亘「村上…助けて！むらかみぃぃぃー…っ！」

マネージャー「初の冠番組が決まったぞ。こちらがプロデューサーさんだ」
亘「マジですか！わ〜」
村上「やったな亘！よろしくお願いします！」
プロデューサー「ああ、よろしく」
マネージャー「他にも有力な候補がいたらしいが
プロデューサーさんがお前らを是非にって言ってくださったんだ」
村上、亘「ありがとうございます！」
プロデューサー「はっはっは」




マネージャー「それでは私どもはこれで…」
プロデューサー「あ、亘くん。君は少し残ってくれないかな」
亘「？はい」
村上「じゃあ俺先行ってるな」

バタン。ガチャガチャ。

亘「？」
プロデューサー「やっと二人きりになれたね…」

ビリビリビリビリ。

亘「な、なにをするんですか！？」
プロデューサー「前から君おｎことはかわいいと思っていたんだよ。番組が欲しいんだろう？」
亘「いや…っ、やめてください！俺こんなこと…」
プロデューサー「番組に出たいならおとなしく言うことをきくんだ！」

プロデューサーになりてぇ

続きは?

>>3
亘かわいいよな
>>4
ありがとう



その頃の村上

「ふう。やっと冠番組かあ〜！やったなあ。それもこれも俺がイケメンなおかげだな。しかも面白いし。オリラジやはんにゃにもやっと追いついてきたな〜。
思えば長かった…どう考えても一番面白くてかっこいいのは俺、一番カワユスなのは亘なのになぜかそこそこにしか売れなくて。
……あ、そういえば亘だけ残されてたな。ナゼだ？カワユスだからか？
なあいいや。渋谷でも行ってギャクナンされてくるか。ふっ、人気者はつらい…」

（ヒソヒソ）
（なんなのあの人…すごい独り言…）

（おかーさーん、あのひとピラメキのー）
（しっ、目を合わせちゃいけません！）

？「あっ、村上さーん！」
村上「やれやれ、もう気付かれちまったか。いくら帽子と眼鏡で隠しても隠しきれないいい男のオーラ…」
柳原「ちょっとぉー、なに独り言いってんのぉ？まじ気持ち悪いんですけどぉ」
村上「なんだお前か。俺はそういう趣味はない。ナイスバディになって出直してきなさい」
柳原「ちょっとマジ失礼〜こっちこそそんな趣味ないし〜！ていうか通行人に超痛い視線送られてたよ？あんた」

村上「突き刺さるほど熱烈な視線…ふっ、また誰かをとりこにしちまったか」
柳原「うっわまじひくわ〜。
ってところではんにゃから聞いたんだけど冠決まったんだって〜？」
村上「まっ、そういうこと。悪いね〜これも実力のうちさ」
柳原「素でうざーい。あ、亘さんにもおめでとって言っとこーっと」
村上「亘なら今プロデューサーといるから電話は出ないぞ」
柳原「え？」

村上「なんか知らないけどあいつだけ残ってくれって言われて。番組の進行についてとかだろうか」
柳原「え〜！それって村上さんがウザイからハブにされたんじゃーん？キャッハッハー」
村上「まあ俺は指導などいらないからな…このスター性があれば」
柳原「……でもそれってちょっとおかしくない？ていうかプロデューサーってあの人だよね…？あの番組とかの」
村上「ああ。そうだけど？」
柳原「………」

>>1応援してるぞ

>>9
ありがとう
とていうか読んでる人がいるとは！ｗ


村上「なんだよ」
柳原「いや〜なんか私も詳しいことはわかんないけどぉ…噂聞いたことあって」
村上「噂？」
柳原「でもホントかなんてわかんないし、村上さんとかがこれから一緒に番組やってく人だからあれだけどぉ…」
村上「なんだよ、ハッキリ言えよ」
柳原「変わった趣味があるっていうのね、その人。なんてゆーの？少年趣味？みたいなぁ…」
村上「しょうねん…？」
柳原「あっ、でもホントわかんないよ？聞いたことあるだけだから！…って、村上さん？ちょっ…」

ダッ

村上(亘…！)

村上(少年趣味…それって少年が好きってことだよな？そんで亘だけが残されている…。
つまりなんだ？あれか？亘に少年のコスプレとかさせて楽しんでいるってことか？ん？
くそ、うらやまし…じゃない、許せん！あんなでも一応もう大人なんだぞ。そんな屈辱的な…。

いやでも柳原はなんかもっと深刻なかんじだったな。それにコスプレならこの俺だってイケるだろうし。なんせかっこいいからな。
まあでも亘の童顔にはかなわない…カワユスカワユス。

あれ、結局なんだっけ？)

ピッピッ

【To:村上純
少年趣味ってなんですかね(´〜｀)？】

村上「ふう〜」

ピロリン♪

村上「おっ来た」

【From:村上純
少年を性対象とする人のこと？なんでそんなこ

パチンッ！

村上「…これは急がねば！」

場面は戻って亘ピンチ


亘「わっ、イ…イヤ！ギャー！」
プロデューサー「やっぱり生で見てもすごく白いね…さあこっちへおいで。フヒヒヒヒ」

亘(もう意味わかんねー！白くちゃ悪いかよ！
てかなんでこんなことに！？村上たすけてー！)

プロデューサー「おとなしくしていれば悪いようにはしないから…」
亘「えっ、ていうかなにするつもり…」
プロデューサー「なにってナニさ」
亘「やっぱりかー！わああっ、村上たすけて村上ー！」

いいぞもっとやれ

プロデューサー「村上…ああ、しずるの？」
亘「それちが…っ！俺の相方ですよ！」
プロデューサー「まぎらわしいな…レッシア視聴者も混乱するだろうなぁ」
亘「確かにその通りだけどしょうがないでしょ！ああ〜村上たすけて〜」
プロデューサー「その村上くんだが…この状況を見て果たしてどう思うかな？」
亘「え…？」

Ｐ「深夜とはいえ冠番組…それが君のちょっとの我慢で手に入るんだ。彼にとっては好都合じゃないか」
亘「でも、村上は…」
Ｐ「村上くんは次々にブレイクする同期にやきもきしていたようじゃないか。彼のためでもあるんじゃないか？
相方のことを思ったら、ここはおとなしくするべきなんじゃないかな」

亘（たしかに村上は、はんにゃと比べて伸び悩んでいることを気にしていた…。でも…）

Ｐ「おとなしくする気になったかい？」

亘（俺たちは俺たちのペースでいいんだって、俺は思ってたけど…村上は違ったのかな？
俺は村上になにもしてやれてなかった？
たしかにネタを書くのは村上だし…トークも村上任せなことも多い。けど…）

Ｐ「彼のためにしてあげられることなんてこれくらいだろう？」
亘「そんな…」
Ｐ「おおっかわいい乳首だね。な、なんと胸毛まて…」
亘「ひっ…！」

亘（村上…むらかみ…っ）



バリーーーーン！！！！


村上「イケメン登場！！！」

村上KY

亘「む、むらかみ………………、…さん…」
村上純「あっ、間違えましたすみません」

バタン。

……ガチャ。

村上純「あ、亘。村上に変なメール送るなって言っといて。じゃあお邪魔しました」

バタン。

Ｐ「………」
亘「………」

>>18
ごめんなさいby池田



気を取り直して。

Ｐ「ヒッヒッヒッヒッヒおとなしくするんだ」
亘「うう…」

亘（村上のために…我慢するべきなの…？）

Ｐ「さあさあ…白いあんよも見せておくれ」
亘「ああっ…」
Ｐ「きれいな瞳だ…それにかわいい唇だね」

スススス

亘「ぎゃふっ（指でなぞられた！）」

亘（ああああ…第五匍匐前進で逃げ出したい…！）

Ｐ「観念したようだね。そう、それでいいんだよ」

亘（村上たすけてむらかみむらかみむらかみむらかみむらかみなるしすとむらかみ）



コンコン

村上「すいません、イケメンが来たんですけどー！」

亘「村上！？」
Ｐ「ち、来たか…」

ガチャ

村上（今度は健のほう）「入りますよー」

亘「む、むらかみぃ…」
Ｐ「………」

村上「！？亘、服はどうしたんだよ！」
亘「………」
村上「答えろよ！」

亘（ここは誤魔化したほうがいいのかな…
それとも村上は本当のことを知っても我慢しろって言うかな…いや、村上はそんな奴は…）

Ｐ「亘くんと二人だけで話しているんだ。出て行ってくれ」
亘「………」
村上「亘、ナゼ黙って…、！」

バッ、

Ｐ「な、なにす…」
村上「このやろう！」

バキッ！

ﾏﾀﾞｰ?

>>24
ごめんそい長澤まさみ見てた


村上「俺の亘を…こんな…！こんなこんなキャワユイ乳首を独り占めにしようとしやがってっ！」

バキッバキッ！

亘「や、やめろよ村上…！」
村上「なんで止めるんだよ、こいつはお前を陵辱しようとしたんだぞ！？」

Ｐ「…ふふ、それが同意のもとでだしたらどうかな？」
村上「なにィ！？」
Ｐ「彼がいいと言ったんだよ…冠番組のためなら、ってね」

村上「亘…」
Ｐ「なあそうだろう？」
亘「……うぅ…」
村上「亘！」
Ｐ「君だって、悪くない話がだと思わないか？君はただ番組に出ればいいんだ。
そして亘くんはこのままおとなしくしていればいい。それだけだ」
村上「そんな話きけるかよ！」
Ｐ「冠なんて若手にとっては夢のような話だろう？こんなチャンスはめったにないよ」

村上「だからって…」
Ｐ「君だって言っていたじゃないか。『亘は隣でただかわいく笑っていればいいんだ』って。
そのかわいさが今役に立とうとしているんだ。さあわかったら出て行くんだ」
村上「……んな…」
亘「むらかみぃー…」
Ｐ「フフフ…」

村上「んな話きけるかぁぁあああーっ！！」

村上「俺たちはそんなふうに決まった番組なんか欲しくない！同期が売れてる？そんなのずっと前からだよ。
今更そんなこと気に病むかってんだ。そんなヤワならずっと前にやめてるよ。
でもやめずに来れたのも……亘がいたからだよ。隣でかわいく笑っててくれたからだ！
けど、それだって、ただ笑ってんじゃだめなんだ…ほんとに心の中から笑ってなきゃ、だめなんだよ！！」

亘「村上…っ」
村上「亘にこんなことさせなくたって、俺がもっともっと頑張って、番組取ってやる！
実力で…、俺の面白さとかっこよさとそして亘のかわゆさで、いくらでも勝ち取ってやるよ！」

村上「だから放せ……俺の相方を放せッ！！」


ドカーン！

村上・亘「！？」

テッテレー！

司会者「どっきりでーす！」

亘「は…！？」
村上「………？」

柳原「やーだー、マジに信じちゃってんのー！てか村上さん超恥ずかしくなかった？ねえ」
村上純「よくあんなこと言うなー同じ村上姓のナルシストとして恥ずかしいな」

亘「え…え…だって、」
Ｐ「いやーはっはっは、ごめんね服破って」

村上「え…えええええええええええ！！？」

村上「え、テレビ！？」
村上純「当たり前だろ。プライベートでこんなことするかよ」
村上「ぜ、全国で！？」
柳原「うん多分〜？一部地域を除きまーす、なんてこともあるかもだけどぉー」
村上「な…っ」

亘（よ、よかった……のか？）

司会者「大変おもしろいものが撮れましたねー」

津田健テラカッコヨス



村上「ふ、ふざけるなーーー！」
亘「村上！？」
柳原・村上純・スタッフ「！？」

村上「許さねえ…絶対に許さねえぞ！！カメラ止めろ！」
柳原「ちょっとぉ、マジギレ？こわいんですけどー」
カメラマン「あわわわ…」

村上「俺のカワユイ亘のカラダを全国の狼どもの目に晒すなんて…
モザイク処理しろー！モザイク処理しなきゃ許さねえぞーー！！」

ぎゅ、

亘「村上、もういいよ…乳首なら∞でも見せてるし」
村上「亘…でもお前はこわい思いをしたんだろ？許せないよ…」
亘「いや、別にそんなことねえよ。いざとなればぶっとばすくらい簡単だったし。俺元自衛官だぞ？」
Ｐ「まじで？危なかったー」
亘「ただ…ちょっと気持ちが揺らいじゃった。このままホモれば冠取れるんだって。村上も喜ぶかもって。
そんな自分が許せないんだ。村上のこと信じられなかった自分が…」
村上「馬鹿だな、亘。俺はおまえより大切なものなんてないんだぞ？」
亘「むらかみぃー」

ぎゅうううううううう

柳原「ちょっとーまじ？この二人やばーい」
村上純「グスッ俺も池田に会いたくなっちゃった…」
司会者「美しいコンビ愛ですねー」

村上「これからもずっと一緒にいてくれる？」
亘「もちろん！」



完

>>1
おもしろかったw
いつか続きも頼む

>>35
唯一の読者ありがトゥース。村上のうざさがあんまり出なかった…
続き！？>>35が書いてくれ！

ノーパンチかわいいよノーパンチﾊｧﾊｧ

ノーパンチわからん

無理だ
亘の乳首が出てきた時点でこのスレッドは>>1に託された

ttp://tokai-tv.com/punch/imgs/20080805_20080805_2_15873.jpg
これ？

パンチのパンチじゃない方か
ごめん､亘以外眼中にないんだ

村上も眼中に入れてあげてｗｗ

村上？
松尾じゃなくて？

ノーパンチ＝松尾
相方＝村上
コンビでいるときは村上のことも見てあげて、ってことｗ
そういえば、悔しいです！の相方も松尾だ

Ｐ「まぎらわしいな…」

第二章　愛と匍匐とナルシズムの日々


金田「おい、村上！あれ見たしー！おまえマジ恥ずかしいしー！ウヒャー」

レッシアの収録に来ているわけだが、今日も今日とて金田はうるさい。若いので元気が有り余っているのだろう。
金田の言うあれとは、例のドッキリのことだ。一昨日放送されたものをわざわざ録画しておいて見たらしい。
うるさくてイライラするが、俺たちの愛を目の当たりにして興奮しているのならば仕方ないから許す。

亘「もー、恥ずかしいからあれの話はやめろよー」

亘が元からピンクの頬をもっとピンクにさせて照れている。なんというカワユス。



力尽きた
だれか続きを……

二章w

自分にも文才があったら亘にあんな事やこんな事ができたのに…

池田「しかし本当お前…ただの視聴者なら笑えたかもだけど、知り合いだと思うとどん引きだよ」
村上「え〜？普通ですよ」
池田「イヤイヤイヤ」
村上純「でも俺が襲われたら池田だってああするでしょ？」
池田「しないし、まず襲われないだろ…」
村上純「もーいけず！俺なんか超可愛いからいつ襲われたっておかしくないんだぞっ」

相変わらずな二人は放っておき、俺は再び亘に視線を移す。
亘は俺と目が合うと「なんだよ」と小さく呟いた。それに答えず見つめ続けていると、首をコテンと傾げ訝しげな表情。
かわゆすぎる。いくらなんでもかわゆすぎるだろう。こいつカワユスの国から来たんじゃないだろうか。

ふとそのとき、俺は亘を見つめるもうひとつの視線に気付いた。

あれは──我が家の下ネタ！もとい坪倉！

坪倉「…ふぅ……」

坪倉はアンニュイな面もちで亘を見つめながらため息を吐いた。

なんだ、何故亘を見つめる？目の保養ならばこのインテリジェンスかつイケメンな俺だっているというのに。
しかもあのため息…まさか！


バッ！

村上「亘は俺の相方だぞ！」
坪倉「知ってるけど…」
亘「なに言ってんだよ村上〜」

いつぞやのレスのように「村上KY」などとメンバーに罵られながら、本番が始まった。

収録が終わり、どっか飯でも食いに適当にメンバーを誘おうと思っていると、坪倉が亘に話しかけているのが見えた。

亘「なんでもいいすよ」
坪倉「じゃあうちでも来る？」

ﾅ、ﾅﾝﾀﾞｯﾃｰ!

村上「ちょっとちょっとちょっと！」
ロッチ「ざ・たっち？」

俺はロッチ？ロッジ？を無視して、歩き出す二人の間に割り込んだ。

村上「だから亘は俺の相方なんだってヴぁ！」
坪倉「知ってるってヴぁ」
亘「村上、いいかげんしつこいと怒るんだってヴぁ」

めっ、と俺を叱る亘に少しシュンとする。しかしこんなことで挫ける俺ではない。

村上「俺もぉ〜、一緒にごはん食べたいなっ」
亘「空気ぶち壊しといてかわいこぶるな！」
村上「だって相方とはいつも一緒にいたいもん〜」
坪倉「！」
亘「なんなんだよもうー」

坪倉「…俺は、別に構わないけど」
村上「やった！じゃあ他も呼ぶ？我が家メンバーは？」

振り返り呼びかけると、我が家のジャイアンが興味なさげに答えた。

杉山「あ〜谷田部ならもう帰ったぞ。俺は用事あるから」
坪倉「そうか……」

村上「じゃあ行くか〜！」
亘「なんでお前が仕切ってんだよ」

そのとき坪倉が切ない表情をしていたことなんて、俺は気付かなかった。

続きﾏﾀﾞ?

>>49
まさかまだ見てる人がいるとは思わなくて脳内書き込みしてたよ
ありがとう




村上「ここのシェフはいい腕もってんだよなぁ〜」
亘「ここファミレスだろ！」
坪倉「…お前らプライベートでもコントのキャラひきずってんのか」

坪倉が呆れたようにため息を吐く。

レッシア収録後、ファミリーレストラン略してレストランで、俺たち三人は食事を摂っていた。
亘ってばオムライスなんて頼んでんの。かーわーいーいー！

村上「んまんま」
坪倉「………」
亘「あのさ、村上…この後、」
村上「ん？なに？」
亘「…あ、えーと…、いやなんでもない。あっ、頬にソースついてんぞ」
村上「えー？」
亘「トイレ行って洗ってこいよ！な！」
坪倉「！」
村上「そんなん亘が拭いてくれればいいじゃん〜」
亘「拭いただけじゃ取れないって！」
村上「ん〜…じゃあ、行ってくる」

しぶしぶと席を立つ。
仕方ないよな、頬にソースたけたまんまじゃイイ男が台無しだ。

しかし坪倉はなんの目的があって亘を誘ったのだろう。
普段から特別仲良くしているわけでもないし、一人だけ誘うというのはちょっとおかしい。このイケジェン(イケメンインテリジェンスの略である)の俺ならばともかく。
まさか亘の命を…それともまさか乳首？いや、胸毛？いやいやそんな。

妄想を膨らませながら、俺は席に戻る。無論、ファンのレディたちにあの村上だとばれないよう細心の注意を払いながら。

亘「〜でも、それなら…」
坪倉「けど…〜で、」

！？
なんだなんだ、向かい合って座っていたはずの二人が、隣同士になるよう移動している。
亘の隣は俺の席だというのに！

坪倉「もう村上来るんじゃないか…？もう戻るよ」
亘「大丈夫だよ、ていうかいいよ村上は」

なななななななななななななななんですって！！？

おちつけ、おちつくんだ、クールになれ村上！

必死に自分に言い聞かせるが、足がぶるぶるぶるぶるぶるぶｒｙ震えて止まらない。
まさか亘が俺を裏切るはずなんてない。だって、だって…

村上「亘…」
亘「あ、村上戻って…」
村上「俺は止めない」
亘「え？」
坪倉「どうしたんだ村上」

村上「俺はっ…亘がどうしても我が家の末っ子として生きていきたいというのなら止めない！！」
亘「！？」

村上「だけど…だけど、もう一度よく考えてほしい。お前に一番合っているのは誰か。
確かに我が家は三人いる。お前みたいな可愛い末っ子ができればみんなさぞやかわいがることだろう。
けど、けれども！俺には三人分…いやそれ以上の魅力がある。かっこよくてセンスがあって賢くて…、
そしてなによりお前のツッコミを愛している！」
亘「村上…」
村上「坪倉！お前は俺以上に亘を愛せるか！？他の二人はどうなんだ！？」
坪倉「………」
村上「俺以上にお前を思っているイケメンなんてこの世にいないことを…わかってほしい」

これだけ言って伝わらないはずがない。俺は亘が感涙しながら抱きついてくる２秒後をリアルに脳内に描いていた。
しかし亘は全くの無表情で言い放った。

亘「つーかそんな話してないし」
村上「は？」
亘「ちょっとした相談に乗ってただけだけど」
村上「え、そーなの？」

拍子抜けとはこのことだ。しかし気になることがある。

村上「で、でも！でもさっきの感動しただろ？ていうかその通りだと思っただろ？」
亘「うん、てか、そういうの飽きた。こないだのドッキリでも言ってたしさ」
村上「エエエエエエエエ(゜Д゜)」
亘「ていうか相変わらずうざいなー、な、つぼく…」

坪倉「うざくなんてねえよ！！」

亘「ど、どうした…？」
坪倉「……悪い、」
村上「オイオイどうしたんだよ…」
坪倉「ちょっと、…亘がうらやましくて」
村上「え……」

な、なんだって？

亘「坪倉…。そうだよな、ごめん」

え？

坪倉「いや。俺こそ悪い。ちょっと感情的になった」

え、つ、つまりこういうことか？
坪倉はこのイケメン村上が大好きで、そんな村上に大切に思われている亘に嫉妬しているということか？
相談というのも、どうしたら俺と仲良くできるのかなぁ？なんてことだったのか？

更新待ってたぜ

全く俺って奴は罪な男だ。女性のみならず、男までもをとりこにしてしまうとは…

坪倉「まあ村上に好かれるのは全然うらやましくないけどな」
村上「ってオーーーーイ！」
亘「村上うるせぇ」

坪倉「はあ…どうしたら我が家もこんなに仲良しさん(はぁと)になれるんだろう…」

なんだ、そういうことか。

坪倉「ドッキリ王座のときも…杉山が俺のことひどく言ってて…収録では笑ってたけど、あのあと部屋で一人で泣いたよ！」
亘「な、泣いたんだ…」
村上「そんなキャラだったか？」
亘「村上ＫＹ」

坪倉「やっぱ俺がイメチェンして亘みたいにかわゆくなるべきなんだろうか。そしたら二人とも振り向いてくれるかな…」
村上「それは無理だろ。お前はかわいいキャラじゃない。俺みたいにうざキャラでいけば？」
亘「お前みたいに嫌われるだけだろ！……坪倉、言ってみればいいんじゃないかな」

>>56
ありがとう。あなたに村上のような素敵な友達ができることを祈ります


坪倉「え…？」
亘「素直に気持ちを伝えるんだよ、二人に。いまお前が思っていること、全部ぶつけるんだ」
坪倉「でも…」

さっきの亘の「お前みたいに」のくだりは聞かなかったことにしよう。
俺は携帯を取り出し、アドレス帳わ行を開いた。

ピリリリリ、ピリリリリ…

谷田部『ん？』

杉山『…なんだ？ウザかみから…？』

坪倉「？なんだよ村上」
村上「やっべ、間違えて坪倉にまでかけた！」

バァン！

杉山「おいっ！」
谷田部「村上っ、坪倉はどこだよ！」

坪倉「あ……ふたりとも…」
杉山・谷田部「坪倉…！」

亘「なんで二人が？」
村上「俺がおびきよせた。『坪倉がファミレスで突然倒れて今にも死にそう。最後に二人に会いたがってる』って」
亘「…お前嘘でももう少し…、まあいいや…」

谷田部「な、なんだぁ…元気そうじゃん。よかった」
杉山「よくねーよ！俺合コンだったのに急いで来たんだぞ？ふざけるなって！」
谷田部「まあまあ。でも、こんなの本当、冗談にしても過ぎるよーほんと驚いた」
坪倉「わ、悪い…」

村上「おい！」
杉山「あんだよ？ってかお前だろ！」
谷田部「そうだ！なんであんなメール送ってくるんだよ」
村上「俺のことはこの際どうでもいい！というか俺を責めるな！今は坪倉の話を聞くんだ」

亘「村上のことは俺からも謝るから、坪倉の話を聞いてあげて」

俺がビシッと言ったおかげで(ほんとだよ。亘のフォローのおかげじゃないよ)二人はしぶしぶながらも坪倉のほうを向いた。

坪倉「…あのさ、俺、言いたいことがあるんだ」
杉山「なんだよ」
坪倉「たしかに杉山は上島竜兵に似てるよ。それだけじゃなく豚にも似てる。からあげに見えないこともない。それに態度でかいし。
谷田部は小さくて目立たない。地味ーズの一員だし、あとなんかちょっとかわいい。
それに比べて俺ってけっこうかっこいいし、ホストやったことあるし、家も裕福だよ」

亘「わあ。なんかデジャブー」
村上「なにが？」

坪倉「でも…でもさ、俺はそんなお前らが好きなんだよ。この三人じゃなきゃ我が家じゃないもの。
我が家っていう名前のとおり…家族みたいに仲良くしていきたいんだ！」
谷田部「坪っち…」
杉山「坪リン…」

亘「そんな呼び方してたっけ？」
村上「あいつらセンスねーな。坪倉なら坪ピーだろ常考」
亘「………(なんかもうどうでもいい)」

谷田部「そうだね！俺たち三人で我が家だよ！」
杉山「ああ、そうともさ。心の友よー！」
坪倉「谷田部！ジャイアン！」
杉山「ジャイアンじゃねーよ！…ははは、こいつぅ☆」
坪倉「へっへっへ」
谷田部「あはははは…」

なんだかわからないが、この宇宙一のイイ男村上によって問題は解決したみたいだ。

村上「よかったな」
亘「うん…」
村上「俺たちもずっと仲良くしような、わた…」パシン！

なんてこったい。肩を組もうとしたら手を弾かれてしまった。

村上「あ、あれだな、ツンデレ作戦ってやつだろ？もう、亘ってばぁ〜」
亘「あーあ…我が家に入れてもらおうかなあ」



そんなこんなで今日も元気です！




ふぃん。

乙

てか村上みたいな友達いらんわw

>>62
そういわず受け取ってください
あなたは村上以外にも友達がいるかもしれませんが、村上にはあなたしかいないんですよ！？


ていうか実はコント以外の我が家をよく知らない罠
適当でもめんなさい

眠い…

3章期待ほしゅ

続き期待保守

我が家はフルポンより先輩だから呼び捨てにはしねーぞ

>>64-65
どうもです…しかしネタがないｗなにかネタください

>>66
ですよねー…すみません…吉本じゃないしどうなんだろうとは思ったのですが
村上＝無礼
亘＝動揺していた
とかってことで許してくださいｗ

読んでるよ

>>68
ありがほふくぜんしん！
スレ落ちする前にもし何か思いつけたら続きでも書きます〜

待ってるよ。癒されたよ。

>>70
ありがたし！
何も思いつかないので苦し紛れにコピペでも投下します



その１

ちょっと混乱している様子のロン毛で眼鏡の芸人が、相方にいろいろと質問していた。

芸人：「レイコは男なの？それとも女なの？」
相方：「男でもあるし、設定上は女でもあるよ。」

芸人はよけい混乱して、

芸人：「レイコはウザキャラなの？それとも素？」
相方：「そうだな、キャラでもあり素でもあるよ。」

もちろん、芸人はより一層混乱。

芸人：「レイコはホモ？それともノーマル？」
このときは相方もちょっと、悩んだがとにかく答えた。
相方：「ホモでもあり、ノーマルでもあるよ。」

芸人は混乱がとけてすっきりした様子で、
「なんだ。じゃあレイコって、村上なの？」




その２

相方のことで困っています。
ここ最近、相方は風呂上りに毎回僕の部屋にやってきます。
脱衣所でしっかり体を拭いていないせいか、濡れたタンクトップに胸毛が透けて浮き出ています。
視線を逸らしながら注意すると「やっぱ相方のでも気になるんだ？」　
と俺をからかいはじめる始末です。
こんな調子で二三時間も居つかれて匍匐前進されては堪ったもんじゃありません。
この中国のミッキーマウスそっくりの相方を退治するにはどうしたらいいのでしょうか。



…正直すまんかった。ちなみに村上はホモではないレイコが男を好きなだけ

＼(^o^)／

やばいっ超かっこいい
byレイコ

亘と坪倉カワユス

保守ってくれた方どうもです
つ村上


第三章　他人の悲劇は、常にうんざりするほど月並みである。


俺は今、熱気で蒸せる大きなライブ会場にいる。今大人気のアイドル『ジミモ二。』のコンサートのためだ。
いっておくが、俺はジミモニ。のファンではない。メンバーの中の一人――亘のファンなだけだ。
ジミモニには他にも川島、谷田部という地味な二人がいるが、そんなの俺からしたら関係ない。
俺の目には、亘しか映っていないのだ。

