1 :
名も無き被検体774号+:
スペック
>>1当時二十歳♀
医者 五十半ばくらい?
会長 某大手水産会社の会長 年齢は分からないけど爺
さあ、語り給え
3 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 18:55:52.42 ID:U1SbWK/s0
ありがとう
wifi調子悪くてID変わったかな?
自分は母子家庭で、五人兄弟。
高校で必死にバイトと勉強をして地元ではそこそこ難関で有名な大学に入った。
成績が良かったから返済不要の奨学金ももらえた。
大学生になってバイトも時間を増やせた。
それでも生活は楽にならない。一番下は小学生の妹、当然お金はかかる一方だった。
4 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 18:58:11.85 ID:VCx8UeLZ0
スレタイに淫靡な物を感じてやってきました
5 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:02:50.53 ID:U1SbWK/s0
水商売も経験した。授業に響かない程度に沢山バイトをいれた。
私大だから授業料は一年で100万近く、それに兄弟の生活費。
母のパートと私のバイトでは賄えなくなっていた。
そのストレスで母は私をよく責めるようになった。
お金が足りないこと、水商売に手を出したこと。
どうすればいいのか分からなかった。
そんな時、家庭教師を始めることになった。
挿入はされたの?
7 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:10:29.88 ID:U1SbWK/s0
イカされた訳ではないがお気に召すだろうか。
家庭教師先として辿り着いた家は正しく豪邸だった。
インターホンを鳴らすと身なりの整った小綺麗なおじさまが顔を出した。
先生ですね、愚息ですがどうぞ宜しくお願い致します…
貧しく、両親はお互い不倫に夢中でろくに躾も受けてこなかった私は気が引けた。
品性って初見でも痛いほど感じるよね。
おっさん頑張れ
9 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:18:16.17 ID:U1SbWK/s0
愚息、と紹介されたが息子さんは充分すぎるほど努力家で聡明な子だった。3つ程しか歳は変わらない。
ノート一杯に書かれた予備知識を前になぜこんな子が家庭教師を、と教えるのを躊躇った。
90分はあっという間だった。
「先生、食事でも如何ですか?」
先程のおじさまが手招きをした。
愚息って言われると、違う事考えるよね
11 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:24:48.29 ID:U1SbWK/s0
おっさんではない(´・ω・`)
リビングに向かうと、既に食事が整っていた。
お寿司だった。
息子のA君が「こんなもので申し訳ありませんが」と謙遜した。普段何を食べているんだ…
食事を摂りながら聞かれるがままに自分の話をした。
父親がいないこと。兄弟が沢山いること。沢山勉強したこと…
おじさまもA君も終始頷きながら話を聞いてくれた。
/ヾ
ゝイ丿
/ /
/ /
/ /
∧ ∧ / // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
シコ ( ゚Д゚)、 / /< おい!愚息。もちつけ!
/ ヽ、 / / \______
シコ ( ) ゚ ゚/ヽ、/⊂//
\ ヽ、 ( /⊂//
\ ⌒つ /
(  ̄/ /
| |O○ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
13 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:28:41.95 ID:VCx8UeLZ0
14 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:30:38.13 ID:U1SbWK/s0
無事に家庭教師の契約も結べ、お腹一杯になって帰宅した。
余談だが家のなかにエレベーターがある光景が忘れられず大学の友達に話したら「うちにもあるよ?」と返ってきた。
その週末、派遣のバイトでホテルの清掃に向かうことになった。
>>14 そのホテルでおじさまと不倫相手に会ったのですね!
16 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:35:16.51 ID:U1SbWK/s0
ホテルに着いて色んな指導を受けて清掃に取り掛かった。
婚礼によく使用される有名なホテルで初めて足を踏み入れたことに感激した。
「ちょっと、この靴の汚れを取れる場所知らない?」
不意に白髪のお爺さんに声を掛けられた。
17 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:42:30.51 ID:U1SbWK/s0
「昔はそこらに靴磨きってのが居たんだけどね」
よく見ると鳥の糞が靴にべったりだった。
「お取りしますよ」
洗剤と歯ブラシで擦ると糞はあっさり取れた。
お爺さんは目を丸くして「女の子にこんなことさせて申し訳ない、ありがとう」と封筒を手渡して去った。
封筒には12万円入っていた。
18 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:43:20.28 ID:hMBL00OY0
パンツ吹き飛んだ
19 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 19:50:56.67 ID:645DCdan0
住む世界が違う…バブル期だったらありえるかな
20 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 20:00:49.38 ID:U1SbWK/s0
実話なんだ
返そうにもどこの誰だか分からない。
いつ会えてもいいようにそのまま持ち歩いた。
それから平日は家庭教師、週末はホテル清掃に勤しんだ。
父親がいないことを知って以来、家庭教師先では頻繁に食事に連れていってもらった。有名なフレンチ、和食、どれも一人では手の届かないレストランだった。
本当に良くしてもらった。
21 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 20:09:26.81 ID:645DCdan0
全文テキスト化してないだと…
22 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 20:28:26.65 ID:U1SbWK/s0
読みづらくてごめんね
2ヶ月ほど経って、ホテル前でまたあの白髪のお爺さんに再会した。
お金を返す機会だと駆け寄った。
「あの、以前靴を掃除したものですが」
ああ、と笑ってお爺さんはお辞儀をした。
「あの時はありがとう」
「いえ、あの、お金を返したいんです」
「大した額じゃないからくれてやるよ」
お爺さんはまた封筒をくれた。
23 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 20:38:56.34 ID:U1SbWK/s0
というか、一方的に封筒を押し付けてまたどこかに行ってしまった。
今度は名刺が入っていた。
某水産会社の会長だということ、彼のものであろう電話番号とアドレス。
その夜早速連絡をいれた。
まあ、ゆっくりでいいので続けてくれ
25 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 22:33:38.83 ID:qa7nR3CL0
支援
26 :
名も無き被検体774号+:2012/01/13(金) 22:35:58.53 ID:ao8WOqlL0
なにかうp
続きを知りたいので保守
29 :
>>1:2012/01/14(土) 00:16:02.76 ID:8utZspTU0
ありがとう、うpは後で考えるね!
電話をしてもいいものか分からなかったからとりあえずメールを作成した。会長さんはauだった。
『靴磨きの
>>1です。勝手に連絡をしてすみません。お金の件、せめてお礼をさせて下さい』
貧乏だったからお金を借りたり戴いたり、奢られたりすることは、真っ当な理由がないとじゃないと嫌な性分だ。よく友人には損な性格だね、と笑われる。
>>29 貧乏性というやつだな 何となくわかる
まして靴磨いたぐらいで大金貰えるなんて、普通何か裏があると思うよな
31 :
>>1:2012/01/14(土) 00:26:37.70 ID:8utZspTU0
すぐに返事は届いた。時間は21時くらいだっただろうか。
『今 接待が 終わった ところです。 御丁寧に 連絡嬉しかったです
明日は 空いていますか?』
会長さんは独特な空白の使い手だった。
―明日は空いていますか?
「失礼ですが、どのような意味ですか?」
必死に考えても分からなかったからそう送った。
32 :
>>1:2012/01/14(土) 00:35:21.18 ID:8utZspTU0
>>30 ほんとそう
「興味が あるのです 大丈夫ですから 明日の 19時にホテル○○のロビーにおいで 下さい」
怖い、行きたくない。
けどお金も返したい。
悩んだ末、意を決してホテルに向かった。
肝座ってるな
俺ならチビリそうだ
34 :
>>1:2012/01/14(土) 00:52:36.63 ID:8utZspTU0
お金が大金だったからね(;´・ω・`)
ホテルがホテルだったため、洋服は一張羅を選んだ。
出迎えてくれた会長はカラフルなスーツで、ドン小西を彷彿させた。
「中華は好きかな?ここのは殊においしいよ」
部屋に直行するのかと思い込んでいた私は拍子抜けだった。
35 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 00:54:19.80 ID:3Tqs3b430
現実離れした話だなwww
>>1がかわいいから釣られてやるか
36 :
>>1:2012/01/14(土) 01:32:23.96 ID:8utZspTU0
本当なんだよう…でも釣りと思ってても読んでくれて嬉しい
食事は最高だった…が、今後のことを考えると不安で胸がいっぱいになった。
会長は色んな話をしてくれた。
大体のホテルは名前を言うだけで部屋が取れること。大学時代のこと。
仕事のこと。プライベートなこと。
そして、娘さんのこと。
37 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 01:46:49.54 ID:B+3e6hqJ0
興味深く読んでます。
支援
39 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 02:44:05.06 ID:/2iwgnZb0
支援
C
バンバン!(AA略)
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
のんびりでもいいから書いてほしい
42 :
>>1:2012/01/14(土) 03:54:59.79 ID:Bbhflozx0
スマホの調子悪くてID変わるけど1です
保守ありがとう
「え…!」
携帯の液晶に映る女の人をみて、思わず声をあげてしまった。
「
>>1さんに似てるだろう?」
鏡を覗いたかのようにそっくりだった。
娘さんに似ているからここまでしてくれるのかな、とぼんやり考えた。
「今お幾つなんですか?」
「…亡くなったんだよ。生きていたら、えー幾つかな?」
43 :
>>1:2012/01/14(土) 04:06:45.16 ID:Bbhflozx0
「ご逝去されたんですか?あの、すみませんでした。何も知らずにずかずかと」
なんて地雷を踏んでしまったのだと後悔した。
傷付けてしまっただろう。
「君がそんなこと知っていたら警戒しちゃうよ。生きてなくとも自慢の娘なんだ。別嬪だろう?」
私に似たのかな、と豪快に笑う彼が会長である理由が分かった気がした。
44 :
>>1:2012/01/14(土) 04:12:28.05 ID:Bbhflozx0
結局ここでも私は身の上話をするはめになった。
同情されることは好まないので、なるべくあっさり事情を話したつもりだったけど、話し終える頃には彼は目に涙を貯めていた。
「…」ぐすん
「すみません、そんな大それたことでもないのに…」
「アヤ(仮名です)、苦労したんだなぁ…」
「アヤ?」
「娘の名前だよ」
「??」
「毎月少額でいいから振り込ませてくれないか」
45 :
>>1:2012/01/14(土) 04:18:05.37 ID:Bbhflozx0
突然の申し出に硬直した。
「お気持ちは嬉しいですがそうしていただく理由が私には…」
「何を言うんだ、君はアヤに似ている」
「理由になりませんよ」
「娘に似た子が苦労をしているのに放っておけないよ、放っておきたくないよ!」
「でも無償でそれは流石に」
「じゃあ…仕事を与えよう」
名案だと思った。
46 :
>>1:2012/01/14(土) 04:26:06.59 ID:Bbhflozx0
「よし、これなら就労として手伝えるね」
「どんな仕事ですか?」
「ここに電話番号を書いて。後で秘書から連絡させるよ」
どうやら秘書とは、ずっと一緒というわけでもないらしい。
その後、何事もなかったかのようにタクシー代を渡され解散となった。
「今日は本当に楽しかった!」と連呼する会長を見ると何だか本当のお父さんのように思えた。
47 :
>>1:2012/01/14(土) 04:31:52.60 ID:Bbhflozx0
タクシー代として10万円も入っていてまた怒涛の謝罪とお礼のメールを入れることとなった。
貧乏だけど、誰かから同情されて、恵んで貰いたいと考えていた訳ではない。
貧乏だからこそ、プライドを持って自らの手で稼いでいきたい。
だから、今回の出逢いはうろたえることの連続だった。
そう言えば今まで誰かに頼ったことはない。
48 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 08:10:05.92 ID:jPpBZDKh0
要するに擬似近親相姦スレか?
期待
支援
51 :
>>1:2012/01/14(土) 10:09:25.62 ID:Bbhflozx0
支援ありがとうございます
それから暫くは大学もバイトも忙しい日々の連続で、会長の「就労」とやらも忘れかけていた。
家庭教師は相変わらず「重要」と赤ペンでびっちり埋まったノートとのにらめっこで、自分のレポートは〆切との追いかけっこだった。
学費はどうにか間に合いそうだったが、母からの追い討ちは手を緩めてくれなかった。
52 :
>>1:2012/01/14(土) 10:18:11.26 ID:Bbhflozx0
母もまた、金銭面では誰かにすがることをしてこなかった人間だ。
が、その頃は持病のメニエール病が悪化していたらしく、働くのが困難になっていた。
「お金を…」とせがまれることが多かった。
生まれた頃から実家は某カルト宗教団体にはまっている。
多忙な時期に、知らないおばさんが家を訪ねては、
「ちゃんとあなたが信心しないからお母さんこうなっちゃったのよ!」「何もしてないんだからせめて祈りなさい!」
と一方的に好き勝手喋っていった。
53 :
>>1:2012/01/14(土) 10:24:02.72 ID:Bbhflozx0
私はどちらかと言えばキリスト教系の大学だ。そのお陰で、入学時に「あんたあんな大学に行くなんて地獄にいくよ」と周りの信者に散々言われ、目が覚めた。
他人の努力を勝手な偏見で野次るような宗教が誰を救うんだ。
認められたり、報われたりしないと人間はやる気を殺がれる、とは知らなかった。
今思えば、もう限界が近付いていた。
54 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 10:28:13.74 ID:e1d5q4w20
期待
55 :
>>1:2012/01/14(土) 10:36:00.01 ID:Bbhflozx0
顔色があからさまに悪くなっていたのだろう、A君とおじさまには「栄養が不足していませんか?」と度々気遣われた。
その心配さえ素直に受け入れられず、「ダイエットをしているもので」と嘘を吐いた。
「無理なダイエットは宜しくありませんよ、コラーゲンというものは飲んで肌に作用するものではありません…あ、キツければ授業減らしても構いませんからね?」
おじさまはやはり医者だ、と思った。
「大丈夫ですよ、本当にありがとうございます」
「せめて何か栄養のあるものを食べましょう、今週末空いていますか?Aとお食事致しましょう」
「いつも連れていってもらってばかりなので忍びないです…」
言い終えた瞬間に綺麗なキッチンが目に入った。
「宜しければ、私に作らせていただけないでしょうか」
56 :
>>1:2012/01/14(土) 10:44:51.64 ID:Bbhflozx0
料理は好きだ、よく色んな人に振る舞ってきた。
最初こそ悲惨だったが、歳を重ねるにつれ、「美味しい」と褒められるようになっていた。
しかし、「本当に美味しいものを沢山食べることで舌を肥えさせると、自分が料理をするときに決して不味いものは出来ない」というおじさまの口癖がネックだった。
果たして、彼らの口に合うのだろうか?
「それはいいですね、じゃあお願いしましょう。食材はこちらが用意致しますから何なりと仰って下さい」
57 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/01/14(土) 10:50:11.28 ID:hWNktkJ80
支援
58 :
>>1:2012/01/14(土) 10:53:43.54 ID:Bbhflozx0
週末ならレポートも終わっているし、バイトも多くない。
何とか彼らが喜んでくれそうなものを作りたいと切望した。
インターネットや本屋さんでレシピをみて回った。
翌朝、
「○○会長のお申し付けによりご連絡差し上げました」と電話が入った。
案の定、例の「就労」だ。
59 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 10:54:24.67 ID:JSKnzQxGO
60 :
>>1:2012/01/14(土) 11:02:28.62 ID:Bbhflozx0
「業務内容は幾つかありますのでご自身が生活に差し支えのない程度に、とのことです」
ひとつ。食品のモニター。食べて感想を送る、というものだった。
ふたつ。送られてきた何らかの文書を英語と中国語に訳して返す。
みっつ。定期的に送られるテーマに沿ってレポートを書く。結構な量になるらしい。
ご覧の通り、本来ならわざわざ仕事にしないようなものばかりだった。
いい話だ
読んでるぞ
63 :
>>1:2012/01/14(土) 13:43:31.04 ID:Bbhflozx0
ありがとうございます。
今は22です。私が美人かは分かりませんがネットやチラシ、ヘアカタログモデルをしてたので何処かでお会いしたかもしれませんね。ご参考までに。
「では、二つ目でお願いします」
「翻訳業ですか?」
それが一番仕事っぽいと思えたからだった。
「ではこちらから契約に於いての書類を発送させて頂きますね。給料は恐らく歩合になるかと」
充分だと思った。
「ありがとうございます」
「こんなこと会長が言い出して、びっくりしましたでしょう。頑張ってくださいね」
64 :
>>1:2012/01/14(土) 13:47:09.36 ID:Bbhflozx0
学科が英語や中国語の専攻なのでそれほど心配はしなかった。
訳なら腐るほどしてきた。
大丈夫だろう。
そして迎えた週末。
あろうことかおじさま達の前で、倒れてしまった。
65 :
>>1:2012/01/14(土) 13:57:25.03 ID:Bbhflozx0
酷い胃痛で目を覚ますと、ソファーベッドに横たわっていた。
おじさまが冷静に対応してくれた、とA君に聞いた。恐らく貧血だろう、とも。
「心配しましたよ、倒れちゃうから」
「ごめんね、A君お腹空いたでしょ」
「先生が元気なのがいいんです、食卓を囲む時は尚更」
まじまじとA君を見る。
よく見たのは初めてかもしれない。
…野球選手のムネリンとやらに似ているらしいけど、テレビをあまり観ないから分からない。
「ありがとう」
そう言うと、「先生の教えかた好きなんです」とはにかんだ。
面白い
67 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 14:29:08.74 ID:25Uk5SYA0
ゆっくりでいいので書き込んで下さいね
みなさまありがとうございます。
>>1です。
スマホの調子が宜しくないのでトリップをつけておきますね。
誠実にがんばって生きてきた
>>1の、
シンデレラストーリーであることを期待しながら、
次の書き込みを待ってます。
「安静にしていてください」
おじさまが戻ってきた。
「ダイエット無理しすぎていませんか?」
おじさまは恐らくダイエットじゃないことに気付いていただろう、A君の手前そう気遣ってくれた。
「今夜はどうぞお泊まりになってください。ゲストルームが空いていますから」
「そうだよ先生、今日は無理しないでよ」
「ありがとうございます」
目の前の慈悲溢れる親子と会長。
彼らに会って、沢山お礼を言えるようになったなぁ、と感じた。
嬉しいです(;_;)
こんな拙い文章を面白いと言ってくれるなんて、感激です。
ゲストルームは二階の突き当たりにあった。
10畳ほどの洋室にだだっ広いクローゼットがあった。
ウォーキングクローゼットというらしい。
そんなものはテレビの所謂「セレブ」と持て囃される人のみの所有出来るものだと思っていた。
最も、そういう番組を観ても、セレブ、とは有名人という意味でお金持ちを安直に表すわけではない、なんてことしか考えられないくらい物欲もない。
なんならこの4畳ほどのクローゼットで生活出来そうだ。
元々二世帯住居にする予定だったらしく、二階にもお風呂やトイレ、洗面台、果てはキッチンまでも完備されていた。
時刻は21時をまわっていた。
全力で保守
貧血のあとの湯船は良くない、とのアドバイスでさっとシャワーを浴びることにした。
部屋に戻るとドアの前に、アロマの加湿器が置いてあった。
丸い形状で、水が揺れ動くのを外から眺められる構造だ。
置き手紙があった。
「お好きなフレーバーをどうぞ。お大事に。A」
箱の中にはラベンダー、グレープフルーツ、グリーンティー、ラベンダーの香料である瓶が入っていた。
彼の精一杯の見舞いに、入れすぎだよ、と思わず笑った。
朝は5時に起きて朝食を準備した。
5時半にはおじさまも起きてきて、目一杯私の体調を気にしたあと、ウォーキングに出掛けられた。
和食と洋食はどちらが良いか尋ねそびれたので、どちらも用意した。
IHの三口コンロを使ったのは初めてだったが、こんなに便利なのかと感動した。
散々お世話になっといて、こんなことしか恩返し出来ていない自分に嫌気がさした。
6時半頃、おじさまが帰ってきて、シャワーに向かった。
A君も着替えてリビングにやってきた。
「ご飯、先生が作ったんですか?!もっと寝てて良かったのに…」
「こんなことしか出来ないからさ。A君、昨日のアロマありがとう。快眠だったよ」
「よかった、何の香りにしました?」
「グリーンティー。グリーンティーって香りがあるんだねぇ」
そうでしょ、とA君は嬉しそうに頷く。
「先生、あれ、あげます」
ダメだよ、といいかけるより先にA君が言う。
「あれ、少し前に先生の為に買ったんです」
お年玉で情けないですけどね、とA君が笑う横でそういえば、と思い出す。
あれ、新品だったような…
「先生に教えてもらい始めて、成績伸びたんです。父にも誉められました」
「あれだけ努力できるんだから私の力なんて微量すぎるよ」
「あれだけ努力してたのに今まで分からなかったんです、先生のお力でしょう?感謝して当然です!」
うっ、と息詰まる。
この子は人を丸め込む天才なんじゃないか。
77 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 16:43:55.08 ID:e1d5q4w20
Aめっちゃいい子だな
やっぱり育ちが良いからか…
その日は10時からバイトがあったので、朝食に箸をつけないうちに帰宅の準備をした。
おじさまにもお礼を言いたかったが、噂通りおじさまの朝風呂は長い。
仕方ないので置き手紙をして家を出た。
駅まで送ってくれたA君は、ずっと「如何に朝食が美味しかったか」を語ってくれたので、気恥ずかしかった。
電車に乗って、戴いたアロマの箱を見つめる。
そういえ、10万円頂いても、こんな小洒落たものを買う発想に至らなかった。というか、相変わらず余裕はない。
自分の世界に全く違う色が加わっていく。
それが斬新で嬉しかった。
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
わあありがとうございます
出先なので暫しお待ちを(´;ω;`)
82 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 22:38:55.94 ID:lGcH2YLK0
倒れて以来、自己嫌悪が脳内で犇めくようになった。
もう全て投げ出したい。
何もかもを捨てて旅でもできたら、と憧れを抱くようになった。
一週間も経たない内に、会長から書類が沢山送られてきた。
文章とは、小説だったり、エッセイだったり、論文だったりとジャンルはバラバラだった。
共通して、あまり文章量が多くないことに気付いたのは、それらを一週間余りで訳し終えた時だった。
83 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 22:56:22.54 ID:lGcH2YLK0
やりきった後の達成感は私を元気付けた。
データを送ると、秘書の方から
「会長が非常に喜んでいらっしゃいました」と連絡がきた。
宗教のおばさんに言われた、
「あなたはなにも出来ない」
その言葉がずっと心に残っていたらしい。
私でも誰かの役に立ったじゃないか。
もう少し頑張ってみよう。
単純だけど心からそう思えた。
見てるよ
続きはよ
86 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 23:24:02.12 ID:lGcH2YLK0
嬉しいです、ありがとう。
会長からの給料は相変わらず破格で、何だか済まない気持ちだった。
その後、お陰で免許を取ることが出来た。
それから少し経った頃。
樹木の葉は紅く変化し始めただろうか。
「先生、父が倒れたんです」
「こんな時間に非常識なのは承知しています、すみません」
深夜にA君からの連絡を受けた。
87 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/14(土) 23:32:44.84 ID:lGcH2YLK0
飛び上がって、翌朝の授業の準備、財布、携帯を持ってタクシーで病院に駆け付けた。
紹介がないと入れないという大きな総合病院のロビーに、A君は佇んでいた。
「意識はあるみたいです、今原因を調べているようで」
流石に心細かったのか、落ち着きがない。
「…医者にかかっているからもう大丈夫だよ、安心して待とう。一緒にいるから」
こんな言葉がやっとだった。
それでそれで?
