1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
――家のまえ
漫「え、恭子ねえちゃん、うちに戻っとるけど…」
恭子「うん…うちの、裏んとこ……まだ見てないやろ?」
漫「あ……で、でも、そんなとこにおるかなあ…?」
恭子「もしおらんかったら、今日は諦めてなかで待と…今日はもう遅いで」
――ふふ、じゃあ、恭子ちゃんが鬼さんね
恭子「でもな…」
――うん!おねえちゃん、どこや
漫「…ん?」
――おねえちゃん?
恭子「なんとなく、なんやけど…」
――…おねえちゃん、どこ?
恭子「……」
――ばあっ!ここやで〜!
恭子「…ここに隠れとる気がすんねん」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:09:18.08 ID:FuicuX5e0
3 :
せっかくだからこの辺から:2013/03/23(土) 21:10:21.80 ID:FuicuX5e0
恭子「…」テク、テク…
漫「暗いなあ…」テク、テク…
恭子(…次が、最後のかどやけど)テク、テク…
恭子「…」テク、テク…ピタッ
漫「きょ、恭子ねえちゃん…?」
恭子「…」
恭子「…」…スゥ
恭子「郁乃さんっ!!」
漫「!」ビクッ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:11:05.61 ID:FuicuX5e0
恭子「おりますよね!?出てきてください!!」
漫「きょ、恭子ねえちゃんっ、そんな…!」
…ガサササッ
漫「!」
恭子「…」
ガサササ……ヒョコン
郁乃「…」
漫「…! 郁乃ねえちゃん…!」
郁乃「……見つかってもうたね〜」
恭子「…なにしとるんですか、大の大人がこんなところで」
郁乃「……」
恭子「なんとか言うてくださいよ」
郁乃「…あはは」
恭子「……」
郁乃「恭子ちゃん、お母さんに似てきとったんやね」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:11:10.74 ID:y1zx+C6o0
えっ
また落ちたんか
今度こそ落とさせはせぬよ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:11:57.04 ID:y1zx+C6o0
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:12:13.56 ID:FuicuX5e0
恭子「…なんの話ですか」
郁乃「なにってことでもないんやけどな〜」
恭子「…」
郁乃「……雰囲気とか、声とか、恭子ちゃんのお母さんにそっくりで…なんや懐かしいわ」
恭子「…」
郁乃「言うことはぜんぜんちゃうのに……思いだしてまうんやから、親子ってこわいな」
恭子「……」
郁乃「ほんまこわい…あのひとは、わたしのお母さんでもあったひとやから」
恭子「…ええから、もう家入りましょう」
郁乃「入ったら、ほっといてくれる?」
恭子「……郁乃さん」
郁乃「わたしやってな、恭子ちゃんみたいに帰ってきてんねんで…?」
恭子「…」
郁乃「でも、入れんかった」
郁乃「入ったら、どうしても一緒になってまうから……入れんかった…」…ポロッ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:12:38.07 ID:y1zx+C6o0
支援ぞ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:12:47.20 ID:FuicuX5e0
郁乃「わたしな、いま考えごとしとる、悩みもある…それやって本当は、隠してたかったことやけど」
恭子「…」
郁乃「どうしたらええか分からん、つらくないわけやない、心配してもらって嫌でもない…けどな、ひとりで考えたいねん」
恭子「…」
郁乃「恭子ちゃんやって、わかるやろ…?」
恭子「……わからなくは、ないですよ」
郁乃「やったら…」
恭子「…でも」
郁乃「…」
恭子「そんなん、わかってても、どうしようもないんや…」
郁乃「なにがや…」
恭子「ほっといてほしい気持ちもわかる、心配されるんが苦しいんもわかる…家族に負担掛けるんが何よりつらいんは、わたしやっておんなじや」
郁乃「…」
恭子「でも、それと同じくらい、心配でしょうがない気持ちもあるんやって!」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:13:20.97 ID:FuicuX5e0
郁乃「なんやそら…」
恭子「やってそやもん、そうやったんやもん、そんなんしゃーないやないですか!」
郁乃「勝手なこと言わんでよ…!わたしの気持ちも知らんで!」
恭子「知られたくないくせに…わたしやってそんなん知りたくもないわ…!でも、それでも知りたいとも思ってまうんやないか!」
郁乃「言ってること無茶苦茶やんか!そんなワガママ聞いてられへんわ!」
恭子「ワガママなんはそっちもやんか!わたしの気持ちはどうなんねん!」
郁乃「知らんわそんなもん!なんやねんそれ!」
恭子「あんたがほっといてほしいんと同じくらい、こっちはほっとけないんや!郁乃さんやって似たようなもんでしょう!」
郁乃「なにがや!」
恭子「ほっといてほしいんと同じくらい、助けてほしいと思ってるから、やから家に入れんと、こんなとこで丸まっとったんやないんですか!」
郁乃「な……そんな、そんなんぜんぜん的外れや…!」
恭子「やったら誤魔化せるやろが!いままでみたいにいればよかったんや!」
郁乃「わかったような口きかんでよ!あんたにそんなこと…」
漫「ええ加減にせえ!!!」
恭子&郁乃「!!」ビクッ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:13:31.01 ID:y1zx+C6o0
支援ぁ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:14:09.99 ID:FuicuX5e0
漫「ふたりとも、なにをゴチャゴチャゴチャゴチャ…こんなとこで言うとんねん!!」
恭子「……」
漫「…」…テクテクテク
郁乃「す…漫ちゃん…」
漫「郁乃ねえちゃんの、あほっ…!」…パァン!
