「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:07:02.77 ID:I3zMGvwY0
よくある質問
Q
このスレってジャンプの某読みきりと関係あるの?
A
始めにこのスレを立てた
>>1が何を考えて、スレを立てたのか
今となっては、その真相はわからない
ただ、ここに集まった者たちは、各自思い思いに妄想をぶちまけていき、今のこのスレの形となっていった
まぁ、結果としては関係あるかどうかとか、どうでもよくね?
ぶっちゃけ、ほぼ関係ない内容だし
スレ建て乙!
それは、少し昔の話
しゅるり
黒い髪が、伸びる、伸びる
契約者の意志にしたがい、伸びて伸びて
それは対象に絡みつき、捕え、放さない
さながら、獲物を捕らえた蜘蛛の巣のように
さながら、獲物を捕らえた獣のように
それは、決して獲物を逃がしはしない
「ぐ、ぁ……」
「…H-No.8…で、間違いねぇな?」
くっく、と、H-No.8と呼ばれた男を髪で捕えた黒服が笑う
H-No.8は、もがきながらその黒服を睨んだ
「−−−っH-No.360……!貴様、こんな事をして……ただですむと思っているのか……!?」
白衣に包まれたその体に、ゆっくりと黒い髪が食い込んでいく
どろり、白衣がゆっくりと、赤く染まっていっていた
「なぁに、バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ」
H-No.360と呼ばれた黒服は、そう言って、笑いながら肩をすくめた
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:15:15.24 ID:I3zMGvwY0
支援
その笑顔は、どこか暗い
「…これは、お嬢さん公認なんで、ねぇ?」
「……!貴様……H-No.0様に、何をした!?」
「なぁんもしてねぇよ?あのお嬢さんが、俺の行いを許してくれてるってだけさ」
嘘だ
これは、取引
彼女との取引の結果だ
自分の復讐を成し遂げたら、彼女を殺す
その為に、彼女に自分の復讐を手伝わせる
それすらも、復讐の一環
彼女の部下を、彼女からの情報で自分は殺し続けてやるのだ
自分の行いのせいで部下が死んでいく様を、彼女は味わい続けるのだ
「この、化け物めが……!力を与えてやった恩も忘れて……!」
「……恩、ねぇ?」
ぶちっ
ぶちっぶちっぶちっぶちっ
手が、うでが、脚が
そして、首が、一瞬で引きちぎられる
H-No.8と呼ばれた、その研究者は、一瞬で肉片へと変わっていく
びちゃり、飛び散った血が、H-No.360を汚した
「…恩?…………っは、人を勝手に化け物にしておいて…恩も何も、あるかよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:17:25.03 ID:I3zMGvwY0
支援
くっくっく、と暗く暗く、彼は笑う
そうだ
自分は、化け物だ
化け物にされてしまったのだ
自分は、人間だったというのに
人間のままでいたかったというのに
他人の勝手な思惑で、勝手な願いの犠牲の為に、化け物にされてしまった
人間に戻る手段は、きっとある、とそう言われた
だが、彼はそれを、とっくの昔に諦めていた
希望など、ない
化け物になってしまった以上、待っているのは絶望だけだ
希望など抱いても、所詮無駄
化け物は化け物でしかない
都市伝説など、化け物にすぎない
人間ではない
もう、人間には戻れない
「…嫌な所、見られちまったなぁ?」
その気配に、彼はくるりと振り返る
…そこには、一人の少女が立っていた
「俺に、何か用か?お前の家族が、都市伝説とか「組織」にでも狙われたか?」
「いえ、そうではありませんが」
日傘を差した、その少女
返り血塗れの彼に、怯えた様子も見せない
そんな様子に、彼は肩をすくめる
「怖がりもしねぇんだな。化け物相手に」
「あなたは、化け物ではないでしょう?」
…何を言っているんだ、こいつは
暗く、暗く笑う彼
先ほど、人一人を殺したその髪は、今も蠢き続けている
もっと血を吸いたい、と言わんばかりに
まだまだ殺したりない、と言わんばかりに
「俺は、化け物だぜ?何せ、都市伝説なんだからなぁ?」
「…化け物だと、そう呼ばれたいのですか?」
違う
違う、違う、違う
壊れたはずの心が悲鳴をあげる
しかし、彼はそれを表には出そうとしない
「いいやぁ?ただ、俺はもう人間じゃなくなっちまったからな。都市伝説に飲み込まれた馬鹿な人間。化け物さ」
「……違いますよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:22:29.65 ID:I3zMGvwY0
支援
少女は、じっと彼を見詰めて
そして、こう告げてきた
「あなたは、化け物なんかじゃあ、ありませんよ」
…やめろ
やめてくれ
そんな、同情のような、言葉
「どこがだ?立派な化け物だろ?」
髪を蠢かせながら、彼は笑う
それは、ゆっくりと、少女に迫っていた
それでも、少女は怯えた様子など、決して見せない
ただ、まっすぐに彼を見つめ、告げるのだ
「あなたは、化け物ではありません。あなたは、まだ、人間の心が残っているではありませんか」
「−−−−−−−っ」
やめろ
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
頼む、やめてくれ
それを、認めないでくれ
俺は、化け物だ
化け物になってしまったのだ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:25:13.13 ID:I3zMGvwY0
支援
俺自身が、それを認めてしまっているのだ
化け物になんか、なりたくなかった
俺は、化け物なんかじゃない
認めたくなどない
いつかは人間に戻れると信じたい
信じても所詮裏切られる
俺はもう化け物だ
もうもどれない
にんげんじゃなくなってしまった
ばけものでしかない
いやだ、おれはにんげんだ
ばけものになんかなりたくなかった
にんげんにもどりたい
でも、もうもどれない
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ……………
タスケテ
「………っぐ!?」
体の内部が、崩壊する感覚
都市伝説としての彼の体が、少し、内部から崩れた
げほげほと咳き込み、彼は口から血を吐き出した
「……大丈夫ですか?」
「…大丈夫じゃねぇよ、くそ」
吐血した彼の様子に、小さく首を傾げてきた少女に、彼はぼやいた
…崩壊はすぐに止まった
定期的に投与されている薬が効いている証拠だろう
あぁ、腹が立つ
「…誰にも言うなよ?」
「わかっています」
くすり、微笑む少女
その代わり…と、続けてこようとした少女の言葉を、彼は制す
「こっちも、わかってる。お前さんが「組織」の目を盗んで色々やってる事は黙ってるからよ」
「お願いしますね?」
……あぁ、畜生が
そんな顔で、笑うな
責任をとりやがれ
これで、俺は未練ができてしまった
これで、俺は今まで以上にギリギリになってしまう
……責任をとりやがれ
俺はこれで、お前に縛られ続けることになるのだから
to be … ?
957 :花子さんとかの人:2010/02/17(水) 13:53:54
三面鏡の人に土下座な、黒服Hと三面鏡の少女祖母の過去
この時かけられた言葉が、約束を守り続ける理由にも繋がったり
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:36:13.23 ID:+QQjG8ox0
このままネタ投下に移るよー
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:37:06.48 ID:I3zMGvwY0
代理投下に乙と感謝を!!
…っつか、別に規制されてないんだから俺が自分で転載すべきでしたね、申し訳ないorz
そして、支援に入るんだぜー!!!!
*************************磯部 良子の場合*************************
「くそっ、何だあいつはっ!」
屋根裏の暗闇の中で。
一人の男が、小さく悪態をついた。
片手に持った包丁が、その言葉に合せるように揺れる。
彼は「ベット下の殺人鬼」と言う都市伝説である。
それが何故、こんな屋根裏になど潜んでいるのか。
「――――逃げちゃ、駄目」
「ひっ…………」
答えは簡単。逃げているからだ。
突然の襲撃者。それに追い立てられるように、男は逃げていた。
しかし、それも無駄だったらしい。
天井を挟んだ下の部屋から声がしたかと思うと、唐突に真下の床……下の部屋からみれば天井から、一人の女性が「すり抜けて」来た。
20代もまだ半ばのようなその女性は、この暗闇の中ぼうっと輝いている。
その女性は、自分に刃物を向ける男を悲しそうに見て
「人を苦しませちゃ、駄目でしょう?」
「ふざけんなっ……俺はまだ一人も殺してねぇんだぞ」
ぷるぷると、刃先は震えていた。
既に一度女性に切りつけてはいるのだ。
しかし、その斬撃すら先程の天井のようにすり抜けられてしまった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:39:18.90 ID:I3zMGvwY0
しえーん!!
