「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここは
都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたり
そんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりするスレです


「まとめwiki」 ttp://www29.atwiki.jp/legends/


まとめ(途中まで) ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html


避難所は↓になります。規制中やスレが落ちている間はこちらでくつろいで下さい。
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 09:13:49.57 ID:gUSsy+Yu0
というわけで、落ちてたから立ててみたよ!
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 09:59:04.99 ID:gUSsy+Yu0
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:04:57.56 ID:Um2YeIyKO
みつけた
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:09:16.47 ID:bL5NPlni0
>>1乙!
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:09:30.56 ID:pD2D116MO
夜までもつかね
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:18:55.32 ID:gUSsy+Yu0
>>6
逆に考えるんだ。持つかどうかではなく持たせると!
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:23:23.86 ID:Um2YeIyKO
避難所から誘導しときました。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:28:03.38 ID:/ntuNdDGO
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:33:03.66 ID:RMefu2waO
乙ですー
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 10:58:01.77 ID:D8T59ana0
>>1
乙なんだぜ!!
昨夜はいつスレ落ちたんだろ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 11:01:00.31 ID:i/K06wKD0
dat拾ったら23時半くらいが最後の書き込みだった
やはり深夜が問題か…
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 11:04:22.96 ID:D8T59ana0
23時半……「辺境」の代理投下の直後辺りか
また冬休み時期で規制された人が増えたから、深夜を越すのが難しくなったカナ
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 11:22:23.58 ID:i/K06wKD0
規制、規制、また規制…
田舎だからって可能性がないわけじゃないから怖い
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 11:50:00.25 ID:D8T59ana0
規制の波に飲み込まれないことを祈るしかないよなぁ
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 12:17:10.34 ID:D8T59ana0
戻ってきたときスレが残っていたらクリスマスネタ書く
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 12:49:09.06 ID:Um2YeIyKO
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:15:39.68 ID:4/YcsPJQ0
19クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/23(水) 13:23:10.57 ID:D8T59ana0
「撃ち落すですー!」
「狙い撃ちー!!」

 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
 機関銃の音が、夜明けの学校町の上空に響き渡る

「HAHAHAHAHAHA!!!!レディたち、そんな目立つ行動はいけまセーーーン……」
「ファイヤー!!」

 どごぉん!!!
 ロケットランチャーが放たれ、全裸兄貴が撃ち落される

 ……学校町上空は、軽く地獄絵図だった

「よぉし、いいぞ天使たち!容赦なく撃ち落していけ!」

 そんな様子を、満足げに眺めている男が一人
 モンスの天使の契約者は、自分が契約している天使達の戦いっぷりをながめ、なんとも満足そうだった
 そんな彼の背後では、最近、彼の担当になった黒服Cが一生懸命に本部と連絡を取り合っていて…
 …ふぅ、と息を吐いて通信を切った

「…よ、良かった…本部の人達が頑張ってくれたから、上空の騒ぎは学校町の皆さんは認識しないですむ…!」

 いや、都市伝説契約者や俗に言う霊感の強い人間には見えてしまうのだが…
 それでも、地獄絵図が誰でも閲覧可能状態よりはマシだろう
 …夜が明けてきている
 飛び回るサンタ達も、兄貴達も、数を減らした様子はない
20クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/23(水) 13:27:07.93 ID:D8T59ana0
「…でも、大丈夫でしょうか、天使さん達、こんな長時間戦い続けて…」
「天使は疲労を感じないからな。食事も、人間の真似事をしてとるだけで本来はほぼいらないから問題ない」

 どうだ、俺の契約している都市伝説は凄いだろう 
 そうとでも言いたそうに、モンスの天使契約者は胸を張る
 自分の契約都市伝説に対する、絶対の自信
 それは、彼の長所であり欠点でもある

「…本当なら、あいつらとゆっくり過ごすはずだったんだがな…くっそ、夜までには終わりてぇ」
「そうですよね…」

 …しかし
 はたして、夜までに終わるだろうか?
 はなただ疑問である

「…あ、そうだ。そろそろ、朝食にしましょう!何も食べていませんよね?」
「ん?あぁ、そう言えば腹減ってきたな」
「お弁当作ってきましたので、どうぞ」

 ことんことん
 マンションの屋上で、敷物敷いてお重を出し始めた黒服C
 …そんな黒服Cに、モンスの天使契約者はやや呆れた様子を見せる

「…どこに、仕事場にお重で弁当もって来る黒服がいるんだよ」
「え!?何か間違ってましたか!?」
「飯があるのはありがたいが…お前、本当に現場なれしてないんだな」

 あぅあぅあぅあぅあぅあぅ
21クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/23(水) 13:30:41.51 ID:D8T59ana0
 狼狽している黒服Cの様子に、モンスの天使契約者はやれやれと肩をすくめる
 …本当、どうしてこんな奴が、自分の新しい担当なのだ

 以前の彼の担当は、アメリカ支部に異動になったと聞いた
 だが…彼の電話の番号にかけたみたが、一行に繋がらない
 多分、消されたのだろう、とモンスの天使契約者は考えていた
 今、「組織」内では強硬派や過激派の黒服や契約者が、次々と不審死を遂げたり行方不明になったりしている
 それは、上層部の者とて例外ではない

 …「組織」内で何かが起きている
 強硬派に所属する彼としては、それが気に食わない
 しかし、調べようにも、彼はその現場から遠い所へと放流されているような現状
 よりによって、穏健派の黒服が担当についた辺り…確実に、誰かの陰謀が動いているのだ

「…?食べないんですか?クリスマススペシャル弁当ですよ?」
「…あー…」

 …うん
 まぁ、腹が減っては戦はできぬ、だ
 戦うのは天使達だが

 ひとまず、モンスの天使契約者は、黒服Cとともに朝食を取る事にしたのだった



モンスの天使契約者もげろ そして続く予定はない
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:46:38.08 ID:i/K06wKD0
手作り弁当…だと?
もげろ、ってかもがれろ、己の契約してる都市伝説にもがれろ
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:54:23.08 ID:D8T59ana0
>>22
>もげろ、ってかもがれろ、己の契約してる都市伝説にもがれろ
天使A「もげたら困りますー!」
天使B「私達が困るー」
天使C「みんなで平等に使うのー!」
天使D「だからもげちゃだめぇ」
天使E「もぐんじゃなくて、元気にさせるですー!」
天使G「頑張る頑張るー!」

OK,もげろ
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:13:11.45 ID:D8T59ana0
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:14:48.83 ID:96LFze5z0
スレたて乙
モンスの天使一人下さい!
まとめ
http://www1.axfc.net/uploader/Li/so/54346.zip
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:19:17.61 ID:D8T59ana0
>>25
まとめ乙!!
モンスの天使は好きな奴を持っていってくれ


そして、俺はいい加減ダウンロードソフトを変えるべきなようだぜ
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:24:24.95 ID:96LFze5z0
斧がいかんのかな?
いつものとこやったら重いので斧で上げたんだけど
とりあえずこっちでどうでしょう? ここ落ちるの早いのでいそいでDLしてくれれば幸い
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org485683.zip.html
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:28:27.01 ID:i/K06wKD0
まとめ乙!
そしてモンスの天使契約者もげろ
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:29:08.86 ID:D8T59ana0
>>27
ありがとうございます〜感謝!
モンスの天使は好きにしてくれ
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:48:24.69 ID:D8T59ana0
夜もスレが残っていてくれれば幸せだ!
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:52:59.99 ID:b6+Pq1dV0
 
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:53:48.00 ID:b6+Pq1dV0
 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:57:56.99 ID:96LFze5z0
好きな奴を持ってった上で好きにしていいとか……うへへへへへwwww
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 15:27:01.64 ID:acpaebn1O
ほー
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 15:56:32.48 ID:acpaebn1O
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:18:19.16 ID:acpaebn1O
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:32:16.81 ID:96LFze5z0
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:39:06.69 ID:acpaebn1O
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:09:52.69 ID:i/K06wKD0
40投下する 黒服禿をお借りしました:2009/12/23(水) 17:17:46.53 ID:pD2D116MO
男は目の前の存在を見ると呟いた。
「またきたのか……」
もはや特徴ともいえる黒いスーツ。そこにいたのは組織の黒服であった。
もうひとつ特徴をあげるとすれば頭がさみしいといったところか。
「いつまでも来ますよ。貴方が組織の管理下に置かれるまではね」
その黒服の言葉を聞くと男はため息をはく。
「別に僕はあなた達に何かをするわけじゃない。放っておいてくれれば……」
「私個人としてはそれで構わないのですがね。
組織の上層部はそれで良しとは思わないのですよ」
男は再びため息をはいた。
「それじゃあ力で解決するしかないってことか……」
「ええ、そうなりますね」
「でも助かったよ」
男は黒服に歩み寄る。
「何がでしょうか?」
「今回はあんた一人で助かったっつってんだよ……」
男は黒服の胸元を掴んだ。
すると、男の手が炎に包まれる。
「服の替えなんて持ってきてなかったからよぉおおっ!」
炎は黒服の体を一瞬で覆う。
炎は黒服を燃やし尽くし、消し炭にしてしまう……はずだった。
41黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:18:45.08 ID:pD2D116MO
燃えたのは黒服の衣類だけ。
その衣類の下からはたくましい筋肉が姿をあらわす。
「なんとも暖かい。冬場にはもってこいですね」
黒服の顔からは余裕すら読み取れる。

「はっ…驚いたぜ…とっくに燃え尽きるはずだってのによ」
男は本当に驚いているようだ。
「筋肉は常に燃えている。この程度の炎で燃え尽きるなどありえないのですよ」
「じゃあ……これでどうだぁあああああっ!」
炎の勢いが増す。男の手だけでなく、体全体にまで炎がまわる。
「ぬるい」
黒服は拳を握った。そしてその拳を男に振りかぶる。
「この程度で筋肉をどうにかできるものかっ!」
そして男に向かって打ち付けた。
男は後方へ水平に飛んでいく。まるで重力の影響など感じさせないように……
「手応えなし……ですか」
42黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:19:51.53 ID:pD2D116MO
黒服は少々不満げに呟き前方に睨みをきかせた。
そこには先程の男が宙を舞っている。
いや、舞っているという表現は不適切だろう。
男の下方から勢いよく吹き出ている炎により飛んでいるのだから。
「その炎が拳を弾いたようですね。
そこまでのエネルギーを発するとは、少々驚きましたよ。
もはやエネルギーの塊といったところでしょうか」
「驚いたのはこっちのほうだ。そんだけの火力の中に手を突っ込んでんのに火傷ひとつねぇとはな」
黒服は一言「鍛えてますから」とこぼした。
男は笑う。
「へっ、おもしれぇじゃねぇか。久しぶりに噛み合う相手にあえた」
そして更に体を覆う炎の勢いをあげた。「今度はこっちからいくぞ」
男の言葉を聞くと黒服は身構える。
男はジェットのように吹き出した炎の向きを変え黒服に一直線に突っ込む。
「一直線に来ますか。私好みで…」
黒服がそう言おうとしたときには、すでに男は黒服の目の前に到達していた。
速い。いや、速過ぎる。
だが、黒服はその速さに即座に反応し、男を受け止める。
その勢いはとてもころしきれるものではない。
黒服は足をすりながら後方へと押されていたた。
「筋肉の力をなめないで…もらいたいっ!」
43黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:20:51.46 ID:pD2D116MO
黒服が体全体に力をこめる。すると筋肉が膨張し、徐々にだが後方へ押される勢いが弱まっていく。
「本当に…やるじゃねぇか…」
男は楽しそうに笑った。
「でもこれじゃ終わらねぇ…」
炎の勢いがまた上がった。いや、勢いがあがるなんてものじゃない…これは…そう……
爆発

辺りに轟音が響いた。
そこいらにあったものは例外なく全て吹き飛んでいた。
爆心池はクレーター状に窪んでいる。
その中心には燃え盛る炎があった。
「……まさか、まだ生きているとはな」炎がそう呟く。
「腹筋に力を入れてなければ少し危なかったですね」
その声は上空から聞こえてきた。
「まだ、無傷かよ…いったい何度あればてめぇは燃えるんだよ!」
「いったでしょう。筋肉は常に燃焼しているものだと」
44黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:22:08.50 ID:pD2D116MO
この黒服がどのようにして飛んでるかはわからない。
彼がいうには筋肉の力らしいのだが、それもさだかではない。
「しかし……」
黒服が眉をひそめた。
「この私を吹き飛ばすとは…」
「はんっ、今度は燃やし尽くしてやる。覚悟するんだなっ!」
炎の勢いが再度あがりだす。
「ふむ…」
黒服は上空で腕を組みその様子を眺めている。
「彼の最大火力と私の筋肉。どちらが上か試してみたいのですがね」
炎の勢いは更にあがる。
「しかし、このままでは……」
まだ炎の勢いはあがる。更にあがる。
もはや、これを炎といっていいのだろうか。
まるで小型の太陽のような……
男の周囲はもはや物質が形を維持できない温度に達していた。
「これ以上の被害は組織の結界では防ぎきれそうにありませんね…」
黒服は少し残念そうに呟いた。
45黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:23:08.35 ID:pD2D116MO
「マッスルパワー…」
黒服は体中の筋肉に力を込める。
胸筋、大腿筋、上腕二等筋……
全ての筋肉が膨張し…そして圧縮された…
「筋肉とはビックバンの意」
黒服は地上の太陽目掛け一直線に突き進む。
やはり、どのように飛んでいるのかは不明だ。
「筋肉とは創世…筋肉とは起源…」
その速度は徐々に加速していく。
もはや肉の弾丸と化している。
そして、太陽の目前へと突っ込む。
地響きが轟く。
黒服が地面を思い切り踏み締めた音だ。その衝撃は足の筋肉を伝わり、圧縮された筋肉が爆発する。
そして腰の筋肉へと伝わり爆発。同じように次の筋肉へ伝わり威力を増していく……
最後に到達したのは腕の筋肉であった。「先程の爆発…中々でした。
その爆発に敬意をこめ、筋肉の爆発で勝負を決めさせてもらいます…」
黒服は腕に込められた力を爆発させる。
46黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:24:44.12 ID:pD2D116MO
下から伝わった力は筋肉により何百、何千、何万倍にまでも跳ね上がっていた。そんな力による渾身のアッパー。
「マッスルジェネシスッ!」
拳が太陽へと突っ込まれた。


何と例えればいいのだろうか、かつてこの世を創世したというビックバンを思わせるような衝撃。
その場にあったクレーターはさらに大きさを増していた。
その中心に立ち尽くしていたのは筋肉の化身だった………全裸の…

「おや、拳を火傷してしまったようですね」
黒服は自身の手を見て軽く笑った。
47黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:26:14.65 ID:pD2D116MO
ところかわって、ここはとある小学校の女子トイレ。
体の小さな黒服と小学生男子、そして一体の都市伝説「闇子さん」がいた。
「マッドガッサーについての説明はこれで終わりです」
どうやら、黒服が他二名に何かを話ていたようだ。
「マッドガッサーねぇ……」
闇子さんは胡散臭そうなものを見るような目で黒服を見ていた。

そのとき…
「……地震?」
小学生男子が呟いた。
確かに少し揺れた気がする。
「地震警報などはなかったはずですが」
特に驚いたようすもなさげに黒服がそう言う。
「この地震も臭いわねぇ…」
今の闇子さんにとっては何もかもが黒なようだ。
「…あっ」
小学生男子が、今度は窓を指差した。
「流れ星…」
黒服と闇子さんが即座に窓のほうへ振り向く。
「流れ星とは主に上から下に流れるものです。
あれは下から上に移動してるので流れ星ではありません」
黒服は淡々とその光景を分析する。
「そっか」
「じゃあ何よあれっ!」
闇子さんが金切り声で叫んだ。
48黒服禿 対 人体発火現象:2009/12/23(水) 17:27:31.98 ID:pD2D116MO
ところは更にかわって学校町上空うん千メートルの地点。
「あっぶねぇ…このまま宇宙までぶっ飛ばされるかと思ったぜ……」
そこにあるのは炎の塊。
「あのハゲ、絶対に完全燃焼させて……いや、まてよ」
男は考えた。

今回の戦闘であのハゲは俺を倒したと思っているはずだ。
つまり……もう組織からの追ってはこない。
「よし…」
炎が消えた。

全裸の男が自由落下をはじめた。

49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:39:24.34 ID:pD2D116MO
黒服禿をお借りしたことに謝罪させていただきます
どんどん力を増していく黒服禿を十分に表現しきれたか……
その辺りが少し心配だったりします

人体発火現象については、本来の能力を大幅に超える力を有してますが、一応は伏線だったりします
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:42:51.10 ID:96LFze5z0
乙でした
ロケットダッシュな人体発火現象好きだw
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:45:49.13 ID:i/K06wKD0
禿は太陽すらも”火傷した”程度で済むのか
さすが生身で大気圏突入しただけのことはあるぜwww
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:48:47.94 ID:pD2D116MO
ちなみに
今回勝手に考えさせていただいた禿の技
マッスルジェネシスは表記すると「筋肉創世」
でマッスルジェネシスと読むとか脳内妄想してました
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:51:00.22 ID:gUSsy+Yu0
乙ー! やはり禿、貴様はなにがあっても死なんのか………!www
今、投下いってもいいかんじかなー?
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:52:31.02 ID:i/K06wKD0
問題なしだぜ!
55よっしゃーいくぜー:2009/12/23(水) 17:54:57.26 ID:gUSsy+Yu0
「ホワイトクリスマス。ロマンチックでいいですね」
「ホワイトなクリスマスがどうかはともかく、雪降ってるのは嬉しいなあ」
「…お兄さん、犬みたい」

 聖夜、クリスマス。その日、私達は一年に一度の浮かれた空気を満喫するべく、雪の降る学校町を四人みんなで歩いていました。
 流石に恋人達の祝日と称されるだけあって、街中にはカップルの姿が溢れています。
 私達も、一応は少年という男性と一緒にいることはいるのですが……どうも、そういう感じはしませんね。
 男が一に女三という比率ですし、そもそも少年は異性という感じはしませんしね。
 強いて言うのなら、からかい甲斐のある弟……といったところでしょうか。
 まあそもそも、女装中の少年は女の子にしか見えませんから、今の私達は女の子の四人組に見えているんでしょうけど。
 隣を歩く少年の堂に入った女の子っぷりに、思わず笑みが漏れます。

「……なに笑ってるのさ、トバさん」

 それを見咎めた少年がこちらに目を向けてきました。

「ふふ、少年はまだまだ、女の子になりきれていませんね」
「なりきれてなくていいし、それ、全然答えになってないから」

 ねークイちゃん、と同意を求める少年ですが、クイちゃんの方は「…まったく、これだから……」と、これみよがしにため息をついてみせます。
 そんな理不尽な扱いにもめげず、律儀に反応を続ける少年。
 そんなだからからかわれるということに、気付いていないのでしょうか?
 ………まあ、だからこその少年なのですが。
 そんなふうなクリスマスらしい姦しい―――女装中の少年を数えても数えなくても、女三人いればと言いますし、間違ってはいません―――会話の中、我が家に来て一ヶ月以上を過ごし、馴染んできたメルヘンちゃんが呟きました。

「………何カ、ついてきてマス」
56女装少年の人:2009/12/23(水) 17:55:39.63 ID:gUSsy+Yu0
 夕飯のことから日頃の少年の主婦っぷり、そして西区で募集されていたバイトをどうしようか、ということへと話題を変えていった私達は、表面上はその会話を続けながらも、少年主導で人気のない廃ビルへと足を向けていました。
 細い路地などを経由して、跡を追ってくる気配がなくならないことを確認しつつ、私達はそこへと辿り着きます。
 ここ、学校町は、都市伝説が集まりやすいせいか、建設途中で放置されたビルや、中に入っていた企業が撤退したあと、何の整備もないままのビルなどが多いです。
 このビルもまた、その内の一つなのでしょう。
 暗闇の中にぼんやりと佇むは中々に不気味ですが、それはとりもなおさず人が足を踏み入れていないのと同義であり、今の私達にとっては大層都合がいいことでした。
 埃が幾重にも積み重なったその中へと入り込み、後ろにいた気配がやってくるのを待ちます。
 ここでいなくなるのならよし、そうでなくこちらに敵意を持っているのなら―――容赦は、しません。
 その考えはみんな同じのようで、少年はクイちゃんを後ろに庇って軽く手足を広げて構え、メルヘンちゃんはその手に《ヘンゼルとグレーテル》が描かれたカルタを持っています。

―――そして、それは姿を現しました。
真っ赤な服を着たその姿は、今日この日の、ある意味では主役とも言える存在で―――。

「…………サンタ、さん?」

 少年が、呆けたように呟きます。
 それに合わせるかのように、背に大きな袋を背負ったそのサンタは、にっこりと微笑みました。
 ………どうでもいいですが、少年。仮にも高校生になってるんですから、サンタクロースのことを「サンタさん」と呼ぶのはないと思います。
 そのいきなり現れた謎のサンタは、顔に満面の笑顔を浮かべたまま、ゆっくりとこちらに近付いてきます。

「……っ、そこで止まりなさい!」

 私は声を張り上げました。
 本物のサンタというものが存在していない以上、この目の前のサンタは都市伝説の一種のはず。
 ならば、それが危険な存在であるということも、十分考えられます。
 私の拒絶の声を聞いたサンタは、悲しそうな顔をしながらも、そこで立ち止まりました。
 そして、背負った袋の中をゴソゴソと漁り、目的のものを見つけたようでにんまりと微笑むと、

「―――メリークリスマース!」
57女装少年の人:2009/12/23(水) 17:56:32.03 ID:gUSsy+Yu0
 その一言とともに、袋の中の"何か"を、こっちに向けて放り投げました。
 放り投げられた"それ"は、私達の目の前の床へと落ち、べちゃりという粘着質な音をビルの中に響かせます。
 その瞬間、私達は、"それ"が何であるかを否応なしに理解させられました。

 ―――"それ"は、人でした。
 いや、より正確に言うのなら、人だったもの、と言うべきでしょうか。
 赤に染まった幼い少女。
 まともなのは、その整った顔と細い手足だけ。
 胴体は切り開かれ、中にあるはずのものは全て失われていました。

