1 :
1:
自分語り系です。
立ったら書きます。
少し吐きたくなりました。
チラシの裏にでもですが
なんとなく10年以上ROMってたVipのお前らに聞いて欲しいかった
2 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 22:27:46.90 ID:jaSqUlTE0
よしいけ
3 :
1:2012/01/21(土) 22:29:09.92 ID:SuTgrNlt0
スペック
■童貞
■オタク
■デブ
■フツメンだと思う
■地方駅弁
4 :
1:2012/01/21(土) 22:31:41.97 ID:SuTgrNlt0
出逢いは大学の1年の実習で隣のグループの女の子だった
正精度や値の正確さ定性分析の早なんかで競い合うわけでもなかったけれど
抜きつ抜かれつしてて少し意識してた
5 :
1:2012/01/21(土) 22:36:05.42 ID:SuTgrNlt0
本当に興味をもったのは
輪読の授業で同じ組みなった
それは偶然だった。
その時の自己紹介で惚れた。
その自己紹介は簡単に言えば本当に人間というものが何たるかを知りたくて
この大学この学部に入りましたと言うものを長々と喋った女の子がいた
でも、それは、僕の考えていることとか志向とか動機とかが同じで
同じことを考えている人が居るんだと思ったのでその時点ですごく気になる女の子になった
僕は同じこと言おうと思っていたけれど
先に言われてしまったので
しどろもどろに、何も言えなくなってしまった
まぁ、とても普通な自己紹介をしたと思うお
6 :
1:2012/01/21(土) 22:37:46.07 ID:SuTgrNlt0
もちろん、恋愛経験なんてないから
普通に同じグループで話をしたり
研究の話をしたりするだけで幸せだった
7 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 22:38:31.64 ID:52Fm0Rg10
ほうほう
8 :
1:2012/01/21(土) 22:43:34.03 ID:SuTgrNlt0
転機はその輪読の授業の最後に訪れた
輪読のみんなが結構仲良くなって
最後に打ち上げをしようという話なった
飲み会の席でくじ引きをして隣の席になった
何かを話しをしなくちゃと思ってとても焦った
いつも本を読んでいるから、どんな本が好き?
って、聞いた。
そしたら、その子はなんでも読む、本はなんでも好き
って答えた
貴方は何を読むの?
って聞かれた
最近だと致死量ドーリスが好きだった
って答えたら
楠本まきさん良いよね
って言ってその子は花のように笑った
そしたら、堰を切ったように女の子は本談義をし始めて
圧倒されてたけれど少し距離が近づいたみたいで嬉しかった
それから、飲み会が終わって
飲みすぎちゃったその子を僕が送るという場が出来上がっていた
9 :
1:2012/01/21(土) 22:44:39.68 ID:SuTgrNlt0
>ちょい離籍
10 :
1:2012/01/21(土) 22:57:34.17 ID:SuTgrNlt0
>ただいま
別に送り狼になるわけでもなく
普通に駅まで送った
チキンでドキドキし過ぎてて
でも、はしゃぐその子が素敵だった
駅でじゃあまたねって
そう言ったら
「あ、メアド交換しない?」
ってその子が言ってきた
メアドっていっても
当時のだ学生のケータイ所持率は60%ぐらいで
お互いに大学から支給されたメアドを交換して
まるで古風な文通のやりとりのような日々から
僕たちは始まった
11 :
1:2012/01/21(土) 23:01:45.69 ID:SuTgrNlt0
お互いにケータイも持ってなくて
デスクトップのメールでやりとりをして
本の話をしたり、勉強の愚痴とかを言っていた
ただ、お互いの読んでる本とか哲学とかが
とても似ていてお互いにびっくりしたりしていた
例えば、本は漫画だろうが小説だろうが本だし
好きなものは好きと言って
嫌いなものは嫌いとお互いにはっきりと言うタイプだった
お互いに本を貸したり借りたり感想をメールで送りあったりした
酷評もした
酷評もされた
でも、楽しかった
すぐに返事を書きたくて借りた本はすぐに読んだ
論文とかそっちのけで読んだ
それで感想メールを書いた
まだ、それだけの関係だった
12 :
1:2012/01/21(土) 23:04:20.49 ID:SuTgrNlt0
ある日のことだ
本から派生して本屋の話になった
僕はいきつけの本屋があった
僕好み本屋でカオスな本屋だった
一般受けするかは不明だったけれど
その子なら気に入るかなと思って
こんな本屋によく僕は行っているという話をした
その本屋に連れていって欲しい
見てみたい
そう、メールには書かれていた
舞い上がった
13 :
1:2012/01/21(土) 23:10:48.49 ID:SuTgrNlt0
一緒に本屋に行った
初めてのデートだと浮かれた
でも、相手はそんなことを気にしてないかもしれない
とか、そんなことを考えていた
でも既に貸し借りしてる本には
官能小説もあればエロ漫画もあればBLものもあった
少し期待していた
14 :
1:2012/01/21(土) 23:17:10.48 ID:SuTgrNlt0
本屋に連れていったら
こんな本屋があったなんて不覚とか
言って悔しがっていた
その子は地元民で僕は一人暮らしだった
その子のスペック
■あんまり可愛くないと思うけれど僕には可愛く見えた
■幼児体型
■黒髪ロングをいつも一つに束ねて首から前に回していた
■とてもかしこい(学部でもトップクラス)
■とてもかしこい(洞察力が凄まじかった)
15 :
1:2012/01/21(土) 23:20:40.33 ID:SuTgrNlt0
そのデート(?)また少し近づけたのか
メールの内容もどんどん内面に迫るものや
過去、考え方、自分が今どうしてこうなっているのかとか
そんな話をするようになった
メールだったけれど
そこにその子がいて話しているように錯覚するぐらいの文面が
何通も何通も届いた
もちろん僕も何通も何通も書いた
一通のメールが来た
タイトルは「賭け、なのかな?」
16 :
1:2012/01/21(土) 23:57:22.21 ID:SuTgrNlt0
そのメールを貰ったとき
あまりのことに部屋を一周ぐるりと回ってしまって
開くのも怖くて、一つ深呼吸をしてからメールを開いた
そこには
イジメを受けていたこと
両親には大切にされているけれど確執があること
僕が描くメールは誰かと誰かの繋がりが前面に押し出されていること
そして、貴方とは波長があうと思っていること
でも、そこに違和感があるということ
(違和感?なんだろう)
わかる?
