檸檬と海の思い出話

寒いよな、最近。

檸檬読めないやつ、レモンな、レモン。
読めても書けないよな、レモン。

まあいいや。

この時期になると色々思い出したり、
昔のこととか鼻で笑ったり、
アチャーなこと思い出して声出したりするんだけど俺だけか？
退屈なお兄さんお姉さん、今日は聞いてくれ。

くだらない話だけど。

まあレスつかないよな。
とりあえず書く。

何が話したいってそりゃー初恋の話だよ。
初恋って実らないっつーのが通説みたいだな。
そう考えると俺は多少は幸せな人種だったのかも。

ちょっと前置きが長いから詳細こだわらない人は飛ばしてくれ。

俺の実家は海が近くて、民宿やってたんだ。
厳密には母方のばあちゃんの宿。

毎年夏になるとそこに行って、
小遣い稼ぎに皿洗いだの選択だのをやってた。
朝早くに起きて昼は休憩、
夜の皿洗いっつールーティンはそれなりに健康的だったんだけど。

あいつはいつも夏になるとそこにいた。

あいつってのは従姉妹の姉ちゃん。
仮にＨとする。Ｈをするではない。寒いね。

俺はＨ姉ちゃんって呼んでたからここでもそう呼ぶ。
どんなやつかっていうと、典型的な男勝りの勝気な女。
海育ちだから肌は黒くて、サーフィンやってたからなのか体はめちゃしまってた。

口癖は、

「ばかたれじゃんｗ」

「あたしが海育ちだから？」

「誰かに踊らされてちゃだめだよ、踊らなきゃ」

後半二つは今は意味不明だと思うがとりあえず聞き流しておいてくれ。

続けたまえ

>>5

ありがと、そういうの助かるほんと。

Ｈ姉ちゃんの親父(つまり俺のおじさん）は漁師だったんだけど、
おばさんは東京の某有名大学出身で、まあ聡明な人だった。
出会いの話は母さんから聞いたんだけど、海に来てたおばさんをおじさんがナンパしたらしい。

それで結婚するんだからノリってもんがわかってらっしゃる。もちろん悪い意味で。

Ｈ姉ちゃんはおばさんの血がうまい具合に流れ込んだのか、頭もよくて、なんでも知ってた。

いや、ほんとは知らなかったこともあったと思う。

今日テストしかも数学だが付き合うぞ

見てるよーふぁいと！

だけど俺の記憶にある限り姉ちゃんに聞いて、
答えが返ってこなかったことはない。

ほら、小学校とか中学生のときってさ、
カッコつけて深い意味なしに適当な疑問を投げかけたりするじゃん？

命って・・・云々、善悪って・・・・云々。

そういうのにちゃんと全部答えてくれてた。

>>8

うおっまじかｗ大丈夫?ｗ息抜きになれるようにがんばるよ！

>>9

ういす！

ちょっと待て
姉ちゃんの乳のサイズだけ訊いておきたい

続き

疑問に答えたっていうか、
答えを教えないで俺に考えさせてくれる人だったんだよ。

俺「つらいことばっかあるんだけど、何も考えないで幸せばっかりの人っているよね。俺もそっちにいきたい」

Ｈ「そっちにいる人は幸せとか考えることあるのかな？」

とか。

よく二流の先生は解法を教えるのがうまい、
一流の先生は生徒をやる気にさせるっていうだろ？

姉ちゃんは俺が知る限り最高の先生だった。
今もその記録は塗り替えられてない。

>>12

今は知らんが当時でBとCの間だったはず（本人談）。
でもしまってるから貧乳に見えるｗ

うん、続けて

察しがいい人はもう気づいたと思うが、
何を隠そう俺は小学校六年生のとき、いわゆる厨二病患者だった。
しかも末期。

まあその頃厨二病なんて言葉はなかったけどな。

周りをちょっと見下してやがるわけよ。
んでもって知ったかぶり。
ムスカ大佐もびっくりなゴミっぷり。
学校ではまぁそれなりにお勉強もできたし、友達もいた。
今では考えられんくらいのリア充っぷり。

だからうぬぼられてたし、姉ちゃんと交流があることが俺の自尊心にもなってた。
それはいい意味でも悪い意味でも、だ。

なんか学校とかでいい先輩と出会うとさ、
他のコミュニティでえばりたくならない？
たぶんそんな感じ。

姉ちゃんは俺より四歳年上で、気づいた頃にはいつも一歩先にいるんだよ。

考え方とか、趣味とか、勉強も。
んで夏に会うたび、去年より姉ちゃんに追いついたと思って民宿行って、
トランプしながら馬鹿にされるのが恒例だった。

Ｈ「ほうほうｗおぬしもそこまできたかｗ」

俺「ほんと馬鹿にするの好きだよな」

Ｈ「愛いやつじゃｗリーチ！」


お前らセブンブリッジてゲーム知ってる？

でも、姉ちゃんは大好きだった。

人として。

女性としては・・・って寝る前に考えて、
ここでいつも首を振ってたな。

そういや夜中に発狂して姉ちゃんにドロップキックされたことがある。

ここらへんとか厨二っぽいだろ。

とりあえず前置きはここまで。
次から時系列順に話します。

なんか聞きたいこと出てきたら聞いてくれ。
時間が許す限り答える。

書き方とかペースで要望あったらできる限り聞きます。
文才についてはどうしようもないからごめんなさい。

書き溜めが終わりそうなんで、ちょっとペース落ちます。

黙々とROMるから淡々と綴れ
茶々入れるかもしれんが…

始まりをどっからにしようか迷ったんだけど、とりあえず小学校んときからにしようかな。
まあ姉ちゃんとは生まれたときから知り合ってるからね。

小学校の頃は親と行ってたんだよ、その民宿。
行ったとしても二泊とか三泊とか。

Ｈ姉ちゃんに対して。
一年生二年生の頃はまぁいいじゃん。
普通に甘えたり、抱きついたり。
それに恋愛感情なんてないし、自然にいけるよな。

三年生四年生くらいになると、そろそろ恥ずかしいんだよな、これが。従姉妹いる人はわかると思うんだけど。

女って意識してるのがばれないようになぜか基本前かがみね。

つっこむなよ。

五年生六年生の頃には、もうね、会ったらとりあえず気まずい。
もちろん向こうは中学から高校生への移り変わりで、
俺なんて余裕ですわ。

くだけて話かけてくるんだよ。

てゆーか毎年夏だけだから、余計に気まずいんだよな。
なんつーか、関係がリセットされるっていうか。

去年仲良くなった分も、一年経ったらまた積みなおしみたいな。
一日話したら余裕なんだけどな。

中学一年生の夏、はじめて一人でバイトしに民宿に行ったんだ。

小学生の頃とは違って、初めて一人で行く民宿。心細かったな。

俺、おばあちゃんとおじいちゃんは仲良かったんだけど、
Ｈ姉ちゃんのおばさんとおじさんはそうでもねーんだ。

なんか、どっかで気を遣うっていうかさ。
電車から降りて民宿に着くと、おばさんが素っ気無く迎えてくれた。

「あんたちょっと男前になったね」

迎えたといっても台所から、
俺の方は見ないで、
手を動かしながらだ。

うーん、なんかムカつくｗ

「・・・Ｈ姉ちゃんは？」

「海にいると思うよ。あ、着いて早速だけど、今日の夜からやってもらっていい？」

「うん」

こちとら元からそのつもりだバカヤロウ。

やるっつーのは当然仕事。
俺は荷物を姉ちゃんの部屋において、来てそのまま海に行くのもだりいなあとか思って、ベッドで寝ようとした。

姉ちゃんの部屋は久しぶりに来たけど、大して変わってなかった。
女の子っぽくなくてシンプル。笑える。

ここでおいおいって思った人いるだろ？

まあ俺もそこは中学生男子、おいおいって思ったわけよ。

小学生の頃から、俺は泊まったら姉ちゃんの部屋で寝るのが当たり前だったんだよ。

でもこのときは初めて一人で来た、
仕事をしに来た、
中学生が高校生の女の人の部屋に、

ってとこで相当変な具合に頭がヒートアップした。

生まれて初めてノリツッコミしちゃったよ。

さすがにここで寝るのはまずい、
って本能的に思って、荷物をまとめるわな。

客室で空いてそうなとこってだいたいわかってるし。
高校生なんつったら中学生からしたら相当な大人だよな？
なんつーか、
甘いにおいがする空間に一人でいるには俺は若すぎたんだよ。

部屋を出ようとすると、本棚ある漫画、タッチに目がとまった。
姉ちゃんあだち充好きなんだよね。

どうせ暇なときは暇なんだから、
５冊くらい拝借して時間をつぶそうと思って手を伸ばしたとき。

「よおー、ひさしぶり」

ってにやけた顔で、ドアから俺を見下す女。
まあこの民宿の中で俺を見下すのは一人しかいないんだけど。

パンツぐらい物色しとけ
ある意味普通の行動だ

Ｈ「なんだよ、挨拶しにくればいいのにｗ」

俺「海にいたんじゃなかったの？」

Ｈ「散歩してただけだよ。ていうか・・・」

姉ちゃんは俺をまじまじと見つめる。
上から下まで。うざい。

Ｈ「中学生になったんだったら制服で来いよ、若僧ｗ」

知るか。

>>28

正直物色して見つかった後まで考えちゃってました。

姉ちゃんは・・・変わってた。

いやもちろん見た目が。

髪の毛昔は長かったんだけど、その頃は短めになってた。

髪の毛は潮やけで多少赤かったな。それは昔からだけど。
なんか綺麗になった気がした。お世辞じゃなくてね。

まあ高校生って女の子変わる時期だよな、今更思うけど。

スカート短っ、とか、

シャツのボタンそんな開けていいの？

って思ったのは秘密。

タッチを持ってる俺見て一言、

H「おいおい、いきなり漫画かよｗ」

俺「いいじゃん」

H「悪いとは言ってないけど、
どうせあんた変なこと考えちゃったんでしょ」

どうせ変なこと考えちゃいました。

どけっ、って俺に一言いうと、姉ちゃんはベッドを整理し始めた。

俺はとりあえずタッチ持って棒立ち。
シャレじゃないよ、あしからず。

まあでも姉ちゃんもそこはさすがに高校生だ。
俺の心中は察したらしく、別の部屋を用意してくれた。
すぐ隣だったんだけど。

H「荷物おろしたら玄関きてよ。海いこ！」

俺「でも、俺今日夜から・・・」

H「あん？ばかたれじゃんｗ
あんたは来たその日からあたしに拘束されてるんだよｗ」

まあわかってたけどね。

一応働くって言っても午後は休憩がある。
水着は持ってきてた。
そこはバミューダです。

タッチおいて玄関に下りる途中、おじさんが中庭で植木をいじってるのに出くわした。

おじさん「おー、元気だな学生！水着はＴの字じゃなきゃダメだぞ！うははははがｈげじゃｇｊ」

この人はいつ会ってもテンションがおかしい。無視した。

玄関に下りるとホットパンツに水着の姉ちゃんがいた。

水着、赤い。

赤。

赤は止まれ。止まれといわれると進みたくなる。

ごめんなさい。

片手にはボディボードを抱えている。

うちの海はそこいらではそこそこいい波が来るところで、
サーファーだのボディボーダーだの、
ちょっとしたスポットになっていた。

ちなみに俺はサーフィンはできない。だってこけるんだもん。

昔姉ちゃんに無理矢理教えられて、泣いたの覚えてる。
最近でも言われるんだが、
俺はそのとき姉ちゃんに「大嫌い」っていったらしい。

姉ちゃんはそれ見て号泣したらしいんだが、俺は覚えてない。
だって泣くとこなんて想像できないもん。

それ以来俺と遊ぶとき、姉ちゃんはボディボードで遊んでくれてた。

なんか続きが気になってきた

H「おｗさすがに三角パンツは卒業したのかｗ」

俺「うっせｗ」

ここらへんでなんとなく打ち解けてきた。

いつもの行事だ。
会うたびにリセットされる関係だから、
最初は俺がうまくしゃべれないんだよね。

でも姉ちゃんそういうの気を遣ってたのかも。

海は家から近い。ほんとに歩いて２〜３分くらい。
途中に公園があったり（この公園も思い出色々あるんだけど）、
海の家みたいなのがあったりして、夏にはすげぇにぎわう。

