1 :
名も無き被検体774号+:
立ったら書きたい
2 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 07:46:56.43 ID:N/CvcAbHO
二年前。
「−−−う、オオオオオオっ!!!」
少年が走る。
凡庸な身なり。
中肉中背の身体。
しかしその背にはこの世の全てを背負う。
−−−本当に良いのか、幻想殺し。
そんな少年に語りかけるもの。
それは彼の目の前に顕現していた。
"神上"、アレイスター・クロウリー。
今の彼は、もうビーカーの中には居ない。人の認識を遥かに超越したエネルギーの塊。
AIMをベースとして、魔力、テレズマ。
三種の力場を混同した新しい界を形成した彼は、その頂点に立つ神。既存の神を超越した、"神上"。
そんな神は、少年に語らう。
−−−本当に良いんだな。
―――この幻想を殺したら。
そう続けるより先に、少年の右手はその幻想を打ち殺した。
3 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 07:55:18.12 ID:N/CvcAbHO
学園都市。
そこはかつて最先端の科学力を結集した都市、そして超能力開発のメッカとして名を馳せていた。
しかし二年前の大規模なネットワーククライシスによってその機能の大部分が停止。
機械で埋め尽くされた街は、連鎖的なショートの果て、ついにダウンした。
そして元が何年もかけて築かれてきたその要塞の復旧には当然長い年月がかかる―――
と。
表向きには、そうなっていた。
上条「…。」
かつての英雄。
そして破壊者。
上条当麻は、簡素なベッドの上で何となく虚空を眺めていた。
考える事は一つ、あの日の事だ。
4 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 07:58:41.59 ID:N/CvcAbHO
幻想は消えた。
新界形成の為に集められた魔力、テレズマ、AIM。
それらを一瞬で吸い取られ、戦線に立つことも無く一般人と化した魔術師や能力者。
ただ1人、幻想殺しだけが戦線に残り。
アレイスターの最初の一撃で血の海に没した仲間たちを背に、上条はその幻想を殺したのだ。
それで終わると、思っていた。
科学は魔術に負けた。それでいいじゃないか。
それでいい。文化と文化の優劣争いなんて、それで終わらせて。
優劣なんて関係なく、人と人で仲直りをすればいいじゃないか。
そう、思っていた。
5 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 09:50:11.53 ID:N/CvcAbHO
ひ、人が来ない…(°Д°;)
でも負けないっ(泣
上条「…なのに、なんで。」
上条が天井にむけ伸ばした腕が、力なく地へ落ちる。
−−−最初に起こったのは、魔術や超能力の消滅だった。
魔術師は魔力を吸い尽くされ、能力者はAIMを根こそぎ剥ぎ取られた。そしてそれらはアレイスターに消費され、再び世界に循環していくはずだった。
しかしそれらは上条の幻想殺しによって"無くなって"しまったから。
6 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 09:53:06.99 ID:N/CvcAbHO
質量保存の法則を破った、この右手。
今まで人類が何世紀に渡って練り上げ、少しずつ世界に充満していた魔力も。
日々鍛錬に励み会得した超能力が発したAIMも。
その長い努力の結晶の全てを、上条はアレイスターから取り返すでもなく"消して"しまった。
故に、魔術師には個人が少しずつ生成する僅かな魔力しか残されず。
能力者に関しては、原石や上条を除き大抵の者が自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を喪失し、能力自体を失った。
7 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 10:11:38.39 ID:ewdXfXNU0 BE:245508252-PLT(36963)
テンポ
8 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 10:45:38.40 ID:OyB8wfR6O
見ているぞ
だから最後まで
頑張れよ
9 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 10:52:17.75 ID:N/CvcAbHO
ここまでのヒント:テンポ がんばれ
→がんばります!
そして、そんな力の消失があり。
次に起こったのは、魔術師側のデモであった。
−−−"科学側の"アレイスターが、私達の文化を台無しにした。
そんなキャッチコピーが、魔術側の諸国で流行ったらしい。
それ以降、まだ科学側と
魔術側には小競り合いが続いている。
世界は、何も好くはならなかったのだ。
―――本当にいいのか。
あの時のアレイスターの言葉が蘇った。
10 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 10:57:14.98 ID:N/CvcAbHO
上条「だって、仕方ねえじゃねえか…。」
―――その幻想を殺したら。
風斬は、二度と姿を見せなくなった。
―――その幻想を殺したら。
一方通行が、昏睡状態に陥った。
―――その幻想を、殺したら。
堰を切ったように溢れ出した不幸が、神裂を襲った。
―――殺したら、殺したら、殺したら。
上条「くっ…あああああああァァァアアア!!!」
顔をぐしゃぐしゃにして、上条は1人吠えた。
それは夜が明けるまで続き、そんな夜を何回も続ける。
収まってはずっとふさぎ込み、またある時突然発狂する。
二年間、そんな生活が続いていた。
11 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 11:31:19.55 ID:N/CvcAbHO
☆
戦いの後、学園都市生の大半が学園の外へ出て、実家や親戚の家へ疎開した。
それは上条も例外でなく、彼の場合は療養のためと言われ、事情を知った例のカエル顔に寝床を提供してもらっていた。
かつてのlevel5に、超電磁砲の御坂美琴という少女がいる。
上条に特別な感情を抱く彼女は、そんな慣れない外での生活の中上条の元を頻繁に訪れていた。
12 :
名も無き被検体774号+:2010/12/08(水) 18:03:02.97 ID:N/CvcAbHO
彼女が努力で勝ち得たlevel5は、今や見る影もなく衰退している。昔であれば研究施設の1つや2つは動かせる程の電撃使い(エレクトロマスター)であった彼女も、あれ以来ようやく電子レンジを動かせるぐらいのものになってしまった。
もちろんそれは彼女自信残念に思っていが、それと同時にその悔しさは世界の想いを1人背負って苦渋の決断を下した1人の少年に押し付けていいものであるわけがない、とも思った。
そういうように、御坂美琴は今だって上条当麻の味方でいる。
インデックスもイギリスに帰ってしまった今、彼女くらいしか上条に寄り添ってやれる者は居なかった。
13 :
名も無き被検体774号+:2010/12/09(木) 17:15:00.97 ID:UkqouupU0
とても面白い
ここから世界がどうなるのか・・・
続き期待
14 :
名も無き被検体774号+:2010/12/09(木) 17:20:31.14 ID:BdFBYye+0
支援
15 :
名も無き被検体774号+:2010/12/09(木) 19:15:20.43 ID:vqimXq56O
誰得すぎて落ちるかと思ったら…
嬉しい支援ありがとです!
とにかく最後までやりきります
p(´ω;`q)
御坂「当麻ー?起きてるー?」
そして今日。とある春先の昼下がりも、彼女は上条の元を訪れていた。
何度も頻繁に訪れるため、御坂はすでに上条の家のスペアキーを預かっている。
鍵を開け中に入ると、まず湿気ったような臭いがした。また換気もせずに、と思いつつ御坂は片っ端から窓を開ける。
上条の家には家具や物が少ない。嗜好品や趣味の品も、上条はあの日以来まともに手にしてないように思う。
故にこの家は掃除が楽なのだが、いかんせんホコリが溜まる。
御坂はクローゼットの隅に畳んである小型の掃除機を取り出し、スイッチを入れると掃除を始めた。
もう、慣れたものだった。
16 :
名も無き被検体774号+:2010/12/09(木) 20:57:22.31 ID:vqimXq56O
☆
御坂「アンタまた痩せたんじゃないの?ちゃんとご飯食べてなきゃダメじゃない。」
上条「あ、あはは…。だよな、わりいな。美琴。」
上条がへたり込んだようにあぐらをかいているベッドの前にテーブルを出し、御坂はその上に料理を並べる。
下のリビングにはキッチンがあるから、そこで作ってきたのだろう。
一昔前なら、「こっ、ここここれってまさかもしかして同棲っぽい?!きゃああああ!きゃああああああ!?」とか思っていた御坂であったが。
御坂(また、泣いてたんだ…。)
今はもう、ただただ目の前の男が心配でならなかった。
17 :
名も無き被検体774号+:2010/12/10(金) 07:36:45.10 ID:LCEn3zduO
ゆっくりとした手つきで目前の昼食に手を着ける上条の目を盗み、御坂はちらりと部屋の中を流し見る。
ベッドの下に散乱した沢山の新聞紙。机の上のパソコンは付けっぱなしで、画面には学園都市に関するニュースサイトが表示されていた。
御坂は哀れむでもなく哀しむでもなく。
複雑な面持ちで目線を上条に移した。
上条はたどたどしく箸を動かし、昼食をつついている。今日は素麺と付け合わせの天麩羅だった。
御坂「どう?それなら食欲なくても入るんじゃない?」
上条「ああ…旨いよ。いつもいつも、ほんと、ありがとうな。」
18 :
名も無き被検体774号+:2010/12/10(金) 08:20:32.01 ID:aq7/xriuO
面白支援だよ!
19 :
名も無き被検体774号+:2010/12/10(金) 10:30:54.04 ID:LCEn3zduO
御坂「…いいの。アンタは…当麻は、やっぱり英雄よ。周りのヤツらは何も知らずに心無い事を言うけど、あの場に居た私達には―――」
かたん。
上条が箸を置く。
上条「俺は、英雄なんかじゃないよ。」
御坂「―――っ。でも」
上条「後で必ず食うからさ!…これ、冷蔵庫入れといてくれないか。」
弱々しく笑って言うと、上条は御坂の頭を優しく撫でる。
上条「ありがとうな、美琴。」
御坂「ぁ…。う、ん。」
こうされれば御坂は黙るしかない。
そしてこうすれば上条は、その話をしなくて済んだ。
それも、いつもの事だった。
20 :
名も無き被検体774号+:2010/12/10(金) 19:23:04.56 ID:LCEn3zduO
次の日。
御坂「や!」
上条「お前…。」
上条がドアを開けた先には、敬礼するように右手をかざし春の木漏れ日の中輝かしい笑顔で迎える御坂美琴がいた。
私服の御坂は年頃の女の子らしいフリルの白いワンピースに空色のデニムジャケットを羽織っている。
風が髪を揺らし、シャンプーの香りが上条の鼻腔をくすぐった。
寝ながらさるよけ
22 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 13:05:05.57 ID:pZyGsBDZO
支援するのである
23 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 13:18:27.39 ID:YRWiqvCd0
ところで Youtubeにつながらないぞ!!!!!!!
24 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 13:56:51.09 ID:/UXhelU5O
上条「お前、昨日も来てくれたじゃんか。…近いわけでも無いだろうに。無理、しなくていいんだぞ?」
こんな男の為に。
上条は心の中で続けるが、そんな胸中を知ってか知らずか御坂は答える。
御坂「だーから、今日はあたしがもう無理しないようにしにきたの!」
は?と聞き返す上条に、ほれ。と御坂が背後を指差す。
上条「すごい…荷物だな。」
25 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 14:01:04.78 ID:/UXhelU5O
荷物。しかしそれは大きなリュックとかナップサックとかの次元ではない。まるで夜逃げする一家の大黒柱が引いていくような大きな大きなトランクケース。
そんな大荷物に思わず上条は
上条「旅行、か…いいじゃないか。でも、気を付けて行って来いよ。」
と間抜けたコメントをするが、すると御坂は解ってたけどね、という面持ちをした。
御坂「まあー…アンタだもんね、言わなきゃわっかんないかあ」
やれやれとこめかみを押さえたかと思うと、御坂はビッと上条に指差しをして宣言する。
御坂「ぁ、あああたし、今日からアンタと一緒に暮らすから!よ…よろしくっ!」
と。大声で。
真っ赤になって。
26 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 17:16:01.59 ID:/UXhelU5O
☆
え?ええ!?と度肝を抜かれる上条を家の中に押し戻す要領で中に侵入した御坂は、「ちょ、持ってきて。」とケースを上条に担がせ、そのまま彼を率いてずけずけと二階に上がっていく。
上条「な、なあ。お前冗談だろ?良い年の女の子がこんな野郎と暮らすなんて…そうだ、大体親御さんには何て言ったんだ?愛娘がどこの馬の骨かもわからないようなのと同棲するなんてそうそう許すはずが―――。」
すらすらと喋る上条だったが、「そーれーなーらっ!」と突然振り向いた御坂に遮られる。
御坂「もう了承は取ったの。私達みんなアンタの事心配してんだから。
家族全員賛成してたわよ」
27 :
名も無き被検体774号+:2010/12/11(土) 18:34:35.74 ID:YCtFNvUE0
上条「そろそろ俺も本気を見せるときが来たようだな―――」
御坂「えっ」
上条「上条は仮の名、俺の真の名はまさよし」
御坂「えっ」
まさよし「教えてやるこれが、俺の能力《空気妊娠》だっ」
御坂「産ませてっ」
完
28 :
名も無き被検体774号+:2010/12/12(日) 02:01:56.08 ID:WzpjbHQhO
スレタイ関係ないけど面白いな
続き早くしろ
30 :
名も無き被検体774号+:2010/12/12(日) 08:36:24.95 ID:Y0qvgvM0O
御坂「むしろ家追い出されたわ、早く行ってやれって。
学園都市にいた私達からしたら、もう外の勉強なんてとっくに終わってるしね。今はもう学校行ってないし。
だからちゃんと時間もあるし。」
上条「そんな…だって、おまえ…」
上条はもうなんと言えばいいかわからず頭を掻きながらしばし逡巡する。
―――だって、そんなの良くないじゃないか。
31 :
名も無き被検体774号+:2010/12/12(日) 08:38:46.70 ID:Y0qvgvM0O
いくら学園都市が無くなったからって、いくら時間が有るからって、その時間の多くをこんな男のために使っていいわけが無い。
御坂美琴だって、普通なら恋に遊びに大忙しな時期だ。
街に一歩でも繰り出せば良い出会いの一つや二つ転がっているものだろうし、彼女にはそれらを享受する権利がある。
彼女から能力を奪ったのは上条だ。
その努力の結晶を一瞬にして無に返しただけに止まらず、彼女の青春まで奪う訳にはいかない。それに、大体――。
美琴「え?私の青春がなに?」
上条「へ?」
ふいにかけられたら御坂の声で思考が中断される。
口から勝手に出てしまっていたのか、そう考え上条は少し恥ずかしく思う。
32 :
名も無き被検体774号+:2010/12/13(月) 07:42:56.73 ID:pNFbaYQLO
御坂「っていうかさ…。」
上条「―――。って、え?え?!」
廊下にトランクケースを下ろした上条に、御坂はずいっと一歩迫った。
御坂「いい加減。あたしの気持ち、解ってんでしょ?」
僅かに潤む瞳。朱くなった頬。
その表情は、もうただの友人や先輩に見せるものではない。
上条にでも解る。
御坂「アンタだからこんな事するの。
アンタだから心配なの…。
あたしは、ずっとずっと前から…当麻のこと見てたんだから…。」
消え入ってしまいそうになる声。
それを御坂は一生懸命に紡いだ。
33 :
名も無き被検体774号+:2010/12/13(月) 07:44:40.37 ID:pNFbaYQLO
あの戦いが終わり、初めて御坂が上条の元を訪れた時。
昔以上に溌剌とした御坂を見て、変わったなと上条は思ったのだった。
ふと見せる憂い。太陽に雲がかかった様なわずかな暗転。
それが消え、一点の陰もない天真爛漫な少女となった御坂に、上条は少なからず救われていた。
自分を殺さず、たとえ生きることそれ自体が辛くても、もう何も好くは出来ないと解っていても。それでも上条が生きていられたのは。
知らず知らずのうちに、彼女のようになりたいと思ったからなのかもしれない。
上条「俺だって、好きだ。」
上条「だけど今の俺じゃ、応えてやれない」
頑張れ
果てしない1000を目指して
35 :
名も無き被検体774号+:2010/12/13(月) 19:33:41.58 ID:pNFbaYQLO
こんな自分では、彼女を一生守るなんて到底無理だ。
だから。
上条「もし俺がまた強くなれたら…その時、もしまだ美琴がおなじ気持ちで居てくれたなら。
その時は俺も、美琴と結ばれたい。」
御坂「当麻…。」
互いの告白。
そして沈黙。
上条は間違った答えを出したつもりは無い。
少なくとも、ここで見栄を切って堕落した自分のまま御坂を受け入れた所で、彼女の人生を荒んだものにさせてしまうのは明白だった。
支援である
37 :
名も無き被検体774号+:2010/12/14(火) 07:27:09.17 ID:LViUMrrqO
しかしそれでも、こんなイベントに縁の無かった上条としては落ち着けない。
上条(ど、どないしましょう。この空気…。)
俯いて、いつも以上に女の子らしくかつしおらしくなっている御坂を前にそろそろ穴という穴から脂汗が滲んでくる上条だったが
御坂「―――まあ、でもそれとこれは別の話って事で!」
と、突然面を上げて言い放たれた言葉に唖然とした。
にかっと咲いたような笑顔が目の前にある。それはもちろん、御坂のものだ。
上条「えっ…、え?あのー…それは、どういう?」
御坂「まっ、アンタが恋愛どころじゃないってのは最初から百も承知だったわよ。
当たり前よね、あたしはアンタの事ずっと見てきたんだもん。
何て返されるかさえ検討つくわよ。」
38 :
名も無き被検体774号+:2010/12/14(火) 07:28:40.47 ID:LViUMrrqO
御坂「だからハナから待つつもりでいたの。
フられるの覚悟だったって事。
―――だけど、恋人として居座るのが無理でも、あたしは保護者として!ここに住まうからね!」
ビシィッ!と指を指して一通りまくしたてた御坂。
そして上条の反応を待つまでもなく踵を返すと、
御坂「この家、確か空き部屋二つくらいあったよね?どっちか借りるわよー」
そう言って廊下を進む。
そして事態は上条を取り残したまま、奇妙な同棲生活編へと進行するのであった。
39 :
名も無き被検体774号+:2010/12/14(火) 11:35:33.74 ID:zvIR9ceLO
どんどん書きたまえ
40 :
名も無き被検体774号+:2010/12/14(火) 23:42:44.35 ID:LViUMrrqO
御坂「ひゃー。ほんっとスッカラカンなのね。広いのに勿体無いなあ」
空き部屋に入ると、御坂はまず第一にそう言った。
御坂「ここ、美琴センセの拠点でいい?」
上条「ん…ああ、別に使って無いしな。全然構わないよ」
「よしゃっ」と小さくガッツポーズをすると、御坂は上条から受け取ったトランクケースを広げ出す。
上条「何してるんだ?まだ家具はないから…」
それを見て言う上条だったが、
御坂「自分ちの事把握してないの?ほんとに空き部屋は使って無かったのねー。
ほら、クローゼットならあるでしょ。
色々買い込んでくる前に服仕舞っちゃおうと思って。」
それに、と続け御坂はトランクケースから何か小さな物を出した。
41 :
名も無き被検体774号+:2010/12/14(火) 23:45:15.79 ID:LViUMrrqO
上条「カメラ?」
御坂「そうカメラ。」
御坂の手には学園都市で購入したであろうデジカメが握られていた。
御坂「これをねー」
御坂はトランクケースを再び閉め、縦に立てるとその上にカメラを置いた。
そして何やらカメラの操作をした後に、バタバタと上条の方へ寄ってきた。
御坂「セルフタイマー!ほら、笑わなきゃ!」
上条「えっ?あ、おう…」パシャ
御坂「ちゃんと笑えたー?」
けらけらと笑いつつ、御坂はデジカメのほうに駆け寄って手に取ると、画面を見つめてまた幸せそうに微笑む。
42 :
ハードM ◆HardM.jTT. :2010/12/14(火) 23:49:10.86 ID:zFNWbP9V0 BE:1730249647-2BP(1201) 株優プチ(news4viptasu)
!vip2:stop:
「つまらない・おもしろい 関係なく、SSなんだろ?」
---
見習い戦士のふつうの攻撃
MP375使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ (スレのダメージ 0)
このスレは1回目のダメージを受けた (150/249)
43 :
ハードM ◆HardM.jTT. :2010/12/14(火) 23:51:02.85 ID:OauHUwKgP BE:1009093436-2BP(1063)
!vip2:stop:
まじ勘弁
---
見習い戦士のふつうの攻撃
MP309使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ (スレのダメージ 150)
このスレは2回目のダメージを受けた (300/748)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは3回目のダメージを受けた (450/748)
44 :
名も無き被検体774号+:2010/12/15(水) 07:35:32.87 ID:LzrUeHtiO
上条「なんか、照れるな…。」
なんだかさっきの騒動とは矛盾して新婚さんのような事をしているな、と思いつつも、人の好意に触れる温かさを振り払えない。
御坂「…そうだね。でも、いいでしよ。こーゆーの。」
上条「ああ、何だか凄く懐かしい気がする。」
誰しもが根本に持つ、人としての温かさ。そんな人達の作る、温かい世界。
動騒や戦乱もそれはあった。
しかしそれにも何か理由があって、一人一人の想いがあって、それが衝突しただけだった。
その想いといつも正面からぶつかって来たのは上条だ。
多様な人間と接し、関わって来た上条には、この2年間の空白はあまりに孤独なものだった。
45 :
名も無き被検体774号+:2010/12/16(木) 07:46:37.67 ID:zCcGyiaDO
上条(…。)
しかし、見落としていた。
上条の側には、いつだって御坂が居てくれたじゃないか。
☆
御坂「お昼は?」
一通りの衣服を片付け終わった頃、ふと御坂が問うた。時間は昼下がり、二時を回っていた。
上条「そういえば、まだだな。」
1日一食か良くて二食が習慣になっていた上条は、昼食をよく抜かす。
そんな上条に御坂はうーんとひとつ唸るが
御坂「じゃーさ、どっか食べにいこっか!」
そう御坂が提案し、二人は外に出ることにした。
46 :
名も無き被検体774号+:2010/12/16(木) 07:55:18.99 ID:zCcGyiaDO
☆
上条「…」
御坂「ん…どうかした?」
玄関を出て一歩外に踏み出した途端、呆けた顔で固まる上条の顔を御坂は覗き込む。が、上条はまったく別の事を思っていた。
―――日差しとはこんなにも眩しかったのか。
―――風の運ぶ匂いとは、こんなにも雑多なものだったのか。
―――空はこんなにも広く、青かったのか。
そういえばめったに外になど出ていなかった上条には、外界がとても新鮮に感じられた。
47 :
名も無き被検体774号+:2010/12/16(木) 10:25:59.10 ID:zCcGyiaDO
御坂「晴れてるね。」
そして隣に、この少女がいる。
こんな綺麗な空の下に、自分を愛してくれる人さえもいる。
―――なんて素晴らしい世界なのか。
気付くと頬を、つう、と一筋の雫が走っていた。
泣きはらした上条に残された、少しの涙のように思えた。
御坂「ほら。」
それが地面へ落ちる瞬間、救いの手を差し伸べたのは御坂。
御坂「いこ?」
涙を掬った手が、次は上条へ向けられる。
上条「…ありがとな、美琴。」
手を取り、二人は街へ向かう。
二人の上空には、先を行くように羽ばたく小鳥が二羽飛んでいる。
48 :
名も無き被検体774号+:2010/12/16(木) 20:53:17.66 ID:t7M8sX5vO
読んでますよ〜
支援
50 :
名も無き被検体774号+:2010/12/18(土) 00:34:22.79 ID:IMftxko3O
月並みなレストランで月並みな食事をする。
学園都市で出たものに比べれば幾分かクオリティに欠ける様に思ってしまうのが学園都市生の性というものであるが、上条が取った御坂との外の食事は十二分以上に楽しかった。
心を許し、互いの言葉に耳を貸し。
笑い合いながら取る昼食がこんなにも美味いものだったとは。
☆
御坂「さーて!したら、次はたくさん買い込むわよー!」
レストランから出ると、ぐっと伸びをする御坂。
上条「買い込む…って?」
御坂「って…?て、そりゃ家具でしょ、家具。」
ああ、と、上条は間の抜けたような顔をする。
そういえば御坂の部屋はもともと空き部屋なのだ。
ベッドすら無いのだから、そりゃ必要だろう。
上条は自分が昔風呂場を寝床にしていた事も棚におき納得した。
51 :
名も無き被検体774号+:2010/12/18(土) 19:29:41.65 ID:/RlI8hxY0
私。支援しようと思う。
52 :
名も無き被検体774号+:2010/12/19(日) 12:51:56.46 ID:XwcBJMQB0
支援。期待してるぜ!
支援したい。頑張ってください。
支援。待ってるぞ
支援
私怨
57 :
名も無き被検体774号+:2010/12/20(月) 07:22:59.06 ID:y11B/Rx40
支援してみる。
58 :
名も無き被検体774号+:2010/12/20(月) 21:04:21.59 ID:qFh0JNNC0
>>1が帰ってこない、とミサカは主のいなくなったスレでうなだれます。
59 :
名も無き被検体774号+:2010/12/21(火) 23:57:48.41 ID:gtiP/hfPO
☆
とあるお値段以上のニ○リにて。
ミサカ14782「らしゃらせー…と、あらあら。」
御坂「あっ…アンタ!」
お値段以上の門をくぐった先に待ち構えていたのは20,000人ぶんの1の妹。
上条「え、えっと…。」
誰の時であってもそうだったが、基本的に昔の友人に会うと上条は例の罪悪感に苛まれた。
それは例えどんなに上条と関わりの中ったナンバーのミサカが相手であっても同じだった。
が、そんな事までは一介ミサカでも解らないようで。
ミサカ14782「あ。そっか。あなたの心中はだいぶ前に他のミサカ達を通して把握しています。とミサカはあなたに気を遣います」
他のミサカを通して…といっても、もうミサカネットワークは使い物にならないので恐らくら手近な連絡手段での通信なのだろうが。
ミサカ14782「しかしご安心を。私はあなたと実質的な接点を持ったことはこれが最初ですし、あの戦いでも私は戦線を外れていましたので。」
ミサカ14782「なんとも思ってませんよ。いやマジで」
60 :
名も無き被検体774号+:2010/12/21(火) 23:59:59.62 ID:gtiP/hfPO
遅れてすみません;1です;
少し流行りに外れた形でインフルエンザでした。今から遅れたぶんを取り戻したく思います。
支援して下さっている方々、本当にありがとうございます!!
