「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者たち……」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここは
都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたり
そんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりするスレです

今までのお話は↓でゆっくり読んでいってね!

「まとめwiki」 ttp://www29.atwiki.jp/legends/

まとめ(途中まで) ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 17:23:47.44 ID:O3coYXa5O
乙ですー
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 17:46:33.45 ID:5FyXb8hB0
このスレ創作発表にも一つほしいな
あそこはエロ禁止だがそう簡単に落ちることはないし
4占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:54:39.03 ID:Jzqr/ZB30
○月×日 21:49 家庭科室

黒服Hさんの話しを聞いてから、私たちは今後の行動について話し合っていた。
二階までは「骨を溶かすコーラ」の契約者さんの能力で、階段を溶かす事で進む事が出来た。
けれど、さっきの戦いでまた大分精神を消耗したらしく、同じように階段を溶かすにはかなりの時間を必要だと言うのだ。

「……それに、戦力の問題もある」
『戦力なら……先程みたいに全員で戦えばなんとかなるんじゃないんでしょうか?』

占い師さんが言った問題に、白骨標本さんが答えた。

「それは、相手がマリ・ヴェリテ一人だった時の場合だ。一味全員を相手にするとなると、今の俺達には難しいだろうな」
「でも、Tさん達は『魔女の一撃』の契約者を追って行ってしまいましたし……」
「それが終わるまではここに足止めって事? 僕は休めるなら全然構わないけど」
「弟の精神が回復するのを待つのも案だとは思うが……あの男がここに戻ってくる保証もない。下手に時間を潰すのは今後に響くんじゃないのか」
「けどよ、急いで行ってやられちまうって可能性もあるわけだろ?」

……占い師さんの言葉から始まった議論は、黒服Hさんと人体模型さんを除いた、かなり大掛かりなもにになっていた。
黒服Hさんは疲れたのか目を閉じているし、人体模型さんに至っては

カツッカツッカツッカツッカツッカツッ!

フラメンコより激しいステップで、ゴーゴーを踊っていた。
……さっき不良教師さんに怒られたのを、忘れてしまったのだろうか。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 17:55:05.54 ID:NL1BlJmAO
6占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:55:20.72 ID:Jzqr/ZB30
「だが――――」
「しかし――――」

そんな状況の中、議論が最高潮に達しようとした時――

『とりあえず水道があって助かった。水で拭う程度だったが幾分かにおいはマシになったな』

――隣の調理室から、女性の声が響いてきた。

「っ!」

部屋にいた全員の顔に緊張が走る。
家庭科室と調理室とを繋いでいる扉に視線が集中する中、私と占い師さんは透視で壁の向こうを覗き見て

「…………うわぁ」
「…………ほう」

と、同時に声を漏らした。
しかし、緊張のためか他の誰も私たちの様子に気付いていない様子だ。

『……隣が家庭科室だろう。科学準備室よりはそちらの方が色々あるかもしれんな』

……そして、家庭科室に、再び声が響き

がちゃり

家庭科室と調理室の間にある通用ドアが、開いた。
7占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:56:03.41 ID:Jzqr/ZB30
「…………ふむ?」

中から出てきたのは、前にエプロンをかけただけの、俗に言う裸エプロン状態の女性だった。
碧い眼に、占い師さんと同じ銀色の髪が映えている。
その後を追うように、少女を乗せた黒い犬がのっそりと現れた。

しゅるっ

……そんな中、ふと何かが床を這うような音が響く。

「ほう、裸エプロン……」

音のした方を見ると、いつの間に起きたのか、黒服Hさんがしゅるしゅると髪を伸ばしていた。
しかしそれも、「骨を溶かすコーラ」の契約者さんに睨まれ、すぐに引っ込める。

「……いつぞやの黒服君ではないか。そちらの一行はお仲間かね?」

私たちの緊張をよそに、裸エプロンの女性は黒服Hさんへと問いかけた。
それに対して、相手を知っているのか、黒服Hさんは困惑したような顔をしている。
……そんなある種の緊張状態の中、真っ先に動き始めたのは――

「……兄さんに何を見せてるのかな?」

――ペットボトルの蓋を開けた「骨を溶かすコーラ」の契約者さんだった。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 17:56:19.51 ID:NL1BlJmAO
支援
9占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:56:49.43 ID:Jzqr/ZB30
○月×日 21:54 家庭科室

「……それで、あんた達はマッドガッサーの敵か? 味方か?」

裸エプロンの女性を襲おうとした「骨を溶かすコーラ」の契約者さんを止め、止める際に散らかってしまった室内を片づけ、話し合いのできる空間を作る……。
……占い師さんが問いかけるまでに、数分の時が経過していた。

「ふむ……敵か味方かで言えば、敵……という事になるのだろうな」
「しかし、そのブラックドックはあんたの契約した都市伝説ではないはずだ。『エイズ・メアリー』はどうした?」
「……ふむ。中々に面白い能力を持っているようだ。後でちょっと調べさせて――」

ごぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ……

「――――ふむ」

女性の言葉に反応し、「骨を溶かすコーラ」の契約者さんの周囲にコーラが渦巻くのを見て、女性は口をつぐんだ。

「それで? 敵ではないという事だが、そのブラックドックの背中に乗っている『死体洗いのアルバイト』の契約者は、マッドガッサーの一味ではないはずだろう?」
「そこの馬鹿な部下なら、スパニッシュフライに操られてしまってね。さっきまでボクと戦っていたよ」
「正確には、ワタクシとドクターさんですわ」

女性の言葉に、ブラックドックさんが補強をする。

「……なるほど、な」

占い師さんは頷いて、そのまま辺りを見回し、言った。
10占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:57:32.03 ID:Jzqr/ZB30
「さて、聞きたい事は大体聞けたとは思うが……他に何か聞きたい事のある奴はいるか?」

その言葉に、真っ先に反応したのは

しゅるっ

……手ではなく、髪だった。
見ると、壁に寄りかかったままの状態で、黒服Hさんが女性を見ていた。

「なんだね、黒服君」
「いや、なに。男としてはこれをどうしても聞かなければならないような衝動に駆られたんだが……」

しゅるしゅる……パシッ

言葉の間中、女性に向かって伸びていた髪を、ブラックドックさんが捉えた。
それを見て、残念そうな顔をする黒服Hさん。

「このような状況下で、そのような行動はどうかと思いますわ」
「悪いな、つい条件反射で」
「条件反射であんな――」
「君、男には誰でもついやってしまいたくなる時があるんだ。大目に見てあげようじゃないか」
「……ドクターさんが言うのでしたら構いませんが……」
「……さて、それでなんだね? 黒服君」
「いやなに、なぜ裸エプロンなんて男の浪漫や夢一杯な格好をしているのか、と」
「ああ……これかね?」

ひらひらと裸エプロンを振わせる女性。
…………占い師さんと不良教師さん、「骨を溶かすコーラ」の契約者さん以外の男性陣の目がそれに吸い寄せられたのは、見なかった事にしよう。
11占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:58:16.65 ID:Jzqr/ZB30
「さっきの戦いでこの馬鹿者に『ホルマリンプール』に沈められてね。着ていた物が全て駄目になってしまったんだ」
『ホルマリンって……かなり毒性の強い劇薬ですよね?』
「白骨のお嬢さん。これでも僕は『エイズ・メアリー』の契約者だよ。服こそ濡れたが、薬品に浸かったくらいでは死なんさ」
「それで、エプロンだけ……ですか?」
「何も着ないよりはマシだろう?」

女性の言葉に、教室内に沈黙が降りる。
マシだけれど、逆効果……そんな空気が、教室を支配していた。

「……まぁ、いい。あんたに敵意がないのは分かった。それで、どうする? 俺たちはこの後屋上まで行くつもりなんだが……」
「馬鹿な部下の尻拭いは上司の仕事だから、な。ボクも行くとしよう」
「ワタクシも、ドクターさんと一緒に」

女性の言葉に、ブラックドックさんも頷く。

「ボクは……そうだな、ドクターと呼んでくれればいい。この大きな犬は――」
「ザクロ、ですわ」

そう言って差し出された女性……ドクターの手を、占い師さんが取る。
12占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:59:08.23 ID:Jzqr/ZB30
取られた手を見て、占い師さんを見て、私を見て……少し残念そうな顔をしたドクターは

「……ふむ、出来ればボクはそちらのお嬢さんと――」
「ドクターさんっ!!」
「――――ふむ」

ザクロさんに窘められ、さらに残念そうな顔をするドクター。
私は、少しの身の危険を感じつつ

(……これで、戦力が整った事になるのかな)

そんな事を考えた。


○月×日 21:57 ドクターとザクロ、占い師・不良教師一行に合流。
13占い師と少女(代理):2009/11/23(月) 17:59:55.04 ID:Jzqr/ZB30
736 名前:占い師と少女[] 投稿日:2009/11/23(月) 15:30:01
ドクターの方、アクマの方に土下座っ!!orz
ドクター遭遇の占い師視点と、合流に至るまでを書かせて頂きました。
この後金さん達と合流したのち、3階へと向かいます。

……そういえば、バイトちゃんはどれくらいしたら起きるんだろう
14マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:01:28.00 ID:Jzqr/ZB30
○月×日 23:25 北区山の中


 みっしりと
 みっしりと、藁人形が打ち付けられた大木
 ーーーーぽぅ、と
 その大木が、内側から光って

 直後
 激しい爆音と共に木は内側から爆破され…折れて、倒れた

 大木に打ち付けられた藁人形の能力が…ついに、発動した




○月×日 23;26(日本時間) アメリカ某所

 それは、追撃者を前に一歩も引く様子はなかった
 全身に無数の傷を負いながらも、それは退かない
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:05:57.59 ID:NL1BlJmAO
しえ
16マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:06:21.06 ID:Jzqr/ZB30
 もちろん、殺されるつもりもない
 ガスマスクを被ったそれは、己が製造できる上でもっとも凶悪な毒ガスを、追撃者達に噴きつけようと、ガスの噴射口を追撃者達に向けた


 −−−−−−−その時
 彼を、激しい激痛が襲った
 何者かともわからぬ何かの力が、彼を締め付ける


 それは、呪い
 どこかの誰かの呪いが、彼を締め上げて


 それは、瞬間的な激痛だった
 しかし、それは彼にとって、致命的な隙になってしまって

 直後、彼は己の体が何かに貫かれた事を、確かに感じて

「−−−−−−く、そ」

 カラン……っ、と
 彼の被っていたガスマスクが、落ちて……彼の体は、この世から消滅した
17マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:07:03.59 ID:Jzqr/ZB30
○月×日 23;30 屋上


「−−−−−−−っ」

 ほんの数分前、何かに締め付けられるような感覚を覚えた
 しかし、それはほんの一瞬で…すぐに、その苦しさは消えたのだが

 …今、感じたもの
 それは、濃密な、死のイメージ


「…マッドはん?どないしたんや?」

 似非関西弁の女性が、心配そうに声をかけてくる
 −−−−っば!!と
 マッドガッサーは、慌てて似非関西弁の女性の顔を覗きこむ

「っひゃ!?ど、どないしたん?」
「お前、体に異変はないか!?」
「…………へ?」

 きょとん、と
 似非関西弁の女性は、不思議そうにマッドガッサーを見つめる
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:07:51.35 ID:NL1BlJmAO
しえん
19マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:08:09.51 ID:Jzqr/ZB30
「と、特に何も…大丈夫、やけど」
「……良かった」

 ほっと、安心したような声をだすマッドガッサー
 ガスマスクのせいで表情は見えないが、心からほっとしたようだった

「……何があった?」

 スパニッシュフライの契約者を落ち着かせようとしていたマリが、疑問の声をあげた
 先ほど、似非関西弁の女性に慌てて声をかけたマッドガッサー
 …そうだ、慌てていたのだ
 一体、何があったと言うのか
 マリの問いに、マッドガッサーはかすかに俯いて

「………兄貴が、死んだ」

 と、小さく答えた

「兄貴て……マッドはんの、片割れ?」

 あぁ、とマッドガッサーは頷く
 本来は、一つの存在だった片割れ
 その死を、はるか遠く離れていても…彼は、感じとったのだ
 あの濃密な死のイメージは…片割れの死、そのものだ
20マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:08:55.03 ID:Jzqr/ZB30
「兄貴が死んで、俺と兄貴に分散されていた分の兄貴の力……っつか、知識と技術だな。それが一部、俺に戻ってきた。ヘタをしたら、契約者であるお前にまで影響が出たかと思ったんだが…」
「いや、うちは全く。特にそう言う感覚はあらへんけど…」

 小さく首をかしげる、似非関西弁の女性
 …それなら、良かったのだ
 マッドガッサーは改めて安堵する
 自分の力が変化したことで、契約者である彼女の器の限界を超えてしまう事が、恐ろしかった
 彼女を、都市伝説化させる訳にはいかない

「……ま、あの糞兄貴が死んでくれたんだ…これで改めて、計画に集中できるから、良しとするか」

 ぼそり、マッドガッサーは小さく呟く
 自分にとって最大のトラウマで、最大の敵が死んだのだ
 これで、ここで計画が成功すれば……同じ事を、世界中で行える
 もし、あの最悪の片割れがまだ生きていたら、アメリカは最後に回そうと思っていたが…この国全てで計画を終えたら、次はあの国でもいいな

 ガスの精製を続けながらも、マッドガッサーはそんな事を考えたのだった



to be … ?
21マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:10:29.32 ID:Jzqr/ZB30
747 名前:花子さんとかの人[] 投稿日:2009/11/23(月) 16:45:57
…ぎゃあ投下してから気づいたが時間間違ってるぅううううう!!??orz

× ○月×日 23;30 屋上
○ ○月×日 23;28 屋上

と、なります
まぁ、この時間まで誰も来ない事前提と言う酷い状況ですがってか、そろそろミサイル発射準備開始時間じゃねぇかorz


とまれ、マッドガッサーの片割れ、アメリカにいた凶悪な方が白装束の人の恨み魂の影響を受け、それが致命的となって死亡しました
その力…と言うか知識と技術が一部、マッドガッサーに引き継がれました
相変わらず殺傷力のある毒ガスは使えませんが、俗に言う軍式格闘技(関節技中心)を会得したようです
マッドガッサーに肉弾戦能力がないと油断すると、関節技を決められる恐れが出た事をお許しください


