1 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:
これは夢だ。夢に違いない。
見慣れた天井、見慣れたベッドの中。
うん、間違いない。ここは俺の部屋だ。
だが俺は今、極めて困った状況にある。
キョン「…」
俺の隣で誰かが眠っている。
いや、そいつが誰か、俺は良く知っている。よく知っているんだが…。
問題はどうしてそいつが俺の横で眠っているかだ。
…うん。もう一度眠ればきっと目が覚めたときにはシャミセンが足元に丸まっているいつもの部屋に戻るはずだ。
そう考えた俺は、隣で眠る奴に背を向けて目を閉じた。
2 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:36:35.22 ID:QmQlqHlD0
2
3 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:37:04.52 ID:2v55yE2t0
ヒント:若気の至り
4 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:37:21.26 ID:4znrIy0O0
ゆさゆさ。
ゆさゆさ。
キョン「…ん?」
身体が揺さぶられる。
妹が起こしに来たか?それにしては優しい起こし方だな。
ゆっくりと目を開ける。
目の前に、あいつがいた。
キョン「…!!」
ハルヒ「おはよう。あなた」
キョン「…!?」
あなた?
おいハルヒ、いったい何を言っている?
そんな俺の困惑をよそに、ハルヒはかわいらしい微笑みを浮かべた後、何の前触れもなしに俺にキスをした。
5 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:41:27.50 ID:4znrIy0O0
ハルヒ「うふふ。おはよう」
キョン「…」
ハルヒ「もう。まだ寝ぼけてるの?顔洗っていらっしゃい。朝ごはんできてるから」
キョン「ああ」
どういうことだ?いったい何なんだ?
クエスチョンマークを飛ばしながら俺は階段を下りる。
ハムの焼けたいい香りがする。きっとハムエッグだ。
いや、そうじゃなくて、なぜこんなことになっている?
ここは確かに俺の家だ。
妹は?親父は?母親は?シャミセンは?
俺の家族の姿はない。
6 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:43:50.01 ID:4znrIy0O0
洗面所に行き顔を洗ってからリビングへ向かう。
テーブルに座る小学生の姿が見えたので俺は胸を撫で下ろし、声をかけた。
キョン「おい、なんでハルヒがいるんだ?」
妹?「ふええ?」
ん?なんか変だぞ。
キョン「とぼけるな。お前もグルだろ」
妹?「ひゃっ!」
俺は妹?の頭を掴んで顔をこっちに向けさせ、絶句した。
なんだ?これは?
みくる「ふぇぇぇっ…痛いですぅ。パパ」
キョン「…」
潤んだ瞳で俺を見上げる朝比奈さん子供バージョン(以下(子))はとんでもないことを口走った。
パパ?俺が?いつ?どこで?
7 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:46:09.74 ID:4znrIy0O0
ハルヒ「あら、どうしたの?」
みくる「ママぁ。パパが怖いのぉ…ぐすぐす」
ハルヒ「あなた、みくるに何をしたの?」
キョン「あ…その」
ハルヒがママで俺がパパ…。
いったい何のジョークだ?これ。
キョン「すまん…」ナデナデ
みくる「ふにゅ〜。…えへへ」
おおっ、頭を撫でただけで満面の笑顔に。さすがです。朝比奈さん。
ハルヒ「朝っぱらからなにやってるのかしら。さ、はやくご飯食べちゃいましょう」
みくる「はぁ〜い。いただきます」
キョン「…いただきます」
ハルヒ「いただきます」
うん。普通に美味い。
8 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:49:14.80 ID:4znrIy0O0
ハルヒ「あなた、今日はお休みよね?」
キョン「あー…何曜日だっけ」
ハルヒ「土曜日よ。もう、仕事のしすぎ」
キョン「…すまん。ちょっと行くところがある」
土曜日と聞いて駅前を思い出し、俺は無口な宇宙人のことを思い出す。
ハルヒ「えー。先週もそうだったじゃない。みくるがかわいそう」
みくる「ふぇ?なーに?ママ」
ハルヒ「なんでもないわよ〜。今日はママとお散歩行きましょうね」
みくる「えへへ。嬉しいな〜」
ニコニコと笑う朝比奈さん(子)と微笑みかけるハルヒ。
実に心が和む光景ではあるが、実に落ち着かない光景でもある。
食事を終えてから部屋に戻り、ハンガーにかけられていた制服ではなく、背広に袖を通す。
見た目が違うだけで、着用方法は制服とほとんど変わらない。
鞄を手に取り、玄関へ向かう。玄関先にはハルヒと、朝比奈さん(子)が並んで立ち俺に微笑んでいた。
9 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:52:25.59 ID:4znrIy0O0
ハルヒ「いってらっしゃい」
みくる「いってらっしゃーい」
キョン「…いってきます」
軽く笑みを返しながら靴を履いて立ち上がると、背広の裾を控えめに引っ張られる。
振り返ると、朝比奈さん(子)が俺を見上げてモジモジとしていた。
キョン「どうした?」
みくる「…」
キョン「?」
みくる「行ってらっしゃいの、ちゅー、する」
キョン「!?」
何を言っているのですか?朝比奈さん。
だが、思わずのけぞった俺を見て、ハルヒが怪訝そうに言った。
ハルヒ「あなた、いつものことなのになんでそんなに驚くのよ」
キョン「あ、え、そうか」
ハルヒ「ほらほら、はやくかがんであげて」
キョン「あ、ああ」
言われるままにかがみ込むと、朝比奈さん(子)は小さく笑い、それから俺の頬にキスをした。
10 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:54:24.46 ID:4znrIy0O0
みくる「えへへ。行ってらっしゃい」
真正面から俺を見つめて満面の笑み。うーん。可愛いなあ。
キョン「じゃあ、行ってくる」
ハルヒ「あ、あなた」
キョン「ん…うわっ」
ハルヒ「ネクタイが曲がってるわ。動かないで」
キョン「…あ、ああ。でもいきなり引っ張ることはないだろ」
ハルヒ「ごめんなさい」
キョン「あ、いや、謝るほどのことでは…!!」
ない、と言いかけた俺の唇をハルヒの唇が塞ぐ。
柔らかい。
ハルヒ「…行ってらっしゃい」
満面の笑みで言うハルヒ。ちょっと頬が桜色に染まっている。可愛いじゃないか。おい。
キョン「…行ってきます」
自分の顔が赤くなっているだろうことを自覚しながら扉を開けて外に出る。
やれやれ、なんてことだ。
非現実的な日常空間から解放された俺は、慣れない格好で駅前へと向かう。
11 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/21(木) 23:58:21.58 ID:4znrIy0O0
いつもの集合場所。
誰もいない。
キョン「…」
予想していたとはいえ、一抹の不安が俺を急かす。
早足で駅前のマンションへ。
長門の部屋の番号を入力し、インターホンに繋ぐ。
???「はい?」
少しして男の声。どういうことだ?
???「どなたですか?」
キョン「あ、あの、長門有希さんのお宅では?」
???「そうですが、どなたですか?」
どういうことだ?何かがおかしい。
しかし長門に話を聞かないことには何も始まらない。
俺はなるべく不信感を持たれないように祈りながらインターホンに向かって名前を告げた。
12 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 00:03:33.71 ID:XvQd8sKb0
???「ああ、みくるちゃんのお父さんですね。お待ちください。今開けます」
エントランスの扉が開く。
とりあえず長門の部屋に行ってみよう。どのみち俺にはその選択肢しか残されていなかった。
エレベータが長門の部屋がある5階に到着する。
扉が開くとそこに長門はいた。
キョン「…」
目の前にいるのは間違いなく長門だ。うん。それは間違いない。
だが、問題は、目の前にいる長門がまるで朝比奈さんと同じように小学生くらいの子供になってしまっていることだった。
目の前が暗くなる。
13 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:06:51.43 ID:XvQd8sKb0
キョン「…長…門?」
かすれた声が俺の口から漏れる。小さく首を傾げた目の前の長門(子)はまっすぐに俺を見て、口を開いた。
ゆき「この世界は涼宮ハルヒの願望が具現化したもの。私のこの姿もその一端に過ぎない。同じように周囲の人間にも様々な変化が見られる」
淡々とした長門の言葉に、俺はほっと胸を撫で下ろした。どうやら姿は違っても、記憶は持っているらしい。
ゆき「古泉一樹、朝比奈みくる、涼宮ハルヒには平常時の記憶はなく、朝比奈みくる及び私の肉体は7歳児程度への若返りが見られる」
キョン「…」
ゆき「涼宮ハルヒ、朝比奈みくるはあなたの家族として構成され、苗字もあなたのものになっている。そして古泉一樹、朝倉涼子、私がひとつの家族として、長門家が構成されている」
キョン「…は?」
ゆき「涼宮ハルヒ、朝比奈みくるは…」
キョン「それじゃなくて、次だ。古泉と朝倉がなんだって?」
ゆき「古泉一樹、朝倉涼子、私がひとつの家族として、長門家が構成されている」
キョン「…」
いったい何の冗談だ。古泉と朝倉が長門の両親?
14 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:10:51.39 ID:XvQd8sKb0
キョン「とりあえずお前の部屋に行ってもいいか?」
ゆき「推奨しない」
キョン「なぜ?」
ゆき「あなたと対等に話すことが不可能になる」
キョン「どういうことだ?わかるように説明してくれ」
ゆき「家族の前では私は年相応の話し方しかできない」
キョン「は?」
ゆき「古泉一樹を「パパ」、朝倉涼子を「ママ」と呼び笑顔を浮かべていなければいけない」
古泉をパパ、朝倉をママと呼んでニコニコ笑っている小さい長門…か。
正直言うとかなり見てみたい。
キョン「…あのな、長門」
ゆき「拒否する」
キョン「はやっ。てか何も言ってないだろうが」
ゆき「…!しまった」
小さく長門(子)がつぶやく。
15 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:16:25.57 ID:XvQd8sKb0
一樹「あ、[キョンの苗字]さん、いつもお世話になってます。ゆき、忘れ物だ。ほら」
キョン「…どうも」
小さな手提げ袋をぶら下げ、ピンクのポロシャツにジーンズといったラフな格好の古泉が俺たちの前に現れた。
そのマイホームパパぶりに俺は笑いそうになるのを懸命に抑えて挨拶をする。
頼む、はやくどこか行ってくれ!
ゆき「…ありがとう。パパ」(にこり)
一樹「うんうん。気をつけて行っておいで」(にこり)
…堪えろ、堪えるんだ俺。ここにいるのは、仲のいい家族だ。
古泉に背中を向け、俺はエレベーターのボタンを押す。
一樹「おや、[キョンの苗字]さん。どうしましたか?」
キョン「な、なんでもないですよ。ははは」
一樹「そうですか」
キョン「では、失礼」
一樹「お世話をおかけします」(ぺこり)
キョン「…」
エレベーターの扉が閉まるのと同時に長門(子)を見る。
長門(子)は相変わらず無表情だったが、古泉への対応を思い出して俺は笑いを噛み殺すのに必死だった。
流行ってるよな、最近。
ふぇいばりっととーろく。
17 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:19:50.29 ID:XvQd8sKb0
長門「…あなたのその反応は予想済み」
キョン「いや、その、スマン」
長門「いい。あれは私のミス」
エレベーターを降りてエントランスを出る。
それから俺はふと気がついた。
キョン「おい、長門」
長門「なに?」
キョン「俺、ハルヒたちに仕事に行く、見たいなことを言って出てきちまったから、家には戻れないぞ」
長門「問題ない」
キョン「どういうことだ?」
長門「想定済み。だから私は朝比奈みくる…『みくるちゃん』を驚かせるためにあなたに一芝居うってもらったことにしてあなたと共にあなたの家に行く」
キョン「そんなうまくいくか?」
長門「涼宮ハルヒも朝比奈みくるも喜ぶ確率は92.3%。だから大丈夫」
キョン「そうか」
18 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:24:33.10 ID:XvQd8sKb0
すたすたと前を歩く長門(子)の背中についていくサラリーマン。
傍から見れば、変質者に見えなくもない。
キョン「長門」
長門「なに?」
キョン「お前の後ろを俺がついていく姿は、社会的に見てまずいんじゃないかと思うんだが」
長門「幼児に性的興奮を感じる大人と見られる可能性は高い」
キョン「それはまずいだろ」
長門「…」
長門(子)は立ち止まって、それから少し躊躇いがちに右手を差し出した。
長門「…手を繋げば怪しまれないと判断」
キョン「お、おう」
長門「構わない。どのみちあなたの家に行けば子供の役割を演じなくてはいけなくなるから」
キョン「どういうことだ?」
長門「涼宮ハルヒを[みくるちゃんのママ]、あなたを[みくるちゃんのパパ]、朝比奈みくるを[みくるちゃん]と呼ぶことになる」
キョン「…そうか」
長門「そう」
長門(子)とぎこちなく手を繋いで歩く。なんか子守をしているような気分だ。いや、実際そうなんだろう。傍から見れば。
19 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:29:22.68 ID:XvQd8sKb0
キョン「なあ、長門。なぜ俺やハルヒ、古泉、そしておそらく朝倉は高校生の姿なんだ?」
長門「社会的にはあなたたちは社会人」
キョン「ああ、そうじゃなくて、見た目が若いっていうかなんていうかだな」
長門「外見は世界の改変前の年齢が反映している。というか、未来の姿を想像するほど涼宮ハルヒは深く考えていなかったと考察する。私と朝比奈みくるは例外。涼宮ハルヒがそう望んだから幼い姿になった」
キョン「この世界はハルヒが望んだからこうなったんだよな?」
長門「そう」
キョン「そんなような話、したか?」
長門「古泉一樹の彼女になるなら朝倉涼子のような女性でなければ釣り合わない。私と朝比奈みくるは子供の頃も可愛かっただろう。そのような会話がなされたと記憶している」
キョン「…あー、そういえば…」
そんなこともあった。
あれは確か木曜日の部室でのことだ。
20 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:32:51.33 ID:XvQd8sKb0
ハルヒ「古泉君は恋人とかいるの?」
古泉「おやおや、いきなりなにを聞いてくるんですか。まあ、残念なことにそういった関係の女性はいませんけど」
ハルヒ「ふーん。古泉君なら結構もてると思うんだけどね。…そうかあ、ねえキョン!古泉君くらいになると朝倉さんくらいの子じゃないと釣り合わないわよね!」
キョン「おいおい、なんでそこで朝倉が出てくるんだ?だいいち、朝倉のことなんて古泉は知らないだろ?」
ハルヒ「謎の転校生効果よ!」
キョン「やれやれ…」
古泉「転校生ですか。ちょっと興味を惹かれますね」
ハルヒ「ざんねーん。朝倉さんは古泉君と入れ違いでカナダに転校しちゃったのよね」
古泉「おやおや、それは残念です」
ハルヒ「結構お似合いだと思うんだけどね!」
古泉「機会があればお会いしたいものです」
21 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/22(金) 00:39:12.91 ID:XvQd8sKb0
悪いな古泉、それは敵わない。
朝倉はこの世界にはもういないからな。
ハルヒ「みくるちゃんはいるの?恋人!」
朝比奈「ふぇぇっ!こ、恋人ですかぁ!?」
真っ赤になって焦りまくる朝比奈さん。眼福眼福。
ちらりと俺の方を見たと思うのは自意識過剰だな。うん。
朝比奈「い、いませんよぉ〜」
ハルヒ「私が男だったら放っておかないけどなあ。ロリで巨乳だし」
朝比奈「ひぇぇっ!その手はなんですかぁ〜」
ハルヒ「みくるちゃん可愛いっ!」
朝比奈「や、やめてくださいぃぃっ!」
ハルヒ「ん〜っ!きっと子供の頃のみくるちゃんも可愛かったんだろうなあ」
朝比奈「ふぇぇっ!」
ハルヒ「有希もそう思うでしょ?あ、もちろん有希も可愛かったんだろうけど」
長門「…」ペラリ
朝比奈「ふぇぇっ。キョン君〜助けてください〜」
さて、今宵はここまで。
おやすみなさいませ。
23 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 00:56:01.17 ID:oXyHxupz0
待っててやるんだから
ほ
し
26 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 10:38:34.80 ID:oelGGZZr0
ゅ
27 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 12:48:19.60 ID:hKIzM4k6O
ほ
し
29 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 16:22:17.43 ID:hKIzM4k6O
の
30 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 17:23:54.87 ID:x3yfqJPrO
か
31 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 17:38:42.40 ID:oXyHxupz0
け
32 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 19:22:01.81 ID:oelGGZZr0
は
33 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 22:20:19.40 ID:x3yfqJPrO
し
34 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 22:29:24.23 ID:oXyHxupz0
に
35 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 22:29:27.18 ID:WtPkunqw0
!
36 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/22(金) 23:50:16.01 ID:oelGGZZr0
ほ
朝比奈さんが涙目で俺に助けを求めている。そんな目で見られたら助け舟を出さないわけにはいかないです。男として。
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「なによキョン?私は今忙しいの!」
キョン「ああ、お前が忙しいのは見ていてわかる。が、ひとつ教えてくれないか?」
ハルヒ「なによ?」
キョン「あー、その、なんだ、俺はどんなイメージだ?」
ハルヒ「…はい?」
キョン「古泉は転校生繋がりで朝倉とカップル、長門と朝比奈さんは子供のときから可愛い(ここ重要)としてだな、俺は?」
ハルヒ「そうね…」
ハルヒは朝比奈さんから離れて俺の前で立ち止まると、暫くまじまじと俺を眺めてから、お得意のアヒル口でにやっと笑った。
どうせ、ろくなことは言わないだろう。
ハルヒ「キョンは、ペットね!」
キョン「犬かよっ!」
ハルヒ「あら、別に犬なんて言ってないわよ。ただペットって言っただけでしょ」
キョン「同じようなものだろうが」
39 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 00:45:21.57 ID:iwhptb5d0
きたきた
ハルヒ「甘いわねキョン!ペットといえば愛玩用よ!だから思いっきり可愛がってあげるわ!」
キョン「…は?」
ハルヒ「だから思いっきり可愛がってあげる…って、もおおおおおっ!何言わせるのよ!馬鹿キョン!エロキョン!!」
キョン「お前が勝手に言ったんだろうが!いてっ、こらっ、やめろ!」
真っ赤になりながら、ハルヒは両手で俺に攻撃を開始する。やれやれ、いったい何なんだこいつは。
…おい古泉、なんだその微笑みは。朝比奈さんまで、何でそんな笑顔で俺とハルヒを見ているんですか。
キョン「だあああ!もう、やめろって」
ハルヒ「うるさい!馬鹿キョン!エロキョン!」
キョン「おい古泉、助けてくれ」
古泉「申し訳ありませんが、下手に手を出すと涼宮さんからお叱りを受けそうですので」
キョン「長門!助けてくれ」
長門「私には無理」
キョン「朝比奈さん…」
朝比奈さんに視線を向けると、潤んだ瞳でふるふると首を左右に振っているのが見えた。うん。予想通り。
キョン「わかった、俺が悪かった!だからやめてくれ」
仕方なく俺がギブアップすると、ハルヒはやっと攻撃を止めた。
いててて。結構本気で叩きやがったな。
ハルヒ「わかればいいのよ!」
キョン「はいはい。すみませんでした。ハルヒ様」
ハルヒ「ふふん」
キョン「…」
やれやれ。なにはともあれ一段落だな。
ハルヒ「あーあ。馬鹿キョンを相手にしていたら喉が渇いたわ。みくるちゃん、お茶。急いで!」
朝比奈「はぁい」
ぱたぱたとメイド服のスカートを靡かせながら、朝比奈さんが簡易コンロに火を点ける。水はもう汲んできたらしい。
特にやることもなく、一人チェスに興じる古泉、相変わらず本を読んでいる長門、楽しそうにお湯が沸くのを待っている朝比奈さんを順に眺め、それから後ろに身体を反らして天地が逆の状態に見えるハルヒを見た。
ハルヒも俺と同じで、特にやることが思いつかないのか、いつものように適当にネットサーフィンをしているように見える。
朝比奈「お待たせしましたぁ」
ハルヒ「みくるちゃん、ありがと…ぷはー。美味しい」
ものの数秒でお茶を飲み干す。
おいハルヒ、お前の口はどうなってるんだ?火傷しないのか?