金田「おい、村上！」
村上「ん、」
金田「なにぼーっとしてんだよ、もう始まるぞ」
村上「おお」

友達の金田は、さっきいった地味な川島のファンなのだ。
アイドルになんて興味なさそうなこいつがジミモニ。の話に乗ってきたときは驚いた。本人もなぜかよくわからないけど川島だけは好きなのだそうだ。
しかも川島といえばメンバーきってのおバカキャラ。金田も物好きな奴である。

杉山「あー、谷田部大丈夫かな。こんな大きな会場初めてだし、緊張してねーかな」
金田「親かなんかかよ！」

杉山はこれまた地味な谷田部のファン。いわく「なんかほっとけない」のだそうだ。
たしかに頼りなさげなかんじはあるけれど。アイドルを好きになる動機としてそれはどうなのか。

「キャアアアアアアアアアア」

けたたましいほどの黄色い歓声。三人がステージに登場したのだ。
負けじと金田が声を張り上げる。

金田「かわしまーーー！！！」

女の子ばかりのジミモニ。コンサートの中で男三人。最初こそ恥ずかしさもあったが、今はもう慣れたものだ。
あああ、それにしても亘カワユス。

>>75
待ってましたー、楽しみにしてます。

村上「アンコール！アンコール！」
金田「もう三曲やっただろ。しつこいって」
杉山「谷田部がんばれー！！」
金田「頑張れってなんだよ頑張れって」

興奮冷めやらぬままに、ジミモニ。一周年コンサートは幕を閉じた。
今回ももちろん亘はカワユスだったし、歌は微妙で面白かった。合間の匍匐前進パフォーマンスはいうまでもなく最高！

村上「あー、亘ってなんであんなにかわいいんだ？天然記念物？」
金田「わたり…？ああ、あの地味なメンバーか」
杉山「川島だって地味だろーがよ」
金田「なんだよ！川島はおもろいだろ！」
村上「亘だって面白いし、しかも一番かわいいだろ！」
杉山「それは聞き捨てならねーな」

『〜ありがとうございました。…〜会場をお出の際は、忘れ物…』

杉山「あ、もう出なきゃな」
金田「ん。ああ、俺トイレ行きてぇんだけど」
村上「お、じゃあホールのほうで待ってるわ」

>>77
ありがとうございマッスル！
書くののろいですが、ごめんなさい



村上「一年中が勤労感謝の日〜できれば毎日勤労感謝の日〜♪」
杉山「おっ、やっぱり『ジミモニ。勤労感謝の日…』は最高だよな！谷田部のパート多いし」
村上「間奏の亘の腕立てはうっとりだぜ。…て、金田遅いな」
杉山「そうか？」
村上「ちょっと見てこようかな」
杉山「迷うなよ〜」

「子供じゃあるまいし」と苦笑いしながら、俺はトイレのほうへと向かった。
すれ違いざまに女の子たちが興奮混じりに感想を言い合っているのが見える。
しかし、こんなに女の子がいるならば１０人や２０人くらいこのイケメン村上を逆ナンしてきてもよさそうなものなのに。

村上「ジミモニ。無線だ…ビービービー♪」

新曲を口ずさみ、ノリノリでスキップしながらトイレに入る。

村上「金田ー！」

返事がない。
おかしいな、一番近いトイレはここのはずだが、別のトイレに行ったのだろうか。一本道だからすれ違うということもないだろうし。
仕方ない、戻るか。

村上「………」

やべえ。どっちから来たかよくわかんなくなっちまった。なんせこんな大きい会場は初めてだ、迷っても仕方ない…だろ。
案内図を見るが、現在地自体がよくわからない。杉山に携帯で連絡しようと思ったが、迷ったというのはなんだか恥ずかしい。

村上「まあ…一周すればどこかに出る、だろう」

俺はそれっぽい方向へ歩いていくことに決めた。

なんだろう、どんどん違うほうへ行ってしまっているような。もしかして、ここって関係者以外立ち入り禁止とかなんじゃ…。

スタッフ「あっ」
村上「おあっ」

なんか腕章をしている人に見つかってしまった。ここは素直に謝って、出口を聞いたほうがいいだろう。

スタッフ「君が…」
村上「はい、すみませんっ、あの」
スタッフ「早く来て！」
村上「え…？」

なんだか知らないが、スタッフらしき人は俺をぐいぐいとどこかへ引っ張っていく。
ま、まさか捕まる！？
それは困る。インテリジェンスでエリートな俺に、前科なんかあっちゃまずい。

村上「ちょちょ、ちょっと…」

連れて行かれた場所にいた人物を見て、俺は言葉を失った。

亘「あ…こんな時間にわざわざ来てもらって…すみません」

なんと、本物の亘がいたのだ。

亘「本当、たいしたことはないんです。ちょっと捻ったというか」

亘だ。亘が喋っている。この俺に向かって。

亘「あの…？」
村上「わたりぃぃぃぃぃー！」
亘「はい！？」

きゃわいいいいいいーーーー！！！！

亘「あの、お医者さん？」
村上「はい？」
亘「その、怪我…」
村上「怪我したのか！？」
亘「だから呼んだんですけど…、まあ俺は平気だって言ったけど」
村上「あわわわわわわ、大変だ早く治療しないと！」
亘「でもほんとに大したことないんです、マネージャーが大げさなだけで」
村上「と、とりあえず…医者を！」

俺が真面目な顔で言うと、亘は少し黙って、それから眉間に皺を寄せた。

村上「……えと、」
亘「ふっ」
村上「？」
亘「ははははは…っ、ぷ、」

なんだか知らないが、笑われている。ていうか笑顔かわゆー！

亘「面白いんですね」
村上「え？俺が？…まあよく言われますが。ユーモアと知識を兼ね備えたイケメンだって」
亘「はははは、そうですよね、頭もいいんでしょうね。そういえばお名前は？」
村上「村上です！よろしく！」

なんでか知らないが、亘と楽しく談話している。状況は謎だがラッキー！

亘「でもまだ新人さんなんですよね？勉強とか大変なんじゃ？」
村上「？まあ(ファン歴は)十ヶ月とかですが、気持ちそこらのベテランファンには負けません」
亘「(ファン？なんかの用語？)そうなんですか。すごい…」ガチャ
マネージャー「まだか？」
亘「あ、まだちょっと」
マネージャー「足、ひどいのか？」
亘「そんなことは、」
マネージャー「じゃ早くな」
バタン
亘「………」

頑張ってぇ

>>85
どもっす
つレイコ



村上「この後も忙しいんすか？コンサート終わったばっかなのに…。やっぱアイドルって大変だな〜」
亘「いやー…そんなこともないんですけど」

亘は心なしか暗い表情をしていた。まあ、疲れているからかもしれない。

村上「そういえば、足は…」
亘「ああ、ほんと平気ですよ」
村上「でも…あ！これ」

俺は鞄から湿布を取り出した
。前回コンサートではしゃぎすぎて帰りに動けなくなったのを教訓に、念の為持ってきたのだ。

亘「そんな普通のカバンから出すんですね…ぷ、」
村上「？俺、普通じゃない鞄を持ってそうかな？あ、イケメンだから？」
亘「ほんと面白い」

ドンドン

マネージャー「亘〜？」
亘「はーい」

村上「なんか…もう俺帰ったほうがいいっぽい？もっと話したいけど…」

でも亘と少しでも話せたなんて！夢のようだ。

亘「……あの」
村上「ん？」
亘「よかったら、連絡先とか」
村上「え！」
亘「村上さん、すごく話しやすくて…友達になれたらなって。あ、嫌だったら…」
村上「いや！…いやいや、そのいやじゃなくて！いやじゃない全然！」
亘「ほんとですか。よかった」

また笑ったー！カワユス。

今日はとりあえずここまでで…
意味分からん設定な上に中途半端ですみません
ジミモニかわいいよジミモニ

読んでくれてる方ありがとう！
なるべく早く完成させます

お前すごいよ
やぱいまじかっこいっ!

>>88
いや、すごい面白いｗ
亘や村上の声で脳内再生されるｗ

マイペースで進めてくださいね〜。
それでは、お休みなさいませ。

保守保守〜。

>>89-91
つ村上(純)




あれから亘とは時々電話やメールで連絡を取り合うようになった。
スタッフや亘が俺のことを医者だと思っていたと聞いて、なるほどなと思うと同時に警備体制が心配になったが、亘のいうには男性自体があまりコンサートに来ないので間違えたんだろうということだった。
このことは金田にも杉山にも言っていない。もし川島や谷田部を紹介しろといわれても困るからだ。

しかし、亘と話していると、時々おかしな感覚に陥ることがある。
なんだか、懐かしいような、もどかしいような。初めて会ったような気がしない。
たしかに、今までテレビやコンサートで亘を何度も見た。けれど、それとは違う、もっと前から知っていたような…。

杉山「なー、お前就職とか考えてる？」

大学の学食で。かつ丼を頬張りながら杉山が訊いてくる。

金田「んー、なんとなくは？」
杉山「だよな…そろそろ、なー」

就職か…。まだ三年だが、中にはもう活動を始めている奴もいる。

金田「村上は？」
村上「んー…」
杉山「お前のことだからどうせモテるから広告業界〜とかアパレルって俺にぴったり〜とかいうんだろ」
村上「うっせ！」

たしかに、そんなことを考えていたこともあった。
けれど、亘と出会ってから、俺の中にある変化が起きていた。

村上「お笑い、とか…」

金田「は！？」
村上「いや、まだ決まったわけじゃねーけど…」
杉山「え、な…なんだ！？モテるから！？」
村上「いくらなんでも全ての基準がそれじゃねーよ！」
金田「ビックリだしー！」

昔から、人を笑わせることが好きだった。けれど、職業になんて考えたことはなかった。

けれど最近夢を見るんだ。大勢の人の前でコントをする夢。隣にはいつも同じ誰かいて――…


亘「村上さん？」
村上「あ、わ、わたり…」
亘「どうしたんですか？」
村上「ん、ああ、ちょっと。ていうか敬語はよそうよ。同い年だし、さ！」

俺はコンサート以来初めて亘に会っていた。平日昼間、人の少ない喫茶店。
亘には今日は講義がないと嘘を吐いた。折角空いた亘のオフだったからだ。

亘「ふふ、じゃ、村上」
村上「おう！」

相変わらずかわいい。…ずっと昔、この笑顔をこうやってずっとそばで見ていたような気がする。

亘「なんだか村上って初めて会ったときから、不思議なかんじがしたんだ」
村上「？」
亘「なんか、すごくツボなんだ。面白くって。話しやすいし」
村上「ん…」

いつものように「よく言われるー」なんて言ってる余裕がなかった。

村上「俺も、そう思ってた」
亘「うん…」

窓の外で、ザーという音がする。雨だ。

村上「どこかで会ったこととかあったんじゃないかって」
亘「うん」
村上「道ですれ違ったとか、そんなんじゃなくて」

もっともっとずっとそばに、俺たちはいた。

村上「俺さ、大学卒業したら、お笑いやろうって思ってる」
亘「え…」
村上「それで…亘と一緒にやりたい、って」

亘の表情が揺らいだ。

亘「え、ああ…お笑いなら、同じ、芸能界だ…？」
村上「そうじゃなくて、」

カラン、と喫茶店の入り口のドアが開いた。

マネージャー「亘！なにやってるんだ」
亘「！」
マネージャー「捜したんだぞ！？ホラ、もうはじまる！」
村上「ちょっ…」
亘「ごめん！また連絡する！」
マネージャー「早く行くぞ」
村上「亘…っ」

傘を持ってきていなかった俺は、予報外の雨に濡れながら歩いて帰って、その夜熱を出した。

村上「ケホ…、返事、こないな」

昼間もことを亘にメールで訊いたけれど、まだ返信はない。
けれど状況から察するに、亘は仕事をさぼろうとしたのだろう。そして、その時間俺に会いに…



村上「負けた負けた〜」
亘「もうなんなんすかー」

村上「かっこいっ」
亘「ちょっとレイコちゃん！」

村上「亘はほんとかわいいんすよー」
亘「うるさいな、もー」

亘…亘…わたり…

ガバッ！

村上「今の夢…！」

【From:☆★わたり★☆
昨日はごめんなさい。急に仕事が入ってしまいました。本当にごめん。
また今度会えたら嬉しいです。】

村上「う…ケホケホっ…、わたりぃ…」

急に仕事であのマネージャーの態度はおかしい。亘は嘘を吐いている。
それよりも、案の定お笑いのことに触れられていなかったのが残念だった。

村上「あー…しんど…」

亘に、気にしないようにと、あと風邪ひいちまった(笑)なんてメールを返信してから、俺はまた眠りについた。

またまた中途半端…ていうかいいかげん終われよ！
すみません先の見えないまま続きます
明日には終わりたい

>>92-99
乙乙乙乙！！！！
途中まで起きてたけど
寝落ちしちまったｗ
面白い！実際二人がコンビ組む時
どうだったのかな〜、なんて思いながら
読むとまた一段と面白い！
亘も村上もかわいいよ！！
またお待ちしてます。

凄いね！なんか2人が出会う事を予想してるみたいな話だね

>>100-101
二人の馴れ初め(？)についてまだあまり詳しく聞いたことないけど、いつか聞けるといいなあ

これはほんの気持ち
つ村上(ショージ)

…らかみ…むらかみ…村上…

亘「村上…」
村上「わっ！」
亘「ごめん、驚かせた」
村上「え…、俺また亘の夢見てる？」
亘「違うよ、夢じゃない。ごめんいきなり押しかけて」

場所はたしかに俺の部屋だ。
そうだ、風邪ひいて寝てて…。

村上「なんで亘が？」
亘「風邪…俺のせいもあるかと思って…。住所聞いてたから、その」

わざわざ来てくれたらしい。ベッドの横には、スポーツ飲料とフルーツポンチの缶詰がコンビニの袋に入っていた。

亘「それに、昨日の話の続きしたくて」

村上「ありがとな…」
亘「いやむしろ起こしちゃってごめん」
村上「や、大丈夫。亘の顔見たら熱も飛んだ！」
亘「な、なに言ってんだよ…ていうか鍵開けとくなんて不用心だぞ！」
村上「そこはそれ、亘が来る気配を察したんだよっ」

ははっ、と笑い合う。
しかし、ふと亘が真剣な顔をしたので、俺も口元を引き締めた。

村上「…あのな、最近夢を見るんだ」
亘「うん」
村上「亘と俺、コントやってて」
亘「…うん」
村上「ただの夢じゃない。すごく、ほんとのことみたいな」
亘「うん」
村上「ほんとにあったこと、なんだ」

前世だか未来予知だかなんだか、わからない。でも、俺と亘がコンビを組むことは運命なんだと思う。

俺が言い終えると、亘はゆっくりと口を開いた。

亘「俺も…なんか普通じゃないと思う。村上と、俺」
村上「じゃあっ…」
亘「でもわかんないよ…運命とか前世とか…。俺は今の仕事もあるし…」
村上「ジミモニ。をやめなくてもお笑いはできるよ」
亘「………」

亘は口を噤んでしまった。急すぎたのかもしれない。

『パッパー、パー』

亘「…迎えが来たっぽい」
村上「ああ…」

『パッパッパー！パー！』

クラクションの荒い音。亘がゆっくり立ち上がる。

亘「体、お大事に」
村上「ん、ありがと」

玄関のドアを、亘が開く。

亘「…村上っ、俺、」

後ろ姿のまま、亘は言った。

亘「お笑い、やりたい…！」

あのとき亘はどんな表情をしていたのだろう。そんなことばかり考えていた。

金田「な、こないだのハナシ」
村上「ん〜？」
金田「お笑い、って、マジなの？」
村上「おお、マジだよ」
金田「ふーん…」

金田は少し黙ってから、言った。

金田「俺もさ、結構興味あんだわ。ほら俺って向いてそうだろ？」
村上「まあまあ…、そうだな」
金田「でもさお前、お笑いって漫才とかじゃん？相手とかいんの？」
村上「…いるよ」
金田「マジし！もうそこまで固めちゃってんだ！？」
村上「まあな〜」
金田「え、誰、知ってる奴？」
村上「亘」

金田「は？」
村上「こないだ一周年コンサート行っただろ。あのとき知り合ったんだ。黙ってて悪かったな」
金田「ま…マジかよ！嘘だろ？てゆーかなんで黙ってたし〜！」
村上「ほんとワリい。そんでな、それから気づいたんだよ。亘と俺ってコンビ組む運命なんだって。亘もそう思ってくれてる」
金田「は？運命？なに言っちゃってんだよ。つかなに？ジミモニ。の事務所にも話通ってんの？」
村上「それはまだ」
金田「………」

金田は珍しく真面目な顔をして押し黙った。

村上「金田？」
金田「お前の話、どっからほんとかわからんけど、全部が妄想かもだけど、無理だと思うし」

「じゃあな」と言って金田は去って行った。
そのすぐ後だった、ジミモニ。のマネージャーから電話がきたのは。

マネージャー「亘とはもう会わないでほしい」
村上「………」

マネージャーの話では、どうも最近亘の様子がおかしいので行動や携帯を調べてみたところ、俺の存在が浮かび上がってきたらしい。
俺がお笑いに誘っていることもバレているようだ。

マネージャー「亘は他のメンバーにアイドルをやめるとまで言っている」
村上「！」
マネージャー「なぜ亘なんだ？他にもいるだろう」
村上「亘じゃなきゃ…お笑いをやる意味が、」
マネージャー「それに亘は芸人としては使えないぞ」
村上「？」
マネージャー「亘はもともとお笑いもできるマルチタレントとして事務所に入った。だけどわけのわからないミリタリーギャグしかできず、しぶる本人を説得してアイドルにしたんだ」

そうか…亘はもともとお笑いをやりたかったんだ。

村上「相方がいれば…いや、俺がいれば、亘は面白くなれます！」
マネージャー「あのね、だから無理なんだって。向いてないんだよ亘には。しかも亘がどう思ってようと今アイドルとして成功してる。好き嫌いじゃないだろ？仕事は」
村上「そんなことない…！」
マネージャー「君まだ学生だろ？働いたことないからはわからないだろうけど……、とにかく亘とは金輪際連絡は取らせない」

マネージャーの宣言通り、亘からの連絡は一切途絶えた。
テレビでは相変わらずかわいい笑顔で歌っている亘がいた。

金田とはあれからなんだか気まずくなって、あまり話をしていない。
金田に話した以上杉山にも話すべきかと思ったが、金田の反応を思い出すとそうする気にはなれなかった。

村上「くっそー…なんだよもう…」

全てがうまくいかない。

でも俺は間違ってなんかいない。俺と亘がゴンビを組むのは運命なんだ。俺の人生にはそれしかないんだ。

『ピンポーン』
村上「ハーイ」
『速達でーす』

なんだろう？

差出人は知らない名前だった。

村上「なんだぁ？」

ビリビリと封筒を破ると、ノートの切れはしと一枚のチケット。

村上「連絡取れなくてごめん、この手紙も急いで書いてる。今度のコンサートでジミモニやめるって言う。村上はジミモニ続けてもって言ったけどやるからにはお笑いに専念したい。チケット送る。最前列で見て。
…か。亘…」

俺はジミモニ。の亘も好きだった。けど亘にとっては決して楽なことじゃなかったんだろう。

ふと俺は封筒の中になにか文字が書いてあることに気づいた。

『運命なんかじゃない』

村上「どーゆーことだ…？」

村上「あのさ、今度のコンサートうっかり最前列取れちまって…だから別で行くわ」
杉山「マジかよ！すげーな。いいな〜最前列なら谷田部のアレとかコレも見えて…って言わねーよ！」
金田「………」
村上「じゃ、」
金田「おい！」
村上「ん？」
金田「こないだのこと」

まだ金田は怒っているようだった。

村上「連絡取れなくなっちまった。どうやら俺たち阻まれてるっぽいね〜」
金田「…だから言ったんたよ」

杉山が「なに？女？女の話？」とか言っているのを無視して、金田は言葉を続けた。

金田「無理なんだよそんなん。妄想だ」
村上「…だったらさ、お前さ、もし川島がお前とゴンビ組んでもいいっつったらどうする？」
金田「は？」
村上「諦められるか？」

金田「………」

険しい表情のまましばし考えるようにしてから、金田は言った。

金田「たしかに、川島のことはおもしれーって思う。惹かれた理由も、アイドルとして可愛いってのも少しは…なくはねーけどっ、大体は面白さだよ。
けど…あいつらアイドルなんだよ。組むとかそういうのは、違うだろ！？現にお前はうまくいってないし」
村上「今はそうだけど、絶対やってみせる」
金田「運命とかなんとか、夢みてーなこと言ってないで現実見ろよ！身近な奴と組めばいいだろ…」
金田は杉山のほうをゆっくり振り返った。

金田「例えば、俺と杉山とかさ…」
杉山「さっきからなんの話だよ？えっ？」

金田「とにかく、応援なんてできねーよ。絶対、痛い目見るだけだ」

痛い目を見てもいい。そう言っても金田には伝わらなかった。
信頼している友達から反対を受けることはつらいけれど、もう止まれないんだ。
だって亘と出会ってしまったから。


コンサート当日。

念のため、メガネと帽子を被ってみた。まあイケメンオーラは隠せないわけだが。
最前列は思ったよりももっとステージに近くて、それだけでドキドキした。
ステージ上や照明の横にはカメラも見える。今日の模様は一部テレビ中継されるようだ。

村上「ふー」

大したことのない展開がだらだらと長く続いてすみま戦闘機のミサイルを運ぶ亘
もうすぐ終わる！きっと
夜にまた来ます

ﾏｯﾃﾙﾖ

待ってますよ〜。

>>115-116
つ村上(森三中)



ステージに青いライトが当たる。
スッと延びた光の先から、人が出てくるのが見えた。大勢の視線と中継のカメラがそっちへ向いたのがわかる。

亘「お集まりの、みなさんどうもありがとうございます」
川島「た、たくさんの人が来てくれて嬉しいです。テレビ中継も！」
谷田部「あっ、それ俺の台詞！あああ、もう…。はい…えっと、はい」

相変わらずアイドルコンサートとは思えないオープニングだ。

亘「コンサートを始める前に、みなさんに言いたいことがあります」

えっ…もう言うのか？
俺は思わず帽子とメガネを外した。

谷田部「亘…？」

亘「俺、今日でジミモニ。やめます！」

川島「は！？」
谷田部「ちょ…っ」

『えーっ！？』

どよめき。悲鳴。ざわざわとした音。
ステージの裾から関係者らしき人が亘に向かって走っていく。

俺は突然の出来事に動揺し警備が緩んだのを見て、ステージに飛び乗った。

亘「村上…っ！」
村上「亘は俺とお笑いやります！」

川島から奪ったマイクで大声で叫ぶと、会場にはさっきより大きなざわめきが起こった。

スタッフ「君！やめなさい！」
村上「大変かもしれないけど、俺は亘とお笑いやりたい！」
スタッフ「コラッ」
亘「む、むらかみぃっ…！」

周りにスタッフが大勢押し寄せ、俺と亘は引き離されていく。

村上「亘！あのな！前世とか記憶とか…だから亘に惹かれたと思ってたけど、違うんだ！」
亘「え…」
村上「俺、たとえ運命じゃなくても亘とやりたいんだ！俺の相方は亘だけしか…うっ」

マイクを奪われ、羽交い締めにされる。亘がどんどん遠のく。

亘「村上…むらかみぃーっ！」


暗転する世界。亘の声。ライト。よだれ。

…よだれ？





村上「ハッ！？」

村上「ぉ…ウゴ…っ、うは！？亘っ！」
亘「うわっ、きったね！イイ歳してよだれとか垂らすな！」
村上「あれ、亘、ここは…？俺たち引き離されたんじゃ」
亘「は？楽屋はいつも一緒だろ？なんだよもう大物気取りかよ」

村上「楽屋…楽屋、」

そうだ、夢を見ていたんだ。長い夢を。

亘「出番もうちょいだぞ。平気か？」
村上「ん！」
亘「なんだよその笑顔。気持ち悪いな」
村上「カッコイイ、だろ！も〜。
な、亘。俺大物になっても楽屋一緒がいいな！」
亘「……ふーん、そう？」
村上「そう！」


ヘヘッと笑う。亘も微かに口元が笑っていた。


あの夢の世界の俺と亘もこんなふうに笑い合っているといいな、と思った。






ジエンド！

いらないおまけ


�@ザ・パンチの場合

村上「って夢を見たんすよ〜！」
ノーパンチ松尾「なにそれ〜超気持ち悪いじゃ〜ん！」
パンチ浜崎「俺は感動した！うっ…」
ノーパンチ松尾「なに泣いちゃってんのぉ〜！？もうヤダ〜！
お願い死んで〜！二人して砂漠でラクダに逃げられて〜！」
パンチ浜崎「俺が村上の立場でも同じように松尾を攫ってたと思う」
ノーパンチ松尾「ドキッ…。って違う！し、死ね！」
村上「はははは」



�Aはんにゃと我が家

村上「って夢を見た」
金田「えっそれって川島はどうなったんだし！？川島は平気なん！？ちゃんと俺と組んだん！？」
村上「シラネ」
川島「こういう奴ですよ村上は」
杉山「イヤお前の相方も谷田部のこと忘れてるだろ」
金田「え、話に出てきましたっけ？」
谷田部「………」

坪倉「え、つか俺は？」



おわり

感動した。

なんというドリーム落ちｗｗｗ
亘がアイドルな設定も面白萌えたｗ
あとフルーツポンチの缶詰めが出てきた時にも
ニヤけてしまったｗ
楽しませて頂きました！�d！
つ旦~~お茶ﾄﾞｿﾞｰ。

>>122
まさか感動してもらえるとは思わなんだ！
>>123
お茶ども！つか『旦』と『亘』が似てる件ｗ
フルポンの缶詰うまいよね！

読んでくれてありがとー！



あ〜オードリーみたいにフルポンssも増えないかな…

夢落ちっていうのがまた良いねｗ
なんか良い物語ありがとう！
そういえば最近ここ見始めてからフルポンを見る度に
この物語を思い出すんだが・・・ｗ
素敵な話�dでした！！

乙！
４章期待

>>125
安易なオチですまそなさいｗ
こちらこそありがと�d
>>126
四章ｗｗ
あなたも…書いてみませんか？



ピラメキ勝ってほしいけど負けて罰ゲームも見たいファン心かな

保守保守。

あ

保守感謝！！！



第五章　亘たちの沈黙


村上「お疲れ様でしたー！」

某ネタ番組の収録終了後、亘と共に楽屋へ戻る。

村上「今日、けっこうウケてたな！　新しいネタだかたちょっと緊張したけど」

俺が話しかけると、亘は嬉しそうにコクコクと何度も頷く。
あー、この笑顔見ただけで疲れも吹っ飛ぶ。
俺もつられて笑顔になりながら、楽屋のドアを開けた。

村上「次の仕事は…なんだっけかー」

大きく伸びをしながら呟くと、亘がポケットからスケジュール表を出して今日の欄をトントンと指さす。

村上「あ、女性誌のインタビューか…」

たしか今流行りのイケメン芸人に聞く！　みたいなやつだ。これは俺のピンの仕事だった。

村上「ハハ、悪いな亘〜、俺だけイケメンで！」

ニヤニヤしながら言うと、亘は頬を膨らまし、そっぽを向いて部屋の端に行ってしまった。
怒らせてしまったか、と思ったらテーブルの上にコテン、と置かれたお茶。
亘が飲め、というように顎でしゃくる。次も仕事なんだからちょっと休めってことか。

村上「ありがとな…。ほんとの心のイケメンはお前だよ」

そう言うと、亘は少し手足をばたばたさせてから、第三匍匐前進をし始めた。これは嬉しいときの合図だ。

村上「じゃ、気をつけて帰れよ〜」

タクシーの運転手さんに亘の家の場所を告げて、俺は亘を車内に押し入れた。
亘はシャドーボクシングのような動作をしながら頷くような動作をする。
多分「仕事頑張れよ」ってことなんだろう。

村上「おう！　また明日な」

ドアが閉まり、亘を乗せたタクシーが走っていくのが見える。

村上「ふう…俺も待ち合わせ場所に向かうか」

なんだか寂しいような気がしながら一人歩き出す。
すると、突然背後から何者かの気配がした。

村上「おまえらはっ……うッ！」

俺は意識を失った。

村上「…ん、う…っ、ここは…？」

寒くて薄暗い場所で俺は目覚めた。と同時に背中に鈍い痛みが走る。

村上「い…つッ！」

？「フハハハハ、どうか、いてーか！？特大かんぴょうで叩かれた傷はよー！」

村上「か、かんぴょう…？」

？「相場はバットだろうがよー、なんでわざわざかんぴょうだよ」
？「うっせーっぺ！こんな田舎モン叩くのにバットなんて近代的なエモノ勿体ねーべ！
せいぜいかんぴょうがお似合いだぁ！」
？「バットが近代的って…おめー一体いつの人間だよ！？」

な、なんだこのどこかで聞いたことのある会話は…。

村上「あの…」
？「なんだ？」
村上「この状況は一体…ていうか俺仕事に行かなきゃなんですが…」
？「ハハハハ、それは無理だ！そのかんぴょうの縄が解ければ話は別だけんどな！」
？「ちょ、おまえちゃんとロープで縛んなきゃ解けちまうだろーがよ！」
？「お前栃木のかんぴょうの強さ舐めんでねーっぺよ！讃岐うどんより強いんだかんな！」
？「いやお前それ比べてもしょうがねーっぺ…」

村上「ていうかあんたらＵ字工…」
？「喋るな田舎モン！」
村上「………」

一体なんだというんだ。

村上「どうしてこんなことするんですか…？」

恐る恐る尋ねると、何故だか誇らしげに宣言された！

益子「栃木の大都市化計画のために決まってっぺが！」
村上「ハァ？」

福田「おまえ腹減ってねーか？」
村上「まあ…少し」
福田「だろ！さあこれ食ったらいいだよ」

なんだか知らないが、餃子を差し出された。

村上「ま、まさか毒が盛ってあるとか…？」
益子「いつかのどっかの国でもあるまいに、んなワケねぇーべ！」
福田「そんな疑るなら俺らも食うからホラ、…うめぇな〜！」
村上「え…じゃあ…」

よくわからないが、勧められるままに餃子を食べた。

村上「んぐ、普通にうまい」

次々に食べていくと、ビシッと指をさされた。

益子「かかったな！」
福田「食った！こいつ食っちまっただよ！」
村上「な…！やはり毒が…！？」

>>130
待ってましたー！
楽しみです！
てかもう既に楽しいーｗｗ
頑張ってー！！

待ってましたwww
おもしろい！
亘は電波キャラw?