Q 何で恨み魂の力がマッドガッサーの片割れにまで効いたのよ?
A 元々が同一だからです。
  マッドガッサーを対象とした呪い能力は、実は片割れにも影響がありました。

748 名前:花子さんとかの人[] 投稿日:2009/11/23(月) 16:47:05
…って、違う違う!?
メモ改めてみたらもっと時間間違ってるぅううう!!??
正確には○月×日 22;30 屋上です
発射準備ギリギリでもないですね、うん
あっぶねー…

**************************
>>17を修正しようかと思ったけど、訂正文転載したらいいかなと思ってそのまま
wikiに載せたり時系列を確認するときには気をつけてください
22無機物仲間の再会:2009/11/23(月) 18:26:23.49 ID:+2oLUWi10
○月×日 21:55 高等学校二階図書館

「…そろそろ、会いに行ってみましょうか」「分かった。とりあえずこれまで協力ありがとう」

図書館から出ていくフィギュアの後姿を見送る。
「しかし、あの状態で自分だって気付いてもらえるのかな…?」「まぁ、旧友というのなら大丈夫じゃないかな?」
そんなのんきな会話を二人で繰り広げる。…まぁこんなことも、じき出来なくなるのだが。
「…そんなことより、あの鳥の情報は見つかったかい?」「駄目だね。そんなにマイナーではないはずなんだけど…海外の都市伝説の本って少ないからなぁ…」

急がなくては…出来るだけ早くあの作戦を行わなければ…ロボが落とされてしまう。



「さて、と…お二方はどちらに……あ」
…家庭科室から出てきた御一行様に鉢合わせしてしまった。…すごい怪しまれてる気がします…
「何だ…新手か…?」「…こんな人形、一味の中にいました…?」
銀髪の青年と長髪の少女がこちらを見て話を始める…
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:28:09.27 ID:NL1BlJmAO
支援
24マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:28:22.92 ID:Jzqr/ZB30
支援
25無機物仲間の再会:2009/11/23(月) 18:29:02.50 ID:+2oLUWi10
「侵入した奴はいくらでもいるからな。敵じゃないのもいるだろ」「……あれ?」
さらに奥から、確か白骨さん達の契約者だった教師さんと骨格さんが出てくる。
教師さんはあまり気にしてない様子だが、骨格さんはこちらをじっと見てくる。


「あの…以前、どこかでお会いしたこと…ありませんか?」

…まさか。気付いて…くれている…?


だが、姿が姿なのでどうにも思い出せない様子の骨格標本。

その悩みを解決するかのように、二人がほぼ同時に発言する。


「あれ?えーと…金さん?」「……『動く二ノ宮金次郎像』?…だとすると、マッドガッサーの被害者か」

一人はまた中から出てきた新入り君。無事だったんですね。安心安心…
そしてもう一人は先ほどの銀髪の青年。…この状態の私の正体を見抜けるとは一体何の能力…?

「…え?…金さん……なんですか?」「おー!金でっかー!久しぶりでんなー!」
骨格さんに加え、さらに奥から出てきた人体さんもこちらへと近づき体をバンバンと叩いてくる。
「なんだぁ?知り合いか?」「…あぁ、あの像か。いきなりいなくなった時は学校中大騒ぎになったもんだ」
26無機物仲間の再会:2009/11/23(月) 18:31:39.75 ID:+2oLUWi10
………

「しかし本当に久しぶりですね…私が修行に出て以来ですから…4年くらい、ですかね?」
「月日がたつのは早いですね…もうそんなですか」「いやぁ、全くやなー」

………

「…世間話は、そのくらいにしてくれると助かる」
…旧友と話していると時間というのは忘れてしまうもので。銀髪の青年から止められた。
「あ、申し訳ありません…久々に会ったもので」「積もる話もいろいろあるしなー」

「…じゃあ私たちと一緒に来ませんか?」

長髪の少女がいろんな意味で予想外な一言。
「お、おい未来!お前何を」「だって、戦力は一人でも多いほうがいいじゃないですか」
「せやな、こっから先、何が起こるか分からんしな」

「…では、そういうことで…よろしくお願いします」

○月×日 22:03 金さん、占い師&不良教師一行と合流
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:33:15.86 ID:+2oLUWi10
占い師の方と花子さんの方に時速250kmでド土下座ぁぁぁ!
口調とか色々と間違ってたら申し訳ないです!特にヤンデレ弟が一番不安なんだ…
…やっと金さん達の再会シーン書けた…なんか適当な感じになってしまったが
28マッドガッサー決戦編 戻る力(代理):2009/11/23(月) 18:36:29.45 ID:Jzqr/ZB30
投下乙

未だ二人っきりの花子さんと契約者とか、一人っきりの厨二病や黒服Yと違って大所帯だなw
マッドガッサー阻止の第一候補か
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:37:49.67 ID:rAATqdy00
おつおつ
まとめ
パス:toshi
ttp://kissho6.xii.jp/14/src/1yon26385.zip.html
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:42:43.25 ID:NL1BlJmAO
学校町の一大事に活動してるんだかしてないんだかわからない「組織」っていったい……
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:43:42.12 ID:Jzqr/ZB30
まとめ感謝!ついでにこちらも
間違いや抜け漏れがあれば指摘してください


タイムチャート
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org388406.txt.html

場所別所在表
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org388411.txt.html
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 19:01:20.57 ID:O3coYXa5O
んん
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 19:35:43.60 ID:Jzqr/ZB30
34Tさん:2009/11/23(月) 19:39:48.82 ID:rAATqdy00


 ≪はないちもんめ≫の契約者の少女の先導で、≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年が≪魔女の一撃≫の契約者によって拉致されているであろうクラブハウスへと進んでいた一行。
 青年は道中黒服の話を聞いていた。
 何故≪魔女の一撃≫の契約者がマッドガッサー達の仲間になり、≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年を連れ去ったのか。
それが分からないという黒服に青年――Tさんは告げる。
「黒服さん、理由も何もかも後だ。今はとにかく≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年を取り戻す」
「……はい」
 沈んだ返答。気休めだろうと知りつつも青年は黒服に声をかける。
「気に病むな。気づくチャンスは俺にも、おそらくは他の者にもあったはずなんだ。それでいて皆気がつくことができなかったのだから」
 相手が上手だった。そう言おうとしたところで契約者の少女が焦った声で呼びかけてきた。
「Tさん!」
「どうした?」
 襲ってきたスパニッシュフライをまとめて吹き飛ばし、振り返ると、少女は頭上を指さし、
「魔女っ娘が!!」
「……」
 先程まで気分が沈みこんでいた反動でついに頭が沸いてしまったか。青年がそう思いながら頭上を見上げると、
 黒衣に黒帽子、そして箒に跨って空を飛ぶ魔女がいた。
35Tさん:2009/11/23(月) 19:42:45.38 ID:rAATqdy00
「あのバカでかい鳥以外にも航空戦力いんのかよ!」
 何かと戦うのに忙しいらしい鳥を遠くに見ながら少女が叫ぶ。
「容姿からしておそらく≪魔女の一撃≫、都市伝説本体の方だな」
 青年が≪魔女の一撃≫を見上げたまま走る。魔女は、
「ひっひっひ、主の所にはいかせないよぉ!」
 そう言いながら懐から薬品を取り出し、投擲した。
「破ぁ!!」
 青年が落ちて来る薬品を撃ち落とし、そのまま数発、魔女と青年の間に光と薬品が交差する。
「≪魔女の一撃≫の本来の能力でぎっくり腰にでもされたら厄介です。急ぎましょう!」
 黒服の言葉に青年は頷く。そしてクラブハウスへと走りながら周囲を確認し、黒服へと小声で話しかける。
「黒服さん、最悪の光景も考えておいた方がいいかもしれん」
「最悪、と言いますと」
「≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年は今、女だ。それが敵に特に危害を加えられずに連れ去られたのだから……そちらの可能性も考慮に入れておいた方がいい」
 それだけで社会の裏に、戦場に通じる彼らには言わんとすることに理解が及ぶ。
「まさか、彼はあの子が男なのを知っているのですよ!?」
「≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年が女に変えられた時に≪魔女の一撃≫の姿もあったのだろう? ならば≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年に限っては意図して狙われた可能性もある」
「ですが、」
「まあ仮に、だ」
 光弾を連続で叩き込み、≪魔女の一撃≫を牽制しながら、
「仮にもし、あの青年が凌辱されているのだとしたら、――そんなものを見るのは俺と貴方だけでいい」
36Tさん:2009/11/23(月) 19:46:23.21 ID:rAATqdy00
 もう一度周りを見る。タイミングが悪いことに、どういうわけか周りにいるのは契約者や人形や少女、後二人は素性は知らないが、こちらもどうみても二十に届いてはいないだろう女性が二人で、
「女子供には見せられんしな」
 苦笑して、ネズミを硬貨で作った鎖で絡め取って不機嫌そうに振り回しながら一行の先頭を闊歩する≪はないちもんめ≫の少女に声をかける。
「≪はないちもんめ≫の契約者よ、彼らの詳しい位置は分かるか?」
 ≪はないちもんめ≫の契約者の少女はチラリと黒服を一瞬見てから頷き、
「ええ、あそこよ」
 指差した先には他の扉に比べて少し大きめな扉があった。扉と扉のある幅も広く、大きなスペースが取られていることが知れる。その見た感じは一言で表すと、
「体育館?」
「体育館は他にあるようだな。おそらく武道用のスペースだろう」
 己の契約者にそう言って、青年は黒服の腰を引っ掴む。
 そして、
「――強靭な脚力とか腕力とかあったら、幸せだ」 
 跳んだ。
 人一人を抱えたままその身は十数メートルを一回の跳躍で制覇して扉の前に着地し、
「蹴破る。黒服さんは彼の確保を」
 そう言って黒服を掴んでいた手を外し、足を引き半身になり、腰を落とし、
 蹴撃をぶち込んだ。
 たわみ、耳触りな音を立てて吹き飛ぶ扉。その開かれた空間へと黒服が飛び込む。
 青年も後を追いかける。中には畳が敷き詰められており、空間全体に染みついた汗の臭いが鼻孔をくすぐる。
「柔道場か」
 呟き、柔道場全体を見まわす。そして目当ての人物を発見した。
37Tさん:2009/11/23(月) 19:47:19.96 ID:rAATqdy00
 一人は少女にのしかかっている。今夜、この学校に潜入した時にも遭遇した青年、≪魔女の一撃≫の契約者。そしてもう一人は、
「……なんとかギリギリといったところか」
 ≪魔女の一撃≫の契約者にのしかかられている金髪の少女。服が破られ胸元が露出し、ジーンズが半ばまで下ろされてはいるが、
「……おまえらか、人の愉しみの邪魔をすんじゃねえよ」
 不機嫌そうな≪魔女の一撃≫の契約者の声を聞く限り最悪なことになる前には間に合ったようだ。
「それとも、おまえらも俺がコイツを屈服させるところを見るか?」
 そう言ってジーンズにかけた手を下へとずらそうとする≪魔女の一撃≫の契約者。
「そんな趣味は持っていない」
 ため息、
「後ろから来る子たちの教育に悪いからその≪日焼けマシーンで人間ステーキ≫の青年を返してもらおう」
 声が響き、幾人かの足音がかすかに届き、しかし、≪魔女の一撃≫の契約者は暗く、暗く嗤った。

21:35
38Tさん:2009/11/23(月) 19:48:26.28 ID:rAATqdy00
いろいろどげざあああああああああああああ!!
柔道部の部室ってもっとこじんまりとした本当に『部室』のことを指していたのではないか。
投下後に「あ」と思った俺を罵ってくれ orz
作者の通っていた高校ではプールはなかったが体育館と武道場が別個にあったよ!

チャラ男のジーンズはギリギリで止めちまいました。だってえっちなのはいくないと思(ry
現場、とりあえず黒服Dが中に飛び込んでいます。チャラ男をかっさらうもどうするも自由だ! 更に後ろの方々もすぐに駆けつけるでしょう。――≪魔女の一撃≫込みで!!

契「おい、この作者敵増やしたぞ」
T「尚、『≪魔女の一撃≫はそのまま校舎の警備に戻るのもありだと思う!』とのことだ」
『姫さんと妹が活かせなかったのが残念でならない。ぎっくり腰を防げないということだったのではてどうしたものかと』
リ「ぶんしょうりょくがたりないの」

Tさんはとりあえず契約者最優先で護ることに重点を置いて立ちまわらせておいてくださればいい、かな?
いや、もう前衛で殴り合いさせてもらってもぜんぜん構いませんのでご自由にお使いくだされば泣いて悦びます

さて、心配性気味な都市伝説二人の心配が杞憂になりますよ〜に
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 19:48:43.85 ID:O3coYXa5O
>>34
ついに頭が沸いてしまったかってwww言い方ひどいwww
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 19:57:24.57 ID:rAATqdy00
>>39
それでも教育に悪いシーンは見せたくないこの気持ちですよ!
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 19:58:33.85 ID:0pEssX2SO
乙です。
Tさんよく戦うな
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 20:15:49.86 ID:rAATqdy00
>>41
実際に戦闘こなしているのはマリとヤンデレの二人だけで
爆発する携帯とか魔女の一撃とかはまた違うんじゃないかな? とか、どう、ですかね?
避難所>>768,771
問題無さげでよかったあ〜
43アクマの書き手〜君が俺の中のナンバーワン〜:2009/11/23(月) 20:31:01.54 ID:EnPHfjkTO
俺「そうなんだよ、ぎっくり腰を防げないんだよ」
盟「結界の壁に関係なく現象を引き起こしますから」
俺「薬品やガス・霊撃の類は防げるんだがなぁ・・・」
盟「壁に耳ありも防げませんしねー」
俺「分かりづらいかな?この説明」
盟「・・・それより、なんで最近私の出番が多いんですか?」
俺「説明役にもってこいなのと、あとこれが一番重要なんだが・・・


お前を愛しているからさ!


