187>>149から:2013/02/25(月) 00:50:59.04 ID:9aJ4fi2I0
〜〜数日後〜〜

リーネ「…………よかった。だいぶお熱、下がってきたね」

宮藤「うん。これなら、明日にはもう飛べるかも」

リーネ「無理しちゃダメだよ、芳佳ちゃん」

宮藤「わかってる。でも、みんなに迷惑かけちゃったし、早く戻りたいの」

リーネ「…わかった、ミーナ中佐にお話しておくね」

宮藤「うん」

宮藤「ねえ、リーネちゃん」

リーネ「ん?」

宮藤「ありがとね、リーネちゃん」

リーネ「ど、どうしたの?
     別に、お礼言われるようなことなんて…」

宮藤「ううん、リーネちゃん、とても一生懸命看病してくれたもん。
    私の病気が治ったのも、リーネちゃんやペリーヌさんのおかげだよ」

リーネ「だって、それは…芳佳ちゃんが風邪を引いたのは、私のせいだし…」
188名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:51:56.07 ID:9aJ4fi2I0
宮藤「そんな。
    わたしが風邪引いたのがリーネちゃんのせいなんて、そんな事ぜったいないよ!」

リーネ「ううん、違うの。
     わたし、芳佳ちゃんがつらい思いをしてることに気づいてあげられなかった。
     だから……」

宮藤「あのね、リーネちゃん」

リーネ「…さ、さっきのお話、ミーナ中佐に話してくるね」がたっ

宮藤「あっリーネちゃ」

リーネ「じゃあ、また後でくるから。ちゃんと安静にしていてね」

扉>ばたん

宮藤「…行っちゃった」

宮藤「あー、わたしダメだなー。せっかく坂本さんがヒントを教えてくれたのに…。
    話を聞く、かあ。わたしだってリーネちゃんともっとちゃんとお話したいんだけど」


〜〜ドアの外〜〜

リーネ「…はぁ、わたし、ダメだな。
     バルクホルン大尉が言ってくれたこと、全然実践できてないや。
     芳佳ちゃんに責任を持つ、か。こんなふうに芳佳ちゃんから逃げてたらダメよね…」

リーネ「すぐに戻るのも気まずいし、まずはミーナ中佐にお話してこようかな」
189名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:52:51.12 ID:9aJ4fi2I0
〜〜執務室〜〜

ミーナ「そう。宮藤さん、もう大丈夫なのね?」

リーネ「は、はい。
     でも、あの、ミーナ中佐…」

ミーナ「心配しないで、リーネさん。
     明日は、ブリーフィングだけ出てもらって様子を見ることにしましょう」

リーネ「ありがとうございます」

坂本「ご苦労だったな、リーネ。
    宮藤をよく看てくれていたそうだな」

リーネ「い、いえ。わたしなんて何も…」

リーネ「あ、あの。それでは失礼します」

ミーナ「あ、まってリーネさん。
     悪いんだけれど、これをハルトマン中尉まで届けてもらいたいの」さっ

リーネ「手紙、ですか?」

ミーナ「私が届ければいいんだけど、ちょっと今は動けないのよ。
    お願いしていいかしら?」

リーネ「はい、わかりました」
190名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:53:30.98 ID:9aJ4fi2I0
〜〜バルクホルン、ハルトマンの部屋〜〜

リーネ「……し、失礼します」

リーネ「ぅ」

バルクホルン「ん、リーネか?
         …どうした、部屋の入口で固まって」

リーネ「ば、バルクホルン大尉。
     その、あの、あっち…」

バルクホルン「ああ……まあ、あのゴミの山は気にしないでくれ。
         正直、このザマを見られるのは、我がカールスラントの威信を汚しているようで情けないがな」

バルクホルン「まあ、それはそうと、お前がここに来るなんて珍しいな、どうした?」

リーネ「ミーナ中佐から、ハルトマン中尉宛のお手紙をお預かりしまして」

バルクホルン「ハルトマンへの手紙だと?
         あいにく、今アイツは不在でな。私が預かっておこうか」

リーネ「あの、その手紙、封が開いているみたいですけれど…」

バルクホルン「ああ、気にするな。検閲されただけだろう。
         我々は軍人だから、こういうこともある」
191名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:54:07.49 ID:9aJ4fi2I0
バルクホルン「ともかく、ご苦労だった。
         この手紙は私が責任をもってハルトマンに渡しておく」

