1 :
二十四の瞳(東京都):
2 :
学生(catv?):2007/04/13(金) 21:57:47.27 ID:03oNMg4B0
,、, ,,、
i,ィ`'゙゙゙゙゙゙'´r.,i 風太様が二本足で
>>2get!
シl o,,_~o 彡ハ
ヾl/・_ヽ,,,,'`;;ミ
>>1 だけでふうたwwwwwwwwwwなんつってwwwwwwwwww
ッ゛'''''゙`;;;;;;;;;ミ
シ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミ
>>3-5 ふうたwwwwwwwwww
ミ;;;;::;;;;;;;;;;;;;;::;;;;ミ
シ;;;;;::;;;;;;;;;;;;;;;;:;;; ;;ミ
>>6-8 レッサーパンダに負けるとかどんだけだしwwwwwwwwww
ミ;;;;;i''';;;;;;;;;;;;;;;;;:i;;;;;ミ
'w'´ ミ;;;;;;;;;;;;;;;;'ww゙
>>9-10 肉奴隷のチィチィ以下だなwwwwwwwwww
ミ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミ
シ;;;;;;;::;;;;;;;;;;ミ
>>11-1000 いい加減働けよ。
ミ;;;;;;シヾ;;;;;;;;ミ
ミ;;;;;ツ::ミ ヾ;;;;;;ミ
ミ;;;;j゙ミッミ ヾ;;;;;ミ
'tw" 'ww"
3 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 21:59:51.36 ID:tcZ/ocS80
( ゚∀゚)「おっと、ギコとブーンの方も、ドクオの方もおっぱじめたみたいだね」
軽やかにステップを踏みながら、ジョルジュは周りを見て笑う。
その眼球に映り込むのは、二つの戦闘だ。
(´<_` )「ならば、私達も始めようか。ジョルジュ」
(;゚∀゚)「うーん。めんどくせぇなぁ」
「でも、ま……」と、ジョルジュは足に力を込める。
( ゚∀゚)「あの二人との約束は守らねぇとなっ!」
叫んで、飛び出した。
(´<_` )「命令は遂行せねばな」
呟いて、迎え撃った。
4 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:03:10.63 ID:tcZ/ocS80
( ゚∀゚)「いぃやっほぅ!」
ジョルジュが刃を振るう。
弟者はそれを軽くいなし、カウンターの拳を繰り出した。
(;゚∀゚)「おっと危ない!」
言いつつ、その天才的な反射神経でそれを回避。
続けて刃を連続で振るう。縦に、横に、袈裟懸けに。
その橙色にきらめく刃は一振り事に速度を上げていく。
だがその刃が弟者を捉える事はなかった。
(;゚∀゚)「だーっ! くそ、当たらねぇ!」
呼吸を荒げながら、それでも攻撃の速度を加速させる。
風を斬る刃の音がどんどんと鋭くなる中、肉が切り裂かれる音は響かない。
(´<_` )「単純な攻撃、だなぁ」
言いつつ、弟者は刃を避ける。
5 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:05:08.61 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「避けるのにもそろそろ飽きた。こちらからもいかせてもらおう」
足を踏み出し、刃を振り抜いた直後のジョルジュの懐に入り込む。
そして、ジョルジュの鳩尾を狙って正拳を繰り出した。
だが。
(;゚∀゚)「おぉっとぉ! 危ないところ突いてくるね!」
ジョルジュはそれを軽々と避けて見せる。
弟者はそれに驚きながらも、続けて追撃する。
ジョルジュはそれを全て避けていなして防御する。カウンターまでする始末だ。
( ゚∀゚)「っおらぁ!」
隙を見て、切り上げる。
弟者はそれを上半身を反らして回避。バックステップしてジョルジュから距離を取った。
(;゚∀゚)「くっそ。さっきから一発も当たんねぇや」
(´<_` )「それはこちらも同じ事だ」
実際、彼らの身体には傷もあざも何もない。
ただお互いに疲労が溜まっているだけ。
6 :
味噌らーめん屋(樺太):2007/04/13(金) 22:07:30.31 ID:rz5yL6WHO
wktk
7 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:07:32.76 ID:tcZ/ocS80
(;゚∀゚)「ひゅー。あんたさん早いねー。攻撃が当たらないよ」
(´<_` )「経験を積んでいるのだから当たり前だ。素人とは違う」
感情をまったく交えずに、弟者は言う。
(´<_` )「それよりも、君だ。何故君に私の攻撃が当たらない?」
( ゚∀゚)「知らないよそんなのー」
(´<_` )「……ふん」
鼻を鳴らし、同時にジョルジュとの距離を詰め、間髪入れずに拳を突き出す。
常人であれば、反応すら出来ずに殴り飛ばされていたであろうその拳。
だがそれもジョルジュは難なく避けて見せた。
( ゚∀゚)「当たんないよー? はははっ!」
8 :
わけ(コネチカット州):2007/04/13(金) 22:09:29.51 ID:27jPnylHO
支援
9 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:10:10.45 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「笑ってるのも今の内だ」
更に一歩踏み出し、肘を突き出す。
ジョルジュはそれすらも笑って避けた。
だが。
(´<_` )「ほら、上にばかり意識が向いてるぞ」
いつのまにか伸びていた弟者の足が、ジョルジュの足を払った。
(;゚∀゚)「おっとぉ!?」
ジョルジュはすぐに体勢を立て直そうとする。
(´<_` )「隙あり」
(;゚∀゚)「!? ちょ、まっ……!!」
足元に一瞬気が逸れたジョルジュ。
弟者はそんなジョルジュの右胸に正拳を捻じ込んだ。
10 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:12:38.09 ID:tcZ/ocS80
(;゚∀゚)「がっ……!!」
うめいて、吹き飛ぶ。
ガラスの散らばる地面を一度跳ねて、ジョルジュはその動きを止めた。
(´<_` )「……終わりか?」
「ざけんな」
間髪入れず返って来た答えに、弟者は首を鳴らす。
(´<_` )「中々頑丈だな」
ジョルジュはのそりと起き上がる。
地面に落ちていたガラスの傷か、至る所から血を噴き出させていた。
だが、その口元には笑み。それは不気味なほど鋭い。
11 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:15:00.91 ID:tcZ/ocS80
(メ゚∀゚)「……っは。流石にこれはふざけてる場合じゃなさそうだな」
(´<_` )「何?」
口調が変わったジョルジュに、弟者は警戒しながら相対する。
(メ゚∀゚)「正直、あんたの事舐めきってたんだわ」
(´<_` )「それがどうした」
(メ゚∀゚)「分からねぇの?」
「くくっ」と笑う。
(メ゚∀゚)「本気を出してやるってんだよ」
言って、ジョルジュは走り出した。
(´<_` )「光栄だとでも言っておこうか」
構えもせずに、それに応じる。
12 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:17:14.69 ID:tcZ/ocS80
(メ゚∀゚)「っるぁ!!」
さきほどの速度を優に凌駕する速度で刃を振り下ろす。
対する弟者はそれを半歩移動しただけで回避する。
(´<_` )「早いな。だが……それだけだ」
カウンターとして拳を繰り出す。
ジョルジュはそれを楽々と回避。
しかも
(メ゚∀゚)「これを待ってた」
伸びきった拳を掴み取り―――
(´<_` )「なっ……!?」
(メ゚∀゚)「ほらよっ!」
掴み取った拳を更に引っ張り―――
そして、その伸びきった肘を、膝を使ってへし折った。
13 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:20:01.12 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「何……?」
(メ゚∀゚)「おまけとして、これもくれてやるよっ!!」
足を一歩踏み出し、弟者の腹に拳を捻じ込む。
次の瞬間には、弟者は地面を大きく跳ねていた。
数回地面を転がって動きを止めた弟者に、ジョルジュは声をかける。
(メ゚∀゚)「終わりか?こんなもんかよ。あっけねぇなぁ。雑魚が」
だが
「なるほど。それが君の本気か」
(メ;゚∀゚)「なっ……!?」
淀みなく呟いて、何事もなかったかのように、弟者は立ち上がる。
咳の一つも、うめきもしない。
その右腕はあらぬ方向に折れ曲がっていると言うのに。
14 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:22:08.19 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「なるほど……回避能力だけかと思えば、それなりの戦闘能力もあるのか」
(メ;゚∀゚)「何だてめぇ……化け物かよ」
(´<_` )「何でも良いさ。まぁ、とりあえず……」
(メ゚∀゚)「あん?」
(´<_` )「君の『本気』……全力の程度が分かった。
良いだろう、叩きのめしてやる。来い」
言って、左手で手招き。
ジョルジュの中でプツリと何かが弾けた。
(メ#゚∀゚)「上等だ。ぶち殺してやるよ!」
五歩、大股で走り寄り、刃の範囲内に入る。
それと同時、刃を袈裟懸けに振るった。
凄まじい勢いで振られた刃。
だが、それは―――
(´<_` )「これだけかい?」
―――弟者の左掌で受け止められた。
もちろんそれは生身の手だ。
15 :
作家(北海道):2007/04/13(金) 22:22:14.13 ID:bIhW5a+w0
えん
16 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:24:54.14 ID:tcZ/ocS80
(メ;゚∀゚)「なっ!?」
(´<_` )「何を驚いている?」
時間差で、弟者の手から血が噴き出す。
驚きつつも、ジョルジュは刃から力を抜かない。
ギリギリと刃を押し続けている。
(メ;゚∀゚)「てめぇ、何を……!?」
(´<_` )「あぁ、何でこの手が両断されなかったかって?