89 :
名も無き被検体774号+:2012/01/14(土) 23:51:37.19 ID:JSKnzQxGO
医者も会長もバツイチ?
面白いので保守
91 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 01:34:46.05 ID:dKIu3eGc0
支援
92 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 02:38:18.58 ID:YI1wbszN0
会長さんの奥様はご健在でした。
おじさまの奥様はずっと昔にお亡くなりになったそうです
保守ありがとうございます
「医者でも医者にかかるんですよね」
A君は当然か、というように項垂れる。
先述の通り彼には母親がいない。
唯一無二の肉親だ、と聞いていた。
深夜のロビーで二人、ただ待つほかなかった。
93 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 03:57:10.54 ID:Os9bEXgN0
どれくらいの時間が経ったのか。
意識しない内におじさまの担当医とおぼしき男の人がA君を呼び出した。
戻ってきたA君を前にして、病状は聞けなかった。
「暫く入院だそうですが、ひと安心と言ったところです。呼び出してすみません」
あまりにも気丈に振る舞うから子供扱いをするのは気が引けた。
「いいよ、寧ろお世話になってきたから今度こそは私が手伝いたい。何か出来ないかな」
これならきっと彼の自尊心を傷付けないだろう。
「先生」
少し考えて彼は答えた。
「じゃあ家事を手伝ってくれませんか?」
94 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 04:56:11.19 ID:ux0bAv670
感じが古いなw
あと、英語と中国語専攻もないわけじゃないが
専攻はどちからが多い
95 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 04:56:28.50 ID:ux0bAv670
漢字が古い
96 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 05:08:33.57 ID:9nxepsWuO
上智か
97 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 06:34:08.56 ID:MhZKUNQY0
同志社だと思った。
保守
立教、ICU、上智あたり?
>>99 いや、早慶に旧帝大って可能性だってあるぞ
特定しないでね。続き読めなくなるだろ。
22歳ってことは今まだ大学生だから特定はやめとけ
それに英語が第一外国語で中国語が第二外国語だとすると可能性は無限に広がる
104 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 11:25:44.06 ID:f1W4B0v00
難産だな
106 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 14:10:04.13 ID:Y/WmB/Y+0
保守ありがとうございます(´;ω;`)
「僕の家母がいないから少しでも手伝っていただけたら嬉しいです」
A君は続ける。
「ダメならいいんですが、父の様子も部活もあるので全部は…。バイトって形でいいから住み込みでお願いしたいんです」
「全然構わないよ、無償で」
大学もあらゆるバイト先もA君の家からの方が近かった。
今まで一時間半かけて実家から大学に通っていたから、好都合な提案だった。
何より、恩返しが出来る気がした。
107 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 14:13:13.04 ID:EMjG6zYx0
無理ないペースでいいから、と思いつつ、待ってた。
108 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 14:22:00.31 ID:XwVms9eDO
なんかスレタイにA君抜けてるぞ
良スレだな
109 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 15:57:00.88 ID:Y/WmB/Y+0
ありがとうございます(`;ω;´)
A君、迷いました;
大学から帰宅して、着回せそうな服と簡単な荷物をキャリーバッグに詰めて出発した。
無意識でアロマも持っていた。
会長からの仕事も怠らないようにノートパソコンも持った。
入学時に「大学生なら要るでしょう」と唯一買って貰った宝物だ。
家に着くとA君は既に帰宅していた。
「これ、鍵です。先生の部屋は以前使って頂いたところでいいですか?必要そうなものは置いておきましたが他にあれば何でも仰って下さいね。あ、22時以降は用事があれば電話しますね。荷物運ぶの手伝います」
捲し立てたのは彼なりの気遣い。
くすりと笑った。
「これ、持ってきてくれたんですね」
支援
111 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:30:19.49 ID:9nxepsWuO
全力で支援
112 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:38:46.74 ID:bRpoUJbJ0
入院中の俺も、まったりと見て
支援してます
113 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:50:27.41 ID:iwjkvkSTO
続きはよ
114 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 17:57:59.36 ID:puxmap/e0
さっき読み始めたが、終わってない良スレだったか・・・
全部終わってから一気読みするのが好きな漏れには辛いw
115 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 18:14:39.33 ID:x9NVCMyQ0
ありがとうございます
焦らしたくないのですが文才なくこの様ですみません(;ω;`)
アロマは、私の中の違う世界の象徴だと思った。
今までの生活を変えられるような気分になる。
今までの生活が嫌いな訳ではない。
でも、周りの子達のように少しでいいから自分のために思いっきり時間を遣ってみたい。
そんな、誰にも言えない内に秘めたモヤモヤを形成したようなお守り。
もう少し頑張って、頑張った先でこの生活を必ず変えてみせる。
アロマを焚くとそういった不思議な気持ちになった。
A君とおじさまに与えて貰った勇気だ。
ここでの生活は手を抜くことなく尽くそう。
そう決意してゲストルームに入った。
今まで苦労の中、真面目に生きてきたから
こういう人達と出会うことが出来たんだろうね。
自分にはあり得ない世界だわ・・・
118 :
忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/01/15(日) 18:27:08.33 ID:C7Mrhjl+0
最近、胸糞悪いスレばかり見ていたから心が洗われるような気分だ。
119 :
忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/01/15(日) 18:28:15.77 ID:C7Mrhjl+0
120 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:50:29.54 ID:vKdDUwtO0
本当にこんな真面目で素直な人っているのかなぁ・・
>>1の心の中には黒い部分、例えば他人の失敗を非難する所とかない?
121 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 18:57:30.51 ID:x9NVCMyQ0
w
読んでくれてありがとうございます!
改めて見渡すと、部屋には学習机の上にデスクトップのパソコン、テレビ、ベッド、ソファーと文句のつけようがない家具が揃っていた。
荷物を整理すると時刻は17時を指していた。
A君はお見舞いなのか、出掛けて居なかった。
私もお見舞いに行きたかった。
が、血の繋がりのない自分がしゃしゃりでるのはな、と思い留まっていた。
まだ暫くは安静にしていないといけない筈だ。気を遣わせるわけにはいかない。
お風呂の掃除と準備を済ませて夕食作りに取り掛かった。
レストランのようには無理だけど、ハンバーグとサラダ、コーンスープを作った。工程が簡単だったからすぐ終わった。
ハンバーグが焼ける頃にA君が帰宅した。
122 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 19:11:18.86 ID:x9NVCMyQ0
>>120 非難する余裕がなかったんです。
自分のことで必死で、他人に構ってられないというか。
ものが無いのは当たり前、他人と自分は違うって早い段階で気付いていたから羨むこともなかったです。
今思えば諦めに近いですね。
123 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:02:08.14 ID:x9NVCMyQ0
「やっぱり
>>1さんに頼んで良かったです」
夕食を食べながらA君が言う。
「本当はお手伝いさんを頼もうと思ってたんですけど打ち解けていない人が家をうろうろするのに抵抗があって」
人懐こい印象のA君からそんな言葉が出るのは意外だった。…思春期だし当然か。
「家庭教師、今まで通り教えてくれますか?家事頼んでいるから何か頼みすぎてるような」
「えっ、どんどん頼ってほしいよ。今まで通り頑張ろう!」
君なら私が居なくてもやれそうだ、とは口にしない。
「典型的だけど、やっぱり僕医者を目指そうと思います。これからもご指導宜しくお願いします」
良い子だな。本当に良い子だ。
「A君家のような家庭でも幸せだっただろうな 」
ポツリと本音がでた。
124 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 20:22:01.75 ID:8Xn6Kin90
やばい。
かなりの良スレだ…
125 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:44:57.77 ID:x9NVCMyQ0
読んでくれて嬉しいです
「父が、"この家を自分の家だと思ってほしい"と言っていました。僕もそう思います」
「図々しいかもしれないですが、弟と思って下さい。僕達は家族みたいに先生を思っていますから。」
これまで淡い失恋で涙することは確かにあった。
けれど、割と楽観視して生きてきたから辛くて泣くことは殆んどなかった。
「先生!何で泣くんですか!」
慌てたA君の声で気がついた。
私は初めて嬉しくて泣いていた。
126 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 20:58:43.68 ID:mOX5Y/SB0
家族が増えた気がした。
心の底では今までだって家族のように思っていたのかもしれない。
気持ちが通じあったような気分になった。
「私がお姉ちゃんだったら…スパルタ教育だよ」
「今と何が変わるんですか」
「えっ、スパルタだっけ?!」
「冗談ですよ」
目が合ってお互い吹き出した。
こんなに自然に笑ったのは久しぶりかもしれない。
127 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 21:34:47.44 ID:puxmap/e0
もしかしてパンツ脱いでもよろしいでしょうか?
128 :
名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 21:36:21.17 ID:eGsTibtu0
130 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 22:06:27.71 ID:CwO4o7iH0
寒いので腹巻きも装着しておいて下さいな
家事にバイトに学校と充実した日々が始まった。
家族には定期的に会いに帰った。
お金さえあれば母が家事をする。
あなたはバイトと学校に精を出して、と言われたので後ろ髪ひかれることなく集中した。
もっと本音を言うと、宗教のおばさん達が毎晩のように野次に来ていたので逃れられて良かった。
おばさん達は、私だけは許せなかったようだ。
そんなとき、会長から一通のメールが届いた。
「どうしていますか? 貴女の 学校付近に 立ち寄る用事が 出来ました ランチでも 如何ですか。」
保守
保守
ふぅ
134 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 22:47:26.47 ID:CwO4o7iH0
保守ありがとうございます
家事とバイトを優先させたかった私にとって、ランチのお誘いは好都合だった。それなら時間を削ることがない。
是非、と誘いにのった。
あっという間に当日はきた。
その日は丁度午後からの授業が休講だった。
指定された待ち合わせに向かう。
「!」
相変わらず派手な会長がそこにいた。
案内されたのはイタリアンレストランだった。
「さ、好きなもの何でも頼んで」
「…」
「美味しい、こんな美味しいお店知ってるなんてグレイトー!って言われるのが嬉しいんだよ」
「それどこのお姉ちゃんに言われたんですか」
笑って言うと会長はいつものように豪快に笑った。
136 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:08:56.18 ID:CwO4o7iH0
な、なんですって…
濃い一時間半だった。
近況を軽く話すと、「そうだったのか」と会長は考え込んだ。
「仕事の期限はいつでもいい。どれだけ提出が遅れても、給料だけは毎月きちんと払うことも約束するよ」
冗談好きな会長が真面目な顔をする。
「だから、今はその人達の為に尽力するんだよ。何かあれば必ず助けるから
…君が誰かの役に立ちたい、と思うその気持ちは貴重なものだ。
尊重するんだよ。決して無理はしないように」
その言葉だけで嬉しかった。
>>1 明日、早いから寝る
明日読むから続きオナシャス!
138 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:30:32.85 ID:CwO4o7iH0
暫くして、おじさまが面会出来るようになったと聞いた。
すぐさまA君と病院に向かった。
来てくれてありがとう、こんなところを見せるのは恥ずかしいな、とおじさまは笑った。
「大した病気ではないが、私も歳だからあと1ヶ月は入院せざるを得ないだろう」
言葉を探すうちにおじさまは
「家のこと、すみませんが頼みます。お金はAが把握しているので好きに遣って下さい。贅沢していいんですからね。家のものも全て好きにしてくださいね。」
と続けた。
139 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/15(日) 23:46:15.18 ID:CwO4o7iH0
贅沢なんて仕方が解らないからしないだろう。
でも今はおじさまの気遣いを無下には出来ない。
「…お部屋、更にピカピカにして待っていますから楽しみにしていて下さいね」
「それは楽しみだね、早く退院しないと」
少し痩せた気がしたが、顔色が良かったので安堵した。
ココまで読んだ
141 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 00:26:28.75 ID:Zn/VqWIC0
帰り道。
「
>>1さん、たまには僕を頼って下さいね」
今、不安なのはA君の方だろう。
「もう十分頼っているよ」
「僕は弟ですよ、遠慮したら怒りますからね」
優しい弟を持ったな、としみじみ感じた。
142 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 00:55:44.89 ID:Zn/VqWIC0
15日までに終わらせたかったのに、自分がこんなに打つのが遅いなんて。長引いてごめんなさい。
難なく日々は過ぎていった。
あれから会長とは頻繁にメールで近況をやり取りした。
A君は模試で校内2位を取った、先生のお陰だ、と言うから二人ではしゃいだ。
ただのゲストルームは気がつくと「
>>1さんの部屋」という札が掛けられていた。可愛いウサギの飾り付きだった。
「これA君が作ったんだよね、ありがとう!」
「サンタじゃないですか?」
「まだまだサンタのおじさんは準備中だよ」
「じゃトナカイかも」
「素直じゃないやつめ…この家には随分サプライズ好きなトナカイがいるものだね」
「…」
そうこうしている内に、おじさまはあと2週間で退院というところまで快復した。
143 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 01:11:14.82 ID:XLXKTxhsi
夜中に、懸命に書き込んでくれて、本当に誠実だね。
身近にいたら、絶対惚れてしまいそう。
144 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 01:24:27.30 ID:IfvPzF4o0
そんな風に受け止められるなんて恐縮です!
さっ、と書けない自分が悔しいです
A君は食べ盛りなので、これまでご飯が進むような料理を振る舞ってきた。
だけどおじさまが帰ってくるとなったら、食事は第一に気を付けなければならなくなる。
糖尿病の人向けのレシピ本を見付けたのでそれを購入した。併せてネットでも情報収集を欠かさなかった。
大学や高校時代の友達は私の状況を把握している。
無理に遊びに誘わないどころか、病気の方でも安心して食べられるレシピをたくさん教えてくれた。
2週間、練習しよう。
美味しい料理を作ってA君と待っていよう。
145 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 02:01:12.43 ID:xyrkdJJNO
贅沢のし過ぎで糖尿病ww
悪気がある訳じゃないので悪しからず。
自分のペースで書いて下さいな。
Aパパ糖尿なのか……
147 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 02:19:18.22 ID:IfvPzF4o0
糖尿病の患者さん向けのレシピを参考にしていただけで糖尿病ではないです。言葉足らずでしたね、気を付けます。
読んでいただきありがとうございます(*´∀`*)ノ
恐らく味は薄くて物足りなかったであろうご飯もA君は文句ひとつ言わずに平らげてくれた。
もうすぐこの生活が終わる。
変化を挙げるとしたら、A君とは軽口を叩けるような間柄になっていた。
A君の部屋は一階にある。
ドアには私が作ったネームプレート。
もうすぐ、これを毎日見ることはなくなる。
少し寂しくなっている自分がいた。
148 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 02:52:10.46 ID:IfvPzF4o0
二人での生活も残り1週間。
講義も終わり、家でレポートとA君への抜き打ちテストを作成している時だった。時刻は16時を過ぎていた。
突然、インターフォンが鳴った。
モニターで確認すると、名門と呼ばれる高校の制服を着た女の子が立っていた。
「A君と約束している者です。A君に家で待ってるように言われたので通してください」
即座にA君に電話したが、繋がらない。
相手は高校生の女の子、外で待たすわけにもいかない、か…?
