1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
宥「私はあなたに恋をした」
菫「私は君に恋をした」
続きやで
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:13:35.79 ID:7jiZ3+610
年が明けて、冬休みが終わった。
3年生で大学進学が決まっていた私は大した用もないのに学校へ行って
後輩達と麻雀を打って家の手伝いをするという生活を送っていた。
家から出たくないほどの寒さは耐え難いけれど
家にじっとしているのも、なんだか億劫だった。
ずっと家にいるとあなたのことを考えてしまうからだ。
それでもふとした時、先生の話を聞いている時、玄ちゃんとの帰り道、
部屋に一人になった時、目を閉じて眠る時…
あなたは私の中にふっと現れる。
「さよなら」と言って私の前からいなくなったあなた。
奈良へ帰る見送りの場面にも、当然あなたはいなかったし
ほとんど毎日くれていたメールも、たまの電話も全て途絶えてしまった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:16:01.16 ID:gctI14d40
よっしゃ支援やんけ!
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:16:23.64 ID:7jiZ3+610
はじめは、もう会わないと言われたのだからそうなるだろう
という予想もしていたし、メールが来ないことにも着信がないことにも
そこまで動揺して寂しくなるということはなかった。
でも、今になって日増しに寂しさが募る。
日常に帰ってきて、すでに日常と化していたあなたからのメールがないと
違和感があって、その違和感はすぐに寂しさへと変わってしまう。
そう、寂しいんだ。あなたが連絡をくれなくて寂しい。
自分から連絡できなくて寂しい。声が聞けなくて寂しい。
今にして思えばウソをついてはぐらかすことも出来たのかもれない。
適当な名前を挙げてごまかせば、それであなたが納得してくれていれば
私たちは今まで通りの友人でいられたかもしれない。
ほら、こうしている間にもメールのやり取りが出来たかもしれない。
私はそれで笑顔になれたかもしれない。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:19:27.14 ID:7jiZ3+610
いや…、そんなのは楽観的過ぎる妄想みたいなものだとも思う。
私が好きな人の名前を挙げればあなたは黙って身を引いたと思う。
結局は「会うのはやめよう」と優しくそう言われたと思う。
あなたはそういう人だと思う。
…だからどちらにしても寂しいのは変わらないのかもしれないけど
それでもあのようなケンカ別れとは違っていはず。
そう思うと、後悔ばかりが浮かんでは消えていく。
こうしてあなたのことばかりを考える。
自分がフったくせに、私は何て自分勝手なんだろう。
好きな人がいると断ったくせに。
そのくせに、相手のことばかり気にしているなんて。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:22:52.61 ID:7jiZ3+610
でもそのことで、
あなたが私の中で、とても大きな存在だったと気付いた。
もう、遅いのかもしれないけど、今更なのかもしれないけれど…。
私にとって、あなたは大切な人だった。
遠くに住んでいるし頻繁に会う仲だったわけじゃないけれど
私は知らず知らずのうちにあなたに甘え、あなたに頼っていたんだ。
同時にあなたは私が甘えるといつも優しく甘やかしてくれた。
私があなたを頼ると全力でそれに応えようとしてくれた。
それを当たり前のように受け入れて、あなたがどれほど私のために
尽くしてくれていたのかを考えもしていなかった。
ほら、この…あなたが忘れていったマフラーだって…
私のために貸してくれた。あなただって寒かったのに、
なのに、私のためにあなたは…
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:24:25.10 ID:/Be0lxUb0
支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:26:50.47 ID:7jiZ3+610
あなたが私を好きだと言ってくれたときのことが浮かぶ。
私を好きでいてくれたから、
私が甘えるとあなたは優しくしてくれていたんだ。
私があなたを頼るとそれに応えようとしてくれていたんだ。
…私があなたを好きならいいのに。
そうしたら、私たちは笑顔でいられるのに。
どうして私は…私は、…
あなたを大切な人だと思っているのに、好きには、なれないんだろう。
私が「あなた」に向けるような愛情をあなたに向けられないんだろう。
あなたが言ったように、あなたと「あなた」は一体何が違うんだろう?