簡単な事。受ける瞬間にちょっと引いて、衝撃を逃がしたのさ」
(メ;゚∀゚)「そうじゃねぇ! 何で生身の手で受けてるのかって聞いてんだよ!」
(´<_` )「防御として受け止めただけじゃないか。何を驚く」
言って、弟者は何を思ったか、ジョルジュの刃を握り込んだ。
(メ;゚∀゚)「ッチ……こいつ、気持ち悪ぃ!」
ジョルジュは一旦離れようとする。
だが、離れられなかった。
弟者の手が、刃をしっかりと握り込んで放さないのだ。
17 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:27:44.91 ID:tcZ/ocS80
(メ;゚∀゚)「こいつっ……!?」
(´<_` )「さぁ、今度は私の番だ」
掴んだまま、弟者は蹴りを放つ。
(メ;゚∀゚)「っと!危ねぇっ!!」
ジョルジュは右腕を掴まれたまま、器用に避けていなす。
だがそんな器用な真似がいつまでも続くはずもなく―――
(メ;゚∀゚)「がっ! ……は、ぁ―――!」
やがて弟者の強烈な蹴りが、ジョルジュの腹を捉えた。
弟者に刃を握られたまま、ジョルジュの身体からはがくりと力が抜ける。
ぶらんと弟者に持ち上げられている状態だ。
(メ ∀ )「…………………」
(´<_` )「……飛んだ、か」
ジョルジュを持ち上げたまま、弟者は呟く。
18 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:30:07.09 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「素人にしては中々良い戦闘能力を持っていたな。
だが……まぁ、所詮素人。私に敵対するのはまだ早かったな」
「っは。言ってろよ」
(´<_` )「なっ……!?」
瞬間。弟者の左手から、握っていた刃の感覚がなくなる。
そして。
(メ゚∀゚)「侮ったな」
次の瞬間には、ジョルジュの刃は弟者の腹を貫通していた。
だがその刃は先程までの『斬るのに適した刃』ではなく、『刺すのに適した刃』となっている。
(´<_` )「な……何故……!?」
(メ゚∀゚)「あんた、俺の“力”の特性を忘れてたろ。
俺の“力”は、『変化する部位の形質変化』だ」
(´<_` )「な、なるほど……通りで……!!」
19 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:32:54.47 ID:tcZ/ocS80
(メ゚∀゚)「俺も途中で気付いたんだがな。
お前が俺の刃を握った所で、俺はその刃を引っ込められる。無駄なんだよ。
刃を引っ込めて、すぐにちょっと趣を変えた刃をひねり出す。すると、こうなるわけだ」
言って、グリッと刃を奥まで捻じ込む。
(メ゚∀゚)「あんたの油断が、この結果だ」
うめきながら、弟者は己の腹に刺さっている刃を抑えた。心底苦しそうに。
(´<_` )「な、なるほど……だがな……!」
(メ゚∀゚)「あぁん?」
(´<_` )「君もどうやら油断しているようじゃないか?」
言って、弟者が思いきり後ろに下がる。無理矢理に腹から刃を引き抜いたのだ。
その表情に、さきほどまでの苦しさは微塵も見えない。
(メ;゚∀゚)「は……!?」
(´<_` )「私が君の“力”の特性を忘却したのと同じく、君も私の特性を忘却しているようだ。
私は痛覚が欠落している……腹を貫かれようと、痛くも痒くもないんだよ」
言って、弟者は驚愕で動けないジョルジュの腹に一撃をねじ込んだ。
20 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:35:29.02 ID:tcZ/ocS80
(メ;゚∀゚)「うぇっ!」
(´<_` )「まだだ」
倒れそうになるジョルジュを無理矢理蹴り上げて、更に連撃を加える。
倒れそうになっても、倒れさせない。そんな攻撃が連続する。
(メ;゚∀゚)「がっ! は、ぁっ!?」
(´<_` )「まだ。まだ。まだまだまだまだ。まだ足りない。まだ―――終わらせない」
最初の内は呻き声を上げていたジョルジュも、途中から声をあげなくなった。
(´<_` )「―――と、これくらいか」
言って、一際強くジョルジュを殴り倒す。
ジョルジュは動かなかった。
(´<_` )「君は中々頑丈だったからね、これくらい痛めつけといて問題ないだろう。
むしろこのくらいやってようやく安心出来るレベルだ」
言って、弟者はジョルジュに歩み寄る。
そして、「ほぅ」と驚きの声をあげた。
(´<_` )「……まだ意識があったのか」
21 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:37:53.36 ID:tcZ/ocS80
(メメ゚∀`)「―――はっ……」
ボロボロでありながら、未だジョルジュの眼は開いていた。
だが、喋れる気力はないらしい。何かを言おうとして、口を閉じた。
(´<_` )「その頑丈さは素直に賞賛しよう」
言いつつ、弟者はジョルジュの右腕を掴もうと手を伸ばす。
ジョルジュの右腕は既に“力”が抜けており、変化が解けていた。
(´<_` )「……弟者。ターゲットの拉致、完了」
一人そう呟いて、ジョルジュの右腕を掴もうとする。
その瞬間。
弟者の左手を、光線が貫いていった。
22 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:40:09.85 ID:tcZ/ocS80
(´<_` )「……何?」
表情をピクリとも変えず、弟者は光線が飛んできた方向に顔を向ける。
(メメ;゚∀`)「うっ―――」
うめきつつも、ジョルジュもそちらを向く。
そこには―――
(メメ;゚∀゚)「……あんた……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
23 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:42:27.78 ID:tcZ/ocS80
( ゚д゚ )「お前とは三度目の戦いか?」
無数のガラス片を纏うように宙に浮かせながら、ミンナが言う。
('A`)「もう三回もお前の顔を見てるのか。嫌だ嫌だ」
( ゚д゚ )「こちらのセリフだ」
言って、眼を細める。
( ゚д゚ )「お前は手加減する必要がない。……最初から全力でやらせてもらおう」
何かを押すように、右手を前に突き出す。
すると、無数のガラス片が異様な速度でドクオに向かって行った。
('A`)「フン」
対するドクオは慌てる素振りも見せずに二挺の銃を構える。
そして、連射。
銃の発砲音とガラスの破砕音が連続して響く。
24 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:46:16.58 ID:tcZ/ocS80
('A`)「やっぱり、銃を借りといて正解だったな」
銃を連射したままに、「何てったって」と続ける。
('A`)「反撃だって出来るんだからな」
言って、飛び来るガラス片を打ち砕いていた銃を、ミンナに向けて撃ち放った。
( ゚д゚ )「ふんっ!」
対するミンナは、両手を前に突き出す。
するとドクオを襲っていたガラス片が、ミンナを護るように壁になった。
銃の弾は壁に当たって弾け飛ぶ。
( ゚д゚ )「なるほど。前回と同じ戦い方は出来ないわけだ」
('A`)「お互いにな」
言いつつ、ドクオは再度銃を連射。
撃ち放たれた黒と銀の銃弾は、どれだけ撃ってもやはり壁で弾け飛ぶ。
支援
26 :
美容部員(静岡県):2007/04/13(金) 22:48:11.23 ID:soN9rl5T0
しえん
27 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:48:27.84 ID:tcZ/ocS80
( ゚д゚ )「無駄だ」
('A`)「無駄で構わないさ」
( ゚д゚ )「……何?」
('A`)「俺がやりたい事は、こんな事じゃない」
その声と同時に、ドクオが走り出す。
その手に握る二挺拳銃は撃ち続けながら。
(;゚д゚ )「チッ……!!」
舌打ちするが、どうしようもない。
壁を解いてドクオを攻撃すれば、銃弾が己を捉える。
解かなければ、ドクオの左腕が壁を粉砕し、己を傷付けるだろう。