朝比奈「キョン君。どうぞ」
キョン「ありがとうございます」
朝比奈「古泉君。どうぞ」
古泉「いつもありがとうございます」(にこり)
朝比奈「長門さんの分、ここに置いておきますね」
長門「…」(こくり)
古泉は相変わらずキザな奴だ。
おい、長門。ちゃんと礼を言え。
他の団員に心の中で突っ込みながら、俺は朝比奈さんの入れてくれたお茶を一口啜る。
キョン「美味い。朝比奈さんはいいお嫁さんになれますよ」
朝比奈「キョン君…ありがとう」
お礼を言うのはむしろ俺のほうなんですけどね。そんな風に慎ましいところがまた、朝比奈さんの魅力です。
ハルヒ「…」
古泉「おや、涼宮さんどうかしましたか?」
ハルヒ「別に、どうもしないわよ古泉君」
古泉「これは失礼」
ハルヒ「…か」ボソ
ん?ハルヒの奴、なにか言ったか?
ま、どうせろくなことじゃないだろうから、放っておこう。触らぬ神に祟りなし、だ。
キョン「おい待て、長門。あのときの俺は『ペット』扱いだっただろう?それがなぜハルヒの…、その、配偶者になってるんだ」
長門「あれは涼宮ハルヒの虚言。本当は今のような状態こそが理想」
キョン「は?」
長門「つまり、涼宮ハルヒはあなたを愛している」
キョン「待て待て待て!なぜそうなる?」
長門「思い出して欲しい。あの時、涼宮ハルヒは『愛玩用よ!だから思いっきり可愛がってあげるわ!』と言った。そしてその後、心拍の急激な上昇と極度の興奮状態になり、あなたに責任転嫁をしてその場の雰囲気の収束を図った。
その後、古泉一樹が声をかけるまでにあなたに視線を送ること8回、古泉一樹の問いに『お嫁さんか』とつぶやくのも確認した。その後は部室を出るまでにあなたを後ろからずっと見ていた。
そのことから推測するに涼宮ハルヒはあなたの配偶者になりたいと考えている可能性が97.3%の確率で推測され、実際、現在のような状態に至っている」
キョン「いや、長門。あいつは、ハルヒは『恋愛感情は精神病の一種だ』と言い切るような奴だぞ」
長門「人は、変わるもの。特に思春期の女性の感情は至極不安定」
キョン「いや、でも、ハルヒだぞ?」
長門「涼宮ハルヒが世界を改変する力を持っているのは確定事項。だが同時に、涼宮ハルヒが思春期の女性であるということも事実。あなたが否定すること、その方が謎」
キョン「…」
なんてことだ。
キョン「つまりだ、ハルヒは俺が好きで、今のこの状態はハルヒの願望が現実化したものってことか?」
長門「簡単に言うと、そう」
キョン「そうか。なら、元に戻るにはどうすればいい?」
長門「戻れるかどうかはあなた次第」
キョン「またそれか」
長門「あなたが鍵。あなただけが涼宮ハルヒに影響を与えることができる存在」
キョン「なあ、長門。なぜ、俺なんだ?」
長門「あなたは涼宮ハルヒに選ばれた」
キョン「そう、だったな」
長門「…ごめんなさい」
キョン「いや、お前が謝ることじゃない」
思わず大きなため息が漏れる。まったく、厄介なことだ。
そう思っていると左手が後ろに引っ張られた。俺は立ち止まり、振り返って長門を見た。
キョン「ため息ぐらい大目に見てくれよ」
長門「違う。…寄っていく」
キョン「は?コンビニにか」
長門「そう。あなたがこれから家に戻っても怪しまれないよう、プリンとジュースを買っていくのが最適」
キョン「…」
長門「ゆきぷれぜんつ、『みくるちゃんとみくるちゃんのママをびっくりさせよう作戦』のためには必要なこと」
キョン「ぶっ!!」
長門「汚い」
キョン「いや、ゴメン」
だがな、長門。いきなり淡々と可愛い作戦名を告げられれば、誰だって噴出したくなるだろ?
コンビニに入り、かごを持って長門の後についていく。長門はまっすぐにスイーツのコーナーへと向かい、商品棚を眺めると振り返った。
ゆき「くまさんプリンがいい」
キョン「!?」
ゆき「いい?」(小首傾げ)
キョン「に、人数分ある…かな?」
ゆき「うん」(にこっ)
キョン「じゃあ、それで」
ゆき「わーい」
…ああ、人前だし子供を演じているのか。
しかし、あれだ。不意打ちは汚いぞ長門。可愛いじゃないか。
ゆき「ジュースはみくるちゃんのパパが選んで」
キョン「はいはい」
ドリンク棚に移動し、俺は1.5Lのオレンジジュースとリンゴジュースをかごに入れ、お菓子コーナーの間を歩いてレジへと向かう。
そこで俺は長門に声をかけた。
キョン「ねえ、ゆきちゃん。お菓子はいらないのかい?」
ゆき「!!」
一瞬だけ長門の目が丸くなる。
ゆき「じゃあ、クッキー…」
キョン「これでいいかな?」
ゆき「…」(にこっ)
棚からポピュラーな動物を象ったクッキーの袋を取る。子供の頃よく食べたなあ。二袋くらいでいいか。
その笑顔はやめなさい。いや、可愛いんだけど反則だ。長門。
ゆき「…それ、好き」
キョン「それは良かった」
レジで会計を済ませると、再び長門(子)と手を繋いでコンビニを後にする。
キョン「なあ、長門」
長門「なに?」
キョン「俺たち、周りからは知り合いのお父さんと子供に見えているのか?」
長門「問題ない…はず」
キョン「なんか引っかかる言い方だな。お前らしくない」
長門「さすがに不特定多数の他人の感情まではモニターしていない」
キョン「そうか」
まあ、コンビニのレジのお姉さんの対応を見る限り大丈夫だと思うが。俺がお父さんに見られるってのはちょっと微妙だけどな。
さて、そろそろ我が家だ。
49 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 01:15:41.83 ID:ciVbqYZl0
はやくはやく
50 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 01:16:03.08 ID:wa71agWqO
支援
キョン「なあ、長門。『みくるちゃんとみくるちゃんのママをびっくりさせよう作戦』では誰が俺の家のインターホンを鳴らすんだ?」
長門「私。あなたは後ろに立っていて」
キョン「了解」
長門「…では作戦を開始」
長門は俺の家の玄関前に立つと、少し伸びをしながらインターホンのボタンを押す。
ピンポーン
ハルヒ「はい」
ゆき「みくるちゃん。あーそーぼー」
キョン「…」
ハルヒ「あら、ゆきちゃん?ちょっと待ってね、今、開けるわ」
玄関の鍵が外され、エプロン姿のハルヒがサンダルを履いて外に出てくる。なんていうか、実に新鮮な光景だ。
52 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 01:18:37.24 ID:ciVbqYZl0
しえん
ハルヒ「ゆきちゃん、どうやってきたの…、え?あなた?」
キョン「よう」
ゆき「みくるちゃんのパパに協力してもらったの。みくるちゃんとみくるちゃんのママをびっくりさせたくて。みくるちゃんのパパに連れてきてもらったから安全だったの」
ハルヒ「もう!ゆきちゃんの意地悪!」
ゆき「えへへ」
みくる「あーっ!ゆきちゃんだぁ!…あああああっ!!パパーおかえりなさいー」
靴を履いて玄関から出てきた朝比奈さん(子)は、まず長門に気付いて、それから俺に気付くと、一直線に俺に向かって駆け寄ってきて、俺めがけてジャンブ。
キョン「うおっ!?びっくりするじゃないか」
みくる「えへへー。おかえりー」
キョン「ただいま」
ぎゅーっとしがみついてくる朝比奈さん(小)をおっかなびっくり抱きとめながら、視線をハルヒに向ける。
ハルヒは優しい眼差しで朝比奈さんと俺を見ていた。
ハルヒ「びっくりしたのはこっちよね、みくる」
みくる「うん。すっごくびっくりしたよー」
キョン「はは。ゴメンゴメン」
ゆき「わーい。びっくり作戦大成功」
ハルヒ「ゆきちゃんってば」
キョン「まあ、なんだ。とりあえず家に入らないか?」
ハルヒ「あ、そうね。いらっしゃいゆきちゃん」
ゆき「はーい。おじゃまします」
ハルヒ「うふふ。いい子ね」
キョン「あ、ハルヒ」
ハルヒ「なあに?」
キョン「その、みくるを抱っこしてるから、悪いんだけど荷物を持ってくれるか?落としそうだ」
ハルヒ「荷物?いったい何かしら?」
ゆき「みくるちゃんのパパがおやつを買ってくれたの」(にこっ)
みくる「おやつー?なになに?何を買ってくれたの?パパ」
キョン「くまさんプリンとジュースとクッキーだ」
みくる「パパ大好き〜」
天使の微笑で俺を見上げてから再び抱きついてきた朝比奈さん(小)の頭を、俺は無意識のうちに撫でていた。
なんていうのかな、こういうのもいいな。うん。
みくる「くすぐったいよーパパ」
キョン「まあいいじゃないか、さ、家に入るぞ」
みくる「うん」
玄関をくぐり、上がり框に腰を下ろして朝比奈さん(小)を立たせる。
キョン「ちゃんと靴をそろえるんだぞ」
みくる「当然だよー」
キョン「よし、いい子だ」
再び頭を撫でながら、靴を脱いで家に上がる。
さて、今宵はここまで(=ω=)・゚・。
おやすみなさいませ。
57 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 01:42:07.20 ID:EMXkK2GX0
グッナイ
58 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 02:03:52.78 ID:ciVbqYZl0
ぐつない
59 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 07:35:12.85 ID:iwhptb5d0
おはよう
おうはよ
61 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 08:52:52.39 ID:aHPQwo0QO
おっぱよう
62 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 12:13:19.59 ID:GGidHmYhO
おそよう
63 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 12:29:17.69 ID:x1ebY5R3O
まだー?
64 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 14:30:01.51 ID:ciVbqYZl0
こんちゃ
65 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 14:52:33.35 ID:iwhptb5d0
みんなうどん食べる?
66 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 16:34:35.83 ID:ciVbqYZl0
むしろ蕎麦食いたい
67 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 21:34:31.01 ID:ciVbqYZl0
まだか
68 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 21:59:10.78 ID:/8WmagERO
まだですか?
69 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/23(土) 22:08:53.90 ID:iwhptb5d0
69なら1は三時間以内に来る
保守ありがとうございます。
朝比奈(子)が朝比奈(小)になっていたりするところがありましたが修正しておいてくださいませorz
みくる「ゆきちゃーん。お人形さん遊びしよー」
ゆき「やるー」
朝比奈さん(子)ぬいぐるみとか人形を手にして長門(子)と床に向かい合って座って遊んでいる。
ほのぼのした光景だ。
ハルヒ「ふふふ。可愛いわね」
キョン「女の子同士って、なんかいいなあ」
ハルヒ「そうね」
自然と優しい気持ちになって。俺はハルヒと二人、子供たちを見守っていた。
うーん。親の気持ちってこんな感じなのか?
…おっと、いかんいかん。この世界に順応してしまうのも問題だ。
長門が朝倉さんを引き受けてくれている間に、俺はハルヒを何とかしないと。
キョン「なあ、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
キョン「…高校時代は楽しかったよな?」
ハルヒ「え?」
キョン「高校のときさ、部活とか楽しかっただろ?」
ハルヒ「…部活よりもあなたと同じクラスになれたことが嬉しかったわ」
キョン「そ、そうか」
ハルヒ「ふふ。でも文芸部であなたや長門さんと一緒に色々やったのもいい思い出ね」
キョン「…」
朝比奈さんや古泉の名前は出てこない。SOS団じゃなくて文芸部になってるし。
ん、でも長門?
キョン「長門…さんってゆきちゃん?」
ハルヒ「ゆきちゃんのお母さんよ。長門涼子さん」
キョン「…」
なるほど、この世界では朝倉の苗字が長門になってるのか。
ん?では古泉は?婿養子?
ハルヒ「長門さんには優しそうな旦那さんがお婿さんに来てくれてよかったなって思ってるの」
やっぱり、古泉は婿養子って設定か。まあどうでもいいことだが。
キョン「そうだなあ」
ハルヒ「てっきり、あなたは長門さんが好きだと思ってたから、私、やきもきしてたのよ」
キョン「なぜそうなる?」
ハルヒ「だって、長門さんは明るくて、優しくて、成績も良くて、人気者だったじゃない」
キョン「お前だって明るくて、運動神経抜群で、かわいい子(少なくとも見た目は)だったじゃないか」
ハルヒ「えっ!」(かぁっ)
キョン「…照れるなよ」
ハルヒ「だ、だって、あなたそんなこと言ってくれなかったじゃない」
キョン「学生って普通、面と向かっては言わないだろ」
ハルヒ「う〜。なんか損した気分」
キョン「なんだそれは?」
ハルヒ「だって、告白も私、手を繋いだのだってキスしたのだって私から。…その、アレだって私がお願いしてからだったし」
キョン「…その、スマン」
ハルヒ「…」(かぁっ)
俺ってどれだけ奥手なんだよ。アレって、その、アレだろ?性の営み。
じゃなきゃ、朝比奈さん(子)は生まれてこないわけで…。
…いやいや、今はそんなことを考えている時じゃない。
ハルヒ「…でも、プロポーズはあなたからだった」
いや、そううっとりされても、俺には何のことかわからないんだけどな。
いったい俺は何をやったんだ?なあ、ハルヒ。
キョン「俺はまあ、清い交際ってのに憧れてたからなあ。なんていうか、結婚までは手を出さないってやつ」
ハルヒ「そう言われると私が汚れてるように聞こえるわ」
キョン「いや、そういうわけじゃないんだ」
ハルヒ「わかってるわよ。でもね、あなた気付いてなかったと思うけど、女子に人気あったのよ」
キョン「そうなのか」
ハルヒ「そうよ。だから他の子に抜け駆けされる前に、私からお願いしたの」
キョン「でも、付き合ってたんだからそんな心配しなくてもよかったんじゃないか?」
ハルヒ「え?だって言わなきゃ恋人にもなれないじゃない」
キョン「え?」
なんか話がかみ合わない。アレのことじゃないのか?
ハルヒ「!!もうっ、違うわよ!告白の話!」
キョン「そ、そうか。スマン」
紛らわしいぞ。ハルヒ。
ハルヒ「アレは…その、不安だったのよ…いろいろ。大学に入っても全然変わらなかったし」
キョン「…」
ハルヒ「女の子って結構そういう話するから、いつまでも処女っていうのも…」
キョン「…あー、そろそろ、おやつの時間じゃないか?」
このままハルヒに喋らせているととんでもないことを口にしそうだったので、俺は言葉を遮った。
ハルヒ「…そうね。みくる、ゆきちゃん、おやつにしましょう。お手手洗ってきなさい」
みくる・ゆき「はーい」
ハルヒ「あなたも、手を洗ってきて」
キョン「はいはい」
ハルヒ「…もう。いい雰囲気にできると思ったのに」
キョン「なにか言ったか?」
ハルヒ「なんでもない」
ハルヒが台所に消える。心なしか不機嫌そうだ。よくわからないやつだな。まあ、いつものことだ。
洗面所では長門(子)と朝比奈さん(子)が二人仲良く手を洗っていた。
みくる「くまさんプリン、楽しみだね」
ゆき「好き」
みくる「私も〜」
ゆき「ふわふわで美味しいの」
みくる「ふわふわ〜。早く行かないとなくなっちゃう?」
ゆき「みんなの分買ってくれたから大丈夫〜」
みくる「わーい。あ、パパ〜」
キョン「ちゃんときれいきれいしたか?」
みくる「うん!見て見て」(にこっ)
そう言って両手を広げて上に上げる朝比奈さん(子)。水に濡れた小さな手がとても可愛らしい。もちろん、その笑顔は子供の姿とはいえ超弩級の輝きだ。
キョン「うん。きれいだな。いい子いい子」(なでなで)
みくる「わーい」
キョン「パパもきれいきれいするから、先に行ってな」
みくる「うん。行こう、ゆきちゃん」
ゆき「…おしっこ」
みくる「ん、わかったー。先行ってる」
ゆき「…」(こくり)
朝比奈さん(子)がリビングへ消えたのを確認して、長門が俺を見た。
長門「…予想以上にこの世界への適応が進んでいる」
キョン「どういうことだ?」
長門「涼宮ハルヒの中で、この世界の過去が具体的に構築されてきている」
キョン「つまり?」
長門「今夜が世界を戻す最後のチャンス」
キョン「なんだって!?」
長門「明日になると世界はこのまま確定する。涼宮ハルヒの能力はほぼ消えかけている」
それってかなりまずい状態じゃないか?一体どうしたらいいんだ?
長門「涼宮ハルヒの関心を高校に向けて」
キョン「やってはみる」
長門「お願い」
キョン「ああ」
長門「…くまさんプリン。楽しみ」
キョン「そうか」
…長門の奴、くまさんプリンが好物だったりするのか?それはそれで、意外な一面を発見した気がする。
しかし、今日中に何とかしなきゃいけないのか。ハルヒの気持ちを高校に向ける…。しかしどうやって?
幸い、北高の記憶はハルヒも持っているようだ。SOS団じゃなくて文芸部の記憶だが。とりあえずはその辺から攻めるしかないだろう。
みくる「パパー、遅いよー」
キョン「悪い悪い」
ハルヒ「はい、じゃあ、いただきます」
みくる・ゆき「いただきまーす」(パクッ)
みくる・ゆき「ふわふわ〜♪」(にこっ)
ハルヒ「ふふふ」
キョン「…」
子供は可愛いなあ。なんか和む。
キョン「あ、美味いな」
ハルヒ「そうね。久しぶりだけど美味しいわ」
キョン「ハルヒも子供のころ良く食べたのか?」
ハルヒ「そうね。定番のおやつだったわ」
キョン「俺はプリンって言うとプッチンってやつだったなあ」
ハルヒ「それはそれで美味しかったけどね。このふわふわした食感がいいのよ。くまさんプリンは」
そう言って笑うハルヒは、困ったことにとても可愛らしく、まさに女の子しているわけで。いや、正直に言うと、グッときた。
でもな、やっぱりハルヒは唯我独尊な方がそれっぽい。しっくり来るとでも言うのか?よくわからんが。
みくる・ゆき「ごちそうさまー!」
ハルヒ「はい。お粗末様」
みくる「ゆきちゃん、続きする〜」
ゆき「する〜」
おやつを食べ終わると、子供たちは再び人形遊びをするため、窓の側へと走っていった。
それを優しい微笑を浮かべて見守るハルヒの横顔を暫く眺めてから、声をかける。
キョン「あー…、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
キョン「カチューシャとか、今は付けないのか?」
ハルヒ「え?」
キョン「高校のときは付けてただろ?黄色いやつ」
ハルヒ「ええ」
キョン「すごく、似合ってたし…可愛かった」
ハルヒ「あ、ありがとう」(かぁっ)
キョン「また、見たいな」
ハルヒ「…今は、持ってないの」
キョン「そうか。残念」
ハルヒ「…」
キョン「あー、そんな顔するな。なんて言うか…俺の中じゃさ、ハルヒ=カチューシャみたいなのがあってな」
ハルヒ「初耳」
キョン「だろうな。言ってないし」
ハルヒ「でも、なんでまた急にそんなことを?」
キョン「あー、その、なんだ。…そう、夢。夢を見たんだ。高校のときの夢を」
ハルヒ「高校のときの?」
キョン「ああ。ハルヒと出会って、クラスも同じ、部活も同じで、毎日が楽しかった」
ハルヒ「そうなんだ」
キョン「ああ。あのときはただ漠然と時間を過ごしていたように見えたかもしれないけど、楽しかったんだぜ」
ハルヒ「…わたしも、楽しかったよ」
キョン「そうか」
うん。結構いい感じに高校のことを思い起こさせることができたかな。
まあなんだ、振り回されてばかりだったけど、楽しかったってのは本当だ。なんだかんだ言っても結局俺はあの状況を気にいっていたらしい。思い起こしてみると。
キョン「そう言えば、折角の休みなのに背広着たままってのも変だよな」
ハルヒ「ふふ。そうね」
キョン「ちょっと着替えてくる」
ハルヒ「行ってらっしゃい、私はその間にお皿を片付けておくわ」
廊下に出て、階段を上り、部屋に入る。
基本的なレイアウトは変わってないけど、良く見ればベッドがダブルベッドになっていたり、勉強机が鏡台になっていたり、本棚の一部がたんすになっていたりと細かな部分での変更が目立つ。
ほんの少し、甘い匂いがするような気もする。
キョン「こっちはハルヒのたんす、だよな」
通常の俺の部屋には無かったたんすを見ながら、スーツをハンガーにかける。
健全な男子ならつい考えてしまう、女の子のたんすの中身に思いを馳せて、俺は大きく頭を振る。
馬鹿!何を考えているんだ。俺は。
慌ててたんすから視線を逸らし、自分のたんすを開け、シャツとチノパンを取り出す。普段の俺が休日に着ているのと変わらない服だ。
まあ体が高校生のままなのだから、たんすの中身も変わっていないのだろう。家の構造も基本は変わっていないし。
キョン「やれやれ…」
ベッドに仰向けに倒れこんで天井を見上げる。この景色は変わりないんだけどな。
なあ、ハルヒ。これがお前の望みなのか?俺と結婚して家庭を作って日常を静かに暮らす。
…悪くは無いけど、なんか物足りなくないか?もう少し、なんていうか、刺激が欲しい。
まあ、大人になっちまえばそんなこと考えないのかもしれないけどさ。俺はまだ学生のままで馬鹿やっている方が性に合ってるみたいだ。
SOS団のみんなとその他サブキャストの面々でな。
キョン「…」
目を閉じると、今、この世界にいるのは自分ひとりだけになったような薄闇と静寂の世界に入り込んだような感覚を覚える。
それでいて、なんとなく心地よい。世間一般でまどろみと呼ばれる感覚に体を預けて、俺はゆっくりと眠りに落ちていくのだった。
ゆさゆさ、ゆさゆさ。
…誰かが俺を揺さぶっている。
キョン「ん…なんだ?」
???「やっと起きた!早く起きないと遅刻だよ!キョン君!」
キョン君…、それに、その声…。
キョン「妹!」(がばっ!)