海の家のおっさんとかはだいたい顔なじみで、
俺が行くといつもカレー出してくれてた。

ちなみにその海の家のおっさんは背中に龍を飼ってる。

うん。飼ってるの。彫ってるんじゃないの。

小学生の頃、俺は龍のおじさんって言ってなついてたらしい。
子供っておそろしい。

海につくと、その日の波はまぁまぁだった。
隣で姉ちゃんが目を輝かせているのがわかる。

Ｈ「よーし、やろうぜーｗ」

大きくのびをして姉ちゃんが意気込む。

ていうか、姉ちゃんほんとにいい具合に褐色肌だった。
なんていうの、黒っ！みたいな黒さじゃなくて、ほんとの小麦色。

これ本人にいうとキレるから内緒ね。

俺「いつものやろーよｗ」

H「・・・・やっちゃう？」

俺と姉ちゃんはいつも、
海に来ると最初にカキ氷の早食い対決をするのが恒例だった。

いやね、海でね、カラッカラにのど渇いた状態でカキ氷食うんだよ。

うまいよ・・・。

俺は昔からイチゴ。姉ちゃんはレモンだった。
でもその日、なぜか俺はイチゴはやめてメロンにした。

深い意味なんてない。ごめんある。
イチゴってなんかガキっぽくない？

もちろんお店は龍のおじさんのお店。カキ氷はタダでくれるんだよ。

なんで俺がこれやりたがるかっていうと、
俺が唯一姉ちゃんをリードできるのがこの行事なんだよね。
これだけは一回も負けたことがない。
案の定、姉ちゃんは半分くらいで頭を抱えていた。

H「頭・・・・頭が割れる・・・・」

俺「俺の勝ちね。夜に足のマッサージよろしくｗ」

需要あるのかな・・・・？ｗ



続き

それからしばらく泳いだ。
姉ちゃんはとにかく波の読み方がうまい。

遠いとこで発生したでかい波を、的確にとらえてくる。

H「これ乗っちゃだめだよ、次の次がでかいから」

H「タイミングが遅い！ばかたれじゃんｗ」

それ以来友達と来たときは姉ちゃんの台詞をよく真似してた。

俺は一直線にしか乗れないんだけど、
姉ちゃんはなんか色んな方向にくるくる回ったりしてた。

ボディボード詳しい人ならわかるかな？

wktk

ひとしきり泳ぐと、夕方くらいになってた。
海って本当に色んな顔があって面白い。

海だけで何種類も歌があるのはそのせいだと思う。
ごめん厨二病再発しかけた。

俺はクタクタだったけど、姉ちゃんは鼻歌歌って寝転がっていた。
足をばたつかせながら砂山を作ってる。
その体のどこにポルシェ並みのエンジンつんでるんだ。

観光客が帰りはじめるこの時間、姉ちゃんに不意に聞かれた。

Ｈ「あんたさ、好きな人とかできた？」

何を言い出す。

不意打ちだったので変な顔になってたと思う。

俺「ふぇ？」

くらいの語調だったかな。なっさけない声出してたはず。

Ｈ「ふぇ？ｗばかたれじゃんｗ恋だよ恋、若僧ｗ」

作った山を崩しながら、姉ちゃんは笑ってた。

俺「してねーよｗ恋とかｗばかじゃないのｗ」

H「そーかぁ、まだかぁー、愛いのｗ」

姉ちゃんは?って聞きたかったけど聞かなかった。

なんで聞きたかったのかは考えなかった。
なんで考えなかったのかも考えなかった。

変なとこまで意識しちゃうのな、こういうときって。

俺「女と話してるより男といたほうが楽しいしｗ」

隣で姉ちゃんが立ち上がるのがわかった。
ていうか目が合ってた。

H「じゃああたしといるのは楽しくない、と」

俺「そうは言ってないじゃんｗ」

H「じゃあどうして？あたしが海育ちだから？男っぽいから？」

げ、こいつ不機嫌になってる。

俺「そういうんじゃなくて・・・・」

目をそらしてとりあえず取り繕うとした。
が、姉ちゃんはほっぺたをつねってくる。

H「ｗｗわかってるよｗかわいいやつだなお前ｗｗ」

心臓に悪いことはやめてほしい。

H「でもね、恋はしたほうがいいよ。ただ数が多けりゃいいってもんじゃない。質と量、両方大事」

俺「はい？」

H「続きは君がもうちょっと大人になってからにしよっかなｗ」

食えない女でしょ？マジで。
ただ、もうちょっと俺が深いところまで考えてたら、
もうちょっと経験があったら、
この先に起きたことはすんなり受け入れられてたんだと思う。

冗談じゃないことを冗談っぽく言うときのほうが多いんだよね、この人。

中学生の頃、俺には夕飯を作るっていう仕事はなかった。
だからできた飯をお客さんのところまで運んで、
まかない食って、食べてもらったご飯を下げて、
皿洗いをする。

これが夜の仕事。

姉ちゃんももちろんやる。
担当は騒音とヤジ飛ばし。
あとは俺をいじること。

皿洗いのときはくすぐってくる。
飯運ぶときはメタルギアソリッドだ！
とか言って俺の背後をストーキングしてくる。

ようやく終わったかと思って、タッチ読んで寝てると、

俺の部屋のドアを少しずつ開けて、
エアガンみたいので打ってくんの。

Ｈ「ゾンビめ・・・俺のマシンガンが火を吹くぜ！」

俺「うわあー。やられましたー。」

Ｈ「演技力の問題だなあ・・・・」

あほすぎるよね。

そんなこんなで朝は５時起き、
夜は暴君にいじられる日々。

そのうち、来てから一週間が経つか経たないかの頃、
姉ちゃんが朝からいない日があった。

まあさすがに毎日海に行ってたわけじゃないから、
姉ちゃんが出かけてる日もあったんだけど、
朝からいないのは珍しかった。

おばさんに聞くと、

「知らないよ。
あと、寝起きだからって眠そうな顔お客さんに見せないこと。
印象悪いよ」

といわれた。ムカつくが、正論なので素直に反省した。

おじさんは、

「学生！暇だったら海いくか？船のせるぞ船！うはははうがふあｓｄがｄｊ！」

丁重にお断りした。

姉ちゃんがいない日は、まぁ言いたくないが退屈だ。
皿洗いも、配膳も、なんとなくただの作業みたいになる。

午後の休憩も、家でゴロゴロ漫画を読む。

その日の仕事が終わって風呂をあがっても、
姉ちゃんはいなかった。

おばさんは俺がしつこく聞いてくるのでカンに障ったのか、

「あんた仕事で来てるんだからね。遊びたいなら帰りなさい」

と言われた。いいじゃんいいじゃん遊んでも。
仕事はちゃんとやってるつもりだ。馬鹿、ばかたれ。

姉ちゃんにセブンブリッジで今日こそは勝とう、と意気込んでいた俺は、
仕方がないので部屋でタッチ読破を目指すことにした。

目が覚めると夜中っぽい。
俺はタッチ１８巻を読み終えたところで寝ていたらしい。
姉ちゃんはまだ帰ってきてないらしく、玄関を見ても靴がなかったし、部屋の電気も消えていた。

俺は・・・。

眠れなかったのもあったんだけど、なんとなく不安で、

それで・・・

タッチの残りを取りに姉ちゃんの部屋に行った。
人生最大のミスの始まりだ。

ちょっと休憩します・・・。
まだ見てくれてる人いたらありがとう。

これはｗｋｔｋ

まあその日の仕事はきつくなるのわかってたけど、
そこは中学生男子、負けません。

姉ちゃんが脳内で俺に言うのが聞こえる。

H「人生攻めなきゃ損だ！」

俺の中ではあだち充に対するリスペクトがマックスにエレクトしていた。

いうなればマキシマムリスペクト・タイプエレクトだ。
Ｔ．Ｍ．レボリューションが名前を変えだしたのはこの時期だったな。

ただね、部屋の前まで来たとき、なんとなく変な感じしてたんだ。

見てるぜ！乙

wktkがとまんね！

だからってわけじゃなく、
姉ちゃんがいないってわかってても、
夜中でお客さんがみんな寝てるのはわかってたから、
扉はゆっくり開けたんだ。

ほんとにゆっくり開けた。
音が聴こえないくらいね。




そしたらね。



そしたら、

姉ちゃんいたよ。

知らない男の人の上に。上裸で座ってた。

姉ちゃんの裸とか、
男の人の顔とか、
よく覚えてない。

H「誰!!」

って叫ばれたのは覚えてる。

暗くてよく見えなかったけど、
あわてて布団をかぶって、
姉ちゃんが俺の方を見てるのはわかった。

誰じゃねえよ。
その男誰だよ。
って思ったのはしばらくしてからなんだけど。

そのときは、

俺「あ、あの俺・・・俺、俺・・・」

たぶんこんな感じだったと思う。
ドラマみてえだよな。でも本当の話。

H「何？」

そのときの、何？って言葉。

あの言い方、今でも覚えてる。
あと姉ちゃんがすげー俺を睨んでるのがわかった。
そのときは本当にテンパってて、
姉ちゃんが、俺に、怒ってる。
それしか頭になかった。
すげー怖かったんだよね。

だから、

俺「たたたたたたタッチ、タッチを・・・タッチ、俺・・・」

とかほざいてた。情けないでしょ。

相手の男の人は無言だし、
姉ちゃんは固まったまま俺を見て、
無言で本棚を指差したんだよ。

俺「ごめん！ごめん！ごめんなさい！タッチを、俺」

自分の情けない台詞はちゃんと覚えてるのなｗ
しかもこういうときってうまい具合に探してる巻が見つからないのなｗ

H「早く出てって！お願い」

こっちだって早く出て行きたいに決まってるのに、
どうしてそういう言い方するんだよ、
って思ったのもしばらくしてから。

さすがに文章にするとこたえるなｗ
覚悟してたけどｗ
まあここらへんはださい俺を笑ってくれ。
ちなみにこれ今日中には終わらなさそうなんだけど、平気かな？
なんかあったら遠慮なく言ってくださいな。

