1 :
P :
自分語り系です。
立ったら書きます。
少し吐きたくなりました。
チラシの裏にでもですが
なんとなく10年以上ROMってたVipのお前らに聞いて欲しいかった
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:18:16.39 ID:hbIE51ECi
はい
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:18:42.17 ID:RjPHfxrM0
手短に頼む
聞いてやるよ
6 :
P:2012/11/02(金) 00:19:23.31 ID:By2m2Zxc0
職人さんありがとうございます!
書き始めます。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:19:33.01 ID:bOg4rF6E0
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:20:01.88 ID:HoKrwVGH0
好きなだけ吐いていけよ
9 :
忍法帖【Lv=24,xxxPT】(1+0:15) :2012/11/02(金) 00:20:53.69 ID:q4Zz+hZP0
とりあえず産業で
10 :
P:2012/11/02(金) 00:21:38.83 ID:By2m2Zxc0
僕がある女の子を知ったのは僕が地方駅弁大学の定性分析の実験の授業で
僕よりも早く、実験を終えた女の子が居た
そのときに初めて認識した
半年後、輪読の授業でたまたま同じクラスになった
一番最初の抗議の時間で輪読のメンバーが自己紹介することになった
僕は既に大学デビューに失敗して
ぼっちではなかったけれどまぁ、無難な自己紹介をしようと思っていた
ただ、その子、Nは違った。
僕がもし、高校の頃の中二病をこじらせたままの自分だったら
でも、もっと理路整然と
Nは僕が何故、今、自分は生物の分野を専攻しているのか
僕の中にあったものを抉り出すような自己紹介をした。
(自分と同じものを見ている)
そう、思わずには居られなかった。
僕は、その日からNを目で追いかける毎日になった。
接点はその輪読の授業だけだった。
11 :
P:2012/11/02(金) 00:22:47.76 ID:By2m2Zxc0
わかっていたことは
名前と住んでいる地域、親元に住んでいること
携帯は持っていないこと
後は、メーリングリストからの大学の学生に支給されるメアドぐらいだった。
なにか、繋がりが欲しかった
メールアドレスに個人的にメールを送る勇気はなかった。
ただ、怜悧で知的な言葉遣いには憧れ
深淵を思わせるなにかに触れるたびにもっとNを知りたいと思った
自分と同じ形をしているんじゃないかとそんな甘い幻想を抱かずには居られなかった。
夏休みを挟み
会うことすらままならない日々が続いた
大学の掲示板に、僕らの取ってる輪読の授業の
夏休み明けの初めての授業が時間変更になる旨の張り紙があった。
うっしゃ!!と叫んでしまった
Nは出不精だと言っていたので
メールを送る口実が出来たことが嬉しかった
本当に、事務的な文面を真面目に考えて
かつ、仲良くなれるようなとか
考えに考えたすえ、結局、凡なメールを送る
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:24:43.64 ID:FqCZloTc0
vipではageたほうがいいと思うぞ。人が集まらん。
13 :
P:2012/11/02(金) 00:26:14.81 ID:By2m2Zxc0
>>7 応援ありがとう、しこしこ書くよ。
普通に、教えてくれてありがとう的なメールが来る。
それから、大学行かないから掲示板にまた大切なことが書いてあったら教えて欲しいと
今考えたら、結構わがままなことを言われたが
当時は、「やった!繋がりが出来た!!」と有頂天になっていた。
毎日のように、大学の掲示板に通ったのは良い思い出。
輪読の授業も終わりそうになる。
なんか、それ以上の繋がりを持てなくて
もやもやとしていたら
運良くか、悪くか、輪読のメンバーは結構仲良くなっていて
最後にみんなで飲み会をしましょうかと教授が提案してくれた。
全員が参加したので、Nと仲良くなれるかなとかそんな妄想をしてたら。
くじ引きで隣の席になった。
あの時はマジで神様を信じそうになったわ。
14 :
P:2012/11/02(金) 00:33:14.78 ID:By2m2Zxc0
>>12 了解した
隣の席すわり、乾杯をする。
どう切り出そう。
と、考えてたら。
「ご趣味は?」
とかお見合いみたいなことを聞いていた
そしたら
「読書」と、それこそお見合いみたいな返事が返ってきた。
なんとか、会話を繋げようと
「何読むの?僕は最近『致死量ドーリス』読んだ」
「楠本まきさんいいよね。あの世界観たまらない」
そんな返事が返ってきて一瞬、思考が止まってしまった。
まじ?共通の話題がある???