61 :
名も無き被検体774号+:2010/12/22(水) 00:15:45.86 ID:4kOqmq400
おかえりなんだよ!
62 :
名も無き被検体774号+:2010/12/22(水) 00:22:46.38 ID:SXm6y5x/0
おかえりー‼
63 :
名も無き被検体774号+:2010/12/22(水) 08:32:23.81 ID:lEYZkKK2O
そして手元のレジをカチャカチャといじりつつミサカ14782号は続ける。
ミサカ14782「てゆーかぶっちゃけ、私には英雄であるあなたがなぜにそこまで思い悩んじゃって挙げ句まるまる2年も老廃物製造機をやってるのか。
理解できても納得に難い節があります。とミサカはついに毒を吐いてしまいます。」
上条は目線を伏せ、それを見かねた御坂は妹に食らいつく。
御坂「ちょ、ちょっと!そんな言い方―――」
が。
ミサカ14782「―――"も"。出来るようになったんですよ。私達は。
―――上条当麻。あなたのおかげで」
上条「え…?」
ミサカ14782「…今や私達には20000通りの個性があります。
もちろん、冥土返し(ヘブンキャンセラ)氏の設備による肉体の修正は現在でも時々行っていますので…。
外見に関して20000通りの明確な個性を作り出すのは少し難しいものがありますが。」
それでも、とつぶやくとミサカ14782号は動く指先をぴたりと止めて上条を見据え
ミサカ14782「あなたがアレイスターの統制を打ち破ったおかげで、私達にはさらに豊かな感情や精神を持つ権利が与えられました。」
ミサカ14782「実は…私は。あの戦いが終わるまでは、とても堅固で模範的な思考システムをインストールされていました。―――それこそ、さっきのような毒など吐くはずもない程に。」
64 :
名も無き被検体774号+:2010/12/22(水) 08:42:37.32 ID:lEYZkKK2O
ミサカ14782「レベル6事件の時。私達は自我や個性、命の尊さをあなたに教わりました。」
ミサカ14782「そして今、私達はさらにあなたの手によってその自我や個性を手に入れ始めた。」
上条は気付く。
彼女はもうあのいかついゴーグルをしていないし、彼女の瞳も、あの瞳孔が開いたままのような虚ろな色はしていない事。
可愛い髪飾りで髪も結っているし、髪の隙間からは女の子らしいイヤリングが覗いた。
―――そして、何より。
ここの店員なのであろうミサカ14782号の胸にある名札には、【御堂ことね】という見慣れない名前があった。
65 :
名も無き被検体774号+:2010/12/22(水) 08:59:39.16 ID:lEYZkKK2O
その視線に気付いたのか、ミサカ14782号―――もとい、御堂ことねは嬉しそうに微笑んで言う。
御堂ことね「一人一人名前もあるんですよ?
お姉様の文字を貰いたがるシスターズは多いので…この名前も一体何人と被っているか解りませんが…。」
御堂ことね「第2の人生です。一人の人間として。御堂ことねとしての、私だけの人生を今歩めている。
それは間違いなくあなたのおかげなんですよ。」
そして御堂ことねは最後に、
御堂ことね「私達に人生を与えてくれた事。本当に感謝しています。
―――ありがとう。」
そう言うと、深く深く頭を下げる。
上条は涙が出そうになるのを必死で堪えた。
良かった。
良かったのだ。
現に彼女はこんなにも真っ直ぐに生きている。
ここにきて初めて、上条は自分の成した事を肯定できた。
保守
67 :
名も無き被検体774号+:2010/12/23(木) 16:14:07.31 ID:zFgUmi8NO
上条「なあ、よしてくれよ、俺…こんな、慣れてなくてさ…」
御堂ことね「はい。だから湿っぽいのはこれでおわりです」
腰は折ったままで、頭だけを上条の方へ向けた彼女の顔はいたずらっ子のような笑みをしていた。
御堂ことね「どうやら今はお姉様ともお熱のようですし」
御坂「ッ!?ちょっ、からかわないでよ!」ボッ
御堂ことねのからかいに真っ先に反応したのは御坂だった。
御堂ことね「私と話しに来たわけでも無いでしょう?店内、案内しますよ。ご新婚さん。」
支援
69 :
名も無き被検体774号+:2010/12/25(土) 01:30:45.23 ID:tYvs2bZF0
ほしゅ
70 :
名も無き被検体774号+:2010/12/25(土) 01:44:13.95 ID:9tR9FynY0
ksk
71 :
名も無き被検体774号+:2010/12/25(土) 08:37:19.13 ID:hycTPvkP0
支援
72 :
名も無き被検体774号+:2010/12/25(土) 22:04:54.04 ID:vQuMGeInO
☆
御堂ことねの案内で一通りの日用品コーナーはスムーズに回ることができた。
彼女の対応は始終丁寧かつ的確で、長くそこに勤めている事がうかがえた。
最近の春はまだ冷える。五時を過ぎて、日も入り始める。
夜明けのような眩しい夕方に、長い影が2つ帰りの道で揺れていた。
御坂「にしても良かったわー、本当にお値段以上なのね!あの子のお陰ですぐに済んだし、荷物はほとんど郵送してくれるって言うし。」
御坂の腕の中には小さな花の植えられた鉢が抱かれていた。
その花がなんというのかはわからない。
とにかく、この買い物で得た手持ちの荷物はそれだけだ。
がんばれ〜
74 :
名も無き被検体774号+:2010/12/26(日) 09:29:45.40 ID:iRpg3D7jO
御坂「それにしても…。
あの子、生き生きしてたね。」
上条「…ああ。」
それきり、2人の間に会話は無い。
ただ確かに2人は今日という日を認め合っていて、それは今日という日が素晴らしかったという事だ。
たかが偶然である事に変わりはない。
誰も予感してこの出会いがあった訳ではない。
しかしそんな偶然に必然性を感じられる。
ちょっとした気まぐれを起こしていれば起こり得なかった邂逅。
そんな脆くちっぽけで、しかし運命的な偶然(げんそう)は、未だ上条の右手に宿る幻想殺し(イマジンブレイカー)でも打ち消せなかった。
帰り道の小鳥たちは木陰に隠れ、互いの羽をついばむ。
とある外の街を夜が包もうとしていた。
75 :
名も無き被検体774号+:2010/12/26(日) 09:43:16.79 ID:iRpg3D7jO
☆
帰り道、スーパーに立ち寄って手早く食材を買い揃えた。
上条はここ二年程自炊はしていないものの、学園都市にいた頃はそれはそれは貧相な節約生活をしていた身であり、料理はまあまあ達者なものだった。
そういう事もあって、夕食はリハビリも兼ね御坂と2人でカレーを作ろうという事になった。
のだが。
御坂「なんだあ、全然手際良いじゃん。」
上条「はは…。やっぱ、身体が覚えてるもんなんだな。」
包丁をさばく上条の手つきはスムーズで、かつ繊細であった。
刻まれる食材は均等な細さに、乱れの無い切り口で切断されていく。
上条「そういえば、インデックスがすごい大食らいだったんだよな。
…だから何でもかんでももやし入れたりなんかして、かさ増ししたりしてさ…。大変だったな」
御坂「懐かしいなあ。あの子、イギリスでも食い倒れやってるのかな。」
上条「ステイルが尻の下で食料調達やってんだから、大丈夫だろ」
御坂「すている…って、あの馬鹿でかい神父だっけ?あれが尻に敷かれるクチかしら?」
上条「ロリコンだからな」
御坂「うげっ」
上条「でもあいつ二年前は14歳だったんだぜ」
御坂「ええっ!?」
2人は他愛も無い話をしつつ調理を進めた。
76 :
名も無き被検体774号+:2010/12/26(日) 09:45:15.34 ID:iRpg3D7jO
>>75 「食い倒れ」じゃないですね「行き倒れ」ですね
失礼しましたm(_ _)m
保守
ほ
79 :
名も無き被検体774号+:2010/12/26(日) 21:22:33.75 ID:iRpg3D7jO
上条「なんてゆーか、外人は発育が違うのな」トントン
御坂「悪く捉えれば老けも早い訳だけどねえ」ピピッ
あ、レンジ。と呟くと御坂は電子レンジを開ける。
中ではほくほくと、アルミに包まれたジャガイモが湯気を漏らしていた。
上条「どう?かたい?」
御坂「んーよさげ」サクッ
ジャガイモに竹串を刺しつつ御坂が答えた。
上条「じゃ一通り煮込みますか」ドボドボ
御坂「タイマーかけて…20分と。
んー、ちょっと暇になるね…。あっ」
と、なにやら御坂は買い物袋の中を探り出すと。
上条「ん?どした。」
御坂「じゃーん」
と、御坂が握るのは2つの缶。
御坂「お酒。買ってみちゃった。」
がんばれ
82 :
名も無き被検体774号+:2010/12/27(月) 12:21:15.40 ID:h49/y8rIO
上条「お前…いつからそんなやんちゃになったんだ」
御坂「いーじゃんいーじゃん、今日はお祝いって事でさ!特別!」
酒と言ってもジュースのようなチューハイだ。度もさして高いような気もしない。
御坂「はい!」
上条「じゃまあ…未成年だからちょっとだけな」プシッ
リンゴのフレーバーを受け取った上条はそれを口に含んでみる。
高校時代、土御門たちとノリで飲んだりはあったがあまり慣れてはいなかったが。
喉の奥に焼きつく様な熱。身体が心なしか熱くなる。
特有のアルコール臭が鼻孔にへばりつくのが解る。
御坂「ねえ、当麻。」
上条「ん…?」
桃のフレーバーを手に持った御坂は、どれ程飲んだのか解らないが心なしか頬が赤い。
御坂「今日1日、どうだった?」
83 :
名も無き被検体774号+:2010/12/28(火) 01:36:48.32 ID:xciaW9/dO
上条「ん…。とにかく、色んな意味で衝撃的だったな」
上条「お前がいきなり告白してくるし…久々に遠出したし…それに意外な出会いもあった。」
上条「それのお陰で、だいぶ救われた。」
上条はもう一口チューハイを含む。
上条「いや…。美琴のおかげ、か。
お前が俺を引っ張ってくれたおかげで、俺はようやく外に目を向けられたよ」
熱いものが胸元に滲む。それは広がって、心地よい恍惚感に変わる。
上条「―――結局。自分を責めて、同じ事を繰り返すように考えて。
それで戦った気になってたんだ。」
上条「もう間違えるのも空回るのも怖くて、だから色んな事をただ悔やんで、何も正そうとしてなかった。」
保守
おもしろいから早く続きを
86 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 01:45:44.54 ID:qbe5AgxIO
上条「正したい。今はただただ、自分に出来ることを一つずつやっていきたいと思う…。
それこそ、一生かかったっていい。」
御坂の視界に、二年前の、あの頃の上条当麻の面影が揺らぐ。
そうだ。
御坂は、この男の、こういう所に惚れたんじゃないか。
―――だとしたら。
応えるべきは一つだろう。
御坂「ついていくよ。」
御坂「何年かかっても、何十年かかっても。」
ぴぴ、と、タイマーが鳴った。しかしそんな無粋が2人の耳に届く事は無さそうだ。
御坂「それこそ一生かかるなら、あたしの一生を当麻にあげる。」
だから。そう続けると、御坂はひしと優しく上条を抱く。
御坂「がんばろ。一つ一つ、出来ることから。」
上条がどんな表情をしているか解らない。
しかしふるりと震えた彼の肩を、絶対に離してなるものかと御坂は固く思った。
87 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 04:20:34.13 ID:DkPWFHL90
期待してます
88 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 09:37:53.20 ID:/HO2/zbQ0
続き待ってます。
89 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 16:48:28.86 ID:f216FtLt0
これは気になる
90 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 20:31:14.53 ID:qbe5AgxIO
☆
完全に日が没し、黒の天井に星が飛沫く。
いつもは暗く電気が落ちていた上条宅の一階も、今日は家庭的な柔らかい光が灯っていた。
夕食を2人で取った後、上条は率先して食卓を片付けに回った。御坂には先に風呂を勧めた。
とにかく今日からはしっかりと食べ、動き、眠る。
自分自身の生活にメリハリを付けようと思った。
そして明日から何か動きを見せたい。
小さな事でもいいから、何か具体的な事―――。
風斬の事。
一方通行の事。
神裂の事。
それにもしかしたら、上条が認知していないだけで実はもっと多くの二次被害が出ているのかもしれない。
何から、どうやって手を着けていいか。
学者でも何でもない上条には解らない。
解らないが、全てに共通してまず第一歩とすべき目標なら、上条は漠然と見いだす事ができた。
―――学園都市。
今は殆どの機能を失ったとされる科学の街。
91 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 20:44:58.75 ID:qbe5AgxIO
ニュースサイトを毎日確認しても、学園都市に関する情報は大したものが無い。
BBSにも憶測や推量の域を出ない噂話があふれるばかりで、事の顛末を知る上条が見ればその信憑性の程度は知れた。
現在でも、日本の人工衛星を所有・管理しているのは学園都市だ。
さらに二年前の出来事があってからというもの、学園都市は出入りに関する警備を強化しているらしく、とにかく情報の封鎖に関して徹底的になっている様だった。
理由は明白だ。
アレイスターが消滅してから、事実上学園都市には統治者として君臨するに足る人材が居なくなり、そのためどうにか理事会の寄せ集めメンバーが学園都市をギリギリで運営している状況で、それを諸外国に悟られるのを恐れているのだ。
正直、アレイスターという権威が失脚した時点で学園都市の大幅な衰退は悟られざるを得ないというものだが、それでも尚悪あがきに精を出すのは理事会なりの見栄ゆえだろう。
と、それぐらいの事しか上条には解っていない。
92 :
名も無き被検体774号+:2010/12/29(水) 23:22:40.77 ID:/HO2/zbQ0
期待
93 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 00:58:56.22 ID:etFf1PgG0
原作よりこっちの設定の方がおもしれーな
94 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 01:34:16.20 ID:R5o56uqRO
上条はテーブルの上に布巾を走らせつつ思う。
―――まだIDは持っている。
出入りに関してシビアになっているとはいえ、元々が学園都市生となればまだ話は変わって来るはずだ。
今の学園都市の本当の姿が知りたい。
あの事件から二年。統治者を失った学園都市が一体どうなっているのか。
布巾を走らせる手が止まった。
上条「…行ってみるか。」
つぶやくと布巾を丸めて溜まったごみを包み、上条はキッチンへ戻った。
95 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 10:31:37.22 ID:R5o56uqRO
御坂「当麻ー、お風呂上がったよー」
その時、入浴を終えた御坂がリビングにやってきた。
今日スーパーでついでに買ってきたコンディショナーの香りを漂わせ、髪はしっとり濡れている。
そんな御坂に上条は反射的に応える。
上条「ん、おう。お疲れさん」
御坂「お疲れさんって、何よそれ」
ちょっと部屋行ってくるね、と言うと、けらけら笑いながら二階に上がって行く。
花柄の可愛らしいパジャマについたフリルが緩やかに上下していた。
上条は表情に若干の安堵の色を見せる。
本人には絶対に言わないが、今の御坂はどこからどう見ても一般人そのものだった。
能力の衰退は勿論の事、学園都市に居たときのような張り詰めた感が無い。
先でも述べた様に、彼女の中の靄はもう晴れたのだ。
上条(…美琴を学園都市には連れていけない。)
どうなっているのか想像もつかない学園都市に、ほぼ無力の女の子を連れて行く訳にはいかないだろう。
上条は己の右手を見つめた。
幸なのか、不幸なのか。
そこには皮肉にも残った幻想殺し(イマジンブレイカー)がある。
96 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 15:57:55.42 ID:IFPDEDh+0
おもろいので支援
97 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 16:25:42.27 ID:392QetcxO
ほ
98 :
名も無き被検体774号+:2010/12/30(木) 18:13:26.34 ID:R5o56uqRO
もし何かあっても、これがあれば太刀打ちが出来るかもしれない。
それは単純な戦闘においての事だけでなく―――もしかしたら、何か交渉になった時のカードとして使えるのではないか。
そう漠然と考えた。
御坂「とーまー!かけ布団もっとないー!?」
と、そこに御坂の声が飛んでくる。階段の上からのものだ。
上条「俺の部屋にあるの持ってけー!」
御坂「わかったー!」
春先と言っても冬の延長だ。まだ当分は冷える。
御坂がパタパタと廊下を走る音を聞き上条はまた後片付けに戻ろうとしたが、何やら一度遠ざかった音が近づいて来てそれがやがて階段を下りる音に変わると、階段からひょこりと御坂が顔を出した。
上条「どした?」
御坂「あの…んとさ、後でさ…」
何故だか歯切れが悪い。
上条「後…で?」
御坂「部屋、行っていい?…そっちの。」
101
まだ残ってたのか
保守
104 :
名も無き被検体774号+:2010/12/31(金) 18:54:45.44 ID:0qPzvtSwO
上条「」
御坂の頬は赤く目線も定かでない。御坂が部屋に来る事などいつもの事ではないかと思う一方、一体何なのだろうこのただならぬエロチシズムはとよからぬ方向に思考が走る。
御坂「ダメ?」
上条「いやそのあのダメって事はn」
御坂「じ じゃあ後でね!」
返事を聞き終わるまでもなく御坂は慌ただしく引き返してしまう。
残された上条は絶妙なテンションを持て余したまま風呂へ向かった。
105 :
名も無き被検体774号+:2010/12/31(金) 19:08:48.46 ID:0qPzvtSwO
☆
こういう事があると否が応でも念入りに身体を洗ってしまうのは男の性というものであり、それは引き篭もりであってもまだまだ盛りである上条にしたって例外ではない。
一通りの工程を終え風呂から上がると、バスタオルをひと巻きしてとりあえずリビングに出た。
先から心臓は有る意味自然なほど不自然に脈打ちよく喉が乾く。
上条はおもむろに冷蔵庫を開け牛乳を取り出すと無意識にパックごと飲みだし途中でむせて鼻から白濁液を出す羽目になりそこでようやく冷静になり始める。
上条「…いやいや落ち着けよ童貞。
まだ解らないだろ?そうと決まった訳じゃないだろ…?だいたい―――。」
バスタオル一枚を巻いたままという事にも気付かないまま、ぶつぶつと呟きながら階段を上がって部屋に戻る。
上条(そうだ寝よう。もう寝てしまおう。今日は疲れてたし寝ちまってても不自然じゃないし。うんおkこれでいこう。)
と、結局何も冷静でない素人童貞上条はそのままベッドにダイブした。
がんばれ〜
期待
108 :
名も無き被検体774号+:2011/01/01(土) 15:50:34.40 ID:mr+jSUBC0
期待。
ほしゅ
110 :
名も無き被検体774号+:2011/01/02(日) 03:52:53.28 ID:Z9cT42iz0
ほしゅ
111 :
名も無き被検体774号+:2011/01/02(日) 06:33:29.51 ID:2MSy7JOBO
あけおめほしゅ
112 :
名も無き被検体774号+:2011/01/02(日) 08:52:18.84 ID:iulgwaz+0
113 :
名も無き被検体774号+:2011/01/02(日) 12:54:01.96 ID:sinncd6uO
―――返してよ。
どこからか、自分を責めるように降りかかる声。
―――返してよ、返してよ。
一人二人と、また違う声が増えてゆく。
上条の胸の中に、黒々とした粘着質の物体が広がり始める。
―――返してよ。返してよ。返してよ。
声は増え続け、やがて上条の脳に満ちていく。
114 :
名も無き被検体774号+:2011/01/03(月) 01:50:43.95 ID:Yd70jJZB0
む
頑張るな 保守
保守
頑張れ
保守しておこう
119 :
名も無き被検体774号+:2011/01/05(水) 00:25:02.34 ID:KcgOgQs00
早く読みてーよ
120 :
名も無き被検体774号+:2011/01/05(水) 01:38:48.71 ID:R5OFeAXT0
ほ
もうすぐで1ヶ月だな
122 :
1:2011/01/05(水) 19:10:54.78 ID:QMka9Rxn0
すみません、1です;あけましておめでとうございます。
里帰りしていたらもしもしが規制されてしまいまして・・・(;Д;
今日戻ってまいりました、保守していただいていました方々には心より感謝させていただきます
これからはPCのほうからの投下になります。
風斬「あなたのせいだ。」
どろどろとした黒い沼の中から、目を血走らせた風斬が腕を伸ばしてくる。
一方通行「殺してやンよ。同じメに遭わしてやンよォ…!」
さらには一方通行が。神裂が。
神裂「この不幸も何もかも」
沢山の腕が上条に迫る。気付けば見たことも無い誰かも、上条に憎しみの眼差し
を向けている。
そんな彼らは、口々に、また声を合わせ言う。
風斬・一方通行・神裂「―――すべて、おまえのせいだ」
―――ッ!!
☆
―――ま。―――ま、
上条(やめろ、やめてくれ。)
―――て、―――めを―――て!
上条(もうほっといてくれ…もうわかったから、悪かったから…!)
―――とうま、とうま…!
上条(来るな、来るな…!)
御坂「―――当麻っ!」ゴツンッ
上条「ぎ―――っ!?」
ごうんと上条の額から鈍い痛みが広がる。
御坂・上条「たあああああああっ!?いっっったあああ!!」
飛び起きた上条の額と、上条の体を揺さぶって大いに助走をつけた御坂の額がごっつんこした。
そしてそれにより夜の上条宅から轟いた悲鳴は、7軒先の藤本さんちまで聞こえたらしい。
123 :
1:2011/01/05(水) 19:30:56.32 ID:QMka9Rxn0
☆
御坂「たああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・。」
上条「くぅうううううう・・・・・。」
二人ともあまりの鈍痛に額を抑え、御坂は可愛いパジャマ姿のまま床の上で転がり悶え、上条はというと必死に枕へ額をこすり付けていた。
御坂「ちょ・・・ちょっとぉ、うなされてると思ったらいきなり何なのよぉ・・・」
上条「わ、わりぃ・・・。」
額を抑えながら這い上がるようにベッドへ上ってきた御坂。
御坂「っていうか、先に寝ちゃったのね・・・。まぁ、仕方ないとは思うけど。」
ちょっと寂しそうな顔をしてうつむく御坂に、思わず上条は罪悪感を覚えてしまう。
そんなどこまでも煮え切らない男上条であるから、彼は咄嗟にフォローに回る。
上条「いや、これはホント、ちょっと休もうと思っただけなんだって!そしたらついウトウトしちゃっただけで・・・あ、ほらそれが証拠に。」
上条は何やら「これこれ」と自分の下半身を指さす。
御坂がゆっくりその指先へ視線を移すと、そこにはタオル一枚で隠された上条の下半身がある。
上条「ほら、まだ着替えてもいないって事はまだ本当に寝ようとしてたわけじゃなく―――。」
と、上条が身振り手振りを交え弁解をしていたその時。
ぱすっ。
乾いた音がし、御坂の視界を何かが覆う。
御坂がそれを振り払うと、目の前にはそり立つ棒状の何かと、それと御坂の顔を交互に見比べながら脂汗をたらす童貞がいる。
上条の必死なジェスチャーは、勢い余ってバスタオルを引っぺがしていた。
上条「や、そのね、これはね・・・」
上条が必死で何か言おうとするも、御坂は免疫があるわけでもない男のアレだからといって昔のような反応はできまいと思いつつも
しかしここでもし恋人同士ならばどう振る舞うのだろうとかまた1つ余計な思考を挟んでしまった事により、見たことのない海洋生物を発見した時のような彼女自身初めてしたであろう何とも言えない表情のまま固まっていて返事がない。
そんな彼女が必死で次のリアクションを考えていた矢先。
上条「寝てるとね、やっぱちょっとね、元気になっちゃうっていうかね男のコだからnぶるぉおおおおおおおごめんなさいっ!」
なんも上手い事の言えない上条の顔面に、電撃でも噛みつきでもなくただ単純な鉄拳が突き刺さった。
124 :
名も無き被検体774号+:2011/01/05(水) 20:03:36.70 ID:OMgW/OGh0
125 :
名も無き被検体774号+:2011/01/06(木) 01:52:59.94 ID:+VixLeIP0
ほほしゅ
127 :
名も無き被検体774号+:2011/01/06(木) 14:21:37.51 ID:lFI0EQmz0
バリバリ
128 :
名も無き被検体774号+:2011/01/06(木) 14:49:19.05 ID:3a/KY3K+I
よかった、生きてた
129 :
名も無き被検体774号+:2011/01/06(木) 21:51:13.17 ID:aQSN4elF0
130 :
1:2011/01/06(木) 22:06:33.43 ID:KQeCG+/Y0
体の芯を打ち抜かれたような痛みに再び悶える上条の下半身へ静かにバスタオルを被せ、御坂は震える声で言う。
御坂「ほんっっっと、アンタはちょーっとしんなりしたかなと思ったらこれなんだから・・・!」
上条「い、いったい何のことでせう・・・ひぃっ!?」ボフンッ
食い下がろうとする上条の言葉をベッドに鉄拳を叩き込むことで遮る御坂だったが、この状況そのものに少し頬を緩ませた。
御坂「でも・・・よかった。」
上条「何・・・が?」
御坂は今度こそ、優しく微笑む。
御坂「変わってなくて。」
今日一日で、上条はずいぶんと昔に近づいたように思う。・・・いや、最初から上条は上条のままだったのだろう。
しかしあんな事があって、誰も彼の傷に触れてやらなかったから。
―――かくいう御坂も、今日までずっと彼を「見ていた」だけだったから。
ずっと彼は、悪い方へ悪い方へと変わっていくしかなかった。
御坂「昔っからアンタは、そんなふうにふざけやがって、アタシをばかにして、そのくせここぞって時にはかっこばっかつけて。
反論できないくらい、反論することすらばかばかしくなるような正論を押し付けて。」
御坂「でも、その正論通り何度も何度も助けてくれて。―――そうやって、たくさんの人を救って。」
上条「でも・・・俺は」
御坂「ううん。」
陰りかける上条の顔を、御坂は両手で包み込んだ。
交差した目線の合間を、カーテンの隙間を縫って通る月の光が走っていた。
上条の目には、きらきらとした月光のかけらが御坂の瞳の中にちりばめられているように見える。
綺麗なものに包まれる喜びに、また今朝のような涙がこぼれた。
御坂「変わらないの。アンタの本質は、アンタの存在は。
・・・どんなにゆがんだって、何度ひずんだって、きっとどこかでもとに戻る。いいえ、あたしが戻すわ。例えなんどアンタが曲がってしまったとしても。」
131 :
1:2011/01/06(木) 22:11:55.24 ID:KQeCG+/Y0
光は終わらない。
夜が明けるまでは、ずっと2人を照らし続ける。
朝が来ても、次は朝日が2人を照らす。
彼女の美しい瞳の中には、太陽が宿る。
上条は後悔をする。
自分の愛する人はこんなにも頼もしかった。
発電能力(レベル5)を失っても、ただの一般人になってしまっても。
こんなに強い目をしているなんて。
その強さが懐かしくて、輝かしくて。ついにそれは上条の考えを変える。
上条「俺は―――、」
上条「学園都市に、行ってみたい。」
もう一人ではない。
上条「お前にも、ついてきてほしいんだ。」
彼には、月のような、太陽のような。それの子のような彼女がいる。
上条「―――美琴。」
132 :
名も無き被検体774号+:2011/01/08(土) 00:29:49.82 ID:GQlSkC8d0
ほ
し
ゅ
133 :
名も無き被検体774号+:2011/01/08(土) 02:03:14.74 ID:eZH3RvvP0
ほしゅ
保守
135 :
名も無き被検体774号+:2011/01/09(日) 00:31:34.64 ID:vdhTxCTf0
/: : : : : /: : : : : : :./: : /: : : /:;イ: : : : : : : : : : : :.!
