恵美「今時の若者の名前じゃないわね！！」　さだお「……あ？」

真奥「ニッポン全国の貞夫さんに謝れ！！」

恵美(魔王なら魔王らしく、もう少し威厳を感じられる名前にしろっての)

さだお「……」

恵美(……何かしらあの人、じっとこっちを見て)

さだお宅

さだお(さだおを馬鹿にする女現る。しかるべき処罰が必要と思われる)ｶﾀｶﾀ……

さだおって確かにダサいよな

さだおはないわ

翌日　恵美の職場の更衣室

梨香「おはよう恵美」

恵美「おはよう」

梨香「今日も一日お仕事がんばりますか」

恵美「そうね」

恵美「お問い合わせ、ありがとうございます。どこでもテレアポセンターでございます。本日はどのようなご用件で……」

???「恵美ちゃんの乳首の色が知りたい」

恵美「……は?」

???「だ・か・ら、恵美ちゃんの乳首の色が知りたいって言ってんだよ」

恵美「……ご、ご質問の意味が理解できかねるのですが……」

???「恵美ちゃんの乳首の色を教えてくれればいいんだって」

恵美「……誠に申し訳ありませんが、弊社ではそのようなご質問に対する回答は行っておりません」

???「あ？　何言ってんの？　乳首がだめなら恵美ちゃんの“ピー”の形を教えてよー」

恵美「……」

???「恵美ちゃーん?　もしもーし?」

恵美「お問い合わせありがとうござました」回線切断

恵美(気持ち悪い……たまに似たようなのが来ることあるけど、さっきのは特に酷かったわね……)

ﾋﾟｺｰﾝ“応答/作業中”

恵美(っと、仕事仕事)

恵美「お問い合わせ、ありがとうございます。どこでもテレアポ……」

???「会話途中で切るって酷くね?」

恵美「えっ？」

これは厄介な奴に…

???「どこでもテレアポセンターの契約社員ってみんなこんなことするの〜？」

恵美(な、なんで……?　偶然また私に回ってき……?)

???「ねえ恵美ちゃん、恵美ちゃんって処女?」

恵美(そうだ、私まだ名前を言ってなかったはずなのに……)

???「おーい、今度は無視かい?」

恵美「ど、どうして、私のことを……?」

???「……」

恵美「……もしもし?」

???「フヒヒヒヒヒヒ……」

恵美「……」

???「またね、恵美ちゃん。これからよろしくね」

回線切断

恵美「……(なに？　なんだったの？)」

梨香「恵美、どうかしたの?」

恵美「え？　ううん、何でもないわ。ちょっとしつこいクレーマーでさ……」

職場から帰宅

恵美(結局あれからかかってくることはなかったけど……)

恵美(一度目から間を置かず二度目の電話が私につながった)

恵美(こっちで操作しなければ特定の誰かを指定してつなぐことはできないはずなのに……)

恵美(しかも私の名前を知っていた……何者なの……?)

恵美(まさか、魔の者!?)

恵美(そうか、魔王の仕業の可能性も……)

ﾄﾞﾝ

恵美「痛……?」

ヤンキーさだお「いってーなーオイ」

待てーーー！！！

赤さだお！！

恵美に絡んだら死亡フラグ立つわ

恵美「ご、ごめんなさい」

恵美(考えすぎて前を見てなかったわね)

ヤンキーさだお「オイ待てコラ、人にぶつかっといて無言かよ」

恵美「え？　いや、だからごめんなさいって……」

ヤンキーさだお「ごめんですむかよ。あーいってーなー、肩折れちゃったかもなー」

恵美「はあ？　言いがかりつけないでくれるかしら、たしかに私の前方不注意だったけど……」

ヤンキー１「さだおさんじゃないっすか、どうしたんすか?」

恵美「え？」

ヤンキー２「おーさだおさん、ちわっス！」

恵美「……」

ヤンキー３「なんすか？　ケガしたんスか?」

ヤンキー４「だいじょぶっすか？」

ｿﾞﾛｿﾞﾛｿﾞﾛｿﾞﾛ……

恵美「……」

ヤンキーさだお「おうお前らか。いやそこのネーチャンがぶつかってきたんだけどよー、俺肩折れたかもしれねーってのに無言で消えよーとしててよー」

恵美「ち、違うわよ、そんなに強くぶつかったわけじゃないし謝ったのにその人が……」

ヤンキー５「あ？何言ってんの？コイツ？」

ヤンキー６「人に怪我させていて反省の色もねーのかよ」

恵美「い、いや、だから……」

ヤンキー７「よしわかった、ここじゃ他の人のめーわくになるからよ、あっちで話そうぜ」

ｵｲｹﾝｶｶ……

OLｶﾞﾔﾝｷｰﾆｶﾗﾏﾚﾃﾙﾐﾀｲﾀﾞｿﾞ……

ｹｲｻﾂﾖﾝﾀﾞﾎｳｶﾞ……

ヤンキー８「はい大したことじゃないから余計なことしないでねー！！」

ヤンキー９「かんけーねーのに余計なことすっと余計な怪我することになるよー！！」

恵美「……」

取り巻き大杉ワロタ

恵美「で、私をどうしようっていうの?」

ヤンキー１０「状況わかってねーのかこの姉ちゃんは」

ヤンキー１「さだおさんに怪我させたのはオメーだろうがよ」

恵美「だったら警察でも救急車でも呼んだらいいじゃない。怪我したのが本当だっていうなら治療費も慰謝料もちゃんと払うわよ」

ﾄﾞｺﾞｯ

恵美「ガハッ！？」

ヤンキー２「本当に生意気なネーチャンだな、痛い目見ないとだめかこりゃ？」

よわ

油断したな

恵美「ぐっ……」

ヤンキー３「生意気なお姉さんのバッグには何が入ってるのかなー？」ｳﾊﾞｲﾄﾘ

恵美「ちょ、返しなさい！！」

ﾊﾞｷｯ(顔面)

恵美「あぐっ！？」

ヤンキーさだお「オイオイ暴力はいかんぞ暴力は〜」

ヤンキー４「フヒヒサーセンｗｗｗ」

恵美「う……」

恵美(バッグを奪い返してこの状況から脱出……無理ね)

恵美(なら全員倒す？……それこそ無理、今の私じゃ……)

ヤンキー５「名前は遊佐恵美ちゃん、ドコデモのテレアポセンターの契約社員ね」

恵美(いっそのこと聖法気を……って、こんなことに使えるわけないじゃない)

ヤンキー６「住所は……永福町の……」

恵美(ましてや相手は一般人……)

恵美「ねぇ……」

ヤンキーさだお「あ？」

恵美「もういい加減にしてくれない？こんなこと続けてたってお互い何もいいことないでしょう？」

ヤンキーさだお「……あー、そうだな」ｶﾁｬｶﾁｬ

恵美「わかってくれなたらバッグ返し……」

ｼﾞｮｰ……

恵美「え？　きゃああああああああああああ！！！！！！！」

マジ鬼畜

俺も恵美におしっこかけたい

え？終わり？

ああ例の奴か
飽きて消えたんだろうよ