また長澤まさみとか見てた、ごめなそ
絶対に訴えてやる番組でタイムリーなことやってて自分でワロタ

亘は電波というか喋りません。一切。仕事もジェスチャー

あとＵ字が嫌いなわけではないむしろ好き
栃木弁はよくわからんので適当。栃木の人いたらごめんねごめんね〜





ち、ちくしょう…罠だったのか！

福田「ハハハハ、馬鹿め。宇都宮餃子のおいしさを思い知ったべ！」
益子「一度食ったらくせになって何度も栃木へ来たくなるっぺ！？」
村上「ハァ？」
福田「ホラホラホラ。デザートにとれたて新鮮イチゴのとちおとめはどうだ〜？」
益子「そうやってどんどん栃木に染まっていくっぺよ〜」

なんだ、焦って損した…。
俺はイチゴを貪り食いながら二人を眺める。うーん、やっぱり俺ってイケメンだよなあ。作りがちがうぜ。

村上「ていうか仕事あるんで栃木のＰＲなら後にしてもらえませんかね？」

かんぴょうで縛られた手足をもぞもぞ動かしながら俺は言った。ていうか、かんぴょうマジ丈夫。

益子「仕事？仕事ってなんだ？テレビか？」
村上「いえ、女性誌のインタビューです。なにせイケメンなもので。あと大学オシャレだし」

そういった途端、二人の様子が一変した。

福田「なにぃ！？」
益子「じょ、女性誌…？イケメン…？オシャレ…？ふざけんじゃねーっぺ！」
村上「うわっ？」

なにかでビターンと頬を叩かれる。よく見たら那須ハイランドパークの割引券の束だった。

益子「おめえ…茨城の田舎モンのくせにいっつも都会的な雰囲気漂わせやがって！」
福田「そうだそうだ！」
益子「茨城なら茨城らしくいつも納豆でも食ってたらいんだぁ！」
福田「それは言いすぎだろーがよ」

村上「と、とにかく、仕事に行かせてください」
益子「ダメだ！おめえは栃木県民になるんだよ」
村上「ハァ？」
福田「俺たち罰ゲームで東京に本籍移されちまって栃木の人口がピンチなんだぁ」
益子「おめえが栃木に来ればにっくき茨城の人口も減って一石ニ鳥だべ」
村上「そ、そんな…！絶対に嫌だ…」
福田「抵抗したって無駄だべ。餃子やイチゴの他にもまだまだいろいろ用意してあんだからよ」
益子「フフフフフ…ハハハハハッハ…」

村上「いやあああああああああ〜っ！」

村健パンツは田舎者だよね

>>140
パンツｗなにかであったなｗ



その頃の亘

トコトコ(部屋の隅っこまで歩いていく)
ぎっ、ぎっ、(腹筋をする)
ぱたぱた(うちわで扇ぐ)
…ぴくっ！(なにか感じ取ったようだ！)

亘「………」

わたりはむらかみのぴんちをかんじとった！

福田「おらおら、とちぎテレビはどうだあ〜？」
益子「心和むローカルニュースを見れ！」
村上「うううう…」
福田「日光に絵はがきも見るんだ！」
益子「思わず観光に行きたくなるっぺ〜」
村上「くっ…！」

く…くそ…！なんだか栃木に移籍したくなってきた…。
嫌なのに…このままじゃあ栃木県民にされてしまう。



『バーン！』

村上「わ、亘…！」

もう駄目かと思ったそのとき、なんと亘が現れたのだ。

村上「一体どうしてここが…」

亘は上腕二頭筋をさすった。どうやらそこで俺のピンチを感じ取ったらしい。

村上「そっか…助かったぜ」

亘は俺が縛られているのを見て、驚いた顔をしている。

村上「大丈夫、怪我はない」

駆け寄って体中をさすってくる亘に言い聞かせるように言うと、亘はほっとしたような顔をした。

益子「なんだおめえ？こいつの仲間か？」
福田「つかすげーな、入り口しっかり固定しといたはずなのによー。なあ」
益子「かんぴょうでな」
福田「…馬鹿かおめえ！」

亘は二人と俺を交互に指差した。

村上「そう。この人たちにやられたんだ」

俺が言い終わる前に亘は二人のほうへ突進して行った。

益子「うわっ！なにすんだぁ」
福田「ぎゃ、いてぇ！」

何度も二人の腹をヘディングする亘。俺が攫われたことを相当怒っているようだ。

益子「くそ…こいつ強すぎだっぺ！」
福田「こうなったら最終手段だ！出て来い、おめえら！！」

ツッコミの人に呼ばれて、なにやら大量の…

村上「サ、サル…！」
福田「日光の山から降りてきて人里を荒らしてたサルたちだ！」
益子「茨城に放してやろうと思って捕まえといたのがここで役だつとはな」
福田「さあ、おめえら、行くっぺ！」

サルの大群が亘のほうへ向かっていく。

村上「亘ーーーーーっ！！！」

いくら自衛隊で鍛えていた亘でも、こんな大勢のサルには勝てない。
ちくしょう、卑怯な手を使いやがって…！

このままじゃあ俺のかわいい亘が危ない。俺が栃木に移籍しなかったばっかりに…。
そう思って目をつぶった。

『ピーッ！』

村上「！？」

『ピッピッピッ！』

笛の音だ。何が起きたのだろう、と俺はゆっくり目を開けた。

益子「こ、こいつ…」

そこには、一列に並んだサルたち。先頭には亘がいて、笛とともに腕を振って指示を出している。

福田「タダモンじゃねえな…」
『ピーッ、ピピッ！』

サルのうちの一匹が、亘の指示に従ってなのか、俺の手足のかんぴょうを解き始める。
サルは亘のほうを見て、亘が頷くのを確認してから、そのかんぴょうを食った。
亘はよくやったというようにコクコクと頷いている。

それから亘はまたサルたちになにか合図をして(多分栃木に帰るようにとかそんなんだろう)、サルたちは去って行った。

笛をポケットにしまってから、亘は俺のところにやってきた。
かんぴょうで縛られていた部分を優しくさすってくれる亘が嬉しくて、本当は大して痛くないが痛いふりをした。

福田「くそぅ…完璧な計画だったのに…」
益子「これだから茨城県民は嫌いなんだぁ！」

嘆く二人を振り返ってから、亘は俺の瞳を覗き込んだ。どうする？と訊いているようだ。

村上「ん、別にいい。そんなになにかされたわけじゃないし。ていうかむしろ食いモンもらっただけだし。
…まあ仕事遅れたのはやばいけど」

亘は首を傾げ、うーん、と少し考えるようにしてから、口をむっと曲げた。
納得はできないが、俺が良いと言うならいいや、ってことかな？

とりあえずＵ字工事の二人には、後日雑誌社の人に一緒に謝ってもらう約束をして、帰ってもらった。

村上「それにしても亘にサルまわしの才能があったとはなー」

感心するように言うと、亘はえっへん！と胸を張る。なんだかその様子がおかしくて俺はぷっと笑った。

村上「もしかしたら仲間だと思われたのかもな、ほら亘意外と毛深いだろ？そんで心が通じ合って…」

からかうように言うと、胸をぽこぽこと叩いてくる亘。かわいいなあこいつ。

村上「うわ、ちょ、痛いって亘！お前と違って軟弱なんだからさ」

むむむ、と口を尖らせる亘の頭を撫でた。

村上「とにかくありがとな！助かった」

撫でられながら、亘が気持ちよさそうな顔をする。おれはもっとがしがしと撫でてやった。

村上「お前は最高の相方だよ」

コクコクと首を縦に振る亘。俺もだよ、ってことか。

村上「じゃあ今日は一緒にメシでも行くかー。おごってやるよ」

亘が嬉しそうな顔でぴょんぴょんジャンプする。

村上「なにが食べたい？あ、寿司と肉以外な−」

それを聞き、第五匍匐前進で抗議する亘を横目で見ながら、いい相方を持って幸せだなあと俺は思った。




終幕

第五章お疲れ様でしたー！！
つ亘…間違えた、つ旦~~お茶ﾄﾞｿﾞｰ

亘頼もしいな〜ｗ
亘たちの沈黙、そういう事だったのね。
なんだか、テレビゲームの
喋らない主人公みたいでカッコいかったｗｗ
Ｕ字工事も最高ｗｗ
面白かったよー！

亘の腕筋はまじで惚れるｗ

喋らない亘の仕草が可愛すぎるwww
俺、このスレ見てたら亘なら抱ける気がしてきた……

>>148
亘は実際強そうだ…そして村上は弱そう

>>149
そんな妄想をしながらイケメン村上に抱かれるといいんだぜ！

とにかく毎度読んでくれてども〜！
いつもながら電波な設定でごめなそ


あ、益子の名台詞をうっかり使い忘れてショックだ。ごめんねごめんね〜！

あと栃木と茨城の人いたらほんとにスマソ！
村上が茨城だと知って適当な気持ちでネタにしてみた
群馬に住んでいたことのある>>1の陰謀ではない、けっして

ﾜﾛﾀｗｗｗ

わたりかわゆす

....._＿□○＿＜第五匍匐前進保守

第五章乙！

ところで第四章がないのは縁起が悪いからですか？
それとも、村上がみんなの心の中にいるように、
第四章もみんなの心の中にあるのですか？

第四章はレイコと健ちゃんの過激な性描写により、有害だと判断され削除されました。

　 　 　 _
　　　　　　　　ノ |_ 　 ll__l---||＿　　　　　　　Nice boat.
　　　　　　rj「ｌ＿_｀ー'　 ヽｌーｊ　 L---┐
　　　　　 |―┴┴―｀ーｒュ-‐<￣.ィｊ .__ｊｌ
　　　　　 |[][][][][][] i　""" _..,,ｒr=''´　l
　　　　　 l￣￣￣￣/7-‐'´　　　 　／
　　　f　 ｊL-、 ＿-‐'　　　　　 -‐´~~
　　　ヽ |　￣　　＿ｊ＿ -‐'~´~~
　　　　 ｀ー〜´~~~~

すみません本当はうっかり数え間違えていただけ

>>154
そうだったのか…ｗｗｗｗ
むりむりむり連発だったとかｗｗｗ
健ちゃんどんな事したんだ！！！





気持ち悪いっすね…すみません。
いつか第4章希望。（エロじゃないよｗ）

>>1です
第四章の代わりもしくは六章を書きたいけれどネタがない
もしフルポン以外の芸人が出るなら誰がいい(というか誰を知ってる)だろうか
今まで出た人でもかまわないので教えてほしい
でも>>1は芸人マニアではないのであまりマイナーだと知らないかも
だがフルポンと関わりが深いというのならヤホーで調べてみることも可能
正直彼らの交友関係にさほど詳しくないので教えてたもーれ
※別に実際フルポンとの接点がなくてもヨシ

まだ書くつもりかよ！と思われるかもしれませんが書きます

>156
フルポンと関わりが深いっていうと、同期のオリラジとかはんにゃあたりだろうか
ケータイよしもとの特集で、オリラジと10期生対談やってたし

正直続きをものすごく楽しみにしてるので頑張ってください

そうだね〜。
同期のオリラジ、はんにゃ
少年少女（女性コンビ）
一個上の先輩しずるとか。
あとはスリーシアターメンバーかな。
自分もフルポンヲタの割には
これ位しか知らないｗ
あとウンナンヲタでもあるので
ウッチャンフルポンてのも読んでみたいかも。

おばさんの意見でした。

ご意見どもども！
やはり同年期やレッシアあたりの芸人がいいかな
参考になりますた
なんか思い付いたらまた来ます

携帯とＰＣが海水の餌食になったので
慣れない新携帯からの更新になりますがよろっす

海水の餌食になったってどういう事？ww

更新楽しみにしてるぜ。

>>160
出張先で海に落ちて携帯もＰＣもおじゃん
携帯だけで５万とか…ないと思います
ライフセーバーの女の人と恋に落ちるとか…ないと思います
福井の釣りのおじさんありがとう




第四章(検閲済み)
『最終兵器亘The worst Uza man with child ojisan.』


2009年初夏──…俺達は激しい戦争の最中にいた。


村上「くそ…亘…っ！」

あの戦いの中で僕等は何を失い、何を得たのか。それはわからない。
傷付いたものを戻すことはできないけれど…、
これだけはわかるよ。

亘…


＊　＊　＊


始まりはある日の楽屋だった。

いつも通り鏡をうっとり見つめる俺。かっこよすぎて視聴者が鼻血を出さないだろうか？　血気盛んな若者ならばともかく、こま老人は危険だ。そんなことを憂いていた。
って、憂いの表情もイケてんな俺！

ｷﾀ━━━(ﾉﾟ∀ﾟ)ﾉ ┫:｡･:*:･ﾟ'★,｡･:*:♪･ﾟ'☆━━━!!!!
待ってました！
そしてどんまいです。

村上「オーマイリトルわたり〜♪抱きしめてあげよう♪」
亘「…きもちわり」

フンフンご機嫌で鼻歌を歌う俺に亘がぼそりと呟いた。
俺は肩をビクッと震わせる。

村上「なにっ！？なんか俺変なとこある！？髪？目？眉？いや全て完璧なはずだ！」
亘「や、外見じゃなくて歌が…、ふぅ」

亘は呆れたような目でチラッと俺を見てから、また視線を雑誌に戻した。
『月刊☆元自衛官』という表紙に『まさか本当にあった！？第六匍匐前進の謎』という大きな見だしが載っている。亘は身支度もそこそこに、さっきからその記事に集中していた。

村上「なあ亘〜なんか俺今日髪硬くない？」
亘「ん〜？だね」
村上「もちょいやらかいかんじのが俺っぽいつうか…あでもこういうのも好きな人は好きかなっ」
亘「ん〜？だろうね」

村上「けど今日初めて来たお客さんのこと考えると…今の俺イコール村上健志ってなるわけだ…それはなあ」
亘「ん」
村上「でもやっぱ俺の中でも色々な俺がいて、様々な村上を楽しみたいぜ！って人もいるもんなあ」
亘「…」
村上「亘ー？」
亘「ん、だな」
村上「だよなあ！」

俺は鏡の前に戻り、いそいそと髪を整え始めた。亘は相変わらず雑誌に夢中だ。

村上「亘はもうそれでいいの？」
亘「ん」
村上「たまには髪下ろすとかさ」
亘「ん」
村上「まあイメージがあるからそんなバサッとはやらなくてもちょっと、さ」
亘「…」
村上「亘ー？」
亘「ん、だな」

俺はクシとドライヤーを置いた。

村上「亘さっきからあんまり話聞いてなくない？」
亘「ん」
村上「だからさあ〜！」

雑誌から目を離さない亘の背中をバシッと叩く。

亘「？…あ、村上か。どうしたの」

まるでハエでも止まったかのような反応に、俺は痛む手を押さえつつ(亘の背筋かてぇー)、抗議をした。

村上「俺のおはなしきいてよ！」
亘「えーメンドウゼェ」







新携帯うちづらすぎる
遅くてごめそなそい今更だが誤字脱字も

待ってます

亘に冷たくされる村上がうらやましいぜ

最彼好きな自分が通りますよ

亘可愛いなばかやろー

>>169
一緒に匍匐前進しませんか

保守とかコメントとかありがたすぎるぅ〜(レイコ調で)
充電器なくしたりアレしたり涙目だががんばります
>>169
悪い…最彼要素は微塵もないかもしれないぜ！




村上「亘はさ〜、いつもそうだよな」
亘「なにが」
村上「同期とか先輩とか後輩とかといてもさ〜、あれじゃん話さないじゃん」
亘「別にそれはいいだろ、今」
村上「だぁかぁらぁ〜！そういう、人と向き合うときの姿勢について言ってんの！」
亘「なに？それ今じゃなきゃダメなの？」
村上「駄目だろ！大体集団の楽屋とかロケバスもいつも一人で黙っててさ…」
亘「話しかけられたら答えてるし、いいだろ」
村上「そういうのが駄目なんだって！あのさ、」
亘「うん、ハイ、わかった今雑誌読んでるから後でな」

雑誌に目を落としたままの姿勢を変えようとしない亘。
子供をいなすような言い方に少しムキーッときた。

村上「今じゃなきゃ駄目だ！早くなくちゃ駄目だ！すぐにでも！」
亘「は？ちょ…」

亘から雑誌を奪い取る。

村上「とにかくそういうのは治さないと」


村上「だから“じゃないほう”とか言われるんだ！」


俺がイケメンなのは当たり前のこと、亘だってこんなにカワユスなのだから、本来ならば超イケメンコンビ☆なんて騒がれたっておかしくないはずなんだ。
それなのに、亘がこんなじゃあ。

亘「………」

亘がゆっくりと顔を上げる。
俺を見つめるその表情に色はなかった。

亘「…え？」
村上「あ…、その、」

聞こえていなかったのか、と思った。それならばそれでいい。少し言葉が鋭すぎた。あれでは真意を誤解されかねない。

亘「え、…？……え？」
村上「あ、わた…り、そのっ」
亘「いま、…え？…」

聞こえて、いたのだろう。
亘が無表情のまま俺を見る。口許だけが戸惑っていた。

亘「むらか…み、」

確かめるように俺の名を呼ぶ。


──このとき、俺は判断を誤った。
どんなだって言葉だって、最悪抱きしめるんなんかでもよかった。フォローすべきだった。

でも俺はしなかった。


村上「だ、だから、とにかく今は話し──」

がたん、と亘が椅子から立つ音。表情は見えない。
亘はすたすたと風のように俺の横を通り抜け、鏡の前に立った。

村上「なあ、亘…」

村上「なあ、さっきの…」

悪かった、と言いたいが、あいにく俺もなかなか厄介な性格で、そんな言葉は簡単に口から出てきてくれない。
亘は鏡の前で、興味なさげに髪をいじってみたり、自分の服の裾を引っ張ってみたりしている。

村上「亘ってば…」

何度呼びかけても返事はなかった。

こ…この感覚…何かに似ている…。
そう、無視だ！

俺はなによりも無視をされるこことが大嫌いだ。たとえきっかけとしては俺が悪かったのだとしても、それだけは許せなかった。

村上「亘？ねえ、亘、聞こえてるよな？」

亘は眉間に皴を寄せながら、鏡越しに俺を睨んだ。

村上「聞こえてるなら…返事してよ」

へんじがない。わたりはおいかりのようだ。

村上「悪かった…よ、言い方は」

でも言いたいことはわかってほしい、そこは譲らないぞ。

亘(無視)
村上「いや、その…さ、全部俺がわわわ、る…かっ、た、」

すごく言いたくなかったが、無視に耐え切れず言った。
時に信念とは曲げなければならぬもの。

亘(無視)
村上「…亘？
…あのさ、今までも…なんか悪いとことかあった、かもだけどさ」
亘(無視)
村上「なんか気に入らないとことかあるなら…言って？」
亘(無視)

村上「………」

そのとき、俺の足元から頭のてっぺんに至るまで、冷たい風がさあっと走り抜けた気がした。
──むし。無視。しかと。



『なあ村上ってウザいから無視しようぜ』
『村上はしーかーとー！』
『むーしむーしお疲れ様でした〜』

『やめてくれ！誰か！俺の話を聞いて！無視するなよぉ〜っ！』



少年時代の苦い思い出。

そうだ。だから俺は無視されることをこんなに畏れていたんだ。


これは亘にも話したことがあったはずだ。だから無視されるのは嫌なんだ、って。それなのに亘のやつ。
たしかに少しキツイことを言ったけれどそれも亘を想ってこそ。
それを逆ギレして、センシティブでナイーブでクリエイティブ(？)な俺の心をズタズタにするなんて…ひどすぎるだろう。
いくらかわいいとはいえ。

村上「亘…」

へんじがない。ただのしかとのようだ。

村上「亘、なあ」

そうかよ、あくまで無視を続けるつもりなんだな。
それならばこちらにも手段はある。

村上「ほらほら、わたりーん！お菓子とジュースだよ〜！おっ、ここの楽屋はハッピーターンがいっぱいだっ。亘も好きだよなっ？」
亘(無視)
村上「そうだお菓子を食べたら歯磨きしないとな。芸能人は歯が命！って〜。亘の八重歯はかわいいなーっと」
亘(無視)
村上「ほりゃほりゃ、おれはみぎゃきしれるろ〜？えらいらろ〜？わらり〜おれえらい？」
亘(無視)
村上「まら無視するつもり〜？亘がそんならと、おれいじけて歯みぎゃき粉飲んらうろ〜？ほりゃ〜」
亘(無視)
村上「ぶぇ、ちょ…ほんろに？ほんろに飲んらうけろ？いいの？」
亘(無視)





俺はブチ切れた。

歯磨き粉のザラザラとした喉越し…気持ち悪さ。あれを忘れることは当分できないだろう。

そしてそして、なんといってもプライドが傷付けられたのだ。
俺は亘の前では「しっかりした男」…いわば父親のような存在でなくてはならなかったのに。





かくして、第一次フルポン戦争が幕を開けたのであった。

第一次フルポン戦争wwwwwwwwwwwwwww
シリアス展開なのかw？
更新頑張って！

亘もっとしゃべりましょーよ！
語りましょうーよ！！（村上風）

待ってます！

毎日ダラダラで申し訳なし




レッシア合同コント打ち合わせ後。

金田「村上、この後どうするメシでも行くか？」
村上「フッ…お前はいつも気楽でいいな。こんな世界だっていうのにさ」
金田「ハァ？なに、不景気がナントカってことか？」
村上「そんな生温い問題じゃない、これは戦いだ」
金田「なにそれ、新しいウザキャラの方向か？おれ難しいことはわかんねーし、合同じゃないネタなら亘とやれし」
村上「…お前は知らないだろうが、すでに戦争は始まっている」
金田「…は？」
村上「もしかしたら敏感な奴ならば気付いているかもしれない…この異様な状況に」
金田「な、なんだよその真剣な表情は。まさか本当に日本が…」

村上「そう！第一次フルポン戦争は始まってしまったんだ！」

金田「おれ、かえる」

その頃の亘。


川島「暴笑しッドツアター！
…ん、なにかちがうな、どこだろう、わかんないまあいいか」
亘「それ、“ばく”が暴力の暴になってる」
川島「はーん？…ん？なにがちがうん？」
亘「色々だな」
川島「いろいろかあ…」
亘「色々だな…」

川島「ところでわたり、むらかみとなにかあったか？」
亘「！…まあまあ、いつも通だよ」
川島「でもなんかへんだ。なにかあればいえよ。おれ、じはかけないけどひとのはなしはきけるぞ。むずかしくなければ」
亘「うーん、そうだな。強いて言えば、村上はウザすぎて、俺はその逆ってことかな」
川島「………。じぶんはまったくうざくないってことをいいたいなら、それってじゅうぶんうざいぞ、わたり」
亘「そーゆーことじゃなくて…」

川島「ということで、わたりとむらかみはせんそうをしている！これはじゅうだいなじじつだな…」
金田「なあなあ、上辺だけ調べて得たキャラ付けはいいけどさ、読みずれーし！」
川島「かなだにいたっては、ごびが“し”ならとりあえずそれっぽいだろっていうあんいな>>1にぜつぼうした！」

金田「とにかく、あいつらどうにかしないとだし」
川島「ピラメキーノやらレッシアやら、一緒なことが多い俺達にはこのままじゃ気苦労が絶えないよ」
金田「楽屋の雰囲気も最悪だもんな〜まじあいつらいいかげんにしろし！」
川島「あ、結局金田のキャラ付けは残すことになったのね」
金田「だって他に特徴わからないし〜」

とりあえず別々に呼び出して話をしよう作戦。

川島「いいか金田三等兵、話はじっくり聞くんだぞ」
金田「イエス！サー」
川島「慎重に、慎重にな。真の目的を悟られてはならん。こちらがスパイとばれたらやられるかもしれん。覚悟はしておけ」
金田「い…イエス、サー！」
川島「声が小さい！」
金田「イエス！サー！」


見ていた少年少女

「あいつらまたソルジャー漫才始めたのかなあ？」
「売れすぎて迷走してるんじゃない？そんなことよりＯＬクイズ〜！」
「待ってましたＯＬクイズ〜！」


というわけで、川島は村上を、金田は亘を呼び出したのだ！
いざ作戦開始！

川島「で、なんで仲悪くなったんだ？」
村上「直球だな！作戦とかなんとか言ってたわりには！」
川島「あ、聞こえてた？あれはただ懐かしくてやってみただけ」
村上「ソルジャー漫才か…。亘はホンモノだったんだし、俺らでもできそ…
…ハッ！しらん！亘なんかしらん！ふん！」
川島「もー、どうしたんだよ。いつものウザかみらしくないぞ」
村上「なんだウザかみって！まさか陰で俺そんな呼ばれかたしてんじゃあるまいな！？
ていうかそもそも何故この組み合わせだ。逆だろお前が亘担当じゃないのか」
亘「なんだよ、じゃないほうはじゃないほう同士地味にやってろってか」
村上「………。そういうわけじゃ」

金田「とりあえずこのアンケートにまとめろし」
亘「は？えーと…
�@村上と組んだキッカケは？
�Aその時点で彼のウザさには気が付いていましたか？
�Bウザいことを知った上でどうしようと思いましたか？
�C村上と今後…
って、なんだこれ」
金田「おまえらの細かいことはわからん。コンビ間は色々あるし。ただ、こーやって冷静なって整理して考えてみろってこと！」
亘「俺は、冷静な、つもりだ」
金田「でも結果こんなじゃん。
…知ってるかもだけど、俺だって、川島となんもないわけじゃねーよ。売れ方とか…、色々、いまアレだし。川島は年上だし、勉強はあれだけど頼れるとこも、まあある」
亘「…コンビ内の格差たって、そもそもはんにゃと俺ら自体の認知度がが違うだろ…」
金田「だからさ、そういうの関係なく。売れる売れないじゃなく。人気とかじゃなく。
いつも、一応…俺はさ、川島のことさ、」

地味だとか、じゃないほうとか、別にそんなに気にしてたわけじゃない。
俺にはそういうのなんか似合うって思ったし、面倒なことも少なくて済む。
仕事に熱意がないわけじゃない。コントは一生懸命演じるし。
でもそれだって、村上の演じる人物を引き立たせる役だ。
でも不満なんかない。村上の書くネタは面白いし。
村上だって「お前は隣で笑ってろ」って言ってた。



金田「まあさ、仕事熱心だとは思う」
亘「うん」
金田「だけど村上はそこを脱したいんじゃないんかな」
亘「うん？」
金田「亘にとっては仕事相手だろ、村上」
亘「まあまあ…まあ、言い方をあれすりゃあね」
金田「でも、そんだけじゃねーくて…」

『そんなだから“じゃないほう”とか言われるんだよ』

確かにあの言葉はよくなかった。舞台上でのおふざけならともかく。
でも言いたいことはそこじゃあなかったのに。


川島「たしかにムカつくとは思う。金田にそれ楽屋でマジな顔で言われたら解散考えるな俺なら。むしろ俺が解散迫られてんのかも？と思う」
村上「そ…だよなあ」
川島「でも亘は違う。いってもお前だってそんなに目立ってるわけじゃないし。亘はそんなんじゃ怒らない」
村上「じゃ、なんで」
川島「お前うざいもの」
村上「失敬な！
って結局俺のせいかよ！」
川島「だから…お前のウザさに、多分今更驚いたんだろうな、亘は」
村上「さっきからウザいウザいってなあ、」
川島「戸惑ったんだよ、亘は。相方に…お前に」