と、読んでいる本の被り具合にお互いにびっくりし
かつ、面白いと思って片方しか持っていない本
その本、存在を二人で知ったときに
二人の考えることも一緒だった
僕たちはとりあえず。
読書友達というか、本を貸し借りする仲になった。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:33:16.63 ID:bre961xu0
>>1とりあえず頑張れ。応援してる
まとめさん黄色で
IDバグ?このスレ臭い
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:33:17.98 ID:+juqosqR0
じゃあぼっちの俺は
17 :
P:2012/11/02(金) 00:47:32.40 ID:By2m2Zxc0
お互いに、本の内容や感想文のやり取りをすれば
自然と相手の内面に触れるようになる
僕は、Nのその思考の深さにマジで惚れそうになっていた
いや、もう既に憧れとか尊敬とかそんな域に達していた
でも、本当の内面は別にあるのじゃないか
まだ、見えているのは片鱗で本当には隠されている感情が内面が
Nにはあるのではないかと僕は思っていた。
三ヵ月後のある日のことだ。
普通の、初めは普通の感想文だと思っていた
横のスクロールバーを見る異様に細い
ぞわりと、した
18 :
P:2012/11/02(金) 00:48:54.43 ID:By2m2Zxc0
三行でまとめると
「世界には私しか居ない視点は一つだけ
他者も居るけれどその人も一つの世界しか持たない
結局、人と人との関係なんて虚像に虚像を重ねているだけ」
そんなことが書かれていて
こんなことをPさんに話しているのは賭けなのかな
と、結ばれていた。
僕はその返事をどう書こうか本気で悩んだ
一つ間違えてしまったら
この関係はおしまい
それが文脈から読み取れた
嘘を吐くか?
否、ばれるし、ばれなかったとして意味がない。
僕はその日初めて、大学の講義をサボり
返事の文面を考えた。
19 :
P:2012/11/02(金) 00:52:18.34 ID:By2m2Zxc0
僕も物凄く長文を書いた。が、まとめると
何かに心動かされた時に、誰かにの言ったことに、「あっ、それわかる」
と思ったとき。
そこに、同じ虚像を共有できる、つまり、
共有でき得る虚像を映し出すだけの実像がそこにあるとは思えないのかな?
そんなことを書いて、
追伸、僕は賭けに勝ちましたか?
と、書いて返信した。
人生で一番どきどきした
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 00:54:56.31 ID:zIfu9KT40
おk
21 :
P:2012/11/02(金) 00:57:20.48 ID:By2m2Zxc0
「なんかね、『あっ、それわかる』って思いました」
って返事がキタ。
パソコンの前で飛び上がったよ
追伸、私は賭けに勝ったのだと思います。
ってあったときには小躍りしたよ。
それから、僕らはある意味
本当の自己紹介を終えて
お互いの特別になった気がした
そのときは
俺は赤で
いぇーいアフィブロ見てるー?
俺は赤で
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:00:22.87 ID:ROapX7q5O
メンヘラの臭いが最初からするじゃないですかーやだー
アフィカス
>>1さんおるかー?おるかー?