脳内嫁的な意味で」
盟「・・・」サッ
俺「普通に引かないでくれ」
盟「・・・・・・」バチバチ
俺「プラズマもやめて!俺病人・・・」
盟「それだけ話せれば十分です」
俺「ひどっ!?でも、こんな会話しているだけで
か い か 」
盟「せめて快楽の中で死んでぇええええ!!」バチバチバチバチ!!
俺「そんなツンデレなところが好きさマイハニーィイイイイ!!」カッ

ドガーン!
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 20:34:23.63 ID:Jzqr/ZB30
いろいろフリーダム過ぎてワロタ

盟主の他にぎっくり腰を防げるor効かない奴はいるんだろうか?
45花子様のひと:2009/11/23(月) 20:40:06.82 ID:7H0HIDX40
>>44 テケテケならギックリする腰がないから効かないんじゃ…
あとハンガーの生首ちゃんとかも同じ理由で平気かもしれん。
こういうのじゃなくて?
46出遅れる花子様のひと:2009/11/23(月) 20:44:18.13 ID:7H0HIDX40
と思ったら避難所で答えられてるじゃねーか。しっかりしろ俺…
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 20:46:39.50 ID:Jzqr/ZB30
779 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/23(月) 20:38:07
本スレ>>44
魔女の一撃のギックリ腰能力は、彼女の視界内に入った相手全てに有効です
しかし、盟主のように霊体の相手や、体が液体の相手、体が無機物の相手(金さんや人体骨格コンビなど)、腰と言う部位が存在しない相手には通用しません



『腰が無い』のは盲点だったww白骨標本とかは無機物だから効かないのか
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 20:48:05.01 ID:rAATqdy00
>>47
むしろぎっくり腰が楽に治せる! とか
49アクマの書き手:2009/11/23(月) 20:50:57.72 ID:EnPHfjkTO
>>44
俺「自分で書いたキャラの中で一番好きなんで。子供っぽいところとか」プスプス
盟「理由が微妙です」
俺「バールの子じゃないが、こういうのは理屈じゃないんだぜ?」
盟「そもそも、脳内嫁とか言ってる時点でダメです」
俺「二次元に夢を持ってもいいじゃないか!」
盟「自給自足ですけどね」
50厨二病は派手を好む:2009/11/23(月) 21:08:38.37 ID:+2oLUWi10
○月×日 22:34 クラブハウスの近く

「やれやれ…派手にやるねぇ、Tさんてば」
何か魔女っぽいのが飛んでたからこそこそと隠れてた。
そしたらTさんとかそのお仲間がこっち側に来て一気にここに突入してしまった。

…というわけで、完全に出遅れてます本当に(ry
「しかし…このまんまノコノコと出てってもなぁ……」いらないところで悩む厨二病である。

「そうか!また違う所から入れば出遅れたと思われなくね?そういうわけでここの壁をぶっ壊してから入ろうと思う…!」


「…この位置から目的地までの所要パワー…15C…!”フラッシュストライク”!」

その叫び声と同時に、厨二病の手から一筋の極太のレーザーが放たれる。


その光は…クラブハウスを串刺しにし…

ちょうど、魔女の一撃の契約者とTさん一行の間を通過した。
51厨二病は派手を好む:2009/11/23(月) 21:10:21.10 ID:+2oLUWi10
「よーし、通過したな…みんな生きてるぅ?」
光の通過したあとの穴をとおって武道場まで駆けつける。

「…危ないな。ひどく危なかったな」
Tさんが若干あきれた様子でこちらを見てくる。
その後ろの黒服やチャラ男のそばのおそらくあの魔女の契約者などはぽかんとしている。

「えーと…あんたがその現在女になってるチャラの誘拐犯?」「…ぉ、だったらどうする?」
俺の問いかけにさらに問うようににやりと笑う。


…俺、そういうの嫌いなんだよね。質問に質問で返すっていうの。


「あー、そういうってことはお前が犯人か…お前とそいつの関係なんざどーでもいーんだけどさ…
 そいつ、一応俺の仲間なのよね。んでもって…お前は仲間に手を出してんだ。これが何を意味するか分かるかね?」
そこまでいって、俺は一歩下がり、めいっぱいタメて奴を指さし、言い放つ。


「お前が、俺の潰すべき対象になってるってこった!」

21:36 厨二病、Tさん達と合流…? 魔女の一撃契約者に宣戦布告
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 21:13:00.65 ID:+2oLUWi10
アッー!冒頭の時間間違えたー!22:34→21:34

Tさんと魔女の一撃契約者ロクに話してないし厨二病の独壇場になってたし…
いろいろな意味を込めて光の速さで土下座ぁぁ!
やっぱり派手な登場の仕方がさせたかった…戦闘はじまってたら確実に誰か巻き込んでた…
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 21:30:47.55 ID:0pEssX2SO
乙です。
あいかわらずひどい
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 21:32:28.79 ID:Jzqr/ZB30
代理投下したいけど、明日早いから寝なければならん…すまない
55マッドガッサーに関わる別のお話(代理の代わり):2009/11/23(月) 21:42:00.48 ID:+2oLUWi10
22:30頃

「はーいもしもし、『壁に耳あり』っす……は? マッドガッサー死んだ? いやまだ生きて……あーあー、アメリカの方ですか」
学校から離れたビルの屋上で、携帯電話を片手に『MI6』特製の超望遠双眼鏡を覗き込む『壁に耳あり』の契約者
「死因わかります? はー、呪殺。こっちのマッドガッサーにはあんま影響無いようですね。つーかそっち死んだなら俺帰っちゃダメですか? ダメですか」
電話の向こうに聞こえるように溜息を吐く
「こっちのマッドガッサーはぶっちゃけそんな害悪じゃないと思いますがね。今やらかしてる事を阻止して仲間の安全が保証されれば大人しくなると思いますよ、俺の『聞き込み』から判断して」
情報収集の段階で、断片的にではあるがマッドガッサー達の仲間意識の強さは文字通り耳にしている
仲間内で好意を向け合っており、マッドガッサーに至ってはほぼ恋人関係である契約者までいる様子
余談だが、教会には『耳』の他にこっそりと普通の盗聴器も仕込んであり、二人が契約の折の様子などを私的に録音していたりもした
それはともかくとして、今回の行動を阻止した上で、マッドガッサーを恨む攻撃的な面々と上手く交渉して安全な生活環境さえ与えられれば、案外あっさりと大人しくなりそうだと彼は判断しているのだ
「『教会』の連中と掛け合って『免罪符』の契約者とか寄越してもらえません? やっぱ無理? まあ、あいつら頭硬いもんなぁ……自分達も契約者抱えてる癖に異端は焼却だーみたいな連中ばっかりだしなぁ」
色々と根回しや交渉に使えそうなコネを頭の中で検索してみるが、あまりこれといったものは浮かばない
「俺じゃあぶっちゃけ役者不足だし……ジェームズの旦那も忙しいしなぁ。あんまり干渉できそうにないが、良いネタ浮かんだら連絡くれ。それじゃ」
ぴ、と携帯電話の通話を切り
「お話は終わりかね?」
背後から掛けられた声に、振り返りもせずに両手を上げる
「判断が早くて何よりだ。こちらも弾丸を無駄にせずに済んだよ」
拳銃を構えて立つ数名の黒服
その後ろにはリーダーなのか一人だけロングコートで目深に帽子を被り顔を見せない男が無言で立っている
「いや俺マジで諜報専門だしジェームズの旦那みたく秘密兵器の類も使えないから勘弁してもらえません?」
「我々は君に協力してもらいたくてね」
「銃向けながら協力とか言われてもなぁ」
「交渉は優位に立ってからするものではないかね?」
「うわー、正論」
56マッドガッサーに関わる別のお話(代理の代わり):2009/11/23(月) 21:44:04.26 ID:+2oLUWi10
「我々は君達とは別にアメリカのマッドガッサーを追っていてね。奴が死んだ今、片割れであるあのマッドガッサーの身柄を確保したいのだよ」
黒服の言葉に、『壁に耳あり』の契約者は首を傾げる
「いや、すりゃいいじゃないですか。俺より絶対強いでしょうあなた達」
「捕らえたいのでね。殺してしまっては意味がないのだよ」
よく喋る黒服の後ろで、もう一人の黒服がノートパソコンを開く
ビデオチャットでモニタに映る人物が、ゆっくりと口を開いた
その音が、自分の名前を呼んだ、そう認識し慌てて耳を塞ごうとしたが
《君がこの国を訪れたのは――我々の陰謀なのだよ》
そんな事実は無い、が
《君が隠している能力を使いマッドガッサーを捕獲し我々に捧げるのは》
一瞬で記憶が歪み、ありもしない命令が脳に刻み込まれていく
《そう、アメリカ政府の陰謀なのだよ》

「……あれ、俺何してたんだっけ」
ぼんやりとしていた思考を一つ一つ確認し、やるべき事を思い出す
「そうだそうだ、監視続けなきゃな。死なれたり他の組織に捕まったりしちゃあまずいんだっけ」
『壁に耳あり』の契約者は双眼鏡を手にし屋上にいるマッドガッサーの監視を再開する
「接触した事があるのは旧友のあいつだけだからな。上手い事マッドガッサーのところに辿り着いてくれれば」

ザクロの背中で意識を失っているバイトちゃんの喉の奥で、何か小さなものが蠢いた
それは小さな指
喉から生えようとしているその小さな指は、『壁に耳あり』の契約者が持つもう一つの能力
直接触れた事がある人間を媒介に、目的のものを掴み自らの元へ転送させる『喉から手が出る』という能力だった
57マッドガッサーに関わる別のお話(代理の代わり):2009/11/23(月) 21:45:45.11 ID:+2oLUWi10


『喉から手が出る』
『壁に耳あり』の派生的都市伝説

接触した事がある対象一体の喉から手を発生させ口から出し
数メートル以内にある目標物を掴み口に引き摺り込む事により手元に転送する
見た目がややホラー

バイトちゃん「……喉の調子が悪いな」
・マッドガッサーの抵抗が無くなった時点でバイトちゃんが近くにいた場合、口の中から数メートル伸びる腕が超スピードで現れマッドガッサーを掴もうとする
・掴んだ腕は即座に喉に引っ込み口の中へと四次元ポケット的に引きずり込む
・本人はその事を知らないし気付いていない
・『手』は伸びるため押さえ付けたりといった事では阻止不可能、切断すると先の部分は消滅するが切った部分から手が復活して改めて伸びる
・『壁に耳あり』の契約者が意識を失うか、意図的に能力を停止するか、アメリカにいる『アメリカ政府の陰謀論』を倒すと解除される
58マッドガッサーに関わる別のお話(代理の代わり):2009/11/23(月) 21:50:52.81 ID:+2oLUWi10
770 :三面鏡の少女@ドクター:2009/11/23(月) 20:11:32
そう言えばこいつ(『壁に耳あり』の契約者)アメリカのマッドガッサー調べてたんだよなと思い出して
死んじゃったならどうしようかと思ってたら何時の間にか書いてた


〜〜〜
のどから手かー…正直ホラー以外の何物でもないw
○月×日 21:32 クラブハウス前


 何とか魔女の一撃の攻撃を振り切り、少女四人と人形がクラブハウス内に突入した
 黒服Dと共に一足先に目的地へと向かったTさんの後を追う

「………」
「どうかしたの?」
「あ、いえ」

 何か、疑問を抱えているかのような様子の妹ちゃんの様子に姫さんが首を傾げた
 しかし、妹ちゃんは何でもない、と言うように小さく首を振った
 疑問ではあるが…今は、優先すべきことがある

(…何故、魔女の一撃は、確実に私達を足止めできる、ギックリ腰を起こさせる能力を使わなかったのでしょうか…?)


○月×日 21:33 クラブハウス上空

「……………」
クラブハウス内に侵入した少女達
 魔女の一撃は、その後を………追わなかった
 静かに、開かれたクラブハウスの入り口を見下ろす

「……これで、いいのよねぇ?……主の、為にも……」

 どうすれば良かったのか
 正直、彼女にはわからない
 何かに祈りたい衝動にかられるが、彼女に祈るべき神などいない
 …魔女は、神に祈りなどしない
 それでも、何かに祈らずにはいられない

 きっと、彼本人すら、気付いていない
 自分だけが、彼と契約した自分だけが、気づいてしまった
 しかし、それをどうにかする事は……自分には、できないのだ


「どうか、誰か…………主を、……………から、救って」


 呟かれた言葉は、誰にも届かない……


to be … ?
Tさんのネタが投下されましたので、とりあえず魔女の一撃視点を
彼女には彼女なりの葛藤があったようです

魔女の一撃は、クラブハウス内まで一行を追いかけてはきません
…ただ、己の契約者の無事を、上空から祈り続けています


〜〜〜
魔女の一撃…やはり心は純粋だな…
62※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:04:03.51 ID:+2oLUWi10
【平唯の人間観察 第三話「家庭科テイカー」】

「さて、今日は皆さんに転入生を紹介しま〜す!」
「え?転校生?」
「ウッソー!超楽しみじゃない?イケメン!イケメン!」
「もしかして超美少女とか?うっは、たまんねえな!」
ざわつく教室。
我関せずで眠っているのは勿論私こと平唯である。
人とは外見に簡単に囚われる愚かな生き物なのである。
まあ見た目に内面が現れるのは紛れもない事実なんだけどね。
すこし眼を開いてチラリと見てみると……

「こんにちわ!旗出幸司です!
 趣味は車と映画です!
 みんなよろしくぅ!」
黒服Fが其処には居た。
いやいやいや……、何でいるのあんた?
「旗出君は平さんの隣に座ってね?」

恰幅の良い国語の女性教師―――――私の担任が私の隣のぽかんと空いた席を指さす。
クラスの隅っこの席だ。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 22:04:40.31 ID:NL1BlJmAO
しえ
64※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:06:02.29 ID:+2oLUWi10
「よろしくね!平さん!」
馴れ馴れしく私に話しかけてくる。
うっせえ……。
私は学校じゃダウナー系(美)少女で通ってるんだよ!
「……よろしく。」
さりげなく紙を手渡された。
「これからしばらくここの都市伝説の保護観察をすることになっちゃった。
 よろしく頼むよ!」
その場で破り捨てた。