('A`)「ほれほれ、どうしようもねぇみたいじゃねぇか」
(;゚д゚ )「――――――ッ!」
考えている内に、ドクオは目の前まで来ていた。
ドクオは一瞬で左手に握るギンをベルトに押し込み、異形の左手を振り上げる。
対するミンナは思いきり後ろに跳んだ。
28 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:51:18.95 ID:tcZ/ocS80
('A`)「っるぁ!!」
叫びと共に、ドクオの左腕が壁に向かって振り下ろされる。
異様な速度で壁を破壊する黒い線。連続した、乱雑な軽い破砕音。
次の瞬間には、『壁』は完全に破壊されていた。
( ゚д゚ )「ぬんっ!!」
声と共に、腕を振り上げる。
それと同時に、ガラス片がドクオ目掛けて跳び上がった。
('A`)「っと……ここは無理をしないで下がっておこうか」
ドクオは難なくそれを回避し、後ろに下がる。
( ゚д゚ )「貴様……本当に油断ならないな」
('A`)「どうも」
言いつつ、ドクオは再度ギンをベルトから抜き出した。
そのまま両手で二挺の銃を器用にクルクルと回す。
29 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:53:45.73 ID:tcZ/ocS80
('A`)「ここまでで分かった事は三つ」
( ゚д゚ )「言ってみろ」
('A`)「一つ。あんたはサイコキネシスの“力”で動かせる物の大きさ・範囲に限りがある。
限りがなければそこら辺に転がってる車でも何でも俺に飛ばせたろうしな」
( ゚д゚ )「なるほど、多少間違いがあるが……大体正解だ」
('A`)「簡単に正解って言うのな」
( ゚д゚ )「騙してもあまり意味がないからな」
('A`)「……まぁ良い。二つ。同じ理由で、あんたは無機物しか動かせない」
( ゚д゚ )「なるほど、正解」
('A`)「三つ。あんたの“力”は、『攻撃』と『防御』、どちらかにしかベクトルを向けられない」
( ゚д゚ )「……ほう、そこまで気付いたか」
('A`)「俺が突っ込んだ時、壁を作ったまま何も出来なかったからな」
( ゚д゚ )「よく気付いたな。正解だ」
30 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:56:08.89 ID:tcZ/ocS80
('A`)「ここで一つ質問」
( ゚д゚ )「何だ?」
('A`)「何故俺の銃はお前の壁を撃ち破れなかった?」
( ゚д゚ )「ガラス片同士の密度を極限まで高めた。ただそれだけだ」
('A`)「なるほどな」
クルクルと回していた銃を止めて、ミンナへと向ける。
('A`)「さて、お喋りはお終いだ。―――始めようか」
( ゚д゚ )「来い」
頷いて、ドクオは銃を撃ち放つ。
対するミンナは壁を展開。銃弾を弾き飛ばした。
( ゚д゚ )「今度はこうしてみようか」
腕を前に突き出す。
すると、壁がそのまま波のようにドクオへと襲いかかった。
31 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 22:58:36.24 ID:tcZ/ocS80
('A`)「ッチ……」
左手に握るギンをベルトへ。そして開いた左腕を、縦に振り抜いた。
破砕、そして散り散りになる壁であった物。
しかし
(;'A`)「―――クッ!?」
ドクオの眼が、閉じられる。
砕け散ったガラス片が、彼の眼に襲いかかっていた。
「さすがに完全に眼を潰す事は出来なかったか」
いつのまに移動したのか。
後ろから聞こえたミンナの声に、舌打ちしつつも相対する。
眼は開かないが、間髪入れず右手に握るクロを乱射。
「どこに撃っているんだ?」
今度は右から声が聞こえた。
焦りつつも、そちらに乱射。
32 :
アイドル(熊本県):2007/04/13(金) 22:59:13.58 ID:50bm0cuJ0
33 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:00:33.44 ID:tcZ/ocS80
「焦っているな? 焦っているな、ドクオ」
(;'A`)「ッチ……! どこだ、ミンナァッ!?」
「教えるわけがなかろう?」
声の方向に銃を撃とうとするドクオ。
だが、頼みの綱―――クロが、その手から蹴り飛ばされた。
(;'A`)「――――――ッ!?」
瞬間、頬に衝撃。吹き飛んだ。
口の中に血の味が広がる。
そこでやっと「殴り飛ばされたのだ」と認識した。
慌てて立ち上がるが、その眼は閉じられたまま。
「怖いか? 怖いだろう、ドクオ」
どこからともなく、声が聞こえる。
(;'A`)「!? どこだ!! 出て来い、ミンナッ!!」
「私は隠れてなどいないぞ」
直後、ドクオはまたも殴り飛ばされ、地面を滑る。
すぐにまた立ち上がるが、またも殴り飛ばされた。
34 :
美容部員(静岡県):2007/04/13(金) 23:02:58.79 ID:soN9rl5T0
しえん
35 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:03:06.33 ID:tcZ/ocS80
(#'A`)「ああぁぁぁぁあぁぁぁあぁっ!!」
左腕を振り回しながら、叫ぶ。
だがいつまで経っても、左腕が何かを捉える事はない。
「……詰まらない」
瞬間。ミンナの拳がドクオの腹を捉え、ドクオが宙を舞った。
(;'A`)「―――がっ……!!」
ドクオが鈍い音と共に地面を跳ねる。
彼は、立ち上がらなかった。
「終わりか?」
眼を開けようとするも、未だ痛みで開かない。
「……まぁ、良い。さっさとお前を捕獲するとしようか」
ジャリッ、とガラスを踏む音。
その音は少しずつ歩み寄って来て―――
('A`)「―――音?」
ドクオは何かを思い出したかのように呟く。
36 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:05:39.22 ID:tcZ/ocS80
('A`)「そうか……音か……」
そして、彼の口の端が、ゆっくりと釣り上がった。
('∀`)「っは。何を慌ててたんだろうな、俺は」
「何を呟いているんだ、ドk」
その声が終わらない内にドクオは立ち上がる。
そして、ベルトに差したままであったギンを引き抜き―――その銃口を、声の方向に向けた。
ドクオの耳には、息を呑むミンナの音が。
そして、後ろに下がろうとする足音が聞こえた。
('A`)「眼なんて聞こえなくても、俺には耳があるのにな」
瞬間、ギンを乱射。
ギンの銃口から吐き出された銀の銃弾は、ミンナに向かって一直線に飛び行った。
「ッチ……!!」
舌打ちしつつ、ミンナはドクオから離れる。
すぐにガラスを飛ばすが、ドクオは眼を閉じたままそれを撃ち砕いた。
37 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:08:32.57 ID:tcZ/ocS80
('A`)「……眼を開けられなくなって焦ってたが、思い出したよ。
お前のいる方向、やろうとしている事。その全てが、俺には分かる」
「聴覚の強化か」
('A`)「その通り」
「……とはいえ、それも限界がある。私はその限界を待てば良いだけだ」
('A`)「だったら俺は限界が来るまでにお前を仕留めれば良いだけだ」
言って、間を置かずにドクオはミンナへと走り出す。
ギンを右手に握り、左手を構えながら。
「どこまでお前がやれるのか、見せてもらおうか」
声と同時、ガラスが空気を切る音。
ドクオは足を止めないままに、音でガラスの軌道を捕捉。確実に撃ち砕いた。
すぐにドクオとミンナの距離は埋まる。
ドクオは左腕を振るうが、その腕が捉えた物は、ミンナがいつのまにか創り出していた壁。
38 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:11:13.05 ID:tcZ/ocS80
「無駄だ」
('A`)「いんや、そうでもないさ」
「む?」
('A`)「壁が崩れたなら……お前に銃が届く」
右手に握るギンを発砲。
銃弾は避けようとしたミンナの右肩にその牙を突き立てた。
「がっ……!?」
('A`)「声が聞こえる……ってー事は生きてるのか。死ねよ」