「これから誰も殺さないのなら、見逃してあげるよ?」
どこか慈愛を含んだような女性の言葉は、甘美なものとして男の耳を捉えた。
魅惑的な提案ではある。
男は一瞬そう考えて、しかしすぐに首を振った。
そもそも男は、人を殺すために生まれた存在。
殺さなければ、結局の所死ぬのは自分だ。
それも消えるように、人から忘れ去られるように。
そんな事態になるのなら――――
「ここで死んだ方がマシだっつーの」
「…………そう」
女性は、どこか悲しそうな顔をして
その手を、男へと伸ばした。
「くそっ!」
男が刃物を振う。
一本の銀白色の線を描き、それは一直線に女性へと向かう
……しかし、それはただ空を切るように、女性の身体をすり抜けた。
その間も緩やかに、しかし確実に迫ってくる女性の手。
それはやがて、つっと軽く男の顔に触れる。
「…………っ」
最後に何か一言、男は言って
すぐに、その心臓は止まり、男は息絶えた。
どこか悲しそうに、男の死体が消えていくのを眺め、女性はふっと目を逸らす。
彼女には、まだ次の仕事が残されているのだ。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:42:37.41 ID:I3zMGvwY0
支援!!
*************************マゾサンタの場合*************************
「あひっ……あっ……」
とある廃屋の中。
ギリギリと、少女の身体を無数のロープが締め付けていた。
既に赤いワンピースは裂け、身体は青く変色し始めているのだが、彼女は気にした様子もない。
「……何だ、この変態は」
それを呆れたように眺める男が、一人。
マゾから幾分距離を離して立っていた。
男の足元からは、マゾを縛っているロープが何本も伸びている。
彼の契約都市伝説は、「樹海には自殺者がやってくる」と言うもの。
本来なら樹海に来た人間を殺す力なのだが、契約によって廃屋に踏み入った人間全てを殺せるようになっていた。
「あっ……あふっ……」
しかし、この少女だけは例外らしい。
幾ら締め付けても死なない。
むしろそれ以上の苦痛を求めている素振りさえある。
「……何故、死なない」
縄で締め付けても、首を切断しても、水におぼれさせても。
少女はただ、快楽にあえぎ、ただ再生するだけだった。
己の力が全く作用しない少女に、男は少し恐怖を覚えていた。
この少女がその気になれば自分などひとたまりもないのでは、と。
死なず、ただあえぐ少女を見て、男はどうすべきか、と悩む。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:45:56.21 ID:I3zMGvwY0
変態!変態!!変態!!!!(褒め言葉)支援
「…………むぅ、いい加減単調になってきましたね」
しかし、もう男に悩む必要はなかったらしい。
今まであえいでいた少女が何か飽きたように呟くと、唐突に、その身体の下から煙突が現れた。
「なっ……!?」
驚く男をよそに、煙突は少女の身体を覆っていく。
数秒後、それは少女を完全に覆い尽くし
幾筋かの煙を残して、消えた。
「何なんだ、あの子供は……」
驚き、呆気にとられる男の、その背後で
「やっぱり愛しの人の方がレパートリーも威力も桁違いですよねー、やっぱり」
いつの間に現れたのか、少女が何やらうんうんと頷いていた。
どこへやったのか、その身体を縛っていた縄は既に無い。
「貴様……っ!」
少女を恐れていたことなど忘れて、男は彼女に向き直った。
その身体からは、既に何本もの縄が出現し、大量の水が溢れ、何本もの刀が現れる。
――――どれを試しても死なないのなら、その全てを一度にやればいい。
半ば本気でそんな事を考え、男は少女へと、視線を注ごうとして
「…………っ!?」
しかし、その先に少女はいなかった。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:49:57.91 ID:I3zMGvwY0
>「やっぱり愛しの人の方がレパートリーも威力も桁違いですよねー、やっぱり」
無差別流格闘技の使い手と、多様な天使を使う奴と、喧嘩殺法&熱使いだからな支援
男の目の前には、ただ廃屋の壁があるだけである。
間にあるのは空気だけであり、何も、気配すらなかった。
「いつの間に…………」
この装備を見て逃げたのだろうか、と男は思案する。
――――しかし、今の状況で気づかれずに姿を消せるのなら、その必要もないのでは。
そう男が考えた、その時だった。
「はいはーい。私ならここにいますよー?」
男の「目の前で」少女の声がした。
同時に、ピトッと何かが男の頭に触れる。
「な、あっ……?」
「駄目ですねー。姿が消えたからと言って何も遠くへ逃げたとは限らないでしょう」
少女の言葉は、先ほど彼が考えた事とほぼ一致していた。
少しずつ、少女の声のした場所へと色が付いていく。
赤や肌色、果てには少女の髪の色が、徐々に少女の姿を形作って行く。
数秒で、少女が再びその場に現れていた。
「もし直希様ならすぐに気配に気づいたでしょうし、誠様なら足音で、翼様ならその力で私を見つけていたでしょうに」
――――いつも目だけを頼ってるからそういった隙が出来るんですよ?
そう、少女は笑った。
己が好きな人を人を誇るように、そしてただただ残酷に。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:53:08.20 ID:I3zMGvwY0
支援
「くそっ!」
奇しくも同時刻、屋根裏にいた男と同じ言葉を男は呟いた。
言葉と共に、水が、縄が、刀が少女を襲おうと動き
――――しかしそれが、少女を襲うことはなかった。
「そろそろ愛しの人の所へ行かなくてはなりませんし、もうこれ以上は遊んでられないんですよねー」
とさり、と横に倒れる男。
それと同時に、男の周囲にあった凶器が消える。
男の眼は、何も見ていない。
ただ恐怖の引きつり、見開かれた目がそこにはあった。
「…………ふむ、やり過ぎちゃったでしょうか」
精神まで壊すのはやはりやり過ぎでしょうか、と彼女は一瞬考え、しかし退治の依頼だったし良いか、と考えを改めた。
時計を見ると、予定より10分ほどオーバーしている。
「む、これでは愛しの人はもう家を出発しているかもしれません。急がなくては……!」
少女が言い終わった途端、先程と同じ煙突がずずっと少女の下から現れた。
それはすぐに少女の身体を覆い、煙を残して消える。
後には倒れた男が一人、残されているだけだった。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:55:11.00 ID:I3zMGvwY0
支援!!!
*************************山田 治重の場合*************************
山田は空を飛んでいた。
別に比喩的な意味でも何でもなく、本当に空を飛んでいた。
途中鳥を何羽か撃墜しながら、彼は空を進んでいく。否、飛ばされて行く。
(おお、綺麗だ綺麗)
自分の意思で制御できないその状況に、しかし山田の思考は暢気なものだった。
マゾサンタと契約している彼はこの程度の高さから落下した所で傷一つ付かないし、ましてや死になどするわけがないのだ。
だからと言って少しは気にするべき所なのだが、殴られた時に少し脳の一部でもゆがんだのか山田はそれを気にするそぶりも見せない。
山田を吹き飛ばしたのは「口裂け女」である。
普段の彼ならこの程度の都市伝説相手に負ける事もない。
しかし、どうやら相手は何か特殊な口裂け女なようで、分身するわ空から車を降らせるわ爆発するわで大変だった。
おまけにその力も通常の口裂け女の何倍も持っていたような気がする。
なんだったんだろうな、と山田は考え、そう言えば倒し切れてないじゃん、と空中で頭を抱えた。
「これは良子に怒られそうだ……」
最近になって仕事の手伝いを始めてくれた彼女に頭の中で土下座をしておく。
というか、彼女ならきっと物の数秒で倒したんだろうなぁ、何て山田は考え、少し落ち込んだ。
その間も、山田は飛び続ける。
しかしいかに先程の口裂け女が怪力だとはいえ、永遠に山田を飛ばし続ける事が出来るわけもない。
徐々に、本当に少しずつ山田の高度は下がって行った。
「……ちょっと待て。俺はいいが、このまま落下したら落下先に迷惑がかかるんじゃないのか」
それではまずい、と山田は片手に白い袋を出現させた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 15:57:47.04 ID:I3zMGvwY0
