続・メンヘラな女を好きになった男の半生。

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1P
昨日の続きだけど、需要ある?
最初から書いた方が良い?
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 23:46:28.08 ID:0c88RlhJP
あらすじきぼう
3 忍法帖【Lv=3,xxxP】(1+0:15) :2012/11/02(金) 23:46:42.29 ID:3wtRnV950
聞いてない
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 23:47:44.42 ID:FU7TQIrt0
クソコテもどき苦しんで死ね
5P:2012/11/02(金) 23:51:21.58 ID:By2m2Zxc0
スレ立て代行ありがとうございます。
誰か居るかな?

6P:2012/11/02(金) 23:53:57.73 ID:By2m2Zxc0
手直ししながら、最初から行きます。

僕がある女の子を知ったのは僕が地方駅弁大学の定性分析の実験の授業で
僕よりも早く、実験を終えた女の子が居た
そのときに初めて認識した

半年後、輪読の授業でたまたま同じクラスになった
一番最初の抗議の時間で輪読のメンバーが自己紹介することになった

僕は既に大学デビューに失敗して
ぼっちではなかったけれどまぁ、無難な自己紹介をしようと思っていた

ただ、その子、Nは違った。
僕がもし、高校の頃の中二病をこじらせたままの自分だったら
でも、もっと理路整然と
Nは僕が何故、今、自分は生物の分野を専攻しているのか
僕の中にあったものを抉り出すような自己紹介をした。
(自分と同じものを見ている人が居る)
そう、思わずには居られなかった。

僕は、その日からNを目で追いかける毎日になった。
接点はその輪読の授業だけだった。
7P:2012/11/02(金) 23:54:49.19 ID:By2m2Zxc0
わかっていたことは
名前と住んでいる地域、親元に住んでいること
携帯は持っていないこと
後は、メーリングリストからの大学の学生に支給されるメアドぐらいだった。

なにか、繋がりが欲しかった
メールアドレスに個人的にメールを送る勇気はなかった。

ただ、怜悧で知的な言葉遣いには憧れ
深淵を思わせるなにかに触れるたびにもっとNを知りたいと思った
自分と同じ形をしているんじゃないかとそんな甘い幻想を抱かずには居られなかった。

夏休みを挟み
会うことすらままならない日々が続いた
大学の掲示板に、僕らの取ってる輪読の授業の
夏休み明けの初めての授業が時間変更になる旨の張り紙があった。

うっしゃ!!と叫んでしまった

Nは出不精だと言っていたので
メールを送る口実が出来たことが嬉しかった

本当に、事務的な文面を真面目に考えて
かつ、仲良くなれるようなとか
考えに考えたすえ、結局、凡なメールを送る
8P:2012/11/02(金) 23:55:36.71 ID:By2m2Zxc0
普通に、教えてくれてありがとう的なメールが来る。
それから、大学行かないから掲示板にまた大切なことが書いてあったら教えて欲しいと
今考えたら、結構わがままなことを言われたが
当時は、「やった!繋がりが出来た!!」と有頂天になっていた。
毎日のように、大学の掲示板に通ったのは良い思い出。


輪読の授業も終わりそうになる。
なんか、それ以上の繋がりを持てなくて
もやもやとしていたら
運良くか、悪くか、輪読のメンバーは結構仲良くなっていて
最後にみんなで飲み会をしましょうかと教授が提案してくれた。
全員が参加したので、Nと仲良くなれるかなとかそんな妄想をしてたら。
くじ引きで隣の席になった。
あの時はマジで神様を信じそうになったわ。
9P:2012/11/02(金) 23:57:33.44 ID:By2m2Zxc0
隣の席すわり、乾杯をする。
どう切り出そう。
と、考えてたら。
「ご趣味は?」
とかお見合いみたいなことを聞いていた
そしたら
「読書」と、それこそお見合いみたいな返事が返ってきた。
なんとか、会話を繋げようと
「何読むの?僕は最近『致死量ドーリス』読んだ」
「楠本まきさんいいよね。あの世界観たまらない」
そんな返事が返ってきて一瞬、思考が止まってしまった。

まじ?共通の話題がある???

と、読んでいる本の被り具合にお互いにびっくりし
かつ、面白いと思って片方しか持っていない本
そんな本がお互いにあと知ったときに
二人の考えることも一緒だった

僕たちはとりあえず。
読書友達というか、本を貸し借りする仲になった。
10P:2012/11/02(金) 23:58:42.78 ID:By2m2Zxc0
お互いに、本の内容や感想文のやり取りをすれば
自然と相手の内面に触れるようになる
僕は、Nのその思考の深さにマジで惚れそうになっていた
いや、もう既に憧れとか尊敬とかそんな域に達していた

でも、本当の内面は別にあるのじゃないか
まだ、見えているのは片鱗で本当には隠されている感情が内面が
Nにはあるのではないかと僕は思っていた。

三ヵ月後のある日のことだ。
普通の、初めは普通の感想文だと思っていた

横のスクロールバーを見る異様に細い
ぞわりと、した
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:01:58.43 ID:K0GtGT5Y0
前スレこれかな?

メンヘラな女を好きになった男の半生。
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1351783036/
12P:2012/11/03(土) 00:02:20.91 ID:ls/Lby1L0
三行でまとめると
「世界には私しか居ないこの視点は一つだけ
他者も居るけれどその人もその一つの世界しか持たない
結局、人と人との関係なんて虚像に虚像を重ねているだけ」

そんなことが書かれていて
こんなことをPさんに話しているのは賭けなのかな
と、結ばれていた。

僕はその返事をどう書こうか本気で悩んだ
一つ間違えてしまったら
この関係はおしまい
それが文脈から読み取れた

嘘を吐くか?
否、ばれるし、ばれなかったとして意味がない。
僕はその日初めて、大学の講義をサボり
返事のメールの文面を考えた。
13P:2012/11/03(土) 00:03:14.62 ID:ls/Lby1L0
>>11 さんそうです。
僕も物凄く長文を書いた。が、まとめると

何かに心動かされた時に、誰かにの言ったことに、「あっ、それわかる」
と思ったとき。
そこに、同じ虚像を共有できる、つまり、
共有でき得る虚像を映し出すだけの実像がそこにあるとは思えないのかな?

そんなことを書いて、
追伸、僕は賭けに勝ちましたか?

と、書いて返信した。
人生で一番どきどきした
14P:2012/11/03(土) 00:04:34.36 ID:ls/Lby1L0
「なんかね、『あっ、それわかる』って思いました」
って返事がキタ。

パソコンの前で飛び上がったよ

追伸、私は賭けに勝ったのだと思います。

ってあったときには小躍りしたよ。


それから、僕らはある意味
本当の自己紹介を終えて
お互いにとっての特別になった気がした

そのときはね
15P:2012/11/03(土) 00:05:31.71 ID:ls/Lby1L0
それから、相変わらず
本の貸し借りをしたり
喫茶店でお話したり
地下の本屋めぐりをしたり

付き合うってそんな口約束をしたわけではなかったけれど
どんどん、仲良くなれていくみたいで僕は嬉しかった

ただ、本当に、凄く綺麗な女性だと
そのときから、そんなふうに認識するようになっていました。

でも、本当はそんなに可愛いわけでもないけれど
僕はその知性に惚れたのだと本気で思っていました。

告白したい
そう、思うようになりました。
16P:2012/11/03(土) 00:06:25.26 ID:ls/Lby1L0
でも、仲良くなっていくにつれて
Nの頭の良さに触れるにつれて