俺は探してる巻を見つけるのをあきらめて、
そこらへんにあった漫画を適当に持って、部屋を出た。

俺「ごめんなさい、ごめんなさい！ごめん！」

謝ることしかできないし、
何よりそのときはろくなこと考えられなかった。
ちなみに俺、いまだに女の人が上のＳＥＸができませんｗ

部屋に戻ったとき、
俺のあだち充に対する例のアレはそれこそ海の藻屑になってた。
タッチがなんぼのもんじゃ。

呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから

そこから何も聞けなくなるの星屑ロンリネス

ファック。

姉ちゃんの部屋、道路が窓の前にあったんだよ。

普通に考えりゃ当たり前の話で、
彼氏ができてた実家暮らしの姉ちゃんは、
夜中に窓から入ってたんだよね。

そのときはね、自分がすげーださいと思ってた。
だって考えたらわかるじゃんね。

女子高生が夜中まで帰ってこない理由なんて一つだよな。

姉ちゃんに彼氏がいたことを知ったのはそれが最初だった。

おばさんはどうやら知ってたみたいで、
次の日相変わらず眠たい目で起きてくる俺なんか目をくれずに、
姉ちゃんに怒鳴ってた。

男の方は朝にはいなくなってたらしい。
おじさんは話を聞いて笑ってた。
このおっさんは頭のネジが外れてるどころか一本もはまってないんだと思う。

それからがまぁ地獄だった。
俺はとりあえず姉ちゃんとは会話できない。

だってそうだろ、あんなとこ見ちゃったんだぜ。

皿洗いにしても、配膳にしても、たまに目が合うんだけど、
どうしても逸らしてしまう。姉ちゃんに声をかけられても、とりあえず無視。
なんか腹が立ってたんだよね。

さらに寝る前には必ず扉を開けたときの光景がフラッシュバックする。
最悪だ。

でもね、そんな事件があってよかったこともあったんだよ。

姉ちゃんのこと、少なくともあれを見る前までは好きだったんだと思う。
それに気づけた。

気づいたときにはもうなくなってたけど。
あれだ、シャボン玉。
膨らんでるかと思ったら、ぱちんて消えた。

うまいこといえてる？

ある日、朝の仕事が終わって昼に休憩してたら、
おじさんが船出してくれるって言ってきた。

結構何回も誘われてたし、
姉ちゃんとは話してないし、
日中は暇だし、
俺は最初乗り気だったんだ。

おじさん「船酔いすんなよ、学生！胃が出るからな！ぐはｈｈｙｇはうふｇｈ」

俺「しないよｗじいちゃんの船なら何度も乗ってるし」

おじさん「そうかそうか！あ、どうせならＨのやつも連れてこうかｗｗ」

世界が凍った。ひぐらしの演出は絶対俺が元ネタだと思う。

俺「絶対やだ」

おじさん「おｗｗ照れてるのかーｗｗＨ、かわいいだろ最近ｗ」

俺「違えよ」

なんか怒鳴った俺は、おじさんの頭に？マークが浮かぶのが見えた。
気がした。って言わせてくれ。
んでさ、間の悪いことにちょうどそのときいたんだよね、姉ちゃん。
向かい側に。

あの世逝ってたぜ…
私怨してるぞ

H「ねえ！何なにーｗ」

なんでそんな愛想よく近づいてこれるんだよ。
馬鹿、ばかたれ。
俺は無視しようと努めた。

そんときおじさんが言ったんだ。

おじさん「おおう、男の話だ！あっち行ってろ！」

姉ちゃんは立ち止まって、そんで無言で戻ってった。
おじさんが一言、

「船はしみったれてると沈んじまうから、また今度な」

ネジ飛んでるくせにかっけえよ。

結局それ以降、俺は姉ちゃんと一言も話さないで地元に帰った。
帰る日、おばさんからなぜか弁当を渡された。
でも渡された瞬間にわかった、これ、姉ちゃんが作ったんだろ。

おばさん「あたしが作るわけないだろｗ」

このババア。
俺ほんと馬鹿だったと思う。
いらないって言って逃げた。
厨二だよなｗ

帰りの電車の中で（当時携帯電話とかもなかったからさ）、
腹いせにパクってきたタッチ読みながら、
なんとなくひと夏を損した気分になってた。

読み終わった後、
あだち充は悪魔の手先だということで落ち着いていた。

んでここらへんで後悔しだすのな。色々。
電車の中で何度わめいたことかｗ
でもそれからも、次の夏になるまで、姉ちゃんとは連絡を取ることはなかった。

変なプライドと、初恋が実らないって都市伝説の実感を経て、
中学一年生の夏は終わった。


まあこの恋はそんな簡単に終わらないんだけどね。
中学生だし、思い込んでもいいだろ。

とりあえず今日はここまでです・・・・。
一応まだ話は続くんですが、それは需要があったら。
次回は中学二年生の頃〜夏の話書きます。
ご清聴ありがとう。感想お待ちしてます。

乙。
酉だけ付けてってくれ
寝ちまってすまん

乙！

夜勤中読ませてもらった
仕事どころではなかった。

続きも是非(__)

トリップつけたことないんだけどこれでいいのかな？
すごい時間に書いたから寝てておｋ
あまりに突っ走ってて書いてて不安になったけどｗ

ちょっとメロンで吹いた
忘れかけてるけど初恋っていいな
時間ある時でいいから「二年生編〜」楽しみにしてます

>>1
楽しみにしてるから早く続きよろしく！

続きが気になるｗ

最後まで付き合うから完走してくれ！

目覚めて見たら何だこの良スレ。早く続きを頼む…。

なにこの野生の本田孝好
続き読みたくて辛抱堪らないんですが

追いついた。とりあえず>>1のスペックと姉ちゃんのを頼む
できれば過去と今両方あると尚良い

詳しいスペックは敢えて訊かないっつーのも一つの楽しみ方だぞ？
ある程度は過去ログに書かれてるし
オレの提案は今後の楽しみのためにスペック不要

んでメロンよ
再開は何時ごろになるのかおおよそ晒してくれ

勉強休憩に開いたら良スレだった

再開楽しみにしてるぜよ

テストｵﾜﾀ＼(^O^)／
楽しみだー

続き楽しみだｗ

携帯から失礼！レスついててびっくり！

あげるのは今日の８時くらいにしようかと思ってるぜい！

スペックか…。
今までのまとめる意味と、お話に差し支えがない程度になら書くけど、それでいいかな？

あと見てくれてる人ホントにありがとう！

８時か
待ってるんだぜ

wktk

支援

支援さんきゅ！

だがレスの中に俺の自演もあるんだぜフヒヒｗ
あおってくる人いなかったからバレてないのかな。
なんせ完結するまで落としたくなかったもんでね。
あと茶々入れ、批判、質問、意見なんでも好きなときに言ってね。

ちょっと書き溜めしときます！

まず俺と姉ちゃんのスペック

俺：１６５センチ、痩せ型、ＡＢ型、厨二病
顔は村上ジョージと言われるｗ
あと１７５のしょーごって言われたことが一回だけ。
嘘じゃないよｗ

姉ちゃん：１６８センチ、しまり型、ＡＢ型、おっぱいＢとＣの間
顔は中島みかと栗山千明を足して二で割ったクールビューティー。
性格は明るい。うるさい。

さて、茶番は終わりにして、もう少し時計の針を進めてみよう。

次は俺が中学二年生になったときの話。
ここから少し針が進む速度が遅くなる。

なぜならこのお話には今までの登場人物に加えて二人、
紹介しなきゃならない友人がいるからだ。

余計なやつ増やすなって？そう言わないであげて。
いいやつらだから。

俺は中学二年生になってもまだ、姉ちゃんと連絡は取っていなかった。
もともと民宿を離れてから連絡を取り合うような仲じゃない。

またあの一件以来、
どこかで姉ちゃんを心から消そうと努める気持ちがあったのか、
姉ちゃんっていう精神的な支え、よりどころがだんだんなくなった。
その分孤独を感じて悩む日が増えた。

だから俺は、
俺自身のコミュニティ内で支えとなる居場所を形成する必要があった。

そしてこの時期のもう一つのキーワードは携帯電話。
世間ではちょうど子供にも普及し始めた頃だった。

俺が中学で作ったコミュニティはシンプルだった。
シンプルっていうか俺を入れての三人組だった。

まず一人は底抜けに明るいエンターテイナー。
顔はヤクザだった。こいつを仮にイチゴとする。

なんでイチゴかって聞くのは野暮ってもんだ。

強面に関係なしに誰からでも好かれる人気者。
イチゴとは一年のときからクラスが一緒だった。

俺は彼の社交性の裏に除く寂しさがすきだった。

もう一人はハワイってやつ。
もう聞かなくてもいいだろ？

こいつは物静かで、独特な雰囲気を放つ男。
だけど親が医者で、何かと真実を見通す能力に優れていた。

だけど性癖は変態だった。
何が変態って生まれた日が７月２１日。
生まれて初めて自慰行為をしたのは幼稚園らしい。

ちなみに俺らの中で一番大人だったのは彼だ。
あらゆる意味で。

あ、そうそう、
ネーミングで先が読めちゃうとか言わないでくれ。
伏線張るの嫌いな人もいるかもしれないだろ。

俺らは毎日一緒にいた。

クラスは俺とイチゴが一緒、ハワイは隣だったんだけど、
昼休みはいつも水泳部の部室（ハワイが水泳部だったんだ）でマンガを読む。

中学二年生にもなると性への目覚めもハンパじゃない。
その進化はとどまることを知らず、俺らは未知の分野の開拓に勤しむ毎日だった。

こいつ厨二病くせえ

ハワイ「女の×××に、電池をつっこんで発電する夢を見たんだ」

こいつは唐突に下ネタを差し出してくる。
しかも視線にまったく迷いがない。

イチゴ「ｗｗｗばかたれじゃんｗｗｗなあｗ」

二人にはもちろん、例の一件の話はしてあった。
俺は姉ちゃんを忘れようと思いつつも、
彼女の考えや口癖はどうしても真似てしまう傾向にある。

イチゴはそんな俺をからかいたかったのか、
姉ちゃんの口癖をよく真似していた。
今思い出すと笑えるな。

>>98
ごめん、当時はもっと厨二だったぞｗくさいどころじゃないｗ


俺「それ禁止」

イチゴ「ごめんｗ」

こいつは素直なやつであると同時に、空気を読む天才でもあった。
絶対にカンに障る一歩手前で止まんの。

下ネタ以外に俺らのホットな話題といえば、携帯電話だった。
俺らみたいなガキにはさ、
携帯電話で友達同士だけで秘密のメッセージ、
ってのがまだワクワクしちゃう時代だったんだよ。
今じゃ信じられないかもだけど。

