「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者たち……」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここは
都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたり
そんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりするスレです

今までのお話は↓でゆっくり読んでいってね!

「まとめwiki」 ttp://www29.atwiki.jp/legends/

まとめ(途中まで) ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 19:07:12.82 ID:IGwEJFeoO
乙ですん
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 19:27:31.81 ID:XyLiZrlnO
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 19:46:35.33 ID:wGM/vcBG0
 …思えば、きっと自分は生まれた瞬間から孤独だったのだと思う
 自分は生まれた直後と思わしき状態で、育った施設の前に捨てられていたと聞いたから

 何度も、施設と病院を行き来した
 何かあれば、すぐに自分は体調を崩し、発作を起こし
 施設の職員たちは、皆、厄介者を見るような目で見て、そのように扱ってきた
 そうやって、何度も行ったり来たりを繰り返していたせいだろうか
 同じ施設にいた同世代の者たちとは、ついにほとんど話せなかったし、親しくなる事もできなかった

 その扱いは、学校に通うようになっても同じだった
 事ある事に発作を起こす自分は教師達にとっては厄介者であったろうし、病院にいる事が多かった自分は、クラスメイトたちにとってはいるもいないも同じような存在だっただろう
 親しい存在は、結局出来なかった
 …こちらから話し掛けようとしていれば、何か変わっていたのかもしれない
 だが、自分は、どう話し掛けたらいいのか、それすらもわからなかった

 結局自分は、他人とのコミュニケーションのとり方が、未だにわからないままだ

 病院で、医者に発作は精神的なものも要因にあると告げられた
 そう言われても、どうしたらいいのかまったくわからない
 医者が勧めてきたのは、一種の箱庭療法のようなもので…物語を書く、というものだった

 始めのうちは、紙の上で物語を書いて、それを読むのは医者や医療関係者だけだった
 …段々と、それが寂しくなってきて
 手に入れた携帯電話で、物語を書くようになった
 不特定多数の人間が、自分の書いた物語を読んでくれる
 顔も知らない相手が、「面白かった」「続きを読みたい」などと答えてくれる
 それが酷く嬉しく、温かく……ほんの少しだけ、孤独を忘れる事が出来た
 自分が書いた物語を本にしたい、という話やら、賞を与えるやら、と言う話は、どうでも良かった
 ただ、たくさんの人間が、自分などの書いた物語を読んでくれる
 …ただ、それだけが嬉しかった
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:00:45.30 ID:wGM/vcBG0
支援!
 …あいつらがこちらに近づいてきたのは、そんな時期だった
 話し掛けられたのは、嬉しかった、だが…すぐに、気づいてしまった
 あいつらが抱えていた、その思惑に

 ただ、恐ろしかった
 好意を装った、その悪意が恐ろしかった
 その悪意の更に下に…隠された殺意に、気づいてしまって
 逃げ出す事すらできず、ただただ、恐ろしかった


 その、瞬間だ
 都市伝説「爆発する携帯電話」と契約したのは


 携帯に入った、差出人不明のメール


【 変わりたいか? 】


 内容はそれと、YesとNoのリンク表示だけ
 奇妙なメールで不気味さも感じたが…気のせいか、それからは悪意を感じずに
 自分は、Yesをクリックして


 そして、契約は成立したのだ

 その力で、あいつらを殺した
 相手の携帯の番号は知っていたから、殺すのは簡単だった
 携帯の番号さえ把握していれば…自分は簡単に人を傷つけ、殺すことが出来るようになったのだ
 「組織」と言う存在を知るまで、大して時間はかからなかった
 自分はそれに追われているのだと、わかってしまった
 こちらの能力を警戒してか、積極的には仕掛けては来ない
 ただ、命を狙われている事だけは、わかった

 恐ろしかった
 悲しかった
 自分は、人から悪意と殺意しか向けられないのか
 そう考えると、ただただ悲しかった
 生まれた瞬間に孤独である事を決められた自分は、一生孤独から脱出する事が出来ないのか

 「組織」の追跡は、秋祭りのその少し前当たりに、唐突にやんだ
 秋祭りの二日目に、街のあちこちで不気味なパレードが出現したらしいから…それの対策に、追われていたのかもしれない
 秋祭りの当日、自分は家に閉じこもっていたから、よくわからないが

 追われる事もなくなって、しかし、自分が「組織」から狙われなくなった訳ではないだろうと、そう考えて
 結局、自分はまたいつかやってくる追っ手に怯え続けるしかない
 それが恐ろしくてたまらなかった

 そんな恐怖に支配されていたせいだろうか
 物語を書くようになってから、しばし縁遠くなっていた発作に…久しぶりに、襲われた
 全身を締め付けられているような苦しみ
 心臓を鷲掴みにされるような痛み
 立っている事が出来なくなって、道の端に座り込んだ
 苦しむ自分に目を向けてくる相手は、いない
 呼吸が定まらず、視界がゆれた

 いっそ、このまま死ねば楽になれるのだろうか
 ふっと、一瞬、そう考えた

「…どうした?お前。大丈夫か?」

 声を駆けられ…その瞬間、発作はおさまった
 聞き覚えのない声に、恐る恐る顔をあげて…思わず、固まる
 そこにいたのは、ガスマスクを被った、黒尽くめの男だったからだ
 もしかしたら、「組織」の人間だろうか
 そう考えると、体が震えた
 だが、こちらの予想とは違い、ガスマスクの男は、こう続けてきた

「あぁ、大丈夫そうか…ところで、お前、都市伝説契約者だな?…俺達の野望に、乗ってみないか?」

 向けられたのは、悪意ではなかった
 悪意以外の感情を向けられたのは、生まれて初めてだった
 マッドガッサーと名乗ったガスマスクの男の話す野望は、正直よくわからなかったが
 ただ、マッドガッサーは仲間にならないか、と…そう、言ってくれたのだ

「仲間になるんだったら、ついて来い。興味がないなら、俺を見た事は忘れておけ」

 …忘れる?
 そんな選択肢、選ぶつもりはなかった
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:04:09.62 ID:wGM/vcBG0
支援
 今、差し伸べられた手をとらなかったら…自分は、一生、孤独から脱出できないままだ
 そう考えて、立ち上がり……自分は、マッドガッサーの後をついていった



 その選択肢は、間違っていなかったと思う
 こんなにもたくさんの相手に囲まれるのは、生まれて初めてだった
 こんなにもたくさん、楽しいと思えるのは生まれて初めてだった
 仲間と呼べる存在を、生まれて初めて手に入れる事ができて
 ただ、幸せだった
 今、自分は訳あって少々姿を変えているが…それでも、構わなかった
 みなと一緒にいられるなら、それでいい
 みなと一緒にいられるのなら、一生この姿でいなければならないとしても、自分は構わない

 皆と一緒になって、発作は起きなくなった
 閉じこもりがちだった自分は、外に出るようになった
 道を開かせてくれた仲間と、ずっと一緒にいたい
 それが、今の自分の望み


 この時間が、永遠に続けばいい、と
 そう、願わざるを得ないのだ



fin
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:07:37.12 ID:5TyTKbF60
439 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/05(木) 23:34:12
爆発する携帯電話視点でした
つくづく、俺はどうしてこいつを元々女性にしなかったんだorz



**************

サムディ男爵の方はさる避けも兼ねて、風呂上りに代理投下ってことで勘弁してください…
俺以外に代理投下できる人がいればありがたいです
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:08:55.45 ID:wGM/vcBG0
乙ー!
>>つくづく、俺はどうしてこいつを元々女性にしなかったんだorz
惜しいよな・・・
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:41:45.24 ID:IGwEJFeoO
ぅ〜
15「はないちもんめ」:2009/11/06(金) 20:45:31.16 ID:wGM/vcBG0
思い出すのは、昔の事
両親を殺し、家を出て、友に拾われ、一人で暮らす様になって
人を殺して、あるいは人を操って、生活費を賄って
『組織』に目を付けられて、『組織』と戦うことも増えて
友の元を離れ、『黒服』と出会うまでの2年間
沢山の人を殺して、殺して、殺して、殺した
多分、多いときは月に2、3人、一年間で約、20人
二年間で40人程・・・『組織』や、フリーの契約者を含めると50人・・・下手したら60人ほど
私は殺してきた
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:46:00.23 ID:5TyTKbF60
風呂上り支援
17「はないちもんめ」:2009/11/06(金) 20:46:38.21 ID:wGM/vcBG0
友はソレを知ってて、尚私の友達で居てくれる
あれで居て面倒見は良い子だから、多分最後まで私の面倒を見たいとか考えてるのかもしれない
けど、チャラ男は知らないだろう
私がアイツの過去を殆ど知らない様に、多分チャラ男も私の過去は知らない筈だ
知って欲しく無い・・・知られたら何の罪も関係も無い人を自分が生活する為に殺してきた私の事をチャラ男はどう思うだろう?
軽蔑されるかもしれない、嫌われるかもしれない
18「はないちもんめ」:2009/11/06(金) 20:47:18.73 ID:wGM/vcBG0
黒服はどうだろう?
黒服は私の過去を何処まで知ってるんだろう?
『組織』と敵対してたのと、その経緯は知ってる
両親に酷い事されてきたのも知ってる
私が人を殺してきたのも、多分・・・知ってる、筈
もしかしたら具体的な数は知らないのかもしれない
もし、黒服がそれを知らなかったとして、ソレを知ったら何て言うだろう?
私の事を嫌いになる?
それは嫌だ
それは嫌だ
黒服に嫌われたくない・・・黒服に嫌われたら私は・・・
19「はないちもんめ」:2009/11/06(金) 20:48:30.38 ID:wGM/vcBG0
チャラ女「・・・・・・・・・・・・・・・」
女装少女「どうしたんです?」
チャラ女「いや、これ、どうした良いと思う?」
そう言ってチャラ女の指差す先には畳まれた洗濯物の山が幾つかと、その真ん中で寝ている少女
問題は、黒服のシャツを羽織ってる所か
女装少女「寝かせて置いてあげたら良いんじゃ」
チャラ女「でも、何か魘されてんだよ・・・」
確かに、時折「うぅ・・・」とか唸ってるし、良く見たら目じりに涙が溜まってる
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:50:14.07 ID:5TyTKbF60
支援
21「はないちもんめ」:2009/11/06(金) 20:50:25.42 ID:wGM/vcBG0
女装少女「なら、起こしてあげたら」
チャラ女「コイツ今機嫌悪いからな、起こしたら起こしたで俺が怒られそうな気がする・・・いや、それ以上に酷い目に合いそうな気がする」
女装少女「酷い事って、そんな子供がやる事だし・・・」
チャラ女「お前だってキレたコイツがどうなるか、知ってるだろ?」
そう言われて女装少女の脳裏に蘇るのは今朝言われた台詞

少女「次やったら、全身の関節逆方向に圧し折るわよ?」

女装少女「・・・・・・・・・・」
チャラ女「こういうときに限ってアイツ(黒服)居ないしよぉ・・・」


結果として、この3分後目覚めた少女が
見られた恥ずかしさからか、逆ギレを起こしチャラ女を思いっきり蹴っ飛ばし、女装少女がその巻き添えを被ったりするが
・・・まぁ、ご愁傷様としか、言いようが無い

終われ
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:51:13.01 ID:ncNzYDAiO
SSを投下してみたいのですが、構いませんかねっ!?
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:51:17.90 ID:5TyTKbF60
支援
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:51:58.93 ID:5TyTKbF60
>>22
構わん、やれ
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:52:44.05 ID:ncNzYDAiO
信じようと、信じまいと―

都市伝説、それは都市等の広い地域に噂として広まる怪談
とある町には、その都市伝説と契約している人間が多数いるという
そしてその中に、異質な存在も無くはない。彼もその一人である
都市伝説の語り辺であり、防人でもあるそれは、今日もどこかで一風変わった都市伝説を広めている

信じようと、信じまいと―
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:53:24.40 ID:ncNzYDAiO

暗い暗い夜の街、男が一人、走っています
どうやら何かから逃げているようですね
彼は顔に汗を浮かべ、強張った表情で時たま後ろを振り向きます
そして、逃げ切れたのでしょうか、彼は立ち止まりはぁはぁと息をします
「はぁ…はぁ…逃げ切れたか…!」
彼の手には壊れた携帯電話が握られています
「何なんだあいつは…!?俺の不幸のメールが通用しないなんて…」
どうやら彼は逃げている『何か』と戦い、負けそうになって逃げたようです
「もう…あいつはいな―――ひいいいいぃぃっ!!!」
彼が安堵し辺りを見回そうとすると、『それ』は目の前に立っていました
「な…なんなんだよおめぇ!?なんで――」
彼はあわてふためき、半狂乱になって後退りします
そのせいで彼は石に躓き転んでしまいました
そして『それ』が口を開き、言葉を口にします

「…信じようと、信じまいと――」
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:53:28.26 ID:wGM/vcBG0
女装少年が黒服にお持ち帰りされた翌日の朝食よりも後の話

女装少年の方や花子さんの人に土下座!!


>>22
カモン!
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:54:03.67 ID:5TyTKbF60
支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:54:36.49 ID:ncNzYDAiO

気が付くと彼は部屋にいました
部屋と言っても何もない――少なくともカラーバーの映るテレビ以外は――その部屋で彼は安心したように溜息をつきました
何しろ、『それ』から逃げる事ができたのですから
しかし、ここがどこだかわかりません
彼は何気なく、テレビを見詰めてみました
画面に映るのはただのカラーバーなのに彼は食い入るように見詰めています
ずっとずっと、何分…何時間…何日かのように感じられる時間が過ぎました、その時です
「〜〜〜〜っっっ!!ああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛ああ゛う゛う゛ゃあ゛あ゛い゛あ゛あああああ!!!!!」
彼は突然狂ったように叫びだし、辺りを暴れ回りました
彼は暴れて部屋中を目茶苦茶にし、やがて自分で喉を掻きむしり死んでしまいました

翌朝、街中で喉から出血し、自分の血溜まりの中で死んでいる男が見付かったそうです


信じようと、信じまいと―
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:55:08.86 ID:5TyTKbF60
支援
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:55:45.19 ID:ncNzYDAiO
短い話、略してSS終わり
最後に元になったロア張ろうとしたけど見付からなかったorz
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:55:58.09 ID:wGM/vcBG0
sien !!
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:57:57.36 ID:wGM/vcBG0
乙!!
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 20:58:58.94 ID:5TyTKbF60
投下乙
wikiに載せる&検索する際に便利だから、ベースの都市伝説を教えてくれるとありがたい
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:01:06.91 ID:ncNzYDAiO
>>34
ベースと言っていいのかだけど、全体的にはフォークロアそのものみたいな感じ
続くとしたら様々なロアで悪者成敗みたいな
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:02:21.98 ID:wGM/vcBG0
>ベースと言っていいのかだけど、全体的にはフォークロアそのものみたいな感じ
>続くとしたら様々なロアで悪者成敗みたいな
フォークロアその物か・・・またエラいのが出たな
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:06:09.35 ID:5TyTKbF60
【都市伝説を使って悪を倒す都市伝説】か…夢の国的な立ち位置が合ってるかもな
 か〜〜〜〜〜っらからからからからからからからからからからからから!!
 グゥウッドナァイッツ!!エ〜〜〜ンド、ハバナイストゥデーイ?
 我輩、雪に誘われ優雅に散歩であるよ
 いやはや、ハロウィン直後に雪とはなんとも寒いである、この寒さが続いたら、我輩凍死してしまうかもしれないであるよ
 まぁ、死神だから、死ぬなんて不可能であるがな!か〜〜〜〜〜〜っらからからからからからからから!!

 ところで、最近学校町でマッドガッサーが大暴れらしいのであるよ
 マッドガッサーと言えばアメリカ発祥の都市伝説、うっかり我輩の今までの担当地域の都市伝説であるよ
 でぇぇ〜〜〜も!我輩に責任はナァッシング!!
 確かに、アメリカで少々おいたをしていたマッドガッサーがいたのは事実であるよ
 ただ、そいつはスリーピー・ホロウに首を切られて死んだと聞いているである
 多分、それとは別人であるよ
 うっかり同一都市伝説であったとしても、我輩、アメリカ全土を見張っていた訳でもないから責任負えないのである
 か〜〜〜〜〜〜っらからからからからからからからからからから!!

 しかししかし、そのマッドガッサー、なかなか面白い個体であるよ
 ただの突然変異体であるだけでなく、そのガスの能力が男を女にチェエエンッジさせる!!
 しかも!女相手の場合は性的欲求を強く引き出させる!!
 なんとも素晴らしいガスである
 そんな魔法薬を、是非とも「薔薇十字団」で量産してほしいものであるよ
 そんな連絡を「薔薇十字団」にしてみたところ、電話を受け取っていたエンちゃんに「セクハラ」って怒られたであるがな!!
 いやはや、残念無念であるよ

 ならば、いっそマッドガッサーを捕らえてみるのもありであるかなぁ?
 マッドガッサーは、あちらこちらの都市伝説組織の恨みを買っている最中であるらしいのだよ
 うまく「薔薇十字団」で保護すると言う名目で、捕らえる事は…可能そうであるなぁ
 あんな素敵な能力の保持者、抹殺されるのを黙って見ているのは勿体無いである、からからからからからからから!!
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:09:24.82 ID:NVH273buO
面白そうだからかきためテクる
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:10:45.57 ID:5TyTKbF60
>>39
ようこそ新たな書き手さん
楽しみにしてるぜ
………おぉぉ〜〜〜〜っと!?
 目の前にいるは、ちょうどその目標のマッドガッサーであるな!
 ふんふん、隣になにやらヴェールを被った西洋幼女がいるであるが……噂に来ているマリ・ヴェリテのベートっぽいである
 1対2では我輩絶対不利?
 ノォ〜〜〜ンノンノン!我輩、バトルする気はないである
 ただ、こちらの傘下にはいらないか説得してみるだけであるよ
 そぉ〜れ、当たって砕けろ!!あ、砕けちゃ駄目であるな
 か〜〜〜〜〜〜〜っらからからからからからからからからからからからからからからからぁ!!
「からからから、グゥッドナァイツ?マッドガッサーとマリ・ヴェリテであるな?」
「!?」

 サムディ男爵に声をかけられ、ガスマスクの男…マッドガッサーは、警戒するように身構えた
 その隣で、マリ・ヴェリテは小さく首を傾げている

「誰ー?」
「…ゲデか。ハイチの死神が、どうしてこんな島国にいやがる?」
「か〜〜〜〜っらからからから!おやおやおやぁ?我輩、速攻で正体見破られてしまったであるかぁ?」

 からからと、サムディ男爵は笑う
 まぁ、正体を隠しているつもりなど、今はないが
 相手が相手だ、むしろ、正体をおおっぴらにした方がいい

「死神ー?」
「あぁ、直接、命を取ってくるタイプじゃないがな」
42サムディ男爵の華麗なる(?)日々(代理):2009/11/06(金) 21:12:30.64 ID:wGM/vcBG0
 いつでもガスを発射できるようにしているらしいマッドガッサー
 ガスが届くか、届かないか
 そのギリギリの位置に立ち、サムディ男爵は二人を見据える

「そぉ〜〜っの通り!我輩、そんな野蛮な事はしないであるよ。ただ、人の黒歴史を暴露するのがちょっぴり好きなだけである!たとえば、マッドガッサー。アメリカにいた頃男にh」

 ぶしゅうううううううっ!!!
 問答無用で、サムディ男爵にピンク色のガスが吹き付けられる!!

「いやぁんっ!?我輩、女になる気はないであるよ。美女を観察するのは好きであるがなぁ!からからからからからから!!」
「っの、性悪死神が…っ」

 数歩退いて、ガスを逃れる
 マッドガッサーの毒ガスの射程範囲は、さほど広くない
 射程範囲を離れてしまえば、すぐに拡散して効果は消滅するのだ

 ……そのガスを、切り裂くように
 幼女の姿のままのマリ・ヴェリテがサムディ男爵に襲い掛かる

「アウッチ!?」

 ごがっ!!
 マリ・ヴェリテに押し倒され、サムディ男爵は強かに後頭部を打った
 ちょこん、とサムディ男爵の上に座り込むようにして、マリ・ヴェリテはサムディ男爵を押さえつける

「肉ー?それとも女にするー?」
「食欲的にイートされるかいやんエッチィ!な意味でイートされるかの二択!?これは我輩流石にピーーーンチっ!?」

 からからと、サムディ男爵は笑う
 口にした言葉とは裏腹に、己の身の危険など、全く感じている様子はない
「後者だな。こいつの能力はいざとなりゃ使えるし」
「この状態でガスを発射しちゃいやーーーんっ!?とりあえず、我輩の話をちょぉっとは聞いて欲しいであるよ。
ガスを発射するかどうかはそこからサムシィング!」

 サムディ男爵の言葉に…マッドガッサーは、一旦、ガスの発射を重い度と待ったようだ
 しかし、いつでも発射できるよう、構えている
 マリ・ヴェリテはサムディ男爵を長つけたまま…その、幼女的な愛らしい手が、凶悪な狼の爪を生やし、サムディ男爵の首筋に添えられる

「ユーたち、「薔薇十字団」に所属する気はないであるか?」
「…「薔薇十字団」?」
「知ってるー。ヨーロッパの都市伝説組織ー。引き篭もり集団ー」
「か〜〜っらからからからから!!マリたんの言う通りであるよ。わりとそんな感じの都市伝説組織である。幸いと言うか何と言うか、
活動拠点がヨーロッパなお陰で、「薔薇十字団」は今回の騒動でほぼ被害を受けていないのである。だから……ユーたちを、保護する事が可能であるよ?」
「……保護、なぁ?」

 疑いの声が向けられる
 ガスマスクのせいで表情はわからないが、さぞ、胡散臭いと言いたそうな顔をしていることだろう

「そう!保護であるよ!……ユーたち、うっかり色んな都市伝説組織の恨みを買いすぎであるよ。
「組織」に「首塚」、「怪奇同盟」と敵を増やしすぎである。このままでは、「第三帝国」や「メンバー」まで敵に回しかねないであるよ?」
「どんだけ都市伝説組織集まってんだっ!?この街はっ!?」
「か〜〜〜〜っらからからからからからからからからから!!この街はあまりにも特殊であるよ。よって、都市伝説組織も集まりまくりである!」

 正直、まだまだこれからも増えていくのではないか?…という気配すら、ある
 隣町では「イルミナティ」が活動しているらしいし

44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:16:22.01 ID:5TyTKbF60
支援
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:17:11.98 ID:5TyTKbF60
支援
「そぉっこでぇ!「薔薇十字団」では、そちらにその気さえあれば、保護するであるよ?」
「…それで、そっちにどんなメリットがあるんだか」
「メリット?正直、「薔薇十字団」は引き篭もりが多すぎである。動ける人材は喉から手が出る程ほしいであるよ…それに、その特殊なガス、我輩個人的にとっても興味津々である」
「後半だな?むしろ、本音は後半だな?」

 …さて、どうでるか?
 サムディ男爵は、窺うようにマッドガッサーの様子を見る
 マッドガッサーは、思案した様子で…
 サムディ男爵を押さえつけているマリ・ヴェリテに尋ねる

「マリ、お前はどう思う?」
「「薔薇十字団」嫌いー。3,4回殺されたことあるー」
「オーマイガっ!?そう言えばマリ・ヴェリテはフランスの都市伝説っ!?うっかり「薔薇十字団」とやりあった事があったであるか?」
「そりゃあ、もう」

 瞬時に、マリ・ヴェリテの姿が、幼女から人狼のものへと変わった
 獰猛な眼差しで、サムディ男爵を見下ろす

「…てめらにゃ、何度も殺されたさ。向こうじゃ、俺は生まれた瞬間に討伐対象だ」
「むむむむ、ローちゃんたちも、もうちょっと後々の事も考えて行動してほしいものである」
47サムディ男爵の華麗なる(?)日々(代理):2009/11/06(金) 21:19:08.48 ID:wGM/vcBG0
 ギラリ
 マリ・ヴェリテの鋭い爪が、サムディ男爵を狙う
 月光に照らされ、その爪が光り…

「……まぁ、仕方ないであるな」

 サムディ男爵の姿が
 忽然と、消えた

「…っ、どこに消えやがった!?」
「マリ、こっちだ!」

 サムディ男爵が現れたのは…二人を見下ろす位置の、木の上
 雪が降り積もるその木の天辺に立ち、からからと笑っていた

「説得が不可能なら、仕方ないであるよ。とりあえず、様子見続行なのである。
 今の所、「薔薇十字団」はお前たちの敵ではないであるよぉ?」
「あぁ、そうかい」

 マッドガッサーは、ガスの発射口を構える

「マリを殺した事がある時点で、俺にとっては敵だがな」
「…か〜〜〜っらからからからからからから!!!友人の言っていた通りであるよ。マッドガッサーの一味は、仲間思いの集まりであるとな!」
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:19:54.19 ID:5TyTKbF60
支援
 再び、忽然と消えるサムディ男爵
 ただ、その声だけが、はらはらと雪が降る中、響く

『今度会う時は、改めてユーたちをこちらに引き込む時か……ユーたちをお迎えに行く時であるよ。か〜〜〜〜〜っらからからからからからからからからからからぁ!!!』



「…性悪死神めが」

 マッドガッサーは毒づく
 噂通り、あの死神は人の神経を逆撫でするのが得意らしい

「逃がしちまったけど、いいのか?」
「ヘタに正面切って戦って勝ち目があるかどうかわからないからな…相手は腐っても死神だ」

 積極的に命を刈り取るタイプではないとは言え
 …その気になられたら、どうなるかわからないのだ

「とりあえず、帰るぞ、この糞寒い中、外うろつくのは嫌になってきた」
「ハーメルンたちとも遭遇したし、嫌な日だな」
「まったくだ」

 まぁ、ハーメルンの笛吹き男は女に出来たからいいが
 うん、ナイス巨乳だった
 ぜひとも、今度遭遇した時は自分のガスかスパニッシュフライでエロエロに
 傍にいたハーメルン本体も同時にゲットできれば好都合

50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:22:53.50 ID:5TyTKbF60
支援
 仲間は、今いるだけでいい
 これ以上は望まない
 ……その仲間を護りつつも、野望は達成する
 その為に…本格的な作戦を練る必要がありそうだ
 一気に、広範囲に、このガスを撒き散らす事ができれば…


 はらはら、はらはら
 雪が降る中、マッドガッサーとマリ・ヴェリテは、静かに夜の闇の中へと姿を消していったのだった

to be … ?
52首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/06(金) 21:25:12.19 ID:wGM/vcBG0
 殺した数は覚えていない
 生まれてはじめて殺した相手の顔は覚えているが、それ以外の顔はほとんど忘れた

 正義の味方を気取るつもりはない
 ただ、自分のやりたいようにやってきた
 ただ、護りたい奴らを護る為に、力を振るってきた


 たまたま契約した、都市伝説の力
 選ばれた、とか、そう言う感覚はあまりない
 ただ相手を見続けるだけで、殺せる力
 証拠すら残さない人殺しの力を、自分はたまたま手に入れただけだ

 襲い掛かってきた都市伝説を殺した
 自分の身を護る為に
 襲い掛かってきた都市伝説契約者を殺した
 自分の身を護る為に

 幼馴染の、大切な友人を餌食にしようとしていた都市伝説を殺した
 友人を護る為に
 黒服を殺そうとしていた都市伝説契約者を殺した
 黒服を護る為に
 「首塚」の信念に背いた者を殺した
 将門様の信念に反した者を、罰する為に
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:26:27.43 ID:5TyTKbF60
投下乙と思ったら続いていた支援
54首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/06(金) 21:27:21.39 ID:wGM/vcBG0
 どんなに、言い訳を並べても
 自分が人殺しである事実に変わりはない

 殺らなければ、こっちが殺られる
 世界がそう言う風に出来ているのだと、いつからかそう考えるようになっていた


 これからも、自分は力を振るい続けるだろう
 黒服を護りたい
 はないちもんめの契約者を護りたい
 友人を護りたい
 「首塚」の仲間を護りたい

 だから、力を振るう
 命を平然と奪える、この力を
 たとえ、己の背後にどれだけ屍の山を作ろうとも、後悔するつもりはない
 俺は、俺が護りたい者の為に戦い、殺すだけだ


 都市伝説と契約した以上…それらや、都市伝説契約者との死闘は避けられやしないのだ


 そう、諦めたのがいつなのかは、もう、思い出せない



fin
55(代理):2009/11/06(金) 21:28:40.35 ID:wGM/vcBG0
何となくゲデとマッドガッサーたちを遭遇させてみた
多分、上田達との戦闘の後辺り

はないちもんめの人と新たな作者様乙!!
はないちもんめ…切ないんだぜ


そしてそんなはなちもんめのネタを読んでて、カっとなって書いたチャラ男視点ネタ
こいつも都市伝説と契約して約10年以上、はたして何人殺しているやら


との事
以上、代理でした
支援感謝
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:33:10.55 ID:5TyTKbF60
代理乙
はないちもんめはバックボーンが哀しいぜ…
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 21:37:27.04 ID:wGM/vcBG0
>>はないちもんめはバックボーンが哀しいぜ…
本当なら救いも何も無く死んでいく予定の子だったのに、黒服Dさんと絡んでもらう内に
気付くと敵役から主人公に
この子が最終的にどうなるか作者にも予想がつかないんだぜ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 22:00:27.86 ID:5TyTKbF60
ho
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 22:30:32.15 ID:ppOLeuHNO
ra
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 23:10:37.42 ID:FSsPJOZiO
保守!
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 23:35:11.65 ID:Z5yFGmkr0
ho
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 23:50:22.51 ID:ppOLeuHNO
ねるぽ
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:24:11.73 ID:rTKYtz/dO
64黒服H(代理):2009/11/07(土) 00:24:33.34 ID:yqHQ+/C90

 雪が降る中、月を見上げる
 雪が降ろうが振るまいが、いつもと変わらぬ月の光

 はらはら、はらはら
 静かに、静かに、雪は降り続けている
 明日になれば、積っているのだろうか?
 雪が積もれば、世界は白く染め上げられる
 まるで、浄化でもされたように

「……柄でもないな」

 何を考えているのやら
 その黒服は、頭を掻いた
 …まったく、ここ数年、そんな事は考えないようにしていたのだが

「…か〜〜〜〜っらからからからからからからからからからから!!!黄昏ているであるなぁ?友よ」
「ゲデか」

 何時の間にか、黒服の背後に出現していたヤクザ紳士…ゲデ
 黒服の様子を見て、からからと笑う

「何を考えていたであるか?」
「別に。ただ、マッドガッサーの力でもっと綺麗なねーちゃんが増えないかな、と」

 マッドガッサー、もっとやれ
 心から、そう思う
 それもまた、本音だ

65黒服H(代理):2009/11/07(土) 00:31:22.15 ID:yqHQ+/C90
「からからから!!なんとも友らしい考えであるよ!因みに、我輩ついさっき、そのマッドガッサーと遭遇してきたである」
「へぇ?それで、どうだったんだ?」
「「薔薇十字団」に誘ったら、さらっと断られたであるよ」
「………だろうな」

 向こうにはマリ・ヴェリテのベートがいるのだ
 フランスで長きに渡って暴れたあいつのことだ、「薔薇十字団」に討伐された事も一度や二度じゃないだろう
 そんな奴が、「薔薇十字団」を信用するとは思えない

「話に聞いたとおり、なんとも仲間思いであるようだよ、連中は」
「信じあえる仲間同士で集まって、ってか。おめでたくて羨ましい限りだ」

 マッドガッサーもマリ・ヴェリテも、かつては人を殺していた存在
 …いや、マリ・ヴェリテは、今だって人を殺していることだろう
 ……そんな奴らが、信じあえる仲間を手に入れた、だ?
 なんともおめでたくて……羨ましいではないか

「いっそ、あいつらの思うような世界にでも変わっちまえば、おめでたくて平和なのかもなぁ」
「マッドガッサーのハーレム世界、であるか?そのおこぼれがもらえるなら我輩もちょっと興味津々であるなぁ」
「ちょっとじゃねぇだろ?かなり、だろ?」

 そんな事を言い合い、笑い合う
 互いに、これも本音なのだ
 嘘偽りの考えを口にしている訳ではない
 …ただ、口にしない事が在るだけだ

「…………友よ」
「うん?」
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:34:14.45 ID:DSl5L4WdO
やぁっと導入部まで出来たけど
都市伝説の都市伝まで出てきたけど

何か違う気がするんだけど

とりあえず落としてみようか

そして名前は男、女の方がいいのかな
これだけ誰かに答えてもらってから落とそう。うんそうしょう

相当長くなるのよね。たぶんきっと
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:46:35.67 ID:Mf54Te3O0
てすとほ
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:47:21.28 ID:Mf54Te3O0
規制解除キタアアアア

>>66
名前つけてる人もいればつけてない人もいるし、その辺は書き手の自由だと思うよ!
69騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:51:33.02 ID:Mf54Te3O0
「……うはぁ、始めやがった」

 天窓を通して眼下で繰り広げられる壮絶な光景を、マッドガッサーは恐る恐るといった様子で覗き込んでいた。
 片方は彼の仲間であるヴェールを纏った人狼マリ・ヴェリテ、それに対するのは剣を振るう首のない戦士である。
 しかしマッドガッサーにはそれがただの戦士ではなく、残虐な首狩りの騎士であることを嫌と言うほど知っていた。

「よりによってなんでまたアイツが……」

 勘弁しろと言わんばかりに頭を抱え、マッドガッサーは天を仰いだ。
 それもそのはず、彼はかつてあの騎士に一度首を切られて殺されたという何とも奇妙な縁があったのだ。
 しかもその時を機会に「マッドガッサー」という存在は二つに分かたれ、操る力も男の体を女のものへ作り変えるという何とも奇妙なガスへと変わってしまった。
 それからもう二度と会うまいと誓っていたはずの相手に出くわしたのがつい数日前、それからさらに警戒をしていたというのに、結果はこれである。

「ひっひっひ、なぁに知り合い?」

 苦悩するマッドガッサーの目の前にふわりと降りたのは、いかにも魔女といった装いの少女――都市伝説『魔女の一撃』である。
 奇妙な笑い方こそするものの、一見すれば可愛らしい少女。しかしそれも実のところ、元は狡猾な老婆の魔女であるという。
 一行の中では彼女自身が調合する薬を使った遊撃を得意としており、それ以外でもこうして時折高所への移動の手助けをしたりしていて、今回も彼女の助けを借りてここにいるのだった。

「ちょっと昔にな……正直あんまり思い出したくないんだが」

 首をさすりながらもいつになく神妙な様子のマッドガッサーに、これは面白いと魔女の一撃がにんまりと意地の悪い笑みを浮かべる。

「まさか返り討ちにでも……いや、それ以前にまずあんなのに喧嘩を売らないだろうねえ?」

 凄まじい勢いでぶつかり合う戦いの様子を、魔女の一撃はちらりと見下ろす。
 鋭い爪に牙、そして強靭な四肢による身のこなしと力とを駆使して相手を翻弄しようとするマリ・ヴェリテに対し、首なしの騎士はほとんどその場から動こうとしない。
70騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:52:21.07 ID:Mf54Te3O0
 人狼の素早さに対抗するより最小限の動きで迎え撃とうというらしく、ほとんどを剣とその技、時にわずかに身体をそらす事で受け流していく。
 それはまるで映画やおとぎ話のワンシーンを見ているようで、彼女の口からは思わず感嘆の息が漏れた。
 こんなレベルの相手に挑むほど、この男は馬鹿ではないだろう……そのはずだ、たぶん。

「……ああ。むしろ俺は被害者だぞ」

 一瞬間が空いたものの、マッドガッサーはしぶしぶといった様子で返す。
 声から察するに、おそらく今そのガスマスクを剥いだならその下には苦々しげな表情が張り付いているのだろうと、密かに魔女の一撃は笑いを堪えた。

「被害者、なら今こそその時の仕返しをしてやる時じゃあないのかぁねぇ?」
「し、仕返しっつったって……」

 途端にマッドガッサーはもごもごと口ごもる。
 確かに仕返しできるものならとっくにしているところ、しかし当時と比べても殺傷力と言う面ではむしろ今の自分は劣っている。
 これでは仕返しどころかあの時の二の舞になるのは火を見るより明らか、自ら首を差し出すようなものである。

「何も痛い目にあわせるだけが仕返しとは限らないでしょお? 例えば……そう、何かを奪うとか、恥をかかせるとか!」

 けたけたと笑う魔女の一撃の視線の先にあるのは、マッドガッサーが背負う大きなガスタンク。
 マッドガッサーもまたその視線の先をたどり……それを理解した瞬間ぎぎぎ、と錆び付いたような動きで再び向き直る。

「…………おい、まさか」
「そのま・さ・か」

 「大正解☆」とぱっちりウィンクを決めたのに、とんでもないとばかりにマッドガッサーはぶんぶんと首を横に振る。

「無理無理無理、首どころか俺みじん切りにされちまうって!!」
「あら、案外意気地なしなのねえ?」

 予想外に本気で嫌がるマッドガッサーの様子に、魔女の一撃がもう一言たきつけてやろうと口を開いたその瞬間――
71騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:53:08.09 ID:Mf54Te3O0

『マリーーーーーっ!!!』

 ――突如響き渡った苦しげな咆哮と甲高い悲鳴に、二人は顔を見合わせた。

「今のは……」
「マリ!?」

 がばりと揃って振り向いた先、二人の目に飛び込んできたのは戦い続ける一人と一匹ではなかった。
 こちらに背を向けて佇む騎士、壁にもたれてうめき声を上げる人狼、そして――床を真っ赤に染める、おびただしい鮮血。

「あの野郎……!」

 向こうとこちらとを隔てる天窓に張り付き、マッドガッサーはぎりっと歯を食いしばった。
 床と壁とに散った赤を見た瞬間どっと冷たい汗が流れたものの、ここから見る限りまだマリ・ヴェリテは生きている。
 まだ大丈夫だ、マリならばあの程度では簡単に死になどしない。
 そんな思いで見つめる先、人狼は低く唸りながらも腕を持ち上げ、赤黒く染まったわき腹に突き立てられた何かに手を添える。
 差し込む光を受けてきらりと反射するそれは忘れもしない、かつてマッドガッサーの首にも振るわれたあの剣。

「……まさか、マリにあんな一撃加えるなんてねぇ」

 いらだたしげに舌打ちし、魔女の一撃は騎士の背中を睨みつける。
 決して見くびっていたわけではない。しかし彼らのチームの中でも特出した戦闘力を持つ人狼をこんなにも短時間で抑えつけてしまうとは思っていなかったのもまた事実であった。

「で、でもアレがないって事はもう奴には武器が……」
「いや、安心するのはまだ早いみたいよお?」
72騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:53:52.71 ID:Mf54Te3O0

 確かに唯一の武器である剣がマリ・ヴェリテの身体を縫いとめている以上、騎士に残された武器はもうないはず。
 しかし魔女の一撃は渋い表情で騎士を示し、マッドガッサーはじっとその先を見つめる。

 もはや用はないとばかりに人狼に背を向け、騎士が踵を返したその一瞬。垣間見えた左の手に握られていた赤い塗装の小ぶりな手斧にマッドガッサーの視線が吸い寄せられた。

「……くそっ、消防斧か!」

 思いもよらぬ状況にマッドガッサーは悪態を付いて拳を天窓の淵に叩きつける。
 消防斧、本来は火災の際など障害物を除去したりする為に建物に備え付けられている、洋画でよく活躍する小ぶりの斧である。
 おそらく騎士は建物に残されていた一つをいつの間にか見つけて使用していたのだろう、マリ・ヴェリテの絶え間ない攻撃を防げていたのもその為だったのだ。
 そして騎士が踵を返した先、次の目標は言うまでもない――びくりと肩を震わせたスパニッシュフライの契約者しかいない。

「まずいねぇマッドガッサー、マリはあれじゃあ間に合わないよ!」
「わかってる!!」

 魔女の一撃を遮り、マッドガッサーは再び拳を天窓へ叩きつけた。
 内部へ通じる唯一の出入り口であるこの大きな窓、しかしぴっちりと閉じられている上に取っ手はなく、おまけに無駄に分厚い為にこうして衝撃を与えても一向に割れる気配すらない。

「くそ、どうすりゃいいんだ……!」

 そうして迷う間にも残酷にも時は進み続け、騎士は一歩一歩スパニッシュフライの契約者へと距離をつめていく。
 その先に立ち尽くすスパニッシュフライの契約者は肩を震わせ、ただじっと迫り来る騎士を見つめている。
 あのままでは彼女は死んでしまう、あの時と同じように首を切られて――
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:54:29.57 ID:DSl5L4WdO
ふへー。展開上都合がいいから名前ありにしとく
ラノベチックだし

なんか、メインヒロインが人間か、都市伝説『的』なものか
まだ起承転結末の起しか書けてないからどうにでも出来るんだけど、もう、お兄さん優柔不断だから気味にまる投げる

ハーレム(二人だけど)でも可

さあ、決めて!
74騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:54:32.58 ID:Mf54Te3O0
「ああもう、せめて私が火の玉でも撃てればこんな窓木っ端微塵にしてやるのに!」

 同じく隣で覗き込んでいた魔女の一撃が悔しそうに声をあげる。
 確かにそれができれば今頃この窓どころか、騎士すらも吹っ飛ばしてしまえるだろう。
 強力な火の玉――それを思い描いたその時、マッドガッサーははたとあるモノを思い出した。

「……それだよ、火の玉だ!」

 叫ぶや否や、背中のベルトへと手を伸ばす。
 そうだ、なぜアレの存在を忘れていたのだろう。これさえあればあんな騎士なんか――!
 焦る気持ちを抑えて背中を探り、太い柄の部分を探り当てると目的のものを引っ張り出す。
 そうして彼の手に握られていたのは、黒光りする太い銃身が特徴的な一丁の巨大な銃。

「ええ、それってまさか――」
「いいから離れろ!」

 その一喝に魔女の一撃が急いで上空へ離れたのを確認すると即座に照準を窓の中央に合わせ、ためらいなく引き金を引いた。
 つい先日様々な武器に混じっていたのを拾い上げ、もしもの時のための切り札として身に着けていた銃器の一つ――グレネードランチャー。
 小気味よい音と共に撃ち出された手榴弾は真っ直ぐに窓へと吸い込まれ――

 ――ドォォォォン!!

 ――炸裂した。
 その瞬間びりびりと足元が振動し、衝撃波に鼓膜が震える。
 埃が晴れる間も惜しんですぐさま駆け寄れば窓は見事に窓枠ごと打ち砕かれ、その原型をとどめてはいない。
 そしてぽっかりと開いた穴から下を覗き込むと、こちらを見上げるスパニッシュフライの契約者の姿が飛び込んできた。

「マっちゃん!?」
「よう、待たせたな!」
75騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:55:13.23 ID:Mf54Te3O0
 その表情は恐怖一色に染められていた先程とはうって変わり、驚きの混じった笑みさえ浮かべている。
 よかった、間一髪間に合ったのだと胸を撫で下ろしたのもつかの間、視界の隅にこちらを見上げる首なし騎士の姿が映りこんでまたひやりと冷たい汗が背中に流れた。
 しかし今の己にはこのグレネードがあり、騎士は数メートル下の眼下にいる。つまりここからなら一方的に攻撃し放題。
 かつての恨み、そして仲間を傷つけられた怒りが加わり、否が応にも士気は高まっていく。
 今度なら勝てる、あの時の痛みを返してやれる。
 ガスマスクの奥でニヤリと笑みを浮かべ、マッドガッサーは深く息を吸い込んだ。

「てめぇスリーピー・ホロウ! 勝手に俺の仲間に手ぇ出してんじゃねぇぞ!!」
「……………………」
 
 しかし期待に反し、騎士は微動だにしようとしない。
 一方的なはずのこの状況をわかっていないのか、その余裕綽々といった姿に苛立ちが募る。

「いいかぁ!? この俺が本気を出せばお前なんて簡単にぃっ!?」

 勢いのままに啖呵を切ろうと片足をひしゃげた窓枠にかけたその瞬間、突然ぐらりと足元が揺らいだ。
 まさか先程の爆発のダメージの影響かと急いでその足を戻すが、よく見ればいつの間にか足元には何本もの深い亀裂が走っていて。

 ぴしり、みしみし。

「………………………………嘘だろ?」

 不吉な音を立てる足場、やはり微動だにせずこちらを見上げる首なしの騎士、そしてせめてもう一歩後退しようと足を浮かせた瞬間、ばきんと一際鈍い音がして――世界がぐるりと回り、マッドガッサーは真っ逆さまに落下したのだった。


<To be...?>
76騎士と姫君:2009/11/07(土) 00:56:05.92 ID:Mf54Te3O0
というわけでマッドガッサー視点でお送りしました。
引き続きマッドガッサー一向お借りしました焼き土下座ああああああ!!orz
マリぶっ刺したりスパニッシュフライの契約者はまた怖い目にあわせたりと本当に申し訳ない。
そして「まだ続けるのかお前」といい加減お叱りを受けそうですサーセンorz

本当はこの話で完結させようと思ってたのに、この後新たに思いつきでエピソード加えたら字数が偉い事になってたんで再び切りました。
残りパートはほぼできてるので明日には投下する。するったらする。
・・本当はさっさと終わらせてもっと軽い話を書きたかったのにwww 勘弁してくださいホロウさんwww

あとここ数日のアンケートでいくつかホロウさんの名前が挙げられてて信じられなかったり。
畏れ多いようわあああありがとん!! 電車の中で見るんじゃなかったよ超にやけた!
おかげでぐっだぐだだったモチベを何とか持ち直せた! 頑張る!

そんなこんなで長引いてるこんな話に付き合ってくれた皆ありがとん!


あと花子さんの人へ
マッドガッサーと魔女の一撃、キャラというか口調が定まらず変な事になってしまって申し訳ないorz
「これはない!」って指摘があればwiki掲載時に修正しますゆえ・・・
77黒服H(代理):2009/11/07(土) 00:56:36.13 ID:yqHQ+/C90
 …不意に
 ゲデが、黒服に、こんな言葉を投げかける

「友は、まだ世界が憎いであるか?都市伝説という存在を生み出す、この世界が」
「……お前にゃあ、どう見える?」

 そう言って、笑ってやる

 ゲデは、しばし黒服を見つめ……笑った

「わからないであるなぁ?友は、隠し事がベリィ上手いであるよ」
「わからないなら、わからないままでいてくれや」

 俺だって、わかりゃしない
 いや、わかろうとしていないのだから


 かつて、世界を憎んだ
 都市伝説という存在を生み出す、世界そのものを
 都市伝説さえなければ、自分はこうならなかったのだから
 自らも、都市伝説と成り果てて

 …結局、自分はあんな事をしでかした

 世界を憎んだところで、どうにもならないとわかっている、わかりきっている
 しかし、憎しみはどうにもならず
 しかし、憎んでもどうしようもなく
 だから、それについて考える事はやめた

 ……やめたはず、だったのだ
78黒服H(代理):2009/11/07(土) 00:57:16.49 ID:yqHQ+/C90
 だが、雪が降って、白く染まっていく街を見て、勘が得てしまう


 いっそ、世界が全て壊れて、まっさらで、真っ白な状態に戻るなら
 その時は…もう、都市伝説なんて存在が生まれなければいい
 その世界に、もう一度生まれる事が出来るなら……俺は、今度こそ……


(……いや)

 そんな事、考えても意味がない
 無駄な考えだ
 それでも、考えてしまうと言う事はやはり…自分は、どこかおかしいままなのだ

「ゲデ。俺が馬鹿な事やらかそうとした時は、頼んだぞ?」
「……っからからから、了解しているであるよ、それは、友との約束である…友の担当契約者の事も、全て任せたであるよ!」
「後半却下。あの二人だけはてめぇにゃ任せねぇ」
「からからからからからからから!!ちょっぴり酷いであるよっ!?」

 雪振る中、二人で笑う
 肩に積もった雪を払いもせずに


 …いっそ、まっさらに浄化されるべきは俺なのだと
 思考の奥深く、自分でも気づかず、そう考えた



fin
79黒服H(代理):2009/11/07(土) 00:57:59.12 ID:yqHQ+/C90
ゲデのネタの直後辺りな黒服H視点、雪が降っている、という状況から妄想した結果がこれ
まさか、こいつの過去が鬱になろうとは


>チャラ男をからかう為に言う事はあるかもしれんけどwww
それを言われたチャラ男が悪寒っぽいのを感じて悪い物でも食べたのかと心配した様子まで幻視した
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 00:59:05.79 ID:yqHQ+/C90
深夜食堂見てた。反省してる。
>>66そこら辺自由っすよ〜
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:04:16.17 ID:Mf54Te3O0
代理投下乙!
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:07:46.05 ID:DSl5L4WdO
ふへー……まあ、メインヒロインは後々考えよう
よし。じゃあ落としてみようかな
83君と君の君:2009/11/07(土) 01:09:44.96 ID:DSl5L4WdO
最近、僕たちの街では人が殺されている

『人が殺されている』なんて軽く言ってみると冗談にしか聞こえないが、実際人は死んでいるのだし、それは実は問題ではなかったりする

だって、僕には関係ないじゃん。そう言えれば良いのだけれど、そうも言っていられない

問題は、その人たちの殺され方と僕の置かれた状況にある

人の殺され方。それは、ゴミ箱ポスト排水溝。果てはラーメン屋さんのオカモチまで

とりあえず、なんでもいいから詰め込まれている

ラーメン屋さんのバイトだけは、もう絶対しない

ああ、あと僕の置かれた状況

僕は長谷川亮。半強制的にオカ研部員をやらされてたりする

そして

「おい、亮。調べはついたのか?」

これが、僕をオカ研に連れ込んだ諸悪の根源。赤月真紀先輩。教頭曰く、学内一の問題児である

ついでに、赤月先輩が作ったこの同好会。部員は二人だけだったりする
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:09:52.58 ID:Mf54Te3O0
避難所転載

493 名前:名も亡き都市伝説契約者[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 01:04:32
本スレ>>73

男 明石 煉(アカシ レン)
女 黄泉本 和泉(ヨミモト イズミ)

はどうだろうか
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:11:47.99 ID:Mf54Te3O0
支援!
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:14:21.67 ID:yqHQ+/C90
寝る前しえん
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:14:48.44 ID:DSl5L4WdO
「おい、聞いてるのか?」

少々苛立っているようだ。構うと面倒くさくて構わなくても面倒くさいとは、面倒くさいちびっこですね

「すいません。自己紹介が忙しくて」
「なんだ。ついに頭の中にお友達が出来たのか。心配しなくても私は一生お前の友達だゾ!」

誰のせいで友人が居なくなったと思ってやがる。とは言えない。この人、怒ると怖いんだもん

「ありがとうございます」

あと二年。あと二年我慢すればこいつはいなくなる……あれ?僕の高校生活灰色確定してないか?