俺は赤で^^
26 :
P:2012/11/02(金) 01:01:34.92 ID:By2m2Zxc0
それから、相変わらず
本の貸し借りをしたり
喫茶店でお話したり
地下の本屋めぐりをしたり
付き合うってそんな口約束をしたわけではなかったけれど
どんどん、仲良くなれていくみたいで僕は嬉しかった
ただ、本当に、凄く綺麗な女性だと
そのときから、そんなふうに認識するようになっていました。
でも、本当はそんなに可愛いわけでもないけれど
僕はその知性に惚れたのだと本気で思っていました。
告白したい
そう、思うようになりました。
そのときは
赤でまとめられたい
そう思うようになりました
28 :
P:2012/11/02(金) 01:06:31.11 ID:By2m2Zxc0
でも、仲良くなっていくにつれて
Nの頭の良さに触れるにつれて
ある、一つのことが気になりました。
なんで、いつもこの人は目を伏せているのだろう。
僕と同じ夢を持っていて、僕よりも頭が良くて
求める真理に物凄く近い場所に居て
なんで、そこへまっすぐ目指さないのだろう
って、そんなふうに疑問を持っていました。
29 :
P:2012/11/02(金) 01:07:46.58 ID:By2m2Zxc0
やっぱり、僕はへたれだから告白できずに居て
でも、気持ちは膨らむ一方で
だから、一つ僕も賭けに出てみることにしました。
僕は夢の話をしました
自分も相当に中二病なのはわかっていたけれど
本心を書き綴ったものを送りました。
30 :
P:2012/11/02(金) 01:11:40.02 ID:By2m2Zxc0
結論から言うと、賭けには負けました。
けれど、お互いは今は違っているけれど
お互いに同じ夢を見ていることを知りました
それは、もの凄く簡単な日本語に直すと
「見つけられたい」
虚像だけの世界は寂しいから
実像のある世界を共有出来る人間が欲しかった
それが、恋人なら、なお、良かった。
でも、好きだとは言えなかった。
それから、僕らはもっともっと、深い言語で
誰にも理解されない話をするようになり
そして、同じ言葉で口喧嘩をするようになりました。
むしろ、仲良くなれてるのかなと、そのときはまだ思っていました。
31 :
P:2012/11/02(金) 01:24:03.12 ID:By2m2Zxc0
ある日のこと
いつもの喫茶店
Nは長い黒髪を一つにまとめて
首からまわして前に垂らすという
そんな髪形をしていました
Nはふと、その髪をよけて首筋を見せてくれました。
そこには一刃の傷痕がありました。
僕はその傷痕のあまりの美しさに驚いていたら
Nは「死ねなかったんだ」
と、言いました。
病室で、自分にどれだけ絶望したか
その傷痕は恥ずかしいものだと
自分を殺すことも出来ない
僕が、なにも言えずにいると
「笑い話だよ」
と、Nは微笑もせず
真顔で嗤いながら、僕に
次実行するなら、と反省点を
それこそ、嬉々としながら話しました。
32 :
忍法帖【Lv=24,xxxPT】(1+0:15) :2012/11/02(金) 01:25:16.84 ID:q4Zz+hZP0
誰か産業で
33 :
P:2012/11/02(金) 01:26:10.88 ID:By2m2Zxc0
どうしたら、伝わるのだろう。
どこか、目を伏せて歩いているN。
僕はそれがとても悲しかった
前を向いて欲しかった
僕よりもずっと賢く僕よりもずっと僕の夢に近い場所にいるその子に
欲しいものは欲しいと言える人になって欲しかった
もちろん、それは僕のワガママであることも分かっていたけれど
34 :
P:2012/11/02(金) 01:27:52.38 ID:By2m2Zxc0
僕は、もう一度賭けに出ました。
僕はNの感情をもっと見たくなった
色んな顔を見たくなった
色んな言葉をぶつけていった
Nは笑いもしたし怒りもした
でも、どこかに壁があった
それを壊したかった
だから、僕のもう一つの夢を話をした
僕は自分のことを半分だと思っていること
自分の半分はこの世界のどこかに居るんじゃないかということ
僕も友達は居るけれどずっと孤独だということ
僕はその半分を見つけることが出来るし
きっと、その半分は僕を見つけることが出来ると思う
その半分と出逢うことが出来ればきっと友達になれると思う
きっと孤独じゃなくなると、本当の願いを話した
もちろん長ったらしいメールで
追伸
これは賭け
僕は貴女が僕の半分なんじゃないかって思っています
35 :
P:2012/11/02(金) 01:29:41.06 ID:By2m2Zxc0
返信はとても遅かった
いつもは二日以内に届いていたから
もしかしたら、これでおしまいかもしれない
とてもとても怖かった
三日目、ぽーんと間抜けな新着メールが届く音が響いた。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:30:53.37 ID:rr3win2a0
パンツ脱いだほうがいい?