妹「な、なによ、いきなり!」
キョン「シャミセンはどこだ?」
妹「キョン君の頭の上〜」
シャミセン「…にゃあ」
キョン「相変わらずだな」
妹「そうだねー。って、早く起きないと遅刻だよ!」
キョン「わかった、すぐ着替えて降りる!」
妹「うん。先に食べてるね!」
ハンガーにかかっているのは…北高の制服。鏡台もたんすも無い…。妹もシャミセンもいる。戻ったのか?
制服に着替え、鞄を持って階段を降りる。
鞄を玄関に置き、リビングに向かうと妹が大きな口でトーストを頬張っていた。
妹「きょほふんほ、ほへ!」
キョン「口に物を入れて喋るな」
妹「…」(ぶーぶー)
キョン「いただきます」
時間が無いので急いで朝飯を食べてから洗面所へ。必要最小限のことを済ませ、身支度を整えて家を出る。
良く晴れた空。いい天気だ。風が気持ちいい。これで学校前の坂が無ければ言うこと無いんだが。
もちろん、坂が無くなるなどという天変地異が訪れた形跡などなく、朝から大汗をかいてえっちらおっちら坂を登る。
できることならこの坂を無くしてくれないか?ハルヒよ。
いつもどおり、始業ぎりぎりで教室に到着すると、俺の席の後ろに鎮座していた我らがSOS団団長の涼宮ハルヒが立ち上がって両手を腰に当てた。
ハルヒ「遅い!」
キョン「スマン」
ハルヒ「でも、間に合ったから許す!」
キョン「そりゃどうも」
ハルヒ「おはよう。あなた」
キョン「…は?」
あなた?
どういうことだ?
ここは学校で、俺たちは生徒で、そう言われる原因が思い当たらないんだが?
ハルヒ「お・は・よ・う」
キョン「あ、ああ、おはよう…ハルヒ」
ハルヒ「ふふっ。まだ寝ぼけてるの?」(にこっ)
キョン「どうもそうみたいだ…な」
???「朝から夫婦喧嘩かと思えばあっという間に惚気に入るとは、さすがね」
キョン「!!」
ハルヒ「いいじゃない。そういう朝倉さんだって、古泉君と散々惚気るくせに」
朝倉「あら。薮蛇だったわ」
ハルヒ「ふふふ」
朝倉がいて、古泉の名が出て、ハルヒは俺の配偶者的なポジションにいて…。
でも、ここは北高。間違いなく学校だよな?
なんだ?いったい何が起きている?
混乱しているのは俺だけで、クラスメイトも教師も別に何もおかしなことは無いといった感じでHRをこなし、普通に授業も進んでいく。
特に何の変哲も無い授業風景。休み時間にハルヒが俺を『あなた』呼ぶ以外には。
昼休みの開始を告げるチャイムが鳴ると同時に、俺は教室を飛び出し部室へと向かった。
『文芸部室』そう書かれた看板を確認する。その扉を隅々まで調べたが『SOS団』の文字が書かれた紙切れはおろか、画鋲で止めた痕も無い。
扉を開けて中に入る。毎回頼ってしまうのは本当に心苦しいのだが、そうせざるをえない状況が続いているのだから仕方が無い。
キョン「長門?いるか?」
???「あ、ペール」
キョン「!?」
長門「なに?」
キョン「あ、ああ」
結論から言うと長門はいた。ちゃんとした高校生の姿で。その隣には見目麗しい姿の朝比奈さんも。
ただ、俺の聞き間違いでなければ、朝比奈さんは何か変なことを口にしたような気がする。
キョン「あの…朝比奈…さん?」
朝比奈「ふぇぇ?ペール。どうしたの?」
キョン「…」
どうやら聞き間違いではないらしい。朝比奈さんは俺を『ペール』と呼んでいる。…ペールって何だ?
キョン「ああ、ゴメンみくる。ちょっと、な…有希ちゃんと話をしたいんだ」
朝比奈「うん。わかった〜。あっちでご本読んでるね」(にこっ)
キョン「あ、ああ」
朝比奈さんが窓際に移動したのをぎこちない笑顔で見送る。
長門「…とりあえず、学校に生活の場が移動したのはあなたのおかげ。感謝する」
キョン「しかし、変なことになっているな」
長門「家族[ファミィユ]制度と言うものがこの世界の北高で確立している。不純異性交遊の抑制と情操教育の一環としてらしいが、かなり歪な制度」
キョン「なんだそりゃ」
長門「男子と女子で夫婦[クゥプル]を作り、男子は父親[ペール]、女子は母親[メール]となる。クゥプル同士の呼び方は特に規定は無い。そのクゥプルがある程度校内で認知されると、子供[アンファン]を一人持つことができる。
アンファンは学年が同じかもしくは下の者だけという限定があり、アンファンは男子をペール、女子をメールと呼び、もし自分のクゥプルが誰かのアンファンだった場合、クゥプルのペールを祖父[グランペール]、メールを
祖母[グランメール]と呼ぶことになる。また、クゥプルの二人がアンファンをどう呼ぶかも自由」
キョン「…」
長門「従って朝比奈みくるは私のクラスメイトになっている」
キョン「そうか…。ところで、朝比奈さんのあの喋り方はデフォルトか?」
長門「もともと、変わらない」
キョン「いや、もう少しちゃんとしてた…気が…」
メイド服姿の朝比奈さんを思い起こす。
『キョン君。お茶が入りました〜』
『ふぇぇっ!?駄目ですぅ!』
『涼宮さん!駄目ぇぇっ!』
『キョン君〜。助けてください〜』
『[禁則事項]で[禁則事項]なんですぅ〜。ごめんなさい』
…。
あ、思い出してみると敬語を除けば喋り方は子供っぽいのか。
キョン「スマン長門。確かにその通りだ」
長門「謝罪の必要は無い」
キョン「なあ長門。お前、古泉と朝倉の前ではあの喋り方になるのか?」
長門「基本的会話は今と変わらない」
キョン「そうだな、古泉をペール、朝倉をメールと呼ぶのか?」
長門「少なくとも、第三者がいる場合はそうするのが得策」
キョン「そうか」
長門「時間が無い、あと1分24秒で涼宮ハルヒ、古泉一樹、朝倉涼子が部室に到着する。それまでに要点を言う」
キョン「ああ」
長門「古泉一樹は我々と同じ、SOS団の記憶を持つ。そのため、今回は状況によって閉鎖空間が発生する恐れがある。従って超能力者グループは存在しているとみていい。
朝比奈みくるは今回も記憶を持っていない。従って未来人グループの存在は無いと思われる」
キョン「…」
長門「あなた、私、古泉一樹の三名で後ほど話し合いをしたい。古泉一樹への連絡をお願いしたい」
キョン「わかった」
長門「では、あとはその時に。あなたは涼宮ハルヒが来る前に朝比奈みくると一緒にいた方がいい」
キョン「じゃあまた後で」
長門「…」(こくり)
今回は古泉も記憶を持っているのか。それだけでも結構な進歩だ。
さて、と。ハルヒが来る前に朝比奈さんとの家族ごっこを開始するか。
キョン「みくる。いい子にしてたか?」
朝比奈「うんっ。ご本読んでた」(にこっ)
キョン「偉いな〜。って、ずいぶん難しい本読んでるな」
朝比奈「高校生だもん。普通だよ?ペール」
キョン「そ、そうだな。ははは…」
朝比奈「変なペール」
キョン「スマン」
朝比奈「どうして謝るの?」
キョン「今日の俺はちょっと変みたいだ」
朝比奈「風邪でもひいた?大丈夫?ペール」
キョン「!!」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 00:19:00.95 ID:aWWigaLu0
支援
89 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 00:21:00.25 ID:mYU6TjH90
wkth
朝比奈さんは右手を自分のおでこに当て、左手を俺のおでこにそっと伸ばして押し付ける。
朝比奈「うーん。熱は無いみたい」(にこっ)
キョン「そ、そうか。ありがとう」
相変わらず超弩級の微笑みを至近距離で受け、顔が熱くなるのを感じたとき、部室のドアが開かれ、ハルヒと朝倉、そして古泉が入ってくる。
タイミングとしては上出来だ。朝比奈さんに気付かれずに済む。
朝倉「有希。いい子にしてた?」
長門「うん」
古泉「いい子ですね」
長門「…」(にこ)
古泉・朝倉・長門のファミィユを眺めていると、我がファミィユのメール、ハルヒがにこやかに近づいてくるのが目に入った。
ハルヒ「みくる〜。いい子だった?」
朝比奈「うん。メール」
ハルヒ「ふふっ。いい子ね」
朝比奈「ペールにも褒められたの」
ハルヒ「もう、あなたってば。そんなにみくるに会いたかったの?授業が終わるなり飛び出して行っちゃったからびっくりしたわ」
キョン「あー、スマン」
ハルヒ「いいわよ。さ、それよりも、ご飯にしましょ」
みくる「はーい」
ハルヒ「はい、あなたの分」
キョン「あ、ありがとう。ハルヒ」
ハルヒ「どういたしまして」(にこっ)
ハルヒの手作り弁当か。蓋を開けると予想以上にしっかりとした弁当が姿を現して思わず拝んでしまいそうになった。
文句なしに美味そうだ。
うん。美味い。普通に美味い。めがっさ美味い。
キョン「美味いぞ。ハルヒ」
ハルヒ「…ありがとう」
キョン「うん。美味い美味い」
ハルヒ「…よかった」
朝の仁王立ちを見たときは、SOS団を結成したハルヒを彷彿とさせたが、今ここにいるハルヒは、やけにしおらしいな。
キョン「なあ、ハルヒ」
ハルヒ「なあに?」
キョン「朝の『遅い!』は怖かったぞ」
ハルヒ「あ、あれは、その!」(かぁっ)
一瞬で赤くなったハルヒは上目遣いで俺を見て、小さく呟いた。
ハルヒ「…と、…から」
キョン「?聞こえないぞ」
ハルヒ「…朝倉さんと勝負してたから…その、あなたが遅れたら危なかったのよ」
キョン「朝倉と、勝負?何を賭けた?」
ハルヒ「…キス」
キョン「は?」
ハルヒ「あなたとのキス」
キョン「はい?」
ハルヒ「あなたが遅れたら、教室であなたにキスしないといけなかったの」
キョン「あのな、なんでそういうもの賭けるんだよ。見世物じゃないだろ」
ハルヒ「あなたを信じてたもの!遅刻はしてこないって」
キョン「そ、そうか」
ハルヒ「実際、遅刻しなかったからいいじゃない」
キョン「まあそうだけど…」
キスとかって、そう簡単に賭けの対称にするものじゃないと思うんだがな。
ハルヒ「…こうでもしないと、いつまでもできないかもって思っちゃうし」
キョン「へ?」
ハルヒは朝倉たちの方を見て、朝比奈さんを見て、それから俺の耳元で言った。
ハルヒ「…キョン君、ファミィユなのにキスしてくれないじゃない」
キョン「…いや、それはだな」
ハルヒ「わかってるわよ。そういう人だってことは。告白したのも私からだし」
キョン「…」
ハルヒ「その、もう少し、ファミィユっぽいことして欲しいかなって」
キョン「ど、努力する」
ハルヒ「…」(かぁっ)
ハルヒよ。なぜそこで赤くなる?長門の説明では『不純異性交遊の抑制』とあったはずだが?
…それとも、説明されていないだけでなにか恥ずかしいことをしないといけないのか?それはそれで、困るんだが。
キョン「ごちそうさま」
ハルヒ「ふふ。お粗末さまでした」
キョン「いや、そんな風に言われたらお前の料理以外食えなくなる」
ハルヒ「え?」
キョン「それだけ美味かったってこと!『お粗末』なんていわれたら困る」
ハルヒ「…そ、そっか」
キョン「そうだ。もっと自信を持っていいぞ。ハルヒ」
ハルヒ「う、うん。じゃあ、どういたしまして」
キョン「うん。それでいい。じゃあ俺はちょっと古泉と話があるから」
ハルヒ「うん。いってらっしゃい」(にこっ)
…困った。ハルヒの奴がすごく可愛く見える。慎ましいし、仕草が可愛い。もともと素材はいいから、やっかいだよな。
さて、古泉と屋上でも行くか。
さて、今宵はここまで(=ω=)・゚・。
おやすみなさいませ。
95 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 00:34:00.47 ID:mYU6TjH90
おつ!
長門は俺の嫁
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 00:41:16.07 ID:aWWigaLu0
乙ー
97 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 00:52:17.85 ID:VpzrT9jHQ
長門は俺の嫁だけどな
98 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 01:23:09.07 ID:HiN5qk/50
長門は俺の嫁だと何度言ったら(ry
まぁ乙だぜ
99 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 02:05:51.12 ID:DrL3tqF5O
あ
100 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 09:15:44.72 ID:KKSTAY29O
乙、みくるは俺の嫁だから問題はない
101 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 11:25:34.43 ID:VpzrT9jHQ
まぁ長門は俺の嫁だから問題ない
102 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 12:21:06.79 ID:mYU6TjH90
ふぅ
保守ありがとうございます。
今夜は用事があるので、少しだけの投下になってしまいますがご容赦くださいませorz
104 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 20:59:20.27 ID:mYU6TjH90
よしきたか
わくてか
古泉「涼子さんは本当にお料理が上手ですね。このから揚げといったらもう、プロ顔負けですよ。ついつい一番最後のお楽しみに取っておいてしましました」(にこっ)
朝倉「あ、ありがとう。一樹さん」
長門「…」モグモグ
古泉「ふふふ。照れた顔も相変わらず可愛いですよ。僕は幸せ者です」(にこっ)
朝倉「や、やだな、もう」(かぁっ)
長門「…」モグモグ
キョン「…」
なんだこの桃色空間は。というか古泉の奴がプレイボーイにしか見えん。
朝倉「…じゃあ、最後のから揚げ、食べさせてあげる」
古泉「おやおや、恐縮です」
長門「…」モグモグ
朝倉「はい、あーん」
古泉「あーん」モグモグ
長門「…」
キョン「…」
長門「ペール、キョンさんがお見えです」
キョン「!!あ、すまんな古泉。ちょっと教えて欲しいことがあって…今いいか?」
古泉「ええ、構いませんよ。じゃあちょっと行ってきます」
朝倉「はい、行ってらっしゃい」(にこっ)
古泉「…」(にこっ)
キョン「!?」
ごく自然に古泉は朝倉の頬に手を当てて、軽く撫でると極上の笑みを浮かべてから席を立つ。
朝倉も嫌がる様子も無く真っ直ぐに古泉を見て微笑み返していた。
古泉「お待たせしました。では屋上にでも行きましょうか?」
キョン「あ、ああ」
部室の扉を開け部屋を出る。それから無言のまま足早に階段を上り、屋上の扉を開けて屋上へ。
フェンス際まで歩いていってから俺は古泉の方に顔を向けた。
古泉「どうしました?」
キョン「いや、お前の朝倉に対しての態度が、恐ろしいぐらい様になっているからさ」
古泉「恐れ入ります。でも、涼宮さんの仰っていた通りの方ですね、朝倉さんは」
キョン「ハルヒが言っていたとおり?」
古泉「人気者で優しくて面倒見がいい優等生タイプ、だったかな?実際そんな感じですし、とても魅力的な女性ですよ。彼女は」
キョン「まあ、そうだな」
古泉「ところで、何の御用ですか?」
長門の話では古泉は記憶を持った側ということだったが、今のところはそれに関係した話が出てこない。
念のため探りを入れてみることにした。
キョン「…バイトの方はどんな具合だ?」
古泉「最近は安定しています。おかげで朝倉さんと夫婦ごっこができて楽しいですよ」
キョン「夫婦ごっこって…」
古泉「おや、違いますかね?」
キョン「まあ、言われてみればそんな感じだけど…」
古泉「失礼、からかいすぎましたか。先ほども言いましたが、このところ閉鎖空間は発生していません。涼宮さんの精神状態も安定しているようです」
キョン「そうか。うん。ならいいんだ」
古泉の口から聞きなれた『閉鎖空間』という言葉が出てきてほっとする。言葉をオブラートで包むような言い方も相変わらずだ。
キョン「とりあえず、長門と俺、古泉の三人で放課後にでも話をしたいと長門からの伝言だ」
古泉「了解しました。となると、やはり一旦帰ったふりをして部室に集まるのが無難ですかね?」
キョン「そうだな、そうなるか」
古泉「さて、では、あなたがなぜ僕を呼び出したか、その理由を決めておかないといけませんね」
キョン「長門の言葉を伝えるためだろ?」
古泉「本当の理由ではなく、対外的な理由ですよ」
キョン「ああ、そうか」
古泉「まあ、僕にはそれもちゃんと思い浮かんだんですけどね」
キョン「なんだ、もったいぶるなよ」
古泉「ちょっと難しいかもしれませんが、あなたならできると信じてますよ」(にこっ)
意味深なことを口にすると、古泉は『ちょっと失礼』などと言って俺の耳元で思い浮かんだ理由を呟いた。
キョン「おい、そんなのが理由になるのか?」
古泉「もちろんです。むしろこれが一番自然な理由と言えるかもしれません」
キョン「…そうか」
古泉「がんばってください」
爽やかに微笑む古泉。こいつ、絶対楽しんでやがる。
俺は深いため息を一つ漏らすと、他にこれといった案をプレゼンすることができない自分を呪いながら扉を開け、文芸部部室に向けて歩き始めた。
キョン「…ただいま」
みくる「おかえりなさい〜」(にこっ)
ハルヒ「おかえりなさい」(にこっ)
部室に戻り、二人の極上の笑顔に迎えられた俺は、疑われない程度に顔の表面に貼り付けた笑顔を返してちらりと後ろの古泉たちに視線を送った。
古泉がなにやら朝倉にささやき、それから朝倉が興味深そうにこちらを見るのが目に入る。長門は…相変わらず本を読んでいた。
天を仰ぎながら古泉と交わした会話を思い出す。
古泉「簡単なことですよ。クゥプルとしての悩みを僕に相談したってことにしておけばいいんです」
キョン「クゥプルとしての悩み?」
古泉「スキンシップの仕方とでも言いますか、そういったことです。先ほど僕が朝倉さんにしたみたいにすればいいんですよ」
キョン「え?」
古泉「あなたは涼宮さんを見つめて、掌で優しく頬を撫でればいいんです」
キョン「なんでそんなことを?」
古泉「とりあえず、クゥプルの基本的なスキンシップですよ」
キョン「…」
やれやれ、とんだ茶番だ。古泉と朝倉に見られているとわかっていても行動を起こさなくてはいけないのはな。
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
キョン「あー、その、なんだ」
ハルヒ「…?」
キョン「その、嫌だったら言えよ」
ハルヒ「…うん」
キョン「…」
一応ハルヒに断ってから、俺はズボンで右手を軽く拭い、それからそっとハルヒの頬に触れた。
ハルヒ「…!」
キョン「…」
ハルヒ「…」(にこっ)
キョン「…はは」
ハルヒ「ふふっ」
俺が頬に触れた瞬間、小さくハルヒの体が震えたのがわかった。だけどすぐにハルヒは小さく微笑んで頬を預けてくる。
そうされると俺も笑うしかなくて、そんな俺の顔を見たハルヒも笑顔を返してくれて。
屋上へ行く前に古泉と朝倉が作り出した桃色空間を俺とハルヒで発生させているのを自覚する。誰か早くこの空気をなんとかしてくれ。
朝比奈「はぁあ、素敵…。素敵なクゥプルを持って私は幸せですぅ」
そういうものなのですか朝比奈さん?俺にはよくわかりません。
ハルヒ「…嬉しい」
キョン「そ、そうか」
ハルヒ「うん。ありがとう、あなた」
頬に触れている俺の手の上から自分の手を重ねて、ハルヒは優しく微笑んだ。
これって、すごく恥ずかしいんだが。しかも、ハルヒが手をどけない限りずっとこのままだ。
キョン「なあ、ハルヒ」
ハルヒ「なあに?」
キョン「お前の頬がとってもすべすべということは良く解った」
ハルヒ「ふふ。ありがとう」
キョン「いつまで、こうしていればいい?その、離したくなくなってもヤバイだろ」
ハルヒの頬はなんて言えばいいのか、しっくりとなじむというかなんというか…、ずっと飽きないというかなんというか…、むしろこのまま触っていたいと思わせる。
ハルヒ「あなたとなら、いつまででも…」
キョン「馬鹿。恥ずかしいこと言うなよ」
ハルヒ「だって本当のことだもん」
キョン「…」
よりによってハルヒ、お前の口からそんな言葉が出るとは思わなかったぞ。
流されてしまいそうになる自分に気が付いて、俺は右手に力を入れた。
ふにふにとハルヒの頬を揉む。
ハルヒ「きゃっ…もう、なによ?」
キョン「いや、なかなかいい弾力だ」ふにふに
ハルヒ「もう、くすぐったいよ」
ハルヒの手が俺の手の上から離れたのを感じて、ハルヒの頬からすばやく手を離した。
ハルヒ「あ…」
キョン「ゴメンな」
ハルヒ「…うん」(かぁっ)
ハルヒがあまりにも淋しそうな目をしたので、俺は思わず離した右手でハルヒの頭を撫でて謝った。
全く、調子を狂わされっぱなしだ。
さて、大変申し訳ありませぬが今宵はこの辺でorz
失礼いたします〜。
113 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 21:21:27.49 ID:mYU6TjH90
おつ
114 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 22:28:07.50 ID:FVZ9HMx5O
今北産業!