「よろしい。なんて、騙されたりはしないゾ!調べはついたのかと聞いている」

調べ……ねえ。正直そんな事、警察に任せておけばいいのに。と我思う。故に我調べてないわけでもない。この人、怒ると……はもういいか

「一応調べてはみましたけど、これで先輩が満足するとは」

「構わん。報告しろ」

「はい。それじゃあ、まず」

「あ、ちょっと待て。ホワイトボード使うか?いや。使え」

使う場面なんてないんだけど、使わなきゃ機嫌をそこねるんだろうなあ、まる。面倒くさい

「はい。それじゃあ、まず今回の事件ですが」

ホワイトボードに何を書くべきか少し悩み、結局意味のない落書きをしながら、調べたことを報告した
88君と君の君:2009/11/07(土) 01:20:11.77 ID:DSl5L4WdO
「まあ、亮じゃあそんなもんかな」

使える人材なんざ僕ぐらいしか居ないくせにいけしゃあしゃあと

僕の生活から友人を消し去った人物に友人なんているはずもない。人間大事なのは顔だけじゃない。改めてそう思った

……まあ、事件現場の分布や発見状況なんて新聞やニュース、少しの噂で簡単に収集可能なんだろうから、確かに『そんなもん』なのかもしれないけど

「さて、駅に行くか」

唐突に何か言い出した。飽きた……のならいいんだけど、執着心と好奇心が粘着質に塊な赤月先輩がそんな簡単に始めたことを投げ出したりするわけがない

「駅に何をしにいくんですか」

「それは行って、見てから決める」

「なんで駅なんですか?」

「質問ばっかりだな。少しは自分で考えろ。駅が現場の中心じゃないか」

この人は頭の中に地図でも持っているのか、なんて思いながら、少しは自分で考えさせてくれ。なんて言ったらどんな顔をするのかな、とか考えている僕に被虐趣味はない

「ほら、行くぞ。直帰だから鞄を忘れるな」

はいはい
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:20:39.73 ID:Mf54Te3O0
しえん
90君と君の君:2009/11/07(土) 01:23:08.89 ID:DSl5L4WdO
「……寒いな」

「11月ですから」

「もうそんな時期か」

「この間ハッピーハロウィンとか言いながら僕を学校中引きずり回したの、忘れたんですか?」

「ふむ……寒いな」

こうして、今日も僕の抗議の声は冬空にかき消えていくのでした、まる

「僕が暖めてあげましょうか?とか、言わないのか」

「そんな事言うのは教頭ぐらいですよ」

「ハゲは嫌だな……ハゲるなよ?」

頭髪を失えば僕にも自由が訪れるらしい。ハゲは嫌だけど

「そんな予定はありません」

「そうか。つまり、生涯変わり無く私と仲良くできるんだな。良かったじゃないか」

……今度教頭に聞いてみよう。どうすれば頭髪を失えますか?
おまけに学生の身分も失えますね?
そうですね
91君と君の君:2009/11/07(土) 01:26:01.51 ID:DSl5L4WdO
「それより、どうするんですか?何も見当たりませんけど」

「ふむ……何か起こるかと思ったが」

なぜ思った

「確かに何も無いな」

駅の中には疎らに人が居るだけで、犯人らしき人物(例えば身の丈二メートルの筋肉の塊)は見当たらなかった

そりゃあそうだ。そんな簡単に犯人が見つかるなら警察だってドーナッツを食うさ

「せめて、なにがしかのヒントがある……はず……駅……?」

全てが自分の都合の良い方にいくなんて、そんなことは絶対にない。だから、せめて慰めてみる

「先輩がなんでこんな事件に興味を持ったのか、なんて奇妙だったからでしょうけど、どうせ実際犯人は居て、犯行方法も動機も、至極現実的な……」

居なかった。いや、犯人じゃなくて先輩が
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:26:59.72 ID:Mf54Te3O0
支援
93君と君の君:2009/11/07(土) 01:28:25.13 ID:DSl5L4WdO
慌てて探してみると、ちっこいあんちくしょうが駅構内の角を曲がるのがちらりと見えた

僕を妖精と話せる危ない人に仕立てあげるつもりだったのなら、その下らない作戦は予想以上の効果を上げたぞ!

なんて、ふざける余裕もある。人の少ない駅で良かった。田舎万歳。そして全力疾走という名の駆け足で先輩の影を追ってみた

狭い駅だ。すぐに追い付く

「……何やってんですか、先輩」

角を曲がると、白い壁をペタペタと触る先輩がいた。観光名所でもあるまいし、本当に何をやってるんだか

「ヒントだ」

……は?

「私はヒントを見つけたぞ。亮」

「全てはここから始まったんだ」
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:30:49.30 ID:Mf54Te3O0
支援
追ってるのってまさかww
95君と君の君:2009/11/07(土) 01:32:11.03 ID:DSl5L4WdO
そんな事言われても、僕には壁しか見えない。しかしその満面の笑みは、確かに何かを見つけたらしいことを僕に理解させた

「先輩にしか見えない何かがある。とか?」

「んな訳があるか。亮にも見えている。ただ、気づかないだけだ」

言われて、先輩が指紋を残そうと必死になっている壁をじっと見てみる。が、ダメ。なにも得られない

「壁……ですね」

「そうだ。壁だ」

壁らしい

「そこから先に進むには、亮には足りないものがあるな」

「何ですか」

「空気を読む力」

な、何ですか!人を空気読めないみたいに言っちゃって!先輩の方が空気読めてないんですからね!ぷんぷん!……言ってみたいけど空気を読んで言わないことにする

「それは洞察力、推察力を統合したモノだ、と私は思う」

なんか語り始めた

「空気を読むと言うことは、察するということだ。それがお前には足りないんだよ」

ふふん。ちびっこに何言われたってへっちゃらさ……へっちゃらなんだから……
96君と君の君:2009/11/07(土) 01:35:13.83 ID:DSl5L4WdO
「まあ、そう落ち込むな。それより、今の話を踏まえてこの壁を見てくれ。どう思う?」

「……白いですね」

半ばヤケクソ気味に答える

「そうだ」

「あってんのかよ!?」

「……」

「……すいません」

「うむ。では、なぜ白いのか」

「ペンキが白かったから?」

「不正解につきボックスシート」

意味が分からん

「正解は、ここにあったコインロッカーが撤去されたから、だ」

普段、駅なんて使わないものだからコインロッカーなんて知るよしもない

「そんなの駅を使わない奴が分かりますか」

「友達付き合いがない証だな。憐れ」
97君と君の君:2009/11/07(土) 01:37:16.83 ID:DSl5L4WdO
つまり、こんな破天荒な先輩よりも友人が居ないらしい。泣きたくなってきた

「まあ、私も電車通学でなければ分からんかったがな」

「……友達と遊ぶときに利用してたんじゃなかったんですか?」

「地元民の場合、だ。私の場合は関係ないだろう」

なんて自分勝手……でも友人の数で負けてない!まだ僕は生きてて良いんだ!

「なんだ?やきもちでも焼いたか?」

「それはないです」

「ふむ……ひねくれた奴だ」

「それより、コインロッカーが無くなったから何なんですか?」

「コインロッカー自体はどうでも良い。まして、他の駅ならばなんの問題もない。だかな、この駅の、この場所のコインロッカーである場合、問題なんだ」
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 01:38:16.88 ID:Mf54Te3O0
しえん
99君と君の君:2009/11/07(土) 02:00:35.46 ID:DSl5L4WdO
そうして、先輩はどこかで聞いたことがある話をし始めた

コインロッカーに棄てられた子供。数年後に、コインロッカーに訪れた母親。その母親の前に現れた、少年

そして

コインロッカーに詰められ、殺された母親の話を
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 02:03:07.67 ID:Mf54Te3O0
コインロッカーベイビーか支援
101君と君の君:2009/11/07(土) 02:03:48.68 ID:DSl5L4WdO
「それって」
「都市伝説。と言う奴だな」

「……確かに似てる気もしますけど、詰め込まれて殺される。っていう部分だけでしょう?」

「十分だろ」

「でも、何て言うか、不謹慎じゃないですか?そういう噂と現実をごっちゃにするのって」

「噂?……事実だよ」

そう言って、先輩は白い壁をピタピタと手のひらで打った

「ここで、確かに女性は殺された。死んでいるはずの、自分の息子に」

「コインロッカーに飲み込まれるように、詰め込まれて、死んだ」

先輩の話を認めたら、自分の中の何かが壊れてしまいそうで、訳もわからず反論が口をついて出ていた

「だから、それは噂」

「見たんだ」

僕が僕の常識を、世界を守るために発した言葉は、先輩に簡単に撃ち落とされた

「殺されたのは」

「物語の主人公は」

「私の母親だ」
102君と君の君:次回予告:2009/11/07(土) 02:07:48.94 ID:DSl5L4WdO
というわけで。君と君の君(起)でした

次回、承では、とりあえず被害者達の共通点からコインロッカーに近づきつつラブってコメるよ!

契約は転だよ……ね?

はい

お付き合いありがとうございました
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 02:12:48.61 ID:Mf54Te3O0
乙!
これからの活躍に期待しつつ先輩の可愛さに悶えとく
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 02:33:24.34 ID:Mf54Te3O0
ねるほ
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 03:09:14.39 ID:usqch973O
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 04:22:47.89 ID:yqHQ+/C90
107寝直すほ:2009/11/07(土) 04:43:46.28 ID:yqHQ+/C90
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 06:06:47.05 ID:qiF2PPGfO
おはようほ
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 08:34:04.02 ID:8S9+RTTYO
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 08:38:33.85 ID:mdW2bCNeO
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 09:32:17.76 ID:rTKYtz/dO
ほし
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 10:21:12.24 ID:Zlukvth00
まだだめかー?
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 11:39:30.79 ID:Mf54Te3O0
おはようほ
114マッドガッサーと愉快な仲間たち(代理):2009/11/07(土) 11:55:22.51 ID:Mf54Te3O0
 ……あぁ、畜生、首なし野郎が

 脇腹に突き刺された剣の痛みなど、気にはならない
 だと言うのに、体が重く、動かない
 スパニッシュフライの契約者に向かう首なし騎士を止める事が……できない

 あぁ、畜生が
 やめろ、やめやがれ
 そいつは俺の仲間だ
 俺の群れの仲間なんだよ!!

 てめぇにゃわからねぇだろうよ
 騎士様にゃあ、わからねぇだろうよ
 てめぇがどんな都市伝説かは知らねぇが、その本質は騎士なのだろう
 誰かを護る、誰かの盾となる騎士
 ……ならば、契約者を得ることは難しくないだろう
 契約者を得る事すらできない都市伝説の孤独なんざ、わからねぇだろう

 …だとしても
 奪われてたまるかよ
 その女を殺されてたまるかよ
 そいつも仲間なんだよ
 失いたくないんだよ


 ………あぁ、だから
 そいつを殺させて、たまるか


to be … ?
115マッドガッサーと愉快な仲間たち(代理):2009/11/07(土) 11:56:34.59 ID:Mf54Te3O0
何となく騎士と姫君の今回のネタのマリ視点っぽいの
電波ってのは急に降りてくるから困る

***

代理投下でした。
まさかのマリ視点に一気に目が覚めたwww ひゃっはーマリかっこいいよありがとん!
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 12:25:05.45 ID:Mf54Te3O0
昼飯前ほ
117料理店 代理乙!:2009/11/07(土) 12:43:55.99 ID:8S9+RTTYO
 夕暮れ時の町を歩く三人の女性。そのうち若い二人は土埃にまみれていた。

「本日の特訓とゆー名の虐待終了っと……さっさと帰って風呂はいろ…」
「なーにが虐待ぢゃ?まだまだ無駄な動きが多いから余計疲れるんぢゃよ」
「ですが2対1でも敵わないとのは少々ショックでしたね」

 年の功ぢゃよ、と答えながら歩く姿は、疲れ一つ見えない。二人を相手にして息も切らさなかったのだ。軽く化け物じみている。

「戦闘経験の差、ですか。殆どの攻撃をいなされましたからね」
「年の功で岩だの丸太だの投げてくんのかよ……あれ?あそこに居るのって……」
「どうしたんぢゃ?」

 視界の隅に見覚えのあるヴェールがちらつく。
 あれは確か、【爆発する携帯電話】の契約者と一騒ぎあった時に見た姿。
118料理店:2009/11/07(土) 12:45:54.48 ID:8S9+RTTYO
「やっぱあん時の司祭さんか。こんばんはー」
「……?ああ、あの時の。こんばんは。どうしました?そんな泥だらけで」

 向こうもこちらに気付いたようだ。しかし流石に全身真っ黒なのを真っ先に聞かれた。

「あ、いやこれは…」
「どうぞお気になさらずに。ちょっとはしゃいでいただけですよ」
「はしゃぐ?」
「まぁ、うちのばーちゃんのちょっとは死に繋がるけどな……そーいえば携帯のにーちゃんは元気?」

 あまり続けたい話題でもなかったので話しを逸らす。
 だがその問いに驚いたような顔を見せる司祭。

「どしたの?なんかあった?」
「……いや失礼。彼も変わりありませんよ」
「そう?会う度に鼻血噴いてたからさ。ちょっと心配になってなー」
119料理店:2009/11/07(土) 12:47:45.05 ID:8S9+RTTYO
「彼は、あまり女性が得意ではありませんから」
「少年も同じ様なものですよね?」
「やかましいっ!」

 オーナーの生乳見てぶっ倒れた事がある手前、下手に笑えない。
 ……しかしあれはヤバイ。乳的にも出血的にもヤバイ。流石に心配にもなるというものだ。

「ところで、『携帯』のにーちゃん、と言いましたか……何処で彼の能力を?」

 ほんの一瞬、二人に気取られない程度に目を細め、問う。

「あれ、聞いてない?コーク・ロアの契約者、一緒に倒したんだけど」
「…ああ、なるほど」

 確かに、二人組の女性に助けられた、と言っていた。その答えに司祭の仮面を被り直す。

「あなた方の事でしたか。ご迷惑をおかけしました。私からもお礼を言わせてもらいますよ」
「いえ、ああいった者を止めるのが、この町に来た目的ですから。気にしないで下さい」
120料理店:2009/11/07(土) 12:50:51.62 ID:8S9+RTTYO
「そーいや、あん時居なかったみたいだし、携帯のにーちゃんと契約してるわけじゃないんだよね?
 司祭さんはなんの都市伝説なの?」
「……!」

 少年の問い掛けに、マリ・ヴェルテは考える。
 …どうしてこの二人は、自分が都市伝説だと知っているのか?
 【爆発する携帯電話】の契約者が喋った?……いや、多少面識がある相手とはいえ、彼が仲間の能力を簡単に話すわけがない。
 それに、もし知っていればこんな世間話などしていないだろう。
 何かしらの都市伝説、と気付いているが、自分が【マリヴェルテのヴェート】だとは気付いていない?
 ……恐らくは何らかの感知能力。それでどんな都市伝説なのか気になった、といったところか。

(面倒ですね…やりますか?しかし……)

 完全に油断している今ならば、仕留めるのはたやすい。
121料理店:2009/11/07(土) 12:54:34.09 ID:8S9+RTTYO
 ……だが、周りに人が多過ぎる。

「………」
「司祭さん?」
「何故、私が都市伝説だと?」
「へ?あの、それは……」
「私の都市伝説としての性質のようなものです。ある程度まで近付けば、相手が人か、それ以外なのか判るんですよ」

 こちらの緊張が伝わったのか、オーナーが一歩前に出つつ答える。

「気に障ったのであれば謝罪します」
「そ、そうそう!別に無理に聞き出すつもりなんかないから!」

 どうやら戦う必要はなさそうだ、とマリ・ヴェルテは思う。
 今の姿は善良な司祭。絶好の隠れ蓑なのだ。一瞬で姿を変えられるとはいえ、目立つのはまずい。
 なによりも教会から近すぎた。先程からちらほらと見知った礼拝者の顔も見える。
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 12:55:15.11 ID:qiF2PPGfO
支援!
123料理店:2009/11/07(土) 12:57:41.92 ID:8S9+RTTYO
「そうでしたか。申し訳ありませんが、その事は「あたしは気になるねぇ?」……!?」

 これ以上詮索される前に、さっさと会話を終わらせて立ち去ろう
 そう思い話し始めた時、それを阻む者が居た。

「ばーちゃん!?」「ひきこさん?」

マリ・ヴェルテの言葉を遮って放たれた声。
 それを発したのは、今まで一言も喋っていなかった少年の祖母だった。

「ばーちゃん!いきなり何を」
「お前さん達はは少し黙っちょれ。今、あたしが話しとるのはこの男ぢゃよ」

 そう言って少年を押し退けると、マリ・ヴェルテの二、三歩前で立ち止まる。
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:01:14.48 ID:rTKYtz/dO
支援
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:23:21.16 ID:ay9Cs3RLO
他人様のSSが投下されてる時に自分のSSを投下していいのだろうか
投下終わるまで待つべきなのだろうか
126料理店 呼出しくらってたorz:2009/11/07(土) 13:25:06.91 ID:8S9+RTTYO
「どういった意味でしょう?」
「そのまんまの意味ぢゃよ。あんたが一体何の都市伝説なのか……教えてもらえないかねぇ?」

 微笑んだまま、しかし明らかな敵意をもって相対する二人。

「……断る、と言った場合は?」
「さあ?どうなるのかねぇ……」

 マリ・ヴェルテのヴェールが揺らめく。
 ひきこさんが爪先で間合いを計る。
 そしていきなりの急展開に完全に蚊帳の外な二人。
127料理店:2009/11/07(土) 13:27:43.14 ID:8S9+RTTYO
「これは……参りましたね?」
「参りましたね?じゃねーよ!ナニしてくれてんだあのババァ!?
 あれか?新手の都市伝説【KYババァ】か!?折角丸く治まりそうだったっつーのに!」
「元々好戦的な方だったのではないでしょうか?ひきこさんの挑発にもあっさり乗りましたし。
 あと、もう少し落ち着いて下さい?」
「この状況で落ち着けるかっ!?っつか冷静に分析してんじゃねえ!?止めるぞ、あの二人!」

 今にも激突しそうな自分の祖母と知り合いを前にして、どうにかして止めようとする少年。
 それとは対象的になぜか動かないオーナー。

「いえ、止める必要はないと思いますよ?」
「はぁっ!?何言ってんだよ!早くしないと……!」

 そのまま無言で司祭の後方を指し示すオーナー。吊られて少年もその方向に目をやる。
 そこには小さな影が迫って来ていた。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:32:15.64 ID:Mf54Te3O0
支援!

>>125
大丈夫だったと思われるよ!
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:34:19.26 ID:ay9Cs3RLO
>>128
その言葉…信じるぞ…!



信じようと、信じまいと―

夜遅く、客がいない一つのバーに男が入店してきました
男はカウンターに座り、何かをやり遂げたような顔で溜息をつきます
「どうかされましたか?」
マスターが男に聞くと男は「いや、ちょっとな…」と言葉を濁すだけです
お客様の事を詮索するのは野暮な事だと思い、マスターは黙ってグラスに酒をつぎました
「サービスです、よかったらどうぞ」
マスターがそう言うと男は軽く礼の言葉を言って酒に口をつけました
その酒はとても美味しく、男は何杯も酒を飲みました
酔いが回った男は、ついマスターにさっき自分がやった事を教えてしまいました
「俺はな、さっき人を殺したんだ」
「赤ん坊を連れた、女だった」
男は言ってから、反省の様子もなく笑いました
その話を聞いたマスターは表情を変えずこう言いました
「そうですか、なら私も一つ、面白いお話を」
そう言ってマスターは続けました
「信じようと、信じまいと―」
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:35:01.58 ID:ay9Cs3RLO


マスターの話を聞いた男はさぞ面白かったのか、マスターに拍手をし、グラスの酒を飲み干して店を後にしました

それから数年後の事です
男がデパートで買い物をしていると、初老の男性に連れられた小さな男の子が男を見ていました
そして男の子が不意に男を指差しこう言ったのです
「こいつがママを殺した!」
男はぎょっとし、その場から走りだしました
しかし、その声を聞いた周りの客に取り押さえられ、警察へ連行されました
事情聴取され、男は過去に犯した罪を洗いざらい吐きました
因みに、男が捕まる決定的原因となった男の子
実は彼は、昔男が殺した女が連れていた赤ん坊だったそうです
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:35:09.89 ID:Mf54Te3O0
語り部ktkr支援
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:37:30.89 ID:ay9Cs3RLO

「信じようと、信じまいと―
1979年、生後一ヶ月の赤ん坊とその母親が公園を散歩中に暴漢に襲われ、母親は無惨にも殺害されてしまった。
5年後、その子供は叔父に連れられデパートで買い物していたが、突然一人の男に近付きこう叫んだ「こいつがママを殺した!」と。
慌てて外に逃げようとした男を警官が事情聴取。
正にその男が5年前の殺人犯だった。

信じようと、信じまいと―」
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:39:05.94 ID:ay9Cs3RLO
ロア終わり!今度は元ネタロア見付けたよ!!

見たい人いるかわからないけど語り部の設定はもすこしまってね!ぶっちゃけ今作ってるから!
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 13:40:55.74 ID:Mf54Te3O0
乙! 設定wktk待ってる
そして料理店支援
135料理店:2009/11/07(土) 13:59:32.67 ID:8S9+RTTYO
ごめんなさい授業はじまっちゃったんで30分後くらいに再開しますorz
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 14:01:25.81 ID:Mf54Te3O0
土曜も授業か・・ファイトだ
137三面鏡の少女@ドクター(代理):2009/11/07(土) 14:40:34.46 ID:Mf54Te3O0
「こちらにも彼は姿を見せてませんか」
「ああ、愛犬家ネットワークにも彼の姿を見た人はおらんな」
手で撫で、足にじゃれつかれ、背中にのしかかられ、頭の上で寝られ、そんな全身犬まみれの姿
一見すればただの犬好きな外人のオッサンである、都市伝説組織『第三帝国』の総統
「米国の刺客という線も薄い。今のところは連中には動きは無いからな……ただ、今噂のマッドガッサーが奴らの手の者なら話は別だ」
その名前に、ドクターの眉がぴくりと動く
彼女の契約している都市伝説『エイズ・メアリー』とは同郷であり、契約前には多少の縁もあったという話を聞いた事があるからだ
「そのマッドガッサーも多数の仲間がいるらしくてな。特に『マリ・ヴェリテのベート』には要注意だ。その強力さから南極の総統は人狼兵士の研究のためにやたらとご執心のようだが」
総統はふうと溜息を吐き首を振る
「一度、遭遇記録の映像を見た事があるが。あの毛並は実に素晴らしかった……一度でいいから心行くまでもふりたいものだ」
「総統閣下?」
「ああいやすまん、こちらの話だ。ともあれマッドガッサーが率いる集団には要注意だ。彼も奴らと遭遇した可能性がある……戦闘したとなれば、死傷の可能性も少なくはない」
「そうでない事を祈っておきます。それでは何か情報がありましたら宜しくお願い致します」
「ああ、わかった。こちらはさほど戦力を有していないし、地元組織の要請などが無ければ交戦は控えておいてくれ」
「実働戦力は運転手とミツキだけですからね。こちらも無茶はできません……了解致しました」
ぺこりと頭を下げ、ペットショップから出ていくドクター
「どうでしたか、ドクター」
「これといった情報は無し、という事だ」
店の前で待っていたエイズ・メアリーに、やれやれと肩を竦めて見せる
「マッドガッサー率いる一味にやられた可能性もあるそうだが、曲がりなりにもうちは診療所だ。毒ガスによる死傷者が出ていたら大なり小なり情報が入るはずなのだが」
「そうですよね。マッドガッサーが暴れてたら民間人に多く被害が出てるはずですし」
二人はのんびりと歩きながら商店街を抜け、北区にある診療所へと向かう
バイト青年が姿を消して以来、診療時間の都合でなかなか診療所を離れる事が出来ず、今日も診療が終わった夜になってからの外出だった
138三面鏡の少女@ドクター(代理):2009/11/07(土) 14:44:32.15 ID:Mf54Te3O0
「運転手さんに車を出してもらえば良かったですかね?」
「そうだな……徒歩は徒歩で、何かあった痕跡を探しやすいと思ったのだが。早々に襲撃をされるのは想定外だったな」
「ミツキさんも連れてくれば良かったです」
行く手を塞ぐように立ちはだかるガスマスク姿の男
その周囲にもいくつかの気配を感じる
「ふはははは、美人のお姉さん方! いきなりで悪いが食らえっ!」
勢いよく噴射されたピンクのガスに、逃げる暇もなく二人は包まれる――が
「ふむ、どうやら君がマッドガッサーご本人か」
くたりと力なく崩れ落ちたメアリーを優しく抱き留めながら、ドクターはマッドガッサーを睨み付ける
「馬鹿な!? このガスを女が吸えばたちまちエロい気分になってしまうはずなのに!」
「なるほど、そういう効果な訳か。ならば彼女もすぐに危険というわけではないのだな」
ドクターは白衣を脱いでメアリーを包み、そっと地面に横たえる
「何故効かない! 何か能力で防いだのか!」
「はっ……エロい気分にだと? ボクは年がら年中四六時中、常にエロい気分だ!」
「へ、変態だー!?」
自分のハーレム願望を棚に上げて全力でツッコミを入れるマッドガッサー
実際のところは薬物やウイルスによる身体異常を受け付けないというメアリーとの契約特性のお陰で効いてないだけなのだが
「まあまあ、エロ云々はさておいてだ。ボク達は積極的に君達と争うつもりは無い。だからその物騒な連中を引っ込めてくれたまえ」
「変態のくせに察しがいいな……とりあえず皆、様子見でいてくれ」
「ふむ、うっかり隠れている仲間の名前を呼んだりしてくれないかと期待したのだが」
「こっちはそこまで間抜けじゃないぜ? で、争うつもりは無いって事だが……大人しく俺のハーレムの一員になるつもりも無いだろ?」
「君が可愛い女の子であるというのなら、あるいは!」
――ダメだこいつ、早くなんとかしないと
マッドガッサー含め身を隠して様子を見ているほぼ全員がそう感じていた
「争う気が無いってんなら、手出しはしないでおいてやる……てか良く見りゃそっちの女、エイズ・メアリーだろ。罠か何かのつもりかよ」
「君達のガスの効果や目的を知ったのはつい今し方だ。そもそも彼女と同郷の君が引っ掛かるとは思えないしな」
「なるほどな、そりゃそうだ」
139三面鏡の少女@ドクター(代理):2009/11/07(土) 14:47:34.40 ID:Mf54Te3O0
「まあここで出会ったのも何かの縁だ。一つ確認しておきたい事があるんだが」
「答える義理は無いが?」
「正論だ」
――ちょっと驕った悪ならいくらかの情報ぐらいは引き出せるのだが、意外とやりにくい相手だな
ドクターは内心舌打ちしながらマッドガッサーを見据える
「とりあえずはお互い退くという事で手を打たないか? 彼女がこのままではこの町が色々な意味で危なすぎる」
「その点については同意だな」
盛りの付いたエイズ・メアリーなど洒落にならないどころの問題ではない
マッドガッサーは小さな紙包みを取り出すとドクターに放り投げる
「解毒剤みたいなもんだ。早いところ飲ませておくといい」
「ああ、感謝する」
マッドガッサーが路地裏に姿を消すと、周囲にあった気配が一つまた一つと消えていく
「なるほど、色々な意味で厄介な相手だ。非常にやりにくい」
ドクターは肩を竦め、色っぽい声を上げて身悶えするメアリーに視線を落とす
「さて……薬を飲ませるのはお楽しみの後でもいいか」

―――

「いいのか、逃がしちまって」
「美人のお姉さんだが、それ以上にタチが悪そうだ」
「記憶消してまえばええやん?」
「つーか、エイズ・メアリー連れてる奴なんか怖くてエロい事とかできねぇよ!?」
「……そりゃまあそうだな」



マッドガッサーvsドクター初遭遇
第三帝国は大人しくしてる組織である事と他所の組織と繋がりがない事で情報があまりありません
本当はドクターの記憶無くさせて攫わせようかと思ったけどマッドガッサーならエイズ・メアリー知ってるよなーという事で
140三面鏡の少女@ドクター(代理):2009/11/07(土) 14:48:37.21 ID:Mf54Te3O0
代理投下でした。
ドwwクwwターwwww
141料理店 再開:2009/11/07(土) 14:52:28.76 ID:8S9+RTTYO
「ここでやりますか?」
「いんや、ちょいと人が多いからのぅ。あんたがよけりゃ場所を移したいんぢゃが?」

睨み合ったままじりじりと移動する司祭と老婆。

「ええ、いいですよ。こちらとしても好都合です」
「ほんなら……………………………っ!」

 いきなり動きを停めたひきこさんに怪訝な顔をするマリ・ヴェルテ。
…誘っているのかもしれないが、叩き潰してしまえば問題無い。そう思い直し、全身に力を込め―――

「あー!しさいさまだー!」「どこどこ?」
「ほんとだー♪」「あたち、キレイー?」

 ―――襲い掛かろうとした所で、場の雰囲気をぶち壊す声が響いた。
 僅かに覚えのある、舌足らずな喋り方におもわず足を停めるマリ・ヴェルテ。確かハロウィンの時、教会に来ていた子供達だ。
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 14:53:38.78 ID:Mf54Te3O0
支援
143料理店:2009/11/07(土) 14:54:20.90 ID:8S9+RTTYO
「しさいさまーごほんよんでー」「あーわたしにもー」
「えーあそびいこうよー」「これでもかー?」

 割と予想外の事態に、どうするべきか考えていると、目の前の老婆がいきなり距離を詰めてきた。

「チッ!やる気「どれどれ、このババが絵本でも読んでやろうねぇ♪そっちの子は肩車でもするかの?あ、お嬢ちゃんべっこうアメ食べるかい?」

 そのまま、すっ、と横を帰ってり過ぎ子供達へと向かう。その顔には、先程とは違う満面の笑みが浮かんでいた。

「………ちょっと待て」
「なんぢゃ?あんたまだおったんか。ほれ、帰っていいぞい」
「んなっ!?」

 あっさりと言い放つ。もはや眼中にないらしい。ぷるぷると震える司祭を尻目に子供達へと向き直る。

「おばーちゃんだれー?」「えほんよんでくれるの?」
「ぐるぐるまー♪」「アメ、ウマー」
「ほっほっほっ、ババと一緒に遊ぼうねー♪」

 そのまま子供達を連れて去っていくひきこさん。後に残されたのは呆然とするマリ・ヴェルテと、諦めた表情の身内二人。
144料理店:2009/11/07(土) 14:55:56.18 ID:8S9+RTTYO
「予想通りですね」
「なんか一人ヘンなの混じってなかったか?」
「ナメてんのかてめぇら!?」
「キャラが変わってますよ、司祭様?」
「お、落ち着いて?ばーちゃんの『アレ』はほぼ病気みたいなもんだから……オーナー!司祭さんと教会まで転移!!」
「承知しました」
「ってオイ!ちょっと待t」

 なんか言ってた気もするが今は無視。それよりも優先すべき事がある。子供達の救出だ。

「……本読んだりお菓子やるくらいならまだいいよ?
 『高い高い』とかいって10bもぶん投げられたり、肩車したままムーンサルト(三回転)やられた日にゃートラウマ確定だ……!」

 幼少の頃に受けた数々の仕打ちが蘇る。本人は好意からやっているのだろうが、やられた方からすれば恐怖以外の何物でもない。
 …しかし問題点はこちらの言うことを素直に聞いてくれるかどうか。祖母の子供好きは、ある意味本能レベルである。
 最悪、力ずくで引きはがすしかない……可能かどうかは別として。

「やるしかねーか……」

 オーナーが戻って来るのを待っている暇は無い。救助が遅くなる程、子供達の心に傷が刻まれる危険が増える。
 溜息と共に歩き出す少年であったとさ。

145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 14:58:39.93 ID:8S9+RTTYO
マリお借りしました土下座っ!orz

さるった上に呼出しくらって途中で消えるとかねーよ……
しかもクソ長いしorz
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:00:24.79 ID:ycUEOnLnO
口裂け幼女がいるwww
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:02:30.85 ID:Mf54Te3O0
乙! 婆の可愛がり方www
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:02:35.53 ID:8S9+RTTYO
>>146
はっはっはっ、なんのことやら!
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:34:09.24 ID:ay9Cs3RLO
信じようと、信じまいと―

ある男の元に一通の手紙が届きました
差出人不明のその手紙には沢山の不思議な話と共にこう書かれていました
『信じようと、信じまいと―

この手紙にあなたの知るロアを一つ加えて、一人の人間に送れ。
そして、この中のロアについては10までしか人に教えてはならない。
もしこれを破れば、あなたの名前の載ったこの手紙がそのうち回りだす事になる。
私の名はロア。私が事実に打ち勝つ日まで―』
『私は、暗闇であり地下であり背後である。
私は、偶然であり運命であり奇跡である。
そして、無意味であり意味である
私の名はロア。私が事実に打ち勝つその日まで―

信じようと、信じまいと―』

男は手紙の事を不思議に思い、その手紙を誰かに送る事なくロアを全て読んでしまった
そして男は手紙に従う事なく、沢山のロアを沢山の人に教えてしまった
そして男はロアやこの手紙の事を徹底的に調べ、知ってしまった
その時、どこかから―男が持っている手紙から声がした
「信じようと、信じまいと―」
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:36:49.72 ID:ay9Cs3RLO

そして男は手紙になった
ロアを広める手紙になった
男は自分の名前を忘れ、人間だった事も忘れ、ただロアを広める為の手紙となった
彼がロアを知りすぎた為に彼は手紙と――語り部となった
ある時はロアを守る為、ある時はロアを正す為、ある時はロアを壊す為、ある時はロアを知らせる為
ある時は人、ある時は動物、ある時はロアそのものとなって
彼の名はロア。彼が事実に打ち勝つその日まで―

「信じようと、信じまいと―」
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:38:21.79 ID:ay9Cs3RLO

「信じようと、信じまいと―

ある者の元に差出人不明の手紙が届いた。手紙の指示では、この
手紙にあなたの知るロアを一つ加えて、一人の人間に送れ。だが、
彼は指示に逆らい、不特定多数の者にロアを広めた。彼がいなく
なった後、新しいロアが追加された手紙がまた誰かの元へ届いたという。

信じようと、信じまいと―」
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:46:34.33 ID:Mf54Te3O0
支援
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:50:31.30 ID:ay9Cs3RLO
ロアの語り部

ロアの書かれた手紙が届き、その手紙の指示を破る
しかしロアの事を深く知りすぎていた為、偶然かもしくは誰かの思惑か、ロアそのものとなり語り部(半ば強制的に契約)となる
その影響か彼(彼女?)は自分が人間という事を忘れ、姿は不定形となっている
ある時は人であり、ある時は動物であり、ある時はロアそのものと、決まった姿はない
性格は気まぐれであり、風のように世界中を放浪しているが、今は学校町でロアを広めている
何等かの力で瞬間移動ができ、簡単に世界中を回る
都市伝説を悪事に利用する者(都市伝説そのものではない)を許さず、そのような輩には容赦が無い
しかし悪ではない者にはあまり興味は無いらしく、適当なロアを聞かせて歩いている
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 15:53:33.02 ID:ay9Cs3RLO
設定とどうしてこうなったか投下終了
等語り部は実際の人物名称団体とは何の関係もありません
著作権FREEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!ですので他の作品に使いたい方は御自由にどうぞ
え?そんなのいやだ?すいません
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 16:21:04.34 ID:Mf54Te3O0
乙! 世にも奇妙な物語的な雰囲気が好きすぎる
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 17:01:19.27 ID:1acj7eOM0
157単発ネタ:2009/11/07(土) 17:03:33.01 ID:rTKYtz/dO
我輩は口裂け女である。名前はまだない。
え?口裂け女が名前じゃないのかって?ばかねえ。それじゃ、犬の名前が「犬」っていうのと同じじゃない。デーモン閣下だって子供に悪魔なんて名前つけないわよ。あら、でもピカチュウはピカチュウね。
まあそんな事どうでもいいわ。

そういえば、最近人を襲ってないわ。これでもわたくし口裂け女。やる事はしっかりやらないと。やらKnight。
関係ないけど、「K」って良い曲よね。私これでも、猫好き。あ、でも犬が嫌いなわけじゃないのよ?私、もふもふ派。
まあそんな事どうでもいいわ。

とりあえず、そこの角を曲がって、最初にであった人に声をかけましょ。
あら、真っ黒。上から下まで黒一色。そこの、お兄さんは葬式帰りなのかしら。そういえば、「おくりびと」って映画面白そうよね、と流行に敏感な一面をアピール。
まあそんな事どうでもいいわ。

「私、きれい?」
あら、鳩が豆鉄砲食ったような顔。ところで豆鉄砲ってなにかしら。あ、逃げた。足速いわねえ。
でも、私だってサラマンダーより速いつもり。
「まあまあ、だ!」
あ、応えてくれた。でも、「まあまあ」?良いのか悪いのかはっきりしないわねえ。でも悪いとは言ってないのよね。……じゃあ、
「お前も同じ様にしてやるぅぅぅぅぅ!!!」
158単発ネタ:2009/11/07(土) 17:05:43.37 ID:rTKYtz/dO
「何でだよ!くそっ、これでも食ってろ!」
あら、鼈甲飴投げてきたわ。「鼈甲」なんて難しい漢字知っているなんて私すごい!
とりあえず食べ物無駄にしちゃいけないわ。くれる物は貰いましょ。べつに食べながらでも走れるものね。
「ポマードポマードポマード!」
私、あれ嫌いなのよねえ。臭いじゃない?
まあ、だからどうと言う訳ではないのだけれど。

それにしても、本当に足速いわねえ。距離が全然縮まらない。本気だしちゃおうかしら。
これでもわたくし100メートル3秒、運動会でアンカーになれる速度。追い付こうと思えばすぐ追い付けちゃうわ。

あら?車に乗り込んだわ。いけないわねえ。路上駐車だなんて。車種は……何だったかしら?ロールスロイス?
あら、こっち来たわ。危ないわねえ。このままじゃ轢かれるじゃない。そういえば、「轢く」って字は「車は楽しい」と……書かなかったわ。
まあそんな事どうでもいいわ。

これでもわたくし全国区。都会でメスや鋏、田舎で鉈とか持っていますわ。
まあ、ここは田舎ではないけれど、斧を持っていてもいいわよね?
159単発ネタ:2009/11/07(土) 17:08:48.23 ID:rTKYtz/dO
「はいドーーーーン。」

斧を振り下ろすだけで、こんな車大破できちゃうわ。
あら?これハルバードじゃない?普通の斧をだしたつもりだったのに。
まあそんな事どうでもいいわ。

「そ、そんな、馬鹿な。く、車が、俺の車が、壊れるなんて。あ、ありえない……」
あら、まだ生きてた。意外としぶとい。
そういえば半月のリカちゃんは最後は死ぬと思っていたわ。私にも若い頃はあんな青春が……あれ?
まあそんな事どうでもいいわ。

とどめさしとこ。
かたなーむねーぐさー。よしいこー。
おっと、忘れるとこだったわ。私と同じにしてやるー、って言って追い掛けたんだから裂いとかないと。
ここ重要。
はっさみー。そうだ、今度蟹の鋏を真似てホッチキスでとめてみましょ。これで私もツンデレの仲間入り。
よし、裂き終わり。ちゃんと耳まで、まあ耳も切れたけど。
まあそんな事どうでもいいわ。

それじゃそろそろ、終わっときましょ。
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 17:18:18.15 ID:ycUEOnLnO
ハルバード強えええええ!
161:2009/11/07(土) 17:50:21.76 ID:ycUEOnLnO



同僚に怒られた後
黒服Y「……グフッ」
「おつかれさん」



黒服Y「うぅ……少女化してから何だか同僚が厳しいよ……」
「それは自分の行いが悪いからじゃないのか?」



黒服Y「そんなにふざけてるつもり無いのに……げんこつは酷い」頭を両手で押さえて唸る少女
「まぁ、もしかしたら彼女は過去に妹が居て似たような事していたのかもな。
さっきのは姉が妹に説教してるように見えたぞ」


黒服Y「それでも酷い……ぅ〜……」
「(それにしてもこいつ、こんなに子供っぽかったか? ガスの影響か、それとも、ふざけてるだけか……判断つかんな)」
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 18:25:43.50 ID:8S9+RTTYO
ハルバードwww

黒服Yに萌化の兆候が見られるようですwwwwww
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 19:02:26.59 ID:8S9+RTTYO
☆☆☆
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 19:25:08.44 ID:8S9+RTTYO
165:2009/11/07(土) 19:30:40.58 ID:ycUEOnLnO



なんか黒服Yのキャラが訳分からなくなってきた

それに黒服Yと同僚しかいないから話が広がらない
この二人、何でいつも一緒に居るんだろうね
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 19:54:48.19 ID:t5w1TgaAO
いい加減にバイトちゃんをなんとかしないといけないのに・・・
パソコンに入れている専ブラが起動できないorz
167黒服H(代理):2009/11/07(土) 20:02:25.00 ID:rTKYtz/dO
「いよ〜ぉ。解毒は順調かぁ?」
「……あんたは」
 声を駆けられ、青年…否、元青年は顔をあげた
 路地裏の闇に隠れるように、黒服一人
 ……しゅるりっ
 彼女を見た瞬間に、かすかに髪が伸びたように見えた
「一応、少しずつは解毒できているらしいですよ」
「時間がかかるって訳か。まぁ、その手の毒は成分がわからないと解毒が難しいらしいしな」
 「薔薇十字団」の魔女もそう言っていたな、と黒服Hはこっそりとそう考える
 成分さえわかれば、解毒剤の作成依頼を………あ、いや、別にいいか
 街の住人総女化はわりと歓迎だ
「何か、妙な事を考えていません?」
「なぁに、気のせいだ」
 しゅるるりん
 髪を適度に伸ばしつつ、黒服Hは元青年にそう返す
 なぁに、妙な事じゃない
 男として、わりと普通かなー、と思う事を考えただけだ
「それで、何か御用で?」
「あぁ、一応、マッドガッサーの女体化ガスの毒の中和方法が見付かったんでな」
 相手の顔色が変わった事を、自覚する
 1日でも早く、元に戻りたい事だろう
 喉から手が出る程欲しい情報のはずだ
「…どうする?聞くか?」
 聞いて、その手段を実行すると言うのなら、手伝ってもいいしな
 こっそりとそう考えながら…黒服Hは、元青年の反応を窺うのだった

to be … ?
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 20:03:30.55 ID:t5w1TgaAO
あれかwww
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 20:04:01.91 ID:rTKYtz/dO
499:名も亡き都市伝説契約者
09/11/07(土) 19:57:35
黒服Hとバイトちゃんを再接触させてみました
中和方法って、要はアレですが……バイトちゃんの反応がわからなかったので投げっぱなしで申し訳ない
三面鏡の人に土下座っ!!orz
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 20:06:47.33 ID:8S9+RTTYO
……あれを実行する勇者は果たして表れるのだろうか?
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 20:14:59.73 ID:ycUEOnLnO
あれって確か 複数人 の協力が要るんだろ

あ、でも本人さえ良ければすぐに集まるか
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 20:43:29.67 ID:8S9+RTTYO
はーひふーへほーしゅ
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:01:31.09 ID:usqch973O
キラン
174黒猫さんが横切る(代理):2009/11/07(土) 21:34:05.79 ID:Mf54Te3O0
「ま、そもそも人を食べる事がよくない事なんスけどねぇ」
白銀の銃身は美しくも凶暴な猫に突きつけられていた。酷く冷徹な温度が黒猫の背筋を襲う。
くろねはその場に居た男に驚きながらも二又の尻尾を銃身に絡め、それを足場にして蹴り、距離を取った。弾丸が放たれたのは彼女が銃身を蹴って跳んだ直ぐ後だった。
「ホント、すばしっこいッスねぇ…今の一撃で死んでくださいよぉ…」
黒服の男は気だるそうに銃を持ってない左手で頭を掻き、髪の毛をグシャグシャにしている。
くろねはこの男が不思議で堪らなかった。それは先程の行動からだ。
彼女が弾丸を避けた時にはあの男はまだ路地裏の入り口に居た。だが気付けば男は彼女の背中に銃を突きつけていた。
高速移動にしては道も狭い、更に突風が起こる筈だ。異空間を介した移動だとしてもタイムラグやくろねの視界から消える筈だ。
あと残っているのは―――
「瞬間移動、空間転移の類か。厄介な物に出会ってしまったな、ただ食事をしに来ただけなのに殺されそうになるとは」
「よくわかったッスね、オレが契約してる都市伝説は『テレポーテーション』
日本風に言えば瞬間移動ッスね、フィリピンに居た兵士が一瞬にしてスペインへ移動したって話知りません?」
男は話を切ると、また気だるそうに銃をくろねに向け、引き金に指をかけた。
くろねは銃の引き金が引かれる前に男へと跳び込んだ。流石の彼女も無軌道の物を追うのには気配や予測などで倍の集中力を使う。それなら少し速いだけで直線移動しかしない弾丸をやり過ごして、瞬間移動される前の本体を叩いた方が効率的だ。
男が引き金を引いた、銃声は一つ、瞬間移動はしていない。くろねは目を凝らし弾丸が向かって来るのを待った。
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:34:29.54 ID:1acj7eOM0
支援
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:36:23.54 ID:8S9+RTTYO
捕手
177黒猫さんが横切る(代理):2009/11/07(土) 21:36:30.24 ID:Mf54Te3O0
だが――――彼女を襲おうとしている弾丸は彼女の予測、想像とは大きく外れた。
「な、ぐッ――!!」
空中で衝撃を受け、転げ落ちる。地面に落ち、ゴロゴロ転げまわり、血飛沫をあげ、血痕を道にスプリンクラーの様に撒き散らした。
弾丸は『後方』から右後ろ足を食い込んで貫通した。
「あ、言い忘れてましたッスけど、さっきみたいに他の物にも作用できるんでこの能力」
巨大化していればこれほどの大きさの弾丸は針に刺された程度だが、普通の猫の大きさだとそうは行かない、太ももに大きな風穴が開いた。
まだ広い場所で戦っていれば巨大化が出来、くろねに勝機はあったかも知れない。だが、それは広い場所での話だ。相手との相性が悪いのと、状況が悪いのは何をやっても覆らない。
そう、何をやっても、もう彼女の負けは確定しているのだ。
残されている彼女の選択は無いに等しい。
「……お前、何のつもりで私を狙った?」
右足を庇い、立ち上がる。身体は悪い風邪に侵された様に火照り、眩暈を起こした。
「まぁ、組織の人間だったらそうするんじゃないッスか、それが理由ッス」
「ナルホド。都市伝説狩りの集団か……私はその手の情報には疎いからな…知らなかった」
毛を逆立て、風を巻き上げ、この路地裏を水に沈めた様に重い空気を流す。妖力の開放。猫のシルエットは凶悪な物に変わり、悪鬼の顔付きに変わった。
巨大化するにつれて傷も大きくなり、出血の量が増えたが回復速度も速くなった。
男がそのプレッシャーにたじろぐ。だがすぐさま銃を構え直し、遊んでいた左手にも銃を構えた。
「油断した。今の姿は先程の比ではないからな、心しておけ――――行くぞ狩人」
「へぇ、本気モードってやつッスか。じゃ、お望み通り、狩らしてもらいますよ――――」
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:38:09.26 ID:8S9+RTTYO
捕手じゃねーーーっっ!?黒猫しえん!
179黒猫さんが横切る(代理):2009/11/07(土) 21:40:38.04 ID:Mf54Te3O0
一対の銃口が無数に火を噴く。だがその直線上には弾丸は無く、獣を捕らえる包囲網の様に一つずつ配置され、ソレを襲った。
獣が走る。地を駆け、壁を駆け、空を切り、弾を砕き、影を置き去りに漆黒の狩人へと突き進む。
巨大な爪で黒服を薙ぐ。しかし切り裂いたのは地面だけだった。振り返るときには、弾丸が壁となって押し寄せてくる。
その壁にくろねは自ら突進し、弾丸を撃ったばかりの無防備な男に襲い掛かる。
鮮血を散らし、突き進む。
地面を切り裂いてからここまでの時間、コンマ秒と無い。今度は男の人間としての反応の限界だった。
男の腹を爪で抉る。だが臓器を採る前にテレポートされた。
「がッ――はぁはぁ、スピードも、パワーも……さっきの倍以上ッスか……グッ、怖いッスねぇ」
後ろ側に大きく距離を取った男が腹を押さえながら言った。押さえた手には銃は持たれていない。
互いに悟っていた、この攻防で戦いが終わると。くろねは機敏に動いている様に見えるが、右足の感覚がほとんど無い。黒服は腹を裂かれ、多くの量、血を出している。
張り詰める空気。異様な雰囲気を察し烏が飛び立った。
それを合図にくろねが突進する。見据えた先の男が少し笑った。
くろねが腕を薙いだ時には男はいなくなっていた。後ろに移動したわけでもなく、上に移動してもいない。完全にこの区域から離脱していた。
「はッ、はッ……逃げられたか」
緊張と共に巨大化が解け、その場に倒れこんだ。

***
 
「見つけたッスよ」
男は腹を押さえ、携帯電話で会話をしながら、移動出来る限界の距離をテレポートで移動しながらある場所へ向かっていた。
「ええ、丁度スーツだったんで黒服だって嘘ついておいたッスから、大丈夫ッスよ。
え?ああ、ちょっとヘマこいちゃって、まぁ契約してから治りも早いし大丈夫ッス、今戻ってるッス、はい、はい、それじゃあ」
酷く血生臭い夜が終わった。
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:41:01.35 ID:1acj7eOM0
支援
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:41:59.88 ID:1acj7eOM0
支援
182黒猫さんが横切る(代理):2009/11/07(土) 21:43:14.85 ID:Mf54Te3O0
勢いでテレポーターとか出しちゃったけど大丈夫なのかコレ…
また風呂敷広げてしまった…orz

***

代理投下でした。ガチバトル乙!
183マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:44:20.67 ID:Mf54Te3O0
 「爆発する携帯電話」と二人、並んで歩く
 買出しの帰り道だ
 今夜の食事分は問題ないらしいが、明日の朝食の分の食料が完全にないらしいのだ
 …毎食、どれだけ食っているんだ、マリの奴め
 いや、何度か食事に同席してるから何となくわかるが

「何度も買出しに行く身にもなれってんだ」
「…けけっ……俺は、外歩くの…嫌いでは、ないぞ?」

 「爆発する携帯電話」が、小さく首をかしげながら、そう言って来た
 ……くそ、本当に好みのど真ん中ストレートになりやがって
 いつか襲うぞ畜生

 まぁ、こいつは元々引き篭もり勝ちだったようだから…俺達と行動するようになって、外に出る機会が増えたようだし
 だから、買出しもあまり苦痛ではないようだ
 …とは言え、こいつを一人で歩かせるのには、若干の不安も感じる
 だから、なるべく…傍に一緒にいて行動してやりたいとも、思う
 決して、邪な感情を抱いている訳ではなく、仲間として心配な意味で

「…………っくけ」
「ん?どうした?」

 ……と
 何かに気づいたのか、「爆発する携帯電話」が、後ろに隠れてきた
 …まさか、「組織」の奴らでも、いたか?
 そう考えて、「爆発する携帯電話」が視線をやった先を見ると

「………何だ、あれ?」

 思わず、呟く
184マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:45:25.78 ID:Mf54Te3O0
 そこにいたのは、教会でよくマリに纏わりついているガキ連中と、それと遊んでやろうとしている老婆と…なぜか、老婆を必死に止めようとしている、高校生くらいの女のガキ
 一見、平和な光景に見えるのだが

「どうしたんだ?」
「……けけっ」

 もぞ、と
 「爆発する携帯電話」は、こちらの後ろにぴったりと隠れ、顔を出そうとしない
 …知り合いでも、あの中に居たのか?
 首をかしげながらも、あの横を通らなければ、教会には戻れない
 「爆発する携帯電話」を背後に庇うようにしながら、その横を通り抜けようとした

 …その時
 高校生くらいのガキの方が、「爆発する携帯電話」の姿に、気づいた
 あれ?と首をかしげるような仕草をしている

「………っ」

 ますます、「爆発する携帯電話」は、そいつから隠れようとした
 ん〜?と首をかしげていたガキだったが……あ、と驚いた様に、声を出す

「…え?携帯のにい……ちゃ、ん?」
「〜〜〜っ」

 ……うん?
 こいつの能力を、知っている?
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:45:57.67 ID:1acj7eOM0
続けて支援
186マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:46:24.14 ID:Mf54Te3O0

「知り合いか?」
「……くけっ」

 こくり、観念したように頷いてきた「爆発する携帯電話」

「…前……コーク・ロアに、襲われた時に…」
「……あぁ」

 そう言えば、話に聞いていた
 なるほど、その時のガキか

「え、あ、やっぱ、あの時のにーちゃん……って、え!?携帯の兄ちゃんもマッドガッサーの被害にあってたのかよ!?」
「……けけっ」

 まぁ、被害っちゃあ被害だが
 顔が割れてきたんだから、仕方ない
 …今回は気づかれてしまったが、女になれば、そうそう顔は割れないものだ
 こいつの場合、女になったら可愛かったんだし、今のままで問題ない、色々と

(…こいつがマッドガッサーの仲間、ってのは知らないのか)

 なら、誤魔化したままの方がいい
 このガキが「組織」などに絡んでいたら厄介だ
 情報が「組織」に行くのは避けたい

「あぁ、そうなんだよ。この通り恥ずかしがってるから、あんまし人前で声かけないでやってくれよ?」
「あ、はぁ」
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:46:27.02 ID:rTKYtz/dO
支援
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:46:35.53 ID:8S9+RTTYO
もいっちょ支援
189マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:47:06.44 ID:Mf54Te3O0
 …何となく、気持ちはわかるのか、頷いてきたガキ
 …そう言えば、兄ちゃんも、と言っていた
 つまり、こいつも……元は、男か
 胸は小せぇようだが、まぁ、悪くない

「…ところで、お前が止めようとしてたばあさんが、子供を高い高いしようとしはじめてっけど、いいのか?」
「へ?……………っちょ、ストーーーーーップ!!!」

 こっちの言葉に、そいつはマッハの勢いでばあさんを止めに行った
 …何か、トラウマでも思い出したような表情を浮かべていたのは気のせいか

「………」
「ん?どうした?」
「…けけっ……騙したの、少し…悪い気も、する」

 ぼそり、呟くように言ってきた「爆発する携帯電話」
 …まったく、こいつと来たら

「気持ちはわかるがな。バレたらやばいんだからな?…あいつが「組織」にでも繋がってたら、どうする」
「………けけっ」

 こくり、頷いてきた
 …こいつも、「組織」の恐ろしさは、わかっているから
190マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:48:07.78 ID:Mf54Te3O0
 さて、あの様子を止めるか否か
 …面倒くせぇなぁ
 さっさとこいつ連れて、教会に戻るかな

 あちらの様子を気にしている「爆発する携帯電話」の手を掴んで、「13階段」はさっさとこの場を離れるべく、歩き出したのだった




終われ
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:48:41.97 ID:dkb+7zExP
支援
192マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/07(土) 21:49:10.02 ID:Mf54Te3O0
黒猫さん乙!!