後日。いつもの楽屋。二人きり。


俺はなるべく静かに、音を立てないようにドアを開けた。
川島の話が頭をぐるぐる回っている。川島はなにか納得したようだったけれど、結局結論は出ていない。

村上「………」
亘「おはよう、村上」

扉の向こうには、思いもしない光景があった。

村上「……え」
亘「がんばろうな、今日も」
村上「………」

夢でも見ているのか。亘はなんのこともないように着替えをしている。
半開きのドアの前にぼーっとしている俺に向かって、話しかけてくる亘。

亘「そういや、昨日俺さ、家出るとき鍵閉め忘れててさ」
村上「………」
亘「バカだよな…、……、な、村上。ありがとう」

村上「え…？」
亘「無視、してもいい。いや、してくれ。俺もしたし。でもありがとう、ごめんな」

なんだよそれ。

村上「無視とか…できるわけないだろ…！」
亘「わ！」

ぐいっと腕をひっぱると、亘が一瞬おびえたように目をつむった。殴られるとでも思ったのだろうか。

村上「…っのねー、俺は亘にそんなことしないって」

殴るのも、無視も、絶対しない。だって、亘は俺の大事な、

亘「だよな。そうだ。俺が、悪かったんだ」
村上「…そうばかりとはいわないけど」

たしかに亘が悪い！けどそんなふうに言われると、こっちが子供な気がしてくる。

村上「てか、ありがとう、って、」
亘「俺は村上は相方だと思ってた。相方って、仕事を一緒にする人で、でも他の同業者とも違って…絶対に離れられない」
村上「………」
亘「って俺は思って、るんだよ。お前と別れてやってく道なんてない、って」

当然のことなのに、あんな状態が続いた後だからか、俺はうっかり感動してしまった。

亘「だから、普段はあんまり関わんないほうがいいかもってどっかで思ってた。内面なんて、知ってこじれるなら知らないほうがいいってどこかで思ってた、多分。
プライベートでもウザくても、そういうとも見ないようにしてたし」

俺がプライベートでもウザいのかどうかはともかくとして、亘がそんなふうに俺たちの関係を考えていたことは意外だった。
だって、いつも笑ってたじゃないか。俺の隣で。

村上「でもお前、他の人ともそんなにしゃべんないじゃん…」
亘「それはただの性格だよ。…でも、それをお前に指摘されたから、」

『俺はお前の中の深い部分を見ないようにしてるのに、お前は人の人格否定してくんのかよ』
そう思ったってことか。

亘「それに、お前にあんなこと言われると思わなかった」
村上「それは…ッ、ほんとう、だから違うんだって！」
亘「でもそれがそのとおりだから何も言えなかったんだよ！」

亘「俺は“村上じゃないほう”だって思った。深く関わるの拒否して、お前が俺のこと想って言ったことも聞かないようにして」

亘が下を向く。

亘「あのさ、ありがとうっての。あれ、俺のこと想っていろいろ言ってくれてありがとうってこと」
村上「亘…」
亘「俺は相方としてしか考えなかったけど、村上は俺って人間と向き合って考えてくれたんだって。それで」
村上「そ、そんな立派な理由じゃねーよ…ただ無視されてちょっとムキになっただけで」

川島が言っていた、亘が戸惑ったんじゃないかっていうのは、俺がぐいぐい内面まで侵入してきたこと、なのかもしれない。
でも俺はハートフルな人間だ。誰にだって、全力でぶつかってしまうんだ。

特に、大事な相方には。

亘「て、こと」

言い終わった亘の顔をじっと覗き込む。久しぶりに目が合った。

村上「ん！よし！」
亘「なんだよ」
村上「いや、戦争、おわり！」
亘「せんそうー？」
村上「んで、グイグイ可侵条約を締結する！」

亘「なんだそれ、」
村上「条約その１、無視は厳禁！」
亘「…それは悪かったって」

両手で大きくばってんを作った俺をばつのわるそうな顔で見ていた亘だが、ふいに、いたずらっこの表情に変わった。

亘「な、歯磨き粉ってどんな味？」
村上「！」
亘「マジで飲むと思わなかった〜。な、どんな味？」
村上「ううう…」

主導権を盗られてしまった。

村上「じょ、条約その２、歯磨き粉の話題は禁止！」



かくして第一次フルポン戦争は、両者の無条件降伏で終わったのだった。

坂口「ってことだったんだって」
阿部「ふーんなにそれＯＬクイズよりもバカバカしい」
坂口「なかなか辛らつ！」
阿部「わたしたちは仲良しですよね。だからけんかもしないし」
坂口「まあね！」
阿部「……ね」
坂口「なになに、なんか含みがないー？」
阿部「ない」
坂口「…そっか。じゃあＯＬクイズー！」






┼ヽ　 -|r‐､.　ﾚ　|
ｄ⌒)　./|　_ﾉ　 __ﾉ

乙！

なんだか甘酸っぱい気持ちになったｗ
村上は可愛くて大人な亘に主導権を握られておけばいいと思う

なんか感動したwwwww
イケメン村上はいつも亘に尻に敷かれてるといいよ！
次回作も期待してます（はぁと）

乙彼さまです！ つ亘ﾄﾞｿﾞｰ

すごー！なんかくすぐったかったｗｗ
村上可愛いなｗ
面白かったよー！
あと少年少女出してくれて有難うｗｗ

>>193-195
読んでくれてドエもーん！

検閲を厳しくしたらあんまり険悪にならなかった
あと死者を出さずに済んだ

少年少女はクイズ出す→坂口さん、ボイン？→阿部ちゃん
といううろおぼえなので言動おかしかったらｽﾏｿ
二人とも結構かわいいよな



ところでスクールデイズメンバー(しずるはんにゃフルポン)でスクールデイズ(リアルNice boat.)のパロディとかできねーかなと思っている
元が元なので嫌いな人もいるかもですが…もしおkなら配役とか考えてくれまいか
誠は村上でも亘でもいい

ほしゅっ

スクールデイズのパロいいねー！面白そう！
だけど配役が思いつかないorz
でも誰がどの役でもなんかしっくりきそうな感じがするwwww　　　

>>198
誰が誰でもしっくり…！？まじすかｗ


とりあえず６人だからキャラは誠、言葉、世界、乙女、イカリング、レイパーかな
レイパーとか…いねぇ…ｗ




さてスクイズとは関係なしに

第六章『ハンニャバル・ワタリング』



※五章の続き。はんにゃはあまり関係ありません




例の俺誘拐事件の傷もどうにか癒えた頃、レッシア内でこんなに企画が打ち出された。

ウッチャン「シアターメンバーでＮ―１グランプリをします！」
村上「ﾅ､ﾅﾝﾀﾞｯﾃ-」

内村さんの言葉に、メンバーたちはざわざわとしだす。

柳原「まじー？」
ジャルジャル「そりゃあまた…」
金田「おっしゃあ、絶対優勝するし！」
坪倉「！お…俺らだって…」
狩野「僕イケメン！」

にわかに沸き立つ周囲に俺もそわそわしながら、隣の亘を見た。
すると亘は小さな身体をプルプル、いや、ぴるぴるといったほうがピッタリくるようなかんじに超小刻みに震えていた。

村上「亘…？」

少し心配になり、肩に背をそっと置く。すると亘の瞳がこちらに向いた。

村上「ん？」

真剣な表情。こんなのは滅多に見られない。
亘は、口許をぎゅっと引き締めて、肩に置かれた俺の手に自分の手を合わせた。そしてその手を、そのまま力強く握った。

村上「いツっ…」

俺の手の中指と薬指のやらかい骨が間がポキャっと鳴ったのも気にせず、亘は俺の目をしっかり見据えながら、大きく頷くような動作をした。
ああ、さっきの震えは、武者震いだったのか。
亘の言いたいことがわかり、少し微笑む。それから二人お揃いになるよう厳しい表情で頷いた。

優勝しよう！

瞳から、そして手の痛さから、亘の強い想いが伝わってきた。

村上「おう、もちろん！」

それから俺達は懸命に努力をした。本当に血が血で滲むような日々だった。
他の仕事もあるというのに睡眠時間を削り、きたるべき日に向かっての備えをたんたんとこなした。まるで胡麻坦々麺のようにたんたんと。

村上「亘、俺ネタ考えるから、おまえはもう寝ろよ…」

うつらうつら半目になっているのに、寝ないようにしようと必死で第五匍匐前進を続ける亘に俺は声を掛けた。
正直、睡眠打破にその体制は不利だと思う。

しかし亘は俺の声にハッとしたように顔を上げて(亘、おまえ匍匐前進しながら寝てただろ…)、目をかっぴらいてから、ブンブンと首を振った。

村上「亘…」

新章期待！

ほっほ

H O S H U ...保守ーーっ！！！

ほす

>>203-206
ありがたすぎやま！

ああパソコンってやつはどうしてこうも高いんだ誰かパソコンくれ98とかでもいいから





俺の気遣うような声を無視して、亘は今度は腹筋を始めた。眠気覚ましの為なのか、訓練のひとつなのからわからない。ただ、苦しくなるとむぐぐぐぐ、と唇を突き出す様がなんともカワユイ。
俺としてはぽよっとしたおなかもスキなんだけどな。
でも、亘が筋トレしているところを見てると、ハムスターがカラカラで回っているやつを思い出して微笑ましくなるので好きだ。

しかし、亘は今までにないほど燃えている。仕事熱心だけれどそれ以上のことを望んだりはしなかった亘には珍しいことだ。

これは、俺もがんばらなくては！

そして俺たちの特訓の日々は続いた…。

ウッチャン「それでは第一回Ｎ−１グランプリ優勝者を発表します」

どきどきどきどきどき。

俺たちはこの数週間出来るだけのことはしてきた。
コント、漫才、バラエティー、朝飯、昼飯、夕飯、腹筋、背筋、腕立て伏せ。苦手なトライアスロンにもチャレンジした。

亘と俺、ふたり。最高のコンビだよな！

隣で険しい表情をしている亘に目で訴えかけると、亘はこくんと頷いた。そして俺の背中をぽんと叩いた。

村上「…はは、」

安心しろってかんじの優しい手。俺ばっか緊張しているみたいだ。

ウッチャン「優勝は──…」

ウッチャン「狩野！おめでとう！」
狩野「僕イケメーン！！！」

村上「えっ───」

ザワザワザワ。

喜び涙を流す狩野と、それを優しく見守る内村さん。
視界の端には悔しがってハンカチを噛むしずるの村上さんや、悔しさのあまりブレイクダンスをしているロッチのロン毛眼鏡のほうの人が見える。
あとの人は狩野に「おめでとう」と言ったり、あとはやっぱり悔しがったりしている。

でも俺はそれに混じる気にならなかった。

村上「ちょっと待ってください！」

金田「なんだよ村上〜」
ジャルジャル「どないしたん？そない必死な形相で」

内村「どうした？」
村上「なぜ狩野なんです！？どうして！」
内村「どうして、って…」

村上「だって…だって奴はピンじゃないですか！そもそも出場資格さえないのに…っ」

内村「え？」
みんな「は？」
狩野「僕イケメーン！？」




関西弁とか意味わからないに決まっている
すみません

柳原「えっなに言ってんの？意味わかんない〜」
川島「村上、どうしたんだ？」
村上「えっ、だって…だって」
突然みんなに白い目を向けられ、俺は焦った。

谷田部「ピンだからって差別するなんて…村上くんらしくないよ」
金田「つーかそもそもピンでの選考だしー」


狩野「ぼ、ぼく…僕イケメーン…」
ジャルジャル「ほれみぃ、狩野が泣いてしまったやないか！」
村上純「先生！村上が狩野を泣かせましたぁ！」
柳原「い〜けないんだ、いけないんだ〜」
村上「うっ…」

なんなんだこの空気。俺は当たり前のことを言っただけなのに。

村上「だ、だって…Ｎ(なかよし)―１グランプリなのに、ピン芸人が優勝なんておかしいじゃないかよ！」
内村「はい？」

村上「だから、コンビの仲良し度を競うものじゃ…」

杉山「なに言ってんだオマエ？」
ロッチ「…根本的に間違ってるぜ！」
金田「呆れるしー」

村上「え…、え…？」

内村「Ｎー１のＮは、ナルシストのＮだぞ」
村上「えええぇぇえええ」

狩野ｗｗ

レッシア見てましたごめんなさい




俺は仰天した。
だって今までずっと亘と二人で頑張ってきたのに…。

村上「そうだ！亘！亘は…」

ぐりんと振り向くと、俺の真後ろに亘はちんまりといた。

村上「亘…」

助けを求めるように呟くが、亘は俺をじっと見つめるだけだ。
それにしても、きらきらした少年のような瞳をしてやがる！

村上「だって、亘だって…」

言いかけた俺の口を、亘の左手が塞いだ。亘のほうを見れば、悟っているような目をしている。

村上「知ってたのか…」

仲良しー１グランプリじゃないことを…。

村上「でも、あんなに必死で特訓して、一緒に…」
ウッチャン「ていうか亘はエントリーしてないよ」
村上「え…」

金田「ナルシストー１だから、そもそも参加してんの亘じゃなくお前だけだしー」
池田「俺は不参加」
柳原「私は一応〜？出たけどぉ…」

村上「それじゃ…亘はなんであんなにに頑張って…」

絶対優勝しようと誓った瞳は嘘じゃなかった。だったらなんで。

村上「俺の…ため…」

俺を優勝させるために、あんなに必死になっていたっていうのかよ。

眠いのも我慢して、筋トレや、普段はしないネタ作りまで…慣れないハイヒールを履いて踊り狂ったり、街頭で世界平和を叫んだり、
それもこれも全て俺を優勝させるため…！

村上「亘っ！！」
杉山「どぅへぇ？」

亘を抱きしめようとしたら、サッと避けられて、後ろにいた杉山さんに抱き着いてしまった。亘の奴…。
ああでもこの暖かさと安定感、クセになりそう。

杉山「放せ！」
村上「ギャヒン！」
杉山「なんなんだよったくよー」
坪倉「うちのジャイアンにナニするんだよ」
谷田部「そーだそーだ」

いつまでも抱き着いている俺を我が家の二人が剥がしにかかる。
亘も俺の服の裾を容赦なく思い切り引っ張った。びろーん。
もとはといえば亘が避けたせいなのに。

村上「でも…ありがとな、亘」

亘がにっこりと笑った。それから少し悔しそうな顔。
惜しかったな、でも頑張ったよな。そういうことかな。


しかしやはり悔しかったのか、亘は第二匍匐前進で狩野に突撃して行った。

ドカッ

狩野「僕イケメぇぇンっ！」
村上「コラッ亘っ、めっ！」

俺が掌をくねらせて制すると、亘はムッと下を向いてこちらに戻ってきた。

村上「あーあ…Ｃ(カワユイ)ー１グランプリがあればダントツで亘の優勝なのにな…」
村上純「それこそ、今度こそ俺の優勝だ！ねっ、池田」
池田「どうでもいい」
村上「なに言ってんすか気色悪い」
柳原「ちょっと、女の子の存在忘れないでくれる？」
村上「図々しい！レイコのが綺麗だわよっ！」
内村「うちの娘の優勝だろ」
村上「メンバーじゃないですし！」


ディレクター「ていうか、そのくだり全部カットで」









終

うおー！待ってましたー！！
乙�dです！
あー、村上の勘違いっぷりｗｗ
亘も優しいｗ
そして狩野ワロスｗｗｗ

親バカウッチャンｗも出てきて
タイムリーで良かったです！

スクイズ暫定

誠→村上
言葉→亘
世界→金田
イカリング→池田
乙女→川島
泰介→村上純

なんか後半がしっくりこない



誠→亘の場合

言葉→村上
世界→村上純
イカリング→川島
乙女→池田
泰介→金田

うーむ…

乙！
おもしろかったwwww
みんな良いキャラしてるなあ

まとめられてるジャルジャルﾜﾛﾀ

ウッチャンおめでと

ロッチも

ぬ

私も亘が大好き。
ほのかに漂う色気がたまらん(*´д｀*)
>>1さん頑張って下さい！

面白かったです

あげ

あげ

次回作待ち保守

ところどころワロタ

保守や感想くれた方々ありがとう！つ村上
ロッチのけんたろうは覚えた！ジャルジャルの筋肉も覚えた！




第七章 すくーるでいず



村上「ふー、今日もいい天気だ。空の写真でも撮ろうかね」

パシャパシャ

村上「フフッさすが高いカメラは違う…ん？」

パシャ、

亘『えっほっえっほ！』

村上「あれは…確か隣のクラスの…。あんなところで一体何をやってるんだろう」

パシャパシャ

亘『第四匍匐前進！』
村上「！」



その瞬間、俺の人生は変わった。あいつとコンビを組みたい！そう思った。

それが悲劇の始まりだとは知らずに…。





※みんな学生で同じ年
だけどしずるには敬語
ゲイ表現はありません！
残酷表現は…わかりません
でも多分誰も死なない、かな

スクイズｗｗ

新作待ってたよ！

元ネタよく知らないけど待ってました！

待ってましたー！

age

村上「フンフンフーン♪」

休み時間の教室。
俺は現像したあいつの写真を眺めながら鼻唄を歌っていた。

金田「おっご機嫌だな、どうしたんだしー」

隣の席の金田は、明るくてイイヤツだ。
金田は俺をわりと気に入っているようで、なにかと話かけてくる。

村上「なんでもない」
金田「はぁ？隠し事かよ〜。…あっ、なんだその写真」
村上「ばっ…ちょっ、返せ！」

金田「……！」

村上「か…かえせよぉ…」

見られてしまった。俺はショックを受けた。
恥ずかしさもあったが、それとは別に、俺はおまじないをかけていたのだ。

『この写真を持ち歩いて一週間誰にも見られなければ、あいつとコンビになれる』

金田「これ…隣のクラスの…」
村上「う…あのな、その…」
金田「なんで…」

金田の視線が痛い。
あいつとは喋ったこともない。俺を知っているのかもわからない。そもそもこれは隠し撮り写真だ。
…なんてことを言ったら、ドン引きだろうなぁ。

金田「お前…、」
村上「あのな！俺こいつとコンビ組みたくて！」

何か言われる前に正直に言ってしまおう。そう思った。

村上「それで…」
金田「写真を眺めてニヤニヤか？」
村上「…そうだよ」
金田「話したこととかあるのか？」
村上「…ねえ」
金田「………」

俺は金田の言葉を待った。
「お前それストーカーだしー！」「なんだそれ気持ちわりぃ！」
そんなことを言われるかもしれない…。俺は下を向いて目を閉じた。
だが。

金田「おっし、俺が協力してやるし」
村上「はっ？」
金田「隣のクラスなら、知り合いもいるし」
村上「お…おう…」
金田「そもそも、名前とか知ってるん？」
村上「知らない…」
金田「亘ってんだよ。俺合同体育とかでちょっと話したことあるし」
村上「わたり…」

わたりっていうのかあいつ。そうかあ。…そうかあ〜。

金田「まあ俺に任せとけし！」
村上「お、おう…」

俺はイイ友達を持ったなあー。
そのときはそんなことを思っていた。

※この学校では芸人になるのが普通のことなんだと思ってください



俺が金田への友情と感謝を感じていると、いつもの、もじゃもじゃした特徴的な髪型の人がやってきた。

池田「おーい金田、宿題やったか？」
金田「池田さんまたやってないんすか〜」
池田「おう。見せてくれ」
金田「…て、あっ俺も忘れた！村上見せろし！」
村上「なんだよなんだよしょうがねぇなあーこの秀才様がみ」
金田「ありがとしー！ハイ池田さん」
池田「サンキュー金田」

俺のノートは瞬く間に奪われた。

＊＊＊

池田「お前、村上と仲良いよな」
金田「いやいや、そんな…まあ。へへ」
池田「あやしいなー、卒業したらコンビ組むつもりとか？」
金田「…そんなことないです」
池田「？どうしたんだよ暗い顔して」
金田「…いえ、なんでも」


金田「村上………」

もしやこの展開は金田が・・・
続きが楽しみになってきた！待ってます

>>241
金田もだけどむしろ川島がひどい奴になってしまうかも
はんにゃ好きな人スマソ

朝、教室に入るなり、おはようも言わないまま、

金田「やったし、村上！」

金田がそう言って持ってきてくれたのは、俺にとってのまぎれもない朗報だった。

金田「亘と今日、昼飯食う約束したんだよ！」
村上「マジか！？」
金田「だからお前も来いよな！」
村上「えっ…でもいきなりそんな」
金田「なに恥ずかしがってんだし！乙女かお前は」
村上「う…おう…。でも、俺が来ても亘変に思わないか？」
金田「友達呼ぶって言っといたから平気だし！」

とにかくがんばれよなー！と背中を叩く金田の行動力に感心しつつ、俺は期待と不安でいっぱいの午前を過ごした。

亘と喋れる…。

俺は隠し撮りした亘の匍匐前進姿の写真の端をギュッと握った。

昼休みの屋上。俺は緊張した面持ちで亘が現れるのを待っていた。すると。

金田「おっ、亘、こっちこっち〜！」

ぶんぶんと金田が手を振る。
その先には、両手に弁当を抱えた小さな姿。

村上「わ、わたり…っ！」
亘「え、」

俺は思わず叫んでしまった。亘が驚いたように固まる。

金田「なに先走ってんだし。ホラ亘ビビってんじゃん！」
村上「え、あ…」
金田「亘、こいつが村上！言ってた、オモシロイ奴」
亘「あ、うん…」

控えめに笑って頷く亘が超絶かわゆい。それにしても、

村上「金田、お前そんなふうに俺を…」
金田「ま、ウザイけど！」
村上「………」
亘「ははは、」
村上「？」
金田「亘、どうしたし？」
亘「二人って仲良いんだなと思って」
村上「まあ…まあな。席も隣で…」
金田「そんなことないし！」
村上「？なんだよ金田」

金田は眉間にシワを寄せながら、亘に聞こえないようヒソヒソ話をしてきた。

金田『お前はこれから亘と仲良くしなきゃなんだから、俺とはいいんだよっ』
村上『イヤでも別に否定する必要はないだろ』
金田『亘に誤解されたら困るだろっ』
村上『そんな、別に…』

友達だってぐらい…。そう言いかけたら、亘がきょとんとした瞳できいてきた。

亘「どうしたの二人とも」
金田「なんでもないしー」
村上「お、おお。昼飯食おう！」



村上「そういやお前いつも池田さんとかと昼飯食ってるけど、いいのか？」
金田「言ってあるから平気だしー。村上は…いつも純さんとかとだっけ？」
村上「ああ、なんとなくなー。一緒なときもあるし、そうじゃないときも」

なんか流れでそうなっているだけなので、今日も特に断ったりしていない。
あっちも別に気にしていないだろうと思う。

金田「亘は自分のクラスの友達とかいいの？」

金田がきくと、亘は少し間を置いて答えた。

亘「あ…、うん…」
村上「亘のクラスなら…たしか川島とかいたよなー」
亘「！」
村上「？どうかしたか」
亘「ううん…」

亘の顔が一瞬強張った気がしたけれど、次の瞬間には戻っていた。

そんなこんなで、俺は亘と、金田も交えて時々昼飯を食う仲になれた。

亘は予想以上に面白くて、近くで見るとなおかわゆくて、
俺は絶対に相方になるんだと心に決めていた。


＊＊＊

池田「最近昼飯んとき、いないよな。どこ行ってんだ？」
金田「あ、ちょっと屋上で…」
池田「そういや村上も屋上に…あ、そういうことか」
金田「え、」
池田「おまえらとうとうコンビ組むことになったんだろ？そんで…」
金田「いや、ホント違うんす」
池田「別に隠さなくてもいいって」
金田「………」

＊＊＊

授業中、金田が真剣な顔で言ってきた。

金田「なあ、もう二人で食えよ」
村上「え？」
金田「亘とも十分慣れただろ？もう俺いなくても大丈夫だし」
村上「でも今３人だからいい感じだろ？お前が抜けたら…」
金田「いつまでもお前らに付き合ってらんないし。池田さんたちとの付き合いもあるから」
村上「そっ、そうだよな…悪い」

少し金田に甘えすぎていたのかもしれない。

とりあえずグダグダなまま続きます

しずる村上はまぎらわしいので「純さん」の呼び名で統一します
村上は「村上」で

wktk

頑張れフルポン

ピラメイタ！

スクイズ知らんからこの先どうなるのか楽しみだ

>>248-251
つ村上(春樹)

スクイズは簡単にいうと主人公がモテたり死んだりする話です
主人公はこの話でいう村上ですが村上が死ぬかどうかは未定

いつもの昼休みの屋上。
だが俺は少し緊張していた。

亘「あ、村上…！あれ金田は？」
村上「ああ、なんかさ、あいつもクラスの付き合いがあるからさ、これからはあんま来なくなるかも」
亘「そ、そうなんだ…」

少し下を向いた亘に、俺は思わず尋ねてしまった。

村上「…嫌か？」
亘「え？」
村上「その…金田は明るい奴だしさ、俺と二人じゃつまんないとか」

実際いつも金田が話を盛り上げてくれて成り立っていたようなものだ。
しかし亘は驚くくらい大きな声で否定した。

亘「そんなことねーよ！」
村上「な、ならいいけど…」
亘「つまんないとか、絶対ない…」

呟く亘に思わず笑顔になる。なんだか勇気が出てきた。

村上「あのさ、もともと、俺が頼んだんだ…金田に」
亘「え？」

村上「亘と話してみたかった」
亘「え……」
村上「校庭で匍匐前進してる姿見てから、ずっと気になってた。それで、喋って、確信した」

村上「俺とコンビ組んでくれないか」

一口にそう言い切った。屋上の風が学生服の裾を揺らす。
亘の口がイエスと動いたら…

亘「うん…」

俺は思わずガッツポーズをしてしまうだろう。



＊＊＊

金田「池田さん、」
池田「あれ、今日は村上と一緒じゃないのか？」
金田「だからあれは違って…」
池田「俺らに気を遣うなよ〜。相方が見つかったならイイコトじゃん。屋上行って来いって」
金田「………」

村上「じゃあまた…放課後な」
亘「お、おう！」

ひかえめに笑って手を振る亘が隣の教室に入って行くのを見つめながら、俺は自分のクラスへ戻った。


一方亘のクラス。

亘「〜♪」
川島「おい、亘」
亘「！か、川島…」
川島「いま村上と一緒だったよな？なんでだよ」
亘「な、なんでって…別に…その」
川島「なにボソボソ言ってんだよ、聞こえねーよ！」
亘「だから、その、昼飯を…」
川島「まあどうでもいいけど…あんまり近付くなよなっ」
亘「………」






川島はいつもの川島でなく
スタンドバイミーのいじめっこ川島だとでも思ってください

そうじゃないとあまりにもひどすぎる

乙
続き待ってる

教室に戻るなり俺は自分の席に着いて、隣の金田に話しかけた。

村上「なあなあなあ！」
金田「なんだし、いつにも増してうざいし」
村上「ヘッ、言っとけ。今の俺にはどんな罵倒も通用しない！なんたって超可愛い相方ができたからなっ！」
金田「……え」
村上「いや〜お前のおかげだよマジで！まあ一番は俺がイケメンで賢くて面白いからだけど」
金田「そ、そうか〜。よかったしマジで〜！」
村上「ホントありがとな！」
金田「や、うん、よかったなほんと」

やったやった！と金田の背中をバシバシ叩いていると、池田さんが何か意味ありげな視線を送ってきた。
なんだかわからないがとにかく機嫌がよかったので、金田の肩に手を掛け、ピースサインで答えた。

そのときの俺は亘のことで頭がいっぱいで、金田の表情が曇っていることになど気付くはずもなかった。

中途半端だけど続きます

まだ序盤の序盤だなんて…おそるべしスクイズ

wktk!!!