しえええーん
普段はそこから人々から畏怖される何かを取りだすのだが、今回はその用途で出したのではない。
風で大きくはためく袋。
空中で、山田は器用にも袋の一旦と一端を結び、握りしめた。
即席パラシュートもどきの完成である。
少々心もとない乱雑設計ではあるが、方向を変えるくらいなら出来なくもない。
「確かあっちの方に空き地があったよな……」
山田の体重と重量で手が擦れ、皮がむけるのも気にせずに山田は袋を操る。
彼には痛覚と言うものが存在しない上、むけてもすぐに再生するので問題ないのだ。
山田の操作で風を受け、その意のままに進んでいく山田と袋。
やがてその先に目的地である空き地が見え
「ちょっ、なんで店が建ってんだ!?」
山田はその光景に驚いて叫んだ。
普段は人っ子ひとりいないその空き地に、なぜか一軒の店が建っていた。
しかも空き地の入り口と思わしき場所から長打の列まで出来ている。
何の陰謀だ馬鹿野郎、と山田は叫び、しかしもう軌道修正のできる範囲は過ぎてしまっていた。
「くそっ、どけぇえええええええっ!!」
着地する寸前、大声で叫ぶ。
店内で何やら二人一組でチョコレートの手渡しを行っていた人間全員がぎょっと窓から飛んでくる山田を見て、慌てて散って行った。
「なんだっ、おいっ?!」
店の一角で何かを召喚していた男が叫ぶが、山田はそれどころではない。
何とか出来たスペース。
そこへ向けて落下できるよう、微調整に必死だった。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:01:07.49 ID:I3zMGvwY0
おぉっとそこに突っ込んだかwwwwwwwwwwwwww支援
「誰もぶつかるなよぉおおおおおおっ」
ほぼ自由落下の速度で、山田が窓を突き破り店内へと落下する。
長い間空を旅したその速度はさながら弾丸のようで、着地と同時に大きなクレーターが店の中に出現した。
幸いと言うべきか、それを遠巻きにして見守る人間達がいるだけで、その被害に遭った人間は見受けられない。
「はぁっ……はぁっ……」
想像以上の重労働を終え、山田が立ち上がる。
服のいたる所が破け、また身体はぼろぼろだったが、それもすぐに修復されて行った。
「困るよお客さん。入るならちゃんと列に並んで貰わないと」
「……お前には俺が並ぶのが面倒くさくてわざわざ空からやってきた変人のように見えるのか、おい」
「いやー、男の欲望は果てしないからなー」
「はぁ…………?」
山田は首を傾げ、店の入り口に立てかけられた看板を見やる。
そこにはこう書かれていた。
「絶対にかなわない貴方の恋
そんな人はこの店へどうぞ
あなたの二次嫁からチョコレートが貰えます
一人につき 5000円」
「…………なんだ、そりゃ」
新手の都市伝説関係の商売だろうか、と山田は一瞬考え、しかしすぐにそれ所ではなくなった。
「――――はるくんはこんな所で何してるのかなぁ?」
地獄の底から響いてきそうな女性の声。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:05:08.89 ID:I3zMGvwY0
山田、逃げてぇええええええええええ!!!!!!!!!!!支援
それに店内にいた客全員が震えあがった。
もちろん、その声に思い当たりのある山田も。
明るい店内の壁から、すぅっと一人の女性が現れる。
店内の電灯を受け、不気味に輝くその姿は、さながら幽霊。
と言うより、幽霊そのものだった。
「こんな所に来て、はるくんは何をしてたのかなぁ?」
「ちょっ、待て、誤解だ! 普通に俺は仕事をしていただけだって!」
「仕事中に、なんではるくんはこんな所にいるのかなぁ?」
「なんか俺が仕事サボったみたいになってるーっ!?」
山田の必死の要求は、しかし彼女には受け入れられない。
なんだこの某魔術小説の主人公みたいな不幸と展開は、と山田は思いながらも説得を続けた。
「私がいるのにこんな所にきちゃうほど、はるくんは欲求不満なのかなぁ?」
「ちがっ、ちょっ、話を聞けって! 大体つい二、三日前にもこんな事があった気がするんだが……」
「二、三日の内にまたこんな事をしちゃうなんて、はるくん酷い……」
「くっそ、説得しても傷が広がるだけかよっ!」
店内に向けられた視線。
それが全て言っていた――「お前が悪い」と。
「この世には神も仏もいないのかこの野郎ぉおおおおおっ!」
ずるずると。
実体化した彼女に引きずられながらの山田の叫びは、しかし誰の心にも届かない。
実際は店内を滅茶苦茶にされた男にとっても「神も仏もいない」状況なのだが、それは後日山田に請求書が届いた事でその顛末を迎えた。
【終】
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:07:08.03 ID:fxWYbLHIO
なあこれってジャンプの読み切りのパクリだよな?
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:07:31.46 ID:I3zMGvwY0
乙っしたー!
あぁ、山田…………涙で君がよく見えないよwwwwwww
もげろ要員なはずなのに、可哀想すぎて「もげろ」って言う余裕がねぇwwwww
取りあえず「二次元への扉」の方には土下座っ!
後でちゃんと山田が修理費を払いました
さて、その内書きたいな、と思ってた都市伝説退治の仕事の内容
マゾのドS面とか、磯良の能力とか、山田があの店に突っ込むネタとか
とにかく書きたいネタを詰め込んだ感じ
ちなみに、山田を吹き飛ばした口裂け女は例の同族殺しです
学校町内部に侵入済みですので、もしよろしければ使って下さると嬉しいです
ただ殺しては取り込んでを繰りえしたのでかなりチートになってますが
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:13:00.90 ID:I3zMGvwY0
そして、俺もちょこっと小ネタを投下しようかな、と思った
進路はクリアー??
>>23 >>25 >>38 >変態!変態!!変態!!!!(褒め言葉)
彼女にとっては完全に褒め言葉です
>無差別流格闘技の使い手と、多様な天使を使う奴と、喧嘩殺法&熱使いだからな
それこそ延々とマゾを殺そうと様々な工夫をしてる事でしょうwwww
全部裏目に出てますが
>もげろ要員なはずなのに、可哀想すぎて「もげろ」って言う余裕がねぇwwwww
最初はもげろ要員のつもりで出したのに
どうしてこうなった(AA略
>>40 どうぞどうぞー
支援します
42 :
小ネタ:2010/02/17(水) 16:15:54.48 ID:I3zMGvwY0
………ばさり
深夜の教会の窓辺に、一羽の梟が降り立った
足に何かがくくりつけられていて、どうやら、それを運んできたらしかった
ほぅ、と小さく鳴き声をあげると…窓が、開け放たれる
顔を出したのは、一人の青年
若い青年は、梟の足についていたその、小さな袋を取って……中身を確認すると、札束と何やらかかれた紙を入れた袋を、梟の足にくくりつけた
ほぅ、と鳴き声あげて、梟は教会から飛び立つ
「……さて、どうでるか……」
小さな袋に入っていた小さな、小さな赤い石を手に
青年、広瀬 辰也は、そう小さく呟いた
「…本当に、一人で来たのか」
「一人で、と言う指定だったろう?」
学校町内の繁華街
その一角に位置するファーストフード店、フォーチュン・ピエロのその一角
その目立たぬ席で、辰也はやってきた女性相手に、やや驚いたような声を出した
「第三帝国」に所属している、ドクターとか呼ばれている女性
この手の研究者タイプは苦手ではあるのだが……いつまでも、苦手意識を抱いてもいられない
今回のように、取引を持ちかける場合は、特に
……一人で来い、と伝えた
渡したい物があるが、誰も連れてくるな、誰にもその事を話すな、と
辰也は、酷く慎重だった
それは、彼女に手渡す物が非常に貴重な物であると同時に…「アメリカ政府の陰謀論」を警戒しての事だ
しえ
44 :
小ネタ:2010/02/17(水) 16:18:43.27 ID:I3zMGvwY0
あそこについては、良い噂を一つも聞かない
…あそこは、マッドガッサーを狙った相手でもある
あそこの目だけは、逃れたい
どうにも、「第三帝国」か、もしくはこのドクターかが、そこに因縁があるようで…そこから、情報が漏れて欲しくもないのだ
どうやら、ドクター自身は「アメリカ政府の陰謀論」の影響を受けている様子はない…と、辰也はそう判断していた
だから、一応は信頼して、彼女だけを呼び寄せたのだ