人と人とは分かり合えない
完全に分かり合えるかどうかじゃない
まるっきり分かり合えない
貴方は物語の著者の背景にまで言及して感想をよく書くけれど
それは違うと思う。
その文章に感動しているのはその人が書いたから感動したの?
例えば、コンピューターが書いた順列乱数の組み合わせが
’たまたま’その文章を作ったとしたら感動できない?
私はそれに感動出来る。
それはヒトが書いたものでもランダムで生み出されたものでもね。
私は同じ感動を覚えると思う。
文字も文章も所詮はフォントでインクの染み。
人の言葉もそう。
声が空気の疎密を生んで鼓膜を震わせて
それぞれの人の脳内にある辞書を引いて
最も近しい自分の言葉に翻訳しているだけ
でも、私はそのことに安心するの
誰も本当の私を理解しないし
本当の私に触れることが出来ない
その事実はとても私を安心させる
私はとても幸せなのだと思う
心はいつも平坦で乱されない
学びたいことも学べてる
友達のような人もできた
でも、全部片手間なんだ
もちろんこの言葉も記号だよ
もし、この文章を読んで貴方が私を見限るのかもしれない
でも、それなら、それでおしまい
・・・戦慄した
電波な女だとは思わなかった
孤独な人だとは安易には思わなかった
ただ、文章を美しいと思った
そして、僕が夢にまで見て手にした環境を
片手間でやっていることに憤りを感じた
でも、一つ間違えたらこの関係は本当に終わると直感した
17 :
1:2012/01/22(日) 00:09:56.24 ID:EQL6wcfU0
いつもだったら、すぐに返事が欲しいから
すぐに返事を書き始めていた
だけれど、ようやく素の感情を見せてくれたこと
それに応えなくちゃいけないと思ったこと
幸せだといったけれど
その世界はとても淋しい所だと思ったこと
推敲に推敲を重ねた
自分の言葉で書けるだけのことを書いた
ひとつのメールにあそこまでの時間を割いたのもはじめての出来事だった
最後にこう書いた
人と人とが分かり合えないとしても
誰かの言葉に『あ、それわかる』って思ったときに
おんなじものを思い浮かべるってさ
その人と誰かとでおんなじものを持ってるって思わない?
それっておんなじものが共鳴してると思うんだ。
だから、決して人と人とは分かり合えないわけじゃない
きっと、同じものなら理解できるし
触れるし、共感できる
って送信した
18 :
1:2012/01/22(日) 00:15:46.54 ID:EQL6wcfU0
タイトル「ありがとう」
メールありがとう
貴方のメールを読んでいて
『あ、それわかる』って思いました
これからもどうぞよろしくお願いします。
って返事がきた
短かったけれど満たされた
追伸
貴方に会って話がしたいです
大学に来てください
そういえば、メールに夢中で数日大学を休んでいた
19 :
1:2012/01/22(日) 00:22:18.93 ID:EQL6wcfU0
大学の近くの喫茶店
ちょっと隠れていて
二人のお気に入りの場所だった
そこで、話をしていた
ある日のこと
何気なく、いつも同じ髪型だね
いつから伸ばしているの?