37 :
P:2012/11/02(金) 01:31:46.39 ID:By2m2Zxc0
私は貴方の半分ではない
貴方の願い、よく理解出来る
私の願いを言葉にするならばその言葉だと思った
昔共鳴するって言葉を使っていたね
貴方と私は同じ側だからきっと共鳴した
私は貴方を見つけることは出来ない
あなたも私を見つけることが出来ない
それはとても不幸なこと?
ううん、それは幸せなことだ
私たちは分かり合えない
でも、共鳴することが出来る
私もひとつ貴方に願い事をしていい?
貴方が前をむいて歩いてる姿が嫌だ
好きなことを好きだと言える貴方が嫌いだ
貴方は願いがかなわないといつももがいて苦しんでいる
貴方が苦しいと私も苦しい
もちろん、これは私の我侭
でも、諦めて欲しい、放り出して欲しい
そして楽になって欲しい
同じ世界を見て欲しい
ここはとても楽ちんだよ
そんなことを言う私を醜いと思う?
なら、終わりだ
そう、結ばれていた
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:34:20.38 ID:1uhIpbe+O
リアルでそんなこと言わないだろ
まんげ食いたいぜファッキューレベル
39 :
P:2012/11/02(金) 01:36:51.99 ID:By2m2Zxc0
なんて返事をしていいのか本当にわからなかった
お茶を濁してしまった
醜いと思ったことなどなかった
日に日に美しい人だと思うばかりだった
でも、そんな上辺の言葉ではなんの意味もなかった
だって、僕はその子を本当の意味で見つけていなかった
その子はムキになるようになった
僕に感情を見せるようになった
目の前で涙を流すようになった
感情を取り戻したかのように見えた
喧嘩もするようになった
ただ、仲良くなっていっている証拠だと
お茶を濁してしまった事実を揉み消したと思い込んでいた
でも
「私は醜い!」
「そんなことを言う私を醜いと思う?」
「こんなことを行っている私がもっと醜い」
と自分を卑下する言葉に僕は何も言えなかった
伝えたかった
一言。一言でよかった。
でも、僕も少しだけ病んでしまって
大学を休みがちになっていた
そしたら、手紙が届いた
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:37:16.16 ID:hIIVzvZW0
いろいろと痛々しいな
この前ズリダチとタイマン勝負したことを書くぜ。
互いに六尺姿でまずは威嚇、腕組みヤニ咥えガン飛ばし、大股で筋肉と勃起誇張して、野郎比べだ。
雄臭ぇポーズで挑発しあう。腰突き出し勃起を振り回し、オラオラ節で興奮に火が付く。
やわらオイルをタップリ仕込んで、いよいよズリ戦開始だ。
胴ズリ、逆ズリ、雁ズリ、玉ズリ、上ズリ、下ズリ。
野郎うなぎ責め、腰砕けの手マンコ、野郎泣かせの亀頭責め。
片手技と両手技の競り合いで、雄の粋と艶を比べ合う。
ズリ見せ根性丸出しでな。
一息入れる時にゃ、奴の胸板めがけて、勃起ションベン。
ビシバシ痛ぇくらいに、照射すりゃ、雄の征服感が全身を快感となって駆け回る。
さらにオイルを仕込んで2R。
今度は俺のズリビデオ見せながらのダブルズリ攻撃さ。
ラッシュ飛ばして、ド淫乱野郎に変獣し、チンポ・センズリ・押忍の連呼。
俺達はまさに、チンポ、ズリ、男意気を激しく比べ合う戦闘士だ。
寸止めのエロい表情も相手を落とす神技、何度も食らう度に金玉の引きつる痛みさえ新たな快感に変わる。
その時、ほんの少しの気の緩みで奴は快感のコントロールを失い射精の痙攣に突入。
2回に渡るファイトはいずれも俺の勝利、最後は奴のチンポめがけて、
野郎征服の快感に酔いながら勝利の照射!