ある、一つのことが気になりました。

なんで、いつもこの人は目を伏せているのだろう。
僕と同じ夢を持っていて、僕よりも頭が良くて
求める真理に物凄く近い場所に居て
なんで、そこへまっすぐ目指さないのだろう

って、そんなふうにNに対して疑問を持っていました。
17P:2012/11/03(土) 00:08:54.23 ID:ls/Lby1L0
やっぱり、僕はへたれだから告白できずに居て
でも、気持ちは膨らむ一方で

二人の関係。
それが、恋人にならないかな、
そんなことを思っていた。
でも、好きだとは言えなかった。

それから、僕らはもっともっと、深い言語で
誰にも理解されない話をするようになり
そして、同じ言葉で口喧嘩をするようになりました。
むしろ、仲良くなれてるのかなと、そのときはまだ思っていました。
18P:2012/11/03(土) 00:10:36.61 ID:ls/Lby1L0
ある日のこと
いつもの喫茶店

Nは長い黒髪を一つにまとめて
首からまわして前に垂らすという
そんな髪形をしていました

Nはふと、その髪をよけて首筋を見せてくれました。
そこには一刃の傷痕がありました。

僕はその傷痕のあまりの美しさに驚いていたら

Nは「死ねなかったんだ」
と、言いました。
病室で、自分にどれだけ絶望したか
その傷痕は恥ずかしいものだと
自分を殺すことも出来ない

僕が、なにも言えずにいると

「笑い話だよ」
と、Nは微笑もせず
真顔で嗤いながら、僕に
次実行するなら、と反省点を
それこそ、嬉々としながら話しました。
19P:2012/11/03(土) 00:12:56.73 ID:ls/Lby1L0
どうしたら、伝わるのだろう。
どこか、目を伏せて歩いているN。
僕はそれがとても悲しかった
前を向いて欲しかった
僕よりもずっと賢く僕よりもずっと僕の夢に近い場所にいるその子に
欲しいものは欲しいと言える人になって欲しかった
もちろん、それは僕のワガママであることも分かっていたけれど
20P:2012/11/03(土) 00:14:22.65 ID:ls/Lby1L0
僕も、賭けに出ました。

僕はNの感情をもっと見たくなった
色んな顔を見たくなった
色んな言葉をぶつけていった
Nは笑いもしたし怒りもした
でも、どこかに壁があった
それを壊したかった

だから、僕のもう一つの夢を話をした
いつもの、長ったらしいメールで

僕は自分のことを半分だと思っていること
自分の半分はこの世界のどこかに居るんじゃないかということ
僕も友達は居るけれどずっと孤独だということ
僕はその半分を見つけることが出来るし
きっと、その半分は僕を見つけることが出来ると思う
その半分と出逢うことが出来ればきっと友達になれると思う
きっと孤独じゃなくなると、本当の願いを話した
もちろん長ったらしいメールで

追伸
これは賭け
僕は貴女が僕の半分なんじゃないかって思っています
21P:2012/11/03(土) 00:15:42.70 ID:ls/Lby1L0
返信はとても遅かった
いつもは二日以内に届いていたから
もしかしたら、これでおしまいかもしれない
とてもとても怖かった
ダイアルアップ接続のアウトルックを何度も何度もリロードしていた。

三日目、ぽーんと間抜けな新着メールが届く音が響いた。
22P:2012/11/03(土) 00:16:30.58 ID:ls/Lby1L0
私は貴方の半分ではない
貴方の願い、よく理解出来る
私の願いを言葉にするならばその言葉だと思った
昔共鳴するって言葉を使っていたね
貴方と私は同じ側だからきっと共鳴した
私は貴方を見つけることは出来ない
あなたも私を見つけることが出来ない
それはとても不幸なこと?
ううん、それは幸せなことだ
私たちは分かり合えない
でも、共鳴することが出来る

私もひとつ貴方に願い事をしていい?
貴方が前をむいて歩いてる姿が嫌だ
好きなことを好きだと言える貴方が嫌いだ
貴方は願いがかなわないといつももがいて苦しんでいる
貴方が苦しいと私も苦しい
もちろん、これは私の我侭
でも、諦めて欲しい、放り出して欲しい
そして楽になって欲しい
同じ世界を見て欲しい
ここはとても楽ちんだよ

そんなことを言う私を醜いと思う?
なら、終わりだ


そう、結ばれていた
23P:2012/11/03(土) 00:18:03.63 ID:ls/Lby1L0
なんて返事をしていいのか本当にわからなかった
お茶を濁してしまった
醜いと思ったことなどなかった
日に日に美しい人だと思うばかりだった
でも、そんな上辺の言葉ではなんの意味もなかった
だって、僕はその子を本当の意味で見つけていなかった

その子はムキになるようになった
僕に感情を見せるようになった
目の前で涙を流すようになった
感情を取り戻したかのように見えた

喧嘩もするようになった
ただ、仲良くなっていっている証拠だと
お茶を濁してしまった事実を揉み消したと思い込んでいた

でも

「私は醜い!」
「そんなことを言う私を醜いと思う?」
「こんなことを行っている私がもっと醜い」
とNの自分を卑下する言葉に僕は何も言えなかった

伝えたかった
一言。一言でよかった。

ただ、僕も少しだけ病んでしまって
大学を休みがちになっていた

そしたら、手紙が届いた
24P:2012/11/03(土) 00:18:57.09 ID:ls/Lby1L0
大学に来て欲しい
こんなことを言ってなんの意味があるかわからないけれど
私がなんでこのゼミに来たかわかる?
貴方の名前があったから
この縁は切りたくないと思ったから
せめて毎日会いたいと思ったんだよ
でも、私にそんなことを言われても嬉しくないよね



そんなことが書かれていた
嬉しかった
今思うとどこのツンデレだと思うかな
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:19:36.11 ID:9cms6Myu0
アフィの養分
26P:2012/11/03(土) 00:20:10.47 ID:ls/Lby1L0
僕たちは出逢ってから4年目になっていた。
大学には皆勤賞ペースで通った
苦手な教科を教えてもらったり
一緒に勉強したり
全てが順調に進んでいた

そう思っていたのは僕だけだった

帰省していた
会えない日は淋しかった
でも、メールもずっと続いていて
700通ぐらいになっていた
1000通いくかなと思っていた

そしたら、携帯電話が鳴った

お互いにお揃いで持った携帯電話だった
別に恋人同士じゃなかったけれど
僕は恋心を抱いていたけれど
僕はそれで十分だった
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:20:42.04 ID:WJnvmuxL0
スレタイキモすぎ
28P:2012/11/03(土) 00:21:15.79 ID:ls/Lby1L0
僕の携帯電話に着信があった。
Nの名前が表示されていた。

「私。やりたいことが見つかったの!」
その第一声に僕は喜んだ
本当に嬉しかった
その道を進めばいい
それが僕たちに距離を作ったとしても
きっとまた会えるし
メールも続けるよ

ってセリフを言った
その言葉がNを殺した

はその日にNは自刃した
有り体に言えば
もう一度頚動脈を切った

前に言っていた通りに
「前はロック付きじゃないカッターだから刃が引っ込んで
深く切れなかったんだと思う、だから助かってしまった
今度は間違えない、きちんとした刃で自分を殺す」
その言葉通りのことをNはしただけだった
一度も僕には嘘をついたことのないことを思い出した。
果たされていない約束もなかった
29P:2012/11/03(土) 00:22:38.27 ID:ls/Lby1L0
数時間後