115 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 22:32:44.77 ID:mYU6TjH90
116 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/24(日) 23:41:28.54 ID:0X9yOlyM0
越
117 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/25(月) 00:55:15.62 ID:EYMgs6BV0
斬り上げ
ハルヒ「あなたとなら、いつまででも…」
キョン「馬鹿。恥ずかしいこと言うなよ」
ハルヒ「ぁあ?」
よりによってハルヒ、お前の口からそんな言葉が出るとは思わなかったぞ。
気が付けば俺はうずくまっていた。
ハルヒ「ワレぇなめっとったいかんぞ?」
キョン「いや、えっ?」
とりあえず立ち上がろうと地面に手をついたその時
ハルヒの足が俺の手を踏みつけたのを感じた。
俺の小さなうめき声が漏れる
ハルヒ「イひヒひひィ」
ハルヒはあまりにも楽しそうな目をしていた。
俺は素早く両膝を立て
もう片方の手で踏みつけている足のふくらはぎを掴み勢いよく
体ごとぶつかりハルヒの手を押し退けた。
・・・狂っている。
119 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/25(月) 18:48:38.71 ID:WBKq2sfQ0
とらあえずほしゅ
120 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/25(月) 19:24:58.07 ID:kpD8Hv+j0
しゅっしゅ
保守ありがとうございます。
今回も少ないですが、ご容赦くださいませorz
キョン「もう少し、我儘でもいいんだぞ」
ハルヒ「きゃっ…」
照れ隠し半分でそう言うと、俺はハルヒのおでこをつついた。
それにしても、『きゃっ』って。なんてベタなんだ。まあ、可愛いけどな。
ハルヒ「…キョン君、我儘な方がいいの?」
キョン「場合にもよるけどな。ハルヒはもう少し我儘言ってもいいと思う」
ハルヒ「うーん。よくわからない」
キョン「キョン君じゃなくてキョンって呼ぶとか」
ハルヒ「ええっ!?呼び捨てなの!?」
キョン「呼び捨ても何も、あだ名なんだが」
ハルヒ「あ、そうか」
本名がキョンって、いったいどこの国の人間なんだ?教えてくれ、ハルヒ。
ハルヒ「…えー、じゃあ、…キョン」
キョン「うん」
ハルヒ「キョン、キョン、キョン」
キョン「…」
ハルヒ「…そのうち慣れるかなあ?…もっとも、普通は『あなた』って呼んじゃうし」
キョン「そうか。俺としてはなるべく『キョン』って呼んで欲しいんだけどな」
その方がハルヒらしいってことだが。もし恋人から呼ばれるならこんなふざけたあだ名じゃなく、名前で呼んで欲しいしな。
ハルヒが俺を名前で呼ぶのを想像して、少しだけそれも悪くないと思ってしまったのは内緒だ。
ハルヒ「そうして欲しいのなら…そうするわ。キョン」
キョン「ありがとう」
ハルヒ「でも、急には無理だけど」
キョン「ああ」
予鈴が鳴る。昼休みもそろそろ終わりだ。
キョン「よし、戻るかハルヒ」
ハルヒ「うん」
頷くハルヒの向こう側でこっちを見ている朝比奈さんと目が合う。ハルヒとの会話に気をとられてあまり相手をしていなかったことに気が付いた。
キョン「あー、みくる。スマン。ハルヒと話してて相手をしていなかった」
朝比奈「ふぇ!?ペールとメールが仲良くするのは当たり前のことだよ」
キョン「でも、一人だけぼーっとしててもつまらなくないか?」
朝比奈「うーん。ペールとマールと一緒にいるだけでも楽しいから」
ハルヒ「まあ。みくるは本当にいい子ね」
朝比奈「えへへ。褒められちゃった」
ハルヒ「ふふ。よしよし」
朝比奈「ふふっ」
ハルヒが頭を撫でると嬉しそうに微笑む朝比奈さん。
この二人のツーショットといえば、涙目になって逃げる朝比奈さんをハルヒが弄り倒すみたいな構図しか思い浮かばないので、これはこれで新鮮だった。
ハルヒと共に朝比奈さんを教室に送ってから自分たちの教室に戻る。
席に戻ると、谷口と国木田が二人して近づいてきた。
谷口「よう、キョン。相変わらずファミィユしてるのか?」
キョン「まあな」
谷口「へーへー。仲のよろしいことで」
国木田「ぼやかないぼやかない。でも、結構珍しいよね。同じ学年でファミィユって」
谷口「クゥプルだけなら珍しくも無いんだけどな。アンファンまで同じ学年ってのは確かに珍しいよな。それよりもまず、俺とクゥプルになってくれる子はいないものかー」
国木田「まあまあ、僕もなってくれる子いないから」
谷口「おまえはよく上級生のお姉さんに話しかけられているじゃないか」
国木田「ああ、あれはアンファンのお誘いだよ。困ったものさ」
谷口「まんざらでもないだろう?」
国木田「そういうことにしておくよ。ところでキョン。どうして涼宮さんとクゥプルになったか教えてくれないか?」
キョン「それはあいつに聞いてくれよ」
そういって俺は後ろの席にいるハルヒに親指を向ける。そもそも、俺はどうやってクゥプルになったのかなんて知らないから答えようが無いのだ。
126 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/25(月) 22:01:45.93 ID:0TGhqoCr0
支援
国木田「相変わらずの秘密主義か?まったく」
キョン「別に隠してないだろう」
谷口「涼宮に聞いてもお前と同じことしか言わないんだよ『キョン君に聞いて』ってな」
キョン「そうか」
国木田「出身校も違うのに入学後すぐにクゥプルになった君たちに、僕はつくづく驚いているんだよ。あ、ひょっとして小学校時代の知り合いとか?」
谷口「それよりも俺が驚いたのは涼宮の変わりようだ。この俺が見抜けなかったのにどうしてキョンが見抜けたのか未だにわからん」
国木田「あの変わり方は衝撃的だったからねえ」
谷口「おう。しかもその理由が『キョン君のおかげ』だからな」
国木田「そうそう」
待て、お前らはいったい何を言っている?ハルヒが変わった?衝撃的に?しかもその理由が俺?
更なる質問攻めに会う前に始業を告げるチャイムが鳴り、国木田と谷口はそれぞれ自分の席に戻る。とりあえずは助かったみたいだ。
六限前の休み時間はトイレに行って時間を潰し、放課後はさっさと教室を出た。誰も何も言わなかったから掃除当番ではないはずだ。うん。
俺とハルヒがクゥプルになった経緯、それを良く知っているのは誰か…それはわかっている。一番知っているのはハルヒだ。
かといって、うまく聞きだせるかといえば、正直自身が無い。
キョン「…はぁ」
朝倉「大きなため息ね?キョン君」
キョン「朝倉」
朝倉「ふふ。お昼休みはごちそうさま。クゥプルらしくて安心したわ」
キョン「からかうなよ」
朝倉「あら、だってクラスメイトで同じ文芸部だもの、気になるじゃない」
キョン「そりゃ、どうも」
朝倉「つれないわね」
キョン「いつもこんなもんだろ?」
朝倉「そうね…」
ん?クラスメイトで同じ文芸部。それはハルヒにもいえることだな…。
よし、駄目元で国木田の言っていた変わり方っていうのに探りを入れてみるか。
キョン「なあ朝倉、ハルヒってそんなに変わったか?」
朝倉「いきなり何?クゥプルのことならあなたが一番良く知っているのではなくて?」
キョン「それはそうなんだが、昼休みに国木田に言われて、そんな変わったのかと思ってな」
朝倉「うーん。外見的にってことならすごく変わったと思うわ。内面的なことはわからないけど」
キョン「外見的?」
朝倉「入学式のクラスでの自己紹介のときは彼女、三つ編みのツインテールに大きなメガネをかけてすごく地味だったじゃない」
三つ編みにでメガネをかけたハルヒを想像してみる。福笑いみたいに平面的なパーツを頭の中でハルヒの顔にあてがうだけだが。
ああ、でもそれで谷口の『この俺に見抜けなかった』の意味がわかった気がした。地味なハルヒはきっと谷口チェックでB以下だったんだろう。
とりあえず疑われないように適当な相槌を打つ。
キョン「…ああ、言われてみれば」
朝倉「そんな子が、週明けにばっさりと髪を切ってメガネを外してくるだけでもかなりびっくりなのに、リボンの色が青くなってるんだもの」
キョン「…」
朝倉「良く見ればあなたのネクタイも青いし、涼宮さんに聞いたら『キョン君とクゥプルになった』って言うからまたびっくり」
そう言われてみれば、朝倉のリボンも青いし、俺のネクタイも青い。国木田たちのネクタイは赤かったからクゥプルになるとネクタイやリボンを変えるのか。
思わぬところでいい情報を貰えた。朝倉、感謝。
朝倉「いったいど・う・や・っ・て涼宮さんを落としたのかしら?」
キョン「落としたって、また人聞きの悪い」
朝倉「あら、事実でしょう?違うの?」
キョン「…それを言ったら朝倉はどうやって古泉を落としたんだよ」
朝倉「なっ、もうっ!いきなりそう来るのは反則よ!キョン君」(かぁっ)
キョン「ははは。古泉の奴、教えてくれないんだよな」
嘘は言ってない。まだそういった話をしていないだけなのだが。
朝倉「…私の場合はね…ひとめぼれよ。それだけ」
キョン「古泉に?」
朝倉「他に誰がいるの?」
キョン「いや、その…、意外な理由だな」
朝倉「そう?これでも私、積極的な人間って印象だと思ってるんだけどな」
キョン「行動派だとは思うけどな」
朝倉「なんだ、わかってるじゃない」
くすっと笑って俺の肩を叩くと、朝倉は小さく呟く。
朝倉「もし、一樹さんにちょっかい出す子がいたら、ナイフで刺しちゃうかも…。なんてね」
…朝倉、冗談のつもりだろうが、その言葉、洒落になってないぞ。少なくとも俺にとっては。
嫌な汗が背中に伝うのを感じながら、俺は朝倉の後に続いて文芸部の扉をくぐった。
では今宵はここまで。
失礼いたしますorz
132 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/25(月) 22:14:02.76 ID:EYMgs6BV0
おツンデレ
ナイス
頑張って
134 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 01:20:32.75 ID:2OkQP5ZQ0
佐々木さんは俺の嫁
135 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 13:25:19.55 ID:UgRhZymN0
ほ
136 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 18:18:25.44 ID:2OkQP5ZQ0
し
137 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 18:31:39.81 ID:topBaJ+00
の
138 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 18:40:05.87 ID:8o9Jj8vmO
せ
139 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 19:01:43.00 ID:topBaJ+00
い
140 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 19:18:03.33 ID:topBaJ+00
し
141 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 19:24:32.15 ID:3c+oN4sNO
を
は
143 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 23:34:10.97 ID:lZoYCif2O
め
保守ありがとうございます。
遅筆ですがご容赦くださいませorz
部室に入ると、既にいつもの定位置には長門、窓際には朝比奈さんがいた。
朝倉「有希。いい子にしてた?」
長門「うん」ペラリ
朝倉「相変わらずおとなしいわね。でもそこがまたいいんだけど」
長門「…そう」ペラリ
本から視線を外そうとはせず、それでも朝倉の問いかけに一応は返事をしている長門。
長門的にはどうなんだ?消したはずの朝倉とファミィユしてるってのは。…後で聞いてみるか。
ゆっくりと部室を見回してみる。昼休みには気付かなかったが、こうしてみると、SOS団のときにはあったものが無い。
コンピ研から奪ったパソコン、朝比奈さんのコスプレ衣装、古泉のテーブルゲーム類…。
あれ、カセットコンロと薬缶、茶筒、それにマグカップはあるな。布巾が被せてあってよくはわからないが。
なんとなく気になってそちらへと近づき、薬缶を持ち上げてみる。軽い。空だ。
朝比奈「ペール、お茶?」
キョン「あ、ああ。ちょっと喉が渇いたから入れようかなって」
朝比奈「ええっ、駄目だよぉ。私が煎れるぅ」
キョン「そう?じゃあお願いしようかな」
朝比奈「はぁい」
朝比奈さんはにこにこと笑いながら歩いてくると、俺から薬缶を受け取ると外に出て行く。あ、水汲みくらいは俺が行ってもよかったのか。
天使の微笑みに思わず見入ってしまった。反省。
ハルヒ「遅くなっちゃった」
朝比奈「あ、メール」
ハルヒ「みくる、いい子にしてた?」
朝比奈「うん」
ハルヒ「あら、お茶を沸かしてるの?」
朝比奈「うふふ。ペールが飲みたいっていうから」
キョン「みくるのお茶は美味しいから楽しみなんだ」
ハルヒ「ふふ。そうね。みくるが煎れてくれるお茶は美味しいわよね」
朝比奈「ふぇぇっ、メールまで。プレッシャーですぅ」
ハルヒ「ふふ。いつもどおりでいいのよ」
朝比奈「はぁい」
机の上に鞄を置き、椅子を引き出してそこに座るとハルヒは俺に向かって言った。
ハルヒ「あ、そうだ、キョン」
キョン「どうした?」
ハルヒ「ねえ、お昼休みのときのやつ、やって?」
キョン「は?」
ハルヒ「もう少し我儘でもいいって言ったじゃない。だから…」
昼休みのやつ…って、あれか!…我儘でもいいと言った以上は、ハルヒの声に応えねばなるまい。例えそれが俺の思っていた我儘とは違う部類のものだとしても。
昼休みのときのようにズボンで右手を拭ってから、ほんのりと赤くなっているハルヒの頬を撫でる。
ハルヒ「…ん」
キョン「…」
なあハルヒ、そういう声を出すのはやめてくれ。どうしていいかわからなくなる。
ハルヒ「…」
キョン「…」
ハルヒ「…」(にこっ)
キョン「…」(に、にこっ)
この空気、何とかならないか?
…そうだ、今なら聞けるかもしれない。クゥプルの馴れ初めを。さりげなく、さりげなく…。
キョン「なあ、ハルヒ…覚えてるか?俺たちがクゥプルになったときのこと」
ハルヒ「当たり前じゃない。忘れるわけないわ」
キョン「ありがとう」
ハルヒ「私の方こそ、ありがとう。キョン」
キョン「ああ…」
しまった。会話が続かない。うまく聞きだす方法…何か無いか?…そうだ。
キョン「なあハルヒ。お前、今コンタクトなのか?」
ハルヒ「ううん」
キョン「何でメガネかけてたんだ?」
ハルヒ「…目立ちたくなかったから」
キョン「え?伊達メガネ?」
ハルヒ「…うん。メガネをかけて校則どおりの格好をしていれば目立たないでしょ?」
キョン「そりゃそうだけど、どうして?」
ハルヒ「…あまり人と関わりたくなかったのよ」
キョン「…」
ハルヒ「でも、あなたは私に声をかけてくれた。お話してくれた。…嬉しかった」
キョン「…」
ハルヒ「だから、私もあなたに思い切って声をかけたの。そうしたらあなたはちゃんと応えてくれた」
キョン「…」
高校に入学して最初のHR。私は憂鬱だった。最初のHRといえば、当然あるのが自己紹介だ。
出身校、名前、自己アピール。何が得意だとか、何をしたいだとか。そんなもの特に無い場合はどうしたらいいのか。簡単だ。趣味ということにして何かを言えばいい。
クラスメイトの気を惹くとか、そんなことに何の意味があるのか、私にはわからないし興味も無い。
だからというわけじゃないが、クラスメイトが何を言ったかなんて、いちいち覚えてはいなかったし、私の番になっても暫くの間、何をすべきなのか良く分かっていなかった。
???「…おい、君の番」
ハルヒ「え?ああ、ありがとう」
???「どういたしまして」
前の席の男子−なんで男女が交互に並んでいるのかよくわからないけど−のおかげで当たり障りの無い自己紹介を済ませることができた。
彼はなんて名前だっただろう?全く聞いていなかったからわからない。お礼ぐらいはしておくべきだろうか?