リアルタイムktkr！

支援してるぜ！！

ハワイ「携帯って、俺ら三人が装備できたら最強じゃね？」

イチゴ「いつでも連絡取れる！授業中にメール！」

ハワイ「あと女子とメールしたり！パラダイス！」

ハワイの眼がギラついてるのを見逃さなかった。
お前はどういった内容のメールをしようとしているんだ。

なんだかんだ話題には上るものの、
俺らの中で携帯を持ってるやつはいなかった。

俺「でも高いよな。買うだけで月の小遣いなくなるし」

この手の「ないものねだり」って、
一時期は仲間うちですげー盛り上がるんだよな。
んでたいていは何もおきないで通り過ぎる。

実際それまでも流行りものがほしいって話はいくつかあった。
俺は話題には乗っかりつつも、
まあこの話題もそのうちすたれるんだろ、とか思ってスカしてた。

厨二の典型だな。

だが、このときの携帯電話はすぐに俺らの手中に手に入ることになる。
俺と世代かぶってるやつらは思いつくと思う。
プリペイド。

その話を持ってきたのはイチゴだった。
プリペイドカード式携帯（正式名称は忘れたｗ）。

すっげーちゃちぃんだよな、あれｗ
でも小遣いはたけばすぐに使えるし、
電話しすぎて、またメールしすぎて料金アチャーにもならない。

当時流行ってなかった？わかるやついねーかな。
あれ、なんか問題起きてなくなっちゃったんだっけ。

イチゴ「やっぱさー、俺らみたいな奴に注目してるとこ、あるんだよなーｗ」

ハワイと俺とイチゴは某携帯ショップ店に来ていた。
六月くらいだったかな？雨が降ってたな。

ハワイ「なんかおもちゃみたい、ださい、しょぼい」

それについては同じ意見だ。
なんていうのかな、ほんとおもちゃ。
表示もしょぼい。

イチゴは自分が取ってきたプランに対して、
ずけずけと文句をたれる俺とハワイに向かって、
すげえ真顔でこう叫んだ。

イチゴ「うるせーな、モノは中身じゃねえ！形だ！」



逆だ馬鹿。
イチゴは俺らの中で一番偏差値が低かった。

追いついた
これからに期待

ハワイは最後まで文句をたれていたが、
俺らはようやく後のモバイルツール最強格となるアイテム、
携帯電話を手中におさめた。

なんかね、夢見がちだったんだよ。
携帯電話におそろいのストラップとか買っちゃってさ。
一番張り切ってたのはイチゴ。

イチゴ「なんか秘密警察みてえｗ」

ハワイ「・・・ださいな、マジで」

さすがにしつこいな、と俺が思っていると、
イチゴが珍しくハワイを煽りだした。

イチゴ「お前ださいださいうるさいｗ
嫌だったらてめーでいいもんこしらえてこいよｗ
俺らには無理なの！そしてお前にも無理！
できないでしょ？ねえ？ハワイくん？ねえねえねえ？」

ハワイが一週間と経たぬうちに最新型の携帯電話を持って学校にきたのは、
まあ、そういうわけだ。

携帯が手に入ると俺らのコミュニティは広がった。
メル友って今は死語だけど、当時は本当に流行ってたんだよ。
俺？もちろんいたよ。何もなかったけどね。

ハワイは一ヶ月の間にメモリーの半分近くを女で埋めていた。
あいつを本気で尊敬、そして軽蔑したのはその時。

イチゴは秘密警察ごっこに飽きると、いくつもプリペイド携帯を量産して、
ハワイにブラックメールを送信するのが日課になってた。

そしてハワイはことごとくひっかかった。この性の化身が。
次の日にハワイに俺の携帯から彼の送信内容をリバースするのも日課。

うん、いい具合に馬鹿だ。

七月になって、一学期も終わる頃。
くそ暑い放課後、俺とイチゴは部活をサボってプールにいた。
目の前ではハワイが華麗にバタフライ泳法の訓練に励んでいる。

イチゴ「あいつ部活だけはマジメにやるよなｗ」

俺「いやあいつはマジメだろ。ただエロいだけ」

こういう会話とか、ほんとくすぐったい。
季節はもう夏。
風の匂いもとっくにそっちになってた。

イチゴは空気は読むが必要なことはしっかりと伝える。
しっかりとっていうか、
この場合は多少外から伝えようとしてたみたいだけど。

イチゴ「お前の実家の民宿いきたいな、今年」

俺「なんで？」

イチゴ「綺麗な姉ちゃんいるんだろ？紹介してよｗ遊ぼうよｗ」

うん、やっぱりただの馬鹿かも。

H姉ちゃんに気まずい気持ちってのは正直なくなってた。
もちろん連絡は取ってない。

だけどそれはきっかけがないだけで、
同時にきっかけを作れないだけだった。

俺だってそこまでガキだったわけじゃない。
悪い関係よりはいい関係のほうが、
生きてて気持ちがいいことは知ってた。

だからこの二人をクッションにして・・・
とか考えてたんだと思う、正直。

ただ、去年弁当おいて帰ったり、無視したり、
前みたいな関係には戻れないんだろうなって思ってた。
なんとなくだけど。


そしてその予感は当たるんだよな。
当たるんだよ。こういうのばっか。

ハワイに企画を提案すると、あいつの反応は予想通り上々だった。
上々っていうかめちゃめちゃ乗り気だった。
部活返上してまで行くとか言い出した。

で、気づいた。そりゃーな、海っていったらな。
こいつは帰るまでに携帯のメモリーをいくつ満杯にするんだろう。

結局民宿に行くことになったのは八月の頭から。
ただしイチゴとハワイが来るのは最初の一週間だけ。
俺だけは手伝いがあるので月末まで残ることにした。

つまり、三週間ほどは姉ちゃんと過ごすことになる。

一週間以内に、姉ちゃんと普通に話せるようになる。
これがこの夏の目標だった。

実家には親から連絡を入れてもらうようにした。
ここらへんチキンなのよ。
姉ちゃんが出たら、って思うとすげえ憂鬱になんのね。

ちょっとタバコ買ってきます。

>>114
おk

待ってるぜ〜ﾉｼ

ただいま



その年の八月も例年に違わず暑かった。
いや、日本ってだんだん暑くなってるよな絶対。

俺は海好きだが暑さには弱いという両の刃を持つ男だった。
一方イチゴとハワイは電車から降りるなり、
あっちこっちの店に勝手に入りたがる。

これはガキだろ。俺がスカしてるとかじゃなくて。

おかえり

珍しいものに眼がないイチゴと、
女の子に眼がないハワイを引きずって、
民宿に着く頃には日も暮れかけていた。

おばさんは相変わらず愛想がない。

おばさん「遅いから何かあったのかと思ったよ。連絡よこしな」

このババアは面子ってもん知らないのかね。
馬鹿二人はおばさんの顔など一切見ずに客室に上がりこんでいた。

唐突に登場ってのはお話を書く方としてはやりやすいんだ。
見てる側からしても、おっ、てなるでしょ。

ただこれが演じる側だと話は別。
不意をつくのがうまい人っているよな。

イチゴとハワイの盛り上がりですぐわかった。
あいつ、先回りしてやがったな。

H「若僧が三匹ｗ今夜は宴じゃｗ」

客室に上がりこむと、俺らを指差して笑ってる女がいた。
まあ人を指差して笑う女はこの民宿に一人しかいないんだけど。

ハワイ「若僧って、オイ！」

イチゴはぽかーんとしていたが、
ハワイは意味不明なノリツッコミのようなものをかましていて、
（たまにハワイの脳みそは真っ二つに割れているんじゃないかと疑う）
俺はたぶんイチゴと同じ反応をしていたと思う。

俺だって電車の中で多少はシミュレートしたさ。
誰かうまくいかないのは俺のせいじゃないって言ってほしい。

イチゴ「ハワイｗ」

H「元気いいねｗ」

ハワイ「色々聞きましたよ」

H「そこの小さい若僧から？ｗ」

この中で小さいのは俺だ。他にはいない。
腹立つ。

イチゴ「すごく聴いています」

ハワイ「ええすごく」

H「ノリいーな！ｗよし、飯食ってトランプしよ！ｗ」

三人はその日のうちに打ち解けた。
その日ってかその尺で。
なんだかたまらなく悔しいのはなぜだろう。

俺があっけにとられていると、Hが耳元で、

H「今日はお客さん少ないから、休んでいいってさ」

とかなんとか。

このお姉ちゃんは本当に何のためらいもなしに俺を見て、
話しかけてくる。
こっちもこっちで悔しいのは、まぁ単純に器の差だと思った。

姉ちゃんは去年と比べて見ると少しやせたような印象があった。
ここらへんはさすがに誤差の範囲内で、詳しく覚えてない。
女の子って毎年変わる、らしいよ？

ただ髪が真っ黒になってたのはすぐ気づいたし、覚えてる。

支援
ズボン下ろして待機してる

トランプは意外にもイチゴが一番強かった。
次点が姉ちゃん。次が俺。ドベがハワイ。

この日は珍しく大富豪をやったんだっけ。
ハワイは２で上がってしまう失態を二回ほどやらかした。

H「ばかじゃんｗｗ」

イチゴ「ばかじゃんｗｗ」

二人は気づいてなかったけど、
あれはハワイなりに場を盛り上げようとしてくれてたんだと思う。
そう信じたい。

うん、信じたかったけど、違った。

ハワイは大貧民から脱出できないこと４回、
こう言い放った。

ハワイ「俺が次、大富豪になったら、
お前ら酒のめよ。一気飲みしろ！」

信じた自分を呪った。
イチゴはちょっと戸惑っていて、空気を読もうと必死だったけど、
俺はこの手の企画で一番テンションが上がるのは誰かよくわかってた。

H「よしｗハワイ君かかってこいｗ」

イチゴ「うわー姉さんやる気だあーｗ」

だあーｗじゃねえよ。
お前の変わり身の早さをもってすれば、
甲賀だろうが伊賀だろうが主席で免許皆伝だバカヤロウ。

こういうネタ、抵抗ある人いるかもしれないから補足。
田舎ってさ、ゆるいよな。こういうの。

当然のように姉ちゃんが日本酒をかついでくる。

H「まあ一杯くらいならいいでしょ」

あなたが抱えてるものはどう見ても一升瓶です。

イチゴはまた空気を読み出していたが、無視した。使えん忍者。
ハワイは大貧民なので正座しながら俺らにカードを配り、

ハワイ「都を・・・落とすんだ・・・」

と小さくつぶやいた。姉ちゃんはそれを見て爆笑してた。

まあここ詳しく聞きたかったら後で書いてよ。

結果だけいうと、飲んだのはハワイ。
クーデターの罪は重かったってこと。
定番だよな、言いだしっぺが罰ゲーム。
ハワイはどっかの独裁者みたいに、無残な姿に落ちぶれていた。