フルポン以外病んでるww
更新頑張って

＞池田さんが何か意味ありげな視線を送ってきた
レッドシアターPLAYBOYの時の池田が脳裏に浮かんで困る

期待

>>259-262
つ村上(龍)

なるたけ早く完結できるようがんばります

放課後、俺は廊下で亘のクラスが終わるのを待っていた。

しばらく本など読んで時間を潰していると、ガラガラとドアが開いて生徒たちが出てきた。
その中から俺は亘を探す。

川島「あ、村上じゃん。なにしてんの？」
村上「おっ川島、久しぶり」
川島「隣のクラスで久しぶりもなにもないでしょ〜」

川島は同じ中学だったので顔なじみだ。
中学ではそこそこ仲のいいほうだったが、高校でクラスが違ってからは疎遠になっていた。

村上「な、川島さ、亘って知ってる？」
川島「え？」
村上「知ってるもなにもないか、同じクラスだもんな」
川島「うん、まあ…」

少し怪訝な表情の川島。どうしたのだろうか。
と、ふいに視界の端に亘が見えた。

村上「あ、悪ぃ俺用事あって、またな！」
川島「あ、うん…」

半分隠れるようにして不安げにこちらを見つめている亘のほうへ俺は足を急がせた。

教室のドアから半分覗いている亘に声をかける。

村上「よ、昼休みぶり！」
亘「あ…うん、だな」

どうしたのだろう。昼休みよりもおどおどしている。

村上「亘…俺のこと実はキライ？」
亘「えっ」
村上「だからクラスの奴らに俺といるの見られたくないとか、」

そう言うと亘は顔と腕とを思い切りぶんぶん振るった。

亘「そんなことない！絶対ない！」
村上「ほ、ほんとに？」
亘「そんな…嫌いな奴と…コンビとか、組まない、し…」

ちょっと人見知りなんだ、と亘は小さな声で言った。
亘の表情が必死だったので、俺は信じておくことにした。

村上「で、さ…俺実はネタとか考えてあって」
亘「えっそれって漫才とかの！？」
村上「や、コントだけど…」

亘と出会ってから触発されてアイデアが浮かんだ、ということは、
ちょっぴり気持ち悪いかもしれないから言わないほうがいいだろう。

亘「そうなんだ…スゲー。俺なんか、そんなの考えたことない」
村上「や、俺ぜんぜん考えるしさ、大丈夫！」
亘「うん…」

感心したような亘に気を良くしつつ、俺は相方ができたらぜひやってみたかったことを言ってみた。

村上「そんで…その考えたコントをやりたいんだけど」
亘「…え…」

亘「それ、いま…？」
村上「ああ。…駄目かな？」

覗き込むようにしながら尋ねると、亘は戸惑ったように下を向いた。

村上「今日はなんか用事がある、とか？」
亘「いや、そうじゃないけど…」

けど、なんだろう。
俺は亘の言葉を待った。

亘「…なんか、まだ、そういうのは、」
村上「え…」
亘「その…ゴメン」

何故なのか、と俺はきけなかった。亘が視線をそらしてしまったからだ。
とてもきけるような雰囲気ではなかった。

亘「あ…今日は帰る、よ。また明日…」
村上「ああ。気をつけて」

様子を窺うように言った亘に、作り笑顔で答える。


そうだ、人見知りだと言っていたし、一応コンビになると宣言したからといってまだ俺に慣れていないのかも。
きっとそのうちもっとお互いを知って、そしたらコントも…。


ようし頑張るぞ、と俺は夕日に誓った。

レッシア始まるのでこのへんで！毎日全然進まないとかムリぃ〜

乙たまげー！
期待してますnice boat.

乙！
続き気になる

ところでどうしていつも村上しかくれないのかw
しかも最近は健志ですらないなwww

今日のレッシアは亘活躍してたねww
続き期待してます！

>>269-271
つ村上(水軍)

亘は村上のものなんで渡せないんだ
ごめんなさい

コンバットかわいいよコンバット

金田「おっす」
村上「おお、はよっ」

にこにこ気分で挨拶を返すと、金田がからかうように言ってきた。

金田「なんだよ、機嫌いいじゃん。亘とうまくいってんのかー」
村上「うーん…まあ、すごくではないけど、まあ、まあな！」
金田「そっかー…」

ふーん、と頷く金田。本当にこいつには感謝だ。

村上「お前にはなんかお礼しなきゃだよなっ」
金田「や、別にいいしー！」
村上「いやいやそこは受け取っとけって。ほんと俺感謝してんだ」
金田「でも別に礼つったって…」
村上「お前のいうことひとつ聞く！なんでもさ」
金田「俺の言うことを…？」
村上「このイケメン村上に言ってごらんなさいて」
金田「なんでも…」

考えるようにする金田をにこやかに待つ。
しかしあんまりに待たされるので、まさかものすごく高額なものを要求してきたりしないだろうかなんて心配になってきた。

村上「あのさ、金田…」

おごりなら五千円以内のもので頼む、と言おうとした瞬間だった。

金田「ズクダンズンブングンゲームしてくれ」

村上「は？なにそれ」
金田「セッツ！」
村上「！？」


…そしてわけのわからないまま、俺はズクダンズン…ズン？ブン？ゲームに付き合わされたのだった。
ちなみに、勝った。

金田の意図はわからない。きいたこともないゲームだし、なんかコントっぽかった。

コント…？


でも、コントだとしても、なにも俺に相手を頼まなくても人気者の金田ならば、
いくらでも相方になりたいという奴はいるだろう。
だから、ただの気まぐれだ。俺はそう思うことにした。


亘「村上？」
村上「ん、ああっ！うーん、メロンソーダはうまいなぁ！」
亘「…なにか考えてた？」
村上「いや、なにも！」
亘「そ、か…」

まあまあ、俺には亘というカワユイ相方がいるんだ。余計なことを考えるのはよそう。

弁当をぱくぱく食べる亘に目を細めつつ、俺は昨日の話の続きをした。

村上「あのさ、昨日のことだけど、」
亘「あ…」
村上「俺たち、コンビになったんだし、それっぽいこととか…」
亘「………」

おそるおそる言うと、亘は俯きながら押し黙ってしまった。

村上「亘…？」
亘「その、」

亘が決心したように口を開いたので、俺は黙って聞くことにした。

亘「おれ…村上と組みたいって気持ちはあるけど、その…まだ芸人になりたい！って強く思ってるわけじゃなくて…
村上も匍匐してるとこ見たって言ってたけど、自衛官になりたいとも思って…る。でも、まだわかんない」
村上「………」
亘「でも！村上に誘われたことで芸人に気持ちが傾いてるし、だから…っ」

必死に説明する亘の肩に俺はぽんと両手を置いた。

村上「わかった。…あせらず、いこう」
亘「うん…ごめん」
村上「謝らなくてもいいって」
亘「うん、でも…」
村上「俺はイケメンなだけじゃなく、心まで広いんだからさっ」
亘「ふふ…」


そうはいったものの、もう亘のツッコミからリアクションまでリアルに想像してしまっていた俺は、
正直落胆の気持ちを隠せなかった。
そしてなぜか思い出すのは、金田とやったコントのような妙なゲームのことだった。

村純「な、村上ー」
村上「なんすか」

純さんとは高校でクラスが一緒になってから、同じ苗字ということもあって仲良くなった。

村純「昨日昼さ、屋上いたよな」
村上「あ、はい」
村純「もしかしてここ最近ずっと？」
村上「あー…まあ」

金田や亘と食うようになる前までは純さんたちと一緒のことが多かった。
別に俺のことなどそんなに気にしていないだろうと思って何も言わなかったが、もしかしてこのイケメン村上がいなくて淋しかったのかな？
しかし純さんが興味があるのはどうやら俺ではなさそうだった。

村純「なんかさ…隣にいたよな、あのさぁ、」

こういう奴、と純さんが手振りで亘の身長くらいの高さを表す。

村上「どんな表現してんすか…」
村純「まあまあ、とにかくいたよな？そいつと毎日一緒だったの？」
村上「まあ…」

毎日亘と二人きりではなく、最近まで金田もいてくれてたけれど。

村純「先輩…じゃないだろうから、同級生だよな。違うクラスかー」
村上「隣っすよ。見たことないですか？」
村純「や、初めて見た」

隣なんだからすれ違ったことくらいありそうなもんなのに、純さんはやけにはっきりと言い切った。

村純「なんで知り合ったんだ？中学の友達か？」
村上「いや、友達の友達で…」
なぜそんなことを尋ねてくるのか不審に思いつつ、俺は曖昧な答え方をした。

村純「ていうかさ、なんで二人でいんの毎日」
村上「…それは」

満面の笑みで「亘は俺の相方です！」と、昨日までの俺なら言ったかもしれない。
けれど、亘の迷いがあるうちはあまり言いふらさないほうがいいかも、と判断した。

村上「いつもは他の奴もいるんすけど…昨日はたまたま二人で。
ホラ亘ってかわいーでしょ。俺気に入ってるんすよ〜。俺もカワユイから、二人でいるとまるでお花畑！」

ぶりっ子ポーズをしながら言ったが、純さんはそれをスルーして呟いた。

村純「たしかに、かわいいな。亘っていうのか…」

村上(純)どうしたんだー？ｗ
wktk！！

>>278
どもども
やっと全員出せたぜ…



亘のクラスにて。

「誰か文化祭実行委員をやってくれる人いませんか〜？」
川島「はい！亘くんがやりたいそうでーす」
亘「え…」
川島「だよなっ？」
亘「ちが…っ」
「じゃあ亘くんお願いしますね」
亘「っ………」


＊＊＊


亘「あのさ、明日から放課後一緒にいれないんだ」
村上「え…」

亘の衝撃的な一言に俺は固まった。

村上「な、なんで！？」
亘「その…文化祭の実行委員になっちゃったんだ」
村上「文化祭…」

そういえばそんなのあったな、と思い出す。

村上「へー。亘ってそういうのよくやるの？偉いな〜俺なんかめんどくさがりだからなぁ」
亘「いや…」

亘の表情が少し曇る。

村上「？」
亘「あ…、やる人がいなかったからなっただけだよ」
村上「や、それでも偉いって。責任感強いんだなー」

村上「でもそれって一時間くらいだろ？そんくらいなら待ってるけど」
亘「でも…悪いよ」
村上「気にすんなって〜！」

バシッと背中を叩くと、亘は乾いた声でハハ、と笑った。
こういうノリ好きじゃないのかな？

亘といると、何かと考えることも多い。
まだお互いをあまり知らないというのもあるけど…。

でも初めて見たとき感じた「こいつとコンビを組む！」って気持ちを信じて、これから頑張っていくんだ！

村上「とにかく待ってる！」
亘「村上がいいなら…」

亘がやっと笑顔を見せてくれた。

村上「な、うちのクラスって何やんだっけ」
金田「なにが？」
村上「文化祭」

そう言うと、金田が信じられないという顔をした。

金田「おっまえなー…相方ができたからってそのことばっか考えてんなし！」
村上「そ、そんなんじゃねーよ」

実際そんなんだけど。

金田「喫茶店だよ普通の」
村上「ふーん」
金田「まあ個人でなんかやる奴もいるっぽいけど」
村上「そっか」

聞いておいてなんだが、わりとどうでもよかった。
むしろ亘のクラスが何をやるのか気になった。

金田「で、亘とはどうなん」
村上「…普通だよ」
金田「普通、て」
村上「だから普通だって」
金田「なんだよ。橋渡しした以上気になるじゃん！」

強く言われて、思わず本音が漏れた。

村上「…うまくいってはねーよ」
金田「え…」

金田の表情が揺らぐ。

村上「なんか、亘って、お前とかとは違うっつーか」
金田「どういう意味だし！ハハ」
村上「金田はラクだなー…」
金田「はぁ？なに言ってんだし」

村上「金田と組んでたらよかったのかもな」
金田「…ふ、ふざけんなよ」
村上「だよな。せっかく橋渡ししてくれたのにな、ごめん」
金田「や…そうじゃなくて…」
村上「ちょっと悩んでるだけだ。変なこと言って悪ぃな」
金田「………」


＊＊＊


池田「なあ、文化祭でさ、なんかやるのか？」
金田「え？」
池田「村上と。コンビなんだろ？」
金田「………」
池田「どうした？」
金田「池田さんこそ…純さんと何かやんないんすか」
池田「ばっ…！何言ってんだよ」
金田「だって前からずっと相方になってほしいって思ってたんでしょ？チャンスじゃないすか」
池田「俺はいいんだよ俺は」
金田「よくないっす！俺こう見えてコンビのキューピッドなんですよ。純さんに言ってきましょうか？」
池田「やめろ〜！」

進まないこと山の如し
明日 がんば る …

頑張れ〜！
楽しみにしてるよ〜！

>>284
つ村上(新潟県)



亘とは相変わらず、昼食を共にして、放課後は実行委員が終わるのを待って一緒に帰るという関係が続いている。
まだぎこちなさはあるものの、少しは仲良くなれているような…気もする。
そう思いたい。

しかし、亘の反応がこわくて、お笑いの話題に直接触れることはまだできなかった。



金田「あれ、村上なにしてんだ？」
村上「お、金田。お前こそどーした？」

放課後。
亘を待って自分の教室で課題をしていると、金田がやってきた。

金田「携帯忘れた」
村上「ふーん」

話題はやはり亘のことになった。

金田「こないださ、うまくいってねーつってたけど、」
村上「ああ…」
金田「俺でよかったら相談とか乗るし」

そう言われて悩んでいた俺はつい金田に頼ってしまった。


金田「…そっか、亘、迷ってんだ」
村上「急ぐわけじゃないけど、やっぱコントとかやってみたいし」
金田「でも亘に強要はしたくない？」
村上「………」
金田「ならさ、」

金田が息を吸い込むようにして一瞬止まる。

金田「なら、俺とやってみる？」
村上「え？」
金田「亘とやる前の練習で…」村上「あ、えっと、」
金田「…わり、変なこと言った」
村上「いや、その…」

金田のいつになく真剣な表情。
それに前にやった、コントのようなゲーム。

結局決め手は好奇心だったけれど、俺は金田の誘いを受けてしまった。

村上「あのさ、亘…言いにくいんだけど」
亘「なに？」

あれから──金田とは練習と称して何度かコントっぽいことをやった。
金田や俺が個人で考えていたネタや、二人で話し合ってアイデアを出したネタもやった。

村上「放課後さ、早めに帰らなくちゃならなくなって…」
亘「あ、そうなんだ…じゃあしょうがないな」

残念そうな亘の顔に少し良心は痛むが、今俺の中は金田とのコントのことでいっぱいだった。
村上「悪いな」
亘「いや、もともとこっちが悪かったんだって！」
村上「そういや、亘のクラスは何やるんだ？」

そう言うと亘は少し黙った。

亘「クラスで聞いてもなかなか意見が出なくて…」
村上「大変なんだな」

空返事のような返しをしてしまった。


俺はそのときまさか亘がクラスでいじめに遭っているなんて思いもしなかった。

今日は亘が昼休みも実行委員があるというので、俺は久しぶりに教室で昼食をとることにした。

村上「…？池田さん、金田と一緒じゃないんすか？」
池田「は？金田はいつもお前と屋上だろ。あれ、今日は違うのか？」

だってコンビなんだろ、という声を背に、俺は走った。
金田…。

村上「金田！」
金田「村上…なんでここに…」
村上「お前、なんで、一人で…」

校舎裏のベンチ。
ただの勘だった。ただ前に金田とコントしたことがあったから──…。

金田「池田さんさ、なんか勘違いしてんだ、俺の相方は村上だとか。違うって言ってもわかってもらえなくて」
村上「お前それでずっと…」
金田「村上の相方は亘なのにさ。だからお前は知らないほうがよかったのにな。気ィ遣うだろ？
なのにな、あーあバレちまった」

村上「金田！」

俺は思わず金田の手を取った。

村上「俺はもう、お前の相方だよ…」
金田「え…」



多分、もっとずっと前から、俺は道を踏み外していた。金田と初めてネタをやったときから…いや、もっと前から？

でも、いま、確実に、俺は亘を裏切った。





その頃の亘。


亘「文化祭の係を決めたいんですが…」
川島「そんなんお前が全部やれよー。どうせ当日も暇だろ？」
亘「そんなこと…」
川島「一緒に回る友達だっていないくせにな」
亘「いる…っ」
川島「へー？誰だよソレ」
亘「村上が…いる」
川島「なに？」
亘「村上は…俺の相方だから…」
川島「村上って…隣のクラスの村上か？嘘ついてんじゃね〜よっ！」
亘「嘘じゃない…本当に村上は俺の相方だっ…」
川島「………。じゃあ当日連れて来いよな、村上を。それまで当番やってろ。嘘ついたらずっとお前が当番だからな！」
亘「いいよ。村上は来るもん…絶対」
川島「……チッ」

村上二股かい

金田「なあ、亘には言ったのか？俺たちのこと」
村上「まだ…言ってないけど」金田「言えよ。俺が村上の相方だって」
村上「うん…」

あれから、放課後はもちろん昼休みも、なにかと用事をつけては亘と会うのを避けていた。
一緒にいれば罪悪感を感じるし、でも亘を手放したくは…ない。
だからといって、金田とやるコントの楽しさから逃れられもしない。
悪いとわかりつつも俺はハッキリ決められないでいた。

金田「言ってくんねーと、堂々とネタとかできねーし」
村上「わかってるよ…」





亘「…村上、最近どうしたのかな。俺のこと嫌いになったのかな。いや、そんなことない。きっと忙しいだけだ。村上は嘘をつくような奴じゃない。だって俺たちコンビなんだから。
村上…村上…村上…村上…」

亘「村上！」
村上「あ…」

避けていたつもりだったのに、バッタリ廊下で亘に出くわしてしまった。

亘「なんか久しぶりだな」
村上「そ、そうだな…」
亘「あのさ、明日さ、」
村上「ああ、文化祭？」
亘「一緒に回らない？」

それはまずい。金田に見られたら、何か言われるだろう。

村上「どうかな…俺も店番あるし」
亘「喫茶店だっけ？ずっと？」
村上「ずっとじゃないけど…」
亘「ちょっとでいいんだ。教室の前で受付しながら待ってるから」
村上「行けたら行くな」
亘「うん、絶対な。
…だって村上は俺の相方だもんね？」
村上「え？」
亘「はは、またな！」

いつになく積極的な亘に違和感を感じつつ、俺は明日のことに頭を悩ませていた。

>>290
原作では二股どころの話ではない
この話でもそうなるかも



やっと後半まではいけた…か？
中途半端に続きます

乙です！

このまま原作通りに進むと村上がw

乙です！
このまま原作通りに進むと村上が..w

原作知らないから逆に…wktk!!!www

>>294-296
つ何か



＊亘の視点から



「文化祭いっしょに回ろう」って言ったけど、村上はどこかよそよしくてはっきりしないかんじだった。
最近の村上はいつもそうだ。
放課後も待っていてくれなくなったし、昼休みでさえ用事があるといって会ってくれない。

俺が「コントをするのは待ってくれ」なんて言ったからだろうか…。

村上にはああ言ったけれど、俺が積極的になれない理由は実は他にもあった。
入学式の挨拶でギャグをやったらめちゃめちゃにスベッたのだ。
それ以来俺はギャグやコントをすることがこわくなってしまった。

亘「けど…けど、村上なら平気だよ。俺、がんばるよ。だから…」

「じゃあ実行委員は各クラスに椅子と机を持って行ってください」
亘「………」

文化祭の実行委員も、やりたくてなったわけじゃない。
川島たちに無理矢理ならされたんだ。

どうしてだか、川島は俺のことが嫌いみたいだ。
…こんなふうにうじうじ考えているからかもしれない。

亘「重…」

机を運びながら、小さく呟くと、ふいに背後から声をかけられた。

村純「あのさっ、亘くんだよね？」
亘「あ、はい…」

村上のクラスの実行委員の人だ。

村純「手伝うよ！」

その人はそう言って机の端を持った。

亘「いや、悪いです！そっちのクラスのもあるのに…」
村純「うちのクラス、実行委員たくさんいるから」

平気平気、と笑いながら言われた。

亘「ありがとうございます…」

>>297
村上切れかｗｗ

>>299
なぜばれたし



村純「俺、村上純っていうんだ。隣のクラスなんだけど…知ってた？」
亘「あ、はい、えっと…村上のクラスの人ですよね」

つい口から出た言葉に、純さんは少し驚いたような顔をしてから、ポンと手を打った。

村純「そうそう、亘って村上の知り合いなんだよな！？俺も村上だからまぎらわしーな」
亘「あ、すみません…」
村純「イヤイヤ、いーって」

わりと人見知りする俺だけど、純さんは親切だし、ここ最近学校ではあまり人と話していなかったからか、自然と会話が弾んだ。

村純「ふー、もうちょっとだな」
亘「ほんとありがとうございます」
村純「いや、気にするなって！」
池田「純さん…！」

教室に入ろうとしたところで、純さんが誰かに呼び止められた。友達だろうか。

村純「池田…」
池田「その、隣の奴…友達？」
純さんが俺の顔をちらりと窺ってから言った。

村純「…まあ？」

池田「でも、なんで手伝ってるの…？そいつ、違うクラスの奴でしょ」
村純「別にいいだろ」
池田「だって、俺純さんに言われてうちのクラスの机運んで…」
村純「ちょっと黙れって！」
池田「！」

なんだか緊迫した状況だ。

村純「悪い、亘…。びっくりした？」
亘「いや、俺より、その人…」
池田「わかったよ…」

何がわかったのだろうか。
悲しそうな目で俺たちを見てから、その人は去って行った。

村純「なんだよアイツ…」

純さんが怪訝な表情で彼の背中を見送る。
俺もそろそろ教室に戻らないと。

村純「な、今日ってさ…自分のクラスの当番で忙しい？」
亘「そうですね…」

村上が来るまでは当番をしてなきゃならない。

亘「でも、自由時間もありますよ」
村純「そっか…！」

じゃあまた、なんて言って、俺たちはお互い自分のクラスに戻った。

俺のクラスの出し物は、川島たちの意見で、ただの休憩所みたいなものになっていた。
果たしてそれに受付がいるのかどうかはわからないが、実行委員の責任もあるので一応当番はやらなくてはならない。

川島「本当に来るんだろうな？まあ信じちゃいないけど」
亘「…来る。だって村上は俺の相方だから…」
川島「！そういうのは、ホントに来てから言えよなっ…」
亘「来るもん…絶対」

俺はただ村上を待った。昼が過ぎ、残りの時間が数時間になっても。

村上は来る。絶対来る。
だって村上は俺の相方だもん。

村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上村上

亘のブログ見てみたら今日が誕生日なのか

>>303
とても２９には見えないかわいさ…

それはそうとて
ヤンデレってなあに？全然わからないんだぜ…

それと書き忘れていたけど、みんな高校一年の設定だす





川島「来ないじゃねえか。どうしたんだよ？相方なんじゃなかったのか？」

馬鹿にしたような口調の川島。それでも俺は村上を信じていた。

亘「村上は…自分のクラスの当番があるから遅れてるだけだ…絶対来る…」

村上…来てくれるよな？
…なんで来てくれないの？
もう文化祭終わっちゃうよ…。

亘「村上は来る…来るんだ…」




＊＊＊



村純「………」
川島「？どうしました？」
村純「いや…っ、別に、何も」
川島「たしか隣のクラスの…村上、さんですよね？いま、亘のこと見てましたね」
村純「あ、ちょっとさ…亘の当番っていつ終わるのかなと思って」
川島「………。亘と友達なんですか？にしては、陰から見てるなんて…」
村純「や、なんつーかさ、…別にいいだろっ」
川島「ああ、もしかして…。だったら、亘貸してあげてもいいですよ。俺当番代わるんで」
村純「え、いいのか？でも…」
川島「ついでに教室も貸してあげますよ」
村純「どういう…」
川島「亘に興味あるんでしょう。もしかしたら相方になりたい、とか」
村純「！」
川島「だったら、なっちゃえばいいじゃないですか」
村純「いや、そんないきなり…」
川島「こういうのはちょっと強引にノリでいったほうがいいんですよ。文化祭のムードに乗っちゃえば、亘も、」
村純「そ…そうかな？」
川島「うちの教室、表向きは休憩所だけど、体育館借りれなかった生徒が教壇で漫才とかコントとかしたりもしてるんですよ。観客もそこそこいるし。休憩しに来た人たちだけど」
村純「そこで、亘と…？」
川島「そうしちゃえば亘もひっこみつかなくなって、コンビ組むしかないでしょう」
村純「………」

俺を見張っていた川島が、なぜか純さんと一緒に戻ってきた。
でも俺はあまり気にしない。それよりも村上が来るのを待ってなきゃ。

村純「亘、ちょっといいかな」
亘「すみません、俺ここにいなきゃいけないんです」
川島「当番なら俺が代わるよ」
亘「そうじゃなくて、村上が…」
川島「まだそんなこと言ってんのかよ。それより純さんとちょっと休憩でもして来いよ」
村純「亘、行こう」
亘「でも村上が…」
川島「行けって！」

ドン、と強引に教室の中に押される。
ガラリと教室のドアが開き、純さんに引っ張られるがままに教壇にのぼると、そこはステージのようになっていた。
たくさんの人がこちらを見ている。「今度はなにが始まるんだー？」なんて声も聞こえてくる。

亘「え…？」
村純「亘、ブラックシュールコントをしよう」
亘「は！？え…ちょ、そんな無理です」
村純「お客さんもたくさんいるんだ、今更引けないよ。さ、台本は大体でいいから」
亘「え、そんな…いや…っ」

初めては村上とって、決めてたのに…。
助けて…助けて村上！！！


亘「いやあああああああああああああああああああああああ」

その頃、村上。



村上「喫茶店ってのも楽じゃねーな」
金田「だなー、俺ら当番バラバラになっちまったし」

俺はイケメンなのにウエイターではなく裏方をやらされていた。納得いかん！

金田「んじゃまー、楽しんで来るな〜」
村上「おー、いってらっしゃい」

金田に手を振り、俺はまた持ち場に戻る。するとそこに、暗い顔をした池田さんがいた。

村上「どうしたんですか、池田さん」
池田「村上か…、お前はいいよな」
村上「？なにかあったんですか？」

そう尋ねても、池田さんは悲しい顔をして首を振るだけだった。

村上「池田さんらしくないですよ、なにかあったなら俺にでも…」
池田「純さんが、」
村上「え？」
池田「俺じゃだめなんだ…ずっと相方になりたいと思ってたのに…」

どうやら純さんに他の相方ができた、もしくは相方になるのを断られてしまったらしい。

池田「中学のときからずっと…頑張ってきたつもりだったのに、どうしてだめなんだろうな。
俺に才能がないからかな。見た目がダメなのかな。だから…」
村上「そんなことないですよ！池田さんはセンスあるし、ルックスも十分面白いです！」
池田「本当かよ、いいかげんなこと言うなよ」
村上「いや、マジでそう思いますって！なんなら俺がコンビ組んでもいいくらい…」

言ってから、ハッとした。それはちょっといいすぎかも。
でも池田さんは俺を覗き込むようにして、言った。

池田「ほんとに…？」
村上「はい、ほんとです」

今更撤回などできない。

池田「俺さ…純さんとやるコント、いくつか考えてたんだ」
村上「へ、へえ…」
池田「お前って、名字同じだから、台本変える必要もないし…」
村上「たしかに！」

って、俺は何を言っているんだ！
でも池田さんの考えたコントに興味が湧いてしまったことは否めない。

池田「…でも、ダメだ！お前は金田の相方だし」
村上「でも一回くらいなら、問題ないですよ。池田さんを慰めるってことで…」
池田「いや、でも金田が知ったら…」
村上「金田には内緒にしましょう」
池田「村上…」




池田さんの考えたのは、意外にも爽やかな青春コントだった。

池田「じゃ、俺、まだ当番あるから…」

俺は池田さんと別れて文化祭をまわることにした。
そういえば亘が一緒にまわろうとか言っていたな。でも今はそんな気分じゃない。

金田「お、お前も休憩入ったんかー？」
村上「ああ」

ちょうど金田がいたので、金田とまわることにした。

金田「そういえばさ、なんか隣のクラス面白いんだって」
村上「何が？ただの休憩所だろ？」
金田「それがさ、漫才とかコントとか、飛び入りで発表できるんだって」

金田が期待したような目でこちらを見る。でもそれはまずい。

金田「練習なら毎日してるしさ、俺たちならやれるっしょ」
村上「でも、亘のクラスだしな…」

ただでさえバレたらまずいのに、亘が受付してるんだ、絶対バレる！

金田「…いつになったら言ってくれんの」

金田の声が低くなった。俺が亘とのことを曖昧にしているのを怒っているようだ。
金田の大きな目がギロリとこちらを睨む。

村上「悪い…そのうち、」
金田「そのうちっていつだし。村上ずっとそう言ってね？」
村上「でも今文化祭だし、落ち着いたら…」
金田「ホントかよ」
村上「本当だよ！…そ、そんなことより、またコントの練習しよーぜ」