「……ッ、クイちゃん!」

 これは、確実に目の毒です。
 そう思い、私はクイちゃんを抱き締め、その視界を覆い隠しました。
 いつもはこういうとき、真っ先に反応するはずの少年は、何の行動も起こしません―――いえ、床に投げ出された少女の死体に、ゆっくりと近づいていきます。
 少年は少女の死体の側まで寄ると、まるで何かを確認するかのように、その顔を覗き込みました。

「…………ぁ、」

 か細い声で喉を震わせ、震える手で頬を撫で、両手で少年自身の頭を抱え込み―――そして、

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああ
ああアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアあ
あああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああ
ああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!」

―――絶叫。
58女装少年の人:2009/12/23(水) 17:58:08.66 ID:gUSsy+Yu0
 そうとしか形容できない叫びが、少年の口から溢れ出ます。
 調律の狂ったピアノのような。弦が切れたバイオリンの、その最期の一音のような。
 絶望と、狂気と、怒りと、悲しみとがゴチャゴチャにかき混ぜられ、煮詰められたような、そんな叫びが。
 それに心をかき乱されながらも、改めて少女の死体を観察し―――私は、全てを理解しました。
 私の中にある、少年の記憶。
 それが、目の前にある死体が―――少年の妹さんのものであることを、確かに伝えてきましたから。

「っち、ちょ!? どうしたんデスカ!?」

 血を吐くような絶叫を喉から搾り出し続けている少年に、メルヘンちゃんが問いかけますが、効果はありません。
 ………まあ、仕方の無いことでしょうね。
 少年のトラウマについては、メルヘンちゃんやクイちゃんは知りません―――というか、私とお父様、お母様、お祖父様くらいしか知る由もないことです。
 少年の妹の死は、もう既に過去のこと。
 その身体は荼毘にふされ、埋葬されていますから、当然死体など残っているはずはありません。
 つまり、この死体は偽物のはずなのですが………これ以上ないくらいに悪趣味ですね、血の匂いや質感まで完璧に再現されています。
 これでは、このことについては冷静になどなりようもない少年では、引っ掛かるしかないでしょう………ですが何故このクソサンタは、このことを知っていたのでしょうか?
 そのクソサンタ当人はといえば、少年の反応があまりにも予想外だったようで、しばらく固まっていたのですが、どうやら我に帰ったようで、逃げ出そうとしています。
 が、当然逃がす気はありません。
 少年は、私にとって家族のようなものです。少年にとっての私や、クイちゃんと同じように。
 その家族を、こんな目に遭わされて―――久々に少し、カチンときているようですね、私。

「待ちなさい―――、っ!?」

 逃げ出そうとするクソサンタを捕まえようと駆け出した、その時。
 ゆらりと、幽鬼を思わせるような不気味さで、少年が立ち上がりました。
 この学校町に来て、もう三ヶ月。
 その間伸びた髪の毛が、少年の顔を覆い隠しています。
 それを見て、私は少し、安心してしまいました―――怖かったから、です。
59女装少年の人:2009/12/23(水) 17:59:14.74 ID:gUSsy+Yu0
 私はこの中で一番……いえ、お父様やお母様と同じくらい―――もしかしたらそれ以上―――に少年のことを知っています。
 そんな私ですら想像もできない、トラウマを突きつけられた少年の表情。
 それを見てしまうのが、どうしようもなく、私は怖かったのです。
 ………ですが、怖いからといって、いつまでも見ているだけでもいられません。
 今、私が止めてあげなければ。
 少年がどうなってしまうのか―――想像もつかないのですから。
 この状況に戸惑っているメルヘンちゃんにクイちゃんを託し、私は少年へと手を伸ばします。
 元々、そう距離はありませんでした、数歩踏み込めば足りる程度の距離です。
 一歩、二歩、三歩。足を踏み出し、少年との距離を縮めます。
 永遠にもに思える一瞬が過ぎ去り―――そしてとうとう、伸ばした手に、少年の着ているコートの感触を感じることができました。

「しょうね、」

 なんとか捕まえることができたと、そう安堵しつつ、私は少年に呼び掛けようとします。
 しかし―――ふっ、と。
 指先に感じられていた少年の感触が、一瞬で失われました。
 それと同時に、一瞬前までは確かに私の目に写っていた少年が、消え去ります―――まるで、魔法のように。

―――何か大切なものが、指の間からすり抜けていってしまった。

 そう悟った私の耳に、二つの音が聴こえてきました。
 ぐじゃり、ばちゃり。
 濃厚な鉄の―――血の匂いが立ち込めます。
 目を向けるとそこにあったのは、先程までと全く同じ、俯いたような姿勢で立つ少年と―――その片腕を失った、サンタの姿でした。
 失われた腕は今更のように落ちてきて、べちゃりという音を新たに響かせます。
 サンタは自分の身に起こったことがまだ理解できていないようで、その隙を突くように、少年の姿がまたかき消えました。
 残っていた最後の腕が、血飛沫と共に宙を舞います。

「―――あ、ぎゃボッ!?」
60女装少年の人:2009/12/23(水) 18:00:02.43 ID:gUSsy+Yu0
 ようやく自らの身に起こったことを理解できたらしく、サンタが悲鳴をあげようとしましたが……それすらも許されません。
 またもや少年が消え、それと同時に、今度は下顎が引き千切られました。
 続いて、左足が吹き飛びます。
 無様に床へと転んだサンタは、声をあげることすら許されず、ただ血の泡のみを吹き出しています。
 それを見下ろす少年の顔は―――能面のような無表情。
 すっ、と突き出された少年の右手から何かが発せられ、それが直撃したサンタの身体は、一瞬でグチャグチャのミンチへと変わりました。
 それでもその威力は尚治まらず、周囲のコンクリートを文字通り、粉々に砕ききります。

「…お兄、さん………?」

 少年はクイちゃんの呼び掛けにも答えず、未だ床に転がる、妹さんの死体………の偽物の傍に膝をつき、それを抱き締めました。

「………少年。気持ちはわかりますけど、それは、あなたの妹では………」

 ないですよ、と続けようとして、少年が何やら呟いていることに気づきます。
 耳をすませてそれを聴き―――考える間もなく、後悔しました。
 だって、その内容は―――、

「…………ごめん、いやだ、しなないで、たすけて、ぼくのせいで、ころした、なんで、ちが、しんで、しゃべって、いやだ、おねがい、ごめん、
だれが、しにたい、なかみが、ころして、はなれたくない、ごめん、いやだ、いっしょに、つめたい、なんで、ぼくが、いやだ、しなないで、だれか、しなせて、
いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
おねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがい
おねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがいおねがい
しなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないで
しなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないでしなないで
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
61女装少年の人:2009/12/23(水) 18:00:46.05 ID:gUSsy+Yu0
―――そんな、狂気と絶望が入り交じった、悲痛な叫びだったのですから。

 ―――今日、この日はクリスマス。
 聖夜と呼ばれる、めでたい日。
 その日、私達に運ばれてきたプレゼントは―――考えうる限り、最も最悪なものでした。
62女装少年の人:2009/12/23(水) 18:03:00.49 ID:gUSsy+Yu0
以上で終了! お目汚し、失礼しましたっ!orz
占い師の人、ありがたく恐怖のサンタを一人使いつぶさせてもらいましたorz
…………なぜ、こうなった………?
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 18:30:18.47 ID:i/K06wKD0
投下乙です
最初はギャグキャラだと思った恐怖のサンタが、こんなにも深く食い込んでくるとは
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:09:36.95 ID:cHfGjrPYO
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:13:56.82 ID:vflLK4bT0
>>63
嫌いなもの苦手なものだけだったらギャグだったと思う
大事な人の死は(フェイクでも)割と洒落にならんからなぁ
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:28:15.02 ID:VWVoAKyO0
>>63
うっかりとギャグじゃないのを二発も書いた俺がちょっと通りますよっと
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:31:41.05 ID:VWVoAKyO0
っと、闇子さんの人と女装少年乙なんだぜ!!
68昨夜のネタの続き的なもの:2009/12/23(水) 19:51:03.93 ID:VWVoAKyO0
 −−−−夢を見ていた
 昔の夢を
 昔とは言っても、せいぜい、高校生の頃の夢だ

 彼女が、酷く楽しそうに笑っている
 自分は、間違いなく彼女に惹かれていた
 ついに伝える事はできなかったが……間違いなく、自分は彼女に惚れていたのだ

 刹那
 視界がぐるりと入れわかり
 視界の中の彼女は、血塗れで
 赤い
 赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤いあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかいあかい……


「−−−−えり、か、さ」


 …何故、今更こんな夢を
 これが夢であると自覚した、その瞬間に、意識は現実に引き上げられた




「−−−−ぁ」
「!意識が戻りましたか」

 「日焼けマシン」の契約者が、意識を取り戻した時
 視界に入ってきたのは、黒服だった
 目を覚ました彼の様子に、ほっとした様子を見せている
69昨夜のネタの続き的なもの:2009/12/23(水) 19:54:22.65 ID:VWVoAKyO0
「…くろ、ふく………俺は」
「多重契約による能力を暴走させたせいで、体力を消耗したようですね……大丈夫ですか?」

 頷き、起き上がる
 「首塚」拠点の、ホテルの一室だ
 倒れて……運び込まれたのか
 情けない
 黒服に気づかれないよう、自嘲するように笑う
 よくよく見れば、黒服と少女のあの死体は、偽物であると気づけたはずだと言うのに
 気づかずに、勝手に絶望して、暴走して
 周りに迷惑をかけて……情けない
 もっと、しっかりしなければ
 能力だけじゃない…精神面も、もっと鍛えなければ

「本当に大丈夫なの?…顔色、悪いわよ」
「大丈夫だって」

 近づいてきた少女に、「日焼けマシン」の契約者はそう言って笑った
 大丈夫 
 そう、自分に言い聞かせるように


 一つ、絶望がトラウマを引きずり出す
 ずるり、ずるりと、過去の傷を抉り出す
 抉られた傷、どろどろぐちゃり
 その傷口をどうしよか?

 
70昨夜のネタの続き的なもの:2009/12/23(水) 19:57:18.36 ID:VWVoAKyO0
 −−大丈夫だ
 「日焼けマシン」の契約者は、自分に言い聞かせる
 あの過去の記憶は、自分にとってトラウマレベルのものではある

 …だが
 それがどうした
 自分のこの記憶など、生ぬるいのだ
 そう考えながら、はないちもんめの少女に視線をやる

 …彼女が体験してきた事と比べれば
 自分の体験など、生温い
 こんな記憶に引きずりまわされている場合ではないのだ


「…じゃあな、厨2病。迷惑かけた詫びに、今度好きな料理、作ってやるから」
「あぁ」

 じゃあな、と
 「日焼けマシン」の契約者は、黒服と少女と共に、ホテルを後にした
 その後ろ姿を見送って…………厨2病は、首をかしげる

「……「エリカ」って、誰だ?」

 そんな名前の女は、「首塚」にはいなかったような………?



 ……はらはら
 雪が降っている
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:01:26.37 ID:96LFze5z0
支援
72昨夜のネタの続き的なもの:2009/12/23(水) 20:06:56.76 ID:VWVoAKyO0
 その雪に釣られるように、空を見上げると

 ……サンタとミニスカ天使と全裸マッスル兄貴と言う地獄絵図が

「…なぁ、黒服」
「見なかった事にしておいてください。三分の二は「組織」の責任ですので」

 …かすかに頭痛を感じたように、黒服は呟く
 一般人には見えない状態にしているとは言え、頭上の光景はあまり認識したくないものだ

「まったく…クリスマスだって言うのに、物騒ね。この街は」

 少女が、深々とため息をつく
 …どうやら、あのサンタによる精神的被害は、あちこちで出ているらしかった
 ……あのサンタクロースめ
 今度目の前にきたら、問答無用で焼く

「あなたも、もう少ししっかりしなさいよ?」
「……あぁ、わかってるさ」

 少女の言葉に、「日焼けマシン」の契約者は頷く

 見せ付けられた、偽物の死体
 二人の、悲惨な未来
 ……あんな未来は起こさせない
 自分が守ってみせる
 二人を、血にまみれさせはしない

 ……かつてのトラウマを振り切るように、「日焼けマシン」の契約者はそう誓うのだった
fin
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:08:12.09 ID:VWVoAKyO0
昨夜の終わり方だと色々投げっぱなしなので落ち着かせておいた
クリスマスイブ、この三人はこれ以降事件に巻き込まれない……と、いいね!
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:17:21.57 ID:pD2D116MO


今や学校町の制空権がカオスなことになってるようで
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:21:27.49 ID:ZisOtV6a0
てすと
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:22:55.00 ID:VWVoAKyO0
>>75
おめ!!
モンスの天使の一人をお持ち帰りしていいぞ!!
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:25:27.99 ID:96LFze5z0
乙です!
チャラ男の過去になにやら影が
そしてこっち人いねえww
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:33:46.79 ID:VWVoAKyO0
>>77
>チャラ男の過去になにやら影が
高校の頃に失恋してますから、あいつ

>そしてこっち人いねえww
師走の忙しさと冬休み時期の規制と言う奴よ…!!
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:49:21.52 ID:i/K06wKD0
>「見なかった事にしておいてください。三分の二は「組織」の責任ですので」
どちらかというと、1/3はサンタの責任、1/3は「組織」の責任、もう1/3は禿単独の責任だと思うんだがwww
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:00:03.60 ID:VWVoAKyO0
>>79
>どちらかというと、1/3はサンタの責任、1/3は「組織」の責任、もう1/3は禿単独の責任だと思うんだがwww
禿は「組織」所属→その禿が問題起こしている→「組織」の監督不届き→「組織」の責任
黒服D「…やはり、三分の二が「組織」の責任ですね」
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:14:59.55 ID:i/K06wKD0
監督不行き届きといっても、あの禿を監督できる奴が組織にいるのか…?
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:24:28.45 ID:VWVoAKyO0
>>81
…禿の上司!!
禿に上司はいないのか!?

いや、いたとしても監督できなさそうだけど
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:41:45.54 ID:VWVoAKyO0
ネタ待ち保守
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:45:56.93 ID:RMefu2waO
>>82
上司も筋肉だったらどうしようか



課題なかなか進まね
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:02:34.83 ID:i/K06wKD0
保守
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:10:17.27 ID:VWVoAKyO0
>>84
上司も禿と同類だったら最早上層部に賭けるしかないじゃないかwwwwwww
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:30:57.29 ID:VWVoAKyO0
ひといねぇ!
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:36:10.91 ID:VWVoAKyO0
避難所にまだ代理投下されてないネタあったんで代理投下開始ー
途中でサルったら御免
89笛 (代理):2009/12/23(水) 22:38:35.59 ID:VWVoAKyO0
【電磁人の韻律詩9号〜surface?〜】

明日真は高校生だ。
1年D組で風紀委員をつとめている。
一応は不良のくせに風紀委員なんて矛盾している気もするが仕方がない。
彼は風紀委員としては真面目な方でサボリガチな委員が多い中そこそこ仕事をしていた。
「という訳で服装検査が来週から有るから注意な。
 お前らも学校の僕として推薦や教師の心証を良くする為に周囲の人間を売ってでも教師共にこびを売るように。
 それでは今日の風紀委員はお終い、解散!」
「うぃ〜っす。」

ぶっちゃけた話。
風紀委員は嫌われ役だ。
風紀委員なんてやっている人間は学校でも周囲の輪から外れているか外される。
そうなれば風紀委員同士で固まるしかない。
故に風紀委員同士のつながりは強い。
そして教師の心証が元々よい生徒はわざわざ風紀委員に入ってまで点数を稼ぐ必要がない。
結局、この学校の風紀委員は不良だが学校には普通に通っていられる人間のたまり場になっていた。
そう、たとえば明日真のような人間である。


90笛 (代理):2009/12/23(水) 22:39:52.96 ID:VWVoAKyO0
「おい明日。」
「なんすか坂本サン。」
彼に声を掛けたのは風紀委員長の坂本だ。
風紀委員としては真面目だが少々変人だと学校中には知られている。
「いや、最近お前を街で見かけないなあと思ってよ。
 この前の事件があったクラブに居たって聞いているけど?」
「その日は休んでいたんですよ。そしたらあそこでガス爆発事件でしょう。
 やっていられない………。」
「ふーん……、それなら良いんだ。」
「用がないならもう帰りますよ?」
「あ、ああ良いぜ。しかしおかしいな……。」
何やらブツクサブツクサ言っている委員長。
明日はその様子が何故か気にはなったが恋路のことを考えると早く家に帰りたいと考えて居た。
何故なら彼の家には、彼の姉が帰って来ていて恋路と壮絶な戦いを(昨日から)繰り広げているのだ。
流石にそろそろ彼が帰って恋路に加勢しないと勝負に決着がついてしまいそうだった。
正直、同じくらい帰りたくないと思っていた。


91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:42:05.97 ID:96LFze5z0
しえ
92笛 (代理):2009/12/23(水) 22:42:57.91 ID:VWVoAKyO0
彼は学校からの帰途、恋路の為にお団子を買って帰ることにした。
彼女は普通のこしあんが好きというのだがちょっと贅沢にスペシャルこしあんを買うと素直に喜ぶ。
そういう彼女の喜んでいる姿を見るのが彼の喜びでもあった。
「すいません、雪見おはぎとスペシャルこしあん下さい。」
「は〜い。あら、あのお姉ちゃんは?」
「ああ、恋路なら家でお留守番じゃないですかね。」
「そうなの?残念だわぁ……。」
「今日は姉も帰ってきているんですよ。」
「まぁ!晶ちゃん大きくなったでしょう?」
「そうですね、更に手が付けられなくなりました……。」
「え?」
「いや、なんでもないです。」
「そう、それじゃあお団子ね。」
「ああ、はい。」
明日はお代をキッチリ渡すと団子屋さんを出て行った。
明日真は子供の頃から姉である明日晶にいじめられていた。
おやつを奪われ、おもちゃを壊され、文句を言えば殴られた。
それは彼が大きくなってからも変わらず、反抗するとわりと遠慮無く殴られた。
実際の所、晶はとてつもなく手加減をしているのだがそんなこと真に関係はない。
そんな姉を見て彼は正義の味方になると決意したのである。


93笛 (代理):2009/12/23(水) 22:43:57.39 ID:VWVoAKyO0
彼は団子を買って家に帰ってきた。
恋路と晶は今朝と同じように肉弾戦を続けているのだろうか?
と半ば脅えながらの帰宅であった。
しかしそれにしては妙に家が静かである。
「もしかして決着がついた………?」
どちらかが死んでいるかもしれない。
それは洒落にならないなあと思いながら彼は扉を開けた。
「ただいm………。」
「お姉様、お茶でも淹れましょうか?」
「あら、恋ちゃんに働かせたら悪いわ!真の面倒見てくれていたんだもの!」
明日真は言葉を失った。
今朝まで本気で殴り合っていた女性二人が楽しそうにお茶を飲んでいるのだ。

「あの、二人とも………。」
「なぁに真?」
「どうしたんだいアスマ?」
「一体何が起きたのデセウカ?」
「仲直りしたのよ。殴り合いは究極のコミュニケーションツールじゃない?」
「本当に、話せば解るものだよね。」
ポスン
とりあえず二人に買ってきた甘味を渡す。

トテトテトテ……
「どうしてこうなった?」
明日真は買ってきた団子を二人に渡すと自分の部屋で頭を抱え始めた。

94笛 (代理):2009/12/23(水) 22:44:58.37 ID:VWVoAKyO0
遡ること数時間前
明日真が学校に向かってからのことである。
パチリ
パチリ
ほぼ同時に、死んだように眠っていた二名は目を覚ました。
「さて、決着つけましょうか?」
「望むところだよ。」
もはや真の存在とかそう言うことは完全に無視である。
恋路と晶は既にお互いが戦う為に戦っていた。
「戦慄のファーストアキラパァアアアアアアアアアアンチ!!」
「1200w、―――――――――――chin!」

バチィン!

「私に殴られて骨が折れないって……。そこの雌狐、人間じゃないね?」
「そういうお姉様こそマイクロ波を折り曲げるってどういうことでしょうか?」
「もしかして……」
「ああ、そうか。」

「「都市伝説と契約している?」」

ここで始めて二人の意見が一致した。


95笛 (代理):2009/12/23(水) 22:45:49.00 ID:VWVoAKyO0
「新手の都市伝説か、ならば私も手加減する必要は無いか。」
「手加減?冗談、契約者ならこっちも力を出したい放題だ。」
まあ意見が一致したからと言って戦いが終わるわけではない。
「雌狐、貴方の都市伝説は電子レンジね?」
「そういうお姉様は電磁波動かしたり自分を動かしたり“動かす”都市伝説ですかね?」

恋路の足払いが晶に襲いかかる。
晶はそれに足を取られておもいきりこけるが身体を念動力で支えて逆に恋路を殴りつける。
「死ねえええええええ!!!」
「やらせるかああああああああ!」
ペキ
しかし恋路はあえてそれを腹に受けてそのまま左腕の関節を極める。
恋路はそのまま晶に馬乗りになりながら殴り続けようとする。
「まるで自分が真の傍に居るのが当たり前みたいな顔してるんじゃねえぞ!」
ゴキッ!
しかし殴り合いでは晶の方に一日の長があるらしく今度は恋路が真上に殴り飛ばされる。
「アスマが寂しい時に傍に居なかったのはどこのどいつだ!」
ビシャ!
マイクロ波による攻撃で晶の腕の表面が炸裂する。
鮮やかな血の色がリビングを染め上げる。


96笛 (代理):2009/12/23(水) 22:47:02.38 ID:VWVoAKyO0
「ちっ、出力上げて来やがった!こっちも手加減しないよ!
 真は私が一番傍に居てあげていたんだよ!」
晶の周囲の家具がふわふわと持ち上がる。
「私の都市伝説『超能力(サイコキネシス)』で叩きつぶしてあげる!」
晶が胸の前で手を合わせると光がわずかに屈折して刃のようなものが見え隠れする。
「これからは私がアスマと一緒に居るって決めたんだ!」
恋路が右手を空に掲げると右腕が赤く強く煌めき始める。
叫んだのは同時だった。
「「この一撃にかける!」」


「――――――――――零式斬艦刀!」
「爆熱、マクロフィンガアアアアアアアアアアア!!!!」



――――――――――――カッ!