もう一度携帯電話が鳴った
Nの携帯番号だった
掛けてきたのはお姉さんだった
初めて話をした

話は理解できた
でも理解しきれなかった
新幹線に飛び乗った

生きてて欲しいと
切に切に願った
綺麗だって一度も伝えてない
美しいって一度も伝えてない
好きだとすら一度も伝えてない
そんなことをずっとくり返し考えていた
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:22:48.84 ID:Sa+cORnI0
文章は難解なのに文意はもろストレートだな
ベットで裸になってんのにお互い目隠しする処女と童貞みたいな
31P:2012/11/03(土) 00:23:24.74 ID:ls/Lby1L0
病院についた、
Nの家は開業医だった 初めて知った
処置が良かった、一命を取り留めた
某市民病院に運び込まれた
目を覚ますのを待った

Nが目を覚ました
お姉さんと一緒だった
お姉さんがNを抱きしめた

「おねえちゃん?」その子は言った
「N君も来てくれているんだよ、ほら」と言った
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:24:11.80 ID:KITUj7ye0
ラノベ好きの中学生
33P:2012/11/03(土) 00:25:59.01 ID:ls/Lby1L0
>>30さん そういう感想ははじめてです。やっぱ文章力がないのかな。

Nは僕を見て、
首を傾げて
「誰?」って言った

僕は崩れた
なんか。もうどうでもよくなった
世界が真っ暗になった
一瞬だけふざけているのかと思ったけれど
次の一瞬でその子の目じゃないって分かった
倒れたかった
むしろ同じように自刃するか
屋上から飛び降りたかった
そんなことをおぼろげに考えて居たら

次の瞬間
お姉さんが僕を抱きとめた
「ごめん、ごめんなさい、貴方は何も悪くない
むしろ貴方の存在は妹の救いだったんだ
それだけは分かって欲しい」

次の日から待っていたのは地獄だった
34P:2012/11/03(土) 00:26:49.01 ID:ls/Lby1L0
下宿に帰ると
郵便受けに手紙があった
消印はなかった
字でNからの手紙だとすぐにわかった

《貴方は結局私を理解しなかった
私は喜んで欲しくなかった
私はやりたいことを見つけた
でも私はそれをしない
私は目を上げないし
自分のしたいことをしたいとは思わない
貴方と同じ世界ならばもう少し生きていてもいいかもしれないと
そう思っていました
最後の賭けに負けたのは私》

間違えたのは僕だった
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:26:52.10 ID:iusQqowp0
びっくりするほどつまらん
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:27:29.97 ID:5RfovH9D0
ブログでやれカス
37P:2012/11/03(土) 00:28:51.89 ID:ls/Lby1L0
僕が喜んでいなければ
僕が望んでいなければ
電話口であんな言葉を吐かなければ
嘘のない報告に喜んだ僕が殺したんだ

研究室にNが戻ってきた
僕以外のことは全部覚えていた
僕のことだけはすっぽり忘れていた

でも、二人の間には
たくさんのメールや手紙があった
だから、目の前にいるその人は
おんなじ顔で笑って
おんなじ顔でんbえb目rpもpxウェン、えt;:、ね、74

rにおwwびp2mn@:r

1週間も耐えられなかった
申し訳なさげに僕に話しかける同じ顔の人は
僕の身を案じたけれど
Nは絶対にそんなことを普通にはしなかった
Nが普通になることは望んでいたけれど
代償があまりにも大きかった

僕は院を辞めた
実家に手紙が届いた

同じ字だった
でも、僕はその手紙を燃やしてしまった
38P:2012/11/03(土) 00:29:46.73 ID:ls/Lby1L0
>>35さん あざます

それから1年間は腐ってた
実家に引きこもってた
誰にも会いたくなかった
いろんな人間が僕に会いに来た
大学の友達も高校の友達も会いに来た
唯一事情を知っている僕の中学時代方のツレだけは会いに来なかった
でも、一年経って、呼び出してきた
『卒業旅行に行くぞ』

そいつの運転する車で1週間連れ回された
少し楽しかった
39P:2012/11/03(土) 00:30:35.66 ID:ls/Lby1L0
でも、ツレは言った
「今のお前と遊んでもつまらん
俺に言えるのはこれだけ」
ぐさりと来た

僕は洗いざらい全部話した
ツレは少し考えてから言った
「お前は悪くない」

カッとなって

僕が殺したんだ
あんなにあんなに綺麗だったのに
全部全部なくしてしまった


ツレ「確かめないのか?」

確かめるのも怖かった
あの同じ顔の同じ目に見られることが怖かった
無論、絶望するだけのことは自分がよくわかっていた
40P:2012/11/03(土) 00:31:41.29 ID:ls/Lby1L0
パチンコでまとまった金が出来た
逃げるように生まれ育った街を出た
リュックに詰められるだけのものを詰めた
大学時代に住んでいた街も通り過ぎて

バイトしながら食いつないでいた
いつか死ぬ
朽ちて死のう
どう死ねばもう一度逢えるかな
そんなことをばかり考えていた
最低限の生活しかしていなかった
人との関わりも極力避けていた
人生の残りを塗りつぶすように生きていた
41P:2012/11/03(土) 00:32:40.41 ID:ls/Lby1L0
ここまでで
第一部はおしまいです。

第二部に続きますが
何か質問があれば受け付けます
42P:2012/11/03(土) 00:35:31.41 ID:ls/Lby1L0
半年が過ぎた
「気が紛れるかもしれんぞ」
と、ツレがメールを送ってきた
某SNSへの招待状だった

数個日記を書いて
放置してた

地味にキーワード登録をした
それぐらい

メッセージが届いた
目を疑った
Nの名前だった
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:36:13.65 ID:p0IZN0mH0
こっからどうやって二部いくんだよwwww
お前が元気なるか、彼女がまたバグるかの二択じゃねーか
44P:2012/11/03(土) 00:36:19.04 ID:ls/Lby1L0
僕は本名で書き込むなんてアホなことをしてはいなかったので
なんの偶然だろうとかそんなことを考えていた
おそるおそる、そのメッセージの送り主のページへのリンクへ飛んだ
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:37:22.36 ID:p0IZN0mH0
おおぅ。。始まったか
ちゃんと最後まで静かに付き合うよ。
46P:2012/11/03(土) 00:37:53.09 ID:ls/Lby1L0
>>43 僕の人生は変な方向に飛んでいきました。

別人だった
顔写真があった
ただ、生まれた日も名前も同じであの街にすら住んでいた
年齢だけが違っていた
ただ、本が好きなこと
いろんなことを考えていること
いろんなことが似ていた
ただ、ひとつだけ大きく違っていたのは
明らかにクソビッチだった
まぁ、ツレの思惑とは全く違うだろうが
ひまつぶしにはなると思ってた

ただ、その日記にはどこか、Nに似た香りがした。
47P:2012/11/03(土) 00:39:10.66 ID:ls/Lby1L0
その日記にはどこか翳りがあった
気がついているのは僕だけだった
あっけらかんと日々の恋愛譚を書いているのに
やっぱり僕はその子を重ねてメッセージの主の日記を読んでいた
まぁ、メッセージをくれた子をMessageのMとしましょうか

Mはもしかしたらおんなじように自刃するかもしれない
僕の日々は誰かの役に立つかもしれない
むしろこの子の役に立つかもしれない
と、過去を思い返すように日記を綴るようになった
その日に書いたことだけれどその日に思い出したことばかり書いた