容赦なく連射。
対するミンナは、サイコキネシスの“力”で襲い来る銃弾の軌道を無理矢理捻じ曲げた。
「ぐっ……!」
うめきつつも、ミンナは後ろに退く。
39 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:13:43.70 ID:tcZ/ocS80
('A`)「ッチ。仕留められなかったか」
「眼が見えない状態のお前に仕留められてたまるものか」
('A`)「っは。つっても、何だか負傷してるみたいじゃねぇか」
「……そんな安い挑発はいらん。さっさと始めるぞ」
('A`)「さて、ここで重大なニュースの発表だ」
「む?」
ドクオは己の顔の前に、闇色の左腕を掲げる。まるで顔を隠すように。
そしてその左腕が下ろされた時―――そこにあるのは、更なる闇色。
彼の眼が、開いていた。
('A`)「じゃじゃーん。復活しました」
(;゚д゚ )「なっ……!?」
('A`)「残念だったな、ミンナ」
ギンをミンナに向ける。
('A`)「俺の眼が見える内にどうにかしとくべきだったな」
躊躇なく、発砲。
しかし銃弾の軌道はあらぬ方向に捻じ曲げられる。
40 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:16:24.35 ID:tcZ/ocS80
('A`)「容赦はしねぇからな」
ギンを撃ちつつ、地面におちていたクロを回収。ミンナへと走り寄る。
( ゚д゚ )「容赦、だと? こちらから願い下げだ」
ミンナは襲い来る銃弾の軌道を捻じ曲げつつ、後ろに下がる。
そして、唐突に壁を創り出した。
('A`)「んな壁、一撃で粉砕してやるさ」
言いつつ、トマホークを振るうように左腕を振るう。
だが、その左腕は空を切り裂くのみ。
壁ですらも、その手は捉えなかった。
壁は既に消え去っていたのだ。
( ゚д゚ )「引っかかったな」
ガラス片が舞う。
それらはドクオの眼を潰さんと、一直線に飛び行った。
41 :
美容部員(静岡県):2007/04/13(金) 23:20:13.31 ID:soN9rl5T0
支援
42 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:20:37.10 ID:tcZ/ocS80
(;'A`)「これは……やべぇ……!!」
眼を護るように、左腕で眼を覆い隠す。
瞬間。無数のガラス片が左腕で弾けた。
(;'A`)「痛ッ……!」
左手で覆い隠せなかった部分―――眉の辺りから、血が噴き出す。
ドクオは慌ててバックステップ。
血で顔を濡らしながらも、ミンナに相対した。
('A`)「……てめぇ、何で笑ってんだ?」
( ゚д゚ )「すぐに分かるさ」
('A`)「っは。まぁ、何でも良いけどよ」
黒銀の二挺の銃をミンナに向ける。
対するミンナは身動きしない。
('A`)「なめてんのか?」
( ゚д゚ )「…………………」
('A`)「何か喋りやがれ」
43 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:23:53.28 ID:tcZ/ocS80
( ゚д゚ )「……そろそろか」
('A`)「あん? 何を言ってr」
そこで、ドクオの両目が閉じられた。
(;'A`)「!? 痛っ! な、何が―――」
眼を擦るドクオの両手は、紅。
眉から出血した血液が彼の両目を塞いでいた。
(;'A`)「ッチ! ……だが、もう慌てねぇぞ。俺には音がある」
( ゚д゚ )「であれば、こうするさ」
ミンナはドクオに向け、走り出す。
(;'A`)「―――なっ!?」
二挺の銃を乱射。
だがその軌道は無理矢理に捻じ曲げられ、ミンナには当たらない。
ドクオの懐に入ったミンナは、銃を握る彼の両手を掴んで持ち上げ―――
( ゚д゚ )「ほら」
―――ドクオの耳元で、二挺の銃を無理矢理撃ち放った。
もちろん銃からは大きな発砲音が発される。
44 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:26:24.50 ID:tcZ/ocS80
(;'A`)「っがああぁぁあぁぁあぁ!?」
叫ぶドクオから、ミンナはバックステップで大きく離れる。
( ゚д゚ )「視覚を潰されたから聴覚に頼る。そういうのならば、聴覚を潰せば良い。
何か聞こえるか、ドクオ?」
ドクオは耳を抑えつつ、両目を閉じて叫ぶのみ。
( ゚д゚ )「……善戦であったが、ここまでだな。
お前の聴覚が回復する前に、意識を止めさせてもらおう」
言いつつ、ゆっくりと歩み寄る。
それにもドクオは気付かない。気付く術すらないのだから。
( ゚д゚ )「ふんっ!」
(;'A`)「がっ……!!」
ミンナの拳がドクオの腹を捉えた。
だが、うめきつつもドクオは倒れない。左腕を振りまわして、何とかミンナを捉えようとしている。
( ゚д゚ )「まだ終わらないか」
乱雑に振りまわされる腕を軽く回避。
そして再度、拳を固めた。
45 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:28:34.40 ID:tcZ/ocS80
( ゚д゚ )「今度こそ、終わらせてやろう―――!」
拳が発射される。
それはドクオの鳩尾に向けて一直線に伸ばされ―――
突如二人の間に現われた女性の刀によって止められた。
(;゚д゚ )「ぬっ!?」
慌てつつもバックステップで、女性から距離を取る。
女性の姿を見たミンナは、その眼を細めた。
( ゚д゚ )「貴様―――」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
46 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:33:32.22 ID:tcZ/ocS80
从 ゚∀从「……あいつらが出てくるとは。予想guyだが、かなーり面白い展開になってきたな」
心底楽しそうに笑うハイン。
それに大して、つーは不思議そうに眉を寄せる。
(*゚∀゚)「ね、ねぇ……ハイン。あの人達ってもしかして」
从 ゚∀从「あぁ、間違いねぇ。あの三姉妹だ」
(*゚∀゚)「そうだよね。何であの人達が?」
从 ゚∀从「大方、異能者が集まってるから一気に殺しちまおうって奴だろうな」
(;*゚∀゚)「――――――ッ!?」
从 ゚∀从「……まぁ、あたし達は見てるだけさ」
(;*゚∀゚)「でも、このままじゃジョルジュ君達が……!」
从 ゚∀从「まぁ、見とけよ、つー。
どうやら、殺しに来ただけってわけじゃないようだ」
(*゚∀゚)「えっ?」
从 ゚∀从「どうやら奴らも……『止めに来ただけ』のようだぜ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
47 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:36:44.41 ID:tcZ/ocS80
(;゚ω゚)「がはっ……げっほ! き……君、は……」
地面を転がるブーンの眼には、アスファルトに刺さった草色に輝く羽根。
どうやらそれは兄者を狙って放たれた物のようだ。
( ´_ゝ`)「ほぅ……これはこれは」
驚いたような声をあげつつ、前方から無数に放たれ続ける羽根を避ける。
その羽根を撃ち放っているのは―――
背中から草色の翼を生やした、欧米人形のような可愛らしい顔立ちの少女。
ξ゚听)ξ「もう一度言うわ。死になさい」
―――ツンだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
48 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:38:12.27 ID:tcZ/ocS80
(;゚ω゚)「がはっ……げっほ! き……君、は……」
地面を転がるブーンの眼には、アスファルトに刺さった草色に輝く羽根。
どうやらそれは兄者を狙って放たれた物のようだ。
( ´_ゝ`)「ほぅ……これはこれは」
驚いたような声をあげつつ、前方から無数に放たれ続ける羽根を避ける。
その羽根を撃ち放っているのは―――
背中から草色の翼を生やした、欧米人形のような可愛らしい顔立ちの少女。