|: : : : :/: : : : : : :./: /: : :_:彡 '"/: :/: : : : : : :.|: : : !
|: : : : :| : : : : : :/,斗-‐ "\ /: :.! : : : : : : :|: : : |
|: : l: : |: : : : : : /,,ィ==ミ、 \ i!:/:|: |: : |: :.| : |: : : !
|: : |i! :| : : : /:/.{ ハ;;;ヒ. ヾヽ `|:|: |!: !: :.!: :i: :/ : : i
|: /.|!: | : : : :/ \;ソ 〃 |'|:.|.{: i :.i: :.!:/: : :j
|/: :|!: |: :/:./ |:| ヽ乂: :.!': : : :/
,从/:i| :|: |:/ ,ィ;r‐ォ .〉:|: :|: : : /
ヽ .// |:/|: !:! ,イツ,/ィ:乂从: :./
::::.} |' .|:.|:! 〉 ` /: : : : :/:./ 超保守です
:::::| / .|;|:| ヽ r "~> ∧: : : ://::/
:::::| /ハi:::::|ヽ、__ _ イ: : : :/,/ "
:::::|ヽ -‐/::::::| ヽ |: /: : /: :./
::l::|ミ、__ ,ノ:::::::/ | ! |/: : /"´
::l::ト -‐!:::::/ /, | | レ'
::l::| i!:::/ 〃 | r.、 /)
::l::| /:://- | | .| //./)
::l:i /::::|! ノ| / '、,,_/.///
::li /:::::i |― ‐ ' ~ イ / ! `'_ィ'____
:::レ'::::::::::! ゝ―‐ ~ | | ハ. ,.―― '゛
r‐'::::::::::i! | | 人 / { _`ニニニァ
:/::::::::::/ | | / 、 /
::::::::/ | |. / /  ̄
:::::/ | |/ /
137 :
1:2011/01/10(月) 09:34:13.25 ID:jFLrQOIo0
遅れました1です。
多くの保守ありがとうございます。最愛ちゃんマジ最愛。
―――――――――――――――――――――――
御坂「わかってたよ。」
上条「え・・・?」
御坂「なんとなく・・・としかいいようがないんだけど。最近人の考えてる事がよくわかるの。―――特にアンタのこと。」
御坂「あたし自身、少しはオトナになったって事なのかな?」
上条「そうかもな・・・。なんだ、バレてたんだ。」
苦笑し、御坂の頭を撫でる。
御坂「そうだよ、お見通しだよ。」
えへへ、と可愛らしく笑う。
御坂「―――まだ、悪い夢を見るの?」
上条「・・・うん、こればっかりはどうにもな」
じゃあ、と言って、御坂は上条が蹴り飛ばした布団を掴み羽織ると
御坂「朝が来るまで、一緒にいてあげるわよ」
ガバッと翼のように広げた布団ごと上条に突っ込む。
上条「え・・・!?ちょ、それって美琴さn」
御坂「いいじゃんいいじゃん!今日は一緒に寝るの!」
暴れる上条に後ろから抱き着いて御坂は離さない。
上条「おま、でもねお前っ・・・男は野獣ですのことよ!そんな無防備な事じゃだな!」
御坂「うそつけ!アンタに限ってそんなタマじゃないでしょーに!それに・・・」
ぎゅ、と、御坂はより一層力を込める。
御坂「いいよ、当麻にだったら。―――は、初めて・・・あげ、ても。」
上条「お前―――何言って・・・。」
言っちゃった、と思うより前に心臓がバクバクと動転を始める。体勢的に自分の胸の鼓動は上条に筒抜けだ。
動揺を悟られるのが恥ずかしくて御坂はどうにか気を静めようとするが、それ以前に上条のほうへ回した手から上条の早すぎる鼓動が伝わってきた。
どくん、どくん。
自分の鼓動もさることながら、上条のそれもすごいことになっている。死ぬんじゃないか、これは。
そのまま何秒が、いや何分がたったのか解らない。ただ確実なのは変わらず月が光っていることで、まだ夜が続いているという自然である。
だんだん2人の鼓動も落ち着く。
どきどきとした興奮が、静かな安心に変わってゆくのが解る。
ある瞬間には、もう上条が御坂のほうを向いていた。
次の瞬間には、もう2人は瞳を閉じている。心地よい波に体を任せ、ただ2人で抱き合いながら深い深い眠りに落ちてゆく。
そして上条は、ただただ明日もこの夜のように眠れたら。
そう月に願った。
138 :
名も無き被検体774号+:2011/01/10(月) 19:54:55.76 ID:huB7ZDbq0
保守
140 :
名も無き被検体774号+:2011/01/10(月) 21:29:51.20 ID:Jld++TG10
どんだけ待たせんだよカス
って思ってても読むと引き込まれちまうww
141 :
名も無き被検体774号+:2011/01/10(月) 23:07:26.45 ID:taxREnyy0
頑張れ
142 :
1:2011/01/11(火) 16:30:41.62 ID:jO8ZvSw50
☆
朝。
上条には珍しく早寝快眠とあって8時には起きた。(といっても御坂に起こされたわけだが。)
2人は軽い朝食を取り、多すぎない程度の所持金と携帯電話だけを持って出た。
外から学園都市への電車はそう何本もあるわけではないし、2年前からどう変わっているかも解らないあの場所で日の入りを迎えるのは好ましくない。
と、そう考えて早めに出た結果2人は今すかすかの車内で揺られている。
上条の住む街から学園都市までは2本の乗り換えを経て1時間と少しだ。
若干時間がかかるため御坂は寝てしまうだろうかと思った上条だったが、ふと彼女を見ると何かそわそわとした様子で髪をいじくっていた。
多少なりとも、かつての自分の居場所へ戻る事に緊張感があるらしい。
もっとも、情報統制が行われまともに学園都市の近況も掴めないのではそう感じるのも自然かもしれない。
無理もないよな、と思う上条に、ふと御坂が話しかける。
御坂「どうなってるのかな、学園都市は…」
上条「んー…。
一応学園都市に残るかどうかは俺たちの自由だったけど、学生は殆どが疎開したって話だしな。
今あそこに残ってるのは警備員(アンチスキル)とか、教師とか科学者とか。大人ばっかだろ。
活気はなくとも落ち着いた雰囲気にはなってんじゃねーかな…。」
御坂「そっか。…まあ、そんなもんよね。たぶん。」
上条「ああ。」
それからは特にこれといった会話は無い。
学園都市前駅につくまで、2人の漠然とした不安や疑問をそのままにして電車は
揺れていた。
☆
―――学園都市前ー、学園都市前ー。
けだるそうなアナウンスがにぶく響く。
上条はぴくんと隣で御坂の髪が揺れたのを視界に捉えた。
御坂「着いたね」
上条「おお…。いくか。」
開けっ放しのドアをくぐり抜け、駅へ降り立つ。
大覇星祭など大規模なイベントの時の為か学園都市前駅はだだっ広い作りになっ
ていて、また多くのラインやバスが通っている。
しかし今となってはそれらの運行数も減り、どうやら沢山ある出店のテナントも
殆どが撤退しているようだった。
143 :
1:2011/01/11(火) 16:59:02.93 ID:jO8ZvSw50
時刻は11時を指している。
御坂「とりあえず・・・中、入れるかどうかだよね。」
上条「たぶん大丈夫だとは思うんだけどな・・・」
そう、第一の関門はそこだ。
情報規制のされている現在の学園都市に入れるのかどうかという事。
しかし実際、少なからず中に人が残っているということは多少なりとも食料を外から輸入する必要はあるだろうし、研究の機材だってもっと細かな部品などまで100%学園都市製というわけにはいかないはずだ。
外の部外者が入れるのであれば、中にいた関係者でも入れる可能性は高い。少なくとも門前払いとはいかないだろう。
そう勘ぐって、二人は大きな「壁」の前に立った。
「壁」には自動式で開く堅牢なドアがあり、そのドアの横には通行者を検問するための窓口がある。
そこにいる警備員は窓口の中で見ていた小型テレビから2人に気付き視線を移すと、「パスはありますか?」と焦ったように問うた。
上条「パス・・・IDの事ですか?」
警備員「あ、君たち学園都市生かい?珍しいお客さんだなあ」
上条の問いに答えた警備員はどこか嬉しそうだ。
御坂「あの・・・入れますか?」
警備員「あぁ、大丈夫だよ。・・・君たちのIDを照合させてもらっていいかな。」
そう言われ2人が各々の財布からIDカードを出し警備員に手渡すと、彼はPCの横にあるカードリーダーにそれを通した。
と、御坂のIDを通した時、警備員が頓狂な声を上げた。
警備員「あれ。君、あの有名な超電磁砲(レールガン)かい?今日は本当に珍しい日だなぁ。生のレベル5を見るのは警備員の僕でも初めてだ。」
御坂「あ、でも、もうあたしそんなんじゃないんです」
ふるふると手をふって否定する御坂。
警備員「え?それって、あのAIM大量消失事件のせいで?―――レベル5級でもなくなっちゃうもんなのか、それは気の毒だったね・・・。」
この会話になって罰が悪いのは上条である。
それを本人以上に理解しているのは御坂であった。
御坂「いえ、あの事件のおかげで―――」
御坂は言いかけ、隣で気まずそうにしている上条の腕に抱き着いた。
御坂「いろいろあって、こうなったんで!」
そう媚びて見せ、「だからいいかなー、なんて!」と続けると警備員も頬を緩め、若さだなあ、と親父くさく言った。
警備員「まぁ、とにかくIDは照合できたから。久しぶりの学園都市へようこそ。気を付けてね。」
御坂「どうも〜。」
御坂はふりふりと警備員に手を振って、上条を引っ張っていく。
ものすごく引き込まれる!面白いな続き期待☆
145 :
1:2011/01/12(水) 21:35:42.58 ID:Jzh8ZudD0
されるがままの上条は早足で歩く御坂にならいワンテンポ遅れてついて行く。
上条「ありがとな、なんか・・・。」
御坂が配慮してくれていた事は解っている。
御坂「いいのいいの。いつも言ってるけど、あたしはアンタを攻めちゃいないん
だから」
そして彼女は、それに、と付け加えて振り向き言う。
御坂「ウソ言ったワケじゃないし。」
すると彼女は、へへ、といたずらっぽい笑みを添え懐かしい街並みへまた歩みを
進めた。
御坂「ほら、ちゃんとついて来てよね!行く場所はもう決まってるんだから、あ
とは歩くだけなのよー」
上条「おぅっ…ちょ、早い早い」
気丈な御坂に引きずられながら、上条は彼女が自分よりも堂々としているなと感
じる。
やっぱり一緒で良かった。
レベル5でなくなっても、彼女のこういうところは変わらない。そしてそれが解る
と、彼女がもし彼女の言うとおり能力の消失をあまり気にしていないのだとすれ
ば、それはレベルがどうであろうと彼女の本質には何も変わりがないという点に
彼女自身自覚があるためかもしれない。
146 :
1:2011/01/12(水) 21:47:48.79 ID:Jzh8ZudD0
そう考えるとあの日の御坂の言葉も、さらに説得力が増す。
―――変わらないの。アンタの本質は、アンタの存在は。
あんなに自信を持って言えたのは、自分自身に覚えがあったからなのかもしれない。
上条は自分を引っ張る御坂を見る。
―――昔こそ背を向けていた強がりの少女。
しかし今はその彼女の背こそがとても頼もしく見える。
上条(みんな変わってる。)
上条(世界は変わった。そりゃ、悪い方向に傾いた点も多い。―――だけど、あんな事があったって、御坂のように、御堂のように、強く変わってゆける人たちがいる。)
御坂「そうだよ。」
上条「え?」
御坂「ガンバんなきゃね」
ぽかんとして気の抜けた返事をした上条のリアクションに「え?あたり?すごーいあたし!」と無邪気に喜ぶ御坂。
本当にお見通しなんだな、と苦笑し、上条はずいっと前に大きく踏み出した。
そして御坂の隣に並び速足で歩き出すと、
上条「あぁ。とりあえず、今日の目標を完遂する事からな!」
と、そう言って「目標」である地点があるであろう方角に目線を投げた。
―――その場所には様々な出会いの場であった、かつての上条の学び舎がある。
147 :
名も無き被検体774号+:2011/01/13(木) 17:03:26.62 ID:50pRs0E/0
保守
頑張れ!ハマった!!!
149 :
1:2011/01/13(木) 21:28:31.09 ID:O2GIRx610
店じまいをした多くの店舗や、電気の落ちた病院・住宅。
そんな街並みを横目に30分ほど自動型無人バスに乗ったところが、上条のかつて通っていた学校の区域だ。
バスターミナルに降り立つと、2年前から何も変わっていない風景を目にかける事ができた。
御坂「静かだね・・・。」
寂しげに言うのも無理はない。
かつては事あるごとにセールやバーゲンを催していたデパートも入り口に臨時休業の張り紙を残してがらんどうだし、いつも賑やかにCMやニュースを流していた巨大テレビも今やその画面には暗い沈黙だけが横たわっていた。
唯一稼働している何体かの清掃ロボットも、小さなビニールの破片の周りへ取り合うかのように群がっていて、そこから彼らの退屈さもうかがえた。
そんな静寂を打ち払うように、上条はつとてめて明るい声を出す。
上条「そういえば、覚えてるか?通バスは高いからってよくこの辺走って登校してた俺をさ、お前がいつも勝負だー!とか言って邪魔すんだよ。」
不覚にも一発もらってしまった電撃で失禁しそうになったのをよく覚えている。
上条「逃げながら登校しようと思ってもさ、だんだん人気のないところに追い詰められて。」
御坂「・・・ぁ。河原、いってさ。」
上条「おぉ、そうそう。そんな事もあったなぁ」
御坂「あたしのレールガンが地面にあたって、あんたビックリして川に落ちたのよ。」
上条「お前なぁ、あれホント当たったら死ぬとこだったんだからな!?」
御坂「だーから悪かったって!あの時はほんとに無敵なのかと思ってたのよ!」
バスターミナルひとつとってもこんなに多くの事が思い出せる。
やはりここは、2人の故郷なのだ。
150 :
名も無き被検体774号+:2011/01/13(木) 22:30:29.47 ID:n9P2WvS40
続き待ってるよ〜
面白いな
152 :
名も無き被検体774号+:2011/01/15(土) 15:22:40.35 ID:YRcHp1990
ほしゅ
153 :
1:2011/01/15(土) 20:59:34.31 ID:8iyR6OOO0
下らない思い出話をしながら歩くこと約15分ほど。
懐かしき学び舎が目前のものとなる。
上条「変わってないな・・・。」
校門の前に立って見る景色も昔そのままだ。
ただ違和を感じる事と言えば、先に見える校舎の中には人はおらず職員室であろう一か所にだけ明かりが灯っている点である。
御坂「無人・・・ってわけでもなさそうよね。入ってみようよ。」
上条「そうだな。」
2人は校門脇の警備員室に行き、事情を説明して中に入れてもらう。
学園都市特有の建築法によって建てられた鉄骨の目立つ外装の校舎に入る。
中は綺麗に掃除されているようで、現役時代によく見たスナック菓子の袋やらいらなくなった週刊誌なども一切見当たらない。
が、下駄箱の組表示などにも変更はないため特に「管理」がなされているわけでもないようだ。
それはきっと、もう生徒が来ていないからかもしれない。
そう思った時、ちょうど御坂が疑問を持った。
御坂「でも、生徒がいないならなんで人がいるんだろう。警備員さんもいたし。」
上条「そりゃ、学校にも研究施設はあるし・・・もしかしたら何か他の事に使われてるから、まだ警備員も必要だったりするんじゃないか?」
御坂「ね、職員室行ってみるんでしょ?」
上条「んー・・・。」
上条の脳裏に異常に背の小さい幼女のようなヘビースモーカー教師の姿が過った。
彼女にはいつもいつも世話をかけた。大事な時は、いつも彼女が自分たち生徒に正面から向き合い、信じ、導いてくれた。
こんなになってしまった自分だが、礼を尽くす理由は過去に十分作っている。
故に上条は、もしかしたらという期待を持って答える。
上条「うん・・・。そうだな。」
御坂「じゃ・・・えーと、あっちね。」
身近にあったマップで現在地を確認した御坂が再び上条の手を取った。
154 :
名も無き被検体774号+:2011/01/15(土) 22:50:15.18 ID:Fc8TL6QX0
155 :
名も無き被検体774号+:2011/01/15(土) 23:17:07.90 ID:YRcHp1990
>>153 この場合の「警備員」って
アンチスキルと読むのか
普通にけいびいんと読むのかどっちなんだろな?
何となく引っかかったw
156 :
名も無き被検体774号+:2011/01/15(土) 23:22:51.10 ID:GL9eZZCIO
応援してる。
でももう少し書き溜めてから
まとめて投下してほしいな
157 :
1:2011/01/16(日) 13:50:12.94 ID:I0fBO0Hg0
>>155 すみません、ふつーの警備員さんです。事務室とかって表現すべきだったかもしれないです
>>156 申し訳ないです。修学旅行も明後日に控えてますし、この投下後に書き溜めて一気に投下します
階段を上がり廊下を歩いてゆくと、昼間のうすぼんやりとした空間の中で一か所だけ人工的な光を放つ広い部屋がある。そこが職員室だ。
上条はいくつかある出入り口の中で一番近いそれに軽くノックをするとゆっくり扉を開いた。
上条「失礼します・・・。」
少なからずの緊張と、現役時代に戻ったような妙な感覚に自ずと声も縮こまる。
職員室の中は昔から特にそこまで詳しいというわけではなかったが、やはり数あるデスクの中のいくつかはすっかり整理されていて、それが退職した職員のものなのだろうと解った。
白い照明の下で働く彼らの姿の中には見覚えのある者もいたが、一番肝心なあの教師の姿はない。
御坂「誰か、知ってる人とか・・・」
上条「いるけど、違うよ。俺が一番会いたい人とは―――」
と、そう言いかけた時だった。
?「あのー、ちょっとすみませんー。道をあけていただけますかー?」
上条と御坂の後ろに、2つ3つと積まれたダンボールの山が現れ、そんな事を言った。
御坂「ええぇ!?ダンボールがしゃべった!」
当たり前の反応をする御坂だが、上条はこんな状況に覚えがある。
ダンボールの足元を見ると、可愛らしいピンク色のソックスに包まれた細い脚が見えた。
?「あのー、私はれっきとした霊長類なのですけど・・・。ってあれ?そのツンツン頭は・・・もしかして―――」
御坂の言葉にダンボールの横からぐぐっと顔を出した「彼女」は、上条と目線を合わせ目を丸くするが。
上条は懐かしさと安堵の表情で見返し、自然と口から言葉を漏らす。
上条「久しぶりです、・・・子萌先生。」
158 :
名も無き被検体774号+:2011/01/16(日) 22:26:51.91 ID:4DEcTe3OO
支援
159 :
名も無き被検体774号+:2011/01/17(月) 23:51:31.07 ID:zccPMM0C0
支援
続きが気になる
160 :
名も無き被検体774号+:2011/01/18(火) 20:41:58.21 ID:DTDM5REn0
そして
>>1は修学旅行に旅立ったのだった…
つづく。
162 :
罪歌:2011/01/20(木) 00:10:02.30 ID:BXLqSaRW0
支援なんだよ〜
163 :
名も無き被検体774号+:2011/01/20(木) 01:27:25.66 ID:en9uPu+n0
支援
and
保守
164 :
名も無き被検体774号+:2011/01/20(木) 04:58:28.27 ID:lAHFF7fr0
応援しとるよー
165 :
名も無き被検体774号+:2011/01/20(木) 17:41:27.13 ID:+gYDG9XM0
支援
166 :
名も無き被検体774号+:2011/01/20(木) 22:10:12.72 ID:yY6dXob70
保守
167 :
罪歌:2011/01/21(金) 00:33:28.39 ID:ngpRkF6b0
保守なんだよ〜
168 :
罪歌:2011/01/21(金) 01:58:54.14 ID:ngpRkF6b0
支援なんだよ〜
169 :
罪歌:2011/01/21(金) 19:52:53.17 ID:ngpRkF6b0
応援なんだよ〜( ̄▽ ̄)
170 :
名も無き被検体774号+:2011/01/21(金) 22:30:15.19 ID:RnvsCtrd0
超保守です
補修
172 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 14:42:10.50 ID:f9ghAWXH0
保守
173 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 18:41:43.97 ID:r2jTP61d0
革新
174 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 19:43:47.13 ID:2jeiHqFg0
保守
175 :
罪歌:2011/01/22(土) 21:09:33.40 ID:KioQHiVH0
また保守なんだよ
176 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 21:29:19.50 ID:UbB7DWyr0
保守
177 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 22:06:56.00 ID:2jeiHqFg0
保守
待たせないでくれええ
できるかぎり保守するからさああ
178 :
名も無き被検体774号+:2011/01/22(土) 23:30:48.87 ID:cEr3sL1K0
そろそろ帰ってくるだろ
179 :
名も無き被検体774号+:2011/01/23(日) 01:04:15.41 ID:HOKv/wyZ0
保守
180 :
1:2011/01/23(日) 01:54:00.58 ID:PeAPpQRp0
こんばんわ、1です。数時間前に帰宅した後、現在仮眠を経て賢者モードに移行しました。
長らくお待たせしてしまいました事、心よりお詫びさせていただきたく思います。
多くの保守・支援にも同様に心からの感謝をさせて頂きまして続きの投下となります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そう言いぺこりとお辞儀をした上条だったが、ふと面を上げて愕然とする。
それは、
子萌「か、かかk…かみっ、かみじょっ…ほほほほんとに上条ちゃんなのですか
ああああああーー〜〜〜!!」
と、一瞬で涙や鼻水で顔面んぐしゃぐしゃにした子萌が飛びついたからだ。
勿論、沢山の資料がぎっしり詰まったダンボールもろともである。
☆
こぽこぽと、古臭い土色の急須から湯のみへとお湯が注がれる。中のお茶っ葉が
水中に舞い、曲芸のように規則的に旋回を繰り返しながら透明な空間の中へ染み
ていく。
その様子を「あ、お茶っ葉立ちそう。」とのんきに見つめたのは隣に座る御坂だ
った。
子萌「上条ちゃんもですよー、熱いから気をつけて下さいねー」
ダンボールにもみくちゃにされた上条は、鼻にはった絆創膏を撫でつつ会釈した
。
上条と御坂は今職員室の一角の、仕切りとなるボードで区切られた来賓スペース
で子萌にお茶を淹れてもらっている。
お茶を沸かすのに使っていた簡単なコンロにも大した汚れや錆びは無く、今腰を
落ち着けている椅子やテーブルも殆ど新品だ。
そんな事を考えているうちに子萌は自分のぶんのお茶を用意し、ほっこりとした
顔で
席に座した。
地のピンク色に、毬藻のような可愛いキャラクターのプリントされた子供っぽい
湯のみを持つ小さな手は、それこそどう見ても子供のようだ。
181 :
1:2011/01/23(日) 02:16:33.91 ID:PeAPpQRp0
その湯呑を口元に持って行きずずーと少し飲むと、彼女は口を開く。
子萌「それにしても、突然どうしたのですかー?・・・ほんとに、いきなりボロボロになって帰ってきたと思ったら上条ちゃんは・・・心までボロボロになってしまっていて・・・。」
世界の状況が悪化する中で上条が病み日に日に減る口数、弱弱しくなってゆく彼の目の輝きをどうにもできない無力な自分を、子萌はずっと情けなく思っていたという。