場所をファーストフード店にしたのは、いっそ、こう言う場所の方が、この手の取引に便利だから
誰も彼も、自分達のお喋りに夢中で、他人の話に耳を寄せているものなど存在しないし…もし、そんな者が混じっていたら、すぐに怪しむ事が可能だからだ
思えば、そう言う事を教えてくれたのも、あの黒服であって……その事実は、やや面白くない所ではある
「それで?渡したい物とは?」
「………これだ」
席に付いて注文を終えたドクターに…辰也は、それを見せた
小さな袋から、その、小さな小さな、赤い石を見せる
す、とドクターはそれを見つめ……ほぉ、と感嘆の声をあげる
「…「賢者の石」だね?」
「あぁ。つっても、劣化版だけどな。一度きりしか使えねぇもんだ」
賢者の石
錬金術を扱う者にとっての、最終目標
万能の存在であるそれは、本来ならば一度使っただけで壊れたり消えたりしないし…いや、そもそも壊れる事がないだろう
だが、辰也がドクターに見せているそれはたった一度使えば壊れてしまう劣化版だ
それでも、その力は、死んだ直後であれば死人一人蘇らせる事も可能な物
情報こみとは言え、かなり高い買い物だった
「お前の研究に使えるなら、持っていけ」
「まぁ、僕も錬金術の分野に手を出し始めたところだ。ありがたいが……いいのかね?」
しえーん
46 :
小ネタ:2010/02/17(水) 16:20:28.46 ID:I3zMGvwY0
「研究に役に立つんならな。ただし、それを誰にも見せるな。手に入れたことを、誰にも話すな」
睨むようにドクターを見つめ、そう告げる
ドクターは、じっと辰也を見つめ返し
「……わかった。約束しよう」
と、そう告げて
その、小さな賢者の石を、受け取ろうとして……しかし、その手を止めた
探るように、辰也に尋ねてくる
「それで?君は、見返りに何を求めるのかな?」
「…………」
そう、尋ねてきて当たり前だろう
こんな貴重な物、何の見返りもなしに渡してくるお人好しなど、いるはずが………
……いや、たった一人、そんな底抜けのお人好しを、辰也は一人知っているが……普通は、いるはずもない
当然、辰也としては思惑があった
…自分自身に、そんな思惑があるなどと、認めたくはなかったが
「…お前がやっている、都市伝説を人間に戻す研究……もし、それが完成したら、俺か、あの黒服に伝えろ」
「ふむ?…H-No.360と呼ばれている、あの髪の伸びる黒服に、かね?」
「あぁ」
かすかに、辰也は表情を歪ませた
……あの男には、嫌と言うほど借りができてしまっている、事実
そして…認めたくはないのだが、辰也にとって、あの黒服は父親か兄のような、そんな存在である事は事実なのだ
「組織」での生き延び方も、世間での生き延び方も、「組織」を始めとした都市伝説組織との戦い方も、日常の生き方も
全て、あの黒服から教えられた
そして、それらは確実に、辰也にとって有益なものとなっているのだ
しえしえ
48 :
小ネタ:2010/02/17(水) 16:23:41.01 ID:I3zMGvwY0
あの黒服に、恩がある
故に、この取引をドクターに持ちかけているのだ
「…俺は、あいつを人間に戻したい」
「彼は、それを望んでいるのかね?」
「……望んでいるはずだよ。それを表にはあまり出さないし、半分以上諦めかけてるけどな」
ため息をつく
そう、誰よりも、人間に戻ることを望んでいる癖に、あの黒服はそれを諦めてしまっている節がある
それらを表にはあまり出さないが、それでも、辰也はその事実に気づいていた
…気づいてしまった、とも言う
気づいてしまったそのきっかけを思い出し、小さく舌打ちする
「人間に戻る手段が、確実にあるなら、あいつはそれを拒否はしないだろうからな」
そうで、なければ
あの男は、希望になどすがらない
希望等、抱きはしない
希望をもっても、裏切られるだけだとあの男は知っているから
辰也の言葉にじっと耳を傾けていたドクター
静かに、辰也を見つめ…
……賢者の石を、手に取った
「約束しよう。都市伝説を人間に戻す方法が見付かったならば、君か、もしくはあの黒服に確実に伝える。望むならば、あの黒服を人間に戻そう」
「……取引、成立だな」
一応、信用しておく
信頼、ではない
信じて頼るのではなく、信じて利用しているのだ
しえーん
50 :
小ネタ:2010/02/17(水) 16:24:54.42 ID:I3zMGvwY0
だが、それはお互い様
互いに利用しあっているようなものだろう
「じゃあ、俺はこれで。条件を忘れるなよ?」
「あぁ、わかっているさ」
賢者の石を懐に仕舞いこむドクター
作り方までは教えていないが……まぁ、この女なら、きっとどうにかするのだろう、と辰也は考えていた
どうやら、マッドガッサーの女体化ガスの解毒剤を作れる程度には優秀らしいのだし
元々、苦手なタイプの相手
取引さえ終われば、あまり長く一緒にはいたくない
辰也はさっさと立ち上がり、席を離れようとした
「……あぁ、そうだ」
そんな、辰也に
ドクターは声をかける
「何だよ?」
「君にとって、あの黒服が気にかけるべき存在であるならば。それを、もう少し表に出してやってもいいんじゃないのかい?」
伝えたい時に、相手がいなくなっている事もある
その時、後悔するかもしれないから
そうとでも言う用に、告げてきたドクターに
「…………知るかよ、んな事」
と、ぶっきらぼうに答えて、辰也は店を後にしたのだった
to be … ?
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:26:59.59 ID:I3zMGvwY0
ドクターの人に鉄板焼き土下座orz
許可いただけたので、劣化版賢者の石、渡してみました
…一応、辰也にとっては家族と言えなくもない訳でもない相手なんで
一応ちょこっとは心配しているようです
ドクターに渡した投薬データの、黒服Hに関するパスワードが解かれただろうなって事を察したのもあって渡したようです
あのパスワード解けば、黒服Hがほとんど劇薬みたいな薬に頼らないと生きていけない状態なのがわかるので
乙ですー
賢者の石なんてなくても銀を黄金に変えたり長い間生きたり死者を蘇生できる都市伝説がいそうだなぁ、そういえば
賢者の石はその生成過程が大事なのかもしれないけど
次のネタは30分後位に投下します―
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 16:36:42.89 ID:I3zMGvwY0
賢者の石は、そこに至る過程が重要とも言われてしね
次のネタwktk
そして、俺は追撃者VS呂布が今日中書きあがる気がしなくて別のネタと同時進行で構想進めよう
「こんな所に雑貨屋さんなんてあったんだ……」
「最近出来たらしいな。外装が新しい」
「私がついて来てもよかったんでしょうか……」
ふしゃー
本日、山田家(+α)は繁華街の一角にある雑貨屋に来ていた。
ようやく生活も安定し始め、そういった身の回りの事にまで気が回るようになってきたのだ。
もちろん、一応この町での暮らしが確定した時点である程度の雑貨は集めておいた。
しかしごちゃごちゃと乱雑に集めた日常品にはどうしても穴ができ、またその穴を拡大するかのように住人が増えていく始末。
いい加減どうにかせねば、と雑貨屋に来た次第である。
構成メンバーは俺と良子、猫(決して子ライオンではない)、そして例の占い師の所から何故か一人の少女が同伴していた。
理由はよくわからない。
しかし、以前にこの店の店主と面識があるとかどうとかで、一度くらい挨拶をしておきたいのだそうだ。
どうせならあの占い師が出てくればいいものを、と思うが、彼にも商売があるらしく日中は外出が出来ないんだとか。
まぁ、それなら仕方がないと思わなくもないが……。
(良子の視線が痛い……)
愛故に、という事なのだろうが、磯良に取り憑かれてからというもの少し性格がバイオレンスになったような気がする。
むしろ、俺が不死の身体を持っているせいか日に日にその行動に拍車がかかっているような。
……もしかして、俺のせい?
ちなみに、マゾはといえば、「今日は山羊座の恋愛運が最高潮! やりましたね私! そして待ってて下さいね、愛しの人ー!」とか何とか叫んで出て行ってしまった。
果たして俺がマゾを生成した日=誕生日でいいのか甚だ疑問ではあるが。
「はるくん、何やってるの―? 早くしないと置いてっちゃうよ?」
「ああいや、何でもない」
いつの間にか、良子たちが店の奥へと入ってしまっていた。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:00:28.89 ID:I3zMGvwY0
支援を開始する!!