恭子「!」
郁乃「い……いったぁ…」
漫「恭子ねえちゃんもや!」
恭子「え……あ…」
漫「あほおっ!」パァン!
恭子「…っ!?」
郁乃「す…すずちゃん……なにを…」
漫「うっさい!ふたりとも、ねえちゃんが揃いもそろって…うちの気も知らんで……勝手なことばっか言うて…」…ポロッ
漫「そんなに……そんなにケンカがしたいんやったら…」ポロポロ
漫「うちのなかでしなさいっ!!!」ポロポロポロ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:14:37.65 ID:y1zx+C6o0
4
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:15:27.92 ID:FuicuX5e0
漫「…」ポロポロポロ
恭子「…」ポカーン
郁乃「……ぷっ」
恭子「!」
郁乃「ぷはっ、あははははははははははっ!」
恭子「ちょ、郁乃さん…漫ちゃん泣いとんのやから…!」
郁乃「やって、あはっ、あはは、なんかおかしいんやもん!あはははははははっ!」
漫「…」フルフルフル
恭子「やめっ、もう、そんなん…わらったら……かわい、ふふっ、ふ、はははっあははははははは!」
漫「……」フルフルフルフル
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:16:10.90 ID:y1zx+C6o0
しえ
16 :
次から普通の投下ペースに戻しますね:2013/03/23(土) 21:16:21.33 ID:FuicuX5e0
郁乃「恭子ちゃんも、ふふっ、わらっ、わらってるやん!」
恭子「ちがっ、これは、ぷっくくくっ、い、郁乃さんにつられて!」
漫「…もう知らんっ!あほっ!あほっ!」
郁乃「あはははははははははははははははははっ!!」
恭子「ふっ、は、あはははっ、はははははははは!!」
漫「……」
郁乃「はあーっ…ふふっ、もうおなかいたいわ…ふう、ふ〜…」
恭子「ほんま…くるしかった……ふふっ…は、はあーっ…」
漫「…」…プイッ
郁乃「はー…なんか、どうでもよくなってもうた」
恭子「…わたしも」
郁乃「……じゃあ〜」
恭子「はい」
郁乃「…入ろっか……家」ニコッ
恭子「…ですね」フフッ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:17:03.56 ID:GzdrWqEo0
はよせい
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:17:32.78 ID:y1zx+C6o0
急かすとさるってまた落ちるから好きにしろ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:19:10.28 ID:y1zx+C6o0
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:20:05.78 ID:FuicuX5e0
ガチャッ
郁乃「ただいま〜」
漫「…おかえり」
恭子「まだ怒っとんのか」
漫「怒ってへんもん!」
郁乃「あはは、ごめんね〜」
漫「…べつにええけど」
恭子「はあ、やっと帰ってこれたで」
漫「…お風呂沸かそっか」
恭子「そやな、頼んでええか?」
漫「うん、やるで」
恭子「ありがとう じゃあ、お風呂入って今日はもう……あ」
漫「ん?」
恭子「そういえば郁乃さん、ごはんは食べ……郁乃さん?」
郁乃「…」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:20:44.19 ID:y1zx+C6o0
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:21:59.12 ID:y1zx+C6o0
支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:23:58.36 ID:y1zx+C6o0
しえ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:24:13.34 ID:FuicuX5e0