休み時間。
奴はわりと人気だった。
クラスメイト達に囲まれて質問攻めにあっていたのである。

「どこから来たの?」
「学校町から!」
「学校町って町全体がミステリースポットになってる場所?」
「そうそう、まさにそこ。」
「好きな車は?」
「DMC-12」
「好きな映画は?」
「真夜中のカーボーイ」
バックトゥザフーチャーじゃねえのな、てか真夜中のカミナリボーイ……アレは違うか。
「罵ってください!」
「この豚野郎!」

いやいや、最後の質問じゃねえし。
65※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:07:37.49 ID:+2oLUWi10
そして私の平穏なノーマルライフ誰かのこの一言とその後のやりとりで打ち砕かれたのだ。
「学校の案内でもする?」
「親戚の平さんに放課後に案内して貰う予定なんだ!」

クラス全員の視線が私に向けられる。
え……?
いやいやいや、それはやめようよ。
私は地味キャラでいたいの、謎の転校生の知り合いに仕立て上げられた日には私の地味な高校生活バイバイだからさ。
「え、何?ユイちゃん知り合いなの?」
「なんだなんだ?転校生と知り合いなのかよ平!」
私まで五月蠅い会話の輪の中に引き込まれた。
「え……、うん。」
いまさら否定するわけにもいかない。
適当に答えておく。

キーンコーンカーンコーン

丁度良い。
休み時間は終了だ。
五月蠅い人達はまた散ってくれた。

残りの授業と休み時間をやりすごしてなんとか放課後。
後は帰るだけだった。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 22:07:49.50 ID:rAATqdy00
紫煙!
67※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:08:52.99 ID:+2oLUWi10
「というわけで平さん、学校を案内してくれないかな?」
「却下、勝手に人のことを使う気?」
「そんなこと言うなよ、君とぼくの仲だろ?」
「どんな仲?」
「監視者と被監視者の仲。」
「駄目じゃねえか!」
黒服Fは予想以上に厚かましい奴だった。
こんなの相手して居られない、そう思って家に向けて歩き始めた時だった。
「あ、あの人誰?」
黒服Fが指さすのは我が学舎の生徒会長。
品行方正文武両道でファンクラブまである完璧超人である。
私とは縁のないタイプの人間だ。
「この学校の生徒会長、それがどうしたの?」
「ん、いや何でもないよ……。」

黒服Fの態度に妙な違和感を抱きつつその日は学校や町の案内を彼にしてから家に帰った。
68※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:09:50.19 ID:+2oLUWi10
翌日も学校に行くと彼は人気者だった。
男子のグループと思いっきり談笑している。
私は私で彼のメアドを聞かれたりなんだりで引っ張りだこである。
なぜここまで奴に人気が集まるかが解らない。
謎の転校生がクラスの人気者なんてありがちすぎる展開ではないか。

キーンコーンカーンコーン

ああ、また授業が始まる。
一時間目と二時間目は体育。
三時間目は数学で四時間目は古典だ。
特にトラブルも何もなく授業は終わる。
そして昼休みになった。

しかしみんなあまり昼ご飯を食べようとしない。
それもそのはずだ午後は家庭科の調理実習。
家庭科の先生は割とハンサムなので女子に人気がある。
更に話も面白いせいか男子からも結構受けているらしい。
69※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:11:48.46 ID:+2oLUWi10
みんなが家庭科室に集まるとすぐに授業は始まった。
「は〜い、皆さん。
 今日はこの前の授業で言っていた通り、ビーフシチューを作りたいと思います。
 ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、ビーフシチューの元。
 これだけでお〜いしいビーフシチューはできちゃいます。」
 
「先生、肉はどうするんですか〜!」

「あ、うっかり忘れていたよ!
 ごっめ〜ん。」

額をペチンと叩いておどけてみせる。
この人の妙なテンションの高さも解らない。
何が楽しくてテンションを上げているのだろう。

「でもね、心配ないよ。
 今日は只のビーフシチューじゃなくて人肉を使った人肉シチューだから。」

………ギャグなのか?
いやでもこの先生が滑った所は見たこと無いぞ。
固まる生徒達を余所に先生は続ける。

「ほら、午前中のクラスはこんなに上手に作ることができたんだよ?」

机の上に置いてある鍋をみんなの前に置いてふたを取る。
香ばしいブラウンソースの中で脂の乗っている肉が浮いている。
カチャカチャとおたまで鍋の中をかき混ぜると其処の方から浮き上がってきた物がある。
丸い。
ソースがかかっていてよく見えない。
70※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:12:54.67 ID:+2oLUWi10
「美味しいんだよねえ、人の肉って。
 特に眼の部分がトロトロして絶品でさあ。
 数日間煮込んだ牛すじのような味わいがして本当に最高なんだよ。」
 
トプン
お玉ですくって皿に盛ってみんなの前に置く。
真ん中は黒くて外の部分は白い。

ああ、

――――――――――目玉だ。


「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
女子の一人が絶叫して卒倒してしまった。
当たり前である。
かくいう私も吐きそうだ。
喉の奥辺りまでこみ上げてきている。
71※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:14:07.02 ID:+2oLUWi10
「おい、ふざけんなよ先生!」
男子の一人が家庭科の教師に掴みかかる。
体育の好きな奥山君だ。
「いやですねえ、僕だって巫山戯てなんかいませんよ?」
掴みかかられたままケラケラと笑う家庭科教師。

「不味い!」

私と同じ班で調理実習をすることになっていた黒服Fが慌てて立ち上がる。
教師の所まで急いで走ると奥山君を突き飛ばした。
勢いよく突き飛ばされた奥山君。
「いてえな……。」
奥山君が地面に手をついて立ち上がる。
だが地面についた手はまるでよく煮込まれた豚の角煮のように、ドロリと崩れ落ちた。
72※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:14:58.79 ID:+2oLUWi10
「――――――!?」
そのまま気絶する奥山君。
なんてこったい、優しかった家庭科の先生が豹変?
アニメや漫画でもあるまいにこんな急展開あって良いはずがない。
黒服Fが叫ぶ。
「平さん、他の生徒を連れてここから逃げてくれ!」
教師は嗤う。
「遅いよ、そこの黒服。君が来ていることは既に聞いていたからね。」

パチィン

「私の能力は既に発動させて貰っている。」
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 22:15:06.03 ID:NL1BlJmAO
眼は食用にはむかなそう
74※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:15:42.47 ID:+2oLUWi10
「うわ、身体が!」
「な、なぁにこれぇ……。」

先生が指を鳴らすと同時に身体を動かしたクラスメイトの身体が次々崩れ始めている。
とっさに私は目をつぶった。

「自己紹介させて貰うよ、黒服。
 私の名前は田山花袋。
 契約した都市伝説は人肉シチュー。
 組織が何故ここまで来たのかは知らないけれどさっくり死んで貰う。
 ああ、あと平さん。君も何らかの都市伝説と契約して居るみたいだけど妙な動きはしないでね?
 僕の能力は契約者に対しては直接触れ続けないと煮込めないんだよね。
 だから君に妙な真似されちゃうと私は困るんだ。」

「……人肉シチューの契約者?聞いてないぞ!」

黒服Fが焦っている。
完全に予想外の事が起きたのだろう。

「いやぁ、助かりましたよ。
 こっちは事前に情報が入っていたおかげで貴方を潰せます。
 まあとりあえずこの子達ぶっ殺されたくなかったらそこの包丁で胸を裂くなりなんなりで死んでください。」

私の能力は男装しないと使えない。
当然この状況では一般人に等しい。
いわゆるピンチ。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 22:15:50.26 ID:kOyw9Eca0
支援
76※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:17:02.84 ID:+2oLUWi10
「仕方ない……、一般人に被害を出す訳にはいかない、か。
 しかし組織の把握していない契約者……。
 困ったねえ………。」

戸惑う黒服。
それを時間稼ぎと思ったのだろうか?
田山先生は黒服Fをせかす。

「速くやらないなら人質を一人ずつやっていきたいと思います。
 さーん、
 にーぃ、
 いー………。」

「待てっ!!」

隣に座っていた女子が悲鳴を上げる。
目をつぶっていて見えないが彼女の肉がベチャッと音を立てて崩れる音が聞こえてきた。

不味い不味い不味い不味い!!!

そう思った次の瞬間だった。
77※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:18:15.36 ID:+2oLUWi10
「縊り殺せ、十三階段。」
突然響く声。

しゅるしゅるしゅる………
バチィーン!


静かだ。
何があったというのだ?
その場でしばらく黙っている。
「目、開けて良いぞ。平さん。」
黒服Fの声。

目を開けて周囲を見回すと全員が眠っている。

「急にロープが出てきて人間シチューの契約者の首が絞められちゃってさ。
 まあ訳がわからないけどラッキーだった……。
 ここの生徒達の記憶は消させて貰ったよ。
 これから色々と事件の後片付けもしなくちゃいけないし……。」

訳がわからない。
只、もう自分が安全な場所に居られはしないということだけは痛感してしまった。
【平唯の人間観察 第三話「家庭科テイカー」 fin】
78上条当麻が午前10時をお知らせします:2009/11/23(月) 22:19:39.40 ID:TEj3PtzW0
上条当麻「こういうスレは俺の右手でぶちこわす」‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍
インデックス「とうますごーい」‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍‍
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79※ただしイケメンに限る(代理の代わり):2009/11/23(月) 22:20:35.27 ID:+2oLUWi10
789 :名も亡き都市伝説契約者:2009/11/23(月) 21:06:06
とりあえず※の方の十三階段は死刑台がモチーフで
「目の前で“悪い”ことをした人間を死刑にできる」という滅茶苦茶な能力。
まだはっきり決まっていないんだかんね!


〜〜〜
新たな13階段か…言えたことじゃないがなかなかにチートだなww
80花子様は高燃費でビュンビュン系:2009/11/23(月) 22:50:15.39 ID:7H0HIDX40
ひとがいない今がちゃんす!


男「そういえば花子様。」
花「何よ?」
男「花子様っていつの間にかトイレ以外でも実体化しっぱなしですよね。」
花「そうね、それが?」
男「疲れたり弊害はないんですか?テリトリー外だと負荷が大きいと思うんですけど。」
花「最初は疲れやすかったけど、今じゃ全然平気よ。  
  ただ、お前から離れすぎるとバテたりして半透明になっていって、最後には見えなくなるわね。」

花「トイレ外では駄犬の体力を搾取して使うことで活動してるから。」
男「え!?それって戦闘時だけじゃなかったんですか?」
花「なによ!?文句あるワケ!?お前の物は私のもの!!!私の物も私の物よ!!!!
  だからお前の体力を私がどう使っても良いじゃない。
  だいたい、こうやって言われなきゃ気づかないくらいなんだし。」

それもそうだ。花子様がトイレ外活動を普通にやるようになってからも疲れやすくなったりはしていない。
と1人納得しかけた時、部屋の窓からメイドが入ってきた。

男「ちょ、どっから入って来てるんですか?」
メ「いえ、男様のお母様を訪ねてきた方の犬が怖かったので。」
男「嘘だっ!!」

今まで俺達が体験してきた中でこの人が怖がってるのは見たことが無い。
それが犬嫌いなんて、ギャップ萌えもいいとこだ。
81花子様は高燃費でビュンビュン系:2009/11/23(月) 22:52:31.25 ID:7H0HIDX40
メ「ところで、男様の体力ですが、実際のところ花子様の実体化だけでかなり消耗していますよ。」
花「っ!?でも普通に不自由なくしてるじゃない?」
男「そうですよ、普段から実体化するようになってから…うちに居候始めたころからそんな感じはしなかったし。
  母ちゃんとのコンタクトやなんかで気疲れはしましたけど。」

ねーっと花子様と顔を見合わせる。

メ「多分その気疲れだと思っているのが体力搾取による疲れだと思われます。」
花「でも今だって実体化してるけど全然平気じゃない。今はなんで疲れないのよ?」
メ「慣れと…調教でしょうか。」

82花子様は高燃費でビュンビュン系:2009/11/23(月) 22:53:29.93 ID:7H0HIDX40
メ「男様と花子様の付き合いの中にある主従関係、これにより男様の身体は無意識のうちに変化しているのです。
  少しでも多くのエネルギーを花子様に謙譲するために、男様の身体は超高効率で超低燃費化しています。
  さらに基礎体力もトップアスリート並みに引き上げられています。」

男「でも運動が前よりできるようになったりとかはしてませんよ?」
メ「契約前を基準に、そこから増えた体力等は全て花子様に謙譲されるので当然です。
  これでも非常に運が良いんですよ。相性が良いんです。
  もし相性が合わず体質改善が起こらない方が花子様と契約した場合、
  日常生活どころか生命維持に支障が出るレベルまで体力を奪われ、寝たきりでしょう。
  まぁ、男様は平気なのでご安心ください。
  それに万が一体力の吸われすぎで死ぬことを恐れても無駄ですよ。
  それを防ぐには契約破棄しかありませんが…」
花「契約破棄なんてしてみなさい?死にたかったらね。」
メ「と、いうわけです。男様は死ぬまで花子様と添い遂げないといけませんよ。」
花「ちがうわメイド。『死んでも』よ。」

あ、愛が重い!でも感じちゃうビクンビクン!
ぶっちゃけ体力搾取で死ぬ可能性は怖くないし、この話を聞いても「へぇ〜」としか言えない。
浮気とかされて凹むより、愛され過ぎて死ぬほうが良いし。

その後、適当にアニメの話をした後、メイドは帰っていった。
83花子様は高燃費でビュンビュン系:2009/11/23(月) 22:54:13.95 ID:7H0HIDX40
花「ねぇ、さっきはああ言ったけど、怖かったら破棄しても良いのよ…。」
男「…え?」
花「私のせいでお前が死ぬなんて嫌だもの。お前の意思を尊重するわ。
  悲しいけど、メイドに頼んで私を消してもらえばそんな思いせずに済むもの。」
急にしおらしくなったと思ったら、意外なことを言うもんだ。
でも、俺の気持ちは決まっている。

男「破棄なんてしませんよ。したくありません。
  うちの親父とオカンの夫婦生活の方がずっとデンジャーな感じしますし。」

花「そう、良かった。じゃあ、これからもよろしく頼むわよ。」
男「はい、花子様。」
84花子様は高燃費でビュンビュン系:2009/11/23(月) 22:56:12.06 ID:7H0HIDX40
良かった、本当に良かった。ちょっとカマかけてみたんだけど、破棄したいって言われなくて良かった。
そう、カマをかけた。
本当は破棄したいって言われたらその場で※して、犯して、バラバラにして、食事的な意味で食べようと思ってたから。