そして、料理店の人に土下座っ!!orz
彼をさらに「13階段」とも顔を合わさせてしまった
何か、マッドガッサー一味だと知らないままに、どんどん一味と知り合っていきそうな


本スレ>>170-171
実行する勇者がいるとは思えないがwwwwwwwwwww
大体4〜6人分は必要なんだしwwwwwwwwwww


***

引き続き代理投下でした。
ばっちゃんwww そして何気に13階段、手をつないでるだと・・?!
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:51:52.41 ID:1acj7eOM0
作者乙、代理乙

やっぱ携帯契約者かわええなぁw
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:55:30.76 ID:8S9+RTTYO
代理乙!
……どっちの状態でもかわいいとか思っちゃった俺は(ry
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:55:57.62 ID:Mf54Te3O0
513 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/07(土) 21:52:29
代理投下感謝&乙!!
>そして何気に13階段、手をつないでるだと・・?!
どさくさに紛れて肩も抱かせようかとも一瞬思ったが、「13階段」にそんなおいしい想いをさせるのもしゃくなのでボツシーンとなった


もげろコールですねわかります
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:04:05.98 ID:Mf54Te3O0
514 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/07(土) 22:00:48
本スレ>>194
顔色悪い前髪で目元隠した根暗男でも良いと言うのかwwwwwww
一応、病弱属性っぽいのがある事にはしたがwwwwwwww

本スレ>>195
その通りです、13階段もげろ



よしもげろ!
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:15:53.56 ID:8S9+RTTYO
避難所>>514
いいのだ!いやむしろ(ry

さあ十三階段もげろ、と言いたい所だが避難所みてたら禿に掘らせるのも……
198はないちもんめ:2009/11/07(土) 22:21:22.44 ID:Mf54Te3O0
羨ましい
妬ましい
悔しい

どうして?
どうして?
どうして私じゃないの?

貴女の一番傍に居たのは私だった筈なのに
貴女を一番知っていたのは私だった筈なのに
どうして貴女は彼を選んだんだろう?
どうやって彼は貴女に選ばれたんだろう?
私が3年かけても到達できなかった所に
たった1年足らずで到達した彼
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:23:03.24 ID:8S9+RTTYO
しえん!
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:23:30.23 ID:1acj7eOM0
支援
201はないちもんめ(代理付け忘れたorz):2009/11/07(土) 22:24:08.39 ID:Mf54Te3O0
私以外何一つ誰一人信用しなかった彼女の心をどうやって掴んだ?
判らない
あの、大人と男を毛嫌いしていたあの子の心をどうやって掴んだ?
判らない
私がどれだけ望んでも手に入らなかった彼女の心をどうやって掴んだ?
判らない

私は彼等と違って戦う事は出来ないけど
私は私なりに貴女の力になってみせるから
だから、どうか
私を貴女の傍に居させてください
それだけが、私の望みです
202はないちもんめ(代理):2009/11/07(土) 22:26:43.29 ID:Mf54Te3O0
プロフィール
はないちもんめの友人
年齢 11歳 (小学5年生)  外見は12か13歳位
職業 一般人
はないちもんめの友人
豪快と言うか適当な性格で家で繁殖したスパニッシュフライを町に解き放ったり、チャラ男が黒服Dに言い寄ってる(様にしか見えない)写真をはないちもんめに見せたり
都市伝説に詳しいくせに都市伝説に遭遇した経験は殆ど無かったり
無駄に被害やトラブルを拡大させる事が多々ある
両親を殺したはないちもんめと最初に接触した人物でそれ以来ずっと腐れ縁
BL、百合何でもござれでストライクゾーンは老若男女ゆりかごから墓場まで
本命は『はないちもんめ』だけどそれに関しては(一応)諦めている

203はないちもんめ(代理):2009/11/07(土) 22:28:33.21 ID:Mf54Te3O0
519 名前:はないちもんめ[] 投稿日:2009/11/07(土) 22:19:42
その場のノリだけで書いて若干後悔してる
はないちもんめの友人ネタ
彼女の中は黒服への嫉妬で一杯です

では、お目汚し失礼

520 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/07(土) 22:21:37
はないちもんめ乙!!
友人…て、待て、本命wwwwwwwww

本スレ>>197
13階段「あの禿だけは嫌だーーーーーっ!?」
マッドガッサー「ハゲキンニクコワイハゲキンニクコワイハゲキンニクコワイハゲキンニクコワイ」
おぉっと、マッドガッサーのトラウマも抉ったようだ

***

代理投下でした。確かに共同生活が始まってからはないちもんめは明るくなったよな
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:34:45.36 ID:8S9+RTTYO
代理おつ!友人……切ないな


だがしかしトラブルメーカーwwwww
205小さい話:2009/11/07(土) 22:36:23.41 ID:DvhPOMYE0
「…ヒッヒッヒッ…まだ誰も、私が薬を持ってることに気づいてないようだねぇ…」
緑色の液体の入ったビンをつまみながら、ロン毛ババアは呟く。

まぁ情報を回していないというのもあるし、自分が見ただけで女体化の被害者であると特定できないので売りつけることもできない。

「…ま、この薬が効くかは分からんがのぉ…とりあえず売らねば材料の元がとれん」
そう言って婆さんがビニル袋の中から、緑色の無線のようなものを取り出し、そのスイッチを入れる。



しばらくして…遠くのほうから、何かが飛んでくる。

「よんだのだ?お婆さん」スタッ


真っ赤な風船が運んできたものは…緑色の全身タイツに身をまとった小さなおじさん。

「夜中に呼んですまんの、チンちゃん」「いえいえ、お婆さんが御用とあればいつどこでも飛んで行くのだ」


彼は、ノミ沢と同種の『小さいおっさん』であり、ノミ沢の『三十歳まで童貞だったら魔法使いになれる』の上位種。
何歳だったかは忘れたが童貞で居続けると妖精になれるとか何とか…
…彼は何か妖精をはき違えているような気がしないでもないが…
206小さい話:2009/11/07(土) 22:37:47.59 ID:DvhPOMYE0
「最近何やらまっどなんたらとかいう者が男を女に変えとるじゃろ?その解毒剤について情報を流してほしいんじゃ」
「なるほど。そんなこと、妖精さんの僕にはお安い御用なのだ!…ただ一つ条件があるのだ」

チンさんが不敵な笑みを浮かべる。


「いつものアレ、用意してくれなのだ」「…そう来ると思ったわい、ホレ」

婆さんが取り出したものは……口に出すのも恥ずかしいタイトルの本であった。しかも三冊ほど。

「おぉ!これは完全初回生産限定の『(自主規制)』セットではないか!流石婆さんなのだ!これで文句はないのだ!じゃ、行ってくるのだ〜」
「あ、ちょっと待っとくれ」
風船を膨らまし飛び立とうとしたチンさんを婆さんが止める。

「…もぅ、何なのだ?」「あんまり多くの者には話さんどいてくれ。まわりすぎてまっどなんたらのところに回ってしもうたら私が危険じゃ」
それにあまりに回しすぎて在庫切れとかなったら薬を持つ者たちの奪い合いが起こりかねん。最近の若者は血気盛んじゃからのぉ…

「わかったのだ!…じゃあ『組織』とかのごく一部の人たちに、情報を回してくるのだ〜!くるりん〜〜ぱっ!」


「…さて、忙しくなるかのぉ…ヒッヒッヒッ…」
赤い風船の見送りを終えた婆さんは、怪しげな笑い声をあげながら夜の闇に消えていった……
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:37:48.02 ID:1acj7eOM0
寝る前支援
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:38:24.19 ID:8S9+RTTYO
しえんー
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:38:25.51 ID:ay9Cs3RLO
信じようと、信じまいと―
『彼』は夜の道を歩く
彼はロア、ロアは彼
彼はロアを語る語り部、ロアを伝える手紙
彼のロアは尽きる事が無く、また新たなロアが増えていく
そしてまた彼の元に一つのロアが――

彼が不意に立ち止まる
彼の目の前には少女がいた
一見すればただの可愛い少女――ただ、全裸で血まみれな事を除けば――が、彼の事を見詰めていた
暫く二人(今の彼は『一人二人』と数える)は見つめ合っていたが、少女が不意に動いた
少女は目にも止まらぬ早さで彼に飛び付き喉に噛み付く、そのまま喉の肉を噛み切った
血と肉が飛び出し散乱し、彼が血を流して倒れる――事は無かった
彼は血も声も出さず、その場に平然と立っている
そして彼は少女の頭に手を乗せ、呟いた
「信じようと、信じまいと―」
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:39:12.49 ID:DvhPOMYE0
とりあえず情報を本格的?に回してみた
多分組織がらみの一部の人物には情報は伝わったと思われます
そして一発キャラな妖精さん…もう二度と出ない気がする
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:39:18.47 ID:ay9Cs3RLO

「あ……う…あ?」
少女は話の内容を理解したのか、それとも彼が生きているからか、驚愕の顔で彼を見詰める
そして、少女の前に服――純白のワンピースが無造作に放られ地面に落ちた
少女が我に帰ると、彼は少女に背を向けて歩き出していた
少女は慣れない手つきで慌てて放られた服を着て、彼の元へ駆けていく
そしてぶらぶらと行き所なく揺れている彼の左手にしがみつき、幸せそうな顔をして彼の隣を歩いて行った

少女が彼に着いて行ったのは偶然だったのか、それとも彼の思惑だったのか
少女は何故大人しくなったのか、少女は何なのか
いずれも真実は解らないが、これだけは確かである
彼はとても優秀な相棒を、武器を手に入れた、ということが
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:40:01.46 ID:ay9Cs3RLO
「信じようと、信じまいと―

タイのとあるカルト教団が最強の獣を作る儀式を行った。
彼らは小さな部屋の中に犬、猫、鳥、虫といった肉を食べるありとあらゆる生物を閉じ込めたのである
一ヶ月後、喰らい合って静かになった部屋の扉を彼らが開けると、そこには血まみれの少女が一人立っていた。
その子は風のような早さで一人の頸動脈を噛み切った後、そのままどこかへ消えてしまったという。

信じようと、信じまいと―」
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:42:43.63 ID:8S9+RTTYO
支援
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:43:12.47 ID:ay9Cs3RLO
多分今日で最後になるであろう投下
これで彼は他の契約者に喧嘩売られても安心となっちゃいました

ちなみに文中で『彼』や『それ』=明確な姿になっていない語り部でやんす
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:44:43.30 ID:8S9+RTTYO
おつ!
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:45:35.35 ID:DvhPOMYE0
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:53:16.64 ID:dkb+7zExP
バイトちゃんの解毒ネタを書いて良いのだろうか・・・
というか、徐々に解毒すると確かにふ(自主規制 になりそうだよねぇ・・・・・・


妹「で、結局どうするんですか?」
主「もう二週間くらい経ってるよな」
俺「いやそりゃ解毒するさ。しないと『第三帝国』と接触できないし」
姫「問題は、一気に男に戻すか段階を作るか・・・」
ア「あとビデオだよね、メイド服姿の」
主「え、あれ回収したはずじゃ・・・姫さん?」
姫「アハハハハ、ナンノコトヤラ」


こんな感じで展開が決まりません
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:04:44.54 ID:8S9+RTTYO
>>217
ふた(ryになったとこでドクターにみつかあばばばば
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:14:03.53 ID:dkb+7zExP
>>218
顔はバレていないし普通に口説かれ(ry


避難所
>投下できないスレ送りになるようなネタでもそれはそれで

妹「だ、そうですが?」
俺「俺にエロネタ書くような妄想力があるわけないだろう」
姫「しかし殿!皆はふ『自主規制』ネタを期待しておられるのですぞ!」
主「落ち着け姫さん。とりあえず・・・段階を経る方ってことで決定か?」
俺「あー、うん。エロはあんまり考える気ないけどそういうことにしようか」


というわけで段階を経た解毒の方で展開考えることになりました。
バ「おぃいいいいいい!?」
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:20:02.49 ID:8S9+RTTYO
>>219
wwww姫さんwwww殿wwww
そしてバイトちゃん…………ご愁傷様ですm(__)m
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:32:43.42 ID:8S9+RTTYO
ねるほ
おやすみんさい
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:33:43.82 ID:dkb+7zExP
方針は決まった。だが・・・・・・


俺「可能な限りエロをなくしてなおかつ円滑に話を進めるには・・・
  ううむ、4コマか普通の文章か・・・・・・悩むなぁどっちがいいかなぁ」
主「そこからかよ」
俺「重要だろう?キャラの印象がかなり変わってくるし」


PCだから普通の文章でいくべきかなぁ・・・たまには
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:33:48.33 ID:ycUEOnLnO
本スレ寂し
224わが町のハンバーグ:2009/11/07(土) 23:37:22.04 ID:DvhPOMYE0
「さらに俺は巨大化を発動!これで青眼の究極龍の攻撃力は9000!電動刃虫を攻撃!」
「ちょ、それはひで…ぐあああぁぁぁ!」

「…ちょっと散歩に行ってくるでの」「流石にそれはひで…あ、あぁ了解」
「ふぅん。絶対的な力を持って制すのが俺の決闘だ!」「ほぅ…ならばコイツを解放する時が来たようだ…」ゴゴゴゴゴ…


数十分後……


「イレカエルの効果で貫ガエルを特殊召喚!デッキから特殊召喚されたことでスパルタクァの呪術師の効果!相手に500ダメージ!」
「ふぅん。そんな小さなダメージ、痛くもかゆくもないわ」「そいつはどうかね?さらにイレカエルの効果!貫ガエルをリリースし、未知ガエル!さらにリリース!裏ガエr(ry」

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁ!1ターンで全てのライフを削り取るなど…!」「…お前が力で決闘を制すというなら俺は頭で決闘を制す!」
「許さん…許さんぞ!もう一度決闘d「ピンポーン」…客か」



「お初にお目にかかるの、ハンさんの契約者さんや」

玄関を開けると、地面につくほど髪を伸ばし、大量のビニル袋のかかったベビーカーを引く婆さんがいた。
「…ハンさん?」「『ハン』バーグの爺『さん』じゃからハンさんじゃよ。老人都市伝説会の基本じゃぞ?」
はぁ、ととりあえず返事をしておく。爺さんの知り合いっぽいしどうやら悪い人じゃなさそうだな…
225わが町のハンバーグ:2009/11/07(土) 23:39:04.17 ID:DvhPOMYE0
「紹介が遅れたのぅ。私は『ロン毛ババア』という都市伝説じゃ。まぁロンさんとでも呼んでくれ」
「は、はぁ…あ、そういや…爺さんならあいにく散歩に出たまま戻ってないんだ」「…いや、その爺さんなんじゃが」
なんだか婆さんは言いにくそう、もとい笑いをこらえているようにみえる。


「実は…ハンさんがさっき道端でまっどなんたらにやられてのぉ…」「…え?マッドガッサーに?マジで!?」

マッドガッサーといえば、最近嫌でも耳にする野郎だ。
なんでも、今回の奴は男を女に変え、女をエロくするガスで学校町をハーレムにしようとか何とか。
コノヤロ、最こゲフンゲフン最悪の野郎じゃねぇか!

「…ということは、爺さんが婆さんになったってこと?」「それのほうがよかったじゃろうがなぁ…ククク…」
こらえていた笑いが漏れた。…婆さんになる以外に一体何が起こると…?

「ほれ、ハンさんや。契約者さんが心配しとるぞ。ちゃんと自分の体を見せてやらねば」
…あ、塀の裏から誰か出てきた。爺さん、一体どんな姿に…


「…なんじゃ、あまり見るでないわ」


なん…だと?
226わが町のハンバーグ:2009/11/07(土) 23:40:58.73 ID:DvhPOMYE0
…口調は明らかに爺さんなのだが、その姿がどうにも前からは想像しにくい…

…幼女になってる…


「…まさか、ガスが年齢まで変える代物だとは思わんかったわい」「全くじゃのぉ…ククク」
「どうした?早く決闘の続きを……ジ、ジジイ!?ジジイなのか!?貴様、何故そのような状況に!?」
あーもー、社長出てくんなよ面倒くさいことになりそうだからさ…


………


「なるほど…マッドガッサーの仕業、ということだな」「あぁ、そういうことじゃ」
「一応私の解毒剤も試したんだけどねぇ。どうも都市伝説相手には効かないようでねぇ…」
あ、解毒剤あるのな…何人か解毒剤なくてめちゃくちゃ困ってるって聞いたんだが…
「しかし問題は体ではない。能力まで弱体化させられてしもうた」
そう言って爺さんがハンバーグを作り出そうとすると…



……ミートボール出てきた…

「…とまぁ、こういう感じじゃ」「まぁ…その…ご愁傷様です」
「とりあえず都市伝説なら一週間もたてば効力は無くなるらしいからのぉ。しばらくはその格好で過ごすしかないのぉ…ククク」「お主まだ笑うか!」
ミートボールをぺち、ぺちとロンさんにあてる幼女爺さん…こういうのはロリジジイでいいんだろうか…?

「おのれ、まっどがっさぁの奴め!今度会った時はがすますくの下にハンバーグ入れ込んでやるから覚悟しておくがいいわぁ!」
家の前で高らかに叫ぶロリジジイであった。
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:42:40.46 ID:ycUEOnLnO
とうとう惨劇が起きたか
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 23:44:40.33 ID:DvhPOMYE0
というわけで爺さんがなぜかロリジジイ化…なぜこうなった
そして婆さんの薬はどうやら都市伝説には効かないようです
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 00:03:57.81 ID:kPIa7qzs0
ハンバーグ爺さんがミートボール幼女になったか。
爺言葉のロリっ子ねぇ……悪くは、ないか。

赤い靴のターゲットにはいるのか?
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 00:12:49.26 ID:vMsHVdbb0
538:名も亡き都市伝説契約者 :2009/11/08(日) 00:09:04
本スレ>>229
赤い靴「中身は爺…悩むな」
赤い靴契約者「悩むんじゃないわよ」
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 00:22:04.77 ID:YXFce9TgO
少女の身体にジジイの心、
どこぞの首吊り魔術師を連想させるな。
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 00:29:45.05 ID:usQKQng1O
ハンバーグ→ミートボール
となったら次はそぼろになるんだろうか
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 01:02:10.82 ID:YXFce9TgO
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 01:25:25.18 ID:gj3/rzjy0
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 01:46:34.62 ID:kPIa7qzs0
236鏡合わせのアクマ〜バイト青年の受難:そして悪夢へ〜:2009/11/08(日) 01:52:00.37 ID:2+yD49WqP
「―――と、そんなことがありまして。
 私は都市伝説と人間の両方の性質を持つようになったんです」
「・・・ドクターが聞いたら、『是非とも研究してみたい』って言いそうだ」
とあるアパートの一室で、美少女と少女が会話していた。
・・・別に「美」をつけなかった少女が可愛くないというわけではない、いやむしろ可愛い。
しかし「美」をつけたほうは格が違う。街で100人に聞けば98人は「美少女」だと断定するはずだ。
え、残りの2人?あー・・・そいつらは重度のロリコン、現代社会のはみ出し者よ。
まったく、こんな美少女を認めずババア扱いするようなロリコンはいっそ粛清されてしまえば・・・
「姫さん?どうしたんだブツブツ言って」 「えっ!あ、ううん。なんでもないの・・・」
ちょっと殺意が漏れただけだから・・・と、物騒な発言をする姫さんの隣に腰を降ろす。
「彼がこの家に来てから、けっこう経ったな。長いような、まだ短いような・・・」
そう呟いて、膝を抱えて座るバイトさん(美少女:元男)とその背中に手を当てる妹を眺める。
・・・バイトさんの着ているミニのスカートがかなり捲れ上がっているが、それは無視。
「うーん、けっこう毒は除いたはずなんですけどね・・・?」
バイトさんの背中から手を離した妹が、軽く首を傾けながら腕を組む。
「完全に毒がなくならないと、ダメなんじゃないか?」
「だとしたらですよ、兄さん。あと10日・・・いえ、一週間は確実にかかりますよ?」
「な!まだそんなに解毒にかかるのかっ!?」
バイトさんがバッと立ち上がる・・・と、いきなり顔をしかめて下腹部を押さえてうなりだした。
「え、あの大丈夫ですか!?」 「兄さん落ち着いて・・・どうしたんですか?」
「ん、いやなんかお腹が・・・?と、トイレ借りるぞ・・・・・・」
バタン、とトイレのドアが閉まった音で目を覚ましたらしく、ザクロが擦り寄ってきた。
「んんー・・・契約者様ぁ、今夜の散歩は西区まで・・・」
「あー、はいはい。西区を通るコースだな」
「・・・××、ひょっとして毎晩ザクロを散歩させてるの?」
「犬の散歩はこまめにやっておかないといけないって、ヒt・・・飼い主仲間に言われてな」
「しかも帰ってきたら予習復習と夕飯の支度・・・そのうえ最近はバイトさんがいて、大変だったでしょ?」
「まぁこういうのは・・・慣れてる。それにアクマと違って俺はTV見ているより勉強した方が落ち着くし」
「ちょっとー、それじゃあ僕がただのグータラみたいじゃん」
「違うのか?むしろ違うところのほうが挙げにくそうな気が・・・」 「ごめん僕もそう思う」
237鏡合わせのアクマ〜バイト青年の受難:そして悪夢へ〜:2009/11/08(日) 01:52:41.63 ID:2+yD49WqP
そんなやり取りをしていたら、妹につんつんっとつつかれた。
「兄さん。解毒のことで私、思うんですけど・・・・・・」
「なんだ?何か気になることでもあるのか」
「はい、やっぱり半端とはいえ毒が抜けたのだから・・・そろそろなにかしら影響が」
妹の声がバターン!という扉の音で遮られる。
音の方向に目を向けると、バイトさんが血相を変えて立っていた。
「ど、どうしたんですかその顔色!やっぱりなにか・・・」
「ハッ!まさかバイトさんにもついに生理が」
「姫さんは少し黙っていてくれ。それで、なにがあったんですか?」
後ろでいじけ始めた姫さんは放っておく。どうせすぐ回復するだろうし・・・
「そ、それが・・・・・・そのぉ、なんというかだな・・・ちょっとだけ、な」
「・・・何がちょっとだけなんですか?」
「えっと、そのなんというか・・・・・・・・・戻った」
「戻ったって何が・・・え、まさか」
「その、まさかだ・・・・・・しかも、不完全な状態でだッ!!」

その後、頭を抱えてうなるバイトさんを妹が再びトイレへ押し込んで・・・・・・その、確認した。
「ええ、もうバッチリ戻ってました。やっぱりそこが象徴的だから戻りやすかったのでしょうか?」
「なんというか、その・・・・・・あんまり落ち込まないでください」
「俺は・・・・・・・・・不幸だ不幸だ不幸だ不幸だ不幸だ不幸なんだぁああああああ!!!」
やばい、バイトさんが壊れてきた。そりゃあこの状況は精神的にかなりクるだろう。
「ふ『自主規制』の人なんてこれでもう機会がないかもしれないわ!
 と、いうことなのでバイトさん・・・・・・ちょっとでいいから、見せて欲しいのだけれど」
「ぜ〜〜〜〜〜〜〜ってぇえ断る!!!」
しかも姫さんから追い討ちかかってるし。
「まぁなんだ、早いところ男に戻すしかないだろうな・・・頼んだぞ、頑張れよ」
「当たり前じゃないですか、兄さん。全力を尽くしますとも」
「ううぅ・・・早く、早く男に戻りたいッ・・・・・・!!」
・・・・・・不運なバイト青年の受難はいつまで続くのであろうか。
それは誰にも分からないのだろう・・・・・・たとえ神と呼ばれるものであろうとも。        〜閉幕〜
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 01:53:52.73 ID:2+yD49WqP
・・・眠い目をこすりながら書いていたから色々変な部分はあるはず。
合わせ鏡の方にぃ土下座ー・・・


寝る。寝ないと持たない
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 02:20:44.84 ID:gj3/rzjy0
乙ですネー
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 03:05:43.82 ID:XBtHfnuR0
皆乙ほ
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 03:44:45.03 ID:gj3/rzjy0
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 05:54:01.93 ID:6WlFMraaO
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 07:43:32.40 ID:gj3/rzjy0
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 08:35:40.27 ID:nFlDYGeZO
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 09:30:29.01 ID:usQKQng1O
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 10:29:36.69 ID:1+VFhPtBO
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 11:40:29.80 ID:usQKQng1O
2481レスネタ:2009/11/08(日) 12:12:50.59 ID:YXFce9TgO
――コックリサンコックリサン、ドウゾオイデクダサイ。モシオイデニナラレマシタラ「ハイ」ヘオススミクダサイ。

やあやあやあ、こんにちはお坊ちゃんお嬢ちゃん。我輩に何かご用かね。
おや、お坊ちゃん、何故そんなに怯えているのかね。君達が喚んだのだろう?
嗚呼お嬢ちゃん、君の消しゴムはごみ箱の裏だよ。お嬢ちゃん、佐藤君も君のことが好きだよ。おっと、そこのお坊ちゃん、十円玉から手を離してはいけないよ。
嗚呼お坊ちゃん、タマゴロウは君の隣の家で寝ているよ。お嬢ちゃん、佐藤君の誕生日は十二月二日だよ。そこのお坊ちゃん、十円玉から手を離さないようにね。
嗚呼お坊ちゃん、残念だけれど、君の父親はオカマバーで働いているよ。お嬢ちゃん、佐藤君が好きな人は四人いるよ。そこのお坊ちゃん、何度も言うけれど、手を離してはいけないよ。
おや、もう帰れと言うのかい?我輩まだ君達とおしゃべりしたいのだがね。おや?どうしたのかね?そんなに怯えて。
嗚呼お嬢ちゃん、その神父さんは人外だから気をつけて。嗚呼お嬢ちゃん、残念、佐藤君は口裂け女に目をつけられたようだ。そこのお坊ちゃん、十円玉から手を離してはいけないよ。
どうしたのだい?そんな泣きそうな顔をして。さあさあさあ、我輩にもっと面白い話を聞かせておくれ。さあさあさあ、楽しいおしゃべりをしようじゃないか。
嗚呼お嬢ちゃん、君の父親が女になったよ。嗚呼お嬢ちゃん、佐藤君の口が裂けたよ。そこのお坊ちゃん、我輩、いなり寿司は食べないよ。
次の話は何だい?それともこのまま我輩が話し続ければいいのかい?さあさあさあさあさあさあさあさあさあさあ、
お坊ちゃん、君の母親は不倫しているよ、お嬢ちゃん、今家に帰るとコーラでラリってる兄に襲われるよ、お坊ちゃん、君の父親今日無職になったよ、お坊ちゃん、君のマンション幽霊がいるね、お嬢ちゃん、佐藤君はもう助からないよ、
嗚呼…………お坊ちゃん、手を、離してしまったね。
それじゃあ、残念だけれど。こっくりさんを途中でやめたらどうなるか、知らない訳じゃあないだろう?
それでは、お坊ちゃんお嬢ちゃん…………………………………………………………………さようなら。
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 13:46:03.38 ID:usQKQng1O
ぅ〜
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 14:35:14.80 ID:1+VFhPtBO
う〜う〜
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:43:13.27 ID:usQKQng1O
ぁ〜
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:47:36.89 ID:2GVU/3mwO
信じようと、信じまいと―

客のいないとあるバー
そのバーを詳しく知る者はいないが、バーのマスターがしてくれる話を聞いた者は、皆摩訶不思議な体験をするという
そして、今日もまた客が一人…

「――いらっしゃいませ」
男がバーに入ると、まず目に入るのは優しそうな顔のマスター
それとカウンターに座ってジュースを飲んでいる少女
「…あぁ、この子は私の娘なんですよ」
男が不思議に思ったのに感づいたのか、マスターがグラスを拭きながら言った
娘を夜遅く、それにバーなんかにいさせていいのかと疑問を持ったが、男はそれ以上は詮索せず「そうですか」とだけ言ってカウンター席に座った
注文する前に、男は酷く疲れた様子で溜息をついた
「どうかされましたか?とても疲れているようですが」
「…いえ、この頃仕事続きでしてね…それでも中々出世できず、疲れて家に帰っても妻に怒鳴られまして」
「それはそれは、大変でしょう」
「えぇ…おかげで居場所が無くて…強い物が生きて弱い物が食われる…正に弱肉強食の世の中ですよ」
男が俯くと、一席開けて座っていた少女が背中をポン、と叩きマスターは「サービスです」とグラスに注いだ酒を出した
「…ありがとうございます」
男がグラスに口を付ける、それと同時にマスターが口を開いた
「弱肉強食と言えば、面白い話があるんですよ」
「…信じようと、信じまいと―」
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:48:28.27 ID:2GVU/3mwO
マスターの不思議な話を聞き、男は小さく笑う
「…よくわからないけど、不思議な話ですね」
「よく言われますよ」
マスターも小さく「ふふっ」と笑う
少女だけ、無表情でジュースを飲んでいた
その後男は一杯だけ酒をおかわりし、店を出た
店を出る時に後ろからマスターに「夜道にはお気をつけください」と言われた
男がその言葉の真意を知るのは暫く後である

男が道路を歩いていると、ビルの間から何かの声が聞こえた
それは動物の唸り声のようであったが犬とは違う声で、気になった男はビルの間を覗いてみた
その瞬間、暗闇が、唸り声の主が襲い掛かって来た
「ひいぃ!!?」
男は情けない声を上げ尻餅をつく
襲い掛かって来た獣は闇に紛れて姿が見えず、ただ「殺られる」という恐怖だけを滲み出している
そして、獣が再び男に飛び掛かる
今度こそやられる、男は目をぎゅっと閉じた
しかしいつまでたっても痛みが無く、男はゆっくりと目を開けた
するとなんと、バーにいた少女が獣を押さえ込んでいるではないか
呆気に取られる男に、少女はただ一言「にげて」とだけ言った
その言葉で男は我に帰り、一目散に逃げ出した
やっとの思いで家にたどり着いた男が最初に思ったのは「夜は早く帰ろう」であった
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:50:07.29 ID:usQKQng1O
支援
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:50:09.69 ID:2GVU/3mwO

「信じようと、信じまいと―

『食物連鎖』という言葉を知っているだろうか。中学校の理科で学習する単語だが、
アメリカのある有名な大学のチームがこれについての研究を長年行っているらしい。
彼らによると現在消費者である我々人間を消費する者がいずれ必ず出現するとのこと。
生物の頂点に立つとも言える人間を消費する者とは一体なんだろうか。

信じようと、信じまいと―」
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 15:57:00.33 ID:2GVU/3mwO
ここで軽く設定

バーのマスター

学校町でロアを広める為、『彼』が営むバー
そこでの彼の姿がマスターである
姿は若い男で、優しそうな顔である
彼がつぐ酒には自分の秘密を話してしまう効果があるとかないとか

少女

世界最強の獣…かもしれない
彼に懐いており、彼のボディーガード(実の所する必要はないのだが)
彼女もまたロアから生まれた存在であるのかもしれない
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 16:08:26.65 ID:usQKQng1O
ロアの人乙です
少女強い
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 16:31:30.66 ID:usQKQng1O
食物連鎖で人類食物環論思い出した
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 16:57:17.18 ID:vbLgnwL/O
>>258 人類だけで食物連鎖のサイクルを完結させる考えだっけ。
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 17:01:08.97 ID:usQKQng1O
>>259
そうそれ

ゲームでちらっと出たの覚えてただけだけど
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 17:12:20.09 ID:vbLgnwL/O
パラサイトイヴ2だと思われ。
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 17:33:01.68 ID:usQKQng1O
>>261
そうそれ、そのゲーム好きなんだよ
プレステ本体ないから出来ないけどね



どうでもいいけどパラサイトイヴ2と映画のバイオハザードってすごい似てる
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 18:11:13.52 ID:2+yD49WqP
保守っとこう
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 18:37:47.27 ID:XBtHfnuR0
集中したかった時に限って忙しいとか^p^
夕飯終わったら本気出す・・
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 19:09:58.30 ID:VJFC5cLZO
どんまい
ほしゅ
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 19:40:43.72 ID:YXFce9TgO
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:25:52.69 ID:2+yD49WqP
268花子さんと契約した男の話(代理):2009/11/08(日) 20:30:09.22 ID:XBtHfnuR0
 たとえ、不確かで曖昧な情報であったとしても
 わずかな可能性であったとしても、それにすがりたいと思う事もあるのだ


「…それじゃ、さようなら、二人とも」
「あ、う、うん、さよなら」

 学校帰りの、分かれ道
 委員長と、もう一人クラスメイトの女子と、ここからは帰り道が違うから、そう声をかけた
 たまたま、同じ道で同じ時間帯に帰っていただけだったが、一応、これくらいは言ってもいいだろう

「…あ、あの」
「……うん?」

 …委員長に呼び止められて、立ち止まる
 どうしたのだろうか?
 首をかしげるが…委員長は、一瞬、途惑ったような表情をして

「あ、ご、ごめん…何でも、ないの」
「…そうか?」

 よくわからないが、それじゃあ、とそこで別れた
 委員長と一緒にいたもう一人が、何かこっちに言いたげな表情をしていたけど、気のせいだろう

 …そう言えば、彼女
 以前の、「首塚」とやらの宴会の時、姿を見たような…?
 …その時の姿は、どう見ても酔っ払い全開だったような気がしないでもなかったので、見なかった事にしたが
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:30:17.29 ID:usQKQng1O
270花子さんと契約した男の話(代理):2009/11/08(日) 20:33:19.96 ID:XBtHfnuR0
「……さて」

 まぁ、いいや
 帰路に着くと見せかけて…少し、道を外れる
 今日、先生から聞いたあの情報の真偽を、確かめる為に


 向かった先にいたのは…長い、長い髪をした、老婆
 ビニール袋をたくさん下げたベビーカー…間違いない、と思う

「…ロン毛婆さん、か?」
「おや?私に何か用かい?」

 間違いはなかったようだ
 …単に、ビニール袋をたくさん下げたベビーカーを押しているだけの不思議と髪の長い一般人の老婆だったらどうしようかと思った
 正解なら、それでいい

「マッドガッサーの毒ガスで女になった奴を元に戻せる薬を持っている、と聞いた」
「おや…早速、お客さんが来てくれたねぇ」

 ヒッヒッヒ、と少し不気味に笑う老婆
 ごそごそと、下げていたビニール袋から…緑色の液体が入った小瓶を、取りだした

「これがそうだよ」
「何か、すすれよ…とか言いそうな勢いの色をしているんだが」

 飲めるのか?
 それ飲んで大丈夫なのか?
 自分が飲む訳じゃないが、ちょっと心配になってきたぞっ!?
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:36:12.21 ID:2+yD49WqP
支援
272花子さんと契約した男の話(代理):2009/11/08(日) 20:36:32.56 ID:XBtHfnuR0
「なぁに、良薬口に苦し、と言うじゃろ?」
「苦いのか。しかも苦いのか……まぁ、いいや。いくら払えばいいんだ?」
「そうだねぇ…………それにしても、坊やはまっどがっさぁとやらの被害を受けたようには、見えないけど…知り合いでも被害にあったのかい?」

 財布を鞄から取り出していたら、そう尋ねられた
 …隠す必要もないか

「知り合いが被害に」
「そうかい、そりゃ災難だったねぇ…ヒッヒッヒ。念のため聞いておくけど、その知り合いは都市伝説かい?」
「いや、人間だ」

 …まぁ、その
 ある意味、都市伝説的貴重な存在かもしれないけどな
 今時、珍しいくらいの昔かたぎの極道な部分があるから

「それならいいんだよ。この薬、何故か都市伝説には効果がなくてねぇ…」
「…そうか」

 …なら、先生の弟さんのバイト先の人とやらには、聞かないか
 そこでも、被害者が出たと聞いていたが…
 この老婆の存在と、解毒剤を持っているという情報は、先生の弟さん経由できた情報だ
 今度、お礼を言っておかないと……あの人、ちょっと苦手だが

「…これで、足りるか?」
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:39:43.06 ID:usQKQng1O
代理支援
274花子さんと契約した男の話(代理):2009/11/08(日) 20:40:02.89 ID:XBtHfnuR0
「これだけ払ってもらえば十分じゃ……と、言うか、今時の高校生が、よくこれだけ持っているのぅ」
「別に、他に使う目的もないし」

 趣味の出費と言うと、本を少し買う程度だから、毎年のお年玉やら毎月の小遣いやらは大体貯金している
 だから、俺でもこれだけの額をどうにか用意できた
 …まぁ、普通の高校生の財布に入っている金額ではないのかもしれない
 普通の高校生でいたいと思うが…多分、都市伝説と契約している、と言う点を覗いたとしても、きっと俺は普通の高校生とは、どこか違うのだ

「確かに、受け取った。ありがとう」
「いえいえ、毎度あり」

 …とにかく、薬は手に入った
 ロン毛婆さんと別れた俺は、すぐに携帯を取り出す

「………あぁ、御手洗さん?…その、今の御手洗さんの状態、何とかできるかもしれない……………わかった、たまに親父とかが使ってる場所な?すぐに行くよ」

 …さて、御手洗さんを元に戻してやらなければ
 緑色の液体の入った小瓶を鞄の中に放り込むと、俺は指定された場所に向かうべく急ぐのだった





終わる
275花子さんと契約した男の話(代理):2009/11/08(日) 20:43:09.65 ID:XBtHfnuR0
花子さん契約者にロン毛ババアの解毒剤をゲットさせたみた
…多分、こいつなら購入できる。金額吹っかけられても

***

代理投下でした。なんかその薬は苦いどころじゃない様な気がする件ww
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:46:41.10 ID:usQKQng1O
風呂前支援
277永久の力(代理):2009/11/08(日) 20:54:35.50 ID:XBtHfnuR0
俺は定時より少し遅く上がり、自宅へと向かっていた、筈だった。
だが、只ならぬ視線を複数感じたため、少し回り道をしてここ、西区の廃工場に来ていた。
「…誰だ?」
俺がそう言って振り向くと、そこには5人のガタイのいい男達がボディビルのポーズをとっていた。
「「「「「………」」」」」
クルッ「…だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ」ボソッ
そう言ってもう一度振り向く。男達はポーズこそ取っていたものの、俺との距離を詰めてきている。
…どうやら次のターゲットは俺で間違いないみたいだ。
クルッ「だるまさんがころんだ!」ターン
言い終わると同時に空砲をぶっ放す。勿論威嚇射撃だ。そして俺は
「お前らに聞きたい。何故今回のターゲットが俺なのかを。そして今までの連続男性暴行事件の犯人もお前らなのかを。」
そう言い放つと、5人の筋肉ダルマのうちの1人が口を開く。
「ノゥノゥノゥ!ワたシたち、ただ溜まったモノ、出してるだけ!やましい気持ちなんて全くNothing!」
…うん、何だろう。ここまで清々しい程に変態だとは思わなかったぜ。
「あのなぁ…この国ではそういう事すると…」
俺の話を遮って別の筋肉ダルマが喋ってきた。
「それに貴方、筋肉の素薔薇しさを全然理解をしていない!」「「「「Oh,yes!!!」」」」
理解する気もないし、したくもない。ましてやお前ら、同調するな。
「…まあいい、現時刻を以ってお前らを公然わいせつの現行犯と強姦(?)の容疑で逮捕する。」
「"兄気"の守護がある限り、我々を打ち破れないと知れ!」「「「「Hey,come on!!!」」」」
電気と筋肉の熱き(?)争いが今始まる!
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 20:57:30.45 ID:YXFce9TgO
支援
279永久の力(代理):2009/11/08(日) 20:57:38.69 ID:XBtHfnuR0
俺は今、とんでもない化け物と戦っているのかもしれない。今使っている拳銃の射程距離もあるかもしれないが、"超電磁砲"がまるで当たらない。
5人もいるせいで狙いが付けられない!クソッ!こうなったら…
俺は神経を集中させる。近づいてきた奴に容赦なくぶっ放す。そして―

ターン!

―正面からぶつかり合う電撃を纏った銃弾とピンク色のオーラ。やがて電撃は、ピンク色の気流に飲まれ、遂にはそのスピードを失ってしまう。
「…ホントに何なんだよ、コイツはっ!」
"超電磁砲"でダメージを与える前に"兄気"とか言う変な力で相殺されてしまう。しかも、さっきも言ったが拳銃の射程距離から離れてしまうと銃弾が溶けてなくなってしまう。
弾薬の数には限りがある。いつもなら2〜30発くらいは持ち合せているが、今日に限って5〜6発しか持ってきてないとは…
拳銃の無断持ち出しについて、最近目をつけられてるからせめて弾薬ぐらいは持っていくのを自重しようと持っていかなかったのが裏目に出たぜ…
「チッ!このままじゃジリ貧だ…」
「何も恐れる事はない…マ神様はあらゆるガチムチの神です…あなたにもその素薔薇しさを教えて差し上げましょう」
「それは…謹んでご遠慮させて頂くぜっ!!!」ターン!バシュゥーン!
俺は"第二種永久機関"で回収し、溜まりに溜まったエネルギーを全て"超電磁砲"につぎ込んだ。そして―

ターン!バシュゥゥゥン!
280永久の力(代理):2009/11/08(日) 20:58:19.13 ID:XBtHfnuR0
「…ったく、いい所でなんで消えちまうんだよ」
あの夜、俺は筋肉ダルマーズに向けてフルチャージ版"超電磁砲"を撃ちこんだ。しかし、筋肉ダルマーズはいつの間にかその姿を消していた。
閃光が消えたころには既に姿はなかった。倒したと思っていたが、どうやら逃げられたようだ。
「…今度会ったら絶対にとっ捕まえてやる。覚悟してろよ?」
そう言って俺は自分のデスクで煙草を吹かすのだった…
後日、上層部に呼び出されきついお叱りを受けただけでなく、始末書を書かされる羽目になるが今は関係ない事である。
281永久の力(代理):2009/11/08(日) 20:59:54.06 ID:XBtHfnuR0
とりあえず筋肉部隊とのバトル編、代理スレに投下終了しました。
俺の文才じゃあこの程度が限界なん…だ……ぜ………

***

代理投下でした。
アニキーズ意外と茶目っ気たっぷりwww
282とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 21:00:41.88 ID:XBtHfnuR0
 ーーーーー頭が痛い
 全く、何度も注意していると言うのに、彼と来たら…

「ま、今回の事については、うっかりとこっちの問題でもあったんで。あんまり虐めないでやれや」

 窓枠に腰掛、その黒服が笑う
 しゅるり、髪を伸ばすその不気味な様子に慣れてしまった自分が嫌だ

「「組織」は都市伝説の存在を隠匿する存在でしょう?何故、あんな存在が野放しになっているので?訴えますよ?勝ちますよ?」
「あれは色んな意味で例外だ。上層部ですらコントロールできない最強変態だぞ。ぶっちゃけ俺はあいつに関わりたくない」
「変態、というのなら、あなたも同じでは」
「人類皆平等に変態だ。その考えでいけば、あいつは色々と突き抜けてる、色んな意味で」

 肩をすくめる黒服
 つまりは、どうにもならないと言う事か
 …ますます、頭が痛い

「ま、そんな顔するなや。そいつも無事だったんだし、いいだろ?」
「…常に、無事ですむとは限りません」
「なぁに、意外と何とかなるもんさ」

 …勝手な事を
 苦々しい表情で睨みつけてやれば、黒服は笑う

283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:03:28.57 ID:2+yD49WqP
支援
284とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 21:04:12.27 ID:XBtHfnuR0
「そいつは、都市伝説契約者なんだ。俺達の側に、一歩足を踏み入れた存在だ…お前さんがコントロールできる範囲から、とっくにでちまってるよ」

 あぁ、知っている
 わかっている
 でも、それでも



 私は、身内から都市伝説の被害者を、出したくはないのだ



fin
285とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 21:07:57.44 ID:XBtHfnuR0
今回の永久機関の人のネタで、永久機関契約者が始末書書かされてる辺りの上司の様子

なんかさ…夜とか、建物の高い位置の窓枠に腰掛けてる、とかカッコイイよなと厨2病思考

***

引き続き代理投下でした。わかる、わかるぞそのイメージ・・!
286はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:11:07.29 ID:XBtHfnuR0
この感じ・・・何時ぞやのマッドガッサーとマリ・ヴェリテのベート?の気配
また、この近くに居るんだ・・・
少女「・・・・・・」
服を着替えて黒服の部屋から、目的の物を取る
少女「ちょっと、出かけてくるー」
チャラ女「こんな時間に?」
少女「30分もかからないわ」
家を出て、気配のする方へする方へ走っていく
その先で、あの幼女とマッドガッサーを見つけた

少女「みぃつけた」
マッド「あ、何時ぞやの・・・」
マリ「逃がした奴―」
二人が警戒した様に身構える
マッド「何の用だ?」
少女「簡単に言うと仕返し?」
マリ「この前一瞬でやられたのに凝りねぇ奴だな・・・」
幼女の姿が狼男に変わる
マッドガッサーがガスをこっちに吹き付ける
少女「無駄よ、征露丸飲んでるから貴方のガスは効かない・・・」
マッド「げ・・・対策済みかよ」
少女「当然でしょう、それにね、今回の私の目的は貴方じゃなくてそっちの犬だから」
マリ「何?」
そう、あの時の仕返し
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:11:37.64 ID:YXFce9TgO
しえ
288はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:14:17.35 ID:XBtHfnuR0
少女「という訳で
そこの犬人間
もとい人間犬
もとい犬面人
もとい犬ふへん者
あの時の借りを返すから、思う存分享受なさい
・・・あ、ひょっとして犬語じゃないと駄目かしらね?
ワンワンワーン!」
おちょくる様に言ってやる
マリ・ヴァリテがキレたのが判る
その言葉を聞いた瞬間、獣は私に飛びかかり、その爪を振り下ろしてきた
しかし、その一撃は私の纏う服によって防がれる

マリ「!?」
少女「流石はLOLIQLOの炭素複合材入り・・・チャラ男も良い物をくれたわ」
マッド「嘘ぉ!?」
あのマリの爪を食らって、傷一つ付かないとかどんな子供服!?
マッドガッサーの突っ込みも他所に私は次の動作に移っていた
眼前に迫っている、マリ・ヴェリテの顔面
幾ら服が丈夫でも、自分の力で都市伝説の力に叶うはずは無い
少女「貴方と、力比べする気は無いのよね!!」
ポケットに入れていた右腕を引き抜き、マリに大量の小銭を投げつける
目に当たったのか、一瞬ひるむマリ
その一瞬の隙に、私の蹴りが、マリの股間に決まった
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:15:56.50 ID:YXFce9TgO
しえん
290はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:17:27.56 ID:XBtHfnuR0
マリ「がっ・・・!!!」
少女「犬だろうが都市伝説だろうが、そこは効くでしょ?」
マッド「ッ!!」
少女「何でアンタが痛がってるのよ」
マッド「テメェ!何えげつない事してやがる!?マリのが使い物にならなくなったらどうする気だ?!!?」
少女「そん時はアンタが女にでもしてやれば良いじゃない、私、貴方達に手加減する気ないから」
ガスの所為とは言え黒服を襲った事、チャラ男が女になった事、私を汚そうとした事、両親の事を思い出させてくれた事・・・それら全部込みで
少女「楽に消滅できると思うな」

股間を押さえて蹲るマリから一旦距離をとる
マリ「て、テメェ・・・」
少女「クスクスクス・・・・・・さっさと立ちなさい、まだまだ反撃はこれからよ」
マリ「ざっけんなぁ!!」
再び立ち上がり少女目掛けて駆けるマリ
次はさっきの様には行かない
服がダメなら肌を直接狙う
少女「買って うれしいはないちもんめ」
歌を紡ぐ
その歌と同時にマリの爪が私の目前に迫り
マッドガッサーの胸に突き刺さった
マッド「あ・・・?」
マリ「・・・な!?」
二人の顔が驚愕に染まる
理解してるのは私だけ
291はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:20:31.22 ID:XBtHfnuR0
少女「私の都市伝説は『はないちもんめ』、能力は操作・・・理解できたかしら?」
相手から仲間を奪い操る力
チャラ男に言わせるならえげつない能力・・・それには私も同感だ
だけど、えげつないが故に、コイツらみたいな仲間意識が強い連中には発動さえすれば圧倒的な優位性を持つ!
マリ「・・・テメェ」
少女「好きなだけ攻撃なさい、但し受けるのは私じゃなくマッドガッサーだけどね」
マッド「っく・・・」
胸から血を流しながらマッドガッサーは呻く
さて、どうする?
貴方はどうするの?
マリ「・・・ッ」
手を出したいのに、出せない
そんな感じか・・・
なら、今のうちに攻めさせてもら カランッ 携帯・・・?
??「マリ!!」
誰かが、マリを呼ぶ声
それにあわせて、マリ・ヴェリテがマッドガッサーを押し倒し、私から離れる
新手・・・『爆発する携帯電話』!?
次の瞬間、携帯が爆発した
292はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:23:43.71 ID:XBtHfnuR0
少女「くっ・・・がっ!?」
爆風の中からマリ・ヴェリテが私の身体を掴んで、塀に叩きつける
マリ「テメェ、よくもやってくれたな・・・・・・」
怒ってる、本格的に怒ってる
仲間を傷つけられて怒ってる
マリ「さっきの言葉そのまま返してやる・・・楽に死ねると思うなよ」
ミシッと骨が軋む音がする・・・
マッドガッサーはもう回収されたらしい
今の私は丸腰だ
少女「クッククククク・・・」
マリ「何がおかしい?」
少女「これで、私を追い詰めたつもりかしら?」
マリ「何?」
この程度でどうにかなる様な雑魚なら、私は今まで生き残れなかった
少女「切り札は最後まで取っておく物だって言ったのよ、足元を見てみなさい」
マリ「足元?」
狼男の足元には・・・マンホール
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:25:49.23 ID:2+yD49WqP
支援
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:25:58.18 ID:YXFce9TgO
支援
295はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:26:51.70 ID:XBtHfnuR0
少女「買ってうれしいはないちもんめ!!」
歌と共に、マンホールの蓋が弾き飛ばされ
マリ「!?」
中から、白い鰐がマリ・ヴェリテの下半身に噛み付く!
その勢いで、マリ・ヴェリテは私を放し、左足を食いちぎられた
マリ「がっ・・・テメェ、多重契約者かよ!?」
少女「半分正解、半分外れ・・・この子は数ヶ月前に私を襲った契約者から奪った・・・私の能力でね」
片足を失い、蹲るマリ・ヴェリテと対峙する巨大な鰐
少女「契約者を失った後、野生化してたのがたまたまこの近くに居たからね・・・利用させてもらったわ」
マリ「チッ・・・」
少女「じゃあ、さよなら」
鰐が、マリ・ヴェリテに詰め寄り巨大な口を開く
そして、その口に
大量の蠅が飛びこんだ
296はないちもんめ(代理):2009/11/08(日) 21:30:07.29 ID:XBtHfnuR0
少女「スパニッシュ・フライ?!」
まだ仲間がいたの!?
蠅が私の、鰐の視界を奪い・・・気付いた時にはマリ・ヴェリテは既にその場に居なかった
少女「逃がした・・・?」
あそこまで追い詰めておきながら・・・
少女「・・・戻れ」
まぁ、マッドガッサーの支配権を奪っただけ良しとしよう
鰐を再び下水道に戻し、私が家へと向かった


***

以上代理投下でした。はないちもんめ強え・・そして白鰐だと・・?

ちょっと休憩 人規制されすぎだろ・・
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 21:57:40.88 ID:F7+cv5zf0
 我、魔女として生まれし身なり
 生まれながらにして呪われた存在である
 魔女とは、人の業を背負いし身であり、人の憎悪を一身に受ける存在である

 かつては、人の為に身を粉にして助け続けた魔女も在り
 しかし、人はそれを忘れ魔女を悪へと堕とししめ
 神の名の元に魔女を虐殺し、魔女ならざる者までをも殺したり

 故に、魔女は悪となりき
 人々が噂したが為に、魔女は人の敵となりや
 我が身が生まれたその時は、既に魔女は人の敵なりて、味方になった試しなし
 人々の噂通りに、人を苦しめし存在として生き続け


 しかし、時に思うのだ
 もし、魔女への認識が捻じ曲げられなければ
 自分は人間に愛されし魔女になったのではないかと
 もっと、もっと、もっと早く生まれていれば
 後悔すれど、何も変わらず
 己の存在は今のまま
 ただただ、人を苦しめ、混沌を振りまく悪しき存在でしかない自分が、嫌で嫌で…





 ………………………
 …っぷ
 っぷっくっくっくっくっくっくっくっく………!!
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 22:01:50.87 ID:YXFce9TgO
しえしえ
 ひ〜〜〜〜〜っひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!
 私が、そんな事言うとでも思ったかい?
 そんな事を気にしているとでも思ったかい?