恭子「なにしとるんですか?なか入ってきたらええのに」
郁乃「…」
郁乃「いや…別に入るのがまた、どうのこうのちゅーんやなくてな」
恭子「…?」
郁乃「どうでもよくなったついでに…ぶっちゃけてまおうと思うんやけど」
恭子「!」
漫「…なにを?」
郁乃「うん、えっとな…わたし、付きあってるひとがおるんやけど」
漫「! やっぱり!」
郁乃「あはは、知っとった?」
恭子「…」
郁乃「そんで…このまえ、プロポーズされて……結婚しようと思っとる」
恭子「…」
恭子「え?」
――――…………
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:26:23.92 ID:y1zx+C6o0
しえn
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:30:05.56 ID:FuicuX5e0
――数か月後
えり「以上が、明日のだいたいの流れになります」
郁乃「は〜い」
えり「おふたりには、バージンロードで花嫁さんに付き添っていただきますので、時間までにこちらの控室にお願いしますね」
漫「は、はいっ!」
恭子「…」
漫「がんばろな、恭子ねえちゃん!」
恭子「気張りすぎやろ…」
漫「やって…初めてやし…」
えり「そんなに心配なさらなくてもだいじょうぶですよ」ニコッ
漫「ううぅー…恭子ねえちゃん、しっかりやってな…?」
恭子「こっちの台詞や」
えり「ふふっ、仲のいいご姉妹ですね」
郁乃「えへへ〜」
恭子「…」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:33:12.99 ID:XnC5wslK0
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:33:21.10 ID:zxppJ0Hf0
誰か前スレのhayabusaのurl持ってたら下さい!
29 :
忍法帖【Lv=6,xxxP】(1+0:15) :2013/03/23(土) 21:33:37.33 ID:6wzCmFlq0
C
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:34:16.84 ID:FuicuX5e0
――恭子の部屋
恭子「はー…つっかれた」グデン
恭子(本当に明日だいじょうぶなんかな……ウエディングプランナーさんは、できる人みたいやったけど…)
恭子「…」
恭子(郁乃さんの相手も、ええ人そうやったな…)
コンコン
恭子「! はい」
「恭子ちゃん、いまだいじょうぶ?」
恭子「え?…ええ、まあ」
「やったら、ちょっとお話せえへん?」
恭子「ええですよ、ドア開いてます」
「あ、いや……う〜ん」
恭子「…? なんですか?」
「……恭子ちゃん、ドアのまえ座ってくれん?」
恭子「…??」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:34:34.61 ID:6wzCmFlq0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:37:08.70 ID:y1zx+C6o0
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:38:15.80 ID:FuicuX5e0
恭子「…」チョコン
恭子「…座りましたけど」
「わたしも座ったで〜」
恭子「なんでわざわざ、こんな…」
「ふふ〜なんかおもろいやん」
恭子「…」
「ちゅーのは冗談で…このほうが話しやすいかなって、おたがい」
恭子「…」
「わたしら、面と向かって話すん苦手やん?」
恭子「…そうですね」
「ほんまそういうとこ、どうしようもないな〜」
恭子「…はい」…フフッ
「えっと〜…恭子ちゃん」
恭子「なんですか?」
「……ごめんね」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:38:36.35 ID:zxppJ0Hf0
>>31 ありがとうございます!
入院中の元監督もこれで元気になりそうです!
