日誌 ロールシャッハ記 9月1日 ヨークシンシティ
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:35:28.12 ID:4RnslPBb0
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:37:13.37 ID:rehXAJzA0
言い訳と謝罪にすべてを費やすレス
書かねー書かねー言ってましたが、反響がよかったので書きました。
ただし最初に、
“このSSでサディズムと呼べるのは投下したことであり、
マゾヒズムとはそれを読むことである”
ということをどうか念頭に入れてください。
あと俺自身なんかよくわかんないつくりになってます。
こんなのはロールシャッハと認めない、と感じる人が多々いるかと思います。
前より確実につまらないし、色々と台無しにしてます。
あとおもしろくないっす
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:43:24.44 ID:rehXAJzA0
日誌 ロールシャッハ記
1999年 9月 1日
この日の朝を迎えた。
俺は今、この街の頂点から真下を見下ろしている。
摩天楼の隙間に、朝と夜のあいだをうごめく者が見える。
それらをひとつひとつ眺めていると、
改めてこの街がニューヨークとよく似ていると感じる。
ニューヨークと同じく、この街も巨大な獣だ。
嘘と強欲と金がそのはらわたの中で渦巻いている。
二一時、セメタリービルにて地下競売が始まる。
悪の渦の中心部だ。罰すべき多くの者がそこにいる。
セメタリーか。
それこそ、奴らの魂を埋葬するべき地であるということに他ならない。
四人と再会するのは、そのあとのこととなるだろう。
今夜、狩りが始まる。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:43:50.90 ID:4RnslPBb0
いいから早よ書け
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:50:14.33 ID:rehXAJzA0
ヨークシンシティ 市内
キルア「――携帯買っただけでギャラリーができて、拍手までされるなんて初めて見たぜ」
レオリオ「値切るのは当然だろ? 言っとくが、俺の本気はあんなもんじゃないぜ」
レオリオ「で、クラピカはどこだ?」
ゴン「仕事中だって。時間が空いたら連絡するって言ってた」
キルア「あ、じゃあシャッハのおっさんに電話しようぜ。
俺イタ電のバリエーションいくらでもあるし」
ゴン「いや、それはちょっと……」
レオリオ「無駄だと思うぜ。あいつ携帯持ってねえから」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:52:39.85 ID:rehXAJzA0
キルア「ああ、さっきついでに買ってたやつ、おっさんにあげるんだ?」
レオリオ「連絡したっつったって、俺もホテル調べて、伝言預けたってだけだからな。
さっきも行ったけど、外出てて行方がわからねえ」
レオリオ「あいつのことだから、逢ったらすぐ渡しとかねえと」
キルア「携帯とか自分で買いそうにないもんなあ、あのおっさん」
ゴン「こっちに着いてるなら、逢いに来るくらいいいのに」
レオリオ「……しょーがねえな。こっちから逢いに行くか」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:55:37.06 ID:rehXAJzA0
ヨークシンシティ 安ホテル 廊下
ロールシャッハ(今夜のオークション会場に潜り込むことができなかった)
ロールシャッハ(それこそ俺がDr.マンハッタンのように
瞬間移動でもできればよかったのだが)
ロールシャッハ(あいにく、そのような能力は修行でも得ていない)
ロールシャッハ(対策を練らねばならない)
ロールシャッハ、部屋の戸を開ける。
レオリオ「おーう、ひっさしぶりだな」
キルア「遅かったじゃん、どこほっつき歩いてたんだよ」
レオリオとキルア、テレビでムーディーな有料チャンネルを見ている。
ゴンはテレビと反対を向いて座っている。
ロールシャッハ「……何をしている」
レオリオ「な゛に゛を゛してい゛る゛うう」
キルア「な゛に゛を゛してい゛る゛ううう」
レオリオ「ほんっと久々だぜ、その声聞くの!」
ロールシャッハ「……………………」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:57:51.29 ID:rehXAJzA0
ゴン「あああの、あの、ごめんなさい。ロールシャッハさん、
連絡とれないって言うから……」
レオリオ「賞金首が潜伏してるつって、これ見せたんだよ」