世界中を白く染め上げる光が学校町を包む。
その光が無くなってから目を開けると、明日家の家屋は瓦礫の山に変化していたのであった。


97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:47:24.60 ID:96LFze5z0
しえーん
98笛 (代理):2009/12/23(水) 22:48:29.33 ID:VWVoAKyO0
「ちっ、出力上げて来やがった!こっちも手加減しないよ!
 真は私が一番傍に居てあげていたんだよ!」
晶の周囲の家具がふわふわと持ち上がる。
「私の都市伝説『超能力(サイコキネシス)』で叩きつぶしてあげる!」
晶が胸の前で手を合わせると光がわずかに屈折して刃のようなものが見え隠れする。
「これからは私がアスマと一緒に居るって決めたんだ!」
恋路が右手を空に掲げると右腕が赤く強く煌めき始める。
叫んだのは同時だった。
「「この一撃にかける!」」


「――――――――――零式斬艦刀!」
「爆熱、マクロフィンガアアアアアアアアアアア!!!!」



――――――――――――カッ!

世界中を白く染め上げる光が学校町を包む。
その光が無くなってから目を開けると、明日家の家屋は瓦礫の山に変化していたのであった。


99笛 (代理):2009/12/23(水) 22:51:02.32 ID:VWVoAKyO0
「はぁ……、はぁ……。」
肩で息をする両者。
額からツゥ、と血を流す恋路。
服(とくに胸の辺り)がちぎれて露出してしまっている晶。
どちらもこれ以上の戦闘は不可能だと感じていた。
「まぁ、その、なんだ。弟を世話していてくれてありがとう。」
先に口を開いたのは晶だった。
何を思ってそう言ったかは解らない。
だが明日晶がある種の感謝のような感情を恋路に抱いているのは事実だった。
「えっと、いや、そんなお礼を言われるようなことは……。
 良ければ、お礼の代わりにアスマの子供の頃の話とか教えて下さい。」
恋路の方も恋路の方でこれだけ戦うと相手に対して妙な親しみがわいていた。
どちらからともなく二人は笑い始めていた。
しかし幾ら笑っていたところで家は直らない。
「お姉様、……どうします?」
「任せてくれよ恋ちゃん。サイコキネシスは便利なんだぜ?」
バラバラになった家が物凄い勢いで組み立て直されていく。


100笛 (代理):2009/12/23(水) 22:52:02.23 ID:VWVoAKyO0
その様子を恋路はポカーンとしながら眺めていた。
「ああ、そうだ。
 私が都市伝説と契約しているのは真に言わないでくれ。
 あいつに余計な心配を掛けたくはない。」
家が直ると晶は恋路にお願いをした。
「わかりました。それじゃあ黙っておきます。」
「ありがとう。超能力を使うと腹が減るんだ。
 家の中でお茶でも飲むかい?」
「じゃあ私が淹れますよ。」
「え〜、悪いねえ。」
二人は家の中に入っていった。
明日真が家に帰ってくる数時間前のことである。

【電磁人の韻律詩9号〜surface?〜 fin】


101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:53:43.83 ID:RMefu2waO
>>86
禿のゴリマッチョに対抗して
良識ある細マッチョをだしたらバランス取れるんじゃね




最悪、課題は途中のまま出すか
102ドクターとバイトくん@聖夜の客人 (代理):2009/12/23(水) 22:53:52.73 ID:VWVoAKyO0
「日本という国は人口密度的な問題では欧州や南米とは比べ物にならなくて」
「はい」
「つまるところ視界を遮ったり空間を詰められたり足を急かされたりする状況が非常に多く」
「はい」
「小官もできうる限り最大限の努力を以って行軍を続けたのでありますが」
「はい」
「その、えーと……駅の人混みでつい手を離してしまって、ちみっこいあの子の追跡は非常に困難で」
「はい」
「……なんというか、えー、小官の不注意ではなく地理的条件が原因かと」
「お姉(ねえ)、軍法会議の場でしたら即刻射殺ですよ?」
非常におどおどとした態度で状況を説明するツーテールの少女に対し、大きな三つ編みを下げた同じ顔の少女が笑顔で告げる
「あの少女の移送はドクターからの依頼です。『総統』直属の医務将校にして、日本支部の目標を担う御方ですよ? それに失敗ぶっこいておいて今のような言い訳をして通るとお思いですか、お姉?」
「あ、いや、ドクターは小官には割と優しいから大丈夫かなーと……」
「でしたら、私が『厳罰に処する』ように進言して差し上げます。一晩中ねっちりたっぷりと優しくして貰えますよ?」
その言葉に、お姉と呼ばれているツーテールの少女が顔を真っ赤にして身を竦める
「私達が今やるべき事は、それがドクターに露見する前にあの少女を発見、保護する事ですよね?」
「も、ももも、勿論であります!」
「だったらキリキリ動きましょうね、お姉?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
「幸いにしてクリスマスであちこち浮かれた雰囲気のようです。少女が一人でうろついていても不審ではないでしょうし警察などの厄介にはならずに済みそうです」
三つ編みの少女はそう言うと、ツーテールの少女の手を引いてさっさと歩き出す
「都市伝説だらけの町とは聞きますが、流石に表沙汰になっているものは少ないでしょう。あの子が何か騒ぎを起こせばすぐに」
その視界の先、遥か上空で
無数のサンタと
無数の天使と
無数の全裸兄貴が
激しい空中戦を繰り広げており
「………………」
二人の『エニグマ暗号機』の能力はそれを何かの暗号かと誤認知して、同時にオーバーフローを起こしてぶっ倒れていた
103ドクターとバイトくん@聖夜の客人 (代理):2009/12/23(水) 22:55:13.01 ID:VWVoAKyO0
―――

一方その頃
「……今度は誰よ」
焚き火の灯かりにつられるように、ふらふらと現れてちょこんと座り込む金色の毛玉、もとい金髪の少女
「――――――」
何か言っているようだがどうやら外国語の上にぼそぼそとしか喋らないのでさっぱり理解できない
ただ暖を取りたいだけなのだろうという様子だけは伝わってくる
特に何をするでもなく焚き火に当たっている年下の外人少女、『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の契約者
「勝手にしなさいよもう」
ぱちぱちと火の粉が爆ぜる音と
「くしゅんっ!」
「くしゅっ!」
同時に出るくしゃみ
「言葉は違っても、こういうのは一緒よね」
「――――――?」
言葉が通じない二人の間には、会話も無く
町のあちこちが騒がしい中
ただ、静かに時間だけが流れていった



来訪させる予定だった面々をどさくさに紛れて放り込んだ
時間的にはマッド編が終わってからだけどクリスマスネタに紛れてるからいいよね!

・今後の予定
『エニグマ暗号機』姉妹は少女を探して町をうろうろします
少女が見つかるまでは安ホテルを拠点に、町の都市伝説の奔放っぷりに翻弄されています

『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の少女は、『顎砕き飴』の契約者が焚き火を消せば、ぺこりと頭を下げて町のどこかへふらふらと消えていきます
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:56:17.16 ID:96LFze5z0
代理投下乙です!
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:00:59.24 ID:VWVoAKyO0
支援感謝
よし、まだ起きてる人いるみたいだし、寝る前にあと一つくらい書いて投下するかな…

>>101
>良識ある細マッチョをだしたらバランス取れるんじゃね
良識ある人が禿の上司……だといいなぁ


過大を途中で投げ出しちゃらめぇ
106怪盗「ミニスカサンタ」:2009/12/23(水) 23:04:04.77 ID:bL5NPlni0
今年もまた、年の暮れが近づいてきた。そして、『あの日』も―

此処はとあるビルの屋上。そこから街を見下ろすようにミニスカのサンタ服に身を包む少女。少女は高らかに謳う―
「…私の季節がまたやって来たわ!とうっ!」ドスーン!
「痛たたた……」
調子に乗ってビルから飛び降りたはいいが、勢い余ってバランスを崩して落ちた。お陰で腰を強打してしまった。
私はこの季節限定の怪盗、その名を「ミニスカサンタ」!怪盗、と言っても別に何処かから何かを盗んだりはしないわ!
子供達にプレゼントを渡して不の感情を『盗んで』いくから『怪盗』って言ってるだけなんだからね!?決して泥棒じゃないんだからね!?
「さあ、今年もサクッと終わらせましょうか!と思ったけど…」
空を見ると、正直目を覆いたくなる光景が広がっていた。何が悲しくて聖夜に全裸に羽が生えた筋肉ダルマを見なければいけないのだろうか。
「なんであんなものが空を舞ってるのよ。子供の教育上よろしくないでしょうがっ!!!」
その時、後ろに気配を感じた!振り返ると、そこには私と殆ど同じ格好をした(というか、違いはミニスカかズボンかであるが。)男が2人いた。
そいつらは開口一番「「メリークリスマスっ!」」と言って私の方に筋肉ダルマを送りつける。…成程、あいつらが今回の仕掛け人か。
「この私、ミニスカサンタの力を甘く見ないでよねっ!!!」パチンッ!
私は指パッチンで先程の二人組の眼前に迫る。急に近くまで来たものだから彼らは驚く。
「初めまして、そしてさようなら。」
そう言って2人の鳩尾に掌底をぶちかます。当然気絶する2人。それと同時に私の方に送られた筋肉ダルマも消え去った。
「全く…こんなのがサンタなんて私は認めないわよ!?じゃあ気を取り直していくよ!えーと…」ゴソゴソ
私はポケットから今年のノルマが書かれた紙を取り出す。さてと、どこから回ろうかな…
「最初は…ここかな?」
目の前に佇む一軒家。資料によると、そこには一人の少女が男二人と住んでいるらしい。
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:05:22.83 ID:VWVoAKyO0
おxっと支援
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:05:36.15 ID:bL5NPlni0
「そして袋の中身は…と、」
袋の中には既にラッピング済みの結構大きめの箱が沢山入っていた。それでも少し重くなったなー程度にしか感じないのがこのサンタコスのすごい所である。
たしか箱の中身は某カードゲームの最新版パック全種類一箱ずつだったっけな。…あれ?此処に住んでるのは『女の子』だよね?
…きっと男子ともうまくやっていける女の子に違いない。そう思いながら、
「おじゃましますよーっと…」パチンッ!
指パッチンで家の中に入り込む。さーてと、少女の部屋は何処かなー?とその時―
「他人の家に無断で入り込むたぁ、一体どういう了見だ?」
その声は後ろから聞こえてきた。あっれー?もしかして私見えちゃってる?今までそんな事はなかったのに!?
思わず後ろを振り向くと、そこには見た感じどう見てもチャラい兄ちゃんが敵意丸出しで睨みつけていた。話せば分かってくれるはず!そう思い、
「…わ、私は、み、みみ見ての通り、と、ととと通りすがりのただのサンタですっ!」
「…えーと、それは見れば分かる。一体何しに来たんだって聞いてんだ。」
「サ、サンタと言えばプレゼントですっ!此処に子供がいると聞いてプレゼントを渡しに来たんですっ!」
「プレゼント?」
「そ、そうです!クリスマスはもうすぐそこなのでちょっと早いかなとも思いながらこうやって馳せ参じた次第でありますっ!!!」
「はぁ…」
「そしてサンタと言えばプレゼントを渡す様を誰かに見られたくないものなのですっ!特に子供にはちらっと程度にしか見られたくないものなのですっ!」
「そ、そう力説されてもなぁ…」
「お願いです。今だけでも十分なので、子供達の夢の為に協力していただけませんかっ!」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:06:22.39 ID:bL5NPlni0
「…分かったよ、で、俺はなn」
「有難うございますっ!早速ですが、此処にいるらしき女の子の部屋まで案内していただけますか?」
「あ…あぁ、分かった。」
やっぱり話せば分かってくれた。この人は優しい人っぽい、見た目はチャラいが。
それよりも問題なのが、少女はちゃんと寝ているのだろうか?
いや、寝てるだろう。小学生がこんな遅くまで―現在時刻はPM10:30―起きてる筈がない。そう高をくくっていた。が―
「………」
…何という事だ。ターゲットと遭遇してしまった。こ、こうなったら!
「…あんたの後ろにいる女の人、いっt」
「メリークリスマスっ!!!」パチンッ!
私はその場にプレゼントを置いて即指パッチンで外に移動した。少女から見たら「サンタっぽい格好をした女性が居たと思ったらラッピングされた多数の箱を残して突然消えた」事になる。その後どうなったのかは私は知らない。だって知るのが面倒そうだもの。
「さ、次は何処へ行こうかしら…?」
怪盗ミニスカサンタは夜の闇へと消えていった…
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:08:43.04 ID:96LFze5z0
ミニスカしえん!
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:08:44.89 ID:VWVoAKyO0
そう言えば、これが24日の早朝ならともかく、25日に入っていたら…サンタ相手のチャラ男たちの警戒度は上がっていたところだな支援
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:10:35.89 ID:bL5NPlni0
怪盗ミニスカサンタが街中うろつき始めました。
そして、チャラ男とはないちもんめの少女お借りしました。全裸で雪に埋もれながら土下座ですっ!

とりあえず、ミニスカサンタについては放流するんで、彼女からプレゼント貰いたい方でも、「ピー」したい方でも使っちゃって構いませんw

じゃあおやすみー
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:18:22.19 ID:VWVoAKyO0
ミニスカサンタ乙
あぁ…学校町のクリスマスがさらにカオスにwwwwwwww
そう言えば、クリスマスはハーメルンも事件を起こしていたようなwwwwwwwww
114ビター・スウィート・ビターポイズン:2009/12/23(水) 23:21:19.12 ID:VWVoAKyO0
【アニマル・ポイズン】




 人間、誰しも嫌いな物、苦手な物は存在するだろう
 そんなもの全くない、と言う人間は希少であると言える
 普通なら、誰だって苦手な物の一つや二つ、存在するのだ

 …ただ苦手、嫌い、なだけなら、まだいいだろう
 しかし、それが恐怖症レベルまでくると、厄介だ
 その対象は、その人物にとっては恐ろしい「毒」となりうる
 恐怖症を抱く対象との接触が原因で、心臓麻痺を起こす可能性だってありうるのだ
 そんな物を抱えている相手を殺す為に、その相手だけに効く毒となりえてしまう
 まったく、厄介な物である

 ……実は、この俺、祐樹 ペリシャにも、そんな恐怖症がある
 それは、普通に生活していればめったに遭遇しないものであるから、あまり問題がないのが幸いである
 都市伝説契約者として世界中を回っている間に、何度か遭遇してはしまったが…幸い、何とかなってきた
 これからも、都市伝説契約者として生きている以上、それらに遭遇する事があるかもしれない
 それは、俺にとって毒となりうる、恐ろしい存在だ
 できることならば、それと遭遇したくないものだ
 俺はいつでもそう願ってはいるのだが…

 この街は、それを許してくれないらしかった




「祝福の鐘よ鳴れ 鳴り響きしその音は 世界中を祝福し ……」
115ビター・スウィート・ビターポイズン:2009/12/23(水) 23:23:35.95 ID:VWVoAKyO0
 12月24日
 朝早く、祐樹は店の前の雪かきをしていた
 今回、ククージィが始めた店は、祐樹があまり手伝い出来そうにない店だ
 だからせめて、雪かきくらいはしなければ
 いつも通り、即興の詩を口ずさみながら作業をしていく
 そうやって、雪かきが大分進んだ時だった

「−−−−メリークリスマァス!」
「っ!」

 かけられた声に、警戒体勢を取る
 そこにいたのは…サンタクロース
 赤い衣装を着ているところを見ると、ブラックサンタではなさそうだ
 しかし、血塗れサンタの可能性はある

「……誰だ」
「良い子にはプレゼントを!」

 サンタクロースが袋を開ける
 そこから飛び出した、それに


 祐樹は、盛大に悲鳴を上げた


「−−−−−−祐樹!?」

 家の中で、朝食の準備をしていたククージィ
 己の契約者の悲鳴に、外へと飛び出す
 店の前で雪かきをしていたはずの祐樹
116ビター・スウィート・ビターポイズン:2009/12/23(水) 23:25:07.89 ID:VWVoAKyO0
 ククージィが飛び出した時、そこには

「………おや」

 きゅう
 ものの見事に気絶している祐樹と
 その祐樹の胸元にちょこんと腰掛

「しゃぎゃー」

 と、鳴き声をあげている、子ライオンの姿があったのだった




 −−−−−−そうだ
 俺は、どうにもライオン、と言う生き物が苦手なのだ
 子供であっても、苦手だ
 他の猫科の生物は平気だが、ライオンだけは駄目なのだ
 原因は自分でもよく覚えていないが、確か、幼い頃、施設の中でつけっぱなしだったテレビで流れていた、ライオンが人間を襲い、食べていく映画が原因なのではないかと思う

 …とにかく
 俺は、ライオンだけがどうしても駄目なのだ
 だから、俺は願わずにはいられない

 …ライオンの姿をしたビター・ポイズンに出会うことがありませんように、と



fin
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:26:28.73 ID:VWVoAKyO0
寝る前にぽいっとな
恐怖のサンタを死なせてばかりだったので、きちんと成功させてみた


そしておやすみなんだぜー
明日もスレが残っていてくれれば幸せだ!
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:35:56.34 ID:96LFze5z0
乙です!
かわいい弱点だww
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:57:26.08 ID:96LFze5z0
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 00:22:15.59 ID:TkLjRGLX0
>>116
この子ライオンが今後どうなるのか……。
やっぱ、動物園いきかな?
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 00:23:47.98 ID:cQXCTBvZ0
>>120
取り出したサンタがどっかで気絶すれば消えるんじゃね?
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 00:24:22.17 ID:2SUuZZPl0
>>120
記述的に偽物じゃあないんだよな〜なんて迷惑なプレゼントだwwww
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 00:39:13.80 ID:ChaLBzJ0O
ねるほ
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 00:55:20.45 ID:riOd7m740
今日こそは・・・今日こそは落とさせんぞっ!
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 01:14:45.87 ID:2SUuZZPl0
24日か〜
126鏡合わせのアクマ〜クリスマス編〜:2009/12/24(木) 01:35:23.87 ID:cQXCTBvZ0
「・・・うー、寒いわねー」
「冬だからな。そういや、今晩から急激に冷え込むんだったか?」
「あー大雪になるとか言ってたわね・・・」
クリスマス・イヴの朝・・・××と姫さんは路上を歩いていた。
「というか、どうしてもダメ?ミニスカサンタ」
「当たり前だ。見てるこっちが寒くなるわ!」
「ぶー!せっかく衣装とかも縫ってフル装備作ったのに」
「よく出来てるよね、それ」
「アクマもそう思う?ねー、パーティの時だけでいいから・・・」
「ダメだ。そんなにもったいないなら誰かにあげて使ってもらえ」
「あ、それ名案」
などと会話していた二人の前に、横道から誰かが立ちふさがった。
「え?サンタクロース??」
「おい、こいつ都市伝説・・・」
「メリークリスマス!!」
赤いサンタ服を纏った男が、背負った袋から何かを地面に放り出す。

―――それは、血塗れの惨殺死体となった××の妹で

「ッ?」
「許さないわ・・・」
瞬きをする間に、姫さんはサンタ男の右腕に組み付いて
ゴキリ、と一瞬の躊躇もなくへし折った。
「――ギャアアアアアアアア!!?」
展開の速さについていけなかったサンタ男が、痛みで絶叫をあげる。
左腕で振り落とそうとするが、既に彼女は離れており・・・
「お前の罪を、数えろ!!」
そんな台詞が聞こえたと同時に頭に衝撃が訪れ、
サンタ男の意識は瞬時に刈り取られた。
127鏡合わせのアクマ〜クリスマス編〜:2009/12/24(木) 01:36:04.42 ID:cQXCTBvZ0
「・・・ほんっと悪趣味ね。偽物でよかったわ」
「つか本当に妹が殺されたら、俺は自殺するんじゃないかと思う」
「あはは、それはないわね。妹ちゃんはアンタより長生きしそうだもの」
「だよなー」
「ねぇ」
アクマが二人に声をかける。
「あのサンタ、放っておいていいの?」
「あれは倒すだけ無駄。たぶん、契約者をなんとかしないと無限増殖よ」
「ゾッとしない話だ・・・」
「あ、それじゃあ私は一度家に帰って準備してくるわね」
「・・・・・・なぁ、本当にうちに泊まる気か?」
「勿論」
「・・・あ、うん。もういい、諦めた」
「賢明な判断ね」
鼻歌混じりに去っていく姫さんの背中を見て、××はため息をついた。
「パーティーの後にお泊り会?どこの小学生だよ・・・・・・」
ぶつぶつと文句を言いながら、彼はスーパーへと急いだ             to be......
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 01:41:36.18 ID:cQXCTBvZ0
眠くて後半を投げた・・・もっと練るべきだったか、だがあえて私は寝る。
俺・・・夕方にパソコン使えたらさらにクリスマス編書くんだ・・・・・・おやすみなさい。
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 02:09:48.07 ID:2SUuZZPl0
乙です
いかん、エロいのの後にこの展開は……いかん!!
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 02:17:11.66 ID:MFGJ3sYzO
課題終わた
ごちゃごちゃ
寝るほ
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 02:55:12.35 ID:2SUuZZPl0
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 04:13:34.56 ID:TkLjRGLX0
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 05:45:33.37 ID:jpec20Y/O
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 06:36:45.20 ID:7PyW1q6QO
おはほ
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 07:13:04.87 ID:a9hV8KHiO
残ってたほ
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 08:19:04.23 ID:MFGJ3sYzO
バスほ
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 08:37:25.58 ID:2SUuZZPl0
おはようほ
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 09:07:32.25 ID:MFGJ3sYzO
電車乗り遅れたほ
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 09:53:14.18 ID:2SUuZZPl0
どんまいほ
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 10:04:58.83 ID:NWXAq/TJ0
おはよう
合わせ鏡のアクマの人乙!!!