 ざぁああああんっねん!!
 魔女はぁ、そぉんな事、まぁったく気にしませぇん!!
 ひ〜〜〜っひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!

 私は、今の私の在り方を気に入っている
 だぁって、面白いじゃないのさ
 私のしたことで、人々が混乱する、パニックに陥る
 あの間抜け面と来たら、もうおかしくっておかしくって!!
 見ていて楽しいったらありゃしない
 ヨーロッパにいた頃は、そりゃもうたっぷりと暴れまくったもんさ!
 たがかギックリ腰されどギックリ腰
 タイミングによっちゃあ、とぉっても愉快な事が起きるんだよぉ?ひっひっひっひ!!

 でも、暴れすぎは駄目だねぇ
 さっすがに、善良面した奴らに目をつけられた
 だから、私は逃げたのさ、この島国まで!
 お陰でピッチピチの若い姿になれたんだ、なんとも愉快愉快!
 長く生きてきたけど、こんな姿になれたのは初めてだよ!
 何せ、人間共の噂のせいで、生まれた瞬間からババアだったからねぇ?ひっひっひっひ!!

 お陰で、主も見付かった
 若くて強くて努力家で、そりゃもう素敵な主様さ
 怒れば怖いが、私にとって最高の、この世でたった一人の主様だよ
 必死に努力し続ける姿に、私はもうメロメロさね
 その努力が報われるよう、私も助力しないとねぇ?
 ひ〜〜〜〜〜っひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!
 私が、そんな事言うとでも思ったかい?
 そんな事を気にしているとでも思ったかい?

 ざぁああああんっねん!!
 魔女はぁ、そぉんな事、まぁったく気にしませぇん!!
 ひ〜〜〜っひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!

 私は、今の私の在り方を気に入っている
 だぁって、面白いじゃないのさ
 私のしたことで、人々が混乱する、パニックに陥る
 あの間抜け面と来たら、もうおかしくっておかしくって!!
 見ていて楽しいったらありゃしない
 ヨーロッパにいた頃は、そりゃもうたっぷりと暴れまくったもんさ!
 たがかギックリ腰されどギックリ腰
 タイミングによっちゃあ、とぉっても愉快な事が起きるんだよぉ?ひっひっひっひ!!

 でも、暴れすぎは駄目だねぇ
 さっすがに、善良面した奴らに目をつけられた
 だから、私は逃げたのさ、この島国まで!
 お陰でピッチピチの若い姿になれたんだ、なんとも愉快愉快!
 長く生きてきたけど、こんな姿になれたのは初めてだよ!
 何せ、人間共の噂のせいで、生まれた瞬間からババアだったからねぇ?ひっひっひっひ!!

 お陰で、主も見付かった
 若くて強くて努力家で、そりゃもう素敵な主様さ
 怒れば怖いが、私にとって最高の、この世でたった一人の主様だよ
 必死に努力し続ける姿に、私はもうメロメロさね
 その努力が報われるよう、私も助力しないとねぇ?
 努力ってのは、報われないといけない、そう思うでしょぉ?
 だから、私がやっているのはいい事なんだよ
 折角、主と契約して魔女としての能力がさらに身についたんだ、昔の善良な魔女のように、人間の為に動いたっていいでしょぉ?
 主の為ならば、何だってしてみせようじゃないか
 ちゃぁあんと、主の為に、主の標的が女の姿になったのを戻させない為に、「ユニコーンの角の粉末」を掠め取ってやったしねぇ!

 あぁ、もう、愉快愉快
 主は、その標的を堕としてやろうと、色々と計画を練っている
 私の力が必要になったならば、是非とも協力してやらないと
 それで、主の標的がどうなろうと…それは、私の知った事じゃないねぇ?ひっひっひっひっひ!!


 あぁ、本当、感謝しているよ
 主にも、マッドガッサー達にも
 主のお陰で、私はより、魔女と言う存在になれた
 マッドガッサー達のお陰で、主は目標を達成する為の方法を手に入れた

 そして
 この時間を、手に入れる事ができた
 何だかんだで、主もマッドガッサー達といる時間が楽しいようだ
 それは、私も同じ事
 なんて言うのかねぇ?家族、って奴?
 それに近い感じも、ちょぉっとだけするのよ、これが
 不思議と居心地がいい感覚
 失いたくない時間ってのは、こう言うものなのかねぇ?
 あぁ、そうさ
 きっと私も主も、今の時間が心地いいのさ
 祭は、準備している間が楽しいってのに似てるのかねぇ?
 目標を達する為に一緒にいたはずなのに、何時の間にか仲間として、一緒にいると本当に居心地が良くなった
 今の仲間を失いたくない
 今の仲間を失ったら…きっと、私たちはもう二度と、そんな存在を手に入れる事はできないのだと思う

 失う事を恐怖したって、少なくとも人間はいつか死ぬ
 恐怖したってどうしようもないとわかっている

 私達はこう言う存在だ
 いつかは、討伐されるかもしれない

 でもねぇ?………そう簡単にゃあ、やられてあげないよぉ?ひっひっひっひっひ
 だぁって、みんな一緒が楽しいんだもの
 あんたたちに、それを奪わせてたまるもんですかい
 死なないし、死なせない
 奪わせなどしやしない


 さぁさ、主
 一緒に頑張りましょうねぇ?
 主の目標を達する為に
 仲間と共にあり続ける、為に




fin
魔女の一撃視点にて一発
むむぅ、魔女の一撃の口調が相変わらず安定しねぇ

***

同じくロリババアの口調に翻弄された一人だよ!
というわけで代理投下再開。見事にさるってますたorz
3分おきじゃまだ短いのか・・でもあんまり長く取ると投下時間が長引くんだよな・・
305女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 22:19:03.51 ID:XBtHfnuR0
「「「いただきます」」」
「えっと……いただきます」

 こっちは今、朝ごはんをご馳走になっている。
 女の子からの忠告(という名の脅し)や自分のアホさ加減に軽く涙目になっていると、中心となってご飯の用意をしていたチャラい感じの女の人(この人もなんか見たことあるような気がする)から
「飯、一応用意したけど………食えるか?」と声をかけられ、ありがたくいただくことになったのだ。
 食卓に座ったまま右を向く。そこにはチャラい感じの女の人。
 雰囲気に覚えがあるし、絶対にどっかで見たことあると思うんだけど………おかしいなあ。
 左を向く。そこには、不機嫌そうな女の子。
 黒服さんとのセットで思い出したんだけれど、将門様の宴会で見かけたあの子だ。
 正面を向く。そこには、命の恩人の黒服さん。
 ちら、と目が合った瞬間さっきのことを思い出し、顔が一気に熱くなる。
 というか、この人はなんで平然としてるんだろう。まあ、それで助かってもいるんだけど………これが大人の余裕というやつか。
 そんなことを思ったと同時、突き刺さる敵意―――というかむしろ殺気―――を感じた。熱かった顔が冷める。怖い。
 ギギギ、と音がしそうなくらいぎこちない動きでまた左を向くとそこには、可愛らしい小さな身体に憤怒の仁王を背負ったかのような迫力をみなぎらせてこちらを睨んでくる女の子が。
 文字通り必死にぶんぶんぶんと首を振り、決して他意はないことを伝える。
 …………なんだか、最近出会った女の子には確実に脅されている気がする。姫さんしかり、××さんの妹ちゃんしかり。
 なんだなにがいけないんだ、と軽く涙ぐみながら考えこんでいると、

「―――ところでお前、一体どんな怪我してたんだ? 黒服の薬でもすぐには治らないって」

 そう訊いてきたのはチャラ女さん(便宜上そう呼ばせてもらうことにした)。
 気持ちはわかる。いきなり知らないやつが死にかけで押しかけたら、誰でもそういうことを訊きたくなる―――というか、訊くのが普通だろう。
 それにしても怪我、かあ。
 憶えてる限りでは、確か…………。

「えっと………全身を刃物で滅多刺しにされて、脇腹は肉が抉れてて……あとはあばら骨が八本だか九本と内臓がスプラッタ、左腕がスクラップになってたくらい、かな?」
「………私が見た限りでは、それに加えて全身に大火傷を負っていました」
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 22:19:23.51 ID:VJFC5cLZO
乙でした!
規制ひどいな〜
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 22:22:00.33 ID:YXFce9TgO
しえ
308女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 22:22:10.98 ID:XBtHfnuR0
 付け加えてくれたのは黒服さん。
 それを聞いて思う。

 顔をしかめ、そう呟く女の子。
 ……本当にその通りだと思う。相手の能力を取り込むとか、どこの魔人○ウかと言ってやりたい。それかアー○ードの旦那。
 まあそれは置いといて、お願いしたいことだけは確実に伝えておく。

「……あいつは"いずれまとめて相手してやる"って言ってたので、それまでは大丈夫だと思います。………"いずれ"がいつになるかはよくわからないですけど。とりあえず、仲間の人にそれを伝えておいてくれますか?」
「ああ、わかった。伝えとく」
「はい、わかりました………ですが、あなたはもしその時がきたら、どうするおつもりですか?」

 黒服さんが、そう訊いてきた。
 その表情からは、この黒服さんがこっちのことを心配してくれているのがわかる。
 ………この人は本当に優しい人なんだな、と思った。
 全身傷だらけのこっちの姿は、厄介の種にしか見えなかったはずだ。それなのにわざわざ治療をして、こうして心配してくれる。
 ―――こんな人に出会うことができたというその一点においては、あの男に少しは感謝すべきなのかもしれない。絶対にしないけど。
 ふとそんなことを考えたあと、黒服さんの問いに答えた。
 そのことへの答えは、昨日すでに出してある。

「それ、なんですけど。こっち一人ではやつには敵いませんでした。同居人たちといっしょでも、結果はそう変わらないと思います。………それでも、あいつを野放しにはできません。だから―――」

 ―――いっしょに戦ってください、と。
 頭を下げ、心の底から頼み込む。

「…………それは、相手が妹さんの仇、だから?」

 女の子が訊いてきた。
 一つ頷いて素直にそれもある、と認め、

「でも、それはいいんです。確かに妹のことはその通りで、あいつが憎くて憎くてたまりません―――できることならこの手で五体バラバラに引き裂いて、生きたまま食ってやりたいくらい。……でも、それはそれなんです」
309女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 22:25:27.01 ID:XBtHfnuR0
 これは、自分の思っている通りのことを、そのまま出しているだけ。
 自分でもよくわからないし、支離滅裂気味で―――それでも、こうするのが一番伝わりやすいと思った。

「こっちがこの街に来て、まだ二ヶ月も経ってないですけど……それでも、いろんな人と会いました。友達になってくれた人もいます。
あなたたちは命の恩人です。みんなみんな、こっち自身にとっては大切な人たちです。…………そしてあいつはその人たちを、文字通り食い物にしようとしている―――だから、戦います。戦って、殺します。…………もう、好きな人たちに死なれるのは、嫌だから」

 そのために協力してください、と言葉を繋ぎ、こっちのお願いは終わった。
 ………自分で言っていて、情けなくて涙が出そうだ。
 護りたいものがあるのなら、自分の力で護り通すべきなんだ、本当は。
 それができないから、こうして命の恩人にすら恥知らずにもすがることになる―――本当に、情けない。
 ……その時、下げ続けていた頭にぽん、と手を置かれたのを感じた。

「―――そんなに、思い詰めるなよ?」

 そう声をかけてくれたのは、チャラ女さん。

「そもそも協力するも何も、これは俺達の問題でもあるわけだしな?」
「………?」

 ……どゆこと?
 首を傾げると、何で気づいてないんだよ、とチャラ女さんは苦笑して、

「だってそいつ、この街の都市伝説を全部食っちまうつもりだったんだろ? だったら遅かれ早かれ、俺達も標的になってたってことだ」
「…………あ」
「だから、その危険を事前に都合のいい形に変えてその上報せてくれたお前に、"協力してくれ"なんてわざわざ頼まれる筋合いはないぜ?」

 むしろ感謝したいくらいだ、とそう言って微笑むチャラ女さん。
 ………そういえば、そうなのか? 確かに冷静に考えてみるとそういうことで、巻き込むもなにもないことな、ような、気も………?
310女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 22:28:45.50 ID:XBtHfnuR0
「……思い詰めてるとな、気付けるはずのもんにも気付けなくなるもんだ。そう一人で背負い込むもんじゃないぞ?」

 まだ子供なんだからな、とチャラ女さん。
 なぜか、目頭がぐっと熱くなる。

(……………自分では、全然大丈夫なつもり、だったんだけどなあ……)

 あの男と再会して、なんとなくわかっていたことだけどボコボコにされて、死にかけて。
 どうも自分でも気づかない内に、相当まいっていたようだ。
 かけられた優しい言葉は、ゆっくりと傷んだ心に染み込んでいって―――。

「あ、あれ? お、かしいな。ひっく、なんで、こっち、泣いて……?」

 ―――こっちがしゃくりあげて泣き始めるまで、そう時間はかからなかった。


 ………たっぷりと泣いて、朝ごはん食べて、一応気持ちは落ち着いたの、だが。

(…初対面に近い人のまえで泣くなんて、恥ずかしすぎる……!)

 今、とても、恥ずかしい。
 なにが恥ずかしいって、さっき泣いてからなんかチャラ女さんと女の子の視線が優しくなったことが特に。
 年上なチャラ女さんはともかくとしても、こんな小さな女の子に慈しむような視線をもらうのはどうなんだろう、かりにも一人の男として。
 ………余談だが、こっちが実は男だということは隠させてもらっている。いろいろと不都合がっていうか精神安定上の問題で。

「………あの」
「ん、なんだ?」

 てきぱきと家事に励むチャラ女さんに話しかける。
 ちなみに黒服さん(Dさんというらしい。Hさんの同僚さんなんだろうか?)は仕事があったらしく、少し前に出かけてった。
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 22:31:12.64 ID:usQKQng1O
しえ
312女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 22:31:47.37 ID:XBtHfnuR0
「えっと、……もうそろそろ、家に帰ろうかと。同居人たちも心配してると思いますし」
「お、そうか。………いや、身体は大丈夫なのか? 酷い怪我だったんだし、なにより今顔色悪いぞ?」
「…………マジすか」

 ほれ、と差し出された鏡に映っていた顔は、確かに少し青かった。
 怪我は治っても、失った体力や血などを再生するのにはもう少しかかるようだ。

「ここで帰してもし倒れられでもしたら黒服が助けた意味もなくなっちまうし、もう少し休んでたらどうだ? 今日は一日ゆっくりする予定だったしな」

 朝のニュースによると、今日から十二月並みの寒気が学校町あたりに被さるそうで、そんな中で街中で気絶とかしたら本当に洒落にならない。せっかく助けてもらった命をドブに全力投球するようなものだ。

「えと…じゃあお言葉に甘えて、もう少しいさせてもらってもいいですか?」
「おう、いいぞ」
「……まあ、仕方ないわね」

 チャラ女さんはこくりと、女の子はしぶしぶといった感じで、それぞれ頷いてくれた。
 そして手を差し出して、

「じゃあ改めてよろしくな。俺は《日焼けマシンで人間ステーキ》の契約者だ。あと、《厨二病》と黒服とも契約してる」
「私は《はないちもんめ》の契約者よ。私も黒服と契約してるわ。……よろしくね」

 ………親子じゃなかったのか。三人ともお互いのことをすごい信頼してるようだったし年齢的にも納得できたので、てっきり父母娘の三人家族なのかと思ってた。
 とそんなことを考えながら、しかしもういい加減学習したので口には出さず、差し出された手を握り返す―――握手、親愛の証だ。

「こっちは《ジェットばあさん》、《地震発生装置》、《重いコンダラ》の契約者です。……こちらこそ、よろしくお願いします!」

 休ませてもらうとは言っても本当に同居人たちは心配してるだろうし、迷惑かけまくるのもアレだから早めに帰った方がいいよなあなんて思いながら、こっちは今生きていられる幸せを噛み締め、微笑んだ。
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 22:41:20.30 ID:usQKQng1O
むぅ
314女装少年の人(代理):2009/11/08(日) 23:00:03.59 ID:XBtHfnuR0
564 名前:女装少年の人[] 投稿日:2009/11/08(日) 16:54:10
投下終了と同時に腹かっさばく勢いで土下座ああああああああ!!!!
花子さんの人、はないちもんめの人、本当に申し訳ありません!
主に口調とか、人様の人物の家に行かせて頂いてるにも関わらずのこの遅さとか!

とりあえず情報だけ伝えさせて頂きました。この日の夜か翌日の昼くらいには女装少年は帰ったと思います。
のでそのあたりのことはそちらの都合にいいようにしてやって下さいorz
あと花子さんの人に質問なんですが、マッドガッサーたちに攫われたら教会に連れ込まれる、ということでいいんでしょうか?
もしそれでよろしければ、連れ込んだあと女性陣やジャッカロープがどうしてるかも教えて頂きたいです。

以上、お目汚し失礼しましたっ!orz

565 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/08(日) 18:29:52
女装少年の人とはないちもんめの人乙!!
女装少年の人、情報了解なんだぜ!

>マッドガッサーたちに攫われたら教会に連れ込まれる、ということでいいんでしょうか?
うい、その通りっす、お持ち帰りぃ〜、されます
そのまま教会になぜかあった地下室でにゃんにゃんされるよ!

>連れ込んだあと女性陣やジャッカロープがどうしてるかも教えて頂きたいです。
スパニッシュフライ契約者「ネタの参考にたまに観察してる。もしくは原稿中ね」
魔女の一撃「ひっひっひ、たまぁに、私も楽しませてもらってるわよ?」
 ジャッカロープは、爆発する携帯電話にもふもふされてると思う

***

転載含め代理投下でした。さるううう!!
女装少年もナチュラルに女の子やってるから、たまに少年だって事を忘れそうになるww
315マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/08(日) 23:05:17.20 ID:XBtHfnuR0
 …あぁ、畜生
 どうして、お前が泣くんだ

 「爆発する携帯電話」が、泣いている
 マッドガッサーの傷の治療は終わった
 マリの失った片足も、復活した
 けれど、「爆発する携帯電話」は、静かに涙を流し続けている

 自分が傷ついた訳でもないと言うのに
 仲間が傷ついたことを、悲しんで
 静かに、静かに泣き続けている

 …二人が戦ってきた相手は、「はないちもんめ」
 そう言えば、「組織」にいた頃にそいつを討伐しに行って、相手の能力をロクに知らされてなかったから返り討ちにあった馬鹿がいたと聞いた事があるようなないような…
 とにかく、その能力でマッドガッサーの支配権を奪われたのは、不味い
 普段は問題なくとも、いざと言う時に動きを封じられると言うのは、操られると言うのは不味すぎる
 くそ、何か解除方法はなかったか?
 考えてみるが、思い出せず

 …それよりも
 目の前で泣いているこいつの事が、気になって気になって

「…あぁ、もう、泣くな」

 ぐしゃり、その頭を慰めるように撫でてやるのだが、なかなか泣き止まない
 あぁ、もう、どうすりゃいいんだよ
 誰かを慰めた経験なんて、ない
 だから、どうすればいいのかわからない
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:09:09.06 ID:YXFce9TgO
支援
317マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/08(日) 23:10:26.37 ID:XBtHfnuR0
「二人とも、ちゃんと助かってんだ。だから、もう泣くな」
「………」

 前髪で隠れているその目の端から、ぽろぽろ、ぽろぽろ
 涙は、絶え間なく流れ続けている
 「爆発する携帯電話」は、その涙を拭こうともせず、泣き続けていて


 …あぁ、畜生
 こいつが泣いている所を見るのが、嫌だ


「−−−−−くけっ?」

 ぼす、と
 その顔をこっちの胸元に押し付けて、抱きしめる
 「爆発する携帯電話」が、小さく首をかしげたのがわかった

「あぁ、もう…仕方ないから、泣きたかったら、思う存分泣け。ただ、その泣き顔、俺に見せるな」

 ……こいつが悲しんでいる顔を、見たくないのだと
 その理由に、ようやく気づく

 「爆発する携帯電話」は、しばし、不思議そうにこちらを見つめ
 …しかし、すぐに、こちらの胸元に顔を押し付けたまま、小さくしゃっくりあげ始めた


318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:12:08.15 ID:6WlFMraaO
バイト終わったしえん!
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:14:33.06 ID:usQKQng1O
四円
320マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/08(日) 23:15:34.42 ID:XBtHfnuR0
 慰め方がわからない
 涙の止め方がわからない
 「組織」ではそんな事は教わらなかったから

 結局、俺は「組織」で教わった事以外、何もできないままだったのだと
 今更ながらに気づかされたのだった



fin

----

はないちもんめのネタの後辺り、「13階段」視点
とりあえず13階段、もげろ

***

引き続き代理投下ですよ。携帯契約者かわええなあもう
13階段? もちろんもげろ!
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:18:23.72 ID:usQKQng1O
しえーん
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:19:55.93 ID:6WlFMraaO
あちこちでもげろコールが凄まじいwwwwww気持ちは解るがwww
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:20:34.02 ID:UX6YZEl20
規制解除されてたりせんかなー
 マッドガッサー一味の情報、コーク・ロアの契約者が異様に増加している事
 そして、昨夜保護した少女よりもたらされた情報…

 合いも変わらず、この街は都市伝説の問題が多すぎる
 多くの都市伝説が生まれやすい環境であるが故に、都市伝説が集まりやすい
 ……故に、トラブルも置きやすい
 そう言う事なのだろう、恐らくは

「…黒服さん、先に言っとくけど、休みは適度に取った方がいいと思うぞ?」
「あぁ、大丈夫ですよ。まだ、そんなに忙しくありませんし」

 人形が入った鞄を持った少女に、黒服はそう答えた
 街を歩いていたら、ちょうどTさんとその契約者である少女と顔を合わせて
 丁度いい機会だったので、マッドガッサー一味に関する、追加の情報を伝える事にしていたのだ
 …それにしても、自分はそんなに疲れた顔をしていただろうか?
 まだまだ、余裕があると思うのだが

「マリ・ヴェリテに加えて、接近戦を得意とするもの、か」

 むぅ、と、Tさんは黒服からもたらされた情報を聞いて、考え込んでいるようだった
 …接近戦の戦闘力がマリ・ヴェリテ一人に集中しているのならば、うまくマリ・ヴェリテだけを孤立させれば戦いは楽になるかもしれない
 しかし、もう一人いるとなると……しかも、そちらは都市伝説に頼らぬ強さであると言う
 どう、対策を練ったらいいやら

「その接近戦強い奴だけど、顔写真とか、ないの?あったら、まだ警戒のしようあるだろ?」
「ないのー?」

 ジュースを口にしつつ、首を傾げてきたTさんの契約者
 鞄に入っていたリカちゃんが、彼女の真似をして小さく首をかしげた
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:22:25.99 ID:UX6YZEl20
って解除されてたやっほおおおおおおお!!
まあこのパソコン週末しか使えんであんま意味ないかorz
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:22:51.99 ID:usQKQng1O
しぇーーん
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:22:59.01 ID:6WlFMraaO
>>323
おめでとうーーー!!!
そしてしえ
328とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 23:26:32.91 ID:XBtHfnuR0
「その人物とは、まだ遭遇の報告が一件しかないんですよ。しかも、遭遇してすぐ戦闘状態に入ってしまい、さらに相手の離脱もほぼ一瞬だったようですので…」
「だが、相手の顔を見た人物はいると言うことなのだろう?せめて、外見の特徴だけでも情報はないのだろうか?」
「……そうなのですが」

 …問題は
 その、顔を見た同僚なのだが…

「その、遭遇した同僚曰く……『服の上からではわからない程度に、しかし確実に鍛えられたすばらしい筋肉。邪法の流派に囚われさえしなければ、すばらしきブラザーになったであろう』との事なのですが……私の理解力では、どんな外見なのか全く」
「あー…うん、それ、黒服さんの理解力のせいじゃないと思う」

 そう言ってくれたTさんの契約者
 …良かった、わからなかったのは自分やその周りの同僚たちだけではなかったのか
 あんなにも自信満々に説明されたものだから、自分たちの理解力が足りないのかと思った

「男性である事くらいしかわからない、か。厄介だな」

 小さくため息をつくTさん
 …彼の前には、二枚の写真がある 
 「13階段」の契約者と、「爆発する携帯電話」の契約者の顔写真だ
 前者は元「組織」の一員である為、後者は「組織」から討伐対象とされているため、顔写真があったのだ
 Tさんにも、外見の情報も伝えた方がいいだろうと考えて、「組織」から持ち出したのだ

「何て言うか、正反対な感じだなー。片方は自意識過剰っぽいと言うか馬鹿っぽそうだし、片方は根暗そうで幸薄そうだし」

 写真を見た感想を、正直に口にするTさんの契約者
 ただ、二人とも特別な特徴がある訳でもない為、人ごみに紛れ込まれると一瞬わからないかもしれないが

「「13階段」は階段のない場所でしたら、脅威はないはずです…やはり、問題は「爆発する携帯電話」かと」
「確かにな。たとえこちらの番号を知られなくとも、携帯を投げつけられたり仕掛けられたらそこまでだ」
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:29:01.10 ID:YXFce9TgO
ねるしえん
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:29:05.82 ID:usQKQng1O
しーえーん
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:30:20.78 ID:UX6YZEl20
支援! 本当やっとだぜ……二、三週間くらいか
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:30:39.62 ID:6WlFMraaO
wwww待てwwwww禿wwwwww筋肉wwwwwwww
どこで人を語っていやがるwwwww
333とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 23:32:05.83 ID:XBtHfnuR0
 そうですね、と黒服は頷く
 ……そして、写真に写る二人を静かに見つめた

 「組織」に所属しながらも、裏切った「13階段」
 幼少時に親を無くし「組織」に引き取られ…ただ、任務付けの生活を送った青年
 それでも心を無くさずに、「組織」を嫌って離れていった

 「組織」から討伐対象に指定された「爆発する携帯電話」
 調べてみれば、彼の起こした殺人事件は正当防衛であったようではあるが…
 せめて、保護、と言う方向にできなかったのだろうか


 敵に同情すべきではないのかもしれない
 だが、それでも黒服は考えてしまう
 戦う以外の道はないのか、と


 相手がただの悪党の集団ならば、まだ楽だったのかもしれない
 そうではない相手は…やりにくい


 …できれば、戦わずに住めばいい
 分かり合える道があればいい

 …この黒服は、そう考えずに入られないのだ



fin
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:33:00.77 ID:VJFC5cLZO
筋肉語りパネェwww
誰かその説明でわかるのかよwww
解除された方おめでとー!
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:33:27.41 ID:UX6YZEl20
>>332
そしてそれを「禿だから」で納得できるあたりが禿の禿たる所以なんだろうと思う
今ふと気になったんだが、禿にも好みはあるんだろうか?
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:34:23.07 ID:UX6YZEl20
解除された記念にTさんの代理投下やらしてもらおうと思うんだー
337Tさん(代理):2009/11/08(日) 23:35:14.82 ID:UX6YZEl20
 黒服さんからの話を聞いて、空になったジュースの缶をゴミ箱に放りながら俺は呟く。
「接近戦担当が少なくとももう一人ねえ」
 しかも都市伝説に頼らないでも戦える強さの奴だ。
「下手をすればそのうえで何らかの都市伝説と契約している可能性もあるな」
 Tさんがうなずきながら補足を加える。
「でもそうだとしたらなんで都市伝説の能力を使わないで生身で黒服さんの同僚と戦ったんだ?」
「契約している都市伝説が戦闘向けではないか、遠距離用の能力ということになるだろう」
 詳しい情報がない今の状態ではこんな予測も当てにはならんがな。Tさんはそう言ってため息をつく。
 そもそも唯一の目撃情報が『服の上からではわからない程度に、しかし確実に鍛えられたすばらしい筋肉。邪法の流派に囚われさえしなければ、すばらしきブラザーになったであろう』ってのがなー。
「なんつーか、独特過ぎて」
 そう言ってTさんが買ったおかげで当たったもう一本のジュースを開ける。
「すみません、このような不確かな情報で」
「や、黒服さんのせいじゃねえよ」
 まるで自分の不手際のように謝ってくる黒服さんに慌てて言い返す。真面目な人だから、こんなどうでもいい所とかでいらない心労を背負っていくんだろうなー。
 そんなことを思ってジュースを啜っていると、
「元≪組織≫所属の者と≪組織≫の討伐対象が手を組んでいることになるのか」
 ≪13階段≫の契約者と、≪爆発する携帯電話≫の契約者の顔写真を見つめている黒服さんを見てTさんが言った。
「ええ、そうなります」
「奇縁だな」
 そう言ったTさんは黒服さんの顔をしばらく観察すると、深いため息をついた。
 そして唐突に訊く。
338とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/08(日) 23:35:30.49 ID:XBtHfnuR0
黒服Dで一発こそりと
Tさんの人に土下座なんだぜぃorz

避難所>>571
>マリボコって申し訳ない!!
お気になさらずなんだぜ!
「爆発する携帯電話」がどんどんヒロイン路線に走ってしまって困る

>もーげーろー
えぇい、マッドガッサー一味の男でもげろと言われてないのはマリだけかwwww

***

代理投下でした。
禿wwww見るところはそこかwwwww

>>336
そろそろさる来るかもなんで頼んだ!
339Tさん(代理):2009/11/08(日) 23:36:01.59 ID:UX6YZEl20
「迷っているのか、それとも悩んでいるのか?」
「……?」
 主語を言え! 主語を!
 俺が心の中で叫ぶと、Tさんは質問の理由を口にした。
「その二人について、何か思うところでもありそうに見える」
 そのせいでまた疲労が溜まっているようにも感じる。
 そう言ったTさんに疑問顔だった黒服さんはああ、と答える。
「はい」
 そしてぽつぽつと黒服さんは話してくれた。任務付けの生活を送っていたがそれでも心を無くさずに≪組織≫を嫌って離れていった≪13階段≫の契約者のこと。
そして、≪組織≫から討伐対象に指定された≪爆発する携帯電話≫の契約者も調べてみれば彼の起こした殺人事件は正当防衛であったようであるらしいということも。
「同情か?」
 全て聞いたうえで問いかけるTさんに黒服さんはしばし無言。でもやがて、
「……できれば戦わずに分かりあえればいいと、そう思います」
 そう、ややためらいがちに口にした。
「そんなことでは早死にするかも知れんぞ」
 若干厳しい声でTさんが言う。黒服さんはつい数日前に舌戦していた時とはうって変わってTさんに強い反対意見を言おうとしない。
「ですが」
 弱くそう言いかける黒服さんの言葉にかぶるように鞄の中からリカちゃんが言った。
「お兄ちゃんも、そうなの?」
 む? と唸るTさん。リカちゃんは同じ意味を持つ言葉をまた放つ。
「お兄ちゃんも、はやじに、するの?」
 ――ああ、そう言えば、
「そうだよなー。リカちゃんだって、夢子ちゃんだってそうだ。なんだかんだで危なっかしいことやってたのに倒さずに分かりあったじゃねえか」
 そう言うとTさんはまた唸り、
「確かにそうだが……」
「なら意地悪なこと言うなよ」
340Tさん(代理):2009/11/08(日) 23:36:46.71 ID:UX6YZEl20
 めっ。とおどけて言う。Tさんは渋い顔で、
「一応俺はそれで一回死んでいるようなものだから注意しているんだが」
「でも説教くさいのはいけないと思う」
 めんどいし。教師連中思い出すし。
 そう言うと、「まあ確かに」とTさんもうなずいた。やっぱりこの野郎もまともな生徒やってなかったんだな。
「≪組織≫から離れたくなる気持ちも分かるし、≪爆発する携帯電話≫にも――やりすぎだが同情の余地があるか。それに黒服さんには≪夢の国≫の件で多大な恩もあることだし、
 ――もし俺が彼らと対峙することがあったなら」
 そう前置きし、
「出来得る限り、彼らを殺さずに、そうだな――黒服さんの所に届けよう」
 言った。そして、
「ただし、契約者や知り合いに一線を越えて手を出すようなら容赦はせん」
 最後にそう付け加えた。
 あーあ、
「せめてそいつらが男を女に変えるだけで満足するようならここまで話もこじれないんだろうなー」
 空になった二つ目の缶をやっぱり放り投げつつ言うと、
「……はい」
「そうだな」
 応じるように男二人分のため息が空中に溶けて、消えた。
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:38:15.21 ID:6WlFMraaO
>>335
「禿だから」……なんて便利な言葉!!
好みはやっぱ顔じゃなくて筋肉なのかなー?
342Tさん(代理):2009/11/08(日) 23:40:25.73 ID:UX6YZEl20
毎度毎度Dさんには(ry
Dさんの心情を伝えさせてしまいました。
以降はとりあえず殺さない方向で彼は動くことになるとおもいます。

***

これで代理オーケーのはず……
そしてやっぱりTさんかっけえ。
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:41:07.89 ID:VJFC5cLZO
おお、素早いwww
支援する暇もなかったぜ。皆乙!
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:41:19.97 ID:2GVU/3mwO
しんじようと、しんじまいと―

わたしは少女、名前はまだない
ないのだからしょうがない、あの人に言っても名前をつけてもらえない
なぜかと聞くと、いつも「きみはそういうそんざいだから」と言う
…訳がわからない
…まあそんな話はおいといて、だ
今、あの人は大変な事になっている
なんと私と同じ女になってしまった
それくらいなら驚く事もない、なぜならあの人は男にも女にもなれるから
大変なのは、女になったまますがたが変えられないということだ
あの人にその事を聞いて、心配したら「心配ない、暫くしたら治るさ」と言った
…本当に大丈夫なんだろうか…心配だ
そもそもこうなったのは――
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:42:58.91 ID:XBtHfnuR0
代理投下乙!
そしてロアしえん
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:44:00.39 ID:VJFC5cLZO
ロア寝る前支援
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:44:21.20 ID:2GVU/3mwO
〜二日前〜
私とあの人は、お外を散歩していた
とても明るい並木道
あの人も私も散歩が好きだから、ずっと歩いていた
その時だ、あいつが現れたのは
「ハーッハッハッハ!!次のターゲットはお前だああぁ!!!」
いきなり声がしたと思ったら、目の前が変な煙に包まれた
そして煙が晴れた後にいたのは…
「ハーッハッハッハ!!」
「…………」
うるさく笑ってる変な何かと、女の人になったあの人だった
「ハッハッハ!!また会おう!!」
変な何かが逃げた、何がしたかったんだ
でも、簡単に逃がす訳にはいかない、わからないけど確実にあいつはあの人に何かおかしな事をした
「まて!」
この距離ならすぐに追い付く、私は走り出した。けど
「うぇっ!?」
あの人に手を掴まれていた、私は思い切りのけ反った、変な声が出た
あの人は私を見て、「いい」とだけ言った
そしてそのまま手を繋いでお家に帰った
その後だ、あの人が「姿が固定された」と言ったのは
固定されたということは、よくわからないが姿を変えられないということ
それってかなり大変なんじゃないだろうか、いやかなり大変だ
「大丈夫…?」
「大丈夫」
いつもながら返事がそっけないなぁ、少しさみしい
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:45:04.40 ID:usQKQng1O



>>『服の上からではわからない程度に、しかし確実に鍛えられたすばらしい筋肉。邪法の流派に囚われさえしなければ、すばらしきブラザーになったであろう』



黒服Y「ふぅん……見た目は普通だけど何かすごそうな奴ってことか」
同僚「合ってるかも知れませんがたぶん違うと思います」
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:45:25.55 ID:6WlFMraaO
代理の方々マジ乙です!
んでもって支援
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:45:26.77 ID:2GVU/3mwO
〜現在〜
それで、あの人は今もかわらずバーでグラスを磨いている
戻れなくても大丈夫かと聞いたら「あと二、三日もすれば戻るだろう」と言った
…本当に戻るんだろうか
ていうか、『戻る』ってどんな姿になると戻るなのだろうか…
「…うぅ…」
考えてたら頭が痛くなってきた、オレンジジュース美味しい
「いらっしゃいませ」
あ、お客さんがきた…ということは


「そうですね、面白い話があるんですけど、聞きます?」
「信じようと、信じまいと―」
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:46:58.96 ID:2GVU/3mwO
ということで、ロアマスター女にされるの巻、少女視点でお送りしました
マッドガッサーのキャラあれでいいのかな、心配だ
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:50:11.48 ID:6WlFMraaO
おつー
拡大し続ける女体化被害wwwww

そしてなんかズレた黒服Yと冷静なツッコミwwwww
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:51:51.45 ID:XBtHfnuR0
乙! 少女かわいいのう
そして姉妹コンビwww
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/08(日) 23:58:20.54 ID:VJFC5cLZO
乙っしたー!
性別変更可能なのは固定化されるのかwwマスター余裕な感じだww

寝る〜
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 00:16:30.12 ID:XQHsQbBe0
代理投下の方乙!もっと俺が早く帰ってきていれば手伝えたんだが
356料理店のおつまみ:2009/11/09(月) 00:29:34.84 ID:OkCrMzidO
「そーいやなんでオーナーは都市伝説の気配とか判るんだ?」
「いえ、都市伝説の気配が判る訳ではありませんよ?」

「……どゆこと?」
「私は『人肉』料理店です。人間と、どんなに人間に似ていても異なる存在の都市伝説。その見極めなど造作もない事です」
「そうだった……たまに忘れそうになるけど………」

「逆に人型以外の都市伝説の察知は少々苦手ですね。メインの食材ではありませんし」
「よしオーナー。ちょっとそこに正座してみよっか?」

「契約者かどうかも判りますよ?程度の差こそあれ、人の理の外に居る者達ですから」
「人の、話しを、聞けっ!?」


 その後無駄だけど説教。だって都市伝説としての本能みたいなもんだし。でも大丈夫!食べないから!!
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 00:32:00.89 ID:OkCrMzidO
以上、小ネタでしたー
気配察知の説明をさっぱり忘れてたってゆーorz
そして風呂はいって寝るさ!おやすみんさいzzz
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 00:39:49.01 ID:/8jjKuEE0
乙ー
オーナーの説明になぜか妙に納得してしまったw
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 00:45:00.38 ID:XQHsQbBe0
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 01:29:53.85 ID:/8jjKuEE0
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 02:00:35.37 ID:OL/QI5Vq0
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 02:39:51.66 ID:f2I0IvcJO
再々規制とかどうしろとorz
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 03:51:01.93 ID:OL/QI5Vq0
ふぉ
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 05:48:43.03 ID:7oLXgcYaO
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 06:31:27.30 ID:TKgrF63U0
ho
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 07:41:33.21 ID:HheEcKRqO
 ho シャー
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 08:50:10.68 ID:7oLXgcYaO
     シャー
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 10:11:54.51 ID:XQHsQbBe0
ばだばだばだばだば
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 11:22:15.34 ID:HheEcKRqO
                      シャー


ho
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 12:06:30.99 ID:XQHsQbBe0
お昼ほ
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 12:07:54.59 ID:HheEcKRqO
戦うシーンって書くの難しい
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 12:52:01.67 ID:GJZTZzYuO
難しいよな・・・
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 13:52:05.47 ID:bFOt9lhuO
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 15:29:16.06 ID:bFOt9lhuO
3751レスネタ:2009/11/09(月) 15:43:54.45 ID:7oLXgcYaO
――ハナコサン、アソビマショ。

友達。友達とはなんだろう。こちらが友達だと思えば友達?相手が友達だと思えば友達?困った時助けてくれる?お金を貸してくれる?一日一回会話する?一緒に遊ぶ?
それとも………………………………一緒に遊んでも、死なない?

目の前には私の友達、だったモノ。鬱血した顔は、まったく覚えのない顔だった。名札を見て六年生だと知る。
知らない女の子だったけれど、遊ぼうと声をかけてくれた。
でも、声をかけてくれる女の子達はなぜか何時も同じ遊びを提案する。そして最後には、みんな死んでしまう。
窓の外から、生徒達のはしゃぐ声が聞こえる。私もあの中に入りたい。ここから外に出たい。
私だって、かくれんぼがしたい、鬼ごっこがしたい、缶蹴りが、色鬼が、けいどろが、ゾンビ鬼が、ゲームがしたい。遊びたいのに
コンッコンッコンッ
響くノックの音。
「はーなーこさん」
また、私と遊んでくれる子が来た。
「はーあーい。」
ドアの向こうで、息を呑む音。
「あ、あーそびーましょー」
「何して遊ぶー?」
いつも、私は少し期待し、
「首絞めごっこー」
裏切られる。
私は他の遊びがしたいのに、どうしてみんなその遊びを提案するの?
みんなみんな、最後は、死んでしまうのに……。
376マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/09(月) 16:35:27.43 ID:7oLXgcYaO
「落ち着きましたか?」
「…はい。お見苦しい所をお見せしました」
 司祭の仮面を被りなおす
 …この姿で地が出かけるなど、随分と久しぶりだ
 あのババアめ、ひきこさんとか呼ばれていたな
 確か、この国の都市伝説だったか
 …ばーちゃん、とも呼ばれていた
 都市伝説と人間のハーフだぁ?
 いや、全くいない訳じゃない
 ヨーロッパじゃあ、聖人とか呼ばれるような奴の中に一部、そう言う連中がいたりするし
 ジェボーダンのベートの野郎も、昔暴れていた時に孕ませた女がいて、その子孫が今も生きていたはずだ
 まぁ、どちらにせよ…厄介な連中に関わってしまったのかもしれない
「…すみませんね。あまり、正体には触れられたくないのですよ。ヨーロッパにいた頃は、正体が知れただけで殺意を向けられていたもので」
「正体が知れただけで、ですか?」
「向こうには、都市伝説と呼ばれる存在を狩る事を生業としている者も多いんです。その手の者は、その都市伝説がほんの少しでも悪い噂から…人を害する噂から生まれた、となれば、たとえその都市伝説が人間と分かり合おうとしていても、狩りたてようとしますから」
 …教会の、狗共め
 何度もこちらを殺そうとしやがって
 まぁ、あんな連中に殺されるほど、自分は弱くないから、毎度返り討ちにして美味しく頂いてやったが
「その時の、癖でして…どうにも、正体を知られる事に嫌悪があるのですよ」
「そうですか…」
 大きな胸を揺らし、その女は頷く
 この女も、都市伝説であるらしい
 どんな都市伝説なのか知らないが…もしかしたら、こいつも、俗に言う人間に害をなすと言われる都市伝説なのかもしれない
 たとえ、人を傷つける、とされている都市伝説であっても
 生れ落ちたからには、それに従うとは限らない
 その自分に課せられた能力や生まれた理由を嫌悪する者とている
 …嫌悪したところで、それに逆らおうとしたところで、誰にも信じてもらえないしどうにもならない
 自分は、ヨーロッパでそれを学んだのだ
「…もしかしたら、ですが。「爆発する携帯電話」の契約者の彼の能力を知っていた事で、警戒したのも…?」
377マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/09(月) 16:37:04.80 ID:7oLXgcYaO
「えぇ…彼は、命を狙われた経験がありますし。先日、あなた方に助けられた時も…どうやら、あの能力を持っていたことで、狙われたようですから」
 嘘はついていない
 少なくとも、あいつが命を狙われた事が在るのは事実だし、コーク・ロアの契約者に襲われた時は能力を狙われたようだった
 …あいつの能力は、携帯の番号さえ知っていれば、誰でも殺せる能力だ
 あの能力目当てで、引き込もうとする連中がいるだろう事も、事実なのだ
「私達は、そう言った経験をした者同士…寄り添うように、生活しています。できれば、静かに暮らしたいのですよ」
 そう言って、笑って見せた

 …何を言っているのやら、自分は
 自分たちは、この街で騒ぎを起こしている張本人だ
 静かに暮らす、だ?
 むしろ、この街に混沌を撒き散らしているというのに
 きっと、そんな事など許されないだろう

 …だが、そう口にしたその瞬間
 確かに、自分はそれを望んだのかもしれなかった


fin
378マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/09(月) 16:38:38.23 ID:7oLXgcYaO
人肉料理店の人に土下座っ!orz
どうやら、オーナーはマリを連れて教会に転移したらしいので、そっちの視点でこそこそと書いてみた
…教会の中の様子ちょっと描写しようとして忘れてたぁああああああああ!!??orz
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:19:01.30 ID:fxEs6XFLO
信じようと、信じまいと―

とある場所に小さな小さな村がありました
その村は水不足になっていて、住民たちはもはや死を待つのみ、という状況でした
そんな時、村に二人の不思議な格好をした旅人が訪れました
小さな女の子を連れた、女性の旅人でした
旅人は、一晩村に泊めてほしいと頼みました
村人たちは、「どうせ近い内に村はなくなる」と、旅人を総出で出迎えました
残っていた全ての酒、食べ物、そして村で一番の宿屋にただで泊めてあげました
村人皆で村に伝わる踊りをし、夜遅くまでその祭は続きました
その待遇に、旅人はとてもとても喜びました

そして次の日の朝、村人全員が旅人を見送ります
旅人は村を出る前に、村人全員に向けてこう言いました
「皆さん、一晩とても親切に、どうもありがとうございました」
「御礼に、私が知っているお話をしましょう」

「信じようと、信じまいと―」
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:20:30.17 ID:fxEs6XFLO

村人達は旅人が見えなくなるまでその姿を見送り、村へと帰ります
すると、村人の一人が大声を上げました
「おい!!みんなきてみろ!!」
その声を聞いて村人達が駆け付けると、なんと村の真ん中に今まではなかった物が出現していました
「い…井戸だ…!水もちゃんとあるぞ!!」
村に突然現れた井戸に、村人達は驚きを隠せませんでした
そして、とてもとても喜びました
それから村人達は、井戸ができたのはあの不思議な旅人のおかげだ、と考え、以後ずっと旅人に優しくしました

そして数年後
村は他の水源も手に入り、人も増え、小さな町になっていました
そしてその町で事件が起きました
なんと、最初に村に出来た井戸が涸れてしまったのです
しかし水源は他にもあるので、もう困る者はいません
そこで村人達は井戸に潜り、中を確かめて見る事にしました
しかし、おかしな事にその井戸には水脈も、水脈があった形跡すらもありません
ただ、石の床があるだけでした
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:21:29.23 ID:fxEs6XFLO
「信じようと、信じまいと―

フランスの南、カンブレの村にはきれいな水の出る井戸があった。
水量も豊富で、村の人間はそれを長年大変重宝していたのだが、
1862年、その水が急に出なくなったので、村人が井戸の底へと下っていくと、
水脈はおろか水脈があった形跡すらなく、ただ石の床があるのみ。彼らは何を汲んでいたのだろうか?