さほど広い店ではないものの、ずっと入り口付近にとどまっているのはこの店にも迷惑だろう。
俺は慌てて、歩みを進めた。
あの占い師の知り合いという事は、恐らくこの店の店主は都市伝説か契約者あたりなのだろうが、店内は至って普通だった。
もっと薄暗い魔境みたいな店を想像していただけに、拍子抜けである。
……いや、別にそんな店に行きたかったわけではないのだが。
置いてある商品も普通の雑貨屋にあるような皿だとかちょっとしたアンティークだとかで、特に奇妙な物も無い。
まるで普通の雑貨屋さんである。
……いや、別にそれが悪いとかそんな事は思っていないのだが。
店の奥へと行くと、既に女性陣二人が物色を始めていた。
正直、俺に食器やら何やらを選ぶセンスはない。
ここは女性陣に任せておいた方が無難だろう。
……若干、女性二人の内の一人は確か別の用事があったはずだが、なんて懸念をしないでもないが。
しゃぎゃー
「お、何だ。お前もあぶれたのか」
声のした方を見ると、猫(決して子ライオンではない、あるはずがない)がちょこんと床に座っていた。
何だかこうしてみていると一種のぬいぐるみのようである。
これが後数年であんな獰猛な生物になるとは考えにく……じゃない、こいつは猫なんだ。一体俺は何を考えているのか。
ぶんぶん、と頭を振って思考を切り替える。
ぎしゃー
その様子を、猫は何だか小馬鹿にしたような顔で見ていた。
何だかかわいげのない猫である。
しかし何だかんだで山田家の中ではそれなりの人気を獲得している辺り、こいつが腹黒いというか、女性はかわいらしいものに目がないというか。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:03:17.06 ID:I3zMGvwY0
猫と言い聞かせてるwwww支援
「――いらっしゃいませ」
猫と戯れて(というか一方的に馬鹿にされて)いると、隣から声をかけられた。
振り返ると、この店の店員なのか何だか妙にかわいらしい猫のエプロンを着けた少年が一人立っていた。
安全ピンか何かで止められたプレートには「ペリシャ」とある。外人……いや、ハーフといった所か。
品物の点検中なのか、少年は何やら紙束を片手に棚を眺めていた。
上の棚から下の棚へ、順々に。
……と、そうなればもちろん、子ライオンの方も目に入るわけで。
「……ん? 子ライオンのヌイグルミなんて在庫にあったっけか」
「ああ、いや、それはな――――」
首をかしげる少年に、俺が説明しようとして
しゃぎゃー
唐突に、猫が鳴いた。
どこか尊大な、いつもの鳴き声。
後で聞く所によれば「久しぶりだな、人間」だとか何だとか言っていたらしいが、その時の俺はそれどころじゃなかった。
――――ふらり、と。
唐突に、少年が倒れたのだ。
「なっ、どうしたっ!?」
引きつけか何かでも起こしたのかと思い、慌てて少年の元へとかけよる。
少年のそばに跪くと、猫が「しゃぎー」とか言いながらペチペチと少年の頬を叩いていた。
後で聞く所によると「これで二度目だ。情けないな、人間」だとかそんな事を言っていたらしいが、正直どうでもいい。
「――――はるくん、どうしたの?」
「何か大きい音がしましたけど……」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:07:26.32 ID:I3zMGvwY0
はっはっは、うん、気絶するよな!実はヌイグルミ相手でも危ういんだぜこいつ
ちなみに、苗字が「ペリシャ」なのはククージィにあわせているだけで生粋の日本人なのはひみちゅ支援
騒ぎを聞きつけたのか、良子と少女の二人が慌ててやってきた。
その手には何だか色とりどりの商品が所狭しとひしめいている。
……まさかお二方、それを全て買うつもりではあるまいな。
「いや、俺にも何がなんだか――――」
「――――裕樹っ!?」
唐突に、店の奥……と言うより、カウンターの方から一人の老人が現れた。
西洋の人間だろうか。整った、少し彫りの深い顔立ちをしている。
その顔と渋いデザインのエプロンがよく似合っていた。
あの少年の可愛らしいエプロンとは大違いである。少年はこの老人のセンスを見習った方がいいと思う。
カウンターから出てきた事と言い、またその雰囲気でこの老人が店主なんだろうな、と俺は思った。
そしてそれはつまり、あの少女とも面識があるわけで
「あ、えっと……こんにちは」
「……ふむ? ああ、この間のお嬢ちゃんか。いらっしゃい」
「あ、はい。えっと……」
「もし出来れば茶の一杯でも、と言いたい所じゃがのぅ。今はこの子が先決なのでな」
「あ、はい…………」
何だか言葉を濁す少女をよそに、老人が少年の側へと跪く。
少年の口に耳を当て息をしているのを確かめ、また少年の側に猫がいるのを見て、老人は安堵の、ついでに言えばちょっと複雑そうなため息をついた。
その老人の様子を見て、良子が心配そうに
「……この子、大丈夫ですか?」
「なに、ちょっと気絶しているだけじゃよ。ちょっと嫌いな物を見てしまったようでの」
「…………嫌いな物?」
何かそんな物があったのだろうか。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:09:15.80 ID:I3zMGvwY0
しええん
少年の行動を順に頭の中で再生していく。
ええと、まず少年が俺に気付いて――さすがに俺が「嫌いな物」なんて事はないよな、もしそうだったら泣くぞ。
次に、棚の商品を確認して――いくらなんでも自分の店の商品が「嫌い」なんて事はあるまい。
で、未だに少年の頬を楽しそうにペチペチしている猫に気付いて……。
…………ふむ。
「…………猫嫌い?」
「『猫』と言うよりはライオンなんじゃがのぅ」
「…………ほう、ライオン」
ライオンも猫も同じネコ科である。
さっき「子ライオンのヌイグルミ」だとか何だか言っていたし、多分少年は子ライオンか何かと見間違えてしまったんだろう。
ああ、そうとも。きっとそうに違いない。
決してこれが「本物の子ライオン」だったなんてオチはあるはずがない。
「……しかし、困ったのぅ」
「ん……。どうかしたのか?」
「裕樹を奥で休ませたいんじゃが。今日はあいにくアルバイトがいなくてのぅ。わしが裕樹を休ませる間、店を閉めるわけにもいかん」
「はぁ…………」
曖昧に頷くしかない。
多分店主にそんな気はないんだろう、ないんだろうが……。
何だか「てめぇの猫が気絶させたんだからてめぇが代われよこの野郎」な雰囲気が店内に充満しているような、そんな気がしなくもない。
いや、と言うより主に女性陣からそんな視線が来ているような、主に我が恋人から来ているような……。
「ここは少しの間代わって上げるべきですよ、契約者」
しかし、それは違ったようだ。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:12:04.54 ID:I3zMGvwY0
しぇーん
「――――つまりですね。この契約者がお爺さんのいない間代わりに店番をしてくれる、と」
「…………ふむ、それはあり難いのじゃが――」
「って何話し勝手に進めてんだてめぇっ!」
「このように本人もやる気満々なわけでして」
「そうじゃのぅ……」
「おい待て。やらないぞ。俺は絶対にやらないぞ」
なおも抵抗を続けようとした俺の顔を、マゾがぐっと掴んだ。
そのまま老人に背を向け、二人で内緒話をするように顔を近づける。
……良子のいる方角から何やらピキッという音が聞こえたのは気にしないでおこう。
(契約者、この少年が気絶したのは何故ですか?)
(そりゃ、猫を見たからだろう)
(契約者、少年の前に子ライオンと戯れていたのはどこの誰ですか?)
(それは俺だな。ちなみに子ライオンじゃなくて猫だぞ)
(契約者、この場合子ライオンの監督責任があったのはどこの誰ですか?)
(それは……俺、かぁ?)
(そうですそうです。で、つまりは契約者に全ての責任がある、と)
(何だか一気に飛躍したような気がしますがいかがでしょうかマゾサンタさん)
(全く飛躍してないと思います)
(………………)
(……バイト代も少なからず出るそうですよ)
(…………ほう)
ちらり、と女性陣の抱えた荷物を見る。
ひーふーみーよーいーむー…………。
……どう見ても予算オーバーですね、えぇ。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:15:29.98 ID:I3zMGvwY0
あぁ、山田wwwwwwwww支援
(……どうしますか、契約者)
(…………くそ、俺に選択の余地が残されていないような気がするのは何故だ)
(気のせいでしょう)
ぬぅ、としばし考えて
しかし結論が変わるはずもなかった。
「……分かった。俺が少しの間店番をしてよう」
「すまんのぅ……すぐに戻る」
よいしょ、と少年を担ぐ老人。
一体その老体のどこにそんな力があったのだろう。
やはり都市伝説契約者か、都市伝説そのものなのだろうか。
「……それじゃ未来ちゃん。また一緒に探しましょう」
「あ、はい。頑張りましょう」
そして貴女たちはまだ買うのですね。
いい加減財政と言うものを考えて欲しい。
というか、良子は確か以前同棲していた際は家の財政を預かる身だったはずなのだが、どうして今は俺が管理しているのか。
悩みが尽きる事はない。
「それじゃあ契約者、頑張って下さいねー!」
「おい、お前も手伝うんじゃないのか」
「……え? 何か言いましたか、契約者」
半ば生返事を返すマゾの視線に先には、一軒の店。
そこから、一人の青年が出てきていた。
ここからだとよく見えないが、茶髪な所やその身長などを加味すると、マゾに追われている青年の一人か。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:18:44.80 ID:I3zMGvwY0
おぉっとターゲット捕捉wwwww支援
青年は店から出て、右や左を何度か往復して見ている。
恐らく、マゾの魔の手から逃れたかどうかを確認しているのだろう。
しかし青年には残念な事に、マゾはこの店内にいる。
「それじゃ、行ってきますねー!」
言葉と同時、すぅっとマゾの身体が消えていく。
姿と気配の消失。
「サンタは姿を見られない」から派生した能力だ。
この力には俺も随分とお世話になったものだが……さすがに、こんな風にストーカーとして使われるとは誰も思わなかったに違いない。
「あの男も可哀そうだな……」
未だに追われているとも知らず、歩き始めた青年を見て同情する。
マゾも消え、また少し閑散とした店内。
時折女性陣が何やら話しあっている声が聞こえる以外、静かなものだ。
しゃぎゃー
「……そういえば、お前もいたのか」
遊び道具(18歳の少年)が消えた事に不満なのか、猫がカウンターに飛び乗ってくる。
「遊べ」と言う事だろうか。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:21:43.06 ID:I3zMGvwY0
どっちが追われてたんだろうなぁwwwwww支援(茶髪は誠と直希)
【追われてるのは誠意識して書いてます。正直描写的にはどっちとも取れますがw】
「……大体、お前がいなければこんな事にはならなかったはずなんだがな」
しゃー
「ああ、そうだ。お前のせいだぞ、お前の」
ぎゃしゃー
「ふざけんな。言い逃れはさせんぞ」
ぎしゃー
……やばい、空しい。
何が悲しくて猫と会話できるよごっこをしなければならないのか。
というか、何だか若干会話が出来ていたような気がして怖い。
後であの少女に今の会話でも翻訳してもらおう。
「はぁ…………」
しゃぎー
それから数時間、老人が帰ってくるまで俺は猫と戯れ続けた。
……余談だが、会話は全く成立していなかったらしい。
【終】
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:25:39.22 ID:I3zMGvwY0
乙っしたー!!