子供ライオンは……多分動物園で保護、かな?
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 10:19:20.97 ID:2SUuZZPl0
本物なのかwww
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 10:22:00.62 ID:NWXAq/TJ0
本物だよ!!
どっから拉致られた子か知らないけど本物のライオンだよ!
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 10:37:46.39 ID:NWXAq/TJ0
お昼ご飯過ぎにスレが残っていたら何か書く
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 11:48:08.09 ID:jpec20Y/O
ほし
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 12:18:53.34 ID:ChaLBzJ0O
ららら
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 12:23:49.05 ID:7PyW1q6QO
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 12:43:41.43 ID:dzQ1wFHi0
ごちそうさま
餅が美味いぜ!
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 12:59:41.26 ID:MFGJ3sYzO
>>147
年に何人もの命を奪っている、あの「餅」を喰った……だと……!
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 13:01:44.63 ID:dzQ1wFHi0
>>148
油で揚げてチーズで挟んでウマー
カロリー?何それ美味しいの??
150クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 13:08:39.42 ID:dzQ1wFHi0
 控え室で、化粧と衣装を調える
 出番までは先ではあるが、今からきちんと、準備をしておかなければ
 先輩のディナーショーに出演させていただくのだ
 失礼があってはいけない

「…やぁ、綺麗になったね」
「ありがとうございます」

 先輩である大物歌手に、彼女は丁寧に微笑みかけた
 今夜、彼のクリスマスディナーショーで、彼女も少し歌わせてもらえる事になったのだ
 仕事をくれた先輩に、感謝しなければ

「しかし、良かったのかい?クリスマスなのだから、予定の一つや二つ、あったんじゃないのか?」
「いいえ。むしろ、お仕事を探していましたから」

 くすり、彼女は微笑む
 「組織」からの仕事の依頼もないし、暇だったところだ
 一人寂しいクリスマスより、仕事の方がずっといい

「君なら、恋人くらいいてもおかしくないと思うのだがな…周囲には、女性を見る目のない男が多いらしいな」
「あら…そんな事はありませんわ」

 お世辞が上手、と彼女は笑う
 きらり、彼女の胸元で、美しい首飾りが揺れる

「おや、それは…」
「今朝、プレゼントで頂きましたの」

 彼女のその言葉に
 大物歌手は、何やら納得した様子で
151クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 13:12:00.67 ID:dzQ1wFHi0
「…なるほど、お相手はクリスマスでも仕事で忙しい、といった様子か?」
「えぇ、あの方は、いつだって忙しい方ですから」

 …それでも
 自分に、このプレゼントを贈ってくれた
 彼女は、それだけで満足なのだ
 黒服Hが、自分を気にかけてくれている

 −−−ただそれだけで、彼女にはこの世に生きる理由ができる

「はは、そのお相手に一言申し上げたいものだ。こんな美人をクリスマスに放っておいては、誰かに取られてしまうぞ、と」
「あらあら…」

 くすくすと、彼女は笑う

 …きっと、この人は、この首飾りを送った相手が、彼女の恋人であると、そう考えているのだろう
 しかし、彼女は知っている
 この首飾りを送ってくれた黒服Hにとって、自分はそう言う存在ではないだろうと
 むしろ、彼が恋をする事など、あるのか?
 かつて、大切な人を失い、その拍子に心を壊してしまった彼が…今更、誰かに恋愛感情など抱くのか?

 きっと、自分は恋愛感情を抱かれてはいないだろう
 だが、それでもいいのだ

 ほんの少し、気にかけられるだけでいい
 ただ、ほんの少しでも、彼の役に立てればいい

 −−−−−−ただ、それだけが、彼女がこの世に生きる理由なのだから

fin
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 13:13:14.07 ID:dzQ1wFHi0
以前、三面鏡の少女が「黒服Hと呪われた歌の契約者は付き合っているんじゃないか」的な事を考えていたみたいなので、そこら辺についてとか
黒服Hは呪われた歌の契約者を大事にしてるけど、恋愛感情はない
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 13:37:12.82 ID:dzQ1wFHi0
154恐怖のサンタ 【サンタはマ神を望みけり】 (代理):2009/12/24(木) 14:03:46.00 ID:dzQ1wFHi0
12月24日 某時刻

 サンタたちの潜む廃ビルの、とある一室。
 電気の供給など既に断たれたはずのその部屋は、しかし煌々と照らし出されていた。
 その光源となっているのは、部屋の天井に張り巡らされた無数の照明と……部屋の中央に鎮座する、巨大なスクリーン。
 そのスクリーン上には、学校町全土の地図が映し出され、さらに幾つもの赤い点がその中を動き回っていた。
 スクリーンの前ではその点と同色の赤い服を着たサンタたちが忙しそうに駆けずり回り、己が担当する「部隊」についての報告を逐次、行っている。

「サンタ1〜20、南区繁華街に到着! 現地宣伝用サンタの中へと紛れ込みを開始しました!」
「サンタ21〜40、同区商店街内に到着! 各店舗の開店と共に行動を開始します!」
「サンタ61〜80、学校町各小・中・高校付近に展開! 生徒が登校するまでの潜伏に入ります」
「西区、東区にも同様に展開中! 順調に陣を整えています!」
「サンタ遊撃隊、学校町全域に展開完了! 『プレゼント』を開始しました!」

 …………その喧嘩から離れ、その場を一人眺めるサンタが、一人。
 サンタAと呼ばれるそのサンタは、飛び交う怒声と、スクリーンに映し出された地図を見て、満足そうに目を細めた。

「万事順調。これと言った問題もない……のだが」

 そう呟いて、彼はつっと部屋のある場所へと目を向けた。
 その一角、照明の光の届かない部分に置かれた、小さなソファー。
 その上で丸くなっている男を見て、サンタAは小さくため息をついた。

「……元気を出して下さい、契約者」


155恐怖のサンタ 【サンタはマ神を望みけり】 (代理):2009/12/24(木) 14:04:55.13 ID:dzQ1wFHi0
 サンタAの言葉に、しかし男は何も答えない。
 そのままさらに丸くなった男はさめざめと泣きながら、うわ言のように何かを呟いていた。

「何故血濡れのサンタじゃないんだ…………なぜ恐怖のサンタなんだ…………」

 それを見て、契約者から一時的に指揮権を預かっているサンタAは、一層深いため息をついた。
 何か対策を講じるべきか……?
 そんな事を考え、しかし彼はすぐに首を振った。
 ……今は契約者よりもこの状況、だ。
 そして、そんな彼の考えに呼応するかのように――――

「……緊急報告! 南区で行動していた遊撃隊員、サンタ238が消滅! ほぼ同時に、周辺にいた遊撃隊メンバーも続々と消滅していきます!」

 画面を見ていたサンタの叫びが、室内へと響き渡った。
 その叫びの最中にも、画面から赤い点が消え、何か別の白い点へと塗り替えられていく。

「……始まったか」

 その状況を見て、しかしサンタAは慌てなかった。
 ……元々この町にはただでさえ都市伝説が多いのだ。
 それだけに「組織」の目も当然、それ相応の厳しさを持っている。
 大量の空飛ぶサンタなど、すぐに駆られる対象となった事だろう。
 ……しかしそれを知っているからこそ、サンタAは冷静に支持を出していく。

「近辺にいる遊撃隊に戦闘の開始を伝え、隊員全てを戦場へ向かわせろ! 戦況を見て本部(ここ)からも援軍を出す!」
「はっ!」
「これから向かう遊撃隊に伝えておけ! もし足止めすらできないようなら即座に『煙突飛行』を使って退却しろ! 敵はあくまで学校町中のカップルであり、『組織』にそこまでの戦力は裂けん!」
「了解致しました!」

 敬礼し、連絡室へとサンタが一人向かう。
156恐怖のサンタ 【サンタはマ神を望みけり】 (代理):2009/12/24(木) 14:06:06.61 ID:dzQ1wFHi0
 その後ろ姿を少しの間サンタAは見送り……その姿が扉の外へと消えるのを見ると、視線をスクリーンへと移した。
 最初の死亡者が出てから数分。
 たったそれだけの時間で、スクリーン上の赤い点は大分その数を減らしていた。

「……やはり直接的な攻撃力を持たないサンタには限度がある、か…………」

 そう言うサンタの顔には、しかし全く落胆の色がない。
 今、スクリーンを見ている彼の関心は遊撃隊ではなく、全く別の部隊にあった。
 その部隊は、この2日間の戦争に勝利するため編成された、特別部隊。
 今の彼らの主戦力、偽兄貴に欠けた「何か」を見つけるべく、今この時も彼らは学校町中をある神を求めて探索を続けているはずだった。
 ……その部隊、サンタたちの全ての希望と夢の詰まったその名は――――

 「マ 神 捜 索 隊」

 彼らに課せられた使命は二つ……マ神を見つける事、そしてその身体情報を本部へと伝える事である。
 サンタAは、彼ら、たった一つのミスが(貞操の)死を意味するその任務へと着いた者たちに小さく祈り

「マ神のデータを手に入れ、それを元に偽のマ神を製造できさえすれば……」

 次々と減っていくサンタの点を見て小さく、呟いた。

「――――この戦争、俺たちの勝ちだ……!」




【続(?)】


157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 14:08:14.34 ID:dzQ1wFHi0
代理投下したわけですが、マ神……すなわち禿が狙われている、だと……!?
(貞操の)死を意味するに噴いたwwwwwwwwwwwwwwwww
158恐怖のサンタ 【サンタはマ神を望みけり】 (代理):2009/12/24(木) 14:10:49.49 ID:dzQ1wFHi0
モンスの天使に襲撃された時間のサンタ視点
2日間の勝利を手にするため、彼らは「マ神捜索隊」を結成しました。
各区に20人、5人1組で彼らは行動しています。
もしマ神を発見した場合、彼らは決して攻撃はせず、土下座をして「鑑賞させて下さい!」とお願いする事でしょう。
OKが出たら泣いて喜び、拒否されたらむせび泣きながら立ち去ります。
なお、彼らは全員老人ではなく、兄貴に劣らぬガチムチの身体を持ったサンタ達で構成されており、彼ら製造の兄貴を数体持参してマ神へと嘆願する予定です。
彼らをどうするかははないちもんめの方にお任せいたしますー。
ちなみに、もしマ神鑑賞に成功した場合、サンタのプレゼントの中に姿形、及びその声や兄気に至るまでの全てを完全再現した偽マ神が追加されます。

159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 14:23:43.75 ID:dzQ1wFHi0
一応、これも転載しておきますねっと


本スレ>>120
>>142にあるように本物だと思います。
サンタの袋内には転送的な能力っぽいものがあり、動物園からライオンの子どもを袋の中へと強制転移させることが可能です。
だからサンタが気絶しても消えないまごう事なきライオンの子供ですよー!
ちなみに、兄貴や死体のようなどこにもない(兄貴の場合は操りきれない)物なんかはサンタが製造している為、製造したサンタの死亡と共に消えます
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 14:44:35.90 ID:dzQ1wFHi0
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 15:06:31.72 ID:dzQ1wFHi0
162クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 15:20:03.80 ID:dzQ1wFHi0
 ほぅ、と吐き出す息が白い
 雪は朝から降り続けていて、やむ様子は見せない
 明日には、どれだけ積っているやら

「…に、しても」
「…どう言ったらええんやろなぁ」

 マッドガッサーと似非関西弁の女性は、そろって空を見上げ、微妙な気持ちになる
 サンタクロース、ミニスカ天使、全裸のマッスル兄貴
 何、このカオスな空、ふざけてるの?

「あのサンタは、さっき魔女の一撃契約者から連絡があった「恐怖のサンタ」だと思うんだが」
「一撃はん、大丈夫やろか?」
「…精神面がタフなようで脆いからな…まぁ、大丈夫だとは思うが」

 仲間を気遣いながらも、二人は街を歩いていた
 いつでも仲間たち全員一緒、と言うのもいいが…まぁ、イブの日くらいは、二人きりでいてもいいだろう
 ガスマスクも帽子も外しているマッドガッサー、その長い髪がゆらゆらと揺れる
 …マッドガッサー本人は、未だにこの素顔にコンプレックスがあるようだが、彼女はそうは思わない
 この素顔とて、彼の一部
 その全てが、愛しくてたまらない

「ん?どうした?」
「なんでもない」

 ぎゅ、と
 腕を絡ませ、似非関西弁の女性が笑う
 マッドガッサーも、釣られたように笑って…

163クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 15:21:47.33 ID:dzQ1wFHi0
「−−−メリークリスマァス!!」


 っざ!!
 二人の前に、サンタクロースが降り立った!

「…っち、来たか」
「邪魔せんといて欲しいんやけど」

 即座に警戒態勢をとる二人
 サンタが、袋を開けるよりも前に……マッドガッサーの顔に、ガスマスクが現れた
 周囲に人目は、ない
 遠慮なくいける!

「ちょっと下がってろ!」

 似非関西弁の女性を背後に庇うようにして…マッドガッサーの背中に、ガスタンクが出現した
 ガスマスクもガスタンクも、マッドガッサーの一部
 普段は身につけていなくとも、彼が望めばそれは即座に現れる
 サンタの袋から、黒い、蠢く何かが飛び出すよりも先に…ぶしゅううううううううううっ、と
 マッドガッサーは、即座に精製したガスを、サンタに吹き付けた!

「う……っこ、これは…」
「特性の麻痺性のガスだ。少量でも吸い込めば動けないだろう」

 サンタは、己の体が指一本、動かせなくなっていくのを感じていた
 まずい
 これは、この場を離脱しなくては!
 ガスが晴れていく中、サンタは転移の為に煙突を出現させようとして…
164クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 15:25:00.97 ID:dzQ1wFHi0
「逃がさへんで!」
「−−−−−っだ!?」

 すぱこーーーーーん!!
 似非関西弁の女性が振るったハリセンが……サンタの後頭部に、ヒットした
 …すとん
 表情を失い、サンタはその場に倒れる

「っし、記憶消去完了!…マッドはん、どないしよか、これ」
「そうだな…」

 …仲間を苦しめた奴の仲間なのだから、マリの餌コース、と行きたいところではある
 自分達に害を成してきた者に対して反撃する事は許されているのだから
 ……まぁ、許されなくても反撃はするつもりだったがそれはさておき

「……ま、今日はクリスマスイブだし。この場に放置しておくか、慈悲として」
「せやな、今日はクリスマスイブやし」

 通訳すると
 まだまだ二人でゆっくりしたいから、これ以上関わりたくない
 二人の思考は、ものの見事に重なって
 マッドガッサーはガスマスクとガスタンクを消すと、再び似非関西弁の女性と歩き出した


 −−−−後には、体が麻痺し、記憶を失った恐怖のサンタだけが残されていたのだった


マッドガッサーもげろと言いつつ終わる
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 15:27:16.54 ID:dzQ1wFHi0
時期的にクリスマスはマッドガッサー騒動後なんで、まぁこの二人が平和にしててもいいかな、と
ただしマッドガッサーはもげろ
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 15:41:09.64 ID:dzQ1wFHi0
夕食終わった後もスレが残っていてくれれば幸せだ!
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 16:04:26.53 ID:ChaLBzJ0O
マッドたち人生楽しんでるなー
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 16:28:50.21 ID:ChaLBzJ0O
1691レスネタ(代理):2009/12/24(木) 16:55:07.91 ID:2SUuZZPl0
学校町より遥か遠くの太平洋上
《いようサンタのジジイ! 去年は散々コケにしてくれやがったな!》
マッハの世界で飛び交う物体の会話は、電波でも音声の外部出力でもなく特殊能力者同士の念話のようなものだった
《おう、去年ワシを追いかけてきた若造か! どうだ少しは腕を上げたか?》
《腕もそうだがな……今年は他国の領海領空だろうと遠慮しねぇぞ! いつものらくら国境使って逃げ回りやがって!》
トナカイの牽くソリの上で豪快に笑うサンタと、それを追い掛ける戦闘機に乗った男
《そっちが人間じゃねぇなら、こっちも人間の限界突破するっきゃねぇよな! G−フィールド展開!》
戦闘機乗りの思念が爆発し、その力が機体を包み込んでいく
冷気にも似たそれを身に纏うそれは、さながら幽霊のようで
《NORADをいつまでもナメんじゃねぇぞジジイ! 『幽霊戦闘機』と契約した俺らはレーダーにゃ映らねぇ! 今年こそクリスマス終了までついていかせてもらうぜ!》
《ガハハハハ、やるじゃねぇか若造! それじゃあこっちも本気を出さにゃあいかん……ん?》
《どうしたジジイ、今更怖気づきやがったか?》
《今、日本の担当サンタから連絡があってな。とある町の上空でサンタと天使と筋肉が三つ巴の戦いをしてるそうでな》
《……寝惚けてんじゃねぇのかそいつ》
《『幽霊戦闘機』なんてもんを持ち出してサンタクロース追いかけとるお前さんらに言われたかないわい》
サンタクロースは髭を弄りながら、視線を遥か遠くにあるであろう日本の方角に向ける
《ま、現地の奴らがどうにかするだろうさ。本当にヤバけりゃ応援の要請が来る》
《正直に言えよ、俺の相手をするので精一杯で行ってやれねぇてな?》
トナカイに牽かれたソリと、『幽霊戦闘機』の速度が一気に上がる
《追っ手も振り切る、プレゼントも配る。両方やらなきゃいかんのがサンタの辛いところだな!》
《ハッ! ハナタレの頃にプレゼント貰った恩を忘れやがったか!》
《プレゼントの感謝はサンタクロースの扮装した親父にしかしたこた無ぇ! 得体の知れないジジイの世話になんかなった覚えは無ぇな!》
《夢の無ぇガキだ! サンタクロースの天敵だなオイ!》
《だからこうして追っかけ回してやってんだろうが!》
《違い無ぇ! それじゃあ来年も楽しめるように、しっかり振り切ってやらぁ!》
《年齢考えろジジイ! 引退させて来年の静かなクリスマスをプレゼントしてやるよ!》
顔も見えない位置関係ながら、二人は同時ににやりと笑い
《メリー!》
《クリスマス!》
聖夜の空の音速の壁をぶち抜いていった
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 16:55:53.24 ID:2SUuZZPl0
アグレッシブなwww
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 17:25:09.42 ID:ChaLBzJ0O
何故か泣けたんだが・・・
熱いな、二人共
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 17:51:19.62 ID:gm0A+VG70
ho
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 17:57:10.51 ID:ChaLBzJ0O
くそう、どうせみんなクリスマスを楽しんでやがんだろうなぁっ!
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 18:03:04.07 ID:cQXCTBvZ0
公然とケーキ食べれるからクリスマス楽しいよ。アハハ・・・
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 18:04:42.92 ID:2SUuZZPl0
あははははは
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 18:19:51.18 ID:b5r73dEw0
今まで書き溜めてたファイルが壊れた…クリスマスの悪夢だorz
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 18:42:59.13 ID:ChaLBzJ0O
サンタさんせめて規制解除してくれないかな
178マ神(代理):2009/12/24(木) 19:09:24.70 ID:2SUuZZPl0
「さて、盟友達だけに任せる訳にも行きませんね」
それは禿ていた
それは輝いていた
それは引き締まっていた
それは筋肉だった
「あ・・・アァァァァァァァァ・・・」
老サンタは恐怖に引き攣った顔で恐怖に慄く
仲間のサンタ達が血眼になって探しているであろう存在
究極の不条理にして筋肉の神
全ての兄貴を統べる神
マ神
捜索隊よりも先に接触してしまったのが彼の不運だった
何故ならマ神は彼が決めた彼の正義に基づき行動している
この性夜を汚した「恐怖のサンタ」は彼にとって敵でしか無かった
禿「はぁぁぁぁぁぁぁ」
マ神が構える
全身に金色の光りが纏われる
否、光りを纏ったのでは無い
全身が、全筋肉が、その肉体事態が光だった
「光の速さで、殴られた事はおありかな?」
「!?」
次の瞬間、老サンタの姿は消え
拳を突き出したマ神のみが残った
「遂に、遂に、会得しましたよ・・・完全兄気化」
静かに呟かれたその言葉を聞いた者は居なかった
179マ神(代理):2009/12/24(木) 19:10:48.56 ID:2SUuZZPl0
完全兄気化
筋肉と兄気を極めた者だけがたどり着く究極の兄気技
文字通り自身の肉体そのものを兄気に変化させる
これを発動した禿は最早生物とは言えぬ兄気の塊であり物理攻撃は一切効かず、また兄気の速さ動く事が出来る(兄気の速さは光の速さとほぼ同じ)
物理攻撃は効かないのに禿は相手に触れれると言うチートっぷり
一応電撃や熱は効く筈だが人体発火現象との戦闘を見るに、太陽位じゃ大したダメージにならない

弱点はマッドガッサーの女体化ガス
身体が兄気の塊になっている為女体化ガスを食らうと中和され消滅しかねない
直撃を食らうと完全消滅もあり得る
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:17:18.96 ID:2SUuZZPl0
692 名前:はないちもんめ[] 投稿日:2009/12/24(木) 19:02:50
禿が遂にどうしようもないレベルになっちゃった話
マッド騒動中死人部隊にやられかけた⇒もっと強くならねば⇒気合⇒会得
もはや禿に物理攻撃は効きません
将門様や盟主様クラスかマッドガッサーでも呼ばない限り止りません
と言うかマッドガッサーのガスが直撃すれば即死ですが

お目汚し失礼

>>そういえば、顎砕き飴とウィスタン(ryの子がいるのはどの辺りだろうか
何処かの空き地
何処かなのでこっちも特に場所を決めてる訳ではないので好きにしてくれてかまいませんよ〜

>>個体によってばらつきが出来るとかなら
どの道兄貴が恐ろしい事になるのは変わり無いなww
***

はげwwww
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:24:18.07 ID:G7iBgRt50
チキン美味しかったですただいまー

1レスネタの人とはないちもんめの人乙!!
ひとまずはげぇええええええええええええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
手のつけられないレベルになりやがったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:25:21.76 ID:2SUuZZPl0
よっしなんかイイ感じにできたんで投下する!
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:26:40.21 ID:cQXCTBvZ0
禿が・・・このままでは学校町に暗黒(薔薇色)の時代が訪れてしまう・・・ヒイィ!!
184Tさん:2009/12/24(木) 19:27:02.91 ID:2SUuZZPl0