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:41:11.30 ID:y1zx+C6o0
しえ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:42:17.23 ID:FuicuX5e0
恭子「…なんで謝るんですか」
「苦労をかけるで まあ、今までやってそうやけどな〜」
恭子「…そんなん」
「でも、今まで以上にや わたし、嫁いでまうんやから」
恭子「…」
「ふたり暮らしは…大変やろ」
恭子「…べつに」
恭子「お金さえ送ってもらえればええですわ」
「ひどっ!わたしはお金だけの女なん〜…?」
恭子「…」
「…でも、ありがとうね」
恭子「やから別に…」
「言い出せなかったのはな、その気がかりのこともあってん」
恭子「…」
「平気やなくても…平気や言うて、送り出してくれちゃうからな、恭子ちゃんは」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:44:58.43 ID:y1zx+C6o0
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:46:24.11 ID:FuicuX5e0
恭子「…ほんまに平気ですて」
「ふふっ、そか?」
恭子「そうですよ」
「ならええんやけど〜」
「……それにな、逆の心配もしてたんやで」
恭子「逆…?」
「うん」
恭子「なんですか、それ」
「やから…引き止められたらどないしよ〜、って」
恭子「…」
「行かないでって言われてもうたら……言うてくれたら」
恭子「…」
「わたし、今からでもぜんぶ辞めれてまうから」
恭子「…」
恭子「…言いませんよ」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:49:34.04 ID:y1zx+C6o0
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:50:23.24 ID:FuicuX5e0
「…そっか」
恭子「そうです」
「そんならええんや」
恭子「……」
恭子「…友だちが、グッピー飼ってるんですけどね」
「うん?なんの話?」
恭子「ここにおるうちに、聞いておこうと思って」
「…?」
恭子「グッピーて、卵胎生いうて、おなかんなかに卵があって…子どもができると、妊娠みたいにおなか膨らむんですて」
「…ふうん?」
恭子「ええと……郁乃さん」
「なあに?」
恭子「…わたしが、生まれる前のこと、憶えてます?」
「…」
恭子「わたしが…お母さんのおなかにいたころのこと」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:52:12.83 ID:cc19nVmv0
し
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:53:09.89 ID:FuicuX5e0
「恭子ちゃんが…おなかにいたころ、か…」
恭子「…」
「そら、憶えてるよ」
恭子「…わたし、自分はもちろん、漫ちゃんの時のことも、よう憶えてなくて…」
「まあ、まだちっちゃかったもんな〜」
恭子「…どんなかんじやったんですか」
「ん〜…そやなあ」
恭子「…」
「恭子ちゃんのお母さんが、こう、座っとって…わたしが寄ってって、さわらしてもらってん」
恭子「…」
「わたしも、おっかなびっくり手をのばして、くっつけて」
恭子「…」
「さわった瞬間…恭子ちゃんが、おなかをポンって蹴ったんが分かった」
恭子「…へえ」
「どんな子なんやろ…どんな子が、わたしの妹になるんやろって、思ったな」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:57:03.68 ID:y1zx+C6o0
し
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 21:57:32.15 ID:FuicuX5e0
恭子「妹に、なる…」
「ほら、おねえちゃんと違って、妹って最初からおるもんやないやん?」
恭子「…」
「やから…すっごい不思議やった」
恭子「…そうですか」
「……なあ、恭子ちゃん」
恭子「なんですか?」
「わたしがいなくなるん…さみしい?」
恭子「…」
「ん〜?さみしい?わたしおらんと、さみしい〜?」
恭子「…そら」
「…」
恭子「そら……さみしいですよ」
「…」
恭子「むっちゃ、さみしい」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:00:11.96 ID:y1zx+C6o0
とうとう嫁いでまうのか
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:01:13.52 ID:FuicuX5e0
「…うん、そやんね」
恭子「…なんですか、それ」
「わたしも…むっちゃさみしい」
恭子「…」
「ほんとは、そんだけやったんかもしれんなあ…」
恭子「…そんでも、引き止めませんよ」
「うん」
恭子「…」
「それでええんよ」
恭子「…」
「明日…送りとどけてくれるんがふたりで、ほんとによかった」
恭子「…」
「バージンロード、よろしくね」
恭子「…」
恭子「はい」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:04:23.96 ID:6wzCmFlq0
C
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:04:46.94 ID:y1zx+C6o0
支援だよー
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:05:06.83 ID:FuicuX5e0
「じゃあ、わたし漫ちゃんともお話しするで」
恭子「はい」
「あ……そや、忘れとった」
恭子「…?」
「さっきな、買ってきてん」
恭子「…なにを?」
「肉まん」
恭子「…!」
「よかったら食べて〜」
恭子「…はい」
恭子「やったら、あとでこっそり食べますわ」
「うん」
恭子「おやすみなさい」
「おやすみ、恭子ちゃん」
――――…………
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:07:35.15 ID:y1zx+C6o0
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:08:15.16 ID:FuicuX5e0
――控室
漫「人、人、人…ひと、ひと、ひと…」
恭子「…」
漫「あかん…また緊張してきた…」
恭子「…」
漫「なあ、どうしよ、どないしよ恭子ねえちゃん」
恭子「…なにがやねん」
漫「なにがて、え、あれ、なにがやろ?」
恭子「…おちつき」
漫「そ、そやな、そやわ」
恭子「…」…ハァ
コンコン
漫「ひゃっ!」
「そろそろお時間ですしー」
恭子「…はい」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:12:36.01 ID:FuicuX5e0
漫「じ、じかん…」
恭子「いくで、漫ちゃん」
漫「…うん」
…ガチャ
郁乃「…」
恭子「…!」
郁乃「あら、ふたりともよう似合っとるね、その服」
漫「う、うんっ」
恭子「…」
郁乃「わたしのウエディングドレスもなかなかのもんやろ〜?」
漫「うんっ、す、すっごい似合っとるで!」
郁乃「ふふっ、ありがと〜」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:15:42.91 ID:y1zx+C6o0
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:18:10.62 ID:FuicuX5e0
漫「な、郁乃ねえちゃん綺麗やんな、恭子ねえちゃん」
恭子「…」
漫「恭子ねえちゃん?」
郁乃「…」…フッ
郁乃「ふたりとも」
漫「!」
郁乃「そろそろやで」
「それでは、新婦のご入場です」
…ガチャン!