明るく言うと、しょうがないというふうに金田が頷いた。

村上「そろそろ後夜祭だな」
金田「けっこう充実してたな！クラスの喫茶店も客多かったし」
村上「校庭行くかー」

校庭ではキャンプファイヤーのように大きな焚き火がされていて、生徒がたくさん集まっていた。
喋ったり踊ったり、思い思いのことをしている。

金田「俺たちも踊んねー？」
村上「はっ？ダンスなんて知らねーぞ」

まさかフォークダンスの列に混じるとか言うんじゃあるまいな、と鳥肌を立てる。

金田「前に練習でやったさ、ピラメキ体操踊ろうぜ！」
村上「ああ、でも俺あんまよく覚えてないけど」
金田「テキトーでいいって！ホラ、」

手を引っ張られて、生徒の輪の中に入る。

金田「けっこう上手じゃんかよ村上！」
村上「そうかあー？」

そんなことを言っていると、後ろから声をかけられた。

川島「村上…？」
村上「あ、川島じゃん」
川島「その隣のって…」
村上「金田だよ。名前くらい知ってるだろ？こいつ人気者だし」
金田「どうも、村上の相方でーっす！」
村上「か、金田！」

金田は完全にテンションが上がってしまっている。
川島は亘と同じクラスなのにマズくないか？と思ったが、まあいいかと思い直した。

川島「…ふーん、そうなんだ。そっか…」
村上「？」
川島「でもあいつよりはマシか…はは」
村上「どうしたんだ？」
川島「なんでもない！じゃあなっ…」

再び亘の視点から



純さんに無理やりやらされたブラックシュールコントは、ウケていたのかそうじゃないのかよくわからなかった。
ただ俺はボロボロの心のままその場を逃げ出した。

亘「むらかみ…むらかみ…むらかみ…！」

純さんが俺を呼び止めて何か言おうとしていたが、俺の耳には入らない。

亘「村上…どこ…？」

もしかしたら俺がいない間に来ちゃってた？
それで俺がいないから帰っちゃった？

まさか、川島に何か言われたりしてないかな。
純さんとコントしてたの、見られたりしてないよな！？

亘「村上…どこにいるんだよ…！！」


散々走りまわって疲れた俺は、教室で後夜祭の様子を見下ろしていた。
たくさんの生徒が、炎の周りで楽しそうにしている。

亘「！むらか、み…？」

その生徒の輪の中心のほう、村上の姿が見えた。

亘「なんで…」

隣には金田。楽しそうに笑いながら、二人で踊っている。

亘「うそだ…村上…うそだよ、そんなの」

俺が見つからなかったから？探しても見つからなかったからだよな？だからそんなふうに金田といるんだろ？
俺たちちょっとすれ違っちゃっただけだよね？村上は俺を裏切ったりするはずないもんな？

亘「村上…！！！！」

文化祭の次の日、川島が何か言いたげにこちらに近付いてきた。
村上が来なかったことで、ウソツキだと責められるんだろうな、とぼんやりした頭で考えた。
けれど、川島は複雑な表情で言った。

川島「おまえもかわいそーにな…」
亘「え？」
川島「妄想癖があるんだろ？まあでも、純さんがいてくれるだけマシか。つか、純さんも名字は“村上”だしな」
亘「どういう…ことだよ」
川島「だから、村上が相方だとかなんとか、あれ全部妄想だろ？」
亘「！？ちがう…っ、昨日は用事があって来なかったけど村上は、」
川島「金田の相方なんだよ」

眩暈がした。

亘「ちがう…そんなの、ちがう…」
川島「昨日後夜祭で俺二人に会ったんだよ」
亘「あれはたまたま、俺が、村上に会えなかったから…」
川島「相方だ、って言ってたぞ。金田が、村上の」

亘「そんなの嘘だっ！！！！！」

嘘だ嘘だ嘘だ。村上は俺を裏切ったりしない。
俺と村上を引き離そうとしてそんなことを言うんだ。

川島「いくらお前が嘘だって言ったって、本当なんだからしょうがねーだろ！」

川島がいらついたふうに言う。
こいつもきっと村上と組みたかったんだ。それでこんなふうに俺に八つ当たりしているんだ。

亘「いくら言われてもそんなの信じないよ。それより自分をどうにかしたらどうなんだよ」
川島「は？」
亘「村上にコンビ組もうって言われたことあるの？俺の考えたネタやろうって言われたことあるの？…ないだろ？
俺はあるよ。村上が言ったんだ、帰り道で。俺の目を見ながら」
川島「…妄想だろ！」
亘「だとしても、川島よりはましだよね。だって全く気にされてないんだもん」
川島「……！お前だってそうだろ！？」
亘「いくら想っても報われない。だからこんなふうに俺に八つ当たりするんだ」
川島「………」

川島が黙ってしまった。
俺は席を立った。

昼休み、相変わらず村上は一緒にいられないという。

亘「村上…一体どこにいるんだ？」

４限目の授業が終わったあと、俺は廊下の前で村上がクラスから出るのを待って、こっそりあとをつけることにした。

（校舎の裏…？）

村上は弁当を持ってひとけのないほうへと進んでいく。
すると、そこには金田がいた。

（！！でも…だからといって俺を裏切っているとは限らない。コントとか、してるわけじゃないし…）

そう思う俺を嘲笑うかのように、村上と金田はコントを始めた。
食事の時間も惜しむように、昼休み中、ずっと。


嘘だと思った。ほんのおふざけかとも思った。
けれど、それから何日村上のあとをつけてみても、同じ光景が俺の胸を刺すだけだった。

亘「村上…なんで？なんで金田なの？俺がコントやるの断ったから？そうなの？
そうだよね…村上は悪い奴じゃないもん。きっと金田が誘ったんだ。村上は無理にやらされてるんだよ。
俺に村上を紹介しておいて…ひどいよ。絶対許せない」


村上…俺もう大丈夫だよ。コントも漫才も、村上とならできるよ。だから金田で発散する必要なんかないんだよ。
村上…待っててね。

金田「なあ、まだ言ってくれねーの？」

最近金田はこればっかりだ。

昼休みや放課後だけでなく、こうして授業休みにまで言ってくる。
いくら隣の席だからって、毎回毎回話さなくてもいいのに。

金田「村上が言わないなら…俺が言う！」
村上「それはちょっと待ってくれよ」

俺の言葉に、金田は思い切り不満そうな顔をした。

金田「…俺って村上のなに？亘の代わりってだけなんじゃないよな？」
村上「そんなことねーよ。お前とやるコントは面白いし…」
金田「じゃあなんで亘にはっきり言ってくんないんだよ」

少し面倒になってきた。

村上「初めはなにも考えず二人でコントやってたりして楽しかったのに…なんで最近そんななんだよ。最初の頃の金田に戻ってくれよ」
金田「！よくそんなこと言えるな」

「村上のバーカ！ナル！」と叫びながら、金田は廊下のほうに出て行ってしまった。
後でフォローしなきゃと思うと面倒だ。

村上「あーあ…」

思わずため息を吐きながら、金田の後を追う。すると川島がいるのが見えた。

村上「よっ」
川島「…ケンカ？」
村上「まあ、そんなところ、かな」
川島「へえ…そっかあ」

少し考えるようにしてから、川島は言った。

川島「この際だから言うけどさ、俺、村上のことずっと面白いと思ってたんだよな」
村上「へっ？」
川島「できれば相方になりたい、とかさ、中学の頃から思ってた。まあ無理だったわけだけど…はは」

川島の思いがけない告白に、俺は驚いた。

村上「川島…」
川島「相手が金田だから…あきらめもついたんだ。だからケンカなんかするなよなっ」

無理するように笑う川島の手を引っ張って、俺はあまり人の来ない校舎のほうへ向かった。

川島「村上？」
村上「俺、全然知らなかったよ、お前がそんなこと思ってるって」
川島「ああ」
村上「諦めたって、本当か？」
川島「…そんなの、」
村上「もし俺が一緒にコントしようって言ったら？」
川島「そんなの、断るわけないだろ！だってずっと俺は…！」

思いを吐き出すように川島が言う。

川島「けど…そんなのありっこないよな。村上には金田がいるんだもん」
村上「一回だけとかなら？」
川島「え…？」
村上「今考えてるネタがあって…でもそれ相手が天然キャラなんだ。金田でもいいけど…お前のほうがしっくりくるかも」
川島「！」
村上「でも、嫌だよな。そんな、実験みたいなこと」
川島「嫌じゃない…っ、実験でも…一回だけでもいい！だから…」

川島とのことがあってから数日後。


『ブルブルブルブル…』

村上「お、なんだ？」

授業中。マナーモードにしていた携帯電話を教師にみつからないようにそっと開く。


---------------------
for:亘
title:授業中にごめん
---------------------

真面目な亘が授業中にメールを送ってくるなんて、今までにはないことだった。
金田とコントをやり始めてからあまり返信していなかった亘のメールだが、気になったので急いで開いてみた。

---------------------
コントしようよ！
俺、もう大丈夫だよ！
今すぐしようよ！
屋上で待ってるから！
---------------------

一体どうしたのだろうか、あんなに躊躇っていたのに…。
しかも今すぐだなんて、今は授業中なのに。亘はどうかしちゃったのだろうか。

金田「どうしたんだ？」

隣の金田が覗き込んでくる。
見られたらマズイと思い、急いで携帯を閉じた。

村上「なんでもねー。迷惑メールだった」





亘「村上…ずっと待ってるからね。コント、しようね」





ヤンデレってこんなんでいいのか…？ワカラン…

それから、数分おきに亘からメールが来る。しかし授業中なので抜け出すわけにもいかない。

金田「なんかさっきからずっと携帯鳴ってね？」
村上「や、なんかやたらと迷惑メールが…」
金田「俺、拒否のしかた知ってるしー。ちょっとかしてみ」
村上「あっ…！」

携帯を見た金田の表情が固まった。

金田「どういうことだよ…」
村上「し、知らねーよ！亘が勝手に送ってくるだけで…」
金田「なんなんだよこれ！！」

「そこ、うるさいぞ！」なんて教師の声を無視して、金田が教室を出て行った。
まさか、屋上に…亘のところに行くつもりじゃないだろうな。

俺は金田のぶんも教師に謝りながら、残された携帯を見つめることしかできなかった。


---------------------
for:亘
title:コントしようよ！


もう金田で我慢しなくて
いいんだよ？
俺、ちゃんとできるから
！
今すぐ屋上に来てよ！
ずっと待ってるよ！

---------------------

ガチャガチャ、バン！

金田「亘…っ」
亘「なんだ、金田か…」
金田「村上なら、いくら待ってもここには来ないし！…村上は俺の相方なんだよ！」
亘「村上は俺の相方だよ？」
金田「前はそうだったかもしれないけど…今は俺のほうがいいって村上も言ってるし！俺を相方にするって言ってたし！だからもうちょっかい出すなよ！」
亘「………。先にちょっかい出したのは金田じゃないの？」
金田「それは…お前がグズグズしてるから…っ、俺はずっと、お前に会うよりも前から、村上とコンビになりたいと思ってたんだよ！」
亘「だったらなんで俺を村上に紹介したりしたの？おかしいよね。しかもコンビになった後で、やっぱ略奪しようなんて、ひどいよね？」
金田「…だからそれは…っ、お前が村上を満足させられないから、」
亘「ああ、だから村上は金田で我慢してたんだ。でももういいんだ。俺、大丈夫だから。だからもう村上に手を出さないでくれる？」
金田「そ、それはこっちの台詞だ！村上は俺のほうがいいって言ってるし！」
亘「言うだけならなんとでも言えるよね」
金田「俺と村上は、もう何度も何度もコントをしたんだ…今更出てきたって無駄だし」
亘「村上は俺を裏切ったりしない。コントだって無理矢理やらせたんでしょ？そうじゃなきゃ村上がそんなことするはずない。
でも俺はそれは許してあげるんだ。俺のせいでもあるから。だからこれからは俺たち、たくさんコントも漫才もするんだ」
金田「………！もういい、村上から言ってもらうから！」

…バンッ！


亘「村上…早く来てよ村上…金田とのことは怒ってないから…。
寂しかったんだよね？拒否した俺も悪かったんだ、そのことは許すよ。
ずっと待ってるからね、早く来てね」

支援

ヤンデレ支援あげ！

>>317-318
つわたり(てつや)

ヤンデレについて本気出して考えてみ…てもいないが…
ヤンデレワカラン…

がんがります

授業が終わってから、金田は教室に戻ってきた。
「さっきはいきなり出てったりしてどうしたんだよー」なんて言うクラスメイトを無視して、金田はこっちにまっすぐ向かってくる。

村上「金田…、っ！」

バン！と机を叩かれ、俺は思わず身じろいだ。

金田「亘に言え」
村上「あ…」

やっぱり…いや当たり前か、亘のところに行ってきたんだ。

金田「亘にはっきり言え。俺たちのこと」
村上「うん、わかってるって…あのさ」

周りも見てるしちょっと落ち着けって…と言いかけて、金田の鋭い目に遮られた。

金田「今すぐッ！」
村上「！」
金田「あいつお前からはっきり言わなきゃわかんないみたいだから…っ、今すぐ言えよ！今すぐ…っ」
村上「金田！わかった！わかったから…っ」

俺の肩を掴んでガンガン揺らす金田を抑えながら、俺は叫んだ。
俺たちのただならない様子に、教室の中がざわめいているのがわかる。
視界の端に、複雑な表情をした池田さんが見えた。

村上「言うから…な？落ち着けって…。亘にちゃんと言うからさ、」

言い聞かせるように、金田の頬を両手で押さえながら言う。
金田はまだ疑ったような表情のままだが、ゆっくりと頷いた。

金田「じゃあ言ってくれるんだな？はっきり言ってくれよな！？」
村上「うん、言うよ」

俺は深く頷いた。授業開始のチャイムが鳴る。
とりあえず今は金田を落ち着かせなきゃやばい。

金田「それなら今すぐ行く！まだ屋上にいるはずだし…っ」

手を強く引っ張る金田を制止して、席に座らせる。

村上「とりあえずお前は落ち着けいとけって。さっき先生心配してたし…次もサボりはマズイから」
金田「でも…」
村上「俺が話してくるから、大丈夫」

そのほうがややこしくなくて済むだろう。
今の半狂乱の金田と一緒では、面倒なことになりかねない。

村純「さっきからどうしたんだ？大丈夫か？」
村上「あ…なんかこいつちょっと色々あって混乱してて。また授業抜け出したりしないか気をつけてやっててくれませんか」
村純「いいけど…って、今度のはお前がサボりかよ！」

純さんの声を背に教室を抜け出す。

亘…。亘は大丈夫だろうか。

あんなに激昂している金田は俺も初めて見た。
気の弱い亘が、金田に厳しいことを言われて傷付いたりしているんじゃないか。

実際は全く逆だったなんて俺は知るはずもなかった。

あげ

>>322
つランチパック



とにかく亘のところへ行かなくては。
廊下を進む俺の肩を、誰かが掴んだ。

池田「…村上っ」
村上「池田さん！？」

どうしたというのだろう。俺を追ってきたのか？

村上「池田さん、授業始まってますよ」
池田「知ってるよ。お前こそ…」
村上「俺はちょっと、…まあいいじゃないですか」
池田「………。金田と喧嘩でもしたのか？」
村上「喧嘩っていうか…まあ、なんかちょっと金田が怒ってて」

そう言うと、池田さんは複雑な顔をした。

池田「俺のせいとか、ないよな」
村上「それは大丈夫ですって！あのことは金田にはバレてないし！」
池田「そう、か…」
村上「わざわざそれを聞きに？…友達想いなんすね」

俺が感心したように言うと、池田さんは眉間に皺を寄せた。

池田「…あー…、いや、そうだよな。なにやってんだろな俺」

授業戻らないとな、と呟く池田さんの表情は、どこか切なげだった。

村上「それじゃ俺はちょっと、用あるんで」

金田がちょっとオカシイから、気ィつけてやっててください、と礼をして背を向ける。

池田「…もし、金田となんかあって、解散するとかだったら…」
村上「え？なにか言いました？」

振り返ると、池田さんは笑っていた。

池田「なんでもねーよ。お前には礼を言いたかっただけ。俺、お前のおかげで純さんのこと…
いや、とにかく金田と仲良くなっ！」

のろすぎすみません
今週中には絶対終わらす

そんなに急がなくたって良いんだよ(村上風)
100年経ったって待ってやるよ！！！

楽しみ保守

>>325-326
ありがとさんかく！



屋上の端っこのほう、風が一番吹き抜ける場所に亘はいた。

亘「村上！村上だ…」
村上「…久しぶり」

というか、俺が避けていたんだけど…。
多少の罪悪感を感じつつ言うと、亘はにっこりと笑った。

亘「俺はずっと見てたけどな！毎日、朝も、昼も…」
村上「え？」

風が強くて聞こえない。聞き返すよう目を細めると、亘は笑顔のまま言った。

亘「俺のところに戻って来てくれたんだよな！コントやろうよ！」
村上「いや、亘…ごめん、今俺は」
亘「金田とのことなら怒ってないよ。だって村上は悪くないから」
村上「！」

知っていたのか。

亘「だからさ、やろうよ。俺、練習だってしたんだから」
村上「そうじゃないんだ亘…俺もう金田と組むことになったんだ」
亘「え？…だからそのことは気にしなくていいって。気の迷いなんて誰にでもあるからさっ」

明るく言う亘だが、いつもの亘とちょっと様子が違う。俺の話を聞いていない。

亘「俺だって、なんだってできるよ？」

踊れるし！ほら！と亘がぎこちなく踊ったのは、あの文化祭の日、金田と二人で踊ったやつとそっくりの動きだった。

村上「あのときから…知ってたのか」
亘「お前らがいつもやってるズクダンゲームだってできるぞ。村上の考えたコントだって、なんだって」

手を掴まれ、引き寄せられる。

亘「さ、やろう！」
村上「ちょ…亘、今はそういう話じゃなくて、」
亘「…金田がいいの？」
村上「え、」

急に低くなった声に、びくりと身体を揺らす。

亘「なんで？コントできるから？それだったら俺だって、もう大丈夫だよ」
村上「いや…ていうか」
亘「俺、全然怒ってないよ。だって俺も悪かったから」

真顔で言う亘を見て、先ほどの金田の激怒した様子を思い出す。
…えらい違いだ。もともとは亘のほうが相方だったっていうのに。それを裏切ったのは俺と金田なのに。

村上「なんでお前、そんなに優しいんだよ…」
亘「はは、相方なんだから当たり前だろ？」
村上「相方、って…だって俺、お前に隠れて金田と…」
亘「俺は村上のことを信じてるから、だからなにがあっても大丈夫なんだ。別の奴としても、俺のところに絶対戻って来る。絶対。絶対絶対絶対。
だって、村上は俺の相方だから！」

光の宿らない目で、に、と八重歯を見せた亘に、俺は思わずすがりついた。

村上「亘…ごめん、ごめんな…！」
亘「！」
村上「俺…、こんなお前を裏切って…っ」
亘「むらか、み…？」

亘が驚いたような表情で俺を見上げる。

亘「じゃあ…戻って、くれるのか？」
村上「ああ…」
亘「村上の相方は…俺…？」
村上「ああ」

しっかりと頷くと、亘の瞳に光が戻ったのがわかった。その瞳から、ぽろりと大粒の涙をこぼれる。

亘「村上…俺…おれ…っ」
村上「ごめん亘…ごめんな…っ」

それから俺たちは、放課後になるまで屋上にいた。そしていろいろな話をした。コントもした。
その頃には、泣いて腫れていた亘の目も、すっかり元のくりくりしたかわいい瞳に戻っていた。


屋上の扉がギィ、と開く。

金田「…こんなとこ呼び出して、なんだし。放課後になるまで何してたんだよ？ちゃんと話つけたんだろうな？」

不機嫌そうな金田に、亘が俺の手を取りながら答えた。

亘「だから、今から話をつけるところ。それで呼び出したんだよ」
金田「お前には聞いてねーよ！」

バシッと俺と亘の手を引き離すように叩き落として、金田はこちらを睨んだ。

金田「なにやってんだよ、ちゃんと話したのかよ！」
亘「話したよ。いろいろと」
金田「だからお前には聞いてねーつってんだろ」
村上「金田！」

亘に掴みかからんとする金田を止めながら、俺は言った。

村上「お前とはもう終わりにしたいんだ」
金田「…ハァ？」

金田の元から大きな目が、見開かれてさらに大きくなる。

村上「俺、やっぱり亘とコンビ組むよ」
金田「なんだそれ…っ！ふざけんじゃねーよ！」

今度は俺に掴みかかる金田。繰り出されたパンチに避けきれず、俺は左頬を殴られた。

亘「！村上、平気かっ！？」
村上「う…おお…、すごい痛い…」
亘「村上…村上…、しっかりしろ…っ！」

大袈裟なほど心配する亘を、金田は思い切り眉間に皺を寄せながら忌々しそうに見ている。

亘「俺の相方に何するんだよっ」
金田「お前のじゃないっ、俺のだしっ…」
村上「亘、こっちに…」

今度は亘が殴られでもしたらかなわない。そう思って亘を隠すように金田の前に立つ。

金田「…なんでだよ…」
村上「悪い」
金田「悪いで済むかよ…っ」

ガン、と地面を蹴りつけた金田に、亘が信じられないほど冷たい声で吐き捨てた。

亘「村上は悪くない。お前が村上を誘惑したんだ」
金田「………っ！」
亘「もう、帰れよ。俺たちこれからコントするんだ。さっきもずーっとしてたんだ。そしてこれからも。な、村上」
村上「あ、ああ…」

いつもと違う、恐ろしいほど冷めた亘の声に、金田は絶句している。

亘「な、次は何のコントしようか」
村上「え、あ、ああ…えーと…」



そんな俺たちの様子を見ていることに耐え切れなくなったのか、金田は屋上を出て行った。

次の日。教室に入るなり金田が襟首を掴んできた。

村上「か、金田…」
金田「なんでだよ！どうしてだよ！亘に別れるって言うって言ったじゃねーかよ！…それがなんで逆のことになってんだよ！」

どうしたどうした、とクラスメイトの注目が集まる。その中から池田さんが出てきて、金田をなだめるように訊いた。

池田「昨日からお前らどうしたんだ？ケンカかよ。金田もちょっと落ち着けって」
金田「そんなんじゃないです！…こいつが、村上が、俺を裏切ったんです！」

その言葉に一瞬池田さんが固まった。

池田「えっ…」
金田「さんざん好きなだけ使うだけ使っておいて、結局亘と組むって、俺を捨てるっていうのかよ！」
村上「わっ、」

どん、と押されて俺は倒れた。

村純「亘…？ちょっと待て、亘ってあの亘かよ！？」
池田「俺だけじゃなく、他の奴ともやってたのか？」
金田「ふざけんなし！」

ざわざわざわ。
教室がぐるぐる回る。倒れた俺を見下ろす金田、池田さん、純さん、他の奴ら。

村上「とにかく俺は亘と組む！なんて言われても、もう決めたから…」

金田の悔しそうな表情。ショックを受けたような池田さんと純さんも、視界の端に見えた。

俺は教室を出た。

あいかわらずぐだぐだすみません
多分明日終われる？かも？

あとは例のアニメでいう最終話部分だが…村上も金田も殺したくはないなあ
どう終わらせよう…うーん…

wktk

>>333
ありがとんかち！


スゲー雷で停電とかしたので動転しています
でも多分今日終わる

亘の視点から




村上の口から直接「お前が相方だ」と言われて心を取り戻した翌日の昼、一緒に屋上へ行く約束をしていたのに村上は来なかった。
まさかまた金田に丸め込まれたんじゃ…とも思ったけど、昨日の村上の目は本気だった。また俺を裏切るなんて、絶対ない。

亘「どうしたんだよ村上…」

村上のクラスへ向かう。
ちょうど教室から出てきた奴を捕まえて聞いてみたら、朝、金田と何かもめて教室を出て行ってから、戻ってきていないらしい。
金田とは隣の席だし、気まずいのかもしれない。
それにしても携帯に連絡もない。

教室の中を覗いたけれど、もちろん村上と、それから金田の姿もなかった。

村純「なあ村上とコンビ組むって本当なのか？文化祭のあれはなんだったんだ？俺達…あんなに息ピッタリだったのに」

純さんが話しかけてきたけれど、「いま忙しいので」と言って逃げた。
あの文化祭のことを思い出すと、今でも身体が震える。俺にはブラックシュールなんて絶対無理だ。




結局、村上は、翌日もその翌日も学校に来なかった。
そしてメールの返信も、折り返しの電話もないままだった。

亘「おい、村上をどこにやった」
金田「知らねーよ。つーか話しかけてくんなし」

金田に睨まれたので、俺もキッと睨み返した。

亘「何日も休んでるのに気にならないのか」
金田「俺が知るかよ」
亘「…知らないんだ？」

すると金田が馬鹿にしたふうに言った。

金田「もしかして連絡取れないんだ？ってことはまた捨てられたんじゃないの」

俺はイライラしながら言い返した。

亘「お前なんか、ハッキリ捨てられたくせに」
金田「ハッ、村上は俺とずっと一緒だし」

今日も昨日も明日からも、俺が村上を棄てない限りは。
狂気じみた口調の金田に、背筋をゾッとしたものが走った。…なにか、悪い予感がする。

金田「逃げるのか？」

愉快そうな金田の声を背後に、俺は走り出した。

亘「村上…無事でいてくれっ…！」

職員室から持ち出した名簿を片手に、俺は金田の家を探した。

亘「ここか…」

閑静な住宅の中の一軒。幸いあまり人通りもなく、家も留守のようだ。

亘「金田の部屋は２階…かな」

来る途中用意した針金でピッキングし、なんとか家に入る。
ところどころ穴の空いた、荒れた学校みたいな壁の階段を上って２階に行くと、それらしき部屋があった。

亘「それにしても…壁がボッコボコだな」

そんなことを呟きながら、部屋のドアを開ける。

亘「！むらかみ…ッ」

俺の目に飛び込んできたのは、テレビゲーム機のコントローラ２でぐるぐるに縛られ、くったりと床に倒れている村上の姿だった。

wktk

あっちゃん「…と、そして亘は金田を…うーん」
慎吾「あっちゃんなに書いてるの？
…あっその片手にあるのは、しずるはんにゃフルポンの『スクールデイズ』！」
あっちゃん「ああ慎吾か。いやちょっと最近売れ出した同期や先輩が妬ましいなあと思って、鬱憤晴らしに、彼らを題材にエロゲパロを書いてたんだ」
慎吾「ふーん。よくわからないけどあっちゃんカッコイイ！」
あっちゃん「しかもスクールデイズなんて…タイムリーとは言い難いけど思い出すものはアレだろ…。一体誰が考えたんだ」
慎吾「なんか物語なんだね。あっみんなが出てる！なになに…ふーん…。
これ、この先どうなるの？」
あっちゃん「村上は既に金田に殺されていて、その復讐に村上の首を持って亘が金田を屋上に呼び出して、金田を刺してアレをアレする」
慎吾「うわー猟奇的！あっちゃんカッコイイ！」
あっちゃん「そんで亘は船の上で村上の首を抱きながら、幸せそうに『ずっと一緒だよ』
これでEND」
慎吾「病んでるね！あっちゃんも病んでるね！」
あっちゃん「カッコイイか？」
慎吾「うん、あっちゃんカッコイイー！」





おわり

>>338
ふがいない終わりでごめなそい…

やっぱ殺すとか書けなかった！期待してくれてた方スマソつ村上

仲良しな３組+オリラジが好きです

乙です！
まさかオリラジが出てくるとはw
金田も村上も死ななくて良かった！

乙！
あっちゃんが書いたなら病んでいるのも納得だ
さすがネ申www

長編乙乙乙！！！
すごい面白かった！
このまま最後までいってたら
若干ショック受けるとこだったｗ
と、いうお話だったのさ。で
終わってよかったｗオリラジgjｗｗ

元ネタ、エロゲだったのか〜

nice boat.