確認がないので気が引けたが、こんな女の子が何か出来るとは思えない。
仮に何か起こったなら、全力で責任を取ろう。…一応ペットボトルを護身で持っておこう。
葛藤してドアを開けたら、倖田來未さんのようなメイクを施したお洒落な女の子が入ってきた。
まさかの修羅場?ww
150 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 03:37:59.55 ID:IfvPzF4o0
心なしかいい香りがする。この香りは知っている。クロエ?とかそういう名前の香水だ。多分。
「お邪魔します」
深々とお辞儀をし、靴を揃えて入る。
偉いなぁ、と思わず感心する。
化粧の厚さはコンプレックスの厚さだと聞いたことがある。
顔立ちは整っている感じなのに勿体ないな、と感じた。なんなら素っぴんでも可愛いだろう。
まじまじと眺めていると、真っ直ぐこちらを見据えて彼女は言った。
「私、A君の元カノです」
151 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 03:42:35.14 ID:IfvPzF4o0
「A君はあなたのような可愛らしくて礼儀正しい子と付き合っていたんですね!」
本当の姉のような心境だった。
「A君全くそんな話ししないから心配だったんですよ、座ってお茶でも飲みましょう。あ、お名前お伺いしていませんでしたね。私は
>>1と申します」
喋りすぎたようだ、彼女はぽかんとしていた。
多分約束してないなww
153 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 03:52:25.92 ID:IfvPzF4o0
「私は…カナです」
「カナちゃん。今日はA君とどんな約束をしていたんですか?」
カナちゃんは出したばかりの紅茶に砂糖を入れながら答えた。
「約束っていうのは嘘です」
「家庭教師さんに会いに来たんです。さぁくんに内緒で。」
「さぁくん?」
A君のことであるだろうが、苗字も名前にも「さ」は付かない。
「周りの女子と被らない呼び方を適当に考えただけです。さぁくんモテるから」
「そういえばA君(いや、さぁくんか)とカナちゃんは違う学校だよね」
「電車で見掛けて好きになったんです」
カナちゃんは恥じらって頬を赤らめる。乙女だな、とにやける。
154 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 03:57:47.85 ID:IfvPzF4o0
ご名答です(`・ω・´)
「それで…私に用事とは」
「その前に訊きたいんですが」
カナちゃんが紅茶を混ぜる。ミルクが綺麗に溶けていく。ケアしてある手先が美しくて、吸い込まれるようにただ見つめる。
「さぁくんに惚れてないですよね?」
思いもよらない質問だった。
考えたこともなくて、言葉に詰まった。
一瞬の沈黙の中でカナちゃんの瞳は強気で、不安げだ。
155 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 04:05:18.26 ID:IfvPzF4o0
A君は本当に弟のような存在だ。
それに嘘はない。何に誓ってもいい。
「考えたことなくて吃驚した…」
素直にそう答えた。
カナちゃんは本当に?と言いたげな目で、「それなら相談に乗ってくれませんか?」と続けた。
「よりを戻したいんです、さぁくんの好みとか知りません?」
そうきたか、と呆気にとられる。
「好み?女の子の?」
「モノでも女の子でも…簡単に言えばもっとさぁくんの理想に近付きたいんです。あとプレゼント攻撃もしたい」
恋愛のれ、の字もかじれてない私の小さな思考容量がフル活動しだした。
小説を読んでるみたい
読み易くて面白い
独特のテンポが心地よい。
158 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 05:06:30.38 ID:UbpEfToo0
粛々とした、不思議な雰囲気だなぁ
魅力のある性格と文章だね。
160 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 08:34:01.99 ID:vJsjlraN0
勿体ないお言葉!ありがとうございます(;_;)眠りに就く度、起きてもこのスレが残っているか少し心配でした。
よりを戻す。言葉にするように簡単なことではない。
というか、よく考えたらそんな経験がなくて解らない。
「A君にはもう告白したの?」
「してないです、出来る雰囲気じゃないし」
「隣の高校だからよく色んなところで会えるけど、さぁくん勉強ばっかり」
そう言って、長い髪の毛の毛先をくるん、と遊ばせる。
どこかで、「女性が毛先をいじりだしたら貴方に気がない証拠だ」と読んだ。そうだ、男性用雑誌だ。
確かにこの仕草は拗ねているように見えなくもない。
「さぁくん、どこの大学目指しているんですか?私も頑張ろうかな」
保
162 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 09:00:42.46 ID:xyrkdJJNO
あなたの文章を読みたい人が保守するから安心して寝て下さい。
163 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 09:26:14.79 ID:vJsjlraN0
ありがとうございます(*´・ω・`*)
ヌクモリティに感謝しつつ、続けます。
いい兆候じゃないか、と微笑ましくなる。
「国立大って言ってたよ」
「え…猛勉強どころじゃないじゃん…」
カナちゃんの顔色がみるみる暗くなっていく。
「成績悪いの?」
勉強時間や方法まで詳しく尋ねたくなるのは、家庭教師の性だろうか。
「成績は悪くないけど国立はどうだろ…」
「一緒に勉強しない?とか効かないのかな、ベタだけどお菓子とか作って差し入れるとか…あまりしつこくならないように適度に」
「それいいかもー!ナイスー!適度にね、覚えとこ」
A君のこと、本当に好きなんだな。
どうかこの可愛い子の恋が上手くいきますように。
嬉々としてプランを練るカナちゃんを横目にそう願った。
時刻は17時を回っていた。
他人の家の留守を預かってるんだから
家の人と連絡もとれないなら、いくら約束したと言っても
家に上げるべきではないような・・・。
改めて来てもらうとか、そもそも来客には対応しないとかするべきだったのでは?
でも読んでる限りでは、人を疑う事を知らなかったんだろうね。
165 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 09:49:10.06 ID:vJsjlraN0
確か、A君は19時に帰ると連絡があった。
「カナちゃんご飯食べていかない?簡単なもので良ければ作るよ」
大したおもてなしも出来ないのはお手伝い、…いや、姉として何だか不十分だ。
「ママに怒られちゃうからお気持ちだけで」
間髪入れずに断られる。
そりゃそうだ、流石に慮りに欠けたな 、と一瞬でばつが悪くなる。
「でも」
カナちゃんが毛先をくるくるしながら言う。
「楽しかった。今度はちゃんとさぁくんに許可を取ってきます」
「是非!」…彼女として来てくれたらな、と静かに期待した。
166 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 09:49:30.17 ID:4jiQVtvT0
なんかこう、日本人独特の、悲しさとも幸せとも言えない微妙な味わいがある出来事と人物だな
おれも貧乏人だしなあ、頑張りたいなあ。
167 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 10:02:00.37 ID:4A3pDz0ni
今年初の良スレだな。
168 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 10:05:32.84 ID:6UK3llfl0
その通りです、猛省しています。
下記にもあるようにこれがもし危険な人だったらと後悔しました。
思慮というのは付け焼き刃では到底出来ませんね
帰宅したA君に数時間前の出来事を話した。
秘密で、とカナちゃんは言ったけど、…そうもいかない。
カナちゃんにも後ろめたくて、ジレンマを感じていた。
黙って聞いていたA君は少し笑って
「知っていますよ」
と言った。
「なんだ、秘密のつもりだったのか。昨日夕方会ったときに言われましたよ、家庭教師さん見に行ってやるって。どうせカナのことだから実行するだろうとは思っていたけど」
「勝手にあげてごめんなさい」
「押し掛けたのはカナだから謝らなくていいよ。ここは自分の家同然ですよ?母さんが生きてたら多分、そうしてたよ」
母さん、と聞いて動揺する。
亡くなったと聞いてから一度も触れてこなかった話題だ。
169 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 10:36:57.80 ID:6UK3llfl0
A君はいつも気丈で、人が自分に気を遣うことを特に嫌う。
先述のような失態を起こしても、「自分の家同然でしょう」と然り気無くフォローをする。
私が1つの出来事をひきずる性格だと知っていて、そうして場の雰囲気を悪くしないように気遣ってくれるのだ。
「あ、でもどれだけサンタクロースみたいな人でもそれは開けちゃ駄目だからね」
「どういう意味でしょうか…」
そんな冗談も交えてきちんと諫めてもくれる。
私にはその懐の大きさは真似出来ない。
どっちが年上なんだ、しっかりしよう。洗い物をしながら考え込んだ。
―母さん。
こんな良い子に育っているA君を産んだ人。
どれだけ素敵な方だったのだろう。
お会いしてみたかった。
いい話っぽいので誰か三行で。
171 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 10:48:16.52 ID:76qXjsSGi
良スレ発見!
追いついたぞ( ;´Д`)
172 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 10:49:42.66 ID:xyrkdJJNO
>>170 真面目な苦学生が
足長おじさんに出会い
色々あった話
じわじわ人増えてきたかな。ともすると荒れるかもしれないが相手にせず続けろください!
174 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 11:20:38.94 ID:6UK3llfl0
一喜一憂しつつも、どんな意見でも受け止めますよ(`・ω・´)
感謝です。
街は様々な色の煌めきで溢れていた。
お店のポップは「恋人や家族」というワードが強調されて、BGMはマライア・キャリーやワムが延々と流れる。
世間はクリスマスイブ。
贅沢は出来ないけど、病気を患っていても食べられるレシピを探してクリスマスらしい料理にした。
掃除をしても時間が余ったので、まとめていた荷物を確認した。
「ただいま」
A君が嬉しそうな声を響かせる。
「本当に綺麗だ、ありがとうございます」
久しく聞けなかったこの家の主の声。
おじさまが退院した。
175 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:22:10.35 ID:t+sU4cIfi
176 :
忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2012/01/16(月) 11:24:02.18 ID:a91amw98i
177 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:29:20.22 ID:V3VXR68R0
この手のスレって多いけど、そんなに細かく会話等覚えてるもんかな?
多少は脚色あるとしてもさ。
何か目的ぐあって作られてる様な気がする
のは俺だけ?
中には事実ぽいのもあるけど。
ま、結果としては読んでおもしろきゃいいんだけど。
178 :
忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2012/01/16(月) 11:32:25.67 ID:a91amw98i
>>177 その時の状況を思い出せれば、何しゃべってたかもなんとなくわかるもんじゃない?
この日時に何しゃべってたかじゃないんだし
181 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:50:15.02 ID:vR6oYa91i
C
182 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:52:28.04 ID:hB4g8Ms60
おっさんの創作と思う。
183 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:52:50.21 ID:xyrkdJJNO
184 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 11:56:24.62 ID:6UK3llfl0
私は細かく日記をつけていたので(非公開のブログですが)、それを読み返しつつ会話を補完し書いていますよ。
案外覚えていないものですよね。
あからさまに印象を操作しかねない脚色は控えています。
また、特定されかねない情報は少し変えています。
おっさんか…おっさんと思ってくれていいです!
食事も終え、久しぶりに三人での団欒を迎えた。
実家はクリスマスを決して祝わないので新鮮だった。(と言いつつ一番下の妹にはプレゼントを発送した)
「Aの成績がとても伸びたそうですね。ひとえに先生のお陰でしょう。ご迷惑はお掛けしませんでしたか?」
テーブルの向こうでおじさまがペリエを注ぐ。お
じさまは炭酸水が好きだとA君がよく話していた。僕には分からない、とも。
「とんでもないです!寧ろ私がご迷惑をお掛けしました」
「先生のお陰で私も安心して家を開けられましたよ」
185 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 11:59:27.88 ID:hB4g8Ms60
>>184 ワムとか倖田來未とかおっさんが知ってそうな芸能人しか出て来ないw
でもテレビ見ない人もいるしわからない。
186 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 12:11:51.61 ID:6UK3llfl0
バイトと勉強ばかりでテレビに親しみなかったんです…(;;)
見てもお笑いとか映画だったし…
好きな歌手は浜田省吾さんだしおっさんと思われても何も言い返せないです……
あ、阿部真央ちゃんが大好きです
「そんなことは…」
言いかけた途端、
「先生!」
後ろからA君が顔を出す。
「これ、僕と父からの感謝の気持ちです」
と、シックな小袋を差し出された。
振り返るとおじさまが微笑んでいる。
「!?」
言葉が出なかった。
187 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 12:20:04.56 ID:XmFsGpC8i
おいついた!
これは良スレ。
>>1さんがんばって!
188 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 12:20:07.48 ID:6UK3llfl0
「先生がご厚意でここまでしてくれたように、これも見返りを求めないただの感謝の表れです」
「でも私何も用意していないのに受け取るのは」
私の心を読んだようにA君は続ける。
「忙しい中、料理に洗濯に掃除、どこが何もしていないんですか!僕達がしたくてこうしているんです。遠慮しないで下さい」
「本当にいいんですか?」
「しつこい女の人はモテないですよ」
A君は相変わらずフォローがうまい。
お礼を言って受け取った袋からは少し重みを感じた。
189 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 12:31:40.04 ID:WbuBeIEMO
見てます。頑張って
おうちのカギとか?
重み無いか
191 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 12:43:57.03 ID:a91amw98i
192 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 12:46:36.15 ID:6UK3llfl0
ありがとうございます!
「気に入るか分かんないんですけど」とA君がはにかむ。
ルイヴィトンと読める箱に、長財布が横たわっていた。
ワインレッドいうか、パープルというか。
照明の当たり方で微妙に見え方が変化する。初めて出会った色だった。
アマラントというらしい。
艶々した生地は手触りがとても快感だ。
「…こんな素敵なものを戴いていいんですか?」
「使ってくれますか?」
A君が心配そうにこちらを窺う。
「当たり前です!家宝にします!」
おじさまがにっこり笑った。
お手伝いのバイト代なんて受け取ってくれないでしょうから、と二人で相談して財布にしたらしい。
私の世界に色がまた1つ増えた。
193 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 12:48:43.19 ID:nw+uJvQcO
なんて素敵な話なんだ
これも1が真面目で誠実だからだろうな
しぇん
195 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 12:59:58.14 ID:6UK3llfl0
財布を開けた右上に、私の名前のイニシアルが入っていた。
それを確認して改めて家宝にしよう、と本気で思った。
後にも先にも…先のことは分からないけど、今のところは、ブランド品と呼ばれるものはこれしか持っていない。
他には要らないし、買うこともねだることも絶対にない。
今は背伸びしているけどこの財布の色に見合った女性になろう。
いつか二人と、そして会長さんと会えなくなってしまっても
私が傲慢になって怠惰にならないように、この気持ちを忘れないように、この財布は肌身離さず持ち歩こう。
じんわり暖かい気持ちを涙に変えないように、堪えるのは大変だった。
俺が泣く
今泣く
これが、実話でも創作でもどちらでもいいんだけど
ものすごい引き込まれる文章だね
小説読んでるみたいだ
場面が目に浮かぶようだ
198 :
忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2012/01/16(月) 13:16:57.78 ID:7FaIQqg80
汗から目が…
199 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 13:19:29.26 ID:6UK3llfl0
レス嬉しいです、ありがとうございます!
めでたいクリスマスイブを最後に、私と素晴らしい高校生との共同生活は終わった。
まだいていいのに、と二人には引き留められたけれど、親しき仲にも礼儀あり。
これ以上二人の時間を邪魔できない。
翌朝、朝食を一緒に摂って、彼らにお礼を言った。
どれだけお礼を言っても言い足りないくらいだ、と言うと「先生、家族に何をそう気を遣っているの、小さい頃はサンタクロースが来るもんだよ」とA君に頬をつつかれた。
「私もう成人しているんだけどなぁ」
「…トナカイからのプレゼント忘れていません?」
A君が例のネームプレートを手渡してくれた。
200 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 13:27:57.40 ID:6UK3llfl0
「これはどうしたの」
おじさまがにこやかに訊ねる。
「A君が作って下さったんですよ」
「ほう、幼稚園の頃から手先は器用だと思っていたけれど…これはすごい完成度じゃないか?」
おじさまが目を丸くしてプレートを眺める。
「ただ勉強の気分転換に既製品をボンドで繋ぎ合わせただけだよ、父さんならうさぎごと作っちゃうだろうけど…」
A君が恥ずかしそうに説明する。
201 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 13:42:45.30 ID:6UK3llfl0
身近なトナカイからのプレゼントも鞄にしまって帰路へ就いた。
電車のなかでデジャブだ、と考えた。
アロマの時も、今も。
戴いたのは 物だけじゃない。
デートであろう、寄り添う周りのカップルを見渡して財布に視線を落とす。
こんなに温かくて不思議な気持ちになったことは今までたったの一度もない。
大切にされている実感というのだろうか。
血の繋がらない「他人」を「家族同然」だなんて。
この見えない信頼関係を絶対に壊したくない。
あの親子と会長には自分なりに一所懸命に尽くしていこう。
武士ってこんな忠誠心だったのかも、いや比べ物にならないか、とのんきに考えていたら、乗り過ごしてしまった。
202 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 13:47:23.42 ID:NK/72lrk0
203 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 14:00:07.47 ID:ZNw+vA7y0
A君にはいつ逝かされるんだよ
204 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 14:03:40.55 ID:6UK3llfl0
久しぶりに実家に帰る。
ドアを開ける。玄関には知らない靴が2、3足並んでいた。
何故だか分からないけど身震いがした。
理由はないけど、ここにいてはいけないと本能が察知している。
「帰ったの?」
母が顔を出す。
「どうしたのその格好…」
なにやら正装だ。
205 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 14:11:54.07 ID:6UK3llfl0
居間の戸をひくと、知らないお婆さんとお爺さん、それに母よりは若そうな男性が背筋を伸ばして正座していた。
それに、母方のおばあちゃんまでいる。
一斉にこちらを見るものだから、少々怖じ気つく。
雰囲気がものものしい。
「初めまして…」
挨拶もそこそこに、突然スーツ姿の男性がこちらに居直す。
「突然ですみません。私はお母様とお付き合いさせて頂いている者でTと申します」
「今日は、お母様と結婚をさせていただきたくてこちらに参りました」
206 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 14:14:43.86 ID:76qXjsSGi
衝撃の新展開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
207 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 14:19:38.50 ID:6UK3llfl0
急いで書いているため誤字脱字が多いですね;どうかご容赦ください。
「おかあさん…いつから?」
「二年くらい前かな」
妹達は知っていたらしい。
私は全く知らなかった。私はここ数年間、殆ど家には居なかったから知るわけがないんだけど。
「もう
>>1ちゃんにも私にも金銭面でも苦労はさせないって言ってくれたの、再婚だから慎重にいきたくて2年も待たせちゃった」
母が俯く。
「今までよくやってくれたね…」
ポツリと溢した。
母の口から初めて聞いた労いの言葉だった。
208 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 14:22:36.85 ID:EnJiLxNE0
あれ 何か脇から汗が
210 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 15:20:45.84 ID:pb61Rcfli
あれ、目からうろこが…
211 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 15:26:04.63 ID:6UK3llfl0
w
信じられなかった。
母の幸せそうな顔を見て、反対なんて出来ない。
「私が先に死んでも、あなたたちの世話をするってプロポーズしてくれたのよ」
もう私も大人だから母の決断に口出しはしない。
心残りがあるとしたら…
一瞥をくれると、妹達は目をキラキラさせて喜んでいた。
「おじちゃん、お父さんになるの?」
―きっと彼なら、幸せを与えてくれるだろう。
「よろしくお願いします」
頭を下げた。
家族に、父が加わった。
この日までを振り返り、漫画のようだと友達に話したら、「事実は小説よりも奇なりって本当だよね」と唸った。
212 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 15:47:21.41 ID:6UK3llfl0
お正月はA君とカナちゃんと近くの神社で初詣に行った。
年末、最後の授業で
「先生、初詣に行きませんか」
とA君に誘われたとき
「カナちゃんも一緒に行かない?」
と返しておいたのだ。
「せんせー!二人っきりじゃないなんて気が利かないじゃん!」
カナちゃんが拗ねたように口を尖らす。
「あ…!本当だ、ごめんね」
「ふふ、ウソウソ!先生に会えて嬉しいよー」
可笑しそうにカナちゃんが私の腕に絡む。
二人は受験の一年を迎える。
帰り際、カナちゃんはA君と同じ大学の違う学部を受けることにしたとこっそり耳打ちしてくれた。
まださぁくんには言わないでね、との言葉も添えて。
213 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 15:55:46.90 ID:6UK3llfl0
おじさまと会長には年賀状を出しておいた。
会長からは
「お年賀 有り難う 昨年は 楽しかった です。 また 近々 お食事にでも 行きましょう。紹介したい 人が います」
とのメールが届いていた。
その年から、一人暮らしを始めた。
これからは働いたお金は自分のためだけに遣って良い、と何度も念を押されたので学生の内は素直に従うことにした。
それぐらいしてもバチは当たらないよ、と祖母に言われた。
214 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 16:10:30.61 ID:6UK3llfl0
一人暮らしを始めた理由はいくつかあるが、私がいると義父が遠慮しかねないということが大部分を占めていた。
家族なんだから、気兼ねなく暮らしてほしい。
私は元々家を空けることが多い。
居酒屋や24時間体制のバイトの関係で夜中に帰ることも多々あった。
家族の生活リズムを考えると、この選択でいいのだろうと考えた。
私と義父は、ゆっくり打ち解ければ良いだろう。
見てます
216 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 16:21:35.39 ID:pb61Rcfli
>>1は良いお嫁さんになりそうや
なんか出てくる人が善人ばかりで逆に怖い。なんて思う俺
悪人ってカルト宗教のご近所さんだけかw
俺もカルト宗教には拉致されたり父親他界したとき母親がご先祖様がー攻撃受けてるけど。
218 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 16:29:15.03 ID:6UK3llfl0
2月。
ようやく会長と夕食をご一緒する機会が出来た。
「そう!丸く収まったんだな!よくやった!めでたい!」
ハッハッハ、と笑って会長はワインを飲み干した。
私の手元には白桃で割ったシャンパン。
お酒が弱い私のために、白桃を強めに作ってくれたオリジナルシャンパン。
「それで紹介したい人には会ってくれるかな?」
219 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 16:36:22.03 ID:6UK3llfl0
ありがとうございます!