ξ゚听)ξ「もう一度言うわ。死になさい」
―――ツンだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
49 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:39:21.48 ID:tcZ/ocS80
(メメ;゚∀゚)「アンタは……」
ジョルジュは珍しく、本当に驚いたような顔を見せる。
だが、この状況下―――それは仕方ないと言える。
(´<_` )「ふん」
弟者はジョルジュから離れる。
そして、風穴の開いた左手を見て呟いた。
(´<_` )「右手の穴が塞がったばかりだというのに、今度は左手に穴が開いてしまったよ。なぁ―――」
「しぃ」
(*゚ー゚)「“管理人”が気安く呼ばないでよ」
左腕を眩いほどに光り輝かせるしぃが、そこにいた。
弟者にこれ以上ないほどの殺意を向けて。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
50 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:42:38.92 ID:tcZ/ocS80
( ゚д゚ )「貴様―――」
己とドクオとの間に入り、ドクオを護った女性を、ミンナは睨む。
対する女性は他人事のように、蒼混じりの長髪をなびかせながら涼しそうに言う。
「こちらを見ないでいただけるか、ミンナ」
( ゚д゚ )「貴様を前にして、眼を離す事など出来るわけがなかろう」
「そんな事より」とミンナは言葉を続ける。
( ゚д゚ )「……何故そいつを護る? クー」
ドクオを見る事なく彼女は答える。
川 ゚ -゚)「まぁ、色々とあるのさ」
( ゚д゚ )「色々とは?」
川 ゚ -゚)「貴様が知る必要はない。何せ、この場で死ぬのだからな」
刀をきらめかし、その切っ先をミンナに向ける。
川 ゚ -゚)「“削除人”として、“管理人”のお前を削除させてもらおう。ミンナ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
51 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:44:59.10 ID:tcZ/ocS80
(*゚∀゚)「本当だ……皆殺しってわけじゃ、ないみたい」
从 ゚∀从「むしろクーなんかはもろにドクオを護ったな」
(*゚∀゚)「……何でだろう」
从 ゚∀从「異能者を殺す為だけであれば、護ったりせずにどちらも関係なく殺しにかかってたよな。
あの四人を護りに来たって事は、“削除人”だ。まずないだろうな」
(*゚∀゚)「うん、そうだよね」
从 ゚∀从「ってー事はつまり……“削除人”は人間を護る為に来たってのか?」
言って、ハインは後ろを振り向く。
その視線の先にいるのは茶色のコートと帽子を被った長身の男。
少し開いた口の端からは、八重歯が覗いていた。
从 ゚∀从「なぁ、フサ?」
ミ,,゚Д゚彡「大方その通りだ」
(;*゚∀゚)「!? い、いつのまに!?」
从 ゚∀从「……いつから?」
ミ,,゚Д゚彡「あの三人姉妹と、ほぼ同時刻」
52 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:47:31.65 ID:tcZ/ocS80
从 ゚∀从「やっぱりか。いつ襲って来るかとわくわくしてたのに」
ミ,,゚Д゚彡「っは。正々堂々でない戦いなど」
从 ゚∀从「へぇー、あんたも中々面白い性格してるじゃん。なぁ、『お兄さん』」
ミ,,゚Д゚彡「……何故知っている?」
从 ゚∀从「あたしは全知全能だ。知らない事なんかあるかよ」
ミ,,゚Д゚彡「……相変わらず、食えない野郎だ」
从 ゚∀从「あたしは野郎じゃねぇ。ハイン様だ。
さて、フサ。今日は何のご用事で?」
ミ,,゚Д゚彡「“管理人”ハイン、つーを削除しに来た」
从 ゚∀从「へぇ……望んでいた展開だね」
(*゚∀゚)「……戦うの?」
从 ゚∀从「お前は下がってな、つー。
あんたの中のあいつが出てきたら、あたしは二人を相手にしなきゃいけなくなる」
心底楽しそうな笑顔のまま、ハインはフサを指差す。
その手―――両手は、橙色の異形。
53 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:49:47.14 ID:tcZ/ocS80
从 ゚∀从「あんたなんざ、あたし一人で十分だ。かかってこいよ、ブラコン獣人が」
ミ,,゚Д゚彡「一人で十分? 舐められた物だ」
コートを脱ぎ捨て、帽子も捨てる。
黒のズボンとシャツだけの動きやすい格好になって、彼は首を鳴らした。
ミ,,゚Д゚彡「……試させてもらおうか」
言葉と同時、フサの“力”が解放された。
両腕が硬く太い茶色の毛で覆われ、魔獣のような異形へと変わる。
それに伴って、犬歯が少しだけ伸びて鋭くなり、眼が赤色を帯びた。
从 ゚∀从「お前もまた便利で面白い“力”を持ってるんだよな。獣人化、ねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「御託は良い。さっさと始めるぞ」
从 ゚∀从「ははっ! 言われなくとも!」
互いに走り出す。
片方は殺意を抱いて。もう片方は笑顔を浮かべて。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
54 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:52:16.32 ID:tcZ/ocS80
( ´_ゝ`)「“削除人”のお出ましか」
暴風を纏って撃ち放たれた羽を避けつつ、兄者は呟いた。
その表情は余裕。二人の仲間を見やるほどだ。
( ´_ゝ`)「どうやら弟者とミンナの方にも“削除人”が現われているようだな」
ξ゚听)ξ「そんな事言ってる暇ないんじゃないの?」
大きく翼をはためかせ、豪速で羽根を撃ち放つ。
( ´_ゝ`)「おっと、危ない危ない」
横薙ぎに足を振るい、羽根を破砕。
そのまま軽い足取りでバックステップ。
そこで、兄者は誰かにぶつかった。
( ゚д゚ )「む?」
(´<_` )「おっと」
55 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:54:24.27 ID:tcZ/ocS80
( ´_ゝ`)「……弟者に、ミンナか。二人とも、今の状況を教えてくれ」
(´<_` )「捕獲しようとした所で、“削除人”しぃに止められた」
( ゚д゚ )「同じく。もう少し、という所で“削除人”クーに止められた」
( ´_ゝ`)「把握。という事は―――」
兄者、弟者、ミンナが一斉に前を向く。
その先には―――
川 ゚ -゚)「中々暴れてくれたようじゃないか」
鋭い輝きを放つ刀を手に、冷たく言う“削除人”リーダー、クー。
(#゚ー゚)「あなた達みたいな異能者のせいで、私達は……!」
異形の左腕を黄金色に輝かせつつ、歯を剥き出しにして怒りを表す”削除人”しぃ。
ξ゚−゚)ξ「……やっぱり、異能者はみんな“削除”すべきなんだね」
草色の翼をはためかせ、苦痛の上に無理に作った無表情で呟く“削除人”ツン。
56 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:56:24.69 ID:tcZ/ocS80
“削除人”の三人は、それぞれの標的に少しずつ歩み寄って行く。
クーはミンナに。
しぃは弟者に。
ツンは兄者に。
それぞれ、己の持つ“力”と殺意を向けて。
(´<_` )「どうする、兄者」
( ゚д゚ )「この場で戦闘するか?」
( ´_ゝ`)「……三対三、そしてなおかつこの状況でこの相手。やれない事もない、が……。
あの四人の少年達がいつ戦線復帰するかも分からないしな」
( ゚д゚ )「つまり?」
( ´_ゝ`)「今日は、退こうか。結果的に言えば、大量殺戮の方は遂行出来たわけだからな」
(´<_` )「直接的に手を加えてない死者も数えれば、なるほど。百五十前後の人間を殺せたわけだな」
57 :
とき(樺太):2007/04/13(金) 23:57:17.11 ID:vThqXROfO
欧米人形って何だ?
そういう人形があるのか?