そんなことを考えていたら、他のクラスメイトの自己紹介もほとんど耳に入らなかった。
???「涼宮さん」
ハルヒ「…なんですか?」
???「あのさ、趣味が読書って言ってたよね?どんな本が好きなの?」
ハルヒ「どうして?」
???「気にならない?同じ趣味だったらどんな本が好きなのかってさ」
ハルヒ「…」
どうやら前の席の彼の趣味も読書だったらしい。こんなことなら音楽鑑賞にでもしておけばよかった。
人の良さそうな男の子。少なくとも悪い人には見えない。
ハルヒ「…SFとか、ファンタジーとか、好きよ」
???「おお!?仲間」
ハルヒ「そ、そう」
???「じゃあさ、文芸部覗いてみないか?」(にこっ)
ハルヒ「え?」
???「興味あるんだけど、一人じゃさすがに…、その、良かったらだけど…」
ハルヒ「…いいわよ」
不思議だけど、このとき私は何のためらいもなくそう答えていた。もしかしたら自己紹介のときの借りを返したかっただけかもしれないし、何か運命的なものを感じていたのかもしれない。
では今宵はここまで。
失礼いたします〜orz
152 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 23:56:47.05 ID:topBaJ+00
おつおつ
153 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/26(火) 23:59:52.90 ID:h6kXS6+3O
オツ
154 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 00:02:48.52 ID:4LFAZyfg0
乙
155 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 01:39:06.99 ID:rKmj43RR0
おつ
そして佐々木さんは俺の嫁
誰か絵師さんはいないだろうか・・・
157 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 09:37:59.65 ID:kW/hVwYA0
ほ
158 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 11:34:43.31 ID:hWwLBsJMO
保守
159 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 16:08:45.37 ID:CqNrd7D0i
ほ
161 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 21:49:24.87 ID:hWwLBsJMO
ほ
このハルヒはいちごの東城みたいなイメージで捉えるといいね。
162 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 22:15:11.11 ID:24+K/xjkO
追いついちまった! 保守
そ
164 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 22:34:26.88 ID:m/uPKB8e0
誤爆ったww
>>160乙&d
が、もう少し頑張ってくれるとが泣いて喜ぶ
165 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 22:54:04.93 ID:00YQgGKy0
166 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/27(水) 22:55:15.05 ID:b+dieTXF0
ハルヒぃぃぃぃだめだ・・・・出すぞォォォ中で出すぞォォ
私が返事をした後、彼は友人だろうかクラスメイトの男子から、『キョン』と呼ばれて『ちょっとゴメン』と言って席を離れた。
キョン君…か。うん…なんとなくその呼び方がしっくりくるような気がする。
そんな風に感じたから、彼が戻ってきて文芸部を見に行くとき、私は始めて彼を呼んだ。
キョン「あー…。やっぱそうなる?」
ハルヒ「え?」
キョン「呼び方。『キョン君』ってさ」
ハルヒ「あ、お友達がそう呼んでたからその方がいいのかなって…」
キョン「国木田め…」
ハルヒ「あ、駄目ならその…」
普通に苗字を呼ぼうと思ったところで気付いた。彼、なんて名前だっけ?
キョン「別にいいさ、キョンで。もう慣れた」
ハルヒ「あ…うん」
キョン「なんかよくわからないけどさ、気が付くとそう呼ばれてるんだよな俺」
ハルヒ「そうなんだ」
キョン「なんでかね。それでいて結局自分でも受け入れちまうんだから、俺はそう呼ばれる運命にあるのかもしれないな」
彼はそう言うと恥ずかしそうに言ってから、屈託のない笑顔で言った。
キョン「じゃ、行ってみよう。涼宮さん」
約束してしまった以上は、断るという選択肢は私に残されてはいるはずもなく、言われるままに彼の後ろをついていく。
文科系の部は中庭で勧誘をしているはず、そう言って私たちは中庭に向かう。
キョン「…」
ハルヒ「…」
見るからに怪しいノートパソコンに何かの画面を映して流している文学系の男子生徒、中世の貴族みたいな衣装を着てたむろっている演劇部らしき集団、見るからに吹奏楽部な管楽器を手にした人たち、長机の前にただ座っているだけのいくつかのグループ。
そのグループの中でもとりわけこじんまりとした、端の方に追いやられた感のある『文芸部』と書かれたA4のコピー用紙が揺れている机。
ショートカットのメガネをかけた子が椅子に座った上級生と思しき女子生徒(なぜか私服)と二言三言会話をして、差し出された用紙に何かを書いたと思うと、椅子に座っていた女子生徒が立ち上がり、ショートカットの子の肩に手を置いて自分が座っていた椅子に座らせると、
『じゃあ、あとよろしくね』なんて声をかけてそそくさと帰っていく。それを無言で頷いて見送るショートカットの女の子は、まるで何事もなかったかのように制服のポケットから文庫本を取り出して読み始めた。
キョン「すみません。文芸部…ですよね?」
???「そう」
キョン「あの、お話聞きたいんですけど」
???「…」パタン
キョン君が声をかけるとショートカットの女の子は読んでいた文庫本を閉じ、顔を上げた。
???「文芸部は基本は読書や本の評論を行い、年1回会報を作成する」
キョン「それだけですか?」
???「先ほど受けた説明はそう」
キョン「え?先輩、ですよね?」
???「違う。私は1年6組長門有希。先ほど、入部と同時に部長を任された」
キョン「へ?」
長門「引継ぎをしてくれたのは先代部長。文芸部を存続させるため、来週から大学生なのに新入生の勧誘を行っていた。私はそれに感銘を受け入部を決めた」
キョン「そ、そうなんだ」
ハルヒ「…ねえ、長門さん」
長門「なに?」
ハルヒ「先輩に押し付けられたようにも見えたんだけど…、違うの?」
長門「違う。入部は私の意志」
ハルヒ「そう。がんばってね」
長門「…」
長門さんに真っ直ぐに見つめられて、なんとなく嫌な感じがした私は、気が付くとキョン君の手を引いて歩き出していた。
キョン「お、おい?」
ハルヒ「行こう?キョン君」
キョン「あ、ああ」
中庭から校舎に入り、教室前まで歩いてからキョン君の手を離す。教室にはもう誰もいなかった。当たり前だけど。
ハルヒ「ごめんね。でも、あれじゃあ…」
キョン「そう…だな」
ハルヒ「あっ、キョン君は入りたかった?だとしたらごめんなさい。何も聞かないで引っ張ってきちゃって…」
キョン「い、いや」
ハルヒ「なんかね、嫌な感じだったの…。長門さんに見られたら…。その、長門さんが嫌だとかそういうわけじゃないんだけど…」
我ながら言い訳じみたことを話していると思うと、知らないうちに頭に血が上ってきて頬が熱くなるのがわかる。よりにもよってこんなときに赤くなったら勘違いされてもおかしくない。
キョン「涼宮さん?もしかして熱ある?」
ハルヒ「えっ、ちょっと…なにするの!?」
キョン「いや、熱があるかなって思って」
ハルヒ「だ、大丈夫…」
キョン「いや、顔赤いし、ちょっと測らせて」
ハルヒ「だいじょう…きゃっ!!」
彼の手がとっさに避けた私のメガネを引っ掛けて、メガネがカシャーンと派手な音を立てて床に落ちた。
キョン「ゴ、ゴメン!怪我してない?」
慌ててメガネを拾って私に差し出しながら心配そうに顔を覗き込まれる。熱を測ろうなんてしなければこんなことにならなかったのに。
ちょっとキョン君を睨んだままメガネを受け取ると、彼はばつが悪そうに項垂れて呟いた。
キョン「…ゴメン」
ハルヒ「…うん」
キョン「壊れなかった?」
ハルヒ「大丈夫」
キョン「本当にゴメン!つい妹にやるみたいに熱を測ろうとしちゃって…。良く考えれば他人の男にこんなことされたら避けるよな。ホント、反省」
ハルヒ「…以後気をつけるように」
キョン「ああ。悪かった」
ハルヒ「うん。じゃあ帰るわ」
キョン「そうだな。気をつけて」
ハルヒ「さようなら」
キョン「またね。…あ、涼宮さん!」
一度は別れの挨拶をしたにもかかわらず、キョン君は私を呼び止めた。
ハルヒ「どうしたの?」
キョン「あ、その…さ。涼宮さん、メガネ外すと可愛いね」
ハルヒ「は?」
キョン「髪も、おさげじゃなくてポニーテールみたいにアップにするとかすればよく似合うと…思う」
ハルヒ「…考えとく。じゃあね」
まったく、何を言うかと思えば。まあ、悪い気はしないけどね。でも、お生憎様。私は目立ちたくないからそんなことはしないのよ。
今宵はここまで。
お休みなさいませ〜orz
175 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 00:34:24.00 ID:DuzWXIJU0
おつ
176 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 01:29:03.33 ID:beA8q0umO
177 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 06:57:21.65 ID:SJkaAHOgO
乙
178 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 11:17:12.94 ID:HOzJzojYO
180 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 17:05:22.00 ID:mBMEuele0
保守
>>1GJ
ものは相談だが、くまさんプリンの件の長門(ゆき)を描いてはくれまいか…
気が向いたらでいいんだ…
181 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 19:10:14.08 ID:6KOfzO/p0
ほしゆ
そして佐々木さんは(ry
182 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 23:25:36.31 ID:9UD2tNdNO
ほ
183 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/28(木) 23:58:39.28 ID:DuzWXIJU0
り
184 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/29(金) 00:24:23.91 ID:vy4HyICHO
え
185 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/29(金) 00:41:03.15 ID:TsroCE4pO
も
ん
保守
188 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/29(金) 07:21:33.02 ID:C2k3J24l0
ほ
189 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/29(金) 07:25:21.08 ID:jRSIvvLi0
ら
>>180 そのくだりは是非とも見てみたいものだよな
保守厨うざい
192 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/29(金) 11:10:18.06 ID:C2k3J24l0
ほ
保守〜
--木曜日。今日から普通の北高生としての生活が始まる。教室に入ると、同じ中学出身や席が隣で意気投合した人が小さなグループを作って話していた。
幸いなことに私の席は一番後ろだったので、静かに教室に入ってそっと自分の席に座れば誰にも干渉されずに静かな一日を送れるはず。
???「おはよう。涼宮さん」
ハルヒ「…おはよう…えーっと」
???「朝倉よ、朝倉涼子」
ハルヒ「…ごめんなさい。名前覚えるの苦手で…」
朝倉「あ、気にしないで。私が勝手に覚えただけだから」
ハルヒ「…」
朝倉「これからよろしくね。…あ、おはよう。国木田君」
ハルヒ「…」
積極的にクラスメイトに声をかける朝倉さん。学級委員でも狙ってるのかしら?それにしても、よくみんなの名前覚えてるなあ。
朝倉さん以外は私に声をかけてくることもなかったので、私は安心して時間割を確認したり、教科書を確認したりして時間を潰した。
予鈴が鳴ってみんなが自分の席に着こうと戻り始めたころ、廊下から一人の男子生徒が駆け込んできて私の前の席に座った。
肩で息をして机の上に突っ伏している。キョン君だ。
キョン「はあ、はあ、間に合った」
キョン君の友達(確か国木田君)「キョン、もう少し余裕を持って来いよ。まったく」
キョン「そのつもりだったんだけどな、あの坂は予想以上にきつかった」
国木田「昨日の時点でわかってただろう?」
朝倉「ぎりぎりセーフってところね…。おはよう。…キョン君」
キョン「…おはよう」
???「おお?朝倉さんにあだ名で呼ばれるなんて何者だ?」
朝倉「ただのクラスメイトよ。谷口君、あなたと同じ。そうね…彼を呼ぶにはなんとなくその方がしっくりくる気がするのよね」
谷口「ああ、いかにもキョンって顔してるもんな。あ、悪い」
キョン「やれやれ、勝手にしてくれ」
ふぅん。キョン君ってやっぱり他の人にもそう見られているのね。彼自身がそう言っていたようにそう呼ばれる運命にあるのかな。
ちょっとかわいそうな気もするけど。
HRが終わると、すぐにキョン君が振り向いて質問してくる。
キョン「なあ、学年によってリボンやネクタイの色が違うのか?」
ハルヒ「そんなことないと思うけど」
キョン「なんか、青いリボンやネクタイの人を見たんだ」
ハルヒ「ああ、クゥプルの人たちのこと?」
キョン「なんだそれ?」
ハルヒ「え?知らないの?」
キョン「初耳だ」
北高に入学する理由のTOP3にあるファミィユ制度を知らないなんて、キョン君って以外と世間知らずなのかしら?
仕方ないからファミィユ制度について簡単に説明する。
キョン「つまりクゥプルってのは学校公認カップルみたいなものか?」
ハルヒ「あ、言われてみればそんな感じかも」
キョン「やれやれ、何でそんな制度があるんだ?俺みたいにモテない奴にはキツいぞ」
ハルヒ「一度クゥプルになると別れるのも大変そうだけど」
キョン「あ、そういう見方もあるか」
ハルヒ「そう考えると、学校としては管理しやすくなるからいい制度なのかもね」
カップルと一目で分かるようにリボンやネクタイの色を変えさせて、なおかつアンファンやグランクゥプルなどのお目付け役も付けられる。
そう考えれば管理しやすいし、公認となっていることを考えても、生徒の過剰な不純異性交遊を抑制する制度として学校側が定着させた可能性が高いかも。
ちょっとロマンには欠けるけどね。
朝倉「ねえ、涼宮さんとキョン君。文芸部を見に行ったんですって?」
六限が始まる前の休み時間、いきなり朝倉さんがそんなことを聞いてきたので、思わずキョン君と顔を見合わせてしまった。
ハルヒ「ええ」
キョン「まあ」
ハルヒ・キョン「何で知ってるの?」
偶然なんだけど、ものすごく綺麗にハモってしまう。
朝倉「綺麗な和音ね」
キョン「そりゃどうも」
ハルヒ「…」
朝倉「ああ、文芸部の話ね。実は私、文芸部に入ったのよ」
キョン「…またどうして?」
朝倉「部長の長門さん、同じマンションに住んでてね。誘われたから入っちゃった」
キョン・ハルヒ「…」
朝倉「私以外には誰か来たのかって聞いたら『キョン君って呼ばれる男子生徒とおさげの女子生徒が説明だけ聞いてくれた』ってね」
世間って広いように見えてけっこう狭い。キョン君を見ると、彼もどうしていいかわからないといった表情で私を見て、小さく肩をすくめた。
そんな私たちを見て楽しそうに笑いながら、朝倉さんは何かの用紙を私たちに差し出した。
朝倉「ということで、入部届。よろしく」
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
200 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 00:16:29.74 ID:l95qTvi3O
お疲れ〜
201 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 00:25:38.72 ID:L/YQ0Un40
追いついた
おつー
202 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 17:48:12.76 ID:l95qTvi3O
ほ
203 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 18:31:24.53 ID:vKe8gRkR0
し
204 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 20:45:00.11 ID:dOEO4gl30
の
205 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 20:58:05.00 ID:dOEO4gl30
お
206 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 22:35:26.60 ID:ca+xi9vTO
う
207 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/30(土) 23:46:14.17 ID:vKe8gRkR0
じ
さ
209 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 00:05:26.80 ID:A5YyBW3BO
ま
210 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 00:06:40.90 ID:vKe8gRkR0
ん
こ
212 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 01:38:00.29 ID:pphCIPS10
ま
213 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 01:40:36.75 ID:xnUzz7X70
ん
214 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 01:51:15.47 ID:4jlChD7U0
こ
215 :
:ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 03:15:45.15 ID:efPSaA4B0
ほ
216 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 03:39:03.97 ID:4jlChD7U0
っ
217 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 09:33:34.76 ID:JP9jRZYaO
ほ
てかVIP+てどんくらいで落ちんの?たまに半日くらい生きるしな
218 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 09:44:47.61 ID:O6dAAwlC0
保守は3日に一度程度で十分
>>218 トン!!
そうなのか…携帯で恥ずかしいなw
VIP+とかめったに来ないからな
220 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 10:40:34.72 ID:4jlChD7U0
>>218 一斉更新してると
なんか保守したくなるこの気持ち
……分かるか?
221 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 21:28:27.24 ID:xnUzz7X70
まだー?
222 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:38:58.35 ID:HQNNipwY0
保守ありがとうございます。
相変わらずの遅筆ですが、ご容赦くださいませorz
>>202-209 なんというロマンチストw
223 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 21:41:25.05 ID:xnUzz7X70
キテタ━━━(゚∀゚)━━━
224 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:42:02.83 ID:HQNNipwY0
結局、私とキョン君は文芸部に入部することになった。朝倉さんの勢いに押されたというのもあるけど、活動をするにしろしないにしろ何らかの部に所属していた方が面倒ではないというのがキョン君の意見だ。
キョン「悪いな」
ハルヒ「え?」
キョン「見学につき合わせた挙句、入部させちまって」
ハルヒ「まあ、しょうがないよ。それに、何か部活動に入っていた方が色々有利なんでしょ?」
キョン「まあ、入っていないよりは」
ハルヒ「じゃあそれでいいじゃない」
キョン「そうか」
ハルヒ「うん」
そもそも強制ではないのだから合わないと思えば辞めればいいだけだ。
キョン君は深く考えすぎるところがあるみたい。まあ、いい人ってことなのかな?