信じようと、信じまいと―」
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:23:07.59 ID:fxEs6XFLO
投下終了!マスター気まぐれで村を救うの巻


え?時間軸が歪んで無いかって?
気のせい気のせい
383とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:35:07.67 ID:XQHsQbBe0
…男を女に変えるだけで満足するようなら、か
 確かに、それならばまだ………いや、それはそれで混乱を振りまいているので、一応「組織」としては取り締まらなければならないのだが
 とまれ、それだけならば、まだ、可愛げがあったかもしれない
 しかし、マッドガッサーが企んでいる事は、残念ながらそんな可愛いことではない
 自分の契約者も二人、被害にあっているのだ
 見過ごす事はできない

 ……それでも、ふっと、考えてしまう
 仲間同士、まるで寄り添いあうかのように活動している彼らのことを
 …もしかしたら、自分たちのような組織から拒絶された者同士で、寄り添いあっているのではないか、と
 こんな騒ぎさえ起こしていなければ…起こさなければ、もしかしたら彼らは、静かに過ごす事を望むのではないか?と
 ……そう、考えてしまうのだ


「黒服さーん?」
「……ぁ」

 Tさんの契約者に声をかけられ、正気に戻る
 考え込んでしまっていたようだ

「大丈夫?やっぱ、疲れてるんじゃ」
「いえ、大丈夫です…すみません」
384とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:36:16.62 ID:XQHsQbBe0
 小さく、頭を下げる
 まだ、さほど疲労を溜め込んでいるつもりはない
 今回のマッドガッサーの件やら、コーク・ロアの件やらも、自分以外も何人もの黒服が、「組織」の構成員たちが調べているし動いているのだ
 だから、自分一人が疲労を溜め込む事など…

「大丈夫大丈夫って言って、ぶっ倒れるのがお前だろ?適度に休んでおけよ」

 …かけられた、第三者の声
 そちらに視線をやると、そこには何時の間にか、同僚の黒服の姿があった
 しゅるり、その髪が一瞬、伸びている

「…あなたは」
「よぉ、そっちのお二人さんも、久しぶり」

 ひらひらと手を振って、その同僚はTさんたちに笑いかけている
 …顔見知りだったのか
 この同僚は顔が広いようだから、知り合っていてもおかしくはないと思うが

「あ、いつかの髪が伸びる黒服さん」
「覚えていてくれたか、嬉しいねぇ」

 しゅるり、と、また少し髪が伸びる
 …本当に、制御が全くできていない能力だ
 だからこそ、都市伝説に取り込まれ、黒服になってしまったのだろうが

「あなたが外回りをしているなんて珍しいですね…どうなさったんですか?」
「んー、例の正体不明の飛行型巨大都市伝説の情報収集。まぁ、見事に空振りだが」
385とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:37:36.71 ID:XQHsQbBe0
 肩をすくめてくる同僚
 その言葉に、Tさんの契約者が首をかしげた

「…巨大都市伝説?」
「まだ、何か厄介な問題があるのか?」

 Tさんも続けてそう言って来た
 はい、と黒服は小さく頷く


「マッドガッサーたちの動きが活発化した直後から、学校町の上空を時折、正体不明の巨大都市伝説が旋廻しているんです」
「少なくとも「組織」所属の都市伝説じゃあねぇんだよ。普段は辺湖市辺りにでも潜んでるのか、気配もロクに感知できないと来た」

 存在が確認されたのが、マッドガッサーたちの動きが活発化した時期と重なっている事
 そこが、問題なのだ
 だから「組織」も余計に行方を追い、正体を掴もうとしているのだが

 …結果としては、空振りな訳だが

「もしや、「組織」はその巨大都市伝説も、マッドガッサーの一味だと?」
「…出現時期が時期ですので、可能性は否定できませんから」
「どんだけ仲間がいるんだよ、マッドガッサーには」

 うげー、と声をあげるTさんの契約者
 まぁ、気持ちはわかる
 現時点でわかっているだけでも、かなり厄介な人材が揃っているのだから
386とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:38:45.90 ID:XQHsQbBe0
「それでも、10人以上の大集団…では、ないと思うのですが」
「連中、仲間同士の繋がりってか連帯感が異常に強いんだよ。少数精鋭だからこそ、じゃないか?」

 仲間の身に危険が及べば、即座に助けが入る
 仲間同士、気遣いあっているかのような目撃談もある
 それは、ある意味少数精鋭のメンバーだからこそ、そうであるのかもしれない

「…ま、とりあえず、こっちは続けて調べとくわ。Tさんとやらも、何かわかったらこいつにでいいから伝えてくれるか?ぶっちゃけマッドガッサー達の事は情報が足りなすぎるんだよ」
「まぁ、何か有益が情報がわかれば、伝えよう」

 うむ、と頷いてくれたTさん
 …良かった、この同僚も、「組織」以外の者に対しても、柔軟な対応をしてくれる
 そうでなければ、こうやって話など、してくれないかもしれないが

「あぁ、でも、お前は適度に休んでおけよ、マジで。またその内強制的に休み取らされるぞ?」
「いえ、大丈夫です。まだ、こちらも調べるべき事がありますので…」

 そう言って、Tさんたちとも別れようとする
 …その黒服に、あぁ、そうだ、と
 同僚が、何か思い出したように続ける

「それと、お前。お前の契約者の片割れ、そっちも少し休ませた方がいいかもしれないぞ?「日焼けマシンで人間ステーキ」の方」
387とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:39:33.35 ID:XQHsQbBe0
「…?彼が何か?」
「さっき、バイト先に行く途中か「首塚」にでも行く途中っぽい姿見かけたけど、少しふらついてたぞ?」

 …そう言えば、最近、少し疲れている様子だった
 本人は大丈夫だ、と言っていたが…

「チャラい兄ちゃん、もしかして、男の時と同じ感覚で、バイト続けてんじゃないのか?」
「……あ」

 Tさんの契約者の言葉に、はっとする
 確かに、「日焼けマシン」の契約者は、女性の姿になってしまっても、アルバイトをほぼ休んでいない
 胸をさらしで隠す事でなんとか誤魔化せているからと、ほぼそのまま続けているのだ
 …なぜか、ピアノ教室の助っ人だけは、何らかの理由でしばらく休む事にしたようだが

「女性の姿になって、体力が落ちているだろうからな」

 Tさんが、契約者の言葉を補足するように、そう言った
 …まったく、その通りだ
 何故、自分は気づけなかったのか

「…教えていただき、ありがとうございます。彼がふらついているのを、どこで見かけましたか?」
「んー、こっからそう離れてないぞ。プチプチ・メルティーユだかっつーケーキ屋の近く」

 …そうか、あそこのアルバイトが終わった後なら、多分、「首塚」に顔を出す頃…
 ………
 …今の状態で、しかもふらついた、疲れている状態で「首塚」に、多分、将門公の傍に…
 …………
388とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:40:14.97 ID:XQHsQbBe0

「…教えていただき、本当にありがとうございます。では、Tさん、私はこれで」
「あ、あぁ」

 Tさんたちと別れ、黒服は足早に進む
 …きちんと、「日焼けマシン」の契約者を休ませてやらなければ
 できれば、将門公の前以外で


 己の疲労やら周囲に休めと言われている事やら、その辺りを全く気にすることなく、黒服は己の契約者の事を気遣うのだった




「…いやぁ、面白いくらい反応するよなぁ。教えたかいがあった」
「え?わざと?」

 くっくと笑う黒服Hの様子に、Tさんの契約者が突っ込みを入れたわけだが
 その辺りの会話は黒服D本人の耳に入っていないので、なんら問題はない




終われ
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:40:30.86 ID:7oLXgcYaO
支援
390とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 17:43:47.98 ID:XQHsQbBe0
昨夜に引き続きTさんの人に土下座t!orz
うぬー、情報を出していきたいんだがうまく出せない、グダグダになってしまう

***
以上です。
またDさんがwww
情報を違和感なく出してくのって難しいよなー。
あとHさんがTさんのところに残ったせいでTさんの作者さんのへんt紳士的描写に期待してしまうwww
391バイトちゃんのお話(代理):2009/11/09(月) 17:44:39.56 ID:XQHsQbBe0
「いよう、久し振りだな!」
やたらと陽気な男の声
しかも聞き覚えがある、本当に久し振りな声
「おいおい無視かよ? なんだぁ、いきなり大学辞めてどっか行っちまうから心配してたんだぜ?」
無視、徹底無視
「日本に帰ってきてるってのはなんとなく想像してたんだがなぁ」
並んで歩こうとする男を視界に入れないように足早に
「やっぱアレか? お前が付き合ってた、牧場の娘。あいつが死んだのが」
「そろそろ黙れコラ」
手にした買い物袋を地面に置き、スカートの下から抜き放ったトンファーの先端を突き付けるバイトちゃん
「ははは、怖い顔すんなよ。この話ぐらいしかお前の足を止めれそうな話題が無かったんだ」
全く物怖じした様子もなく、声を掛けてきた男は笑顔を浮かべている
「……こんな格好して、かつ体格も違うってのに何で俺だと判った」
「まあ何だ、かつての学友の面影があった事と、奇妙なガスを使うマッドガッサーの話を知ってた事が要因かな?」
「お前の気持ち悪い能力は健在な訳か」
「ああ、健在どころか着実に成長してる。*しにしか使えないお前のよりずっと有用だぜ?」
そう言うと男は、自分の耳を軽く指で突付く
「調べたい情報を頭ん中でセットしときゃ、それについての会話を自動で盗み聞きしてくれる……まさに名前通り『壁に耳あり』ってやつだ。情報は絞り込まないと五月蝿くて何もわからんのが難点だな」
「で、そんなお前が何でこんなとこにいるんだ。学校いた頃はイギリス行ってMI6に入るって息巻いてたくせに」
「入ったぜ?」
「……は?」
「ああ、勿論表のじゃない。こんな能力があるんだ、当然ながらジェームスやマイクロフトがいる方にな」
「……死者の生存説が都市伝説なら、架空の人物の実在説も都市伝説か」
「よっぽど存在が浸透していて、かつ実在を疑われない程度に人間じみてないとダメだがな。ともあれ俺はお仕事でこの町に来たってわけだ。言ったろ、マッドガッサーの話を知ってるって」
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:45:02.78 ID:kLUiroOe0
支援
393バイトちゃんのお話(代理):2009/11/09(月) 17:46:42.87 ID:XQHsQbBe0
彼はアメリカで現在で大暴れしているマッドガッサーの調査の過程として、どうもそれから分派したらしい存在がこの町にいると聞きつけてやってきたというのだ
「そしたらまあ、マッドガッサーのお仲間に『マリ・ヴェリテのベート』やら『魔女の一撃』やらいるわいるわ。こいつらの目的を探る必要が出てきたってわけよ。そしたらまあ……」
バイトちゃんの顔を見て、ぷるぷると震えながら笑いを堪える学友
「何、それマジ? 女体化ガスとか最初は冗談だと思ってたんだけどさぁ」
「見りゃあわかんだろ!? こちとらアメリカ敵に回してんだ、イギリスが増えたところで大差無ぇんだぞ!?」
「いやいや、冗談じみた状況で済んでるお前はマジで運が良い」
呼吸を整えて笑い声を抑えた学友は、少しだけ真面目な顔になる
「まだそんな数じゃないが、奴らに捕まって戻ってきてない被害者もいるようだ。性的な意味で食われてるならご愁傷様だが……『ベート』がいるとなると洒落にならん」
「食欲的な意味で喰われてる可能性もあるのか」
「噂話をまとめて推測するとだがな」
「お前はそれを助けに行ったりするのか?」
「んにゃ? 俺は諜報専門だし、随分と昔にうちのジェームズさんがこの町の組織……『首塚』だっけな? そことドンパチやってな。最終的にはそこのトップと飲み友達になったそうだけど、MI6はこの町に直接介入しないって約束しちゃったらしくてさ」
ぽりぽりと頭を掻きながら溜息を吐く学友
「そもそも、俺は諜報専門だっつーの。人間らしいレベルでは身体を鍛えてはいるけどな、都市伝説相手にどうこうできるレベルじゃない」
「だからって、放っておくわけにはいかんだろ!?」
「だーかーらー、それは俺の仕事じゃあない。情報は集められるが、実働戦力のコネは無いし。だからお前に話してんだよ」
「……はぁ?」
「マッドガッサー一味に関する情報をお前にだけ話す。組織連中に関わられちゃ公式な協力になっちまうからな……それが、俺ができる限り最大の協力だ。後はお前が自分でどうにかするなり、誰かに協力を仰ぐなりすればいいさ」
「……俺だって組織の一員なんだけどな。MI6なんかにいるなら知ってるだろ、『第三帝国』ぐらい」
「今のお前ははぐれ者なんだろ? お前んとこの上司、結構頑張って探してるみたいだぜ」
ぐ、と言葉に詰まるバイトちゃんの肩を、ぽんぽんと叩く学友
「早いとこ事を解決して帰ってやれよ。あとまあ一つ言いたい事があるんだが」
「ん、何だ?」
「俺はスカートの短いフリフリな日本のメイドより、古式ゆかしい英国メイドの方が好き……ってトンファー振り回すな!? 蹴るな! パンツ見えてんぞ!」
「その見た記憶ごとホルマリンプールに沈めてやろうじゃねぇか馬鹿野郎!」


都市伝説『壁に耳あり』
とある医大の解剖実習中。実習に飽きた医大生が献体の耳をそぎ落とし、タイルの壁に付け「壁に耳あり」と言ってふざけた
その後この医大生は不謹慎であると退学処分になるという話

有効範囲内の特定情報を察知し自動的に壁に耳を発生させ聴覚を共有する能力
壁が無い場所には効果がない他、普通に目視で気付かれる可能性があるため不気味がられたり騒ぎの原因になったりもする
見えにくいところに発生したり小さくしたりする事もできるがその分だけ音は聞こえにくくなる

『壁に耳あり』の契約者
バイトちゃんと同じ医大に在学していたが、『壁に耳あり』と契約した影響で唐突に退学処分になる
が、『MI6の人材募集広告』を見て即応募即就職し現在に至る
能力の有効範囲は学校町の四分の一程度で、自分を中心とした有効範囲内の特定情報を収集する自動発動と、盗聴器のように特定の場所にピンポイント設置する任意発動がある

395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 17:52:58.54 ID:kLUiroOe0
支援
396バイトちゃんのお話(代理):2009/11/09(月) 18:00:52.33 ID:XQHsQbBe0
***
よくサルさんにかからなかったなー、と思ったら最後の最後にサルさん食らったorz
ボンド居るのかwwww
個人的には英国メイド派だけど最近フリフリも悪くないと思い始めてます。
まあ日本人はまず浴衣がいいと俺はおも(ホルマリンプールの中に沈んだようです)
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 18:25:34.38 ID:XQHsQbBe0
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 18:48:06.94 ID:fxEs6XFLO
「――うわああああああああああああぁぁぁぁ!!!!」
おっす!オラ少年A
え?なんで少年Aなのかって?
それはこの話が一発ネタであり、俺は所謂使い捨てキャラだからさ!
まあそんなメタな話はどうでもいいのさ!とにかく俺は今ピンチなんだ!!
何故かって?それはね…
「まぁぁぁてぇぇぇぇぇ!!!」
口が耳まで裂けてる女に包丁持って物凄いスピードで追い掛けられてるからさ!!!
「いやだああああああぁぁぁぁ!!!!」
だってさ、知らない人に「私綺麗?」なんて聞かれたら「ん…まあまあ」としか言いようがないじゃん!!
それでキレるってヒドくね!?理不尽じゃね!?
…ていうか
「はえええええええぇぇぇぇぇ!!!」
何あいつ!?100m10秒ってレヴェルじゃねえぞ!!
あ…もうすぐ後ろに
「きぇぇぇいっ!!!」
「うおわああああっ!!?」
ギリギリしゃがんで避けた、ナイス俺
てかあれ確実に首狙ってただろ!避けてなかったら俺首飛んでたよ!?そういや西洋の妖怪にそんなのいたなぁたしか!!
そんな事を考えてたら――
「うひゃああああ!!!?」
こけた、ていうか転がった
壁にぶつかった、めっちゃいてぇ
それよりも……
「ふふふ…もう逃げられないわよ…」
死ぬ、ていうかほぼ死んだ、駄目だこりゃ
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 18:49:46.04 ID:fxEs6XFLO
――と、普通の人間ならそう思うだろう
だが、俺は一味違う
この町は少々、いやめちゃくちゃ特殊な町
今俺の目の前にいるように、都市伝説とやらがいる
そして、その都市伝説と契約をして、力を手にする奴がいる
つまり俺は――
「死ねえっ!!」
「いひゃんっ!!」
いきなり包丁突き出された、まあギリ避けたけど変な声でたじゃねえか
普通解説とか変身とかしてる時は手を出さないのがセオリーだろうが、これだから最近の悪役は…
…と、それどころじゃないな、取り敢えず立とう、座ったままじゃ本当死ぬかもしれん
「…よし」
立った所で殺られそうなのは変わらないし、おまけに後ろは壁、絶体絶命
…でも、俺には絶好のチャンスだ
「ちぃ…うろちょろとおおおぉ!!!」
包丁きた!やば…くない!!
「おらぁっ!!」
包丁を白刃取りして分取り、投げ捨てる、ヒュー俺かっくいー
「なっ…!」
ヘイヘイバッチビビッてるぜ
しかしそこで手を抜く俺じゃあない
「はぁぁぁぁ…」
右手に力を溜める、めちゃくちゃ溜める、物凄く溜める、悟空もナルトもルフィも黒崎一護もびっくりする位のパワーが集まる、多分集まってる
そして…!
「おらあああっ!!!!!」
思い切り………殴る!!!!!!
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 18:51:13.13 ID:fxEs6XFLO
…で、どうなったかと言うと
結論から言えば、助かった
でも目の前に…厳密に言えばでかい穴が開いた壁を2枚挟んで、重傷を負った口裂け女が見える
「…やりすぎちまった…」
力加減間違えた、どうすんだよこれ、壁二枚とか説教ってレベルじゃねーぞ
ていうか思い切り殴ったから手痛い、めっちゃ血出てるじゃん
「殴ってる俺も痛いんだ!」とか言う奴いるけどありゃ本当なんだな、だからって殴っていい訳じゃないけど
…ま、とにかく助かったんだし…
「…帰るか」
あぁ…疲れた
いい能力かと思ったらハズレじゃねーかこれ
なんでピンチにならないと発動しないんだよ、おかげでいつも傷だらけだわ
まぁ死なないならなんでもいいけど
「火事場の…馬鹿力ねぇ」
そんな事より、今日は星が綺麗だった
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 18:53:37.52 ID:fxEs6XFLO
電波を感じて急に違う話を書きたくなる…そんな病気を俺は患ってると思われる

単発ネタ…多分続かない
元ネタは【火事場の馬鹿力】、都市伝説なのか微妙なんだけどね!
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 19:02:52.04 ID:kLUiroOe0
投下乙

>電波を感じて急に違う話を書きたくなる…そんな病気を俺は患ってると思われる
安心しろ、俺も同じ病気だ

都市伝説かどうか微妙だって?
逆に考えるんだ、『こまけぇこたぁいいんだよ!!』と考えるんだ
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 19:33:36.22 ID:kLUiroOe0
ho
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 19:38:11.05 ID:XQHsQbBe0

ちょとミスったら死んでまうwwww
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 19:56:54.31 ID:HheEcKRqO
火事場の馬鹿力と死にそうになる瞬間に世界がスローになる現象を組合せたらいんじゃね
406マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/09(月) 20:09:30.58 ID:XQHsQbBe0
4コマっぽいの

Q そう言や冷蔵庫の媚薬の件で、魔女の一撃は契約者にお仕置きされたの?
魔女の一撃「ひっひっひ、されちゃったわよぅ?」
13階段「どんなお仕置きなんだよ」

魔女の一撃「え?その…」
魔女の一撃契約者「…そう言や、皆の前ではやった事なかったな。じゃあ改めて」
魔女の一撃「っちょ、主、やめ……っ」


 ちぅ


 …3分後
魔女の一撃「〜〜〜〜〜〜〜っ」(腰砕け)
魔女の一撃契約者「本番は平気な癖にキスは駄目とか、変わってるよな」
似非関西弁「…まぁ、なんちゅーか」
13階段「とりあえず氏ね」


3分間、みっちりとディープキス
場合によってはそれ以上みっちりディープキス
呼吸困難になりかけるまで続けられるよ!

407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 20:11:01.33 ID:XQHsQbBe0
急に電波が振ってきたので、ってかどんなお仕置きなのか書いてなかったので

なん・・・だと?
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 20:13:57.51 ID:kLUiroOe0
乙乙

もうマッドガッサー一味みんなもげろ
もげた上で女体化して百合百合な世界をさっさと作っちまえ
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 20:23:00.99 ID:3hKZIdZ20
さあみんな、改めてwikiの絵を見てからこのリア充どものエロネタやらなんやらをじっくりと読み込むんだ。

………さて、この溢れんばかりの殺意を何にぶつけてやるべきか。とりあえずお前ら全員もげちまえ!
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 20:49:41.01 ID:ah4irTDD0
花子さんの契約者ってアタマどうなってんの?髪型的な意味で。


貴腐人やメイドたちなら、女同士でもホモを表現できるだろう…
411はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 20:55:11.61 ID:XQHsQbBe0

とある喫茶店で
私は、彼と対峙していた
黒服D「それで、話とは・・・」
友人「大したことじゃないよ、ただ、アンタ達と暮らす様になってからあの子前よりも少し、余裕ができたと言うか明るくなったからね、あの子と一緒に暮らしてるのがどういうやつ等か個人的に気になってたんだ」
黒服D「私等、殆ど何も出来てませんよ・・・」
友人「そう?私からしてみれば、あの子が誰かと一緒に暮らしてるだけでもビックリだけどね」
黒服D「?」
友人「昔、あの子を家で引き取ろうとした事があったんだけどフラれたよ・・・」
黒服D「そうなのですか?」
友人「多分、私の両親が信用できなかったんだろうね・・・あの子にしてみれば大人は自分の両親と同じで何時敵になるかわからない相手だから」
そういう点でも、あの子にあそこまで信用されてるこの黒服とチャラい兄ちゃんは特殊だ
412はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 20:55:53.33 ID:XQHsQbBe0
友人「それに、あの子さ・・・3年前、私と出逢った時から殆ど成長してなかったんだけど・・・精神が身体の成長に影響を与えるって話知ってる?」
黒服D「いえ・・・」
だろうね
本当かどうかもはっきりしない話だから仕方ない
友人「あの子さ、大人嫌いだからか、多分大人になることを拒否してたんじゃないかな・・・だから、この数年間あの子の身長は殆ど伸びて無い・・・けど、アンタ達と暮らすようになって少し状況が変わってきた」
黒服D「どう言う事ですか?」
友人「初潮だよ・・・あの子に来たって聞いた時はビックリしたけどね」
あの子に初潮が来た・・・それはつまり
友人「あの子が大人になることを受け入れ始めたって事でしょ?本人に自覚があるかは知らないけど」
黒服D「・・・一体何故?」
友人「さぁね?ただ、アンタが原因じゃないかなぁ・・・って私は思ってる」
いや、多分そうだ
子供のままじゃ、この黒服の隣に立つ事ができないから
この黒服の隣に立つ為に、あの子は大人になろうとしている
413はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 20:59:06.33 ID:XQHsQbBe0
黒服D「私が原因ですか・・・思い当たる節がありませんが・・・」
友人「しっかりしてよ・・・アンタ、あの子と契約したんでしょ?そんなんであの子を守れんの?」
黒服D「守って見せますよ、この身を犠牲にしても」
帰ってきたのは迷いの無い、即答・・・コイツ・・・
友人「バカ?」
黒服D「はい?」
呆れた、コイツバカだ
友人「仮にだよ、アンタが犠牲になってあの子を守ったとしよう・・・それであの子は救われんの?」
救われない
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 20:59:11.98 ID:kLUiroOe0
支援
415はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 21:01:41.18 ID:XQHsQbBe0
友人「良い?この際はっきり言っておくけど、あの子は表には出さないけどさ、どうしようもない寂しがり屋で意地っ張りで臆病者だ・・・両親の事吹っ切った様な顔してて未だに引き摺ってるから誰かと一緒に暮らす事にすら抵抗持ってたような奴だ」
だから、私はあの子に逃げられてしまった
友人「アンタとあのチャラい兄ちゃんはそんなあの子がやっと手に入れた家族だよ?それが自分を守る為に死にましたじゃあの子はどうなる?」
黒服D「それは・・・」
友人「言っとくけどあの子はかなり厄介だよ、それこそ自分の命と引き換えにしても−なんて甘っちょろい考えしてたら守れない・・・あの子を守るなら自分も守らなきゃいけない、そこをしっかり理解しておいてよ・・・この先もその調子なら・・・」
私は席を立ち、ドアに向かう
友人「あの子、私が取っちゃうからね」
バタンッとドアが閉まり、中には黒服だけが取り残された
416はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 21:02:47.09 ID:XQHsQbBe0
友人「ハァ〜」
やっちまった・・・何言ってんだ私は・・・orz
この話を黒服があの子にしたら多分本気で怒られる
それこそ、これまでの比じゃ無いくらいに怒られる
友人「やっちゃったなぁ・・・」
『あの子、私が取っちゃうからね』
結局はあの子がどうしたいかで私にあの子をどうこうする事はできない・・・私にできるのはあの子の後押し位なのに・・・
友人「うぁぁ・・・」
若干鬱になりつつ、私は町へ出た

終わる
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 21:02:59.00 ID:kLUiroOe0
支える
418はないちもんめの友人(代理):2009/11/09(月) 21:04:07.24 ID:XQHsQbBe0
皆乙〜
取り合えず黒服Dさんに土下座!!
な黒服Dさんと友人の話
友人、Dさんに嫉妬で一杯です
大分嫌味な子になってます

>>尊い犠牲をありがろう、友人…ほろり
友人「あの子と付き合ってると自然に打たれ強くなるから
コレ位屁でも無い」

>>その理論で行くと赤い靴と女装少年、股間のアレどんだけでかいんですかwwwwwwwwwww
禿と同等か、それ以上?

つか、魔女の一撃の契約者よ
もげろ

***
友人・・・
魔女かもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
この子のためにかもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
419とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 21:04:56.43 ID:XQHsQbBe0
 はないちもんめの少女の友人から、あのようなことを話されて
 …ふと思い出したのは、「日焼けマシンで人間ステーキ」の彼の幼馴染からかけられた事のある、言葉


『あいつを危険な目にあわせるな。あいつを悲しませるな。そんな事をしたら、俺があんたを絶対に許さない』


 …きっと、自分は彼に許されはしないだろう
 危険な目に、巻き込みたくはなかった
 しかし、自分は巻き込み続けてしまっている
 ……そのせいで、彼は大学受験すら、棒に振ってしまったのだ
 彼の将来さえ、棒に降らせてしまった

 だから、一度彼から離れた
 距離をとった
 しかし、その結果、彼は「首塚」に所属するようになり、ますます危険に首を突っ込み続けている
 …どうして、自分のする事は、いつも裏目裏目に出てしまうのか
420とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 21:05:39.08 ID:XQHsQbBe0

「…自分も護らなければ、ですか」

 小さく、苦笑する
 …あぁ、その通りなのかもしれない
 自分の身も護れないようでは、あの二人を護れない

 自分などと契約してくれた二人
 どちらも、自分にとって大切な存在で
 護りたいと強く願う


 …自分には、力が足りない
 戦う力も、自分にはほとんどない
 だが、それでも
 ……己の命を捨てる事無く、二人を守り抜いて見せよう
 それが、あの二人と契約した自分の役目なのだから



fin

421とある組織の構成員の憂鬱(代理):2009/11/09(月) 21:07:08.56 ID:XQHsQbBe0
はないちもんめの友人ネタの直後辺り、黒服D視点
やはり、彼は嫉妬された事には気付いていない

***
Dさん大変だ
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 21:40:35.68 ID:bFOt9lhuO
代理も書き手さんも乙です!
423小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:12:26.83 ID:XQHsQbBe0
「−−−ん」
「おい、大丈夫か?」

 …よし
 かなり、酔ってきているな
 ニヤリ、魔女の一撃の契約者は口の端に笑みを浮かべた
 たまたま顔を合わせたから飲みに誘ったら、少し迷いつつも乗ってきた
 なかなか酔ってくれる相手ではないが……こっそりと、混ぜ物の酒を飲ませてやったら、この状態だ
 この状態ならば…

「…大丈夫か?歩けるか?」
「………ん」

 こくり、頷いてはきたが…そろそろ、頭が回らなくなっているだろう
 この状態なら…!

「…家に送ってやるからな」

 さぁ、連れて行ってやろう
 そこで、こいつを裏切ってやろう
 こいつは酔っている間の記憶はないから、目が覚めたその瞬間に、裏切ってやるのだ
 さぁ、どんな顔をしてくれるだろうか?
 女の体になっているこいつを支え、歩き出そうとして…

「……おや?どうなさったのです?」
「−−−−−−っ!!」

 っち!!
 どうして、こいつはいつもいつも、肝心な時に来やがるんだ!
 やや憎々しげなものを感じながらも、それを隠して…魔女の一撃の契約者は、声をかけてきた黒服の男に振り返った
424小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:18:24.94 ID:XQHsQbBe0
 夜の、南区繁華街
 「組織」での仕事の帰り、そこを通って帰ろうとしていたら…「日焼けマシン」の契約者が、幼馴染の青年と歩いている様子が見えた
 ただ…遠目に見て、なんだか様子がおかしくて、急いで駆け寄って声をかける

「こんばんは、黒服さん」
「こんばんは……大丈夫ですか?」

 青年に小さく頭を下げて…すぐに、「日焼けマシン」の契約者の様子を窺う
 ほんのり頬が赤く…視線が、定まっていない

「一緒に飲んでたんですけど、こいつ、酔っ払ったみたいで」
「この子がですか?…珍しいですね」

 本人も、酒は強い方だ、と言っていたのだが…
 友人と一緒に飲んでいたのだから、少し飲みすぎてしまったのだろうか?
 小さく苦笑する

「これから帰るところですから、私がこの子を連れて行きますよ」
「そうですか?………あぁ、今、一緒に暮らしてるんでしたね?」

 はい、と頷いてみせる
 「日焼けマシン」の契約者の友人は、黒服をじっと見つめ…続けてくる

「…本当、こいつを変なことに巻き込まないでくれよ?俺の大事な友人なんだからよ」
「………努力いたします」

 「日焼けマシン」の契約者の体を受け取る
 ぽふりっ、何の抵抗もなく、黒服に寄りかかってきた「日焼けマシン」の契約者
 眠ってはいないようだが…ぼんやりしていて、あまり周りの様子が目に入っていないように見えた
425小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:22:25.45 ID:XQHsQbBe0
 …しかし
 自分が寄りかかった対象が、黒服であると気づいたのか
 きゅう、とそのスーツを握り緊めてきた

「…ほんっとう、あんたに懐いてんだなぁ」

 「日焼けマシン」の契約者の友人が、そう言って苦笑してきた

「それじゃあ、俺はこれで。そいつ、昔から酔ったら色々と大変な奴なんで気をつけて」
「はい、それでは…………ところで、あなたたちは三年ぶりにあったはずで。三年前と言いますとどちらも未成年ですのに、何故、酔っ払った状態を知って」
「それじゃっ!!」

 逃げるように、この場を後にした「日焼けマシン」の契約者の友人
 …これは、後にでも「日焼けマシン:の契約者に、聞いておく必要があるかもしれない

「ほら、帰りますよ?」
「……んん」

 ふるふると、首を左右に振ってきた「日焼けマシン」の契約者
 ぎゅう、と黒服にしがみ付き、歩こうとしない

 ……仕方ない

 ひょい、とその体を抱き上げる
 女性の体になっている今の状態ならば、何とかそれができる

 「日焼けマシン」の契約者の体を抱きかかえながら、黒服は足早に帰路に付いた
426小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:26:10.29 ID:XQHsQbBe0
 家に帰ると、「はないちもんめ」の少女はまだ起きていた
 申し訳ないと思いながら、彼女に水を用意するよう頼んで、「日焼けマシン」の契約者をそっとソファーに横たわらせる

「…大丈夫ですか?意識はありますか?」
「………」

 意識が、あるのかないのか
 「日焼けマシン」の契約者は、ぼんやりと黒服を見つめ続けている

「水、持ってきたわよ」
「あぁ、ありがとうございま……………っ!?」

 はないちもんめから、水を受け取ろうと立ち上がろうとした、その時
 ぎゅう、と……「日焼けマシン」の契約者に、抱きつかれた

 ぴき!!と、はないちもんめから何かそんな音が聞こえたような気がしたが、気のせいだろうか?

「どうしました?」
「…………や」

 ゆっくりと、「日焼けマシン」の契約者が口を開く
 その声は…はっきりと、震えていた

「や、だ………嫌、だ、置いて、いかないで………あんな家……帰りたく、ない……」
「………?」

 …これは、もしや
 今、この子が言っている「家」は……
427小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:30:54.12 ID:XQHsQbBe0
「…あなたの、ご実家に、ですか?」
「や、だ……もう、あんな場所……戻りたく、ない………!」

 声が、体が、震えている
 こちらを見あげてくる眼差しは……この子が、小さかった頃
 まだ、出会った頃のあの頃、向けた来たものに、よく似ていて

「俺は、物じゃ、ない……人形なんかじゃない……っ、…あんな、連中のところに……戻りたくない……!」
「……大丈夫ですよ」

 そっと、はないちもんめから水を受け取って
 黒服は、「日焼けマシン」の契約者と視線を合わせた

「大丈夫です、あなたは、ちゃんと人間です…私と、彼女の家族です」
「………ぁ」
「大丈夫ですから…そんな、泣き出しそうな顔をなさらないでください」

 今にも泣き出しそうな顔
 この子が幼かった頃、家に帰そうとするとよく浮かべていた表情
 …あれと、まったく同じなのだ
 今、この子が浮かべているのは

 こちらの言葉に、少し安心したのだろうか
 かすかに、笑みを浮かべて

「………あ」

 こてん、と
 力尽きたように、倒れこむ
428小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:32:44.75 ID:XQHsQbBe0
 聞こえてきたのは、小さな寝息
 …どうやら、眠ってしまったようだ
 せめて、水を一口でも飲ませたかったのだが……明日、二日酔いに苦しまないといいのだが

「…もしかして、酔っ払うと幼児退行するタイプ?」
「……かも、しれませんね」

 はないちもんめの言葉に、小さく苦笑して見せた


 …あれは、幼い頃の「日焼けマシン」の契約者そのものだった
 実の父親からの、まるで物のような扱いに苦しみ
 実の母親から、愛情を向けてもらえないことに苦しみ
 それらに悲しみ、家に帰る事を拒絶していた、その姿


 …今、この子と、はないちもんめと暮らしているこの家
 この家は…この子にとって、「帰りたい」家だろうか?
 「帰りたい」家になっているだろうか?

 ……なっていればいい、と
 黒服は、そう考えずにはいられないのだった



fin


429小ネタ(代理):2009/11/09(月) 22:36:34.71 ID:XQHsQbBe0
チャラ男誘拐未遂と酒癖
なお、チャラ男は翌朝何も覚えてない
こいつもまた、酔っ払い時の記憶は完全消去されるタイプです

***
お前らもう飲むなww
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:42:00.45 ID:fxEs6XFLO
信じようと、信じまいと―

皆さん、こんにちは
もしかしたらこうして話すのは初めてかもしれませんね
私、とあるしがないバーでマスターをやってる者でございます
名前?いいえ、私には名前はありません
どんな人か?『今は』女の姿をしております、本当なら私に決まった姿はございませんのですが、今は色々とありまして、この姿でございます
今日は不思議な話はしないのか?そうですね、しないわけではありません。ただ、しばしお待ちください

所で、実は私、今はバーにいる訳ではありません
あの子と一緒に、日課の散歩をしているのでございます
散歩はいいものです
歩く度、色々な物に出会えるし、何より気持ちいい
ほら、見えますか?あそこです
「おー、おさかなー」
…ね?散歩で魚が見れるなんて、中々ないでしょう?
え?見えない?…そうですね、なら静かな場所で少し目を閉じて、想像してみてください
まずは浜辺、波が寄せては返します。その波に逆らいどんどん前へ、怖がる必要はありません、心を静かに落ち着けましょう
どんどん前へ…どんどん深く…暗くなりますが、大丈夫、深い所には明るい魚もいます。十分に歩いた所で、好きな魚を想像しましょう
…ほぅら、見えてきたでしょう? 因みにこの体験には個人差があります、見えない人には見えません
…さあ、そんな体験をした所で、いつものあれをしましょうか

「信じようと、信じまいと―」
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:42:53.30 ID:fxEs6XFLO
〜どこか〜
「お…おい…!今の見たか…!?」
何かの研究員だろうか、白衣を着た男が画面を見て驚愕の声を上げた
「ああ…!一瞬だが…確かに見えた…!」
男の問い掛けに、仲間も途切れさせながらも答える
二人の様子からして、とても大変な物を見てしまったのだろう
何度も何度も巻き戻し、問題の場面を見る
「ありえない…!だが…!!」
「これは…学会に発表するべきだろうか…?」
何度も何度も、同じ場面を繰り返す画面を前に二人は顔を見合わせる
画面に映っていたのは、深海探査機の映像だろうか、海底の様子が映っている
そして映像が巻き戻され、問題の場面が映る
そこに映っていたのは、そこにいるはずもない、いられるはずがないもの
海底を歩く、二人の人間の姿だった
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:43:41.22 ID:fxEs6XFLO
「信じようと、信じまいと―

地球の深海というものは、実は未調査領域が大変多い。
したがって深海を調査すると、新種の生物や、もう絶滅したと思われていた生物が見つかることがある。
奇妙な噂というのも、研究者の間では絶えない。それは、こういうものだ。
『探査機のモニター画面で、歩いている人を見た』

信じようと、信じまいと―」
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:45:43.66 ID:fxEs6XFLO
たまには色々視点を変えてみるのもいいよね!マスター海へお散歩の巻

なんだか話を書く度にマスターが人間離れしてる気がする
もう人間じゃないんだけどもね…
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:49:42.65 ID:XQHsQbBe0
乙!
やっぱり深海を歩く人間は若干エグイ格好なんだろうか?
おそらく
サルするけど代理行きます
435Tさん(代理):2009/11/09(月) 22:50:23.59 ID:XQHsQbBe0


 黒服が自身のことを棚に上げ契約者を気遣って足早に去っていくのを見送り、青年はもう一人、この場に残った黒服を見た。
 秋祭り三日目に出会った。髪の伸びる黒服はくっくと笑って去っていく黒服を見ていた。
 青年の契約者は半目でそれを見て、
「休んでおけって言ったその舌の根も乾かないうちに言うかよ? 普通」
「まあ≪日焼けマシンで人間ステーキ≫の青年が倒れてしまったらそれはそれであの人は気付かなかった自分を責めそうだしな。注意すること自体は間違ってはいない」
 青年の言葉に髪の伸びる黒服もうなずく。
「そういうこった」
 それから髪の伸びる黒服はそうそう、と青年へと振り向き。
「≪組織≫は≪夢の国≫には無闇に手を出さない方針なんだそうだ」
 言ったその言葉に、
「そうか……」
「おお、そいつはよかったっ!」
 安堵の表情の青年と嬉しそうな表情の少女。それを見て髪の伸びる黒服はまた一つうなずき、
「よかっただろ? 嬢ちゃん」
 「おう」と少女がうなずいたところで青年の方が髪の伸びる黒服に声をかけた。
「貴方に一つ頼みがある」
「またか」
 うへぇ、と言う髪の伸びる黒服に青年は苦笑。簡単なことだ。と前置きし、
「俺のことを≪組織≫にはあまり言わないでほしい」
 告げた。
436Tさん(代理):2009/11/09(月) 22:51:04.92 ID:XQHsQbBe0
「……そいつはまた、どうしてだ?」
 探るような髪の伸びる黒服の声。場の空気が少し硬質になった。
 そう警戒してくれるな。と青年は言って、
「俺は元≪組織≫の――捨て駒だからな。まだ存在しているとばれるのはあまりよろしくなさそうなんだ」
 髪の伸びる黒服はほう、と驚き、
「元≪組織≫所属か」
「人間だった時だがな」
 今じゃこの通り都市伝説の身だ。と笑って青年。
「以前、貴方を戦場で見た。その時にあの組織と連絡を取っているところを偶然見たんだ。だから貴方とあの組織の関係をそれ以上は俺は何も知らない。
 当然、このことを誰にも言うつもりはないよ」
 髪の伸びる黒服はあー、と何かの合点がいったように相槌を打つ。
 そして、
「例えば、だ。俺があんた――Tさんの情報を≪組織≫に言わない代わりに何かを要求するとしたら、どうする?」
 発された問いに青年は少し考え、
「別に討伐対象でもないし言っても構わない」
 が、と髪の伸びる黒服が青年の言葉を継ぐ。
「≪組織≫は再び所属することを望むかもな」
「それだ」
 渋い顔の青年。彼の契約者は首をかしげている。
 青年は彼女に≪組織≫のことをほとんど話していない。自分が≪組織≫でやった仕事を殺しも含めて洗いざらい話し(吐かされ)、あとは必要だが悪でもある。
と結論を言っただけであった。それだけの情報ではこの会話は難しいのかもしれない。
「仮にそうなって、断ってしまった場合面倒なことになるだろうな。それに――」
 青年は契約者をちらりと見て、
「身を預けるには≪組織≫は信用できん」
「嫌われてるねぇ」
「必要だとは思うのだがな」
 お互いに苦笑。
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:51:33.11 ID:fxEs6XFLO
たまには支援ぬ
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 22:57:24.98 ID:HheEcKRqO
>>434
え? 貝殻の水着じゃないの?
439Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:00:05.99 ID:XQHsQbBe0
「……フム、では」
 髪の伸びる黒服はそう言っておもむろに携帯を取り出した。そしてどこかに掛け始め、
「――ああ、ちょっと≪組織≫に重大な情報が」
 話を始めた辺りでピキ、と音がした。
「……?」
 髪の伸びる黒服がその音の音源――携帯に目を向けるとそれは、
「壊れてやがる」
「携帯が壊れてくれると、幸せだな?」
 声に視線を向けると、青年の向けている指先から細い光が一本伸びており、消えた。
「なんで壊すかねー」
 ぶちぶち文句を言いながら髪の伸びる黒服は携帯を懐にしまう。
「あまりにもあからさまなのでついつい乗ってみたくなったんだ。能力を確認したかったんだろう? このとおり、持っているのは大したことのない能力だよ」
 満足だろうか? そう言って青年は笑みを浮かべる。
「どうかなー?」
 やはり笑みで黒服の髪がシュルシュルと伸び始める。
「え? どうなってんの? なに? このムード」
 契約者の少女が不穏な気配に焦る中、青年がのんびり伸びていく髪を眺めていると、髪が伸びている黒服は懐からイヤホンを取り出し、耳につけた。
 すると髪の伸びる速度がグンと伸びた。
「ちょっと待ってくれよ? え? 何?」
 伸びて自分の足元にまで這ってきた髪を見て更に焦ったような声を上げる少女が青年の背後で立ち上がる音がし、
「ちょっと契約者はそこの路地にでも入っていてくれ」
 それを聞いて青年が指示を出した。
「お、おう」
 慌てて路地へと駆けていく少女を見て髪が伸びた黒服は重々しくうなずく。
「――いい」
 彼はその顔にイイ感じの笑みを浮かべると、
「これが俺の能力だ」
 言った瞬間、場の空気は完全に緩んだ。
440Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:00:59.28 ID:XQHsQbBe0
「……そこまで伸ばさんでも貴方の能力はよく分かるのだが」
 あと契約者が怖がるから理由を言わずにやらんでくれ。
 言った青年にそれがいいんじゃないかと返して黒服は笑う。
「アレだ、髪をどのくらいの速度で伸ばせるか見せるサービスだ。サービス」
「はぁ」
 威圧の間違いではないか? そう思いながらも青年は別のことを訊く。
「……そのイヤホンは?」
「ああ、これか?」
 髪が伸びた黒服はものすごく笑顔で、
「世界で一番美しい類の音が入っている」
 聴くか? と言った。
 青年は数瞬警戒するようにイヤホンと髪が伸びた黒服を見ていたが、
 罠……ではおそらく、ないだろうな。
 彼のいい笑顔を見て青年はそう結論し、
「聴かせてもらおう」
「友人にも聴かせたことのないものなんだが、以前見せてもらった契約者の嬢ちゃんと夢子嬢の浴衣姿に免じて聴かせてやるよ。感謝しろ」
 そう言ってイヤホンを差し出す髪が伸びた黒服からイヤホンを受け取る青年。
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 23:02:45.96 ID:/8jjKuEE0
支援
442Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:04:10.04 ID:XQHsQbBe0
 耳につけてみると、イヤホンからはメロディーではなく、本人が言った通り、音が聞こえてきた。
 それは――
『シー、シュワアアア……』
「……水、か?」
 水音のようで、
『シー、シュシュー、シュワワワア……』
 そこで音が終わった。
「?」
 それ以外に特に何もないことを怪訝に思っていると、2ループ目が開始された。
 それには、
『シー、シュワアアア……
 ――や、黒服さん、見てませんよね? ね?』
 少女の声が付随していた。
「…………は?」
 青年が眉根を詰めて音の向こうの様子はどうなっているのかと考えていると、
『シー、シュシュー、シュワワワア……
 ――そ、そうやって偶然を装ってこっちを見ようとしないでください!』
 水音と共に少女の羞恥に染まった声が聞こえてきた。
「……………………これは?」
 理解できているようであまり理解できたくないモノについて問う。
「世界で最も美し――」
「もっと具体的に、しかしそこで様子を窺っているウチの契約者たちに分からないように」
 注文をすると、
「黄金水の奏でる音色だな」
 即答が来た。
「……警察行くか?」
 予想通りだったことに思わず眉間を揉み解しながら青年。
443Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:04:54.02 ID:XQHsQbBe0
「待て待て、合意の上だ」
「む」
 確かに聞こえてきた少女の声の様子はこの黒服の知り合いのようではあった。
「それはまた、ずいぶんと……」
 青年は言葉を選び、
「特殊なんだな」
 言うと、
「まああの娘のピンチだったからな」
 あんなこともあろうかとなぜか盗聴器が付いたおまるを持っていてよかった。と言う髪が再び伸び始めた黒服。
 青年は言いたいことがないわけではなかったが、
 個人の趣味か。
 思い、黙ることにした。
「……ちなみにこれは一体何ループ入っているんだ?」
 3ループ目に入ったイヤホンを外し、返しながら青年。
「フム、まずノーマル音声が一つ、その次に声のみが一つ、次に声編集バージョンが一つ、最後に水音のみが一つ。
 今はこれくらいか」
 懐にイヤホンを戻しながら髪が伸び続ける黒服。
「おーいTさーん、なんかまとまったっぽい?」
「ん、ああ」
 呆れていると二人の様子を窺っていた青年の契約者が声をかけてきた。
「じゃあこっちに来てくれ」
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 23:05:37.69 ID:bFOt9lhuO
ちょwww
支援
445Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:05:46.87 ID:XQHsQbBe0
「どうした?」
「喧嘩みたいなんだけど、どうも様子がおかしいんだ――よっ!?」
「どうした!?」
 声が変な風に途切れた少女の元へと駆けだす青年。しかし、
 ドゴッ、と打撃音が一つ響いた。
「あー、いや、なんかこっちにも来ただけだ」
「なの」
 青年がたどり着いた時には人形――リカちゃんが契約者の足元に倒れている人間の上に立って「ぶい」とやっていた。
「こっちに来てくれ」
「ああ」
 リカちゃんを拾い上げた少女と青年が話していると、
「へ〜、様子がおかしい、ねぇ」
 髪が伸びた黒服も興味を持ったらしい。三人の後をついてきた。
 路地の向こうからは喧嘩が作りだす音が聞こえて来る。
 それは打撃音、悲鳴、罵声、何かの破砕音――しかし、
「確かにこれは妙だ」
 青年の声に髪が伸びる黒服もうなずく。
「聞こえてくる声、まるでヤクでもやってるみたいな声だな」
 話している間に短い小道を抜ける。そこでは、
「きったね、一対大人数とか」
 一人の青年が大人数を相手に殴り合いをしていた。
446Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:06:57.18 ID:XQHsQbBe0
「おお、Tさん、あの兄ちゃんすごくね? あの人数相手にダメージ食らってなさげだぜ!?」
 少女がそう青年に言うと、
「それもそうだが、」
 青年は同意し、しかし視線は殴り合いをしている青年を囲っている人々へと向いている。
「髪の伸びる黒服さん、あの目は」
「ああ、本当にヤク中か、それとも――」
 そこまで言ってポン、と黒服は青年の肩をたたいた。
「まあ悩んでも仕方ねえな。とっ捕まえりゃわかるだろ。ほら、行ってこい、嬢ちゃんはしっかり守っててやるからな」
 青年は嫌そうな顔をして、
「契約者の焦る顔を見て喜ぶ人間にあまり任せたくはない」
 そう言ってその場で片手を前に突き出す。
「あの青年のみを避けて行ってくれれば、幸せだ」
 そう青年は己の内側に祈り、
「――っ」
 息を吸い。
「――破ぁっ!」
 吐き出すと共に、眩い光が路地を駆け抜けた。

447Tさん(代理):2009/11/09(月) 23:10:04.30 ID:XQHsQbBe0
 なぜこんなに長くなった……?
Hさんに土下座を敢行しつつ三面鏡の少女に五体倒置!!
あれです! 少女はこのこと知らないから問題無いッスよ! ええきっと!!

HさんとTさんはお互い探りあいしつつ一応敵対性は無しと結論したのではないだろうかと思いつつ。
Hさんは分からんけどもTさんはそんな感じに結論しました。
T「ただし、特殊な趣味の持ち主……と」

……だ、そうです!

Tさん的には戦う力が見られてちょっと残念。くらいには思っています。

契約者はチャラ男の写真を持っているのでそこら辺から会話の導入をしてくださればいけると思います。


***
やっぱりさるった・・・
作者さん俺の欲望にこたえてくれたんだろうか・・・。ありがとおおおおおおおおおおお!!
HさんとTさんの腹の探り合い、いいなぁ
そしてやっぱりTさんすげえ
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 23:13:31.48 ID:XQHsQbBe0
>>438
なんと!
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/09(月) 23:29:27.77 ID:/8jjKuEE0
代理投下乙!
相変わらず黒服Hはwwwwww
450はないちもんめ(代理):2009/11/09(月) 23:34:17.98 ID:/8jjKuEE0
すっかり寝てしまったチャラ男を見て思いだすのはさっきの幼児退行していた姿
家に帰りたくないと、自分は人形じゃないと泣いていた
その姿を見て、あぁ、コイツも私と同じだったんだと理解した
家が、両親が嫌いだったんだ
何時か、首塚の女性が言っていた言葉を思い出す

『「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者のあの子……あの子も、大人嫌いだったみたいなのよねぇ。20を超えて大人になった今でも、どこか子供っぽくて大人になりきれてなくて。多分、あの子も今でも、大人嫌いなんでしょうねぇ?』

大人嫌いのはずの私が、コイツをそこまで嫌わなかった原因は多分そこ
コイツ、大人のフリをしてるだけで中身はまだ私と変わらない子供なんだ・・・
寝てしまってるチャラ男の頭に手を置いて撫でてやる
少女「大丈夫・・・今のアンタの家族は私達なんだから、アンタを親の元へ返したりしない・・・うん、返さない」
だから
少女「今は安心して眠りなさい」
黒服だけじゃない・・・コイツも私の家族だから
私は、私の家族を、コイツも守ろう
静かに眠るチャラ男の姿に、私はそう決意した

終わる

451はないちもんめ(代理):2009/11/09(月) 23:36:30.49 ID:/8jjKuEE0
酔ったチャラ男を見た後の話
花子さんの人に土下座!!