って聞いたんだ
そしたら、その子は行き成り首筋を見せてくれた
そこには一筋の傷痕があった
自殺未遂をした跡だそうだ
自分にとても絶望した話を聞いた
でも、次はきっときちんと死ぬ
どう死ぬのか嬉々としてその子は笑いながら話した
過去に自分に絶望したことをとても可笑しそうに話した
そして、真顔で「笑い話だよ」って言った
それから、その傷痕は死ねなかった恥ずかしいものだと言った
だから隠しているのだといった
むやみに誰かに同情されたくないし説明するのも面倒臭い
頚動脈を切れば一撃で死ねるって思ったんだけれど
どこか、その子らしいなと思ってしまった
それどころか、首筋に残る傷跡をとても綺麗だと思ってしまった
そこから、僕たちの運命は加速した
僕たちは大学3年生になっていた
20 :
1:2012/01/22(日) 00:25:31.65 ID:EQL6wcfU0
>読んでいる人いるのかな
何か質問があれば受けます
21 :
1:2012/01/22(日) 00:30:34.93 ID:EQL6wcfU0
まぁ、続き
僕はその子ともっと深い話をするようになった
メールだったり会って時には電話で
今更になって家族構成の話をしたり
くだらない雑談をしたりするようにもなった
僕とのメールをとても楽しみにしてくれていることを伝えてくれたこと
とても嬉しいと思った
お姉さんに「君によろしくねって言われた」とか書かれてて
家族に僕のことを話しているのかと思ってそれもやっぱり嬉しかった
デートは小説の舞台になった喫茶店巡りとか
廃墟に潜り込んだりとか
なんか変だったと思うけれど
でも、僕はとても楽しかった
どちらともなく提案してはいろんな遊びを発明した
ただ、手を繋ぐこともなかった
偶然触れることはあったけれど
でも、特に意識はしていなかった
嘘です。
本当はその首筋に触れたかった
綺麗だねって伝えたかった
読んでるよ
23 :
1:2012/01/22(日) 00:34:51.37 ID:EQL6wcfU0
でも、やっぱりその子はどこか目を伏せながらいつも歩いていた
僕はそれがとても悲しかった
前を向いて欲しかった
僕よりもずっと賢く僕よりもずっと僕の夢に近い場所にいるその子に
欲しいものは欲しいと言える人になって欲しかった
もちろん、それは僕のワガママであることも分かっていたけれど
24 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 00:40:13.39 ID:bqwqvwE9i
読んでます。
考えなくていいことまで考えてしまう子なんだろうね。
25 :
1:2012/01/22(日) 00:43:25.91 ID:EQL6wcfU0
僕はその子の感情をもっと見たくなった
色んな顔を見たくなった
色んな言葉をぶつけていった
あの子は笑いもしたし怒りもした
でも、どこかに壁があった
それを壊したかった
だから、僕のもう一つの夢を話をした
僕は自分のことを半分だと思っていること
自分の半分はこの世界のどこかに居るんじゃないかということ
僕も友達は居るけれどずっと孤独だということ
僕はその半分を見つけることが出来るし
きっと、その半分は僕を見つけることが出来ると思う
その半分と出逢うことが出来ればきっと友達になれると思う
きっと孤独じゃなくなると、本当の願いを話した
もちろん長ったらしいメールで
追伸
これは賭け
僕は貴女が僕の半分なんじゃないかって思っています
26 :
1:2012/01/22(日) 00:45:37.64 ID:EQL6wcfU0
返信はとても遅かった
いつもは二日以内に届いていたから
もしかしたら、これでおしまいかもしれない
とてもとても怖かった
27 :
1:2012/01/22(日) 00:53:09.58 ID:EQL6wcfU0
手紙にはこう書かれていた
私は貴方の半分ではない
貴方の願い、よく理解出来る
私の願いを言葉にするならばその言葉だと思った
昔共鳴するって言葉を使っていたね
貴方と私は同じ側だからきっと共鳴した
私は貴方を見つけることは出来ない
あなたも私を見つけることが出来ない
それはとても不幸なこと?
ううん、それは幸せなことだ
私たちは分かり合えない
でも、共鳴することが出来る
私もひとつ貴方に願い事をしていい?
貴方が前をむいて歩いてる姿が嫌だ
好きなことを好きだと言える貴方が嫌いだ
貴方は願いがかなわないといつももがいて苦しんでいる
貴方が苦しいと私も苦しい
もちろん、これは私の我侭
でも、諦めて欲しい、放り出して欲しい
そして楽になって欲しい
同じ世界を見て欲しい
ここはとても楽ちんだよ
そんなことを言う私を醜いと思う?
なら、終わりだ
そう、結ばれていた
28 :
1:2012/01/22(日) 00:58:16.62 ID:EQL6wcfU0
なんて返事をしていいのか本当にわからなかった
お茶を濁してしまった
醜いと思ったことなどなかった
日に日に美しい人だと思うばかりだった
でも、そんな上辺の言葉ではなんの意味もなかった
だって、僕はその子を本当の意味で見つけていなかった
その子はムキになるようになった
僕に感情を見せるようになった
目の前で涙を流すようになった
感情を取り戻したかのように見えた
喧嘩もするようになった
ただ、仲良くなっていっている証拠だと
お茶を濁してしまった事実を揉み消したと思い込んでいた
でも
「私は醜い!」
「そんなことを言う私を醜いと思う?」
「こんなことを行っている私がもっと醜い」
と自分を卑下する言葉に僕は何も言えなかった
伝えたかった
一言。一言でよかった。
でも、僕も少しだけ病んでしまって
大学を休みがちになっていた
そしたら、手紙が届いた
29 :
1:2012/01/22(日) 01:00:46.38 ID:EQL6wcfU0
大学に来て欲しい
こんなことを言ってなんの意味があるかわからないけれど
私がなんでこのゼミに来たかわかる?