58 :
二十四の瞳(東京都):2007/04/13(金) 23:59:21.41 ID:tcZ/ocS80
川 ゚ -゚)「何を話している?」
( ´_ゝ`)「む、いや、今回の所は退かせてもらおうかt」
川 ゚ -゚)「退かせると思うか?」
( ´_ゝ`)「……む」
川 ゚ -゚)「私達は“削除人”だぞ?」
刀を持ち上げ、三人の“管理人”を差す。
周囲を囲う混沌から生まれた一陣の風が、彼女の蒼混じりの黒髪をなびいた。
川 ゚ -゚)「異能者を殺す為だけに生を燃やす異能者。それが、私達“削除人”だ。
そんな私達が……お前達を逃がすと思うか?」
( ´_ゝ`)「何か勘違いをしているようだな」
川 ゚ -゚)「何?」
( ´_ゝ`)「逃がしてもらうんじゃない。逃げるんだよ」
思いきり足を横薙ぎに振るう。
その足からは巨大なカマイタチが発生。異速で三人の“削除人”に襲いかかった。
59 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:02:27.31 ID:qoXcMeva0
ξ゚听)ξ「二人とも、私にくっついて!!」
叫んで、その翼で己を含む三人を包み込む。
カマイタチはその翼に傷を付ける事もなく、音もなく破砕。
( ´_ゝ`)「ミンナ!」
( ゚д゚ )「任せろ」
手を軽く上げる。
すると、無数のガラス片が宙に浮き上がった。
( ´_ゝ`)「おぉぉおぉっ!!」
両手を振り回す。
すると暴風が吹き荒れ、ミンナが浮き上げたガラス片が踊り始めた。
( ´_ゝ`)「よし。ミンナ、弟者。二人は先に行っていてくれ。後は私だけでどうにかなる」
(´<_` )「把握した」
( ゚д゚ )「良いのか?」
( ´_ゝ`)「私は両足に“力”がある。追いつかれるわけがない」
( ゚д゚ )「なるほど。分かった。私達は先に行っている」
( ´_ゝ`)「そうしてくれ。すぐに追いつく」
60 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:05:20.75 ID:qoXcMeva0
それからまもなく、ミンナと弟者はその場から退場する。
クー達はそれを知りながらも止められない事に悔しがった。
( ´_ゝ`)「さぁ、どうした? “削除人”のみなさん? 逃がさないんじゃなかったのか?」
ξ;゚听)ξ「くっ……!」
羽根を飛ばす。
だが、翼をはためかせられない状況で、勢いを付けずに放った羽根はただ暴風に飲み込まれるのみ。
彼女は自分達を護っている翼の中で、二人の姉に尋ねた。
ξ゚听)ξ「……姉さん、どうする?」
(*゚ー゚)「残念ながら、私の“力”はここじゃあ役に立たないね……」
川 ゚ -゚)「ツン。お前は今、誰の“力”を翼に反映させている?」
ξ゚听)ξ「あの兄者って奴の“力”だけど……」
川 ゚ -゚)「であれば、お前もその“力”を使え。
一瞬で良い。あいつの操る風を、お前の操る風で相殺しろ」
ξ゚听)ξ「……やってみる」
そこで一つ、深呼吸。
61 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:07:59.16 ID:qoXcMeva0
ξ゚听)ξ「姉さん達は伏せてて!」
言って、翼を広げる。
無数のガラス片が彼女の肌に傷を付けるが、ツンは動じない。
( ´_ゝ`)「何を……?」
ξ゚听)ξ「はぁっ!!」
翼を、大きくはためかせる。
するとその翼からも暴風が発生した。
(;´_ゝ`)「なっ……!?」
暴風と暴風が真っ向からぶつかって―――
やがて、風が、止んだ。
ξ゚听)ξ「姉さんっ!」
川 ゚ -゚)「でかした、ツン」
その声が終わらぬ内に、クーは飛び出していた。
右手を蒼の異形へと変化させて。その右腕に、刀を握り締めて。
62 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:10:13.18 ID:qoXcMeva0
(;´_ゝ`)「――――――ッ!!」
川 ゚ -゚)「ずぁあぁっ!!」
刀を、全力で振り抜く。
だがその刃は、ちょうど兄者と触れた辺りから歪に折れてしまった。
兄者は、刀をその足で防御したのだ。
(;´_ゝ`)「ふぅ、危なかった」
川 ゚ -゚)「息をついてる暇なぞあるのか?」
刀を捨て、右手でラッシュをかける。
だが兄者はクーとまともに相対せずに、大きくバックステップ。
( ´_ゝ`)「ここで意味のない戦闘をする気はないのでね。では、さようならだ」
そう言い終える頃には、更に一歩、大きく後ろに下がっていた。
クーが追いつけないほどに。
(*゚ー゚)「させない」
左腕に光を収束、レーザーとして撃ち放つ。
八本の光線が兄者を撃ち貫かんと飛び行ったが、全て兄者は避けてみせた。
63 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:13:00.73 ID:qoXcMeva0
( ´_ゝ`)「では、またいつか」
言って、兄者は走り出した。
両足が変化している為、その速度は半端じゃなく速い。
兄者の姿は、すぐに見えなくなった。
川 ゚ -゚)「……逃げ足の速い」
(*゚ー゚)「ツン、大丈夫?」
ξメ゚听)ξ「大丈夫。気にしないで。それよりも……」
ツンは振り返る。そこには―――
(;゚ω゚)「……見付かったお」
まだ苦しそうに唸るギコに肩を貸して、逃げようとしていたブーン。
(メメ;゚∀`)「マジか……」
まさに満身創痍のジョルジュ。
('A`)「まぁ、仕方のない展開じゃね?」
聴覚は回復したが、未だ額から流れる血で片目が塞がれているドクオ。
64 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:15:25.23 ID:qoXcMeva0
(;゚ω゚)「やっぱり、やるしかないのかお……」
苦々しく、ブーンは呟く。
戦ったって勝てるわけはない。
こちらは全員満身創痍。満足に戦える者なぞいない。
それでも、戦う以外に道は開けない。
ブーンは、その両足に“力”を込めた。
川 ゚ -゚)「……君がブーンか」
( ゚ω゚)「そうだお」
一歩前に出たクーが、ブーンを観察する。
その眼は敵を見る眼ではない。もっと近くにいる者を見る眼だ。
そう―――例えるならば、肉親を見るような。
川 ゚ -゚)「……ふむ。良い眼をしている。汚れていない、だが汚れやすい眼だ」
( ゚ω゚)「?」
65 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:18:37.83 ID:qoXcMeva0
川 ゚ -゚)「私はクーという者だ。君に一つ質問がある」
( ゚ω゚)「……何だお?」
川 ゚ -゚)「君は何故この場に現われた?」
( ゚ω゚)「大量殺戮から人々を護る為だお」
川 ゚ -゚)「何故護ろうと思った?」
( ゚ω゚)「……?」
川 ゚ -゚)「人間は私達を恐れ、憎んでいるのだぞ。殺してしまうほどにな。
そんな人間達を、何故護ろうとした?」
(;゚ω゚)「そ、それは」
川 ゚ -゚)「答えてくれ」
( ゚ω゚)「……それが、正しい事だからだお」
川 ゚ -゚)「む?」
66 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:21:09.69 ID:qoXcMeva0
( ゚ω゚)「殺されそうな人がいれば助ける、なんてのは人間として当たり前の事だお。
それが当たり前の事で、正しい事。だから僕はここに来たんだお。難しい理屈じゃないお」
川 ゚ -゚)「殺されるかもしれないのに?
己の生活を壊されるかもしれないのに?」
( ゚ω゚)「来なければ、きっと僕は一生後悔していたお。
そんなの、殺されるよりも御免だお。やらずに後悔するよりも、やってそれからどうするかだお」
川 ゚ -゚)「――――――ッ」
そこで、ブーンは気付いた。
彼女の瞳が、潤んでいる事に。
その眼は哀しそうな―――懐かしそうな、そんな眼。
川 ゚ -゚)「……ファーザー……」
( ゚ω゚)「ファーザー?」
川 ゚ -゚)「……いや、何でもない」
眼をぎゅっと閉じて、頭を軽く振るう。
再び眼が開けば、そこにあるのは潤んでいない普通のダークブルーの瞳。
川 ゚ -゚)「……なるほど、な」
67 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:24:13.59 ID:qoXcMeva0
耳障りな音が響く。
見れば、クーの右手が、人間の手に戻っていた。
川 ゚ -゚)「さて、ここで君に良いニュースを一つ」
( ゚ω゚)「お?」
川 ゚ -゚)「君のその心意気、死にやすい心意気だが……悪くない。
……君に免じて、今回だけ、君達を見逃してやろう」
(;゚ω゚)「な、何を……?」
ξ゚听)ξ「鈍いわね」
(;゚ω゚)「ツ、ツン?」
ξ゚听)ξ「自分を犠牲にしてまで人間を助けようとした、その心意気を賞賛して助けてあげるって言ってんの」
( ^ω^)「……良いのかお?」
ξ゚−゚)ξ「死にたいってんなら殺してあげるけど?」
(;^ω^)「そりゃ御免だお」
言って、ブーンはその場から離れようとする。
だが、ドクオはその場から動こうとしなかった。
68 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:26:23.07 ID:qoXcMeva0
( ^ω^)「……ドクオ?」
('A`)「ちょっと質問良いかい? “削除人”の方々」
川 ゚ -゚)「何だ?」
('A`)「あんた達は何をしにきたんだ?」
川 ゚ -゚)「“管理人”の削除。そして、市民の救助だ」
('A`)「何故人間を助けに来た?」
川 ゚ -゚)「……何故、とは?」
('A`)「あんたらは少なからず人間を憎んでいるはずだ。そんな人間を何故助ける?」
「というよりも」とドクオは続ける。
('A`)「あんた達は何がしたいんだ?