お嫁さんはどうでしょう・・・w
確かに、偽善じゃないか?と私も怖かったです。
最初は裏があるってずっと疑っていました。
今でも、どうしてあんなに自分に良くしてくれたのか解りません。
そんなことがあったんですね(;;)今、
>>217さんが平穏に過ごせています様に。
VIP+読んでて乗り過ごした俺
>>219 ああwわざわざレスありがとう。
俺のも相当前の話で過去形なので今は全然平穏です
続き楽しみにしてます。
222 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 16:50:30.01 ID:HiYETvKK0
二週間後、会長からチケットが送られてきた。
「会ってくれるかな?」
詳細を尋ねると、どうやら三十代半ばの女の人だということが分かった。
バックパッカーで、四か国語を話すらしい。
「会ってみたいです」
私とは縁遠いタイプの人だ。
きっと、この機会を逃せば二度と知り合えない。
「よしきた!その女性のアドレスと番号はこれね。向こうの了承済みだから。不安ならこれ、スカイプ?のアカウント?だそうだ。」
会長がそわそわしながら手帳を取り出す。一枚のメモに筆ペンでいろいろと書かれている。
会長の表情の変化は目まぐるしくて、見ていて面白い。
歳だとは思えないくらい、彼のペースは勢いがある。
「明日3月の休みを秘書に教えておいてね。チケットを送るから」
「…チケット?ですか?」
「そう。パスポートは持っているね?」
223 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 16:56:47.17 ID:L/We/t2K0
文章にも人間性って出るもんなのかね
きっと
>>1は素敵な人間なんだろうな
224 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 17:11:28.56 ID:HiYETvKK0
読んでくれて本当にありがとうございます。
行く機会がない割に、パスポートはちゃんと持っていた。
数年前に授業の関係で韓国に行くために作成しておいたものだった。
相手の人はエイミーと言うらしい。
出発までの一ヶ月弱は、通話やチャットを重ねた。
時差があるのでメールのやり取りが一番多かった。
手ぶらでいいよlol、なんてメールもエイミーさんから言われると説得力がある。
エイミーさんはそんな気さくな人だった。
バイトや家庭教師は正直に話して日程を調整してもらった。
A君とおじさまからは「楽しんでおいで」とまるで自分のことのように楽しみにしてくれた。
そして、その日はきた。
すげーおもしろい
見てる!
227 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 17:40:29.48 ID:pb61Rcfli
異国編wktk
228 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 17:46:51.30 ID:HiYETvKK0
ありがとうございます!!!
当日、会長に土下座する勢いでお礼の電話をした。
「ははは、隠しおって」
会長の第一声はこれだった。
「?」
「1月。誕生日だったろう?履歴書を見て以来覚えていたんだよ。僕も言うのをすっかり忘れてたけどね。おめでとう。この旅は僕からのプレゼントだ」
あえて教えなかったのに。
会長もきっとわざとこのタイミングで教えてくれたのだろう。
「Have a good trip!」
こんな人が本当にいるなんて。
神様、仏様、閻魔様。
こういう運命に導いてくれた何かがあるのなら、全力でお礼を言いたい。
この先は、私が誰かを助ける側にならないと。
229 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 17:52:42.09 ID:HiYETvKK0
成田空港で迷うのが一番不安だった。
その為、下調べを何度もしてこの日に備えた。
当日は容易に搭乗手続きまで済ませられた。
行き交う人々と飛行機に想いを馳せる。
皆それぞれ目的の場所があって、言葉にし尽くせないほど様々な感情を抱いてここに集っている。
無表情に歩いているあそこの綺麗なお姉さんだって、内心何らかの感情に満ちているはずだ。
…そんなの、どこにいても一緒なんだけど。
空港という場所は殊更新鮮にそういう気分にさせてくれる。
230 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 18:08:12.09 ID:HiYETvKK0
約半日のフライトを経て、私はとうとう憧れのニューヨークという地に立っていた。
ケネディ空港からイエローキャブでマンハッタンまで向かう。
女性が一人でマンハッタンまで来るのは心配だから、とエイミーさんからの指示だった。
当たり前だが、流れる景色は、東京や大阪や福岡…日本のどの地とも全く異なる。
建物が高くて、道路も横に広い印象を受けた。
231 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 18:14:28.32 ID:cd/2Exi80
支援
232 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 18:14:28.73 ID:HiYETvKK0
ボキャブラリーが感情を凌駕することは、永遠にない。
建物や道行く人、看板、どれをとってもしっくり当てはまる言葉が浮かばない。
「暑い」や「寒い」といった本質的でシンプルな言葉しか発することが出来なかった。
たくさん浮かれよう、と決めてキャブから降りた。
233 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 18:25:36.08 ID:HiYETvKK0
多分、この日マンハッタンにいた誰よりも私は小躍りをしている。
待ち合わせのハードロックカフェ付近でそう確信していると、目の前のブロンドのご婦人がバレエのダンサーのように高く脚を挙げてくるくると回った。
驚いて凝視していると、そこに一台のタクシーが停まった。
するりと乗り込む小太りのご婦人。
誰かがブラーボ、と歓声を浴びせた。
>>233 上には上が居たねw
ご婦人は小躍りどころか普通に踊りだったみたいだけど
>>1は会長に凄く感謝しているんだろうけど
年齢は分からないけど爺ってジジイ呼ばわりしてるのがw
お爺さんとか初老とかにして欲しかったな
236 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 18:34:39.82 ID:HiYETvKK0
本当だ、爺様の様が抜けてましたw
私ひどい
237 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 18:54:18.00 ID:m/qA0hpH0
だんだん語りから小説っぽくなってくな
238 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 18:58:39.17 ID:vR6oYa91i
面白い
追い付いた。
1はなんて素敵な女性なんだ!
これは応援したくなるわwww
この後も期待してるぞ♪
240 :
名も無き被検体774号+ :2012/01/16(月) 19:27:19.51 ID:lP/vGen/0
追いつきまみた
記念パピコ
ニューヨークは役者も集う街なんだよ。
繁華街だと普通に歩いてる人が突然ストリートパフォーマンスみたいな形で注目を取ったりすることもあるんだ。
242 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 19:36:38.38 ID:ievvr5Gq0
ありがとうございます(・ω・`*)
「
>>1ちゃーん!」
エイミーさんだと名乗る女の人は、私のイメージ通りの人だった。
健康的な色黒で、体の線はすごく細い。
黒くて長い、軽くウェーブのかかった髪に、クッキリした目鼻立ち。
ダブル(ハーフ)の方かと思った。
後に、長谷川潤さんに似ていると気付く。
「初めまして!よく来たねー!さ、ご飯行こう、お腹空いたでしょ?」
ちょっとハスキーな声も素敵だ。
モデルさんのように髪をかきあげて、エイミーさんが歩き出した。
名倉潤!
244 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 19:56:42.38 ID:ievvr5Gq0
エイミーさんが教えてくれたのは、オープンカフェ。
お薦めのハンバーガーを頼み、向きなおす。
「改めて…初めまして、エイミーです。本名はアミなんだけど、エイミーで定着しているからエイミーでいいよ!」
ハスキーボイスに訛った日本語が心地良い。
「初めまして、
>>1です。」
とは言ったものの、沢山メールでやり取りしたから不思議と初めまして、な気分じゃない。
「会長さんから色々聞いたよー大変だったんだって?頑張りやさんのご褒美だと思ってニューヨーク楽しんでねー!」
いしし、というようにエイミーさんが笑う。
245 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 20:40:28.76 ID:ievvr5Gq0
名倉の潤ちゃん?!
「私、亡くなったアヤちゃんの親友なの。それにしても似てるねー、懐かしくなるよ」
会長の娘さんの、と相槌をうつ。
エイミーさんは嬉しそうに頷く。
その時、ハンバーガーが運ばれてくる。
「さっ、食べて食べて!」
尋常じゃない量のポテトに驚きつつ、ハンバーガーをつついた。
今まで旅した国のことを聞かせてほしいとせがんだら、嬉々として語ってくれた。
いやー面白い。
誠実な人柄が文章から溢れだす、なんて感じるのは久しぶりだわ。
実際に会ったら「眩しい」と感じる人のような気がする。
そんな訳で読んでるよ。
247 :
忍法帖【Lv=21,xxxPT】 :2012/01/16(月) 20:53:06.26 ID:7FaIQqg80
248 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 21:03:59.60 ID:ievvr5Gq0
ありがとうございます(;;)
インドでお腹を壊した話し。
ジャマー・マスジットという寺院の逸話。
タイの水上マーケットの仕組み。
ロンドンのタワーブリッジの夜景。
興味深く一通り聞き終えると、食事は終わっていた。
店を出て、ストリートを歩きながら話す。
「いいな、私もバックパックとまではいかなくても色々行ってみたいです」
エイミーさんはにっこり笑って親指を立てる。
「goood!大切なのは好奇心と時間だよー!お金なんてどうにかなるんだから、度胸があるなら行動あるのみだよ」
>「
>>1さんに似てるだろう?」
>鏡を覗いたかのようにそっくりだった。
> 「君がそんなこと知っていたら警戒しちゃうよ。生きてなくとも自慢の娘なんだ。別嬪だろう?」
>>1さんは、別嬪さんなんですね
ハートフルな小説読んでるみたいで感動
>>1が幸せになるように祈りながら俺は今日も愚息を握る…
このスレほっこりして気持ちいい。
252 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 21:25:58.78 ID:kUq+0QzSO
全てが創作なんだろうと思う自分は年をとりすぎたか
253 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 21:33:32.25 ID:ievvr5Gq0
べっぴんさんの下り、本当なのに誤爆感…何と説明したら良いのか…
あくまでも私は似ているだけですよ
読んで下さる方がいるのが嬉しいです
我ながらネタくさい経験だと自覚しているので、創作と思って頂いても構いません。
それでも読んでいただいてありがとうございます
いや、ここまで来たら創作でも事実でももうどっちでもいいんだ
全部書き終えてくれ
255 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 21:42:20.94 ID:xyrkdJJNO
仮にネタ(フィクション)だとしても面白いから読むよ
あー、別嬪さんだってわかっただけでいいんです。
俺は麻生久美子で脳内変換しました。
257 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 21:59:11.55 ID:dLyJ17BW0
読んでて素直な気持ちにさせられる
このスレに気付いて良かった
258 :
忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2012/01/16(月) 22:06:49.25 ID:4cjB1yv8i
今日はココまで読んだ
支援
261 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 22:11:59.03 ID:BxuCe5dq0
よし、ちゃっちゃと書き進めます!
脳内変換w
「今の時間は今にしかないよ!」
背中をぽん、と押されるような一言だった。
考えてみれば、今までお金はどうにかしてきた。
今度からは自分のためにどうにかしてみよう。できるはずだ。
想像すると、その労力も含めてキラキラしているような気がした。
ふとあの日のアロマを思い出す。
正しく、あの時に誓いを立てた決意は叶いそうじゃないか。…それも、自分次第で。
そうだ、A君とカナちゃんにはアロマオイルを土産にしよう。
エイミーさんは「ね?あ、コーヒーどう?スターバックスには困らないよー」と吸い込まれるように店内に入っていった。
急いで後を追う。
バッパの話を聞くとM29のスレを…
小説調になってつまんなくなってきた
264 :
名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 23:07:50.27 ID:Abwr8xWW0
追いついた!面白いから頑張って書いてな
265 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 23:24:25.08 ID:OMIUb7G+0
エイミーさんは自由奔放な人物だった。
といっても、決して人を不快にしない気儘さだ。
涼やかな風のような人だった。
相手が自分にない要素を多く持つほど人は強く惹かれるらしい。
本当にその通りだと思った。
いつかこんな人になりたい。
どれだけ時間がかかっても。
少しでいいから、エイミーさんのエネルギーを吸収したかった。
266 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/16(月) 23:57:36.99 ID:ievvr5Gq0
色んなご意見ありがとうございます(*・ω・*)
エイミーさんは三十代半ばに思えない程パワフルで、足が疲労困憊しても、「若いんだから次いくよー」と楽しげに連れ回してくれた。
この旅行中は斬新な経験の連続で、正直記憶が曖昧だ。
ハーレムにロックフェラーセンター、メトロポリタン美術館、ウォール街まで案内してもらった。
エイミーさんの説明は旅人視点で、旅行本とは全く異なっていた。
「これ、何でしょう?」「LOOK!これすごいでしょー?! 」なんて交えながら話し進めていく。
それがとても魅力的だった。
そして、可能な限りそれはもう膨大な量の写真を撮った。
楽しい時間との別れは本当にあっという間に訪れる。
267 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 00:11:35.89 ID:w2fZmXnS0
また来るんだよ、と頭を撫でてくれた優しい人に未練を感じつつ、飛行機に乗り込む。
「楽しかったです」
「私も!久しぶりにあんなに動いたよー!」
「私より元気だったじゃないですか!」
ふふ、と笑い合う。
「帰国してもkeep in touch、だよ」
飛行機に乗り込んでも、ハスキーボイスが脳に焼き付いていた。
絶対また会える。
そんな確信に近い自信があった。
中々会える距離じゃないのに、あまり寂しくなかった。
帰ったら真っ先にエイミーさんと会長に写真を送ろう。
268 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 00:33:32.99 ID:cP7+a87J0
旅行前に、会長が祝ってくれた通り1月は私の誕生日だった。
少し遅くなったけれど20歳の自分と21歳の自分を思い出した。
20歳の頃の自分は辛くて泣いてばかりいたなぁ、なんてことは生憎ないが、本心を言うならば、今の方が何だか自分らしい気がする。
何より、楽しいと思える。
だけど、どの日々も消すことは出来ない宝物だ。
一秒でも欠けていたならば私は限りなく傲慢で、他人と自分を混同しかねない、高飛車な人間になっていたかもしれない。
269 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 00:35:32.28 ID:cP7+a87J0
お金はなかった。
そして、所謂「お金持ち」と呼ばれる人達に出逢った。
彼らのお陰で、カナちゃんやエイミーさんのような普段の生活では決して知り合えない人々とも交流を持てた。
彼らは揃いも揃って、いくら払っても手に入らないものを与えてくれた。
それは温かい慈悲だったし、機会だったし、信頼だったし、言葉に出来ないような未知の感情でもあった。
宝物がいっぱいに増えて、嬉しさで胸が苦しくなる。
思い出、アロマ、財布、そして沢山の写真。何よりも背中を押し続けてくれた励ましの言葉達。
270 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 00:42:38.90 ID:RdxkRQRz0
海外編いいね
271 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 00:45:26.05 ID:OOk/sS/2O
もしかして22歳の誕生日を機にスレ立てして一年前を振り返ってたりします?
272 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:04:29.45 ID:cP7+a87J0
人間は追い込まれると、目先のことに囚われて、動けなくなる。
本当に本当に脆くて、それでいてタフな矛盾した生き物だ。
もがき苦しんでいると、いつかは突破口が見えてくる。確実ではないし、長い道のりに絶望して、消耗しきってしまうこともあるかもしれない。
なんなら報われないこともあるかもしれない。
あの時は麻痺していたけれど、本当は羨んだかもしれない。
わがままに振る舞ってみたかったかもしれない。
でも、いいや。
生きていて良かった。
21年目で初めて心からそう思えた。
273 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:15:33.34 ID:cP7+a87J0
その後。
私が大学2年生の年に、高校2年生だったA君は今、大学1年生だ。
志望していた国立大医学部に現役で入れたのは奇跡だ、と喜んでいた。
カナちゃんは第2志望の学校に行くこととなったけれど、A君の手をしっかりと繋いで幸せそうに笑っていた。
かつての厚化粧は、随分見る影もなくなった。
274 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:23:57.43 ID:cP7+a87J0
会長さんは相変わらず元気だけど、そろそろ老後を楽しもうかな、と漏らしていた。
「女の子のたくさんいる国に行くのもいいな!」
「奥さまに怒られますよ」
目尻に思い切り皺を作って、それはいかん、と笑った。
恩返しをしたい、と何度も懇願したのに断られたまま彼は奥様と海外に移住した。
とは言え、あと少し仕事をやりきるんだと張り切っていた。
とんでもなくスケールのでかい話だなあ。
疑りたい気持ちもあるけど、1から素直で純粋な雰囲気が伝わってくるから、こっちもまっさらな気持ちで読める。
ありがとう
276 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:34:23.76 ID:cP7+a87J0
おじさまは、再発することのないまま今も病院を営んでいる。
「最近テニスを始めたんですよ」
と、新しい趣味に精を出しているようだ。
「僕のテニス道具を持ち出したかと思ったらハマっちゃったみたい」
とA君は苦笑いをしていた。
時間が合えば、親子二人で打ち合っている。
「何だかんだ楽しそうだね」
「いい練習相手だね」
「さぁくん、超えられたりして…」
カナちゃんと二人で微笑ましく見守る。
家庭教師を終えても、お邪魔しては近況を語り合う。
何にも代えがたい愛しい時間は、いつまでも、途切れない。
前半読んでた頃は密かにA君とくっついて欲しいと思いながら読んでたw
今
>>1は4年だよね。就職決まったの?彼氏はいる?
278 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:39:12.96 ID:cP7+a87J0
エイミーさんとは今もよく連絡をとる。…と言いたいけれど、残念ながら今はご無沙汰だ。
ネットもあまり繋がらないような発展途上国にいく、と言い残してそれきりだ。
facebookで極稀にアップされる彼女は、ますます黒くなっていて、吹き出してしまった。
「帰ったら全部話すけど、それまでは秘密」と焦らされている。
全く彼女には到底敵いそうにもない。
279 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 01:41:37.51 ID:EYOS+eALO
>>1は作家志望なのかな?
小説臭くなってから一気につまんなくなったぞ
もっと頑張れ!
280 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:47:02.50 ID:cP7+a87J0
そして私の家族。
義父とはまだぎこちないけど、漸く打ち解けてきた…かな?私はそう思ってる。…そうだといいな。
母は相変わらずカルト宗教にはまっているけど、産まれたときから信じているんだ、今更誰にも変えられないだろう。
でもまぁ、他人に薦めてない内はいいかな、と思うことにした。
カルトでも彼女が救われるなら、それは一応宗教じゃないか。
今が一番幸せだと言っていた。
でも、その幸せは間違ってもなんちゃら先生のお陰じゃないと思う、とは言わない。
281 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:51:54.04 ID:cP7+a87J0
長いのにここまで読んで下さって本当にありがとうございました。
作家志望でも何でもありませんので、きっと何が言いたいのかは最後まで不明瞭だったと思います。
何でもいいから何かをぼんやり伝えられたらいいなーと思い立てました。
これで私の人生が変わる一部始終と変えてくれた人達の話しは終わりです。
ありがとうございました(*・ω・*)
282 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:54:38.93 ID:cP7+a87J0
>>277 考えもしなかったです!
就職は、大きく分けると翻訳業といったところです。
色々あったけれど、今は、器の大きい熊のような彼が居てくれています。
おわり?
284 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 01:57:38.08 ID:cP7+a87J0
>>279 小説くさいなーと思って書いてましたw
途中で語り口調を見失いました…。
読んでいただいてありがとうございます。
285 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 02:00:20.55 ID:97n3y2Ki0
かなりよかったよー
ほっこりするね!
286 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:01:15.49 ID:cP7+a87J0
>>283 最後の最後までドラマチックという訳ではないのが私の人生に似つかわしいようです
287 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 02:02:52.74 ID:hczTh9S/O
久しくすっごい楽しかった
なんかありがとう
288 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:03:24.12 ID:cP7+a87J0
>>285 そう思っていただけるなんて幸せです。書いてみて良かった。
ありがとうございます!
289 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 02:06:02.18 ID:GVZ6gQ2kO
面白かった!
日本に帰ってきてから今までのことはなにかないの?
なんか最後ぐだったな
もっとおもしょい展開きたいしてたのにげんなり
291 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:07:51.19 ID:cP7+a87J0
292 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:11:05.37 ID:cP7+a87J0
>>289 書くか迷ったんですが、海外に一人旅を何度か経験しました。
エイミーナイズドが少し重症になったこと以外は生活は大して変わっていませんよー
293 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 02:11:59.94 ID:lP7u3BOXi
1はセックス気持ちいいか?
294 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:13:22.77 ID:cP7+a87J0
>>290 ごめんなさい(;;)
確かに後半色々はしょりすぎたかもしれないです。
でも、最後まで見てくれてありがとうございました。
おもしろかったー
久しぶりにほっこりした
1さんの性格がうらやましい
スキルあるから仕事もできたわけだし、今無職の自分にはうらやましすぎるぜこのヤロウwww
山も谷もないしつまらんかった!
でも良い人に会えてよかったね!
297 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:39:18.18 ID:cP7+a87J0
>>295 無職って失うものがないから何でもやれるって何かで見ました(`・ω・´)!
いつか天職に出会えますように。
ありがとうございました(*´・ω・`*)
298 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 02:40:39.20 ID:cP7+a87J0
>>296 そういう竹を割ったような意見も大好きですよ、読んでいただいてありがとうございました(*´∀`*)ノ゙
>>297 ありがとう!
いろいろあって文なしのまま無職になったBBAだけど、そうかもね!
新しい出会いがあるといいな(´∀`*)
がんばるね!
面白かった〜
俺も腐ってないでもう少し積極的に生きようと思えたわ
>>1ありがとう
>>1はほんと素晴らしい人だと思う
見てて面白かったよ
ありがとう〜
乙!
周りの人に助けられた話だけど、全部
>>1の努力と人柄が招いた出来事だよね
これからは自分のために生きてね
それでもきっと支えてくれる人がいっぱい出てくるよ
303 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 03:10:56.64 ID:9IdwF4oh0
最後までお疲れ様&ありがとう!