日記というか、その日に思い出したこと
そんな変で奇妙な日記をMにわからないようにMに宛てて書いた
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:39:36.56 ID:HxckQkZl0
女優達のプライド…
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/02(金) 23:42:33.06 ID:mrQeMfZt0
立ったら書く
真夏の夜のルパン
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/02(金) 23:56:37.81 ID:mrQeMfZt0
語って どうぞ
49P:2012/11/03(土) 00:40:09.55 ID:ls/Lby1L0
いつしかMは僕の日記に惹かれるようになった
それに引っ張られるようにMも日記に自分の内面をさらけ出していった
コメントでもやり取りもし出した
メッセンジャーで話すようにもなった
メアドを手に入れた
携帯番号も交換した
少し楽しみが増えた
暇をつぶす時間が出来たと思った

ただ、それだけのことだった
そのときはまだね。
50P:2012/11/03(土) 00:41:57.27 ID:ls/Lby1L0
>>45さん がんばるよ


話をするようになって、1ヶ月が経っていた。
「もう少し仲良くなってたら、会えますか?」

Mに会いたいと言われた
正直会いたかった
むしろMがNではないと確かめたかったのもある
でも、同じ街に住む人に会いに行くには勇気が必要だった

その次の次の週に会いに行く約束をした
51P:2012/11/03(土) 00:43:24.19 ID:ls/Lby1L0
そして会った
落胆した
そう、落胆してしまった
そして、安心したんだ
良かったその人ではない別人だ

でも、そうね失礼だから
ちゃんとデートした
思い出の場所だった街で
思い出のない良い場所を探すのにも苦労した

普通にストイックにデートして
ふと、ベンチに座った
並んで座った
話をした
色んな話をした
沈黙も多かった
でも、沈黙も苦じゃなかった
初めて会った人とそんな雰囲気を味わえるとは思わなかった
もう、会うこともないだろうとか
僕は満足してた
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:44:45.69 ID:arf5TODO0
俺もメンヘラ女に引きずられて人生ダメにした性質だが、
あのクソ女と違ってNさんの思慮は深くて綺麗で、一種の純粋さがあったのだと思う
真っ直ぐすぎる人に今の世は、受け入れられない
53P:2012/11/03(土) 00:46:31.82 ID:ls/Lby1L0
>>52 そう。純粋すぎた。

そしたら、
「あー危ういな」
そんなことをMは言った

何が?と僕が聞く前にMは袖をまくった
夥しい数の傷痕があった
手首から本当にそうでない場所が無いほど
幾つ筋も幾筋もリスカがあった
リスカを見たのは初めてのことだった
そんなことを思っている場合じゃない
場合じゃない
もっと他の何か
他の何か何か言えなかったこと
言葉を出さなくちゃ

初夏の日差しの中
長袖を着てきた女の子の目を僕は直視出来なかった

でも
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:46:56.59 ID:ncS9UM4z0
10年前にvipなんてないが
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:47:50.06 ID:K4rHFpW70
頭の悪そうな人が好みそうな文章
56P:2012/11/03(土) 00:48:41.85 ID:ls/Lby1L0
「ほら、あたしこんなんだからさ」
そう言って、袖を伸ばして傷痕をしまってしまった

僕はとても時間が掛かったけれど
途中で「もしかして、引いた?」
とか。聞かれたけれど

「触れみたい」
って声に出して言った

ゆっくり、本当にガラス細工に触れるように
僕はその再びさらされた左腕に触った

「見せてって言われたことはあったけれど
触りたいって言われたのは初めてかな」
「彼氏は?」
「見ないようにしてる」

そんな短い会話を交わした
世の男は馬鹿ばかりか?と、そんなことを思った。
57P:2012/11/03(土) 00:50:54.89 ID:ls/Lby1L0
>>54 そうだね10年前はまだ「のほだめ」とかに生息してたなそういえば
>>55 サーセン

まぁ、その日はそのまま別れて
人生に何も目的もなかったら
このMをより良い方向へ導けたら
とか、そんなことを考えていた
日記はほとんど毎日書いた
毎日Mも読みに来ていた
すべての日記にコメントをくれたわけでもないけれど
時折コメントをくれたし
Mの日記も毎日読みに行っていた
生きる楽しみができた
世界は真っ暗から灰色ぐらいに回復した
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:51:38.06 ID:bp0sJKKD0
なんで毎回毎回事細かく覚えているの?
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:52:24.40 ID:arf5TODO0
せめて誤字はなんとかして貰いたいもんだなぁ
60P:2012/11/03(土) 00:52:49.73 ID:ls/Lby1L0
Mにはド本命の男が居て
でも、その男とあんまり上手くいっていなかったら
粉をかけてくる男のほとんどと遊んでいた
それ自体はまずくなかったんだけれど
突然、日記が途切れることになる

僕はNのことを思い出し。
物凄く心配をする。
僕なんかに何が出来る。
日記を書くことしか出来ない。
来ないのに?電話するか?

迷っていると
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:53:13.70 ID:hyUjQZT+0
え?おっさんがこんな文章考えてんの?
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:54:10.90 ID:kNExPCmT0
かまってちゃんは慣れ合い行けや
63P:2012/11/03(土) 00:54:31.35 ID:ls/Lby1L0
58>>記憶するぐらいしか能のない人間も居るものです
59>>すみません、勢いで書いているもので、ご理解ください。

唐突に「助けて」ってメールが来た
いそいで電話をかけた
ガン泣きしてて
話にならなかったけれど
ド本命の男といざこざがあったみたい
でも、なんとかなんとか宥めて
別に何も出来ないわけではないと
少しずつ話を聞いて
カウンセリングのように解きほぐしていった
少しずつ少しずつ慕われるようになっていった
別に男と女の関係ではなくて
普通に相談役だった
それだけ、僕も何かを求めているわけでもなかった
ただ、そうね、このMが僕の反対側の半分なんだって
本当は初めて逢った日に気がついた
でも、既に恋人が居たしMが幸せならばよい
そんなふうに考えていた
64P:2012/11/03(土) 00:55:26.67 ID:ls/Lby1L0
だから、そうね
僕はあいも変わらず
自分の想いを悟られないように
Mの生きるヒントになるような日記を書き続けた
あくまでも僕の在りし日々の出来事を
積み上げてきた罪の記憶の一端でも
きっと役に立つと思って書き続けた

初めて逢った日から3ヶ月が経った
そんな、ある日のことだ
65P:2012/11/03(土) 00:57:18.10 ID:ls/Lby1L0
>>61 おっさんですが、考えているのでなく、思い出しているのです。
>>62 そんなVipperが好きだ

Mが日記で妊娠を告知した
誰の子だろうと思ったが
まぁ、ド本命の男に間違いないみたいだった
けれど、その男は逃げてしまった
Mに言い寄っていた多くの男も逃げた
僕はMのことを好きな男はなんでもっと近くにいるのに
少なくとも何かできる立場にあったはずなのに何もしないのだろうか
疑問に思いつつ静観していた

結局、Mは周囲に押し切られる形で堕胎することになり
とても精神を病み
そのまま隣の県の山奥の精神病院に入院することになった
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 00:58:59.87 ID:HmJY2YWS0
何年前の話だよ
67P:2012/11/03(土) 01:00:21.43 ID:ls/Lby1L0
まぁ、そこでMがゆっくり療養して心身ともに回復すればと
僕はまだどこか色んなことを楽観視していた
その子とMは別人であると確かめてあったし
友人にもある程度恵まれていた

ただ、M自身は薬漬けであり
薬が切れると自責の念で喚き散らし
夜になれば内緒で手に入れたお酒で薬と一緒にバッドトリップする
そして、そのへんにいる男に手を出して遊ぶという
療養とは全然真逆のことをしていた
当時のMはまだ19歳だった
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:00:24.35 ID:oPUfcCFM0
格好つけすぎてて非常に読みにくい
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:01:07.04 ID:HLjanGm00
携帯小説wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
70P:2012/11/03(土) 01:01:14.08 ID:ls/Lby1L0
それをどうして知ることが出来たかというと
Mの入院していた精神病院には共用のパソコンがあり
そこからMは日常を日記につけていた
まるきり信じていたわけでもないけれど
ほとんどのことは真実であると僕は感じていた