上条「はい。やっと・・・やっとふっきれたんです。今からでも、間違いを正したいって思って。―――何をしたらいいかはまだ解らないけど、でも、ここに戻ってくる事が何かの始まりになるかもしれないって思ったんです。」
子萌「なるほど・・・。ふふ」
上条「―――?」
テーブルから身を乗り出した子萌は上条の頭を撫でた。
子萌「上条ちゃんは立派です。きっととてつもない絶望の中だったでしょう。暗くて、深くて。怖かったでしょう。―――よく耐えました。自分をあきらめず、生きてくれました。」
小さな手だ。いい大人とは思えないぐらい、小さな手。
しかしそれがとても頼もしく、大きく思えるのはなぜだろう。
その小さな手の教師は上条の隣に座す御坂を見ると、そして、と言って再び続ける。
子萌「―――そんな怖いところにでも入っていって、助けてくれる・・・。大事な人ができたんですよね?」
上条は思う。
子萌「最高の教え子ちゃんなのです。上条ちゃんの強さが、こんなに素敵な人を引き寄せた。・・・これはとても素晴らしい事なのですよ。」
この教師(せんせい)は、なんて幸せそうな顔をするのか。
子萌「先生はうれしいです。今、とてもうれしく思うのです。」
子萌「上条ちゃんが変わらず強くあってくれたこと。御坂ちゃんのような、素敵な人に巡り合えたこと。・・・そして何より、上条ちゃんが私の教え子であること。その全部がうれしいです。」
もう涙は流さない。
上条は、ただただ自分を受け入れてくれる優しい先生にしてやりたい事がある。
上条「―――先生。何か、今の学園都市について教えてくれませんか。」
上条「何でもいい。何かしたいんです。自分の故郷のために。」
182 :
名も無き被検体774号+:2011/01/23(日) 02:24:21.69 ID:xfAHrrNk0
1おかーw
読んでるよ
頑張れーーー
183 :
1:2011/01/23(日) 02:30:42.80 ID:PeAPpQRp0
―――あなたの、あなたの教え子の居場所のために。
自分には、一体何ができるのか。
それを知るための旅だ。
そう訪ねると、子萌は少し考えてから、
子萌「解りました。それでは、何から話しましょうか―――。」
☆
子萌は以下のような事を語った。
あの時以来、学園都市には数多の問題が発生するようになった。
学園都市の弱体化を見越した警備員(アンチスキル)や各企業の辞職及び「外」への撤退による警備や物資の不足。
超能力の消失と反比例的に勢力を増しだすスキルアウトの面々。
字のごとく置き去りにされ、職員がいなくなり、設備もなくなった伽藍洞な施設の中で飢えてゆく置き去り(チャイルドエラー)達。
他にも、アレイスターの放った強力な磁場のせいで一度すべての機能が落ちてしまった学園都市のネットワークは未だ完全復旧には至っておらず、時々些細なところで電子的なエラーやバグが発生するなどという事もあるそうだ。
184 :
1:2011/01/23(日) 02:43:30.17 ID:PeAPpQRp0
学生が大半を占め、学生のための施設や設備がそろっていた学びの園も、その学生がいなければただの箱庭という事だ。
一通りの説明の後、子萌は上条に問うた。
子萌「この問題は決して誰かのせいではありません。統括理事長のいなくなった今―――、これは事故。当然の帰結でしかないと、私は思っています。」
子萌「でも、だからこそ難しいんです。矛先がはっきりしないから、何かを叩けば解決するタイプのものではないから、だから私達オトナのように頭の凝り固まった人間では解決できないのです。」
子萌の目はまっすぐに2人を見据える。
子萌「上条ちゃんは、具体的に・・・どんな未来を望むのですか?」
上条「俺は・・・。」
少し俯き、考えをまとめようとする。御坂が心配そうに、テーブルの下で上条の左手の上に自らの右手を重ねた。
上条の思考は遡る。
みんなが少しずつ分かり合い、いつかは敵対した者同士が笑いあう瞬間が、彼の過去にはあったのだ。
そしてつまりはそれなのである。
風斬がインデックスとゲームセンターに行って。
一方通行(アクセラレータ)がシスターズの上位個体である打ち止め(ラストオーダー)の傍にいて。
アニェーゼ達とオルソラだって共に許しあえる。
そんな世界に生きたい。
確かに難しくとも、しかし単純な話ではないか。
185 :
1:2011/01/23(日) 11:54:14.30 ID:PeAPpQRp0
解りきった事を迷う必要はない。
上条は思いきる。
上条「もう、あの時戦いは終わっているんです。だから・・・もう誰も争わない、みんなが助け合えるような世界にしたい。そのために出来る事がしたい。」
子萌「そう・・・ですか。」
子萌はまたしばし考え、それなら、と上条に一枚の紙を渡す。
子萌「本当は私がしなければならない仕事なんですけど・・・」
上条は渡された紙に目を通す。そこには住所のようなものが走り書きで記載されていた。
上条「これは・・・?」
子萌「私の教え子の居場所なのです。」
御坂「教え子・・・て、まだ学校に生徒が?」
子萌「はい・・・というより、つい最近この校舎の警備員(アンチスキル)さんが行き場のない置き去り(チャイルドエラー)の子たちを何人か保護する事に成功したのです。それで必要なぶんの衣食住と教育を与えてはいたのですが・・・。」
子萌の眉はだんだん釣り下がり、表情が暗くなってゆく。
子萌「その中の一人が、まったく大人と会話してくれないのです。・・・私なんか、声も聞いたことがないのです。それで最初のうちは学校にも来ていたのですけど、最近はめっきりで・・・。」
なるほど、と上条は思う。
置き去り(チャイルドエラー)というのは一貫して親に見捨てられた存在だ。中には無差別に大人を嫌う様になってしまう者がいるのも自然なことだろう。
子萌「ふがいない話なのですが・・・、置き去り(チャイルドエラー)の子はバンクにも情報がないので、その子の生い立ちも、一体何があったのかも、コミュニケーションを取れない事にはどうにもならなくて・・・。」
子萌「そこで、なのですが。もし上条ちゃんたちにその気があれば、彼の様子を見に行って頂けないでしょうか。」
186 :
罪歌:2011/01/23(日) 12:57:10.34 ID:/A9yypB20
おかえりなんだよ〜
187 :
名も無き被検体774号+:2011/01/23(日) 15:19:23.14 ID:6pbr0uuq0
wktk
188 :
罪歌:2011/01/23(日) 17:19:37.71 ID:/A9yypB20
支援なんだよ
189 :
罪歌:2011/01/23(日) 20:33:14.96 ID:/A9yypB20
応援なんだよ
190 :
罪歌:2011/01/23(日) 23:29:59.26 ID:/A9yypB20
ファイトなんだよ〜
191 :
罪歌:2011/01/24(月) 01:24:42.11 ID:iYHlMmsr0
頑張るんだよ( ̄▽ ̄)
しえん
193 :
名も無き被検体774号+:2011/01/24(月) 16:32:45.09 ID:0jUqGpYa0
良作な予感。
194 :
名も無き被検体774号+:2011/01/24(月) 18:36:38.29 ID:SF1e1N180
支援
195 :
名も無き被検体774号+:2011/01/24(月) 19:21:04.54 ID:6B4wXsij0
支援
はーやくこーい
197 :
罪歌:2011/01/24(月) 21:49:14.02 ID:iYHlMmsr0
待ってるんだよ( ̄▽ ̄)
198 :
罪歌:2011/01/24(月) 23:33:48.91 ID:iYHlMmsr0
支援なんだよ〜
199 :
名も無き被検体774号+:2011/01/25(火) 00:14:40.18 ID:wkeeylt00
はやくきてほしいんだよ
200 :
名も無き被検体774号+:2011/01/25(火) 02:15:27.41 ID:y1zY3Iuy0
まあ落ち着けよ
今書き溜めてるんだよ!きっと
気長に待とうぜ
202 :
名も無き被検体774号+:2011/01/25(火) 18:12:28.08 ID:m1Bt0PdT0
はやくうううん
203 :
1:2011/01/25(火) 19:47:44.50 ID:KDqiuNgp0
子萌「そして出来る事なら、―――。」
子萌は一瞬だけ間を置く。それは迷いではなく、上条の覚悟を試すような意図的な間だ。
子萌「―――彼の何かを、変えてあげてください。」
普通に考えれば、二年間音沙汰もなかった他人に頼むような仕事ではない。
しかし子萌が面倒な仕事を押し付けたいがために、また体よく久々の再開を果たした教え子を追い払いたいがために、そんな一見すれば無理な話を持ちかけたわけではない事を上条は解っていた。
この教師は、誰より教え子を信じてくれる。
上条になら、叶えてくれると思ったから。
上条はそれを理解し、子萌は上条の理解をも確信していた。
上条「解りました。」
他に何かあるわけもなく、彼は応える。
子萌「・・・では、6時にそこを訪ねてくださいー。夕食の配給がある日なので、きっと留守にはしていないはずです。」
上条「はい。・・・先生。」
子萌「なんですかー?」
上条「また、来てもいいですか。」
そう問うと、子萌はにっこりと笑みを浮かべ言う。
子萌「もちろんなのですよー!」
204 :
罪歌:2011/01/25(火) 20:10:17.47 ID:WNhvZ87e0
おかえりなんだよ〜( ´ ▽ ` )ノ
205 :
1:2011/01/25(火) 20:23:15.75 ID:KDqiuNgp0
☆
御坂「ねぇ、あんな事言われちゃったけど・・・って。」
次の行程として予定していた常盤台中学へ続く道の途中で話しつつ、大丈夫なの、と続けようと上条の顔をわずかに覗き込んだ御坂だったが、すぐにそれを撤回する。
御坂「なんだろ。すっごい確信を持ってるみたい。」
上条「お前、ほんとよく解るんだなぁ。」
心の内をあてられた上条が驚いて御坂の髪を撫で、御坂はそれを気持ちよさそうに受けた。
御坂「だんだん人間のこと、信じだしてる。」
上条「そうだな・・・。うん、俺は少し臆病だったよ。」
誰もが皆自分を責めているものと思っていた。
口ではどういっていても、腹の中で何を思っているかわかったもんじゃな、と。
しかし御坂も、シスターズも、子萌も。それはまだ「皆」の中の一部の人々でしかないが、少なくとも彼らは上条がそう簡単に信じられなくなるような人たちではなかった。
2年という月日がたったとしても、彼女らは変わらず上条の友であり、仲間であり、教師であったのだから。
時間の壁を隔てても変わらないものがある。
それを感じ、上条は古き街を歩いた。
☆
常盤台とその寮である学び舎の園も、変わった程度といえば上条の母校のそれと大差はなかった。
学園都市の寮に残ったたった数十人が生徒として時々登校してくる程度で、基本的にはどの教室も施設もがらんとしていて静かであった。
それを見た御坂はやはりしょんぼりとしていたが、寮監と親しげにスキンシップ(一方的に絞め技をかけられていたようにも見えたが)を取ったり現役時代に知り合いであったらしい
女子生徒数人と触れ合って(というか黄色い声の中で一方的に触られて)いるうちに、だんだんと明るい表情を取り戻した。
207 :
1:2011/01/25(火) 20:26:27.60 ID:KDqiuNgp0
☆
御坂「以外と知り合いがいたし、なんだか昔に戻った気分だったわー。」
と、今はこんなにけろっとしている。
夕日が風車の合間を縫ってぱたぱたと繰り返し降り注ぐ。
軟らかい、クレヨンのように可愛い赤色が機械の街を夜へと誘っていた。
上条は、心なしか風車の影を踏まないようにと意識して歩く御坂に返す。
上条「白井とかもいたらよかったろうにな」
御坂「や、ぶっちゃけあれ以上きゃいきゃい言われるのはカンベンだけどね・・・あ、それに黒子とは時々会ってるのよ。」
上条「そうなのか?でもよかった、お前らっていつも一緒のイメージあったし。お似合いだよ」
御坂「ちょっ!?カンベンしてよ!?」
リズムを崩された御坂が、ついに大きめの影を踏んだ。
上条「冗談だって」
けらけら笑いながら一歩先をゆく上条。
その右腕に、御坂が抱き着いた。
御坂「あたしはそんなんじゃないし!そりゃ黒子とは人より少し深い仲だけど・・・。」
寄り添う2つの影は、片方の背が少しばかり高い。
2つの影はそれきり、同じテンポで路を歩いた。
1つの学区全体を見下ろせるような丘の上にあるその路には、一際大きな風車の物陰がある。
ひた、と一つの影が歩みを止め。
またもう一つの背の高い影がそれに合わせて歩みを止めて。
2人はそこで、キスをした。
208 :
罪歌:2011/01/25(火) 22:06:03.84 ID:WNhvZ87e0
今日は終わりかな?
おっつーです( ´ ▽ ` )ノ
209 :
罪歌:2011/01/26(水) 01:14:13.90 ID:c/wvAit50
頑張るんだよ
210 :
名も無き被検体774号+:2011/01/26(水) 17:24:31.03 ID:ZOAlpZzJ0
支援
211 :
1:2011/01/26(水) 20:52:52.00 ID:GX6Yx9bK0
何故かは解らない。
けれど2人の直感は迷う事なく体を動かしていた。
上条「こういう・・・流れ?」
御坂「さぁ・・・でも・・・」
あまりに自然に体が動いた2人は、彼ら自身苦笑しながら言葉を交わす。
御坂「今かな、って思った・・・。」
上条「お、俺も・・・。変だよな、今はまだ応えられないとか言っといて・・・」
なんとなく気恥ずかしくなって、御坂はまたゆっくりと歩き出す。
そしてまた風車の陰が等間隔に並び始めたころ、彼女はうたうように背後の上条へ語りかけた。
御坂「ねぇ、今日帰ったらさ」
上条「ん?」
御坂「もっかいキスしてよ」
んぐひゅっ、と、咳なのか呼吸なのか解らない音が聞こえた。
上条「な、なんか決意が揺らぎそうなんで、ちょっとそれはさ・・・」
御坂「とかなんとかいっちゃって!どうせ何か起きればその時は、キスしてようがしてまいが勝手にどっか行っちゃうクセに!・・・あんたのそれ、決意っていうか性格だもん。揺らぎよう、ないよ。」
上条「そうなのかなあ」
御坂「そうだって。」
御坂は手頃な石ころを見つけると、それをけってみた。
軽く蹴り上げられた石ころは、何度か右に左にと跳ねながら御坂の行く道を進んでゆく。
跳んだ小石の傍まで歩いては蹴り、歩いては蹴り。それが何回か続いたあたりで、上条は口を開く。
上条「じゃぁ・・・まぁ・・・ちょっとだけなら。」
夕日はもうすぐ落ちる。
冬が手を伸ばしたような春の夜は早い。
オレンジ色のカーペットのような光の帯が、風車の森を見え隠れする。
御坂「約束だからね。」
時刻は6時前。
2人は、例の置き去り(チャイルドエラー)の元へと向かっていた。
212 :
1:2011/01/26(水) 21:17:44.90 ID:GX6Yx9bK0
☆
学園都市の外であろうが中であろうが変わらない、どこにでもありそうなボロボロのアパート。
その二階の一番端が、目的の置き去り(チャイルドエラー)が住まう部屋のものであるようだったのだが、それは上条達が自ら調べて解った事ではない。
上条達はアパートに着くや否や、まず初めに二階の一番端っこで立ち往生している人物を見かけた。
彼は荷物を抱えていたが、小さなクーラーボックスのようなそれを見て同じ学園都市生である上条らにはそれが配給用の食料をいれるものであると解った。
上条「あのー、すみません。」
二階までのぼり、配給係に話しかける。
配給係「えっと・・・どうしました?」
人のいなくなった学園都市で、大人の自分が知らない子供に話しかけられるとは思っていなかったのだろう。彼は少し声を揺らしていた。
上条「もしかして、ここの子居ないんですか?」
配給係「そうみたいなんですよ、10分前に電話させて頂いた際にはちゃんと出て貰えたんですが・・・。」
さらに彼の話だと例の置き去り(チャイルドエラー)は、今まではこの時間にはしっかり家にいたという。
しかし今日に限っては何回かインターホンを鳴らしても返事がなく、不審に思い警備員(ジャッジメント)に連絡をして備えついた緊急用熱源探知機を作動させても反応がなかったようだ。
上条「どこか、出掛けてるんじゃないですか?」
配給係「可能性としてはありますけど、近頃は若い子が出歩きたがるような店も夜にはほとんど閉まっていますし・・・。必要な分の生活必需品も配給制ですので、それの調達というのも考えにくいものがありますし・・・。」
帰ってきた返事に納得すると同時に、だんだん上条の胸の中にもやもやとしたものが生まれる。
上条はドアノブに手をかけ、回してみる。そのままドアを引いてみるが、がん、と音がして施錠されている事が確認できた。
少し安心した上条だったが、それを見ていた御坂が上条の胸中を知ってか知らずか提案した。
御坂「ベランダ・・・。部屋の窓とか、開いてないかな?」
213 :
1:2011/01/26(水) 21:29:23.83 ID:GX6Yx9bK0
上条「・・・行ってみるか。」
頷き、配給係の男に礼を言って2人は建物の裏に回る。目的の部屋を見つけ、そこのベランダに目を凝らした。
他のベランダと違い、観葉植物から洗濯バサミまで、必要なものまで無いほどにモノのないベランダ。
自分の事を棚に上げても、上条はその欠如した生活感をくみ取る。
そしてベランダへと通ずる窓枠―――。
御坂「あっ・・・。」
そこへ目を通し、御坂が思わず声を挙げた。
御坂「少し、空いてる・・・。」
―――そう。
それはベランダへ出た人が背中越しに窓を閉めたような、中途半端な状態で。
上条は部屋がある真下、ちょうどそこから跳び降りた時に着地するであろう地点に近づき、かがみこむ。
と、そこにはあまり軟らかくない地盤の上にわずかにめり込むような足跡があった。
上条「・・・やっぱりおかしい。」
ここから飛び降り、そのままどこかに行ったのであろう事はもうほとんど間違いなかろう。
しかしたった10分後には唯一の訪問者である配給係も来ると解っていて、なぜこんな逃走まがいな事をしたのか。
あまりに合理的でなく、意味が解らない。
上条「美琴・・・。先、帰っててくれ。」
214 :
罪歌:2011/01/27(木) 01:29:01.96 ID:tYIbw7T60
おつなんだよ〜( ´ ▽ ` )ノ
215 :
罪歌:2011/01/27(木) 19:04:46.00 ID:tYIbw7T60
支援なんだよ
216 :
名も無き被検体774号+:2011/01/28(金) 07:06:08.92 ID:UGJoMPPtO
支援
217 :
名も無き被検体774号+:2011/01/28(金) 11:37:44.83 ID:Ok0TfWJK0
支援だ
面白い、面白いんだけど…
子萌先生じゃなくて小萌先生、そして美琴の一人称は私なんだ…
よく間違えられてるけどね
何はともあれ支援
219 :
名も無き被検体774号+:2011/01/29(土) 14:07:39.38 ID:yWhmLooz0
おいまだか
いい加減股間が寒いんだが
220 :
名も無き被検体774号+:2011/01/29(土) 20:21:44.24 ID:jc9PZs+M0
はーやーくー
221 :
1:2011/01/29(土) 22:41:26.30 ID:hVGeq2Zo0
パンツは穿いてお待ちください。
ていうかもしかしてエロ展開需要ある感じですか?
長らくお待たせいたしました。子萌→小萌 御坂「あたし→御坂「私 に訂正してお送りさせていただきます。ご指摘・支援・保守、ありがとうございます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
走り出そうとする上条の腕を、御坂は反射的につかんでいた。
御坂「・・・。」
上条「御坂・・・。」
何を言うでもなく、いや、なんというべきか考えているような険しい顔で御坂は上条を見つめていた。
御坂「今・・・、なんていうか、なんて言っていいか、わからない。」
上条「俺の思ってる事には敏感なのにな。」
そうおどけてみせるが、茶化さないでと一蹴され上条は黙る。
御坂「変わらないのはいい事だと思う。特に、アンタの場合は・・・。でも、怖いの。今、昔みたいにいきなりアンタを突っ走らせて・・・それで、突っ走らせたその先が解らない。
もしも何かあったら・・・。」
私、いやだよ。と言い目線を伏せた御坂の頭に上条は手を置いた。
上条「大丈夫。俺は絶対戻ってくるよ。こんな序盤で死んでらんないしな。」
だから先に帰って、と言いかけるが、それは御坂に阻まれる。
御坂「それが・・・それが違う!」
上条「え?」
御坂「私もいく。力が無くなって、そりゃ不安だけど・・・。でも、私はレベル1になったって、レベル0になっちゃったって私だもん!
アンタについていきたい私は、レベル5だったころからずっとここにいるの!だから―――」
言葉を連ねる度に語気は弱まる。そしてついに御坂は瞳に薄く涙を溜めて言った。
御坂「一人でどこかにいかないで・・・」
そうか、と、上条は思う。
彼女はやっぱり、今が「素」なんだと。
レベル5があった時と同じ正義感。
しかしその正義を貫けるかどうか、それに大きく関わっていたのは彼女のもつレベル5であったのだ。
最強の電撃使い(エレクトロマスター)であった彼女にも、戦う不安はあっただろうが、しかしそれを抑え付けていられたのはその強大な力、またそれを努力で手にしたという事実。それが大きな原因であることに間違いは無い。
誰かを助けたい、救いたい。
そんな戦いたいという信念と、戦いを恐れる恐怖心。一人のか弱い少女の中でそれらの共存があり得たのも、彼女が超能力者であったからなのかもしれない。
蓋を開ければ一介の華奢な少女でしかない御坂。
そして彼女がそうなってしまった今、自然に考えればどうしても彼女を危険に巻き込むという発想は出てこないはずだ。―――が。
上条「なら、一緒に来るか?」
222 :
1:2011/01/29(土) 22:45:47.74 ID:hVGeq2Zo0
上条は、そう問う。
今まで強がっていられたのも、戦ってこられたのも。その理由がたとえ強大な力の有無なんてちっぽけな事であったとしても。力が無くなった途端、恐怖に肩を震わせる少女に成り下がってしまったとしても。
それを上条は貶さない。
今まで戦ってこられた理由がちっぽけだから陳腐であるとか、それこそそんなちっぽけな言い分で彼女の勇気は貶めていいものではない。
彼女の尊厳は生きている。
彼女は今初めて恐怖したのではない。ずっと前から怖くてたまらなかったのだ。
そして今、彼女はレベル5という大きな後ろ盾を失いながらも、勇気を振り絞っている。
それだけで、十分ではないか。
上条は昔と同じ強い目をしていた。
それを取り戻させてくれた御坂を、恐怖から救ってやりたいといわんばかりに。
御坂「・・・言われなくたって。」
御坂はごしごしと溜まった涙を拭い、そう言った。
上条にそれを見せたのは一種の信頼のようにも汲み取れる。
よし、と言い目を瞑って一度のびをすると、上条は目を開く。
上条「―――いくか。」
223 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 03:16:19.84 ID:O/GMmB4i0
エロ展開はいらない
>>1の書きたいように書くべき
224 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 07:12:14.82 ID:WdkT2owp0
保守
225 :
1:2011/01/30(日) 11:36:16.61 ID:mMJa0M3MO
ついに規制解除の時です。
これで携帯からも投下できます。
226 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 14:10:29.28 ID:iROD1GZ9i
ほーしゅー
227 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 15:49:39.00 ID:NwpHOH550
エロ要素ほすぃよ
228 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 18:25:26.70 ID:lVBpZpdX0
支援。応援してるんだよ
229 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 20:38:04.77 ID:rsfVCJu8O
支援!