「夢子ちゃんから伝言があったって?」
 道路に積もった雪を蹴立てながら少女が言う。
「ああ、地下カジノに言伝してあった。今夜地下カジノに来るそうだ」
 12月24日、日も暮れ、雪が薄く積もる南区のウォーターアミューズメントパーク内、外気にさらされるタイプのプールは使えないが施設内はアウトレットや遊園地等のクリスマスイベントでにぎわっている。そこにTさんと契約者の少女の姿があった。
 手袋をこすり合わせながら歩く、コートに身を包んだ少女と彼女に歩幅を合わせて歩く青年。と、
「とってもにぎやかなの」
 契約者のコートの内側からかわいらしい女の子の声がした。
「今夜あたりまた一気に積もるらしいし、今年はホワイトクリスマスだな」
「ほわいと、くりすます?」
 少女にコートの中の声が問いかける。少女はあー、と言いながら笑って、
「リカちゃんはクリスマス知らねえか」
「?」
 コートの襟から顔を出した綿が詰まっていそうな人形、リカちゃんと目を合わせて二人で横を歩く青年を見る。青年は二人の視線に気づき、そうだな、と前置きして、
「クリスマスと言うのは――」
 言って聞かせる間に少女は懐から一枚のカードを取り出した。青年がリカちゃんに言って聞かせるのが終わるのを見計らい、
「じゃあ、地下カジノに行きますかー」
「一応人目を避けるように」
「あいさー」
 青年の言葉に答えて少女は物陰に入ってなんの変哲もない壁にカードをかざした。すると壁にそこにはないはずの扉が現れ、
「≪夢の国の地下カジノ≫へ」
 扉が開かれた。
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:28:34.36 ID:G7iBgRt50
Tさんしえーん!
186Tさん:2009/12/24(木) 19:30:11.36 ID:2SUuZZPl0


            ●


 地下カジノ内は相変わらず賑やかだった。
 衣服に付いた雪を払い落しながら≪夢の国≫のお姫様たちがカジノ内をやたらと豪華に飾り付けながら騒いでいるのを見て、その中に、
「夢子ちゃん!」
 ≪夢の国≫の王様の姿を認めて少女は手を振った。
「あ、皆さん」
 呼びかけに気付いて振り返った夢子。腰まである長い髪が動作と共にゆらりと流れ、首にかけられた二つのお守りが追随する。 そんな彼女の衣服はいつもの貫頭衣ではなく、
「珍しく派手だな」
 青年の言葉通り、それは派手な赤と白に彩られたサンタ衣装だった。
 夢子は困ったように笑み、
「お姫様たちに着替えさせられてしまいました」
「いやいやいや、良い感じだぜ?」
 少女は取り出したカメラで夢子を撮影しだす。夢の国のお姫様たちも釣られるように被写体へとなっていく。
「そのカメラは一体どこから出したんだ?」
「常に携帯してるんだよ、いつ何時面白シーンが撮れるか分かんねえしな」
187Tさん:2009/12/24(木) 19:30:52.53 ID:2SUuZZPl0
 そう言いながら写真を撮り続ける少女の、
「とーぜん」
 右腕を、
「あなたも」
 左腕を、
「ね?」
 襟元から顔を出していたリカちゃんを引っ掴む被写体になり終わったお姫様たち。
「……へ?」
「?」
 疑問符を頭上に浮かべる少女とリカちゃんに対して、彼女らはひどく爽やかな笑顔だった。
 小人が疲れたように吐息し、「御愁傷様です」と呟いたのが少女の耳に残った。



「ちょっと待て! 俺は似合わねえから――っ!!」
「あらぁ、そんなことないわよー」
「たのしそーなの」
「ええ、とても楽しいわよ〜」
 ズルズルと引きづられて行く己の契約者とリカちゃんを生温かく見送り、小人と共に一度合掌し、
「――さて」
 青年は夢子に向き直った。少し視線を鋭いものへと変え、
「話を聞こうか」
「はい、お願いします」
 応えて、夢子は地下カジノの隅の一角を指さした。そこには一人の老紳士の姿があった。
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:32:17.59 ID:G7iBgRt50
契約者wwwwwwwwwwwwwww支援
189Tさん:2009/12/24(木) 19:33:16.97 ID:2SUuZZPl0


           ●


「あー、ひっでえ目に遭った」
「たのしかったの」
 着替えが、終了した。当然と言うか何というか、二人ともサンタ服を着せられてる。つか冬用の服なのに丈短けぇ……。
 夢子ちゃん達が更衣室から這い出てきた俺とリカちゃんを見て。わぁ、と歓声を上げた。
「とってもお似合いですよ!」
 笑顔で言ってくれる。
「そ、そうか……」
 笑顔で言われると、その、ものすごく照れる。
「そうよねー、私たち的にはもっとキワドイのを着てもらいたかったんだけどね」
「あんなセクハラ衣装着てたまるか! 着せるならともかくな!」
 ギャイギャイと騒ぎ合っているとTさんがこっちを向いた。
 馬子にも衣装とでも言うつもりかと思っているとTさんは珍しく、ほう……と感嘆して、
「意外と似合うものだな」
 言われた。
「っ!」
 褒められると顔が熱くなる気がする。
「そ、そうですかい!」
 答えながら場の雰囲気が俺に対してあまりよろしくない、他の話題を探さねば! と考え――っと、
「あれ? じーちゃん、誰?」
 夢子ちゃんやTさんのいる辺りに初めて見るじいちゃんがいた。
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:34:41.24 ID:ChaLBzJ0O
禿が・・・
Tさんしえん
191Tさん:2009/12/24(木) 19:35:57.22 ID:2SUuZZPl0
 白い髭に白い髪、恰幅がいい体つき、ロングコートに身を包んだ姿を穏和な雰囲気が包んでる。
 じいちゃんは、ん? と俺を見てどうしたものかのー、などと言ってTさんに視線を向ける。なんだ? 自己紹介するのになんか問題でもあんのか?
 思っているとTさんがじいちゃんに頷いて、
「彼はニコラさん。夢子ちゃんの友人だ」
 夢子ちゃんは戸惑ったように目を一瞬パチクリさせてから、
「はい、ニコラさん。友人です」
 なんかおかしいなと思いつつもじいちゃんへの興味の方が強い。じいちゃんに質問をすることにする。
「へー、じいちゃんどっから来たの?」
「ほっほっほ、そうじゃのー、ヨーロッパの辺りかのう」
「おお、なんか高級な感じがするな!」
「すごいの?」
「たぶんきっとなんとなくすごいんだと思うぜ!」
 ヨーロッパとか俺行ったことねえけどな!
 リカちゃんはとりあえず何かがすごいと言うことは感じたのか、
「すごいの!」
 嬉しそうにはしゃいでいた。
「夢子ちゃんと一緒に来たってことは都市伝説か? それとも、まさか夢子ちゃんの契約者?」
「夢子ちゃんと契約すると≪夢の国≫と契約することになるんだ。瞬時に呑まれるぞ」
 Tさんの言葉にそうだよなーと考え、
「っつーことはじーちゃん、都市伝説か?」
 訊ねてみると、
「まあ、そんなところかのう」
 あっさりと答えてくれた。
 へー、何の都市伝説なんだろ?
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:36:37.52 ID:G7iBgRt50
しえーーん
193Tさん:2009/12/24(木) 19:37:26.21 ID:2SUuZZPl0
 なんの都市伝説かじいちゃんに訊ねる前にTさんが話を始めた。
「せっかくこんな日に来たんだ」
 入ってきたばかりの扉を指さし、
「ここに来るときに入ったアミューズメントパークでクリスマスイベントをやっていた。パレードや歌のような催しものもあるようだ、せっかくだから見て回らないか?」
「え、あ、はい」
「青年がそう言うのなら、行こうかの?」
 二人とも一応外出には好意的な返事をしてくれてるけどなんか戸惑い気味の空気を感じる。
 ……それはそうか、夢子ちゃんは学校町に堂々と入るのは躊躇っちまうだろうし、じいちゃんはクリスマスだぜひゃっほう! って感じの人間にゃあ見えないしな。
「いいぜ行こう!」
 だから俺は二人の手を掴んで多少強引に誘う。せっかくの行事なんだし楽しまなきゃ損だろ。
「いくのー!」
 そう手を振り上げるリカちゃん。そのサンタカラーな服に着替えさせられているリカちゃんを見て、
「ってかこの恰好じゃ寒くて外行けねえ!」
 叫ぶと、
「それならば問題無い」
 Tさんがいつの間にか飲んでいた酒瓶をテーブルに置きながら言った。
「へ?」
「温かくなれば幸せだ」
 Tさんの声と共に白い光の玉が出てその場の全員にぶつかる。
「なにこれ?」
「簡易結界だ。防御能力は無いがなんの干渉も無ければ内部を一定気温に保てる。おそらく数時間は保つだろう」
 暖房要らずだと? 便利能力め、…………ん?
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:40:28.55 ID:G7iBgRt50
支援!
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:42:14.94 ID:ChaLBzJ0O
あれ?
もしかしてこのスレではめったにお目にかかれないまともなサンタさん?しえん
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:47:10.76 ID:G7iBgRt50
サルったそうだ
みんな!!もっと支援を!!!!!
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:48:59.50 ID:G7iBgRt50
いくつ書き込めばサル解除だったかな…支援
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:49:44.92 ID:ChaLBzJ0O
>>196
人が少なくて難しいです、隊長!
199Tさん:2009/12/24(木) 19:49:59.23 ID:2SUuZZPl0
「あー、つまり?」
「その格好で外に出ても寒くない」
 しれっと言いやがった。
 いやいやいや、
「ぶっちゃけこの恰好で外に出るのは恥ずかしくないか?」
 他の人がやるならともかく自分でやるのはちょっと抵抗がある。
「クリスマスイベントならばその格好も不自然ではないだろう」
 それに、と苦笑して更衣室の方に指を向ける。
「姫君たちが更衣室の前に陣取っていて、着替えさせてもらえそうもないぞ?」
 目を向けるとイイ笑顔のお姫様たちが頷いた。
「……マジか」
 俺、外行きたくねえかも。そんなことを思いながら肩を落とした。

            ●

「これはこれは」
 ニコラじいちゃんがクリスマスイベントの様子を見てしきりに感心していた。
「やはりこういうのは珍しいか?」
「そうじゃのう、わしが普段活動するのは夜、人目を憚っておるからな」
「私も、こういうのは初めてです。……たぶん」
 夢子ちゃんは記憶が曖昧なんだっけか。ってかニコラじいちゃんの活動って?
「きれいなの」
「でっけえツリーだよな」
 室内施設にはいろんなショップが左右に出店していて、それを真っ直ぐ貫く通路の真ん中には巨大なツリーが飾り付けされていた。
「とりあえず願い事を書いて吊るそうぜ!」
「それはまた別の行事だ」
「なんなの?」
「七夕ですね」
「たなばた?」
「ほっほ、七夕とはのぅ――」
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:50:14.33 ID:VCTpByCC0
支援
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:51:13.06 ID:VCTpByCC0
支援
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:51:16.57 ID:G7iBgRt50
しえええーん
203Tさん:2009/12/24(木) 19:51:28.41 ID:2SUuZZPl0
 そんなことを言い合いながらイベントを見て回る。サンタやトナカイ。子供用アニメのキャラクターとかのきぐるみや仮装が歩き、カップルや家族連れが通りを行き来している。
 この恰好も一応この場では売り子やら元気なイベントに乗り気な姉ちゃんたちとかにまぎれてそんなに違和感はない。たまに不特定多数の視線を感じるがまあしょうがないか。
今俺たちは恰幅の言いジェントルメンなニコラじいちゃん、視線が珍しげにあっちこっち行きかうサンタ衣装の夢子ちゃん、
見たい見たいとせがむので俺の頭の帽子に掴まりながらこっちもあちこち見ているリカちゃんに、俺。そして周囲の光景をなにやら懐かしそうに見ているコート姿のTさんという構成だ。
 正直悪目立ちする。
「あ、あのおじさんなに、なの?」
「ん?」
 リカちゃんが指さす先にはサンタの格好をした売り子の兄ちゃんがいた。
「お姉ちゃんたちといっしょのかっこうなの」
「あれはサンタという」
「さんた?」
 そうそう、と俺はリカちゃんに頷いて、
「クリスマスの夜に家屋に不法侵入しては謎の包装物を子供たちの枕元に置いて回るナイスガイだ!」
「概ね間違ってないがその説明には悪意があるな」
 即修正を入れられた。Tさんがリカちゃんに世間一般的に正しいサンタの説明を始める。
「すごいの!」
「ええ、すごいんですよ」
 本当に子供のようにはしゃぐリカちゃんに夢子ちゃんが言う。
「最近はなかなかそういうのも信じてもらいづらくなってしまったがの」
 しみじみとニコラじいちゃんが言う。
204Tさん:2009/12/24(木) 19:52:18.14 ID:2SUuZZPl0
「ニコラじいちゃんはサンタって信じてた?」
「ほっほっほ、在ればいいと思っておるよ、今でものう」
 ん? なんか寂しそうに言われたな。
「? さんたさん、いないの?」
 リカちゃんが俺に訊ねる。んー、と俺が真実と子供の夢とどっちを優先しようか悩んでいると、
「いるさ」
 Tさんが断言した。
「あれ? Tさん珍しくロマンチスト?」
 Tさんは俺の言葉にいや、と答え、
「別にそういうつもりでもない――と」
 何かを発見したみたいだった。そこへ歩を向けて、
「リカちゃん、これに世界中の子供たちにプレゼントを渡しているサンタさんへの励ましの手紙を書いてみてはどうだ?」
 ツリーの正面のテーブルに設置されている箱と、その横に置いてある便箋を示して言った。
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:53:02.57 ID:G7iBgRt50
悪意ある説明wwwwwwwwwwww
支援
206Tさん:2009/12/24(木) 19:55:10.13 ID:2SUuZZPl0
「おてがみ?」
 ああ、とTさんは言いながら手紙に書いてある説明文を読んで、
「どうやら国際サンタクロース協会に届けてもらえるらしいぞ」
「さんたさん、よんでくれるの?」
「そのようだ。契約者も、今年もプレゼント配送御苦労さまとでも書かないか?」
 ん、俺も子供の夢をいたずらに壊すのは気が引けるしな。
「よし、いっちょ書くか!」
「私も書きますね」
 夢子ちゃんが笑顔で賛同した。
「御老体もどうだ?」
 Tさんが自分とニコラじいちゃんの分の便箋をとってきて勧める。
「わしかの?」
 ちょっと困ったような顔でニコラじいちゃん。
「対話のつもりで書いてみてはどうだろう?」
 Tさんのその言葉に、フム、と一つ息を吐き、
「――では一筆したためさせてもらおうかの」
 ニコラじいちゃんも若干迷いながら手紙を書き始めた。


 そろそろ夜も更ける。閉園の時刻も近かった。
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:56:19.03 ID:G7iBgRt50
しぇーん
208Tさん:2009/12/24(木) 19:57:32.22 ID:2SUuZZPl0
みなさん、支援ありがとうございましたああああああ!!

せっかくなので時期ネタをば
南区アミューズメントパークで何かイベントがあるっぽい記述があったのでそちらに便乗する形で書かせて頂きました。
後編に続く!(今日中に書けたらいいな)

>>195
いちおうまともじゃないサンタさんだけど、今学校町にばらまかれてるサンタたちを見るに、うん。ぜんぜんまともだw
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 19:58:43.34 ID:G7iBgRt50
Tさん乙ー!
俺もちまちまと投下を開始するよ!するよ!!
210クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 20:00:06.29 ID:G7iBgRt50
 …さくさく
 雪を踏みしめる音が響く
 はらはらと降り続ける雪
 …こりゃあ、雪かきが大変だな
 そう考えてしまう辺り、俺には最早子供っぽさと言うものは残っていないのだろうか
 まぁ、そもそも、雪ではしゃぐような歳ではないのだが

「………」

 さくさくさく
 てちてちてち
 こちらに付いて来る、小さな足音
 …花子さん、ではない
 付いて来るそいつに、俺は小さくため息をついた

「…何なんだよ、お前は」

 しゃー
 小さく鳴き声をあげる、それ
 猫、に見えるのだが…気のせいだろうか、むしろ気のせいであって欲しいのだが、子供のライオンにも見えるのだ
 きっと気のせいだろう
 街中に、子供のライオンがいるはずがない

 南区に少し用事があって出かけた帰り
 何時の間にか、この猫が後をついてきていた
 餌でも欲しいのか何なのか、いつまでもついてくる

「…お前にやれる餌なんて、持ってないぞ」
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:02:32.92 ID:2SUuZZPl0
ライオンww
212クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 20:05:17.66 ID:G7iBgRt50
 しゃぎゃー

「…まさか、家まで付いて来る気か?」

 しゃげ?
 話し掛ければ、首を傾げてくる
 猫好きな花子さんが見れば、可愛いとか感じる光景なのかもしれないが
 俺は、こう言う時、どんな対処をしたらいいのかわからない
 無下に追い払う事もできず、こうして家の傍まで来てしまったのだが
 さて、どうしたらいいものか
 俺が、悩んでいると

「メリーーーーーーックリッスマァアアアアアアス!!!!」

 突然、目の前にサンタクロースが現れた
 突然何だ、このハイテンションサンタ

「…何だ、お前は」

 しゃーーーー!!と、足元の猫が激しく威嚇の声をあげる
 しゃっしゃ!!と猫パンチのすぶりまで始めているじゃないか
 本当に何者だ、このサンタ

「良い子にはプレゼントを!!」

 サンタクロースが袋を開ける
 何かが、俺に向かって投げつけられて
 ぼとっ、と俺の足元に落ちた
213クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 20:06:31.48 ID:G7iBgRt50
 ………
 …………
 ……………

「…え〜と」

 さて
 どう、対応しようか
 それを袋から取り出したサンタはきょとん、としているし
 猫は、ふんふん、と匂いに釣られるように、それに近づいてるし

「…自分で出しておいてなんなんだが、これは一体?」
「鹿肉だな。血抜きに失敗した」

 ふんふんふんぺろぺろぺろ
 猫が肉を舐め始めたんだが…食べる気か、それ

「鹿肉を刺身にするには、素早く血抜きしないと駄目なんだよな……そうじゃないと、食えたもんじゃない」
「………で?」
「ぶっちゃけ、トラウマレベルの味だった。血抜き失敗した鹿肉の刺身は」

 ……………
 沈黙が、辺りを支配する
 はむはむはむ
 猫は、鹿肉を食べ始めたようだ
 うん、野性味バリバリだぞ、猫
214クリスマス系のネタを書き散らすテスト:2009/12/24(木) 20:07:37.02 ID:G7iBgRt50
 なんだかとってもライオンっぽく見えてきたぞ畜生
 まさかな、街中にライオンがいるはずないよな
 お前は猫だよな?ライオンの子供なんかじゃないよな?
 街中にライオンとか、それなんて新手の都市伝説だよ畜生
 そうやって、俺が現実逃避をしていると

「………さらばっ!!」

 しゅた!!
 サンタは、突然煙突らしき物を出現させて…そのまま、煙突ごと、消えた

 …………

「…何だったんだ、一体」

 しゃぎゃー
 俺の呟きに、答えた訳ではないのだろうが
 鹿肉に食いついていた猫が、なんだかご機嫌な声をあげたのだった




オチ?それってなぁに?美味しいの?
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:08:49.03 ID:2SUuZZPl0
鹿肉の刺身はうまい支援
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:09:14.51 ID:G7iBgRt50
後で女装少年を拾う予定の花子さん契約者でした
祐樹の前に現れた子ライオンは気まぐれに学校町内を彷徨っているようです
ゆっくり可愛がってあげてね!
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:10:12.97 ID:ChaLBzJ0O
乙です
ギャグコースだwwww
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:12:00.09 ID:2SUuZZPl0
終わってたw
乙でした!
ライオン拾わないのかwwww
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:18:07.10 ID:G7iBgRt50
>>218
女装少年疲労ネタまでに誰も子供ライオン持っていかなかったら拾うかもしれない
220合わせ鏡のアクマ〜クリスマス編〜:2009/12/24(木) 20:19:05.15 ID:cQXCTBvZ0
東区のとある空き地で二人の子供が焚き火にあたっていた。
『顎砕き飴』の契約者と『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の契約者である。
「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」
二人は特に会話もせず(言葉が通じないというのもあるが)静かに火を見つめていた。
「あら、こんなところにいたら焚き火をしていても風邪をひいてしまいますよ?」
「ッ!」
突然かけられた声に反応した顎砕き飴の少女は、飴を手に取り辺りを警戒する。
と、一緒にいた外人少女が空を見上げていることに気づいてその視線を追う。
そこには、空にいるはずのない若い女性の姿があった。
しかも女性の体は半透明で向こう側の風景が・・・空に舞う無数の人影と、異常な数の雷が見えた。
「・・・・・・都市伝説ですか」
「その通り、見ての通りただの幽霊です」
微笑む女性に顎砕き飴の少女は警戒を解く。人を襲うような危険な都市伝説ではなさそうだ。
しかし彼女は知らなかった。この幽霊が、『怪奇同盟』と呼称される組織の長だということを・・・
「ん、あなたは組織所属ですね?雰囲気とかでなんとなく分かるんですよ・・・違いましたか?」
「いえ、合ってますよ」
少女は少し驚いていた。だが、きっとそんなこともあるのだろうと思い直す。
「・・・その子は迷子でしょうかね。まぁ契約者ですから、保護者もすぐ見つかるでしょう―――」
女性が言い終わると、フッと焚き火が消える。
「火の始末、よし。移動準備・・・」
顎砕き飴の少女とミステリーハウスの少女の体が宙に浮かぶ。
「ッ!これは!?」  「――――!」
「大丈夫そうですね。・・・さてと、今からあなた方をとりあえず寒さをしのげる場所へ運びます」
じたばたと暴れる二人には一切構わず、女性は話を続ける。
「ただ移動中、かなり寒いと思います。あと、空飛ぶサンタや天使や筋肉男に襲われないように・・・」
顎砕き飴の少女はようやく気づいた。この女性が「ただの」幽霊などではないことに―――
「では、参りましょうか」
ニコリと女性が二人に笑顔を向け、それを見て顎砕き飴の少女は引きつった笑みを返した。

その後、乱戦状態の空を雷撃を纏った三つの人影が突き抜けていったが・・・それがなんなのかを判断できた者はいなかった。
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:20:27.82 ID:ChaLBzJ0O
しえん
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:22:31.58 ID:cQXCTBvZ0
おうふ、To be入れ忘れてた・・・・・・

というわけで、空き地にいた二人を回収してみました。
どこに運ばれたのかは・・・クリスマスケーキ食べてから書きます。
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:25:52.34 ID:G7iBgRt50
アクマの人乙ー!
色々カオスで乱戦状態の空を飛んでいくとか雷撃を纏っていても危険な気がしてならないwwwwww