以前は漠然と違うものは違うんだと思っていた。
自分の中では明確な違いを感じ取っているはずだけど
それがはっきりとはわからない。
でも、今はその明確な違いが知りたい。自分の心の中を知りたい。
その理由はきっと……。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:29:11.82 ID:OkwKwNsLi
きたか
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:32:28.67 ID:7jiZ3+610
「宥ねえ、どしたの?」
「え?」
「宥さんボーっとしてましたよ?」
「え、ご、ごめんね」
ふと気がつけば、麻雀部の部室にいた。
ほら、こうして、家から出たところで
あなたのことばかりを考えている。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:35:57.55 ID:7jiZ3+610
「どうしたんだ、宥。卒業を前にブルーになってるのか?」
赤土さんが腕を組んで私を見下ろしている。
「そっかぁ、宥ねえ卒業しちゃうんだよねぇ」
卓にいた憧ちゃんが肘をついて私を見つめている。
「寂しくなっちゃうなぁ、ね、玄さん」
穏乃ちゃんが自分の隣にいる玄ちゃんに声をかける。
「うん…お姉ちゃんは家も出ちゃうし…」
玄ちゃんが下を向く。私だって寂しいよ、でも、
別れはいつかやってくるから、
だから…
それが…
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:36:25.58 ID:9IpKA+NT0
C
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:40:06.07 ID:7jiZ3+610
「…グスッ」
「ゆ、宥さん!?」
私のすぐ隣にいた灼ちゃんがびっくりして私の顔を覗き込む。
「ご、ごめん、グスン、えっと、ごめんねっ」
自分が一番驚いていた。みんながいる前で泣くなんて。
別れはいつかやってくる。それは必然。
でも、でも、あなたとは…もっとずっと先がよかった。
そんなことを、こんなときに思うなんて。
そんなことで、泣いてしまうなんて。
「お姉ちゃん、ちょっと出よう?ね?」
「う、うん」
玄ちゃんが手を握ってくれる。暖かい手が気持ちいい。
「いや、いいよ、私らが出るよ。ほら、どこの教室もここまで暖かくないからな」
「うん、宥さんはここで」
赤土さんの提案でみんなが部室を出て行く。
申し訳ないやら恥ずかしいやらで下を向いたまま顔を上げられなかった。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:40:59.90 ID:Pr/SPWR70
おお続ききとったか
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:44:51.69 ID:+LGLOkX40
宥菫支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:45:00.60 ID:7jiZ3+610
「お姉ちゃん、…弘世さんのこと?」
みんなが出て行った後、手を握ってくれたまま、玄ちゃんが言った。
「卒業のことで急に泣き出したりは…しないよね?」
「…うん」
「そっか…よかったら、聞かせて?」
「…うん」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:47:14.60 ID:OkwKwNsLi
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:48:28.12 ID:DOlgWsX60
待ってました
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:52:47.83 ID:7jiZ3+610
玄ちゃんは、私に何も言わなかった。
あんなことが会った夜も、奈良へ帰る日も、帰ってからも
玄ちゃんからは私に何も言わなかった。
照ちゃんから菫ちゃんのことを聞かされているだろうに、
私には何も言わなかった。
そんな妹の心遣いが嬉しかったし、
私はやっぱりそんな妹の優しさに甘えっぱなしだった。
でも、急に泣き出した姉に何も聞かないわけにはいかない。
だから玄ちゃんは、ようやく、話を切り出したんだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 22:57:02.62 ID:7jiZ3+610
玄ちゃんが手を握ってくれているおかげで安心したのか、
スラスラと自分の気持ちを話すことが出来た。
寂しい気持ちのこと、菫ちゃんに頼りきっていたことに気付いたこと
自分の好きな人のこと、…気持ちを、吐き出した。
でも、言い終えると玄ちゃんは
「今の話を聞いた感じだとね、お姉ちゃんは弘世さんのこと好きだよ?」
そう言った。
「え、どうして?」
「お姉ちゃんにとって、弘世さんへの比重が想像以上だったし…それに、」
「それに?」
「弘世さんが言うように、あの映像の弘世さんを好きなのは、
やっぱり結局は弘世さんのことが好きだってことじゃないのかな…」
「……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:01:04.13 ID:OkwKwNsLi
C
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:02:46.80 ID:7jiZ3+610
「照さんは、お姉ちゃんの言うことを理解できないって言ってたし、信じられないって」
「…まあ、うん」
「弘世さんもそう言ってたけど…でもどこかでウソじゃないって
信じたいっていうか…お姉ちゃんにあんなこと言ったけど、だけど
お姉ちゃんがウソをついたりする人じゃないって…わかってるから」
「菫ちゃんが…?」
「お姉ちゃんには黙ってたけど、弘世さんからいろいろ相談受けてたんだ」
「そうだったの…」
「後悔してると思う…会わないなんて言うんじゃなかったって思ってるはず」
「…だと嬉しいけど、でも、菫ちゃんを傷つけたのは事実だから…」
「傷ついているというよりは…ううん、私が言うべきじゃないか」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:06:24.82 ID:7jiZ3+610
「…玄ちゃんはどんな相談を受けていたの?」
「あーうん、お姉ちゃんに好きな人はいるとかいないとか
お姉ちゃんの好きなものとか…そういう感じだよ」
「そっかぁ…」
あなたが私に向けてくれていた愛を、妹を通じて知る。
気恥ずかしいけれど、少し嬉しいような気もした。
「…お姉ちゃんがあのDVDをいつも見ているのを知っていたから、