***

復帰一発目の代理投下でした。規制に弄ばれてる気分だぜフゥハハハー
はないちもんめがいいお姉さんしてるなあ・・チャラ男もはないちもんめも皆幸せになってほしいんだぜ
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 00:02:39.52 ID:TDtWvYFG0
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 00:28:13.55 ID:5HFKTSMR0
皆様乙です

665 名前:Tさん[sage] 投稿日:2009/11/09(月) 23:25:08
本スレ>>447
いえ、Hさんが宴会に来ていれば使うはずだったネタをサルベージして改変しただけなのでそんなに褒められるとうへへwwwってなっちまいます。

***
うへへへwww
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 01:05:34.28 ID:5HFKTSMR0
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 01:31:57.00 ID:TDtWvYFG0
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 02:00:30.56 ID:TDtWvYFG0
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 02:52:26.04 ID:TDtWvYFG0
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 05:47:53.50 ID:KjHd5R1iO
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 06:33:26.60 ID:2bC87Ctd0
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 07:32:58.89 ID:5HFKTSMR0
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 08:22:34.10 ID:L6nfd4qJO
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 09:19:09.15 ID:1hTGRg6CO
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 10:20:08.77 ID:60tPWeK4O
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 11:08:13.46 ID:1hTGRg6CO
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 12:06:44.06 ID:5HFKTSMR0
ひるほ
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 12:56:20.44 ID:60tPWeK4O
ひるこ
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 14:19:31.18 ID:KjHd5R1iO
ほし
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 14:57:43.01 ID:L6nfd4qJO
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 15:17:46.58 ID:1hTGRg6CO
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 15:58:13.48 ID:1hTGRg6CO
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 17:06:23.20 ID:60tPWeK4O
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 18:18:18.17 ID:60tPWeK4O
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 18:47:03.90 ID:KjHd5R1iO
十円
474小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:02:04.19 ID:TDtWvYFG0
 眩い光が、路地を駆け抜け……一対多数と言う、その喧嘩を繰り広げていた者たちに襲い掛かる
 その光を見ての、一人で多数を相手にしていた青年の動きは、劇的だった

「へ?」

 ふっ、と
 瞬時に、その姿が消えた…ようにしか、Tさんの契約者には見えなかった
 だが、Tさんと、黒服Hは気づく
 咄嗟に壁を蹴り高く跳び、Tさんの放った光を避けたのだ
 驚異的な、反射神経。恐らく、人間の限界のギリギリの
 そうしなくとも、光は彼だけを避けたはずなのだが…まぁ、彼からしてみれば、そんな事はわからないだろう
 くるり、宙返りでもするように高く、高く跳び…Tさんたちを、一瞬、見下ろしてきた
 そして、Tさんたちが立っているのとは…反対側
 そちらに視線をやって、小さく、舌打ちしたように見えた
 光が消え、男たちが倒れている中着地し、Tさんたちが立っているのとは、反対側を睨んだ

「あ、まだ誰かいて……って、あれヤバくね!?」
「む…」

 そこにいたのは、一人の男性と…少女だ
 男性は少女を無理矢理、引きずり出したようで…少女は大きな鞄を抱え、怯えたような表情を浮かべている
 男の手には…コーラの瓶が、握られていて

「やっぱりコーク・ロアの支配型か」

 黒服Hは、小さく舌打ちした
 このところ、学校町で異様に増えているコーク・ロア…「コーラにはコカインが含まれている」と言う都市伝説の契約者
 それも、その都市伝説の力が宿ったコーラを他人に飲ませる事により。相手に薬物中毒のような症状を起こさせ、それを支配すると言う厄介な能力、そればかりが増えているのだ
 先ほどまで、あの青年が一人で叩きのめしていた相手も、支配されていた被害者達だったのだろう
475小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:05:56.35 ID:TDtWvYFG0
「あぁ、くそくそくそくそくそくそくそ……何なんだ、お前たちは……っ」

 コーラの瓶を持った男性が、忌々しげに口にする
 少女はその男性の腕から必死に逃れようとしているのだが…力の差は歴然としており、逃れる事ができないでいた

 じゃり、と
 青年が、そちらに一歩、近づく

「っく、来るな!!」

 男性が、少女の口元に…コーラを、近づけた
 少女はますます怯えたように、口を紡ぐ

「やばいな、あれ飲まされたら支配されるぞ」
「んな呑気なっ」

 言っている内容のわりには、特に急いでいる様子もない黒服HにTさんの契約者が突っ込む
 …もう一度、攻撃すべきか
 あの男性だけに当たってくれれば幸せだ、Tさんはそう祈りつつ攻撃しようとしたが…

「−−−−−あぁ、駄目だ。全然駄目だな」

 青年が、口を開いた
 じゃり、ともう一歩、少女を掴んだ男性に近づく

「く、来るな!こいつがどうなっても…」

476小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:08:00.13 ID:TDtWvYFG0
「−−−−−動くなっ!!!!」


 路地に響き渡る、怒声
 青年が発した声だ
 離れていても鼓膜が震えるほどの、強い声
 その声に、男性はびくりと体を震わせ
 直後…青年は、男性の前まで、接近していて

「っが!?」

 青年の両手が、男性の喉を捕えた
 喉元への一撃に、男性は即座に昏倒する

「怪我ないか?」
「……ない……けけっ」

 男性の手から逃れ、少女がほっとしたような声をあげる
 どうやら、今度こそ無事に片付いたようである
 くるり、青年がTさんたちに振り返ってきた

 …少女が、やや怯えたように、青年の背後に隠れた
 青年と少女が警戒している様子が、はっきりと伝わってくる
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:08:08.37 ID:zKha5Umx0
支援!!
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:10:54.01 ID:KjHd5R1iO
支援
479小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:11:46.28 ID:TDtWvYFG0
「あぁ、そう警戒すんな」

 そう声をかけたのは、黒服H
 …が、青年も少女も、ますます警戒したようにしか見えない

「黒服さん、髪、髪」
「おぉっと」

 しゅるりっ、と、黒服Hはうっかり伸びていた髪を戻した
 この男、少女が怯えている様子を見て、思い切り髪を伸ばしていたのである
 色々と台無しである。駄目だこいつ、早く何とかしないと

「…一応、助けてもらった、と見ていいのか?」

 警戒の色をふくみつつ、青年がそう口にしてきた
 あぁ、とTさんが頷く

「どうも、ただならぬ状態だったのでな」

 相手は、コーク・ロアによって操られていた人間だったのだ
 何度叩きのめされても起き上がっていた者の姿もあったし、青年は強いようだが、ヘタをすれば体力が尽きていたかもしれない
 …それに、どうやら青年は、あの少女を庇って戦っていた様子
 その状況で一対多数の、それもコーク・ロアに操られた人間との対決は、いくら何でも分が悪いだろう

「…まぁ、礼は言っとく。ありがとうな。妙な光に付いては、一応突っ込まないでおいてやる」
「それはどうも」

 一応、ほんの少しだけ、警戒を解いてくれたようだった
 …あくまで、少しだけ
480小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:15:45.55 ID:TDtWvYFG0
 …と、青年の背後に隠れていた少女が…ほんの少しだけ、顔を出してきて

「…………あ、ありが、とう…………」

 と、ぼそぼそと、小さく告げてきた

 ………しゅるりんっ

「くけっ!?」
「だから髪、髪」
「いや、ついな?」

 しゅるりり
 また、黒服Hが髪を伸ばしたものだから、少女は再び青年の背後に隠れた閉まった
 ますます駄目だこいつ、早く何とかしないと
 そう考えつつ、Tさんの契約者は青年たちに目をやって

「ん、あれ?」

 あれ?
 前にも、どっかで見た事があるような
 少女の方はともかく、青年の方が
 確か、あの時もこんな路地裏で…
 ……………
 あ

「チャラい兄ちゃんの知り合い?」
「うん?」

 Tさんの契約者の言葉に、青年が反応した
481小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:20:08.44 ID:TDtWvYFG0
「ほら、Tさん。黒服さんが、ゴブリンマーケットだかってとこに行った後に」
「…あぁ、あの時の」

 そうだ
 「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者が、友人だと言っていた青年だ
 確か、あの時もこうやって、コーク・ロアに操られた人間たちと殴り合っていた
 「日焼けマシン」の契約者の言葉からすると、どうやら都市伝説の事は知らないようだったが…案外、巻き込まれやすい体質でもしているのかもしれない

「…あいつの、知り合いか?」
「あぁ。そうだよ」

 黒服Hが相手を警戒させている分、自分が警戒を解くべきだ
 そう考えたかどうかは不明だが、Tさんの契約者はえぇと、と鞄をあさって…

「あ、あったあった。こう言う写真もってる程度に、知り合いだよ」

 と、そう言って
 …「日焼けマシン」の契約者が、メイド服を着せられていた時の写真を、取りだした
 しゅるるる、と一瞬黒服Hの髪がまた伸びたような気がしたが、気のせいだろう

「何故、よりによってその写真なんだ?」
「いや、ちょうどこれが手にとらさったから」

 Tさんの言葉に、Tさんの契約者はそう答える
 いや、我ながら、よく撮れていると思うのだが

 …青年は、その写真を、じっと見つめてきて…

「………っぷ。はっははははははははははははは!!」
482小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:24:41.14 ID:TDtWvYFG0
 さぞおかしそうに、笑い出す
 青年の背後に隠れていた少女が、くけ?と小さく首を傾げている様子が見える

「あいつ、あいっかわらず女装が似合うんだな。本当、昔と変わっちゃいねぇ」
「あ、やっぱ、昔も似合ってたんだ?」
「そりゃあ、もう。学芸会の白雪姫役がクラスほぼ全員の意見であいつに決まった時は吹いたな。本人の必死の抵抗と、その日に行われた職員会議の結果、結局他の女子がやったけど」

 くっくっく、と青年は笑っている
 どうやら、警戒の色はようやくとれたようだった

「そうか、あんたらもあいつの知り合いか…そっちの黒服も、あいつが懐いてる黒服とは別人みたいだけど、一応、知り合いと見ていいのか?」

 ちらり、Tさんは黒服Hに視線をやる
 黒服Hは軽く肩をすくめ、答える

「俺はこっちの二人ほどじゃないが、まぁ、顔は知ってるぜ?過労死寸前の同僚によく懐いてる坊やの事なら」

 外見が20代前半ほどの黒服Hが、「日焼けマシン」の契約者を坊やと呼ぶのには、若干の違和感が伴うが
 一応、青年は気にしないでくれたようだ
 Tさんが放った光に付いて深く突っ込んでこなかった点を見ても、スルースキルが高いのかもしれない

「どーも、一応はじめまして…俺は、あいつの小学校からの幼馴染だよ。あいつは、あんたらにも世話になってるのか?………それとも」

 一瞬
 ほんの、一瞬だったが
 青年の視線が、鋭さを増した

「それとも…あんたらも、あいつを厄介な事に巻き込んでるのか?」
「巻き込んでいるつもりはないがな」
483小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:28:56.97 ID:TDtWvYFG0
 Tさんは、小さく苦笑する
 …厄介な事に巻き込んでいるというか 
 Tさんの契約者が、「日焼けマシン」の契約者を女装させたり女装させたり写真を撮ったりはしているが
 まぁ、厄介ごとには巻き込んでいない、はず、で、ある

「そうか?しばらくぶりに顔を合わせたと思ったら、その後になんでか知らないけど、あいつ、女の体になってるし……また、あいつが懐いている黒服さんか誰かの厄介事に巻き込まれたと思っていたが」

 その言葉に、かすかに含まれる、棘
 この青年が、あの黒服をあまりよく思っていないような、そんな印象がかすかに伝わる
 …だが、それはどちらかと言うと、「日焼けマシン」の契約者を心配しているが故、そんな風にも受け取れる

「まぁ、助けてもらっておいてこう言うのもなんだが、あいつを厄介事に巻き込まないでくれよ?……俺のだいっじな親友なんだからな」
「善処しよう」

 …女装とかの件もふくめて、色々と
 そんな意味も込めて、Tさんは青年の言葉に答えた

「なら、いいや……それじゃ。こいつらが起きたら面倒だから」

 ごす、と、コーラの瓶を握り緊めたまま倒れている男の体を軽くけりつつ、青年はそう言った
 これ以上、この連中に関わりたくないのだろう
 …そう言えば

「そう言えば、どうして喧嘩になんてなってたんだ?」

 Tさんの契約者がそう尋ねると、立ち去ろうとしていた青年が、あぁ、と答える

「さぁ?こいつと二人で歩いていたら、突然、喧嘩吹っかけられたんだよ。こいつはこの通り怖がりだから、とりあえず隠れておくように言ってたんだ」

 ちらり、自分の背後に隠れる少女を見やりつつ、青年はそう答えてきた
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:30:38.82 ID:oDNwv5ah0
支援
485小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:34:12.75 ID:TDtWvYFG0
 …相手は、コーク・ロアの契約者と、それに操られていた人間
 相手の思惑が何なのかわからない現段階では何とも言えないが…その答えに、特に違和感はない
 だが

「こんな人気のない路地裏を歩いてたのか?お二人さんで?」

 黒服Hが、追い討ちでもかけるように、そう尋ねる
 が、青年は特に慌てた様子もなく

「近道なんでね。まぁ、こんな厄介な連中が出るような道じゃあ、女連れじゃ歩かない方が良さそうだがな……こいつに何かあったら、こいつを気にしてる友人に睨まれそうだし」

 肩をすくめて、青年は苦笑した
 少女は、その青年の言葉に小さく首を傾げたように見えたが、気のせいだろうか?

「話は終わりか?……それじゃあ」

 青年は、少女を引き連れ、路地裏を後にする
 少女は、青年の後をついていって……最後に、ちらり振り返って、小さく頭を下げてきた
 しぃん、と静まり返った路地裏に、叩きのめされた男たちの呻き声だけが響く

「…あー、ほっとく訳にも行かねぇよなぁ。めんどくさ」

 しゅる、と髪を伸ばし、黒服Hが倒れている男たちを、その髪でひっつかんで一箇所にまとめだした
 すたすたと、コーラの瓶を持っている男性に近づいていっている

「「組織」として、確保するのか?」
「あぁ。この増えようは異常だからな。ヘタしたら親玉がいて、この能力を使える奴を増やしてる可能性もあるから。とッ捕まえて話聞かないと」

 コーラの瓶を握り緊めた男の様子を確認し…懐から、先ほどTさんに壊されたのとは、別の携帯を取り出している
 まずは、メールでどこかに連絡をしているようだ
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:34:41.49 ID:oDNwv5ah0
支援
487小ネタ(代理):2009/11/10(火) 19:38:28.80 ID:TDtWvYFG0
「回収部隊が来るから、あんたらは早く離れた方がいいぞ。「組織」と関わりたくないんだろ?」
「…それじゃあ、退散させてもらうとしようか」

 コーク・ロアに操られていた人数が人数だ
 こっちも回収して記憶操作、などとなると結構な人数がここにやってくるだろう
 さっさと退散した方が良さそうだ

「んじゃあな」
「ばいばいなの」
「あぁ、またな」

 にんまり笑って、黒服HはTさんの契約者に手を振った
 しゅるしゅる、髪は落ち着きなく伸びている
 …この男が外回りをしていて、はたして問題はないのだろうか
 非常に、非常に疑問である

「あのチャラい兄ちゃんも、いい友達もってんだなぁ」

 Tさんの契約者は、何気なくそう呟く
 あの青年は、本当に「日焼けマシン」の契約者を心配しているようだった
 彼が厄介事に巻き込まれてはいないか心配し…巻き込むかもしれない存在を、警戒している
 そんなように見えた

「…あれ?Tさん、どうしたの?」
「どうしたのー?」
「うん?……あぁ、いや、何でもない」
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:38:52.80 ID:oDNwv5ah0
支援
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 19:40:54.82 ID:5HFKTSMR0
紫煙
チャラ男の過去wwww
490小ネタ(代理の代理):2009/11/10(火) 19:46:50.63 ID:5HFKTSMR0
 契約者とリカちゃんの言葉に、Tさんは軽く笑って誤魔化す
 …Tさんも、契約者と同じ感想は抱いた
 だが、しかし、同時に……あの青年から、何か、あまりよくない気配を感じたような
 何か、どす黒い思考のようなものを感じたような気がして、ならないのだった






「……マリの食料確保できたと思ったんだがな」

 大通りに出て、魔女の一撃の契約者はぼそりと呟いた
 横槍を入れられなければ、全員叩き伏せて持ち帰り、マリの餌にするなり女にするなり色々とできたのだが…
 まぁ、仕方ないとするか

「…けけっ…「組織」の奴、いた…」

 ぼそり、「爆発する携帯電話」の契約者が呟く
491小ネタ(代理の代理):2009/11/10(火) 19:47:36.75 ID:5HFKTSMR0
 黒服の姿を見て、「爆発する携帯電話」は警戒して、ずっと魔女の一撃の契約者の後ろに隠れ続けていたのだ
 まぁ、今は女になっているし、女物の服を着せられているから、そうそうバレないと思うが
 それに

「あの黒服、髪が伸びてたから…多分、「13階段」が言ってた黒服だろ。何とかなるんじゃないのか?」
「……くけけっ…そう、だといいんだが」

 「組織」から討伐対象に指定されている身であるから、「爆発する携帯電話」は「組織」関係者と思わしき者には警戒心が強い
 …そのわりには、元「組織」で、しかも「爆発する携帯電話」の討伐任務についていた「13階段」相手には特に警戒もしてないのだから、不思議なのだが

「……あいつめ、俺の知らないうちに、知り合いを増やしやがって…」

 ぼそり、魔女の一撃の契約者は呟く
 3年
 たった3年、会っていなかっただけで…随分と、あいつは知り合いを増やしていた
 昔は、知り合いを作る事すら、出来ないでいたくせに
 こちらに対してしか、心を開いていなかったと言うのに

492小ネタ(代理の代理):2009/11/10(火) 19:48:33.21 ID:5HFKTSMR0
 あぁ、やっぱり、あの黒服のせいだ
 あの黒服と知り合ってから、あいつはどんどん変わっていった
 あいつは、俺だけを信じていれば良かったのだ
 俺だけに頼っていれば良かったのだ
 …だと言うのに、あいつはどんどんこちらから離れていって


 だから、教え込んでやろう
 お前が、本当に頼るべき相手は誰なのか
 その身に教え込んでやろう
 押さえ込み、屈服させて………もう、他の連中に渡してなるものか
 あぁ、楽しみだ

 魔女の一撃の契約者は、ニヤリ、どす黒い笑みを浮かべながら、「爆発する携帯電話」と共に帰路に着いたのだった




to be … ?

493小ネタ(代理の代理):2009/11/10(火) 19:51:36.32 ID:5HFKTSMR0
668 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 14:31:54
なーぜーこんなに長くなったorz
そしてTさんの人に焼き土下座っ!!orz
Tさんたちを本格的に「魔女の一撃」契約者と「爆発する携帯電話」契約者と接触させてみた
…「爆発する携帯電話」の方は顔写真を見た後だが、印象違いすぎて気付かなかったって事でorz
そして、Tさんなら多分「魔女の一撃」契約者の黒い面に気づいたかな、と
「魔女の一撃」契約者も、チャラ男がどうして女の姿になったか知らない、と言う点以外は嘘をついてないから困る

>>667
>はないちもんめとチャラ男はお互いに自分の方が相手よりしっかりしてると思いつつ実際は同格な関係で居ればいいと思う
俺もそんな感じならいいなと思ってみた


***
今回Hさんが遭遇したし、全体の流れはこれで進んでいくのかな?
TさんとHさんはどこか似た印象を受けるな〜。シリアス要員だからか!?
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:00:34.53 ID:TDtWvYFG0
うわあああ見事にさるったよ! 代理の代理乙!

そして転載

675 名前:名も亡き都市伝説契約者[sage] 投稿日:2009/11/10(火) 19:54:22
代理の皆様乙です!
本スレ>>493
一味の秘密兵器っぽい浮遊物体出てきたしそろそろ締めに行くんじゃないかな?

676 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 19:55:26
代理の代理の方も乙!!
規制解除されたのが羨ましくてたまらない俺まだ規制中

>今回Hさんが遭遇したし、全体の流れはこれで進んでいくのかな?
ええ加減進めるべく、ちまちま事態を動かしていく予定です
でも、ガッサー一味の馬鹿ネタも書きたいです、安西先生
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:06:40.71 ID:oDNwv5ah0
乙乙

規制規制まだ規制…本当に規制が酷いな
496マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/10(火) 20:16:50.93 ID:TDtWvYFG0
 さらさらと、原稿にペンを走らせる音が部屋に響く
 締め切りは、待ってくれないのだ
 スパニッシュフライの契約者と似非関西弁を使うエロ漫画家の女性は、原稿を前に悪戦苦闘中だった

 …と、そこに
 こんこん、と、部屋の扉をノックする小さな音が聞こえてきた

「んー?どちらさんー?」
「…けけっ……頼まれてた物…買ってきた…」
「あぁ、あなたね?ほら、入って入って」

 そっと扉が開き、ジャッカロープを抱きかかえた「爆発する携帯電話」の契約者が、部屋に入る
 他に、何やら袋を抱えていて

「くけ……これで、いいのか?」
「あんがとなー。いやぁ、修羅場中は気軽に食べられるもんが一番やねんで」

 「爆発する携帯電話」が買ってきたのは、バナナ一房
 原稿中口に摘む物として、スパニッシュフライの契約者達が買ってくるよう頼んでいたのだ
 たかがバナナと侮るなかれ
 栄養価は高いし結構腹持ちするので便利なのである

「…あら?ジャッカロープも、バナナ欲しいの?」
「けけっ?」

 ぴすぴす
 袋を気にしている様子のジャッカロープ
 スパニッシュフライの契約者はやんわりと笑みを浮かべると、袋からバナナを取り出す
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:18:16.73 ID:5HFKTSMR0
>>494
浮遊兵器は正体が気になるww

紫煙
498マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/10(火) 20:20:11.64 ID:TDtWvYFG0
「はい、どうぞ。ほら、あなたも」
「………けけっ?いいの、か?」

 ジャッカロープだけではなく自分にも渡され、「爆発する携帯電話」の契約者は、小さく首をかしげた

「ええんよ、この寒い中買て来てくれたんやし。一本くらい」
「……ありがとう……けけっ」

 小さく頭を下げ、「爆発する携帯電話」の契約者は、ジャッカロープを抱きかかえたまま部屋を後にする
 現行の邪魔をしてはいけない、と判断したようだ
 ジャッカロープの為にバナナの皮をむいてやって、それをジャッカロープに持たせてから…むきむき、自分の分も剥いている
 通路の途中に置いてあったベンチに腰掛け、あむ、とバナナに食いつきだした
 …と、そこに

「うー、さむ。いい加減外歩き回るのはきつくなってきた……な……」

 13階段が、そこに通りかかった
 バナナに食いついている「爆発する携帯電話」の姿に、立ち止まる

「………?」

 どうしたのか?と小さく首をかしげる「爆発する携帯電話」
 ジャッカロープが、「爆発する携帯電話」の真似をして首をかしげる

「…どう、した?」
「あ、あ〜……い、いや、何でもないっ!!」
「くけっ?」

499マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/10(火) 20:21:07.49 ID:TDtWvYFG0
 一旦、バナナから口を放した「爆発する携帯電話」
 その様子に、13階段は慌てて走りさっていった
 ………若干、前屈みで

「…どうしたんだろう、な?」

 首をかしげる「爆発する携帯電話」
 その膝の上に座るジャッカロープは、ただ鼻を鳴らしながらバナナに食いつき続けているのだった



終わっちまえ
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:22:13.51 ID:oDNwv5ah0
風呂前支援
501マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/10(火) 20:24:13.15 ID:TDtWvYFG0
以上代理投下でした。よし13階段もげろ。

そして転載ー

677 名前:名も亡き都市伝説契約者[sage] 投稿日:2009/11/10(火) 19:59:02
代理投下乙!

>>676
馬鹿ネタ読みたいww

そしていい加減抱えてる話終わらせたいです安西先生
これ以上字数増やしてどうしたいの俺!?

678 名前:名も亡き都市伝説契約者[sage] 投稿日:2009/11/10(火) 20:17:20
あ、Dさんに会ってたのにドッペルゲンガ―の件をあさましくも教えてもらうのすっかり忘れてた……
いつか宣言が来るって言ってた……よね? たしか

T「また参加するのか」
作『いいじゃん、スパロボFの物語は終わったけど参戦してる人みたいな感じで!』
502警官二人:2009/11/10(火) 20:37:11.63 ID:zKha5Umx0
警官B「うぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」
警官A「こっち来るんじゃねぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
兄貴「待ちなサーイ!!極楽浄土へイかせてあげマース!!」
そろそろ冬かって頃のある日の夜
俺達は、全裸筋肉男に追われてた
503警官二人:2009/11/10(火) 20:38:00.73 ID:zKha5Umx0
警官B「ちょっとちょっとちょっと!?どうするんスか?!」
警官A「知るかぁぁっ!!つかアレだろ?アイツの狙いお前だろ!?俺を巻き込むんじゃない!!」
大体の予想は付いた
あれが最近噂の連続強姦事件・・・但し被害者は男の、犯人だろう
今までの傾向から考えれば狙われるのは筋肉質な奴のはず
よって奴の狙いは俺じゃない・・・コイツだ
警官B「畜生!!追いつかれる!?」
警官A「ッチ・・・お前、まだ走れるな?」
警官B「え?えぇ、まだ走れますけど・・・」
警官A「なら、西区の廃工場へ奴を連れ込め、俺が何とかする」
あそこなら人目に付きにくい・・・多少の無茶は可能だ
警官B「・・・了解!」
警官A「行け!!」
交差路で、俺とアイツは二手に分かれた
アイツは廃工場目指して
俺は、装備を整える為に
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:39:27.74 ID:TDtWvYFG0
警官ktkr支援www
505警官二人:2009/11/10(火) 20:40:03.92 ID:zKha5Umx0
西区 廃工場
先輩に言われた通り、奴を何とか連れ込むのには成功した・・・が、それはつまり、同時に俺が追い詰められたって事でもある訳で・・・
兄貴「観念して掘られナサーイ」
警官B「絶対にNON!」
既に兄貴は目前・・・
兄貴の腕が、こちらに伸び――――――――――ドォンッ・・・バァンッと非常に大きな爆音立てて吹っ飛んだ
警官B「はぁぁぁっ!?」
最初のドォンッは壁がぶち抜かれた音
次のドォンッは兄貴が跳ね飛ばされた音
何に?
警官A「轢き逃げアタック・・・間に合ったよな?」
先輩が駆るパトカーに・・・だ
506警官二人:2009/11/10(火) 20:42:38.17 ID:zKha5Umx0
兄貴「行き成りとは卑怯な「知ったこっちゃねぇよ」カハッ!?」
吹っ飛ばされた兄貴がよろっと立ち上がるよりも先に、先輩の蹴りが兄貴の顎に入る
警官A「俺らただの人間の警官だからよ、化け物相手に正々堂々とした戦いなんてしねぇよ」
顎を蹴られた兄貴がよろける
兄貴「うぐっ・・・「遅ぇ」なっ?!」
何とか踏み止まった兄貴の腹に突きつけられるのは二丁の拳銃
警官A「食らえ」
容赦なく引き金に力が込められ、兄貴の腹に幾つもの銃弾が叩き込まれる!!
兄貴「ぬゥッ・・・!」
しかし、その銃弾はすべて筋肉で受け止められた
警官A「コイツ受け止めんのか、本当質悪ぃ・・・」
そうボヤキながらも後方へ下がり背中の武器へ手を伸ばす
次に警官が抜いたのはロケットランチャー
警官A「かっ飛べ!!」
その直撃を受け、兄貴は後方へ吹き飛んだ
警官B「滅茶苦茶だぁ!?」
警官A「化け物相手に手加減してやる道理はねぇよ・・・ま」
爆炎の中から現れる・・・兄貴
警官A「あの程度でやられてくれる相手じゃねぇか」
507警官二人:2009/11/10(火) 20:45:03.12 ID:zKha5Umx0
兄貴「兄気を纏う隙すら与えてくれぬとは・・・何と恐ろしい」
先ほどとは違うピンクのオーラを纏ったその姿
ヤバい・・・本気だ
警官B「どうするんスか」
警官A「勝てる気がしねぇなぁ・・・」
そう言いつつも、再び両手に拳銃を握りなおす
警官A「・・・から、合図したらかませよ」
警官B「本気ですか?」
警官A「それ位しか方法思いつかねぇしよ・・・ほら、来るぞ」
見ると兄貴が拳を振り被ってる・・・ヤバい
兄貴「はぁぁぁァッ!!抹死「ッらァッ!!」武!?」
突き出される拳
ソレを蹴り上げる警官
蹴り上げられた事によりそれた拳から放たれた光は、廃工場の天井を突き破り空へ消える
兄貴「ぬ!?」
警官A「やれ!!」
508警官二人:2009/11/10(火) 20:47:33.17 ID:zKha5Umx0
警官B「うぉぉぉぉぉぉっ!!」
兄貴の横手から再び突っ込んでくるパトカー
咄嗟に突き出された拳が、パトカーを貫く
警官A「逃げろ!」
警官B「はい!」
貫かれると同時に車体を飛び出す警官Bと、兄貴から離れる警官A
そして・・・車体が爆発した
兄貴「なぁぁぁっ?!」



ぼうぼうっと燃える廃工場を見上げる二人
警官B「倒せたんでしょうか・・・?」
警官A「さぁな・・・取り合えず今ある火力全部継ぎ込んだんだ・・・多少は食らってくれて無いと困る」
大量の爆弾やら火薬やら積んだ車で特攻・・・できれば二度とやりたくない
警官B「はぁぁぁぁ・・・始末書で済むかなぁ」
警官A「済むだろ、済ませてもらわないと困る」
それから暫くして、消防車やら何やらと共にやって来た上司にこっぴどく叱られ、翌日大量の始末書に追われる事となるが
まぁ、今現在学校町内を徘徊してる兄貴達と比べればどうでもいい話である

終われ
509警官二人:2009/11/10(火) 20:48:26.43 ID:zKha5Umx0
永久の力に便乗な警官VS兄貴ネタ
兄気を纏う前に不意打ちかませば兄貴相手でもそこそこ戦えます
そして兄貴は禿の足元にも及びません
よって単体相手なら警官でも十分対応可能です
まぁ、警官Aは契約者でも無いのにいささか規格外ではありますが
では、お目汚し失礼
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:53:39.80 ID:TDtWvYFG0
乙! 警官すげえwwww

680 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 20:44:28
本スレ警官カッケェwwwwwwwwwwwwww
くそ、支援したいのにwwwwwwwwwwwwwww

681 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 20:50:05
警官乙!!!
カッコよかったけど、待っているのは始末書ですね、よくわかりますwwwwwwwwwwww

682 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 20:50:06
取り合えず13階段もげろ(何となく)

>>本スレ警官カッケェwwwwwwwwwwwwww
そう言って貰えると嬉しいんだぜ!
つか、警官Aを強くしすぎた気がせんでも無い
511警官二人:2009/11/10(火) 20:56:09.47 ID:zKha5Umx0
警官A 男性 38歳
そんなに階級は高くない、寧ろ低い
警官になってなければテロリストにでもなってたんじゃ無いかって人
多分警官よりもヤの付く自由業の人とか極道とか不良とかの方が友達多い
拾ったり密輸したりで銃火器を大量に所持してるにも関わらず捕まらない謎は多分学校町だしで済ませる
契約者でも無いのに都市伝説と互角に渡り合う化け物
書いた始末書の数は底知れず

警官B 男性 25歳
割かし新米
警官Aとセットで動いてる事が多い
図体はデカくガチムチ
常識人、それ故に警官Aに振り回されるかわいそうな人
(警官Aに付き合ったせいで)書かされた始末書の数は底知れず
512とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/10(火) 20:58:18.58 ID:5HFKTSMR0
 …まったく
 眉間を揉みながら、彼女はため息をついた
 …無事だったから、良かったものを
 噂の筋肉強姦集団とやら…何故、「組織」の方で本格的に動きを止めようとしないのか
 いつか訴える、そして勝つ

「…何とかなったんですか?」
「どうやら、そのようです」

 声をかけてきた少年に、彼女は小さく苦笑した
 …本来ならば、このような少年とて、巻き込みたくはない
 しかし、自分が知っている都市伝説契約者は少ないのだ

「…工場が、物の見事に燃えてるっぽいんですが」
「恐らく、私の部下の仕業です……すみません、あなたのお父様が取り引き場所として使う場所が一つ、潰れてしまったようで」
「…多分、大丈夫ですよ。親父たち、最近はあそこを使ってなかったんで」

 学校町を古くから根城にする極道一派の組長の、息子
 彼が都市伝説契約者である時は驚いた
 どうやら、妹の方も都市伝説契約者であるようだが…あちらは、まだ中学生
 高校生である彼すら、巻き込みたくなかったのだ
 彼女まで、巻き込む訳にはいかない

「ご迷惑をおかけしました……お父様に、よろしく」
「…親父たちは、都市伝説の事は知らないんで。この件に関してはよろしく言えないです」

513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:59:04.09 ID:TDtWvYFG0
早すぎ支援www
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 20:59:39.78 ID:zKha5Umx0
相変わらず早いwwwww
支援
515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 21:07:03.02 ID:oDNwv5ah0
レス代わりのSSが早すぎるwww
支援
516とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/10(火) 21:07:55.03 ID:5HFKTSMR0
 みー?と、少年の傍にいた、おかっぱ頭で白いブラウス、赤いつりスカートと言う服装の少女が首を傾げている
 …彼女には、この話題は少し難しいようだ

「しかし、あなたのお父様はかつて、口さけ女と互角にやりあったと聞きますが?」
「……都市伝説だと知らないで、ですよ。お袋だって、その点については同じです。うちの組で都市伝説の存在知ってる奴はほとんどいないと思います」

 だから、と
 少年は、真剣に彼女を見上げてきていた
 はっきりとした意思を、ぶつけてくる

「…うちの組のモンが都市伝説事件に巻き込まれたようだったら、俺が何とかします。学校のクラスメイトたちもそうですけど、都市伝説の事を知らない奴が都市伝説事件に巻き込まれるのが、一番危ないですから」
「それは、同感です……私とて、部下が都市伝説事件に巻き込まれたら、あなたを含み都市伝説契約者の知り合いに連絡するしかできないのですから」

 都市伝説とやりあえる、都市伝説契約者ではない人間は、希少なのだ
 …そして、それらは
 一歩間違えば、その命は一瞬で、風前の灯火に晒される
 …だから、やはり
 都市伝説契約者でない人間は、都市伝説と関るべきではないのだ
517とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/10(火) 21:08:49.80 ID:5HFKTSMR0

「…それじゃあ。親父たちに内緒で家出てきてたんで、帰ります」
「本当にすみませんでした…さようなら」
「さよならー」

 ぶんぶん、少年の傍らにいた少女が、小さく手を振ってきた
 何となく和んで、彼女はそれに手を振り返す
 少年と少女を見送って…彼女は再び、ため息をついた

 …さて
 あの部下たちを、どうしてくれようか

 学校町に勤務する限り…彼女の苦労が絶える事は、ない





518とある警察幹部の憂鬱(代理):2009/11/10(火) 21:10:21.96 ID:5HFKTSMR0
686 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 21:01:55
カっとなって書いた
正直反省している

***

はええwwwwwあと花子さんの契約者の意外な知り合い。
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 21:11:05.83 ID:zKha5Umx0
代理乙!
本当に早いwwwwwwwwww
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 21:13:46.28 ID:oDNwv5ah0
警察ネタを書くともう一つSSが投下されるという都市伝説…
521小ネタ:2009/11/10(火) 21:16:01.82 ID:zKha5Umx0
女死人「あの」
中年「ん?」
女死人「確か女体化って都市伝説なら一週間で治るんですよね?」
中年「らしいな」
子供「大腿骨ウマー」

女死人「もう、2週間になるんですが」
中年「・・・なんでだ?」
子供「頭蓋ウマー」

死人「そりゃ、あれですよ、俺ら都市伝説だけど本質的には動いてるだけの死体ですから」
死人「ぶっちゃけ人間とそんな変わらん」
中年「ってことは?」
子供「上腕二頭筋ウマー」

女死人「ずっとこのままとか嫌だァァァァ!!」
死人「寧ろずっとそのままでいて欲しい俺たちが居る」
死人「上に同じく」
子供「脊髄ウマー」

多分女死人はずっとこのまま
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 21:17:22.04 ID:zKha5Umx0
687:名も亡き都市伝説契約者 :2009/11/10(火) 21:04:24

>>686
乙wwwwwwwwwwwwww
警官A「何故だ!?被害をこれ以上拡大しない様に頑張ったはずなのに!?」
警官B「普通に発砲とか爆破とか放火って犯罪ですからね?」
警官A「てめぇ、一般市民の尻と廃工場どっちが大事なんだよ?」

688:名も亡き都市伝説契約者 :2009/11/10(火) 21:12:55

代理投下してくださった方に、乙と感謝を!!
>あと花子さんの契約者の意外な知り合い。
極道の家の人間なんで、知り合っていてもおかしくはないかと
なんだかんだで、一応仮にも時として跡取りですから

>>687
警察上司「とりあえず、A、あなたの所持していた重火器類について、じっくりと話を聞かせてもらいましょうか?訴えますよ?勝ちますよ?」



警官A「それは、そのーあれだよ、アレ・・・拾った」
警官B「本当になんて町だ」orz
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 21:45:35.11 ID:oDNwv5ah0
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:13:51.17 ID:oDNwv5ah0
寝る保
525:2009/11/10(火) 22:40:13.76 ID:60tPWeK4O



黒服Y「この姿だとスーツ似合わないだろから服買ってみた」キラン

同僚「どうせもうすぐ戻るでしょうから買っても意味な…………」クルッ

黒服Y「……? どうかした?」

同僚「ちょっと写真とってみましょうか」
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:45:48.51 ID:CtTQXe2ZO
信じようと、信じまいと―

「――いらっしゃいませ」
バーに入った男は、マスターの言葉を聞き流し、カウンターに座る
一つ席を開けて右側には…先客だろうか、小さな少女がオレンジジュースを飲んでいる
「どうぞ、サービスです」
マスターが酒の入ったグラスを客の前に置く
珍しい…少なくともあまりイメージの無い、女のマスターだ
髪は黒くつやつやしていて、腰の辺りまで伸びている
顔は優しそうで、中々…いや、かなり美人の部類だろうか
胸はそこそこにある、カップはCらへんか
……と、そこまで考えた所で男はあるものに気が付いた
自分の右側の少女…の、更に一つ右側の席に、何かが置かれている
クリーム色をした立方体で、片面には鉄格子…ペットを入れるケージだろうか
「あの…あれは?」
男はマスターを見ながら右を指差す
「あぁ、あの子ですか?あれは娘です」
娘…そうか、まさかとは思ったが子持ちか…男は落胆した
……いやいや、そうじゃないと男は首を振った
「その子じゃなくて、あのケージです」
「あぁ…あれですか…ペットです」
いや、そんなのは見てわかる
「犬ですか?」
「コアラです」
なんだコアラか………え?
「コア……!?」
男は絶句した、最近はコアラなんかも飼えるのか
「そうだ、コアラと言えば面白い話がありますよ」

「信じようと、信じまいと―」
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:46:33.52 ID:CtTQXe2ZO
マスターが何か話をするが、男はまったく聞く耳を持たなかった…いや持てなかった
「コアラ…コアラって…」
ペットにコアラ、その驚きだけで頭が一杯だった
「…気になります?」
「えぇ…まあ…」
そりゃいきなり「コアラがペット」なんて言われたら皆気になるだろう
「フォークって言うんですよ」
「いや名前じゃなくて!!」
漫才のような掛け合いが続く
「そうじゃなくて!見せてくださいよ!」
「胸をですか?」
「違ああああぁぁう!!!!」
なんだこのマスターは、ふざけてるのか?俺が童貞なのを見透かして馬鹿にしてるのか?
「冗談です、コアラが見たいのでしょう?」
ようやく、男はコアラを見せて貰えるようだ
マスターが合図すると、座っていた少女がケージを膝に乗せ男の方を向く
しかし、少女はケージを見詰めたままケージを開けようとしない
待ち切れなくなった男は、少女に詰め寄る
「おい、早く見せてくれよ、お願いだから、な?」
その頼みが通じたのか、少女はやっとケージを開けた
すると、ケージの中身がいきなり飛び出した
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:47:36.79 ID:CtTQXe2ZO
                                       ハ,,ハ 
                                   /\( ゚ω゚ )/\     いいぜ
                                   ((⊂/\    /\つ))
                                         )   ノ
                                      (_⌒ヽ
                                        ヽ ヘ }
                         ハ,,ハ   /つ ε≡Ξ ノノ `J
                        ( ゚ω゚ )// 
                       /    /     てめえが本当に
                      //)   ノ         頼んでくるなら
                     ⊂/ (_⌒ヽ
             ハ,,ハ          ヽ ヘ }
            ( ゚ω゚ )         ノノ `J
            (     \
            \\ \\   一二
  ⊂\        (_\つ \つ  一二
   \\,,ハ      ヽ ヘ }     一二
   //ω゚ )     ノノ `J    一二
   (/    )
   ) //
   (//ヽ
   し ,ヘ }  まずはそのふざけた
   ノノ `J  頼みをお断りします

「………あぁ!?」
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:49:23.37 ID:CtTQXe2ZO
ケージからでてきたのは、喋って素早く動いて変なポーズを取る、コアラとは並外れた実にアグレッシブな生き物だった
「な…なんだこれぇ!!???」
「あぁ、言い忘れてましたがこのコアラ、普通と違った育て方なんです、珍しいでしょう?」
珍しい所じゃない、これはコアラじゃないだろうと男は思った
いや、確かにコアラに見えなくもないけど…
「まてーー」
視界の端でコアラ?を少女が捕まえケージに押し込むのが見える
「…帰ろう」
「またお越しください」
バーの扉へ向かう男をマスターが笑顔で見送る
男は酷く疲れた顔で、店を後にした
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:50:17.36 ID:CtTQXe2ZO

「信じようと、信じまいと―

ユーカリの葉はかなり強い毒が含まれている。
そのため、それを赤子の頃から主食としているコアラどもは常に酉名酉丁(変換が…)している。
いちど、研究者がコアラをユーカリ以外の食品で飼育したことがあった。
するとコアラは実にアグレッシブな動物に成長し、軽快なフットワークと電光のような動きで飼育員を翻弄したらしい。

信じようと、信じまいと―」
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:51:25.47 ID:60tPWeK4O
コアラ……だよな……
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:53:00.99 ID:60tPWeK4O
酩酊←めいてい
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/10(火) 22:53:10.06 ID:CtTQXe2ZO
(´・ω・`)やあ
うん、調子に乗ったんだ、すまない
でも君は元ネタロアを見た時、言葉では表せない「ときめき」みたいなものを(ry
以上、フォークロアバーのペットの巻


AA使ったせいで長くなった…
3レスで収めてたのに…
534:2009/11/10(火) 23:28:16.99 ID:60tPWeK4O



同僚「銃をクロスさせて、もっとクールに」カシャ
黒服Y「こ、こんな感じ?」スチャッ



同僚「もっと目を伏せて寂しそうにして下さい」カシャ
黒服Y「なんか怖いよ、同僚」スッ



上司「お前ら仕事しろよ」
535:2009/11/10(火) 23:54:28.63 ID:60tPWeK4O



同僚「うふ。可愛いですよ、ふふふ」カシャ
黒服Y「ねぇもしかしてコーク・ロアのコーラとか飲んだ?」



同僚「あぁ、抱きしめたいくらい良いです」
黒服Y「(誰か助けて!)」




おわる
オチなし

ちなみに服は黒服Yが店員に
黒が基本で動きやすく、みたいな感じでお任せで頼んだ
店員のテンションは高かった
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 00:41:15.88 ID:0lqYe4sRO
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 02:04:47.06 ID:kAZHX7jhO
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 03:18:06.07 ID:kAZHX7jhO
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 05:48:42.10 ID:0lqYe4sRO
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 06:32:02.46 ID:c/LdaggMO
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 07:38:55.33 ID:KmAEZ5QtO
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 08:31:16.47 ID:0lqYe4sRO
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 09:58:43.03 ID:a3bZ8jyvO
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 10:35:39.91 ID:KmAEZ5QtO
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 10:41:35.63 ID:0lqYe4sRO
都市伝説「ホモの島」
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 11:30:22.72 ID:KmAEZ5QtO
兄気満々な島だな
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 12:45:53.20 ID:KmAEZ5QtO
548単発ネタ「Sombre Dimanche」:2009/11/11(水) 12:51:16.46 ID:0lqYe4sRO
子供の頃、私が泣いていると母がピアノを弾いてくれた。題名は教えてくれなかったが、今思えば適当に指を動かしていただけだった気がする。
でも、そんな曲でも私は泣き止んだ。そんな事があったからだろう。私は音楽には不思議な力があると思うようになった。
そんな母も数年前に自殺し、私はピアノの先生になった。

普段なら真夜中でも数台の車が通る道だというのに、何故かまだ日が暮れて間もないこの時間に、すでに他に車が見当たらず。
カーラジオからはボブ・ディランの「はげしい雨が降る」がながれていた。
突如、ヘッドライトに映った人影に急ブレーキをふむ。車がとまり、見れば、二人の黒服の男。気がつけば、車の後ろにも数人の人影。
左側は崖、右には林。木々の間からも、人が現れる。前方の黒服が車からおりるように指示され、私は警戒しつつ外へ出る。
「初音愛佳さんですね?」
「そうですけど。」
「ここ数ヶ月、貴女の周囲で死人が異様に多い。また、貴女を調べさせていた契約者が行方不明になりました。
 貴女は契約者だ。あなた、殺しましたね?」
549単発ネタ「Sombre Dimanche」:2009/11/11(水) 12:55:07.57 ID:0lqYe4sRO
こいつは何を言っているのだろう。濡れ衣だ。私は殺してなどいない。
そう、音楽を馬鹿にした彼等は自殺させたのだから、私は殺しなどしていないのだ。
「我々はこれから貴女を拘束します。抵抗すれば殺します。言っておきますが、私も含め此処にいる十人は全員契約者です。勝てるとは思わないことですよ。」
見れば、同じ様な黒い服を着た男が二人に、刃物を持った男や、何かの植物を持った少女、足元に上半身だけの男がいる女など、確かに契約者らしき人達がいた。
でも、私に、数は無意味だ。
「Sombre dimanche Les bras 〜 ♪」
私は信じている。歌は人の心を動かすと。だから私は歌う。
「歌?……っ!歌系の都市伝説かもしれません!すぐにやめ、さ……せ…………
 あの、この任務失敗したら、私の、責任ですかね?」
「はあ!?いきなり何言い出すんだよ………………俺が悪いに決まってるだろ!」
「あの時、俺にもっと力があれば…………」「ママー」「殺したくない殺したくない殺したくない殺したくない殺したくない」「任務だからってデートすっぽかして……絶対フラれたわ……」「なんでみんなボクをいじめるの?」
「鬱だ……」「もう嫌だ!」「死にたい……」「死のう」「死?」「そうだ、それだ」「死のう」「死のうか」「殺して」「死なせて」「死ぬ」「死んじゃおう」

「ヤーヴォル・ラースロー作詞、シェレッシュ・レジェー作曲、歌い手、私。『暗い日曜日』」
歌い終わった私は車に乗り、この場を立ち去った。
後には、頭を銃で撃ち抜いた黒服や、自分の胸に刃物を突き立てた男、崖から飛び降りた少年などの、自殺死体。
カーラジオからながれる「北国の少女」の音だけが響いていた。

550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 13:24:50.12 ID:0lqYe4sRO
701:名も亡き都市伝説契約者
09/11/11(水) 13:03:19
黒服Yの人と単発ネタの人乙ー!!
単発ネタに出た契約者さんと黒服Hでネタが浮かんだが他人様のキャラ死なせる訳にいかねぇ

*************
好きにしちゃって良いですよ。単発でだしたキャラはどうしても。
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 13:35:25.95 ID:0lqYe4sRO
702:名も亡き都市伝説契約者
09/11/11(水) 13:28:47
本スレ>>550
って、いいのかよっ!?
でわお言葉に甘えて書いてみる

********
自分の単発ネタのキャラが他の方の作品にでるのは一つの夢だったり。
扱いはわりとどうでもよくて。
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 14:34:57.17 ID:0lqYe4sRO
たまにはage保守
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 14:35:38.69 ID:0lqYe4sRO
あげ忘れた
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 15:50:23.35 ID:0lqYe4sRO
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 17:57:20.18 ID:5kEOdvfC0
ho
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 18:59:35.00 ID:a3bZ8jyvO
ho  シャー
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 19:09:16.63 ID:5kEOdvfC0
 o<ニャー
..イho<ニャー
558首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/11(水) 19:45:33.79 ID:5kEOdvfC0
 ……ガンガンと、頭が痛む
 どう考えても、二日酔いだ

「…そんなに飲んだ覚えねぇんだが…」
「この所、疲れがたまっていたようですからね。そのせいかもしれません」

 ぐったり、ベッドで寝込んでいる「日焼けマシン」の契約者の頬を、黒服がそっと撫でてきた
 酔い潰れた「日焼けマシン」の契約者を連れ帰った、その翌朝
 ものの見事に二日酔い状態で、起き上がれなくなっていたのだ
 具合悪そうに寝込んでいる

「流石に、今日はアルバイトを休んだ方がいいでしょう。今日は、どこでアルバイトの予定でしたか?」
「ん………春東軒と…コンビニの深夜勤……」
「わかりました。連絡しておきますから、少々、携帯電話をお借りしますよ?」

 黒服の言葉に、「日焼けマシン」の契約者は小さく頷いて、携帯を黒服に手渡した
 …情けない
 あの程度で、酔い潰れてしまうだなんて
 酔っている間の記憶は、ほとんどない
 きっと、迷惑をかけてしまっただろう
 きっと、幼馴染にも、迷惑をかけてしまっている
 …後で、謝らないと

「…あぁ、そうだ。あなたの幼馴染から、今朝、連絡がありましたよ」
「え……あ、何て、言ってた?」
「あなたのことを心配していましたよ?無理に飲ませてすまない、と謝っていました」
「…あいつが、誤る事ないのに…」

 沈んだ声を出す「日焼けマシン」の契約者に、黒服は小さく苦笑した
 具合が悪いせいだろうか、いつもよりも気が弱っているようだ
559首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/11(水) 19:46:16.66 ID:5kEOdvfC0
「とにかく、今日一日、ゆっくりと休んでいてくださいね?」
「ん…わかった…」

 こくり、「日焼けマシン」の契約者は、黒服の言葉に頷いた
 家事は、「はないちもんめ」の少女がやってくれるとは言うが…申し訳ない
 もっとしっかりしなければ、と「日焼けマシン」の契約者は、考え込んでしまう
 この程度で、疲労で倒れているようでは駄目だ
 もっと、しっかりしないと

「それでは、私は仕事がありますが…何かあったら、すぐに連絡してくださいね?」
「……ん、わかった」

 こくり、黒服の言葉に頷いて、黒服を部屋から見送った
 …あぁは答えたが、自分のせいで黒服に迷惑をかけたくない
 具合が悪いと言ってもそれは二日酔いのせいで、別に病気になった訳でもないのだ
 黒服を呼ぶような用事はない

「………」

 ごろり、ベッドの中で寝返りを打つ
 ずきずきと痛む頭
 …気分が沈んでいるせいだろうか?
 余計な事ばかり、思い出す


 幼い頃の、思い出したくもない記憶
 黒服がいなければ、幼馴染がいなければ
 きっと、自分は心を壊していた
 …何よりも、黒服がいなければ
 自分は、契約したこの「日焼けマシンで人間ステーキ」の力で…両親を、殺してしまっていたかもしれない
560首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/11(水) 19:46:59.16 ID:5kEOdvfC0
 見ただけで、相手を殺せる力
 自分ははじめ、その力を暴走させて相手を死なせた…それが正当防衛であったとは言え、自分でもよくわからないままに、殺したのだ
 多分、あのまま、能力の制御の仕方がわからないままだったら…両親も、殺してしまっていたと思う
 両親とは思いたくないような親ではあるが、それでも親である事に変わりはない相手
 流石に、殺したくはなかった


 痛い
 痛い、痛い
 思い出したくもない記憶が、余計に痛みを増加させていく


 親に頭を撫でられた事はない
 微笑みかけられた事はない
 褒められた事なんて、もちろん、ない


『お前は、私の言う通りにしていればいいんだ』


「−−−−−−−−っ」

 支配的な声を思い出し、体が震えた
 …もう、自分は、あの連中から離れたのだ
561首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/11(水) 19:47:41.08 ID:5kEOdvfC0
 離婚について言い合っていた両親は、どちらも自分を引き取ろうとしていたが…その理由は、どちらも、こちらを都合のいい道具として扱うためだったから

 自分は人形じゃない
 あの連中の、都合のいい道具じゃない
 だから、あの家を飛び出した
 父親の下にも、母親の下にもいたくなかったから
 もう二度と、あんな家には帰りたくない
 あんな連中、家族だと思いたくもない

 自分の、家族は
 今、この家で共に暮らしている黒服と、はないちもんめの少女だ
 二人がどう思ってくれているかは知らないが、少なくとも自分にとって、たいせつな家族なのだ

 ここは、あの連中と暮らしていた家ではない
 今の家族と暮らしている家なのだ
 だから、あんな連中の事、思い出す必要などないと言うのに

 しかし、体調が悪い事によって気が弱り、嫌な記憶ばかりが思い出されて
 「日焼けマシン」の契約者は、その記憶を無理矢理振り払うかのように毛布を被り、目を閉じ続けているのだった





fin
562首塚組織の憂鬱(代理):2009/11/11(水) 19:48:57.93 ID:5kEOdvfC0
昨夜の酔っ払いネタの翌朝ネタ
マッドガッサー一味との決戦が時期的に近いってのにやや気弱になっているの図
まぁ、当日は元気になる予定です

******************
00分前だからさるさん怖くないぜHAHAHA!!!
 物心ついた時には、俺はもう「組織」の一員だった
 両親の顔は覚えていない
 俺の記憶にも残っていない時期に、都市伝説絡みの事件で死んだらしかった

 名前で呼ばれた記憶は、ほとんどない
 「13階段」と、契約していた、否、契約させられた都市伝説の名前で呼ばれ続けていた
 多分、「組織」に拾われた時点で、名前は捨てらされていたのだろう
 いつも偽名を与えられ、任務を与えられ…ただ、殺し続けていた

 その生活が少し変わったのは、自分の担当とは違う、髪が伸びる妙に人間臭い黒服と会った時からだ


「あー?お前、名前ないのか?……ったく、これだから上層部の連中は……よし、じゃあ、俺が名前をつけてやる」


 そう言って、その黒服は、俺に名前をつけてきた
 何となくその名前が気に入って、一応、今の使い続けている
 多分、あの時名前をつけられたから、俺は人間らしさって奴を維持できたのかもしれない
 あの髪の伸びる黒服は他にも、色々と…普通の日常の事を教えてくれたり、綺麗なエロいねーちゃんがいる店に連れて行ってくれたりしたし
 「組織」は嫌いだが、あの黒服にはそれなりに感謝している 
 どうして、俺にそんな親切にしてきたのかは、知らないが…一回だけ聞いて見たが「ちょっと、お人よしの真似をしたくなっただけさ」としか答えられなかったし
 とにかく、名前をつけられていこう、俺は「組織」での生活に違和感を感じるようになった
 「組織」での生活が、嫌になってきた
 任務は全部殺しだし、担当の黒服は機械みたいで感情もねぇし面白味もねぇし
 第一、失敗=死、なんて言うデンジャラスな環境が嫌になってきた
 生きているからには、その人生を楽しみたい
 そう、思うようになっていた

 …その時、再び訪れた転機
 夢の国とかいう、洒落にならない都市伝説との戦いの作戦に、俺は駆り立てられた
 だが、その時…どうにも、俺の担当の黒服は様子がおかしく
 その作戦に参加するのが、異様に危険なように思えてならなかった
 その時、ちょうど…あの、髪が伸びる黒服と顔を合わせる事ができたから
 相談してみたのだ、その作戦に参加する事について
 すると、神の伸びる黒服は

「あー。やばそうだと思ったら、逃げとけ逃げとけ。何となくその作戦、嫌な予感がするし」

 と、そう答えてきて
 …やはり、やばい作戦だったのだ
 この作戦に参加したら、死ぬ
 そんな予感が、バリバリして


 俺は隙を見て、「組織」を逃げ出した


 しばらくは、学校町を出て隣町に潜伏していた
 「組織」の目が届きにくいその街で、しばし羽を思い切り伸ばしていた
 ………自由!
 これが、自由なのだ!!
 俺は、自由って奴を噛み締め、それを楽しんだ


 そうしていた時だ、マッドガッサー達と会って、誘われたのは
 ハーレムとかヤり放題とか、なんとも魅力的で、俺はさっさと仲間に加わった
 「組織」を敵に回す可能性は高かったが、んな事知るか
 今まで、さんざ「組織」に縛り付けられて生きてきたんだ
 「組織」を困らせる事のひとつや二つ、してもかまわないだろう、そう考えた


 マッドガッサー達と行動するのが、生活するのが
 俺自身、思った以上に楽しく感じているのに気づいたのは、すぐだった
 思えば、思った事を何でも言えるような相手なんて、今まで一人もいやしなかった
 だが、今の仲間達とは、何だって話せる
 馬鹿みたいな事を話して、笑いあったりとか…そう言う、かつて、髪が伸びる黒服が教えてくれた「日常」って奴を、俺は生まれて初めて体験していたのだ

 その日常が、楽しいのだ
 幸せなのだ
 「組織」にいたままでは、絶対に手に入れる事ができなかった日常
 それを、俺はようやく手に入れた
 こいつらとの生活が、俺がようやく手に入れた、日常って奴なのだ
 ………それに
 俺は、生まれて初めて、護ってやりたいと思う奴も、手に入れた

 まぁ、あれだ
 男の状態ではただ鬱陶しかったのに、女になった途端持っている要素が全て萌え要素になるとか反則だよな畜生 
 その全てが俺のストライクゾーンど真ん中とかふざけてるのか
 ……とにかく、だ
 俺は、護ってやりたい、と、そう考える存在が、今、いるのだ
 そんな相手なんて、もちろん、今まで持った事がない
 生まれて初めてだ

 …よりによって、その相手は
 かつて、俺が任務で命を狙った相手 
 だと言うのに、あのお人好し、平気で俺の事を信用してきて
 仲間だ、とそう言ってきてくれて


 ……マッドガッサー達の仲間に加わった事で、俺は「組織」にいたのでは、一生手に入らないものをたくさん手に入れた
 一度手に入れたそれらを、俺は絶対に手放すつもりはない

 仲間を失いたくない、日常を失いたくない
 ……大切だと思える奴を、失いたくない


 だから、俺から大事なものを奪おうとしやがる連中は、全て始末してやる
 俺の「13階段」で…すべて、殺してやる

 それしか、俺はこの大切なものの護り方を、知らないから

fin
691 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/10(火) 22:55:04
13階段視点。スレに投下するネタに登場するキャラは、わりと書きながら設定固める事が多いんだが、「13階段」はその中でも書いていくことでどんどん設定が追加されたキャラの一人
…とりあえず黒服H,わりとこいつが諸悪の根源の一つのような気がしてきた、「13階段」については


本スレ、フォークロアの人乙!!
コwwwwwwwwwwwwwアwwwwwwwwwwwwラwwwwwwwwwwwwwwwwwww
アグレッスブすぎんだろwwwwwwwwwwwwwwwwww


*****************************
ちょっと酒入ってテンションがおかしかったです。
さるさん喰らって冷静になりました。すみません。
568黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:04:08.82 ID:5kEOdvfC0
 あいつがどう言う思いで任務についているのか、俺はわかっているつもりだ
 だから、なるべくあいつに仕事を回したくない
 あいつは、俺に頼られていないと思っているのかもしれないが
 …俺は、俺なりにあいつのことを考えて、そうしているつもりだ
 俺は俺自身がロクでもない存在である事は自覚しているつもりだ
 そんな俺なんかに担当されちまった不幸なあいつに、せめて辛い思いはして欲しくなかった


 …だから
 今回の仕事も、俺一人で充分だ


「相手を自殺させちまう、ってのも殺人の一環なんだぜ?知ってるか?」
「…そうだったんですか?」

 暗闇の中、声が響く
 …またか、と彼女はため息をついた
 何故、そんな言いがかりをつけてくるのだろう?
 私は、悪い事なんてしていない
 ただ、音楽を馬鹿にした相手を自殺させて
 そして、濡れ衣を着せられて殺されそうになったのだから、自身の身を護っただけなのに

「でも、あなたのお仲間に関しては、私、正当防衛ですよ?」
「うん、間違いなく正当防衛だな。疑いようもなく」

 暗闇の中、相手の姿は見えないが、何か納得したように頷いた事だけはわかった
 だから

「…それでは、帰ってもいいですか?」
「いや、それは困るんだよな。俺も仕事で来た訳だから」
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:04:44.06 ID:XzGt7FFvO
>>567
申し訳ないなんてとんでもない、代理投下乙です!
570黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:06:43.84 ID:5kEOdvfC0
 ………しゅるり
 地面を、何かが這って近づいてくる
 黒い、触手のような……違う、髪の毛?