とりあえずケーキうまー
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:39:35.51 ID:Y2k5+PJPO
イブだというのに皆様投下乙です

まぁ自分も投下するんですがね
投下します
225小さな黒服のお仕事:2009/12/24(木) 20:40:43.33 ID:Y2k5+PJPO
きらびやかな装飾や照明のほどこされた町並み。
しかし、それも表通りに限りの話である。
人通りの殆どない路地裏などにそのような装飾がされるはずもない。
「恐怖のサンタですね。組織より報告は受けてます」
そんな路地裏に女の子がいた。
クリスマスだというのに親もいなくたった一人。本来ならかわいらしい衣装でも着せられていそうなものだが、
その女の子が着ていたのは真っ黒なスーツだった。

「黒服」その名の通り黒いスーツを着た「組織」の手足。
その女の子も組織の黒服のうちの一人であった。
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:41:07.94 ID:G7iBgRt50
ケーキ食べ終わった俺が支援
227小さな黒服のお仕事:2009/12/24(木) 20:41:52.76 ID:Y2k5+PJPO
路地裏にいたのは黒服だけではなかった。
一言でいうならサンタクロース。
「恐怖のサンタクロース」都市伝説のひとつである。
クリスマスに相手の恐怖するものをプレゼントするという、少し…いや、かなり嫌なサンタクロースだ。
「安心しました。恐怖のサンタには具体的な攻撃手段がないと聞いています。
私一人でも対処可能と判断します」
黒服は眉ひとつ動かさずに淡々と話す。
まるで感情がないかのように。

それにひきかえ、恐怖のサンタは動揺していたようだ。
上空での戦闘から命からがら逃げのびたというのに、その先に組織の黒服がいたのだからしょうがないといえばしょうがない。
都市伝説の戦闘力と見た目はイコールでは結べない。

おそらくは、この小さな黒服の余裕の態度をみるに、見た目からは想像もできない能力を秘めているのだろう。

恐怖のサンタはそう考えた。
228小さな黒服のお仕事:2009/12/24(木) 20:42:35.05 ID:Y2k5+PJPO
恐怖のサンタは先手必勝とばかりに肩に担いでいたプレゼント袋に手をつっこむ。
彼にはこれ以外の手はないのだ。
「………!?」
サンタの顔が驚きの色に染まる。
袋の中に何もないのだ。
本来ならば、相手の最も苦手なものや、そのダミーが用意されるはずだが……
なんと袋の中はカラッポだったのだ。
「無駄です。私に苦手なものなどありません」
その声にサンタが振り向くと、黒服は既に目の前に立っていた。
サンタはそれに驚き袋を落としてしまう。
229小さな黒服のお仕事:2009/12/24(木) 20:43:56.31 ID:Y2k5+PJPO
落ちた袋の口がひらいた。
やはり中には何もない。
「苦手なものとは、その人間の生きてきた経験により生まれます」
サンタは思わず後退る。
「私には生まれてから黒服になるまでの記憶がありません。
相当強い精神的ショックにより記憶を閉ざしたとのことです」
サンタの額には大量の汗が流れていた。
「恐怖のサンタ。もしかしたら私の記憶を閉ざした原因を出してもらえると思ったのですけどね」
黒服がゆっくりと手を突き出した。
サンタは顔面蒼白といった状況だろうか。
その手からは矢がでるか炎がでるのか……
サンタは覚悟を決めた。



出てきたのは一言の言葉だけであった。
「私にあなたをどうこうする力はありません」
サンタの頭にクエッションマークがうかんだ。
黒服は二言三言と続ける。
「体格的に考えてもどうにもならないと思います。
そこでお願いしようと思います。大人しく連行されてください」
手は差し出されただけだった。
230小さな黒服のお仕事:2009/12/24(木) 20:45:20.84 ID:Y2k5+PJPO
サンタはキレた。
ここまで自分を恐怖させておいて、フタをあけたら何もありませんでした、だったのだから。
サンタは拳を振り上げる。
別にどうこうするというわけではない、ただゲンコツのひとつでもみまってやらないと気がすまなかったのだ。



数分後、路地裏には頭を押さえてしゃがみ込む黒服がいた。
「げんこつは苦手かもしれません…」

そしてそう呟いた。

231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:46:12.46 ID:2SUuZZPl0
乙です
サンタが切れたかww
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:47:26.57 ID:G7iBgRt50
サンタ切れたwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
乙wwwwwwwwwww


…あれ?
特に苦手な物がなかった場合は兄貴がでるんじゃなかったっけ?
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:49:58.11 ID:Y2k5+PJPO
兄貴が出るのか!?

設定違い申し訳ないっ!
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:50:57.32 ID:G7iBgRt50
にょろーん
将門様でクリスマスネタ構想しようと思ったんだが、年末年始に向けて餅つきの準備を始めている将門様しか思い浮かばねぇ

とまれ、代理投下はっじめるよー
途中サルったら御免
235笛 (代理):2009/12/24(木) 20:51:50.92 ID:G7iBgRt50
【電磁人の韻律詩10号〜戦場のようなメリークリスマス〜】

「何処行くんだアスマ。」
「俺だって知らねえ。」
クリスマスイブの早朝。
明日真と恋路はいきなり家から閉め出されていた。
現在の所持品は現金5万円と晶から奪い取ったハヤブサのみ。
一体どうしてこうなったのだろうか……?


遡ること30分前
「お前ら、これ上げるから今日はデートするなりどこかで(ドーン)するなり好きにしなさい。」
明日晶は自分の前で座っている二人にそれぞれ二万円札を渡した。
彼氏が居ないけれどもプロの、しかも一流のモトクロスライダーなので明日晶はお金が余っているらしい。
しかし彼氏は居ない。
そこで家に帰ったところ弟が女を連れ込んでいた姉の心境たるや察していただきたい。
そりゃあ家が崩壊するまで暴れたくもなるという物である。
「いや、姉さん(ドーン)てなんすか(ドーン)て……。」
(ドーン)を妙に意識して貰うのを躊躇ってしまう真。
「お姉様、ありがとうございます!」
とりあえず貰える物は堂々と貰っておく恋路。

まあ正反対の反応ではあったが二人はそれを受け取ったのである。


236笛 (代理):2009/12/24(木) 20:53:18.40 ID:G7iBgRt50
その直後だった。
晶が大変良い顔で笑った。
「よし、お前ら絶対家に帰ってくるなよ!
 お姉ちゃんだってクリスマスは色々用事が有る(訳が無い)んだからな!
 さぁ、お金は充分くれてやったから何処にでも行きやがれ!デートだぞ喜べカッポゥ共が!
 30分以内に支度しやがれ!そして死ね!」
「え?」
「はーい。」
ポカーンとする真。
いそいそと支度し始める恋路。


「え、じゃねえぞこのスットコドッコイ!
 私だって用事がある(訳ねーよバーカバーカ!弟にすら劣るクリスマスを過ごす姿を見られて堪るか!)んだぞ!
 それに比べて恋路ちゃんは偉い!こんな馬鹿な弟を任せられるのは君しか居ないね!
 デートとかあんまり解ってない弟だと思うけれども色々教えてあげてね!
 行け!私に構うな先に行け!さもなくばコロス!ウワアアアアアア!!!
 死ねば良いカップルなんて死ねば良いのにっぃぃぃいいいいいいいいい!!」

突如烈火の如くぶち切れ始める晶。
それに気づいていたのかいつの間にか逃げ出す恋路。
思い切り八つ当たりを喰らう真。
その後、真は姉の怒りを回避しながら貯金をいくらか引き出しなんとか家の外に出たのであった。


237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:54:02.65 ID:IubICW9n0
支援だ
238笛 (代理):2009/12/24(木) 20:55:09.51 ID:G7iBgRt50
そして話は現在に戻る。


「ねぇアスマ、私この街のことあんまり知らないから案内とかしてくれると嬉しいなあ……。」
「え、ああ解った。とりあえずまだ朝早いし……。
 ああ、そうだ。水族館なら今でも開いているかな?」
「お、水族館か!良いね良いね!行こうよ、すぐ行こう。」
行くあてのない二人はとりあえず水族館に行くことを決めた。
まあデートとしては一番無難な選択である。
とりあえずハヤブサにエンジンをかけると二人はクリスマスの街の中に走り出した。

街はクリスマス一色で様々な所でカップルがイチャイチャしたりラブラブしたり家族連れが幸せそうにしている。
道路はかなり渋滞していて二人は中々水族館までたどり着けない。
それにしても平和だ。
本当にこの町は危険な都市伝説の影が這い寄る街なのだろうか?
今日くらいは正義の味方もお休みして良いだろう、明日真はそんな風に思っていた。
「しっかし聖夜というより性夜になるんじゃないかなこれじゃあ……。」
「ん、どうしたのアスマ?」
「いやなんでもないよ。」
「朝からえっちぃのは駄目だぜ。」
「ばれていたか。」
「それにしても中々進まないねえ〜。」
恋路は渋滞に文句を言い始める。
まあ確かにこれだけ待たされると腹が立つという物である。


239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:55:35.48 ID:IubICW9n0
この姉と一緒にクリスマスを…いやなんでもない支援
240笛 (代理):2009/12/24(木) 20:56:02.97 ID:G7iBgRt50
「ああ、そうだな。でもまあクリスマスだからしょうがないだろう?」
真は恋路をなだめる。
「クリスマスかぁ……。」
「クリスマスの思い出でも有るのか?」
「いや、ぼんやりなんだけど有るなあ。
 お父さんが居て、お母さんが居て、兄弟とか姉妹とかが居て、友達と遊んで帰ってくるとケーキの周りで歌を歌ってたな……。
 それで兄弟姉妹でケーキ取り合うんだよね。
 そしたら母さんに怒られちゃったりしてさ……。
 可笑しいよね、もう名前も思い出せないのにさ。」
「いや、大事なことなんじゃねえの?」
信号が青に変わる。
またハヤブサが走り始める。
車の流れに乗ってスイスイ進む様は中々見ていて心地がよい。
「今、恋路は人間だった時の記憶を無くしているけれどもさ。
 それでも忘れられない大事な記憶があるんだろう?
 どんなに自分が変わってしまって無くならない記憶。
 それがあるってすごく素敵な事だと思うぜ、俺は。」
「く、ククククク………。
 ハハハハハハ!
 アッハッハッハッハッハッハッッハッハ!!!
 何言っているのさアスマ!
 あまりにも台詞が臭すぎるってばその台詞は!!
 素敵な事だとおもうぜ、キリッ!じゃないってばぁははははははは!!」
思い切り笑われて真は恥ずかしそうにしている。


241笛 (代理):2009/12/24(木) 20:57:04.28 ID:G7iBgRt50
「な、なんだよ笑うなよ!良いじゃねえかよ!
 俺今絶対格好良いこと言っていたから!」
「いやいやいや、無いわあハハハハハハ、ヒィ……ヒィ……。
 よそ見しないでよ、事故られたら嫌だからさ。」
恋路が涙を拭いている。
笑いすぎて涙が出たのだろうか?
「なんだよもう、こんなとろとろ運転の場所で転ぶわけないじゃん!」
真は怒って前の方を向いてしまった。
「まぁ、ありがとう……。」
照れを隠すように恋路が呟く。
「最初から素直に言えよ。」
真はまだちょっとご機嫌斜めのようだ。
「あ、あれ水族館じゃない?」
「おお、そうだそうだ、じゃあ色々見て回ろうか。」
「はーい!」
二人は水族館の駐車場にハヤブサを止めた。
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 20:57:25.23 ID:IubICW9n0
羨ましえん
243笛 (代理):2009/12/24(木) 20:57:58.25 ID:G7iBgRt50
水族館に入ると受付のお姉さんがサンタの格好をしてチケットを販売していた。
「えっと、大人二枚下さい。」
水族館までクリスマスか、と半ば呆れながらも真はチケットを二枚買う。
「はーい、学生証はありますか?只今学生割引中です!」
「アスマは学生証持ってきているの?」
「ああ、念のために持ってきているよ。」
「それじゃあ学生料金になりまーす!」
すこし割引されたことにほくほくである。
「アスマ、このパンフレットも貰っていこうよ!」
「え〜、俺子供の頃に来て慣れているから良いよ別に〜。」
「こういうのは気分が大切なんだって!」
「ちなみに今日はイルカショーもやっているので是非見ていって下さいね!」
「わー!絶対行こうねアスマ!」
「お、おう……。」
恋路のテンションに正直アスマは困っていた。
正直、彼は女性のテンションが上がるタイミングとかが読めないのである。
イルカショーまではまだ時間があると言うことなので他の魚を見て回ることにした。


244笛 (代理):2009/12/24(木) 20:59:21.33 ID:G7iBgRt50
「うわっ!すごい!多い!
 メッチャ沢山泳いでる!
 キャー!鮫居るのに食べられないのかな?」
「あんまりはしゃぐな……。」
恋路は鰯と鮫が一緒に居る水槽の前ではしゃいでいた。
パンフレットによると餌による誘導と鮫によるストレスで良く動き回る鰯にライトを当てて楽しむらしい。
「冷静に考えると残酷だな……。」
「どうしたのアスマ、そんな暗い顔して?
 わぁ、また照明の色が変わったよ!
 きれーい!」
「いや、なんでもないんだ……。」
「なら良いんだ、ちょっとパンフ貸してよ!
 次は何処行こうかな、ねぇアスマは巨大マンタの水槽と皇帝ペンギンどっち見たい?」
「え………、どっちでもいいk」
「じゃあマンタ見に行こうマンタ!」
真の手を引いて歩き始める恋路。
やっぱりふわふわと柔らかいなあ、なんて暢気なことを考えて居た。


245笛 (代理):2009/12/24(木) 21:01:27.70 ID:G7iBgRt50
時計が十一時を示すとイルカショーの時間である。
アスマ達はちょっと早く来て前の方でイルカショーを眺めていた。
「わー、可愛い!ねぇカメラ持ってきてる?」
「有るわけ無いってば……。」
「もー、なんで持ってこないのかな?」
「理不尽だぁ……。」
真が嘆いているとどうやらお客さんにイルカと遊んで貰おうコーナーが始まったようだ。
「じゃあそこのお兄ちゃんにイルカと遊んで貰おうかな?」
「はーい!」
「あ、あの男の子も可愛い〜!」
先程から可愛い可愛い連呼している恋路。
まあそんな所も少し可愛いかもしれないと真は思い始めていた。
イルカショーは男の子がイルカに指示を始めており、その姿を両親が一生懸命にカメラにおさめている平凡な物だった。
「なぁ恋路。」
「ん、どうしたアスマ?」
「楽しい……?」
「そうだねえ、楽しいよ。まあ二人で居るから楽しいんだろうけどね。」
「えっ、あ、そうか。どうもこういうのって慣れて無くてさ。」
「ふふふ、知っているよ。だから教えてあ・げ・る、……なんちゃって。」
「こいつめえ!」
真は笑いながら恋路のおでこを突っつく。
恋路も笑いながら真のほおをぷにぷにする。
二人は一緒に居られることが嬉しそうにイルカショーそっちのけでお互いを見つめ合っていた。
正直書いている人間の心が折れそうになるシーンである。


246笛 (代理):2009/12/24(木) 21:02:43.15 ID:G7iBgRt50
イルカショーは大分終わりに近づいていて男の子がイルカをジャンプさせていた。
イルカがわっかをくぐった次の瞬間だった。
「HAHAHAHAHAHA!!」
謎の筋肉全裸男がイルカと一緒に輪っかをくぐっていた。

「ウワアアアアアアアアアアン!」
涙目、というか泣いている男の子。
「え、何が起こったの!?」
あせる飼育員のお姉さん。
ざわつく観客席。
「HAHAHA!皆さんもガチムチになって男達の楽園を作りましょう!」
全裸筋肉の男は自分の筋肉を誇りながら周りに妙に男らしいオーラをばらまいている。
「なぁ、恋路、あれは………。」
「うん、間違いなくこの前路上で撥ねた都市伝説……。
 今日は休みだし知らない振りしてさっさと逃げようよアスマ……。」
「正義の味方に休日は無いのか?」
「え、何か言っ……キャアアア!?」
恋路の服の胸元のポケットにいきなり手を突っ込む真。
「え、ちょ何やってるんだい!!」
「騒ぐな、周りの人にばれるだろ?」
「ばれるも何もこんな状況でそこまで積極的に来るか!?
 いや確かにさっきまでちょっと良い感じだったけれど……」
ガバァ!
いきなり恋路の服の胸ポケットから出てくる真っ赤なマフラー、かなり長い。
それを真は自分の顔に巻き付けて顔を隠し始める。


247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:02:47.66 ID:IubICW9n0
藁人形!!俺の怨み魂を受け取れええええ!!!!支援
248笛 (代理):2009/12/24(木) 21:03:47.28 ID:G7iBgRt50
「え、何これ?なんでこんな物が入っていたの?」
「いや、俺の服に入れて置く場所が無かったんだよね。
 新・変身アイテム『ライディーンクロース』。」
「だからって黙って仕込んでおくなんてずいぶんじゃないか!」
「あとで美味しい中華料理の店に連れて行ってあげるから!
 先にバイクに戻っておいてくれ、あいつ倒したらすぐにここを離れる!」
「――――――ああああ!もう!
 ロマンチックでも何でもないじゃないか!クリスマスなのに!」
恋路は半ばぶち切れ気味で外に出た。
「正義の味方に休日は無さそうだな……。」
恋路がイルカプールを離れたのを見計らって謎の全裸筋肉アニキに立ち向かう。


249笛 (代理):2009/12/24(木) 21:05:57.60 ID:G7iBgRt50
「おー!中々goodな少年です!
 貴方もアニキの使徒にナリナサーイ!」
自らの強靱な肉体を誇示しながら真に迫るアニキ。
その足下には数人の男達が兄気中毒で倒れている。
「いや、やらせないぜ?」
バチ!
バチバチバチ!
真のマフラーが深紅に燃え上がる。
「俺の能力は恋路と同じ性質であったとしてもあいつほど上手には扱えない。
 その上頼みの綱のライディーンスーツも今は無い。
 でもなあ、正義の味方の条件は強靱な肉体なんかじゃない。」
真は真っ赤に燃え上がったマフラーを両腕に絡みつかせてアニキに向けた。
解説しよう!
明日晶は同じ都市伝説『電子レンジで猫をチン!』の契約者である恋路によって激しい特訓を受けていた!
その中で師匠である彼女が為しえない特殊な能力を発現させたのである!
通常、『電子レンジで猫をチン!』の都市伝説は相手にマイクロ波を送り込み爆葬する都市伝説だ。
しかし彼は遊園地の誘拐犯との戦いの時に怒りにまかせて能力を発動させたところ本来ならあり得ない形でマイクロ波が働いた。
なんと彼はマイクロ波を相手の脳内に直接送り込んで脳の中に声を発生させることに成功したのだ!
パラボラアンテナ代わりのマフラーの補助無しでは発動できないがそれは正しく誰も傷つけない正義の味方の必殺技なのである!


250笛 (代理):2009/12/24(木) 21:09:17.80 ID:G7iBgRt50
「流派、東方恋路の名の下に!
 俺のこの手が真っ赤に燃える 悪を絶やせと轟き叫ぶ!
 有情〜〜〜石破!天驚、………ゴッドフィンガアアアア!!」
見えはしないが膨大なマイクロ波がマフラーに誘導されてアニキの脳内に流れ込んでいる。
それはアニキの脳内でフレア効果という現象を発生させてアニキは脳内で声が生じているように感じるのだ!