だからお姉ちゃんはきっと弘世さんが好きだと思ってた」
「…あぁ」
「好きだからいつも見てるんだって。二人でいるときも楽しそうに話してたし
照さんも二人はお似合いだって言ってたし…話はそう簡単じゃなかったけどさ」
「だね」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:10:16.80 ID:DOlgWsX60
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:10:27.79 ID:+0+kZzmP0
しえん
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:13:57.05 ID:/Be0lxUb0
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:19:56.88 ID:Smo1/wn70
支援
28 :
名無し:2013/01/22(火) 23:21:59.17 ID:wivrL7zB0
ハッピーエンドがいいなあ
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:27:05.00 ID:7jiZ3+610
すまぬ
ちょっと席外してた
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:28:09.90 ID:Yxix3AKP0
菫ってブスじゃん
ユウとは釣り合わないよ
誠子とかいうゴリラがお似合い
31 :
名無し:2013/01/22(火) 23:28:10.46 ID:wivrL7zB0
大丈夫やで、完結してくれればどんなペースでも
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:29:21.46 ID:7jiZ3+610
「私ね、弘世さんに言ってたの。お姉ちゃんはきっと弘世さんが好きだから、
だから気負わずに告白しちゃってくださいって、軽くね」
「そうなんだ…」
「だからすごく後悔した。あんなこと気軽に言わなきゃよかったって…
お姉ちゃんは弘世さんを傷つけたって言ったけど、
私も、私も傷つけてるのと同じなんだよ…だから、私も少し辛かった」
「そんな、玄ちゃんがそんなこと思わなくてもいいんだよ…ごめんね」
妹を引き寄せて抱きしめると、思ったとおりあったかい。
ぎゅうっと力を入れて、抱きしめてから背中を撫でた。
「玄ちゃん、ありがとうね。お姉ちゃんをそっとしておいてくれて」
「…うん」
やっぱり私は妹が大好き。大切な、妹。可愛い、妹。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:31:13.87 ID:DOlgWsX60
しえ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:31:27.08 ID:4AYaSUda0
C
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:32:36.31 ID:7d8upzOB0
C
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:33:02.89 ID:OkwKwNsLi
頑張れ宥姉
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:34:46.96 ID:7jiZ3+610
「あ、でね…私はやっぱりお姉ちゃんは弘世さんのこと好きだと思う」
「…うーん、…菫ちゃんは確かに大切な人だけど、でも」
「大切な人、ただ大切な人のことでずっと考え込んだ顔してるの?
急に泣き出したりするの?…好きだから、だから寂しくて、辛いんじゃないの?」
玄ちゃんのストレートな言葉が胸に刺さる。
…そうなのかもしれない、そういうことなのかもしれない。
こんなに寂しいのは、そういうことなのかな。
「お姉ちゃんの心の中は私にはわからないけど、・・・だけど、
お姉ちゃんが弘世さんに思っていることを聞くと、
それはもう好きなんだよってそれしか言いようがないよ?」
「…わからないよ」
「お姉ちゃん、映像の中の人はお姉ちゃんに何もしてくれないよ。
寂しいときそばにいてくれないんだよ?マフラーを貸してもくれないよ?」
「………」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:37:07.66 ID:7d8upzOB0
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:38:37.99 ID:7jiZ3+610
「それでいいの?そっちが大事だって言って、お姉ちゃんを大切にして
お姉ちゃんに尽くしてくれる人を捨てちゃうの?」
「………」
「…弘世さんは1人しかいないよ。お姉ちゃんに好きだって言ったあの人だけだよ。」
「………」
「私もあの映像は何度か見たけど、違いなんてないよ。ホント、服が違うだけだよ。
そんな理由で、そんなことで…弘世さんは…」
玄ちゃんはそこで黙ってしまって、その続きは口にしなかった。
私も何も言い返せずに、二人して黙ってしまった。
二人して黙っていたらみんなが戻ってきた。
心配をかけてごめんなさいと謝るとみんなが優しくしてくれて
私は心も身体もあったかくなった。
同時に自分が情けなくも感じて少し、胸が痛かった。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:39:14.03 ID:50fb/iWj0
支援支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:39:25.53 ID:Q6xAQU0s0
しえん
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:40:02.58 ID:Yxix3AKP0
糞スレあげんなカス
43 :
名無し:2013/01/22(火) 23:42:06.21 ID:wivrL7zB0
やっぱりこの雰囲気いいなあ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:43:30.88 ID:7jiZ3+610
そんな日の夜、私はDVDを手にして自室にいた。
「あなた」に会いたい。でも、今会っていいのかわからない。
玄ちゃんに言われたことが胸につっかえて気になる。
『弘世さんは一人しかいない』
あなたに言われたことが蘇る。
『他の誰でもない』
そう、あなたは1人しかいなくて、それは他の誰でもない。
だけど…本当にそうなんだろうか。
「あなた」はあなたと一つなんだろうか。
そう、「あなた」とあなたの違いは何?