レオリオの手にはハンターライセンス。
キルア「フロントでリオレオが、おっさんがどんだけ危険かまくしたてんの
聞かせてやりたかったぜ」
ロールシャッハ、無言でテレビの背面に回りこみ、ケーブルを抜く。
レオリオ「ああ――! ちょっと今いいところだったのによお!」
ロールシャッハ「レオリオ」
ロールシャッハ「貴様、子供になにを見せている」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 21:59:54.31 ID:rehXAJzA0
レオリオ「いやいやいや、俺も最初はどうかと思ったのよ? ホント。
でェも社会勉強になるかと思ってだなあ」
レオリオ「キルアだって自分から見たいって言ったんだぜ、な、キルア!」
キルア「うわーんシャッハのおじさーん、リオレオがいじめるー」
ロールシャッハ「貴様……」
レオリオ「おい卑怯だぞキルア! ロールシャッハ、お前も騙されてんじゃあねえッ!」
レオリオ「つーかそのくらいでなに怒ってんだ!?」
ロールシャッハ、レオリオの腕をつかみ力を込める。
レオリオ「な、なんだやる気か? 俺だって一応試しの門で……」
レオリオ、振りほどこうとするが、ロールシャッハはさらに力を込める。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:02:03.63 ID:rehXAJzA0
レオリオ「あで、あでででででっ!」
キルア(やっぱやるじゃん、おっさん。半年ベッドの上で過ごしたわけじゃなさそーだな)
レオリオ「タイム、タイム!」
ゴン「ロールシャッハさん!」
ロールシャッハ、ゴンの声に手を止める。そのすきに離れるレオリオ。
レオリオ「んだよ、久しぶりに再会したっつうのに……」
ロールシャッハ「なんだ、ゴン」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:05:37.85 ID:rehXAJzA0
ゴン「あー、あの、えと……ロールシャッハさんは、念は覚えたの?」
ロールシャッハ「当然だ」
ゴン「ああ、うん、じゃあ、えと、ちょっと見せてくれないかなー、なんて……」
キルア(続き続き……)
キルア、コンセントを差し込む。
それを見て、テレビを叩き潰すロールシャッハ。
キルア「げ!」
ロールシャッハ「今のが俺の念能力だ」
レオリオ「ウソつけ! 力任せに殴っただけじゃねえか!」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:07:46.69 ID:rehXAJzA0
レオリオ「ほらこれ、土産だ」
レオリオ、携帯電話の入った包みを渡す。
ロールシャッハ「なんだ」
レオリオ「携帯だよ、携帯」
ロールシャッハ「形態?」
レオリオ「そいつがありゃ、いつでもどこでも電話ができる。」
ロールシャッハ「EHH.トランシーバーか」
レオリオ「うーん、まあ、似たようなもんだ」
レオリオ「クリケットG2型、軽くて丈夫、防水・防塵機能完備、
屋外はもちろん都市部の地階の圏外なし。
元はブルーカラー御用達で、頑丈さには定評がある。
翻訳機能なんかは最新機種に劣るが、あんたにゃぴったりだと思うぜ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:08:24.58 ID:NzaPutT40
SSの名前に括弧書きがどうも読みづらい
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:10:29.33 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ(携帯……)
ロールシャッハ「HURM……」
「なんだかよくわからないがもらっておこう」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:12:36.84 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ「ゴン、ヒソカには会ったのか?」
ゴン「うん、ヨークシンに来る前、天空闘技場で。プレートも返してやったよ!」
ロールシャッハ「……そうか」
ロールシャッハ(たくましくなったものだ。試験のときより数段……)
ロールシャッハ「では、これから父を捜すのか」
ゴン「そのことなんだけど……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:15:16.15 ID:rehXAJzA0
レオリオ「最低落札価格が89億ジェニー?」
ロールシャッハ「それで所持金が500万、か……」
レオリオ「元締めのサザンピースはオークションハウスの最高峰だぞ?