長門「…ありがとう」
ハルヒ「え?」
長門「文芸部」
ハルヒ「あ、うん」
長門「…放課後、待ってる。良かったら…来て」
ハルヒ「…考えとく」
長門「…」(にこっ)
休み時間に廊下で長門さんに会った。初対面の時に感じた嫌な感じはしない。ただ単にちょっと無口なだけな人なのかもしれない。
放課後、文芸部に行ってみようかな。
225 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 21:44:24.36 ID:JP9jRZYaO
支援
226 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:44:48.33 ID:HQNNipwY0
放課後、文芸部は初顔合わせと言うことで長門さん、朝倉さん、キョン君、私の順番で簡単な自己紹介をして、それからは適当な雑談をすることになったのだが、それぞれ相手のことを
知っているわけではないので会話は途切れがちになる。
朝倉「ふふ。長門さん以外5組って言うのも面白いわね」
長門「…」シュン
朝倉「あら?別に長門さんが悪いとは言ってないわよ。ああ、ごめんなさい。そんな寂しそうな顔しないで」
長門「普段どおり。心配要らない」
朝倉「いつもさっきみたいにしょんぼりしてないでしょ?5組の人間が多いのはたまたまなんだから、長門さんは気にしないでいいの」
長門「…了解した」
朝倉「ふふふ」
なんか、朝倉さんって長門さんの保護者みたい。長門さんが子供っぽいってわけじゃないから、朝倉さんが大人びてるってことなのかな。
227 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:47:17.38 ID:HQNNipwY0
--金曜日 放課後
今日はデパートに予備の制服を取りに行くように親に頼まれたので、学校が終わってから駅前へ行くことになった。
六限が終わると、キョン君が鞄を手にとって『今日は用事があるから』と言ってさっさと教室を出て行く。わざわざ私に断るってことは今日も部室に行くと思われたのかもしれない。
ごめんねキョン君。今日は部室に行かない。
朝倉さんに用事がある旨を伝え、キョン君も用事があるから帰ると言っていたと伝えると教室を出た。
朝倉「キョン君とデート?」
ハルヒ「ちがいます!」
朝倉「そうなの?あはは、冗談。ゴメンネ」
ハルヒ「…さようなら」
朝倉さんのこういうところ、好きじゃないな。
デパートにある、学校の制服を扱っているお店。北高だけではなく周辺の学校の制服も扱っているから、この地区にある学校の制服がショーケースに並んでいる。
北高の制服の側には小物も置いてあり、リボンとネクタイの前で私は思わず足を止めた。
青いリボンと青いネクタイ。
クゥプルの証であるそれは、こうして見ているだけでもなんとなく幸せな気分にさせてくれる、そんな不思議な魔力を持ったアイテムだ。
私が北高に入った理由。その第一の理由が、クゥプル。
人と関わりたくないなんて言っていて、実は特定の人との関わりを持つための制度に憧れている。
運命の人。
チープな言い方だけど、そんな人と出会いたい。そう私は思っている。
228 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:49:20.15 ID:HQNNipwY0
ハルヒ「…」(かぁっ)
頬が熱くなる。少しぐらい夢見たって罰は当たらないはず。
女1「あ?涼宮さんじゃーん」
女2「久しぶりー。相変わらずだねー」
女3「元気してたー?」
ハルヒ「う、うん…」
訂正。夢を見る場合も時と場所を考えないと痛い目をみる。
中学時代のクラスメイトの3人組。彼女たちは3人揃って制服の無い私立の高校へ行ったはずだ。
女1「てか、涼宮さん何してるの?」
女2「これって、あれだよね?クゥプルとか言うやつ」
女3「あー、ラブラブリボンとラブラブネクタイってやつ?」
女1「ええ?涼宮さん彼できたのぉ?」
女2「ええ?そうなの?だからこんなところにいるの?」
女3「ねね、彼優しい?」
ハルヒ「…」
彼女たちはわかっていて質問を浴びせてきているのだ。こんな時は何か言ったら私の負け。
229 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:51:19.27 ID:HQNNipwY0
女2「ねえ?どうなのよ?」ニヤニヤ
女3「ラブってるんでしょ?いいなあ」ニヤニヤ
女1「羨ましいなあ涼宮さん」ニヤニヤ
ハルヒ「…」
女3「ねえ、もったぶらないで教えてよ」クスクス
女1「そうそう。ねえ?」クスクス
女2「意地悪しないでよ?」クスクス
何か言ったら私の負け、何か言ったら私の負け…。目の前がうっすらとぼやけてくる。最悪だ。涙なんて。
女1「あれぇ?どうしたの?涼宮さん」クスクス
女2「具合でも悪い?ねえ?」クスクス
女3「あれあれ?ひょっとして泣いてる?」クスクス
ハルヒ「…」
???「ハルヒ!!」
女1・女2・女3「!?」
誰?私を名前で呼ぶのは?ぼやけてて良く見えない。
230 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:53:13.18 ID:HQNNipwY0
女1「ちょっと、アンタ誰よ?」
女2「そうよそうよ」
女3「邪魔しないでくれる?」
???「邪魔なのはお前らだろ!俺はここで待ち合わせてたんだ」
女1・女2・女3「!?」
???「そうだろ?ハルヒ」(にこっ)
ああ、この声。
ハルヒ「…キョン君」
キョン「待たせてゴメン」
ハルヒ「うん…」
女1「話が見えないんですけどぉ」
女2「ていうか、何なの?」
女3「説明してよ」
キョン「北高生のじゃないお前らにわかるかどうか疑問だが、俺たちはネクタイとリボンを買いに来たんだ」
女1・女2・女3「!?」
ハルヒ「…」(かぁっ)
再び頬が熱くなる。夢を見ているわけでもないのに心臓も痛いくらいに高鳴っている。
231 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:54:36.05 ID:HQNNipwY0
キョン君は青いネクタイと青いリボンを手に取り、少しぎこちない感じで青いネクタイを私に差し出す。その頬はちょっとだけ赤かった。
青いネクタイを受け取ると、私はレジに向かう。すぐ後ろから青いリボンを手にしたキョン君が付いてくるがわかった。3人が私たちを追い越して逃げるように制服売り場から去っていく。
その後姿を見送ってから、私はキョン君を振り返った。
ハルヒ「あ…」(かぁっ)
キョン「な、なんだよ」
ハルヒ「ありがとう」
キョン「…ああ、いや、気にしないで、涼宮さん」
ハルヒ「あ…」シュン
キョン君には『涼宮さん』と呼ばれるのが普通だったのに、そう呼ばれるととても淋しい気分になる。
彼の顔を見て、名前を呼ぶ声を思い浮かべると、さっきのように心がじわっと温かくなってくる。
232 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:57:20.74 ID:HQNNipwY0
ああ、そうか。これがきっかけなんだ。
迷惑かもしれないけど、断られるかもしれないけど、助けてくれた優しさを信じて聞いてみよう。
ハルヒ「…名前で呼んで」
キョン「え?」
ハルヒ「ハルヒって呼んで」
キョン「…いいの?」
ハルヒ「…」コクリ
キョン「じゃあ、ハルヒ」
ハルヒ「ありがとう」(にこっ)
レジに行き、引換券と青いネクタイを渡してお会計を済ませる。青いネクタイは別の袋に入れて貰った。キョン君が持っていた青いリボンは、予備の制服のリボンと変えてもらい、それも別の袋に入れてもらう。
キョン君に青いリボンの入った袋を渡して、それから大きく深呼吸。そして青いネクタイの入った袋を差し出す。
女子からは男子にネクタイを贈り、男子から女子にリボンを贈るのがクゥプルの儀式なのだ。
ハルヒ「クゥプルになってください!」
キョン「…俺でいいのか?」
ハルヒ「はい」
キョン「その、ありがとう」
ハルヒ「こちらこそ…ありがとう」
キョン君は私の申し出を受けて青いネクタイを受け取り、少し照れくさそうに私に青いリボンを渡してくれた。クゥプル成立。
正直、自分でも驚いている。恋するのに時間は要らないって本当なんだなあ。
233 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 21:59:00.94 ID:HQNNipwY0
キョン「しかし、驚いた」
ハルヒ「うん」
キョン「まあ、君が苛められているのを見たら、その、ほっとけなくてな」
ハルヒ「キョン君が来てくれて嬉しかった。そうしたら大切な気持ちに気付いちゃった」
キョン「んー。なんだ、その、ありがとう」
ハルヒ「うん…」
キョン「!!」
ハルヒ「あれ?おかしいな。何で涙が…」ポロポロ
キョン「あー…。よしよし」ナデナデ
ハルヒ「…あ」
キョン「安心したんだろ?なんなら胸、貸してやる。…その、クゥプルだしな」
ハルヒ「…」
キョン君、優しいよ。ありがとう。
お言葉に甘えて、胸はちょっと恥ずかしかったので肩を借りた。制服、ちょっと濡らしちゃったかな。
234 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 22:00:28.32 ID:HQNNipwY0
ハルヒ「ありがとう」
キョン「どういたしまして。…あー、その、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
キョン「…やっぱり、メガネかけない方が可愛いぞ」
ハルヒ「…そ、そう…かな」(かぁっ)
キョン「ああ」(かぁっ)
ハルヒ「…そ、そう言えば、なんでキョン君はここに?」
キョン「え?ああ、そう言えば制服のシャツを受け取りに来たんだった。さっきレジまで行ったのにまた行くのはちょっと恥ずかしいな」
ハルヒ「ふふ」
キョン「行ってくるよ」
ハルヒ「あ、キョン君…じゃあ、私、帰るね」
キョン「え?その、送ってくぞ」
ハルヒ「ありがとう。でも、今日は一人で帰るわ。また学校でね」
キョン「ああ。わかった。じゃあなハルヒ」
ハルヒ「…またね」
本当は送ってもらいたかったけど、寄るところがあったので断った。明日の予約を入れてこないとね。
キョン君、どう思うかな?
235 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/05/31(日) 22:02:39.36 ID:HQNNipwY0
では今宵はここまで。
失礼いたしますorz
236 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/05/31(日) 22:34:31.34 ID:xnUzz7X70
おつ( ゚д゚)
237 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 00:17:18.68 ID:23WudJ9gO
お
238 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 00:33:27.17 ID:WBe0G9oO0
っ
239 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 01:30:46.20 ID:MkO0vta10
おつ
北高に承太郎が転校してきて、スタンド使いとなった谷口がキョン+αと対峙するSSのまとめがのってるサイトのURLください
241 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 13:13:47.83 ID:MfFA7xoA0
保守
242 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 16:03:03.74 ID:jCRONlebO
>>240 今はパー速にて続行中
まとめは知らない
転校生
>>242 ありがとうございます。こんなところで申し訳ないです。
244 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/01(月) 22:52:38.40 ID:pjl33eWn0
今北産業!!!
スール制度ですか
246 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/02(火) 17:48:28.64 ID:KGDqjWZf0
まだー?
247 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/02(火) 22:49:21.84 ID:y4XjmwlYO
まだか
248 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:19:58.29 ID:0OiwP8xx0
保守ありがとうございます。
熱を出して寝込んでおりましたorz
申し訳ありませんorz今回も少しです。
>>245 ごきげんようw
249 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:21:41.73 ID:0OiwP8xx0
うーん。困った。
学校内で起こったことは朝比奈さんや長門、古泉、朝倉、谷口、国木田に聞いて何となくわかったのだが、肝心のクゥプルにどうやってなったのかがわからん。
入学式の週の金曜日の放課後以降から日曜日の間にいったい何があったんだ?
ハルヒ「ねえ、キョン」
キョン「ん?なんだ?」
ハルヒ「もう一つ、リボン欲しいな」
キョン「…買ってくるか?」
ハルヒ「…ん。またあのお店で、一緒に買おう?」
キョン「…あー、これを買ってくれた店か?」
クゥプルになる儀式の一つにお互いのタイ(ネクタイとリボンのこと)を贈り合うって言うのがあると聞いたので、なるべく自然にそう答える。
ハルヒ「…うん。私が、あなたへの気持ちに気が付いた…大切な場所」
キョン「…」
ハルヒ「あのできごとが、気付かせてくれた…大切な気持ち」
キョン「…」
すまんハルヒ。なんのことだかよくわからない。
『あのできごと』が『大切な気持ち』に気付かせてくれたってことはわかるんだが。
250 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:24:21.97 ID:0OiwP8xx0
朝比奈「…メール」
ハルヒ「なぁに?」
朝比奈「…よかったら、教えてください…何があったのか」
ああ、朝比奈さん。あなたは何て良い質問をしてくれるのですか。さあ、ハルヒ。教えてくれ。
ハルヒ「あのね…」
朝比奈「…」キラキラ
キョン「…」
少し頬を染めながらハルヒが話し出す。
あー、その、なんだ。
ハルヒの話はあくまでハルヒが感じたままの言葉で語られるから、ハルヒのフィルターで美化された状態の自分のことを聞かされる。
何があったのかは良くわかったが、暫くの間はハルヒの目を正面からは見れそうにない。
俺はそんなにキザじゃないぞ。
251 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:32:27.34 ID:0OiwP8xx0
朝比奈「ふわぁ。素敵ぃ…」
ハルヒ「ふふ」
キョン「…あー、ハルヒ。その、美化しすぎだ」
ハルヒ「そんなことない!キョンは…私の王子様だもの」
キョン「!!」
朝比奈「ふわぁぁ。素敵ぃ…」
朝比奈さんはうっとりとした眼差しでハルヒの話を聞いていた。
古泉「おやおや、それではさしずめ、涼子さんは僕のお姫様ですね」
朝倉「そう言う一樹さんは、私の王子様ね」
古泉「ふふ。僕としてはお姫様と言うよりも女王様って呼んでもいいと思っているのですよ涼子さん」
朝倉「あら。それじゃあ一樹さんは何になるの?」
古泉「女王の身を守る懐刀でありたいですね。もちろん、片時も側を離れない伴侶として」
朝倉「嬉しいわ。一樹さん」
長門「…」ペラリ
…何を惚気ている古泉、朝倉。
ハルヒの話をちゃっかり聞いているんじゃない。まったく。
252 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:34:12.88 ID:0OiwP8xx0
部活が終わり、俺とハルヒで朝比奈さんを家に送り届け、それから俺はハルヒを家に送り届けてから、俺は古泉と長門を駅前の喫茶店に呼んだ。
長門のマンションには朝倉も住んでいるので、長門には十分に注意をして出てくるように言っておく。
幸い、長門は問題なく出てくることができたようで、俺が喫茶店に着いたときには既に席に座り、アイスティーを飲んでいた。
キョン「悪い、待ったか?」
長門「問題ない」
キョン「古泉は?」
長門「まだ」
キョン「そうか」
長門の対面に腰をおろして俺はアイスコーヒーを注文する。いったい古泉は何をやっているんだ?
長門と二人向かい合って喫茶店。傍から見ればデートのようにも見えるかもしれないが、あいにく俺のネクタイは青で長門のリボンは赤なので、北高を知っている人間が見ればカップルと間違えられることは無い。
253 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/02(火) 23:35:51.75 ID:0OiwP8xx0
では今宵はここまで。
失礼いたしますorz
254 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/02(火) 23:54:39.81 ID:y3dJ3CVW0
おつ
255 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/03(水) 00:03:55.92 ID:RQMZ0y5UO
256 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/03(水) 06:50:00.21 ID:6gfhWOjj0
257 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/03(水) 16:23:25.92 ID:UmIDIh7X0
保守〜
258 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/03(水) 22:40:04.11 ID:VPg7DVbE0
保守
259 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/03(水) 23:37:04.34 ID:FncvuC/K0
保守ありがとうございます。
今回も少しですが…遅筆ですみませんですorz
>>255-256 恐れ入ります><
260 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/03(水) 23:39:17.00 ID:FncvuC/K0
長門「古泉一樹は今、朝倉涼子と共にいる」
キョン「は?」
長門「現在、朝倉涼子の部屋で二人」
キョン「そ、そうか」
長門「…そう」
おいおい、古泉、お前はいったい何をやっているんだ。
キョン「あー、長門。ハルヒのことだが」
長門「涼宮ハルヒの精神状態は極めて安定している。あなたのおかげ」
キョン「そうか」
長門「しかし、このまま行くと推定で2日後には世界が確定する」
キョン「リミットは明日か」
長門「必然的にそうなる」
キョン「そうか」
長門「またあなたに委ねることになる。…ごめんなさい」
キョン「いや、お前は悪くない」
長門「…」
やれやれ、忙しいことだ。
261 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/03(水) 23:43:48.00 ID:FncvuC/K0
キョン「なあ、長門」
長門「なに?」
キョン「その、完璧に元通りってわけにはいかなくても、いいのか?」
長門「質問の意味が曖昧」
キョン「あー、うまくいえないんだが。そうだな、たとえば長門の好物が変わるとか、性格が少し活発になるとかしても問題ないか?」
長門「長門有希という固体のパーソナルデータに若干の誤差ができても問題はないと思われる」
キョン「じゃあ、ハルヒが少しおしとやかになるとか、古泉がゲームに強くなるとかはどうだ?」
長門「必然が必然ではなくなるのは好ましくない」
キョン「そうか」
長門「ただし、ある程度の相違は許容範囲としても良いと判断する」
キョン「どういうことだ?」
長門「私の嗜好が少し変わった」
キョン「嗜好?」
長門「子供化したときの嗜好をそのまま受け継いでいるが、問題ではない」(くまさんプリン…好き)
キョン「…」
そんなに気に入ったか…くまさんプリン。まあ、たしかに美味いんだけどな。
262 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/03(水) 23:45:18.36 ID:FncvuC/K0
キョン「そういえば、世界が改変されるたびに、俺たちの時間も戻っているのか?」
長門「涼宮ハルヒが世界を改変するたびに金曜日の朝にリセットされる」
キョン「なら、もし、この世界で確定しても、ハルヒが望めばまた改変されるってことはないのか?」
長門「涼宮ハルヒが望めば可能。ただし、確定後はこの世界がベースになるため、リセットは二日後の日曜日の朝になると思われる。本来の世界の情報も希薄なものになる」
キョン「おいおい、まずいじゃないか」
長門「違う世界を経由しているので、本来の世界への影響がどの程度のものになるかは予測不能」
キョン「…もしかしたら大きな誤差が現れる可能性があるってことか?」
長門「あまりにも大きな変革は世界が崩壊する恐れがある」
キョン「だが、ハルヒがそれを望むことは無い…だろう?」
いくらハルヒが厚顔不遜とはいえ、世界を滅ぼそうとは思うはずが無い。
ああ見えても結構ハルヒの奴は、優しいところがある…はずだ。
なんだかんだいっても、団員思いな奴だからな。うん。
263 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/03(水) 23:46:55.06 ID:FncvuC/K0
では今宵はこれまで。
失礼いたしますorz
264 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/03(水) 23:48:06.72 ID:6gfhWOjj0
乙?
熱大丈夫ですか?
265 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/04(木) 08:13:52.02 ID:sQ4jHnm5O
保守
266 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/04(木) 23:01:38.22 ID:K0aMJKtDO
まだー
267 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:37:14.53 ID:JiiH5jlh0
保守ありがとうございます。
相変わらず遅筆で申し訳ありませんorz
>>264 恐れ入ります><熱は下がりました。
268 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/04(木) 23:38:13.76 ID:EV8bu5jX0
今からは書く?
269 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:41:00.20 ID:JiiH5jlh0
古泉「すみません。遅くなりました」
キョン「まったくだ」
長門「…」
古泉「お詫びに奢りますよ。ああ、もちろん先に飲んだ分も含めて」
古泉が来た時には既に、俺と長門はそれぞれの飲み物をとっくに飲み干していた。
それにしても古泉が奢ってくれるとは珍しいな。一人だけ何かを飲ませるのも気がひけるし、ここはお言葉に甘えようか。
キョン「じゃあ俺はブレンドで」
長門「…アプリコットティー」
古泉「わかりました。すみません。注文お願いします」
ブレンド2つとアブリコットティーを注文すると、古泉は小さくため息を付き、目を伏せる。
なんとなく声がかけずらい雰囲気だ。らしくない。
270 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:42:07.52 ID:JiiH5jlh0
>>268 書いてあるのを数レス投下して消えるといういつものパターンで…
恐れ入りますorz
271 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:44:30.99 ID:JiiH5jlh0
周りを気にしているのか?やれやれ、いったいどんな内緒話をしようと言うんだ、古泉。
内心で肩をすくめ、古泉、俺、長門の三人は顔を寄せた。
古泉「私事で恐縮なのですが…困った事態に陥ってしまいました」
キョン「いったいどうしたんだ?」
古泉「その、ですね…なんて言いましょうか…」
長門「朝倉涼子と肉体関係を持った」
キョン「なんだって?」
古泉「…ご存知でしたか」
長門「推測に過ぎないが、確率的には78.2%。なお朝倉涼子は監視対象」
古泉「参りました」
そう言って頭を下げる古泉。普通に会話しているが、どうしてそんな冷静なんだ?長門。
キョン「いや、待て、古泉。つまり、そのアレか?」
古泉「アレとは?」
キョン「アレだ。その、ABCのC」
古泉「これはまたレトロな例えを持ち出してきますね。…まあその、それです」(かぁっ)
キョン「…赤くなるな」
古泉「これは失礼。しかしこのようなことは初めてですのでご容赦いただきたいものです」
キョン「そうか」
古泉も赤くなることはあるんだな。いや、野郎に目の前で赤くなられても気持ち悪いだけだが。
272 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:46:01.08 ID:JiiH5jlh0
古泉「…まあ、それはさておき…この世界は涼宮さんの作り出した仮想世界、と言ってもいいものです」
長門「少し違う。仮想世界ではなく具現世界」
古泉「失礼。その具現世界は所詮まやかし、と言ってもいいでしょう」
長門「…」
キョン「…何が言いたい?」
古泉「…涼子さん自体がイレギュラーな存在と言うことはわかっているつもりです。しかし、僕は彼女を愛してしまった」
キョン「…」
長門「…」
古泉「彼女がいなくなることを考えると…僕の心は引き裂けそうになります」
お前、恥ずかしくないのか?なぜそんな言葉をすらすらと口にできる。
長門「今現在存在する朝倉涼子は、情報統合思念体とは何の関係も無いただの人間」
古泉「どういうことです?」
長門「涼宮ハルヒがクラスメイトとして認識している人間としての存在」
古泉「…しかし、彼女の家、家族がいませんよ」
長門「一人娘で両親はカナダに赴任中。実際に両親の存在も確認した」
古泉「情報統合思念体は関与していないとなれば、僕としては一縷の望みに賭けるしかないようですね」
長門「涼宮ハルヒ次第」
キョン「どういうことだ?」
こういうとき、俺は自分の凡庸さがつくづく嫌になる。古泉と長門は見事なまでにお互いの意思の疎通を図っているようだが。
273 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:48:53.87 ID:JiiH5jlh0
古泉「あなたは『鍵』だと言ったことを覚えていますか?」
キョン「ああ。良くはわからんが」
古泉「あなたは涼宮さんに影響を与えることができる唯一の存在なのです」
長門「実際、あなたの何気ない言葉から世界は改変された」
キョン「…」
古泉「僕が縋るのもそこにです。いや、そこにしか縋れるものがないと言った方が正しいかもしれませんね」
やれやれ。やっぱりそうなるのか。
古泉「涼子さんの存在をアピールしてもらえないでしょうか?」
キョン「…まあ、やってみる」
古泉「ありがとうございます」
キョン「まあ、仲間の頼みだしな。うまくいくかどうかはわからないけど、やれるだけやってみる」
古泉「いや、なんて言っていいか…。あなたに最大級の感謝を」
キョン「よせよ。くすぐったい」
古泉「これは失礼」
軽くおどける古泉。うん。お前はそういう風に飄々としているのが似合ってるぞ。
274 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/04(木) 23:50:10.80 ID:JiiH5jlh0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
乙ー
のんびり行こうぜ
276 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 00:08:35.83 ID:fT7R6yBI0
おつー
277 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 00:10:44.64 ID:nCAE7c6qO
支援上げ
278 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 01:02:11.46 ID:OjXqT+2U0
支援
279 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 11:48:30.16 ID:JGM8r0R80
支援
280 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 18:56:48.52 ID:BdMUHghSO
保守
281 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 20:21:33.32 ID:LJkGAOHA0
続きキテター!乙。
熱下がって良かったですね。
282 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 22:43:59.25 ID:ZcdhN9hbO
保守
283 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:18:49.08 ID:AdtzeBs60
保守と支援ありがとうございます。
今回も少なめですがご容赦くださいませorz
>>281 おそれいります><
284 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:19:45.31 ID:AdtzeBs60
それにしても…朝倉と古泉がなあ。
ニヤケ面が鼻に付くところがあるけど、古泉は整った顔立ちしてるし、朝倉も世間一般では美少女の部類に入る。
まあ、ベストカップルではあるな。少なくとも外観は。
ブルブルブルブル ブルブルブルブル
ん?携帯の着信だ。ハルヒからか。
キョン「もしもし」
ハルヒ「あ、キョン。今、古泉君と一緒?」
俺が携帯に出ると、長門が人差し指で自身を示してから、手でバッテンをして『私はここにいない』というジェスチャーをする。
何か理由があるのだろうから、片手を上げて『わかった』と合図をすると、俺はハルヒに悟られないように会話を続けた。
キョン「…ああ、ちょっと話を聞いてるところだ。珍しくあいつの奢りでな」
ハルヒ「そう。…朝倉さんから連絡があって、キョンが何してるかなって思っちゃって…」
285 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:23:52.85 ID:AdtzeBs60
キョン「おいおい、わけわかんないぞ、ハルヒ」
ハルヒ「ん、ごめんね。ちょっとキョンの声が聞きたかっただけ」
キョン「そうか。…あー、その、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
キョン「そういうこと言われると、照れる」
ハルヒ「あっ、ごめんなさい」
キョン「いや、謝ることじゃないが…」
言いかけて、俺は受話器側を手で覆う。
キョン「おい古泉、笑うな」
古泉「いや、失礼。なんか微笑ましかったもので、つい」
キョン「…後で覚えてろよ」
俺の言葉に軽く肩をすくめて笑う。まったく、古泉の奴。
286 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:25:02.44 ID:AdtzeBs60
キョン「っと、すまん。ちょっとな」
ハルヒ「ううん。いいの」
キョン「で、どうする?古泉と変わるか?」
ハルヒ「もう。さっき言ったでしょ。キョンの声が聞きたくなったからかけたの」
キョン「そ、そうだったな。スマン」
ハルヒ「ふふ。ねえ、キョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「朝倉さんと古泉君って、素敵なクゥプルよね?」
キョン「…そうだな」
ハルヒ「…うん」
…なあハルヒ、なんで他のクゥプルの話でそんな小さな声になるんだ?もしかして、朝倉から俺が古泉に聞いたようなことを聞かされてるのか?