花「ふふふ、私に※させないでね…愛しい駄犬…」
男「?なんか言いましたか〜?」
花「なんでもないわ。『イヴの時間』のDVDでも見ましょう?
  今日届いたんでしょう?苦労して買った2巻」
男「中古で一万ですから…。」

ずっと、ずっと一緒よ、男…。

男「あ、そういえば、元に戻る方法…男に戻る方法はあるのかな?」
花「平気でしょ、この近辺の地域性的に考えて。」
男「ですよねー。」

おわり
85花子様のひと:2009/11/23(月) 23:02:54.03 ID:7H0HIDX40
決戦ムードの中投下してすまない。
正直、今回は戦力外で泣き寝入りを決め込んだ…
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 23:24:51.16 ID:rAATqdy00
いやいや、乙です!
>>地域性的に考えて
ちがいないwww
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 23:43:08.19 ID:NL1BlJmAO
保守
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 23:46:58.09 ID:7H0HIDX40
>>86 もう学校町の役場は『都市伝説税』を徴収しても良いと思うんだ。
人型は住民税的なのを取られたり、契約者が納めないといけない税金。
使い道?都市伝説騒ぎで壊れた町の修理や賠償でしょ。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 23:58:47.75 ID:rAATqdy00
ほおお
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 00:38:44.51 ID:hXfOHWsv0
ふうむ
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 00:39:16.41 ID:EaVH7HGdO
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 00:51:00.75 ID:P+2A+Gh80
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 00:56:16.68 ID:PSfEfHGT0
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 00:57:03.18 ID:5v+epoVJ0
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 01:01:53.86 ID:L7wO9vaB0
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 01:27:46.75 ID:Yllapgkh0
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 01:35:47.71 ID:JLvy2M000
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 01:51:20.45 ID:5svR+CPL0
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 02:55:40.44 ID:hXfOHWsv0
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 04:22:48.95 ID:hXfOHWsv0
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 05:38:43.79 ID:6k6Vpmg40
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 06:38:17.58 ID:3sRRIl2VO
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 07:24:56.77 ID:sPo5v3rEO
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 07:49:32.10 ID:GyCv2nS70

105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 08:20:21.53 ID:dt4k9dzXO
>>88
街の修復は各組織の仕事
そして一般市民には都市伝説を知られてないんだから、役場の人も都市伝説について知らないはず。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 09:26:11.86 ID:dt4k9dzXO
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 09:40:36.32 ID:GyCv2nS70
>>105 それはわかってるぜ。
都市伝説税を取っても不思議じゃなく思えるくらいに都市伝説がいっぱいいる気がするってハナシ。
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 09:49:41.21 ID:6k6Vpmg40
>>107まったくだ。代理いくぜー
109女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 09:50:45.75 ID:6k6Vpmg40
Hさんと戦った教室の中で、こっちは緊張に身を固めていた。
廊下から聞こえてくる騒音から、誰かしらが戦っているのが分かるが・・・・・・今はそんなことを考えている暇はない。
その理由は全て、目の前の大男にある。
教室のカーテンを引きちぎって包帯を作っていたこっちの前に、窓から飛び込んできたその男。
男にしても非常に高い部類に入るだろう長身に、全身を鎧のように包む分厚い筋肉。
その浅黒い肌に広がった白髪。もうすぐ冬だというのに薄着で、さらには比較的悪人顔。
それが誰かを判断するにはそれらの情報は十分すぎた。
それはある世界においての一つの力の頂点。文字通りの意味で世界最強と呼ばれる存在の一人であり、さらにその世界を救った英雄の一人でもある。
しかしそれはここには・・・・・・・・・いや、この世界には存在しないはずの者だった。
全く意図しないままに、口がその名前を呼ぶ。

「―――千の刃の、ジャック・ラ○ン・・・・・・・・・?」

確実に目の前に存在してはいるのだが、頭はそれを否定したがっているらしく、その言葉は疑問形で紡がれた。
それに対し、

「おお、よく知ってるな? こっちでもここまで有名たぁ、流石は俺様だ」

そう言ってワハハハハ、と豪快に笑う大男―――ラ○ン。
・・・・・・・・・いや、これはないだろうとこっちは思う。
都市伝説が常識から外れたものだというのは散々身に染みて分かっていることだったし、だからこそ覚悟もしていたが・・・・・・いくらなんでもマンガ内のキャラクターが出てくるとかはなしだろう。
それも雑魚キャラAとかそんなんじゃなく、チートもチート、超チートキャラだ。
この人―――ラ○ンが出てくるマンガは友達がしっかりと全巻揃えていて、勧められて読んだことがある。
感想としては、バトルシーンがとても面白かったのだが・・・・・・・・・まさかその中でもとびっきりの規格外に、しかも現実で出会うとは思わなかった。ていうか誰も想像できないだろう、そんなこと。想像できてたらむしろ怖い。
そんなこっちの思いを知ってか知らずか、話し出すラ○ン。
110女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 09:54:09.17 ID:6k6Vpmg40
その一撃は、壁に突き刺さったままのローラーを、ヒビの入った黒板を、黒板のある壁すらも砕き―――力づくで壁をぶち抜いて、ラ○ンとローラーが隣の教室へと吹っ飛ばされた。

「・・・・・・・・・っふう。さすがに、これくらいやれば、気絶くらいは・・・・・・」

"投げる"のではなく"叩きつける"だったお陰で右手は無事で済んだのだが・・・・・・元々無理して動かした左手はダメだったようだ。
痛みが悪化した左肩を擦りながら一人ごちる。
どうだろうなー、と空いた・・・・・・というかこっちが空けた穴を覗こうとし―――目と鼻の先、髪の毛をかすってローラーが横切っていった。
固まるこっち。粉砕される教室の壁。
そして―――首をコキコキと鳴らしながら、その男は現れる。

「・・・・・・・・・いやぁ、油断してたぜ。まさかここまでやるとはなぁ?」

頭から一筋の血を垂らしながら。

「流石に今のはそこそこ効いたぜ? そのちっこい身体で、大したもんだ」

自由を掴んだ最強の奴隷拳闘士、生けるバグキャラ、不死身の男―――ジャック・ラ○ンが。

「―――だがまぁ、俺も男だ。彼女の為に、こんなとこで寝てるわけにもいかないんでな」

その言葉を最後まで聞くことなく、こっちはその頭へと渾身の力で右の回し蹴りを叩き込む。
普通の人間に放ったなら、それだけで頭蓋骨を陥没させかねないその蹴りを、ラ○ンは片手で受け止める。

「くっ・・・・・・!」

受け止められた右の足を軸に身体を回転させ、ラ○ンのその頭頂部へと左足を降り下ろす―――踵落とし。
更に右の踵もその鼻先に突き込み、その反動で後ろに飛ぶ。空中でくるりと回り、きれいに着地しようとした、その瞬間。
ガシリ、と。
こっちの左手を、ラ○ンの丸太のような右手が掴んでいた。
111女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 09:58:30.92 ID:6k6Vpmg40
その絶対的な力感、圧倒的な力量差・・・・・・・・・一瞬でわかる。振りほどくことなんて、出来るはずがない。そう思ったのもつかの間。左肩に激痛を、そして全身に浮遊感を感じた。

(・・・・・・・・・振り、回されてる・・・・・・・・・っ!)

自分が置かれている状況は分かっても、それをなんとかすることができない。
歯を食いしばり、来るべき衝撃に備える。
そして、その時は来た。
左手の圧迫感がなくなり、身体が水平に飛んでいく。
教室と廊下とを隔てる窓を突き破り、廊下の壁に叩きつけられるこっち。
なんとか頭は守ったものの、全身をまんべんなく貫く衝撃に、一瞬意識が飛びかける。
が、意地で意識を引っ張り戻し、すぐに横へと飛ぶ。それと同時に、顔からほんの少しのところを唸りを上げながら巨大な拳が通過していった。
その拳はコンクリート製の壁を砂糖菓子のように易々と砕き、突き刺さる。

「―――っ、はぁ、はぁ・・・・・・ホントに、化け物だな・・・・・・・・・!」
「おいおい、化け物とはひでえじゃねえか。かるーく傷つくぜ?」

その言葉とともにラ○ンの姿がかき消え―――背筋が粟立つのを感じ前へ転がるようにして飛び出すのとほぼ同時に、こっちのいた空間を高速の拳が撃ち抜いていった。

―――このスピードの上にこのパワー・・・・・・ホンットに規格外だな!
―――でも、ノーリスクでこんなことが出来るはずがない。
―――必ず何かの制約か、弱点があるはずだ。
―――それさえ、見つけられれば・・・・・・・・・!

考えを巡らす間にも、凄まじい速度で繰り出されるとんでもなく重い一撃一撃。
こっちは一瞬の隙も作らないよう、摺り足でそれらを回避していく。

―――まともに喰らえばKO確実、見てから動いてたら間に合わない。
112女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 09:59:11.52 ID:6k6Vpmg40
全神経を集中させ、相手の足運びや視線などから動きを予測し―――最終的には勘を頼りに回避行動に移る。

―――避けきれないものは手足をフルに使って、出来る限り威力を軽減。

空を切り裂いて繰り出された回し蹴りを、自分から後ろに飛びながら受け止める。蹴りの威力を受け流しつつ、吹き飛んだ勢いをローラーを床に叩きつけて殺し、更に追撃を避けるために牽制代わりにローラーを投げつけた。
ローラーはすぐさま打ち返されるが・・・・・・それも予想していたこと。その一瞬で可能な限り体勢を立て直し、次のラ○ンの一撃に備える。

「全く、本当に器用な嬢ちゃんだな。死なれてもアレだから手加減はしてるが、それでも俺様の攻撃をここまでかわせるんだから大したもんだ」
「・・・・・・はぁっ、はぁっ・・・・・・それは・・・はぁっ、どうも・・・・・・・・・!」

それにしても、このままじゃあマズい。このままじゃあじわじわ押されて確実に逃げ切れなくなる。
引き付けるだけでも一応役には立ってるんだろうけれど・・・・・・・・・ここで捕まったら、こっちも支配されてしまうだろう。恋愛したことなんてないから惚れたあとどうなるかは分からない。
でも、操られないなんて幸運はないと思う。

―――だったら、ここで負けるわけにはいかない、か。

そう考えながら、こっちは目の前の強大な敵と対峙した。
113女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 09:59:52.10 ID:6k6Vpmg40
―――そうして、10分ほどが経過した。

いつのまにか廊下に出て戦っていたこっちとラ○ン。
そうなった理由は簡単だ・・・・・・単純にこっちが押されて逃げているのだ。
一応こっちも、精一杯頑張りはした。
速射砲のように繰り出される拳と蹴りを紙一重でかわし、あるいは残った右腕で受け流し。
明らかに遊ばれてこそいたものの、それは仕方のないことだと思う。漫画の中のキャラクター、しかもこんな相手に勝てるはずもない。
そして、その瞬間は訪れた。
長い戦いの中、一瞬途切れたこっちの集中。
その刹那の隙をつき―――ラ○ンの拳がこっちのお腹を捉えた。

「―――っ、が・・・・・・!?」

肺の空気が全て絞り出され、骨が軋んで悲鳴を上げる。
ギリギリとその拳はめり込んでいき、耐えきれなくなったところで身体が水平に飛んでいく。
廊下がとんでもないスピードで視界を流れていき・・・・・・・・・ぼさっ、とこっちの身体は優しく受け止められた。
「うん、我ながらナイスクッションだ・・・・・・って女装の嬢ちゃんじゃないか」
「・・・・・・・・・あれ? Hさんとザクロちゃんと・・・・・・誰? あれ?」

なぜかいたHさんやらザクロちゃんやらその他宴会で見た覚えがあったりなかったりする人やら、結構な数の人がいた。・・・・・・・・・いや、ホントになぜに?
こっちの身体はHさんの髪の毛に包まれていた。これのお陰で衝撃が吸収されたのだろう。

「わたくし、あなたとは初対面だと思うのですが・・・・・・というか、何で飛んで・・・・・・?」

あれHさんって支配されてなかったっけあれー? とハテナが飛び交っていたこっちの脳内だったが、ザクロさんの言葉ではっと我に帰る。
ばっと素早く身を起こし、
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:01:19.72 ID:sPo5v3rEO
支援
115女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 10:12:51.91 ID:6k6Vpmg40
「思い込んだらっ!」

叫ぶと同時にローラーを降り下ろす。
ガインッという音とともに受け止められたそれは、しかしラ○ンによる追撃を妨害するという役割を果たした。

「おっ・・・・・・と。こいつぁ・・・・・・ここは退かせてもらうぜ!」

そう言い放つと、文字通り目にも止まらない速度で廊下を戻っていくラ○ン。

(なんだかよくわかんないけど、一応助かったのかな・・・・・・?)

そう思うとふっと身体から力が抜け―――倒れかけたところを、銀髪のお姉さんが支えてくれた。

「あ、ありがとうございます・・・・・・」
「いやいや、可愛らしい女性に奉仕するのはボクの義務のようなものだからね。気にしないでくれたまえ」
「えと、こっちは………一応あだ名というかコードネームというか……そんなのでは″クナト″って呼ばれてます。というか呼ばれることになりました」

・・・・・・なんという男前。こういうセリフが自然に出てくるような大人になりたいものだ。
生死と隣り合わせとほぼ言っていいだろう状況にあった緊張感から解放されたせいで、つい変なことを考えてしまう。

「ああ、この子は味方側だ。″お強い嬢ちゃんと戦りあって″《スパニッシュ・フライ》の能力が解けたって言ったろう? この嬢ちゃんがその子だよ」

Hさんが説明をしてくれているらしい……左腕が痛んでいるうえ、かなり疲れている今はそれがとてもありがたい。
116女装少年の人(代理):2009/11/24(火) 10:13:35.13 ID:6k6Vpmg40
改めて周りを見回す。周囲の人がどんな人たちかを確認するためだ。
とても似た顔立ちの青年二人。片方は白衣を着て、もう片方はコーラのペットボトルを携えている。
彼らのそばには白骨と人体模型が。さらには人形もいた。
でっかい犬、裸エプロンの人、髪をわさわささせてる黒尽くめエトセトラ。
そんな人たちを見て、ふと思ってしまった。

―――ここはどこの人外魔境なのか、と。

そんなこんなでこっちは、目的を同じくする人たちと合流することに成功したのだった。

117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:15:54.26 ID:6k6Vpmg40
815 名前:女装少年の人[] 投稿日:2009/11/23(月) 22:07:53
時間が今マジでヤバいので適当クオリティでお送りしましtらすいません!
関係者の方々に土下座っ! 口調等間違っておりましたらごめんないさい! 
女装少年合流致しました。一応見方でマッドガッサーたちを殺したくないという点は伝えたと思います。
今日はここまでです、これイ省はマジで殺されかねないので。色々すいませんほんとにっ!
おやすみなっしい!