貴方の名前があったから
この縁は切りたくないと思ったから
せめて毎日会いたいと思ったんだよ
でも、私にそんなことを言われても嬉しくないよね
そんなことが書かれていた
嬉しかった
今思うとどこのツンデレだと思うな
30 :
1:2012/01/22(日) 01:07:02.37 ID:EQL6wcfU0
僕たちは出逢ってから4年目になっていた。
大学には皆勤賞ペースで通った
苦手な教科を教えてもらったり
一緒に勉強したり
全てが順調に進んでいた
そう思っていたのは僕だけだった
規制していた
会えない日は淋しかった
でも、メールもずっと続いていて
700通ぐらいになっていた
1000通いくかなと思っていた
そしたら、携帯電話が鳴った
お互いにお揃いで持った携帯電話だった
別に恋人同士じゃなかったけれど
僕は恋ご心を抱いていたけれど
僕はそれで十分だった
31 :
1:2012/01/22(日) 01:13:43.66 ID:EQL6wcfU0
「私。やりたいことが見つかったの!」
その第一声に僕は喜んだ
本当に嬉しかった
その道を進めばいい
それが僕たちに距離を作ったとしても
きっとまた会えるし
メールも続けるよ
ってセリフを言った
その言葉がその子を殺した
その子はその日自刃した
有り体に言えば
もう一度頚動脈を切った
前に言っていた通りに
「前はロック付きじゃないカッターだから刃が引っ込んで
深く切れなかったんだと思う、だから助かってしまった
今度は間違えない、きちんとした刃で自分を殺す」
その言葉通りのことをその子はしただけだった
一度も僕には嘘をついたことのない子だった
果たされていない約束もなかった
32 :
1:2012/01/22(日) 01:16:39.30 ID:EQL6wcfU0
携帯電話が鳴った
その子の携帯番号だった
掛けてきたのはお姉さんだった
初めて話をした
話は理解できた
でも理解しきれなかった
新幹線に飛び乗った
生きてて欲しいと
切に切に願った
綺麗だって一度も伝えてない
美しいって一度も伝えてない
好きだとすら一度も伝えてない
そんなことをずっとくり返し考えていた
33 :
1:2012/01/22(日) 01:21:26.67 ID:EQL6wcfU0
病院についた
あの子の家は開業医だった
初めて知った
処置が良かった
一命を取り留めた
某市民病院に運び込まれた
目を覚ますのを待った
あの子が目を覚ました
お姉さんと一緒だった
お姉さんがあの子を抱きしめた
「おねえちゃん?」その子は言った
「1君も来てくれているんだよ、ほら」と言った
その子は僕を見て
「誰?」って言った
僕は崩れた
なんか。もうどうでもよくなった
世界が真っ暗になった
一瞬だけふざけているのかと思ったけれど
次の一瞬でその子の目じゃないって分かった
倒れたかった
むしろ同じように自刃するか
屋上から飛び降りたかった
次の瞬間
お姉さんが僕を抱きとめた
「ごめん、ごめんなさい、貴方は何も悪くない
むしろ妹の救いだったんだ
それだけは分かって欲しい」
次の日から地獄が待っていた
34 :
1:2012/01/22(日) 01:31:17.31 ID:EQL6wcfU0
下宿に帰ると
郵便受けに手紙があった
消印はなかった
その子からの手紙だと分かった
《貴方は結局私を理解しなかった
私は喜んで欲しくなかった
私はやりたいことを見つけた
でも私はそれをしない
私は目を上げないし
自分のしたいことをしたいとは思わない
貴方と同じ世界ならばもう少し生きていてもいいかもしれないと
そう思っていました
最後の賭けに負けたのは私》
間違えたのは僕だった
僕が喜んでいなければ
僕が望んでいなければ
電話口であんな言葉を吐かなければ
嘘のない報告に喜んだ僕が殺したんだ
研究室にその子が戻ってきた
僕以外のことは全部覚えていた
僕のことだけはすっぽり忘れていた
でも、二人の間には
たくさんのメールや手紙があった
だから、目の前にいるその人は
おんなじ顔で笑って
おんなじ顔でんbえb目rpもpxウェン、えt;:、ね、74
rにおwwびp2mn@:r
1週間も耐えられなかった
申し訳なさげに僕に話しかける同じ顔の人は
僕の身を案じたけれど
その子は絶対にそんなことを普通にはしなかった
その子が普通になることは望んでいたけれど
代償があまりにも大きかった
僕は院を辞めた
手紙が届いた
その子と同じ字だった
でも、僕はその手紙を燃やしてしまった
35 :
1:2012/01/22(日) 01:32:40.56 ID:EQL6wcfU0
さて、数年の時間を飛ばすけれど
間のことも書いた方がいい?