とても貴重な経験で羨ましい
けど、それは今までの1さんの努力があってこそだよね
わたしも頑張ります!
304 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 03:43:34.40 ID:0kex00BV0
乙
面白かったよ。
1ありがと。
>>1がいい人だから周りにいい人が集まるんだろうなと思う
温かいいいお話でした、お疲れ様です
307 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 06:40:47.69 ID:OOk/sS/2O
良かったら彼氏との話もエイミーさんみたいな番外編で書いて欲しい
きっと彼氏も魅力ある素晴らしい男性だと思うから
308 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 08:16:45.18 ID:00keztS60
普通、理系進学希望の人は
文系の人にかてきょ頼まないのでは?
309 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/17(火) 10:05:58.74 ID:hL7OXQ4K0
わーありがとうございます!(`;ω;´)
>>308基本、英語と古典の希望でした
英語が苦手だったようですよー
彼氏の話しなんて照れますね、でも需要ありますか??(;;)
310 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 10:18:53.29 ID:6Ona6+Yqi
あるに決まってるでしょ!
>>309 照れるなんて言わずに、是非書いて欲しい!
ここまで来たら書いてください
パンツ脱いでいい?
ここまで報われていると正直羨ましいけれど、努力と人柄の結果だと思うと自分も頑張れる。
良き人間でありたいと思わせてくれてありがとう。
315 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 11:57:04.98 ID:0kex00BV0
彼氏にイカされた話を早う!
パンツに手をかけた
317 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 18:08:53.41 ID:vnwf0nSai
パンツがバーストした
お疲れ様。
「生かされた」とスレタイにはあるけど、お互いに支え合ったって感じにも思えるなぁ。
行間を考えるような物語、堪能させて頂いた。
有り難う。
じゃあ俺もパンツ脱いで正座しとく。
既出かもしれが、一昨日が誕生日?
320 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 20:36:10.04 ID:i8hWjVNGO
>1
乙
1のこれからの出会いにも幸運がありますように
俺は寒いからパンツ脱がずに続編待ってるわw
ここまで読んだ。
番外編キボー
322 :
名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 21:39:32.65 ID:invtZkYk0
パンツがかめはめ波出した
325 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 02:33:47.24 ID:YVY9mnja0
ありがとうございます(;;)
話しをする前に少し追記します。
私はどんなに猛勉強を重ねても国公立には行けなかった。
英語は模試では県で5番内だったし、国語や社会もそこそこ良い成績だった。
でもどうしても数学などの理系科目が苦手だった。
326 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 02:38:09.23 ID:YVY9mnja0
文系科目は好きだったから進んで勉強した。
英語は中学時代に知り合ったアメリカ人の女の子と会話が成り立たなかったショックで授業とは別に独学で勉強をした。
ちょうど世間ではアブリルラヴィーンが流行っていてそれが私の闘志に火を着けた覚えがある。
327 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 02:45:18.85 ID:YVY9mnja0
高校に入っても英語だけはずっと独学を続けていた。
どれだけ勉強しても、苦手な数学は解答を全部埋めても50点がいいところだった。
数学の先生からは「もうお前は英語と国語だけに力を注いでいい、俺が許可する」と諦められたほどだ。
見てるよー
329 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:02:08.48 ID:YVY9mnja0
見てくれてる人が居た!
本当は進路も就職にしたかったが、担任の「お金は奨学金があるから、どうにか大学に進むことを考えてくれないか」という一言に負けた。
というより、私も本当は本心では大学に行きたかったのかもしれない。
母も「今は大学は出とかないと厳しいってね」と渋々許可をくれた。
担任が説得してくれたらしい。
330 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:04:52.69 ID:9f/ojy+l0
見てまっせ
331 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:07:54.63 ID:YVY9mnja0
1ヶ月、数学を克服しようと塾にも通ってみたけれど、全くダメだった。
残された時間を考えて私大を狙うことにした。私大なら三科目、センターは受けないと決めた。
どうせなら、と私の高校から進学できる一番いい大学に進路希望を定めた。
判定はAだったけれど、不安で毎日朝の5時から19時までできる限り勉強した。
332 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 03:11:53.40 ID:Q5yDI+nz0
まとめから来た
333 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:14:40.47 ID:YVY9mnja0
ありがとうございます(*´∀`*)ノ
時間も時間なので無理しないでくださいね。
春。嫌々受けたカルト大学と本命の大学は受かった。
滑り止めの大学は落ちていた。
先生達からは「何であそこ落ちたんだ」と首を傾げられたが、私にも分からない。
とにかく私は本命の大学に行く権利を得られた。
カルト大学は勿論行かなかった。
今も続く執拗なカルト宗教の嫌がらせはきっとこの時が原因だと思う。
334 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:23:55.45 ID:3zpMxuTo0
まとめ見ました、妄言との叩かれようが・・・w
作家になりたいわけではないので文章は書き慣れていません。
でもなるべく語り口調で書けるように頑張ります。
この話しも矛盾を解くには丁度いいですね。
勿論信じてくれなくてもいいです
大学生。
奨学金の申し込みは「貸与」と「給付」があるときいた。
母子家庭で成績が伴っていれば給付の選択も出来る。
一か八かで給付の手続きをした。
しばらく経って、「給付で通りましたがこれは貸与形式の奨学金とは併願出来ません。よろしいですか?」との連絡を受けた。
335 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:28:51.18 ID:3zpMxuTo0
給付では月に2万円ほどだと聞いていた。貸与ならば8万円。
この差は大きい。
ネガティブだと思われても仕方ないが、この頃はよく「明日生きてないかも知れないから今日精一杯生きよう」と考えていた。
明日私が生きている保証はないように、卒業してどうなっているか分からない。
そうなると困るのは家族だ、学費なら稼ぎながら通えばいいと迷わず給付を選んだ。
336 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:42:00.45 ID:3zpMxuTo0
大学生になってからは授業があるので、如何に効率よく働くか、が重点となった。
高校で3年間バイト先としてお世話になったレストランは大学とは正反対の場所にあった。
離れたくなかったが泣く泣く辞めた。
それから、所謂キャンギャルと呼ばれる携帯の販売促進やコーヒーレディ、某牛丼チェーン店から居酒屋まで幾つも掛け持ちをして過ごした。
337 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:48:53.29 ID:3zpMxuTo0
大学の友達の話題といえば、「彼氏居るの?」「好きな人できた」「昨日の合コンはさ」と、恋愛の話が多かった。
私はずっと密かに淡い思いを寄せている先輩がいたが実るわけがないし、と諦めていた。
諦めてはいたけれど、合コンや紹介で付き合おうとも思わなかった。
片思いをしていた彼は、人の話しを決して否定的に捉えない人だった。
成宮寛貴さんに似ていることから実によくモテていた。
338 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 03:55:06.91 ID:3zpMxuTo0
思いきって好きな人のことや家庭の事情を打ち明けると、一度も合コンやクラブに顔を出さなかったことを咎めていた数名の友達は「それなら早く言ってよ!」と泣きそうな顔をした。
「嫌われてるのかと思った」とも。
彼女たちとは無事誤解が解け合って、後に病食レシピを教えてくれたり、相談に乗ってくれたりとすごく心強い存在になっていく。
見てるよ〜
340 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 04:05:36.23 ID:3zpMxuTo0
片思いをしていた彼をタカさんと呼ぶことにする。
タカさんは税理士を目指していて、大学に通いながら専門学校にも行っていた。
彼の大学は私の働くコンビニと近くて、彼は頻繁に来店した。
いつからか顔を覚えられて、いつの間にか普通に話す間柄になっていた。
アドレスを書いたレシートを渡され、それから…はあまり発展していなかった。
バイトと学校の往復で遊ぶ時間がなかなか作れなかった。
341 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 04:14:31.15 ID:3zpMxuTo0
ありがとうございます(*´∀`*)ノ
タカさんとの話題は大抵が効率のいい勉強法や英語を学ぶのに丁度いい参考書、などといったお堅いものから好きなお笑い芸人まで幅広くて情報が豊富だった。
それでも彼は絶対に、彼氏はいるの?だとか、好きな男性のタイプは?といった類いの質問は一切してこなかった。
342 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 04:38:42.14 ID:jyKDv6rG0
おねむかな?
おねむじゃないよーおむねだよ
343 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 04:39:04.03 ID:3zpMxuTo0
ちょっと話しの詳細を明かしますね
まとめのコメ欄から抜粋ですが…
会長の年齢を明かせばすぐに特定されかねないので「わからない」としておきます。素晴らしい人物です、迷惑をかけられません。
カルト宗教はあまりお金がかからないです。新聞購読代くらいでした。
変な雑誌は祖母が母に与えていたようです。
世では「お布施」なるものはそのカルト宗教では物品の購買のことみたいです。流石の母もそれには手を出していなかったです。
母親はメニエール病で途中でパートを減らしました。
ので、家事は母で生活費や学費などは私が工面していました。
アロマ器具は小型のもので持ち運べたし、歯ブラシで傷付かないように靴を磨くこともできました。
私立なのは上記です。
ここを読んでくださる方が納得してくれたらそれでいいです。
まとめにのってるんだね。知らなかった。
345 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 04:51:23.25 ID:3zpMxuTo0
>>342 語呂がいいですねw
まとめでは「私の人生を、大きく変えてくれた人たちのお話をする。」ってなっていました。
コメントに反応する必要なかったのに、私は構ってちゃんみたいですね。すみません。
一応今の彼の話まで続けていきます。
多忙に多忙を重ねて、私はとうとう気を病んでしまった。
自分では気付かなかったが、周りに勧められて受けた大学のカウンセリングで「自律神経失調症の疑いがあるかもしれない」とやんわり言われた。
「私を信じて少しバイトを休んで気分転換をしてごらん。気が楽になるから」
346 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 04:54:58.62 ID:9f/ojy+l0
まとめはスルーでいいよ。あと書込も自分のペースでおk
347 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 05:00:28.19 ID:3zpMxuTo0
助言ありがとうございます(;;)
読んでいる方の不信感を募らせたくなかったので、つい。
大人にならないとですね。
カウンセラーの先生のいう通り、1日だけ何のバイトも入れなかった。
一週間後の土曜日だった。
共通の知り合いからそんな私の現状を聞いたタカさんから何度も心配のメールや電話を貰った。
土曜日、1時間だけ時間をくれない?
考えに考え抜いた結果、1時間だけならと承諾した。
348 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 05:10:42.06 ID:3zpMxuTo0
待ち合わせ場所にいくとタカさんは既にいた。
「ドライブですか?」
「ええ、ドライブですとも」
車を所有しているとは知らなかったので驚いた。
男の人が隣で運転していることが新鮮だった。
好きな人だから余計に緊張して、心臓が痛くなった。
他愛ない話しをたくさんした。
タカさんは私を変に気遣うことなく、普通に接してくれた。
どうやら共通の友人に、私に心配メールをした話しをしたところ、怒られたらしい。共通の友人が後に明かしてくれた。
349 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 05:16:01.06 ID:ddziE4ARO
このスレ最初から読んでます
もし良かったら彼氏の話が終わったら本編で終盤に薄くなった会長や会長から承った仕事の話を書いて貰えるとありがたいです
350 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 05:17:46.05 ID:pUrr3R2Ki
351 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 05:40:58.65 ID:3zpMxuTo0
>>349 仕事は会長の趣味のお手伝いみたいなものでした。
海外の詩集や絵本や無名の人の書いたエッセイ、論文の翻訳などなど本当に様々でした。中には翻訳されてすでに存在するものもあったのですがw
当時はこんなのが本当に仕事でいいのかと何度も問い詰めました。
会長はまだ会長なのであれ以上書けることがないのです…(;ω;´)
強いてあけるならば、会社では「鬼」と呼ばれているよ、と嬉しそうに話していました。
352 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 05:52:59.52 ID:3zpMxuTo0
>>350 彼女がどのような方かは分かりませんが、言い訳のような見苦しいことをするべきではありませんでしたね。
少し頭を冷やしてまた書き込みます。
これ以上需要が無ければこのまま落として下さって構いませんからね(´・ω・`)
読んでくださって感謝です。
最初から読ませていただいております
毎朝ほっこり気分になって仕事の活力になってます
タカさんの続きをよろしくお願いいたします
354 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 06:42:10.30 ID:eOkiPJzl0
>>1 訳して面白かった本とか好きな作家、
ありましたか?
VIP+は釣りとか事実とかをこだわる人間の割合は少ないと思うよ。
それよりも1が伸び伸び書けない事の方が問題だよ。自分の書きたい事を自分の思うように自分のペースで書いてくれると俺もほっこり出来るから、そっち方向でお願いしたいな。
あんまり早く終わって、楽しみがなくなるのも酷だしねw
356 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 08:30:34.97 ID:xphpULOs0
もっこりせずにほっこりできるのは良スレ
そんな俺はもっこりするのも大好きですが
素敵な話だとかほっこりするって人は
具体的にどこでそう感じるのか煽り叩きなしで教えてくれ
358 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 11:40:36.17 ID:4b/AUw9a0
足長おじさんx2+疑似弟に下心が無かったトコ
リアルには捉えられんが読み物としてはホッコリしる
>>358 そっか
会長は金持ちの道楽に見えるし
A君は大人に媚びてるドラマの人気子役みたいに見えてた
読み物としてなら好きな人も嫌いな人もいるし
1は事実でも創作でも好きに書いたらいいと思うよ
360 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 12:35:34.35 ID:PqPd2JJS0
カルト大ってことは層下か
>>1さん楽しく読ませてもらいました。
普段はまとめサイトしかみないのですが、どうしても1さんに
いいたい事があってここに来ました。
文中に出てくる「私の世界に色がまた1つ増えた。」
っていう表現ありますよね?
とても素敵です!!すごく感動しました。
強く感銘を受けたのでぜひ直接伝えたくてここに来ました。
VIPではなく現実で違った形であなたとお会いしたかったです。
362 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 13:52:58.16 ID:SRQPiMJ00
ありがとうございます。
煽り耐性がなくてごめんなさい(;;)
優しいお言葉が嬉しいです。
ほっこり、は私もお訊きしたかったです。w
金持ちの道楽でいいんです、それに救われたので。
というか金持ちの道楽じゃなくばこんなことありえないと思います。
会話は本当にドラマかよwって感じで書きました。
会長以外は方言が強いので会話は標準語にしていたらこう胡散臭くなりましたw
ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ゙
今でも経験は色のようなものだと思います。
363 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 13:58:29.83 ID:SRQPiMJ00
>>354 エッセイやコラムや論文は会長の趣味関係だったのでいまいち面白くありませんでした。
恐らく無名の作家さんですが、恋愛経験のない女の子の一夏の淡い恋物語が唯一面白かったです。
表紙が水色の背景に体重計の…名前は失念しました、思い出したら書きますね。
364 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 14:28:06.68 ID:iurS/Mt90
まとめから来ました。
こんな出会い・人生があるんですね〜
ほんわかしました。
365 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 14:45:28.14 ID:eZ6kXmie0
うわあ彼の話きになる はよ
生まれて初めてスレに追いついた
366 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 15:05:29.98 ID:mQTKhThpi
ニューヨークで写真撮りまくったり、財布の色の表現から、写真を撮ることは好きなのかな? 何かうpしてくれたら嬉しいんだが
純粋に面白かった。
すーっと読めたし、
>>1の表現は好きだった。
このスレに出会えて良かった。続きを読みたい。
368 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 15:49:47.79 ID:l8oiy25Z0
読み終えた!
面白かった!
369 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 16:28:31.31 ID:o7A85dhK0
ありがとうございます(__)
レスにほんわかしております(;ω;)
所詮ただの構ってちゃんの自分語り、ですがもっと激しく批判されるだろうと思っていたのでヌクモリティに感謝しています。
写真は苦手です。撮るのは好きなのですがなかなか好きこそ物の上手なれ、とはいきませんね。
うpは考えてみます、もう少々お待ち願います。
好きでも嫌いでも構いません、興味を示してくれて嬉しいです。
370 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/01/18(水) 16:34:50.07 ID:UwDyukB00
追いついた
とても素敵な体験をなされて羨ましい限りだ
自分ももっと頑張ってみよう
371 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 16:39:23.47 ID:o7A85dhK0
ありがとうございます。
まとめサイトに後日談まで載っていたのですが、それを削除してもらうことは可能ですか?
会長さんやおじさまたちの話しは特定できないように遠回しに書いたので構いませんが
372 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 16:42:45.09 ID:o7A85dhK0
送信してしまいました(;;)
この続きの話しは申し訳ないのですが、ここだけで留めたいと思っています。
直接お願いする方法が解らないので、管理人さんがもしこれを見たらお願いします。
373 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 16:45:07.92 ID:UF7gTWCW0
すごいいい話。
自分ももっと謙虚になろうと思ったし、真っ直ぐ生きればいいことあるもんだ。
ありがとう、ヤル気でたわ
とりあえず名前と本文に転載禁止って書いておいたら?
もう載ってるのは消すかしらないけど
ここからは乗せないと思うよ
375 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 16:59:13.37 ID:vYfAKl9l0
全部読んだ
いい出会いしたな
でもそれは
>>1の人柄や人間性がそんな人達引きつけたんだと思うよ
376 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 17:11:08.94 ID:YVY9mnja0
私もまだまだ謙虚に生きなければならないです、ありがとうございます(´;ω;`)
ここでの出会いにも感謝です。
アドバイスありがとうございます。
これで大丈夫かな・・
まさかまとめに載るとは思ってもみなかったので青天の霹靂でした。
これを終えたら本当に終わるので良かったらもう少しだけお付き合いください。
良いスレとか良い本って、読み終えてしまうのが惜しい
ゆっくり待つよ
楽しみにしてる
俺もいつか医者さんやAくん、会長のように与えられる人間になりたいわ
私ももっと続きを読みたいな。
ほっこりの理由だけど、自分は久美沙織とかの
昭和のコバルト文庫を思い出す文体(会話とか)に懐かしさを感じてる。
上品な医者親子、豪快な会長、いししと笑う地黒のバックパッカーとかのキャラクターも
昭和っぽくて懐かしい。(煽りじゃないですよ)
安心して読めるので、どんどん書いてください。毎日楽しみにしています。
1乙!
いい話&たいへん読みやすい文章でした。
ひとつだけ疑問だったのは、鬼会長がご馳走してくれたカクテルのこと。
白桃を使ったカクテルは夏の風物詩。
が、バー・マンの常識なのですが……。
それっぽいモノが欲しいだけなら、缶詰かリキュールという選択もあるのでしょうが、会長氏が利用されるほどのお店の冬季メニューに白桃のカクテルが載るとは考えられず。
2月、スプマンテ等にフレッシュを使用するのであれば、私なら苺をお勧めします。
それとも、私の知らない輸入ルートがあるのかも知れませんね。
……どうしてもレシピが気になってしまって。
スレ汚し、失礼しました。
381 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 18:32:28.19 ID:UhnmE75w0
久美沙織さん、調べてみました。
webでざっと見ただけなのについ惹き込まれました。
あとで読んでみます、素敵な作家様を教えてくださってありがとうございます。
白桃の件は、あるフレンチレストランでのお話でした。
私が白桃が好きなもので確か白桃だったと思いますが、舌の肥えない私の無知で似たものだったりしたらすみません。
しかし、ひとつ学べました。
白桃は夏の風物詩なのですね。
苺のカクテルを飲んでみたいです。
ご指摘ありがとうございました。
くまみたいな彼の話はもうしない感じ?
383 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 19:13:05.64 ID:UhnmE75w0
続けますね。
車を15分ほど走らせた先、彼が連れてきてくれたのは少し広めの公園だった。
地元の人達はここをランニングスポットとして活用しているらしく、走っている人もちらほらいた。
「ここあんまり来ないな」
「公園ってもう縁遠い場所だよね」と言い合いながらベンチを探した。
384 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 19:31:59.66 ID:YVY9mnja0
転載禁止でお願いします。
道行く人々を眺めていた。
息を切らせて走る部活動生、悠々とウォーキングを楽しむ老夫婦、携帯を弄りながらチワワの散歩をする女性…
どれくらいの時間を費やしていたのだろうか、タカさんが沈黙を破った。
385 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 19:54:11.80 ID:3ndYJd8K0
「改めてこう話すのは変な感じがするね」
意図的に黙っていた訳ではないのに、妙な雰囲気だった。
「何かあったら言ってほしいけど、それは強制するものじゃないからさ。」
さっきまで普通に話していたのに、言葉が出なくなっていた。
鳩が足元で地面をつついている。
気まずくてひたすらそれを見ていた。
「俺の話ししてもいい?」
フレンチレストランで白桃のカクテルなら「ベリーニ」は定番でしょ?