異能者のくせに、異能者を根絶やしにしようとしているってどういう事だ?
まだ“管理人”のように人間をどうにかしようっていうのなら分かるが、あんた達の考えはまったく分からない」
川 ゚ -゚)「…………………」
69 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:29:32.70 ID:qoXcMeva0
('A`)「あの男は『“削除人”は、異能者さえいなければ世界は平和なんだ、という意志の元に行動する』つってたが。
あんたらの口から聞きたい。何故異能者を殺す? 何故人間の平和を望む?」
見れば、いつのまにかドクオの両目が開いていた。
深すぎる漆黒の瞳が、鋭く“削除人”達を貫いていた。
川 ゚ -゚)「……それしか、方法はなかったんだ」
('A`)「あん?」
川 ゚ -゚)「私達三人は、総じて親がいなくてな……正確には、生まれた直後に捨てられたのだが。
そんな私達を拾ってくれた人。ファーザーがいたんだ」
('A`)「……父?」
川 ゚ -゚)「そう呼べとされていた。本名は知らない」
('A`)「はぁん。まぁ良いや。で、そのファーザーがどうしたって?」
川 ゚ -゚)「ファーザーは、人間と異能者をどうにか共存させようとしていた。
『平和に勝る幸福などない』と、な。優しい人間だった」
('A`)「…………………」
70 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 00:32:34.83 ID:qoXcMeva0
川 ゚ -゚)「ある日、ファーザーは殺された。“管理人”リーダー、モララーにな」
('A`)「その復讐から、ってか?」
川 ゚ -゚)「違う」
('A`)「お?」
川 ゚ -゚)「ファーザーの意志を、私達は継ごうとしたさ。異能者と人間を、どうにか共存させようとした。
だが……出来ないんだ。異能者の存在がある限り、必ず闘争が生まれ、憎しみが生まれた」
クーの表情は、変わらない。
だが、その内側からは熱い何かが滲み出ていた。
川 ゚ -゚)「異能者がいる限り、『平和』は訪れない。
……だから。だから、私達は……」
('A`)「なるほど、な」
川 ゚ -゚)「…………………」
('A`)「今回は『平和』をもたらす為に、人間を助けて、“管理人”を殺しに来たわけだな」
川 ゚ -゚)「……その通りだ」
('A`)「把握した。話させて悪かったな」
そこで軽く頭を下げて、ドクオはブーンを見やる。
71 :
訪問販売(北海道):2007/04/14(土) 00:34:40.67 ID:SJG86l430
しえん
72 :
金田一(樺太):2007/04/14(土) 01:01:28.89 ID:0ns+GM5rO
さるか?
73 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:06:51.76 ID:qoXcMeva0
('A`)「さて、じゃあ、行こうか」
( ^ω^)「おっ! そうするお!」
(メメ;゚∀`)「っは……ようやく、身体を休められるのか」
('A`)「お前本当にボロボロだな」
その時、ブーンの肩に支えられていたギコが呻き声をあげた。
(;゚Д゚)「ぐっ……」
(;^ω^)「だ、大丈夫かお、ギコ?」
(;゚Д゚)「大丈夫だ。……お前だって疲れてんだろ。放せ」
( ^ω^)「僕は大丈夫だお」
(;゚Д゚)「良いから」
(;^ω^)「おっ……」
放す。
ギコは頼りなくよろめきながらも、己の足で立ってみせた。
74 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:09:30.67 ID:qoXcMeva0
(;゚Д゚)「……さぁ、帰ろう。いや、違うな。とりあえずは、誰も来ない、安全な所へ」
( ^ω^)「お」
('A`)「問題はこれからだからな」
(メメ;゚∀`)「めんどくせぇなぁ……」
川 ゚ -゚)「ツン、しぃ。私達も帰ろう」
(*゚ー゚)「そうだね」
ξ゚−゚)ξ「じゃあ、二人とも私に掴まって」
翼を広げて、ツンは言う。
クーとしいはすぐにツンの腕に掴まった。
ξ゚听)ξ「行くよっ! しっかり掴まってて!」
翼を強くはためかせ、急上昇する。
すぐにその身体は見えなくなった。
四人の前には、舞い落ちてくる柔らかな羽根。
75 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:12:17.04 ID:qoXcMeva0
四人はとりあえず来た方向へと足を進ませる。
だが―――
( ><)「お前達、止まるんです!!」
(*‘ω‘ *)「ぽ!」
警官らしき二人の人間が、四人に停止を求めた。
(;゚Д゚)「っち……来たか」
('A`)「突破するか? するんだったら手を貸すが」
ベルトに捻じ込んだクロとギンに手を伸ばしつつ言うドクオ。
対する警官は、周りをきょろきょろと見渡す。
彼の周囲は、未だパニック。彼は何かを納得したかのように頷いた。
( ><)「お前達、ちょっとついて来いなんです!!」
(,,゚Д゚)「あぁ? あんた何を言ってる―――」
そこで、警官はいきなり小声になった。
ちょうど四人にしか聞こえないような、そんな声の小ささ。
76 :
味噌らーめん屋(樺太):2007/04/14(土) 01:13:50.51 ID:T1qF2UxrO
ああっ、もうダメッ!
ぁあ…ミサイル出るっ、ミサイル出ますうっ!!
パンッ、ニダッ、アンニョヨイショーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!異能者見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ノドンッ!ジョルジューーーーーーッッッ…半島ッ!
管理者アアアアアアッッッッ!!!!
よいしょぉぉぉぉぉーーーーっっっ!!!テッ、テポッ、テポドォォォッッ!!!
異能者ッッ!!異能者ッッ、異能者よいしょぉぉぉぉぉッッ!!!
おおっ!テポドッ!!パンッ、パンッ、マンセッッ!!!異能者見てぇっ ああっ、もうダメッ!!ハーングックーーーーっっっ!!!
よいしょッ!よいしょッ!よいしょぉぉぉぉぉッッッッ!!!!
いやぁぁっ!異能者、こんなにいっぱいミサイル出してるゥゥッ!
謝罪ぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!賠償ォォッッ!!!