私が違うと思ったのは何故?服だけじゃない、違いは何?
…それを探すために、このDVDを見よう。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:47:29.43 ID:7d8upzOB0
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:49:55.01 ID:7jiZ3+610
「あなた」に会うのは結構久しぶりだった。
あなたのことばかり考えていたから、そうなったんだと思う。
映像の中の「あなた」を見る。
「あなた」はいつも、何も、変わらない。
変わらずに私の目の前にいてくれる。
牌をツモるときの指先の角度まで、いつもと変わらない。
いつも同じ映像なのだから当たり前のことだけれど
でも、それでも、その変わらないという事実に安心感があった。
そして、よく目を見開いて「あなた」のことを見る。
「あなた」とあなたとの違いを探す。
着ている服が違う、髪の長さが微妙に違う、頬にニキビがある、
それから、それから……
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:54:54.14 ID:OkwKwNsLi
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:56:16.89 ID:7jiZ3+610
…
……
………
…………
……………
………………
あぁ、そういうことか。
色んなものが、私の中の色んなものが溶け出していくような
崩れだしていくような不思議な感覚があった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 23:58:13.76 ID:IscwKMnr0
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:01:22.56 ID:IexBtygn0
「あなた」は凛々しく、美しく、毅然としている。
圧倒的な力量差を見せつけ、相手を狙い撃ち、心を折っている。
私はそんな「あなた」を好きになった。恋をした。
でも、でも、あなたは…
私の目の前で一度も圧倒的な力量差を見せてはいない。
私と顔を合わせた時のあなたは凛々しさにも迷いがあり、
美しさにも焦りがあり、毅然とした態度にも翳りがあった。
そう、初めてあなたに会ったとき、準決勝の対局室。
私はあなたに会えた高揚感に溢れていた。
でも、何かが違うと気付いた。
最初はそれが何かわからなかった。
51 :
名無し:2013/01/23(水) 00:02:43.97 ID:A61pp0DL0
これレジェンドが対策打ってなかったらくっついてたんじゃね?