しかもある程度の店ならスプマンテなど使わず
シャンパンを使うでしょう(笑)
僕も何件かBAR経営してますが
フレッシュのある時期にピューレ加工して
1年間保存して使いますよ(笑)
常識の範囲です(笑)
そのカクテルは薄いピンク色したカクテルでしょう?(笑)
もしくは薄いオレンジか肌色(笑)
387 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 20:13:21.19 ID:3ndYJd8K0
「上戸彩ちゃんの出てたときの金八先生観てた?」
突拍子もない質問だ、と思いつつも頷いた。
後半は観ながらよく泣いていた覚えがある。
「ナオの役良かったよね」
タカさんは少し間を空けて、
「俺、あんな感じなんだ」と言った。
「どういうこと?」
訊きながら本当は分かっていた。
「女の人を好きになれない」
思考が停止する、とはよく言ったものだ。
文字通り、頭が真っ白になった。
388 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 20:19:41.65 ID:9f/ojy+l0
これは予想外
389 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 20:32:34.40 ID:3ndYJd8K0
お酒に全く詳しくないので何とも言えずすみません。
照明のせいで色は断言できませんが、白っぽい(肌色っぽかったのかな)感じでした。作中にあるようにシャンパンで割った、と説明されましたので恐らくシャンパンだったと思いますよ。
お酒にも色々ありますね。知識が欲しいです。
「だからそのせいで昔から葛藤してきたよ、変態じゃないかって悩んだし」
心臓がバクバクと脈を打っているのが聴こえた。
同性を好きになることがいけない訳ではない。勿論、それを咎めようとは思わない。
敵わないのか、と感じた。
どんなに化粧を頑張ろうが、どれだけ明るく振る舞おうが、対象にすらなれない。
どんな努力でもしたかったけれど、女の人として好かれたい私は男の人にはなれない。
「ひいた?」
タカさんが不安そうに尋ねた。
>>389 良いもの飲ませて貰えましたね(笑)
多分良いシャンパン使ってると思います
vipの方に悪いものは出せませんので(笑)
下品な言い方ですが
そのカクテル最低でも1杯1万円はします(笑)
非常に良い経験をされましたね(笑)
ココまで読んだ。
もっと落ち着いて焦らずにゆっくりと、
>>1のリズムで。
そして、
>>1の言葉で。
392 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 20:48:27.66 ID:3ndYJd8K0
「ひかないよ」
悟られないように明るいトーンで返した。
「良かった。初めて話したときに
>>1ちゃんになら話せると思ってさ。だから友達になりたかったんだよね。」
あのコンビニを思い出す。
そんなこと微塵も思わなかった。
「俺にもこういう人知れぬ悩みがあるんだよ、それは
>>1ちゃんには話せると思った。だから
>>1ちゃんも信頼できると思った人に愚痴って甘えるんだよ。俺じゃなくてもね」
受け止めようと思った。
そんな理由で、と思い込むには大きすぎるけれど、急には諦められなかった。
393 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/18(水) 20:50:19.97 ID:3ndYJd8K0
>>391 また小説かぶれのつまらない文章になりそうですが構いませんか?(;;)
かえって読みやすくて引き込まれるよ。
好きなように書いて下さい。
楽しみにしてます。
>つまらない
そんなこと有りません
表現も感情もとても豊かで、とても良かったのです。
心の動きが伝わったきていました。
今は、まるで終わりを急いでいるみたいに感じます。
人によって、好みもあるのでしょうけれど。
スミマセン、余計なことを。
396 :
名も無き被検体774号+:2012/01/18(水) 22:46:14.60 ID:4DdQxJ4t0
>>1とは多分同い年かな。
全部読んできたけど、自分より圧倒的に苦労して頑張ってきた人を目の当たりにして俺も更に頑張ろうって気になった!!
幸あれー( ´ ▽ ` )ノ
397 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 00:01:34.96 ID:5ggZrC0P0
追い付いた!なんか荒んだ反応が多くてびっくりした。
凄く引き込まれて夢中で読んでしまいました。
>>1さんの文書も好きだし、後日談書いてくれて嬉しい。もしうpがあるならそれも興味津々だし、とにかく続き楽しみにしてます!
むちゃくちゃ気になるな…
399 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 01:34:16.42 ID:L2yKVjgNO
はじめまして
まとめサイトからきて
続きが気になり来ちゃいました。
そして間に合ってよかった。
初めて参加します。
よいしょするつもりは毛頭ないけど素直に話が面白いです。
自分が経験したことないから、あなたが書く内容は作り物だとかいう人もいるけれど気にせずに続けてください。
例え、これが作り物だとしても楽しみに読んでいる人の欲求を満たせるので良いんです。
マイナスな意見は文字の羅列として見過ごす練習をしましょう(笑)
それと人生の一部分を切り取って話をしているのだからそれまでの苦労や苦痛が隠れている事すら解らない人がいるのは残念です。
苦労せずに大金を得たというコメもありますが、それに繋がる人生経験をしてきたのですから私はそう思いません。
叩くようなコメ書く時点で相手は気になってるんだし、結局なんだかんだ言いながらも続きが気になり読んでるんだから、彼らの欲求(無意識に続きが気になる)も満たしてあげてください。
小説チックになっても大丈夫ですよ。
あなたの言葉のおかげで情景が目に浮かびます。
あなたの話を最後まで聞きたい、耳を傾けたいので惑わされずにマイペースで書いてください。私のためにもお願いします。
長文・お目汚し、失礼致しました。
400 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 02:05:29.79 ID:ADQL0w/V0
ありがとうございます。
駄文なのは重々承知しています。
が、見知らぬ、恐らく自分の知り合いよりも多いであろう沢山の人がこんな文章を楽しんだり、文句をつけたり。
とにかく意識してくれるんです。
こんな経験も稀有ですよね。
twitterで「ボキャブラリーが感情を凌駕することは〜」が流れてきて心臓が止まるかと思いました。
…まとめのコメントは全て終わって読みます。w
ダラダラグダグダなのに続けてもいいよ、とのお言葉本当に嬉しいです。
そう言ってくださる人の為に最後まで書こうと思います。
全てのレスありがとうございます。
一語一句ちゃんと理解しています。
もう少しお付き合いお願いします。
401 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 02:27:46.23 ID:ADQL0w/V0
帰りの車内まで、どんな会話を交わして、どんな顔で向き合っていただろうか。
思い出そうとしても、鳩が足元でいそいそと餌を探している映像のみが頭を廻った。
運転をするタカさんを見る。
車内のBGMがタカさんお気に入りの曲に切り替わって口ずさんでいる。
―彼の今日の告白はきっと、最高の「友達」としての励ましだったのだろう。
だけどそれは今の私の望む関係とはほんの少し違う。
それでも、気持ちは違う形に変化させなければならない。この優しい人の幸せを見届けたい。
もし乗り越えられたら、きっともっといい友達になれる気がする。
でも今はまだこれは本心じゃない。
帰りの景色はまるで夢の中にいるように輪郭を成さなかった。
402 :
転載禁止 ◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 02:34:31.33 ID:ADQL0w/V0
「これからも友達でいてね」
色々考えたけどこんな言葉しか出てこなかった。
せめて彼の前では、彼の望む通りの友達でいよう。
タカさんは照れくさそうに
「言えて良かったー」と呟いた。
「恋の話しでも聞くからね」
茶化すと、「それは有難い」と返された。
403 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 02:34:53.71 ID:BeWYTuDCO
多分
転載禁止は皆に伝わったのでは
>>400 その言葉には確かにドキッとした
あと上にもあるけど、私の世界に色が〜のくだり
翻訳家さんは豊富なボキャブラリーと文才が必要だろう
ハリポタ人気も訳者あってこそだから
405 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 02:49:19.14 ID:ADQL0w/V0
そうですね、外しました(*´∀`*)ノ
>>404 何が人の心の琴線に触れるか分からないものですね。
豊富なボキャブラリーや言い回しが文を変えますよね。頑張らないと。
家に帰った途端、胸の奥をえぐられるような痛みが襲った。
心っていうのは見えないけれど、本
当に体内の奥の奥にひっそり存在するものだろうと思う。
こんなときにとても顕著に頭を出す。
居てもたってもいられなくなった時、大学の友達から連絡がきた。
「今日休みでしょ?暇?こっち来ない?」
マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
407 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 03:27:18.29 ID:I6J7IC6Q0
(*・ω・*)
楽しめる自信はなかったけど、今は一人で居られない。
「早くおいで、待ってるよ」
助けを乞うように家を飛び出した。
「皆がいるよ」と教えられた場所は近くのブリティッシュバーだった。
電話主のチカが働いている。
向かう途中に何度もお手洗いに立ち寄って、その都度化粧を治した。
気が付くと涙が目頭に滲む。
流さないように堪えることで必死だった。
日が沈んでいく。
408 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 04:16:45.13 ID:OIATiDx40
もう寝たかな?
スラスラと無理なく自然に読めるので話しが分かりやすい!
ではまた続きお願いします!
>>1さん
貴女の文章大好きです!
元バックパッカー
落ち葉は風を恨まない
410 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 07:37:03.83 ID:05cbY2+D0
まとめ見て続きが気になってきました。
普段はROM専だけど書き込ませていただきます。
>>1さんの文章と人間性に見いっちゃいました。
卒論提出今日でまだ終わってないのにw
素直にその人間性を尊敬します。
自分も周りの人に感謝しながら行きたいと思いました。
このスレとの出会いも必然。
と考えて人生の転機にしようと思います。
ありがとう。
411 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 13:59:19.91 ID:O/V8bUZ30
いつから、なんで、2ちゃんねらーになったんだろう・・この人って感じたwww
412 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 14:01:09.26 ID:F9EURVf7O
南山程度で医者の息子の家庭教師とかつけるの?
英語のみ?
198 名前: 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 [] 投稿日:2012/01/16(月) 13:16:57.78 ID:7FaIQqg80 [1/2]
汗から目が…
246 名前:名も無き被検体774号+[sage] 投稿日:2012/01/16(月) 20:44:50.67 ID:0AsBCmdL0
いやー面白い。
誠実な人柄が文章から溢れだす、なんて感じるのは久しぶりだわ。
実際に会ったら「眩しい」と感じる人のような気がする。
そんな訳で読んでるよ。
247 名前: 忍法帖【Lv=21,xxxPT】 [] 投稿日:2012/01/16(月) 20:53:06.26 ID:7FaIQqg80 [2/2]
>>246 ありがと!
なんで感動して汗から目が出てた、一読者のはずの
>>198が
>>1を応援した
>>246に「ありがと!」なの?
414 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 14:24:12.96 ID:B3Y1La9SO
>>412 成田空港って単語が出てきたから上智、ICU、立教とかでは?
415 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 14:30:23.72 ID:F9EURVf7O
そうか。よくみたら古典と英語のみか。
私立でも科目限れば国医志望につけるのな。
よく外国語系の大学でそんなに働きながら優秀な成績とれたね。課題多いし。もしICUならあり得ないくらい。
416 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 14:34:03.67 ID:YrHunCwI0
はよ
はよ
>>1何気に友達多いなあ・・・
人望が厚いのだろうね
2chに来る様な人に思えないけど
417 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 14:34:48.13 ID:Uyc73mBB0
素敵過ぎる話なので、初めてまとめから本スレに来てみた!
スレ中でどんどん文章が上手くなる
>>1さんに萌えている。
文章、というか切り分け方で引き込むようになってるよね。
各レスの最初の一文が、序盤では単純な状況が多かったけど、
段々と象徴的なメッセージだったり、誰かのセリフになったりと、
読者の心をつかんで離さない仕組み。
僕はやっぱり「ボキャブラリーが感情を凌駕することは、永遠にない」に撃ち抜かれました!
420 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 14:52:02.19 ID:O2uHXj3w0
コメント有り難く拝見しています。
卒論に励む学生さんやバックパッカーさんまでいらっしゃるんですね。嬉しいです。
人間性なんて大したことありませんが何か感じて頂けたなら幸せです。
落ち葉は風を恨まない。浪人とバックパッカーは通じるものがありますね。
2ちゃんねるには色んな人が集まりますよねw
世間ではギャルと呼ばれる友達でもねらーだったりするので色んな人がいるんじゃないかな…
大学名は明かしませんが、確かに課題は大変でした。
でも自分が選んだ道だしやらないのも文句を言うのも違うだろうとどうにかやっていました。人間は案外やれるものですね。
まとめからわざわざありがとうございます。
撃ち抜かれたっていい表現ですねw素直に嬉しいです。ありがとうございます。
421 :
417:2012/01/19(木) 14:59:11.02 ID:Uyc73mBB0
>>420 大人になって、ちょっとばかり文章を仕事にしてると、
時折ボキャブラリーが感情を追い越してる薄汚れた自分に気付いて愕然としますから(笑)。
そのまま真っ直ぐで謙虚な
>>1さんでいてくれると嬉しいです!
422 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 15:22:44.32 ID:O/V8bUZ30
うpはどうなった?ww
423 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 15:40:03.66 ID:O2uHXj3w0
ありがとうございます*´∀`*)ノ゙
うpはするかもしれないししないかもしれません。
読んでくれてありがとうございます(*・ω・*)
テレビ屋がアップを始めました
1役は誰が良い?
425 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 16:38:13.31 ID:O/V8bUZ30
>424
温水洋一
426 :
名も無き被検体774号+:2012/01/19(木) 17:18:37.87 ID:L2yKVjgNO
>424
新垣結依
427 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 17:57:49.71 ID:O2uHXj3w0
後日談といいつつこれまだおじ様たちと出会う前の話ですね。
いつの間にこんなに風が心地よい季節になっていたのだろう。
吹き出す汗をハンカチでおさえた。
ブリティッシュバーの扉を押すと小気味良い乾いた音がした。
カラン。
「おーきたねー」
サッカーのユニフォーム姿のチカが手招きをする。仕事着は何でもいいから楽だと言っていた。
他にも親しい友達から見知らぬ子まで数十名がそれぞれ談笑をしている。
ゆったり流れるR&Bが心地良い。
カウンターに腰掛けると、
「うちらは未成年だから飲めないけど。先輩達が飲み比べとかしてるよ、何が楽しいんだろうね」
とチカが笑う。
隣にアズサが
「今日は22時まで貸し切りなんだって、皆向こういるからあとで行こう」と座った。
カウンター越しにチカがオレンジジュースを渡してくれた。
つづけたまえ
429 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 19:44:55.15 ID:O2uHXj3w0
ありがとうございます(*・ω・`*)
チカはドリンクの注文が詰まっていたらしく、急いで奥に引っ込んだ。
アズサが「今日元気ないね、何かあった?」と私の手の甲をつつく。
「
>>1が何かあったらすぐわかるんだからね」
その一言で、堰を切ったように涙が溢れた。
ずっと堪えていたのに。
人前で泣いたのは、多分小学生の時以来だろう。理由はもう覚えてないくらい些細なこと。
430 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/19(木) 19:47:56.80 ID:O2uHXj3w0
ひとしきり泣いたら重りが取れたように、スッと心が軽くなった。
「ごめんね」
やっとのことで絞り出すと、
「皆お酒のせいって思ってくれるはずだから心配しないでいいよ」とアズサは微笑んでくれた。
「話してごらん?」
アズサはずっと黙って私の背中を擦ってくれていたことに気付く。
―誰かに甘えて良いんだよ。
それを教えてくれた人のお陰でその言葉を痛感するなんて。思いもよらなかった。
431 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/01/19(木) 20:21:37.01 ID:ccxDpTvfi
楽しく読ませてもらってます
ありがと
ココまで読んだ
まったりとしたこのスレ、好きです
434 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 01:34:43.24 ID:YtV9xyGY0
こちらこそありがとうございます(*´ω`*)ノ゙
大切な友は目を真っ赤にして頷きながら話しを聞いてくれた。
彼が同性愛者だとは言わなかった。
私を信頼して話してくれたのだから、その決意を尊重しなければ。
「でもね、必ず見付かるよ。
>>1だけを大切にしてくれる人。そんなすぐには上手いこといかないんだよ!」
アズサが自分の涙を拭う。
自分のために泣いてくれる人が、目の前に本当にいる。
一般的に、「そう願わずにはいられなかった」という表現がある。
今思えば、その言葉をまるごと並べたような心境だった。
どうか、この先、この優しい彼女が誰にも傷つけられませんように。
「辛いことの結末に訪れるのはハッピーエンディングでしょ、辛いこと乗り越えるから幸せって際立つんだよ、ね」
そうなのかな、と何となく理解する。
いや、理解なんて心の底では出来なかったのだけど、わかりたかった。
何度も何度も脳で言葉を反芻した。
435 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 01:56:08.64 ID:8V1cs4bmi
保守
436 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 03:10:35.96 ID:YtV9xyGY0
ありがとうございます(*・ω・`*)
なるべく早く終わらせたいのですがそうもいかずすみません(´;ω;`)
もしもスレが残っていたら、夜が明けてからまた書き込みしにきます。
おやすみなさい。
437 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 03:11:54.23 ID:7D4+qqrR0
こんなに素直で良い人がなぜ2ちゃんにいるのか
438 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 03:32:00.28 ID:BIQAK+kV0
男の書いた文章ってのはだいたいわかる
やっと追いついた
>>1は良い経験をしたね
続き待ってるよ
441 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 12:01:48.11 ID:8V1cs4bmi
保守
442 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 12:52:04.64 ID:YtV9xyGY0
ありがとうございます(´∀`*)
続き書いていきます。
443 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 13:53:38.70 ID:AM9/OcBe0
待ってました!
444 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 15:53:03.96 ID:Lxj6ImCT0
ブリティッシュバーには多様な国籍の人々が集まる。
オーストラリアからきた留学生、カナダ在住のイタリアのおじさん、英会話を教えているというアメリカ人。
小さい頃、童話の絵本が大好きだった。
お姫様など会ったことも見たこともない。
でもたくさんの童話の世界を通して、「お姫様」という概念は形を成していく。
―お姫様は、華やかなドレスを着ていて、美しいアクセサリーに囲まれている。
類稀なる美貌をもち、心優しく、素敵な王子様と幸せに暮らしている。
…一度も見たことなんてないのに。
彼らとの会話はその過程にとても似ていた。
未知の世界は、童話に似ている。
こんな文才溢れる文章書けるようになりたい
446 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 21:18:58.14 ID:SbP3FTay0
例えばシンデレラならば0時になると共に魔法が解けた。
あの時、現実の自分に引き戻されて、シンデレラは絶望しただろうか。
おとぎ話のような時間も終え、私の「0時」はやってきた。
正確にいえば「22時」。
貸し切りが終わる時間だった。
店を出ると虚無感に襲われる。
現実と向き合わなくてはならない。
考えるだけで溜め息が出る。
家に泊まる?と首を傾げるアズサに甘えようかと思ったけれど明日は朝からバイトだ。
お礼を言って家路を急いだ。
447 :
名も無き被検体774号+:2012/01/20(金) 23:04:02.03 ID:jQE5Bfj80
引き込まれる文章だこと…
448 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/20(金) 23:21:11.95 ID:nyexlkoJ0
暫く経って、タカさんから相変わらず私を気遣うメールが届いていた。
彼の名前に、平常心が破られる。
あの夜、目が腫れるほど泣いたことなんて言えないな、と考えてふと気付く。
告白も出来なかったな。
心の中にある黒い後悔が重い。
忙しいことを理由に早々に連絡を絶った。
こんなに辛いならもう流れに身を任そう。
自然に忘れられるまでは、無理に思い出を引っ込める必要もない。
幸いテスト前ということもあって勉強に、更にバイトに、と忙しい日々が続いた。
ほ
450 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 00:31:23.63 ID:/hTVY/Xq0
も
451 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 00:55:38.37 ID:mQcSUOmfi
だ
452 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/21(土) 01:46:16.57 ID:1fCIvza10
ほもだ…w
ありがとうございます(*´∀`*)ノ
また朝にきますね、本当にありがとうございます。
453 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 01:50:47.40 ID:cT+aSBeQO
お休みなさい
スレを何回も読み直したのは初めてです
タカさんが女に開眼するんか、新しい男が登場するんか…wktk
455 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/21(土) 10:04:46.31 ID:2hW0u04y0
おはようございます(*´`*)
ありがとうございます(*・ω・`*)
続けますね
456 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 10:11:00.47 ID:vcJqoW/wi
まってましたよ!