それから1週間ほどしたら
メッセに入ってきた
少し文字チャットをした

お見舞いに遊びにきませんか?暇です。

ただ、精神病院なので
面会にはMの両親の了解が必要だった
まぁ、あまりの距離感の遠さに
もう少し近づいて話が出来たらとも思っていたので
うまく電話でMが口裏を合わせてくれたの
でM両親から面会の許可をもらうことが出来た
ただ、面会時間には1時間以内という制限が設けられていた
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:02:54.44 ID:BVGFAHpo0
一人暮らし?
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:02:57.57 ID:JxwlG6vYO
共依存だっけ?になりかねないんだよな
俺はメンヘラが怖くて逃げたけど
理解も同情もできねーもん
73P:2012/11/03(土) 01:03:12.07 ID:ls/Lby1L0
>>68 中二病の末期症状で治る見込みはありません。
>>69 事実なんです。

何ができるだろう
何かしたい
でも、1時間で何ができる
そんなことを自問自答した
お見舞いに行く日までに3日ぐらいしかなかった

だから、手紙を渡そうと思った
別に恋文でなんでもない
もっと直接的な宛書きな何か

そう考えていたらふと
直しようがなければ
綺麗に徹底的に一片のカケラも残さず
壊してしまえばいいのかもしれない
そんなことを考えるようになった
どうせひまつぶしの延長線だった
自分で壊したものなら
きっと治せるだろうと
そんなことを考えていた
74P:2012/11/03(土) 01:04:40.87 ID:ls/Lby1L0
>>72 共依存には憧れみたいなものを感じていたよ。

自分でも気が狂っていたと思う
後悔はしていないが
やっぱりどこかその子とMを重ねて見てて
一発で何かを直撃させたら
自分もMも変われるかもしれないと
ひょっとしたら全部うまくいかもしれない
どうせ、死んだように生きているんだ
一石を投じてみようと
これまた、推敲に推敲を重ねて書いた
お見舞いに行く日も何度も何度も書き直して
当日の朝にプリントアウトして折りたたんで
別に飾らない手書きでも無い
ただの白い紙にフォントを打ち込んだものを折りたたんで持っていった


以下、手紙の中身
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:05:03.48 ID:w3ouDcG+0
読んでないけどすごくキモいのが伝わる!
76P:2012/11/03(土) 01:06:42.33 ID:ls/Lby1L0

これはとある昔話です。


あるところに女の子が居ました。
女の子は家族が好きでした。
何よりも、家庭という言葉の意味するものが、
それがどういうことかもわからないうちから好きでした。
それ以外のことは、はっきり言ってどうでも良い女の子が居ました。

でも、家族の誰もがその女の子とは違う目で家庭、
いや、それぞれの形でそれぞれの家族を見てました。
やはり血なのでしょう、それでも家族はそれぞれ似ていました。
それは、女の子にとって希望であり、願いであり、そして、呪でもありました。

外界で起きている、つまり
家の外で起きている事象というものは、それ以前の問題であり。
どうでもいいことでした。

どんどんズレていきます。
家族の誰もが、女の子の望むような形で家族ではありませんでした。
そして、家族は女の子にそれぞれの望む役割を押し付けました。
まだ小さい女の子のは精一杯頑張りました。
自分の出来る、まだ小さい器を振り絞って。
それぞれの願いに沿うように、自分の願いに沿うように。
でも、叶わない願いは、どんどん重たくなります。
感じないように、見ないように、自分がそれに気がつかないようにするくらいに。
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:06:53.58 ID:dIkwdL/h0
共依存っていいよね
俺も憧れる
78P:2012/11/03(土) 01:07:29.90 ID:ls/Lby1L0
それでも、年月は流れました。
流れる月日は否応がなく、人に成長を促します。
女の子も成長しました。
周りが見えるようになるくらいには。
女の子は気がつきます、すべてが既に瓦解していることに。
自分以外の家族も、自分に対してするのと同じように、自分以外の家族に対するのを。
そして、自分が理由になっていることもある、家族の不和が。
それが見えるようになっていました。
女の子は発狂しそうになりました。

ただ、女の子には救いがありました。
友達が出来ていたのです。
それは、はじめて女の子の話を聞いてくれる人でした。
女の子の言葉を理解してくれる人でした。
少なくとも女の子にはそう思える人でした。
だから、壊れることは免れました。
79P:2012/11/03(土) 01:08:57.33 ID:ls/Lby1L0
>>71 当時は一人暮らしでした。その日暮らしでもありました。

いつしか、女の子はその子のことを好きになっていました。
しかし、困ったことにその子もまた、女の子だったのです。
それでも、その女の子はその思いを止めることは出来ませんでした。
そう、女の子はその友達を愛し始めてしまったのです。
その思いに気がつくころには、もう留まることは出来ないくらいに、
その思いは膨れ上がっていました。
耐えることでしか、自分の思いを伝えることを知らなかった女の子は、
その子にまっすぐ伝えることしか出来ませんでした。
その子はその女の子の思いを、普通にわかる、
普通に使われるの言葉でその女の子をやんわり遠ざけました。
でも、実はそれが女の子の初めて自分の願いを素直に形にした瞬間でもありました。
もうだめだとわかっていても、女の子の思いは止まりませんでした。

しだいに、というより慣れていない、というよりも
そういうことを考えていなかった友達は、もう、すぐにいっぱい、になります。
そして、女の子は聞くことになりました。
絶望の言葉を。
絶対に聞きたくなかった、
その辺にあるものを遠ざけるときに使うような、
はっきりとした拒絶の言葉を。

女の子は壊れました。
80P:2012/11/03(土) 01:10:13.11 ID:ls/Lby1L0
いや、まだ壊れていなかったのかもしれません。
そこから、女の子のとる行動は、まさに自衛のためのものとしかいえないのですから。

女の子は忘れようとしました。
ズレは加速し始めます。
欲しいものは欲しいといってはいけない。
好きなものを好きだといってはいけない。
自分を好きだといってくれるものを好きになろう。
自分があの時出来なかったことをしよう。
かわりかわりかわりかわりかわり。
でも、何も見えません。
闇です。
目の前にあるものがすべてになりました。
でも、自分の好きだったものを否定するものに、
女の子は激しく牙を爪を立てました。
その瞬間だけに思い出す過去への思いに。

そんな生き方に女の子は疲れてきます。
当然です。
なにも女の子は好きなことをしてきていないのですから。
今していることも、すべては目の前のことが維持されるため。
自分の今の思いが本当であるため。
忘れていることを思い出さないため。
自分が嫌いでもいい。
自分が既に崩れていることを見ないために。
そんな自分では何も叶わないこと自分の好きなことは何も出来ないことは知っていたのです。
逃げることを目的にしている人間には、逃げることも叶わないのです。
でも、そんなことをわかっていても、見ることは出来ません。
普段、日常を維持すること、それがもう女の子の全てでした。
81P:2012/11/03(土) 01:11:02.36 ID:ls/Lby1L0
そうだ、これを本当の望みにしてしまえばいいんだ。
そう思うこともなく、ただ、純然たる作業のように
自分の思いを次々に作り変えていきました。
代償行為。
これをすれば、あれが贖われる。
そんなことは考えもしません、考えたらお終いですから。
全ての物事が、上に上に浮上してきます、
そして、位相が変化します。
それより下のことを考えないように済むように。
わからない、すべてはわからない。
知らない、すべては知らなかったことに。