リーネ「よ、よろしくお願いします」

リーネ「……」もじもじ

バルクホルン「…ん?
         どうした。まだ何かあるのか?」

リーネ「い、いえ。そういうわけではないんですけど…」

リーネ「あの、芳佳ちゃん…元気になって、明日には任務に戻れるって言ってました」

バルクホルン「そっ、そうか、宮藤が。
         そうか、それはよかった!」

リーネ「は、はい」

バルクホルン「よく頑張ったな、リーネ」

リーネ「わ、わたしは、なにも…できてないと思います」

バルクホルン「そうなのか?」

リーネ「…その、ええと」

バルクホルン「…ふっ。
         まあ、何にしろ、これからも宮藤を頼むぞ、リーネ」
192名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:55:12.06 ID:mAy32E+t0
きたか!
193名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:55:14.57 ID:9aJ4fi2I0
〜〜エイラ、サーニャの部屋〜〜

扉>がちゃ

エーリカ「エイラ、いるー?」

エーリカ「ありゃ、いないや」

サーニャ「…ん」むく

エーリカ「あっちゃー、さーにゃん寝てたかー」

サーニャ「ふぁ…ぅ。
      はるとまんさん?」

エーリカ「おっはよーさーにゃん。
      起こしちゃってごめんね」

サーニャ「……」ふるふる

サーニャ「おなかへったから」

エーリカ「ああ、腹ペコで起きたんだね」

サーニャ「こくこく」

エーリカ「にゃはは。じゃあ一緒にご飯食べにでもいこっか?」

サーニャ「うん」
194名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:56:14.89 ID:9aJ4fi2I0
〜〜食堂〜〜

エーリカ「でさー、私としてはやっぱり一日10時間は寝たいわけ」

サーニャ「うん」

エーリカ「それはそうと、さーにゃんはコーヒーって飲むの?」

サーニャ「あんまり」

エーリカ「夜起きてないといけない仕事の人はがばがば飲むって聞くけどねー」

サーニャ「にがいから…」

エーリカ「あーうん、わかるわかるー。苦味で眠気を誤魔化すのってなんか間違ってるよね」

サーニャ「でも、ミルク…」

エーリカ「ああ、確かにミルク多めのヤツは美味しいよね」

サーニャ「うん」

シャーリー「お前ら、よくそれでちゃんと会話出来てるな…」

エーリカ「おや、シャーリーじゃん。やっほー」

シャーリー「よお、ハルトマン。サーニャも。元気か?」

サーニャ「はい」
195名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:57:06.62 ID:9aJ4fi2I0
シャーリー「なんか、お前たちが仲がいいっていうのはなんとなく知ってたけど
       こうして二人でいるところって珍しいよな」

エーリカ「そりゃあ、普段はお互い手のかかる相方を抱えてるからさ。ね、さーにゃん」

サーニャ「バルクホルンさんが」

シャーリー「あはは、確かにそれをバルクホルンが聞いたら、髪の毛逆立てて怒りそうだな!」

エーリカ「えー、そうかなあ」

エーリカ「って、そういえばそっちだって今日は相方が外してるじゃん、どうしたの?」

シャーリー「ああ、ルッキーニなら…ほら、そこの窓を開けて空を見てみろよ」

サーニャ「?」

がらっ

エーリカ「どれどれ」

        …………ぶぃぃんっ
            …………ぶぉんっ!

エーリカ「わっ!
      ストライカーユニットのエンジン音…速いな」

サーニャ「…ルッキーニちゃんと、ペリーヌさん」

エーリカ「え、まじ!?」
196名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:58:53.24 ID:9aJ4fi2I0
シャーリー「…と、いうわけさ」

エーリカ「なるほどなー」

サーニャ「ふたりとも、巧い…」

シャーリー「ああ。ミーナ中佐も言ってたよ。
       一度学んだことはスポンジみたいに吸収するし、
       実践の技術もみるみるうちに上達していってるって」

シャーリー「今のアレだって、銃こそ持ってないけど全力でルッキーニに追躡してるんだぞ。
       少なくとも飛行について言えば、ほとんど前のペリーヌと同じくらいさ」

エーリカ「そりゃすごいな」

サーニャ「……」こくこく

シャーリー「…あいつ、ホントはもうとっくに記憶戻ってたりしないのかな?
       案外、あたしたちの事からかってたりして」

エーリカ「そりゃあいいね」

サーニャ「…でも、ペリーヌさんは、きっとしない」

シャーリー「ああ、そうだな。
       あいつはそういう風に人をからかうような柄じゃあ、ないか」

エーリカ「……。私ならやっちゃうかもしれないけどね」

シャーリー「あっははは!そうかもな」
197名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 00:59:35.27 ID:9aJ4fi2I0
〜〜バルクホルン、ハルトマンの部屋〜〜

エーリカ「あー、食べた食べた。
      お腹も膨れたし、そろそろ寝るかな」

バルクホルン「貴様は牛か!」

エーリカ「あ、トゥルーデ、いつのまに」

バルクホルン「最初から部屋にいたわ!
         まったく、いい加減にこんな汚い部屋にいるから注意力がだな」

エーリカ「おやすみー」

バルクホルン「人の話を聞け!