俺「その日本酒、どっからくすねてきたの？」

H「ビール探してたら親父に渡された！」

おじさんはネジがまた一つなくなったらしい。

ハワイ以外も多少は酒飲んでたけど、
まあほんとに一杯もいかないくらい。

その後はくだらない話をしてた。
だいたいはハワイのブラックメールの話だけど。
あとは俺の学校での評判とか。

でもなんか、くだらない話で姉ちゃんと笑い合えば合うほど、
去年のことがちょっとずつ頭に浮かぶんだ。

ださいっすね。さーせん。

しばらくだべってたら、部屋にじいちゃんがカキ氷持ってきてくれた。

H「あたしメロンね！ｗ」

俺「え、レモンじゃなくていいの？」

H「今日はメロンで攻めるのだよ、碇くん」


姉ちゃんエヴァはまってたらしい。後で聞いた。
で、ハワイとイチゴは・・・ねｗそういうこと。
わかってたと思うけどねｗ

メロンとレモン。まあ似たようなもんだ。
今日はレモンの日って思ってカキ氷を食べようとしたら
姉ちゃんが突然、

「あっ！！」

って言って俺のカキ氷を奪い取った。
結構本気で奪い取られたので、
ハワイもイチゴも一瞬動きが止まった。

俺「はい？」

H「・・・うーん、こういうときやっぱ天才なんだ。天才なんだよ」

意味不明。

ハワイ「姉さんは天才っすよ」

イチゴ「そうっすよ」

黙れ三下、および独裁者め。
ハワイは顔がトマトみたいになってた。
こいつは顔が丸いから余計にトマトに見える。
色んな意味でカラフルなやつだ。

H「あたしレモンにするｗ」

俺「いや、どっちでもいいからｗｗ」

H「うーんｗわからんだろうなあｗ愛いのう愛いのうｗ」

にやけた顔をしてカキ氷をほお張り始めた。
俺は酒で酔ってると思ってて、適当に流したんだっけな。

まあ、後から考えると天才っていうより、策士だと思った。
ずるい女だよ。
これノーヒントでわかった人はすごいっていうか、
ずるいっていうか。なんていうか。厨二病っていうか。

食ってるうちに、花火を買いに行こうって話になった。
いうても俺ら、次の日五時起きなんだけどね。

ハワイは大分酔っ払っていて、イチゴはハワイの面倒を見てるってんで、
俺は姉ちゃんと二人で近くのお店に歩いた。

途中、携帯を見ると

「公園は　やめとけ」

戻ったら殴ろうと思った。

イチゴは来る途中に見てたんだろうが、
お店に行くまでには公園を通るんだよね。前も言ったけど。
小さくはない公園。昔象から落ちて泣いた。

姉ちゃんは酒を飲んでたいそうご機嫌なようで、鼻歌を歌ってた。
１９の紙ヒコーキ。流行ったよな。

H「いい友達ｗかわいいしｗ」

俺「イチゴはともかく、ハワイはただの色狂いだよ」

H「ハワイ君は女ったらしになりそうだなｗ」

まあ、夜の公園って、中学生でもわかるよな。
わかるってか想像力は発揮できる場所だと思う。

だからH姉ちゃんが止まったときは、
イチゴのメールをもっとちゃんと見ておけばよかったと思った。

H「おい」

シャツの裾をつかむっていうのはいかがなものか。

俺「おい」

H「チューをするぞ」

俺、姉ちゃんも多少は厨二入ってると思うんだよね。

>>135
超展開ktkr

よくそんな臭いこと言えるなって思ったのが本音。

だけど俺も酒が入ってたし、酔ってなくても、
酒のせいにできたっていう、狡猾なこと考えてた。

てか・・・・ここらへんかなり恥ずかしいから察してくれｗ


俺「なんで？」

H「チューしたことある？」

俺「ないよｗ酔ってますねあなたｗ答えになってませんがｗ」

H「はいはいそれでいいですよｗ」

俺「いや投げやりですねｗ」

H「演出力には自信があるんだよｗ
目つぶれよｗそれなりに思い出でしょ、レモン味だぞｗ」

レモンにこだわってたのはこれか、って思って、
思ってる頃には、まぁ、うん。

一回目は普通にして、

「レモン？」

って聞かれたからわかんないって言った。

んで、まぁ二回目は、うん。あっちの方のアレで。
うん。

H「お前いいなーｗこれ一生ネタにできるねｗ」

ドラマみたいって思ったでしょ？
でも、ほんと。今でもたまに話に出したりはするｗ



てか、ここらへんの詳細は、もし完走したらピンク板でやろっかなｗ

なんでチューしたの？って聞かなかった。
なんかそれが大人だと思ってたし、
それは正しかったと思うんだよね、今でも。
正しかったってのは、大人ぶるって意味で。

まあ姉ちゃんの頭の中ではそれこそ

計　画　通　り

だったのかもなｗ


姉ちゃんにまだ彼氏がいるかどうかは知らなかったけど、
しょーがない。
あれをかわせる奴いたら、ここに出て来い。

あとね、正直嬉しかったってのもあるよね。
しょーがない。

今鏡見たら顔真っ赤だったｗびびるｗ

そこからは何を話すでもなく適当に花火を買って、
民宿に戻ってみんなで花火をやった。
イチゴとハワイはやけに膝やら腕やらを掻いてた。

民宿の中、蚊取線香たきまくりなのに。

イチゴ「いや、ヤブ蚊ってうざい」

事情を知ったのは二学期が始まる頃で、
そんときは結構本気で血の気がひいた。
野次馬根性って、中学生の根性って、
純粋で馬鹿だ。

ここで終わってたら結構いい話かも。
とりあえず今日はここまで。
ここまでで満足した人はここで引き返してくださいなｗ
この後結構暗い話続くからね。

次回は姉ちゃんと彼氏の話、俺と姉ちゃんの話。
ご清聴ありがとうございました。自演すいませんｗ
感想、要望、質問、批判、意見、お待ちしております。

>>141
乙
楽しみにしながら待っとく

支援

落ちたらパー速でじっくり

レモンについては本気で恥ずかしいので答えられないとこあるかもですｗ
サーセンｗ

鬱展開は勘弁

おいついた
メロンおつ

楽しく読ませてもらってる。

がんばって。

保守

おはよう。
実は今週から私生活がかなり立て込む使用になっていて、
続きが結構遅れてしまうやもしれぬ。
申し訳ない。
ちなみに俺はパー速って言葉はよく知らぬ。
割とライトユーザーなもんでね。すまん。

で、こっからはアンケートね。

今結構お話の進め方早めでやってるつもり。
本当は他にも面白いエピソード色々あるんだけどさ。
中核になってるお話に付随する形でかなり端折ってます。

これからもこういう書き方がいいか、
もうちょっとディティールに凝ったほうがいいか、
みんなに聞きたいなぁ。
俺はどっちがいいってのはないのよ、事実を書いてるだけだからさ。
もしまだ見てる人がいたら、次回の更新までに書いておいてほしいなぁ。

じゃあみなさん今日もいい日を。

予備校合間に保守

読みやすくて面白いし時間かかってもいいから
詳しく書いて欲しい派

楽しみにしてます

part100になってもいいから、
じっくり派な俺

特に早めに進める必要も無いと思う

むしろじっくりよんで楽しみたい人

じっくりでお願いします

新世紀

じっくりだと…
時間かかるじゃねえか

…だがそれがいい

ゆっくりでいい
ゆっくりがいい

本気でレモンの意味がわからないんだが・・・
ちなみに童貞じゃないぞｗただ想像力が足りないの

>>160
ファーストキスは…？？

>>161
悪いがマジでネタじゃないぞｗ
ファーストキスは中三かな

>>162
そうか
ファーストキスはなんとかの味って聞いたことないか？なかったらググれ

>>163
把握ｗそれでレモンか
昔から姉さんがレモン食ってたから特別な深い意味があんのかと思ったｗしかしこれも深いな

ちゃっちゃと終わらせてくれ

ういっす！
不意打ちで投下。


結局その日の夜は花火が終わったらすぐに寝た。
ハワイは日本酒の隠し場所を姉ちゃんにしつこく聞いていた。こいつ、まだ飲む気だったのか。

姉ちゃんにはキスのこと、彼氏のこと、こっちからは何も聞けなかった。
ただ姉ちゃんが自分の部屋に戻るとき、後ろから背中をツンってされて、振り向きざまに、

H「おやすみ」

って個人的に耳打ちされたのが印象的だった。
くそっ。かわいい。

くそっ。うらやまっ。

ていうかキスしたんだぜ、俺。

その頃の俺は自分いつキスできるのかなーとか、いつＳＥＸするのかなーとか、いつか来る遠い未来みたいな感じで考えてたから、不思議な感覚だった。
一つだけいえるのはハッピーなのかなんなのかよくわからない複雑な感情が残ったってこと。

そんでその日の夜中、まあ眠れるわけねーよな。普通に考えて。
イチゴとハワイも同じ様子だった。

ハワイに至ってはオナニーの美学と、一回のオナニーで自分から出るカウパーの量をスライムと表現するに至っていた。

ハワイ「俺が行為を終えた後に、いつもそこにいるんだ、ぶちスライムＡが」

イチゴ「ぶちってお前それ血まじってるじゃねえか」

ハワイ「細かいことはいいんだよ。お前ら一回のオナニーにどれくらい時間かけんの？」

イチゴ「１０分くらいじゃねえの？」

俺「俺２０分ｗ」

ハワイ「早漏どもめｗ我輩は最低でも１時間はかける」

なんでこの人自慢げなの？

俺「一時間ってお前、ちんちん痛くならねーの？」

イチゴ「ちんこはメタルスライムだもんなｗ」

誰がうまいことを言えと。

ハワイ「お前らだいたいやるとき右手だろ？俺、左手も鍛えてるんだよ。この両腕オナニーが俺をより高尚な存在へと・・・」

イチゴ「きもいｗやめろｗ」

そういえばハワイが７月２１日生まれって話はこのときに聞いたんだった。
０７２１。オナニイ。一生忘れないなと思った。

じっくり＆ねっとりに一票

イチゴ「メロン」

そういえば俺は酉がメロンってことになってるので、仮にメロンとしよう。
なんか抵抗あるけどｗ

俺「なに？」

イチゴ「姉さん彼氏とは別れたんだって？」

俺「え、知らない。あいつが言ってたの？」

イチゴ「お前が聞いてなくて俺らが知ってるわけねえだろｗいや、買出しのときになんか聞かなかったの？」

今考えると、ヤブの中にこいつら二人がいたってのうけるな。
だからヤブ蚊にさされてたわけなんだけどね。
このときの俺は知らなかったから、キスは俺の中の秘密だと思って優越感にひたってた。
痛いメロン。悲しいメロン。

じっくりの方が多いから、じっくりで行こうかな。
早いほうがいい人は、くだらない部分は飛ばして見てね。

俺「いや・・・なんも」

ハワイ「ダメ男だ」

仮に俺がダメ男だとしても、お前みたいにはなりたくない。

イチゴ「まあ聞きにくいよな。俺らが聞いてもいいぜ？なあハワイ」

ハワイ「だめだろ」

ハワイの声色が低くなっていた。

ハワイ「お前が自分で聞かなきゃ意味ないね。お前は散々もう好きじゃないとか言ってるけどな、俺らに隠せると思うなよ」

俺「いや好きじゃないっていうか・・・」

ハワイ「うるさい。仮にもし彼氏がいたら諦めるのか？自分で体当たりしてもいないのに気持ちだけゴミ箱にポイ捨て、それってずるくねえのかよ。ださいことすんなよ」

変態のくせに、たまに真に迫ったことを言いやがる。
イチゴはもう空気を読み出していた。

イチゴ「まあ、お前が決めればいいじゃん。ただ聞いてほしかったら聞いてやるよ」

俺は考えた。

やっぱ好きなのかもしれない、とか。
でも姉ちゃんからしたらキスなんてただのコミュニケーションっつか、遊びだったのかも、とか。
だいたいノリ軽かったしお酒飲んでたし・・・。