457 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/21(土) 10:38:52.27 ID:2hW0u04y0
テストやバイトや友達といることが、タカさんを諦める直接的な原因にはならない。
けれど、忙しい毎日が雑念を振り払ってくれることもまた事実だった。
小学生の時は毎日がスローモーションのようにゆっくりに思えた。
今遅く感じるとすれば、苦痛に感じる時間のみだ。
あっという間に枯葉が舞う季節が終わる。
世間はクリスマスを迎えようとしていた。
458 :
名も無き被検体774号+:2012/01/21(土) 14:53:47.47 ID:0NS4GaeN0
読んでる
459 :
sage:2012/01/21(土) 15:53:24.17 ID:vRgfGq+M0
初めて追いついた!卒論死にそうですが読んでて楽しいです!
460 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/21(土) 18:18:36.47 ID:2hW0u04y0
ありがとうございます(;_;)
卒論なのにお時間頂戴して申し訳ないです(´・ω・`)
私も早く書き上げますね、卒論頑張って下さいね。
あれから。
タカさんとは友達として、以前のように接するように心掛けた。
人の小さな仕草にも人一倍敏感な彼のことだ。
きっと告白してしまえば更に悩み、苦悩するだろう。
迷いを繰り返し彼の苦しみを深く知るうちに、ある結論に至った。
恋人でない、この関係が心地良いのではないか。
「俺ら本当に親友だなー」
ある日ぽつりとタカさんが言った。
間髪いれずに「そうだよ」と返事をした。というか、自然に口から出ていた。
数ヵ月かかってやっと本当に受け入れられたんだ。
12月。
以前より私は前向きで、ほんの僅かだけど、積極的だった。
ほ
鯖落ちてたよね
保守
463 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/21(土) 23:11:08.48 ID:6uXPECj90
保守ありがとうございます(´;ω;`)
あれから時は過ぎて、おじ様や会長、A君、エイミー、カナちゃん…色んな人と出会った。
あれから数ヵ月後。
一人暮らしも板についた頃だった。
友達の紹介で、というのはよくある話なのだろうか。
あの日泣いたブリティッシュバーにいた。
あの夜以来で、少し懐かしい。
懐かしいねとチカが笑う。
彼女はもう働いていなかった。
彼に出会ったこの日を忘れない。
癖毛で長めの髪よりも、目が印象的だった。
彼の奥二重の瞼は笑うと細いカーブを描いた。
聞けば1つ年下だという。
話し掛けると、照れ屋なのか、はにかんでなかなか目も合わせてくれなかった。
464 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 02:06:25.69 ID:5fISfW740
保守
読んでます
>>1絶賛の単発が沸いてくるのと同時に、
>>1の書き込みのほとんども単発になった。
つまりはそういうことだよね、このスレって。
466 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 02:44:48.79 ID:6J0kF7F20
ありがとうございます(´;ω;`)
今日サーバーの調子が悪くて書き込みがうまくいかないです(´・ω・`)
467 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 02:47:50.87 ID:6J0kF7F20
>>465さん
どういうことか理解できなくて申し訳ないです。つまりそれは何を意図しているのでしょうか?
私事で忙しくて書き込みが減ったのは事実です。
書き溜めをしてないので遅くてご免なさい。
468 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 07:18:08.19 ID:MtweufMsi
>467
気にすんな
ここを見ている人の多くは、お前のペースと言葉で書くことを期待して待っている。
俺もその待っている一人だ。
469 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 08:36:31.12 ID:JsbaORofi
1はなんでこの2ちゃんに居るんだろう。似つかわしくない、というか不思議。
彼氏編の後、初めて2ch見たときのきっかけも教えてほしい!
471 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 11:22:25.80 ID:9SMzbyqg0
ほしゅしとく
472 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 11:45:07.76 ID:FoYavOBQ0
温かいお言葉、ありがとうございます(´;ω;`)
書いていきますね。
2ちゃん好きですよw
普段はROM専なのですがスレを立ててしまいました。
また単発いくつかのあとにID変わったね〜
474 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 11:53:32.42 ID:FoYavOBQ0
生憎、朝から自演するようなユーモアは持ち合わせてないですよw
自演なんていったっけ?
476 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 11:58:50.10 ID:zegfCDM1i
会長さんが提示した就労ってモニター以外は
>>1の為になるものだよな。たぶん会長さんも
>>1がモニター以外を選ぶだろうとすべてを見越して業務を考えていたんだな。
>>1が自身の持つ能力を伸ばして立派に成長できるように。
なんて考えてしまったよ。
477 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 12:04:38.79 ID:9SMzbyqg0
お、
>>1こんちは
書き込みみていきたいけど、でかけるわー
自分のペースでがんばって
478 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 12:08:30.20 ID:FoYavOBQ0
>>476 確かにその通りですね。
私の夢が翻訳業だったことも配慮してくれたのでしょうね、本当に感謝です。
>>477 保守ありがとうございました。
気を付けていってらっしゃいませ!
続けますね。
479 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 12:34:15.19 ID:FoYavOBQ0
彼の名前をジョウとする。もちろん仮名だ。
承太郎さんから戴いたけれど、本当は某、金髪のぽっちゃりした芸人さんに似ている。
その芸人さんは口説くテクニックで凄くモテていたらしい。
でも、ジョウからはそんな素振りは全く見受けられなかった。
以前と違って、今回はお酒が飲める。とは言え、私はすぐに酔ってしまう。
ジョウはアルコールの力もあってか、徐々に打ち解けてくれた。
480 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 13:29:35.77 ID:83X3I2B60
支援
ほしゅ
ゆっくり自分のペースでいいからな!
こっちもゆったり楽しみに待ってるよ
482 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 14:29:30.37 ID:/RR1gddh0
追い付いた!
古いスレだから1さんもういないだるうなと思いつつ読んでたけど、まだ続いてて嬉しい
あと下手な煽りは気にしないでいいお!自演じゃないのは解るからご安心くださいな
483 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 17:22:11.62 ID:pHcfuLPL0
テスト
484 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 17:39:39.17 ID:pHcfuLPL0
ありがとうございます(;;)
ドコモ書き込めない・・・?
パソコンから書いていきますねー(*・ω・*)
薄暗いバーの照明に、彼の赤色のカクテルが綺麗に映えた。
「大学、どんな雰囲気?」
ふと疑問になり、訊ねてみる。
「工業大だから男くせーよ」
もうお腹一杯だというように彼は答えた。
「国立の工業大って凄いね。知り合いいないから憶測だけど、真面目なイメージはあるなぁ」
「大した事ないよ」
彼は照れ笑いをして続ける。
「色んなオタクは多いねー…そっちの大学は学食でゲームしてるやつとかいる?」
「ゲーム?」
「PSPとかカードゲーム」
「…見た事ないかな」
「…そういうことだ」
お互い違う環境に取り巻かれて生きているんだな、としみじみ思った。
485 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 17:56:10.58 ID:pHcfuLPL0
理系の、りの字もかじれない私だから、尚更彼の話は興味深かった。
実験やレポート、普段の生活。
彼はそれらを解り易く教えてくれた。
ウケを狙った訳ではなくても、ジョウの語るエピソードはどれも面白かった。
気を許した彼はよく笑ってくれる人だった。
よく笑う人と一緒にいると、こんなにも幸せな気分になるなんて。
知らなかった。
沈黙さえも居心地が良いと感じた。
486 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/01/22(日) 21:06:27.11 ID:3sTJKyOHi
ゆっくり読んでます
487 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 22:11:59.01 ID:7xS+kigF0
ありがとうございます(;;)
そろそろお開きとなった頃、彼と連絡先を交換した。
方向が一緒という口実があってよかった。
駅までもう数十分一緒に居られる。
酔って火照った頬を、風が気持ち良く撫でる。
居酒屋の呼び込みが盛んなこの通りは狭くて、人がせめぎ合う。
離れないように、でも近すぎないように。
微妙な距離を保って歩く。
彼は歩調を合わせる。
私を気遣ってくれてるんだな。
心が温かく感じたのは、お酒のせいだけなのだろうか。
488 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/22(日) 22:32:36.34 ID:7xS+kigF0
今から向かっても、充分終電には間に合いそうだ。
「今更だけど、訛ってるよね?出身どこ?」
「えっ、嘘。俺訛ってる?気付かなかった。…田舎から来たんよね」
恥ずかしそうに笑う彼に微笑ましい気持ちを覚える。
そうなんだ、と短く相槌を打つ。
初めて聞いた方言だった。
可愛い、と言いかけて止める。
男の人に可愛い、は失礼かな。というか、馴れ馴れしいかな。
彼をもっと知りたいとはっきり思ったのは、この時だったのかも知れない。
「…彼氏は大丈夫なの?」
控えめに彼に尋ねられる。
予想外の質問に面食らってしまった。
489 :
名も無き被検体774号+:2012/01/22(日) 23:42:21.23 ID:4n00rihr0
支援
バイト先といい、バーといい、運命的な出会いばかりだな
何か感じるもんなの?
491 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 00:26:52.16 ID:M0zZjuc10
振り返ってるからこそ全てドラマティックに思えますが、当時は緊張して、上手く話すのに必死でした。w
でも人生って運命的なものの連鎖で繋がっている気がしますがどうでしょうか(*‥*)
「いないよー」
通りすがる人々の声に掻き消されないように近づく。
どこに行ったって駅周辺は居酒屋やスナック、飲み屋さんが混在している。
行き交う赤い鼻をした酔っ払いは陽気だ。
「そうなの?いるかと思ってた」
どういう意味だろうと考える間もなく、駅に着いてしまった。
改札口前で、手を振って別れる。
ホームで電車を待ちながら、つくづく今日は良い日だったと回想した。
また遊ぼう、という言葉が頭から離れない。
社交辞令じゃなければ嬉しいんだけどな。
ぼんやり考えながら帰宅した。
492 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 01:06:06.57 ID:M0zZjuc10
楽しかった夜に、一人暮らしは少し応える。
帰ってテレビを点けると、バラエティ番組の賑やかなお喋りが部屋に響いた。
最初から観ていない為、笑い声からは置いてけぼりにされている。
寝る前に携帯をチェックすると、一通のメールが届いていた。
「家に着いたよ、今日はありがとう。楽しかった!」
言うまでもなく、ジョウからのものだった。
初対面の仏頂面からは想像も付かないような絵文字と、そのマメさに笑みが零れる。
初めてプレイしたRPGのゲームを思い出した。
あの時は、色々な発見の積み重ねに感動してどんどんハマっていったものだ。
一人の人物を知るという道のりは、ある種、冒険と通ずるものがあるかもしれない。
…達成することは、決してないだろうけど。
やっぱ臭うな
続けば続くほど昭和臭い
まぁ良いじゃない、面白ければ
495 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:08:30.36 ID:ZrnZ16XnO
ほ
>>465 意味が分からないんだが、トリップ知らないの?
東工大しかないやろー、わざわざ特定されやすいように書かなくてもw
楽しく読ませてもらってるけど
ちょっと顕示欲を感じて−5点wwwww
学歴コンプ乙
ほしゅ
500 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 12:01:12.83 ID:M0zZjuc10
保守ありがとうございます。
?ごめんなさい、どういう意味でしょう(・ω・`)
スレ立てをしている時点で顕示欲は強いというのは否めないですが、
>>479のほうが特定されやすいのになぜ大学だけ…??
でも読んでくれて嬉しいです。ありがとうございます。
続けますね。
続けてね
>>500 末尾0ってことはPCからの投稿なんだよね?
スマホは調子悪いからPCから書くって言ってたもんね
で、しばらくID変わんなかったり、かと思えばコロコロ変わりまくったりするのはなんで?
>>500 >>502みたいなのは過去に2chで釣られた傷が癒えない可哀相な人だから、相手にしなくてよろしい。
スルーも大事だぞ。
>>503 ふむふむ、おやおや携帯から?
釣りも結構だけど、もっとうまくやってほしいなぁと思うわけでさ
突っ込まれるのがいやなら私設サイトでやればいいんじゃないかな?
2chでやってる以上、下手な釣りへの突っ込みは免れないよ
>>505 下手な釣りへの容赦ない突っ込みは楽しいよ
◆bN5NHW/.U6が次にどんなIDで投稿するのかがもっと楽しみだけどねw
>>508 君が
>>1のファンなら、「釣りならもっとうまくやれ」って突っ込んであげなよw
>>509 釣りかどうかはどうでもいいの
単純に話が聞きたいだけ
あなたの突っ込みと
>>1の話とどちらが望まれてると思う?
そんなの関係ねーってんなら、もういいわ(ハート
>>510 >>508の言うとおり、とりあえず全部話させてみるかねぇIDコロコロ変えさせながら
で、
>>1が逃走せずに話し終わった途端、いっせいにツッコミ入れまくるってのも面白いねw
>>511 例えばだけど、俺にとっちゃ君が
>>1かどうかは「どうでもよくはない」なw
>>513 会話できるようにもすこし社会性養ってね☆
>>514 煽られて頭に血が上ったのかな?揚げ足取りにもなってないね。かわいそうにw
ま、こういうのが2chの面白いところでもあるんだけどね
516 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 15:31:35.20 ID:NZWePB+7O
そんなに釣られるの嫌か?
嫌じゃないよ、上手ならね
たぶん
>>1は、会話の積み重ねだったり、そこからの展開に楽しみを見出す人だと思う
そうではない人と必ずしも関わらないといけない、ということでもないから
>>1の話を待ち望んでいる人がいる
それは、わかってね
>>518 >>1を推察→個人的見解を展開→スレの総意を代表として述べる
君はずいぶんと親切な人だね
そして俺は、
>>1が次にどんなIDで登場するのかがとても楽しみだ
ヒントは「スマホ」w
すごいな
>>519 国語力はあるんだな
感心したよ
>>520 >>1がなぜ小説家になれない万年ワナビのままなのかを一緒に考えるのも一興だろ?
スレ汚してスマソ
気にせず書き込んでくれ
まもなく「続けますね」が来るのかなぁ?
変なのが沸いてるな
まとめから流れてきた新参か?
あんまりうざかったらパー速に移動してみてはどうかな?
あっちだとギャラリー増えない変わりに荒れにくくはある
もちろん1さん次第なのでご検討いただければと
525 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 16:57:26.84 ID:M0zZjuc10
居ぬ間に荒れていますね。
IDが変わった理由など釈明したいことは多々ありますが止めます。
自演だなんて虚しいことをする必要性を感じないのですが、どうにかして称賛や擁護は
>>1ということにしたい人がいるようですね。
どうぞ気が済むまでお好きなだけ罵って下さいな。
ここで良ければ好きに荒らしてすっきりさせてください。
一日中張り付いて、何だか本当に余裕が無さそうで心配です。
ストレスは他人にぶつけてもどうにもなりませんよ。
私はあなた方に恨みなんてないのでムキになって反論などしません。
いつか疑心暗鬼が解けるような素敵な機会があなた方に訪れますように。
気にしないでいいよと言ってくれた方、ありがとうございました。
待ってくださる方がいらっしゃるだけで嬉しいです。
ここまで来たのであと少し書いていきます。
パー速という手もありますね、読んで下さってる方が不快な思いをしないならどちらでも構いませんがいかがでしょうか。
提案ありがとうございます。
526 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 17:01:07.40 ID:CBduOdWa0
1さんがスルーできるならここでいいと思うよ!
あといつもの貼っとく
バッカおまえ、釣られたからって怒るようなやつはVIPにむいてないぞ
私達は物語を盛り上げるオーディエンスであり、 主人公を影で支える友人なんだぜ
>>525 おー来たねw
「ご都合主義過ぎる展開、過剰な
>>1マンセー、時代考証の甘さ」に気をつけて
もうちょっと上手にやってくれ
「スマホ ID」でググるとなぜ君に突っ込み入れたくなったかは
わかってもらえると思う
攻撃と突っ込みは違う。2chで遊ぶならそれがわかってからでも遅くないんじゃないかな?
あと、どうせやるなら突っ込みどころは作るな。全力でやれ
自演疑われたからって怒るのはそれから。な?
君に言いたいことはそれだけだw
ここのがいいでしょ。スレ落としたら逃走と同義
はよ
530 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 17:07:51.63 ID:eiolnMp40
1よ、反応するんじゃないぞ・・・
532 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 17:10:02.76 ID:T1hSHyeRO
>>528 さっきから誰目線で文句言ってるんだ?w
>>532 どういう答えを想定したり期待したりしてるのかさっぱりわからん質問だなw
>>532 荒したくないならスルーしようぜ・・・
大丈夫。返事しなくったってスルーしてるんだな、としか思わないよ
536 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 17:23:33.12 ID:M0zZjuc10
素敵なコピペです。
じゃあここで続けてもいいですか?(*・・*)
荒らしが酷くなったらまた検討させてくださいね。
もちろんですとも!
続けてくれ
539 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 18:42:52.23 ID:M0zZjuc10
ありがとうございます(*´ω`*)
一週間もしないうちのある日。
ちょうど午前の授業が終わった時だった。
ディスカッションはまあまあ上手くいったけど難しかったよね、なんて言い合いながらアズサと学食で一息ついていた。
初期設定のままのメール着信音が鳴る。もちろん私の携帯からだ。
―元気?何してる?
ジョウからのメールだった。
他愛もない内容だったけれど、嬉しくてすぐに返信をした。
良かった、嫌われたわけじゃないみたいだ。
「何ー?誰からなのー?」とアズサに肩をつつかれる。
「ニヤニヤしてるよ。私の目は誤魔化せない…教えろ」
アズサの洞察力には敵わない。降参して、ことの経緯を話す。
彼女は終始、目をキラキラさせて聞いてくれた。
「それでそれで?」と子どものように話を急かす彼女は、子どものようで可愛い。
「
>>1はジョウ君のこと好きなの?」
話しを終えるや否や、アズサにそう尋ねられた。
好きなの?
…考えてもみなかった。
540 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 20:20:05.29 ID:eiolnMp40
改めて聞かれると解らない事って多いよね
541 :
名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 20:37:34.79 ID:5Fct+NWG0
まったり見てる
542 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 21:50:43.82 ID:M0zZjuc10
ありがとうございます(*・v・*)
分からないことって多いですよね、歳を重ねるほどに。
どうなんだろう、と返事に困っていたらジョウからの返信が届いた。
ジョウ君からでしょ、何て言ってるの、とアズサがからかう。
「今度の日曜日暇かって訊かれた…」
「えっ?それデートのお誘いじゃない!?」
アズサが楽しげにはしゃぐ。
「デート!?えっこれデートのお誘いになるの?」
そうに決まってるじゃん、何言ってるのとアズサはお気に入りの豆乳ラテに口をつけている。
「良い機会だよ、行っておいで」
アズサは報告してよね、と念を押す。
「嫌われてなかったんだ、良かったって言ってたじゃん」
そういえば言ったね、と頷く。
あんな細かい言動も覚えているのかと彼女に舌を巻く。
「それってジョウ君のこと好意的に思ってるから出た言葉でしょ」
アズサの言葉は的確で、私が彼の誘いにのるには充分すぎる理由となった。
好きかどうかははっきりしないけれど、もう一度会ってみたい。
会って、もっと色んな話がしたい。
だけどこの感情は何なんだろう。
もやもやと晴れない霧のように心が見えなかった。
この気持ちは何だろう〜♪
544 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 22:35:14.10 ID:M0zZjuc10
目に見えない〜♪
その週末は恐ろしく早くやってきた。
誘いにのらなければよかったかな、などと後悔もした。
…からかわれそうだから言わなかったけれど、どんな服を着ていけばいいのかすら分からない。
それもこれも全て、アズサがデートだと唆したお陰だろう。
友達と思えば何てことないのに妙に意識してしまう。
待ち合わせとして指定したのは、駅前だった。
待ち合わせスポットとして活用されるこの場所には沢山の人が集う。
人の多さにびっくりしながらジョウを待った。
うpするって匂わせて結局うp無しで♀演じてるおっさんだよw
ツインピークスみたいに余った尺を別創作で埋めてるっぽい
547 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/23(月) 23:37:30.37 ID:M0zZjuc10
おっさんかぁ。w
女の人はうpなしではなかなか厳しいようですね。
春に、いいですね!久しぶりに聴きました。
合唱コン以来かも。良い曲だー
待ち合わせ場所についても姿が見えないので、メールをする。
と、ジョウは迷子だと返信を寄越した。
電話のほうが分かりやすいだろうと掛けると、彼は「どこに行けばいいのか分からない」と困っていた。
ようやく落ち合って、話を聞いてみると「初めて来た場所で迷った」と話していた。
言ってくれれば良かったのに、と言うと「こんなにゴチャゴチャしているとは思わなかった」と笑っていた。
まあ何とかなるだろうという姿勢が彼らしいと思った。
行く当てを明確に決めていたわけじゃないけれど、それはそれで楽しかった。
548 :
名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 00:06:20.79 ID:HIEw5wtj0
うpしたらそれ以上を要求される
しなければ罵倒される
罵倒は一時的なものでいずれ飽きて消える
変な煽りに反応してほしくないな…
>>548 同意。荒らしに反応するのも荒らしというからね。
550 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/24(火) 00:56:33.36 ID:T33veicg0
そうですね、分かってくれる人がいることをつい忘れてしまいます。
スル―します!ありがとうございます(*^^*)
変に構えていた自分が馬鹿らしく感じるほど、ジョウといたら自然体で居られた。
彼もまた、前回の人見知りが嘘のように気取っていなかった。
ジョウが付近を全然知らないというので、二人で探索して回った。
友達と何度も足を運んだ場所でも、ジョウとだったら初めてのように新鮮だった。
些細なことでもジョウは楽しそうに反応してくれるから、二人で笑いながら歩き回った。
―ただなんかいいなって空気があって
好きな歌にこんな歌詞がある。
そのフレーズを改めて咀嚼する。
これが、好きとか付き合いたいとか、そういうのじゃなくても。
「ただなんかいいな」
そう思えるだけで幸せだと思った。
Reborn好きなのか!