くそ、山田、ライオンと戯れるのだけでも変われwww
そして、誠の方だったかwwwww
あぁ、バレたら無差別流格闘技フルコースだな……ww
花子さんの方に土下座なククージィの雑貨屋ネタ
裕樹を気絶させる予定はネタを思いついた当初はなかったんだけどなぁ
そもそも何で山田がこんな幸薄いキャラになってるのか
最初はただ恋人と二人で雑貨屋をめぐるネタのはずだったんだけどなぁ……
何故か書いてると方向がズレるズレる
大体ラストを書きながら考えてる時点でズレるのは当たり前なわけですが
>>57 >>59 >猫と言い聞かせてるwwww
山田「ライオンを飼うなんて日日常はもうまっぴらだ」
とか何とか言いつつ職業は都市伝説退治
>ちなみに、苗字が「ペリシャ」なのはククージィにあわせているだけで生粋の日本人なのはひみちゅ
おおう、外人っぽい姿とか書かなくてよかったwww
>>71 それを奪われたら山田が本当に不幸になるじゃないwww
>あぁ、バレたら無差別流格闘技フルコースだな……ww
むしろ自分からばらしに行くような少女、マゾ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 17:34:20.60 ID:I3zMGvwY0
さて、夕食の豚汁を作ってくるぜ!
帰ってきてもスレが残っていれば幸せだ!!
>>72 >何故か書いてると方向がズレるズレる
あるあるwwww
>山田「ライオンを飼うなんて非日常はもうまっぴらだ」
気持ちはよくわかるwwwwww
>おおう、外人っぽい姿とか書かなくてよかったwww
wikiかどっかに書いとかなきゃなぁ、と思って忘れていたのは秘密だ!!
>むしろ自分からばらしに行くような少女、マゾ
マwwwwwwwwwwwwゾwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いってらしゃーい
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 18:04:36.75 ID:+QQjG8ox0
ほ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 18:31:41.59 ID:+QQjG8ox0
ほ
77 :
保守がてら(ry Spirited away:2010/02/17(水) 18:57:25.58 ID:JeBwnYKi0
男が歩く
其の度何かが消える
男が歩く
人が 動物が 木が 建物が
揺らぎ歪み消えていく
彼は一人の元人間
契約した都市伝説に飲み込まれた、元人間
「さぁ」
男が口を開く
彼が契約した都市伝説は誰もが知っている
人がある日忽然と消える謎の現象
「お前らも」
抗うことも、防ぐことすら出来ないそれを、人々は恐れこういった
「こちらへ来る時が来た」
『神隠し』、と
78 :
保守がてら(ry Spirited away:2010/02/17(水) 18:58:37.14 ID:JeBwnYKi0
はい、なんだこれ
神隠しは都市伝説じゃない?そんなこと知りません
友達に読んでもらったら「「まどいてきたれ」じゃねぇかwwwww」っていわれたんですけど何のことでしょう いや本当に わかる人いませんか?
神隠し
男と契約した、もとい、していた都市伝説
契約としての能力は、能力発動中、触れた相手を強制的に別の次元へ飛ばす(他次元から引き出すことも出来る)
今現在
人間を飲んだせいか凶暴さが増し、自分から半径数キロにまでその能力の攻撃範囲を伸ばすことが出来るようになった
意識は殆どなく、ただ歩き回り、ものを見境なく別次元へ飛ばしている
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 19:24:10.79 ID:m0uRfqGl0
>>78 漫画か何かとググってみたら
「惑いて来たれ」というタイトルで東方のアレンジ曲の一つのようだ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 19:24:11.21 ID:430IxowZ0
ごちそうさまでした保守ネタ乙!!!
神隠しネタは前例あるし問題ないんだぜぜ!!!
こちらへ〜の下りが確かに窓居て来たれだな
82 :
小ネタ:2010/02/17(水) 19:46:29.63 ID:430IxowZ0
「…………」
かすかに
かすかに、だが、気配を感じるような気がする
あの、気に食わない気配が
どうしたものか、としたうちしつつ考え込む誠
叩きのめすのは簡単だ
だが、復活速度が速いのがむかつく
気絶している間に距離をとるまでには、自分では結構な時間、殴り続ける必要があるもので
一体、どうしたらいいものか…
「おや、誠」
「ん?……あぁ、直希か」
…と
後ろから、直希がゆっくりと歩み寄ってきた
相変わらず、分厚い「光輝の書」をぱらぱらとめくりながら歩いていて、危なっかしい
……その、直希は
誠をじっと見つめ、ふむ、と頷き
ぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱら
「光輝の書」が勝手にめくれ始める
「いびり殺せ、カマエル」
直希の言葉に、答えるように
突如現れた豹柄の服を纏った褐色肌の天使が……どすっ、と、誠のあとをついてきていた赤いワンピースの少女に、槍を突き刺した
わりと容赦なく、脇腹辺りにざっくりと
83 :
小ネタ:2010/02/17(水) 19:52:29.02 ID:430IxowZ0
「あぁっ!?突然出会い頭に大胆なっ!?あ、ちょ、どこに……」
突き刺した、そのままの勢いに載せて
カマエルと呼ばれたその天使は、赤いワンピースの少女を路地裏まで突き刺していき…
ざしゅっ、どすっ、どぐちゃっ
何ともグロテスクな音が響いてきた
「ふむ、では行こうか」
「悪いな、直希。お前に疲れさせて」
「問題ない」
直希に「光輝の書」の力を使わせたことを謝罪し、苦笑する誠
「光輝の書」の力を使うと直希は疲労する訳で、できれば使わせたくなかったのだが
「ちょうどいいところで、君に会えた。コーク・ロア支配型の契約者達の事に関して、若干伝えたい事があってな」
「ん……?また、何かわかったのか?」
学校町で増え続けている、コーク・ロア…コーラにはコカインが含まれている、と言う都市伝説の、それを他人に飲ませる事でそれを支配する能力の契約者が増えている問題
翼から…と言うか、翼が黒服から聞いた「組織」の情報などから、どうにも黒幕が、その契約者達が捕らわれそうになると、口封じをするようになった、と言う事を聞いている
それも、犬を操る事により、その契約者を食い殺させるという残忍な方法で
誠としても、コーク・ロア支配型契約者の増加については、気になるところだ
自分や、今、共に生活している仲間達も、何度か襲われた事があるのだから
「…それらの口封じに、犬ではなく、ツァボの人食いが出没したらしい。相手の戦力の可能性もある」
「ツァボの人食い………人食いライオンだな?」
「あぁ、ダークネス、と呼ばれていたようだし、間違いないだろう。片割れのゴーストもいる可能性を考えると、警戒を強めた方がいい」
84 :
小ネタ:2010/02/17(水) 19:56:15.50 ID:430IxowZ0
わかった、と誠は頷く
ダークネス一匹ならともかく、ゴーストとセットで現れられては厄介だろう
兄弟ライオンと呼ばれている、その存在
相手をするならば、一匹ずつに越したことはない
「後で、翼にも伝えるつもりだ」
「あ、翼には、俺が伝えておくって」
「そうかい?ならば、任せようか」
「あぁ、任せろよ」
ニヤリ、誠は笑ってやる
ついでに、翼の顔を見たい
ただ、それだけの理由から、こう言い出しただけの事
その事実を知ってか知らずか、直希は素直に、誠にそれを任せた
「…直希」
「うん?」
「お前も、この件に首突っ込むなら、無茶はするなよ?」
「…心得ておこう」
誠の言葉に、小さく苦笑する直希
二人はそのまま、街中の喧騒の中に消えていった
「あぁっ!?もっと!!できれば心臓辺りを!!!」
どすどすどすどすどす
マゾサンタがいつまで槍を突き刺され続けたかは、不明である
終われ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 19:58:18.43 ID:430IxowZ0
占い師の人のネタで、マゾサンタが誠の後をつけていったのを読んで思いついた
勢いだけで保守かねて書いた
反省している
乙でしたー。
マゾ……生きろ。
コークロア辺りの間は一部自キャラは海外送りだなぁ。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 20:14:52.57 ID:430IxowZ0
コーク・ロア騒動は時期的に2月の終わりから3月の初めに本格化かな…?と思ったり
>>87 となるとその間は笛吹探偵事務所に代理の探偵が入るのか−。
ちょうど学校も春休みの期間だから出しやすいぜ。
ありがとうございます。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 20:38:21.81 ID:+QQjG8ox0
みなさま乙ー!