3時間勝負は俺達ズリ舎弟の絆を更に固めたぜ!
42 :
P:2012/11/02(金) 01:39:24.08 ID:By2m2Zxc0
>>38 フェイクもあるけれど、現実に起きたことです。
大学に来て欲しい
こんなことを言ってなんの意味があるかわからないけれど
私がなんでこのゼミに来たかわかる?
貴方の名前があったから
この縁は切りたくないと思ったから
せめて毎日会いたいと思ったんだよ
でも、私にそんなことを言われても嬉しくないよね
そんなことが書かれていた
嬉しかった
今思うとどこのツンデレだと思うかな
43 :
P:2012/11/02(金) 01:40:28.62 ID:By2m2Zxc0
僕たちは出逢ってから4年目になっていた。
大学には皆勤賞ペースで通った
苦手な教科を教えてもらったり
一緒に勉強したり
全てが順調に進んでいた
そう思っていたのは僕だけだった
規制していた
会えない日は淋しかった
でも、メールもずっと続いていて
700通ぐらいになっていた
1000通いくかなと思っていた
そしたら、携帯電話が鳴った
お互いにお揃いで持った携帯電話だった
別に恋人同士じゃなかったけれど
僕は恋ご心を抱いていたけれど
僕はそれで十分だった
エロ描写ある?
45 :
P:2012/11/02(金) 01:45:07.00 ID:By2m2Zxc0
僕の携帯電話に着信があった。
Nの名前が表示されていた。
「私。やりたいことが見つかったの!」
その第一声に僕は喜んだ
本当に嬉しかった
その道を進めばいい
それが僕たちに距離を作ったとしても
きっとまた会えるし
メールも続けるよ
ってセリフを言った
その言葉がNを殺した
はその日にNは自刃した
有り体に言えば
もう一度頚動脈を切った
前に言っていた通りに
「前はロック付きじゃないカッターだから刃が引っ込んで
深く切れなかったんだと思う、だから助かってしまった
今度は間違えない、きちんとした刃で自分を殺す」
その言葉通りのことをNはしただけだった
一度も僕には嘘をついたことのないことを思い出した。
果たされていない約束もなかった
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:45:10.45 ID:KQoSBS3n0
この展開だと無いね
携帯が終わりを知らせるだけ
47 :
P:2012/11/02(金) 01:46:46.81 ID:By2m2Zxc0
携帯電話が鳴った
Nの携帯番号だった
掛けてきたのはお姉さんだった
初めて話をした
話は理解できた
でも理解しきれなかった
新幹線に飛び乗った
生きてて欲しいと
切に切に願った
綺麗だって一度も伝えてない
美しいって一度も伝えてない
好きだとすら一度も伝えてない
そんなことをずっとくり返し考えていた
48 :
P:2012/11/02(金) 01:50:26.17 ID:By2m2Zxc0
病院についた、
Nの家は開業医だった 初めて知った
処置が良かった、一命を取り留めた
某市民病院に運び込まれた
目を覚ますのを待った
Nが目を覚ました
お姉さんと一緒だった
お姉さんがNを抱きしめた
「おねえちゃん?」その子は言った
「N君も来てくれているんだよ、ほら」と言った
49 :
P:2012/11/02(金) 01:51:47.05 ID:By2m2Zxc0
Nは僕を見て、
首を傾げて
「誰?」って言った
僕は崩れた
なんか。もうどうでもよくなった
世界が真っ暗になった
一瞬だけふざけているのかと思ったけれど
次の一瞬でその子の目じゃないって分かった
倒れたかった
むしろ同じように自刃するか