230 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 20:39:29.39 ID:wFFhMwd80
支援
それとエロ要素please
231 :
罪歌:2011/01/30(日) 20:47:50.29 ID:Edv5QACx0
支援なんだよ( ̄^ ̄)ゞ
俺はエロ要素いらんな。それよりニヤニヤ要素がいい。
ま、
>>1が書きたいように書けばいいが。
233 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 21:45:19.38 ID:rpkJ7wqM0
234 :
名も無き被検体774号+:2011/01/30(日) 22:32:26.12 ID:I61+vaWp0
おもしろい
支援
エロはいらんだろjk
支援、保守
236 :
罪歌:2011/01/31(月) 12:56:42.02 ID:8f2AauF60
頑張るんだよ〜( ´ ▽ ` )ノ
237 :
名も無き被検体774号+:2011/01/31(月) 18:45:48.22 ID:9WvBeAvFO
なんとなくエロ否定派が多い感じですね。
濡れ場は興味あるけど書けるかだいぶ不安なので保留とさせて頂きます。
☆
午後は7時を回っていた。
小萌に連絡を取り事情を話した上で、例の置き去りが行きそうな場所はどこかと問うと、2人はその場所へと走る。もう都バスはどれも止まっていて、走るしかないのだ。
指定された場所はこの時間でもかろうじて開いている雑貨店だった。路地裏に面している場所で、あまり柄がいいとは言えなさそうである。
上条は小萌に連絡した際に言われた事を思い出す。
小萌(少し前に、一度だけ彼がそのお店に入っていくところを見たのです。
あまり参考にはならないかもしれないのですが、この辺りで子供たちがたむろする場所と言っても、やはりその近辺が妥当なのですよ)
何かあっても絶対に無茶はしないでくださいね、と釘を刺され、例の置き去りの顔写真が転送されて会話は終わった。
流れる景色は目まぐるしく変わり、どこもかしこも店を閉めた暗い街並みにだんだんと変化が見えてくる。
サーフ系の小さなアパレルショップや輸入系の雑貨店など、アメリカンな雰囲気の店が多くなり、そのどれもが未だ営業を続けていた。
同系統の喫茶店や露天の周りにも、あまり柄の良くない連中がたむろしていて、上条は昔自分がよくスキルアウトらに絡まれ逃げ回っていた事を思い出した。
走りつつ、徐々に品のないネオンが光る一角へと入っていくのを感じた上条はケータイの画面を見て地図を確認する。
上条「確か…。あ、あれか!」
読んでる。続き待機
239 :
1:2011/01/31(月) 21:53:14.08 ID:rbP0mOgT0
煌々と光を放ちそびえるネオンの塔の中、一つだけひっそりと佇む店がある。
その店は『left』という看板を構え、どうやら買い取りなども行うリサイクルショップのようなものであった。
そしてその店も例に漏れず未だうすぼんやりとした光を放っていた。
上条はケータイに送られた置き去り本人の顔写真を見た。
画面には、ぼさぼさとした黒い長髪が特徴的な色白で目の鋭い少年が映っている。
添付されたメールによれば身長は160後半。ちょうど昔の上条と同じくらいだ。
御坂「どうしよう・・・ここまで来たはいいけど、それっぽい子は見つかってないし・・・。」
切れた息を吐き出しながら御坂が喘ぐ。
上条「くそ、どうする・・・。もう少しこの近辺を―――」
と、上条は首をひねろうとした時だ。
ギィィィィィン・・・・。
鋭く、細く、しかしとんでもなく低い音。
矛盾を孕む、今までに聞いた事も無いような音が微かに聞こえた。
御坂「―――ん、あ・・・あああっ・・・!」
そして同時に、視界の隅で御坂の身体がよろけたと思うと彼女は膝から地面に崩れ落ちた。
ほしゅ
241 :
罪歌:2011/02/01(火) 02:32:17.63 ID:bwf2v9Df0
読んだんだよ〜(`_´)ゞ
242 :
名も無き被検体774号+:2011/02/01(火) 02:53:04.61 ID:8FJlp8ar0
書き溜m…ゲフンゲフン
243 :
名も無き被検体774号+:2011/02/01(火) 10:41:03.68 ID:otXavsTK0
ほしゅ
保守
245 :
1:2011/02/01(火) 20:33:28.48 ID:D9qG0/afO
上条「美琴!おい、どうしたんだよ!?」
頭を抑え、今にも暴れ出してしまいそうな程にぶるぶると震え歯を食いしばる御坂の肩を掴む。
御坂「頭の中が…、おかしくなってくみたいに…!」
ぐわんぐわん、と液化した脳をそのまま掻き回すような感覚。
今まで見えていなかったものが、そこにあるのに気が付かなかったものが突然目の前に現れてくる違和感。
痛いでもなく、苦しいでもなく。例えるならば敏感になり過ぎた肌を甘く、それが苦痛になるまで何度も何度もなぞられるような。
しかしそんな変化の中で、御坂の中に声が響いた。
―――、―――。―――――――。
御坂(なんだろう、これ…。声、だよね…。)
上条のものとは別に聞こえる声。しかし御坂の視界の中には上条しか居なく、首を僅かに捻って視界を廻してみてもそれらしい人影は無い。
ならばこれは一体、と、御坂が疑問を抱いた時だった。
―――嫌だ、苦しい
―――怖い。怖いよ
私のほうが苦しいわよ、と反論したい所だが、しかし一体この声は何なのか。
何かに訴えかけるような、何人かの子供の声が、痛い、苦しい、辛い、と呻きを上げる。
246 :
1:2011/02/01(火) 20:43:13.85 ID:SlmJLwts0
明らかに複数人の声が聞こえるのだが、それはもちろん上条のものでないし、しかもこの近辺には今のところ人は見当たらない。
御坂(どこかの誰かの・・・声・・・。これじゃあ、まるで私・・・。)
そこまで考えた時、御坂は確かに耳にした。
―――助けて。誰か、助けて。
御坂「―――っ!!」
はっと我に返った御坂は、喉元まで迫っていた吐き気を吞み込んで震える膝を持ち上げる。
上条「おい、お前、体は・・・。」
御坂「誰かが、助けてっていってる!」
吐き出すように声を張り上げた。
御坂「たぶん、あそこから・・・あのお店の中から、人の声が聞こえるの。人の心の中なのか、実際に喋ってる言葉なのか、わからないけど・・・!読心能力者(テレパス)、みたいに・・・!」
247 :
罪歌:2011/02/01(火) 20:59:17.96 ID:bwf2v9Df0
待ってるんだよ〜
大丈夫、結局、頑張っている1さんに私は超支援をするってことがカ・ク・テ・イな訳よ
249 :
名も無き被検体774号+:2011/02/01(火) 22:29:13.15 ID:NGE5v2W10
保守するんだよ
250 :
名も無き被検体774号+:2011/02/02(水) 21:46:16.22 ID:UpocTWsK0
ほしゅううううう
超保守
結局、面白い訳なのよ
253 :
名も無き被検体774号+:2011/02/02(水) 23:38:20.39 ID:xoJf3fT10
保守
イ呆 守
255 :
名も無き被検体774号+:2011/02/03(木) 08:15:25.31 ID:JrgSgRez0
保守
読んだ。続き楽しみにしてる。
保守
257 :
名も無き被検体774号+:2011/02/03(木) 20:24:02.20 ID:Iq4pW0NRO
一体どういう事なのか、御坂の中で何が起こっているのか。
見当もつかないが、確かに御坂が異常である事は間違いない。
しかし、今の混乱した御坂が聞いたその声とやらを信用してもいいものか。と、そう思った上条だったが
御坂「確かに混乱はしてる…、けど、こうしてアンタの心も聞こえる!」
信じて、と、頬を紅潮させてぼそりと言った。
どうやら彼女に読心能力が目覚めたのは嘘で無いようだ。
が、しかし彼女の様態は穏やかでない。どう動くにせよ、この状態の彼女を一緒に行かせる訳には―――。
御坂「行く、よ。」
みこと。
御坂「解るよ。何でかはわからないけど、今私のアタマの中で、発電能力が消えていってる。」
おまえ、それじゃあ…。
御坂「そうだね…。これで私はもう完全に超電磁砲(レールガン)じゃなくなった。」
上条は黙る。
いや、思考が停止する。
258 :
名も無き被検体774号+:2011/02/03(木) 20:25:20.44 ID:l5JlLTCz0
始めに比べると支援と保守がいっぱいいる
つまり
>>1の書くものが良いということ
というわけで
保守保守保守保守
259 :
1:2011/02/03(木) 20:40:07.94 ID:Iq4pW0NRO
こんなぐーたらな自分を支援してくれる人達がいるなんて、今でも信じられません…。
感謝するほか思いつきませんが、とにかく進めます。
御坂「何で黙るの?」
これだけ正確に解れば、レベル3は堅い。
御坂「ふふ、そうかもね…。」
笑い事じゃねーよ
御坂「…?」
上条は、右手を御坂の額にあてがう。
上条「消えろ…!!」
そして、腹の底から出たようなどす黒い声で吠えた。
上条「美琴の努力を、戦ってきた戦友を!わけわかんねぇ屁理屈で殺さないでくれよ…!!」
上条はまた泣いていた。
こんなみっともない顔はするまいと誓ったのに。
上条「消えろ、消えろ、消えろ…消えろよおおおおォォォ!!!」
ぐしゃぐしゃになった顔から滴る雫は、驚くほどに澄んでいる。
今の御坂には、そう感じた。
御坂「もう、やめて。」
赤子を癒やすように、命を包み込むように、御坂の両手が上条の顔に添えられる。
御坂「私は嬉しいよ。…だって、今は人の苦しみをわかってあげられる。助けを呼ぶ声が聞こえる…。
そして、当麻の考える事が全部わかる。」
御坂「私嬉しい。だから消しちゃイヤだよ?」
優しい笑みだ。
いつから彼女はそんな表情(かお)をするようになったのか。
その答えは御坂の口からこぼれ、アンタのおかげだよ、という音と成した。
ほしゅ
261 :
名も無き被検体774号+:2011/02/04(金) 02:42:37.09 ID:UuMr7SJg0
支援 とても面白いです!
262 :
罪歌:2011/02/04(金) 18:50:51.70 ID:9oPWw6NT0
保守なんだよ( ̄^ ̄)ゞ
263 :
罪歌:2011/02/04(金) 20:57:11.01 ID:MaKCCZMv0
読んでるんだよ〜
264 :
名も無き被検体774号+:2011/02/04(金) 21:55:05.04 ID:Vh7lDgyuO
御坂「私が超電磁砲(レールガン)でなくなりきれば、この苦痛も終わるわ。…きっとそう長くない。だから一緒に行かせて。」
渋る上条に御坂は重ねる。
御坂「みんな新しくなっていくものじゃない。それは能力がどうこうに限った話じゃなくて…。
新しい環境に順応して、その中で自分らしく居ようとして、それで変わっていくの…。」
御坂「人間って、そういうものよ。たぶん。」
―――詭弁だ、と言ってやりたい上条だった。
―――口でそんな事言っていたって、本当に耐えられるものなのか。
―――本当は泣きたいんじゃないのか。
そう思ってしまって、もちろん今となってはその総てが御坂に筒抜けなのもわかっていたが、当の御坂はそれについては何も答えずただただ優しい顔をしているだけなのだった。
そしてそれこそが応えであり、上条自身もその意味を汲み取る事が出来た。
御坂「助けを待ってる人が、すぐそこにいるよ。」
御坂「―――行こう。」
2人は強く立ち上がり、店の中へと踏み入れた。
265 :
名も無き被検体774号+:2011/02/04(金) 22:58:15.80 ID:JvBmlaNN0
いいね〜
266 :
罪歌:2011/02/05(土) 03:40:07.99 ID:Byn+ocqJ0
見てるんだよ〜
267 :
罪歌:2011/02/05(土) 14:11:17.29 ID:Byn+ocqJ0
保守なんだよ
保守〜
269 :
1:2011/02/05(土) 23:09:34.61 ID:8QaJkJzS0
☆
薄い明りのついた店内。
輸入品メインのお菓子や雑誌、その他雑貨が丸テーブルの上へ器用に積まれて多数並んでおり、壁やせりだした台上には怪しい雰囲気の置物やお面まで置いてある。
特に大荷物を持ってきたわけでもない2人だったが無意識的に身をよじらせつつ商品棚や丸テーブルの山をすり抜けてゆくと、ついにレジへたどり着く。
そこには誰もいなく、ただ切れかけの蛍光灯のオレンジが点滅しているだけなのだが、心の声を聞き取れる御坂の助言通りに周辺を探ると、レジの背後の壁に一か所だけ不自然に別の壁紙が張ってあるのを確認できた。
上条「これが・・・ん」
そして上条がその一部を触っているとその一面はわずかに揺れ、取り外し式である事が解った。
上条「えっと・・・このくぼんでるとこに手をかけんのか・・・。」
見つけたくぼみに指を滑り込ませ一気に倒すと、数センチほどの集めな鉄製のボードが倒れてきた。
重たいそれを脇によけ、その奥を覗き込むと、すぐそこには古びた扉がある。
御坂「もともと・・・地下室がある物件だったのね。それを体よく隠して何かに使ってる・・・。」
御坂の言葉を聞きつつドアノブに手を伸ばす。
ふれただけでかちゃりと音を鳴らすドアノブは相当年季がはいっているのだろう。触った手に錆びが付きそうなほど薄汚れている。
今にも壊れそうなドアノブをゆっくり回すと、扉は吸い込まれるように奥へ開いた。
不気味な涼しさが首筋を通り過ぎた。どうやら先は階段になっているようだが、明かりは数段ごとに天井につけられている電球だけが頼りで実質暗闇だ。
上条は御坂を背に、ゆっくりとその急な階段を下りてゆく。
かつん。かつん。
息をのみ、一段一段を慎重に下ってゆく。
御坂が背後で苦しそうに喘ぎ、時々、今行くからね。と、誰かに語りかえるように呟く。
それはきっと声が近づいているせいなのだろう。
ずいぶん長い階段だが、それがもうすぐで終わる事は上条でも解った。
それは上条が御坂のような力を体得したためではなく、単に普通の耳でも聞こえるほどの「悲鳴」が聞こえてきたからである。
270 :
名も無き被検体774号+:2011/02/05(土) 23:18:33.08 ID:AK0h1k6g0
支援
271 :
1:2011/02/05(土) 23:19:42.16 ID:8QaJkJzS0
―――あああああぁ、あぁぁぁあ・・・!
―――苦しいよ。苦しいよ。
―――もうやめて。もういいから。
―――誰か。誰か。
上条は止まれなかった。
後ろで御坂が危ない、と制止しても急な階段を駆け抜ける。
ほとんど転がるように、躓いた勢いで跳ぶように落下していき。
ばがんっ!という破壊音と共に、上条はこの階段のゴールである木製の古いドアを突き破った。
☆
上条(ドアが木製でよかった・・・鉄だったら死んでたな。)
自分の阿呆を自嘲しつつも、衝撃できしむ身体を起こす。頭からぶつかったために頭蓋はぐわんぐわんと揺れ、顔を滴る血は未だ流れる。
たんっ、とワンテンポを遅れてたどりついた御坂が「ちょっと・・・!」と声をかけるが、それを上条は片手で制した。
上条「そこで待ってろ。・・・こっからはどうにも穏やかじゃなさそうだ。」
上条は赤く染まる視界の中心にとらえた人物に語る。
上条「そうだろ。・・・なぁ、お前。」
そこには小萌から送られてきた添付ファイルに移されていたのと同じ少年がいた。
272 :
1:2011/02/06(日) 00:16:21.86 ID:Qol071S40
首下までの襟足、目線が隠れるほどの前髪を左右に分け、その片方から除く隻眼の色は深く暗い黒。
服装は、かつて自分のいた学び舎の制服を適当に着崩している。
ともすれば不潔とも取れるような異常な暗さ。その存在感もさることながら、何より特筆すべき異常。
それは彼を中心として広がる地下室。
その四隅に置かれる大型のスピーカー。そして規則的に置かれた、ちょうど人1人が収容できそうな大きさのカプセル状の何か。
時折カプセルの中から、どん、どん、と呻くように音がして、先ほどから聞こえる悲鳴や叫び声もそこから聞こえる。
置き去り「・・・誰だよ、おっさん。」
いきなりの来訪者にびくともせず、彼はただただ問う。
上条「おっさん・・・そうか、若いやつにはもうそう見えるんだな・・・。」
のんきな風で滴る血を拭い言う。
上条「英雄とか、破壊者とか。―――あるいは、幻想殺し(イマジンブレイカー)・・・っつてもわかんねーよな。」
上条「なんでもねぇ、・・・お前の先輩だよ。」
そう答え、一歩彼のもとへと踏み出した上条に、
置き去り「・・・そっすか。」
と、ただそれだけの言葉の発音と、ただ一つ片腕をだらんと持ち上げた置き去り。
その瞬間、上条の身体が後ろに跳ねた。
273 :
1:2011/02/06(日) 00:31:35.96 ID:Qol071S40
上条「がッ・・・!!!?」
地下室は広く、ドアの前に立つ御坂から数メートルは離れていた上条であった。
大人ほどの重量を一瞬で数メートルも弾き飛ばすような、そんな常識外れ(げんそうてき)な現象に上条は覚えがあった。
御坂が後ろで息を吞むのを聞きながら、上条は思わずつぶやく。
上条「超能力・・・!」
その声に置き去りは退屈そうな眼を閉じ、
置き去り「超能力(スキル)・・・。あぁ、今は亡き、旧世代の遺産っすね。」
御坂「旧・・・世代?それってどういう・・・。」
置き去り「旧世代・・・は語弊か。実際俺達のこれは、超能力(スキル)よりももっと古い時代のもの・・・って、そういう事っすよ。」
その言葉を聞いた途端、御坂はまさか、と枯れたような声を出した。
御坂「そんな。そんな、無茶な方法で・・・能力を・・・」
何かを置き去りの心から聞き出した御坂に、彼は怪訝な顔で語る。
置き去り「・・・?何か知ってるんすか?それとも読心能力(テレパス)の方っすか。・・・そうっすよ。これは超能力(スキル)が開発され出す前、超能力(スキル)を生み出すノウハウを探るため試験的に開発された、超能力(スキル)の試験態(プロトタイプ)。」
置き去り「学園都市が形成されてすぐの時代。―――もっと言えば、俺達置き去り(チャイルドエラー)という存在が始まった時代の遺産っす。」
274 :
1:2011/02/06(日) 00:46:12.07 ID:Qol071S40
上条「・・・で、お前らのこれはなんだ。物騒なこの地下室といい、その機械といい。何よりこの悲鳴はなんなんだ・・・!」
置き去り「そこまで教える義理はないっす。あんたらみてぇな小奇麗な大人様はここで殺すだけっすから。」
再び片腕を持ち上げ、鋭い目線で睨みつける置き去りを見て上条はすぐさま体勢を整えた。
置き去り「超能力(スキル)の、学園都市の、大人の・・・!汚ねェエゴの試験体(くいもの)にされた俺らは、あんたらが大っ嫌いなんすよ!!」
上条「そうかよ・・・!そうだよなぁ!」
取り合う暇もないと言うかのように置き去りの片腕から打ち出された不可視の力場が波のようにうねり上条に迫った。
上条(頼むぜ、おい。)
上条は2年の沈黙を経て振るう自らの右手にそう語り、その腕を思い切り力場の波に叩きつけた。
電気が走るように空間にヒビが入っていくと、その刹那膨大な力場の波によって歪んでいた空間は平静を取り戻す。
その反応に安堵を示す上条とは逆に置き去りは眉をひそめ、さらに横、縦、斜め、と縦横無尽に腕を振るいつつ言う。
置き去り「聞いた事ありますね。さっき言ってた幻想殺し(イマジンブレイカー)・・・。どんな異能も打ち消す異常、でしたっけ・・・!」
275 :
罪歌:2011/02/06(日) 07:30:57.22 ID:nKzyhN5A0
保守なんだよ
276 :
名も無き被検体774号+:2011/02/06(日) 13:03:07.29 ID:BdCKLLho0
保守
277 :
名も無き被検体774号+:2011/02/06(日) 19:53:18.34 ID:bRF9Lt5/i
保守するんだよ
保守してやんよ・・
279 :
名も無き被検体774号+:2011/02/07(月) 08:35:01.35 ID:iAe3WgkK0
保守
280 :
罪歌:2011/02/07(月) 14:16:08.29 ID:w2NFHxQv0
支援かも
281 :
名も無き被検体774号+:2011/02/07(月) 16:59:16.70 ID:eMECJEBLO
その乱撃に対し上条は、横に後ろに、時には前へと足を動かし波動を切り裂く。
上条「もっと教えてやるとな…!この学園都市が機能を失ったのも、そのせいで沢山の人が沢山のものを失ったのも!全部俺のせいだ!」
上条は叫ぶ。
今自らに降り注ごうとしている痛みの全ては罰なのであると、そういう確信がある。
だから全てを懺悔する。懺悔した上で、全ての痛みを吐き出させ、それと対決する。
そしてその叫びに呼応するように、置き去りはさらに目つきを鋭くさせた。
置き去り「おいおい…。なんすかそれ…
。なんなんすかそれはァああああ!!!」
打ちだす波動の強さが増す。驚くべきはその程度であり、なんと上条の幻想殺しで第一波を相殺してもその余波が上条の脚を揺るがせる。
置き去り「結局何もデマじゃなかったと。あんたみたいなバカみてーに希有な存在が存在して!よりにもよってそいつのせーで今の惨状があるっつーんすか!?」
置き去り「ヤな世の中っすよね…本ッッッ当にクソッたれたもんっすよね!!
いつもそうだ。生まれてからずっと信じられねー事ばっかだ!
親に捨てられ、街のモルモットにもなって!努力して努力してやっと高位能力者になれたと思ったら次は力を失った!!」
いつしか置き去りは腕を上から真下に叩きつけるようになり、連動する力場の塊は上条を上から押しつぶす様に降りかかった。
置き去り「かと思ったらその原因が幻想殺しっすよ。どこの三流映画かって言いたいとこっすよ。
マンガやゲームじゃねーんすよ、人生は!!
そんな信じたくもねーイレイギュラーなんて、あってたまるかっつーんすよ!!!」
降りかかる力の余波は上条の骨の芯にまで響き渡る。身体が砕けていくような痛みは想像を絶した。
これは面白い、支援
283 :
1:2011/02/07(月) 20:30:31.66 ID:YCA841QQ0
置き去り「嫌いだ。大ッッッ嫌いだ!!
生まれた瞬間から俺の人生を異常にした両親も、俺を異常に育てた大人も、この意味わかんねー異常な学園都市(まち)さえも!!!」
上条「ッ―――?!」
同時、上条の膝は衝撃に耐えきれずがくんとまがった。
掲げていた幻想殺しのガードが崩れると、上条は相殺を免れた力場の塊によって地面へたたきつけられる。
上条が地に伏せた事を見ると置き去りは力場の塊を操作し、上条の右手首を枷状の力場でロックし幻想殺しの機動性を封殺する。
置き去り「―――詰み、すね。」
置き去りはさらに上条の両手足の首を同じ力場の枷で封じ、ゆっくりと彼に近づいてゆく。
そして止めの一撃を放たんと、片手を揚げ。
御坂「やめなさい・・・!!」
振り下ろそうとしたところで、背後からたまらず飛び出した御坂に視界をふさがれる。
御坂は恐怖心と葛藤しているためかふるふると僅かに震え、心臓はドクドクと脈打ち肌が赤くなっていた。
それを死んだような眼でつまらなそうに見つめる置き去りは吐き捨てるように言う。
置き去り「やめなさいってアンタ・・・こっちがやめなさいっすよ。」
置き去りの口角が人を嘲るように吊り上った。
置き去り「アンタらがどっからどうやって何のために入ってきたかは知らねっすけど、無理してカッコつけないほーがいんじゃないすか?」
置き去り「何のマネかしんねーっすけど、おねーさん見たとこ大した力も無いみたいじゃないすか」
置き去り「大方、入切ってそこのおっさんに引っ付いてきたんでしょーけど。そのおっさんもさることながらアンタも馬鹿っすね。今更熱血なんてはやんねんすよ。」
284 :
1:2011/02/07(月) 20:44:29.51 ID:YCA841QQ0
暗く、粘着質な声で、静かにまくしたてた置き去りは僅かに息を吸い直す。
地下室に横たわる冷たい空気を肺に入れた置き去りの表情は、饒舌に語るそれよりどこか影がある。
置き去り「・・・もー救いも何もねーっすよ。」
しかし御坂には解る。
置き去り「誰が何したって変わんねーんすよ。少なくとも俺らには過去がある。どーしても挽回できない欠点が。」
そしてきっと、地を這いながらも置き去りを見据える上条にも。
置き去り「壊すしかない。こんな狂った科学万歳の狂信者達の街なんて。」
この置き去りは、きっと。
己の決意を紡ぐように言葉を重ねていく置き去りの目には、徐々に鋭角的な殺意の念が迸ってゆく。
置き去り「俺ら試験態能力者(プロトタイプ)がぶっ壊してやるんすよ・・・!」
そんな彼の牙を見ても、2人は彼の本質を見逃さない。
―――そう、彼は。
上条・御坂(―――救いを、求めている。)
285 :
1:2011/02/07(月) 20:57:58.55 ID:YCA841QQ0
ならば、やる事は一つ。
御坂「―――させないわよ。私達が、前の世代の者として。・・・あなたの言う、『大人』として。」
聞いて、苦虫を噛んだような置き去りが何か言おうとする前に御坂は手元に落ちていた鉄くずを素早く投擲した。
突然の飛来物に思わず腕をクロスさせ生身の防衛手段をとってしまった置き去りの元へ、御坂は思い切りタックルをすると、腰にしがみつかれるようにして重心を崩された置き去りは受け身をとれないまま倒れ込んだ。
置き去り「っ!?・・・こ、のっ・・・!!」
そして上条は倒れ込み際にちらりと御坂から送られた目線に気付いていた。
集中力の乱された置き去りは、自らが上条に放った枷状の力場のコントロールを失っていた。
上条は渾身の力で拘束力の落ちた右手の枷をこじ開ける。そして素早く左手、右足、左足の枷を幻想殺しで解除する。
286 :
罪歌:2011/02/08(火) 05:27:31.29 ID:l1ZVCcRC0
保守なのかも
287 :
名も無き被検体774号+:2011/02/08(火) 12:37:00.17 ID:M7o3tWAR0
支援保守
288 :
名も無き被検体774号+:2011/02/08(火) 14:00:20.84 ID:mr/x7BZi0
上条さんが心配保守
289 :
罪歌:2011/02/08(火) 18:49:06.22 ID:l1ZVCcRC0
ファイト
290 :
名も無き被検体774号+:2011/02/08(火) 23:52:08.41 ID:8Ab4lRPb0
保守
ずっと最初から読んでる。
楽しみにしてるよ。
ということで保守
292 :
名も無き被検体774号+:2011/02/09(水) 17:36:58.99 ID:FIKJ3c6B0
ほ
293 :
名も無き被検体774号+:2011/02/10(木) 00:19:53.90 ID:xBx6uEkL0
し
294 :
名も無き被検体774号+:2011/02/10(木) 00:49:29.16 ID:xnH8gkvji
ゅ
295 :
名も無き被検体774号+:2011/02/10(木) 05:26:56.04 ID:tNWLuF7OO
追いついてもーた
終わってなかったのかよ
続きが気になるじゃねーか
296 :
罪歌:2011/02/10(木) 20:19:30.80 ID:1XLGL8b00
支援なんだよ
297 :
名も無き被検体774号+:2011/02/10(木) 22:53:52.36 ID:qwXjam49O
想定外の事態に踊らされた置き去りは醜く顔を歪める。
置き去り「アンタらみたいな部外者っ…!だまってりゃいいんすよ!!」
再び片腕を振り上げる置き去りと、その目の前に立ちふさがる御坂。
上条「おい、はやくこっちに戻ってこい美琴!!」
しかし御坂は背を向けるどころか真っ直ぐ置き去りに立ち向かった。この距離感では、上条が走って御坂を庇う前に攻撃が放たれてしまう。御坂がその場から退くほかに方法は無い。
しかし彼女にはもとより逃げる気など無かった。
御坂(―――解る。聞こえる。)
置き去りが腕を振り上げる数秒も前から、御坂には置き去りの思考が聞こえていた。
それは頭の良い人間の典型的なクセである。
御坂(一手も二手も先を、思考してしまう。そして私は、それが解る。)
故に彼女は置き去りが放った波動の死角を的確に理解し、そこへ飛び込む事で攻撃を回避した。
御坂(心を聞き取る―――いいえ。脳内信号を、読み取る。)
そして、
御坂(それならもしも、人の心に―――脳内信号に。干渉する事が出来たなら…!)
最初の時点で、彼の試験態能力(プロトタイプ)のロジックは既に読み取っている。
御坂「らああああああっっっ!!!」
置き去りの振り向き様に死角から放たれた決死の頭突きが、彼の額に突き刺さった。
そして刹那、密着した御坂と置き去りの皮膚の間を微弱な電磁波が通った事を御坂は見逃さない。
御坂(通った―――!)
