電「好きって言えないのです！」

村雨「ふーん、電ってば提督のことそういう風に見てたんだー」

電「ちゃ、茶化さないでくださいっ」

村雨「わかってるわかってる。相談されたからにはちゃんと聞くけどさ。
　　　電は提督のどこが気に入った訳？」

電「…………笑いませんか？」

村雨「笑わないよ。だって、人を好きになることって当たり前のことじゃない」

村雨「まあ、その相手があの提督だなんてねぇ。ウチの提督よりもいい男なんてたくさんいると思うけれど？」

電「そんなことないのです！　提督はかっこいいのです！」

村雨「…………そ、そんなことないわ」

電「……！」ﾋﾟｺｰﾝ

村雨「ん？　どったの？」

電「もしや、村雨さんも提督のことが好きなのですか！！　て、敵なのですかぁ！？」

村雨「ちょ、何でそうなるかなぁ！　私は違うってば！」

電「ううっ……だって、提督はよく村雨さんと一緒にいますし」

村雨「それは秘書艦だからであって」

電「でもでも、秘書艦やってる時の村雨さん、すごく笑顔です。いつもの数倍はニコニコしてるって評判です」

村雨「そ、そそそそっそそそそんなことないってば！　誰よ、そんな噂を流してるのは！」

電「龍驤さんなのです」

村雨「あのお調子者めぇ……！　今度会ったら魚雷叩きこんでやる……！」

電「それで、本当の所はどうなのです？」

村雨「本当も何も別に提督のことなんてーーー！　好きじゃなかったりしないけど！」

電「ふぇ？」

村雨「口では悪ぶっていたりするけど、私達のことは第一に考えてたりするし！
　　　時々見せる素直な表情とかすっごくたまんないしーー！！！！」

村雨「無茶はさせても無理はさせないとことか提督として尊敬できるし！」

電「あ、あの……」

村雨「そうでしょう！　ね、電ちゃん！！」

電「は、はい……」

村雨「第一、提督ってば私らのこと全然気にしてないのよっ！　というか、女の子として見てないもの」
　
電「そうですよね……服がボロボロになっても真顔ですし」

村雨「まあ、提督が何考えているかは知らないけどさ。言葉にして伝えないと提督は振り向いてくれないわね」

電「やっぱりそうなりますか」

村雨「そういう訳で直球勝負で行きましょう」

電「それって……」

村雨「提督に。好きって直接言うのよ！」

電「え、ええええええええええええええっっ！」

村雨「だってねぇ……それしかないじゃない」

村雨「動くなら自分からってね。それとも、私に譲ってくれるのかな？」

電「嫌なのです！　提督は……電がもらうのです！」

村雨「はいはい、じゃあその意気で頑張りなさい」

電「ひぅっ！」

村雨（…………先が思いやられるわぁ）

〜鎮守府　艦娘広間〜

電「……好き、って直接言うですか」

電（考えるだけでも顔が赤くなっちゃいますよぉ……）

電「困ったことになりました……」ｼｭﾝ

提督「あ？　何が困ったことだって？」

電「でも、早く言わないと……誰かに提督が取られちゃったら」

提督「オレが誰に取られるって、何言ってるんだお前」

電「ひゃあっ！　てててて、提督ぅ！？？？　どうして此処に！？　普段は室内に篭っているのに！」

提督「ちょっと用があってな。んで、オレがどうしたんだよ」

電「そ、そのでひゅっ！　いひゃいれすぅ……」

提督「急いで喋ろうとするからだ。落ち着いてから言葉に出せって」

電「ごめんなさい……っ」

提督「謝る程じゃねぇよ。それで、オレを取られるってどういうこったよ。
　　　別の鎮守府に配属先が変わる心配ならいらんぞ。今んとこはずっとここでやっていくつもりだからよ」