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:05:13.48 ID:IexBtygn0
服が違うと気付いたけれど、それ以上何が違うのかは気付けなかった。
それでも明らかに違うと気付いていた。
それが、その違和感の正体がこれなんだ。
私は強い「あなた」が好きだった。
…だから、あなたのクセを研究し尽くしてあなたの前に立ったとき、
あなたは私の知ってる圧倒的な力量を有する「あなた」とは
違って見えたんだ。
私のみなぎる自信が、そうさせたんだ。
実際対局中のあなたにも「あなた」のような余裕は一切なかったように見えた。
私は強い「あなた」が好きだった。
だから、私に勝てない、……あなたを好きにはなれなかったんだ。
私が求めているのは自分よりも強者で、弱者ではなかった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:06:23.05 ID:s5/UqSvKi
ふぅ〜む
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:06:56.82 ID:ijSQ/0L10
レジェンゴ(ボソッ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:08:27.56 ID:HeR9bgtN0
つまりレジェンドのせいか
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:10:17.53 ID:IexBtygn0
菫ちゃん、あなたは私に「何が違うんだ」って聞いたけど…
こんな答えで許してくれるのかな…それともやっぱり、
「バカにしているのか」って怒るのかな。
あなたに私の勝手な理想を押し付けようとしているのはわかってる。
あなたがそれを迷惑だと感じるかもしれないということもわかってる。
それでも、私のこの気持ちは、この答えは間違いじゃないと言える。
だから、ごめんね。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:11:11.74 ID:bjscpSUS0
でも菫さんの狙い撃ちを避けたからこそ菫さんに惚れられたわけで…
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:11:41.15 ID:s5/UqSvKi
そんなー
59 :
名無し:2013/01/23(水) 00:11:45.14 ID:A61pp0DL0
菫さんこれでさらに強くなっちゃったらどうなるんだろうか
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:12:06.13 ID:JxDRFLqH0
これ言ったら菫さん再起不能になってもおかしくないわ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:12:34.86 ID:obmEFXTj0
結局宥姉はどうしたいんだろうね
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:15:39.13 ID:TIYGP8sh0
やはりレジェンドはいらんことしかしないな
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:16:14.28 ID:JxDRFLqH0
白糸台が弱過ぎて萎えた読者と同じ目線w
64 :
名無し:2013/01/23(水) 00:17:16.56 ID:A61pp0DL0
これで原作決勝で菫さんが圧倒しちゃったらどうなるのだろうか
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:17:29.95 ID:BVX12cJ1O
二人とも随分難儀な恋に落ちたなぁ
好きになったもんは仕方ないだよ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:18:04.16 ID:IexBtygn0
つまり…私があなたを好きになるために必要なことは?
あなたが「あなた」になるために必要なことは?
それは…私に圧倒的な力量差を見せ付けること。
「あなた」のように強者でいること。
私を完膚なきまでに叩きのめして欲しい。
それが、私があなたに求めること。
私の心の中であなたが「あなた」を超えて、
あなたが1つになることを望みたい。
あなたを好きになって、あなたに触れたい。
もう、寂しいなんて思いたくない。
あなたに存分に甘えて、頼りきりたい。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:21:54.78 ID:hZ9HI7kV0
しえ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:23:28.49 ID:s5/UqSvKi
菫さんが頑張る時か
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:23:55.89 ID:IexBtygn0
玄ちゃんが言うように私はあなたのことが好きなんだ。
あなたが、弘世菫、ただ1人が。
でも、この違いのせいであなたを「あなた」に
同一化できなかったんだ。
だけど、好きだと認めてしまえば、あとは簡単だよ。
だから、だからさ、
菫ちゃんは、私のために強くなってくれる……よね?
カン
70 :
名無し:2013/01/23(水) 00:24:21.33 ID:A61pp0DL0
最後が見えない
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:25:04.18 ID:HeR9bgtN0
修行編に突入か
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:27:50.38 ID:Rx9PSbOKO
え、投げた?
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:28:13.14 ID:IexBtygn0
以上でシリーズ?完結です、支援ありがとうございました
想像以上に長くなってしまって大変でした
菫さんが宥姉ために強くなるか、要求の大きさに諦めてしまうか
考えてみたけどどちらかに絞れなかったので
ここで完結にさせてください
ではー
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:28:24.28 ID:s5/UqSvKi
乙
菫さんならやってくれる
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:28:37.60 ID:JxDRFLqH0
投げてはいないだろうけど、やはり菫さんの反応は見たいよね
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:29:25.91 ID:MJzjS6oU0
むむむ菫さんの試練は続くのか
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:29:48.37 ID:bjscpSUS0
俺の中では病みつつもハッピーエンドまっしぐらだから
乙乙
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:29:47.51 ID:8GgRAaOK0
欝エンドでもよかったんですが
照玄も下さい
79 :
名無し:2013/01/23(水) 00:29:49.17 ID:A61pp0DL0
照にスパルタしてもらおうぜ
淡と咲も混ぜて
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:33:47.68 ID:1RrKlDxL0
乙
何かすごいめんどくさい女だな
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:35:59.37 ID:MJzjS6oU0
好きな人なのに理想を求めちゃうんだねぇ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:37:04.78 ID:Rx9PSbOKO
やがて宥姉の中であなたと「あなた」が同一化することを祈って乙
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:37:41.01 ID:obmEFXTj0
出来れば続きを見てみたいが乙乙
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:38:10.22 ID:JIssP1kJ0
それでも菫さんならやってくれるはず・・・!
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:39:03.39 ID:ijSQ/0L10
続きも見たいが乙
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/23(水) 00:39:39.59 ID:BVX12cJ1O
菫さんにシャープシュートされてビビクンお姉ちゃんまで見たかった乙
87 :
名無し:
乙乙乙