マゾが入ると途端にシリアスさが消え去るな・・・
ちなみにここ最近のマゾの関心は、あの煙突で町を覆い、自分と三人と建物を残して人間は全て別の土地にワープさせるとハーレムが完成するかどうか
いや、実際に行えるほど力もないし、周囲に迷惑がかかることもわかってるのであくまで興味だけど
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 20:41:20.30 ID:430IxowZ0
>>89 >自分と三人と建物を残して人間は全て別の土地にワープさせるとハーレムが完成するかどうか
無茶な事考えるなマゾサンタwwwwwwww
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 20:55:30.11 ID:430IxowZ0
>マゾが入ると途端にシリアスさが消え去るな・・・
あとでマゾをシリアスシーンに使おうと居ている俺は、いかにギャグ要素を抜けるかが課題となっているぜ!!
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 21:12:56.23 ID:+QQjG8ox0
>>90 かなり無茶だけど、マゾに力さえつけばできなくもないよ!
それが一体何年後になるかわからないけど
ちなみに今は普通の家一軒くらいの範囲でなら使えるといえば使える
数少ないマゾの攻撃的な技の内でも「とっておき」に入るものですが
>>91 まるで青い絵の具を赤色にするようだ
いや、自分で言っててなに言ってるかわからないけど
とにかくwktk!
93 :
顎砕き (代理):2010/02/17(水) 21:14:14.63 ID:430IxowZ0
西区の一角 翼
古ぼけて何時崩れてもおかしく無さそうな廃工場の周りに黒服を着た男達が大量に居る
今までに得た情報を纏めれば黒服は組織によって西区の廃工場のあたりに連れて行かれ監禁されていると言う
怪しい・・・その上とても良く目立つ
「・・・見つけてくださいって言ってる様な物じゃねぇか」
相手は考えなしの馬鹿か、それとも何か策があるのか
どちらにしても
「やる事は変わらねぇな!」
廃工場周辺の黒服集団を厨ニの炎が襲った
94 :
顎砕き (代理):2010/02/17(水) 21:16:49.52 ID:430IxowZ0
西区の廃工場 黒服D
「おや、外が騒がしいですね」
「貴方のもう一人の契約者でしょうか?」
「これを見越して部下の黒服達をこの辺りに集めた甲斐がありましたね」
西区の何処かの廃工場
柱に縛り付けられ身動きが取れない上に三人の同じ顔をした黒服に囲まれている
逃げ場は無い
壁際に手榴弾やらアサルトライフルやら何やらの銃器が置いてあるのはこの黒服が持ち込んだのだろう
幾らこの町でもこんな廃工場に銃火器が置いてあるのは異常だ
「・・・何故こんな事を」
「邪魔なんですよ、貴方達が」
「・・・私達?」
「組織の一員でありながら『首塚』とも親しい貴方が
あの忌々しいH-360やK-711が
そして・・・かつて組織を裏切った二人の血を引くあの少女が」
「・・・少女?」
かつて組織を裏切った二人?
血を引く?
何のことだ?
95 :
顎砕き (代理):2010/02/17(水) 21:18:42.64 ID:430IxowZ0
「貴様等さえ居なければ組織はもう少しまともにやっていけるんだ・・・
貴様等さえ居なければ・・・」
−−−−どろり
3人の黒服の内側から黒い染みが浮かび上がる
「っ・・・まさか」
どろり、どろり、どろり、どろり
「悪魔の・・・」
マッドガッサー騒動の時に誠に取り付き
そして、先日翼の友人だった女性にも取り付いていた
「囁き?」
『ソウダ、コイツ等ダ、コイツ等ガ組織ヲ ダメ ニ スルンダ』
「「「コイツ等が、コイツ等が、コイツ等が、コイツ等が」」」
『『『殺ッチマエ!組織ノ邪魔ヲスル奴等ハ全部!オマエノ邪魔ヲスル奴ハ全部殺シチマエ!!』』』
三人の黒服に三匹の蛇が絡みついた
96 :
顎砕き (代理):2010/02/17(水) 21:22:21.80 ID:430IxowZ0
何処かのマンションの一室
「ウマー!」
『スプラッター!?』
「幽霊ちゃん、幽霊なのにこういうグロいの苦手ですよねぇ」
「怖がりな幽霊か、良いね、実に良い」
『死人達はこれ見てどうも無いの!?』
「見慣れてるし」
「てか俺達ゾンビだし」
「頭だって開いちゃう」パカ
「目玉だって外れちゃう」ポロッ
「極め付けは内蔵露出!!」グニョ
『イヤァァァァァァァァッ!?』
「お前等五月蝿い!!電話中だ!!」
『「「「サーセン」」」』
97 :
顎砕き (代理):2010/02/17(水) 21:23:53.65 ID:430IxowZ0
騒いでいた幽霊やら死人達を黙らせ再び電話に戻る
「で、何だって?」
『ちょっと兵隊が欲しい、手を貸せ』
「嫌だ、弟使えば良いじゃねぇか」
『危ないだろうが』
コイツは・・・
「お前いい加減そのブラコン治せ、歳考えろ」
『私は永遠の17歳「切るぞ」待て!話を ブツッ ツーツーツー
さてと
「仕事ですか?」
「一杯食べれる?」
だらけ切ってる一年生になったらと死人共を集める
「あぁ、久々の仕事だ、行くぞ」
続く?
乙でしたー
99 :
顎砕き ……その、裏側で:2010/02/17(水) 21:32:51.48 ID:430IxowZ0
望が、顎砕き飴の契約者と戦い、翼が、黒服Dを救出しようとしていた、その時と同時刻………
「ハニエルちゃん、ライラちゃん、交代しましょ?」
直希が、熱に魘されているその部屋に、姉であるエリカが入ってきた
水の入った洗面器を手に、直希が寝ているベッドに近づく
「姉君様こそ、お休みくださいな」
「我々は、疲労を感じません。看病するくらいでしたら、我等が主にも影響は及ぼしませんわ」
口々に、直希の看病をしていた愛の天使ハニエルと、夜の天使ライラがそう言ってはくるのだが
くすり、エリカは笑ってみせる
「私にも、弟の看病をさせてちょうだい?」
大事な弟なんだから、とそう言うエリカの言葉に、異議を申し立てる事も出来ず
ハニエルとライラは、一旦、「光輝の書」の中に帰っていった
さて、とエリカは直希の汗を拭いてやり、費対に載せていたタオルを濡らしなおしていく
…と
額に、タオルを乗せなおそうとした…その時
「……つば、さ」
ぜぇ、と
熱に魘されながら、直希はぼそり、呟く
ぴく、と
その、口に出された名前に…思わず、エリカは手を止めた
100 :
顎砕き ……その、裏側で:2010/02/17(水) 21:35:26.28 ID:430IxowZ0
「…だめ、だ、翼……一人で、戦うな……」
「……翼、君?」
しばし、顔を合わせていない、弟の友人の名前
エリカは、一度止めていた手を再び動かし、直希の額に濡らしたタオルをかけてやる
「……い、くな………駄目だ、一人で戦って…傷つくな……」
熱に、魘されながら
直希は、ただ、その友人のことを気にかけ続けている
その寝言に、エリカは静かに耳を傾け続けていた
その表情が、暗く沈む
「…翼君…?また、何かに巻き込まれてるの…?」
……かつての、あの出来事を思い出し
エリカは、ぎゅう、と右手を握り緊めた
「………無事で、いてよね………」
今は、直希の傍を離れられない
…どうか、無事でいて
今は、ただ、そう祈る事しか、彼女にはできなかった
to be … ?
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 21:37:52.77 ID:430IxowZ0
翼に、黒服Dが捕らわれている場所を伝えた後の直希でした
えぇ、高熱出して魘されてます
・・・普通、こう言う役目ってヒロインの役目じゃね?ってたった今、気づいた
……いや、むしろヒロインなんじゃね?