36 :
1:2012/01/22(日) 01:49:02.99 ID:EQL6wcfU0
それから1年間は腐ってた
実家に引きこもってた
誰にも会いたくなかった
いろんな人間が僕に会いに来た
大学の友達も高校の友達も会いに来た
唯一事情を知っている僕の中学時代方のツレだけは会いに来なかった
でも、一年経って、呼び出してきた
『卒業旅行に行くぞ』
そいつの運転する車で1週間連れ回された
少し楽しかった
でも、ツレは言った
「今のお前と遊んでもつまらん
俺に言えるのはこれだけ」
ぐさりと来た
僕は洗いざらい全部話した
ツレは少し考えてから言った
「お前は悪くない」
カッとなって
僕が殺したんだ
あんなにあんなに綺麗だったのに
全部全部なくしてしまった
ツレ「確かめないのか?」
確かめるのも怖かった
あの同じ顔の同じ目に見られることが怖かった
無論、絶望するだけのことは自分がよくわかっていた
37 :
1:2012/01/22(日) 01:52:22.11 ID:EQL6wcfU0
逃げるように生まれ育った街を出た
リュックに詰められるだけのものを詰めた
大学時代に住んでいた街も通り過ぎて
バイトしながら食いつないでいた
いつか死ぬ
くちて死のう
どう死ねばもう一度逢えるかな
そんなことをばかり考えていた
最低限の生活しかしていなかった
人との関わりも極力避けていた
人生の残りを塗りつぶすように生きていた
38 :
1:2012/01/22(日) 01:54:57.18 ID:EQL6wcfU0
半年が過ぎた
「気が紛れるかもしれんぞ」
と、ツレがメールを送ってきた
某SNSへの招待状だった
数個日記を書いて
放置してた
地味にキーワード登録をした
それぐらい
メッセージが届いた
目を疑った
その子の名前だった
39 :
1:2012/01/22(日) 01:58:54.04 ID:EQL6wcfU0
僕は本名で書き込むなんてアホなことをしてはいなかったので
なんの偶然だろうとかそんなことを考えていた
おそるおそる、そのメッセージの送り主のページへのリンクへ飛んだ
40 :
1:2012/01/22(日) 02:03:08.82 ID:EQL6wcfU0
別人だった
顔写真があった
ただ、生まれた日も名前も同じであの街にすら住んでいた
年齢だけが違っていた
ただ、本が好きなこと
いろんなことを考えていること
いろんなことが似ていた
ただ、ひとつだけ大きく違っていたのは
明らかにクソビッチだった
まぁ、ツレの思惑とは全く違うだろうが
ひまつぶしにはなると思ってた
でも、その日記には
41 :
1:2012/01/22(日) 02:09:20.60 ID:EQL6wcfU0
その日記にはどこか翳りがあった
気がついているのは僕だけだった
あっけらかんと日々の恋愛譚を書いているのに
やっぱり僕はその子を重ねてメッセージの主の日記を読んでいた
まぁ、メッセージをくれた子をMessageのMとしましょうか
Mはもしかしたらおんなじように自刃するかもしれない
僕の日々は誰かの役に立つかもしれない
むしろこの子の役に立つかもしれない
と、過去を思い返すように日記を綴るようになった
その日に書いたことだけれどその日に思い出したことばかり書いた
そんな変な日記をMにわからないように宛てて書いた
単なるひまつぶしだった
42 :
1:2012/01/22(日) 02:25:55.37 ID:EQL6wcfU0
いつしか僕の日記に惹かれるように
Mも自分の内面をさらけ出していった
コメントでもやり取りもし出した
メッセンジャーで話すようにもなった
メアドを手に入れた
携帯番号も交換した
少し楽しみが増えた
それだけのことだった
43 :
1:2012/01/22(日) 02:33:24.19 ID:EQL6wcfU0
「もう少し仲良くなってたら、会えますか?」
Mに会いたいと言われた
正直会いたかった
むしろその子ではないと確かめたかったのもある
でも、同じ街に住む人に会いに行くには勇気が必要だった
その次の次の週に会いに行く約束をした
44 :
1:2012/01/22(日) 02:49:51.79 ID:EQL6wcfU0
そして会った
落胆した
そう、落胆してしまった
そして、安心したんだ
良かったその人ではない別人だ
でも、そうね失礼だから
ちゃんとデートした
思い出の場所でない場所で
良い場所を探すのにも苦労した
普通にストイックにデートして
ふと、ベンチに座った
並んで座った
話をした
色んな話をした
沈黙も多かった
でも、沈黙も苦じゃなかった
初めて会った人とそんな雰囲気を味わえるとは思わなかった
もう、会うこともないだろうとか
僕は満足してた
そしたら、
「あー危ういな」
そんなことをMは言った
45 :
1:2012/01/22(日) 02:56:36.02 ID:EQL6wcfU0
何が?と僕が聞く前にMは袖をまくった
夥しい数の傷痕があった
手首から本当にそうでない場所が無いほど
幾つ筋も幾筋もリスカがあった
リスカを見たのは初めてのことだった
そんなことを思っている場合じゃない
場合じゃない
もっと他の何か
他の何か何か言えなかったこと
言葉を出さなくちゃ
初夏の日差しの中
長袖を着てきた女の子の目を僕は直視出来なかった
でも
46 :
1:2012/01/22(日) 03:02:09.22 ID:EQL6wcfU0
「ほら、あたしこんなんだからさ」
そう言って、袖を伸ばして傷痕をしまってしまった
僕はとても時間が掛かったけれど
途中で「もしかして、引いた?」
とか。聞かれたけれど
「触れみたい」
って声に出して言った
ゆっくり、本当にガラス細工に触れるように
僕はその再びさらされた左腕に触った
「見せてって言われたことはあったけれど
触りたいって言われたのは初めてかな」
「彼氏は?」
「見ないようにしてる」
そんな短い会話を交わした
>続きは残ってたら書きます。
おやすみなさい
眠れないのでMのスペック
■普通に可愛い
■メンヘラ
■娼婦
■おしゃれさん
■その子といろいろかぶるけれど別人
■トランジスタグラマー
■IQは高いが基本バカだ
■彼氏からDV
■両親からDV
■自分のしたことで唯一の親友と決別した過去
■多重人格性障害者
■自傷癖持ち
■劣等感の塊
■六つ下
もっといろいろあるけれどのちのち
トリップテスト
>おはよう
誰かまだいるならかく
いるぜ
あと多重性人格障害は解離性人格障害のことか?