それじゃ入場料にも足んねーぜ」
ロールシャッハ「不可能だな。いくらそのゲームにゴンの父親の手がかりがあろうと、
他を当たるしかない」
キルア「でも、グリードアイランドは入手難易度が『易しい』だったぜ」
キルア「金がありゃ手に入る。それじゃ、真の宝ですらない」
キルア「その程度のモノ楽勝でゲットしてこそ、
プロのハンターってもんじゃないの? お三方」
ロールシャッハ「HUNH」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:17:42.53 ID:rehXAJzA0
ゴン、レオリオ、パソコンに向かう。
ゴン「なにかいい方法がないか調べてみよう」
レオリオ「おう、ヨークシンにはウソみてえな実話がゴロゴロ転がってっからなあ」
ゴン「そっか、ゴロゴロなんだね」カタカタ
キルア(単純バカ。レオリオも強化系だな)
キルア「おっさんはいいの? 二人に加わんなくて」
ロールシャッハ「くだらん。金もゲームも興味はない」
ロールシャッハ「ゴンの父親を捜すのは、奴自身に任せるべきだ」
キルア(だろーな)
キルア(おっさん、むしろ二人以上に他のこと見えてないもん)
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:20:08.59 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ「ガリ、クチャ、ガリ」
キルア「なに喰ってんの。また角砂糖?」
ロールシャッハ「これだ。向かいのコンビニに売っていた」
キルア「チョコロボ君じゃん! いい歳したおっさんが喰うなよ」
ロールシャッハ「カロリーが摂れればなんだっていい」
キルア「一個ちょーだい」
ロールシャッハ「…………」
一粒手に取り、指で弾いて飛ばすロールシャッハ。
キルアはその場から動くことなくキャッチする。
キルア「サンキュー」
ロールシャッハ「……」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:23:38.51 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ「それより、いつまで俺の部屋にいるつもりだ」
レオリオ「いいじゃねえかいいじゃねえか、せっかくダチと再会できたんだからよ!」
ロールシャッハ(…………)
レオリオ「えー……縛り……条件競売の俗称……」
レオリオ「……そうか……!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:25:44.41 ID:rehXAJzA0
ヨークシンシティ 路上
机に座るゴン。その前に立つレオリオ。ダイヤを持つキルア。
レオリオ「さああああ、さあさあ、右や左の旦那様ァ! 条件競売が始まるよ!」
レオリオ「競売品はこちら、300万相当のダイヤ!」
レオリオ「落札条件は腕相撲! 賭け金1万ジェニーでこちらの少年に勝てたら――」
『300万のダイヤ 早い者勝ち!』
と書かれたプラカードを持つロールシャッハ。マスクはしたまま。
ロールシャッハ「なぜ俺がお前らの金稼ぎに付き合わねばならん」
レオリオ「かてーこと言うなよ、これも人助けだと思え」
ロールシャッハ「HUNH」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:28:01.51 ID:rehXAJzA0
キルア「どうせおっさんのことだから、オークション会場に入ろうとして金がなかったんでしょ?