もしそうなら…。
287 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:27:14.16 ID:AdtzeBs60
俺は古泉に視線を向ける。
キョン「俺たちも、古泉と朝倉のようになりたいな」
古泉「!!」
長門「…」
ハルヒ「!!そ、そうね。じゃ、じゃあ古泉君にもよろしく。じゃあね」
キョン「あ、おい!…なんだよ、いきなり切りやがって…」
長門「当然の反応」
キョン「は?」
古泉「やれやれ」
キョン「なんだよ?お前ら」
またアイコンタクトかよ。なんなんだお前ら。超能力使ってるのか?
古泉「涼子さんが涼宮さんに連絡をしたから僕とあなたがいることを知っていたのでしょう。そうなると当然、僕が行ったことを涼子さんが涼宮さんに言っているかもしれません」
キョン「だから?」
長門「朝倉涼子が涼宮ハルヒに性行為の話をした可能性は79.9%」
古泉「同じように涼宮さんも私があなたに話をしたと思っているはずです。そうすれば、『僕たちみたいになりたい』イコール…下世話な言い方ですがあなた風に言えば『俺たちも肌を重ねたい』と言っているのと同義に取られるのではないかと」
キョン「…なんてこった」(かぁっ)
288 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:30:10.94 ID:AdtzeBs60
長門「エッチ」
キョン「…長門に言われるのは新鮮だな…じゃなくて!」
俺は古泉と長門を交互に見て、がっくりとうなだれた。
キョン「俺、催促したことになってるわけ?」
古泉「そうなります」
長門「エッチ」
キョン「長門…それはもういい」
長門「そう…」
古泉「あなたも隅に置けませんね」
キョン「…うるさい」
やれやれ、参ったな。ハルヒよ、何でそういうことには敏感なんだ?
俺はただ朝倉の存在をアピールするのを兼ねて、『もう少し仲良くなろうな』って言いたかっただけなんだが。
289 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/05(金) 23:32:56.66 ID:AdtzeBs60
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
290 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 23:39:56.88 ID:ZcdhN9hbO
291 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/05(金) 23:58:11.12 ID:fT7R6yBI0
長門にエッチって
いわれてぇぇえ!!!
おつ
おつ
熱がぶり返さないように気をつけてくれ
293 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/06(土) 08:47:07.98 ID:8H54ZvUHO
乙!
長門可愛いwww
294 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/06(土) 12:51:40.71 ID:yK93uk/LO
保守
長門かわいいよ長門
296 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/06(土) 20:00:12.15 ID:bvTzDH0N0
長門かわゆいよ長門
297 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/06(土) 21:09:20.44 ID:+xr1zXh50
長門きゃわいいよ長門
長門は俺の嫁
長門は漏れの嫁
長門はみんなの夢
佐々木は俺の嫁
302 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 00:14:44.18 ID:Mrlws0+z0
みくるはもらっていきますね
304 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 08:57:57.02 ID:dDcHwJjqO
鶴屋さんをいただきますね
305 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 10:21:25.08 ID:buA2MEgqO
俺はハルヒと古泉をもらいますね
306 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 14:22:24.99 ID:XiQCnDBkO
ほしゅ
307 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 14:23:45.84 ID:rmuTpu6uO
じゃあ俺は中学一年のハルヒをお願いします
キョンの妹いただきました
309 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 17:08:15.60 ID:CndQY/OMO
キョン子は渡さん。
310 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 20:13:39.91 ID:DNEnAiiQO
じゃあ森さんは貰って行きますね^^
311 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 20:48:53.18 ID:fvgdgofkO
なんだみんなみくるはいらないのか
なら貰って行きますね
誰も長門をもらって無いみたいだから俺が代わりに貰っててやるよ。
313 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 21:38:01.50 ID:AHIPuPHdO
新川さんってまだだよね
だれもいないんだったら俺がもらうね
314 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 21:41:24.91 ID:rmuTpu6uO
国木田くんのこともたまには思い出してください
315 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/07(日) 21:49:51.21 ID:e4SEbnzb0
WAWAWAもね
316 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:28:43.54 ID:Mrlws0+z0
なんだかすごいことになってるw
じゃあ朝倉さんを貰っていこう(ぇ)
今回も少しですが…相変わらず遅筆でごめんなさいorz
317 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:31:07.53 ID:Mrlws0+z0
ゆさゆさ。
ゆさゆさ。
キョン「…ん?」
誰だ?もう朝か?それにしては静かな気がするが。
それに俺、机に突っ伏しているみたいだな。確かにベッドで寝たはずなんだが。
ハルヒ「ねえ、起きてよ…キョン」
キョン「ハルヒ!?」
ハルヒ「ああ、良かった。ねえキョン、何で私たち部室にいるの?」
キョン「なんだって?」
ハルヒ「窓の外を見てもすごい静かだし、なんだか薄暗いし…」
キョン「…」
閉鎖空間…か。
318 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:34:04.17 ID:Mrlws0+z0
キョン「ハルヒ、俺、ちょっと外を見てくる」
ハルヒ「え…」
キョン「すぐ戻るから、ここで待っててくれ」
ハルヒ「あ、でも…」
キョン「すぐ戻るから」
ハルヒ「…」
何か言いたげなハルヒを置いて、俺は廊下に出て、階段を降り、昇降口から外へ。
灰色の空と人の気配の無い薄暗い世界。
校門へ向かって歩き、外に出られないことを確かめる。
間違いない、閉鎖空間だ。
周りを見回してみるが、赤い光は目に入らない。古泉の奴は入ることができないようだ。
あまりハルヒを一人にしても仕方ないので、俺は部室へと戻りながら考えを巡らせる。
…今回もあれか?スリーピング・ビューティー。
319 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:36:53.88 ID:Mrlws0+z0
問題は、目が覚めたとしてどの世界に戻るのかだ。
SOS団のあるいつもの世界か、ハルヒとクゥプルになっている今の世界か、もしかしたらまた別の世界に飛ばされることも考えられる。
まあ、なるようになれ、だ。このまま手をこまねいていても、事態はなんの進展もしないのだから。
キョン「ただいま」
そう言って扉を開けて中に入る。ハルヒは椅子に座って机に臥せていた。
俺の声を聞いて、微かにビクッと体を震わせてからそっと顔を上げる。その瞳は涙に潤んでいた。
キョン「ハルヒ…」
ハルヒ「寂しかったんだから。キョンの馬鹿!」
キョン「…スマン」
ハルヒ「気が付いたら部室で二人で眠っていたみたいで、…とりあえずあなたがいたのは良かったけど、起きたらいきなり私を残してどっか行っちゃうなんて…」
キョン「あー、その、…我慢できなかったんだ。…漏れそうで」
ハルヒ「え?…ああっ、そう、だったの…」(かぁっ)
キョン「スマン」
ハルヒ「そ、そういうことなら仕方ないわね」
我ながら馬鹿みたいな言い訳を口にしてしまった。小学生かっつーの。
ハルヒの奴は素直に納得してくれたが。
320 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:39:07.84 ID:Mrlws0+z0
ハルヒ「あ、あのね、キョン」
キョン「どうした?」
ハルヒ「…その、生理現象だったなら仕方ないんだけど…、寂しい思いさせたわけだし…」
キョン「…」
ハルヒ「もっと我儘言えって言ってたし、クゥプルになって結構たつし、そろそろ…」
待てハルヒ。お前は何を言っている。
ハルヒ「キョン…」
キョン「…」
ハルヒ「…」
顔を上げて目を閉じるハルヒ。少し紅潮した頬と微かに震えているのがまた、なんともいえない。
こういうシチュエーションは誰もが夢見るものだとは思うが、男だけじゃなく女もこういう王道パターンは憧れるものなのか?
321 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:41:00.26 ID:Mrlws0+z0
キョン「なあハルヒ、こういう我儘も結構だが、もっとこう、みんなで楽しもうみたいな我儘もいいんだぞ?」
ハルヒ「…今はこれだけでいいの」
キョン「まあ、俺としても悪い気はしないが、心の準備ってものがあるからな、少しだけ話を聞いてくれ」
まあ、心の準備ではなく現実に戻るための布石なんだけどな。
ちょっとの間、我慢してくれハルヒ。
キョン「部活とか作って、みんなでわいわい楽しんだりとか、いろんなものを探してみたりとか」
ハルヒ「…」
キョン「やってみたいことをやってみるのもいいよな」
ハルヒ「…」
キョン「一風変わった学生生活っていうのも、以外と楽しいものだ」
ハルヒ「…グスッ」(じわっ)
キョン「なぜ泣く」
ハルヒ「だって、お話して誤魔化そうって思ってるんでしょ?目を瞑っているだけでもすごい恥ずかしいのに…」
キョン「スマン」
律儀に目を瞑ったままのハルヒ。
朝倉のことは電話でそれとなく話しておいたし、これ以上待たせるのも精神衛生上よくない。
322 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/07(日) 23:43:22.16 ID:Mrlws0+z0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
323 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 00:49:00.97 ID:zqRnTbVEO
ほしゅ
324 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 01:07:52.32 ID:nXwzq9BzO
わっふるわっふる
325 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 01:40:40.61 ID:rbal/3YIO
俺は思わず体が震えた
震えはいっこうに収まらなかった
キョン「くっ・・・」
うんこが出た
326 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 01:43:25.80 ID:yKKkBTLS0
だれか映画化決定AAはれよ
327 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 07:53:46.27 ID:ue72olt4O
保守
328 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 12:29:37.18 ID:ue72olt4O
保守
329 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 15:57:02.10 ID:3f2svY+p0
ほ
330 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 17:06:59.44 ID:TDRSEAzC0
っ
か
332 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 20:16:41.91 ID:9jX26g8NO
い
ど
334 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 21:44:02.85 ID:yKKkBTLS0
う
335 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:03:20.23 ID:mHGR6y0o0
保守ありがとうございます。
>>329-334 地平線見てみたいですねw
今回も少しですがorz
336 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 22:03:54.80 ID:yKKkBTLS0
がんばれ
337 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 22:06:18.07 ID:ue72olt4O
キタ━━(・∀・)━━
338 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:08:45.73 ID:mHGR6y0o0
そっとハルヒの肩に手を置くと、俺はその唇に自分の唇を重ねた。
柔らかく、しっとりとした感触。
ハルヒ「ん…」
キョン「…」
どのくらいそうしていただろうか?ハルヒの小さい身じろぎと吐息を感じて、俺は唇を離した。
…相変わらず俺は、閉鎖空間の中にハルヒと二人でいる。
ハルヒ「…ドキドキした」(かぁっ)
キョン「ああ」(かぁっ)
顔を見合わせて赤くなり、照れたように笑顔を浮かべる。そんなハルヒは反則的に可愛い。
机を挟んでいなければ今すぐにでも抱き寄せてしまいそうだ。
しかし、困ったことになった。前回と違いキスで出られるわけじゃなさそうだ。
いったい、なにがしたいんだ?ハルヒ。
339 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:10:26.67 ID:mHGR6y0o0
そういえば、今回は閉鎖空間の中に神人がいない。ハルヒの精神が落ち着いているってことか。
いや、そもそも閉鎖空間が出るってことは、ハルヒの精神がネガティブな方向に来ているってことのはずだよな?
どういうことだ?
ハルヒ「ねえ?」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「傍に、来て」
キョン「いるじゃないか」
ハルヒ「そっちじゃなくて、こっち」
そう言って隣のパイプ椅子を叩くハルヒ。
まったく、そんな目で見られたら断れないじゃないか。
キョン「これでいいか?」
ハルヒ「うん」
キョン「ずいぶん我儘になったな」
ハルヒ「キョンのせいでしょ」
キョン「それはそう…!!」
ハルヒ「ん…」
言葉を遮って唇を重ねてくるハルヒ。いきなりのことに俺は目を見開いたままだ。
ハの字になった眉、上気した頬。
340 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:12:41.89 ID:mHGR6y0o0
そっと唇が離れる。ハルヒは上目遣いで俺を見ると、ちょっと怒った表情を浮かべる。
ハルヒ「もう。なんで目を閉じないのよ」
キョン「いきなりすぎるんだよ」
ハルヒ「それでも、閉じるのがマナーでしょ」
キョン「以後気をつける」
ハルヒ「じゃ、実践」
キョン「…」
そう言って目を閉じるハルヒに、俺は抗うことができなかった。目を閉じて唇を重ねる。
ハルヒが俺の肩に手を回して、そっと抱きついてくる。
唇を離し、お互いの鼻が触れそうなくらい近くで見つめあうような格好になる。正直かなり恥ずかしい。
キョン「なあ、これって恥ずかしいぞ」
ハルヒ「そうね。でも、キョンとなら恥ずかしいよりも嬉しい方が大きいわ」
キョン「さらっと恥ずかしいことを言うな」
ハルヒ「ふふ。何回もキスしちゃったからそれに比べたら大したこと無いわよ」
キョン「…」(かぁっ)
341 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:16:37.45 ID:mHGR6y0o0
ハルヒ「…ねえキョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「…好きよ」
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「…あなたの気持ちを…聞かせて」
潤んだ瞳で俺を見つめてくるハルヒ。肩に回された手の指にぎゅっと力が入るのがわかる。
遠くで何かが崩れるような音が聞こえる。微かな振動が部屋を揺らし、ハルヒが不安そうな眼差しで俺を見上げている。
神人が現れたみたいだな。ハルヒの不安が具現化した証拠だ。
ハルヒ、お前の望みは…それか。
ハルヒ「キョン…怖い」
キョン「…大丈夫だ。俺はここにいるだろう?」
ハルヒ「…でも」
キョン「大丈夫だ」
ハルヒ「…」(こくり)
そんな不安そうな顔するなよ。お前に、そんな顔は似合わないぞ。
まあ、俺が悪いんだけどな。
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「…」
やれやれ。いざ言葉にするとなると結構恥ずかしいものだな。まあ、仕方ない。
キョン「俺は、お前のことが…」
342 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:18:11.37 ID:mHGR6y0o0
ゆさゆさ。
ゆさゆさ。
妹「キョン君〜!朝だよ〜っ!!」
キョン「…」
妹「朝だよ〜っ!!」
キョン「…ああ、おはよう」
妹「ご飯できてるよ」
キョン「ああ、すぐ行く」
元気良く駆け出していく妹を見送って、俺はベッドから起き上がった。
…さて、どうなっているやら。
身支度を整えてからリビングへ行き、朝食を取って所用を済ませてから家を出る。
新聞によると今日は金曜日だったから、とりあえずはループの初日に戻ったわけだ。
坂を上り学校へと向かう。今日も相変わらずの苦行だ。
???「キョン君」
声をかけられて振り返ると、そこにはここ最近で見慣れた顔があった。
343 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/08(月) 22:20:35.46 ID:mHGR6y0o0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
344 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/08(月) 22:37:13.06 ID:9jX26g8NO
乙
345 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 00:04:50.63 ID:zqRnTbVEO
ほしゅ
346 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 00:18:37.20 ID:sMtdFHaWO
さて、明日までパンツ脱ぎっぱなしか…
347 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 09:19:19.08 ID:XG6G47exO
ほー
348 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 09:50:24.50 ID:ujIF+B2N0
しゅー
349 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 12:49:38.53 ID:Cn4GVpFgO
捕手
350 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 12:51:33.36 ID:mcAHxFBnO
補習
351 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/09(火) 21:39:59.22 ID:5BYFpiZBO
補修
352 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:21:01.29 ID:+POB/T2I0
保守ありがとうございます。
本日も少しですがorz
>>346 そ、そういうシーンは無いと思いますw
353 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:27:44.01 ID:+POB/T2I0
キョン「おはよう。朝倉」
朝倉「おはよう…。ねえ、キョン君…その、なんて言えばいいかしら…」
キョン「朝倉らしくないな」
朝倉「そう…ね。そうかもしれないわ」
キョン「何か良くわからないが、とりあえず落ち着け」
朝倉「そうね…、とりあえず話しながら歩きましょう」
キョン「ああ、ここで立ち止まってれば遅刻だからな」
朝倉「もう少し早く来てくれれば落ち着いて話せたのに」
キョン「そんな早く学校に来てもやることないからな」
朝倉「…まあいいわ。ところでキョン君…その、聞きたいんだけど」(かぁっ)
なんか変だな。朝倉にしては歯切れが悪いって言うか…。
354 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:29:19.03 ID:+POB/T2I0
キョン「どうした?」
朝倉「…SOS団のもう一人の男の人のこと」
キョン「古泉のことか?」
朝倉「こ…いずみさんって言うの?どんな字?」
キョン「古い泉で古泉。ちなみに下の名前は数字の一に樹木の樹で『いつき』だ」
朝倉「こいずみ…いつきさん…」(かぁっ)
キョン「…」
完全に乙女モードの朝倉。これは朝から実に珍しいものを目にしている。
この世界にはSOS団が存在するようだ。何はともあれ一安心か。
朝倉はこの世界ではまだ、古泉と面と向かって話してはいないみたいだな。
確かめなくてはいけないこともあるので、俺は携帯を取り出し、古泉へ電話をかける。
朝倉「ちょ、ちょっと!?」
キョン「…」
慌てる朝倉に対して俺は静かにするように人差し指を自分の唇に当てて合図を送る。数コール後、聞きなれた声が携帯から聞こえてきた。
355 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:33:19.84 ID:+POB/T2I0
古泉「はい。もしもし」
キョン「古泉、お前は覚えているか?あの夜の喫茶店での会話」
古泉「…あなたと僕と長門さんの3人での会話のことですか?」
キョン「珍しくお前に奢ってもらったな」
古泉「いやはや、これはこれは…」
キョン「あー、それでだ。その件で知らせたいことがあるから今すぐ校門に出て来い。ああ、俺は今クラス委員と一緒だからそのつもりで」
古泉「!!…わかりました」
キョン「じゃあ、校門でな」
古泉のことだ。ああ言っておけば朝倉のことを汲み取っただろう。
朝倉「えーっと、今の古泉さん?」
キョン「そうだ」
朝倉「よ、呼び出したの?そんな、いきなりなんて…」
キョン「あー、朝倉。なぜ俺がわざわざ『クラス委員と一緒』だなんて言ったかを考えてくれ」
朝倉「…どうして?」
356 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:35:19.20 ID:+POB/T2I0
キョン「クラス委員は誰だ?」
朝倉「私?」
キョン「…つまり、そういうことだ」
朝倉「え?え?何?わけわからないよ」
キョン「古泉は俺たちのクラスの『クラス委員』に対しての相談を俺にしてきたんだ。そう言えばわかるか?」
朝倉「え…それって…。えええ?そう…なの!?」(かぁっ)
坂の上に見える校門前に、息を切らせた男が立っている。
まったく、あいつらしくないな。でも、それだけ本気ってことか。
古泉「あなたに、感謝を」
キョン「馬鹿、それよりも先に言うことがあるだろう?」
古泉「そうですね…では後ほどまた…」
アイコンタクトってやつで朝倉のことを指して、俺は古泉の肩を軽く叩いてその場を離れた。
朝倉「あ、ちょっと…」
何か言いたそうな朝倉は古泉に任せて、俺は教室へと向かう。
人の恋路を邪魔する奴はなんとやらってな。
357 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/09(火) 23:37:03.61 ID:+POB/T2I0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
おつ
それにしても・・・古朝か・・・あるようでなかったな・・・
古朝清算の後は、キョン、か・・・
続きwktk
360 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 07:06:28.56 ID:uzMh3ARUO
ほしゅ
つC
362 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 12:45:03.86 ID:a5M9jdHUO
保守
363 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 13:09:10.17 ID:dRzZusck0
wktk
わっふるわっふる
365 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 21:21:23.56 ID:5LfkExg1O
まっぷるまっぷる
366 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:36:46.47 ID:wLRzZzJx0
保守ありがとうございます。
今回も少しですがorz
367 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:38:11.77 ID:wLRzZzJx0
教室に入り自分の席に向かう。俺の後ろはハルヒの指定席だ。
ハルヒは憮然とした表情で椅子に座り、俺の顔を見ると眉を顰めた。
キョン「おはよう」
ハルヒ「…おはよう」
キョン「なんだ?機嫌悪いな」
ハルヒ「…あんたのせいよ」
キョン「は?」
ハルヒ「いいから、ちょっと来なさい」
キョン「は?おい、こら、引っ張るな、こら…」
ハルヒ「うるさい。黙って歩く!」
有無を言わさず俺の手を引っ張り、ハルヒはずんずんと結構な速さで校舎内を歩いていく。
こうなると逆らうだけ無駄と言うことはわかっているので、何も言わずにハルヒに引かれるまま歩いた。
368 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:41:15.15 ID:wLRzZzJx0
部室の鍵を開け、さっさと中に入ると、当然のように団長席に腰を下ろして俺を見る。
ハルヒ「キョン!ぼさっとしてないで早く中に入りなさい」
キョン「へいへい」
ハルヒ「とっととする!」
キョン「へいへい」
やれやれ、どうやら元の世界に戻れたみたいだ。
古泉のゲーム類、朝比奈さんのコスプレ衣装、コンピ研から奪ったパソコン等、懐かしいものが部室には存在していた。
ハルヒの席の前にあるパイプ椅子を出してハルヒの方を向いて座る。
ハルヒ「ちょっと、キョン」
キョン「なんだよ?」
ハルヒ「あんたの座る場所はこっちでしょ!」
キョン「は?」
自分の席の隣の椅子を叩いてじっと俺を見るハルヒ。おいおい、何の冗談だ?