屋上から飛び降りたかった
そんなことをおぼろげに考えて居たら
次の瞬間
お姉さんが僕を抱きとめた
「ごめん、ごめんなさい、貴方は何も悪くない
むしろ貴方の存在は妹の救いだったんだ
それだけは分かって欲しい」
次の日から待っていたのは地獄だった
50 :
P:2012/11/02(金) 01:53:19.73 ID:By2m2Zxc0
下宿に帰ると
郵便受けに手紙があった
消印はなかった
字でNからの手紙だとすぐにわかった
《貴方は結局私を理解しなかった
私は喜んで欲しくなかった
私はやりたいことを見つけた
でも私はそれをしない
私は目を上げないし
自分のしたいことをしたいとは思わない
貴方と同じ世界ならばもう少し生きていてもいいかもしれないと
そう思っていました
最後の賭けに負けたのは私》
間違えたのは僕だった
メンヘラってゆーか、その娘は分裂症だね
分裂症の相手は無理だわ
52 :
P:2012/11/02(金) 01:55:17.63 ID:By2m2Zxc0
僕が喜んでいなければ
僕が望んでいなければ
電話口であんな言葉を吐かなければ
嘘のない報告に喜んだ僕が殺したんだ
研究室にNが戻ってきた
僕以外のことは全部覚えていた
僕のことだけはすっぽり忘れていた
でも、二人の間には
たくさんのメールや手紙があった
だから、目の前にいるその人は
おんなじ顔で笑って
おんなじ顔でんbえb目rpもpxウェン、えt;:、ね、74
rにおwwびp2mn@:r
1週間も耐えられなかった
申し訳なさげに僕に話しかける同じ顔の人は
僕の身を案じたけれど
Nは絶対にそんなことを普通にはしなかった
Nが普通になることは望んでいたけれど
代償があまりにも大きかった
僕は院を辞めた
実家に手紙が届いた
同じ字だった
でも、僕はその手紙を燃やしてしまった
53 :
P:2012/11/02(金) 01:56:14.51 ID:By2m2Zxc0
それから1年間は腐ってた
実家に引きこもってた
誰にも会いたくなかった
いろんな人間が僕に会いに来た
大学の友達も高校の友達も会いに来た
唯一事情を知っている僕の中学時代方のツレだけは会いに来なかった
でも、一年経って、呼び出してきた
『卒業旅行に行くぞ』
そいつの運転する車で1週間連れ回された
少し楽しかった
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 01:56:32.83 ID:eJ3oNCYi0
55 :
P:2012/11/02(金) 01:57:21.40 ID:By2m2Zxc0
でも、ツレは言った
「今のお前と遊んでもつまらん
俺に言えるのはこれだけ」
ぐさりと来た
僕は洗いざらい全部話した
ツレは少し考えてから言った
「お前は悪くない」
カッとなって
僕が殺したんだ
あんなにあんなに綺麗だったのに
全部全部なくしてしまった
ツレ「確かめないのか?」
確かめるのも怖かった
あの同じ顔の同じ目に見られることが怖かった
無論、絶望するだけのことは自分がよくわかっていた
この前から、電話してくれてるおっさん連中、申し訳ないが昼はNG、
それから日曜日はまったく電話に出ることが出来ない。
電話でせんずり掻きながらよがり声をあげる声を聞きたいぜ。
平日の午後10時〜午後11時30分ならOKだぜ。
それ以外は絶対に出ないから、その時間にせんずりしながら電話してくれ、
又その時間以外はドライブモードにしてあるのでまったくでないぜ。
夜10時過ぎに電話で変態的な話をしながらせんずり掻こうぜ。
わしは163*90 53歳の変態土方親父や。090-????-????