思い出すとこの無いように夜は嫌い、
だから眠るのも嫌。
夢を見れば悪夢だから。
思い出す自分も嫌。
だから、自分が嫌い。
目に見える赤だけが、落ち着く。
それにしても、冷静な周りに反吐が出ます。
情熱的な振りが出来るくらいに冷静な周りに反吐が出ます。
そして、何も感じないでただ純粋に情熱を持てる人にも反吐が出ます。
ただ、それが自分に向けられるとき…
結局冷静な自分に、反吐が出た。

そして、何とか女の子は生きてきました。
忘れたくないという思いが、形となって、同時に女の子を蝕みました。
捨てることも、持ち続けることも。
女の子には出来ませんでした。
いつしか、本当に、女の子は、決断というものを決して出来なくなりました。
82P:2012/11/03(土) 01:12:01.52 ID:ls/Lby1L0
物語を欲します。
幸せな結末を。
自分の頭では考えられないから。
自分で考えても無駄だから。
物語を欲します。
ハッピーエンドを。
三流でも。
でも、そこに行き着くまでに幸せを感じることは許せません。
物語を欲します。
今の自分と過去の自分は違うから。
今の自分と過去の自分は同じだから。
全ての差異を許します、でも許しません。
物語を欲します。
読み終わることが、終わりだから。
お終いはいつも、めでたしめでたしだから。


この物語を手にお見舞いに行きました。


>>66 この時点で7年前ですね
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:13:15.43 ID:arf5TODO0
>>77
俺も共依存を求めてはいる
だが手前を手前で支える力もない奴が、大切な相手の支えにはなれない
・・最初は相手が縋って来たんだけどな、俺がそいつからの負担で潰れると
手前で潰しておきながら他の男と寝て、俺の事は重いと抜かしやがった
だから止めておけ、Nさんのような純粋な人と心中出来るってならちょっとは魅力的に思えるが、
普通のメンヘラは自分本位で身勝手で、相手の気持ちを考えられない
84P:2012/11/03(土) 01:13:48.02 ID:ls/Lby1L0
2chに乗せるには想像以上に長い手紙だったな。まぁいいか。

Mに初めて出逢った日から
半年が経っていましたが
少し痩せたぐらいで
そのままのMがいました
どこか、想い描き過ぎてて
頭の中で美化し過ぎていたのが
逆に効を奏したのか
冷静に話をすることが出来ました
話は面会室でしました

手紙を渡してしまったら
読んで欲しかった


「え、あとで読むよ、それよりお話しよ♪」
と、僕からすれば予想外の展開で
その爆弾を仕舞いこむ?抱え込む?のかと少々焦りましたが
「丑三つ時に読んでくれ、で、感想を頂戴」
と、そんな当たり障りのない話をして
その日を終えました

そうね、本当にただ僕はその子の話を
想像上のMに重ねて過去にむけて
練り上げたその手紙を渡しました
反応が楽しみでした
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:14:17.58 ID:JxwlG6vYO
共依存に憧れるってねーわ
自分の生活ぶち壊したくないだろ普通
86P:2012/11/03(土) 01:15:14.67 ID:ls/Lby1L0
が。反応は薄かった
正当率は50%だったと聞きいた
でも、その日からMは
よくメッセに入るようになり
僕は仕事をあまりしていなかったので
昼に起きて、バイトに行くまでチャットをして
バイトから帰ってきたらMの病院の消灯までチャットをして
お互いに眠れぬ夜に日記を書き綴る日々を続けました
少しずつ少しずつ近づいていく予感がしました
まぁ、手紙の効果は少しはあったのかな?
とか、少々疑問は残ったけれど
僕の欲しかった結果ではないけれど
壊れないままであるなら
それはまた、良し

僕はまだそんな甘いことを考えていました。
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:16:34.12 ID:SFhJblWb0
ラノベ臭い
88P:2012/11/03(土) 01:16:59.95 ID:ls/Lby1L0
>>83 心中ってのはNと居たときには一欠けらも考えてなかったですね
>>85 世の中にはそういうふうにしか人により添えない人も居るのよ

Mが入院して1ヶ月半になろうとしたとき
Mが日常復帰への一歩として
外泊許可が出て一時帰宅することになり
が、Mは自室に隠し持っていたお酒と薬で
また、バッドトリップした状態になり
そんな状態のMとチャットをする夜が訪れました

そこで、色んな独白を僕は聞くことになりました
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:19:33.66 ID:rsD4mW780
> だから、目の前にいるその人は
> おんなじ顔で笑って
> おんなじ顔でんbえb目rpもpxウェン、えt;:、ね、74
>
> rにおwwびp2mn@:r
>
> 1週間も耐えられなかった
90P:2012/11/03(土) 01:19:37.35 ID:ls/Lby1L0
Mが言うには
みんなあたしの左腕を見て悲しい顔をするばかりだったのに
貴方は見て触って「綺麗だね」って言ってくれた
(僕は覚えてなかった、不覚)
あの瞬間、恋とかそんな生ぬるい感情じゃないものに
あたしの心は落ちたんだ
貴方が好き、貴方が好き

あの手紙の正答率は90%てか、95%以上だった
でも、それを認めたら、自分を侵されそうで怖かった。
50点って、嘘を吐いてごめん。


そんなことを言われた
そして、

僕の日記にどれだけ救われているか
何度も「前に好きだって言ってた人のことだよな」って思ってても
あたしのことを書いているんじゃないかって思ってた
あたしはその人に嫉妬している
明日になったら忘れてね
でも、貴方が好き
あたしが落ちているぐらいの感情に落ちてよ
もしさ、あたし宛に書いてたのなら、もっときちんと宛書で書いてよ
本当にあたしに分かるように日記にして欲しいな

そんなことを願われたてから
ぶつりと、Mはメッセを落としてしまった
91P:2012/11/03(土) 01:20:41.96 ID:ls/Lby1L0
次の日、ベロンベロンになってしまったMは病院に強制送還になった
そして、何も記憶していないかった

だから、僕は書こうかどうか迷いながら
でも、どんどん思いは膨らんでしまって
そうね、あと数日この気持ちが持続するなら
僕の中にある感情は本物かなと思って

文章を頭の中で紡いでいっていたら
Nの名前だったはずの名前が
大切な名前で一人を指す名前だったのに
いつの間にか、Mの名前が僕の中で生まれ
塗り変わっていることに気がついた

だから、僕は日記を書く事にしたんだ
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:22:35.68 ID:lclookiiO
スイーツ(笑)
93P:2012/11/03(土) 01:22:58.18 ID:ls/Lby1L0
(要約です)
きみが僕に、左腕を見せてくれたとき。
僕は本当は半分、気がついていた。
七部丈の袖と金色の時計の間に少し、垣間見ていた。
でも、気がつかない振りをしていた。
半分は、本当に見えていなかったんだと思う。
それでも、きみがいきなり袖を捲くり、
それを見せてくれたときに、
僕の体に異変が起きた。
僕の心に異変が起きた。
一瞬だけ、本当に完全に、理性が飛んだ。