パパパパーン パパパパーン
えり「カメラをお持ちの方はどうぞ前に…」
パパパパン パパパパン パパパパン パパパパン
郁乃「…」
郁乃「行こか」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:24:02.87 ID:FuicuX5e0
「行こか」
…ああ
「いくのー!」「おめでとー!」「おめでとー!」
このひとは、いっつもそうや
「ありがとな〜」
ふわふわっと、いなくなって
「…」
…言わないと
「…いっ……」
だれかの家族になってまうんやから
「い……」
その前に言わないと
「……お…」
「ん?」
……言わないと
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:24:57.70 ID:xtpvn7/z0
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:29:30.00 ID:zxppJ0Hf0
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:30:13.02 ID:FuicuX5e0
「……」
「恭子ちゃん?」
「…お、ね……ちゃ…」
「…!」
「……おねえ、ちゃん…」
「……」
「…おねえちゃん…し……しあわせに…」
「……」
「しあわせに……なってな…?」
「……」
「…うぅ…うええぇ…」
「…」
「うえええぇぇ…ううぅ……」
「…あほ」
「もう……じゅうぶん…しあわせもんや、わたし…」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:30:56.09 ID:y1zx+C6o0
しえ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:36:12.31 ID:FuicuX5e0
…………
漫「なあ…恭子ねえちゃん」
恭子「…なに?」
漫「恭子ねえちゃんも、いつかお嫁に行く…?」
恭子「…どうやろなあ」
漫「…」
恭子「いやか?」
漫「ううん…いややない」
恭子「…」
漫「でも、やっぱさみしいな」
恭子「…うん」
漫「でも…でもな」
恭子「ん?」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:37:33.48 ID:6wzCmFlq0
C
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:40:09.98 ID:FuicuX5e0
漫「そんでもきっと……きっとな…」
恭子「…」
漫「きっと、むっちゃ嬉しいとおもう」
恭子「……」
漫「な、そやない?恭子ねえちゃん」
恭子「…」
漫「恭子ねえちゃん?」
恭子「…うん」
漫「!」パァッ
恭子「そやな きっと…嬉しい」
漫「うん」
恭子「今日みたいに」
漫「…うんっ」ニコッ
――――…………
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/23(土) 22:42:08.76 ID:y1zx+C6o0
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
――教室
花子「あーもう、まーたテスト週間かよー何回やんだよテストー」
ゆみ「まあ、こればかりはどうしようもないな」
花子「テストが終わっても追試があるんだもんなー…いい加減にしてほしいよまったく」
智葉「赤点取らないように頑張ればいいんじゃないのか?」
花子「うあ……ゆみに言われるより、ナチュラルなぶん来るものがあるな…」
ゆみ「まったく…バカなことばかり言って」
花子「ちぇー、わーったよ勉強するよ」
智葉「じゃあ帰るか」
花子「おー、行こうぜ恭子ー」
恭子「…」
花子「…恭子?」
恭子「ほえ?」
花子「なにボーっとしてんの?帰ろうってば」
恭子「え……あ、いや今日は…」