不知火ちゃんと夕張ちゃんがすきです

電「本当ですか！」ｶﾞﾊﾞｯ

提督「ああ。つーか、オレが変わった所で何も変わりやしねーって。
　　　むしろ、その方がいいかもしれねーな。オレの代わりなんざいくらでも」

電「よくないのです！　それだけは嫌です！！！！」

電「電の提督は貴方だけなのです！　最初に電に言ってくれたじゃないですか！
　　オレと一緒に戦ってくれって！　いつか、暁の戦場で勝利を刻もうって！」

提督「…………」

電「提督の、提督のバカーーーーーーーーーっ！！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯｯ

〜鎮守府　提督の部屋〜

提督「つーことがあったんだけど」

村雨「提督が悪い」

榛名「……提督が悪いです」

提督「…………えー」

村雨「えーじゃない！　全く、いきなり呼ばれたと思ったら……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

榛名「電ちゃんだけじゃありませんよ？　榛名達も怒っていますからね」

村雨「それで、他の娘達には言ってないでしょうねぇ？」

提督「言ってないって。何が地雷かわかんなかったから古参のお前らを呼んだ訳で」

村雨「あのさ、提督は自分の価値知らなすぎ」

榛名「朴念仁というか、何というか」

提督「好き放題いいやがって。事実を言ったまでだぜ、オレ」

提督「オレはたまたま提督やってるだけのアホ野郎なんだよ。
　　　クソ弱いオレに付き合ってくれてるけど、お前らの実力ならもっと出来のいい提督のとこへ」

榛名「あのですねぇ……榛名達がここにいる理由なんて名誉でも富でもないんですよ？」

村雨「そうそう。私達は提督が好きだからここにいるの。提督に勝利を刻ませる為にね

提督「…………ったく、モノ好きだな。お前ら。オレみてーな風変わりを好ましく思ってるのは嬉しいことだが」

村雨「ばっ！　べ、別に私は提督のことを好ましく」

榛名「はい！　榛名は提督のこと、好きですよ？」

村雨「ちょ、榛名！？」

榛名「？？？　榛名は本当のことを言っただけですよ？」

提督「くっ、はははっ。いや、安心したわ。提督と艦娘、やっぱ分けるとこは分けとかなくちゃって考えてさ。
　　　あんまり、お前らとも話さないようにしてたけど」

村雨「書類関係の仕事の時とかはよく話してくる癖に……」ﾎﾞｿｯ

榛名「かわいいなってよく言ってくる癖に……」ﾌﾟｯｸﾘ

提督「本当のことだろうが。電といい、お前らといい美少女の枠に入ってるだろ。よく恋文もらったりさ」

榛名「は、榛名にはまだそういうのは！」

村雨「そういうことを素で言うから卑怯なのよねぇ……」

龍驤ちゃんネタだったら本スレ民が殺到したのに・・・

支援やでー

提督「いや、事実だし。村雨とか髪サラサラしてていいなーって思ってるんだぜ？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

村雨「ちょ！　もう、やめてよ！　恥ずかしいじゃない！」

榛名「ズルいです！　榛名にもして下さい！」

提督「はいはい。まあともかく、電に謝ってくるかな」

村雨「手間のかかる提督だったわ……」

榛名「でも、そんな提督のことが好きなんですよね？」

村雨「だから違うってば！　そそそ、そんなことあるわけだけど！！！」

ｷﾞｬｰｽｶｷﾞｬｰｽｶ

提督（……はぁ、深く考え過ぎなのはオレの方だったのかもしれんな）

OUT榛名
IN霧島

龍驤ちゃんはまだか

電ちゃん不人気なら俺が誘拐するわ

急にレス増えてんなと思ったら本スレで晒した奴がいるのかよ

498 名無しさん＠お腹いっぱい。 [sage] 2013/06/27(木) 20:41:13.91 ID:jBfLPrLM Be:
VIPで　「　検索してSS漁るのが趣味なのだけど