***
>>109-110の間もしかして一つ抜けて……る?
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:18:07.39 ID:tDXjGtFxO
>>117
確かに抜けてる気がするな
時間なくて焦ってたみたいだし仕方ないわな

20:00

辺湖市東南部、通称「旧村」。
駅よりやや離れた所にある、七階建ての商社ビル。
その屋上にて、事態は最悪の展開に突入していた。

「もう駄目だぁぁぁぁぁ、駄目なんだぁぁぁぁぁ」
屋上に立て籠ったのは数時間前まで一般人だった青年。
このような事になってしまったのは、『彼』がとある契約書を拾ってしまったから。

「早まってはいけない! 君は大丈夫なんだ! 馬鹿な真似はやめろ!」
非常階段から屋上へ向かって叫ぶのは、地元の協力者。
黒服Iと協力関係にあるこの男は、姿の見えぬ『彼』を説得すべく拡声器片手に説得を試みる。

「どうしてこうなった、どうしてこうなった、どうしてこうなった」
やたらに改造の施された双眼鏡を覗き込み、熱探知で『彼』を捜すのは、黒服M。
黒服Iに「辺境」から引っ張り出されたはいいが、先刻より踏んだり蹴ったりである。


立て籠った『彼』。拾ってしまった契約書により、偶然に能力者となってしまっていた。
不幸な事に――『彼』は、「災厄を招く隕石」と契約してしまっていたのだ。
「契約したての能力者にありがちな事だが」
誰に言うでもなく、黒服Mは呟いた。
「能力の使い方も知らず、少しでも精神不安定になれば、能力は暴走する」
「『組織』の支援は期待できんのか?」
地元の協力者の問いに対し、
「『組織』は余程のトンチンカンか過激派でもない限り、辺湖市に侵入する連中はいない。
『組織』の上層部と、辺湖市に拠点があるという『イルミナティ』とかいう勢力と
 折り合いが悪いらしくてね。支援の期待は無理だ。
 仮に支援があったとしても、確実に「殺し」になる。
 たとえ同じ建築物内に身内が存在したとしても、建築物ごと消し飛ばすような連中だ。
 前例もわんさかあるしな」
何故か血の気の引いた表情で黒服Mは答える。
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:22:04.28 ID:sPo5v3rEO
しえ

(第一、この件が『組織』に知られたらマズい、てかヤバい。
 どういった手段を取るかは知らんが、確実に潰しにかかる
 『イルミナティ』の件があったとしても、『組織』はこの事件を口実に辺湖市に乗り込んでくる)
はああ、と大きい溜息を吐く。
「なあ」
地元の契約者は尋ねた。
「無能力化剤の使用もアウトなんだろ?」

「睡眠弾なんて撃ってみろぉぉぉぉぉ、自殺してやるぅぅぅぅぅ」

男と黒服の会話内容へ、実にタイムリーに屋上から『彼』の叫びが響いてくる。
黒服は青い顔のまま扉の方を指し示す。

「ああ言ってる以上、こっちが何かしようものなら『彼』はドタマぶち抜くだろうな」
「ええいッ、クソ!」
地元の協力者は再び拡声器を構える。
「安心しろおお! こちらは何もしない! 君の安全も今なら保障できる!! 出て来るんだ!」
当初の予定では『彼』の姿を捉えたところを仕留める予定だったようで、
地元の契約者の前には彼の得物――麻酔弾の装填された狙撃銃、R93が横たえられていた。
「それがこうも姿を見せないんじゃああ、ねえ」
「さあ、出て来るんだああ!!」
「嫌だぁぁぁぁぁぁ」

黒服Mは考える。どうしてこんな事になったのだろう、と。

商社ビルの責任者に対し、アポ無しで「自主製作映画の撮影に屋上使いたいっスwww」とかいう
あのへっぽこ黒服Iでもカマさない申し入れをおこなったところ、何故か許可が下りた。滅茶苦茶快諾された。
それ故に、この屋上での騒ぎに関しては何の問題もない、はずなのだ。
しかし、このやたらドロドロした必要以上の不安は何なのだろう?

そういえば、先程から此処に居るのは自分と、黒服Iの知り合いという、地元の協力者。
上司のVと後輩のIがいない。
Iが午後になって『組織』「本部」に飛んで行ったまま戻って来ないのは良いとして、
何時の間にかVまで居なくなっているというのは、どういう事だ?

「どうしてこうなった……」

Mは今までの経緯を回想し始めた。
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:24:06.80 ID:tDXjGtFxO
電車で支援
125「辺境」 Mの回想(代理):2009/11/24(火) 10:24:12.81 ID:6k6Vpmg40
13:07 学校町 中央区 「辺境」オフィス

黒服M「ふごー、ふごー」
Mは三徹の疲れから、チェアに座ったまま仰け反る様にして爆睡している。

数ヶ月前の学校町南区某所にて、外国人と思しき男に道を尋ねられ、女子高生が応じたところ
「貴女は親切な人ですねー、チョットいいコト教えてあげまーす。
 絶対に、一週間後のこの時間、この場所には近寄らないでくださーい」
と告げられた――。

都市伝説に関わっている者ならば一度は耳に、あるいは目で追った事があるであろう、
「恩返しをする○○人」に分類されるような話。

タレコミを受けた『組織』は、指定場所へ構成員を派遣。
果たして、巧妙に隠されて設置されていた爆弾を発見する。
その後、爆弾は解析班に回されたのだが、黒服Mは同僚伝てに何とか爆弾のサンプルを
入手できないものかと画策、ようやく手に入れたのは、つい4、5日前の事だった。

黒服M「ふごー、ふごー、ふごッ、へきちッ」
クシャミと共に覚醒する。仰け反っていた頭を定位置に戻した。

誰もいない。

へっぽこのIはこの時間南区の"巡回"で居ない。
上司のVが居ないのは、大方近くのコンビニに昼食を買いに行っているのだろう。
最近はチキンジャンバラヤにご執心でしたなあ、とボンヤリ考えつつ、盛大に欠伸をかく。
では改めてベッドで二度寝を決め込むか、と部屋の片隅に置かれたベッドへ向かおうとして――未対応の着信が一件あるのに気がついた。
126「辺境」 Mの回想(代理):2009/11/24(火) 10:24:53.57 ID:6k6Vpmg40
13:10 学校町 中央区 「辺境」オフィス

プイーッ 『どうも。誰もいませんか。しょうがないな。
     Yです。手が空いてるなら、「本部」の方に力を貸してください。
     マッドガッサーの件もそうですが、コークロアの対処も結構大変なので。
     それじゃ』

これが、着信の内容である。日時が13:05となっているので、つい先程連絡があった事になる。
黒服M「むうううん」
コーヒーを啜りながら頭を掻き毟る。
黒服M「誰からと思ったらYかあ。しかし、何で声が幼女っぽくなってるんだ?」
電算機のモニタへと身体を向け、「非公式報告」のログに目を通す。
黒服M「はあ、なるほど。Yのヤツ、マッドガッサーにやられたワケか」
起き抜けの頭で他人事のように考え、
黒服M「ギャハハハハハ」
何故か笑いが止まらない。

黒服M「えー、さて。可哀想なYさんの為に、解毒剤の一つや二つ用意してみましょうかね」
よっこらと腰を上げて、壁際にある試薬やら装置やらが適当に突っ込まれたラックの方へと歩み寄った。
黒服M「っと、こんな事もあろうかと一応作っておいたんだよ、な、と」
現在、世界規模で毒物系都市伝説が猛威を振るっているらしく、
『組織』の備蓄していた治癒系の道具はほとんど在庫切れの状態だという。
それに対応し、一応Mも自ら解毒剤の作成を試みていたのだが。

黒服M「みんな、臨床試験やってないんだよねー★」
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:25:53.03 ID:kGEqFZi5O
しえん!
128「辺境」 Mの回想(代理):2009/11/24(火) 10:25:58.02 ID:6k6Vpmg40
13:50 学校町 中央区 「辺境」オフィス

黒服Iが息を切らして飛び込んできたのは、もうすぐ14時を回ろうとしている頃だった。

黒服I「あ、あ、あの、何度も連絡、入れたんですが、は、入ってま、ませんよね」

黒服V「インソ君落ち着け、キミの連絡は重要な時ほどこちらに届かないのは最早お約束だろう」
黒服M「ほらほらー、へっぽこー、クルトン食えー」

黒服I「あの、ですね、色々と、イロイロ大変になってまひちぇ」

黒服V「とりあえず、水飲みなさい」
黒服M「ほらほらー、インポー、餅食えー」

* * *

黒服Iは南区の"巡回"を終え、いつも通り辺湖市「新町」に入ったようだが、
問題は、その「新町」で起こったらしい。
一人の青年と出会ったところ、「異常に怯えた様子を見せた」ようで、
Iが不思議に思い近づいてみると、「奇声をあげながら、逃走した」という。

以上が無理矢理落ち着かせたIの事情説明を大まかにまとめたものになる。
そして、Iは二人の前にある物を差し出した。

黒服V「これって、使用済みの「契約書」じゃないか」
黒服I「ええ、『組織』の署名が記されてませんので、『組織』の所有物じゃない事は明らかです。そして――」
そう言って彼は「契約書」の一点を示す。

黒服I「「災厄を招く隕石」、これってかなり危険なレベルの都市伝説じゃないんですかね?」
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:27:21.09 ID:tDXjGtFxO
駅で支援
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:30:13.23 ID:3sRRIl2VO
外寒すぎ支援
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 10:32:26.93 ID:3sRRIl2VO
かじかむ指で支援
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 11:02:42.70 ID:sPo5v3rEO
何故都市伝説に飲み込まれると黒服になる人がいるのだろうか
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 11:16:22.94 ID:/AOCFf5t0
大学内で支援
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 11:30:35.32 ID:3sRRIl2VO
>>132
都市伝説化した人間は危険

でも管理下に置ければ戦力になる

(黒服を)や  ら  な  い  か  ?

という活動が日々行われているんだろう、きっと
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 11:43:19.15 ID:EaVH7HGdO
黒スーツでオドオドするうさぎちゃん想像して萌えた
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 12:33:22.91 ID:GyCv2nS70
ho
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 12:54:16.84 ID:1yFEsLfGO
あ、そうか
うさぎちゃんも都市伝説化してるようなもんだったな

忘れてた
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 13:55:16.26 ID:tDXjGtFxO
うがー
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 14:32:44.42 ID:kGEqFZi5O
ぴぎゃー
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 15:16:35.47 ID:kGEqFZi5O
おぎゃー
1411レスネタ:2009/11/24(火) 15:25:52.61 ID:sPo5v3rEO
いやー、お客さん。危なかったですねえ。まさか「船団」に出くわすとは。
はい?さっきのですか?なぁに、ただの海賊ですよ。
まあ、「さまよえるオランダ人」とか「マリー・セレスト号」に「良栄丸」等々、都市伝説だらけなんですけどねえ。
出くわしたら逃げるのが一番ですよ。中には、「宝船」を見たってんで、わざわざ戦いに行くバカもいますがねえ。
おっとそういえば、そろそろ日本ですよ。このままなら日が変わる頃には着きますよ。
ええと、確か日本迄でよかったですよねえ。
いやぁ助かる。学校町にはあんまり近づきたくないんですよ。あそこは厄介事の巣窟ですからねえ。
いやいや、お気になさらず。人、物、都市伝説の輸送とその護衛が我々の仕事ですからねえ。
おや、日本が見えてきたようですねえ。
それでは、何かありましたら、次回も我々「テンプル騎士団」をご利用ください。
貴方にバフォメットの御加護がありますよう。
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 16:07:24.77 ID:3sRRIl2VO
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 16:34:32.37 ID:sPo5v3rEO
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 17:22:50.41 ID:ZjJ0421o0
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 17:42:12.46 ID:kGEqFZi5O
乙!
都市伝説船団いいなwww
146「辺境」 Mの回想(代理) >>128からの続き:2009/11/24(火) 18:04:55.60 ID:ZjJ0421o0
14:10 学校町 中央区 「辺境」オフィス

黒服M「危険ってレベルじゃあないな、コレ」
「辺境」スタッフ一同は、電算機のモニタと睨めっこしていた。
『組織』のデータベースに検索をかけてみたところ、該当する都市伝説が見つかった。
「災厄を招く彗星」。隕石では断じて無い。彗星である。
そして、その能力は「彗星を召喚し、契約者のもとへ飛来させる」。
黒服M「過去の事例は2件あるな。
     ええっと、1件目は『80年前に東ドイツでその存在が確認され――、
     地球に向かって直径80kmもの大彗星が飛来したが、謎の飛翔体がこれを撃破、
     証拠隠滅が図られた。なお、契約者もその後、不可解な死を遂げており、
     何らかの機関により暗殺されたものと思われる』、と。
     そして、2件目は――ああ、こっちは契約が成立した時点で契約者が爆発してる。
     容量が足らんかったんだろうな、恐らく」
黒服I「どちらも大惨事じゃないですか! 今すぐ何とかしないと!」
黒服V「じゃあ丁度いいな。「辺境」で総力あげてその青年を保護しましょうか」
黒服M「へ、全員で、ですか? そっちのポコ介だけでいいんじゃ……」