         …まったく、せめて手紙だけ受け取ってから寝ろ」

エーリカ「手紙?」

バルクホルン「ほら」さっ

エーリカ「あんがと、トゥルーデ。
      …中は見た?」

バルクホルン「お前宛の手紙なんだから、お前より先に読むはずがないだろう」

エーリカ「えへへ、そーだよね。
      誰からかなー…」
198名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:01:31.89 ID:9aJ4fi2I0
エーリカ「あ、ウルスラからだ」

バルクホルン「ウルスラ…ああ、妹さんのウルスラ・ハルトマンか。
         今はノイエ・カールスラントにいるんだったか?」

エーリカ「うん、あっちの技術省にね。手紙だなんて、なんの用だろ?」

バルクホルン「別に、姉妹なんだから手紙のやり取りをするのに特に理由もないだろう」

エーリカ「最低でも週に一回は海を超えた先に手紙を送るような人間の意見は参考にならないよ」

バルクホルン「ぐっ」

エーリカ「ふんふん、はいけい、おねえさま………あー!」

バルクホルン「わわっ!」

エーリカ「そっかそっか、そいえば私の方から手紙を出したんだった」

バルクホルン「お前が手紙を?
         珍しいこともあるものだな」

エーリカ「う、うん、まあね!」

バルクホルン「やれやれ…とにかく、食ってすぐ寝るのは健康に良くないからやめろ。
         私はミーナのところに行ってくる」

エーリカ「うん、いってらっしゃいトゥルーデ」

バルクホルン「…寝るなよ?」
199名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:02:17.87 ID:9aJ4fi2I0
扉>ばたん

エーリカ「にしし。寝るわけ無いじゃん、こんな重要な手紙がきたってのにさ」

エーリカ「えーっと、なになに…山々もすっかり冬化粧…暗号は化粧、か。
      ってことは、たしか…」ごそごそ

エーリカ「あった!
      この、服にかかると溶けるっていうエーテルT液を塗ってやると本当の文章が出てくるんだよな」

エーリカ「ぬりぬりぬり…と。手紙は2枚か」

ぬりぬり…

エーリカ「あー、やっと終わった。
      あとはちょっと待てば文字が浮き出てくるはず」

ウゥゥ―――

エーリカ「あ、警報だ」

エーリカ「手紙の文字はまだ浮き出てこないし、いくか!」どたどた

扉>バタン


…ひゅぅぅ

            ぱさっ…
200名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:02:51.14 ID:9aJ4fi2I0
〜〜扉の外〜〜

エーリカ「あれ、エイラ」

エイラ「ハルトマンか。
     今オマエの部屋に行こうと思ってたんだけど…」

エーリカ「うん。まあ、また後でね。今は…」

エイラ「わかってる。行くぞ!」

〜〜ハンガー〜〜

坂本「来たか、総員直ちにストライカー着用し、出撃!」

    「「「 了解!  」」」



〜〜外〜〜

リーネ「……」

リーネ「わたしは、まだ戦わせてもらえないの……」

リーネ「悔しいな。わたし、やっぱり何も出来てない」

リーネ「…きっと、こんな風にすぐ落ち込んじゃうからダメなのよね」

リーネ「……でも」ふるふる
201名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:03:23.80 ID:9aJ4fi2I0
〜〜〜〜

エーリカ「今日のネウロイは楽勝だったなー」

エーリカ「さてと、そろそろ手紙も文字が浮き出てるころじゃないかな。
      さてさてーっと」

エーリカ「…あれ、1枚しかない?
      確か2枚あったはずだけど…」

エーリカ「まあ細かいことはどうでもいいか」

エーリカ「ふんふん…と。なんかずいぶんと断片的な文章だな。
      ちぇ、途中で雨にでも濡れたかな?」

ぺらっ

――――
『スオムス』…『ウィッチ事例』
――

エーリカ「やっぱり、似たような事例があったんだね。で、その先は…」
202名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:04:03.53 ID:9aJ4fi2I0
――――
『ネウロイ被撃墜』…『異常な上達』…『能力をコピー』
――――――

エーリカ「…ん?
      これって…」

<どんどんうまくなってるな>
        <もう宮藤と同じくらい>
    <スポンジみたいに>  <ほとんど前のペリーヌと同じ>

エーリカ「そ、そんな、たんなる偶然じゃ……」

――
『墜落後、記憶喪失』…『精神操作』…『魔力』
――――
     <事故後からほとんど記憶の回復がない>
  <魔法はちゃんと発現できるんだね>

エーリカ「……っ!」

――
『ネウロイのスパイ』…『洗脳』
――――

エーリカ「…そんな、わたしの悪い予感、当たっちゃったのか?」

―――――
『交戦』…『撃墜』
――――――――
203名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:04:42.51 ID:9aJ4fi2I0
エーリカ「手紙、ここで終わってる…。
      って、げ、撃墜って」