元、レベル5の電撃使いである彼女にこそ解る感覚。
光速の交渉。その中に凝縮される、膨大な情報の波。
そのやり取りは一瞬であったが確実に置き去りのロジックをかき乱し、またそれは光速の名において置き去りが頭突きのショックから立ち直るよりも早く完了する。
置き去り「ってぇなァ…!!!死ねよクソ女ァあああああ!!!!」
振り払われた試験態能力(プロトタイプ)が御坂に襲いかかり、
とん、と。
誰かに押された程度の力で御坂は尻餅をついた。
298 :
1:2011/02/11(金) 16:47:05.43 ID:rUpsMCk10
御坂「いたた・・・。」
悠長に腰を摩る御坂の前で愕然とするのは置き去りである。
置き去り「なん―――っっで・・・!」
頭の中で考えている事が、違っていた。
つい一秒前までは『最高出力で』力場を放とうと、そう思考していたはずだった。
しかし今は『人を押しのける程度』の力場を放とうとしか考えられない。
―――いや、脳がそれしか思考しないようにと自主規制を敷いている。
しかしもちろん、自力で脳にそんな暗示をかける事などできるわけがない。
となれば。
置き去り「アンタか・・・俺の、俺のアタマん中を弄ったのは!!!」
御坂「当麻!!!」
上条「おお!」
上条はすでに体勢を整え、全身のバネを弾かせ爆ぜるように置き去りの元へ駈け出した。
置き去り「ふざけんな・・・。ふざっけんじゃねェェェェっすよ!!!!」
実質的に能力を失った置き去りは叫び、拳を握った。
置き去り「いつだって俺らを捨ててきたアンタらが!今更なんだっつーんすか!?俺らは、俺らはこれから新しい街を作ろうとしてんすよ!俺らはこれから変わってくんすよ!!」
上条を迎え撃ち、先制の一撃を放つ。
フォームも何もないがむしゃらな拳を上条は顔面で受け取る。
置き去り「そんな俺らにまだ何かするつもりすか!?あんだけ弄繰り回して、自分らでも嫌気がさすくらい人間歪ましたのはどこの誰すか!?アンタらだろ!?アンタらじゃねぇっすか!!!」
何発も何発も、連続して繰り出す稚拙な拳。
しかしそれを避ける事なく、上条は身を捧げるように打撃の雨に打たれてゆく。
置き去り「邪魔なんかさせねっすよ・・・!ここをぶっ壊して、俺らは俺らが普通に生きていける、新しい街を作るんだ!!!」
最後の一発は上条の鳩尾に叩き込まれ、上条はくふ、と僅かに血の塊を吐いて地に膝をついた。
御坂「っ・・・!当―――!」
御坂が再び置き去りの元へ駈け出すが、置き去りが軽く腕を振るうと御坂はさっきよりも強い力によって反対側の壁まで叩きつけられた。
置き去り「器用なマネをしてくれたもんすけど、そろそろアンタの幻術も解けてきたみたいっすね・・・。」
御坂は痛む身体を動かそうとするが、背面全体からアスファルトにぶつかった衝撃で呼吸ができない。肺がぺしゃんこになったように息が通らず、意識が遠のきそうになる。
それを確認した置き去りはポケットからプラスチック製のカード状の何かを取り出し、苛立ちをぶつけるようにそれを歯で噛み砕く。
砕かれたカードの破片は置き去りの口元を傷つけ、血を滴らせた。
299 :
1:2011/02/11(金) 17:17:48.99 ID:rUpsMCk10
そしてその血に混じり、白いさらさらとした粉のようなものが見える。
上条「それ・・・は・・・。」
置き去り「知ってます?これがモノホンの『体晶』って奴っす。簡単に言えば能力を暴走させるための誘発剤っすね。」
上条「ホント・・・馬っ鹿野郎か、お前は・・・!」
置き去り「なんとでも言えばいいっすよ・・・馬鹿野郎!」
瞬間、上条は真下から腹にアッパーを入れらたかのように打ち上げられ、だだっ広い地下室を数メートルほど吹き飛ばされた。
オーガズムにも似た高揚感と快感がふつふつと湧き上がり、それに伴い自らの理性が欠落し、能力が膨張していくのが解る。
置き去りの瞳孔は開き、彼自身徐々に焦点が合わせられなくなってくるのを感じた。
コンピューターのように速く、膨大な量の情報が頭の中をただ行き来する。
もう何分も持たない理性を気力で繋ぎ止め、血と胃液を吐きながらそれでも立ち上がる上条の前で置き去りは最後の咆哮を上げる。
置き去り「何もかも無かった事にして・・・俺達は人生を変えてやるんすよおおおおおおお!!!!」
瞬間、置き去りの周囲を空間が歪むほどの力場が取り巻いた。ドーム状に彼を包むそれは渦を巻き、その先端を上条に向ける。
上条「お前のそれはただの破壊だろうが!!・・・誰かを、何かを変えるならまず自分が変わりやがれ!!」
上条は立ち上がり、その拳を再び握りしめる。
置き去り「何も変えられなかった、落ちこぼれがああああああああ!!!!」
力場の砲弾となった置き去りが弾かれたように上条へ向かう。しかし上条は迫りくる大きな力に対し、ただ一つだけ呟くのだった。
上条「だから・・・!」
上条「お前らの追いやられた悲しい現実(げんそう)なんか―――!」
これは数ある償いの中の一つに過ぎない。
しかしその小さな「1」は、決して微弱なものではない。
小さな少年の中に秘められた大きな想いが生み出した、大きな力。
それが例え間違った幻想であっても、それから目を背けてはいけない。
それと同等の、本気の想いを以てして、ぶつからなければいけない。
―――だから。
上条「俺達が、大人が、ぶっ壊してやんだよ!!!!!」
そう叫び放った上条の拳は、地面のアスファルトをまるで土であるかのように削り散らしながら突き進む置き去りの力場を打ち破り、彼自身の頬に突き刺さった。
300 :
名も無き被検体774号+:2011/02/11(金) 19:54:20.76 ID:/fMggnY30
そういえばスレタイの私がまだ出てないかも これは… 支援なんだよ!
301 :
名も無き被検体774号+:2011/02/12(土) 03:00:36.44 ID:XwXaWOQK0
五和は何をやってるんだろうか気になったお
追いついちまった・・・
続き投下待ってるおー
303 :
名も無き被検体774号+:2011/02/12(土) 15:32:35.35 ID:uvpPjILc0
保守します、とミサカは今までの感謝とこれからの期待を込めて言います。
304 :
名も無き被検体774号+:2011/02/13(日) 03:09:23.47 ID:ba/Q53Rn0
ほ
305 :
名も無き被検体774号+:2011/02/13(日) 11:21:03.05 ID:y6TMexhe0
し
306 :
名も無き被検体774号+:2011/02/13(日) 12:11:09.80 ID:yN4RQVix0
の
く
308 :
名も無き被検体774号+:2011/02/14(月) 01:07:12.55 ID:QheF58cMO
保守
309 :
1:2011/02/14(月) 23:56:58.60 ID:fbRkcLGi0
☆
上条の一撃をその身に受けた置き去りは元々『体晶』による消耗もあったせいか眠るように気を失った。
そして今、上条と御坂は小萌を通じて警備員(アンチスキル)へ通報し、彼らの到着を待つ間にこの異様な地下室を調べて回っている。
上条は見慣れない機械を前に首を捻るばかりなのだが、それとは対照的に御坂は規則的に並ぶカプセルへ積極的にアプローチを進め、カプセルの一つ一つに付属しているスクリーンを相手に次々とわけのわからない操作を実行しているようだった。
御坂「一つ一つは内部の環境を調節する機能しかついてないみたいね・・・。となると―――。」
御坂は顔を上げきょろきょろと周りを見渡すと、壁の一部にせり出したパネル状のものを発見する。
御坂「あった!・・・これがホストコンピュータになってるみたいね。」
そう言い何分か作業をする内に、ぶんぶんと不穏な音を立てながら稼働していた個々のカプセルがそれぞれ動きを止め、その表面が解放されてゆく。
中には御坂が聞いた子供の声の通り、先の置き去りと同年齢かそれ以下ほどの男女が収容されていたようだ。
しかしさっきの苦しんでいた様子とはうって変り、彼らもまた気を失ったようにカプセルの中に横たわったままでいる。
上条「おい、大丈夫なのか?これ・・・。っていうか、一体何だったんだ、これは・・・。」
保守
311 :
名も無き被検体774号+:2011/02/16(水) 04:35:54.89 ID:WY/LqPTN0
保守
312 :
名も無き被検体774号+:2011/02/16(水) 07:59:38.30 ID:sGWxrFs+O
上条の呟きに御坂は答える。
御坂「あの置き去りが言ってた通り、とても古い能力開発の形よ。」
そう言って、御坂はカプセルの中で眠る名も知らぬ少年に目をやった。
御坂「私たち能力者には、ある一定の周波数の音によって能力が撹乱されるって特徴があるわよね。―――キャパシティダウンなんかが良い例だけど、この方法はそんな能力者の特徴を逆手に取ってる。」
上条「どういう事だ?」
御坂「逆説的なのよ。
恐らく人間には開発前でも元々何らかの能力が宿っているって…つまりレベル0でも、またはそれ以下の完璧な一般人でさえも、少なからずのAIM拡散力場を形成してると。
―――そういう前提を立てた上で、さっき聞こえたような特殊な音で脳を刺激する。多分あのスピーカーよ、見たこと無い形してるし。」
御坂「希望的観測の交じった、不確実性の強い方法よね。前世代の遺産なんて言い方も納得がいくわ。
…あのスピーカーから出る音とAIM拡散力場が反応を起こして能力が活性化を始める。
けどそれは元々、レベル0かそれ以下の人間に施される施術。
元が微弱なAIMってだけに、活性化した能力だって微弱なものだったんだと思う。」
けれど、今回はそれが、既に開発が成され脳に能力回路が形成された人間に使われた。
回路が出来上がってしまっている彼らは、何の回路も出来ていない人間に使うはずの施術をされて必要以上に能力を活性化させてしまっていたと。
つまりはそういう事らしい。
御坂「そしてあの『体晶』。施術をしても能力の活性化が見られない被験者に使うものだったんだろうけど…。」
御坂は身を屈め、すやすやと眠る少年の頭を撫でている。顔にはまだいくばくかのあどけなさが残る、中学生ほどの少年であった。
313 :
名も無き被検体774号+:2011/02/16(水) 19:01:41.49 ID:AW/HkmgiO
ほ
314 :
罪歌:2011/02/16(水) 20:23:57.87 ID:QMLVe7O20
初めに比べて会話へったなぁ
315 :
名も無き被検体774号+:2011/02/17(木) 00:42:15.86 ID:Gkliwvpt0
C
316 :
名も無き被検体774号+:2011/02/17(木) 12:41:43.90 ID:uskgDD/7O
ほっほ
317 :
名も無き被検体774号+:2011/02/17(木) 19:52:54.65 ID:A8IhvczM0
ほ
318 :
名も無き被検体774号+:2011/02/18(金) 12:02:21.95 ID:w23KC4Ok0
hosh
319 :
名も無き被検体774号+:2011/02/18(金) 16:18:17.27 ID:Sii0F1nm0
保守
320 :
名も無き被検体774号+:2011/02/19(土) 06:54:41.88 ID:oWDXEuntO
ほ
321 :
名も無き被検体774号+:2011/02/19(土) 17:51:25.02 ID:Fzb4+sGk0
フォーーーーー!
322 :
名も無き被検体774号+:2011/02/20(日) 13:33:25.41 ID:ba7NKdoY0
ほっほっほ
323 :
名も無き被検体774号+:2011/02/21(月) 08:07:53.05 ID:06vHWpki0
保守
ほ
ほ
326 :
名も無き被検体774号+:2011/02/22(火) 08:14:03.62 ID:99RbRmHrO
そろそろほ
ほ
328 :
名も無き被検体774号+:2011/02/23(水) 08:05:35.16 ID:jgfpjs2J0
ほす
329 :
名も無き被検体774号+:2011/02/23(水) 21:23:59.36 ID:TfLeT5K40
ほ
ほ
332 :
名も無き被検体774号+:2011/02/25(金) 21:05:20.95 ID:RMIKXCgS0
ほー
333 :
名も無き被検体774号+:2011/02/26(土) 13:03:36.72 ID:IgcAvigK0
ほ
保守
335 :
!ninja:2011/02/26(土) 23:17:50.47 ID:7yvlmsvji
イ
336 :
名も無き被検体774号+:2011/02/27(日) 01:41:41.53 ID:z3HS+4d80
owata
337 :
名も無き被検体774号+:2011/02/27(日) 18:00:50.44 ID:H9FVnpHK0
保守
禁書「だってここは、そういう所だよね?」
339 :
名も無き被検体774号+:2011/02/28(月) 01:21:13.50 ID:lR6Jaex/i
禁書「とうま?」
帰ってきてほしいにゃー
341 :
名も無き被検体774号+:2011/02/28(月) 20:20:45.54 ID:rDYpdqK50
シューリオー?
おわたの?
342 :
名も無き被検体774号+:2011/03/01(火) 01:58:35.67 ID:gcOtTn6B0
闘利王みたいに言うなwww
343 :
忍法帖【Lv=8,xxxPT】 :2011/03/01(火) 02:28:17.01 ID:WfubMH4A0
谷
344 :
名も無き被検体774号+:2011/03/01(火) 09:02:50.94 ID:BNhIkbEwO
間
345 :
名も無き被検体774号+:2011/03/01(火) 10:20:23.22 ID:ehpNh0XC0
とうまんこ
346 :
名も無き被検体774号+:2011/03/01(火) 19:50:04.85 ID:3tHOCs9m0
ほ
347 :
名も無き被検体774号+:2011/03/02(水) 01:10:21.89 ID:jXTIG3270
ほっしゅ
348 :
名も無き被検体774号+:2011/03/02(水) 16:54:26.86 ID:ZB08W/8g0
禁書「だってここは、まだ終わってないよね?」
349 :
名も無き被検体774号+:2011/03/02(水) 23:04:46.08 ID:JeKLloxG0
ほしゅ
350 :
名も無き被検体774号+:2011/03/02(水) 23:15:16.62 ID:TIZza8yNP
てす
351 :
名も無き被検体774号+:2011/03/03(木) 05:51:49.00 ID:Xhns53rr0
ほ
352 :
名も無き被検体774号+:2011/03/03(木) 09:33:25.50 ID:T/fS5x7a0
終わったっつってんだろうが!このド素人がっ!!
byねーちん
353 :
罪歌:2011/03/03(木) 13:51:27.79 ID:Up+QC5bn0
終わってねぇよ
354 :
名も無き被検体774号+:2011/03/03(木) 22:12:37.27 ID:q1z0WZn40
めでたしめでたし
355 :
罪歌:2011/03/04(金) 03:11:59.93 ID:NIBSIusJ0
まだだ
356 :
名も無き被検体774号+:2011/03/04(金) 08:42:46.11 ID:sww8NmNF0
まだ終わらんよ
357 :
名も無き被検体774号+:2011/03/04(金) 17:31:40.13 ID:MBbb5vJV0
ここは保守で1000まで行くスレに変わりました
358 :
名も無き被検体774号+:2011/03/05(土) 17:09:49.86 ID:Bvg4SY4R0
保守派
待派
まだ終わってなーい
361 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 02:44:11.96 ID:yM4jXz5d0
木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
362 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 12:33:53.67 ID:zm5H8Cjj0
ここは任せろ俺が保守する
先に行け
363 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 14:00:56.77 ID:yM4jXz5d0
364 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 21:23:27.19 ID:xnThNSQB0
365 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 23:02:55.93 ID:u60S9wHv0
366 :
名も無き被検体774号+:2011/03/06(日) 23:31:37.36 ID:zm5H8Cjj0
フンッッ!! ほしっゅ!!
367 :
名も無き被検体774号+:2011/03/07(月) 21:46:21.85 ID:zyuEbp/n0
ほ
まだやれるさ!
保守
補修
371 :
名も無き被検体774号+:2011/03/10(木) 14:02:38.86 ID:AHhl3s8A0
保守
372 :
名も無き被検体774号+:2011/03/10(木) 21:10:25.94 ID:CexZWIqE0
ほ
373 :
名も無き被検体774号+:2011/03/11(金) 01:55:14.79 ID:fbwV2zPi0
みんな新約禁書はもう買ったかい?
374 :
名も無き被検体774号+:2011/03/11(金) 20:29:54.52 ID:z45W2mwn0
ほ
375 :
名も無き被検体774号+:2011/03/11(金) 20:43:21.89 ID:+KaYLCEq0
クァシス
377 :
名も無き被検体774号+:2011/03/13(日) 06:32:21.30 ID:MKx6EvVO0
ほ
378 :
名も無き被検体774号+:2011/03/13(日) 18:52:48.01 ID:HXjiahBN0
過疎ってるなぁ
379 :
名も無き被検体774号+:2011/03/14(月) 08:34:35.90 ID:7jRFmODe0
保守
380 :
名も無き被検体774号+:2011/03/14(月) 14:36:28.54 ID:Nn8WXWCH0
保守で1000が先か落ちるのが先か
☆
保守
383 :
名も無き被検体774号+:2011/03/16(水) 04:44:33.42 ID:vU1GmYOW0
保守
384 :
名も無き被検体774号+:2011/03/16(水) 09:45:22.09 ID:ACFnWBz/0
保守
385 :
名も無き被検体774号+:2011/03/16(水) 10:50:41.30 ID:Of0Le7YX0
ほ
保守
1はわすれてるんじゃないかと
388 :
名も無き被検体774号+:2011/03/16(水) 20:58:22.35 ID:pY6WNJ6+0
1が去って早1ヶ月だな
389 :
罪歌:2011/03/16(水) 21:46:31.81 ID:EkwgTNJm0
ホッシュメントですの
390 :
名も無き被検体774号+:2011/03/17(木) 21:20:41.96 ID:0CYbGzNW0
保守
1、待ってるぞ
391 :
名も無き被検体774号+:2011/03/18(金) 18:11:42.79 ID:x3idBwoq0
やっと読めた
1書いてくれよー!めっちゃ面白い
保守
1は生きてるのか?
394 :
名も無き被検体774号+:2011/03/19(土) 17:26:41.98 ID:/5qe0+oE0
頼む描いてくれ〜
395 :
名も無き被検体774号+:2011/03/19(土) 19:51:40.16 ID:tF/w/ZCB0
保
396 :
名も無き被検体774号+:2011/03/19(土) 20:08:10.39 ID:/5qe0+oE0
守
397 :
名も無き被検体774号+:2011/03/20(日) 09:07:40.93 ID:TyXtgw/t0
保守なんだよ
保守
399 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/03/22(火) 07:22:55.31 ID:O+OX5Nr70
ほっしゅ
400 :
名も無き被検体774号+:2011/03/22(火) 14:49:55.53 ID:fgAlUGdJ0
保守
401 :
名も無き被検体774号+:2011/03/23(水) 07:34:50.33 ID:zVTplfkJ0
保守
402 :
名も無き被検体774号+:2011/03/23(水) 13:46:49.10 ID:dWBoLP2T0
ほ
403 :
名も無き被検体774号+:2011/03/23(水) 15:19:20.67 ID:iikFrtWK0
保守
404 :
名も無き被検体774号+:2011/03/23(水) 15:26:59.67 ID:YXFc7no00
保守するんだからねっ!!
追い付いたが…終わったのか
406 :
名も無き被検体774号+:2011/03/23(水) 21:12:52.46 ID:dWBoLP2T0
かなり面白いのに残念
407 :
名も無き被検体774号+:2011/03/24(木) 17:34:49.00 ID:ISqvWppL0
保守
408 :
名も無き被検体774号+:2011/03/24(木) 21:05:40.88 ID:mTtkTI7w0
保
409 :
名も無き被検体774号+:2011/03/24(木) 21:28:34.04 ID:inu9A2Qf0
守
410 :
名も無き被検体774号+:2011/03/25(金) 13:07:50.27 ID:+q8VOrQY0
ほ
411 :
名も無き被検体774号+:2011/03/25(金) 13:36:24.32 ID:udiI4hby0
しゅ
412 :
名も無き被検体774号+:2011/03/27(日) 04:49:01.89 ID:Raxb9qxG0
ゅ
ひさしぶりに覗いたがスレ主戻ってきてなかったか(´・ω・`)ショボーン
414 :
名も無き被検体774号+:2011/03/28(月) 00:12:04.41 ID:W/S3wrAT0
保
415 :
名も無き被検体774号+:2011/03/28(月) 02:41:05.09 ID:GamjlBe70
結局どうなるんだよ、このスレ
守
418 :
名も無き被検体774号+:2011/03/28(月) 23:20:18.62 ID:tjYhKCIm0
保守だあああああ
もう1ヶ月以上か
更新とかは良いから生存報告だけでもして欲しいな
地震もあったし心配だ
421 :
名も無き被検体774号+:2011/03/29(火) 12:30:52.90 ID:LJWm63L70
ほ
422 :
名も無き被検体774号+:2011/03/29(火) 12:30:57.71 ID:LJWm63L70
ほ
423 :
名も無き被検体774号+:2011/03/29(火) 19:57:30.39 ID:5Pje9n5n0
しゅ
424 :
名も無き被検体774号+:2011/03/30(水) 00:29:14.52 ID:UudMrf2D0
保守します、とミサカは感謝と期待を込めて
>>1に伝えます
<<1 はやくー
426 :
名も無き被検体774号+:2011/03/30(水) 15:04:45.28 ID:ejB/xWB00
にゃ〜
保守するですたい、早く続き頼むぜ〜
保守
保守
保守
431 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 15:00:55.59 ID:gYobLkmk0
その童顔はどこか、たった数年前の自分たちを思わせる。
「―――ふざけんな。」
上条の後ろで、黒い影がぼんやりと立ち上がった。気付く上条だが、彼はその立ち上がった脅威に対して未だ背を向けている。
置き去り「まだ・・・まだ終わらないっすよ。こんななまっちょろいやり方で邪魔されて、何もできずに生きていけっつーんすか。―――冗談じゃない。そんなの地獄だ。夢も希望もあったもんじゃない!!」
上条「・・・そうだな。
本当に夢も希望もあったもんじゃない。」
さりげなく御坂をかばうように立ち上がり、それでも背を向けて上条は語る。
上条「よかれと思ってしたことがとんでもない失敗に繋がったり、どうしようもない素人にやらせた事が、自分以上の成果を上げてしまったり。」
上条「思っている事の、その奥底は同じ筈なのに。波長は合っている筈なのに、育ち方や環境が違ったってだけで分りあえなくなる。 」
上条「どうしても譲れないものがあるけど、相手だってどうしてもそれを譲れなくて、対立になる。」
置き去り「何を今更―――」
上条「でも。」
上条は振り返る。
そこには涙で顔をぐしゃぐしゃにして、それでも最後の信念を振り絞って上条を睨みつける置き去りがいる。
上条「解り合う形が絶対にある。受け入れられなくても、伝わっているものは絶対にある。」
上条は彼のほうへ歩みだした。
上条「分りあう事から、自分を見せる事から、目を背けちゃいけない。
痛みが伴っても相手に伝えようとしないと、自分に伝わってきたことを考えようとしないと、人は共存できない。」
置き去り「そんな事―――したっすよ、もう呆れるほどその方法にはしがみついたんすよ!!・・・それでも聞かない、分りあおうとしない、俺たちを実験動物としてしか扱わなかったのはアンタらの―――」
432 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 15:11:42.48 ID:AlAlMXSK0
帰ってきた
433 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 15:45:14.82 ID:gYobLkmk0
上条「じゃあ俺の所に来い!!!」
遮る言葉は強い。上条の中にある自信が、その強さの裏付けになっていた。
この置き去りの心の一番深いところに何があるのか。
それが解っていた上条は、彼を受け入れられる。
―――となれば、後は。
上条「俺を、受け入れてくれ。」
わずかに手を広げ、拳を開く。
ここがお前の居場所であると、ここを新しいお前の居場所にしていいんだと、そう言っているかのように。
熾る紛糾、走る亀裂。
置き去りの周りで、空間が歪みだす。
彼の中の葛藤が、その葛藤を振り切るように再び能力を暴発させる。
置き去り「p@h77w俺、mfは―――。」
力場の渦がその慣性に耐え切れず崩壊する寸前、上条は置き去りの足が一歩前に踏み出していたことに気付いた。
上条「解ったよ。―――全部、わかった。」
耐え切れず、溢れ出る歪みの波に空間が飲み込まれる瞬間。
「そこまでよ。」
掛かる新たな声と共に、置き去りがぱたりとその場に崩れ落ちた。
続きキタ---
435 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 17:31:43.53 ID:eM/30R8T0
1が帰って来たーー
帰ってきたーー!!
437 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 22:19:25.41 ID:oq/aj0eS0
438 :
名も無き被検体774号+:2011/04/01(金) 23:36:49.82 ID:avjLSZg90
おかえりなんだよ!