78 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:16:04.13 ID:qoXcMeva0
( ><)「……もうすぐ、君達を捕まえようと『本隊』が動き出すんです。
僕は、君達を助けてあげるんです。だから、ついてきてほしいんです」
('A`)「あん?」
(*‘ω‘ *)「君達はこのままじゃすぐに『本隊』に掴まるっぽ。
掴まりたくないなら、私達について来て欲しいっぽ」
(;^ω^)「ちょ、何を?」
( ><)「説明している時間はないんです。一刻を争うんです。
助かりたいんですか? 助かりたくないんですか? 助かりたいなら、ついて来て欲しいんです」
そこで、警官は再度声を張り上げる。
まるで周りに聞かせるかのように。
( ><)「さぁ! 無駄な抵抗はやめて、私についてくるんです!!」
その眼は、必死だった。
( ^ω^)「……分かったお、ついて行くお」
(メメ;゚∀`)「ブ、ブーン? 良いのか?」
( ^ω^)「それしか方法はないんだお」
79 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:17:20.30 ID:qoXcMeva0
('A`)「……まぁ確かに、この状況下、俺もそうするのが最善だと思うが」
(,,゚Д゚)「だ、大丈夫なのか?」
('A`)「だったらここで警官を殺して、次々に来る警官も全部殺して逃げるのか?」
(;゚Д゚)「ぐっ……」
( ><)「じゃあ、四人とも、あのパトカーに乗って欲しいんです。
狭いかもしれないけど、我慢して欲しいんです」
( ^ω^)「把握したお」
それから四人は、掴まった振りをしつつ、パトカーに乗り込む。
心の片隅に疑問を残しながらも、パトカーは進んでいった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
80 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:20:59.02 ID:qoXcMeva0
从 ゚∀从「いぃいぃやっほおおおぉぉぅ!!」
飛び上がり、眼に止まらない速度で、腕を振り下ろす。
対するフサは大きく後ろに跳び下がり、それを回避。
ミ ゚Д゚彡「フゥー……フゥー……」
戦闘開始時よりも更に伸びた犬歯を剥き出しにし、ハインを睨む。
その両足は両腕と同じく、硬い茶色の毛が生えた異形。
眼は更に紅くなり―――『獣』らしくなっていた。
从 ゚∀从「は。流石に両腕両足を解放したらそれなりに面白いな。
精神的にも、かなり魔獣化してるしな」
ミ ゚Д゚彡「うるさい。削除してやる」
うなり声をあげながら、飛びかかる。その速度は異常。
从 ゚∀从「っらぁ!」
突き出された右腕を、左腕を突き出して真っ向から正対。
今度は左腕が突き出され、それも右腕を突き出して正対。
81 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:23:58.51 ID:qoXcMeva0
从 ゚∀从「力比べと行くかぁっ!!」
笑いつつ、両腕に全力を込める。
対するフサも、同じく。
从#゚∀从「うぉおぉおぉらぁぁあぁっ!!」
ミ#゚Д゚彡「オォオォオォォオォォォオォッ!!」
その力は、まったく同じ。
互いにまったく押せないほどに、同じ。
ミ#゚Д゚彡「ガァアァッ!!」
叫んで、無理矢理距離を取る。
从;゚∀从「ヒュゥ。良いねぇ良いねぇ。……いや、本物だ、これはw」
ミ ゚Д゚彡「まだ殺せないか……」
从 ゚∀从「あたしは超絶天才のハイン様だぞ。てめぇなんぞに負けるか」
ミ ゚Д゚彡「……ならば、更に」
フサはそこで咆哮。
それはまるで、魔獣のように。
82 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:26:50.65 ID:qoXcMeva0
ミ#゚Д゚彡「ガァアアァァアァアアァァッ!!」
異音が響く。
フサの更なる解放が、始まった。
両腕の変化が肩まで伸び、両足の変化は付け根まで伸び。
毛は更に硬く太くなり、その量と茶色さを増す。
犬歯は更に伸び、鋭く。眼も鋭く、紅く。
从 ゚∀从「……っは。本気かよ」
「やべぇかもな」と言いそうになって、無理矢理に笑みで消した。
ミ#゚Д゚彡「グルルルルル……!!」
変化の音が止み、彼は唸る。
そして、ハインに飛びかかろうと足に力をこめて―――
「フサ! 今日の所は一旦終了だ! 戻るぞ!!」
二人の遥か上空から声が響いた。
見上げれば、そこには天使に掴まる二人の少女。
ツンとしぃ、そしてクーだった。
83 :
金田一(樺太):2007/04/14(土) 01:28:33.71 ID:Qx10Bd4HO
わかんないんですが更正したな
84 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:29:18.21 ID:qoXcMeva0
ミ#゚Д゚彡「グ、グルル……。ク、クーか。把握した」
再度、異音。
フサの変化が、どんどんと収まっていった。
獣から、人へ。
まもなく、彼の身体は人間のそれになっていた。
从 ゚∀从「は? 何やってんのお前」
ミ,,゚Д゚彡「どうやら、今回はこれまでのようだ」
コートと帽子を回収しつつ、フサは答える。
从 ゚∀从「あん? ここで終わりだと? なめてんの?」
ミ,,゚Д゚彡「俺に言わないで欲しい」
从 ゚∀从「ここで終わらせるとでも?」
ミ,,゚Д゚彡「その通りだ」
从 ゚∀从「逃がすわけがないだろうが」
ミ,,゚Д゚彡「であれば、俺を止めてみろ」
85 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 01:31:56.99 ID:qoXcMeva0
異音が響く。
フサが、両足だけを解放した。
ミ,,゚Д゚彡「貴様の足で、この足には追いつけないさ。いくら天才でもな」
从 ゚∀从「……っち」
ミ,,゚Д゚彡「では、アディオス」
言って、フサは廃ビルの屋上から、隣のビルの屋上まで飛び移る。
それを繰り返している内、彼の姿は見えなくなった。
从# ∀从「…………………」
(*゚∀゚)「ハ……ハイン?」
从#゚∀从「あーっ!! ちくしょーっ!!」
(;*゚∀゚)「はぅっ!?」
从#゚∀从「やーっと本当に面白ぇ奴と会ったのによぉ!! お預けかよっ!? おいフサァアァァアァッ!!」
(;*゚∀゚)「ちょ、ハイン! 落ち着いて! 落ち着いて!!」
从#゚∀从「フーッ! フーッ!」
86 :
金田一(樺太):2007/04/14(土) 01:49:07.04 ID:Qx10Bd4HO
さる?
87 :
天使見習い(コネチカット州):2007/04/14(土) 02:02:00.81 ID:+Xw0yMWTO
さっきから何度も猿食らってしまってすいません
88 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 02:05:24.03 ID:qoXcMeva0
(;*゚∀゚)「…………………」
『こいつ、あたしよか戦闘狂なんじゃね?』
从#゚∀从「うるせぇっ! ぶっ殺すぞ!!」
『はぁ!? いや、何で内側の声に反応出来るんだよ!?』
(;*゚∀゚)「は、ハイン? 何で“彼女”の声が聞こえたの?」
从#゚∀从「あー、勘?」
『ねぇよ』
从#゚∀从「あぁ!?」
『いやマジかよ!』
(;*゚∀゚)「ちょっとハイン、落ち付いて? ね?」
从 ゚∀从「……ふぅ。オーケー、つー。もう大丈夫。後でプギャーで解消するから」
(*゚∀゚)「それもダメ!」
89 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 02:11:17.88 ID:qoXcMeva0
从 ゚∀从「じゃあミンナ……いや、もうむしろモララーで」
(*゚∀゚)「それはただ事じゃ済まなくなっちゃうでしょ!」
从 ゚∀从「じゃあお前の中の殺人狂d」
『だが断る。殺せない相手は嫌いだ』
从 ゚∀从「ッチ……」
(*゚∀゚)「さ! ハイン、どうしよっか」
从 ゚∀从「あー、戻るしかないんじゃね?」
(*゚∀゚)「うん! じゃ、戻ろうか!」
从 ゚∀从「おう」
それから二人は“管理人”の基地へと向かう。
“削除人”が消え、四人も消え、“管理人”も消えた後のラウンジスクランブル交差点には、
人々の死体と未だ火を上げる車の残骸、そして悲しみと怒りだけが残った。
90 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 02:13:21.13 ID:qoXcMeva0
えー、これで今回の投下を終了します。
まとめサイト様、読者の皆様、ありがとうございました。
投下の途中、三度ほど猿に引っかかってしまい、すいませんでした。
では、何か質問があれば答えます
91 :
金田一(樺太):2007/04/14(土) 02:14:38.34 ID:Qx10Bd4HO
乙!
フサって全身?
それは無いはずじゃ…
92 :
金田一(樺太):2007/04/14(土) 02:20:02.68 ID:Qx10Bd4HO
あれ?もしかして寝た?
まぁいいや…俺も寝る
93 :
住職(京都府):2007/04/14(土) 02:25:14.77 ID:OHxFCyFc0
乙
94 :
パート(東京都):2007/04/14(土) 02:25:20.27 ID:qoXcMeva0
>>91 フサの“力”は特殊なタイプなんです。
各部位の魔獣化。
これはフサの意志次第では全身を魔獣化する事も出来ますが、それをするとリスクが大き過ぎるんです。
まず“力”を解放する部位が広ければ広いほど体力は早く消耗する事になります。
そして、解放した部位が広がれば広がるほど、脳も魔獣化―――冷静な判断が利き辛くなるんです。
バーサーカーみたいな状態になってしまうんですね。
なお、脳を含む全身を魔獣化させると、まさに『魔獣』になります。
判断が利き辛くなるとかそういう次元ではなく、ほぼ獣の思考回路になっちゃうんです。
だからぽんぽん多部位を解放出来る能力じゃないんですね。
95 :
金田一(樺太):
>>94 把握
返答に感謝します
最後に見にきてよかった…