でも、ハワイが言ったみたいにずるいとかださいとか、そういう言葉にこの時期の俺は敏感だった。
だからどっちにしろ、聞きたいことは自分で聞こう、とまあこういう具合に落ち着いた。

イチゴ「それならそれでいいじゃん。スベったら爆笑してやるよｗｗ」

ハワイ「今度はお前が大貧民だなｗ」

他人事だと思いやがってｗ

次の日の朝、当たり前だけど俺らは死んでた。
ちなみにハワイとイチゴも手伝いをする義務はある。
代わりに宿泊代タダね。

人数が必要なのは仕込みと配膳だから、俺からすると仕事だいぶ楽だと思う。

俺らを起こしに来たのは姉ちゃんだった。
姉ちゃんはぐっすり眠れたらしく、朝からテンションが高い。

H「おらおら！ボケナスども早く起きなさい！もうすぐ五時だからな！」

俺らの睡眠時間は二時間半しかなかった。当然誰も起きない。

H「よし。そういう態度ならこっちにも考えがあるｗ」

嫌な予感がした。

H「うりゃっ」

姉ちゃんは真っ先に俺の布団めがけてドロップキックをかましてきた。
グキッと嫌な音がする。人によっては骨折れるぞ、マジで。

俺「ごめんなさい起きますすいません」

H「よしｗじゃあ次はどっちからにしようかなｗ」

ハワイとイチゴはもう着替えはじめていた。
クソヤローどもが。こうなると思ったけど。

H「午後になったら海いこう！今日は寝かさないよー・・・ｗ」

ハワイ「夜も寝かさないでくださいベッドの上で」

とりあえず叩いておいた。

朝の仕事は楽だけど、さすがに応えた。
頭が全然働かない。眠い。イチゴは危うく味噌汁の中身を流しに捨てるところだった。

意外にもハワイが優秀で、朝からきびきびと動く。おばさんはハワイが気に入ったようで、何やら二人で話しているのが見えた。けっ。

H「妬いてんのか？ｗ」

俺「誰がババアにｗ」

やべー他界してた。
また時間あったら書くわい。保守とか支援とか本当にありがと。わしゃ幸せもんじゃ。

なんか聞きたいこととかあったら書いておいて！see ya!

続き期待待ち

乙
姉ちゃんこのときもしかして受験生じゃないか？

wktk

保守

真夏の果実聞きながら読んでます。

続きものんびりがんばってね。

ほしゅ

ＦＦ１３ほしい。
今からチャーハン作って、食ったら書くぜ。
保守ありがとう。

>>184
そういうのうれしいです。イメージできる歌たくさんあると思うので、音楽に浸りながら楽しんでくださいな。

じゃ、またあとで！

>>181
YES。詳細は後述。

納豆チャーハン食った。まずかった。カキ氷食いたい。

以下続きです。


配膳が終わると俺らは朝食をキッチンで食べることになってた。

朝は焼き魚と味噌汁、おしんこ。
シンプルだけどうまいんだよ、マジで。
酒飲んだ次の後だったから味噌汁が特においしかったなあ。

姉ちゃんは居間でおばさんとかといつも食べてるんだけど、俺が来てるときだけはキッチンで一緒に食べてくれてた。今回も同様。

イメージ崩しちゃうかもしれないけど、姉ちゃんはめちゃめちゃ食べる人ｗ
育ち盛りの俺たちと同じくらい食べる。
なんであんな細いのかいまだに謎なんだよな。

まってたぞ！

食器を下げて皿洗いが終わったら、お客さんが外に出るタイミングを見計らって掃除に入る。
ここでもハワイが大活躍だった。なんでもやらせるとちゃっちゃとこなしちゃうんだよな。育ちがいいやつはうらやましい。

イチゴは掃除機を片手に首を傾けながら、ウぃーん、ウぃーんと連呼していた。
心中察するぜ、イチゴ。これが終わったら寝よう。

H「早く終わったら先に海行ってて！あたし部屋の整理してから行くねｗ逃げるなよｗ」

ジーザス。

その日の海は波が非常に高かった。風も強い。
波に飲まれるうれしそうな悲鳴、浜辺に流れるサザンの歌はそうじゃなくても俺らの気持ちをポジティブにした。
イチゴは着くなりテンションが上がってしまったようで、海パン一枚で浜辺を走り出した。

イチゴ「自由だ！自由はここに眠っていた！」

お前はきっと生まれたときから自由だよ。

一方ハワイは隣で目を輝かせて、一言こういった。

ハワイ「女の子がいっぱい。おっぱい」

お前も自由だな。幸せだよ俺は。

俺「パラソル借りてくるから、先に遊んでなよ」

ハワイ「単独行動をしてもいいってことだな？」

俺「どうぞどうぞ、骨は拾わないけどな」

ハワイ「愚問だｗ」

ハワイはゆっくりと波打ち際に対して平行に歩き出した。
なんだかターゲットを探すスナイパーみたいだ。

とは言ってもテンションが高いのはなんだかんだ俺も同じだった。
波が高い日はボディボードが最高に楽しいんだよね。
みんなででかい波に飲まれて、大声だして、騒ぐ。
大人も子供もみんな一緒だ。

ハワイもイチゴもボディボードは初体験だと思った俺は、パラソルと一緒に二人の分のボディボードも借りてあげた。

パラソルを立てて波打ち際に向かうと、ハワイは二人組の女の子と遊んでいた。
かなり年上に見えた。
スイカの形をしたボールを楽しそうに叩き合っている。
あいつ・・・・やりやがる。

イチゴはというと、見当たらないので探しているうちに、驚くべき光景を目にした。
イチゴの後ろに幼稚園くらいの小さい子供が６人くらいくっついて波に向かって泳いでいる。
なんかあいつがガキ大将みたいに見えた。

イチゴ「おい！魚が飛んだぞ！あっちだ！」

子供「俺が取る！」

イチゴ「よし！波に負けるな！俺についてこい！」

子供「おうー！」

イチゴが幼児に放つカリスマ性を目の当たりにした瞬間だった。
お前は適応力がありすぎる。

俺はというと社交性のかけらもない人間だったので、一人でボディボードにいそしむことにした。
といっても消極的な気持ちで挑むわけではない。

姉ちゃんに少しでも追いつくべく、向上心むき出して波に立ち向かった。
気持ちは波乗りジョニーだ。
やっぱり波は高くて、俺は何回も飲まれたけど、一人で集中してやるボードも楽しかった。

海って時間の感覚おかしくなるよな。

しばらく泳いだ。どれくらいだったかな？
たぶん一時間くらいは泳いだんだと思う。
正直姉ちゃんが来ることは忘れかけてたｗ
おそらくイチゴもハワイもそうだったはずだ。

大きめの波に乗れて、波打ち際にたどり着くと、ハワイとイチゴが座っていた。

イチゴ「こいつ高校生と遊んでたんだぜ！一人占めしやがって！」

ハワイ「三人で話しかけても怖がられるだろｗ」

俺「イチゴは魚取れたの？ｗ」

イチゴ「取れねえよｗあまりに取れねえから、後ろ見たらガキが消えてたｗ薄情だよなｗ」

哀れなジャイアン。

イチゴ「ちょっと疲れたｗていうか寝不足なの忘れてたよｗ」

俺「一休みしよーか」

波に乗って遊んでると、潮で流されるんだよね。
経験あるやついないかな？
後ろを見たら、俺らはさっきいた場所からずいぶん遠くにまで流されていた。

イチゴ「俺らの場所どこだっけ？」

俺「海の家の横だよ。ほら、あそこ・・・」

俺がパラソルを指差すと、妙な光景が目に入った。

イチゴ「あれ、姉さんじゃん？」

俺「うん」

ただそこに姉ちゃんがいるだけならよかったんだけど、俺らのパラソルに座ってる姉ちゃんは俺が知らない二人の男に囲まれていた。
表情は遠くて読み取れないが、嫌に慣れなれしい雰囲気は伝わった。

こういうときさ、好きかどうかってわかっちゃうよね。
なんか心臓がドクッてなるの。わかるやついる？

イチゴ「ナンパされてんのかな・・・」

俺「うん」

たぶんから返事だったと思う。と、次の瞬間俺はもっと目を疑う光景を目にした。

いや何って、ハワイが走り出したんだよ。

イチゴ「あ、やべえ」

ハワイはものすごい勢いでパラソルめがけて一直線に走る。
速い。速い速い。

ここらへんでハワイが何考えてるかだいたいわかってしまった俺とイチゴも、
必死に追いつこうとするんだけど、そこはスペックの違いだ、まったく追いつけないｗ

イチゴ「ハワイ！オイやめとけって！ｗｗ」

目標のパラソルまであと１０メートル、
俺らからも姉ちゃんの表情が確認できて、
姉ちゃんもこっちに気づいたような顔を見るや否や、

ハワイは、

片方の男を、





殴った。

まあ殴るって言っても腹だったんだけど。

姉ちゃんは最初びっくりしていた。
次にハワイは状況を察したらしく、あっ、て顔を露骨にした。

その後俺とイチゴは平謝り。

だって、殴るちょっと前に俺が姉ちゃんの表情を俺が確認したとき、
ハワイの行動がいかに早まっていたか察しちゃったんだよね。

姉ちゃん笑ってた。絶対こいつら知り合いだ。

H「同級生だよバカ！謝れ！バカども！」

眠い・・・。誤字ったりしてたらごめんなさい・・・。


二人組は高校の同級生らしく、さすが姉ちゃんの友達だけあってすぐに許してくれた。
さすがのハワイも素直に謝って、しかし罰として砂浜に縦に埋められるという所業に見舞われることになった。