>>51 そうですね、複数の自己を持っていました
21時より再開します、保守よろ
まぁ、その日はそのまま別れて
人生に何も目的もなかったら
このMをより良い方向へ導けたら
とか、そんなことを考えていた
日記はほとんど毎日書いた
毎日Mも読みに来ていた
すべての日記にコメントをくれたわけでもないけれど
時折コメントをくれたし
Mの日記も毎日読みに行っていた
生きる楽しみができた
世界は真っ暗から灰色ぐらいに回復した
Mにはド本命の男が居て
でも、その男とあんまり上手くいっていなかったら
粉をかけてくる男のほとんどと遊んでいた
それ自体はまずくなかったんだけれど
突然、日記が途切れることになる
不安になったけれど
距離もあったしあんまり気にしないことにしてた
「助けて」ってメールが来た
いそいで電話をかけた
ガン泣きしてて
話にならなかったけれど
ド本命の男といざこざがあったみたい
でも、なんとかなんとか宥めて
別に何も出来ないわけではないと
少しずつ話を聞いて
カウンセリングのように解きほぐしていった
少しずつ少しずつ慕われるようになっていった
別に男と女の関係ではなくて
普通に相談役だった
それだけ、僕も何かを求めているわけでもなかった
ただ、そうね、このMが僕の半分なんだって
本当は初めて逢った日に気がついた
でも、既に恋人が居たしMが幸せならばよい
そんなふうに考えていた
だから、そうね
僕はあいも変わらず
自分の想いを悟られないように
Mの生きるヒントになるような日記を書き続けた
あくまでも僕の在りし日々の出来事を
積み上げてきた罪の記憶の一端でも
きっと役に立つと思って書き続けた
初めて逢った日から3ヶ月が経った
ある日のことだ
Mが妊娠を告知した
誰の子だろうと思ったが
まぁ、ド本命の男に間違いないみたいだった
けれど、その男は逃げちゃった
Mに言い寄っていた多くの男も逃げた
僕はMのことを好きな男はなんでもっと近くにいるのに
少なくとも何かできる立場にあったはずなのに何もしないのだろうか
疑問に思いつつ静観していた
結局、Mは周囲に押し切られる形で堕胎することになり
とても精神を病み
そのまま隣の県の山奥の精神病院に入院することになった
まぁ、そこでMがゆっくり療養して心身ともに回復すればと
僕はまだどこか色んなことを楽観視していた
その子とMは別人であると確かめてあったし
友人にもある程度恵まれていた
ただ、M自身は薬漬けであり
薬が切れると自責の念で喚き散らし
夜になれば内緒で手に入れたお酒で薬と一緒にバッドトリップする
そして、そのへんにいる男に手を出して遊ぶという
療養とは全然真逆のことをしていた
当時のMはまだ19歳だった
それをどうして知ることが出来たかというと
Mの入院していた精神病院には教養のパソコンがあり
そこからMは日常を日記につけていた
まるきり信じていたわけでもないけれど
ほとんどのことは真実であると僕は感じていた
それから1週間ほどしたら
メッセに入ってきた
少し文字チャットをした
お見舞いに遊びにきませんか?暇です。
ただ、精神病院なので
面会にはMの両親の了解が必要だった
まぁ、あまりの距離感の遠さに
もう少し近づいて話が出来たらとも思っていたので
うまく電話でMが口裏を合わせてくれたの
でM両親から面会の許可をもらうことが出来た
ただ、面会時間には1時間以内という制限が設けられていた
59 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 23:00:54.83 ID:oyJbkbg3O
ほうほうそれで?