それは、僕の見たかったものな気がしたんだ。

僕は、触れてみたいといった。
時間がかかったけれど。
理性が既に元に戻っていたから。
それでも、快く、触わる?
と言って、既に元に戻っていた袖を、きみは再び捲くった。
そこには同じ傷痕があった。
恐る恐る、でも、悟られないように、
時を置かずに、傷痕に触れた。
見た目と違っていた。
もっと、異物感があると思ってた。
それは、思った以上に柔らかく、否
そう、これは、きみだと、そう思った。
そう、これも、また、きみだと、そう思った。
その瞬間、雷光のようにずっと、
ずっと、その瞬間まで忘れていた言葉を
確信を持って思い出した。「きみを見つけた、安心して」
94P:2012/11/03(土) 01:25:38.36 ID:ls/Lby1L0
これは、本当は在りしのNに向けた手紙をモチーフにしていました。
その手紙は、喧嘩の最中だったので破り捨てられました。
だから、その手紙で届くといいなと、ある種の呪いをかけていました。

案の定というか。
Mはまったく何も覚えていなくて。
僕の宛書の日記をいきなり読むことになりました。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:26:31.91 ID:arf5TODO0
目がすべると言うか・・
最低限の底を破った文章力だな、読解出来ないのですまんが俺は降りる
96P:2012/11/03(土) 01:28:00.85 ID:ls/Lby1L0
お返事の日記が上がってきました、恐る恐るクリックしました。

そこにあった、想いを綴られたものは、
何だか自然にあたしのなかにしみこんできた。

それがあたしの欲しかった答えなのかもしれないって、
読み終わってから、気付いた。


忘れるわけが無い。
あたしの腕を、見て触って、
悲しげな顔する人ばかりだったのに、
純粋に「綺麗」だと、君は言ってくれた。
忘れられない。
あの時の、あたしの衝撃と衝動を。
でも、それが途方も無く怖かった。
近づいたら、あたしを、見透かされてしまう気がした。
近づかなくても、共鳴している気がした。
あたしと同じ形をしているって、
甘い幻想を抱かずにはいられなかった。
そう想って、違うことが後にわかるのが怖かった。

何よりも、君自体が怖かった。
ねぇ、この想いはなんだろうね?

あたしを見つけてくれた君を、
あたしも見つけてる?
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:28:56.44 ID:0Iribw2q0
7年前ってまだmixiそんな知名度なかったろ
どこだよ?
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:29:05.64 ID:JxwlG6vYO
結局のところ>>1もメンヘラですって話でしょ?
支離滅裂な部分あるし
99P:2012/11/03(土) 01:32:54.64 ID:ls/Lby1L0
かつて、破り捨てられた手紙を
読んでくれた、そして、理解し返事までくれた。
有頂天になった。
これが恋心に変化するのには全く時間を要さなかった。

でも、次に話をすることもチャットをすることも
とても、怖かった
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:33:19.30 ID:UEQe8vca0
名前間違っているところあるじゃんwwwwwwwwwww
ちゃんとやれよwwwwwwwwwwww
話作ってんのがバレちゃうwwwwwwwwww
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:34:41.13 ID:oyuAYtJN0
支援
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:36:07.28 ID:oXNMOXrh0
ガキの多い時間でやれよ
爆釣れだから
103P:2012/11/03(土) 01:38:53.68 ID:ls/Lby1L0
>>97 Greeです。あの頃は良かった。今は、、
>>98 仮面欝の病状持ちです。

前と同じようになんて話せなかった
日記を書くように話すなんて出来なかった
気がついたら口説きまくってた
なんか、チャットでお互いに口説きあう
という、変な関係になった

「でも、あたし。まだ、あの男が好き」
と、その言葉を聞く度に仕方ないとも思っていた。

ただ、そうねと、
http://www.youtube.com/watch?v=KFf3-lLvfxE
この歌を贈ってくれた

貴方に出会えたことはたぶん、こういうことだと思うって。
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:40:10.06 ID:JxwlG6vYO
つまりこの女も自殺を図るわけだな
オチ読めたし寝るわ
105P:2012/11/03(土) 01:44:13.04 ID:ls/Lby1L0
なんだか、とても満ち足りた日々だった
言葉を交わしているだけだったけれど
Mが少しずつ少しずつ回復していくのが見て取れた

いつしか
「もし、あの男に振られたらあたしを殺してくれる?」
とか、そんなことを願われるようになった

まぁ、僕もメンヘラさんなので
「最期に逢えるのはとても嬉しいよ」
とか、そんなことを考えていた。

そして、Mは退院することになる。
106P:2012/11/03(土) 01:47:42.59 ID:ls/Lby1L0
Mのそれからの日々は凄惨を極めた。
元彼のもとに行き、やっぱりまた、殴られ、縋り、
そして、親にもそれがバレ

「どこにも行けない
もう、貴方しか居ない、明日行く、殺して」

と、そんな電話が掛かってきた。
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:47:55.46 ID:vldkgcTB0
その頃はgreeのほうがもっと知名度なくね?
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 01:55:17.18 ID:lclookiiO
みんな死んだが僕は強く生きていこうと思う おわり

三年B組 氷室寒吉
109P:2012/11/03(土) 02:02:38.72 ID:ls/Lby1L0
>>107 うん、まだ、出来立てだったわ。だから出逢えたんだとも思う。

なんとか、なだめすかそうとしたけれどだめだった。

新幹線の駅の改札を出たところのガラスの手すりに寄りかかり
Mが僕待って立っているのを見かけた

その瞬間、自分の脳味噌のネジが飛んだ音を聞いた。
嬉しかった。
今まで、何度も何度も、生きることを諦めそうになった。
過去の自分たちに言ってあげたかった。
「大丈夫、この光景を見れる、生きろ」って。

Mは本当に身一つで来たみたいだった
ハンドバックしか持って居なかった
そのことをたずねると
「着替えとか重たかったから郵送した」
すぐに死にたいわけではないのだなと、少しだけ、安堵した。

僕らはどこへ行くのだろう
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 02:06:14.15 ID:EON6FGlD0
郵送・・・
111P:2012/11/03(土) 02:06:19.72 ID:ls/Lby1L0
アパートの前に着いた僕は
Mに向かって
不器用に手を取って合鍵を渡した。

Mは最初は驚いたみたいだけれど
みるみる笑顔になって
「ほんとに?そこまでなの?」と聞いてきた。

引き返すなら、ここだよ。
だ、なんて、僕はおどけた。

「ここまで来て、今更、帰れないよ」
と、Mは言った。
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 02:12:34.95 ID:PDQH6sU0O
ほお
113P:2012/11/03(土) 02:13:48.00 ID:ls/Lby1L0
部屋に入り、Mは覚えたばかりの煙草を吸っていた
冷蔵庫に寄りかかり、床にぺたりとすわり。
けだるそうに煙草を吸った。

僕は立って、煙草を吸いながら
「ここに住むには一つ条件があります」
僕はMに言った
「家賃?折半するよ、あ、光熱費もあるか。。」
「ううん、そういうことじゃなくて」
「なに?」
「生きてることを毎日、一方的にでもいい両親に伝えて
きっと物凄く心配してる、毎日一回でいいから」
Mはとても、驚いたみたいだった。
少しの間、うーんと、うなって。
「わかった、そうする」

そして僕らは狭い布団の中でただ、手を繋いだまま
そのまま泥のように眠った
114P:2012/11/03(土) 02:22:59.88 ID:ls/Lby1L0
次の日、宅配便の兄ちゃんのドアベルの音で目を覚ました
ボストンバック二つ分の荷物
確かに、女の子には持ちきれない量の荷物だった。
僕はその日はバイトが休みだったから
一緒に荷解きをして、少し街を歩いた
手を繋いで歩くことがこんなに幸せなことだと
僕は初めて知った