Vは不満そうに、コピー機の方を指さす。
ファックス兼コピー機であるそれは、先程から延々と書類を吐き出している。
黒服V「だってさあ、「本部」はコークロアやら何やらで忙しいからって
     こっちに必要以上の書類仕事押し付けてくるでしょー?
     もう何週間こっちに縫い付けられてんのよ、あたし達は」
黒服I「しかし"ヴァイオレット"さんは、3週間前にバカンスに行っちゃっちゃじゃにゃいですか」 ボソッ
黒服V「インソくん なにかいったかしら」
黒服I「いいえ なんでも ありません」

黒服V「ようし、総力あげて「彗星」の能力者を保護するぞ!」
147「辺境」 Mの回想(代理):2009/11/24(火) 18:06:01.02 ID:ZjJ0421o0
14:35 学校長 中央区 「辺境」オフィス

上司のVの一声によって、「辺境」のスタッフ3名(上司込み)は「災厄を招く彗星」の能力者を保護する事になった。

黒服I「辺湖市の能力者の方々をまとめていらっしゃる、私の知り合いに連絡を入れておきました。
    一度彼と合流した後に捜索する方が色々都合がよろしいかと思います」
黒服V「現地の協力者ねえ。どんな人だい?」
黒服I「バーを経営しているマスターです。口で説明するより一度会って頂けたらよろしいかと。
    彼とは16:30に市の中央にある公園で落ち合う予定になっていますので」

黒服M「ああ、悪いインソ。その前に、お前「本部」に出向いて
     Yのヤツにこれを渡してやってほしい」
黒服I「Y先輩に、ですか?」
黒服M「そうだ。あいつ、どうもマッドガッサーの毒を浴びたらしく、女体化してるらしい」
黒服I「へ、Y先輩が?」
黒服M「今のヤツには解毒剤が入用だろ。あと、前々から頼まれてた
     【オリカルクム】の弾丸と、特殊弾丸の方も渡しといてくれ」
黒服V「じゃあインソ君が「本部」に行ってる間、あたし達は一足先に辺湖入りしとくよ。
     ああ、しかし辺湖ねえ。これが初めての辺湖入りになるんだねえ」

黒服I「では、私は「本部」に行って参ります。
     知り合いの方には、私から連絡を入れておきますので
     私が遅れた場合は、先に進んでいてください」

こうして、「辺境」のスタッフは動き出した。
148「辺境」(代理):2009/11/24(火) 18:07:17.07 ID:ZjJ0421o0
黒服M「回想、終了……」

それから後は怒濤のように過ぎ去っていった。
地元の協力者に「本当に不能君の同僚か?」と訝しがられたり、
何故か猟銃を握りしめる『彼』を発見し、猛追跡を開始したり、
腹が減ったと上司が喚いたり、
結局Iは帰って来なかったり、
いつの間にか上司も居なくなっていたり、……。

そして、現在に至る。
同時に、ふと何か引っかかる。

そう言えば、あの時。
Yの為に、解毒剤を用意した時。
薬剤の詰まったバイアルにラベルが貼ってなかったから
ラベル用意しようとして、だ。
何故か近くに置いてあったバイアルも一緒に取っちまったんだっけ。
そして――、確か両方に同じラベル貼ったような。
どっちをIに渡したっけ?
どっちだったかな?

黒服Mはそこでようやく、己の抱いていた「ドロドロした必要以上の不安」が何であるのか確信した。
よく考えれば、Iに渡した解毒剤は『解毒剤じゃないのかもしれない』という不安。

黒服M「ハハハ、気に病んで損した……」
黒服は誰に言うでもなくそう独りごちると、とりあえず居なくなった上司に連絡を取るべく、携帯を引っ張り出した。
149「辺境」(代理):2009/11/24(火) 18:07:58.92 ID:ZjJ0421o0
そして、黒服は気付かない。
実は、Iを経てYの手に渡った薬剤は――

――解毒剤ではなかった、という事に。

解毒剤"Rev-00.3(A-MG)"は、黒服Mの机上に依然として存在し続けているのだ。
では、Yの手に渡った"薬剤"とは一体……。

                   おしまい
150「辺境」(代理):2009/11/24(火) 18:10:10.22 ID:ZjJ0421o0
827 名前:「辺境」[] 投稿日:2009/11/24(火) 00:01:45
長々と失礼しました。
マッドガッサー戦があるのと同じ頃、
隣町でおこなわれている、ワケの分からない事件について書きました。
「辺境」一行は隣町で何やら
『組織』にバレると危険なアヤシイ事をやっています。
さらに言うと、未だに書けていない早川小塚の「幽霊ビル」の事件が
同時進行している、という設定というか予定です。


【黒服Yさんに渡った薬剤は、実は黒服Mの作成したジョークグッズです】
【衝撃等でバイアルが割れる・開封される等して、内容物が大気に触れた場合、
 瞬時に気化し、非致死・物的損害のない爆発を起こし、
 広範囲の生命体に作用し、その体毛をアフロ化します。
 ジョークグッズですので、作用から10分で元に戻ります】
【黒服Yさんが、現場に所持してきているかどうかはともかく、
 何かの機会に使って頂けましたら幸いです】
151マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 18:41:59.77 ID:ZjJ0421o0
○月×日 21:37 クラブハウス・武道場


 −−−−−くっくっく、と
 暗い、暗い笑い声が響く
 魔女の一撃の契約者は、ゆっくりと「日焼けマシン」の契約者から、体を離した
 「日焼けマシン」の契約者を庇うかのような位置に立ち…低く、呟く

「…あぁ、そうかよ。皆俺の邪魔をするのかよ……皆、そこの黒服のように…俺と、こいつを引き裂くのかよ」

 まるで、地の底から響くかのような、暗い声
 その声に、かすかに黒服が動揺した
 ーーー大学受験のあの日、自分が事件に巻き込んだせいで、「日焼けマシン」の契約者と魔女の一撃契約者が共に同じ大学に行く邪魔をしてしまった
 その自覚が、彼にはある
 そして、もしかしたら…それが、魔女の一撃の契約者の、今回の行動の理由の一つなのではないか?
 そう、薄々感じ取ってしまっていたから

「……あぁ、でも、駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!ぜんっぜん駄目だな!!」

 ざわり
 魔女の一撃契約者から…殺意が、溢れ出した
 戦い慣れしていない人間ならば……否、戦い慣れした者でも
 殺意を向けられ慣れている者ですら、威圧されかねないほどの、強烈な殺意
 押さえ込まれた状態から解放され、逃げ出そうとしていた「日焼けマシン」の契約者が、幼馴染の変貌ぶりに一瞬、動きを止めてしまうほどの

「お前達には!嫉妬も!!覚悟も!!!まったく足りゃしねぇんだよっ!!」

 魔女の一撃契約者が、構えた
 随分と強気な様子で、まるで、一同を見下しているかのように…
152マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 18:42:43.44 ID:ZjJ0421o0
「−−−−−やばっ!?」

 全ての感覚が超人的に強化されているが故に…真っ先に、厨2病が、その危険性に気づいた
 直後、魔女の一撃契約者は、両拳をあわせて突き出し……その先から、強大な「気」を放つ!
 強烈な光を伴って放たれたそれは、畳を抉りながら厨2病に、Tさんに、そして黒服に襲い掛かる

 −−−−ぱぁんっ、と
 何かが砕ける音がして、瞬間的に結界が張られた
 それが、辛うじてその攻撃を打ち消す
 光が消えた時…そこには、呆然としている「日焼けマシン」の契約者だけが、いて

 魔女の一撃の契約者は、どこに?

「………っ」

 ぞくり、感じた悪寒
 黒服は先ほど使った物と同じパワーストーンの力を発動させた
 ぱぁんっ、とパワーストーンは即座に砕けて……何時の間にか背後に回っていた魔女の一撃契約者の姿に、ようやく気づく

「−黒服さんだけを避けてくれたら、幸せだっ」

 そう呟きながら、Tさんが魔女の一撃契約者に攻撃を放った
 しかし、幽霊のような構えをとった魔女の一撃契約者の姿は…すぐに、ふっと消えてしまう

 ばんっ!!と
 自分が立っていた畳がひっくり返された事を、黒服は自覚した
 その衝撃で、体が宙へと放り出される
 ひっくり返された畳は、Tさんの攻撃を逸らし、その軌道を変えてしまい、魔女の一撃の契約者には届かない
 黒服は受身を取りきれずに、その体を強かに畳に打ちつけた
153マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 18:43:37.03 ID:ZjJ0421o0
 その黒服に、魔女の一撃契約者は追撃を加えようとしている
 まるで、真っ先にこの黒服を殺そうとしているかのように

「俺を無視するんじゃねぇっ!”虚空の弾丸拳”!!」
「っく!?」

 がっ!!と
 厨2病が繰り出した超拘束の拳を、魔女の一撃契約者は受け止めた
 通常ならば、人間など受け止めきれぬはずのその技を…両手を使って、受け止めたのだ

「…てめぇから、殺されてぇかぁっ!!」
「うわっ!?」

 ぶんっ!と
 受け止めたその拳を逆に掴み、魔女の一撃契約者は、厨2病の体を振り回し、畳の上に叩き付けた

 先ほどまで、まるで幽霊のように気配が消えていた魔女の一撃契約者
 しかし、今度は爆発的に、その気配が強くなる
 威圧感すら感じさせる、強烈な気配

 だが、それに威圧されている暇は無い
 黒服は急いで体勢を立て直し、「日焼けマシン」の契約者に向かって駆けた
 己が優先すべきことは、「日焼けマシン」の契約者の身の確保
 体を起こし、下着ごとずり下げられていたジーンズを慌てて戻していた「日焼けマシン」の契約者の傍に、ようやく辿り着く
 服を破かれた事によって露出している胸元を隠してやるように、己の上着を羽織らせる

「…遅くなってしまって、申し訳ありません」
「……っくろ、ふく」
154マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 18:44:50.90 ID:ZjJ0421o0
 泣き出しそうな顔で、黒服を見あげる「日焼けマシン」の契約者
 羽織らせた上着の間から覗く肌にぽつぽつと浮かぶ赤い痕が、魔女の一撃契約者に何をされていたのかを、生々しく物語っている

「−−−っそいつから、離れろ!」

 「日焼けマシン」の契約者を奪われた事を悟り、魔女の一撃契約者がそちらに向かおうと…

「流星・ブラボー脚!!」
「っ!?」

 どごぉんっ!!
 何時の間にか武道場に到着していた姫さんの攻撃が魔女の一撃契約者に襲い掛かった
 ギリギリでその攻撃を避けた魔女の一撃契約者に向かって

「やっちゃえ!!」

 ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう
 はないちもんめの能力で操られた鼠たちが、魔女の一撃契約者に殺到しようとする

 −−−−−−−−−−が

「……うちゅ!?」
「ちゅちゅ!?ちゅちゅちゅっ!?」
「………え?」

 鼠は、ある距離まで近づきながらも…しかし、それ以上は魔女の一撃契約者に近づかない
 否、近づけない
 魔女の一撃契約者の威圧感に、鼠たちは本能的な恐怖から、近づく事すら、できていない
155マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 18:45:31.69 ID:ZjJ0421o0
「…あぁ、畜生。邪魔なんだよ、てめぇら。どいつもこいつも…俺が、あいつの隣に立つ邪魔をしてぇのか」
「それが真っ当な手段であるならば、邪魔などしないさ」

 武道場前に到着した己の契約者に、危ないから中に入らないよう言いながら、Tさんは魔女の一撃契約者を軽く睨む

「だが、お前さんが選んだ手段は間違っている。間違っている事ならば、正さねばならないだろう」
「……違う、俺は、間違ってなんかいない」

 Tさん、厨二病、姫さん
 三人に囲まれながらも、魔女の一撃契約者は一歩も引く様子を見せない
 その表情は、どんどん暗く……狂気を帯びていっている

「あいつを護れるのは俺だけだ、あいつを護っていいのは俺だけだ。あいつを傷つけるのは許さない、悲しませるのは許さない。あいつの隣に立っていたいあいつの隣に立つのが許されるのは俺だけだっ!!」

 話す内容が、支離滅裂になってきている
 狂気に囚われ、その主張の筋も正当性も、最早意味をなさなくなってきている
 己の発言が己の行動と矛盾している事に、彼は気付いていない

「…あんた、チャラい兄ちゃんの友達なんだろ!?大事な親友だって、言ってたじゃねぇか!!」

 武道場の入り口からひょこり、顔を出して…Tさんの契約者が、叫んだ
 …くるり、そちらに狂気に染まった暗い表情を向けて、魔女の一撃契約者は笑う

「……あぁ、そうだよ。俺の大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な、唯一の親友さ」
「じゃあ、どうして…」
「−−−−−先に俺を裏切ったのは、あいつだ!」

 魔女の一撃契約者の叫びに、「日焼けマシン」の契約者がぴくり、体を跳ねらせた
 己を囲む三人を前に強行突破を試みながら、魔女の一撃契約者は叫ぶ
156マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:06:07.14 ID:ZjJ0421o0
「あの日…あいつが!俺じゃなくてその黒服を選んだから!!俺の隣から、いなくなったからっ!!」

 その両手が、Tさんの喉下を狙う
 かすかにTさんの体が白い光で覆われて、それを防いだ

「…っあいつが!都市伝説の事を隠し続けていたから!!!俺はあいつの隣に立てなくなったんだ!!」

 ふっ、と魔女の一撃契約者の姿が消えて…出現したのは、姫さんの足元
 足元を掬い、体勢を崩したそこを強行突破しようとして、しかし、武道場に入り込んだ妹ちゃんの結界能力で拒まれ、舌打ちする

「あいつが……都市伝説の事を話してくれていれば!もっと早く、都市伝説と契約していた!強さであいつに置いていかれることも、負ける事もなかった!!……ずっと」

 一瞬
 その表情から、狂気が消えて
 寂しさを押し殺しているような…そんな、表情になって

「−−そうすれば、俺が…あの頃と変わらずに、ずっと、あいつを護ってやれたのに」

 しかし、その表情は再び、一瞬で狂気に染まった
 暗い眼差しが、一同を見下すように、見回して

「っらぁ!!」

 再び放たれた、気の力
 しかし、それははじめに放たれたそれよりは小さくて…妹ちゃんの結界に、全てかき消された

「…八つ当たりじゃないですか、ほとんど」
「ガキに、何がわかる!」
「わかりたくもないわね」
157マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:07:01.99 ID:ZjJ0421o0
 私は子供でもないんですが、と呟く妹ちゃんと、鼠を振り回し続けてながらも魔女の一撃契約者を睨むはないちもんめ
 魔女の一撃契約者は、完全に包囲されている
 だが、この絶対的に不利な状況でも、魔女の一撃契約者は戦いをやめようとしない
 「日焼けマシン」の契約者を屈服させる、ただ、その目的の為だけに

「あぁ、もう、焦れってぇな!”岩漿の……」
「−−−−っそいつを殺さないでくれ!!」

 炎をまとった巨大な槌の子を召喚し、一気に決めようとした厨2病に、「日焼けマシン」の契約者はそう叫んで、制した
 その言葉に、厨二病の言葉が、止まる

「…おや、嬉しいな……まだ、俺を親友だと思ってくれているのか?」

 くっく、と笑いながら、魔女の一撃契約者は「日焼けマシン」の契約者を暗く見つめた
 黒服に庇われるように立ちながらも…「日焼けマシン」の契約者は、じっと、魔女の一撃契約者を見つめていた

「お前には…都市伝説に、関わって欲しくなかった」
「まだ……言うか」

 ゆらり
 魔女の一撃契約者の体が、憎悪に揺れた
 小さく首を振りながら、「日焼けマシン」の契約者は続ける

「都市伝説と関わる事は…契約、する事は、特にこの学校町じゃあ、いつ危険に巻き込まれるかわからない、いつ、命を狙われるかもわからない、そう言う事だから。お前に、そんな危険な目にあってほしくなかった!」
「−−−何を、今更」

 くっくっく、と魔女の一撃契約者の笑いは暗く、暗く、どんどんと狂気を濃くしていっている
 それでも、「日焼けマシン」の契約者は、視線を逸らさない
 …友を引き戻そうとするかのように、真正面から魔女の一撃契約者を見詰めている
158マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:07:43.91 ID:ZjJ0421o0
「……?」

 …ふと
 Tさんは、気づいた
 −−っぽ、と
 一瞬、魔女の一撃契約者の胸元に…黒い、染みが現れたような…?