元ネタ知らないけど、面白かった。
続きが読みたくて毎日wktkしてたよ。

最初から通して読んで、今読みきった！
元ネタ知ってるからオチにガクブルしつつ読んでたけど、オチに安心したｗ
あっちゃんナイスｗｗｗ

マジ乙！
次回作も期待してるb

sage忘れてた・・・・
ごめん

>>341-347
読んでくれてサンクス！！
正直こんなに読んでくれとる人がいるとは思わんかった

次回作…はどうかなネタがない…
自分以外にも誰か書いたらいいぜマジで


なにはともあれハリポタおもしれぇ

短編でもいいから金田×亘かいてほすいｗ
ガチじゃなく濃い友情な感じで

>349
沖縄映画祭のやつ思い出したw

>350
あったなそんなのｗｗ
初めて見たときはマジでビビった。

コントネタとかどう？（´・ω・`）
このスレの村上ならレッシアの「砂漠」のネタが好きそうだ

レイコちゃんネタはどう？
ひたすらウザいレイコと困惑する亘が見たい

>>349-352
ネタ提供サンクス！


>>349
スクイズではなんか金田に悪いことをしたので
今度は本来の男前で友情にアツいかんじにするのはいいかも！
しかし村上とは仲良いらしいが亘とはどうなんだろｗ

>>351
砂漠のはウザいだけで終わらない村上が良かった！
コントパロいいな〜

>>352
コントのけんちゃんじゃなくて素の亘だったら
たしかにレイコをどう対処するのか気になるｗ


参考にしてがんがります

おもしろかったよ保守

保守（´・ω・`）

ここ楽しいです
保守

ところで>1はライブスタンドで亘が川島に唇を奪われたことについてはどう思う？

>>354-356
保守感謝つメロンパン

>>357
誰もが望むことを成し遂げるのは相当の努力と勇気が必要です
そういう意味で川島は英雄であり勝ち組です
ただ夜道には気をつけたほうが良いでしょう
あと昼間でも村上には気をつけたほうが良いでしょう

マジレスすると
見ていないので状況はわからないがオイシかった(面白かった)ならいいかなー
ただ川島、村上にはry




>>349-350殿からのアイデアの短編(？)書きます
映画祭と同じ状況で話が進むけれどゲイ表現はありません
あと学生じゃない

第八章　限りなく透明に近い村上


それはまだ、俺たちがこんなにも売れる前の前のハナシ。


金田「お、」
亘「あ…」
新譜でもチェックしようかと、ふらっと入ったＣＤ屋で、偶然同期に会った。
亘「よ、ひさしぶりー…でもないか、はは」
金田「おお、昨日〜…は会わなかったから、二日ぶり、くらい？」
亘「ああ、うん、そんなもんかも」
愛想笑い、誤魔化し笑い、そんなかんじの空気。
フルポンとはなにかと仕事で一緒になることが多い。にしてはぎくしゃくしている、と思うかもしれない。
けっして仲が悪いわけじゃない。実際俺と村上、川島と亘はけっこうプライベートでも遊んだりする。
でも、だから余計に、俺は亘と話す機会があまりなかったし、特に気にしてもいなかった。
亘「あれ、お前んちってこの近くだっけ？」
金田「いや、仕事のついで」
ふーん…、と亘が瞬きしながら呟いた。なんとなく、間がもたないので言うだけ言ってみる。断ってくれと思いながら。
金田「あ、せっかく会ったし茶でもする…？」
しかし、意外すぎる答えが返ってきた。
亘「そーだなー。んじゃさ、俺んち来る？」
金田「は！？」
亘「うちすぐ近くなんだよ。まあちょっと走るけど」
金田「は、走る？」
こいつ、移動がてらジョギングでもしてるんだろうか。さすが元自衛官…。
亘「あ、買い物は？」
金田「平気。ちょっと見に来ただけだから」
俺が頷くと、亘がにっこりと笑った。
金田「あ、」
八重歯。
亘「なに？」
金田「な、なんでもねー」

そういえば、亘の笑った顔をまじまじ見るのは初めてかもしれない。
仕事が一緒になっても、自分と川島のことでいっぱいいっぱいだし、楽屋なんかでも亘は大人しくしていることが多い。

亘「な、お前体重いくつくらい？」

エレベーターを降りて、店を出ようとしたとき、亘が唐突に尋ねてきた。

金田「へ？」
亘「細いけどー…でかいしな…ん、まあ平気かなあ…、いけるか！」

なにか一人で納得した亘が向かったのは、駐輪場。

金田「そっち出口じゃねーんじゃね？」
亘「あ、わり、俺チャリだから。お前は歩きで来たんだよな？」
金田「ああ。…え、もしかして」

二人乗り！？

金田「いや、そんだったら俺前でこぐし！」
亘「でも俺のチャリだし、大体お前でかいから前いたら何も見えなくてこわいだろ」
金田「むしろでかいから俺がこぐし！俺を支えきれないでしょ？だって亘ちっちゃ…、」

あ、やべ。

亘「…なんてカオしてんだよ。別に気にしてないって。よく言われるしさ」

そりゃ村上とかはよく言ってるけど…俺が言うのとは違うだろ。

亘「でもそう言われたからには引けないなぁ。超安定した走りを見せてやるからな！」
金田「えー、でも…」
亘「とにかく乗る！」

ビシッと言われて、仕方なく俺はのろのろと亘の後ろにまわる。

亘「いくぞー」
金田「お、おう…」

不安とは裏腹に、チャリは順調に走っていく。

亘「な、平気でしょ」
金田「ん、ああ…」

チャリの二人乗りなんていつぶりだろう。しかも後ろなんて。中学…もしかしたら小学校以来かもしれない。
なんだか少し楽しい。

金田「早く早く〜」

風を切って進むのが気持ちよくて、亘の肩をハンドルみたいにぎゅっと握った。
すれ違う女の人が微笑ましそうに俺たちを見てる。

亘「んな早くったって…、も、」

はあはあと息を切らす亘を見て、ちょっと悪いことしたかなと思いつつ、楽しいのは 止まらない。

金田「行け！亘１号！」
亘「２号とかいねーよ」

そうこうしているうちに、亘の家に着いた。

金田「おじゃまします」
亘「案外礼儀正しいんだな、金田って」

玄関にしゃがんで靴をそろえていると、亘が少し笑いながら言ってきた。一体どんな奴だと思われてるんだ俺。

金田「そう言う亘だって、案外笑顔がかわいいんだなっ！」
亘「意味わかんないって、その返し」
金田「だって俺ツッコミじゃねーもん！」
亘「関係ない関係ない」

…あれ、なんだか意外と会話できちゃってる。ていうか、楽しいかも。



亘「しかしなんとなく呼んでみたけど…」

お互い、特にすることはない。
出してもらった紅茶と菓子をちょびちょびつまみながら、俺は部屋を見回す。

金田「なんかゲーム機とかねーの？」
亘「あー、古いのならあるかも。しかもテレビに繋げるやつじゃないの」

たしか…とか言いながら亘がクローゼット？の中を探る。

亘「あ、あった」
金田「あー、アドバンス」

ちょっと懐かしいやつだ。

金田「ソフトは？」
亘「本体になんか入ってる。…あ、野球のだ」

そういえば亘は高校だか中学だかで野球部だった、と村上あたりから聞いたような気がする。

金田「おもろい？」
亘「多分」

ピー、と亘がスイッチを入れる。チャンチャカチャーン、というどこかで聞いたことのあるような電子音。

亘「うわ、懐かしい」
金田「自分の名前とかつけてんじゃん！しかもポジション、セカンドって地味だなー！」
亘「なんだよ、セカンドを馬鹿にするなよー」

ピコン、ピコン、と進めていくと、試合のモードになった。

亘「やりかたわかるか？」
金田「あんま自信ない」
亘「ん、じゃあ見てて」

チャラッチャッチャー、とこれまた聞いたことのあるような電子音が、試合の開始を知らせた。

金田「な、亘ー、俺多分もうわかったかも」
亘「うん」
金田「だからさー、」
亘「イヤでもここ重要だから！ちょっと、もうちょっと試合状況が安定するまで…」

さっきからそう言ってずっとやらせてもらえない。

金田「わたり〜」
亘「ん？」
金田「ゲームはもういいからさ、」
亘「悪い今ちょい話しかけないで」

くっそー！なんだよ。

金田「なあ亘ってば」
亘「ちょ、ぶれるから」

掴んだ腕を振り払われる。なんか悲しい。

金田「こんにゃろー！」
亘「わっ」

どさ、と亘がベッドに仰向けに倒れる。両手は俺によって捕まれて、服従の状態。
チャンチャチャー！というゲームの音に、亘が呟いた。

亘「あ、勝った」
金田「あ、そか、よかった」

ベッドの端に弾き飛ばされたゲームは、相変わらず軽快な電子音を奏でている。

金田「つか悪ぃ。…ごめん」

短気な奴と思われただろうか。子供だと思われたか。
俺は相方から始まって、同期や時には後輩も年上が多いので、そのへんを少し気にしていた 。

中途半端だが続きます

ダイソン欲しいな誰かくんねーかな

わーお！
例の映画祭のやつですね？ｗ
楽しみにしてます。

村上さんが番組で
ダイソン掃除機を賞品で貰ったみたいですねｗ

掃除機の事だよね？ｗ

待ってました！

ライブスタンドいいな・・・（´・ω・`）
行けなかった分第８章楽しみにしてる！
それにしても題名と内容脈絡ないｗ村上名前すら出てないｗ

乙です！
八章楽しみにしてますｗ

>>364-366
つラクベジ

ダイソン掃除機テラウラヤマシス

そして毎回題名に意味はありませんすみません
あ、でも一応村上つながりだったりする(限りなく透明に近いブルー)

ピラメキでじゃれあう金田と亘見た後だから萌えも倍増やで

>>368
果たして俺の文で萌えるかどうか…いや、がんがります



亘「や…むしろ、ごめん。大人げなかったよな、俺」
金田「！」
亘「…年上なのにさ」
金田「そんなのっ…」

横を向いて笑う亘がなんだか大人に見えて。なんだか子供扱いされたようで。

金田「俺たち…同期だし！同じくらいはしゃいだって、いいだろ…っ」
亘「え、」
金田「だから…」
亘「………」

思わず亘の手を強く床に押し付けてしまった。驚いたようにくりくりした瞳を揺らす亘。…子供みたいな顔だなあ、こいつ。

亘「そう…だよなあ。仮にも芸人だしなあ。俺ももっと普段からそれっぽくいるべきか」
金田「へ、」

そうじゃなくて、俺は子供扱いすんなってことを言いたかったんだけど。
亘は勝手に俺に説教されたと思ったらしい。

亘「たしかに…金田は、なんていうか…楽屋とかでも芸人っぽいよな。プロ意識の違い、なのかなー」

うーん、なんて難しい顔をする亘。
そんなん全然違うって。騒ぎたいから騒いでるだけだって。
っていうか、楽屋とかで見てるんだ？　亘は俺のことなんて全く気にしてないと思ってた。

亘「うん…なんかありがと」

だからアドバイスなんかじゃないんだって、とも言えず、俺は急激にきた恥ずかしさを隠すので精一杯だった。

亘「あ、でもさ、いくら元気いいとはいっても、急に押し倒すのはよせよな。特に相手が女のときなんか」
金田「ぅあ！わ、わるい！」

そういえばまだ亘の上に乗っかったままだった。

亘「別にいいって」

そう言う亘の胸元をちらりと見た俺は、目を見張った。

金田「…毛！？」
亘「あ、これ？うんそう、胸毛。意外だとか言われるけど」
金田「超意外だし！」
亘「こんなんでも足とかもけっこうあるよ俺」
金田「え、ちょ、見して見して」
亘「わ、な、なんだよ」

Ｔシャツをめくり上げようとする俺を、亘の手が制する。

金田「いいじゃん別に減るもんでもねーし」
亘「いや、なんかこんな距離でまじまじ見られるのは抵抗が…」
金田「気にすんなって！」

がばっとめくると、亘は諦めたように大人しくなった。

金田「わー、なんか似合わねー！」
亘「ほっといてよ」

子供みたいな顔に、ふさふさとした胸毛。ミスマッチだ。
なんかペンギンの赤ちゃんとかを思い出してしまって、俺は噴き出した。

亘「なに笑ってんだよ！もー、いいだろっ」

ぎゅっとＴシャツをもとに戻し、亘は顔を横に向けた。

金田「ごめん、つかずっと上乗っかっててごめん」

よいしょと亘の上から退いて、ベッドの上に腰掛ける。亘は、寝っ転がったまま眉間に皺を寄せている。

金田「あ、怒った…？ほんと、悪い」
亘「いや、そうじゃなくて、なんていうか、不思議だなーと思って」
金田「？なにが」
亘「こうして金田が俺の部屋にいて、ふざけ合ったりしてるのが、さ」

たしかにそりゃ数時間前までなら全然予想できなかったことだけど、今更だ。
でもそういうことじゃないんだ、と亘は言う。

亘「俺、自衛官だったのは知ってる…か？」
金田「ああ」
亘「それもさ、なんか…なんていうかな、こんなことマジで言ったらあれかもだけど」
金田「うん」
亘「人、笑わせたいって…、なんか、笑ってるときって平和な気持ちだろ、だから」
金田「うん」
亘「そういう意味でも平和ってつくれる、って」
金田「………」
亘「ゆー…カンジ、だけど、」

俺が黙っているからか、亘が不安げにこっちを見上げる。
俺はといえば、手の震えが止まらないでいる。思わず亘の強く肩を掴んだ。

亘「わっ！？」
金田「わかる、わかるしそれ！」
亘「えっ」
金田「おんなし！それ、すっごいそうだし、俺も！」

興奮気味に叫ぶと、亘は目を丸くした。

金田「俺はそんな、平和とか難しいこと考えとらんけど、でも笑わせる、んで、こっちも嬉しいし、相手も楽しいし、そういうの、そういうことがしたいんだって…」

うまく言葉にできないことをもどかしく思いながらも、思っていることを一生懸命伝えようとしていると、亘が笑っているのに気が付いた。
でもその顔は馬鹿にしてるとかじゃなく、すごく嬉しそうな顔。

金田「亘？」
亘「ん。なんかさ、すげー嬉しいんだ。こういうこと、あんまりマジなかんじで話して応えてくれた奴っていなかったから」
金田「俺もだよ」

亘って、大人しいように見えて、結構アツイ奴なんだ。今まで、全然知らなかった。
知れて、よかった。

亘「と、とにかくさ、そんな感じで芸人になったけど、俺ってちょっと向いてないかんじだろ？コンビでも目立たないほうだし。なのに金田といるのが不思議ってこと」
金田「ん？」

どういうことだ。

亘「だからさ、金田ってすげーじゃん？そんな金田と今こうして…」
金田「え、すげーってナニが？」

首を傾げると、亘がさも当然というように言った。

亘「だって金田はお笑い界引っ張ってくようになるだろ？」
金田「はーーーーーー！？」
亘「いや、これ俺の個人的な見解じゃないよ？みんな思ってることだよ」
金田「や、嘘…つかだれ、え…、ええー！？」

思いもよらないことを言われて、驚きやら照れやらで俺はどうしたらいいのかわからなくなった。

亘「そんな反応するんだ？当然そういうつもりなのかと思ってた」
金田「や、だって俺たちまだテレビにもろくに出たことないのに…」

そりゃあ、そういう心意気だけはあるけど。

金田「そんなら、お前らも一緒だろ！」

そんな、俺だけ遠いみたいな言い方すんなよ。亘だって、同じこと思ってるのに。同じ目標があんのに。

亘「うん…そうだな」

亘がこっくりと頷く。真剣なよっつの瞳が、狭い部屋に煌めいた。

亘「頑張ろうな」
金田「だし！」

金田「んじゃな」
亘「ほんとに駅まで送ってかなくて大丈夫か？」
金田「ん、道は覚えてっから。あ、それともまた亘１号になりたいか？」

笑いながら言うと、亘はうんざりした表情で言った。

亘「もーお前絶対一人で帰れ」

ひひひ、と笑い合う。昨日なでなら考えらんなかったことだ。

亘「じゃ、気をつけてなー。寄り道すんなよー」
金田「お兄ちゃんか！」
亘「ま、そんな気分」

部屋の外まで出て見送ってくれた亘に背を向け、歩き出す。
角を曲がって、振り向いても亘の姿が見えなくなった頃、ちょっとだけスキップしてみた。

金田「わたり…か」

なんとなく呟いてみる。

いつもは大人しくて、可愛い顔してて、でも怒るとちょっとこわそう。
背も小さくて子供みたいなくせして、笑っちゃうほど毛は濃い。
そして、実はお笑いに対してすごく真剣で、熱くて…同じ目標を持つ仲間。

金田「…がんばろうな！」

いつか一緒に番組やろうぜ！
みんなが笑顔になれるような…。

翌週、亘に会ったとき「なに住宅街をスキップなんかしてんだよー」とからかわれた。どうやら二階にある亘の部屋から俺が駅に向かう様子は丸見えだったらしい。

村上に「なになになんのハナシ！？」と詰め寄られたが、「お前には内緒！」と言ってやった。
亘は首を傾げていたけれど、俺がジェスチャーで『内緒な！』と言うと、にっこり笑ってオッケーサインを出してくれた。

金田「あ、そうだ。その八重歯、いいな！笑ったときのさ、」
亘「そうか？」
金田「ん！」
村上「なんだよそんなん俺はずーーーーっと前から思ってんぞ！」
川島「俺もー」
村上「お前はいーの！」
川島「なんだよぉー」



こんな俺たちだけど、いつか絶対テレビに出るんだ。そんでみんなを笑顔にする。
な、亘！







ちょっ…、相方オレ！オレ！
　　　　　　　　　　∧＿∧
　　　 ∧＿∧ 　（´<_｀ ）　終わりだよな俺ら
　　　（; ´△｀）　/ 村　 ⌒i
　　 ／　川　＼　 上　|　|
　 /　　島/￣￣￣￣/ 　|
＿_(__ﾆつ/　 　　　　/| .|＿＿＿＿
　　　 ＼/＿＿＿＿/　（u　⊃

あんまり友情っぽくならなくてスマセン
あと短編すぎたかな…？
書いていると短いのか長いのか自分ではわからないもので

砂漠ネタの書きたいけれど内容がうろ覚えだ…
ちくしょうどっかに動画はないのか

>>375
乙！自分的にはちょうどいい長さだったよ

熱い友情よかった！
フィクションなのにすごいリアルに感じれたしドキドキしたｗ

砂漠のはつべじゃ消されてるし、もうないかなぁ‥
亘がレイコにふられて傷ついてるのを
最終的に村上が勇気づける感じだったような

乙乙乙！！！
いや、すごい何かジーンときたｗ
亘は、そういう熱いものを本当に秘めてそうだし
ほんと二人のリアルな感情に思えて面白かった！
日本を救えるのはミサイルじゃなくて
笑いだっていう亘の名言？ｗを
笑いで平和にってうまくリンクしてて良かった！
すごい好きなシーンだ！

亘と金田っていう組み合わせもすごい新鮮だったし
すごいおもしろかったです

最後の川島と村上も良かったww

乙です！
楽しかったです！ｗ

砂漠は、パ●ドラTVにあがってましたよ〜

THE THREE THEATER

で検索すると出てきます。(たぶん)
THEの前に090120とつけて検索したら
一発だと思います。
(数字うろ覚え…)

毎度乙です
保守

すげえ普通にほのぼのしたｗ
毎回毎回萌えをありがとう！

砂漠ネタ楽しみにしてる！

>>376-381
つ平和

教えてくれた方ありがとう！おかげで砂漠見れました
明日あたりから砂漠ネタ書きたいでおま

毎回だけども、
捏造もいいとこな話にいつも温かいコメくれてサンクスです

とりあえず今日のレッシア楽しみ
重大発表ってなんぞ

重大発表
衝撃大きすぎたｗ

まじで報告のとき緊張したよ
まだ緊張して吐き気がするよｗ

亘おめでとうございます。
結婚しても可愛い亘で居てください

嬉しいけど悲しいファン心…ｗ

結婚おめでとうございます
重大発表っていうから予想はしてたけどやっぱりビックリしたw
おめでたい事なのにショックをうけている自分が嫌だorz

>>1的にはどうなの？

ほんと発表聞く瞬間心臓跳ねたｗｗ
まだまだ若手なのに
亘の決心は固いね！
潔い！おめでとう！

どうも>>1です

予想はしてたけどおったまげ〜！
嬉しいような驚きでいっぱいぱい
おめでとう！辺境の地からおめでとう！

ブログで「村上をあんまり載せないのは村上を安売りしたくないから」
って前書いてたけどこういうときにはちゃんと載せるのな！
あれは言い訳じゃなく本当だったんだな！
と思ってほっこりしました

あー眠れねー…

亘おめでとう！
奥さんといつまでも幸せに！

とりあえず>>1落ち着け（´・ω・`）つ亘
ファンの心境としては嬉しいけどスレ的には微妙なタイミングだよなｗ

>>388
ありが�d
他人の結婚にここまで動揺したのはポールサイモンの初婚以来だぜ

正直考えてた砂漠ネタがちょっとタイミング的に不謹慎？不吉？なので参った

が

とにかくよかったなぁ！

ネタは考え直せばいい。とにかくめでたい

〉〉1が考えてた砂漠ネタを読みだい俺がいる

が、
強要はしません。
〉〉1応援してます！
そして
祝結婚わたりん！

>>1
表記間違った…
失礼しました！

ショックだったけど
金田の「亘どういうこと!?」に萌えたからいいやｗ

砂漠ネタ、週末に投下します。できれば明日
なるべく一晩の流れで書き上げたいので

やーとにかくダブルオー(おったまげおめでたい)だ！
披露宴は当然世界中で生中継されるんだろうなー


…混乱はしてません大丈夫

今日のピラメキ大募集のコーナーの冒頭でも金田と亘のやりあいが見れてよかったｗ
なんかでも今回は亘の力が強すぎて金田が若干笑ってたｗ

本当亘の披露宴世界中で放送されないかなー！

新作楽しみにしてまーす！
披露宴も早く見たいですね！
幸せオーラ全開な亘が見たい
てゆーか、なんでこんなに金田と亘の組み合わせが人気なの？w
村上の事も思い出してあげてください。　

>>395
犯人は前田

やっぱり>>396の通り沖縄映画祭のショートムービーじゃないのかな
美男子同士は絵になるから・・・

砂漠ネタゆっくりでもいいんで楽しみにしてるﾉｼ
保守。

>>394-397
つブーケ

金田の人気に嫉妬
ていうか村上は美男子じゃないのか…ｗ


こんな時間からすません砂漠ネタ投下
新婚のわたりんに捧ぐ。

砂漠のコントを見ていないと意味不明な部分もあるかもしれない。すみませんだ
あと勝手な設定(レイコがあのレイコだったりとか)がいろいろあります。すみまっせん




第九章　You are my oasis, my only ...



　なんだか慣れないテーブルに椅子。目の前を颯爽と行き交う人々を見つめながら、村上は居心地の悪さに唇を噛んだ。
　どいつもこいつもコジャレた格好をしやがって。俺みたいに、作業着でも着てろってんだ。
　店の雰囲気と同じモノトーンでまとめた服装のウエイトレスが、早く注文をしろとでもいうように水を注ぎ足しに来るのを無視しつつ、村上はため息を吐いた。

　都心のオシャレなオープンカフェ。
　こんな場所、あいつでもいなければ一生来ることはなかっただろう。もうすぐここに来るであろう亘の歳に不相応な幼い顔を思い出しつつ、村上はいっぱいになったグラスの水を一気にあおった。

「遅れてすみません！」
「ったーくよぉ、普通十五分前には来るもんだろーって」

　待ち合わせの時間のほぼぴったりに亘は来た。
　別に謝ることじゃあない、今日は来る前に亘は用事があるからと、この時間に決めたのだ。それでも口が勝手に動いてしまうのを村上は止められない。

「俺はずっと待ってたんだぞ、こんなトコで、一人で」

　苦笑しながら謝る亘に、村上はしょうがないとばかりに肩をすぼめる。
　亘も村上が本気で怒ってなどいないことはわかっている。どうしてもこういう言い方になってしまうのは村上の性格だ。

「で、どうなんだよ例のレイコとは」
「まだ…会ってなくて」

　レイコというのは、亘の彼女だ。いや、現在の状況では元彼女といったほうがいいのかもしれない。

　村上と亘が出会ったのも、亘がレイコに振られて自殺覚悟の失恋旅行で砂漠に行ったときのことだった。そこで亘の命を救ってから、なんだかなつかれてしまって、日本に戻ってきてからもちょくちょく会うようになり、現在に至る。

　店員にフレーバーティーを頼む亘を「女々しい」と罵りながら、村上は椅子に踏ん反り返る。俺は注文などするものかと、とうとう注ぎ足されもしなくなったグラスを睨んだ。
　このカフェは、レイコとの思い出の場所なのだそうである。
　村上はこんなところに来たがるような女と付き合ったことはない。自分で調べて誘うなんてのはもちろんないし、おそらく女のほうから誘われても断るだろう。本来こういう場所は村上の好みではないのだ。
　そこで村上は、はてと考える。亘には、誘われてのこのこと来ているではないか。
　いや、亘がここがどうしてもここがいいと言うから、断ったりしたらものすごく落ち込んだりするかもしれないから――。無意味とは知りつつも、自分にそんな言い訳をしてみる。
　亘はといえば、呑気に紅茶に砂糖など入れている。俺がお前のせいでごちゃごちゃ考えているというのに、と理不尽な怒りを感じつつ、村上は尋ねた。

「連絡は取ったのかぁ？」
「一応…留守電にメッセージを」
「そんだけかよ！んなん駄目に決まってんだろぉ！？」
「で、ですよね…でも勇気が出なくて」

　叱られた子供のように項垂れる亘の姿に、なにか胸に温かいものがこみ上げるのを無視しながら、村上は訊いた。

「そもそも振られた原因とかってあんのか？」

　村上がずっと気になっていたことだ。あまり傷に触るようなことをして、また「死ぬ」なんて言われてはかなわないと、今まで無関心なふりをしていたのだが。

「名前、呼び捨てにしたから…」
「はぁ？」
「それが“無理”って」
「なんだっそりゃあ！アホか！」

　思わず大声を出してしまった。客や店員にじろじろと見られるが、村上にとってそれはどうでもいいことだった。
　慌てて亘のほうを見ると、亘は下を向いている。

「わ、悪い…」
「いえ…ていうか俺もそう思って、だからケンカになって…そ、それで、」

　亘の瞳からぽろりと涙がこぼれる。店の照明に反射して、なんだかダイアモンドのよう。ぼんやりとそんなことを思いながら、村上は吸い込まれるように手を伸ばした。

「？」
「あ、水分だよ水分！お前が来る前に水ぜんぶ飲んじまったから…！」
「そ、ですか…」
「ていうか、めそめそめそめそなー、いつまでも泣いてんじゃねーよお前！いい歳した男がよぉ」
「だ、だって…」
「なんのために頑張って砂漠から帰って来た？あ？俺をハゲタカから守ったときの勇気はどこいったんだよ！」

　べしっと背中を叩くと、亘はびくんと身体を揺らした。まずい強く叩きすぎたか、と亘の顔を覗き込むと、予想外の笑顔がそこにあった。

「村上さんは、いつも俺を励ましてくれるんですね」
「〜んなんじゃねーよっ」
「…だからいつも頼っちゃうんです」

　いくらでも頼れよ、なんて口に出せる性格ではない。村上は誤魔化すように早口で言った。

「呼び捨てがイヤだってんなら、ちゃんでもさんでもくんでもなんでも付けて呼んでやりゃあいいじゃねえか。女ってのはそういうわけわかんねぇことにこだわるもんなんだよ。そんくらいのワガママ、金もかかんねぇんだしきいてやれ。好きなんだろ？」
「！」

　じろりと睨むように見つめると、亘の澄んだ瞳がぱちぱちと瞬かれた。

「そう、ですよね…」
「おう」
「好きなんだから、そのくらいしてあげるべきですよね…。村上さんって、恋愛にも詳しいんですね」
「ん、」

　実際、村上は恋愛の経験など、数えるほどもない。アドバイスだって、でまかせに近い。けれど、きらきらした目で自分を見つめてくる亘に「適当に言っただけ」などといえるはずもなかった。

「俺…とにかく連絡とってみます。それで謝って…、村上さんのいうとおりにしてみます！」
「あ、ああ…そうだな、」
「うまくいったらまた連絡しますね！」

　果たしてうまくいくのかどうか――。
　席を立ち、勘定を払う亘を横目に見ながら、村上は複雑な気持ちでいた。

「それじゃあまた！」
「おう」

　亘の背中が遠ざかっていく。村上は少し罪悪感にかられながらそれを見送った。

　村上はレイコについて、または二人の関係について、亘から聞いたことしかないのでわからないが、はたして“呼び捨てが嫌だ”なんて理由で別れようとする女が本当にいるのだろうか。それは単なる口実で、実は理由は別にあるのではないか。
　…たとえば、他に男がいるだとか。

　そこまで考えて、思わず携帯電話の通話ボタンに手をかけた。今からならば、まだ間に合うかもしれない。亘に「やっぱりあきらめろ」と言うのだ。そうすれば、傷付かなくても済むかもしれない。

「…いや、」

　どちらにしろ同じことだ。いつかは知らなければならない。そしてそれを乗り越えていかなければならない。

　――もしもまた亘が傷付いても、また俺がオアシスになってやればいい。

　村上は携帯電話をポケットにしまった。

　亘からの連絡は、思った以上に早く来た。

　カフェで会った翌日の夜だった。眠ろうとしていた村上は、電話など無視するつもりだったが、【着信：亘】の文字を見て思わず通話ボタンを押してしまった。

『レイちゃんが、やり直そうって言ってくれたんですよ〜！！』

　電話口からでも笑顔が想像できるほど喜びにあふれた声の亘。
　こんな亘は初めてかもしれない。なんせ村上の知っている亘というのは、泣き虫でぐずぐずした情けない青年だ。