439 :
名も無き被検体774号+:2011/04/02(土) 01:28:01.01 ID:zMJia08g0
無事だったか、
待っててよかったぜ
440 :
名も無き被検体774号+:2011/04/02(土) 02:02:27.20 ID:L2mtlH0cO
ぶっちゃけ落ちると思っていました。
まさかこんなに需要があったとは思わず…
今申し訳ない気持ちでいっぱいです、長らくお待たせしてしまい本当にすみませんでした。そしてこんな文章を求めて下さり、本当にありがとうございます。
最後までもう少しなので、これより再開とさせて頂きます。
441 :
名も無き被検体774号+:2011/04/02(土) 13:34:45.56 ID:rvtMgP9UO
支援
キター*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η *・゜(n‘∀)゚・*( n‘) :*・゜ ( ) *・゜(‘n ) ゚・* (∀‘n) ゚・*η(‘∀‘n) ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
一瞬怖くなって日付を確認したら四月二日だった
444 :
名も無き被検体774号+:2011/04/02(土) 20:45:40.41 ID:87S50EWz0
もう少しなのか
ま がんばってくれ
445 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/04/02(土) 21:08:39.81 ID:lHBK7qfo0
支援
446 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 00:06:30.18 ID:jHEPcnah0
まだあったのかここ
447 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 00:16:51.55 ID:R/NN0IIr0
?「変わらぬのね、上条当麻。―――いくばくか大人しくなりきと、ステイルからは聞きていたのだけど?」
上条は、この中高生が無理にひねり出したような、古語混じりの妙な日本語に聞き覚えがある。
上条「あんたは―――ローラ・スチュアート・・・」
イギリス聖教の最大主教(アークビショップ)にして、曲者ぞろいの必要悪の教会(ネセサリウス)を束ねる実力者でもある。
そんな彼女は何重にも折りたたむように結った、2,3メートルもありそうな艶やかな金髪の輝きを湿気った暗闇に走らせる。
ローラ「ご無沙汰ね♪幻想殺しの。」
にこりと笑うローラであったが、彼女の事を知らない御坂にはいきなりの乱入者に驚く他できる事は無い。
しかしそれにしても、魔術サイドのトップである彼女が何故こんな所にいるのだろうか。
ローラ「携帯電話は持っているかしら?」
上条「そりゃ、勿論・・・。」
そういって携帯電話を取り出そうとする上条に、ローラは「それでテレビを見てみるがいいわ。」と言うがこんな妨害電波がぶんぶんと飛び交う地下室の中ではテレビどころかウェブにも繋げない。
448 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 00:17:58.81 ID:R/NN0IIr0
ローラ「んもう!科学万歳ともあろうに、学園都市の名が聞いて呆れたりよね!」
そう言い、次は逆にローラが何やらごそごそとし始め、
ローラ「みよ。」
一枚のわら半紙を持ち出した。暗がりでよく見えないため、上条も御坂も身を寄せ合うようにしてそのわら半紙を覗き込んだ。
何やらたくさんの印鑑とサインがあるようだが、外国語に精通しているわけでもない上条には何が何やらイマイチ理解できないので。
上条「えっと・・・なんでせうか?これ。」
そう問うが、
ローラ「権利書。」
上条「権利書・・・?」
御坂「何の・・・?」
順々に呟いた二人に、ローラはすばらしくさっぱりと答える。
ローラ「学園都市の。」
上条「・・・え?」
上条「それっt御坂「はあああああ?!」
上条の声を押し切り、いち早く事態を察知した御坂が声を上げた。
御坂「学園都市を、買っちゃったの??!アンタが!!!?」
ローラ「その通りよ!」
ぬっふんと胸を張るローラの表情は、一国と言っても過言ではない繁栄を見せた都市を買収した本人とは思えないほどあどけない。
449 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 01:09:37.87 ID:R/NN0IIr0
ローラ「これから思いきって、イギリス聖教の一部を学園都市にお引越ししてしまおうかと思いたるのよ!
それと学園都市の復興支援も兼ねて、それこそ今までの学園都市とは違う新しい街を作りたしと思い立ったのね。」
上条「思い切って・・・おひっこしって・・・えぇえ・・・?」
そんな事して本当に大丈夫なのだろうか、反論反感反発の嵐ではないだろうか。
ローラ「もちろん志在りし者のみで行わるる計画よ。
―――そして反論も反感も反発もあるでしょうけど、すべて話し合いで解決する所存であるのよ。―――心配しなくとも、我らがあの戦争で学んだ感じた事、学んだ事。それらを無駄にするつもりはなきの事よ。」
誰かの強い想いは、世界をも壊す。
想いを果たそうとしても、またそれを誰かが阻止しようとしても、どちらにしてもその膨大なエネルギーは爆発してしまう。
だから。
ローラ「色々な立場の者が、上手く共存してゆける場所があれば。誰かが迷った時、困った時、寂しいとき、悲しいとき、誰かに傍にいてほしいとき―――。そんな時に、きっとその誰かを、誰かが放っておかない。
一人で悩み、悶々としたエネルギーを爆発させてしまわないような世界を築きたい・・・。」
世迷言だ。
理想論だ。
社会的に、文明的に、そんな事はあり得ないのだ。
歴史が、経験が、予感がそう語りかけるだろう。少なくとも今までならば、分け隔てる事、住分ける事の必要性を主張した。
しかしきっと、今なら。
痛みを知った今なら、一人でも、二人でも。その「世迷言」や「理想論」や、「社会的にも文明的にも歴史的にもあり得なかった」事が真に必要なのだと思える誰かが表れてくれるとローラは信じていた。
ローラ「で。アンチスキルの通報を知りて、どれどれさっそく統括理事長らしく職務を全うしようかと思えば・・・。」
ふふ、とひとついたずらに笑み、上条を指さした後。
ローラ「お前がいて―――。」
今度は倒れた置き去りのほうを指さし、呟く。
ローラ「新しく、強い。冬の寒さを越した種(なかま)が芽吹いていた。」
上条は確信する。
彼女ならきっと、この学園都市を―――。いや、これから始まる、新しい都市(まち)を学園都市とは違う方向へ導いてゆける。
そして自分達は、その新しい都市(まち)の礎としての役割を快く全うできる。
450 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 01:10:42.01 ID:R/NN0IIr0
上条「でも・・・どうして突然?色々なニュースを調べたりはしていたけど、どこにもそんな計画を匂わせるような話は・・・」
ローラ「ま、確かに突発的な話ではありき事であったから。・・・というより、遅すぎたくらいだわ。だってここは―――。」
―――と、ローラが言いかけた、その時であった。
ぱたぱたっ。
ローラの後ろの長い階段、薄暗い闇の中から、白い影がふらふらと降りてきた。
上条は一瞬目を丸くして、御坂は目をわずかに凝らし、さらにもう一瞬後には二人が揃って声を上げた。
ローラとは対照的な、銀色に輝く長い髪。
闇夜の中でも瑞々しく、煌々と輝くその碧眼。
2年前から変わっていない、白く豪奢な、紅茶のカップのような白い修道服。
英国の少女らしく、2年で背も高くなったようではあったが。
それでも解る。上条のかつてのパートナーであり、御坂の恋敵の一人でもあった。
そんな彼女は、決してほかの誰でもなく―――。
上条・御坂「インデックス!!!!」
451 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 01:29:19.01 ID:R/NN0IIr0
思わず叫んでしまう二人と裏腹に、その二人分の大声に充てられたインデックス本人はびくっと硬直してしまう。
禁書「なっ、なななななっなんなの!?ローラ!ローラはどこなのかな!?ってゆーか、暗くてよくわからないけど今とうまとみことの声がした気がするんだよ!?」
忘れる事のない彼女の頭は、二人の声もしっかりと覚えている。
テンパるインデックスを見かねたローラは、何やらぶつぶつと呟くと、ひとつパチンと手を鳴らす。同時、どこからともなく表れた碧い光がライトのように地下室を照らし出す。
禁書「ローラローラローラローr・・・ってあああ!?本当にとうまとみことがいるんだよ!!しかもなんかとうまがヒキコモリから復活して、みことと良い雰囲気になってるんだよ!?」
ストレートに指摘され、無意識に上条の腕を抱いていた御坂は顔を赤くし絡めた腕を離してしまう。
ローマ「痴話も楽しいものだけれど、それよりも調度良きことね。―――インデックス。」
禁書「へ?」
インデックスの頭をなでながら、ローラは問うた。
ローラ「ここに、街を――――。もう一度学び舎を建てる、その理由(わけ)は。なんであったかしら?」
問われたインデックスは一瞬怪訝な表情を見せたが、すぐにその視線はかつての英雄であり、破壊者であり、幻想を壊した者。
上条当麻という、一人の青年に向けられる。
禁書「理由・・・?ふふ、だって―――。」
そして迷いも見せず、こう告げるのであった。
禁書「だってここは、そういう所だよね?」
いくつもの間違いを孕みつつも。
それでも小さな救いは生まれ。
この都市(まち)に、新しい夜明けが訪れようとしていた。
-Fin.-
452 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 01:32:09.24 ID:ggogxX8K0
はげしく乙
できれば後日談もよろしく
453 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 01:38:50.22 ID:R/NN0IIr0
ご清聴、多大な保守、全てに感謝です。本当にありがとうございました。
後日談のほうはエピローグとして追加させて頂くかもしれません。
すいません、とりあえず物凄く眠くてすいません寝ます
乙です...いや、お疲れ様でした!!めっちゃ楽しませていただきました
後日談読みたいな(チラ
乙でした
おもしろかったよ〜
457 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 13:24:45.11 ID:Wd0uWOk00
乙だ
楽しかったぜ
458 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 13:29:10.34 ID:V/g8lXxN0
乙
面白かったぜ!!
459 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 14:55:27.85 ID:kfT7EAU40
乙
保守してよかった
乙!
461 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 16:31:35.09 ID:RzFri4uw0
読み終わった…激しく乙!
乙!
463 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 16:39:45.98 ID:V8o9tErsO
乙!
464 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 17:45:13.15 ID:Cpdj17nF0
感動した!
465 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 18:52:00.82 ID:/zT29K/R0
乙!
466 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 22:21:59.16 ID:QZ1F0UEW0
乙 後日談待ち保守
467 :
名も無き被検体774号+:2011/04/03(日) 23:05:22.44 ID:mUuIWu4/O
乙!
468 :
名も無き被検体774号+:2011/04/04(月) 09:10:25.95 ID:i3Uvhdo3O
乙でした\(^o^)/
469 :
名も無き被検体774号+:2011/04/04(月) 22:10:46.44 ID:2+7L2WtN0
>>1乙でした! 1ヶ月待った甲斐があった。
後日談・・・やはり上琴・・・いやなにも言ってないですよ!?
おつ
471 :
名も無き被検体774号+:2011/04/05(火) 03:54:20.48 ID:Cd7L2prb0
乙
472 :
名も無き被検体774号+:2011/04/05(火) 23:27:55.18 ID:emwju7DV0
乙
473 :
名も無き被検体774号+:2011/04/06(水) 22:36:46.51 ID:zHtS7pag0
パイ乙
474 :
名も無き被検体774号+:2011/04/06(水) 23:11:39.19 ID:GMUgk8Pd0
, -──‐- 、
, -‐=====. .、 \
/. : : : : : : : : : : : : : : \ \
, -- 、 イ: : : : : /: : : : /\: :.}: : : \ ヽ\
{ `ヽ|: : :/lメ、ヽ/ , -メ<: : : ヽ | \-─ 、
l \ |/:.} x=ミ ーィz==ミヽ: : : :.ヽ| / ′
l ヽ // / / / / / / / / /\/ ヽ|/ /
ヽ V , ´ ̄ `ヽ . : : :l: : / /
\ ハ 〈/ | |: : : :l ) / やめるでゲソ!ああ
\ /: :.ヽ ヽ | |: : : :レ /
V: : : : / \ ノ ノ: : :.:l ′
l: : : / ヽ> < __」: : : :l イ
|: : :.| / { / /l: : : :.l イ: :i
|: : :.| / ヽ _ ノ 〈〈|: : : :|/: :i: : l
|: : :.|/ ヽ|: : : :|: : :.l: : l
/|: : :/ |: : : :|: : : l: : l
/:.:|: : { |: : : :|: : : : : :.l
475 :
名も無き被検体774号+:2011/04/07(木) 01:44:59.98 ID:ZaldClCcO
………
……
…
☆
上条が学園都市に戻り、ローラ・スチュワートが学園都市の理事長になり、科学と魔術が本当の意味で交差を始めたその日から、もう数年が経った。
紆余曲折ありつつも新しい学園都市は幾度も失敗し、そのたび学習し、実践し―――。
一つの悲しみから、確実に明日の希望を導く日々を送って来た。
実際に都市の治安は、今の学園都市的に言う「旧都市時代」のそれと比べれば打って変わったのだ。
最初こそそれまでの方式を引き継がざる得なく、新しくなった学園都市でも事を鎮圧するという形の治安大勢であったのだが今はそうではない。
今の学園都市に居る人々は、その大半が人を無意味に傷つける事や、力に任せて諍いを終幕へ導く事を良しとしない。
様々な国から様々な人種の人間が集まり、その様々な人種が住み分ける事なく入り混じって上手く共生してゆく、そんな環境を作り上げる為に熟考されたシステムが今はある。
代表的なのが、学園都市じゅうの学校で取り入れられた新しい必修科目であろう。
476 :
名も無き被検体774号+:2011/04/07(木) 01:56:24.12 ID:ZaldClCcO
そのシステムの一例として代表的なのが教育面―――つまり学園都市じゅうの学校で取り入れられた新しい必修科目であろう。
例えば、あらゆる国に生きる人々各々の生活様式や価値観・倫理観を一国一国丁寧に学ぶ「国際文化学」や、
旧都市時代の失敗からこれからの学園都市運営を考えるための「旧都市史」。
―――そして、最低小学校低学年から並行して履修が始まる「魔術学」と「開発学」。
特段、この「魔術学」と「開発学」の同時並行施行はあらゆる意味でとても重要な試みであった。沢山の魔術側からの反発や反感があり、それをローラが最後まで平和的な方法で説き伏せたという努力の上に成立したものなのだ。
学園都市で産まれた生徒、また新しく入ってきた生徒に対し、ここが昔の学園都市のような科学信仰的な場所でない事。また彼らに対し2つの選択肢を与える事が、この「魔術学」と「開発学」両立の目的である。
新しく学園生活を送る生徒に対しいきなり開発はせず、とにかく学問としての「魔術」や「超能力」の基礎を教育し、その一定のステージまで履修した時点でその先「魔術師」となるのか「超能力者」となるのかの選択を問う形を取るのだ。
キッターーー!!
478 :
名も無き被検体774号+:2011/04/07(木) 06:57:19.72 ID:9r8WoZ/Z0
wktk
479 :
名も無き被検体774号+:2011/04/07(木) 08:54:19.70 ID:b78drjvc0
wktk
480 :
名も無き被検体774号+:2011/04/08(金) 00:18:59.89 ID:e3OygaM20
後日談キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
保守
483 :
名も無き被検体774号+:2011/04/11(月) 00:28:40.30 ID:U3ygXzd/0
続きまだ〜?
ほ
しゅ
486 :
名も無き被検体774号+:2011/04/12(火) 12:37:09.65 ID:Sa1/gU2v0
ほしゆ
ほしゅ
488 :
名も無き被検体774号+:2011/04/12(火) 16:32:32.53 ID:KD0mt0XgO
ほ
489 :
名も無き被検体774号+:2011/04/13(水) 06:06:20.30 ID:RNYpFCSC0
も
490 :
名も無き被検体774号+:2011/04/13(水) 21:14:15.43 ID:99VqPq7QO
さ
491 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/04/13(水) 22:13:06.07 ID:qnYiAGvd0
ぴ
え
ん
す
保守
ホッシュメントですの
498 :
名も無き被検体774号+:2011/04/17(日) 01:14:40.96 ID:ImdU03oX0
ほ
も
500 :
名も無き被検体774号+:2011/04/17(日) 13:33:51.71 ID:XNP2B1hp0
き
501 :
名も無き被検体774号+:2011/04/17(日) 15:54:02.40 ID:aQef07Ms0
保守
502 :
名も無き被検体774号+:2011/04/18(月) 00:21:54.86 ID:7lO3K2re0
保守
503 :
名も無き被検体774号+:2011/04/19(火) 23:32:59.58 ID:C6ZnRIIh0
保守
てか17歳の御坂さんとか…
たまらんな…ハァハァ
505 :
名も無き被検体774号+:2011/04/20(水) 20:23:16.37 ID:iOSdaKxn0
↑真理
506 :
名も無き被検体774号+:2011/04/21(木) 20:56:29.95 ID:9CHhSPN20
保守
保守で1000いきそうだ
508 :
名も無き被検体774号+:2011/04/23(土) 00:35:20.54 ID:KlR7es5B0
保守
509 :
名も無き被検体774号+:2011/04/23(土) 11:08:31.30 ID:IURBSQan0
保守
510 :
名も無き被検体774号+:2011/04/24(日) 00:09:04.05 ID:6XJqvgSG0
保守
511 :
名も無き被検体774号+:2011/04/24(日) 17:48:24.22 ID:f/mnS0y60
保守
512 :
名も無き被検体774号+:2011/04/24(日) 18:18:16.62 ID:Zva+R05+0
ここから保守で1000行くスレ↓
513 :
名も無き被検体774号+:2011/04/24(日) 22:55:36.55 ID:avY+ZuZj0
514 :
名も無き被検体774号+:2011/04/25(月) 01:03:49.68 ID:KfXTJ9M30
にゃーんくぉむちゃむ
515 :
名も無き被検体774号+:2011/04/25(月) 18:56:04.92 ID:DJPGkJcV0
ニンニン
保守してやんよ
517 :
名も無き被検体774号+:2011/04/27(水) 11:56:20.11 ID:XCXiFApAi
ほいしゅ
518 :
名も無き被検体774号+:2011/04/27(水) 13:26:57.01 ID:cHmhMSKN0
まている。
519 :
名も無き被検体774号+:2011/04/27(水) 22:34:26.90 ID:J4JFqccz0
保守
520 :
名も無き被検体774号+:2011/04/28(木) 23:52:20.88 ID:ML3JEUml0
保守
521 :
名も無き被検体774号+:2011/04/30(土) 00:16:49.22 ID:Ye/EZKFG0
保守
522 :
名も無き被検体774号+:2011/04/30(土) 11:39:51.67 ID:96fHmbLl0
保守
523 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 00:13:46.67 ID:bG6XPaYY0
保守ぬるぽ
524 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 00:56:30.40 ID:4fqjTd/k0
525 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 09:09:23.27 ID:kdjxym9T0
ほぬるぽ
526 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 15:02:05.50 ID:4fqjTd/k0
追いついた〜
続き期待!
てことで保守
528 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 20:04:03.15 ID:K23C5FfZ0
ほぬるぽ
529 :
名も無き被検体774号+:2011/05/01(日) 21:41:49.65 ID:kdjxym9T0
は
531 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 08:35:43.54 ID:ZhX/iY/50
ほぬるぽ
532 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 10:34:35.92 ID:KXc74Y2e0
>>531 ほガッ
コレ繰り返したら早く埋まるよね
533 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 16:19:36.13 ID:ZhX/iY/50
ほぬるぽ
この調子でがんばろー
534 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 16:32:29.24 ID:XZhVrD2g0
535 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 18:18:10.14 ID:ZhX/iY/50
ほぬるぽ
536 :
名も無き被検体774号+:2011/05/02(月) 18:45:24.23 ID:XZhVrD2g0
537 :
名も無き被検体774号+:2011/05/03(火) 17:25:37.10 ID:h4lp0SiJ0
ほぬるぽ
539 :
名も無き被検体774号+:2011/05/03(火) 22:35:04.52 ID:yZmwX5VXO
そんなつい十数年前までは考えられなかった様な、この新しい学園都市。
一度は活気を失った地下街や繁華街、レジャー施設も、今は多くの若者による賑わいを見せていた。
そして、そんな様々な肌の色をした人々が行き交う通りの中に1人。
てっぺんの毛が何か植物のようにぴょこんと立ち上がった、あどけない顔の少女が居た。
☆
540 :
名も無き被検体774号+:2011/05/03(火) 22:48:00.08 ID:yZmwX5VXO
その少女は白い水玉が入ったさわやかな青地のワンピースの上に男物の白いワイシャツを羽織っただけというラフな格好をしている。
背は小さいが健康的な肌をしていて、実際の年齢がどうであれその外見はまぎれもない少女のそれであった。
彼女は初夏の日照りを受け首筋にうっすらと汗を浮かべながら、ショッピング街の中にある小さな店の前で何やら店頭に並んだ腕輪やチョーカーの類に目線を走らせていた。
そして、うーんうーん、ミサカはー…、うーん、…と、しばらくは何やら悩んでいるように見受けられたが、またしばらくしたある時、ついに満足げな顔で一つの腕輪をレジへと持って行った。
それからすぐに店内から出てきた彼女は可愛いリボンと包み紙で包装された小さな袋を大事そうに携え、人々の歩く流れとは違う方向へ走り出した。
彼女が目指す先には、とある病院が建っている。
541 :
名も無き被検体774号+:2011/05/03(火) 22:57:12.18 ID:f37GMNnD0
キタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )ノД`)=゚ω゚)━━!!!
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
543 :
名も無き被検体774号+:2011/05/04(水) 00:47:54.90 ID:XJw0awlX0
ついにキター(≧∇≦*)
544 :
名も無き被検体774号+:2011/05/04(水) 00:53:14.89 ID:stKTQ0Wm0
キタのか……
545 :
名も無き被検体774号+:2011/05/04(水) 00:56:19.86 ID:ETw2N/plO
☆
建物の合間を縫って聞こえてくる賑やかな喧騒を耳にしながら、私はぼんやりと明るい路地裏を歩く。
初夏の午後。わずかに汗ばむような陽気。
私がすっかり元気を取り戻した学園都市に再び移り住んでから、これで8回目の夏が来たのだ。
たったったった…――――。
路地裏の向かい側から小さな女の子が駆けて来るのが見えた。
ここも昔はスキルアウトの溜まり場として随分雰囲気の悪い場所だったのに、本当にこの街は穏やかになった。
そうぼんやりと考えているうちに、その少女が横を通り過ぎる。
どこにいくのだろう。わからないが、走るのに夢中になっていたのか、彼女はわずかに足をもつれさせつまずきかけながらも走り去って行った。
一瞬、一体どんな子なのだろうと考えたが、一本だけぴょこんとはねた髪の毛に水玉模様のワンピースを視界に捕らえると…なんだ、どんな子だろうというより、自分の妹であった事に気付く。
声をかけようか迷ったが、すれ違いざまに視界を掠めたきらきらの笑顔を思い出すと今日の彼女には大事な用があるのだろうと思われて、開きかけた口元を苦笑の形に変えた。
…どうも目が悪いといけない。
年だ…とは考えたくないのだが、もう少女と言える訳でもない年齢になってしまった自分を慰めるでもなく皮肉るでもなく、私はしぶしぶ落ち着いた茶縁の眼鏡をポケットから取り出し、掛けた。
546 :
名も無き被検体774号+:2011/05/04(水) 01:09:38.63 ID:ETw2N/plO
走り去った妹の行く先に目をやった後、私は再びゆったりと歩き出した。
私の手には買い物かごがぶら下がっていて、その中にはジャガイモやらニンジンやらの野菜類に肉類もろもろ。いわゆる食材がたくさん入っていた。うーん、買いすぎたかもしれない。ちょっと重い。
職業柄の暇にかまけて今日もまたこう悠長に街へ出ているわけだが、これなら仕事が終わらんと家で嘆くツンツン頭の夫を強制的にでも引きずってくるべきだったかもしれない。
腕時計は午後の2時をお知らせしていて、まだ時間までだいぶある事を教えてくれる。
買い物かごの中に入ったメモ書きには、夫の走り書きで『ベビー服半額セール2時半から!』と書いてあるのだが…私、1人で行かなきゃだめかなあ…。とため息をもらした。
美琴と友達になりたい
無理なら利奈と友達になりたい
548 :
名も無き被検体774号+:2011/05/05(木) 19:56:44.07 ID:fC70wjXT0
ktkr
追いついた
とりあえず
>>1は小説家になれよ
情景描写が秀逸すぐる
550 :
名も無き被検体774号+:2011/05/06(金) 12:20:41.50 ID:LTrYFukV0
続きが気になる(゚Д゚;)
551 :
名も無き被検体774号+:2011/05/06(金) 18:53:57.88 ID:4yJ9OT470
かなり面白い
ようやく追いついた
続き期待の保守
553 :
名も無き被検体774号+:2011/05/07(土) 08:02:06.92 ID:RdgJDcMPO
路地の真上―――ビルとビルの間に掛け橋のように引っ掛けられた、様々な色の安っぽいビニールシートはかつてスキルアウト達が人工衛星からの追跡を逃れる為に仕掛けた戦略的なものに過ぎないが、
欠けた外壁の中からは小さな花が芽生え、ビルと地面の僅かな隙間にも苔が茂り、所々をツル科の植物が走る今の外観の中でははたはたとひらめく色とりどりのビニールシートは、
木漏れ日のように陽の光を路地裏にそそぎ青や黄色、緑や紫といった様々な彩色をその壁面や地面に投影し神秘的な雰囲気を醸した。
昔の過ちも、争いも、その産物も。
こうして次の時代に持ち越され、そこで新しい形を成す。誤った歴史を、それを乗り越えた今を慈しむように、その光は降り注ぐ。
私が娘を授かり、そしてつい最近彼女をこの世へ生み出したのもそれの一つである様に。
―――風が吹き込んだ。平凡な白いワンピースがふわりと靡く。
ゆらゆら。ゆらゆら。
匂いが、音が、大気にたゆたう。
新しい時代の風を感じながら私は路地裏を歩き、ふと目の前を見据えてはっとした。
554 :
名も無き被検体774号+:2011/05/07(土) 13:35:53.12 ID:l/i9RDXJ0
追いついちまったが…
このスピードは悪意を感じるぜぇ
555 :
名も無き被検体774号+:2011/05/07(土) 21:33:56.93 ID:bM0AAlYa0
いつまでも支援するぜ
556 :
名も無き被検体774号+:2011/05/07(土) 22:15:55.08 ID:bVcRunAb0
魔力もAIMもないのに、開発出来んの??
今更だけどさ
557 :
名も無き被検体774号+:2011/05/07(土) 23:00:40.46 ID:U77c7I4G0
うっすらと視界を阻む光の先に、青いジーンズと淡い水色のシャツを着た男性が立っている。
彼の髪は変わらずツンツンと四方八方に立っている黒髪だ。
昔はそんなに背が高い方でなかった彼も、今となってはずいぶん長身になったように思う。
そんな彼は家で仕事をしていたはずだが、一体どうしてここにいるのか。
彼は路地裏を歩く私に気付かぬまま、頭を掻いて間抜けな横っ面をさらしている。
足取りは自然と軽くなった。
速く彼のところへ、と、脳が喋る。―――ああ、当麻。
それの声を聴いたかのように彼はぴくっと肩を震わせると、じきに彼は振り向き路地裏に私を見つける。
そして苦笑しながら駆け足でこちらへ向かう。
「どうして?」
「いや、よく考えたらその荷物持ったままってツライでしょ。」
「今更だなあ。―――仕事は?」
「うちの学年の奴ら、珍解答多すぎるから・・・ぶっちゃけ終わるかわからん。」
「いいの?」
「いーの。また夜やるよ。」
彼がさり気なく私の荷物を持った。私はその腕に自らのそれを絡める。
たわいも無い話をしながら歩く私達を阻むものは何もない。紛れもない平和や穏やかさといったものが今ここにはある。
腕時計は午後の2時をお知らせしている。汗ばむ陽気は夏の訪れを囁き、新しい季節の準備を促す。
私は包まれるような気持ちに幸福を感じ、思う。
―――ああ。今年の夏は何をしようか。
☆
558 :
名も無き被検体774号+:2011/05/09(月) 03:13:51.85 ID:xDepVbJd0
ほぬるぽ
559 :
名も無き被検体774号+:2011/05/09(月) 07:11:46.03 ID:tPsLq6N20
ほガッ!