「な!?頭の中に声が流れてくる!?
 ぐおっ、苦しい………!」

ドサリ
全裸筋肉男は見えない一撃により傷つくことなく気絶したのであった。
「やったか……。」
一息つく明日真。
しかしその姿を見ていた周囲の人間が今度はざわめき始める。
「やっべ、どこかの黒服の皆さんあとは任せた!」
明日真は急いで水族館を後にした。


251笛 (代理):2009/12/24(木) 21:10:36.12 ID:G7iBgRt50
「遅いよアスマ!」
「ごめんごめん、人の波をすり抜けるのが大変で……。」
「良いからさっさとマフラー外して逃げるよ!」
シュルシュルと真のマフラーを解くと自分の服の胸ポケットに突っ込む。
「ところでこの前美味しそうな中華のレストランを見つけたので……、
 ソレで今回は一つ手を打って頂けないでしょうか……。
 予約は済ませておりますので……。」
「それは楽しみだ。予約ってもしかして?」
「ああ、晶姉ちゃんに無理矢理予約させられた。
 今日一日は俺達を余程見たくなかったに違いない。」
「苦労、しているんだね。」
「触れないでおいてあげよう。」
「うん……。」
ハヤブサに跨って二人は中華料理店に向かうことにした。


252笛 (代理):2009/12/24(木) 21:11:34.17 ID:G7iBgRt50
レストランで恋路の機嫌を取った後、真は恋路と映画館に向かった。
彼としては大変不本意ながらコテコテの王道恋愛物である。
どうやって二時間を過ごそうか彼は頭を抱えていた。
「うわぁ……。」
映画館に入るとやはりここもカップルだらけで彼には精神的に厳しい。
しかし恋路は楽しそうに真ん中辺りの席を見つけると真にポップコーンを買いに行かせる。
真が周囲を見ると他のカップルの男性陣もそうらしいことに気づいた。
お互いお疲れ様です、みたいな感じで頷き合う男達。
それぞれドリンクとポップコーンを買うと席について映画は始まった。
結論から言うと明日真を含めて殆どの人間が映画を見ていなかった。
明日真も恋路に寄りかかられてしまったり手を握られてしまったりで眠ることも映画を見ることも許されず思考を停止させていた。
しかしどきどきしていると時間は早く過ぎる物で映画はいつの間にか終わっていた。
ストーリーは本当に単純な恋愛物で恋に疲れた女子大生が大会社の陽気な御曹司と妖しい魅力を持った大学の先輩の間で板挟みになると言う物だった。
恋路が何やら映画について話していた様子だが真にはあまり聞こえていないようだった。


253笛 (代理):2009/12/24(木) 21:12:26.25 ID:G7iBgRt50
「で、次はどこにいくの?」
キラキラした目で真に尋ねる恋路。
二人はハヤブサに乗って駅前の方に向かっていた。
「えっと、次は……。」
「私ショッピングとか行きたいなあ!」
「う〜ん、解った。じゃあ駅前のデパートでも行くか。」
「あ、あそこで私欲しい物あったんだ〜。」
「じゃあ丁度良い。そこへ行こうか。夕食もデパートで済ませちゃうかな?」
「良いんじゃない?まだお財布に余裕は有るけど。」
デパートの辺りも当然クリスマス一色で、恋人達に満ちあふれていた。
バイクを駐車場に停めてデパートに入ろうとした所、真は恋路が空を見ていることに気がついた。
「何見ているんだ?」
「いやほら、月が綺麗だなぁと。」
「月が綺麗なんて俺が言わないと格好がつかないじゃないか。」
「ん?」
「いや、なんでもない。」
恋路の言うとおりに、夕暮れが終わった後の薄暗い闇の中に浮かぶ月はいつもより一際強く輝いているように見えた。
クリスマスなんていつもは気にしていなかったがこういう物ならば悪くない、と明日真は感じていた。


254笛 (代理):2009/12/24(木) 21:13:20.31 ID:G7iBgRt50
「こっちこっち!」
さて、デパートに入ってからすぐに明日真はジュエリーショップコーナーに連れて行かれた。
恋路の目当ては恐らくアクセサリーだろう。
「これ欲しかったんだよね!」
「THE KISS?知らない店だなあ?」
「解ってないねアスマ、今ここがペアリング業界で熱いんだよっ!」
「そうなのか……?」
店に入ると若い女性の店員が丁寧に応対してくれた。
「こちらのペアリング、只今クリスマス割引で29,480円になっております。」
微笑みを崩さずに丁寧に接客するお姉さん。
しかし彼女の目の前で見栄を張りたい学生の客ならばギリギリ買え……なくもない値段の商品を紹介する辺り抜け目がない。
「ねぇねぇアスマ!これにしようよ!」
「え〜、でもバイク弄る時面倒なんだよなあ……。」
勿論これは嘘である。
彼が買うのを躊躇っている理由は指輪なんかつけていたらマイクロ波を出すときに不便だからだ。
しかし店員さんもさるもので指輪が面倒だという明日真の心理を絶妙についてくる。
「それでしたらこちらのチェーンがセットになっておりますのでネックレスでもよろしいかと思いますよ?
 クリスマスと二人の記念に是非如何でしょうか?」
「ねぇ〜、買おうよ!」
真に修行をつけるときとは違って甘えた声を出す恋路、見上げるような目線で見詰めてくる。
そんな声で頼まれたら買わない訳にはいかないだろうが!と明日真は心の中で叫んでいた。


255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:13:41.57 ID:Y2k5+PJPO
支援といこう
256笛 (代理):2009/12/24(木) 21:14:09.59 ID:G7iBgRt50
「ありがとうございましたー!」
店員さんの明るい声に送られて店を出る。
二人の胸元にはリングが光っていた。
「買ってしまった……。」
自分のお小遣いまで出してしまった予想外の出費に嘆く真。
「買って貰った♪」
お目当てのアクセサリーが手には入って上機嫌な恋路。
そんな二人はデパートの屋上に向かっていた。
「席なんて空いているのかなあ?」
「あ、言われてみれば……。」
案の定、デパートの屋上の食堂であっても家族連れやカップルなどで席は一杯になっていた。
「どうするのよ、アスマ〜!」
「……嫌な予感はするがこの手をつかうしかないか。」
「え?」
「いや、ホテルのディナーショーの券を二枚ほど貰っていてな……。」
「黒服さんから?あの人親切だよねえ。」
「ああ、ちなみに歌うのはこの歌手なんだけれどさ……。」
「あれ、有名な歌手の人じゃん!どうやって手に入れたのかな?」
「知り合いが出るだのなんだの言っていたぜ。」
「ふーん……、あの人も謎が多いというか。」
「まあ俺達みたく担当している契約者でも居るんじゃないの?」
「そんなところか〜」
「じゃあ行くか、あの人のくれた物だから妙に警戒してしまったけどよく考えたらそうすることもないわな。」
「そうだよ、良い人じゃんあの人。」
恋路がそう言って二人が駐車場に戻ろうとしたときだった。


257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:14:24.51 ID:ChaLBzJ0O
しえんだ
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:16:46.40 ID:IubICW9n0
支援
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:19:56.17 ID:R3K5op9O0
テステス
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:21:09.72 ID:R3K5op9O0
うお、規制解けた!
代理の方どうもアリガトウゴザイマス!
まさかまさかだ……
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:21:45.00 ID:ChaLBzJ0O
規制解除うらやましす
262:2009/12/24(木) 21:24:42.15 ID:R3K5op9O0
なんか急に規制解けたので残りは自分で投下したいと思います。
代理の方本当にありがとうございました。
263:2009/12/24(木) 21:25:43.45 ID:R3K5op9O0
「ダンスフロアーに華やかな光♪」

「あ、携帯なってるよアスマ。」
「俺の携帯か。」
明日真が携帯を取ると姉からの着信だった。
「どうした姉さん。」
「おう、イチャイチャしていたかカップル共……。死ね。」
地獄のそこから響くような声が携帯から聞こえる。
明日晶の怨念が携帯を通してこちらに伝わってくるようだ。
「ま、まあ楽しくやっていたよ……。」
ビクビクしながら応対する真。
「そうか、お前らの為に私のファンの支配人がやっているホテルを予約しておいてやったよ。
 精々“一晩”楽しむと良い!!この(ピー!)!死ね!死ねば良い!
 ホテルの名前は………ね。料金は払ってあるから存分に楽しんで死ね!」
やけに一晩を強調している。
「………なんだと。よりによってそのホテル!?」
「なんか文句有るか!?じゃあな!私は忙しい(気がする)んだ!」
プツッ
電話は切れた。
264:2009/12/24(木) 21:26:48.56 ID:R3K5op9O0
「どうしたのアスマ?」
不思議そうな顔で恋路が尋ねる。
「いや、ホテル予約しておいたんだって……。」
「お姉様、少々準備が宜しすぎて焦るというかなんというか……。
 ホテルの名前は?」
「これこれ。」
ディナーショーの券を指さす真。
「なんですと………。」
絶句する恋路。
晶が予約したホテルとディナーショーのホテルはどちらも同じ場所だったのだ。

「ちなみにディナーショーまでどれくらい時間あるんだい?」
「ああ、あと40分だな。」
「急がなくちゃ駄目じゃないか!」
「その通り!さっさと駐車場に戻るぞ!」
二人は血相を変えて駐車場に戻り、ハヤブサでデパートを出た。
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:27:51.02 ID:G7iBgRt50
サルとけたえはず支援
266:2009/12/24(木) 21:28:05.23 ID:R3K5op9O0
「セーフ、開始10分前だ。」
「本当にギリギリなのね。」
二人はなんとかホテルに辿り着いていた。
ホテルに入ると恰幅の良い男が二人を出迎える。
「晶様の弟様とそのご友人でございますね?
 部屋の方は……。」
「あ、その前にディナーショーに行こうと思ってたんですけど!」
「チケットは……、ございますね。
 ディナーショーはこちらでございます。お急ぎ下さい。」
真と恋路は男に連れられてホールまで向かった。
二人が席に着くと確かにショーが始まりそうだ。
二人が席に着くと料理やら飲み物やらが運ばれてくる。
すこし飲み物を飲んだり二人で話したりしているとやがてショーは始まった。
美人な女性が歌っているようだが明日も恋路も彼女を見たことはない。
267:2009/12/24(木) 21:29:08.39 ID:R3K5op9O0
「ふむ……。やはり、いやまさか……?」
「どうしたのアスマ?」
明日真は周囲を落ち着かなくキョロキョロと眺め回していた
「ちょっと静かにしていろ、ディナーショーだろう?
 後で話なら聞いてあげるから。」
「むぅ……。アスマこそやたらそわそわしているじゃない。なんだっていうのさ。」
ちょっと不機嫌になる恋路。
「いや、ここにも俺達以外に都市伝説関係者が来ているのじゃないかって。」
「アスマ、そんなこと気にしちゃ駄目だってば!」
「それもそうか……。」
「来ていたとしてもわざわざ暴れたがる人なんて居ないから安心しなってば。」
「それもそうだな。」
明日真は恋路にたしなめられて素直に警戒を解いた。

ディナーショーは意外と長く続き、二人が部屋に戻る頃には時計は午後の九時を回っていた。
「しかし女性とホテルだなんて去年は想像もしていなかった……。」
「ん、なんか言った?」
「いや、なんでもない。」
部屋に戻ると適当にテレビをつけて二人で眺めた。
お互い歯を磨いたりシャワーを浴びたりと大変落ち着いた時間を過ごしている。
しかしいつも家では二人でこうして居る筈なのにホテルという場所のせいか真は恋路のことを妙に意識してしまっていた。
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:29:16.10 ID:VCTpByCC0
支援
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:29:16.79 ID:IubICW9n0
支援
270:2009/12/24(木) 21:29:58.16 ID:R3K5op9O0
「しかし姉さん(ドゥーン)は無理だって、俺そこまで自分に自信ないから……!」
恋路がシャワーを浴びている間、頭を抱えてベッドに寝転がる明日真。
「確かに俺だって健康な高校一年生である以上ソウイウ願望なり欲望なり有るわけで
 その上恋路は黒髪ロングストレートという俺の好みバッチリな感じだし気にはなっているよ?
 正義の味方としての活動は手伝って貰ったし命の危機も救って貰ったし料理作ってもらったし優しいし大好きだよ?
 でもこんな状況だからってそこまで急にハッテンしてしまうのはどうかっていう倫理観が俺の中でも有るわけで……。
 ほら、俺って風紀委員だから不純異性交遊とか良くないと思う訳よ。
 不純かっていうとまた違うよ?
 この思いは純粋だよ?
 でも精神って行動によって外側から規定されるものであって内面とは関係がないと思うんだよね!
 何を考えて居ても自己を観測できる他者は自分の行動しか見ることが出来ないわけでさ。
 でもそれ故に自分の精神という物は自分にとって比類無い、絶対的な存在なんだよ。
 いや決してこう誤魔化しているとかソウイウのじゃなくてなんていうか触れてしまって良いのだろうかという甘美な躊躇いが今俺の脳内で……」
「シャワー浴び終わったよ。」
ペト
シャワーを浴びてすっかり暖かくなった恋路が真に後ろから抱きついてくる。
冷静に考えれば電化製品がシャワーなど浴びて大丈夫なのか心配である。
しかし明日真にそんなことを考えて居る余裕はなかった。
271:2009/12/24(木) 21:31:18.11 ID:R3K5op9O0
「ちょ、恋路さん。服の方は……。
 艶やかな餅肌が直接触れている感じがするのですがどうしたのでしょう?」
そう、恋路はバスローブ一丁で真に抱きついていたのだ。
「なんだ、今更堅いこと言うなよ。恥ずかしくなるじゃないか。」
真の耳元でささやく恋路。
吐息が懸かるほど真の耳元に迫る彼女の唇。
「12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
 1年間で最も(ピー)をする人の多い「性の6時間」です。

 貴方の知り合いや友人ももれなく(ピー)をしています。
 普段はあどけない顔して世間話してるあの娘も(ピー)をしています。
 居るか知らないけど貴方が片想いしているあの綺麗な女性も(ピー)をしています。
 貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなく(ピー)してます。
 晶さんは思い切り家で体育座りしています。
 貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやったことを別の男にやられています。
 貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男の(ピー)でヒィヒィ言っています。

 で、アスマはどうする?
 私は………ね。」
恋路の舌なめずりする音が聞こえる。
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:32:53.35 ID:Y2k5+PJPO
支援か
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:34:55.35 ID:G7iBgRt50
しえーーーーん
274笛 (代理):2009/12/24(木) 21:36:00.24 ID:G7iBgRt50
恋路の黒い瞳が妖しく輝く。
真は見えていないだろうが物欲しそうな、それでいて満たされているような不思議な魅力を湛えた瞳。
恋路の細くて白い指が真の胸を、腹を、下へ下へと這いだし始めた。
姉さんすいません、今日貴方の弟は一線を越えるようです。
父さん母さんすいません、今日貴方の息子は大人の階段を登るようです。
だってここで退いたら男じゃないだろう?
明日真は心の中で家族に向けて謝っていた。

ざらりとしたバスローブの肌触りとふわふわ柔らかな胸の弾力が真の身体を否応なしに反応させる。
シャンプーの物だろうか?恋路の甘い香りが鼻腔に満ちると明日真の精神もまた高揚し始める。

「なぁ恋路。」
「んぅ?どうしたんだぁい?」
真は恋路の方向を振り返って問いかける。
「良いのかい?」
「聞くだけ野暮だろう。」
「失礼したよ。」
真がそう言って覚悟を決め、恋路の唇を塞ごうとした時だった。


275笛 (代理):2009/12/24(木) 21:36:55.83 ID:G7iBgRt50


コンコン!


「ノック?」
「良いよ、続けよう。」
意外と大胆な恋路。
「ちょっと待って、念のために服を着ておいてくれよ。」
「もう、……解った。」
しかし真はノックの音に一抹の不安を感じてドアに近づいた。
恋路が服を着終わったのを確認してからドアを開ける。

「………あっれ?」
明日真がドアを開けるとそこには何も、誰も、無かったし居なかった。
コンコンダッシュなどという悪戯をわざわざする人間がこのホテルに居る筈もない。

だからこそ、明日真は逆に警戒した。


276笛 (代理):2009/12/24(木) 21:37:50.50 ID:G7iBgRt50
「恋路、後ろは?窓からは誰も来ていないか!?」
「え、誰もいな………。」
明日に聞かれて恋路が後ろを振り返ったその瞬間だった。
バリーン!
窓ガラスが砕け散る。
そして砕け散った中から現れたのは………


「…………………リア充、死すべし。」

逆行でよく見えなかったが、確かにそれは明日晶だった。
「キャアアアアアアアアアア!?」
「忙しいってこれの仕込みに忙しかったのか!逃げるぞ恋路!こいつだけは不味い!!」
何せ相手は理不尽な理由でぶち切れている姉である。
二人にとって怖くないわけがない。
泡を食って逃げ出す真と恋路。
ホテルの階段を必死で下り、駐車場まで行ってバイクに跨って家まで逃げ出した。

彼らがこの騒動の原因は恐怖のサンタだと知るのは少し後のお話である。
【電磁人の韻律詩10号〜戦場のようなメリークリスマス〜 fin】


277三面鏡の少女のクリスマス (代理):2009/12/24(木) 21:39:44.38 ID:G7iBgRt50
「よしっ、準備完了っ」
以前、首塚の宴の折にメアリーとミツキに着せられたドレス
サイズも合わせた一点ものという事で結局貰ってしまったのだが
「これなら前に見てもらってるし、気付いてもらえるかな?」
三面鏡の前でくるりと回る
「ねー、下着はー?」
「折角貰ったんだしさー」
「出会いがあるかもしんないしさー」
「あの男の子に会えばスカート捲られるから見てもらえるよー?」
「却下っ! というか小学生にあんなの見せていいわけないでしょ!?」
「あー、あんなのとか言ったー」
「折角プレゼントに貰ったのにねー」
「高級品だよー?」
「贈り物は感謝するけど人に見せれるものかどうかは別っ!」
ぱたんと三面鏡を閉じて、コートに袖を通してバッグを提げる
「それじゃいってきまーす、おかーさん、ケーキ全部食べちゃダメだよー?」
「はいはい、気をつけてね。いってらっしゃい」
相変わらず台所から聞こえてくる母の声を背に、少女は家を後にした

―――

「……で、なんか空が大惨事です」
ディナーショーが行われるホテルへ向かう道中、町の中心部の上空に見えた三つ巴の大戦争
「何が原因かわかんないけど、黒服さん達はアレどうするんだろ」
また黒服Dが主体となって火消しに奔走しているのだろうか
そう考えると、これからのんびりとディナーショーを楽しみにいくという事に抵抗感が湧いてしまう
「ちょいとそこのお嬢ちゃん」
足が鈍る三面鏡の少女の背後から、胡散臭いというものを凝縮したような声が掛けられた
278三面鏡の少女のクリスマス (代理):2009/12/24(木) 21:40:47.50 ID:G7iBgRt50
少女は今までの経験から、振り返りもせずに即座に全力ダッシュ
「お、ちょ、待てコラ!? せめてこっちを向けっての!」
だが普段着の時とは違い、お出掛け用の正装である
声を掛けた存在、都市伝説である『恐怖のサンタ』相手では逃げ切る事は出来なかった
「ぜぇ……ぜぇ……いかんなぁ……く、クリスマスプレゼントを……あげようと思ってたというのに」
「いらない! 絶対いらない!」
「そう遠慮すんな、折角来てやったんだからなぁ」
そう言ってごそごそと袋の中を探る『恐怖のサンタ』
そして袋の中から出てきたのは――黒服H
死体ではない、本人そのものが袋から転がり出てきたのだ
「うお、一体何があった」
流石に即座には状況を把握できない黒服H
それ以上に状況を把握できてない、三面鏡の少女と『恐怖のサンタ』
「……まあ何だ、とりあえず仕事しなきゃいかん状況だという事は把握した」
ぎゅるん、と
即座に髪の毛に絡め取られて動けなくなる『恐怖のサンタ』
「お前さんが『恐怖のサンタ』だとして……なんつーかアレか、トラウマ級か俺」
もがく事もできず絞め上げられる『恐怖のサンタ』
その袋には、かつて少女の危機を救った白色の救世主たるアヒルのおまるが顔を覗かせていた
「なるほど、これが込みか。それならちょっと納得しておこう」
「あ、あの……何が起きてるんですか、Hさん」
状況が全く把握できてない三面鏡の少女
「いんや、別に? ちょいと悪戯好きのサンタさんを懲らしめるはずが、組織の不手際でゴタゴタしててな。まあ町にはそれほど被害は無いだろうから気にするな」


279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:42:40.94 ID:Y2k5+PJPO
支援
280三面鏡の少女のクリスマス (代理):2009/12/24(木) 21:42:50.59 ID:G7iBgRt50
少女はあまり納得したような顔はしていなかったが
「それより、ディナーショー行くとこなんだろ? 俺はこの通り仕事中だし、代わりにしっかり顔を見せてあいつを安心させてやってくれ」
「あ、うん、そういう事なら。ちゃんと後で報告するから!」
「おう、気をつけてな。まあ出会うのが『恐怖のサンタ』だったら俺が対応する事になると思うが」
時計を見て、何度か振り返り手を振りながら走り去っていく少女を見送り
その姿が視界から消えたのを確認して、力を込める
ごきり、と鈍い音がして
泡を吹いて意識を失った『恐怖のサンタ』が地面に転がされた
「また引っ張り出された時に血の臭いがしちゃ困るからな。あの子に感謝しとけよ」



色々な方向に焼き土下寝しつつ
ライオンの子とかなんか生きてるものは転送するみたいだったので
最大のトラウマは『夢の予言』の少年なんだけど死人を黄泉返らせて出せるかわからないのでこうなった
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:44:14.25 ID:Y2k5+PJPO
サルってたか代理共々乙でした
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:45:39.89 ID:ChaLBzJ0O
オマルとHさんかwwww
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:46:21.67 ID:G7iBgRt50
代理投下してたら書きたいネタが増えた
さて

・黒服D達のクリスマスネタ続き 〜禿による胃痛と頭痛〜
・明日真のネタを受けての目撃者対応ネタ
・サンタ気絶させた後の黒服H

どれを先に書こうか…
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:47:13.13 ID:Y2k5+PJPO
聖夜なのでもう一本投下する
聖夜でなくても投下してたと思うけど

久方ぶりに出すキャラなので覚えてない、知らない人多数な奴だぜ
285:2009/12/24(木) 21:47:43.60 ID:R3K5op9O0
>>283
どれも楽しみにしているぜ!
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:47:53.79 ID:IubICW9n0
黒服D…あんまり頑張らないでくれ…
287猫好きな男とミケさんとネコ:2009/12/24(木) 21:48:42.07 ID:Y2k5+PJPO
猫の集会。
野良、飼い猫関係なく、ある空き地に集まっていた。

その中に一人の人間がいた。
齢は二十代半ば、男である。
「ミケさん!俺は今物凄く嬉しい!」
「あらあら、良かったですね坊ちゃん」
その隣にミケさんと呼ばれる女がいた。
男より少し年上に見える。落ち着きのある雰囲気の女。
先程人間は一人といったが間違いではない。彼女は猫なのだ。
常に人の姿に化けている三毛猫である。「ありがとうミケさん!こんな天国に招待してくれて!さいっこうのクリスマスだ!」
この男、余程猫が好きなのであろう。
まるで子供のようなはしゃぎっぷりである。
「ああ、こんなことならチビたんやトラ、シャム達もつれてくればよかったなぁ……」
男は家の飼い猫達のことを思いだした。
「あの子達にはまだ集会は早いですよ」
が、ミケさんに一喝されてしまった。
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:49:53.23 ID:G7iBgRt50
ミケさん達キターーーーーーーー!!!!
支援
289:2009/12/24(木) 21:50:12.54 ID:R3K5op9O0
そして三面鏡の人乙!
さらに猫支援
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:50:27.09 ID:2SUuZZPl0
久しぶりだw支援
291猫好きな男とミケさんとネコ:2009/12/24(木) 21:50:49.21 ID:Y2k5+PJPO
「そっか……チビたん達とは家に帰ってからクリスマスを祝うしかないかぁ…」
ミケさんにそう言われると男はションボリと肩を落とした。
「いや、にしても、凄い数の猫だ!」
が、周囲の猫を見渡すとテンションはすぐに元のものに戻っていた。
「………ん」
男の視線はある一匹の猫にとまる。
「あの子ですか。最近あらわれるようになった子ですね」
ミケさんがその猫について話す。
「なんでも、よその国生まれの子みたいですね。
うちのシャムちゃんとも違う国みたいです」
「…いや、あれって」
男の視線はその猫にくぎづけになる。
がっしりとした四肢、多少短めの尻尾。
木登りは他の猫に比べて不得意そうだ。主に大地を歩む、王のような風貌。

「あれってもしやライ……」
「私達猫達の間ではレオちゃんって呼んでます」
ミケさんは満面の笑みでそう言った。
男は思わず黙ってしまう。
明らかに、わかったうえで名付けられな名前……
あのネコの正体をもはや聞く雰囲気ではない。
292猫好きな男とミケさんとネコ:2009/12/24(木) 21:52:15.93 ID:Y2k5+PJPO
「れ…レオちゃんかぁ…いい名前だなぁ…」
「私達が勝手に呼んでるだけなので本当の名前はわかりませんけどね」
これまた満面の笑み。
「どこかの飼い猫なんでしょうねぇ、毛並みも良いですし。
あ、好きな食べ物はお肉らしいですよ」
やはり満面の笑み。
ミケさんはなにもかも、わかった上で言ってるのだろう。
男の脳裏に「動物園」というワードが浮かんだのはいうまでもない。
「…ま、いっか。クリスマスだし」
男は猫に餌付けしようともってきた猫缶をとりだしあける。
「肉系飼料の高級品だし食べるよな」
そしてそのネコに差し出す。
ネコは思ったよりも人懐っこいらしく、何の警戒もせずにそれを口にした。

「お、食った食った…ははっ、やっぱ猫科はかわいいな……」

293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:52:22.88 ID:G7iBgRt50
っちょ、ライオンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
支援
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:56:19.20 ID:Y2k5+PJPO
百獣の王が現れたようなので猫が大好きな男を久しぶりに書いてみました

チビたん達は集会にはまだお呼ばれされてないみたいです

家に帰ってからパーレィーするみたいですね
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:57:08.36 ID:G7iBgRt50
っと、支援と思ったら終わってた乙ー!