尚希が。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 21:55:55.47 ID:430IxowZ0
>>102 >直希が。
…スペック的にはヒロイン要素兼ね備えているから困る
親友'sの中では一番、男らしい名前のはずなのになぁ
そして、ヒロインは過去の出来事的にエリカの方のはずなんだが
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 22:17:28.16 ID:430IxowZ0
にゅ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 22:39:17.45 ID:430IxowZ0
みんな寝た予感
こっそり投下するなら今のうち
106 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 22:46:06.50 ID:430IxowZ0
■月◎日
今日は、翼のピアノの発表会だった
あの子をピアノ教室に通わせているくせに、旦那は見に行くつもりがないらしい
えぇい、あの無慈悲男め
あいつ、血の代わりにオイルでも体内に流れているんじゃないだろうか
私も旦那も行かない、となると、翼がガッカリするだろう
だから、私が出席する事にした
で、翼の演奏を聴いた結果なんだけど…親の贔屓目があるのはわかってるけど、上手だったと思う
何だか、賞ももらえたみたいだし
だから、褒めてやろうと思ったのだ
ただ、翼のところに行こうとして……私は、誰かを褒める、と言う事をした事がない事実に気づいた
いや、心の篭っていない賞賛の言葉を他人にかけたことはある
でも、本当に、心から誰かを褒めた事なんて、なくて
翼を、どう褒めたらいいのかわからなかった
どう褒めようか、悩んでいたら…あの男に、先を越された
私の、知らない男だ
黒いスーツをまとってサングラスをかけた、多分、20代後半くらいの男
何だか、映画に出てくる、宇宙人の存在を吹聴する事を阻止する秘密結社の人間みたいな印象を覚えた
そんな男が、翼の頭を撫でて、褒めてやっていたのだ
その現場を、私は見てしまった
……驚いた
翼が、その男に褒められて、満面の笑みで喜んでいたのだ
それはそれは、嬉しそうに、幸せそうに、笑っていて
翼が、あんな幸せそうに笑っている顔を、始めてみた
多分、旦那だって、見た事がないと思う
107 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 22:49:52.33 ID:430IxowZ0
悔しい、と
正直に、そう思った
親の私だって向けられた事ない笑顔を向けられている、あの黒服が
だが、同時に自業自得だ、と思った
私は、翼をあんな風に褒めた事がない
あの黒服のように、手放しであの子を褒めてやったり……あぁやって、頭を撫でてやった事なんて、なかった
今更ながらに、その事実に気づかされる
私は、母親だと言うのに…あの子を、撫でた事すら、なかったのだ
何だか気まずくなって、結局、あの子のところに行く事ができなかった
家に帰ってからも、翼に、発表会を見に行った事を、告げる事ができなかった
翼は家で、一切、発表会の事は話すことはなかった
きっと、私も旦那も、発表会を見にこなかったのだと思ったのだろう
違う
私は、ちゃんと行ったんだ
でも、翼を褒める事ができなかった
何をやっているんだろう
私は、母親なのに
子供を褒める事も、撫でる事も、一度もした事がない、と
誰か、他人が翼を撫でて、褒めている所を見て…初めて、気づかされるだなんて
(ここから数ヶ月、記述はない)
保守
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 22:56:51.14 ID:+QQjG8ox0
しえ
110 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 22:56:53.48 ID:430IxowZ0
◎月▲日
どうやら、翼はあの黒服の男に、随分と懐いているらしい
名前は、よく知らない
翼は、「黒服」としかあの男を呼ばないから
翼の友達の誠君も、「黒服」としか呼んでいなかった
もしかしたら、あの子たちも、あの黒服の名前を知らないのかもしれない
名前も知らない相手に、あんなに懐いているのはどうかと思った
どうにも、翼は変な奴に狙われやすいから
でも、少し遠くから見ていて、気づかされた
あの黒服は、翼のことを本当に気にかけている
ちゃんと食事をとっているか、とか、近頃、周りで妙な事は起きていないか、とか
さり気なく聞き出して、あの子のことを心配している
翼の話に耳を傾けて、褒めてやったり、嗜めてやったり
……まるで、あの黒服の方が、あの子の親みたいだ
私や旦那よりも、よっぽど、翼の親らしい
悔しい
私も、ちゃんと翼の母親であるつもりだったのに
でも、あんな様子を見せ付けられては、私なんて母親ですらない
どうすれば、私はあの子の母親でいられるのだろう
どうすればいいのか、わからない
腹が立ったので、街で見かけた悪そうな都市伝説数体に、自分が契約している都市伝説の能力を使って軽く痛めつけておいた
死んだかどうかはわからない
後悔も反省もしていない
(ここから数年、記述はない)
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 22:57:51.77 ID:+QQjG8ox0
しえしえ
112 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 23:02:46.19 ID:430IxowZ0
△月◇日
殺してやりたい、とそう思った
あの女、私の大事な息子になんて事をしやがったのだ
あの子は、まだ中学生だ
あんな事は、まだ速い
私だって、あの頃に初体験したけど、ただ痛いわで大変だったのだ
そんな思いを、あの女は翼に味合わせた
かわいそうに、怖い思いをしたのだろう
あの子の頬には、泣いた後があった
だから、容赦などしなかった
能力を使い、動きを封じて、徹底的に痛めつけた
どうせ、あんな犯罪者、生きていても意味などあるまい
殺しても構わないと、そう思った
だが、保健室に気配が近づいてきて…私は、咄嗟に窓から逃げてしまった
逃げた後に、後悔した
…私は、あの状態の翼を放置してきてしまった
あの状態の、ままで
どうして、私は翼を介抱しなかったのだ
あの女を痛めつけるのに夢中になって、息子を解放するのを忘れるだなんて
本当に……母親、失格だ
窓から様子を窺うと、駆けつけたのはあの黒服だった
私の能力をうけたあの女の様子を見て、驚いていたが…それよりも何よりも、翼に駆け寄って、介抱してやっていた
その最中で、翼が目を覚まして……泣き出した翼を、黒服はずっと、慰めていた
私の前で、翼があんなに泣いていたのは、赤ん坊の時くらいだ
いつからか、あの子は私や旦那の前で、一切泣かなくなってしまったから
113 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 23:04:38.16 ID:430IxowZ0
あの子の、心からの笑顔も
あの子が、泣いている顔も
私は、見せてもらえていなかったのだ
だが、あの黒服は、あの子の笑顔も、泣き顔も、全て知っていて
その全てを、受け止めてやっている
翼を介抱するのを忘れて、あの女を痛めつけるのに夢中になっていた渡しと
翼を介抱してやり、泣き出したあの子を慰めていた黒服
…やっぱり、あの黒服の方が、あの子の親らしい
私には、母親の資格はないのだろうか?
(ここから数日間、記述がない)
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:04:43.06 ID:kF2GHEzL0
支援
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:06:21.15 ID:+QQjG8ox0
しえ
116 :
ある女の日記帳:2010/02/17(水) 23:07:30.76 ID:430IxowZ0
△月●日
翼を襲ったあの変態ビッチ女、訴えられて保険医をクビになったそうだ
ざまぁみろ、私の可愛い息子に手を出したからだ
…と、言うか、誰があの女を訴えたのだろう
本当なら、私が訴えたかったのだが、翼は結局、私や旦那にあの事を一切話さなくて、どう訴えたらいいものか、悩んでいたのだ
調べてみたら、あの子の友人の父親が訴えていた
清川弁護士といえば、有名な敏腕弁護士だ
あんな女、有罪確定だろう
刑務所で臭い飯でも食ってろ、糞女め!!!
それにしても、気にかかる
あの女は、私の能力であの状態となり、動けなくなっていた
その事に関して、一切騒がれていない
…あの黒服が、何かしたのだろうか
あの黒服は、本当に何者なのだろう?
(ここから数年間、記述はない)
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:08:22.85 ID:+QQjG8ox0
しえーん
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:10:27.57 ID:430IxowZ0
to be … ?
を、入れ忘れた件orz
伏線とか伏線とか、大分前に疑問をもたれたことへの回答とか
いい母親何だか悪い母親なんだかよくわからなくなってきたから困る
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:15:19.23 ID:+QQjG8ox0
乙ー!
普通に文面だけ見ると不器用だけど子供を大事にしてる母親
ただその悪い面だけ見てる翼には、なぁ・・・
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:18:27.01 ID:430IxowZ0
>>119 >ただその悪い面だけ見てる翼には、なぁ・・・
まったくだ
ただ、子供の褒め方とか接し方がわからなくて
男遊び我慢できなくて、常に男を漁っていただけなんですけどね
…あれ?
あとの部分が圧倒的に駄目親だよ??
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/17(水) 23:31:59.04 ID:430IxowZ0
おやすみー
笛の人が明日投下するとの事で、明日もスレが残っていれば幸せだ!!!
122 :
PSPで半角>が出ないのは仕様なのか:2010/02/17(水) 23:45:26.44 ID:JeBwnYKi0
今更だけど
>39
むしろ使ってくれてありがとうございます
青年「山田さんはいいんですよ
勘違いしたのはこちらのほうだし、しっかり修理代払ってくれたし
で、女幽霊の方なんだけど
次 は い つ あ え る の か な ?」
なんか怒ってたようだ
次会ったら多分ひどいことが起こる
ほ
保守