560 :
名も無き被検体774号+:2011/05/09(月) 16:22:10.80 ID:bLvw5B0k0
ほぬるぽ
終わ・・ったのか?
562 :
名も無き被検体774号+:2011/05/09(月) 20:54:09.50 ID:uNJPh+dv0
ほぬるぽ
563 :
名も無き被検体774号+:2011/05/09(月) 20:55:18.40 ID:cW/pJRQmO
564 :
名も無き被検体774号+:2011/05/10(火) 06:53:10.63 ID:/d/C/1iq0
>>ほガッ!
565 :
名も無き被検体774号+:2011/05/10(火) 07:00:52.76 ID:/d/C/1iq0
ぬけ落ちた毛を気にして
るんばに吸わせたら
ぽっと吐き出した
567 :
名も無き被検体774号+:2011/05/10(火) 10:38:52.74 ID:aU9+1onw0
テンぬるぽ
570 :
名も無き被検体774号+:2011/05/11(水) 06:27:45.96 ID:eUElRJrGO
テンガッ
まだ終わりじゃ・・ないよな・・・?
てことで支援
572 :
名も無き被検体774号+:2011/05/11(水) 16:26:15.40 ID:qcvpRH0h0
ファイぬるぽ
573 :
名も無き被検体774号+:2011/05/11(水) 17:06:23.44 ID:Y65UFUxE0
終わりなの⁉
Finとか書いてないから終わってないと信じたい
575 :
名も無き被検体774号+:2011/05/11(水) 20:28:54.00 ID:jYzcxHo40
576 :
忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/05/11(水) 21:40:35.74 ID:s6U2qpK+0
テス
577 :
名も無き被検体774号+:2011/05/12(木) 06:57:45.64 ID:+dd3KLBn0
ブリザぬるぽ
578 :
名も無き被検体774号+:2011/05/12(木) 07:49:27.32 ID:QiDHcWRW0
579 :
名も無き被検体774号+:2011/05/12(木) 10:15:26.04 ID:1zbE/rEX0
続きまだはまだかーーーー
カイジ「ぬるぽぬるぽぬるぽ!」
581 :
名も無き被検体774号+:2011/05/13(金) 11:42:11.72 ID:ZeX1HDOO0
廃児「ガッ!ガッ!ガッ!」
582 :
名も無き被検体774号+:2011/05/13(金) 17:57:24.15 ID:fmK2J8630
ほしゆ
583 :
名も無き被検体774号+:2011/05/13(金) 18:36:44.42 ID:ZeX1HDOO0
ぬぅ...
るす中に
ぽぽぽぽーん
584 :
名も無き被検体774号+:2011/05/14(土) 10:51:35.13 ID:+hsx7eZO0
585 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/05/14(土) 13:01:04.83 ID:gCngJHKG0
ぬるぬる
586 :
名も無き被検体774号+:2011/05/14(土) 14:05:36.28 ID:y8AFXPvY0
レディー・ガぬるぽ
588 :
名も無き被検体774号+:2011/05/14(土) 17:51:48.03 ID:+hsx7eZO0
590 :
名も無き被検体774号+:2011/05/15(日) 23:36:15.93 ID:9oaMoEat0
ほしゅ
591 :
名も無き被検体774号+:2011/05/16(月) 01:27:59.16 ID:aX5QI/Ss0
ぬるぽツ石松
592 :
名も無き被検体774号+:2011/05/17(火) 00:56:08.66 ID:LS3SQw3D0
593 :
名も無き被検体774号+:2011/05/17(火) 06:58:01.59 ID:VpGIynxn0
エアロぬるぽ
596 :
名も無き被検体774号+:2011/05/18(水) 07:50:54.42 ID:dVzxpMqr0
ぬすまれた
ルビーの
ポッキー
ガッ、キー がCMやってたね
1000までこの調子で
599 :
名も無き被検体774号+:2011/05/20(金) 23:42:17.35 ID:uxBzQBHz0
行こう♪行こう♪行こーう♪
600 :
名も無き被検体774号+:2011/05/20(金) 23:45:06.73 ID:fkYOIyq00
キラッ☆(≧∀≦*)ノ
601 :
名も無き被検体774号+:2011/05/21(土) 09:04:20.29 ID:IV6ZXhvW0
ぬるぬるローション
るんるん気分
ぽりぽりち◯ぽ
うわ
603 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/05/21(土) 17:49:48.61 ID:5jwbdVjA0
ぽりぽりって食べてるみたいだなww
御琴プッシュなのがうざい
605 :
名も無き被検体774号+:2011/05/21(土) 18:36:19.76 ID:HpZCkNOqO
ぬるぽンダム〜〜ぬるぽンダムっ
606 :
名も無き被検体774号+:2011/05/21(土) 18:45:14.58 ID:vccNIe+F0
今北あらすじを産業でお願いしますorz
ふむ...
610 :
名も無き被検体774号+:2011/05/22(日) 12:53:15.11 ID:EcYGeC5V0
611 :
名も無き被検体774号+:2011/05/22(日) 13:12:58.94 ID:8s2uL6xN0
過疎化
能力が変わるってギャグだろwwwwwwww
梅
原
616 :
名も無き被検体774号+:2011/05/24(火) 08:52:59.79 ID:j8pEIna00
ぬ
617 :
名も無き被検体774号+:2011/05/24(火) 10:27:41.27 ID:j8pEIna00
る
618 :
名も無き被検体774号+:2011/05/24(火) 10:28:09.50 ID:j8pEIna00
ぽ
ガ
620 :
名も無き被検体774号+:2011/05/24(火) 16:23:42.96 ID:MkYLmL0h0
ッ
ぬ
る
ぽ
カ
ッ
タ
627 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/05/24(火) 22:49:49.88 ID:1V9QeGRE0
628 :
名も無き被検体774号+:2011/05/25(水) 06:59:25.57 ID:vW056xpY0
ぬ
629 :
名も無き被検体774号+:2011/05/25(水) 07:29:04.30 ID:ge0J/i4/0
ろ
630 :
忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/05/25(水) 16:01:35.11 ID:tsagj9SH0
ろ
631 :
名も無き被検体774号+:2011/05/25(水) 19:26:10.33 ID:L5n1RFsG0
ぱ
ん
633 :
名も無き被検体774号+:2011/05/25(水) 20:32:47.31 ID:2hi8ZNTT0
だ
634 :
名も無き被検体774号+:2011/05/26(木) 00:36:20.08 ID:2JO0N4H60
る
635 :
名も無き被検体774号+:2011/05/26(木) 01:37:58.15 ID:pYhM30Lv0
び
636 :
名も無き被検体774号+:2011/05/26(木) 02:38:12.40 ID:VaASyLzA0
ー
637 :
名も無き被検体774号+:2011/05/26(木) 17:46:04.37 ID:64lar7je0
む
638 :
名も無き被検体774号+:2011/05/26(木) 19:14:03.59 ID:VaASyLzA0
す
ま
っ
641 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 00:40:24.37 ID:0pMci2rHi
続きを書いて欲しいでござ候
642 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 01:41:16.57 ID:rdhT6MAk0
ぬるぽム
643 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 10:39:12.30 ID:m5Dqe8j/0
ほ
645 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 16:39:34.95 ID:QdCwB9BM0
む
646 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 17:40:01.62 ID:WkP4bgwd0
ら
ち
ゃ
649 :
名も無き被検体774号+:2011/05/27(金) 23:40:47.97 ID:zS+nBuux0
ん
650 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 01:05:51.81 ID:yBdvKjZli
スーパーほむほむタイム
651 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 01:50:05.79 ID:JybL6Un30
わけがわからないよ。
652 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 13:26:15.42 ID:rNojuhgC0
ま
み
654 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 13:37:42.60 ID:JybL6Un30
さ
655 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 14:28:11.86 ID:ZRBESs/R0
ん
656 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 17:02:35.19 ID:fKhZ5dzW0
お前らやるな…
657 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 17:40:51.39 ID:sm4WDpm8P
ま
ど
659 :
名も無き被検体774号+:2011/05/28(土) 17:44:31.51 ID:O1LtNfRx0
み
660 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 帰宅部 ◆jvBtlIEUc6 :2011/05/28(土) 18:29:14.88 ID:u8tTlyVqO
なんだか分からない
vipと間違えた挙げ句に禁書知らんのに最後まで読んでもーた
ちょっと古本探して来る
662 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/05/28(土) 21:23:39.88 ID:MDrutR+K0
保守したいのか埋めたいのかどっちだww
663 :
名も無き被検体774号+:2011/05/29(日) 00:53:20.05 ID:b+dkqjTH0
664 :
名も無き被検体774号+:2011/05/29(日) 04:37:30.27 ID:bQuAQ5oW0
久々に来たらえらいことになっとるな
666 :
名も無き被検体774号+:2011/05/29(日) 17:11:35.86 ID:Tn21dcVLO
がもちょしたら先っちょぬるぽ
閉鎖でいいんじゃね
668 :
名も無き被検体774号+:2011/05/31(火) 23:31:07.94 ID:Zbb/KV+J0
E?
669 :
名も無き被検体774号+:2011/06/01(水) 14:58:51.51 ID:GIE+IpgI0
Q
やっぱり待ってみようぜ
もうなんでもいいやw
SSの文章力が凄いな
これが禁書の最終回でいいくらい
名スレ
674 :
名も無き被検体774号+:2011/06/03(金) 21:33:47.35 ID:rHva1E850
保守の嵐
どっかで読んだことあるssだと思ったら、去年の12月からあるのか
支援
676 :
名も無き被検体774号+:2011/06/04(土) 12:03:07.92 ID:dy7hM0TX0
クルトぬるぽ
678 :
名も無き被検体774号+:2011/06/04(土) 18:02:10.46 ID:JS/S5xQP0
ぬるぽ
679 :
名も無き被検体774号+:2011/06/05(日) 07:18:23.67 ID:QCu0R7ER0
いつまでも保守するぜ!
マジで
680 :
名も無き被検体774号+:2011/06/05(日) 11:48:56.86 ID:Fh4eFb1e0
ほしゅー
保守氏園
な
684 :
名も無き被検体774号+:2011/06/05(日) 23:45:49.84 ID:8yfYLdh20
ほんと中々落ちないな
ほ
む
687 :
名も無き被検体774号+:2011/06/06(月) 18:12:36.53 ID:X4HAWnIz0
ほ
688 :
名も無き被検体774号+:2011/06/06(月) 19:10:55.65 ID:6s/lOUTg0
む
689 :
名も無き被検体774号+:2011/06/06(月) 20:19:45.84 ID:Sy3vy+eh0
ほ
690 :
名も無き被検体774号+:2011/06/06(月) 21:12:45.04 ID:6s/lOUTg0
む
691 :
名も無き被検体774号+:2011/06/06(月) 22:54:41.72 ID:LobQ9gU70
ら
ほ
693 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 00:41:38.46 ID:pzi063JG0
村
694 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 00:55:04.35 ID:w9Na+JdC0
ほむホーム
695 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 06:59:06.56 ID:TjsG+PXD0
なんというほむほむスレ
696 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 17:46:02.55 ID:Puea6Zjd0
み
697 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 17:46:58.76 ID:Puea6Zjd0
み
698 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 17:50:46.49 ID:pzi063JG0
ず
699 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 18:48:33.79 ID:1uuIlfuE0
ぐ
700 :
名も無き被検体774号+:2011/06/07(火) 22:01:53.40 ID:mI4VmEpN0
701 :
名も無き被検体774号+:2011/06/08(水) 20:16:51.71 ID:LmP5D+1W0
もうなにも怖くない
702 :
名も無き被検体774号+:2011/06/09(木) 00:09:06.28 ID:EcA9bHRz0
保守の怪物
明美
704 :
名も無き被検体774号+:2011/06/09(木) 01:49:10.67 ID:oOuwH2RY0
ほむら
705 :
名も無き被検体774号+:2011/06/09(木) 02:38:43.41 ID:wRzx3pWY0
ほいっしゅ
ほ
707 :
名も無き被検体774号+:2011/06/09(木) 19:07:38.34 ID:KHWV0/cG0
その幻想、俺がぬるぽっ!!
708 :
名も無き被検体774号+:2011/06/09(木) 20:28:33.05 ID:EcA9bHRz0
1000まで保守るぜ
俺らの愛で1000まで
もう1ヵ月以上たってる
711 :
名も無き被検体774号+:2011/06/10(金) 00:19:17.01 ID:C7l33i6K0
712 :
名も無き被検体774号+:2011/06/10(金) 18:37:49.33 ID:S9qadzRp0
とにかく保守
保守ったら保守
そげぶ
ほ
715 :
名も無き被検体774号+:2011/06/12(日) 01:07:25.86 ID:sRCN+T/Fi
む
ら
ち
718 :
名も無き被検体774号+:2011/06/12(日) 05:29:11.17 ID:IYTQWpnv0
ゃ
719 :
名も無き被検体774号+:2011/06/12(日) 07:56:18.33 ID:QW8ZncO50
わ
ん
721 :
名も無き被検体774号+:2011/06/13(月) 00:11:09.29 ID:MRXZpTAE0
み
わ
723 :
名も無き被検体774号+:2011/06/14(火) 00:26:10.36 ID:tWjGIL3c0
に
724 :
名も無き被検体774号+:2011/06/14(火) 21:17:36.27 ID:FJ6QcBA10
落とさせん
もちろんだ
726 :
名も無き被検体774号+:2011/06/15(水) 01:58:16.15 ID:ATxQhQO30
ksk
果たしてこのスレが惰性で続くことを
>>1は望んでいるのだろうか
まあ落ちることを望んではない罠
729 :
名も無き被検体774号+:2011/06/15(水) 20:06:59.60 ID:tFyyJahv0
ksk
ksk
731 :
名も無き被検体774号+:2011/06/16(木) 20:06:26.15 ID:+Kjj9Etx0
ああー読みたいー
頼むよー書いてくれよー
万能巨人
733 :
名も無き被検体774号+:2011/06/17(金) 03:20:16.37 ID:1Q6kUJ/U0
み
ろ
ひ
う
あえか
738 :
名も無き被検体774号+:2011/06/19(日) 18:28:50.28 ID:VzKuF81a0
ほ
739 :
名も無き被検体774号+:2011/06/19(日) 22:22:17.62 ID:WgWQ67UW0
るすたいん
740 :
名も無き被検体774号+:2011/06/20(月) 21:18:01.91 ID:Ri+tIljM0
ほ
む
742 :
名も無き被検体774号+:2011/06/20(月) 22:23:45.03 ID:lBkJQvFF0
ら
ちゃ
ん
ど
こ
747 :
名も無き被検体774号+:2011/06/21(火) 23:36:42.45 ID:vjt3xebU0
か
748 :
名も無き被検体774号+:2011/06/22(水) 00:06:09.63 ID:I88x/mjE0
な
749 :
忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/06/22(水) 01:03:01.51 ID:nUok6W4o0
ほす
750 :
名も無き被検体774号+:2011/06/23(木) 02:27:51.17 ID:gFIYEc8B0
ほすと
751 :
名も無き被検体774号+:2011/06/23(木) 17:46:58.98 ID:r9VqQzlj0
ほすとこ
752 :
名も無き被検体774号+:2011/06/24(金) 11:01:21.97 ID:fNNlAkGN0
ほすところ
753 :
名も無き被検体774号+:2011/06/24(金) 11:39:40.95 ID:OwDEDZCL0
ところてん
754 :
名も無き被検体774号+:2011/06/24(金) 12:13:39.19 ID:Z/cLjqpb0
てんめんじゃん
755 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/06/24(金) 19:54:06.13 ID:3QeWvoBjO
に
756 :
07001111330724_md:2011/06/24(金) 20:02:34.04 ID:3QeWvoBjO
な
757 :
名も無き被検体774号+:2011/06/24(金) 21:12:28.01 ID:uihI1EZ30
る
758 :
名も無き被検体774号+:2011/06/24(金) 23:25:41.85 ID:7xF0wMvp0
の
759 :
名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 10:34:28.48 ID:77oQo8I+0
の
760 :
名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 13:14:31.21 ID:LJqhxv7f0
は
ど
762 :
名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 18:19:11.33 ID:OdJMziIG0
763 :
名も無き被検体774号+:2011/06/26(日) 21:12:11.23 ID:77oQo8I+0
まってました (^O^☆♪
764 :
名も無き被検体774号+:2011/06/28(火) 01:11:27.25 ID:yZ5jyGcS0
え?
765 :
名も無き被検体774号+:2011/06/29(水) 00:18:32.85 ID:xiBiwJaz0
え?
766 :
名も無き被検体774号+:2011/06/29(水) 23:19:05.99 ID:MaqatMaO0
更新しないじゃん
767 :
名も無き被検体774号+:2011/06/29(水) 23:29:58.38 ID:xiBiwJaz0
え?
768 :
名も無き被検体774号+:2011/06/30(木) 17:36:34.63 ID:bHP7YO6pi
えっ?
ぬるぽ
終わりかどうかだけでも知りたい……。
771 :
名も無き被検体774号+:2011/07/01(金) 02:16:38.19 ID:JEJAswvi0
え?
772 :
名も無き被検体774号+:2011/07/01(金) 13:11:08.23 ID:IO1CGA/k0
773 :
【凶】 :2011/07/01(金) 15:04:29.25 ID:5I/JDckq0
ヌルポカリ
暖かい。
まず最初に、そう感じた。
というより、何かを「感じる」事そのものが久しぶりだったから、「感じる」という刺激がまずはじめにあったというべきか。
・・・じんわり、じんわり。
脳に送られた通信が、走る。
「暖かい」という感覚が、その目的地へと伝達する。
それは、手。右手。
感じた・・・、感じた?
この温もりに触れて、改めて気づく。
自分は随分長い間寝ていたらしい。
そして今、ようやっと目が覚めたのだ。
徐々に色々の感覚が訪れる。
音、光、触感。そして快感
欲しい。もっと欲しい。
もっとたくさんのものを感じたい。
ずっと忘れていた気がする。
聞くということ、触るということ、気持ちがいいということ。
―――そして、何かを見る・・・ということ。
意識した途端、瞳が動き、その夜を明かし、瞬間。
ぶわ、と、大量に、しかし柔らかく、薄く、川が流れてゆくように、
光が、色が、わずかな痛みが、眼球と脳とを行き来した。
☆
重い瞼を開いた先に、懐かしい人がいる。
背格好はだいぶ変わってしまったが、それでも、今でも、自分は「彼女」の面影を感じ取る事ができる。よほど驚いているのか、「彼女」は目を真ん丸くして自分の顔を覗き込んでいた。
昔から変わらない、頭のてっぺんのくせっ毛と、男物のワイシャツにワンピース。
驚愕の表情を顔に張り付かせたまま、しかしビー玉のように澄んだ眼の淵には大粒の雫が溜められていた。
何か言いたいのに、言いたい事はたくさんあるのに、何を言っていいのかわからない。
そんな様子で口をぱくぱくとしているだけで、言葉は少しも出せず、ただただぼろぼろと溜めこんだ大きな水滴をこぼすばかりだ。
―――仕方ないヤツ。
何年眠っていたのかもわからない。
酷い風貌になったろうに。頼りなく不格好であるだろうに。
そんな自分を前にしても尚、そんな情けない顔をする人間を自分は一人しか知らないのだ。
・・・だから、間違える事はない。
自分の知り得る一番のお人よし。一番大切なひと。
もはや口にする事も懐かしい。
―――ラスト、オーダー。
そんな名前が、心地よく空気を震わせた。
Fin.
776 :
1:2011/07/01(金) 19:42:37.66 ID:3E48v1890
1です。こんばんわ。とても暑い日が続いておりますね。
ノリで後日談書いたはいいものの、シメ方に迷いだしてぶっちゃけ怖くなって逃げました。
落ちてると思って何か月かぶりに見たら落ちてなくてさらに戦慄しまして今に至る所存であります。
主人公たちの高齢化や美琴の能力が変わったりと賛否両論ある節もあったのではないかと思いますが、結果としてここまで書ききらせて頂けた事、感謝しております。
読んでくださっていた方々には迷惑をかけてしまって本当に申し訳ありませんでした。
次に何か書く時には最後まで書き溜めします・・・。
熱中症はとても怖いです。星が散りだしたら素直に日陰で水浴びされる事をお勧めいたします。
それでは失礼いたしました。
777 :
名も無き被検体774号+:2011/07/01(金) 20:07:14.54 ID:rsItGF9pO
いちおつ
778 :
名も無き被検体774号+:2011/07/01(金) 20:42:29.39 ID:fsF+WC8gi
完結乙です!
長い間保守した甲斐があったよ
次回作も期待してます!
779 :
名も無き被検体774号+:2011/07/01(金) 21:51:29.62 ID:0Kxiv5YR0
>>776 待ってた甲斐がありました。
ありがとう。
本気で、心からの感謝を貴方に。
ヌルポカリ
日々惰性でこのスレを見に来てたわけだが、それがついに報われる時が来たのか
いちおつ
782 :
名も無き被検体774号+:2011/07/02(土) 00:16:29.91 ID:G7e1xb3s0
新作来るまで落とさせない
鬼ww
784 :
名も無き被検体774号+:2011/07/02(土) 18:34:59.04 ID:G7e1xb3s0
785 :
名も無き被検体774号+:2011/07/03(日) 11:31:42.74 ID:7BC/Hc2E0
ほんっとおもしろかった
ありがとう
Attack hagE ---> Success. (-871) 牛舎 で くじら が タッチ ぼこられる
Attack hagE ---> Success. (-857) 隠れ家 で 海豚 が キス 家出する
Attack hagE ---> Success. (-846) 長崎 で チンパンジー が ブーン 失踪
Attack hagE ---> Missed. フランス で 妖怪 が 爆発 うんこたれる
Attack hagE ---> Missed. 秋田 で 妖怪 が 手術 失踪
Attack hagE ---> Missed. ドイツ で E.T が 夜逃げ 海外留学
Attack hagE ---> Missed. ボート で エイリアン が 体当たり 引越し
Attack hagE ---> Missed. 北朝鮮 で ツチノコ が ちろちろ 海外留学
Attack hagE ---> Missed. エレベーター で きりんさん が ぐんぐん 太る
Attack hagE ---> Missed. カザフスタン で エイリアン が もみもみ 歌手デビュー
Attack hagE ---> Missed. 番屋 で 犬 が キス ひきこもる
Attack hagE ---> Missed. スペイン で ヤンキー が 貯金 ひきこもる
Attack hagE ---> Missed. 長崎 で なまけもの が 夜這い また一人
Attack hagE ---> Missed. 佐賀 で 海豚 が くんくん 出産
Attack hagE ---> Missed. ドイツ で ヤンキー が メイクラブ 空き巣にやられる
Attack hagE ---> Missed. 大奥 で ブタ が 不倫 片思い
Attack hagE ---> Missed. 秋田 で ツチノコ が ジャンプ うんこたれる
Attack hagE ---> Missed. 秋田 で ぶた が ぐんぐん 就職
804 :
名も無き被検体774号+:2011/07/16(土) 02:08:56.15 ID:nNWdB03x0
ちょりっす!!
805 :
忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/07/21(木) 17:49:03.89 ID:NsbmRg0l0
何故かのアゲ
806 :
名も無き被検体774号+:2011/07/24(日) 02:29:20.71 ID:LpTU+njn0
まさかの締めが来てた!!
乙乙
807 :
名も無き被検体774号+:2011/07/26(火) 02:42:31.07 ID:oIDR3we20
>>2 マジレスすると別にアレイスターが神上だという記述は原作のどこにもないからな
梅
810 :
名も無き被検体774号+:2011/07/27(水) 01:46:24.29 ID:JdWYOMed0
馬
811 :
1:2011/07/27(水) 08:32:49.16 ID:2/0nuEA60
まだあったのかこのスレww長寿だなww
そして恥ずかしい
>>808がいるww
SSなんて基本パラレルなんだから。しかもこのSSの場合は未来編だろ?
パラレルストーリーとして成立してるからいいんだよ
812 :
名も無き被検体774号+:2011/07/27(水) 17:37:32.76 ID:xeDGGnl70
恥ずかしいな
813 :
名も無き被検体774号+:2011/07/30(土) 01:04:58.50 ID:2h6SK8Sm0
まだまだいくよ〜〜〜〜〜〜!!!
しえん
+ではスレが落ちないんだな
ksk
817 :
名も無き被検体774号+:2011/08/02(火) 21:51:22.60 ID:tJzAE9k9i
良いね
ほむら
819 :
名も無き被検体774号+:2011/08/04(木) 00:45:51.32 ID:LqcGp3sZ0
よいしょ〜〜〜〜〜〜
保守
まとめにのせるなら俺のレスは目を凝らせばうっすら見えるような感じでよろしく
なら俺は派手な赤とかで目立たせといて
ほむほむ
823 :
名も無き被検体774号+:2011/08/07(日) 03:26:08.16 ID:hjviKQb30
早く続きかけ〜
まだ残ってたのか
ほ
む
827 :
名も無き被検体774号+:2011/08/08(月) 10:31:04.40 ID:IYkRphSmi
ほ
む
829 :
名も無き被検体774号+:2011/08/09(火) 02:29:39.52 ID:4OmvZ42BO
やっと全部読んだ!!
大変にお疲れ様でした
乙
ほ
む
む
暁
美
ほ
む
838 :
名も無き被検体774号+:2011/08/14(日) 13:09:59.45 ID:4xizFbzH0
ら
839 :
名も無き被検体774号+:2011/08/15(月) 03:17:50.28 ID:P/W/fYPr0
ち
ゃ
ほ
し
く
ほむほむ