「そう言う訳なんで、悪いけど死んでくれや?俺としては、美人のねーちゃん殺すのは勿体無いから嫌なんだけどな」

 …あぁ、またか、と彼女はやはり、ため息をつく
 ゆっくりと近づいてくる触手から、数歩離れ、歌いだす

「♪ 〜 Sombre dimanche Les bras 〜 ♪」

 歌には、音楽には、力がある
 歌は、音楽は、人の心を動かす
 人だけじゃない、動物、植物……命ある者、全て
 その全ての心を動かす事ができる
 だから、私は歌うのだ

「…「暗い日曜日」、だったか?自殺者がたっぷり出た呪われた歌」
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:08:36.05 ID:0lqYe4sRO
支援
572黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:09:53.69 ID:5kEOdvfC0
 −−−−−−−−え?と
 歌う事はやめず、しかし、彼女は確かに、途惑った
 相手は、歌を聞いているはずだ
 しかし…聞こえてくる声に、相手の様子に、変化はない

「俺が担当してる契約者も…あぁ、今日は連れて来てねぇぞ?そいつも、な、お前と似たようなタイプの都市伝説と契約してるんだよ。呪われた歌。その歌を聴いた相手を問答無用で呪い殺す、そんな都市伝説」

 …しゅるるるる、と
 髪が彼女に迫るスピードが、速まる

「そいつなぁ、歌が好きなんだよ。歌うのが好きなんだよ。多分、あんたも音楽g明日きなんだろうが、それよりもずっとずっと、あいつは歌うのが好きなんだ」

 しゅるり 
 とうとう、髪の先が、彼女を捕えた

「だからよ、俺はあいつに仕事させたくねぇんだよ」

 しゅるしゅると
 脚を伝い、髪は彼女を束縛せんと絡みつく
 歌う事はやめず、その髪から逃れようとするが…髪は彼女の皮膚に食い込み、逃さない

 ……何故!?
 何故、私がこの歌を歌っているのに…相手は、心が動かない!?
573黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:13:20.57 ID:5kEOdvfC0
 彼女の困惑など知らぬ様子で、相手は一方的に話し続けている

「あいつは、歌が好きだから。歌うのが好きだから………だから、あいつの大好きな歌で、あいつが歌う事によって誰かを殺させるなんて、俺はさせたうねぇ。あいつは、歌を愛しているからな」

 じゃり、と
 暗闇から、それは姿を現した
 黒服の男、その髪が伸びて、伸びて…伸び続けて、彼女を束縛していた
 全身を締め付けるように絡み、絡み…しかし、何故か喉だけは締め付けず、他の箇所だけを締め付け続けていた
 喉を絞めれば、もう声はでなくなると言うのに
 しかし、その喉だけを残し、束縛を続けてくる

「…あんたも、音楽は好きらしいな?音楽を馬鹿にしたって理由で、相手を殺すくらいだ………だが、な」

 サングラスの下から、黒服が彼女を見つめる
 ……その視線は、蔑んだものだった

「あんたは、その大好きな音楽で、人殺しをしたんだよ。音楽を愛する資格なんて、ないんじゃねぇの?」
「−−−−−−−−−っ、して」

 とうとう、歌うのをやめて
 全身を締め付け、食い込む髪の痛みを感じつつ…彼女は疑問の言葉を口にする
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:14:47.85 ID:0lqYe4sRO
しえ
575黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:15:28.27 ID:5kEOdvfC0

「何故……っ私の歌で、心が動かないの……!?」
「ん?……あ〜、それか」

 彼女の疑問の声に、その黒服はこの場にそぐわぬ笑みを浮かべた
 …一瞬、その笑みが悲しげに見えたのは、気のせいだったか?

「悪いな。俺の心って奴は、とっくの昔に壊れてんだ。どんなに他人の心を動かせる歌でも……俺には、なんともねぇや」

 …ぎりっ、と
 とうとう、髪が喉にも、絡みつく

「俺は、二回死んでんだよ。一度は人間として死んで、この黒服になってからも一回死んで………だから、もう死ぬなんざぁ、御免だしな。あんたの歌にゃあ、俺は殺されねぇよ」

 全身に、髪が絡みつく
 それは、皮膚に食い込み、どろどろと彼女を出血させ始めていた

「…音楽が大好きなあんたが歌う歌だ。それで自殺なんてしちゃあ、失礼だしな?」

 その言葉が、彼女が聞いた、最後の言葉だった
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:15:32.13 ID:XzGt7FFvO
支援
577黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:19:10.66 ID:5kEOdvfC0
 次の瞬間、彼女の体に食い込んだ黒服の髪の毛は、一斉に彼女の体をバラバラに引き裂いた
 最早、人の原型すら残す事も許されずに……彼女は、その短い生涯に幕を下ろした


 髪を元に戻しておく
 残されたのは肉片、血溜まり
 濃い血の匂いが、辺りを染め上げる

「…あ〜、後始末面倒だな…」

 髪についた血を軽く払いつつ、黒服Hはぼやく
 …勿体なかったな、と思う
 なかなかの美人だったのだが

「綺麗な声してたしなぁ」

 自分が担当している「呪われた歌」の契約者の彼女も綺麗な声をしているが…さっきの女も、良い声だった
 それはもう、いい勢いで髪が伸びるくらい

「でも、まぁ…歌で殺すことに戸惑い持ってなかったし、やっぱ彼女とは違うよな」

 「呪われた歌」の契約者には、その声で他者を殺すことに戸惑いがある
 …その行為に、悲しみを感じている
 だから、自分は彼女に仕事をやりたくない
 今回の仕事は特に、だ
 …歌で他人を殺す事に戸惑いのない奴を、彼女に合わせたくなかった
578黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:23:08.05 ID:5kEOdvfC0
「さぁて、とっとと後始末して帰るか…」

 …途惑っていたな、あの女
 そんな事を考える

 確かに、あの歌を聴いたら、普通は自殺するのだろう
 どこまでも憂鬱になり、どこまでも自分と言う存在が嫌で嫌で仕方なくなって……生きる事に、絶望して
 自殺してしまうのだろう、普通は

 だが、彼にそれは通用しない
 何故ならば……彼は、とっくに絶望しきっているからだ
 自分自身に、世界そのものに…とっくの昔に、絶望している
 だから今更、あの程度の絶望で自殺したりはしないし
 ……彼の心は、とっくの昔に壊れている
 それもまた、事実なのだから


 黒服Hが立ち去った後には、肉片も、血溜まりも残っていなかった
 …ただ、かすかに、血の匂いだけが、その場を染め上げているのだった



fin
579黒服H(代理):2009/11/11(水) 20:26:23.42 ID:5kEOdvfC0
701 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 13:03:19
黒服Yの人と単発ネタの人乙ー!!

単発ネタに出た契約者さんと黒服Hでネタが浮かんだが他人様のキャラ死なせる訳にいかねぇ

702 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 13:28:47
本スレ>>550
って、いいのかよっ!?
でわお言葉に甘えて書いてみる

703 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 13:57:10
本スレ>>551
貴殿に土下座っ!!orz
電波の勢いに乗せて書いてしまいました


*********************************
三分おきくらいだが、まだいけるか…?
580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:29:00.51 ID:XzGt7FFvO
>>579
どうだろう?
貴方の負担にならないように一気にやって次は一時間後とかでも問題ないと思います。
581三面鏡の少女(代理):2009/11/11(水) 20:30:50.41 ID:5kEOdvfC0
「面倒な事が色々起きてるから、しばらくは外を出歩かない方がいい」
自分の担当である黒服Hから、電話でそんな一報を受けてからというもの外出を控えているのだが
「……ひまー」
枕を抱いて顔を埋め、ぱたぱたと足を振り回す
合わせ鏡に自分の死に顔が見える――そんな能力は今のところ一度を除いて暇潰し以外には役に立っていない
「鏡にまつわる都市伝説とか増やせないかなー。でも契約する都市伝説を増やすと危ないってHさんも言ってたしなー」
都市伝説との契約とは、都市伝説との同調
強弱の差はあれど、契約を結べば『そちら側』に引っ張られる事になる
人に非ず力を有すれば、それは人でなくなるという事なのだ
だが、人は力に惹かれる
力の高みに憧れる者
力を奮う事に酔う者
力が足りぬ事を嘆く者
形は様々でも目的は同じ――力を欲するという事
「うーん、Hさんは忙しそうだし……ていうか組織の人達は皆忙しそうだしなー」
都市伝説について相談できそうな相手はなかなかいない
ほとんどの大人は「深入りするな」といった意味合いの事しか返してこないのだ
「やっぱり自力で調べなきゃなー……図書館行こっと」
この町の図書館は、町の歴史、伝奇、都市伝説、怪談等々そういった資料に事欠かない
司書らしい大人の魅力満載のお姉さん(年齢不詳)が趣味で蔵書を増やしているらしいが、やはり土地柄というのもあるのだろうか
「おかーさーん、図書館行ってくるー」
「帰りにどっか適当なとこでお醤油買ってきてー」
「はーい」
キッチンにいた母との何気ないやり取りの後、先日新調したコートに袖を通し寒空の下を駆け出して行った

―――
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:31:25.14 ID:0lqYe4sRO
しえしえ
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 20:35:10.55 ID:a3bZ8jyvO
しーえん
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:00:18.03 ID:vMqX79zVO
信じようと、信じまいと―

「サービスです、どうぞ」
マスターがいつものように客に酒を出す
しかし客…弱々しそうな若い男は、グラスを見詰めたまま口を付けようとしない
「どうかされましたか?」
マスターが尋ねると男は「あ、いえ…」と、小さく話し始めた
「実は僕、お酒が飲めないんです…」
「おや、それはそれは」
「お酒が飲めないのにバーなんておかしいですよね…でもなんか引き付けられるように入ってしまって…」
「ハハ…」と男は小さく笑う
その様子を見て、マスターは微笑んだ
「お酒が飲めなくてめ、この店に来てくれるなら私は嬉しいです」
言いながらマスターは透明の液体が入ったグラスを置く
「どうぞ、水です」
男は「どうも」と会釈しながら水に口をつけた
「…この水…美味しいですね」
「そうですか、それはよかった」
男が飲んだ水は、今まで飲んだどの水よりも澄んでいて、美味しかった
「これ…どこの水なんですか?」
「どこの…とは言えませんが…そうですね、活きはいいですね」
活きがいい?水にも活きのいい悪いがあるのか、と男は思った
「そうだ、水に纏わる面白い話があるんですよ」

「信じようと、信じまいと―」
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:02:29.95 ID:vMqX79zVO
「…面白い話ですね」
言って、男は水をゴクリと飲んだ
「でしょう?…もしかしたらその水も…」
「嫌な冗談はよしてくださいよ」
男は笑いながら言った
確かに話は不思議だが、にわかには信じがたい
「そうですね…じゃあこの水はどうでしょうか?」
そう言いながらマスターは水の入ったグラスをカウンターに乗せた
「まさか、その話みたいな事があるはずありませんよ」
まさか、そんな訳ないよ、と男は笑う
「まあ、それは見てからのお楽しみです」
それを見て、マスターは楽しそうな顔でどこからか生きた金魚を取り出した
そして金魚をグラスの水に入れる
男もいつの間にかその様子を神妙な面持ちで見守っていた
しかし…所詮話は話、金魚は水の中を泳いでいるだけだった
「…ほらね、まさかそんな事あるはずありませんよ」
男は笑いながら、上着を着る
「では、僕はこれで」
「また、お越しください」
マスターに笑顔を向けられ、男はいい気分で店を出た

自分の背後で、水の中の金魚が消えていくのに気付かずに
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:03:36.54 ID:vMqX79zVO
「信じようと、信じまいと―

カンボジアのシャムリアップに、水を飼っていると言われている人物がいた。
新聞記者が彼の家に行くと、水以外は何も入っていない大きな水槽がある。
いぶかしむ記者の前で、水槽に放たれた魚が一瞬のうちに消え失せた。
「水ってのは、生きている間は楽だが死ぬと大変だ」と飼い主は語った

信じようと、信じまいと―」
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:04:53.48 ID:vMqX79zVO
投下終了!


コアラなんていなかったんや!!
588三面鏡の少女(代理):2009/11/11(水) 21:09:41.89 ID:5kEOdvfC0
「お姉ちゃん、今日も図書館?」
いつも通る公園の前で、いつも出会う少年と出会う
寒空の下だという事も気にせずに、手にした缶ジュースをくいと傾けている
「ん、調べものをしてるの。色々大変なんだからねー」
「へぇ、それじゃ俺も手伝ってあげようか?」
その言葉に、少女はうぐと言葉に詰まる
彼女はこの少年が都市伝説契約者だと知らない
当然ながら巻き込むわけにはいかない、そんな考えをしたのだが
「あー、なるほど。みんなこんな気分だったのか」
戦いを繰り広げている者達から見れば、少女はまだ深みに嵌っていない引き返せる場所にいる存在
自分達と同じ場所――もう戻る事のできないところまでは来させたくないのだと
「なんだよお姉ちゃん、変な顔して」
「変な顔とか言わない、お姉さんは難しい事を考えてるの」
「俺だって難しい事ぐらい考えれるぜ? いつだってお姉ちゃんの相談にぐらい乗ってやるから!」
そう笑顔で少年が告げた瞬間、その表情が強張る
「ん、どしたの?」
「お姉ちゃん、後ろっ!」
「へ……うきゃあ!?」
いつの間に近付いて来たのだろうか、目付きの虚ろな男が数人、少女の背後に集まってきていた
その手がすぐに少女の身体を捕まえてしまう
「誰っ!? 何っ!? ちょ、痛い痛いっ!?」
腕や肩に食い込む指の力から、尋常ではない存在だという事しか判らない
コーク・ロアに支配された人間が増えているという話は都市伝説組織には広まっているが、いつもの事ながら少女の耳には届いていない
「お前ら、お姉ちゃんを放せっ!」
少年が怒鳴りながら、少女を捕らえる男の一人に蹴りを入れる
「ダメだってば! 逃げ……いや、人を呼んできて! あたしはまだ大丈夫だから、早く!」
「お姉ちゃんに何かあったらどうすんだ! お前ら……『放せ』っ!!!」
その言葉に、ほんの僅かにだが男達の力が緩む
だが拘束を解くほどには至らない
589三面鏡の少女(代理):2009/11/11(水) 21:12:56.08 ID:5kEOdvfC0
「『放せ』って言ってんだろっ! 『お姉ちゃんを放してどっか行け』!」
ぐ、と男達の身体が僅かに揺らぐ
だがそこまででしかない
「畜生っ……誰か! 『誰か助けて』くれよ! 『誰かお姉ちゃんを助けて』よ!」
涙混じりに大声を上げた、その瞬間
「オーライ、任せときや少年」
そんな声と共に現れた女が木刀を抜き放ち、ありえない間合いから男の一人の顎を打ち抜き、その男はそのまま白目を剥いて地面に倒れ込んだ
なんとか逃れようとしていた少女は、一人の拘束が緩んだところでバランスを崩してよろめき
それと同時に既に上空に跳んでいた女は、落下の勢いを加えた一撃で一人を叩き伏せ、着地の屈み込んだ姿勢から跳ね上がるようにもう一人の鳩尾に切っ先を捻り込む
「こないだウチらの仲間襲った連中の一味かいな。んー、マッドはんの話だと操られとんのやっけ? まあええわ」
背後から襲い掛かろうとした残る一人を振り向く勢いを加えた一撃で打ち倒し、木刀を鞘代わりのバットケースに放り込む
「一撃はんの話やとこいつらの処理は組織の黒服が動いてるそうやしなぁ……マリの餌にするにしてもマッドはんのガス吸わせるにしても手が足りんか」
ぽかんと自分を見上げている少年と少女の視線に気付き、似非関西弁女は作り笑いを浮かべ
「あー、こないな連中が最近増えててなー。ウチらも色々困って退治して回ってるねん」
退治して回っているというのは嘘だが、困っているというのは事実だ
都市伝説組織の連中が自分達の起こしている騒動以上に動き出しており、少々騒ぎになればすぐに誰かしらが駆けつけてくるからだ
更には警戒した人々は外出を控えたり集団で行動したりと攫うのも難しくなってきている
「そいじゃま、適当に警察とかに通報してこの場を離れておいた方がええで。できればウチの事は内緒でな?」
そう言うとあっという間に駆け出していなくなってしまう似非関西弁女
残されたのは呆然と地面に座り込む少女と、気を失って倒れている数人の男、そして
「……かっけえ」
圧倒的な戦いを目の当たりにして、目を輝かせている少年の姿だった

―――
590三面鏡の少女(代理):2009/11/11(水) 21:15:43.71 ID:5kEOdvfC0
「んー、少なくともうちの人間じゃないなそりゃ」
僅かに遅れてやってきた黒服Hは、倒れている連中を目立たない場所に片付けながら訝しげに首を捻る
警察を呼ばなければいけないからと、少年は無理矢理家に帰してある
実際に来るのは組織の回収班なのだが
ちなみに『うち』は『組織』と『薔薇十字団』両方の意味である
「仲間を襲ったっつってたな? そういやあの男と小動物っぽく震えてた女の子……」
「Hさん、伸びてる伸びてる」
「ん? ああすまんすまん」
「それにしても、マッドガッサーだっけ。あれの他にコーク・ロア? また色々大変になってきたね」
「まあな……とりあえず事件が収まるまで気をつけろよ。夢の国や鮫島の時と違って、派手なドンパチにならない分、こっちも派手には動けないしな」
「うん、気をつける……んー? マッドガッサー? マッド……ガス……」
ふと自分を助けてくれた女の独り言を思い出すが
「無理に首突っ込もうとすんな、鮫島の時みたいに本当に必要な時がまた来るかもしれん。失うわけにゃいかん力なんだからな」
わしわしと頭を撫でられて、なんとなく幸せな気分に浸ったのも束の間
「もし不幸な事があったら、今までストックしたエロい思い出に浸るのが申し訳なくなるしな」
「それが不幸の一つだって気付いてー!?」
「ん〜? 聞こえんなぁ〜」
わさわさと伸びる髪の毛を糠に釘を打つかのようにぽすぽす叩く少女であった

―――

「んー、あの子ぐらいなら攫っとけたかなぁ。つるぺたすとーんな感じやったけど……まあ今の爆やんでもストライクゾーンみたいやし、案外ちまい子の方がええんかなぁ」
現場から離れ自動販売機でスポーツドリンクを買いながら、一人ぶつぶつと呟いている似非関西弁女
「さてと、ホンマどうしたもんかなー。一旦身を隠した方がええと思うんやけど……どーも一撃はんが拘りがあるみたいやしなぁ。そうなるとマッドはんも止めへんやろし」
ぐーっとスポーツドリンクを飲み干し、空き缶を空中に放り投げ
軽快な音を立てて勢い良く弾き飛ばされた空き缶は、ゴミ箱に吸い込まれるように飛んでいく
抜いた瞬間すら見せずに既にバットケースに差し込まれた木刀から手を離し、似非関西弁女は歩き出す
「ま、ウチが考えてても仕方ないわ。決めんのはマッドはんやしな……それでヤバい事なったら、そん時や」
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:17:10.31 ID:XzGt7FFvO
しえーん
592三面鏡の少女(代理):2009/11/11(水) 21:19:40.61 ID:5kEOdvfC0
708 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 15:32:15
先に投下した人達乙ですー
そんな流の中マイペースに投下
三面鏡の少女はもっと不幸な目に遭うべきだと思うのです
巻き込まれ役的な意味で



*********************************
酩酊。寝落ちが先かさるさんが先か
593マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/11(水) 21:22:36.28 ID:5kEOdvfC0
4コマっぽいの

Q 教会に住んでる皆は、家事とかどうしてますか?
スパニッシュフライ契約者「一応、分担してやってるわね」
似非関西弁「うちらは原稿もあるさかい、でけへん時もあるけどな」

魔女の一撃契約者「そう言う際、大半の家事が俺に任せられている件について」
マッドガッサー「お前がパーフェクト家政夫すぎるんだよ。何故に家事完璧」
魔女の一撃契約者「あいつに負けたくないから覚えたに決まってんだろ」

魔女の一撃「ひっひっひ、主、頑張ってねぇ?」
幼女マリ「がんばれー」
魔女の一撃契約者「てめぇらもやれっ!特にマリ!てめぇ料理はその気になりゃできんだからやれ!」

マッドガッサー「仕方ない。今夜の夕食は俺がつく」
ガッサー以外全員『却下』
マッドガッサー「何故っ!?」
 イギリスとアメリカは二大味音痴国って聞くけど、どうなんだろうね
 そう言う訳じゃないが、マッドガッサーは料理ヘタ



Q 他の面子と違ってちゃんと家に住んでる13階段と爆発する携帯電話は?
13階段「家事なんてできなくても困らねぇし」
爆発する携帯電話「……くけっ」(こくこく)
 この二人も家事は全滅
5944コマ風味(代理):2009/11/11(水) 21:25:54.73 ID:5kEOdvfC0
スパニッシュフライの契約者「……」(ぼそぼそ)
13階段の契約者「……」

魔女の一撃の契約者「料理教えろ? どういう風の吹き回しだ」
13階段「いや、やっぱある程度やれるようになっといた方がいいかなーって」

似非関西弁「あいつに何言ったん?」
スパニッシュ「あの子は割と食が細いからちゃんと栄養考えて手料理にしてあげないと身体に良くないよってね」

似非関西弁「狙われとるでー」(撫でくり)
爆発する携帯電話「……くけ?」(撫でられ)



アメさんは味覚音痴というより大雑把というかなんというか
「細けぇ事はいいんだよ!」的な感じ……あとは

マッドガッサー「ほ、ほら! 料理は得意なんだぞ一応! ケーキとかだってこの通り!」
似非関西弁「毒ガス使ってた名残かいな……ここまで毒々しい出来は」
スパニッシュ「見事な蛍光色ねぇ……」
携帯電話「……」(ジャッカロープと一緒に物陰に避難)
マッドガッサー「味は良いんだよ、味は!?」
595(代理):2009/11/11(水) 21:29:51.23 ID:5kEOdvfC0
710 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 15:53:48
カっとなって4コマ風
俺の出す男ハパーフェクト家政夫か家事全滅かの二択しかないのかとセルフ突っ込み中
596(代理):2009/11/11(水) 21:33:46.22 ID:5kEOdvfC0
「コーク・ロアに支配された人間が、なぁ」

 適当に獲物を物色した帰り、マッドガッサーは似非関西弁の女性と合流し、並んで歩いていた
 時刻は、そろそろ深夜を回る
 こんな時刻に、ガスマスクの男が若い女性と並んで歩いていても通報されなこの街は、本当にありがたい

「爆やんも、二回くらい襲われとるやん?相当数が増えとるんちゃう?」
「…支配型で、支配している対象を増やしてるんだよな?だとしたら、あいつが狙われたのは完全に能力目当てだろ。コーク・ロアの能力で支配された状態でも、契約している都市伝説の能力は使えるからな」

 …やはり、この街は危険か?
 いや、だが、同時にここまで動きやすい街はない
 ここを逃さない手はないのだ
 ……それに、魔女の一撃の契約者は、この街に住んでいるとある対象に、異様に執着している
 そっちの目的が叶うまでは、この街にいたいところだが…
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:36:51.34 ID:0lqYe4sRO
支援
「………だとしても、やばいかね?」
「…ヤバイんちゃう?」

 …気配が
 二人に、ゆっくりと近づいてきていた
 ざわざわと、何かが近づいてくる感覚

「…走るぞっ!」
「りょーかいっ!」

 言うが早いか、二人は駆け出す
 しゅるしゅると、背後から迫ってきていた気配が、途端に隠す事をやめた
 漆黒の闇の中、黒いそれが迫ってくる

「げ、この髪は…………うぉわっ!?」
「んみゃっ!?」

 しゅるり
 髪は、何時の間にか、二人の真正面からも迫ってきていて
 あっと言う間に、二人の体を絡めとった
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:40:32.26 ID:a3bZ8jyvO
にゃ
「−−−−−−−っ!!」

 ごがっ!!

「マッドはん!?」

 マッドガッサーの体が、塀に叩きつけられる
 その衝撃で、からんっ、と……被っていたガスマスクが、落ちた


「おや、こりゃまた……随分と、可愛らしい顔してたんだな」

 すたん、と
 塀の上に降りる影…髪をわさわさと不気味に伸ばす、黒服

「ってめ……」
「よぉ、また会ったな」

 ニヤリ、その黒服はマッドガッサーを見下ろして笑った
 髪は、完全にマッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛し、その動きを封じている
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 21:44:02.51 ID:XzGt7FFvO
Hさんは割と非情なんだなしえん
「あー、そんなに睨むなや。殺すんじゃなくて、お持ち帰りするよう言われてんだから……生け捕りとか、そう言う方針で行くならいくで、もっと早く決めとけってのな」
「生け捕りて……マッドはんに何する気や!?」
「さぁ?俺は聞かされてないし、っつか、具体的には聞きたくねぇや」

 似非関西弁の女性の言葉に、その黒服は肩をすくめてみせた
 …生け捕りにしたマッドガッサーを、「組織」はどうするつもりなのか?
 正直、考えたくもない
 突然変異の個体、その特殊な研究対象を、「組織」がどうするか…考えなくとも、大体想像はつく

「…そう言や、マッドガッサーは生け捕りにしろって言われてっけど、その仲間に付いては指定受けてないな…どうすっかねぇ」
「!」

 黒服が何気なく呟いたその言葉に、ぴくり、マッドガッサーが反応したように見えた
 …そうだ、マッドガッサーの仲間については、何も指示が出されていない
 つまりは、処分しろと言う事なのだろうな、と黒服は考えた
 特に、「13階段」に対しては、そうなのだろう
 「組織」の裏切り者で、しかも、あんまりよろしくない…今ではもうなかった事にされている計画の、生き証人のようなものだ
 見つけ次第始末しろ、といわれてもおかしくない
 …個人的に、ちょっと可愛がった事もある対象だから、自分が「13階段」を追う事にはなりたくないものだ、黒服はそう考えていた
 ついでに……今、捕まえている似非関西弁の女性
 そっちも、始末は勿体無いよなぁ
 さて、どうにかならないものか
 考えていて……マッドガッサーが自分を睨みつけている事に、黒服は気づいた
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:00:58.25 ID:a3bZ8jyvO
Hさんの頭の中は
エロ脳と仕事脳に別れていてそれぞれの出力が自由自在なんだ

きっと
「−−−っは、いいね、その目。人を殺した事がある奴の、殺意交じりの眼差し、ってか?」

 はっきりとした、敵意、殺意
 自分の大切なものを護ろうと言う、獣の目
 今のマッドガッサーの眼差しは、そう言う目だった

「仲間が大切か?…………都市伝説の癖に、契約者でもない人間と仲良く、とは珍しいもんだ」
「お前だって、都市伝説だろうが」
「あぁ、そうだよ?」

 そうだ、自分も、都市伝説だ
 くっく、と黒服は笑う

「元人間の…都市伝説に飲み込まれて、都市伝説と言う化け物になっちまった存在だよ?」

 すたん、と塀から降りて、マッドガッサーに近づく
 髪によって動きを束縛され、しかし、マッドガッサーは鋭く黒服を睨み続けていた
 …かつて、殺戮を行った経験がある者の、殺意の眼差し
 それを、黒服は真正面から受け止める
「どうせ、都市伝説なんざ、人間から見りゃあ化け物だ。そんな化け物と契約してくれる人間だって希少だってのに……その化け物と、契約もしてないのに、一緒に行動するような人間がいるなんてな。どんな手を使ったんだか」
「…ッマッドはんの事、悪く言わんといてや!」

 あぁ、随分と慕われているじゃないか
 都市伝説の癖に、化け物の癖に
 俺はうまくいかなかったってのに、こいつはうまくいきそうだってかい?
 ……気に食わないねぇ?

「まぁ、そう言いなさんなや?……今、俺はあんたらの命を握ってる状態なんだぜ?」
「……彼女だけでも、放せ」

 黒服を睨みつけたまま、マッドガッサーが低い声で告げてくる
 完全に動きを束縛された何もできない状態だと言うのに、それでも護ろうとでも言うのか?
「どうせ、都市伝説なんざ、人間から見りゃあ化け物だ。そんな化け物と契約してくれる人間だって希少だってのに……その化け物と、契約もしてないのに、一緒に行動するような人間がいるなんてな。どんな手を使ったんだか」
「…ッマッドはんの事、悪く言わんといてや!」

 あぁ、随分と慕われているじゃないか
 都市伝説の癖に、化け物の癖に
 俺はうまくいかなかったってのに、こいつはうまくいきそうだってかい?
 ……気に食わないねぇ?

「まぁ、そう言いなさんなや?……今、俺はあんたらの命を握ってる状態なんだぜ?」
「……彼女だけでも、放せ」

 黒服を睨みつけたまま、マッドガッサーが低い声で告げてくる
 完全に動きを束縛された何もできない状態だと言うのに、それでも護ろうとでも言うのか?
「嫌だ、って言ったら、お前さんはどうする?」
「…そう、だな」

 …ぎりっ、と
 束縛された腕を、マッドガッサーは無理矢理動かそうとする
 無駄なことを
 黒服は、マッドガッサーを束縛する力を強めていく

「無理に動かすと、腕が引きちぎれるぜ?」
「…マッドはん!」

 ぎり、ぎり……と
 マッドガッサーが動かそうとするその腕を、束縛し続ける
 ……しかし

「−−−−−−−っ、う、ぁ」
「っ!」

 ぶちり
 束縛していた黒服の髪を、半ば引きちぎるように…その腕に髪を食い込ませ、肉を、骨を切らせ出血死ながら…マッドガッサーは、無理矢理に右腕をうごかした
 その指を、口元まで運んで


 ぴぃいいいいいいいい…………−−−−−−−−−−−−−−−−−
 高い、口笛の音が、周囲に響き渡った
 ひゅうっ、と
 風の音が、辺りに響いて

 直後、激風が黒服に襲い掛かった

「っく……!?」

 立つ事すらままならない、激風

 まるで、竜巻が自分の場所にピンポイントで直撃してきたかのようなその風に、黒服は体勢を崩した
 その拍子に、マッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛していた髪の力が、緩む

 叫び声のような、何かの鳴き声が、風の音に混じって響く
 再び襲い掛かってきた激風に、黒服は体を飛ばされ、塀に体を叩きつけられた
 直後、目の前を…何か、巨大な、巨大な
 鳥のような生き物が、通り過ぎていったのを、確認する

「ぐ……くそ、何だってんだ…?」

 …風が、やんで
 マッドガッサーの姿も、似非関西弁の女性の姿も、消えていた
 残っているのは、引きちぎられた髪の毛と……マッドガッサーが流した血痕だけだ

「…まさか、さっきのが…例の、巨大都市伝説か…?くそ、マジでマッドガッサーの仲間かよ」

 舌打ちする
 事実を確認できたのはいいが…これは、やっかいだ
 今回は逃走に使用したようだが、あれに暴れられては洒落にならない
 流石に、報告するしかないだろう
 黒服はため息をついて、懐から携帯を取り出した
「怪我はないか?」
「うちは平気や…それより、マッドはん、腕」
「都市伝説だから平気だよ。後でジャッカロープの乳でも分けてもらうさ」

 ぶらり、半ば使い物にならなくなった腕をぶら下げつつ、マッドガッサーは似非関西弁の女性にそう答える
 彼女に怪我がなかった事実に、酷くほっとしている自身に、マッドガッサーは気づいていた

「なぁ、アレが、ひょっとして前に話とった秘密兵器?」
「あぁ。あいつがいりゃあ、いざとなりゃどこにでも逃げれるぞ」
「って、逃げる専用かいっ!?」
「約束なんだよ、荒事には手を出させないっつぅ」

 ばさり
 二人を逃がしたその巨大な存在は、翼をはばたかせ、高く、高く飛び上がっていっている
 それは、軽く見積もっても軽飛行機くらいの、巨大な存在
 これがヘタに暴れれば、何がおきるかわかったものではないし…それこそ、本格的にあちこちの組織に目をつけられる
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:27:59.30 ID:0lqYe4sRO
しえ
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:28:36.48 ID:V0TCH+gZ0
解除されたかな
「マッドはん?…考え込むのもええけど、まずは早よ教会に入って治療しよや?」
「ん……あぁ」

 …自分は、「組織」には生け捕りにされようとしている
 だが、仲間は…どうなるか、わからない
 それこそ、始末でもされかねない
 それを、改めて自覚する

 …だからと言って、今更計画を諦めるつもりもなく
 ……いや、半ば、その計画など、どうでもよくなってきているはずなのだが
 しかし、それを手放す気にもなれず

「…しばらく、潜むぞ」
「うん?……おおっぴらに動かん、って事?」
「あぁ、多少は動くが……ちまちまやっても、目をつけられていくだけだ…………一気に、やってやる」

 それだけの知識を、自分は思い出している
 …この学校町を全体を、一気にガスで包み込んでやる
 その準備が、必要だ

「…後で、他の連中にも言うつもりだが………身を引きたくなったら、いつでも引けよ?俺がこれからやろうとしている事は成功するかどうかわからないし、何より…他の都市伝説契約者たちにかぎつけられたら、本格的に戦いになるだろうしな」
「……今更、何言うとるん」

 苦笑してくる、似非関西弁の女性
 …あぁ、本当に今更だな、と
 感覚がなくなってきた右腕の事など忘れながら…マッドガッサーもまた苦笑したのだった


to be … ?
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:30:16.79 ID:HrdxlIw+0
tes
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:31:46.23 ID:BiO8Q+wa0
しえん
712 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/11(水) 17:03:52
えー、そんな訳でマッドガッサー一味の秘密兵器、ちらとお披露目
とりあえず、鳥型の姿である事が判明しました
流石に「ラ○ュタは本当にあったんだ!」はボツにしたんだぜ

今回投下したネタは、大体マッドガッサー一味が活発に動き出してから一瞬間と半分くらい
そこから、マッドガッサー一味は、少々動きが静かになります
勘のいい人達は、嵐の前の静けさ的なものを感じるかもしれません
これより、作品時間内で数日後………マッドガッサー一味と、決戦とさせていただきます



*********************************:
ごめん寝る。占い師と少女の人ごめんなさい。
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 22:34:58.69 ID:V0TCH+gZ0
どっちも乙ー
617占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:35:43.77 ID:V0TCH+gZ0
ピチャッ……。
小さな金属のかけらが、ビーカーの中へと放られる。
水が小さな飛沫を上げ、それはビーカーを超え炬燵の上に小さなシミを作った。
ビーカーの内部、その水中をただ真っ直ぐに、少しの揺れも見せずに落ちていく金属片。

(暇だなぁ……)

それが底へと到達したのを見て、傍らに置いたピンセットを手に取り、金属片を取り上げる。
この作業を一体どれだけの間繰り返しただろう。

(表面の酸化具合は……大体98%位、かな)

取りだした金属片を見て、作業の達成率を測る。
このペースでいけば、あと少しで完全に酸化し終えることだろう。
『塩水に金属片を付けた場合、どれだけ酸化する速さが変化するのか』
退屈だから――ただこの理由だけで始めた作業だった。
定期的に塩水の中に金属片を潜らせ、取り出し、酸化するまでの時間数を測るという単純な作業。
ただ、単純な作業が退屈を紛らわさせてくれたのは最初だけで、今はもうその作業自体が少し億劫にもなってきている。
それを放りださないのは、単に一度始めたことを途中で投げ出したくない私の性分にあるのだろう。

「あー、暇だなぁ……」

今度は声に出して呟いてみたが、現状が変わるわけでもない。
12畳ほどの畳で区切られたマンション内の一部屋。その中へとただ空しく響き、吸い込まれていくだけだった。
その中央、やけに大きい炬燵の中に足を入れて、私はへたっている。
両手でビーカーを前へと押し出し、そのままそれをだらっと炬燵の上に放り出した。
顔も横にして炬燵の上にのせる。
長い髪が顔に少しかかってうっとおしいが、それを払いのける気力が今の私にはない。

「退屈だなぁ……」
618占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:40:50.35 ID:V0TCH+gZ0
本日何度目になるのかも分からない呟きを洩らしながら、横を向いた顔の視線がふっと窓に吸い寄せられる。
四角く切り取られたいつもの風景。
ここに来た当初は飽きずに眺めていたものだが、さすがにもう「いつもの」という形容詞が付くくらいには見飽きている。
そんな変わり映えがしないはずの四角い風景だったが、その端から見慣れない白く細長い物体が右から左へと動く物体が目に入った。

飛行機だ。
ここにきてから飛行機が飛んでいるのを見たことはないが、恐らく定期的に運航はしているのだろう。

「んー……」

風景の中へとはいってきた珍しい参入者を目にして、私は暇つぶし代わりに「能力」を使う。
特別な感覚は何もない。ただ私が機体を認識するのと同時に、それに付随する情報が頭の中へと流れ込んできた。

(機体はボーイング777-300ER型、全長73.9メートル、全幅64.8メートル、現在乗客数は413名……)

飛行機が窓から消えるほんの十数秒の間、私は出来る限り能力を使うことに費やした。
おかげで今の脳内はさっきの飛行機に関する情報で一杯だ。

(おー、なんか頭をフルに使ってるって感じだなぁ)

久々に使った能力と、それが与える影響を感じながら、脳内が整理されきるまでしばしまどろんだ。


私の与えられた能力――それは一般に超能力と言われるもので、さらに詳しく言えば 『リーディング』と呼ばれるものだ。
私の契約者である都市伝説、『必ず当たる占い師』の能力の一部であり、今の私の持っている2つの能力のうちの一つでもあった。
見た物の情報を読み、それを知識として得る力。
契約した当初、占い的な意味での『リーディング』の意味を聞いたことがある。
相手を観察し、そこから情報を得る。それは占い師にとってはごくごく基礎的な能力らしい。
619占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:45:13.98 ID:V0TCH+gZ0
『っつっても、普通の占い師にとっては一番重要な技術でもあるんだがな』
基礎であり最重要技術……その時はそんな矛盾しているようなしてないようなよく分からない説明をされた。
そんなよくわからない能力とは10歳の時に契約してから9年、それを与えてくれた都市伝説と一緒にずっと過ごしてきた。
各地を回り、他の都市伝説にも数多く出合った。少しばかり能力を使って戦うことも覚えた。
……そして今、私は「学校町」と呼ばれる都市にきている。

(早く帰ってこないかなぁ……)

脳の整理を終え、再び体を弛緩させる。
さっきの飛行機はもう意識の蚊帳の外で、今はこの部屋の同居人がいつ帰ってくるのかに意識が集中していた。
『……いいか、まだお前は外に出るなよ。まだこの辺りにどんな都市伝説がいるのか、分かったもんじゃねぇからな』
ついでに、彼の出かけ前に言われた言葉も再生される。
出会ってから数年がたつ今でも、無駄にぶっきら棒で無駄に心配性なのは変わらない。
もちろん、心配してくれるのは嬉しいのだが……。

「……なんでここに来る前にもっと調べておかないかなぁ」

以前この近くに住んでいたという都市伝説が既にいなくなっていたとかで、来た後に往生してしまった次第である。
前もって連絡を取っていればこんな事にはならなかったはずなんだけど……。
『悪いな、連絡先を書いた紙をなくしちまったわ。……なんだよ、その顔は。いいだろ、向こうに行けば会えるんだし、別に』
とは、ここを出発する前の彼の言葉である。
どうしてこういう重要な時にはあの心配性な部分が顔を出さないのか、時々ひどく疑問に思う。

「……っと、そろそろまた塩水に付けないと」

もう後十数分で完全に酸化するであろう金属片を、再びピンセットで持ち上げ――

ガチャッ

「うひゃわっ」
620占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:47:06.66 ID:V0TCH+gZ0
先程まで静かだった空間に大きく響いた音に、思わず奇声を上げてしまう。
驚きついでにつまんでいた金属片が塩水の中に落ちてしまったが、今はそれどころではない。
壁に掛けられた時計を見る。15時20分過ぎ、彼が帰ってくるにはまだ早い時間だ。
『もしかしたら都市伝説か、その契約者がここを襲ってくるかもしれねーからちゃんと防犯には気をつけろよ。……まぁ、都市伝説相手じゃ大して意味もないんだろうけどな』
彼が毎回出掛けに言う言葉が脳内再生される。
今玄関の扉を開けたのは彼か、はたまた私を襲いに来た都市伝説か……。
もし別の都市伝説ならわざわざ鍵を開けて入っては来ないだろうし、多分彼だとは思うのだが……。

(用心に越したことはない、よね……)

ちらりと、部屋に隅に立てかけられた『防犯用』の紙を張られた金属バットを見る。
それを手に取ろうと炬燵から足を――

「――……っ!?」

上体を寝そべるような形に落とし、足を動かそうとした途端、言いようのない痛みのようなものが足を走った。

「……へ?」

足が、動かない……。

一瞬、自由を奪う都市伝説にでも操られたのかと思い、炬燵の裾を上げ、能力を使って足を見る。
私の能力は都市伝説にも影響力を持つので、彼(彼女)らを見れだけでその能力から弱点まで、幅広く情報を得ることができる優れものでもあったりする。
それと同様に、何か他の都市伝説の干渉にあっていれば私の目に映るは――

(うわぁ……)

自分の足を読み取って出てきた意外な情報に、思わず赤面する。

(ただの『足のしびれ』ですか、そうですか……)
621占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:47:47.33 ID:V0TCH+gZ0
確かに、ここ数時間、炬燵の中から足を動かした記憶がない。

(それに……何だか少し太ったのかな。足のもも周りの面積が少し拡大したような……)

恥ずかしさから、脳が別の情報へと現実逃避。というか、これ逃避になってない気がする。

「……いや、こんな事してる場合じゃないから」

こんな事をしている間に、足音はこの部屋のドアの前まで続き、止まっていた。
今、ドアの前に侵入者(仮)がいる……。
炬燵から上体だけを起こした状態(下半身を炬燵の中に入れたまま腕立て伏せをするような体制を思い浮かべるといいかも)で固まる私。
何ともしまらない。

ガチャッ

そんな一部の緊張感の無さなど関係もなしに、ドアが、開いた。

「……っ」

生唾を飲み込む。
そして、廊下から現れた影はと言えば――

「――何してんだ、お前」

……都市伝説『必ず当たる占い師』、つまりは私の契約者だった。
622占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:48:39.76 ID:V0TCH+gZ0
「あ、あはは……」

彼の疑問に、私は苦笑いで答える。

「えっと、あの……お帰りなさい、占い師さん」
「ああ。……ってか、さっきも玄関を開けた時に言ったぞ、俺」

……聞こえなかった。
多分、扉が開いた音に驚いた私の声でかき消されてしまったのだろう。
(……なんだかなぁ)
こんな体勢で占い師さんを迎えることになってしまったことと言い、つくづく情けない。

「まぁ、何があったのかは大体分かるけどな」

私の体勢とその先にある金属バット、ついでに炬燵の中でこわばっている私の足。
大体占い師と言えば基本的に推測で相手の未来を当てるものだ。これだけ材料が揃っていれば推測するには十分だろう。

「……それで、なんで今日は早かったの?」

この学校町の探索。それがここ最近の彼の日課だった。
見るだけで相手が人間か都市伝説かを識別でき、なおかつその具体的な能力まで見抜ける私と占い師さんの能力はそいういった探索の面でかなり便利だ。

「ん? この東区の探索が大方終わったから早めに帰ってきたんだろうが、察しろ」
何をどう察しろと言うのだろう。
「だから、明日からはお前も一緒に出るぞ」
「出るって……どこへ?」
「そこ」
占い師さんが指差した先は――
623占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 22:49:32.18 ID:V0TCH+gZ0
「……外?」
「ああ」
「いいの?」

ここへきてから数日、この部屋に半ば軟禁状態なのは、ここ周辺にいる都市伝説の数が明らかに異常だからだ。
何か事件でもあるのかもしれないし、はたまたここ一体が何かの集団の管轄下になっているのかもしれない。
そんな疑念が色濃い町だったのだ、ここは。

「もういい加減引きこもりには飽きたろ、お前も」

占い師さんが、炬燵の上に乗っているビーカーをちらりと見る。
確かに、さっきまで暇だ暇だ唸っているほどだったのだ。

「ほんとに、いいの?」
「くどい」
「…………」

しばし、事実を咀嚼。
それを頭が完全に理解するまでしばし続け

「いやったーーーーっ!」

大声で喜びを示す。
感動の意を分かち合おうと、ついでに占い師さんに抱きつき……

「……いっつぅ……」

足を動かそうとした時点でピリリとした痛みが走った。
そういえば、足痺れてたんだっけ……。
624占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 23:00:04.96 ID:V0TCH+gZ0

「……アホな事やってないで、これから言うことをよく聞いとけ。明日からの外出に関する注意事項が幾つもあるからな」

暗唱できなければ外では出さない……そう目が語っていた。

「うん」

幸い暗記には自信がある。
(あー、やっと出られるのかぁ)
この町にはどんな都市伝説がいるのだろう。
やさしいだろうか、恐ろしいだろうか。
以前に会った『生きたまま火葬にあった人間』だとか『ミカンを食べ過ぎると体中が黄色くなる』のようなグロテスクな都市伝説でなければいいんだけれど……。
(今から心配してても始まらないよね)
これから出会えるだろう都市伝説へと、様々な空想を向けながら、占い師さんの講釈に耳を傾けた。

忘れ去られた金属片は、既に完全に酸化を終えていた。

Please wait the next stories
625占い師と少女(代理):2009/11/11(水) 23:04:02.97 ID:V0TCH+gZ0
初参入SS投下完了ですー。
マッドガッサーのクロス企画終盤なんてタイミングで投下してしまい、非常に空気が読めていないような気も。
絶賛後悔中です。

取りあえず今回は設定やら何やらの触りのみ。
次回から少しずつ学校町に馴染ませていこうかと思ってます。
都市伝説には「必ず当たる占い師」を採用しました。
元々同じような能力を持った別の都市伝説にするつもりでしたがググっっても家中の本をひっくり返しても出てこないので自重する方向に。
おかげでどこか文に矛盾があるかもしれません……。

本題から逸れますが、現在ヒロイン名募集中です(物語の視点の彼女です)
一度は「契約者」やら「少女」やらの呼称を考えましたが、もう既に他のSSさんで使われてしまってるっていう。
以下に主なプロフィールを書いておきますので、宜しければご考案をお願いします。
19歳の少女で身長は160弱。髪は黒髪のロングになります。
書き手に考える力がないので完全に他力本願ですが、どなたか宜しくお願いします。

***

代理投下でした。思いの他早かった再々々規制解除に浮かれて連投しまくったらさるったよ^p^
新たな住人さんとのことでこれからの活躍にwktk!
心配性な保護者っていいよね。
626はないちもんめ(代理):2009/11/11(水) 23:07:40.40 ID:V0TCH+gZ0
黒服は仕事
そして普段家事を担当してるチャラ男は二日酔いで寝込んでいる
その為、今家事ができるのは私しかいない
と、言う事で今日一日の家事を一任された私は掃除洗濯料理と難なくこなしていた


しかし、そんな私に巨大な壁が立ちはだかったのです


少女「・・・・・・・・・・」
リビングの電灯が切れた・・・
換えの電球はある
問題は・・・
少女「どうやって換えよう・・・」
電灯の位置が高すぎた


案その1 椅子を台にする
少女「まぁ、基本よね?」
前の家ではこれで換えていたのだ
これなら・・・
椅子の上に立って腕を伸ばす・・・あれ?
少女「と、届かない?」
後少しなのに・・・
少女「くっ!」
ジャンプすれば届くかもしれないけど、椅子の上でジャンプは少々危ない
どうしよう・・・
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:08:54.15 ID:a3bZ8jyvO
にゅ
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:08:59.39 ID:0lqYe4sRO
支援
629はないちもんめ(代理):2009/11/11(水) 23:12:20.42 ID:V0TCH+gZ0
案その2 椅子じゃなくて机を台にする
当然のことながら椅子よりは机の方が高い
これなら
少女「届く、はずっ・・・?」
机を引っ張るが、動いてくれない
少女「ふんっ!!」
もう一回引っ張るが動かない・・・と言うか重い
少女「何・・・だと?」
結論 机は重すぎた

案その3 チャラ男を呼ぶ
これはもう却下
チャラ男を休ませる為にやっているんだからチャラ男を呼んでは元も子もない

案その4 黒服が帰ってくるのを待つ
却下・・・私が任されたんだから私がやらないと意味が無い
それに、黒服の帰りを待つってことは夜までこのままと言う事だ・・・
夜、灯りが無くて真っ暗なリビングはちょっと・・・いや、別に暗いのが怖いとかじゃなくてね?
暗いのは私平気よ、うん、全然平気
だけど夜になっても暗いままじゃry


630はないちもんめ(代理):2009/11/11(水) 23:16:40.15 ID:V0TCH+gZ0
案その5 椅子の上でジャンプ
少女「これしかないのね・・・」
再び椅子の上に立つ

そして

少女「ハァッ!!」

跳んだ

そのまま腕を伸ばし、切れた電球に手が・・・・・・

届かなかった

少女「な!?」
跳んだのに、椅子を踏み台にして跳んだのに・・・それでも届かないの!?
余りのショックに我を忘れた私は、椅子の上に倒れるように落ちた

少女「いったぁ・・・」
頭打った・・・畜生
上を見上げる
光のともってない電灯
高々家の天井なのに・・・こんなに遠いなんて・・・
しかし、ここで諦めるわけには行かない
あと少し
あと少しなのだ・・・
私がやり遂げな「凄い落としたけど大丈夫か?」
少女「チャラ男・・・?」
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:18:02.43 ID:0lqYe4sRO
しえ
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:19:12.63 ID:a3bZ8jyvO
にょ
633はないちもんめ(代理):2009/11/11(水) 23:20:59.38 ID:V0TCH+gZ0
チャラ女「ん?あぁ・・・」
チャラ男がこけた椅子を立ち上げる
そして、私の手から電球を取る
椅子に乗って電球を取り替える
チャラ女「これでよし」
少女「・・・・・・・・・・」



チャラ男視点
見るとはないちもんめの契約者が何やらショックを受けた様な表情で固まっている
何かあったか?
チャラ女「大丈夫か?何かあった「チャラ男の・・・」はい?」
少女「バカぁァっァアァぁァぁァァァッ!!!!」
チャラ女「ホブレッ!?」
少女の飛び膝蹴りが綺麗に俺の頬を打ち抜いた・・・
俺、何か悪い事したか・・・?