何ができるだろう
何かしたい
でも、1時間で何ができる
そんなことを自問自答した
お見舞いに行く日までに3日ぐらいしかなかった
だから、手紙を渡そうと思った
別に恋文でなんでもない
もっと直接的な宛書きな何か
そう考えていたらふと
直しようがなければ
綺麗に徹底的に一片のカケラも残さず
壊してしまえばいいのかもしれない
そんなことを考えるようになった
どうせひまつぶしの延長線だった
自分で壊したものなら
きっと治せるだろうと
そんなことを考えていた
自分でも気が狂っていたと思う
後悔はしていないが
やっぱりどこかその子とMを重ねて見てて
一発で何かを直撃させたら
自分もMも変われるかもしれないと
ひょっとしたら全部うまくいかもしれない
どうせ、死んだように生きているんだ
一石を投じてみようと
これまた、推敲に推敲を重ねて書いた
お見舞いに行く日も何度も何度も書き直して
当日の朝にプリントアウトして折りたたんで
別に飾らない手書きでも無い
ただの白い紙にフォントを打ち込んだものを折りたたんで持っていった
手紙の中はこれ
『これはとある昔話です。
あるところに女の子が居ました。
女の子は家族が好きでした。
何よりも、家庭という言葉の意味するものが、
それがどういうことかもわからないうちから好きでした。
それ以外のことは、はっきり言ってどうでも良い女の子が居ました。
でも、家族の誰もがその女の子とは違う目で家庭、
いや、それぞれの形でそれぞれの家族を見てました。
やはり血なのでしょう、それでも家族はそれぞれ似ていました。
それは、女の子にとって希望であり、願いであり、そして、呪でもありました。
外界で起きている、つまり
家の外で起きている事象というものは、それ以前の問題であり。
どうでもいいことでした。
どんどんズレていきます。
家族の誰もが、女の子の望むような形で家族ではありませんでした。
そして、家族は女の子にそれぞれの望む役割を押し付けました。
まだ小さい女の子のは精一杯頑張りました。
自分の出来る、まだ小さい器を振り絞って。
それぞれの願いに沿うように、自分の願いに沿うように。
でも、叶わない願いは、どんどん重たくなります。
感じないように、見ないように、自分がそれに気がつかないようにするくらいに。
それでも、年月は流れました。
流れる月日は否応がなく、人に成長を促します。
女の子も成長しました。
周りが見えるようになるくらいには。
女の子は気がつきます、すべてが既に瓦解していることに。
自分以外の家族も、自分に対してするのと同じように、自分以外の家族に対するのを。
そして、自分が理由になっていることもある、家族の不和が。
それが見えるようになっていました。
女の子は発狂しそうになりました。
ただ、女の子には救いがありました。
友達が出来ていたのです。
それは、はじめて女の子の話を聞いてくれる人でした。
女の子の言葉を理解してくれる人でした。
少なくとも女の子にはそう思える人でした。
だから、壊れることは免れました。
いつしか、女の子はその子のことを好きになっていました。
しかし、困ったことにその子もまた、女の子だったのです。
それでも、その女の子はその思いを止めることは出来ませんでした。
そう、女の子はその友達を愛し始めてしまったのです。
その思いに気がつくころには、もう留まることは出来ないくらいに、
その思いは膨れ上がっていました。
耐えることでしか、自分の思いを伝えることを知らなかった女の子は、
その子にまっすぐ伝えることしか出来ませんでした。
その子はその女の子の思いを、普通にわかる、
普通に使われるの言葉でその女の子をやんわり遠ざけました。
でも、実はそれが女の子の初めて自分の願いを素直に形にした瞬間でもありました。
もうだめだとわかっていても、女の子の思いは止まりませんでした。
しだいに、というより慣れていない、というよりも
そういうことを考えていなかった友達は、もう、すぐにいっぱい、になります。
そして、女の子は聞くことになりました。
絶望の言葉を。
絶対に聞きたくなかった、
その辺にあるものを遠ざけるときに使うような、
はっきりとした拒絶の言葉を。
女の子は壊れました。
いや、まだ壊れていなかったのかもしれません。
そこから、女の子のとる行動は、まさに自衛のためのものとしかいえないのですから。
女の子は忘れようとしました。
ズレは加速し始めます。
欲しいものは欲しいといってはいけない。
好きなものを好きだといってはいけない。
自分を好きだといってくれるものを好きになろう。
自分があの時出来なかったことをしよう。
かわりかわりかわりかわりかわり。
でも、何も見えません。
闇です。
目の前にあるものがすべてになりました。
でも、自分の好きだったものを否定するものに、
女の子は激しく牙を爪を立てました。
その瞬間だけに思い出す過去への思いに。
そんな生き方に女の子は疲れてきます。
当然です。
なにも女の子は好きなことをしてきていないのですから。
今していることも、すべては目の前のことが維持されるため。
自分の今の思いが本当であるため。
忘れていることを思い出さないため。
自分が嫌いでもいい。
自分が既に崩れていることを見ないために。
そんな自分では何も叶わないこと自分の好きなことは何も出来ないことは知っていたのです。