電「好きって言えないのです！」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1372330994/

まさか艦これネタが見つかるとは思わなかった

〜鎮守府　電の部屋〜

提督（さてと、電の部屋だが。野郎のオレが入ってもいいのかね）

提督（……考えても埒があかないか）

提督「おい、電。いるか？」

電「……っ、提督、ですか？」ｸﾞｼｭｸﾞｼｭ

提督「オレ以外の誰だってんだ。入っても大丈夫か？」

電「ちょ、ちょっとだけ！　待って下さい！　今、ひどい顔で！」

提督「あいあい、わーったよ。ちょい待つから！

〜数分後〜

電「ど、どうぞ……」

提督「おう。そういえば、お前の部屋に入るのは始めてだな」

電「そうですね。思えば、最初からずっと一緒でしたのに」

提督「ま、そこら辺はちゃんと弁えてるからな」

電「……いつでも来てくれていいのに」ﾎﾞｿｯ

提督「とりあえず、悪かったな」

電「全くです……プンプンですよ？」

提督「思えば、オレらも遠いとこまで来たもんだ。最初はてんやわんやでヤバかったよな」

電「補給を忘れたり、お風呂場の前でずっと待ってたり」

提督「うっせ。いーんだよ、そういう初々しさも若さってことで」

電「ふふっ……」

提督「…………」

電「…………仕方が無い提督なのです」

提督「仰るとおりで」

電「仕方が無いので許してあげます！　電は心が広いのです」ﾄﾞﾔｯ

提督「胸は小さいのにな」

電「怒りますよ？」

提督「…………ごめん」

電「それじゃあ、お詫びと言ってはなんですけど」

提督「あ？　まあ、オレにできることなら何でもいいぜ」

電「しゅ…………しゅっ」

提督「しゅっ？」

電（好きです、提督！！　言えませんよぉ！　恥ずかしすぎますよぉ！！）

電「しゅ、なのです！！！」

提督「いや、意味わからんし」

電「あうぅ……」

電（顔が熱いですよぉ！！　無理ですよ、言えませんーーー！！！！）

提督「……ん」

電「ひゃうっ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

提督「とりあえずさ、オレのことよく見ててくれてあんがとな」

提督「これからもずっと迷惑かけたり。オレ、また落ち込むこともあるかもだけど」

提督「その時も、助けてくれっかな？」

提督「オレが勝利を刻むまで、さ」

電「〜〜〜〜〜〜！〜〜！〜！！〜！〜〜〜〜〜！！！！」

電（こ、こここここおおおおれれれれっっっって！）

電（ぷ、ぷろぼーずなのですかーーーー！？）

電「て、ててて、ていと」

提督「これでも恥ずかしいんだよ……察しろ」

電（ど、どうすればいいんですーーーー！？）

電「……っ」

提督「……」

電「…………よ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

提督「よ？」

電「よろしくお願いします……｣ﾌﾟｼｭｰ

提督「っておい！　何ぶっ倒れてるんだよ！！」

電「えへへ、ていとくー」

提督「ああ、んだよ！　もう、わっけわかんねー！」

電（今はまだ言えませんけど）

電（いつか、必ず。好きだって言いますから）

電（だから、その時まで一緒にいて下さいね？）

おまけ。


龍驤「っていつまで見つめ合ってんや！　これ以上、ドアの隙間から見るのも辛いで！」

村雨「……今の私達って相当にお邪魔虫よね」

榛名「二人共仲直りできてよかったです〜」

龍驤「アホか！　のんきなこと言うとる場合じゃないで！」

龍驤「おもろいことになってきたんや、こういうのは先手必勝っちゅーもんやろ！
　　　村雨達はこのままでええの？」

村雨「私は、ち、違わないというか！　それよりも、私が提督と一緒の噂流さないでよ！」

龍驤「えー、ちょっとした親切心やん？　埋めるのは外堀からやで？」

村雨「そ、そうだけど……」

榛名「榛名は好きですよー、提督のこと」

龍驤「……天然やな」

村雨「……ええ」

龍驤「ま、まあ！　提督を射止める勝負は長いんやから、おもろくやっていこう。な？　村雨ー？」

村雨「うっさいわね！　もう！」
　　　
提督（聞こえてるんだよ、あのアホ共が）

電（は、恥ずかしいのですよぉ……っ！）



終わり。

即興書きだったから投下が遅くてすまんかったな。

この後、村雨、榛名、龍驤のメインが待ってるけど眠いからまたいつか。
気が向いたらそれぞれの名前をスレタイにして立てると思うわ。

乙

乙

良かったよ乙

艦これssとはたまげたなぁ…

　な　の　で　す　！

やっぱり電ちゃんは天使だったんや