219 :
名も無き被検体774号+:
70 名前: ◆A6333/vag. [sage] 投稿日:2008/10/16(木) 14:22:14 ID:5TI9D2oB0 [3/3]
穴を埋めた後、大き目の石をその上に乗せて墓標としました。
そして、K3が好きだったオモチャを墓前に供えました。
その時、また地中からムーと聴こえたように感じましたが、気のせいでしょう。
さて、問題は残された全身ノミだからけの4匹の子猫たちです。
まだ乳離れが済んでいないというのに、肝心の母親は育児放棄して姿を消してしまいました。
つまり、この子たちの命は私の手に委ねられてしまったのです。
しかし、私の父親ははっきりと「捨てて来い」と指示しました。
父親が怖かった当時の私に、逆らうことなんてあり得ませんでした。
今まさに袋の中でニイニイ鳴いてる子猫を持て余して、私は困り果てました。
220 :
名も無き被検体774号+:2012/02/18(土) 23:32:08.59 ID:0o9Qitfw0
304 名前: ◆A6333/vag. [sage] 投稿日:2008/12/13(土) 22:54:35 ID:VPfO+eJi0 [1/2]
>>68-70のつづき
『幼い頃の想い出が残る片田舎
そこが彼らの新しい家になる
両親を失い、残された彼ら兄妹4匹は
逃げる間もなく、この場所に連れて来られた…』
ずっと前、火あぶり&生き埋めという非業の最期を遂げた、K3というメス猫がいました。
K3には5匹の幼い子猫が残されましたが、残念なことにそのうちの1匹は事故死してしまいました。
そして、4匹の子猫たちも母親を失い、飼い主に見捨てられるという、危機を迎えました。
自分たちの身の上に何が起きたのか、また起きるのか。
彼らにはまだまだそんな事は分からず、ちっちゃな目と耳でただじっと見つめるばかりでした。
221 :
名も無き被検体774号+:2012/02/18(土) 23:32:19.32 ID:0o9Qitfw0
305 名前: ◆A6333/vag. [sage] 投稿日:2008/12/13(土) 22:55:39 ID:VPfO+eJi0 [2/2]
彼らの名を、kR4(♂)・kC4(♂)・K4(♀)・ki4(♀)と、仮に定めます。
命名は形式的なものなので、特に覚えていただかなくても結構です、念のため。
また、詳細な特徴や性格は、もし機会があればその時に触れます。
さて。
問題は、スーパーの袋の中でガサガサニイニイ鳴く子猫たちなのでした。
誰か飼ってくれそうな人を探そうにも、同級生の中に友達と呼べる人間が1人もいなかった私には、当てがありません。
獣医を訪ねて保護を願い出るような社交性も、持ち合わせていません。
父親に隠れて、どこかでこっそり飼うような度胸もありません。
が、しばらく思案してふと名案を閃きました。
「いなかの婆ちゃんなら…」と考えたのです。