灰色だった街に
灰色だった世界に
色がついていくようだった

真っ暗だった僕の部屋に灯りが点ったようだった

僕はきみに対し何が出来るだろう。
そんなことばかり考えていた。

アパートの前に帰ると
僕は、開けてみてよって言った。
きみは「え、ほんと?いいの?」って嬉しそうに言った。

きみは先に僕の部屋に上がると
部屋の電気をつけるスイッチを求めて手を伸ばした
僕は、その隙を狙って抱きしめた。
115P:2012/11/03(土) 02:28:15.82 ID:ls/Lby1L0
「きみが好きだ」
僕は言った。
「ど、どうした、急に」
きみは動揺と冷静さを伴った声で言った。
くそ、届かないか。
でも、と、少し抱きしめる力を強めた。
「ごめん、少し痛い」
きみはそう言った。
僕は少し抱きしめる形を変えて
「何か出来ませんか?」
「もう、十分な事をして貰っているよ」
きみは、なおも冷静に答える。
心臓の音がお互いに重なるように聞こえた
「きみの心臓の音が聞こえる」
「あたしも聞こえる」
きみの声がとても硬質的なものに聞こえて
無理か、、と察した僕はMを解き放った。

きみはよろけるように、布団にぺたりと座り込むと
僕に笑顔を見せた。
見たことのない人の顔だった。
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 02:40:57.04 ID:arf5TODO0
・・あ?
やっぱ訳分からん
117P:2012/11/03(土) 02:41:15.35 ID:ls/Lby1L0
次の日の僕は夜勤だった。
目を覚ますと、きみはパソコンと格闘していた。
きみは大学では文藝部に所属していた
書き上げたい文章があると言っていた
それを書き終えたら、殺してとも言っていた
でも、なんかその後姿に僕は違和感を感じた。
布団の中からじっと見ていると
Mは僕の視線に気がついて
「ぶちゃいくだから、あまり見ないで」と言った。
手をください。小さく僕は告げるた
Mは僕の手を取って「どした?」を聞いた。
手を取ったら、僕はわかった。
Mは今、帰ろうとしている。
帰ろうかどうか迷っている。
それをそのまま、伝えていいかわからなかったから。
僕は質問を変えた。
「覚えてるかな」
「何を?」
「初めて本気で口説いたときのこと」
「忘れるわけがない」
「もし、僕があの時きみの提案に答えていたらどうしていた?」
「どれのこと?」
「『曖昧な関係をご所望ですか?』ってやつ」
きみは僕の手を振りほどいて
僕の方に向きなおして
全身で身振りそぶりを添えて
「きっと、たくさんのものをあげたよ。
私のそれこそ、今までの全て
でも、貴方は断った、凄いって思った。
もし、貴方が受け取ったら、たぶん大切な何かが損なわれていたと思う」
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 02:53:29.96 ID:DIYyRLkaI
文系ってこんな感じのやつ多そうだなあって思うわあ
日曜日にやれば釣れるんじゃねこういうスレ
119P:2012/11/03(土) 03:01:39.25 ID:ls/Lby1L0
きみは、もう少し眠るといって
僕は入れ替わりに、布団を出ると
安ウィスキーを取り出して仕事もあるのに
ちびりちびりと飲んでいた

Mは僕のそんな姿を見ながら
「あたし、貴方のそんなだめ人間なところ好きになったんだと思う」
そんなこと言った、どこか過去形に感じた

僕はバイトに行くことにした。
でも、違和感に引かれるように
振り返った、きみは笑顔で「いってらっしゃい」と言った。
ドアを開ける前にもう一度振り返ってしまった
きみはやっぱり完璧に作り笑顔だった

僕は、Mはきっと飲み込もうとしていると受け取って
そのまま家を出て仕事へ向かった。

仕事を終えた。
思っていたよりも、仕事が速く上がった。
なんか、乗り継ぎも良くて
部屋に戻るって言ってた時間よりも早くついてしまった
なんか、驚かせるのも悪いかなと思って時間を潰した。

ドアを開けた。
きみは居なかった。
なんか滑稽だった。
120P:2012/11/03(土) 03:04:17.89 ID:ls/Lby1L0
ドアを開けた。
きみが見えた。
きみの香りがしたから。
でもきみは居なかった。
幻が見えてしまうほどに、
きみが居ることに期待していた自分が居た。
一瞬できみが居ないとわかった。
きみが居れば、部屋は明るいだろうと思ってた、
きみは暗い部屋の光になっていたから。
きみを探した、
きみの荷物があったから、
きみがまだ居るんじゃないかって、
隠れてるだけなんじゃないかって、
そう思った。
狭い部屋の中、
きみを探した。
目を閉じそうになる。
世界が闇で満ちる。
でも、目を開いた、目を開けなくちゃだめだ。
探さないと、見つけないと。
そう思って探した。
すぐに見つけた。
香りを辿った。
こたつテーブルの上。
置手紙があった。

部屋が真っ暗になった。
121P:2012/11/03(土) 03:05:19.38 ID:ls/Lby1L0
「22:30過ぎに帰れる」
そうメールを打っていた。
仕事が思ったより速くあがった。
電車の乗り継ぎも最高だった。
早く会いたかった。
でも、何か驚かせるのも悪いなと思って、
時間を潰した。
きみにドアを開けてはじめに何を言おう、
それを考えていた。

鍵を開けた
わざと大きな音が立つように
すぐにきみに気がついてもらえるように

ドアを開けた
きみは居なかった。

何か滑稽だった。

永遠に時間を潰してればよかった。

きみの居た部屋。
凍える言葉だ。
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 03:06:12.91 ID:KReD0QUD0
びびった…
スレタイのキモさに引いて開いてみたらこれだ…(戦慄)
123P:2012/11/03(土) 03:06:14.30 ID:ls/Lby1L0
もう一度きみを探した。
きみの痕跡を探した。

きみの灰皿の上に、吸殻が乗っていた。
僕は家を出る前に、僕は確かに一度捨てたから、
少なくとも、この本数分だけきみが居たことを思った。
けだるそうに、座り込み、冷蔵庫に寄りかかり、
煙草を吸うきみが見えた。

そして、この手紙を書いていた間は、
ここに居たことに思い至った。

きみの幻を見てしまうぐらいに、
きみのことが好きだって気がついた。

手紙を声に出して読んでみようと思った。
2行も読めなかった。
叫びに変わった。
124P:2012/11/03(土) 03:10:22.04 ID:ls/Lby1L0
きみの灰皿で、最初の煙草を吸おうと思った。
一本吸って、きみの吸殻に並んだ。
こみ上げてきて少し泣いてしまった。

置手紙には
「体を求められたら帰ろうって考えていました
幸せだったよ、楽しかった。
でも、貴方も男だったんだね。
ありがとう
さようなら」
簡単に言えばそんなことが書かれていた。

きみがまたあの日々に戻ることを考えただけで
自分の半身が千切れるように痛んだ。


*********
ごめんなさい、なんか、帰省が激しいので明日また、戻ってきます。
おやすみなさい。
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 03:16:36.80 ID:p0IZN0mH0
おつかれ
ゆっくり休むんやで
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 03:17:23.67 ID:CZN1G8cl0
>>125
キモ
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 03:25:11.18 ID:krHFXWB5O
手紙とかの感覚は二人の物だからなんともいえんが、共依存とその関係性は共感できるものがあった。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 03:28:36.13 ID:HBi1LW4d0
>>127
もしもーしwwwwwwwwwwww
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 04:23:28.82 ID:RPFv4eFFO
ほしゅ
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 05:46:30.99 ID:RPFv4eFFO
ほしゅ
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 05:49:22.06 ID:dw4COUawO
え?なにこれきもい
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/03(土) 05:49:51.05 ID:QHavALeaO
久々にこういう系みたな
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
まるで自分がメンヘラじゃないみたいに