エーリカ「まさか、ペリーヌも、ネウロイの…!
      そ、そんな、それじゃあ…」

どんどん

エーリカ「っ!」

エイラ>扉 「おーい、ハルトマン、いるかー?」

エーリカ「……」

エイラ>扉 「おーい、ハルトマーン?」

エーリカ「ダメだ」

エーリカ「ペリーヌをこのままにしてたら、いつか…あいつを墜とさなくちゃいけなくなるのか?
      ……そんな事させるわけにはいかない」

エーリカ「わたしは、どうすればいい…?
      どうすれば…」

扉>どんどん

エーリカ「…ごめん、エイラ。こうなっちゃったら、もう協力できない」

エーリカ「これは、もう私たちじゃ手に負えない問題かも」
204名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:05:33.18 ID:b7kA0zhBT
アカン
205名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:05:58.02 ID:9aJ4fi2I0
〜〜〜〜

リーネ「はあ…。
     いくら出撃しなかったからって、ミーティングさぼっちゃうなんて初めてだよ…」

リーネ「わたし、こうやって逃げ続けていたって何も解決しないのに…」

リーネ「って、あれ、ここは?」

リーネ「あれ、ここって確かペリーヌさんの作った花壇のあるところかな?
     いつの間にかあちこち歩いて来ちゃってたみたい」

リーネ「…あ!」

リーネ「大変、花壇のお花、いくつか萎れちゃってる!
     どうしよう、なんとかしないと…」

リーネ「このお花はお水を上げればいいはず、こっちのこれは…雑草が生えてしまって養分が取られてるのね。
     まずは周りの雑草を抜かないと…」ぶちぶち

リーネ「そっか、ペリーヌさんが記憶喪失になってから、ここの花壇を手入れする人がいなくなったんだ。
     このままじゃ、せっかくペリーヌさんが丹精込めて作った花壇が…」

リーネ「………そうだ、私が守らなきゃ。
     ペリーヌさんの記憶が戻るまで、ここの花壇は私がなんとかするんだ。
     そうよ、ペリーヌさんは、わたしにいろんな草花の手入れの仕方を教えてくれたもの…」

リーネ「ペリーヌさんのために、私ができること…いま、ここから始めるんだ!」
206名も無き被検体774号+:2013/02/25(月) 01:08:15.09 ID:9aJ4fi2I0
今日はここまで
ようやく事態が派手に動いていく(かもしれない)段階に来たよ

おおまかな筋はすでに決まってはいるんですけど、
時間が足りてないから細かい部分のクオリティコントロールがちょっと不安です

では、また
207 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/25(月) 03:10:31.49 ID:/uC2nzlD0
おつお
風で飛んでいったもう一枚でどうなるか…!!
208 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/25(月) 21:21:19.81 ID:/uC2nzlD0
保守あげ
209名も無き被検体774号+:2013/02/26(火) 07:57:46.93 ID:CYVbtc/00
ほしゅ
210名も無き被検体774号+:2013/02/26(火) 11:22:39.30 ID:flcjG3qKi
リーネちゃん頑張り屋さんかわいい!
211名も無き被検体774号+:2013/02/26(火) 22:36:49.78 ID:1YRyrDFM0
ほしゅ
212 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/27(水) 02:32:47.14 ID:IWDRHTxh0
保守あげ
213名も無き被検体774号+:2013/02/27(水) 13:04:55.24 ID:4mGt730ui
フミツイのスーパーペリーヌかっこよすぎ
214名も無き被検体774号+:2013/02/28(木) 00:16:34.53 ID:E0F+TPd9T
ペリーヌかわいいよペリーヌ保守
215名も無き被検体774号+:2013/02/28(木) 08:06:44.86 ID:KXcsWhLC0
ほっしゅ
216名も無き被検体774号+:2013/02/28(木) 08:20:13.39 ID:YPw4Gj8n0
ほしゅ
217名も無き被検体774号+:2013/02/28(木) 20:54:10.32 ID:KXcsWhLC0
流石に今日は落とせないだろJK
218名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 06:00:32.08 ID:zee9ZHU7T
ペリーヌさん!保守します!
219名も無き被検体774号+:2013/03/01(金) 18:04:35.85 ID:BBPb3YYu0
必ず完結まで保守して!これは命令よ!
220名も無き被検体774号+
…了解した!