あれ縦に埋めるとほんとに出られないんだぜｗ海行ったらやってみてよｗ

さらし首のような状態になったハワイを煽るイチゴは疲れがふっとんだようにいきいきしていた。
ハワイに対して少なからずストレスがたまってたと見た。

俺とも軽く話した後、二人組は俺らのパラソルから離れていった。

H「ハワイ君って喧嘩っぱやいの？」

俺「いつもは違うんだけど・・・」

H「ちょっと嬉しかったけどさｗ暴力はよくないよなーｗ」

あんた友達殴られてますけど・・・。

H「なあなあ、メロンくん」

体育座りをしながら姉ちゃんがこっちを見る。
ひざがほっぺたにくっついてた。
海に来るとこの体勢、よくやるんだよな。
姉ちゃんっぽい。

H「ちょっと話そうじゃないかいｗ」

俺「何を？ｗ」

ごめん、そりゃあ多少は察しがついてた。
だって昨日の今日あんなことあったし。

H「野暮なヤローだなあｗ・・・場所かえよーか」

俺と姉ちゃんが立ち上がるとき、イチゴと目が合った。
あいつは無言でうなずく。微妙にニヤけてるイチゴは歳より子供っぽく見えた。

ハワイはイチゴが真後ろにいることに気づいていないらしく、大声でレスキューを求めていた。通りかかる女の子に片っ端から救命信号を送っている。

たいていはきもいを連呼されていた。

哀れなプレイボーイ。

H「裏の神社いこ」

神社は秋にお祭りが行われるところで、俺と姉ちゃんは昔っから何かあるとそこに逃げ込んでいた。それなりに思い出のある場所だ。

中学二年生、またしても想像力が暴走する瞬間。
これは仕方ないよな。わかってくれ。

ここには観光客は近寄らない。まあ海に来たついでに神社にも寄っておこうなんて酔狂な客はそんなにいないよな。

神社はすごく静かで、人は俺ら以外誰もいなかった。

H「たまには秋にもおいでよ。お神輿と獅子舞、ずっと見てないでしょ？」

秋祭りは太鼓を搭載したお神輿で町内を練り歩き、広場に出ると獅子舞を演舞するといった形式で行われていた。ちなみにスタッフは全員が終始泥酔しているｗ

姉ちゃんは女の子では珍しく、大太鼓の叩き手だった。

獅子舞の音頭は太鼓と笛で構成されていて、昔姉ちゃんに太鼓を教えてもらったことがある。

俺「獅子舞、昔怖かったよ。本当に喧嘩してるみたいだもん」

H「本当に喧嘩してるんだよｗ太鼓は？まだ覚えてる？」

俺「出たとこ勝負かなｗ」

H「はいはいｗ」

俺「話って・・・」

この一言はなぜか自然に口から出てきた。
神社の雰囲気とか、懐かしい感じがそうさせてくれたのかも。
くさいかな？ｗ

H「まぁ・・・・たまにはあたしの愚痴も聞いてくれよ」

ベンチに座りながら、少しうつむいて姉ちゃんが言った。
なんだか姉ちゃんじゃないみたいだった。

俺は腹を決めて聞いてみた。
そうだ、それこそ出たとこ勝負だ。
本当はビビってたけど。

俺「彼氏のこと？」

>>200
砂風呂遊びは死亡事故がありましたから、やってはいけません。
水を射して済みません。
どうぞ続けて下さい。

H「もう彼氏じゃないよ。友達。さっきいたでしょ」

俺「あの同級生？」

H「うん、ハワイ君が殴らなかった方ｗ」

殴ってたのがそっちだったらどうなったんだろう、と一瞬思った。

H「春に別れた。ふられたんだぜーｗ」

この人は自分の気持ちに嘘をつくときは人の眼を見ない。
まあ俺も伊達に幼馴染と従兄弟はやってないってこと。

>>205
大変失礼しました・・・。不快な思いしてたらごめんなさい。


続き

そこで一言つっこめる勇気はなかったけどね。

H「あいつさ、あたしといると自分がダメな男に見えちゃうんだって！ｗ
なんでかな？幸せじゃなかったのかな？
それともあたしが海育ちだから？性格が男っぽいから？髪が赤いから？肌が黒いから？なんでかなあー・・・」

顔を見てぎょっとした。
下を向いてたけど、泣いてるのがはっきりとわかった。
女の子が泣くの見るのってなんであんなにつらいんだろな。

H「さすがにもう恋愛感情はないよ。だけどね、ダメに見えちゃうから、ハイそうですかって、頭でわかってても、心で理解するまで時間がかかっちゃうよ。
相手がどうとかじゃなくて、自分の中に原因求めちゃうよ。だってそのほうが楽じゃん。
あたし不器用だよ。だめだなあー・・・ｗ」

姉ちゃんの弱いところを見たのはそのときが生まれて初めてだった。
少なくとも物心がついてからはそうだった。

事故に遭いそうな子供がいたから、道路に飛び出す。
そんな感じだ多分。ここらへんはあんまり覚えてない。
気づいたら抱いてた。

文字にするとドラマチックに見えるかもだけど、
実際は一瞬の出来事なんだよｗ

まあでも普通そうするだろ？

しばらくして、姉ちゃんが泣き止むのを確認して、また元の体勢に戻った。

H「わりいなーｗありがとう」

意を決してもう全部いっちまえ！ってなってた。

俺「あのさ」

付き合おうよって言おうとしたんだよね。

そしたらさ、

H「いいよ」

なんかあれだ、将棋？将棋をさしてるみたい。マジでｗ

H「ガキのくせに、今のはドキっとした！ｗ弱みに付け込みやがってｗ」

俺「泣いてたの自分じゃん」

H「うん。でも勢いで言ってるわけじゃないよ。それは昨日もそうだよ」

この人真顔で平気でくさいこと言うんだよね。
こっちが恥ずかしい。

ごめんなさい限界です・・・・。
また時間あったら書きます・・・
質問あったらどうぞ
おやすみなさい

姉さんのかわいさは異常

>>208
まあ普通そうするだろ？とな？…ちょっと首吊ってくる

wktk

捕手

この板は保守いらないよ
保守荒らしで報告されたら規制されちゃうよ

>>1はまだかの？

>>212は生きてるかなー？

続きがきになりすぐるーw
でも焦らなくていいwじんわり来いww

なんという生殺し
だがそれもいいかも

男勝りの性格で強がってるけど時折見せる女性ぽいとこを見るとかわいいと思うよな。

wktk

目が覚めてしまったのでご飯食べてから書きます！

息子が風邪ひくから早く飯くってくれ〜

遅くなりました！
続き


そんなこんなで姉ちゃんと付き合うことになった俺。
従姉妹だよな、とか遠距離だよな、とかはそのときあんまり考えなかった。

姉ちゃん見てると、なんか大丈夫な気がしたんだよね。


H「浜に戻ろうか」

俺「うん」


神社にはまだ人はいなくて、
波の音が少しだけ聞こえた。

H「ちゅーしたい？したいんだろ？ｗ」

俺「したくねえし」

したかったです。すいません。

よくよく考えてみれば姉ちゃんは俺の四つ上だから、
大学受験を控えてたはずなんだけど、当時を振り返って俺が見る限り全然勉強してなさそうだった。

俺に見えないところですげーがんばってたのかも。


だって姉ちゃんはその後地元から出て医大に行ったんだよ。
俺にはその血は流れてないみたいだったけど。

浜に戻るとハワイとイチゴはカキ氷を食ってた。
俺と姉ちゃんも海の家に行って買う。


H「姉ちゃんはレモンがいいな！」

俺「じゃあ俺メロン」

H「今日はお前もレモンにしとけｗ」


ああいうことあったから、なんとなく期待したけど、これには意味はなかったみたいｗｗ

夜まで遊んで、その日の夜中、やっぱりいつもの語り合いが始まった。
話題は当然俺と姉ちゃんのこと。

イチゴ「ついに彼女できたのかーｗｗｗ」

ハワイ「うぜえ。むかつく。腹立つ」

俺「意見は一個ずつにしろよｗ」

ハワイは本気で悔しそうだった。

イチゴ「でもちょっと遠距離だよな」

俺の地元の家からばあちゃんちまでは電車で二時間くらいかかる。

夏しかゆっくり会えないのは俺もわかっていた。
まあその分夏にはずっと一緒にいられるけど。

俺「大丈夫だろ、だって電車なら一本でいけるし」

イチゴ「ポジティブだなｗ」

ハワイ「姉さんって今年受験だろ？」

俺「大学とか？の？」

ハワイ「大学とか？じゃねえよ。地元出てったりしねえのか？」

そんなこと知らない。
俺は急に不安になった。

そんなこんなで男三人は民宿のバイトにも慣れてきた。

姉ちゃんは付き合ってからも俺にたいしては別に変わった様子はなかった。
たまーに夜になると突然携帯でメールしてきて、

H「ちゅーしたいから部屋こい」

などと意味不明な誘いを受けたりした。
んで部屋にいくと、

なぜかイチゴとハワイも一緒にいて、俺を見るなり爆笑された。
くそが。
結局キスはあれから一回もしてなかった。


民宿のそばにある海では、毎年八月の頭に花火大会がある。
これが結構大規模なやつで、夜の海に座りながら夜空の花火を鑑賞できるんだ。

昔から両親とこれを見るのが夏の風物詩だった俺は、
この夏もイチゴとハワイをつれてこれを見ることにしたんだ。

追いついちまった
うらやましい体験してんのな
嫉妬するわw

とりあえずwktk

H「お酒持っていこ！浜混むからシートで場所取りしてくる！」

姉ちゃんは部屋に来てそれだけ言うと部屋に戻ってしまった。

イチゴ「おいメロン」

俺「何だよ」

ハワイ「今日キメろ」

何の話か全然わからなかったが、ハワイがポケットから出したものを見てぎょっとした。

ハワイ「薄さも、はめ具合も抜群だ。早漏には気をつけろ」

個人的には彼を花火にして打ち上げたかったが、遠慮なく受け取っておくことにした。

その日の花火大会は想像よりもずっと混んでいた。
まず行くまでの道が人で埋め尽くされている。

ハワイは群集の中でぶつぶつと、

ハワイ「人がゴミのよう・・・いや、なんでもない」

とか言っていたが無視した。
姉ちゃんがいなくて三人で出歩くのはひさびさだったので、姉ちゃんがもしいなくなってたらどうしよう、
などと意味不明の妄想をしてた。

なんか急に悲観的になるときとかあるじゃん？そんな感じ。

イチゴ「漫画の読みすぎだろｗ」

うるせえピエロめ。

姉ちゃんはちゃんと浜辺にいた。

俺このときＭＤウォークマンを片手に、aikoの「花火」聴いてたんだけど、
aikoが歌詞で言ってることは完全に俺の脳内のセリフだった。
基本女々しいんだよ、俺。

三角の目をした羽ある天使はまだ俺をちゃんと見ていてくれるらしく、

H「隣来いよ、あたしの彼氏ｗ」

って言われて相当テンションがあがった。

ハワイは俺も隣に行くんだと、と言い張っていたがすぐさまイチゴが取り押さえて、

イチゴ「俺らちょっと離れたとこで見るわｗｗ」

と一言俺に言うと犯罪者と警官のようなテンションで俺たちの目の届かない場所にいってしまった。

H「みんなで見ても全然よかったのにーｗ」

俺「そのうち戻ってくるよｗ」

H「そうだよねｗあ、はじまった！」

大歓声とともにスターマインの連発。
綺麗だったけど、俺は姉ちゃんが気になってそれどころじゃなかった。
花火を見る姉ちゃんは子供みたくはしゃいでてかわいかった。

何言ってんだ俺。

H「メロン、昔花火めちゃめちゃ怖がってたよねｗあたしの後ろに隠れて、震えてたｗ」

そんな昔のこと言われても覚えてないから困る。
でもこの花火ってすごく近いから、音が爆音なんだよ。

H「かわいかったなあ・・・。よくあたしの膝の上で見てたんだよ」

俺「また子供扱いですかｗｗ」

H「だってガキじゃんｗｗ」


姉ちゃんは笑ってたけど、心なしか遠い目をしていたのは見間違いじゃないと思う。

H「なんか、織姫と彦星みたい」

姉ちゃんが不意に言った。

俺「何が？」

H「あたしとキミ。あれって一年に一回しか遭えないじゃん。なんでそうなっちゃったか知ってる？」

もちろん知らない。
確か天の神様が引き離したみたいな話じゃなかったっけ。

H「お、感心。じゃあなんで神様が離しちゃったの？」

俺「知らないｗ」

H「あれはね、一緒にいるとお互いやるべきことやらないで、ずっと遊んでたから。
自分たちしか見えなくなっちゃったんだって。だから神様が怒って、仕事しないんだったらお前らは離れさせてやるー！ってなったんだよ」

