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名も無き被検体774号+:
昔からキョロ充でしかない俺だが、無駄に行動的なときがある。
それが、アドレス交換をしたこのときだ。
「初めまして。俺といいます。
交換できるとは思いませんでした。ありがとうございます。」
さしあたりのないつまらないメールを、向こうはわざわざ返してくれ、
なんだかんだで会うことになった。
まだ顔もみたこともない人と。
正直、不安だった。釣りの可能性もあるし、まして
かわいいなんて保障はない。
自分の顔のレベルもまったく考えることなく、ただただ相手が
かわいいかずっと考えていた。
会う前日になり、一つ気づいたことがあった。
そう、来ていく服がない。