逃げることを目的にしている人間には、逃げることも叶わないのです。
でも、そんなことをわかっていても、見ることは出来ません。
普段、日常を維持すること、それがもう女の子の全てでした。
ただ、全てが消え去る、夜だけが、女の子の友達でした。
でも、思い出す余裕の出来る、夜は次第に女の子を蝕みました。
自分を保つために、色んなものが代替のものに取って代わり始めました。
そうだ、これを本当の望みにしてしまえばいいんだ。
そう思うこともなく、ただ、純然たる作業のように
自分の思いを次々に作り変えていきました。
代償行為。
これをすれば、あれが贖われる。
そんなことは考えもしません、考えたらお終いですから。
全ての物事が、上に上に浮上してきます、
そして、位相が変化します。
それより下のことを考えないように済むように。
わからない、すべてはわからない。
知らない、すべては知らなかったことに。
思い出すとこの無いように夜は嫌い、
だから眠るのも嫌。
夢を見れば悪夢だから。
思い出す自分も嫌。
だから、自分が嫌い。
目に見える赤だけが、落ち着く。
それにしても、冷静な周りに反吐が出ます。
情熱的な振りが出来るくらいに冷静な周りに反吐が出ます。
そして、何も感じないでただ純粋に情熱を持てる人にも反吐が出ます。
ただ、それが自分に向けられるとき…
結局冷静な自分に、反吐が出た。
そして、何とか女の子は生きてきました。
忘れたくないという思いが、形となって、同時に女の子を蝕みました。
捨てることも、持ち続けることも。
女の子には出来ませんでした。
いつしか、本当に、女の子は、決断というものを決して出来なくなりました。
物語を欲します。
幸せな結末を。
自分の頭では考えられないから。
自分で考えても無駄だから。
物語を欲します。
ハッピーエンドを。
三流でも。
でも、そこに行き着くまでに幸せを感じることは許せません。
物語を欲します。
今の自分と過去の自分は違うから。
今の自分と過去の自分は同じだから。
全ての差異を許します、でも許しません。
物語を欲します。
読み終わることが、終わりだから。
お終いはいつも、めでたしめでたしだから。
』
この物語を手にお見舞いに行きました。
会いました。
Mは初めて会った日から
半年が経っていましたが
少し痩せたぐらいで
そのままのMがいました
どこか、思い過ぎてて
頭の中で美化し過ぎていたのが
功を奏したのか
冷静に話をすることが出来ました
話は面会室でしました
手紙を渡してしまったら
読んで欲しかった
「え、あとで読むよ、それよりお話しよ♪」
と、僕からすれば予想外の展開で
その爆弾を抱え込むのかと少々焦りましたが
「丑三つ時に読んでくれ、で、感想を頂戴」
と、そんな当たり障りのない話をして
その日を終えました
そうね、本当にただ僕はその子の話を
想像上のMに重ねて過去にむけて
練り上げた話を渡しました
反応が楽しみでした
が。反応は薄かった
正当率は50%だったと聞きいた
でも、その日からMは
よくメッセに入るようになり
僕は仕事をあまりしていなかったので
昼に起きて、バイトに行くまでチャットをして
バイトから帰ってきたらMの病院の消灯までチャットをして
お互いに眠れぬ夜に日記を書き綴る日々を続けました
少しずつ少しずつ近づいていく予感がしました
まぁ、手紙の効果は少しはあったのかなとか
僕の欲しかった結果ではないけれど
壊れないままであるなら
それはまた、良し
僕はまだそんな甘いことを考えていました。
Mが入院して1ヶ月になろうとしたとき
Mが日常復帰への一歩として
外泊許可が出て一時帰宅することになり
が、Mは自室に隠し持っていたお酒と薬で
また、バッドトリップした状態になり
そんな状態のMとチャットをする夜が訪れました
そこで、色んな独白を僕は聞くことになりました
>続きはまた明日、スレッドが残っていたら
>ただいま誰かいるかな
いますん
>落ちたらそこまでということで続き
Mが言うには
みんなあたしの左腕を見て悲しい顔をするばかりだったのに
貴方は見て触って「綺麗だね」って言ってくれた(僕は覚えてない)
あの瞬間、恋とかそんな生ぬるい感情じゃないものに
あたしの心は落ちたんだ
貴方が好き、貴方が好き
そんなことを言われた
そして、
僕の日記にどれだけ救われているか
何度も「前に好きだって言ってた人のことだよな」って思ってても
あたしのことを書いているんじゃないかって思ってた
あたしはその人に嫉妬している
明日になったら忘れてね
でも、貴方が好き
あたしが落ちているぐらいの感情に落ちてよ
もしさ、あたし宛に書いてたのなら
本当にあたしに分かるように日記にして欲しいな
そんなことを願われたら
ぶつりと、Mはメッセを落としてしまった
次の日、ベロンベロンになってしまったMは病院に強制送還になった
そして、何も記憶していないかった
だから、僕は書こうかどうか迷いながら
でも、どんどん思いは膨らんでしまって
そうね、あと数日この気持ちが持続するなら
僕の中にある感情は本物かなと思って
文章を頭の中で紡いでいっていたら
その子の名前だったはずの名前が
大切な名前で一人を指す名前だったのに
いつの間にか、Mの名前が僕の中で生まれ
塗り変わっていることに気がついた
だから、僕は日記を書く事にしたんだ
ほ
も