セキュリティも万全で忍びこめなかったとか」
ロールシャッハ「…………」
キルア「図星だね。そんなことより、マスク脱がないわけ?」
ロールシャッハ「お前らの前ではな」
キルア(もう中身知ってるけど……)
レオリオ「それではオークション、スタート!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:31:52.36 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ(ゴンは相当の修業をしたと見え、数々の男をねじふせた)
ロールシャッハ(それはいい。問題は途中やってきた少女だ)
ロールシャッハ(そのときのゴンの表情は、それまでの演技ではない)
ロールシャッハ(間違いなく本気だった)
ロールシャッハ(それにその連れの二人……)
レオリオ「三人とも休憩だ、飯にしろ」
ロールシャッハ「こんなことしていたところで、89億には到底届かんだろう」
キルア(言えてる……)
ロールシャッハ「いい加減にしろ。俺は帰るぞ」
レオリオ「え、ちょ、おい、待てよ!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:34:43.13 ID:mgzFBc1C0
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:35:06.77 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ、立ち去り路地裏に入る。
レオリオ、あとを追ってその路地裏に入るが、ロールシャッハの姿はない。
フック銃と己の脚を使い、ビルとビルを飛び越えていくロールシャッハ。
ロールシャッハ(やはり再会するべきではなかった)
(俺の仕事の邪魔でしかない)
(とにかくセメタリービルに行かねば。周辺の状況を今一度確認しよう)
(開催中なら、侵入も可能かも知れん……)
ロールシャッハ「ガリ、ガリ、ガリ」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:38:09.04 ID:rehXAJzA0
ロールシャッハ、あるビルの屋上に人影を見つける。
ロールシャッハ(なんだ、あれは)
(会場の監視か? なぜあのようなところで)
(見覚えがある……あの青い珍奇な服は……)
ロールシャッハ(…………クラピカ?)
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:41:01.05 ID:rehXAJzA0
ヨークシンシティ ベーチタクルホテル 屋上
クラピカ「……誰か来るな」
センリツ「ええ」
ロールシャッハ、二人の元へ降り立つ。
クラピカ(…………ロールシャッハ……!)
ロールシャッハ「こんばんは、クラピカ。久しぶりだな」
センリツ「クラピカ、あなたこの人と面識が?」
クラピカ「……ああ、ハンター試験来の友人だ」
ロールシャッハ「友人ではない」
クラピカ「……ロールシャッハ、こんなところでなにをしてる?」
ロールシャッハ「お前こそなにをしている。セメタリービルを見ていたようだが……」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:43:36.67 ID:rehXAJzA0
クラピカ「お前には関係ない」
クラピカ「私たちの狙う賞金首が、あのオークション会場にいるというだけのことだ」
ロールシャッハ「HUNH.嘘をつくな。お前が狙う相手など、ひとつしかあるまい」
クラピカ「…………」
センリツ「……私たちの仲間が、あの会場に潜入しているの」
ロールシャッハ「HURM」
ロールシャッハ「クラピカ。お前が徒党を組み、
その仲間が地下競売にいるというならば……」
ロールシャッハ「マフィアか」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:50:28.47 ID:mgzFBc1C0
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/08(日) 22:50:31.86 ID:rehXAJzA0
クラピカ「……だとしたら、どうだと言うんだ?」
ロールシャッハ「…………お前には、失望した」
クラピカ「お前の倫理観に私を巻き込むな。
私はボディガードとして雇われた身。ファミリーの動向に関与する気はない」
屋上への扉を開け、バショウが現れる。
バショウ「お二方、何か変化はあったかい」
ロールシャッハ「…………」
バショウ「なるほどな。ボスの元にも襲撃か……」
クラピカ「待て、バショウ。この男……ロールシャッハは、我々の敵ではない」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ロールシャッハ「いいや」
「敵だとも」
クラピカ「!」
そのとき、セメタリービルにて爆発。4人はそちらを注視する。
ロールシャッハ(襲撃か。抗争が起きたのだろう)
ロールシャッハ(クラピカは、ボディガードとして雇われていると言った)
ロールシャッハ(それが現在会場ではなく、ここにいるということは……)
ロールシャッハ、ホテル内に走ろうとする。
クラピカ、鎖を飛ばし、その腕を絡め捕る。
クラピカ「どこへ行く……ロールシャッハ」
ローリシャッハ「それがお前の念か。具現化……いや、操作系というやつか」
クラピカ「……答える義務はない」
ロールシャッハ「……HUNH」