終われ
634はないちもんめ(代理):2009/11/11(水) 23:23:38.57 ID:V0TCH+gZ0
チャラ男が酔った次の日の話
いや、何か電球相手に悪戦苦闘するはないちもんめとか電波を受信したんで・・・
とりあえずチャラ男に土下座!!

自分が苦労してできなかった事を他人が簡単にやると腹立つよね

***

代理投下でした。さるさん怖かったんでいくつか勝手にまとめてしまいました。ご了承くださいませー

>自分が苦労して
あるあるあるww
自分の場合大人げないなーと思いつつ機嫌悪くなる
635小ネタ(代理):2009/11/11(水) 23:25:20.92 ID:V0TCH+gZ0
 …俺、何か悪い事をしたか?
 跳び膝蹴りを見事に喰らい、力尽きかけた訳だが……まぁ、ぼ〜っとしていた頭がはっきりしたから、よしとしよう
 横になっていたから、大分体は楽になっているし

「悪いな、家事任せて…後は、俺が」
「駄目よ」

 即答された
 じ、とはないちもんめが、こちらを見あげてくる

「二日酔いのせいだけじゃなくて、疲労も溜まってるんでしょ?ちゃんと休んでおきなさい」
「平気だって」

 少女は、学校がインフルエンザの影響だかで、学級閉鎖も学年閉鎖も通り越して学校閉鎖らしいから、家にいてくれているが
 だが、そうじゃなければ、任せるわけにもいかないのだ、本来は
 だから、自分も少し体が楽になったのだから、できる事はやらないと
 …そんな「日焼けマシン」の契約者の様子に、少女はため息をついて

「…ちゃんと休まないと、黒服が心配するわよ?

 と、そう言って来た

 ………
 …………

「……わかった」

636小ネタ(代理):2009/11/11(水) 23:29:49.73 ID:V0TCH+gZ0
 その言葉には、弱い「日焼けマシン」の契約者
 素直に、部屋に戻って

「…あの言葉は使いたくなかったのに」

 と、「日焼けマシン」の契約者の姿を見送り、少女は小さくため息をついたのだった


終われ
637小ネタ(代理):2009/11/11(水) 23:35:06.77 ID:V0TCH+gZ0
ロアの人乙!!
コアラと水がペットか、すげぇwwwwwwwwwwwwwwww


そして、カっとなってはないちもんめの話の直後辺りのシーンを
どうしてこいつはこうも単純なのか


…ネーミングセンス、か………黒歴史ノートを覗けば、登場人物の名前が偉い事になっているのが俺

***

代理投下でした。
はないちもんめ、黒服をだしにはしたくなかったのねww
そして近所の小学校もだいぶ学級閉鎖続いてるらしいしな・・気をつけなければ
638マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/11(水) 23:39:28.60 ID:V0TCH+gZ0
 マッドガッサーが、しばらくおおっぴらな動きを自重するといってきた
 何でも、学校町全体に一気にガスを流し…それと同時に、スパニッシュフライを一斉に解き放たせるつもりらしい
 野良のスパニッシュフライも巻き込み、数を増し続けているスパニッシュフライ、一斉にバラまめば、学校町全体を包み込むくらいにはなるかもしれない
 問題は、ガスのほうだが…そっちは、マッドガッサーが何か色々と取り寄せたりして、何か作ろうとしているようだった
 …一体、どうするつもりなんだか
 とりあえず、こちらはできる事をするまでだ

 …それは、ともかく
 「13階段」の契約者には、ひとつ、気がかりなことがあった
 マッドガッサーの、その話を聞いてから…「爆発する携帯電話」の様子が、少々おかしい
 携帯の画面をじっと見つめて…考え込んでいる事が、多くなった
 「爆発する携帯電話」が携帯を見つめているのは、以前からそうだ 
 ただ、それは携帯小説を書いているとかそう言う理由があるからであって…あぁやって、ただ、画面をじっと見つめて考え込んでいるなんて事は、今までなかった
 気になって仕方ない

 だから、気配を消して背後に近づき、「爆発する携帯電話」が見つめていた、携帯の画面を覗き込んで…

「−−−−−−ぁ」

 その携帯電話を、引っ手繰った

「…っお前な、何、考えてた?」
「………くけ」

 「13階段」のやや厳しい語調に、「爆発する携帯電話」は、困ったような表情を浮かべた
 自分でも、わかっているのだろう
 俯いて…しかし、結論を出したのか、再び顔をあげてきた

「…皆の、役に立ちたい」
「お前は、今でも充分役に立ってるっての………多重契約なんて、する必要はねぇ」
639花子様の人:2009/11/11(水) 23:40:28.56 ID:OdUqHFJFO
花子様描いてみた。・・・が、イマイチうまく描けなかった。
我ながら納得いかないんだぜ…。

http://imepita.jp/20091111/820280


皆様乙だぜ。やっぱり代理多いな・・・。
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:42:34.29 ID:XzGt7FFvO
しえ
>>639
惚れた!俺もぜひ椅子になり(ry
641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/11(水) 23:58:57.60 ID:vMqX79zVO
しんじようと、しんじまいと―

あの人は今おでかけ、ていうかいつのまにかいなくなってた
みせはあいてない、私一人
しかし私はオトナなので、うろたえずにしずかにおるすばん
ここがそこらへんのがきどもとのちがいである
「………」
オレンジジュースおいしい
じつは私は100%のしか飲まない『こだわり派』なのだ
ちなみに、100%ジュースには入れものに半分こにされたくだものがかならずかいてるらしい

しんじようと、しんじまいと―
「お断りします!お断りします!」
「………」
コアラがうるさいから家を叩いてから、ごはんをいれてあげた、しずかになった
ついでに、『水』のすいそうにもごはんをあげた、おさかなをいれたら消えた
『水』はおさかなしか食べないってあの人が言ってた、こいつも『こだわり派』か
「……………」ぐうううぅぅぅ〜……
おなかがへった
あいつらだけたべて、私がくうふくなのはおかしい、ひきょうだ、りふじんだ、『かくしゃさかい』だ
……まだかえってこないのかな
―――からんからん
「……あ」
かえってきた、こんなときに言うことばは…
「い、いただきます!」
「『おかえり』じゃないんですか?」
まちがえた、それもこれも腹の虫のせいだ、はずかしいじゃないか

「…お…おかえり…」
じぶんでも、かおが赤いのがわかった
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 00:00:11.02 ID:RzBmUzNpO
寝る前の1レスネタ

少女視点はなんか和むのは自分だけでいい
 「爆発する携帯電話」が見つめていた、携帯の画面には
 …新たな、今契約しているのとは別の都市伝説からの、契約の誘いのメールが来ていたのだ
 多重契約が危険である事は、「組織」にいた頃に学んだ
 だから…「爆発する携帯電話」に、多重契約をして欲しくない
 ヘタをすれば、契約したその瞬間に、飲み込まれる

「けけ……っ、でも、もっと、役に立ちたい」
「あのな、多重契約は危ないって、教えただろ?」
「…性質や、属性が似た都市伝説ならば……リスクが低いとも、聞いた」

 くそ、余計な事を覚えていやがる
 じっと、「13階段」を見あげ続けている「爆発する携帯電話」
 ぽそぽそと、己の考えを、必死に訴えてくる

「お前たちが、傷つくの……嫌、だ…だから……こいつと、契約すれば……俺も、もっと戦えるから………お前たちが、あまり、傷つかないで、すむかもしれない」

 「爆発する携帯電話」が、手を伸ばし…「13階段」にとりあげられた携帯電話を、掴む

「…だから。多重契約…させて、ほしい」
「………」
「…飲み込まれない…大丈夫、だから……性質や属性が、近い訳ではないが……通すぎる、訳でもないから」

 …あぁ、もう
 たのむから、そんな目で見あげてくるな
 そんなに必死に、懇願されたら………断れないだろうが

「ったく」

 携帯電話を、返す
「飲み込まれたら、承知しないからな?」
「………けけっ」

 こくり、「爆発する携帯電話」は、携帯電話を握り緊めて…
 …契約を誘ってきていた、その都市伝説と、契約を承諾する
 パっ、と、携帯の画面が不自然に光って


 …契約は、成立した


「…くけけっ……ほら、大丈夫、だろ…?」
「………ったく」

 元々悪い顔色をもっと悪くして、何を言っていやがるか
 その細い体を、無理矢理抱き寄せる
 くけ?と、「爆発する携帯電話」は、意味がわかってないように、首を傾げていて

「…こいつに何かあったら、承知しねぇからな」

 と、「13階段」は、「爆発する携帯電話」が握り緊めている、その画面に
 ……その画面に出現したそいつに、そう告げたのだった


to be … ?

645マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 00:10:44.11 ID:E6HQH+vI0
以前ちらっと話していた「爆発する携帯電話」の多重契約、完了
何と多重契約したかはまだ内緒ですが、これにより「爆発する携帯電話」は、問答無用で相手の携帯の番号を知る事ができるようになりました
ただし、多重契約による体力消耗と、新しい都市伝説の能力になれるため、決戦まで積極的に戦えませんが


***

代理投下でした。さる・・orz
端から見てると13階段が絶賛片思い中・・いや、本人も葛藤してるんだったか、とりあえずもげろwww
646以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 01:01:42.80 ID:E6HQH+vI0
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 02:00:41.53 ID:E6HQH+vI0
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 03:04:26.26 ID:E6HQH+vI0
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 05:46:46.58 ID:sq7u/akFO
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 07:28:28.47 ID:2/xvLGhk0
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 07:53:23.51 ID:HRk6YslAO
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 08:28:02.55 ID:GuI5Y8n8O
('A`)「よう」

(;^ω^)「おおお前だれだお! ってか、どっから入ってきたんだお!?」

('A`)「俺は【首無しライダー】だ。お前と契約しにきた」

(;^ω^)「けっ契約? 訳わからんちんすぎるお!」

('A`)「んな事言ったってしょーがねーだろ?」
('A`)「ほれ、やっかいなのがきやがったぜ」

その言葉と同時に、もう数ヶ月鳴っていない携帯がけたたましく叫び始めた。



これはアリなんだろうか。
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 09:23:48.10 ID:lVGmRxh9O
>>652
やってしまえ
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 10:33:40.63 ID:HRk6YslAO
>>652
俺はブーンスレは好きじゃない

でもブーンスレの登場人物は既にキャラが立ってて書きやすいってのもあるし、最終的には書き手次第だろう
655はないちもんめ 4コマ風?小ネタ(代理):2009/11/12(木) 11:48:42.80 ID:sq7u/akFO
1コマ目
黒服D「そう言えば今年は雪が降るかもしれないそうですよ」
チャラ女「へぇ」
少女「温暖化が進むこのご時世に雪とは・・・さすが学校町と言うかなんと言うか・・・」(うんざり)
2コマ目
チャラ女「あれ?お前雪嫌いなのか?」
黒服D「意外ですね」
3コマ目
少女「フフフッ・・・雪の降る様な真冬の夜にベランダで放置されるとか洒落にならないのよねぇ・・・」
黒服Dとチャラ女((地雷踏んだ?!))
4コマ目
少女「だんだん指先の感覚とか無くなって来てね・・・意識も朦朧としだすし一人寝るなぁー、寝たら死ぬぞー見たいな・・・大体、風呂に沈められてびしょ濡れの状態で外出すとかもう本格的に殺すつもりだったとしか思えなry」(以下延々と)
黒服D「もう良い!もう良いですから!」
チャラ女「俺達が悪かったから!!」
うっかり地雷踏む二人が書きたかった
反省はしている
656小ネタ(代理):2009/11/12(木) 13:16:57.78 ID:sq7u/akFO
4コマ風
チャラ男「ほら、俺たちが悪かったから、機嫌直せ」
はないちもんめ(つーん)
チャラ男「…に、しても雪なぁ。こんな時期に。冬物の服出しといた方がいいか…」
チャラ男「…………」
黒服D「どうなさいました?」
チャラ男「………っあんの、ババア!!二度と顔合わせたくねぇが、今度顔合わせたらぶん殴るっ!!」
はないちもんめ「!?」
黒服D「…あまり、よくない記憶を思い出したようですね」
 さりげなくこっちにも地雷が
657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 13:52:31.55 ID:sq7u/akFO
761:名も亡き都市伝説契約者
09/11/12(木) 12:37:38
はないちもんめのネタを見てカっとなって書いた
正直反省している
658マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 14:38:49.07 ID:E6HQH+vI0
「……さてっと、こんなもんか」

 着替え数点と貴重品を鞄に詰め、「13階段」は部屋を後にする
 …もう、この部屋に戻ることはないだろう
 そう考えながら、アパートの部屋を出て…
 あぁ、もう来やがったか、と「13階段」はため息をついた

「さっすが「組織」。早いじゃねぇか」
「ここは「組織」が、契約者相手に貸し出す事が多いアパートですから…よくもまぁ、堂々と紛れ込んでいたものですね」

 刀を持った青年が、「13階段」を見あげてきた
 青年の傍には、二人の少女の姿が見える
 …あの少女二人が、都市伝説か
 いや、それよりも…刀を持ったそのいでたち、聞いたことがある

「「かごめかごめ」か」
「僕を知っているんですか?」
「あの有名すぎる禿マッスル黒服が担当してる契約者だからな、それなりには」

 …階段の前に立ち、「かごめかごめ」を見下ろす
 そして、口の端を釣り上げ、笑ってやった

「お前の能力は、相手が室内にいりゃあ問答無用だが、外じゃあ意味がないだろ?」
「階段がなければ無力のあなたには、言われたくないですね」
「階段、今、目の前にあるぜぇ?」

 目の前だけじゃない、もう一箇所も
 こっちに来るには、どうあがこうが階段を通ってくる必要がある
 「かごめかごめ」に、空を飛ぶ能力があるとは思えない
 問題は、傍にいる少女二人だが…
659マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 14:48:23.58 ID:E6HQH+vI0
「俺を始末しに来たんだな?」
「…わかっているようですね」

 「かごめかごめ」が、刀に手をかける
 …あぁ、やっぱり、マッドガッサー以外は問答無用で、始末、か
 「13階段」の能力を発動させ、「かごめかごめ」を見下ろす

「よくもまぁ、「組織」なんかの言う事聞いてられるよな?息、つまらね?」
「別に、そんな事はありませんけど」
「つっまんねぇ男だなぁ、お前」

 階段の前から一歩も動かず、「13階段」は「かごめかごめ」を見下ろす
 「かごめかごめ」は、じっと「13階段」を睨み上げていて
 …自分と、大して歳が変わらない相手に見えた
 多分、自分よりも、ほんの少し年上な程度
 ……だと、言うのに
 こいつは、こっちとは違う扱いでも受けたのか?

「…お前、名前、あるか?」
「は?」
「名前だよ、名前。「かごめかごめ」なんて能力じゃねぇ、ちゃんとした本当の名前…両親、って奴からつけられた、名前」

 「13階段」の突然の問いかけに、「かごめかごめ」は怪訝な表情を浮かべた
 ちらり、傍らにいた少女二人に視線をやって…少女二人も、怪訝な表情を浮かべていた
 罠か何か、とでも思ったのだろうか?
 こっちには、別に相手の名前を知ることで操る能力なんて、自分も持ってないし仲間も持っていないのだが
660マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 14:50:59.27 ID:E6HQH+vI0
「……ありますが、それが何か?」
「そうかい…俺は、名前なんてなかったよ。物心ついた時には「組織」にいて……ずっと、「13階段」としか呼ばれてねぇ」

 ずっと、ずっと
 そうとしか、呼ばれなかった
 「組織」の中で、「組織」に保護された子供としてではなく……「組織」の道具としてしか、自分は扱われなかったのだ

「髪が伸びる、妙に人間臭い黒服が名前をつけてくれるまで、名前なんてなかった。俺は、人殺しの為の道具でしかなかったからな」
「…人殺しと言っても、「組織」に敵対する契約者や都市伝説を殺していったのでしょう?」

 それなら、自分も同じ、とでも言いたいか?
 くっく、と「13階段」は笑う
 あぁ、そうだ、それだったら、どれだけ楽だったか

「確かに、そう言う連中も殺したさ……でも、よ。まだ足元もおぼつかねぇようなガキも、そう言う対象かね?」
「………は?」
「そんなちっせぇガキや、都市伝説と契約してもいねぇ、「組織」とも何も関わりもねぇ……そう言う人間も、俺は殺すよう言われたぜ?はじめのうちはよ」
661マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 14:53:38.41 ID:E6HQH+vI0
 はじめは、意味がわからなかった
 ただ、殺せと言われたから殺した
 ただ…それだけだった

 だが、知ってしまった
 聞いてしまったのだ
 あの、髪の伸びる黒服から……

「「組織」の連中はな、俺を人殺しに慣れさせる為に。そう言う弱い奴から殺させたんだぜ?」
「−−−−−−な!?」
「つまり、「組織」は俺と言う人殺しを育てるために、まったく都市伝説と関係のないぜんりょーな一般市民って奴を、殺させた訳だ」

 けたけたと、「13階段」は笑ってやる
 あぁ、本当、馬鹿みたいじゃないか
 「組織」ってのは、人に都市伝説の存在を知らせない為の…そんな組織じゃなかったのか?
 こいつは、違うのか
 こいつは、そんな事を強要されなかったのか
 畜生、こっちと同じくらいの歳っぽいし、境遇だって、そう遠くなさそうなのに 
 どうして、こんなに違うんだ?

「っは!「組織」なんて、ロクでもない存在じゃねぇか!んなとこ、とっとと見限っても何も悪くないだろ?」
「…それとこれとは、話が別ですね。今、あなたはマッドガッサーの仲間として、討伐されようとしているのですから」

 「かごめかごめ」の傍らにいた少女の片割れが、そう口にした
 じっと、「13階段」を見あげ、睨みつけてくる

「あなたが「組織」を恨んでいるらしい事はわかりました。だからと言って、マッドガッサーの仲間になって悪事を働いていいと言う理由にはなりません」
「いっそ、「組織」なんてなくなっちまえとも思ってるけどな……あいつらと一緒にいたら、そう言うデカイ事もできそうな気がするんだよ」

662マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 14:59:21.74 ID:E6HQH+vI0
 ……まぁ

「……そんな事、わりとどうでもよくなってきてるんだけどな」
「………?」

 再び、怪訝な表情を浮かべた「かごめかごめ」
 …だが、答えてやるつもりはない
 もう、充分に時間は稼げた

「さてっと、そろそろ、通してくんねぇ?」
「お断りします」
「…だよなぁ」

 「13階段」の能力を発動させっぱなしなのも、そろそろ面倒になってきた
 いい加減、さっさと帰らないと、っつか、帰りたい

「だがな、無理矢理にでも通させてもらうぜ!」

 大声を出し、それが合図
 だん!と強く地面をけった音がして、人狼姿をとったマリ・ヴェリテが「かごめかごめ」に襲い掛かる!

「っ!」
「ひゃっははは、前のようには行かねぇぞ!」

 不意を撃たれた形になった「かごめかごめ」
 しかし、すぐに二人の少女が「かごめかごめ」に駆け寄り…少女たちの姿が、掻き消える
 代わりに、そこには以前もマリ・ヴェリテに見せた、鎧を纏った青年の、姿がそこにあった

663マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:01:24.15 ID:E6HQH+vI0
「うっわ、多重契約かよ。どんな都市伝説だ、あれ」

 マリと戦いだした「かごめかごめ」の姿にあっけにとられつつ、「13階段」は急いで階段をかけおりた
 能力はとっくに解除しているから、問題はない

「っ逃がすか!」

 マリの攻撃を刀で防いでいた「かごめかごめ」
 だが、マリの猛攻の隙を縫って、「13階段」を捕えようとする

「っそいつの後ろに回りこむな!貫かれるぞ!!」

 −−−その時
 マリ・ヴェリテが、誰かにそう、警告した

「−−−−−−っ!?」
「っと」

 たんっ、と
 「かごめかごめ」に背後から襲いかかろうとしていた何者かが、瞬時に「かごめかごめ」から距離をとった
 漆黒のマントに身を包み…顔を隠すつもりだろう、能面の仮面を被った、不審人物

「残念、撃墜しようと思ったのですが」
「そりゃ悪かったな」

 仮面の下から聞こえてくるのは、女の声
 …一瞬、報告にあったマリ・ヴェリテの他に接近戦を得意とする者、と思ったら違うのだろうか?
 報告によれば、それは男だったはずだが…
664マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:06:40.93 ID:E6HQH+vI0
「マリ、そいつ連れて逃げてろ!」
「っち…わかってるよ!」

 マリ・ヴェリテが一瞬で獣の姿に変わる
 階段を降りきった「13階段」を咥え、走り去っていく
 その後を追おうとした、「かごめかごめ」の前に

「っ!」

 マント姿の怪人物が、一瞬で移動してきた
 突き出された拳が、「かごめかごめ」を包み込む、鎧に変形した白面九尾の狐に襲い掛かる
 がごぉんっ、と、響き渡る鈍い音
 かすかに、コンの苦悶の声が混じる

「−−−っち、堅いな」
「心臓狙いとは、容赦がありませんね」

 マントの下からちらちらと見える体格や声は、女に思える
 だが、この心臓狙いの攻撃も、報告で聞いている攻撃だ
 どう言う事なのか?
 かすかに混乱した隙に、マントの怪人物は距離をとってくる

「…そろそろ、いいか」
「時間稼ぎをしていたつもりですか?…あなただけでも逃がしませんよ」

 刀を、怪人物に向ける
 …その、能面の下で
 怪人物が、笑ったような気がした
665マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:09:13.62 ID:E6HQH+vI0
「…あぁ、駄目だな。全然駄目だ。捕まえられると、思っているのか?」

 どこか見下したような、そんな声
 相手が、妙に胸を張っているように見えるのは、気のせいか?
 ぱんっ、と、怪人物が両手を合わせてきた
 その手を、「かごめかごめ」に向けてきて…

「−−−っらぁ!!」
「っ!?」

 放たれたのは…光!?
 それは、Tさんが放つ光の衝撃破とも、「かごめかごめ」を担当する禿黒服が使う兄気とも、どこか違う
 …俗に、気とか言われるたぐいの、攻撃
 それが、「かごめかごめ」に襲い掛かる!

「っく!?」

 咄嗟に、その攻撃を防ぐ「かごめかごめ」
 光が晴れた時……そこには、怪人物の姿はなかった

「…逃げられましたか……コン、大丈夫ですか?」
「けっこー痛い。鎧じゃない状態だったら…ヘタしたら、本当に心臓もって行かれてる」

 …報告にあった人物と、同じような戦い方
 しかし、相手は女のようだった
 同じ戦い方をする女が、もう一人いる?
 それとも、先の報告が間違っていた?
 とにかく…今回の事も、報告しなければならない
 変身を解いたハクとコンを前に、「かごめかごめ」は考え込んでしまうのだった
666マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:13:33.83 ID:E6HQH+vI0
「…なぁ、なんでわざわざ、女の姿になってきたんだ?それ、マッドガッサーのガス吸ったんだろ?」

 …無事、「かごめかごめ」から逃亡し、魔女の一撃の契約者と合流した「13階段」とマリ・ヴェリテ
 能面を外した魔女の一撃の契約者は…女性の顔になっていた

 体付きも、間違いなく、女性
 マッドガッサーのガスを吸ったであろう効果が表れていた

「その姿じゃ、腕力とか色々落ちてるだろ?」
「まぁな。だが、相手の情報を撹乱させるくらいはできるだろ」

 そう答えて、魔女の一撃の契約者は、懐から解毒剤の入った小瓶を取り出す
 中身を一気に飲み干し……かすかに苦悶の声をあげた後、男の姿に戻る

「相手に、こっちの戦力を正確に知られちゃ厄介だからな」
「そんなもんか?」
「ひゃははは、ちょっとでも相手が混乱してくれりゃあ、もうけもんだろ?」

 けたけた、マリ・ヴェリテが笑う
 魔女の一撃の契約者は、男に戻った体を確認するように、ぽんぽん、と自分の体に触れていた

「…にしても、せっかくだからよぉ。女の体で、一発体験してからでも良かったんじゃねぇの?元に戻るの」
「却下。絶対嫌だ」

 マリ・ヴェリテが舌なめずりしつつ言うと、魔女の一撃の契約者は即座にそう答えた
 ……そして、ごがっ!!と
 傍にあった電信柱を、苛立つように殴りつけた
 みし、と、電信柱にヒビが入る
667マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:17:32.33 ID:E6HQH+vI0
「……大体!女になった時の胸のデカさでも負けた、だと!?いや、どっちも貧乳に変わりはねぇが……俺がBであいつはCたぁどう言う事だ!?くそ、くそ、身長でも負けて、こっちでも勝てないってのか、俺は!?」
「おーい?」

 うぉーい
 何、馬鹿な事で張り合ってんだ、こいつ
 色々と突っ込みたいのだが、その突っ込みの言葉は恐らく、魔女の一撃の契約者には届いていない
 とりあえず、電信柱を壊しかねない勢いで殴り続けているこいつをどう止めるべきか
 「13階段」は、マリ・ヴェリテと顔を見合わせ、ため息をついたのだった



終われ
668マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 15:21:47.38 ID:E6HQH+vI0
かごめかごめの作者様に焼き土下座なVSネタ
ついでに、「13階段」お引越し
マッドガッサー一味の動きが大人しくなった直後、「13階段」は今まで使ってたアパートを捨てて一味が拠点として使っている教会に引っ越しました
「13階段」が使っていたアパートを調べても、そこら辺の証拠は見付かりません
すげぇエロ本なら一杯見付かると思うけど

***

代理投下でした。13階段の意外な過去にまさかの株上昇とか。
しかしエロ本www
669小ネタ風味(代理):2009/11/12(木) 15:35:46.87 ID:E6HQH+vI0
「なー、マッドはん」
「んー、何だ?」
「一撃はんがやったみたいに撹乱の意味もあるけどなぁ、ウチが魔女はんの秘薬で男になれば戦力としても結構」
「ダメだ」
「いや危ないのは判るんやけどな、顔を見られたっちゅうのもあるし腕力や体力の強化にもなりそ」
「ダメだ」
危険な目に遭わせたくないというよりも、単純に男の姿になんかさせたくないという理由だとは口が裂けても言えないマッドガッサーであった
「なんやもう、マッドはんのいけずー……せやったら」
「多重契約はもっとダメだぞ」
「……爆やんもやっとたのになぁ」
ぶつぶつと文句を言いながら宅配便の梱包を解いている似非関西弁女
「そういや、何だそれ?」
「鎌倉の武器屋から取り寄せた斬鉄剣」
「マジで刀用意してたのかよお前!? というか何でそんなもん売ってんだよその店!」
「レプリカの中に本物が紛れてる、なんて都市伝説そのものやん?」
「……そんなもんなのか?」
銃社会生まれのため『モデルガンを拾ったら実は本物で怖い人に付け狙われた』といったような話はあまり知らない様子
「ハリセンとか木刀とかは能力使うんには都合ええんやけどな……タマの取り合いやったら真剣やろ。まあ柄や鞘や峰でもどつけるしな」
刀を抜き、曇り一つない刀身を見詰め、小さく呟く似非関西弁女
「あの黒服、次遭ったら見ときや……あの伸びる髪全部切り落として、最低でも腕一本もろたるで」

―――

同時刻
「……おおう」
背筋を走る悪寒に黒服Hは身震いする
「寒くなってきたせいかねぇ……あんたの頭見てるとなんか震えてくる」
たまたま情報交換で顔を合わせていた禿の黒服は、自分の頭をぺたぺたと触る
「そんなものですかね? 鍛えていれば寒さなど感じませんが」
「どう考えても体脂肪率低い方が寒いだろオイ」
670小ネタ風味(代理):2009/11/12(木) 15:40:19.34 ID:E6HQH+vI0
代理投下でした。
ついに真剣が・・・ってか禿www
671保守がてらの転載:2009/11/12(木) 15:43:49.34 ID:E6HQH+vI0
763 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:36:40
代理投下してくださった方乙!!
過去が判明しても、「13階段」が能力に頼った馬鹿なのは変わらないのはひみちゅ
そして、エロ本は普通のからマニアックなのまで色々と見付かったと思うよ!

764 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:41:46
似非関西弁乙なんだぜ!!
真剣手に入れやがったwwwwwwwwwww
しかも斬鉄剣、だと!?wwwwwwwwwwwwwww

…実は、剣がご入用だったらこちらからも入手ルート提供するつもりだったのひみちゅ
おぉっと、黒服Hの髪がピンチだwwwwwwwww

765 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:42:25
投下&代理の方乙ー

性別を変えないと黒服Hには勝てない気がする似非関西弁女
だって女の子が必死に戦う姿とか見せてたら伸び放題じゃないですか彼(待てコラ)
で、性別変えるとなると多分止められると思ったネタでした

多重契約は抜け毛や髪切りにまつわるもの契約させようと思ったけど
やっぱり止められるだろうなーとお蔵
というかもうお前マッドガッサーと契約しちゃえよとか自分で書いてて言いたくなる始末
そしてマッドガッサーもげろ

***

>というかもうお前マッドガッサーと契約しちゃえよ

 そ れ だ
672保守がてらの転載:2009/11/12(木) 15:52:55.40 ID:E6HQH+vI0
766 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:44:50
>>765
>だって女の子が必死に戦う姿とか見せてたら伸び放題じゃないですか彼(待てコラ)
どう考えても伸び放題です、ありがとうございましたwwwwwwwwwwww
そして、性別チェンジも多重契約もマッドガッサーが確実に止めるなwwwwwwwww

そう言えば、マッドガッサーは契約コストBだから、多重契約問題なさそうだなwwwwwwww
ちなみに、マリの契約コストはD。今まで契約を試みた人間は、皆器が小さくてあっと言う間に飲み込まれた様子

767 名前:名も亡き都市伝説契約者[sage] 投稿日:2009/11/12(木) 15:49:06
>>766
マリはやっぱ強いのか
一味中最強?

768 名前:はないちもんめ[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:50:04
花子さんの人乙!!
かごめかごめが活躍している・・・だと?
そして斬鉄剣wwwwwwwwwwwwwwwww
マッドよもげろwwwwwwwwwwwwwww

ふと調べなおして愕然
コンハクあいつ等1500才どころじゃなかった
(分裂したのが)紀元前1100年頃・・・3100歳以上?

***
>>766
マッドガッサーあれでBか・・マリは逆にEぐらい行っちゃってもおかしくないかと思ってた

>>768
中国では神話時代の登場だもんな・・まさに妖狐
673保守がてらの転載:2009/11/12(木) 16:00:17.49 ID:E6HQH+vI0
769 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:52:51
>>767
マリの場合、契約コストがデカいってのもありますが、性質的に契約者が飲み込まれやすいようです
力に酔いやすい性格だったりすると、特にやばいですね。で、マリが今まで契約を試みた相手は、みんなそんな奴でした
それなりに長生きの都市伝説である事、マリ本体の戦闘能力などから考えて契約コストはD
まぁ、接近戦では一味中最強でしょう
魔女の一撃契約者も、単純な腕力ではマリに勝てないし

>>768
貴殿には土下座なんだぜorz
微妙に境遇が似てるかごめかごめと「13階段」ですが、「13階段」はちょっとロクでもない計画に使われていたという厨2病設定
コンとハク…そんなにババアだった、だと!?

770 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:58:05
>>766
> マッドガッサーは契約コストBだから
『頭を強打すると記憶を失う』も汎用性低いしBぐらい?
契約すればマッドガッサーもパワーアップするんだろうか
で、契約するためにはどんな行為をするのか詳しk(くびをはねられた!)

>>768
> そして斬鉄剣wwwwwwwwwwwwwwwww
逆刃刀、七丁念仏とどれにしようか迷った結果が、一番都市伝説っぽいものに
ちなみにコンニャクは斬れませんというお約束で
674保守がてらの転載:2009/11/12(木) 16:03:49.99 ID:E6HQH+vI0
771 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:58:56
本スレ>>672
マッドガッサー、本来ならCくらいだったと思うんだよ、契約コスト
ただこいつ突然変異で殺傷能力が低下してるんでBくらい
マリも、最初はEかとも思ったんだが…マリが将門様やギザ10の契約者のご先祖様と契約コストが一緒、ってのも違和感が
よって、Dにしときやした
以前出したジェボーダンのベート辺りは、契約コストEだと思うよ

772 名前:はないちもんめ[] 投稿日:2009/11/12(木) 15:59:50
>>貴殿には土下座なんだぜorz
いやいや、最近全く書いてなかったので逆にありがたい位で

>>微妙に境遇が似てるかごめかごめと「13階段」ですが、「13階段」はちょっとロクでもない計画に使われていたという厨2病設定
かごめかごめがそういう碌でも無いことに加担せずに済んだ一番の要因は禿な気がしてきた・・・
その代わり幼い頃から貞操の危機は多々有りましたが

>>コンとハク…そんなにババアだった、だと!?
青年「紀元前生まれって単純にキリストよりも年上ってことですよね」
コン「キリストさんと会ったことは無いけど・・・死んだ一匹は吉備真備ともにゃんにゃんしてたらしい」
ハク「ついでにその子どうやって日本に来たかって言うと鑑真和尚について行ったらしい・・・」


避難所>>771
なるほど、強いて言えばD+とかそんな感じと解釈

>>772
個人的に一番覚えてるのは封神演技だなあ
しかし吉備真備とも関係があったとは・・
675保守がてらの転載:2009/11/12(木) 16:07:47.73 ID:E6HQH+vI0
773 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 16:04:06
>>770
具体的に契約するとどうなるか決めてなかったが、多分、生成できるガスの種類が増えると思う
ただし、突然変異体なので殺傷力あるガスは無理
契約する為の行為か………せっかくだからエロい方向で(ry

>>772
>かごめかごめがそういう碌でも無いことに加担せずに済んだ一番の要因は禿な気がしてきた・・・
>その代わり幼い頃から貞操の危機は多々有りましたが
禿に感謝するべきなのかもしれないが貞操の危機wwwwwwwwww
まぁ、「13階段」はかごめかごめよりもまだ幼い頃に引き取られてるしね
…もしかしたら、両親の死亡も「組織」の仕業かもしれないが、真相は闇の中


よしマッドガッサーもg
676小ネタ(代理):2009/11/12(木) 16:08:31.91 ID:E6HQH+vI0
4コマっぽく


かごめかごめ「一応、「13階段」が使っていたアパート調べます?」
ハク「何か、証拠が残っているかもしれませんしね」
コン「えー、面倒臭い」

かごめかごめ「…大した物はありませんね」
ハク「流石に、証拠になりそうなものは持ち去っていますか」

コン「わー、すご、ベッドの下エロ本ぎっしり」
かごめかごめ「何を見つけているんです!?」

コン「だってすごいぞ、ほら」
ハク「縛ってるのとか動物と絡んでるのとか…これ、国内で買える物じゃないですね」
かごめかごめ「何、この人に自慢できない嫌なコレクション」


コンの話し方が自信ないんだぜ土下座っ!

677小ネタ(代理):2009/11/12(木) 16:13:45.24 ID:E6HQH+vI0
774 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 16:10:51
カっとなって書いた
かごめかごめたちにアホな事やらせてごめんなさいと再び土下座っ!orz

本スレ>>674
D+かE-ってとこだろうか
微妙なラインだと思ってくれい


そして、マッドガッサーはどれだけもげろ言われ続けるのかwwwwwwwww
だがもげろ


***

代理転載でした。確かに押収しても困るコレクションだなwww
もげろは・・なんかもう、条件反射的な?
678保守がてらの転載:2009/11/12(木) 16:26:50.97 ID:E6HQH+vI0
775 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 16:19:44
>>かごめかごめたちにアホな事やらせてごめんなさいと再び土下座っ!orz
>>コンの話し方が自信ないんだぜ土下座っ!
どっちも問題ないwwwwwwwwwwwwwwww
コンに至っては俺も自身無いし
多分あの後家に持ち帰って目通したんだろうなぁ・・・

>>…もしかしたら、両親の死亡も「組織」の仕業かもしれないが、真相は闇の中
その内本格的に『組織以外』VS『組織』で戦争が始まりそうな気がしてきた

>>本スレ
>>しかし吉備真備とも関係があったとは・・
ハク「あの子の死因何でしたっけ?」
コン「え?確か・・・鳥羽上皇とにゃんにゃんして病気移しちゃって、それに怒った鳥羽上皇に処刑されたんじゃなかった?」

776 名前:名も亡き都市伝説契約者[] 投稿日:2009/11/12(木) 16:22:38
>>773
> ただし、突然変異体なので殺傷力あるガスは無理
催眠、麻痺、臭気、チャフ(霊的な面でも)とかかなぁ
あとは効果範囲拡大とか精密散布とかチャージ時間短縮とか

> 契約する為の行為か………せっかくだからエロい方向で(ry
本当は契約の意思表示して応えるだけでいいのに
多重契約を思い止まらせるために本番行為を要求したら承諾されて引くに引けなくなるんですねわかります
投下に困る内容になりそうだ……バキSAGA形式(表は情事だけ中略して投下できないスレに詳細)か
でも今までIFですらもげろもげろ言われてたのに正式にアレな事になったらもうもがれるしかないよね!

***
ガス効果が増えるのはいいかもしれん。状態変化技万歳。そして正式でアレなことなんてなったら・・・・おめでとう代わりのもげろコールが巻き起こるのが目に浮かぶwww
679小ネタ(代理):2009/11/12(木) 16:30:42.60 ID:E6HQH+vI0
ハク「コレは凄い・・・」
コン「何冊か持って帰るか?」
青年「止めなさい・・・」
「「えー」」

青年「と、言うか若い女性がエロ本なんて読むんじゃ・・・・・・ゴメン、そうでしたね貴方達とんでもないババァでしたね・・・もう性欲なんか枯れてるからその程度じゃ何も無いですよね」
コン「ババァ言うな!!」
ハク「後、確かにこの程度のエロ本読んでも何てこと無いですけど枯れても無いですから!!まだ中身は若い(つもり)ですから!!」

青年「・・・でも平気なんですね?」
コン「それは・・・なぁ・・・」
ハク「禿所持のエロ本に比べたら・・・」

青年「・・・・・・・・・え?」

勝手に続き書いてしまった
土下座

***

以上代理(ry
禿所持なんてすさまじい地雷臭しかしないwwww
680小ネタ(代理):2009/11/12(木) 16:45:58.19 ID:E6HQH+vI0
4コマっぽく

黒服H「よーぉ。「爆発する携帯電話」のアパート調べに行ったらもぬけの殻だったんで、こっち手伝いに来たぜ」
かごめかごめ「そちらも逃げられましたか…」

黒服H「おぉ、こりゃすげぇ。エロ本博物館ができそうだな」
かごめかごめ「何ですか、その子供を絶対に連れて行けない博物館」
ハク「確かに。できそうなレベルの冊数と種類ですけど」

黒服H「俺が一部もらっても構わないな?」(しゅるしゅるしゅる)
黒服H以外「「「却下」」」

黒服H「っち、ケチだな………まぁ、あいつが俺の教えた通りエロ心を失っていなかったようでほっとした」
かごめかごめ「ちょっと待て」


どうやらエロ本は黒服H仕込みだったようです

681小ネタ(代理):2009/11/12(木) 16:55:33.70 ID:E6HQH+vI0
代理投下の人とかごめかごめの人に乙をいいつつ、さらに続きを書いてしまった土下座
禿所有のエロ本……何か怖いなwwwwwwwww

***

代理投下だったよ。まさかのH仕込みかwwww
そして今更ながらこっちに一人しかいないことに寂しさを覚えてみたり(´・ω・`)
682以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 16:57:51.26 ID:sq7u/akFO
(´・ω・`)
683単発ネタ:2009/11/12(木) 17:42:20.30 ID:sq7u/akFO
我々は情報提供を目的とした集団である。我々はあらゆる人、都市伝説、地域、集団等の情報を集める。そして、求められれば、顧客情報以外のあらゆる情報を提供する。
その際、我々は顧客の人、都市伝説、年齢、人種、身分等で差別をしない。我々はただ金によってのみ客を見る。
ただそれだけの集団が「組織」に襲撃されるなど、想像もしていなかった。

「組織」が来るという情報は知っていた。話し合いで解決出来ると思っていた。来る理由も知っていたから、和解出来ると信じていた。
来たのは、一人の少女だった。まだ小学校も卒業していないような、幼い少女。我々の情報にはない契約者だった。
我々はまず不安になった。こんな子供と話し合いが出来るだろうか、と。
しかし考えてみれば、我々三十人近い契約者集団(そのうち半数が情報収集特化型であるが)にたった一人の少女だけを送り込むわけがない。
おそらくこの少女は、間違ってはやく来てしまったとかそんな理由で、後から黒服が来るだろう、そう考えた。
それでも念のため少女を調べておこうかと、目をむける。
すると、少女は紙飛行機を飛ばしていた。攻撃かと身構えつつ、紙飛行機の都市伝説などあっただろうかと疑問に思った瞬間、紙飛行機の後から煙が出現し、我々を包み込む。
煙幕かと瞬時に判断し、他の契約者からの攻撃に注意するよう指示をする。また、少女の動向も調べさせようとし、息が上手く出来ない事に気が付く。
「煙を、すう、な……ケム、トレイル……だ……。」
誰が言ったかはわからない。私も仲間も皆、死んでしまったのだから。
684単発ネタ:2009/11/12(木) 17:43:58.87 ID:sq7u/akFO
とある集団の滅亡から数十分後、一人の泣きそうな少女のそばに黒服の男が現れた。
「今回の任務はこれで終わりです。お疲れ様でした。」
「あの、あの人達は、何をしたんですか?」
「悪事を働く人間に情報を教えました。再三の警告にもかかわらず止めなかったため、強行手段にでました。以上です。」
「で、でもっ、殺すことはなかったんじゃ。」
「必要があったから殺したのです。さあ、もうお帰り下さい。私は後始末をしなければなりません。それと、こちら今月の生活費です。」
「…………ありがとう、ございます。……さようなら。」

少女がいなくなった後、ため息をつく黒服の携帯がなりだした。
「はいもしもし、……ええ、はい任務は問題なく終わりました。……私の言ったとおり、あの子は有能でしょう?…………はい……大丈夫です。『組織』に反抗的な態度は、全くありません。
 …………ええ、ですから。……はい大丈夫です。……ええ、……あの子を、殺さないでやってください。」

685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 18:43:49.41 ID:7Ubve0JJ0
ho
686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 18:53:31.93 ID:p13XG54yO


同僚「何食べてるんですか」
黒服Y「ほし柿ウマー棒。いつの間にかそこにあったから」(そこ>>467-473



同僚「勝手に食べたらだめでしょう。まぁどうなっても知りませんけど」
黒服Y「気にしない気にしない」



同僚「……それどんな味何です?」
黒服Y「ん、好みが分かれる味だね、好きな人は好きだろうね。一口どうぞ」
同僚「それでは少し」パクッ





同僚「〜〜ッ、まず い。 とても食えたものじゃないです」
黒服Y「美味しいとは一言も言ってないよ」
同僚「謀りましたね」
687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 18:56:00.10 ID:PC+F4hsPO
干し柿wwwww
688以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 18:56:36.00 ID:7Ubve0JJ0
黒服Y拾い食いすんなwwwww
二日前から放置してあったやつだぞw
689以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 19:07:54.49 ID:p13XG54yO


同僚「Y、その食べ方やめなさい」
黒服Y「どうしたの」モグモグ



同僚「両手で持って頬張るのをやめろと言ったんです!」
黒服Y「これ太くて片手じゃ食べづらいんだけど」



同僚「いいから」
黒服Y「いや、だから太くt」
同僚「 お 願 い で す か ら !」


おわり

黒服Yの真面目に仕事してる話がなかなか進まない
690小ネタ(代理):2009/11/12(木) 19:36:31.39 ID:E6HQH+vI0
皆乙、ってY広い食いすんなwww
ところでさっきまで凄まじい眠気が襲ってきてたんだがこれなんて都市伝説の攻撃?

避難所>>784
リク・・だと・・えええいいんだろうか
えーとえーとんじゃあ動物に囲まれてほわほわしてる携帯契約者で!
691マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 19:51:20.42 ID:E6HQH+vI0
 今まで、隠れ住むように暮らしていたアパートを引き払い、教会に荷物を持ってきた
 …そろそろ、「組織」にあのアパートを知られているかもしれないからだ
 事実、「13階段」の方には、「組織」の人間が来たらしかった
 …「13階段」も、マリも、魔女の一撃の契約者も…皆、怪我をしないで良かった
 その事実に「爆発する携帯電話」の契約者はほっとする

 ぴすぴすと、ジャッカロープが鼻を鳴らし、「爆発する携帯電話」の契約者を見上げてきた
 「爆発する携帯電話」は、そんなジャッカロープをそっと撫でてやる
 撫でられるのが心地いいのか、ころり、腹を見せてくるジャッカロープ
 そんな様子に、気持ちが和む

 …多重契約した能力に、自分は今、慣れようとしているところ
 皆の力になりたくて決断した多重契約だったが、能力になれるまで、まだ少し時間がかかりそうだ
 …早く、力になりたい
 焦る気持ちはあるが、ジャッカロープがそれを和ませるように、「爆発する携帯電話」に愛らしさを振りまいてくる
 皆の、力に…なれるだろうか?
 いや、ならなければならないのだ
 自分の力が増せば…少しは、皆が傷つく割合が、減るかもしれないから

 …と、そこに
 てちてちと、近づいてくる、影

「……くけ?マリ?」

 てちてち
 狼の姿になったマリが、近づいてくる
 ぺふん、「爆発する携帯電話」の傍らに腰を下ろし、丸くなった
 軽くではあるが、一戦戦ってきた後
 疲れているのかもしれない
 そう考えて、「爆発する携帯電話」は、労うようにマリを撫でてやる
692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 19:53:23.27 ID:7Ubve0JJ0
本スレに投下できない〜スレをデジャヴった支援
693マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 19:56:02.50 ID:E6HQH+vI0
 ぱたぱたぱた
 マリの尻尾が、心地よさそうに振られた

 人とのコミュニケーションのとり方がよくわからず、友人を作る事もできないでいた「爆発する携帯電話」
 しかし、不思議と動物相手は平気だった
 幼い頃は施設で育っていたし、高校を卒業してからはアパート暮らしだったから、動物を飼う事はできなかったが
 それでも、ほんの少しでも、動物と触れ合えるのが、彼にとっての癒しだったのだ
 それは、仲間が出来た今でも、変わりはない
 ジャッカロープや、獣の姿をとっているマリと触れ合う事は、「爆発する携帯電話」にとって、心安らぐ瞬間だ

 …「爆発する携帯電話」は気づいていない
 こうやって、心和んでいる時は……意識などしなくとも、自然に、笑みを浮かべられている事に

 ぺふり、「爆発する携帯電話」にすりより出したマリ
 「爆発する携帯電話」は、それを嫌がりもせず、優しくマリを見つめる
 ぱたぱた、尻尾を振りながら、マリは既にジャッカロープが乗っている「爆発する携帯電話」の膝の上に、顎をおいて…

 ………どすっ

「くけ?」
「ここにいたか…体の調子、どうだ?」

 …マリが、腰をおろしているのとは、反対側
 そこに腰をおろし、「爆発する携帯電話」と並ぶ「13階段」
 「爆発する携帯電話」は、小さく首をかしげる

「…大丈夫、だぞ………多重契約の疲れは、もう、ない」
「……なら、いいんだけどな」
694以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 19:56:43.98 ID:7Ubve0JJ0
支援
695以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 19:57:24.31 ID:7Ubve0JJ0
支援
696マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 19:59:56.26 ID:E6HQH+vI0
 じっと、「爆発する携帯電話」を見つめてくる「13階段」
 …その視線の先に、「爆発する携帯電話」が所有している、携帯電話が目に入る
 ……今、「爆発する携帯電話」は、多重契約した都市伝説の能力になれるために、その能力を使っている最中なのだ
 いや、正確には……新しく契約した都市伝説相手に頼んで、能力を使ってもらっている最中、と言うべきか

「無理するなよ?お前の体に負担がかかってるかもしれないんだからな」
「……けけっ、平気、だ」

 …ぽすり
 「爆発する携帯電話」が、「13階段」に寄りかかる
 平気と言ってはいるが、多重契約による疲れはまだ多少残っているようだった
 まだ少し、顔色が悪い

「……ったく、お前はこうだから…しばらく、教会で大人しくしとけよ?」
「…けけ、わかった…」
「…それと、マリ。こいつはこんな状態だから、変なちょっかいかけようとしてんじゃねぇ」
「……くけけっ?」

 ぱたぱた
 尻尾を振りつつ、獣姿のマリが、っち、と舌打ちしたことに、気づかない「爆発する携帯電話」
 ジャッカロープとマリという二大もふもふを前にして、警戒心などあるはずもないのだった



終わっちまえ

697マッドガッサーと愉快な仲間達(代理):2009/11/12(木) 20:02:49.08 ID:E6HQH+vI0
本スレ、単発の人と黒服Yの人乙!!

そして本スレ>>690
了解して書いてみたんだぜ!
イマイチリクに答えきれてなくて御免だぜ!!!

***

代理投下でした。いやいや、受け付けてもらえてありがたいんだぜ!
そして相変わらずの執筆スピードに感動したww

珍しくマリが空気読めてると思ったら・・やっぱり狙ってたのかwww
698以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 20:04:19.59 ID:7Ubve0JJ0
代理も作者も乙
さすが淫じゅ…ゲフンゲフン
699以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 20:20:50.99 ID:RzBmUzNpO
信じようと、信じまいと―

「――簡単に言うと、嘘を見抜く仕事をしてましてね」
カウンターに向かう男がそう言って、グラスの酒を飲んだ
「へぇ…嘘を…」
マスターはクスリと笑い、磨き終えたグラスを棚に仕舞う
「なら…私の嘘も見抜けますか?」
「さぁ?…やってみましょうか」
男はニヤリ、と笑い。マスターは微笑みながら握った両手を差し出した
「私の右手には何かが入っています、さて本当でしょうか?」
マスターは楽しそうに、笑いながら言った
「どれどれ…」
男はマスターに顔を近付け、目をじっと見詰める
男の目が、キラリと光る
「…どうやら、あなたは正直な人のようだ…右手に入っているのは本当ですね」
「…正解です」
マスターはふふっ、と笑い右手を開いた
中に入っていたのは…不思議な模様のコインだった
「これは…?」
「このコインにはですね、面白い話があるんですよ」

「信じようと、信じまいと―」
700以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 20:21:41.86 ID:RzBmUzNpO
「ほう…摩訶不思議な…」
男は訝しむようにコインを見る
「試してみましょうか?」
マスターは笑いながらコインを回す
「こっちが裏、こっちが表です。さてさて、何で確かめるか…」
「そうですね…」と呟きながらマスターはコインをくるくる回した
「…お客様は、煙草を吸わない」
言って、マスターはコインを指で弾いた
コインは回転しながら宙を舞い、カウンターに落ちた
出た面は…裏
「正解です」
男はそれを見て、煙草を内ポケットから取り出し笑った
「しかし」と男は続ける
「まぐれじゃないんですか?」
流石に一回嘘を当てたからと言って、確率は二分の一な訳だ。偶然こうなる事も十分にありえる
「なら、お好きなだけ試してみてください」
マスターは男にコインを差し出した
男はそれを受け取り、様々な質問を投げ掛けながらコインを投げ続けた
「俺は右利きか?」「妻はいるか?」「勉強はできる方か?」男は様々な質問を投げ掛け、コインはすべて真実を映し出した
最後に男は、大きな質問をした
「世界は平和になるか?」
しかし、コインを投げた所で、マスターに空中でコインを取り上げられてしまった
「その質問はタブーですよ」
マスターはふふっ、と微笑んだ
それを見て男も笑い、「それもそうだな」と言って上着を着込んだ
「楽しかった、また来るよ」
男は笑いながら店をでた
「またお越しください」
マスターは男の背中へ微笑みを向けながらコインを掴んだ手を開いた
コインは、開かれた掌の上で縦に立っていた
701以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/12(木) 20:22:26.50 ID:RzBmUzNpO
「信じようと、信じまいと―

質問が真なら表、偽なら裏が出る、その名も「真実の硬貨」が大英博物館にある。
歴史上多くの権力者が使用したという記録が残されているが、
数年前に床の隙間に挟まって以来取り出す事が出来ないでいる。
最後に投げられた際の質問は、「人類は滅ぶか」というものだったとか。

信じようと、信じまいと―」
702以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
終了!とついでに入らなかった小ネタ


「…………」

「あの人はわたしのことがすき」

チャリーン、コロコロ…スポッ

「あっ」

「……ゆかにはさまった」