ふーん、と言って、俺は内容は割と聞き流していた。

H「あたし、遠距離だけど気にしてないよ。それに人と付き合うって、
自分たちだけ見てたらダメだと思うんだよね。
大切なのはお互いちゃんとやるべきことをやって、
たまに疲れたときに帰れる場所を築くこと。
そうじゃないと色んな人に迷惑かけちゃうし、何よりかっこいい大人になれないから」

俺「でも俺は一秒でも長く姉ちゃんといたいって思っちゃうけどな」

ちょっとお酒が入ってたからこういうこといえたんだと思う。照れるな。くそ。

H「一緒にいることだけが幸せじゃないよ。あたしが思ってるのは君に存在してほしいってこと。そこに、いてほしいの。よりよく生きててほしいの。それは離れてても、極論だけどあたしと関係がなくても、だよ。わかる？」

俺「全然わかんない」

H「ガキだなあｗまあそのうちわかるよ、若僧ｗ」

ここらへんは完全に姉ちゃんのペースだった。

H「でもこの場合、あたしが彦星であんたが織姫だな」

俺「なんでだよ、俺が会いに行ってるじゃんｗ」

H「一つはお前が女々しいからｗｗ」

俺「うるせえなｗ」

姉ちゃんは笑うのをやめて、チューハイを一口飲んで、

H「もう一つは、来年からあたし東京にいくから、会いに行くのはあたしになるかな」

そういう大事なことはもうちょっと早く言ってほしかった。
姉ちゃん、サプライズとか大好きなんだけど、さすがにこれはこたえた。

俺「大学が東京なの？」

H「受かるかまだわかんないけどなｗまあ多分東京には行くよｗあ、夏には帰ってくるから安心してｗ」

東京なんて今考えるとそんなに遠くなかったんだけど、距離は関係なかった。
なんていうかさ、距離よりも離れてるって感覚のほうがきついよな。
そういうのも含めて、織姫と彦星の話したのか、と姉ちゃんの伏線の張り方に気づいた。

俺「そういう大事な話とか今するなよ！姉ちゃんがとうきょ」

まで言って、姉ちゃんにキスされた。

H「ｗｗｗｗびびった？ｗｗびびった？ｗｗ」

俺はあいた口がふさがらなかった。

H「続きは夜に話そうｗ話すこといっぱいあるからｗ家戻ってしばらくしたらあたしの部屋きて。あ、ハワイくんとイチゴくんが寝てからねｗ」

脳裏にハワイのセリフが一瞬よぎって、かき消した。
そういう意味で部屋に呼ぶわけじゃないだろｗ

でも思春期の性欲がプラトニックって言葉を学ばないのはなんでなんだろう。

ハワイとイチゴは最後まで戻ってこなかった。
後で家に着いてから聞いてみると、ハワイがまたナンパしだしてたらしい。
イチゴは花火が綺麗で、感動したと言っていた。

俺「今回はどうだったの？」

イチゴ「いや危なかったんだよｗ声かけた人、彼氏いてさｗ」

ハワイ「いきなり人に殴られる人の気持ちがわかった」

ハワイは腹を抑えてたから、まあ、そういうことだ。
悪いことはするもんじゃない。

夜中までこいつら起きてたらどうしようとか思ってたんだけど、
ハワイもイチゴも何を言うでもなく気づいたら寝ていた。

こっそり布団から出て、姉ちゃんの部屋にいく。
行く前にメールで今平気？って聞いたら、

「夜這いしに来るんですか？」

って来て本当にやめてほしいと思った。
こっちはそうじゃなくても我慢しとるんじゃ。くそったれめ。

部屋には電気がついてて、姉ちゃんは布団に入りながら映画を見ていた。
たしかタイタニック。違ってたらごめん。

H「ディカプリオかっこいいｗ」

俺「これ長いよね」

H「三時間くらい？まあ見ながらでいいじゃんｗこっちおいでよ」

姉ちゃんは布団の隣を指差す。
そして俺の息子もそそり立つ。

ごめんなさい。

なんせ一緒に寝るなんて小学生ぶり。
それにそういうこと言うのは男の役目だと思ってたから、いきなり言われても反応に困った。

俺「お邪魔します」

姉ちゃんは俺が言った言葉に爆笑してた。

H「なんか結納みたいｗｗｗｗやめてｗｗｗｗ」

布団にもぐりこんで、姉ちゃんが後ろ、俺が前でタイタニックを見た。
いま思えば不思議となぜか俺が腕枕されてた。
姉ちゃんのベッドはいい匂いがして、映画なんてまるで集中してみてなかったけど。

タイタニックってさ、車の中でセクースするシーンあるよね。
俺ちゃんと見たことなかったんだよ、これ。

で、まあ間の悪いことにそのシーンになりますわな。
で、俺からは姉ちゃんの表情が見えないわけですよ。
で、無言なわけですよ。

こういうとき、俺ってなんとかして気まずさを隠そうとするのなｗ

俺「タイタニックって本当にあった話なんでしょ？」

姉ちゃんから返事がない。

H「欲情しちゃったのか、若僧ｗ」

頭をなでられる。うざい。話題変えようとしたのがバレバレだったらしい。

俺「してねえよ」

H「・・・そういえば去年、気まずいとこ見せちゃったよね」

去年、気まずいといえばこの部屋に夜中に来たときだ。
今その話するか普通。

H「ごめんね、あの時。すごく冷たい言い方してたでしょあたし。メロンって傷つきやすいから、絶対気にしてると思った」

俺「気にしてないよ。びっくりしただけだよ」

本当はすごく気にしてたのは、みんなも知ってるはず。

H「で、まあそのときのお返しといっちゃなんだけど、中学生のガキでもわかるよなｗこの状況ｗ」

姉ちゃんは相手に深読みさせるような言い方をするから本当に困る。
それはどっちの意味で？って聞くのもなんか嫌だった。

俺「何が？どういうこと？」

H「すっとぼけてるんじゃねえよ、変態ｗ」

姉ちゃんに叩かれる。痛い。

俺「変態とか、ガキとか、そんなにガキかな俺」

H「真に受けるなｗそこがガキｗ・・・電気消すよ？」

断っておくが最後まではいってない。手前まで。
詳細を知りたい場合は・・・また今度。

ことが終わると腕枕をするのは俺になってた。
姉ちゃんは思ったより細くて、こうしてみると肌が綺麗だった。

H「従姉妹って障害になると思う？」

また突然こういうことを聞く。

俺「知らない、関係ないじゃんそんなの」

H「ガキは幸せでいいなあｗ従姉妹って結婚できるんだよ」

俺「そうなの？」

結婚って言葉が出てきてびっくりしたけど、
姉ちゃんは冗談で言っただけだと思った。もしくは障害になりうる事態を想定してたんだと思う。

こうして書いてみると俺ホントにガキだなｗこれじゃからかわれるのも当然な気がするｗ

H「うーん、でも、あんたガキだから、どこかでまた離れるかもなあ。そんときはそんときだｗ」

俺「姉ちゃんさ、付き合いたてでそういうこと普通言わないだろ。なんで終わるときのこと今話すんだよ」

H「ごめんｗ・・・でも、どんな関係であっても、さっき話したことは変わらないと思うよ。あたしはメロンによく生きてほしい。そんだけ」

俺は姉ちゃんが言ったことで間違ってるって思ったことはなかったし、
それはこの時も今もそうだから、姉ちゃんが離れることになるって言ったのがすごく悲しかった。

でも、同時に絶対離さないぞ！とかも思ってたんだよね。
まあそこらへんがガキだったんだけど。

もちろん、姉ちゃんが言ったみたいにそれはあたってたよ。
だけどこの時はそんなこと信じたくなかった。
それが当たり前だろ？

それからイチゴとハワイが実家に帰って、
俺と姉ちゃんは一ヶ月つきっきりで付き合ってた。

喧嘩は一度もしなかった。
たまに俺がスネると、

H「怒るなよ若僧ｗごめんごめんｗ」

とか言って頭なでられるんだよ。
これで解決しちゃうんだから単純って得だ。

あ、これも断っておくけど、俺は姉ちゃんとは行為は行ってない。
なんか不思議とあの部屋でそういうことするのは気が引けた。
多分それは姉ちゃんもわかってたんだと思う。

なんだかんだですぐに楽しい時間は過ぎるんだよな。

最終日になって、姉ちゃんは俺にレモンが二つついてるストラップをくれた。

H「たまには初恋の味を思い出せ」

とのこと。電車に乗る前に姉ちゃんが弁当つくってくれてて、今回はしっかりと受け取った。

そして、姉ちゃんとキスをするのはこの夏が最後になった。

帰りの電車の中ではこれからも毎年幸せなんだろうなあって思ってたけど。

人生そんなに甘くないさ。だってファーストキスがレモンの味だったんだぜ？
すいも甘いもっていうけど、唯一甘かったのがレモンなら、残りはずっとすっぱい思い出なのもわかるだろ？

二年生編はこれで終わりです。
息子を出してくれてた人、風邪ひきませんでしたか？ｗ

年末〜年明けにかけて三年生編を書きます。
三年生編は珍しく、夏と冬の二部構成です。
よろしければ最後までお付き合いください。質問、意見がある方はどうぞ。

ご清聴ありがとうございました。

乙
姉ちゃんメロンのことすごく愛してたんだな
色々考えさせられる話だ

前につきあっていた人とそこでしていたし、高校生で中学生とはさすがにな・・・

>>1は今いくつなんだ？

切ない思い出が沢山あったほうが人としての器が大きくなる♪

続き気になるからゆっくりでいいから最後まで書いてねー！

>>253
ありがとう！最後までちゃんと書きます！
俺は２３歳ですよー！

wkwktktk

まさかメロンと同い年とはｗｗｗ
うはｗ俺同じ年数生きてるのに人生に何の厚みもおもしろみもねぇｗｗｗ
…orz
とにかく応援してんぜ、ゆっくり好きにやっとくれ！！

城崎にて

メロン
乙！次も期待してるよｗ

>>256
安心しろ、俺も同い年だがそんな厚みのあ(ry

wktk

ｗｋｔｋ

!vip2:stop:
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見習い戦士のふつうの攻撃
MP153使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ （スレのダメージ 0）
このスレは1回目のダメージを受けた (150/804)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは2回目のダメージを受けた (300/804)

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見習い戦士のふつうの攻撃
MP374使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ （スレのダメージ 300）
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ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは4回目のダメージを受けた (600/578)
このスレは・・・

停止しました。