いい曲だよな
関係ないが「ただ難解な曲を嫌って」ってずっと思ってたw
いい曲ですよね!今聴き直しています(*´`*)
彼の曲は歌詞を見ないと空耳しますねw
「付き合っちゃえばいいのに。もう付き合ってたりする?」
月曜の昼下がりから、アズサとチカに詰め寄られる。
不意をつかれてドキッとした。
「そう言われても。何にもなってないよ」
なーんだ、と言いたげにこちらを見る。
「今メールとかしてないの?」
チカに訊かれて初めて携帯を開く。
「…あ、メールきてた」
「それ絶対気があるって!」
チカが説得するように言う。
「そうだよ今度は自分から誘っちゃえばいいじゃん!」
アズサまでがチカに乗っかった。
「
>>1は今まで消極的だったんだよ、良い縁には喰らい付くんだ!」
二人して面白がる。
でも、本当に応援してくれているのがひしひしと肌で感じられて嬉しかった。
2回目の約束はそれから2週間ほど後のことだった。
沢山メールのやりとりをしたのに、結局自分から遊びに誘うことは出来なかった。
未送信フォルダには、不発弾が何通も情けなく残っていた。
勇気をだして送ってみたら良かったかな。
苦手なデコメや絵文字を使いこなしたら、いつかは自分からメールを送ろう。
待ち合わせをしながら決心した。
田舎からきたという彼にとっては行ったことのない、人でごった返す街よりも彼の住む街の方が居心地が良いようだ。
今度は彼の家近辺をぶらぶらと徘徊する予定になった。
その街は、学生街だし何にもないよ、とジョウが念を押すほど閑静という訳でもなかった。
またしても目的を定めていなかったので、適当にドライブをして回ることにした。
555 :
名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 08:33:05.17 ID:Cpoho8aZ0
支援
556 :
名も無き被検体774号+:2012/01/24(火) 12:23:32.34 ID:T33veicg0
て
557 :
◆bN5NHW/.U6 :2012/01/24(火) 12:25:02.87 ID:T33veicg0
保守ありがとうございました。
携帯の調子が良い限り書いていきますねー(`・ω・´)
乙乙
ココまで読んだ。
保守
アズサっていう表記が斬新に思えるのは俺だけか
556 名前:名も無き被検体774号+[] 投稿日:2012/01/24(火) 12:23:32.34 ID:T33veicg0 [4/5]
て
>>1、ageで何をテストしたの?
563 :
名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 08:58:41.33 ID:uODD7BL40
保守
おはようございます。
保守ありがとうございました(`;ω;´)
昨日は忙しかったので今日書いていきます
早く終わらせねば。。
>>562 携帯から書き込めなかったのでテストしたら書き込めたのですよ。
ずっと巻き添え規制?だったようです。
同じID:T33veicg0なのはwifiを使用していたからパソコンと同じIDだったようです。
ジョウは人を貶めることを絶対に言わない。
だからと言って無理して綺麗事を言うわけではない。
他人に興味を示さない、と言った方
が近いかもしれない。
他人の容姿や性格や言動に、わざわざ粗を探したり批判したり。
そんなことは無駄な労力だと彼は言う。
それ故に素直で、嘘をも疑わずにそうなんだ、と受け入れてしまう。
…そういえばジョウにはキャバクラのお嬢さんに惚れかけたエピソードもあった。
それは工業系でここまできたから、あまり女性慣れしていないせいかもしれない。
とにかく、よく言えば素直で、悪く言えば騙されやすいような人だ。
でもそこがいいな、と思った。
星を見ようと見上げることを忘れたのはいつだったか。
ジョウといたら普段、考えもしないようなことまで頭に浮かぶ。
他人の言動に傷付くこともあるけれど、ジョウといたら忘れてしまう。
辺りはすっかり暗くなったけれど、生憎今日は星は見えないようだ。
人影も疎らになった街角の、車内。
ジョウが一呼吸置くのを感じた。
支援
568 :
名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 14:53:52.26 ID:uODD7BL40
C
569 :
名も無き被検体774号+:2012/01/25(水) 15:32:50.99 ID:dpSQFe+30
ドキドキするなぁ
ありがとうございます(`・ω・´)
「俺、
>>1のこと好きかもしれない」
やっとの沈黙を破ったその一言に、目を見開いた。
ことの重大さを把握するにつれ、みるみる自分の頬が紅潮していくのが分かる。
「…えっ?」
言葉が出ない。
いや、この瞬間に適した言葉なんて、私の中のどこを探してもなかった。
暗くて良かったと安堵する半面、彼の顔色を正確に把握できないことを残念に思う。
言い慣れたような口振りではなかった。
―かもしれない。
なんて彼らしい濁した言い方。
照れ隠しなのだろう。
ジョウは今、どんな気持ちなのだろう。
彼だって緊張してくれているのだろうか。
これまでのジョウはとても熊みたいとは思えない
また新たなる人物が出てくるのか
熊の正体はいかに
ココまで読んだ。
体がくまみたいにでかいんでないか?
575 :
忍法帖【Lv=28,xxxPT】 :2012/01/26(木) 00:22:10.89 ID:pyjczA2y0
まだ残ってたんだ!期待!
ありがとうございます(・ω・*)
もう少しで終わらせる予定ですよーgdgd長々とすみません(`;ω;´)
「返事きかせて」
狭い車内にジョウの低い声が消えてゆく。
時間にルーズだと言われる町で生まれ育ったジョウに急かされるのは初めてだ。
そうだ、何か言わなきゃ。
焦れば焦るほど、顔が熱くなっていく。
もうジョウの顔を直視出来ない。
―好きかもしれない。
ジョウの数分前の言葉を辿る。
私は。
ここでとめるか
医者と会長全然関係なくなってる件
レス全部読んでねえだろ
翌日、私は自宅にいた。
昨日の曇りとは打って変わった晴天だ。
大通りに面したマンションのベランダから見下ろす。
名前も知らない人々の日常が垣間見える。
一人一人に人生があって、その内の一瞬を共有しているんだな。
当たり前のことって何だろうと考える。
ジョウに言ったなら、キリがないよと笑い飛ばされそうだ。
そのうち、信号を待つサラリーマンに気付かれた気がして、慌てて顔を引っ込める。
洗濯物を干しながら、昨夜の出来事を振り返る。
「ごめん、もう少し待ってほしい」
やっと口にした私の言葉に、
ジョウは半ば諦めともつかぬしゃべり方でわかった、と言っていた。
もしもジョウだったら。
そんな風に私の日常に自然とジョウが入り込むようになって、かなりの時間が経っていた。
ジョウと過ごした時間や音楽を聴けば、満たされた気持ちになった。
嫌なことがあれば、ジョウの笑った顔を見て元気を出せたし、
ジョウの価値観をもっと知りたいとも思った。
間違いなく、好きなのだと思う。
でも。
恋人になればこの関係を保てない。
いい友達と、恋人の境目。
私はそのぬるま湯に浸かっている。
恋人になることはメリットばかりじゃない。
きっと喧嘩もするし、悲しい思いもさせるだろう。
好きだからと付き合う必要はあるのか。付き合うって何なのか。
そんな言い訳よりも、私は怖いのだ。
ジョウとどうしたいのか。
私はすっかり解らなくなっていた。
もうYOU達付き合っちゃいなYO!
584 :
名も無き被検体774号+:2012/01/26(木) 19:12:32.09 ID:SI7zLw8j0
読んでる
ココまで読んだ。
まさかのジャニーw
BANKBAND初めて聴きました(*・ω・*)いい曲ですねこれ
「何で迷ってるの?!」
アズサの睫毛がぱちぱち動く。
チカは何かを考えているようで、黙ったままだ。
この日、学校近くのカフェに来ていた。
雰囲気はカフェというより、喫茶店に近い。
「好きなんでしょ?ならそれでいいじゃん!」
「そうなんだけど…」
「まぁまぁ、
>>1の気持ちは分かるよ」
チカが口を挟む。
「好きだからって付き合う必要があるか、か」
「あるある!あるよ!付き合わないと分かんないじゃん!」
アズサがチーズケーキを頬張る。
そういえばこのお店は、ここのチーズケーキは有名らしい、とアズサに引っ張って来られたんだったか。
「…アズサの言う通りかも」
チカが続ける。
保守
某大手水産会社の会長で娘亡くして鬼だと?
うちの会社じゃないか。
その状況の会長なら特定確実なのに、
散々世話になっておいてこの仕打か?
恥を知れ。
会長を晒者にした後は男語りまで・・
590 :
名も無き被検体774号+:2012/01/27(金) 14:45:09.07 ID:M9TzJvm40
>>589 で、君はこの仕打ちに対してどう報復するん?w
1は脳内メルヘンを自分語りにしてるだけと思うんだが・・・wwwwwwwww
保守ありがとうございます。
色々フェイクいれてるのでご安心ください。違う方だと思われますよ。
592 :
名も無き被検体774号+:2012/01/27(金) 16:03:21.27 ID:F92SHts00
>>186 バラエティ見たり芸人には詳しいのになw
はよはよ
>>592 本当何ででしょうね(・ω・´)
ダイナマイト関西とか漫才系はDVD借りてまで観てますw
書いていきますねー
あいよ待ってるよー
「タカさんはさ、告白も出来ないで終わったんでしょ」
チカが言う。
あぁ、と思い出す。
私、片想いしていたんだ。
あのコンビニの片隅も、車内のback numberも。
随分昔のことのようだ。
涙を拭えたのは、アズサとチカがいてくれたお陰だったな。
「彼氏にならないと解らないんだよ、その人がどんな存在になるか」
アズサが頷く。
「ダメなら別れたらいいんだよ」
「それは極論!」
チカの突っ込みが早くて、アズサと目を見合わせて吹き出す。
前半は次の展開を待っているような読み方していたが、
だんだん
>>1の072に付き合わされているような感じになってきたな。
話の真贋は別としも、お世話になった人との話を
フェイク入れているからバレの恐れは大丈夫だよ〜 と言っているように感じてしまう。
大切な思い出もその程度かってね。
素敵な話が、砂の山のように形を失っていく・・・
前半読んで得たものは、努力は報われる。 だったが、
後半からは、何事も引き際が肝要。 に変わった。
否定したい訳じゃないよ。この話の
>>1さんや、その周りの皆に幸せになって欲しいと凄く思っています。
前半メインで後半おまけみたいなもんだからな
後半は更新が少ない上、展開がないから冗長と感じることはある
彼氏の話はする価値があるのか解らないくらいとりとめのない内容ですよ。
そんな期待をしないで暇潰し程度に留めて下さい(´・ω・`)
付き合わせているつもりはないのです、不快ならば無理をなさらずどうぞスルーして下さい。
はよはよ
評論家に反応してないで
おれにも構ってよ〜
おれはこのスレ大好きなんだぜ!
>>602 ありがとうございます(;ω;`)
批判もアドバイスも宝ですが、不快な思いをしている人がいるなら謝りたくなります。
でもこんなスレを好きだと思ってくれる方もいるなんて。嬉しい(((・ω・*)))
二週間後。
私はまた、ジョウと最初に待ち合わせした場所に立っていた。
…今度は大丈夫だろうか。
些かの不安を感じながらも、ジョウの到着を待つ。
「これから知ったっていいじゃん、人間なんだからお互いの全部を知り尽くすなんて永遠に無理だよ」
チカの言葉をなぞる。
そんな歌があった気がする、とipodを探る。
目の前をカップルが腕を組んで歩いていく。
…全てのカップルが、こんな試行錯誤を越えているのだろうか。
彼女の薬指に光る指輪に問うた。
数分経ってジョウが現れた。
今度は迷わなかったようで、安堵から笑みが溢れる。
相変わらず人がひしめく街中だったけれど、彼の声だけはすぐに聞き分けられた。
お昼時だということで、ランチに向かうことにした。
サンドウィッチマンとだけ言ってみる
伊達ちゃん大好きですが、伊達ちゃんじゃないんです(*・ω・`*)
ランチにはオムライスで有名なお店を選んだ。
相変わらず、女性とカップルが多く集って賑やかだ。
ジョウも私も、迷わずお店のお薦めを注文した。
こういう細かいタイミングが合致するところも好きだ。
言わなきゃ。
告白の返事を、今。
ぐずぐずと迷っているとジョウが切り出した。
ほ
608 :
名も無き被検体774号+:2012/01/28(土) 02:41:12.67 ID:qCGStTfW0
守
609 :
名も無き被検体774号+:2012/01/28(土) 05:28:29.71 ID:LW813HYe0
捕手
610 :
名も無き被検体774号+:2012/01/28(土) 09:06:19.43 ID:R2n6uF+TO
保守
俺も伊達かと思ったw
611 :
sage:2012/01/28(土) 11:01:55.16 ID:pmxwywur0
ハチミツ二郎じゃね。
ほしゅ
612 :
名も無き被検体774号+:2012/01/28(土) 12:16:41.67 ID:z2AWvWIn0
保守ありがとうございます(*´・ω・`*)
はい、二郎さんです。w
「返事は」
「お待たせしましたオムライスですねー」
ぴったりのタイミングで店員が食事を運ぶ。
去り際に、店員のひとつに束ねられた栗色の髪が揺れる。綺麗だ。
「…食べよっか」
そうだね、と返し、食にかかった。
つづきまだー
(*´ -`)保守
美味しかったね、と言う彼は私が味が分からないくらい緊張していたことを知らない。
店を出ると、自然とゆっくり話せる場所へ足が向かった。
その公園には暇を持て余した人が集まっていて、私達の影は何の違和感もなく溶け込んだ。
陽の当たるベンチに並んで腰をかけた。
おかえりー
楽しみに待ってた
>>618 ありがとうー!(*・ω・`*)
「一目惚れしたんだけど、一緒にいて楽しいと思った」
気紛れじゃないというようにジョウが話す。
「返事のことなんだけど」
うん、と優しく頷いてジョウが私を見る。
暖かい光が眩しい。
…ジョウが逆光で見えない。
ジョウは、人を不快にしない。
いつも笑っていて、一緒にいるだけで気分が明るくなる。
彼は人を恨まないし、マイナスな言葉を口にしない。
というより、根っからの楽観主義者だ。
嫌なこともまぁいいや、と受け流して忘れて、翌朝には笑っている。
彼といる理由は、それだけで充分だと思った。
「えっと、お試しとかじゃなくていいの?なんか…」
ジョウの目が細くなるのを見て、ようやく自分がテンパっていることに気付く。
深呼吸をする。
「えっと。はい、よろしくお願いします」
「俺、結構焦らされたね」
意地悪に笑ってジョウが寄り添う。
その笑顔がとても好きだと思った。
でももう少し、それは言わないでおこう。
おお、夜中の更新ご苦労様
見てるよ
シンプルなその言葉がどれだけ嬉しいことか。ありがとうございます(´;ω;`)
数ヵ月後、彼の家族にも対面した。
彼のお母さんは、いい意味で適当で面白い、とても明るい人だった。
少し天然なところがまた可愛い。
「
>>1ちゃん、気にしないでいいのよ、適当で良いんだから」と笑う彼女は、太陽のような人だ。
エイミーさんを思い出させる。
そういえば、気が向いたら帰国するよとメールがきていた。
帰る気はきっとないな、と苦笑いする。
お父さんは彼女とは対照的に、真面目で誠実そうな物腰の柔らかい人だった。とてもハンサムだ。
ジョウの妹ともすぐに仲良くなった。
目の大きな可愛い女の子だ。
彼とは似ていない。
お姉ちゃんが出来たみたい、と喜ぶ彼女とは直ぐに仲良くなった。
ある時、流れで私には父親がいないという話になった。
「だから父親ってどんな感覚か解らないんだ。結婚とか怖いなぁ」とポツリと漏らすと、
「うちの母もお父さんは居なかったけれど、こんな面白い家庭にしてくれました。だから
>>1さんも絶対大丈夫ですよ!幸せになれます!」
なんて必死に励ましてくれる優しい妹だ。
ドラマからそのまま飛び出したような、笑いの絶えない家族だ。
「今日学校どうだった?」
なんて、訊かれてみたかった私の生まれ育った環境とは正反対だった。
私の思い描いてきた理想を具現化したみたいだ。
今までの経験がひとつでも欠けていたら出会えなかったのかな。
不思議な気分になる。
やっぱり人生、捨てたもんじゃない。
この家族を悲しませたくない。
ジョウが私を選んでくれる限り
は、精一杯ジョウを大切にしよう。
手厚く歓迎して、受け入れてくれたジョウの家族ごと大事にしていこう。
心の中で固く誓った。
現在。
ジョウは変わらない。
元々感情の起伏が穏やかな彼は、爆笑こそするものの、本気で怒ったところはまだ見たことがない。
喧嘩だっていつも私の「どうしてそんなにデリカシーがないの」で始まる。
「前の彼女の話を持ち出さないで」なんてことも、女性とたくさん触れあってきた訳じゃないジョウが分からないのも無理はないのかもしれない。
悪気は全くないんだから、寛容していかなければ。
まとめサイトしか見ないからねらーじゃない、と主張する彼は今日もスカイリムスレを覗いていた。
楽しそうに楽器を弾くジョウをこれからも見守っていきたい。
私の話はこれで終わりです。
まだまだカルト宗教を始め頭の痛くなることに躓きつつも、ジョウの力もあって、今は穏やかに、前向きに過ごせています。
シンデレラストーリーというような大した話でもないのに、ずっと読んでいてくれた方々には本当に感謝しています(´;ω;`)
色んな言葉を沢山いただきました。
批判でも感想でも、どれも嬉しかったです。
楽しい時間を本当にありがとうございました。
乙、面白かった
彼氏とお幸せに!
お疲れさまでした
貴女の物語を読んでいると、いつも柔らかな暖かい日差しを浴びているような気持ちになりました
お幸せに
袖振り合うも多生の縁
このスレに出会った縁を大切にする
お疲れ様
またいつか
>>1の文体を読めるのを楽しみにして
630 :
名も無き被検体774号+:2012/01/29(日) 08:07:09.30 ID:iBNJ2LCU0
乙!
このスレに出会えてよかった!
631 :
名も無き被検体774号+:2012/01/29(日) 11:37:01.25 ID:QeVoysQE0
>>1 ありがと
二郎・・・じゃなくてジョウと幸せにな〜
おつかれさま
スレ主に幸多かれ
おおおおおおおつかれぇぇぇぇぇ!
いい話でした。お幸せに
ココまで読んだ。
そして終わってしまったのですね。
お元気で!
おつかれ
結局ジョウがクマなの?それだけ教えてくだすあ
レスありがとうございました!
全て読ませていただきました。
嬉しいです(;o;)
二郎さんを思い浮かべていただけたらなぜジョウが熊っぽいかは自明の理ですね(・ω・*)
ちょっとぽっちゃりして、さらにガタイが良くて、加えて体毛が…
そんなアメリカグマのような素敵な彼です。w
ヌクモリティ溢れる優しい皆様か、どうか限りない幸せや楽しみに恵まれますように。
638 :
名も無き被検体774号+:
ハチミツ二郎かw
とりままとめ転載不可と最後に言っておいた方がいいんでない?