「よかったな」
『はい！村上さんのおかげですよぉ〜。村上さんのいうとおりにしたんです、そしたらレイちゃん機嫌直してくれて…』

　まさか、だ。本当に名前の呼び方が原因だったとは。
　その女、ちょっとアレなんじゃないのか…と言いたいのを抑えて、村上は祝福の言葉を送った。

「おめでと。もう、嫌われないようにな」
『へへ、本当にありがとうございます！』

　嬉しそうな亘の声が左耳に抜けていく。これで亘ももう大丈夫だ。余計な心配ごとが減った。村上にとってもよかったはずなのに、なぜだろう釈然としない気持ちが残ったままだ。

「よかった、んだよな…うん」

　確かめるように呟いて、切れた携帯電話をベッドの端に投げた。

「で、なんでまた泣いてんだよ」
「だって…レイちゃん、結婚とか重いって言うんです…」
「…重い、」

　聞くところによると、亘とレイコは付き合って一年ほどになるのだそうだ。そこで結婚の話が出てくるのがはたして「重い」のかどうか、村上にはよくわからない。
　亘の年齢を考えれば少々気が早いようにも感じるが、「遊べるうちに遊びまくってやろう」なんていう男よりは、女からしたらよほど誠実で好印象なのではないだろうか。それともイマドキの若者ってやつは、感覚が違うのか。

　人通りの多い道端で、人目もはばからず泣きじゃくる亘を、眉間に皺を寄せて見つめる。こんな場所では抱きしめてやることもできない。今の村上にできるのは、せいぜいハンカチを乱暴に押し付けることくらいだ。

「お前本当にそのレイコのこと好きなんだな…」

　人生の全てを左右するくらい。村上には想像ができない。

「でも、だったらよけい、はっきりさせるべきなんじゃねーか？そういう価値観の違いってなかなか埋まるもんじゃねーし…、お前が結婚まで考えてるなら尚更だ。相手にそういう気があるのか訊いとかねーと、このまま付き合ってもいつか傷付くんじゃねーか？」

　価値観の違い、というか、気持ちの大きさの違いかもしれない。亘はレイコを心底愛している。だが、レイコのほうはそうでもないのではないかと村上は感じている。なんせ、呼び捨てが嫌で別れるくらいだ。

「…なあ、そのレイコって子から、好きとか言われたことあんのか…？」

　すると、亘は照れたように言った。

「はい…まあ。へへ。でも俺が言うほうが断然多いですね。彼女、心配性ですぐ不安になるんですよ。何度好きって言っても信じてもらえなくて」
「へー…」

　一応レイコのほうも亘のことを好きではあるようだ。もしかしたら、その心配性なところに二人のすれ違いの原因があるのかもしれない。

「そんならビシッと言っちまえ。お前と結婚したいんだ、って。それで断られるような断られるようなら…」
「そ、そんな…断られたら、また振られたら俺…！」
「お前は全然変わってねーなぁ！そんなんだから駄目なんだよ！大体、その女、極度の心配性なんだろ？だったらお前が男らしくはっきりしてなきゃ、よけい不安になっちまうだろーが」
「う…っ」

　しゃくりあげる亘の肩をぎゅっと掴む。行き交う人がじろじろとこちらを見ているが、関係ない。
　亘はしばらくヒックヒックと声を抑えて泣いていたが、ふいに村上を見上げて、口を開いた。

「俺の…せいだったのかな」
「え？」
「俺がはっきりしないからレイちゃんいつも不安になってたのかも。それを俺はいつもイライラして…」

　亘が独り言のように呟く。

「そうかも。村上さんの言うとおりだ。…こんな俺とじゃ、結婚なんて不安に決まってる。もっとしっかりしなきゃ…！」
「う、うん…そうだな…」

　本当にそうなのかはよくわからないが、村上はとりあえず頷いた。

「とにかく、レイちゃんにはっきり言います、男らしく。村上さんみたいに！」
「お、俺はそんなんじゃねーよ…」

　短期の仕事で稼いでは世界中を旅する生活を送っている村上は、結婚なんて考えたこともない。それどころか、こうして定期的に会う人間なんて、亘くらいのものだ。

「あーあ、レイちゃんにも村上さんを紹介したいなあ。俺にはこんなすごい友達がいるんだぞって。あ、でもそんなことしたらレイちゃん村上さんのこと好きになっちゃうかもしれない…それは困る！！」
「え…」

　亘の言葉に、村上は思わず固まった。

「な、なんか失礼なこと言いましたか？あ…本当に会ってくれなんて言いませんよっ？村上さんも忙しいだろうし…」
「お、おう…別になんでもねーよ」

　友達。そうか、俺と亘は友達なのか。
　なんだか踊りだしたいような気持ちが胸に広がってどうしようもない。村上は、思わずシャツの胸元をぎゅっと握った。

「あ、村上さんそろそろお仕事の時間ですよね？すみませんいつもいつも…」
「そんなこと気にすんじゃねーよ、」

　亘と会うことが村上の中で楽しみになっていることは、もう自分自身でも否定できない。その証拠に、ここ最近は旅行にも出かけていない。いつでも亘の相談に乗れるように、今まであまり気にしていなかった携帯電話も、一時間ごとにチェックするようになった。
「それじゃあ、また！」

　手を振る亘。

　また、というのはいつなのか。また亘がレイコとうまくいかなくなったときか。
　亘は友達だと言ったが、今はレイコとの関係についての相談に乗っているだけの間柄だ。それじゃあ、その相談がなくなったら、レイコとうまくいったらどうなるのか。

「変な、気分だ…」

　うまくいけばいいと思っているはずなのに、寂しさのようなものを感じてしまうのは。
「オアシスったって…」

　砂漠でなければ必要のないものだ。亘の一番は、あくまでもレイコ。レイコとうまくいっていれば、自分はいらない。
　そこまで考えて、村上は髪をかきむしった。あまりにも子供じみている。

　友達を彼女にとられたくない、だなんて。

ちょっと休憩。
夜また来ます、多分

おおお乙です！
亘かわいいよ亘
村上かっこいいよ村上

オアシスktkr!!
待ってます！

泣きじゃくる子供おじさん可愛い！
村上も真のイケメンだw
続き待ってます！

待ってました！

村上がすごく素敵な人間に見える！
あのコントをここまでの内容にするとは・・・>>1天才じゃないか！

面白すぎるじゃないか！
wktk！！

>>407-411
どもども！
元のコント好きだしうっかり感動すらしたので
あの世界観をぶち壊してないか心配ｗ
てか完全に壊してるｗ

が、気にせず続き投下

　結婚、することになったのだそうだ。


　亘からその旨の電話が来て一週間ほど経つが、村上はいまだにどう受け止めていいのかわからない。
　報告を受け、驚いた。が、どこかでそうなるような気もしていた。
　適当なはずの村上のアドバイスは、毎回嘘のように見事に二人の問題を解決していった。村上の心とは裏腹に。

「なんだってんだよ…」

　部屋で一人、考える。また旅にでも出ようか。今度は涼しいところがいい。うんと涼しいところ。
　壁の世界地図をぼんやりと眺めていると、ふいに携帯電話が光った。そういえばマナーモードのままだった、なんて考えながら電話に出る。

「もしもし村上です」
『村上さん！』

　亘だ。

「どうしたんだよ」
『聞いてください！レイちゃんが、レイちゃんが〜…』

　男らしくするんじゃなかったのかよ、と意地悪を言ってやろうかとも思ったが、やめた。亘は涙声になりながらまくしたてる。

『指環を買ったんです、婚約の。誕生石のやつ。レイちゃんの生まれ月の。そしたらダイヤのが良かったって言うんです』
「はー…。そんなもん、今更変えられるか！って怒鳴っとけ」
『あと、俺は引き出物は、相手がカタログ見て択べる形式のがいいかなって提案したら、そんなの絶対イヤって怒るんです』
「それはあれだ、逆ギレしとけ。ていうかなんでもいいだろ引き出物なんて」
『あと、家具はお互いが今まで使ってたやつでいいよね？って言ったら、新婚さんなんだから新しいのじゃないと無理ぃ〜って』
「買え買え、買ってやれ、そんなもん」

　村上の返答があまりに適当すぎたのだろうか。亘は黙ってしまった。

「おい、」
『こんなんでやっていけるんでしょうか』

　いつになく暗い声色に、村上はドキっとする。

『毎日、一緒にいることになるのに。家族になるのに…』
「…あのなあ」

　村上は呆れたように言った。

「今更だろ。そういうワガママなとこも含めて好きなんだろ？つーかあれだ、そりゃマリッジブルーってやつだよ。誰でもなるんだ。お前ら二人してそれになってんだ、きっと」
『うう…』
「なっちまえばまとまるもんだろ、きっと。それこそ男らしく受け止めてやれよ」

　村上の言葉に亘ははい、はい…と何度も頷く。しかし、ふいに深刻な口調で呟いた。

『でも、いつもとちょっと違うんです、レイちゃん』
「ん？」
『村上さんの言うとおり、マリッジブルーなのかもしれないけど…俺の浮気をすごく疑うんです。今まであんまり、そんなことなかったのに』
「…心当たりはないのか？」
『ないですよ、まさかそんな！でも、よく電話かけても通じないとか、誰かと会ってるんじゃないかとか、俺が変わったのもそのせいだとか…』

　亘の言葉を聞いて、村上は眩暈がした。それはおそらく自分とのことだ。亘と電話しているのも、会っているのも、影響を与えているのも村上しかいない。

「あのなー…」

　なんと言えばいいのか。村上は少し迷った。しかしはっきり伝える以外の方法が見当たらない。

「それ、俺も原因のひとつじゃないのか？」
『え？』
「お前…流されすぎなんだよ、俺の意見に」
『でも、村上さん言うとおりにしたら、レイちゃんとうまくいって…』
「一生そんなことしてるわけにいかねーだろーが！」
『で、でも…』
「俺と電話したり会ったりしてる時間があったら、レイコと会ってやれよ。そんで不安を取り除いてやれ。あと、自分たちのことは自分たちで決めろ」

　自分で言ったはずなのに、なぜか心が締め付けられるようなかんじがした。
　一生村上に頼っていくわけにはいかない。これからは、レイコと二人で歩んでいかなければならない。そこに村上はいらない。その事実を自分の言葉によってはっきりと思い知らされた。

『村上さん…』

　いやだと言ってくれ。そんなの無理だと。村上さんがいなきゃ駄目です、と。そう願ったけれど、亘はいつにないしっかりした口調で言い切った。

『わかりました。俺、一人で頑張ってみます』

　村上は一瞬言葉を失った。しかし、乾く喉を無視しながら、無理矢理声を押し出した。

「ばーか、一人じゃねえ、二人だろ？レイコと」
『そうですね、はは』

　それからしばらく、亘からの連絡はなかった。

　ああ言った手前、自分から連絡するのもなんだが、二人がどうなったのか気になるではないか。この数日、村上は何度も携帯電話を開いたり閉じたりを繰り返した。
　しかしそのたびに思い直す。
　いや、レイコとのことが気になるなんてのはただの口実で、ただ自分が亘に会いたいだけだ。でもそんなことも言っていられない。これは亘の…友達のためだ。自分のこのわけのわからない虚しさなんかをぶつけて、亘を困らせるわけにはいかない。


　だから村上は亘から再び電話が来たとき、「なに電話してきてんだよ！」と怒ってやるつもりだった。当然、またレイコとうまくいかなくなったのだと思って。

「久しぶりですね〜」
「そうでもねーだろ」

　真剣な声で「会って話したいことがあるんです」と電話で言われ、なんだと思い来てみれば、そこにはいつもどおりの亘がいた。レイコにまた振られたのではないかと思っていた村上は、拍子抜けした。慰める言葉まで考えていたというのに。

　亘はいつもどおりコーヒーが飲めないからと紅茶を頼み、いつもどおりそれを美味しそうに飲んだ。しかし、どこか違う。

「…うまくいってるんだな」
「はい」

　しっかりと頷く亘は、以前の亘とは違った。「おかげさまで」なんて笑う姿には、なんだか頼もしささえ感じる。あの亘に、だ。

「それで、大切な話ってなんだよ」
「それはですね…これなんです」

　亘が差し出したのは、一枚のカードだった。パールがかった白を基調としたレース模様の上品な紙の真ん中には、ピンク色のリボンが掲げられている。
　開くまでもなくわかった。招待状だ。

「入籍はもうしたんですけど、式は、今年の七月の、俺の誕生日に挙げることになったんです。…で、村上さんにお願いがあって」
「え、」

　急展開に村上は驚いた。籍を入れたということは、もう一緒に生活を始めているということか。いま村上が対面している亘は、既婚者ということになる。
　――どうりで。
　穏やかな微笑みをたたえてこちらを見ている亘を、村上は目を細めて眺めた。亘が変わったように感じたのは、そういうわけだったのだ。
　なんの相談もなしに、とか、すぐに報告しろよ、とか、いろいろな言葉が頭に浮かんだが、そもそも俺に頼るなと言ったのは村上自身だ。
　だいたい、そんな言葉で亘を責めたところで、亘が入籍したという事実に変わってはくれない。

「それで、村上さんには友人代表のスピーチをしてほしくて」
「はぁ！？」

　そんなことできるわけない。

「…無理だ」
「えっ」
「七月は俺、また砂漠行くからな。今度はケニアのほうの」
「そうなんですか…」

　残念そうに下を向く姿は、変わってはいない。

「じゃあ、当然式にも来れないですよね…」
「そうだな、」
「村上さんのおかげで結婚できたようなものなのに…」

　そんなこと言うな。俺がなんで行けないか、スピーチなんてできないか、わかってんのか。祝福してやれる自信がないからだよ。

「じゃあ…別の日にしようかなあ、今からでも変更できると思うし…。村上さん、いつなら日本にいますか？」

　目をぱちぱち瞬いて尋ねてくる亘の腕を、左手で強く掴んだ。それからその手はゆっくりと亘の肩まで上がり、首筋を通って、白い頬に辿り着いた。
　自分でもどうしてそんなことをしたのかわからない。ただ、抑えきれないものがこみ上げてきて、どうしようもなくなった。

「村上さん…？」
「あのな、俺は行けない」
「え…」

　村上は、亘の頬に触れていた手をぱたりとテーブルの上に置いた。そして少し笑いながら言う。

「お前、しっかりしたよ。俺と会わない間、すげー大人になったみたいだ。もう俺がいなくても平気だよ」
「そんなこと、」
「いや、本当に」

　村上は亘の言葉を遮った。

「それに、俺はレイコを不安にさせてた一因でもあるわけだろ。会うわけにはいかねーよ。それに俺のせいで日取り変えるとかなったら、絶対いい気持ちはしねぇだろうし。しかもレイコは難しい性格してんだろ？男にでも嫉妬とかするかもしれねえ」
「う…いや、でも俺にとって村上さんは大事な人だから…」
「今はお前はレイコのことだけ考えてればいいんだよ。今のお前の“大事な人”はレイコだけだろ！？」

　これも本心だ。たしかに複雑な心境ではある。けれど、亘に幸せになってほしいと思う気持ちも嘘ではない。

「わかり、ました…」
「ん、」
「村上さんには、いつも大切なことを教えられてばっかりですね」

　そう言って笑った亘の顔がどこか悲しげに見えたのは、村上の思い込みかもしれない。
「でも、本当に、本当に、感謝してるんです。それだけはわかってほしくて」
「ああ。わーってらぁ」
「村上さんは、間違いなく俺のオアシスだったから」
「………。そう、か」

　亘は招待状をそっと鞄に戻した。その手が震えているように見えたのも、村上の思い込みかもしれない。

　村上は席を立った。「お幸せに」と小さく呟いて。

　別れ際、亘の瞳に涙が滲んでいるように見えたのは、村上の思い込みだ。きっとそうだ。だって、もうあの情けない泣き虫の亘はいないのだから。

　あれから数年経った。

　今でも時々、亘から、季節ごとに年賀状やら暑中見舞いやらの葉書が村上の元に届く。相変わらず世界を旅している村上は、その時々で返事をしたりしなかったりだが、亘からの葉書は途絶えることはない。
　そこにはレイコと順調にいっていることだとか、生まれた子供のことだとか、村上の安否を心配しているようなことだとかが書いてある。
　時には写真が貼られていることもあった。そこにいる亘は、まぎれもなく一家の主の顔で、泣き虫亘の片鱗もない。


　いま思えば、村上が亘にとってのオアシスだったのではなく、逆だったのだ。
　あの亘の涙が、ほんのちょっとの水分が、村上を癒してくれていた。とても小さいけれど、間違いなく村上にとってのオアシスだった。



　だからこそ、村上は亘の幸せを願っている。もう会うことはないかもしれないけれど。
　世界のどこにいても、亘の幸せを願っている。





You are my oasis, my only oasis.
You make me happy when no water in the desert.
You'll never know dear, how much I like you.
But It is not necessary to know.

If you are happy.

終わりました
英語とかわけわかんないので多分変な文になっているとオモ
まあほぼ某歌から引用しているのでそこは合っているかと


とにかくわたりんには幸せになってほしいぜ！
もちろん村上も！

と思って書いたはずがこんなことに。すまそまそんでした

不覚にも泣いた
なんてものを書くんだ…！

>>1が俺のオアシス

村上の優しさに全俺が泣いた

亘ーーー！幸せになれよーー！！
村上もなーーー！

フルポン万歳！
>>1さん最高！

村上カッコ良すぎだろ…！
今までウザいとか言っててごめん
これから気をつける！

これは間違いなく名作

>>1すごい…！乙です！

村上かっこよすぎて素敵すぎて…感動した。。
亘の幸せ願ってます…！

感動しました
村上カッコよすぎる...！
惚れてまうやろ＞＜
亘も村上も幸せになってほしい！　　　　　

亘の結婚を受け入れられてなかったけど、このお話読んで何だか救われた気持ちになったよ。
ありがとう！

自衛官女装ネタでぜひ！

ごめんなさい、
sage失敗…

感動しました！
村上の不器用な愛情に泣きそうになった。深すぎる‥
>>1さん小説家志望とかですか？才能がすごい

なんか自分がリクエストしたものがここまで名作になるとは・・・
涙がちょちょぎれるぜ(´；ω；｀)ｳｯ…
亘に会いたいけどそれが亘にとっては悪影響っつうヤマアラシのジレンマに
挟まれる村上に泣ける。
村上いままでウゼエｗｗｗｗとか思っててごめんマジでごめんorz

>>1感動をありがとう！
そして亘、結婚おめでとう！

>>1です
読んでもらったうえにレスまでどうもありがとう
関係ないけど白鵬優勝おめでとう

>>421
な、泣いた…！？
その言葉に俺が泣いた！

>>422
あのコントの村上の優しさは異常

最低！とならよく言われるが最高と言われたのは初めてだ


>>423
村上は黙ってればかっこいい
しかしウザい村上もそれはそれで好きだから困る

>>424
村上は黙ってればry
感動だなんて恐れ多い…！

>>425
元のコントがまず感動的だったもの(自分としては
ぜひ村上に惚れてください！！

>>426-427
確かに衝撃すぎて自分もショックなような不思議な気持ちだったｗ
そんな気持ちをぶつけてみますた

たしかにかわいかったけど…女装てｗどんな話だｗ

あっ上げ下げは適当で大丈夫です！

>>428
その言葉に俺が感動！

自分は国語が川島レベルの「てにをは」も危うい理系人間ですｗ
なので間違った表現とか漢字とかないか毎回ビクビク

>>429
おおおー！リクエストどうもです

村上をウザいと思うのは彼の術中にハマっているから…
それはそれでいいのですｗ多分



『結局亘はレイコに結婚ドタキャンされて、村上に泣きついて、これからも二人の(村上の？)苦悩は続くよ』
みたいに終わる予定だったが
亘結婚おめでと発表を見て最後の部分だけ変えました

次はレイコネタがんがりますｗｗｗ

作者は俺っ娘か

毎度乙でありまーす！

保守

保守（`・ω・´）ゞ

保守(・ｗ・)

保守�dです




第十章　どうしようもない僕に天使が降りきた



それはまだ、亘が自衛官だった頃の話である。



ある日、ある時間、ある場所で、出会うはずのない二人が、出会ってしまった──…。


レイコ「あっケンちゃん、お待たせぇー、ごめんね、待ち合わせ場所がよくわかんなくてー…」
亘「はっ？どちら様ですか？」
レイコ「？…え、ケンちゃん？なに言ってるの？わ、私が嫌いになったから？だから知らないふりとかするんだ…そうなんだ…」
亘「えっ？えっ？ごめん本当に知らな…(いやでも“健”ちゃんて言ってるし…もしかしたら小学校のときの同級生とかかも？)」
レイコ「そうなんだ…フラれるぅー無理ぃー！」
亘「えっ、あっ、ごめんなさい？(ど、どうしよう…)」

ﾊｼﾞﾏﾀ

レイコ「無理ぃー！」
亘「ちょ、そんなに叫ばないでくださいって！(人が見てるし！てかこんな強烈なキャラの子知り合いにいたかな？)」
レイコ「ケンちゃん私のことが恥ずかしいんだ…フラれるぅ〜っ！」
亘「フラれるってか、付き合ってないし…」
レイコ「！？け、ケンちゃん…？」

ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる

亘「え、あ…(なんかすごいショック受けてる…なんで？)」


レイコ「フラれたぁーーーーっ！！！！」

亘「！？(シャウト！？)」

きたろーオモシロス



亘「え、あ、あの…ごめん？？？」
レイコ「やめてっ！情けなんていらないっ！」

バシッ

亘「ギャッ(イタッ)」
レイコ「…わかってた…いつかフラれるって。人気者のケンちゃんと私なんかが付き合えるなんて、夢みたいだったから。
だから平気だもん、つらくなんてない。レイコつらくないもんっ」
亘「そうなんだ…？(なら平気…なのかな？)」
レイコ「ケンちゃんのばかぁっ！」

ドンッ

亘「フギャンッ」
レイコ「つらくないわけないでしょっ！精一杯の強がり察してぇ？」
亘「ご、ごめん…(こ、腰が…)」

レイコ「恋は一夜の夢…儚く散っていく、花びらのように」
亘「(なんか語ってるし…)あの？」
レイコ「でも私は振り返らない！」

バシンッ

亘「グワッ(また殴られた！なんだよもう！)」
レイコ「だってあの人と過ごした日々はたしかにあったから…後悔なんてしたくないから！」

バーン！

亘「(めっちゃポーズキメてるし…)あのですね、俺君のこと本当に知らな…」
レイコ「いいの！今更引き止められても、もう私決めたから！」

ぎゅっ

亘「いや、あの…(なぜか腕を掴まれた…逃げてぇー)」
レイコ「私とあなたは別の道を行く…お互いのために」
亘「(つーかほんとに別の道に行きたいんだけど…腕放してくれないし…)
あのね！ホントにいいかげんにしてくれないかな！？」

レイコ「！？」

レイコネタ
リクエストした者です
まさか本当に書いてもらえるなんて思わなかった！
ありがとうございます！
続き楽しみにしてますね

>>440
リクエストどもども！
のろくてごめなそい




レイコ「………」
亘「(や、やばい…きつく言い過ぎちゃったかな？)あの？ごめんね？」
レイコ「ケンちゃんじゃない…ケンちゃんはいつも優しいのに…
逆ギレとか無理ぃーっ！」
亘「逆じゃねーよ！正統な怒りだよ！」
レイコ「ほんとに無理ぃー！こんなのケンちゃんじゃないぃ〜！ってか…あ…あれ？アレレ？」
亘「？」
レイコ「ケンちゃんじゃ、ない…ケンちゃんじゃない！」

バシコンッ！

亘「ガハッ！(今度は鳩尾を！)」

レイコ「ケンちゃんじゃない！似てるけど違う…！
だってケンちゃんはもうちょっと背が高いし」
亘「どうせ俺は小さいわ！てか君デカイな！」
レイコ「ヒドイ！ケンちゃんはもっとデリカシーあるし、もっともっとかっこいいし優しいし明るいし人気者だし…」

レイコ「それに胸毛も生えててセクシーだし…」
亘「俺も生えてるわ！」
レイコ「なんでそんなこと知ってるかって？無理ぃ〜言えないぃ〜！」
亘「聞きたくないよ！つか無視か！」
レイコ「正解は私がジェラシーでシャツを破ったからでした！ペロッ！」
亘「(ウザッ！)どうでもい…つか豪快な嫉妬だな！」



亘「とにかく人違いだったわけですよね？じゃあ俺もう行くから」
レイコ「待って！」
亘「まだなんかあるの？」
レイコ「ケンちゃんと待ち合わせしたてのにいないの…あなたに絡まれてる間に見失っちゃったのかも」
亘「…うんなんかもう突っ込む気も起きないね」
レイコ「だから一緒に探して！」
亘「え、嫌だよ…(もう関わり合いになりたくない…)」
レイコ「あなたがいれば探しやすいし！“こんな顔の人知りませんか？”って」
亘「んなホラーちっくな…」

すみません変なとこだが続く
レイコ難しいなー

おぉ！乙です！
レイコｗ
ネタみたいでおもしろいですｗ

待ってましたー乙です！
二人の情景がすぐ浮かんで来たｗｗ
面白いよー！！

>>444-445
つトウガン

夕べのペケポンの村上について、家族Ａ:
「この人絶対当てるとかじゃなくておいしいものばっか選んでる！」

たしかに。

レイコ「とにかくあなたのせいなんだから一緒にケンちゃん探して！」
亘「だー！わかったよ、しょうがないな！(このまま騒がれても困るし…)」
レイコ「…無理ぃ〜」
亘「え？何が？(手伝ってやるつってんのにこの女…！いかんいかん知らん女性？に対してキレちゃいけない！)」
レイコ「そんな嫌々な態度とか無理ぃー！なんかこっちが悪いみたいだしぃー！」
亘「あ、キレてもよさそうだ」


亘「つか、いませんね」
レイコ「うん。…あっ」
亘「なに？」
レイコ「なんだかこれってデートみたい…」
亘「………(多分俺の目今死んでる)」
レイコ「でも、でもそんなのダメっ！私にはケンちゃんだけなんだから」
亘「ソノトウリダヨ(ケンちゃんてどういう趣味してんだろうなあ…あ、ちょうちょ)」

レイコ「私を巡って争う同じ顔の二人…実は生き別れた双子の兄弟だった！
…とか無理ぃ〜困るぅ〜！」
亘「カオ全然困ってないし！双子じゃないしね！」
レイコ「でもホントにケンちゃんいない…。ま、まさかあなたドッペンゲンガー！？」
亘「はあ？」
レイコ「たたた大変…！ケンちゃん死んじゃう！」
亘「はあ？」
レイコ「あなたドッペンゲンガーのくせに芸人都市伝説…じゃない、あっ、ちがったっ、ドッペンゲンガーの都市伝説知らないの？」
亘「ドッペンゲンガーじゃねーし」

レイコ「ドッペンゲンガーが本人を見るとドッペンゲンガーが死んじゃ…じゃない、あっ、ちがったっ、本人がドッペンゲンガーを見ると本人が死んじゃうっていう芸人都市伝説…あっ、ちがったっ、都市伝説よ！」
亘「…うーん、とりあえず宣伝乙」
レイコ「大変！早くケンちゃんを探さなきゃ！で、あなたと会わないようにしなきゃ！」
亘「………つまり俺は帰っていいのかな？(もうドッペンでもなんでもいいから早く帰りたい…)」
レイコ「そうだね…あなたと一緒にケンちゃんを探すわけにはいかないわね…」
亘「おー」
レイコ「でも私、忘れない…ケンちゃんの分身がいたこと、そしてあなたが語った叶わぬ愛。今だけは浮気してもいいよね？ケンちゃん。…今だけはあなたの分身に…。
んちゅううう〜っ！
ってアレ？いない…」

亘「ふー、えらい目に遭ったなあ。なんだったんだろあの子。俺にそっくりの彼氏がいるとか言ってたけど本当かな？嘘っぽいけど…でも世の中には自分と同じ顔の人が三人いるっていうし…。
もしホントなら…ちょっと見てみたかったなぁ」



そんなことがあった数年後。


再び、運命の出会いが亘を待っていた───…。



亘「！」

それは亘が自衛官をやめてNSCに入学して少し経った頃のこと。


亘「あっ……(あのカオ…っ！)」

村上「？(なにか視線を感じる…。誰だ？俺のイケメンぶりにノックアウトされたのは…)」

キョロキョロ

亘(うわあ…似てる…！てか全く同じ顔だよ、あのときの女の子？と…)
村上「むっ！(なんだあ？男かよ、じろじろ見やがって気持ち悪い…。可愛い女の子ならよかったのに…)」
亘(うわー、うわー、世の中には似てる人が三人いるっていうけど…うわー)
村上「………ん？(あれ、あいつ…よく見るとかわいくないか？まだこっち見てるし…)」
亘(目が合ってるよ…。こっちを見るあの目がますます似てるなあ)