「…どうか、教えてくれませんか?何故、あなたはこの子に、裏切られたと感じたのですか?」

 黒服も、同じ事に気づいたようだった
 銃に手を添えたまま…黒服は、魔女の一撃契約者に尋ねる


 −−どろり
 黒い気配が、魔女の一撃契約者の…内側に、生まれる


「そいつが…俺よりも、お前を、黒服を…選んだから。あの時、俺の傍よりも、お前の傍を選んだから」
「あの時、この子はすぐにあなたの元に戻るつもりでしたよ。一緒に、受験を受ける気でいましたよ…はじめは」
「ほら、やっぱり、すぐに俺よりもお前を…」
「あなたを護るために、戻る事ができなくなったんです」

 ぴくり
 動揺したように、魔女の一撃契約者の体が震えた
 黒服は、ゆっくりと、言い聞かせるように続ける

「…三年前。とある大学の受験会場を、凶悪な都市伝説が餌場に選びました。「組織」ではその都市伝説を討伐しようとしたのですが、予想外の強さに手間取り、そのままでは受験会場まで入り込まれようとしていました」


 …そこに
159マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:08:38.81 ID:ZjJ0421o0
 この、「日焼けマシン」の契約者が来たのだ
 はじめは、こちらで何とかするから、受験会場に戻るように言った
 しかし、「日焼けマシン」の契約者は、退こうとはしなかった

『俺のダチも来てるんだ!絶対に会場に入り込ませるかよ!!』

 「日焼けマシン」の契約者は、己の受験よりも、親友を護る事を選んだのだ
 …実際、「日焼けマシン」の契約者が協力してくれたお陰で、その都市伝説の討伐に成功し…受験会場で惨劇が起こる事は、なかった


「あなた達が小学生の頃巻き込まれた事件の時も、この子は、あの事件があなたにとってトラウマにならないよう、記憶を消去するよう頼んできたのです…あなたの、為に」
「………っ」

 魔女の一撃契約者の動揺が、大きくなる


 −−−どろり


 彼の内側の気配が、強くなる

「ちが、う、そいつは……自分だけ、力を手に入れて……俺を、見下して……っ」
「そうとは思えないけど」

 姫さんが、いつでも攻撃できるよう構えつつ、そう口にする
 「日焼けマシン」の契約者はこの状態でなお、魔女の一撃契約者を心配しているのだ
 …都市伝説と関わってしまった親友を気遣っている

「…そいつ、は……俺よりも、その、黒服を選んで…」
「家族として、選んだかもしれん……だが、「日焼けマシン」の青年にとって、親友はお前さんだけのようだぞ」
160マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:09:20.46 ID:ZjJ0421o0
 −−−−どろり、どろり


 黒い気配が大きくなる
 ぽっ、ぽっ……と、黒い染みが、大きくなっていく

「ほとんど、お前の思い込みと勘違いなんじゃないのか?」

 厨2病が、そう疑問の言葉を投げかけて

「−−−−っ」

 それ以上、聞きたくないとでも言うように、魔女の一撃契約者は耳をふさいだ


 どろり、どろり、どろり、どろり


 魔女の一撃契約者の胸元に現れた染みは大きく、大きくなり…その場にいる全員がそれに気づくほどになる

「ちが、う、違う違う違う違う違う違う。あいつは俺を裏切って、ち、がう、あいつが俺を裏切るはずが無い。あいつは俺の親友で、あいつも俺を親友と言ってくれて……」
『−−−−イイヤ、オ前ハ裏切ラレタノサ』

 誰のものでもない
 第三者の声が、響いた

『オ前ハ親友ニ裏切ラレタ。ホラ、憎イダロ?憎ララシイダロ?』
「……にく、い……」
『憎タラシイケド、大切ナンダロウ?ダガ、憎タラシイカラ…負カシタイダロ?屈服サセタイダロ?手ニ入レタイダロ?』
「…屈服させてやる、俺の傍に置いて、ずっと護ってやる……」
161マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:10:02.61 ID:ZjJ0421o0
 ゆらり
 響く声に動かされるように、虚ろな眼差しで魔女の一撃契約者は「日焼けマシン」の契約者を、見つめる

「…な、何よ、これ。まさか、多重契約者…」
「いえ…違い、ます」

 はないちもんめの疑問の声に…妹ちゃんが、答える

「あれは、あの黒い染みは…都市伝説、ですが、彼と契約してはいません」


 どろりどろりどろりどろりどろりどろりどろりどろり


 魔女の一撃契約者の内側から染み出た黒い染みが、生き物の形を作り出す
 それは、真黒な蛇となって……魔女の一撃契約者に、絡みついた

『ホラ、憎インダロ!!アイツヲ屈服サセタインダロウ!!ソレジャア、他ハミンナ邪魔者ダ!!殺セ!殺シテマエ!!』
「−−−あぁ、そうだ。邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ!!みんな邪魔なんだよ!!俺があいつの隣に立つ事を邪魔する奴なんざ、みんな死んでしまえっ!!」

 狂気と殺意が膨れ上がる
 黒い蛇は、どこか楽しげに魔女の一撃契約者に絡みつき、その耳元で囁き続けている

「あれは……彼に、とり憑いています……!」

 漆黒の蛇は魔女の一撃契約者の耳元で囁き続ける
162マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:10:47.80 ID:ZjJ0421o0
 そう、その囁きは、まるで


『邪魔者ヲ殺セ、アイツヲ屈服サセテヤレ!犯シテ犯シテ犯シ尽クシテ、一生離レラレナクシテヤレ!!』


 ーーーー悪魔の囁き、そのものだった





to be … ?
163マッドガッサー決戦編 悪魔が囁く(代理):2009/11/24(火) 19:13:54.10 ID:ZjJ0421o0
834 名前:花子さんとかの人[] 投稿日:2009/11/24(火) 13:17:15
代理の人や辺境の人に乙を言いつつ、VS魔女の一撃契約者前半戦投下ー
何、この無駄に長い癖に内容スカスカ。ふざけてるの?な内容である事をお許しくださいorz

そして、魔女の一撃契約者にとり憑いていた都市伝説である「悪魔の囁き」が具現化しました
魔女の一撃契約者に巻きつく黒い大蛇の姿をとっています
この存在は魔女の一撃契約者に肉体的な影響こそ与えませんが、その心を歪め続けていました
この場にいるメンバーの中で悪魔のささやきに対してリアクションを起こしたい!という方がいらっしゃいましたら、その方のシーンが投下されるまで続き投下待ちますね

**************************
こんな展開見せられちゃ、wktkとまんないね!
164学校周辺(代理):2009/11/24(火) 19:19:54.82 ID:ZjJ0421o0
○月×日 21:35 学校周辺にて
コン「はぁ・・・はぁ・・・」
禿「まだ、私の邪魔をしますか・・・」
コン「流石になぁ・・・他所様にまで迷惑かける訳にはいかんだろうが」
中ではまだ、マッドガッサー達を食い止めようと契約者達が戦っているのだ
学校ごと吹き飛ばすなんて最終手段を使わせるわけには行かない
と言うよりも組織、さっさとこの禿を始末してくれ頼むから
禿「仕方ありませんね・・・なら、こうしましょう」
辺りを金色の光が包み始める
これは・・・
コン「やば・・・」
禿「裸 漢 招 ら パァン !?」
背後から響く発砲音に禿は何事かと振り返る
中年「完全に出遅れたかと思っていたが・・・まだ、食いつく余地は残ってそうだな」
子供「ウマー」
コン「だれ?」
禿の背後には銃を構えた中年と小学校低学年位の子供
そしてそれを囲むように数十人近くの兵士たちが居た
165学校周辺(代理):2009/11/24(火) 19:21:09.14 ID:ZjJ0421o0
禿「貴様等は何時ぞやの・・・」
中年「その節はどうも・・・テメェには確か3人持っていかれたっけな・・・」
禿の知り合いらしいが、組織で見た顔じゃない・・・フリーか?
禿「貴方達も私の邪魔をする積りですか?」
中年「話を聞いてる限りじゃテメェが学校吹き飛ばそうとしてるのを、そこの嬢ちゃんが止めようとしてんだろ?
なら、俺らは嬢ちゃんに付かせてもらう・・・あの学校の中にはまだ身内がいるんでな」
女死人「カッコよく決めようとしてるのかどうかはともかく、水を差すようで悪いんですが・・・」
中年「ん?」
死人「勝てる気がしないんですが」
死人「「「「「右に同じく」」」」」
中年「そこは気合と根性だ、いいな?」
死人「「「「「無茶だ!?」」」」」
気持ちは良くわかる・・・うん
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 19:36:12.87 ID:LNCrFGk50
さるったかしえん
167学校周辺(勝手に代理):2009/11/24(火) 19:42:23.96 ID:LNCrFGk50
禿「死人部隊相手に一人で挑むのは、面倒ですね・・・仕方ない裸 漢 招 来 !!」
そして現れる兄貴集団
相変わらず嫌な絵だ
大抵の不条理が容認される学校町においても禿は通報される回数が多い辺り、ドレだけ酷いか良くわかる
死人「出たァッ?!」
子供「筋張ってて美味しくなさそう」
女死人「もっと他に感想は無いんですか?」
禿「ヤッてしまいなさい!!」
兄貴「「「「ウォォォォォォォォッ!!!」」」」
死人へと突撃する兄貴達
それを死人達は間一髪で避け、背後から兄貴達へライフルを掃射する
ゾンビの癖に割りと俊敏だな
死人「危ね・・・少し掠った」
死人「俺も、これは直撃食らったらヤバイな」
死人「流石の俺らでも死んじゃう・・・って俺ら既に死んでた!?」
兄貴「その程度の攻撃私たちキカナーイ!」
兄貴「鍛え抜かれた筋肉がその様な鉄屑で貫ける物か!!」
死人「ウソン」
死人「これで無傷って何なのアレ?」
中年「3人1組で当たれ、奴等を学校から引き離せばソレで良い、しかし無茶はするな」
死人「「「「「「「「「「「「Sir,yes,sir!!」」」」」」」」」」」」
中年の指示と同時に死人たちは3人1組に別れ、兄貴達を挑発するように攻撃をしかけながら、学校から徐々に離れていく
168学校周辺(勝手に代理):2009/11/24(火) 19:43:44.65 ID:LNCrFGk50
兄貴「チョコザイな!!」
死人「うっせぇよ!!この卑猥物共か!!」
兄貴「安心しなさい、優しくシテあげマース!!」
死人「だが、断る!!」
死人「掘られた場合、死因は腹上死で良いのか?」
死人「男に掘られて腹上死か、何て嫌な死に様・・・」
死人「それで二階級特進とかなってもなぁ・・・」
死人「あれ?でも俺らそもそも死んでるから・・・アレ?」
無駄口を叩きながらも確実に兄貴達を学校から引き離す死人達

禿「むぅ・・・」
中年「これで後はお前だけだな」
子供「・・・」
女死人「こちらはまだ40人以上居ますよ?」
コン「それでも勝てる気がしないけどなぁ・・・」
いや、本当に

続く?
169学校周辺(勝手に代理):2009/11/24(火) 19:45:26.43 ID:LNCrFGk50
875:学校周辺 :2009/11/24(火) 18:55:49

gdgdながら学校周辺での禿戦ネタ
兄貴達が町に解き放たれてしまいましたが
まぁ、多分学校に迷い込むのは稀でしょう
そして迷い込んだ場合は死人も何人か付いてくる

余裕があったら続くし、もしかしたらそのまま放置かもしれない

では、お眼汚し失礼

*********************************
秋祭りの悪夢、再び
といったところか
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 19:46:29.20 ID:sPo5v3rEO
御手洗さんが危ない
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 19:50:04.02 ID:LNCrFGk50
>>170

!!!!
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 20:03:18.35 ID:kGEqFZi5O
>>170



!!!
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 20:04:04.45 ID:3sRRIl2VO
白装束と幽名も忘れないで
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/24(火) 20:07:54.97 ID:hXfOHWsv0
>>173
いや、今は2人とも女の姿だから少なくとも掘られる心配はない……
と、思う。

視覚汚染的な意味では危険だが、
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>174
そうか、兄貴たちは女は襲わないな(性的な意味で)

…神社に兄貴が向かわない事を祈るぜ