何故だろう、ライオンが動物園に保護される日が遠いような気がするwwwwwwww
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 21:59:21.53 ID:R3K5op9O0
ライオン愛されすぎワロタwwwwwwwwww
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:00:17.32 ID:qHYrI0csP
次スレはここでいいんじゃね
298小ネタ:2009/12/24(木) 22:03:40.34 ID:G7iBgRt50
>>280からの続きっぽい



「…さてっと。一応、Gの野郎に報告を…………っ!?」

 懐から、携帯を取り出そうとして
 げほげほと、黒服Hは咳き込みだした
 傍の壁にもたれかかり、しばし咳き込み続ける

 −−−−−−ぽたり

 白い雪の上に、鮮血が飛び散る

「あー………くそっ」

 口の中に広がる血の味
 体中を走り回る不快感に、表情をゆがめる

 ……命を長引かせる為の「切り札」を仕込んだとは言え…これでは、本末転倒か
 だとしても、「組織」のメンテナンスを、まともに受けていい状態ではないのだ
 この「切り札」に気づかれたくない
 だからといって、「薔薇十字団」にその手のメンテナンスを頼む訳にも…

「……仕方ねぇか」

 苦笑し、上司への報告は後回しにして……別の番号へと、かける

「…よぉ、辰也………ん?お楽しみの最中だったか?……ま、そう言うな…………悪い、今度、そっち顔出すから…アレ、頼む」
299小ネタ:2009/12/24(木) 22:06:01.87 ID:G7iBgRt50
 簡潔に用件だけを告げて、電話を切った
 再び、体中を走りぬける不快感
 げほげほと、再び咳き込む

 ぽたり、ぽたり
 雪の上に、真っ赤な広がりが出来ていく

「…あ〜、畜生……まぁ、人前でこの症状が出ないだけ、マシか…」

 体が、拒絶反応を起こしている
 それを、はっきりと自覚する

 …だが、これは「切り札」なのだ
 「組織」の強硬派や過激派を、始末し続けるうえで…自分とて、いつ消されそうになるか、わからないから
 だから、これは「保険」で「切り札」
 どんなに拒絶反応が起こったとしても、手放す訳にはいかない

「……さて、今日はもう、仕事がないといいねぇ…」


 一人、ぼそりと呟いて
 黒服Hは、路地裏に姿を消した


 …後には気絶したサンタと、血溜まりだけが残されたのだった


to be … ?
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:07:56.21 ID:G7iBgRt50
クリスマスだってのに何この不吉なネタ、ふざけてるの?

…とまれ、マッドガッサー騒動以降、ちょっくら黒服Hは体調が不安定になりますよっと
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:09:07.84 ID:ChaLBzJ0O
お楽しみだったのかwww
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:10:26.00 ID:G7iBgRt50
>>301
お楽しみ中ではなかったと思うwwwwwwwwwwwwwww
…何か言おうした瞬間に邪魔された可能性はあるがな!!!


避難所に恐怖のサンタについての情報がきたので転載↓


724:占い師と少女 :2009/12/24(木) 22:06:23

皆様乙ですー!
投下後から今までずっと予備校詰めだよ・・・orz

取りあえず恐怖のサンタの能力の疑問に答えるよ!
・死人は蘇るのか
無理ですが、その人間の記憶を元に動き、しゃべる偽物程度なら作れます

・個体差
兄貴や偽禿などの製造物には、その各々に差がありません
その他恐怖の対象として作り出された物には、その恐怖やトラウマの大きさによってその現実味やその他諸々の違いが出てきます

・袋から何も出てこなかったんだけど・・・
恐怖の対象がない場合希に起こります
つまりは外れ。詳しく説明すると兄貴のぼいこっと
製造された兄貴だってたまには休みたいんです。だって人間だもの

303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:14:16.33 ID:IubICW9n0
心の平穏のために寝るほ
せめて夢だけでも…
304合わせ鏡のアクマ〜クリスマス編〜>>220の続き:2009/12/24(木) 22:18:15.91 ID:cQXCTBvZ0
「・・・・・・それで、この二人を保護してくれと。そういうことですか盟主様」
「墓地ではふきっさらしですから・・・彼は人がいいですし、ここが最善かと」
高速飛行を終えて着いた先は一軒のアパート。
その一室の玄関先で、女性幽霊が誰かと話しているが・・・正直、二人にそれを聞いている余裕はなかった。
「・・・うぅ、ちょっと酔ってしまいました」 「―――」
慣れていない人間には、こんな飛行はたまったものではない。
そんな二人をよそに会話は進んでいく。
「分かりました。兄さんは私から説得しておきます・・・・・・ですが」
「なんですか?」
「三が日くらいは休ませてあげてください」
「・・・私、そんなに仕事させてますか?」
「させてますよ」
と、外にいた二人の体が不可視の力で部屋の中に運ばれる。
どうやら交渉は成功したらしい。
「では、よろしくお願いしますね・・・ああ、上空のアレは私がやると彼に」
「分かりました。この二人は私たちで保護しておきます」
「それでは・・・メリークリスマス」
そう言って女性が出て行くと、風もないのに玄関の扉がバタンと閉まった。
「・・・・・・はぁ、兄さんになんて言いましょう」
この家の住人らしき少女が、顎砕き飴の少女達に向き直る。
「話を聞く限り、だいぶ寒い思いをしたようですね・・・浴槽にお湯を張るので少し待っていてください」
「あ、はい。ありがとうございます」
顎砕き飴の少女が頭を下げる。
「いえ、いいんですよ。それと私に敬語う使う必要はないですから・・・あ、着替えどうしましょう」
テキパキと準備を進める少女を、保護された二人はただ見ていることしかできない。
するとしばらくして、背後の玄関から扉の開く音と「ただいま」という声・・・そして足音が聞こえてきた。
「ちょっと奮発して高い肉を買ってみ・・・・・・誰だお前ら?」
「あ、お帰りなさい兄さん。それが盟主様が・・・」
帰ってきた「兄さん」に事情を説明する少女を眺めながら、
顎砕き飴の契約者とウィンチェスター・ミステリー・ハウスの契約者は、またもや同時にくしゃみをした・・・   To be......
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:24:10.78 ID:Y2k5+PJPO
乙でした

聖夜はすごいもう一本短編を投下させて下さい
>>230の直後の話になる
306サンタクロースからの贈り物:2009/12/24(木) 22:26:35.36 ID:Y2k5+PJPO
小さな黒服はあるものを見つめていた。
サンタが忘れていった袋だ。
口があいているが中には何も入っていない。
黒服は何を思ったか、それに頭をつっこんだ。
「やはり何もありませんね」
この黒服、少々おつむが残念なようだ。
「では、帰りましょ…」

袋から頭を出したとき、黒服の動きが止まった。
「………あっ…うっ」
黒服の体が小刻みに震えだす。


数十秒後震えが止まると、黒服は袋から頭を抜き出す。
「はぁ…はぁ……」
いつもと変わらぬ無表情なのだが、酷く顔色がわるい。

袋に頭をつっこんでる間、黒服の頭にはある場景が流れていた。
何もないただっぴろい空間。そこで泣いている女の子。
307サンタクロースからの贈り物:2009/12/24(木) 22:27:44.53 ID:Y2k5+PJPO
「あれは」
黒服はその小さな拳を握った。
「私でした」
黒服になる前の自身の姿。
あの光景だけでは何がおこったのかまではわからない。
だが…
「見つけました…記憶の手掛かり…」

今日は聖なる夜。
彼女が欲しかった本当の記憶の手掛かりは皮肉にもサンタクロースによってもたらされた。


「終」わりであり始まり
とりあえず

308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:28:41.95 ID:cQXCTBvZ0
・・・えー、はないちもんめの方と三面鏡の方に改めて土下座を。
このまま年越しまで居座っていても何も問題はないと先に言っておきます。
なに部屋が狭すぎないかって?ハハハ、気にしていたら負けてしまうぞ?
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:30:31.45 ID:Y2k5+PJPO
誤字脱字はいつものことですが

>>306
黒服が震える前の
「袋から頭を出したとき」は「出そうとしたとき」ですね

二回も袋から頭を出すのはシュールなので一応訂正

他の誤字脱字はふいんき(なぜか)で読み取れるるかと
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:30:51.26 ID:ChaLBzJ0O
乙でしたー
今日は投下が多くて嬉しい限りだな〜
クリスマスだからか・・・
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:32:20.47 ID:Y2k5+PJPO
ここに投下している時点で「性なる夜」に参加してないのは確定的にあきらか
312聖夜の神団:2009/12/24(木) 22:35:00.60 ID:jo3AiP+R0
「…どうにも、本調子が出ませんね」
学校町上空で、弟子が呟く。

「確かに…どうも騒ぎの関係で私の絶対的な神たる力が抑えられているようです…ルベルグンジ」
それにこたえる先生。その後ろでサンタの叫び声がするが気のせいだろう。
「やはり数には勝てない、のですか」「…ならば…!彼らを呼ぶまでです」
そう言って先生は祈りながら何やら唱え始める。


「私と共に生き、私と共に歩んだ心強き弟子たちよ…
信じる者はみな、人の子にあり永遠の命を持つ……再び我が元に集い命を咲かせよ!」


先生の体が光に包まれ、そこから一筋の光が飛び出し天を貫く。
そしてその光の作った雲の合間から、何人かの男が降りてくる…


その数、12人。



男たちは全員そろうと、先生の前に横一列に並び…
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:35:07.30 ID:cQXCTBvZ0
>>311 こんな大切なイベント時期に遊んでいられるかぁ!!

でも俺も恋人いないんだけどな
314聖夜の神団 >>311うわぁぁぁぁぁぁ:2009/12/24(木) 22:37:28.22 ID:jo3AiP+R0
「この世に師匠がいる限り!」「聖夜の悪は栄えない!」
「神聖な日に舞い降りる!」「我ら配下も舞い降りる!」
「サンタが配るはプレゼント!」「我らが配るは悪を断つ矢!」
「お天道様が許しても!」「師匠が許さねば我らも許さん!」
「師匠の怒りは我らの怒り!」「善には慈悲を!悪には裁きを!」
「我らは最強天使軍!」「『クライス十二柱団』!!」


…すさまじいコンビネーションで名乗り口上を言いあげた。

「久々ですね、ペテロ、アンデレ、ゼベダイ・ヤコブ、ヨハネ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、
 アルファイ・ヤコブ、タダイ、シモン、ユダ…300年振り、ですかね」
「はい!312年5時間23分16秒ぶりでございます!」…よくもまぁ正確に覚えているものだ。暇なんだろうか?

「…師匠、お隣にいるその長細いメガネは誰でございますか?」「そういえば、まだ会ったことなかったね。紹介しよう、私の新たな契約者、『弟子 一』君だ」

「こんな頼りないのが…?」「ついにご乱心なさったか…?」「いや、もしかしたら相当なテクニシャン…」馬鹿にした言葉に交じってヤバイことが聞こえてる気がする…

「皆さん?…人はみかけで判断してはなりませんよ?」
その声に、十二柱団は黙り込み、先生のほうへと向きなおす。

「彼、弟子君は私への信心がありかつ、私が再び神となることを強く望んでいるのです。このような意思の堅いものなら私の契約者として相応しいでしょう?」
十二柱団からおおー、と驚きの声が上がる。弟子は普段先生から褒められることが少ないのだろうか、ほめられて純粋に照れている。
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:39:09.93 ID:Y2k5+PJPO
13番目の人の裏切りフラグがヤヴァイ
316聖夜の神団:2009/12/24(木) 22:40:17.49 ID:jo3AiP+R0
「さて皆さん、今回の討伐目標を言い渡します…今回の討伐目標は、ズバリ『サンタクロース』です」
「サ、サンタ…ですか?」「先生、お言葉ですがサンタとは善良な子供たちに贈り物をするという善の塊のような存在ですが…」

「まぁ現代のイメージならそうでしょう。しかしこの町には、この神聖なる日を荒らすサンタがいます。
 彼らは人の恐怖の対象を生み出し人々を恐怖させるという何とも許しがたい行為を繰り返しています」


十二柱団が顔を見合せながらざわざわと騒ぎ始める。
「とんでもない野郎だ…」「やはり人間は恐ろしい…」「そのようなものを生み出すとはな…」


「よって、今回はこの、恐怖のサンタを一人残さず討伐してくるのです!」


「「「「「「「「「「「「サー、イエッサー!」」」」」」」」」」」」


号令と共に、十二柱団は一人一人学校町へと散って行く。


「…さ、弟子君。私たちは私たちでやりましょう」「……は、はい」


やっぱり先生は、すごいです。

やはりこの人が神とならねば、世界は変わらない。
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:42:49.87 ID:jo3AiP+R0
数でサンタや天使、存在感で禿に明らかに負けてしまったので負けじと少数ながら部隊を送り込んでみた。


クライス十二柱団
いかにも天使のような格好をしたイケメン天使軍団。12人という少数の精鋭部隊。
それぞれに名前があるが、性格的な違いはほぼなく、全員が師匠のためならたとえ火の中水の中。
悪に向かって飛んでいく天使の矢を放つ。


>>315
最終的に神をどうするか迷った中にその選択肢があった…多分消えてるけど
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:47:25.43 ID:Y2k5+PJPO
投下乙でした

神話レベル
世界中で信仰されているので力的にもトップレベル風味

これはすごい
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:48:19.32 ID:R3K5op9O0
去年はブッ細工な彼女が居たんだよばああああああああああああああああああかああああああああ!!!!
……やっぱ死にたい。
320小ネタ:2009/12/24(木) 22:49:11.72 ID:G7iBgRt50
>「やっべ、どこかの黒服の皆さんあとは任せた!」
よし、任せられたぞ


 …くるり
 水族館の、イルカプールを見下ろす座席
 そこに、一人の少女が腰掛けていた
 黒い、ゴスロリのサンタ衣装を身にまとい、黒いレースの日傘を差した少女
 先程の、謎のヒーローと全裸兄貴の戦いを見ても、騒ぐ様子なく…彼女は、そこを見下ろしていた

「ふぅむ、なるほどのぅ…あれが、H-No360が新たに担当をしている契約者か…なかなか、見所のある少年じゃのぅ」

 血も美味そうじゃし
 不吉な事を呟く
 そんな少女の背後に…ぬぅ、と大男が現れた
 大柄でガタイのいい体を包む黒スーツ、サングラスで隠しきれるはずもない顔の縫い目が、酷く威圧的な男だ

「…お嬢様、ひとまず、目撃者はこの会場から出られなくしておきました」
「うむ、では、頼んだぞ、G-No,1」
「了解いたしました」

 たんっ、と
 大柄な男が、軽く床を蹴る
 すちゃり、少女が懐からサングラスを取り出し、身につけた

 だん!!と
 男は、イルカプールの中央の舞台に降り立った
 観客たちがますます混乱する中…男は、ゆっくりとサングラスを外す
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:49:46.27 ID:Y2k5+PJPO
つまり

今日投下してない人達はお楽しみ中ということになるわけか
322小ネタ:2009/12/24(木) 22:53:11.15 ID:G7iBgRt50
 その瞬間
 男の、サングラスの下から現れた目が……赤く、光って
 その赤い光は、会場内を包み込んだ




「……あれ??」

 観客たちが、気づいた時
 大柄な男の姿は消えていた
 倒れていた全裸兄貴も消えている

 そして、観客たちの記憶からは、その大柄な男の記憶も、全裸兄貴の記憶も…その兄貴と戦っていた、謎のヒーローの記憶も
 全て、消え去っていた
 ただ、プールで泳ぐイルカ達が、不思議そうに、係員のツギの指示を待っていたのだった




「うむ、たまには現場に出るのもいいものじゃな!」

 現場の空気と言う奴がよくわかる
 そう言って、少女は上機嫌だ
 …水族館の売店で買ったのか買わせたのか、大きなイルカのヌイグルミを抱えているのも、ご機嫌の理由だろう

「なぁ、G-No,1よ」
「お気持ちはわかりますが、だからと言って、そう頻繁にお嬢様に現場に出ていただくわけにもいきません」

 ぴしゃり、そう言いきる大柄な男
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 22:55:18.28 ID:cQXCTBvZ0
そういえば水族館ってどこにあるんだ?
324小ネタ:2009/12/24(木) 22:58:55.67 ID:G7iBgRt50
 むぅ、と少女は可愛らしく頬を膨らます

「妾も、もっと現場の仕事がしたいのじゃ」
「お嬢様は、それを言い訳に外へと出たいだけでしょう」

 苦笑する大柄な男
 考えを読まれたからか、少女はバツの悪そうな顔をする

「…さて、上空を飛んでおる、残りの兄貴達じゃが」
「お嬢様が飛んで撃ち落すのは却下です」
「わかっておるわ…一応、モンスの天使が頑張っておるようじゃし、様子見じゃな。禿本体に関しては、見つけ次第、気絶寸前まで血を吸い尽くしてくれるわ」
「…お嬢様にあの筋肉が感染しては困ります。おやめください」

 …むむむむ
 何故、この部下は自分に仕事をさせてくれないのか
 くるり、くるり
 日傘を回しつつ、むくれる少女
 大柄な男は、そんな上司の姿に小さく苦笑して
 どこか、アンバランスな二人組みは、水族館を後にした

 男は、通称 黒服G
 一般の黒服達と上層部を繋ぐ、そんな中間管理職的な立場にある男だ
 少女は、通称……お嬢様、もしくはお嬢さん
 彼女もまた、「組織」の黒服の一人

 …俗に言う、「上層部」メンバーの一人であった


fin
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:01:21.43 ID:Y2k5+PJPO
乙でしたー

上層部黒服がついに!
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:02:06.92 ID:R3K5op9O0
水族館は……南か西かのイメージで書いていたかな
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:02:09.34 ID:G7iBgRt50
明日真と兄貴のバトル目撃した人々の記憶操作がなされたようです
もしかしたらイルカさんは覚えているかもしれないが


黒服が記憶操作する、といえば、赤くピカっ!ですよね
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:13:58.72 ID:G7iBgRt50
・お嬢様(上司)

 「組織」上層部の黒服の一人
 愛らしい少女の姿をしているが、かなり長生きしているらしい。
 自分のことを「妾」といい、偉そうな態度をとっている
 上層部メンバーであるが故に「本部」から頻繁に出る事が許されず、それを不満に思っている節がある
 黒服Hとつながりがあり、本人曰く「ただならぬ仲」との事(ただし、黒服Hはその証言を否定している)
 元人間で、契約都市伝説は「吸血鬼」。昼間も日傘をさせば活動可能である

 かつては強硬派の一人で、実験部門の全体的な責任者であった
 しかし、現在は穏健派に所属しており、「組織」が行う実験に関して全面的に反対の立場を取っている


・黒服G

 「組織」の平黒服と上層部の橋渡し役である中間管理職的立場の黒服
 お嬢様の忠実な部下であり、黒服Dや黒服H、黒服Cの上司でもある(黒服Hはお嬢様直属の部下との噂喪有り)
 身長2メートルほどの大柄な男の姿をしており、全身にツギハギのような縫い目が走っている
 ワガママな上司に振り回されながら、過労死候補やセクハラ被害者の部下を気遣う苦労人である
 元人間であり、契約都市伝説は「フランケンシュタインの怪物」
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:15:46.76 ID:cQXCTBvZ0
そもそも水族館って内陸にはないようなイメージあるからなぁ。
学校町にあるとすれば・・・どこが適所だろう
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:19:27.90 ID:G7iBgRt50
なお
外に出られたのを言い事に、上司はクリスマスイブの日、学校町をあちこち回ってると思う
「現場を見るのじゃ!」と言う言い訳で、「組織」の黒服達や契約者たちの様子を見て回る気になってます

>>329
水繋がりで、ウォーターアミューズメントパークの辺りは?
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:24:03.53 ID:cQXCTBvZ0
>>330
そうなると、時系列的には水族館→ウォーター(ryの順番になるよな
つまり・・・・・・水族館と元々提携していたということに(ry
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:28:35.76 ID:ChaLBzJ0O
水族館か〜、確かに内陸部にあるって話は聞かないな
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:29:31.03 ID:R3K5op9O0
札幌とかにはあるけどな、水族館
あれは内陸カウント……?
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:32:57.30 ID:G7iBgRt50
海の近くの方が何かと便利だからな、水族館
だが、色々と例外な学校町なら、内陸部であっても水族館があっていいと思う
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:47:22.92 ID:TkLjRGLX0
>>328
黒服Gの話し方とか説明を見てると、かなり良い人っぽい。
それにしても、Gか……ハッ!

GentleのGですね。そうなんですね。
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/24(木) 23:54:53.97 ID:G7iBgRt50
>>335
あ、うん、GentleのGだよ!!
















ジャイアントのGのつもりだったなんて言えない………っ
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
っく、Dたちの話が纏まらん
明日…ってか、もう今日だが、25日の昼間にでも投下しようおやすみ

それまでにスレガ残っていれば幸せだ