369 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:42:55.90 ID:wLRzZzJx0
ハルヒ「『は?』じゃないでしょ?決まりなんだから守りなさい」
キョン「あ、ああ。わかった」
ハルヒ「よろしい」
キョン「…」
言われるままにハルヒの隣に座る。なんなんだ、いったい?
ハルヒ「…もう一回聞かせてよ」
キョン「…」
聞かせるも何も、なんのことだかわからない。
キョン「なんのことだ?」
ハルヒ「その…あれよ、あれ!」
キョン「はあ?」
370 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:47:48.04 ID:wLRzZzJx0
ハルヒ「もう!あんたの気持ちよ!」
キョン「…は?」
ハルヒ「あんたが夢で変なこと言うから、不安になったの!」
キョン「なんだよ、変なことって」
ハルヒ「…言いたくない。言ったら本当になる気がして嫌!」
キョン「あのなあ、それじゃあわからねえよ」
ハルヒ「わかりなさい!」
キョン「わからねえ」
ハルヒ「このバカキョン!アホキョン!」
キョン「わからねえもんはしょうがないだろうが!」
ハルヒ「こ、この…」
怒り心頭のハルヒは、俺のネクタイを掴んで引き寄せる。苦しいぞ、ハルヒ。
そんなに睨むなよ。
371 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:49:41.47 ID:wLRzZzJx0
…え?
睨んでいた目が閉じたかと思うと、ハルヒの唇が俺の唇を塞ぐ。
ハルヒらしい不意打ちだな。漠然とそんなことを考えていると、ガチャリと金属的な音がして扉が開かれるのを感じた。
咄嗟に唇を離して扉の方を見る。
扉の向こうでは朝比奈さんが鞄を落とし、両手で口を覆って立ち尽くしていた。
朝比奈「ふぇぇっっ!!」
ハルヒ「みくるちゃん!とりあえず中!急いで!!」
朝比奈「は、はいぃぃっっ!!」
朝比奈さんはハルヒの命令に従って鞄を拾って中に入ると、真っ赤になって俺たちを交互に見比べた。
朝比奈「わ、私、なにも見てません!忘れ物を取りに来ただけなので、すぐ教室に戻りますし…」
ハルヒ「みくるちゃん、見たのね?」
朝比奈「ふぇぇぇっっ!!お邪魔するつもりはなかったんですぅ!」
真っ赤になってオロオロする朝比奈さん。チラチラと俺を見て無言で助けを求めてくる。
372 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 22:50:28.07 ID:nv7o72N/0
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ドキドキ ワクワク テカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
373 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:51:36.86 ID:wLRzZzJx0
キョン「…ハルヒ。別にいいだろ?」
ハルヒ「駄目よ!」
キョン「なんでだよ」
ハルヒ「他の団員に示しが付かないからよ」
キョン「あー…、俺がお前の隣に座るようになったときからみんな気付いてるんじゃないのか?」
ハルヒ「みくるちゃん、そうなの?」
朝比奈「は、はい。お二人とも仲良くなって良かったですねって、長門さんや古泉君と話していました」
ハルヒ「雑用係から側近に昇格させただけ。そう思ってると思ったのに。やるわね」
なにが『やるわね』なんだ、ハルヒ。それに側近だからってすぐ横に待機しているものじゃないと思うんだが。
ハルヒ「まあいいわ。みくるちゃん、このことは他の人に言っちゃ駄目だからね!」
朝比奈「は、はいぃっ!言いません!」
374 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:55:01.98 ID:wLRzZzJx0
ハルヒ「じゃあ、解散!ぐずぐずしてると授業が始まるわ!」
朝比奈「は、はいぃっ!」
鞄を拾って机の上にあったシャープペンシル(おそらく言っていた忘れ物だろう)を取ると、朝比奈さんは大急ぎで部室から出て行った。
相変わらず運が悪いというかなんというか…。そういう星の元に生まれたとしか思えない朝比奈さんのタイミングの悪さは健在だ。
ハルヒ「キョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「…昼休み、屋上」
キョン「…お、おい」
ハルヒ「ほら、ぐずぐずしない!授業に遅れるわよ!」
キョン「…はいはい」
昼休みはまた有無を言わさず屋上まで引きずっていくんだろうな…。
その前に何とかして長門に話を聞かないと…。
375 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/10(水) 22:57:01.10 ID:wLRzZzJx0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
乙
377 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 22:59:30.52 ID:DuPn7DKVO
乙
378 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 23:38:51.49 ID:BpuL08va0
おつ
わっふるわっふる
379 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/10(水) 23:54:23.36 ID:tDGr0CDVO
そろそろパンツ脱いで大丈夫?
380 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/11(木) 00:59:20.66 ID:eA3Z6DEyO
乙です!!
俺はそのあと長門が帰るといいだしたので後ろから隠れて付いていった。
キョン「ここわ長門のマンションの裏・・・?」
長門「みんなあつまるっぺ」
サササササ
ミャオミャオ !?ねこが集まりだしてる。
長門「今日の収穫は?」
ミャオ サササ
長門「500円でかしたぞ」ナデナデ
ミャオ ササ
長門「5円?・・・なめてんのかわりゃあああ!?」ビクビク
キョン「長門の収入源って・・・」
382 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/11(木) 12:26:17.88 ID:+B0T8C/HO
乙でございま〜す
383 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/11(木) 14:56:31.26 ID:i8z2Cvlu0
保守
ホッシュートです
385 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/11(木) 23:32:00.61 ID:MF8XDrfQ0
保守ありがとうございます。
相変わらず少ないですがorz
>>多分そういう展開にはならないかと…すみませんorz
386 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/11(木) 23:35:11.22 ID:MF8XDrfQ0
--一限終了後の休み時間
授業が終わってすぐに朝倉が照れくさそうな笑顔を浮かべて俺の元にやってくる。
朝倉「キョン君!ありがとう!」
キョン「俺は別に何もしていないぞ」
朝倉「そんなことない。私の恋のキューピットは間違いなくあなたよ!」
キョン「…そうか」
朝倉にそんなことを言われる日が来るなんて想像すらしなかった。
ハルヒ「ちょっとキョン、どういうこと?」
ハルヒが俺の椅子を蹴り上げて説明を求めてくる。痛いって。
朝倉「涼宮さんにも報告しておかないとね。あのね、私、お付き合いすることになったのよ!」
ハルヒ「!!」
キョン「朝倉、それだと俺とお前が付き合うと思われるぞ」
朝倉「あら、ごめんなさい。私がお付き合いすることになったのはい…、古泉さんなの」
ハルヒ「そ、そうなの?本当?」
朝倉「キョン君が私たちの橋渡しをしてくれたの」
ハルヒ「ちょっと、やるじゃないキョン!」
キョン「まあ、成り行きでな」
ハルヒ「おめでとう朝倉さん」
朝倉「ありがとう涼宮さん」(にこっ)
朝倉とハルヒの間に何かが芽生えた瞬間を見たような気がした。
387 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/11(木) 23:38:52.10 ID:MF8XDrfQ0
--二限終了後の休み時間
授業が終わると同時にハルヒが席を立って教室を出て行った。これはチャンスだ。
携帯を取り出して長門にメールを送ることにする。
トイレに行くふりをして出て行って、なおかつ怪しまれない場所は…と。
『次の休み時間、屋上に来れるか?』
ハルヒの奴もまさか昼休みに連行する場所にいるとは思わないだろう。
ほどなくしてメールの着信を告げる振動がポケットから伝わってくる。さすが長門。速いな。
『了解』
内容も簡潔だ。実に話が早くて助かる。
感謝してるぞ。長門。
388 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/11(木) 23:42:17.61 ID:MF8XDrfQ0
--三限終了後の休み時間
二限の時のハルヒと同じように、チャイムと同時に教室を出る。階段の脇にトイレがあるからまず怪しまれることは無いだろうが、念のため踊り場に行く前に後ろを確認してみる。
よし、クラスの奴は誰もいない。
一気に階段を駆け上って屋上の扉を開け、外に出る。太陽の光が眩しい。
キョン「悪い、待ったか?」
長門「いいえ」
キョン「ここは元の世界か?お前が子供化した世界になる前の木曜日の世界のことだ」
長門「世界の構成は99.84%物質的には99.96%があなたの言う世界と一致する。若干の誤差は許容範囲内」
キョン「朝倉はイレギュラーか?」
長門「朝倉涼子の存在は涼宮ハルヒが認めたためイレギュラーではなくなっている。従って古泉一樹との関係も許容範囲内」
キョン「そうか。もう一つだけ教えてくれ。ハルヒの性格、というか感情にどの程度の変化が起きたかをわかる範囲で」
長門「あなたへの恋愛感情を隠さなくなり、他人への考え方、特に恋愛に関してが寛容になった。また、あなたに嫌われることを何よりも恐れている」
キョン「俺とハルヒは付き合っているのか?」
長門「あなたと涼宮ハルヒは恋人同士」
キョン「そうか」
やれやれ、そういうことか。
まったく、世話の焼ける奴だ。
389 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/11(木) 23:44:17.75 ID:MF8XDrfQ0
今宵はここまで。
失礼いたしますorz
390 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/12(金) 00:09:29.71 ID:uDg4RbZ/0
おつ
391 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/12(金) 01:48:32.99 ID:U3Pa9AazO
おつ
392 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/12(金) 08:14:49.01 ID:dX2qEPw/O
おつ
393 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/12(金) 19:06:59.11 ID:jarVGJsAi
ほ
乙
395 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/12(金) 23:37:20.87 ID:U3Pa9AazO
ほ
396 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:39:51.00 ID:VvlDMErA0
保守ありがとうございます。
今日で完結です。
397 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:41:21.23 ID:VvlDMErA0
--昼休み
予想通り、チャイムが鳴るや否や俺はハルヒに引っ張られて屋上へと連行された。
手ぶらであるところを見ると、昼飯にはありつけないかもしれない。
扉からは見えない側面の壁に押し付けられるような形で俺はハルヒと向かい合っていた。傍から見れば俺がハルヒにカツアゲされているようにも見える、なんとも滑稽なポジションだ。
ハルヒ「ここなら邪魔は入らないはずよ!」
キョン「誰か来てもすぐには見えない場所だからな」
ハルヒ「わかってるじゃない!だから安心して言っちゃっていいのよ!」
キョン「なにをだよ」
ハルヒ「もう!わかってるくせに」
キョン「わからないぞ…」
ハルヒ「むう…」
ハルヒは眉を顰めて俺を睨むと、朝と同じように不意に唇を重ねてくる。
キョン「…」
ハルヒ「思い出した?バカキョン」
キョン「…お前の唇って柔らかいよな」
ハルヒ「バ、バカ!」
398 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:43:54.91 ID:VvlDMErA0
いきなりのことで驚いたが、前の世界が混在していると考えればハルヒの言っていることについては、ある程度の憶測をすることができる。
キョン「思い出すには、もっとしないと駄目、だな」
ハルヒ「…!!」(かぁっ)
憶測は正しかったようだ。一瞬で赤くなったハルヒは怒っているような照れているような複雑な表情を浮かべて俺を見ている。
やられっぱなしも癪なので、俺は有無を言わさずハルヒの唇を奪った。
一瞬だけ肩に手を置いて俺を離そうとしたが、すぐに抵抗しなくなる。
やれやれ、俺もすっかりハルヒに傾倒しちまったな。
ハルヒ「…思い出した?」
キョン「もう少し…かな」
ハルヒ「もう…」
少し紅潮した頬で俺の頭を引き寄せて唇を重ねてくる。こういうのも悪くない。
もっとハルヒを知りたいという健全な高校生男子の欲望が俺の中で段々と大きくなってきている。
さすがに、今はまずいだろう。
理性が勝った俺は、とりあえずハルヒに差し障りの無い質問をしてクールダウンを図ることにした。
キョン「なあ、ハルヒ。恋愛は精神病の一種じゃなかったのか?」
ハルヒ「そうよ。私の場合はあんたのことが気になって仕方ないから、キョン病っていう精神病ね!きっと!」
おいハルヒ、そんな恥ずかしいことを真顔で言うな。クールダウンにならないじゃないか。
399 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:45:41.42 ID:VvlDMErA0
キョン「…時間の無駄とか言っていた気がするんだが?」
ハルヒ「それは、私が自分の気持ちに気付いていなかったからよ」
キョン「気の迷いとかそういう類だって言ってただろう?」
ハルヒ「本当に好きになるとその人のことしか考えられなくなるなんて知らなかったんだし、そう思っても仕方ないでしょう?」
キョン「なるほど」
ハルヒ「もう!キョンって意地悪なのね!」
キョン「そうか?ハルヒほどじゃないと思うんだが」
ハルヒ「絶っ対!意地悪だわ!」
頬を膨らませて睨むハルヒ。その表情はかなり反則だ。これ以上俺を挑発するな。
キョン「…………」
俺が耳元でささやくと、ハルヒは真っ赤になって俯いた。
まったく、これ以上挑発すると大変なことになるぞ。ハルヒ。
そんなことを思いながら、俺はハルヒの顎を持って上を向かせ、少しだけ長めに、少しだけレベルを上げたキスをするのであった。
400 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:47:10.48 ID:VvlDMErA0
--放課後 部室
放課後、俺はハルヒと一緒に部室へと向かった。
長門は相変わらず定位置の椅子に座って本を読んでいたし、朝比奈さんは既にメイド服に着替えてお茶を沸かしている最中だった。
古泉は俺を見ると爽やかな笑顔で頷き、胸に手を当てて感謝の意を表しているようだった。相変わらずキザなやつだ。
ハルヒが団長席に座る。その横の席に俺は荷物を置き、ハルヒを見て、それからメンバーの方へ顔を向けた。
キョン「あー、みんな。ちょっと聞いてくれ」
長門「…」パタン
朝比奈「ふえぇ?」
古泉「なんでしょう?」
ハルヒ「…」
視線が集まる。こういうのは慣れていないが仕方ない。
キョン「俺とハルヒは付き合うことになった」
ハルヒ「…」(かぁっ)
古泉「おめでとうございます」
朝比奈「お、おめでとうございますぅ!!お、お二人ともお似合いです!」
長門「おめでとう」
キョン「ありがとう」
ハルヒ「みんな、ありがとう!」
満面の笑みで素直に感謝の言葉を口にするハルヒ。その顔を見たら俺はもう一度、ハルヒに気持ちを伝えたくなった。
キョン「あー、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?キョン」
キョン「…好きだ」
401 :
4znrIy0O0 ◆F/bQYgopwk :2009/06/13(土) 00:53:05.97 ID:VvlDMErA0
だらだらと書かせてもらって感謝です。
読んでくださった方、保守してくださった方、ありがとうございました。
402 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 00:54:17.40 ID:BPNUxWDG0
乙!!
403 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 00:54:55.17 ID:GRWIOdhTO
乙。
404 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 01:05:04.01 ID:XSqYQMuHO
乙!
405 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 07:05:55.78 ID:msrd2higO
ほしゅ
406 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 08:00:18.16 ID:dunsYIcA0
乙!
407 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 08:04:09.29 ID:h5XQkpbD0
越!
408 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 08:12:44.22 ID:0LiJm9lui
良かったぜ!
409 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 11:54:56.53 ID:0ix/fPFHO
本当に乙!ありがとう!
410 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 12:20:35.07 ID:xMNeA/GeO
乙乙!
411 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 16:34:39.73 ID:5bsG53ocO
膃!
412 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/13(土) 16:46:28.98 ID:A5xuefl20
一日一ホッシュート
乙でした!
楽しかった!!
415 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/14(日) 15:32:16.72 ID:Cyln4sjS0
エンディングまで、落としてはいけないよ。
一日一ホッシュート
保守
417 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/17(水) 22:16:47.78 ID:vmx4kWlbO
ほしゅひゅうま
418 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/19(金) 07:31:04.23 ID:t8wJn/WQO
捕手
419 :
ローカルルール変更議論中@VIP+:2009/06/22(月) 18:46:15.31 ID:htknFi2VO
過疎もいいとこだな。
!vip2:stop:
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見習い戦士のふつうの攻撃
MP395使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ (スレのダメージ 0)
このスレは1回目のダメージを受けた (150/378)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは2回目のダメージを受けた (300/378)
!vip2:stop:
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見習い戦士のふつうの攻撃
MP343使ってへっぽこの呪文を唱えた。★ミ (スレのダメージ 300)
このスレは3回目のダメージを受けた (450/62)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは4回目のダメージを受けた (600/62)
このスレは・・・
停止しました。