いきなりちんぽの連呼でも良いぜ。声を上げないやつはNGだ。
思い切り変態の声を上げれる奴だけ連絡してくれ。ちんぽがいきり立つ話をしようぜ。
57 :
P:2012/11/02(金) 01:58:28.54 ID:By2m2Zxc0
逃げるように生まれ育った街を出た
リュックに詰められるだけのものを詰めた
大学時代に住んでいた街も通り過ぎて
バイトしながら食いつないでいた
いつか死ぬ
くちて死のう
どう死ねばもう一度逢えるかな
そんなことをばかり考えていた
最低限の生活しかしていなかった
人との関わりも極力避けていた
人生の残りを塗りつぶすように生きていた
58 :
P:2012/11/02(金) 02:00:13.71 ID:By2m2Zxc0
ここまでで
第一部はおしまいです。
第二部に続きますが
何か質問があれば受け付けます
59 :
P:2012/11/02(金) 02:05:40.27 ID:By2m2Zxc0
半年が過ぎた
「気が紛れるかもしれんぞ」
と、ツレがメールを送ってきた
某SNSへの招待状だった
数個日記を書いて
放置してた
地味にキーワード登録をした
それぐらい
メッセージが届いた
目を疑った
その子の名前だった
60 :
P:2012/11/02(金) 02:07:01.33 ID:By2m2Zxc0
僕は本名で書き込むなんてアホなことをしてはいなかったので
なんの偶然だろうとかそんなことを考えていた
おそるおそる、そのメッセージの送り主のページへのリンクへ飛んだ
61 :
P:2012/11/02(金) 02:09:17.09 ID:By2m2Zxc0
別人だった
顔写真があった
ただ、生まれた日も名前も同じであの街にすら住んでいた
年齢だけが違っていた
ただ、本が好きなこと
いろんなことを考えていること
いろんなことが似ていた
ただ、ひとつだけ大きく違っていたのは
明らかにクソビッチだった
まぁ、ツレの思惑とは全く違うだろうが
ひまつぶしにはなると思ってた
ただ、その日記にはどこか、Nに似た香りがした。
62 :
P:2012/11/02(金) 02:11:09.12 ID:By2m2Zxc0
その日記にはどこか翳りがあった
気がついているのは僕だけだった
あっけらかんと日々の恋愛譚を書いているのに
やっぱり僕はその子を重ねてメッセージの主の日記を読んでいた
まぁ、メッセージをくれた子をMessageのMとしましょうか
Mはもしかしたらおんなじように自刃するかもしれない
僕の日々は誰かの役に立つかもしれない
むしろこの子の役に立つかもしれない
と、過去を思い返すように日記を綴るようになった
その日に書いたことだけれどその日に思い出したことばかり書いた
そんな変で奇妙な日記をMにわからないようにMに宛てて書いた
お前が厨二じゃねーか
64 :
P:2012/11/02(金) 02:13:22.37 ID:By2m2Zxc0
いつしかMは僕の日記に惹かれるようになった
それに引っ張られるようにMも自分の内面をさらけ出していった
コメントでもやり取りもし出した
メッセンジャーで話すようにもなった
メアドを手に入れた
携帯番号も交換した
少し楽しみが増えた
暇をつぶす時間が出来たと思った
ただ、それだけのことだった
65 :
P:2012/11/02(金) 02:14:22.16 ID:By2m2Zxc0
>>63 はい、自覚しております。
「もう少し仲良くなってたら、会えますか?」
Mに会いたいと言われた
正直会いたかった
むしろその子ではないと確かめたかったのもある
でも、同じ街に住む人に会いに行くには勇気が必要だった
その次の次の週に会いに行く約束をした
66 :
P:2012/11/02(金) 02:15:39.95 ID:By2m2Zxc0
そして会った
落胆した
そう、落胆してしまった
そして、安心したんだ
良かったその人ではない別人だ
でも、そうね失礼だから
ちゃんとデートした
思い出の場所でない場所で
良い場所を探すのにも苦労した
普通にストイックにデートして
ふと、ベンチに座った
並んで座った
話をした
色んな話をした
沈黙も多かった
でも、沈黙も苦じゃなかった
初めて会った人とそんな雰囲気を味わえるとは思わなかった
もう、会うこともないだろうとか
僕は満足してた
このパターンだと二人目はこの彼が殺してるって感じか
一人目に影響されて一人目の贖罪のつもりで二人目を確実に
殺すとゆーのも確かに代償行為として面白いな
68 :
P:2012/11/02(金) 02:18:52.58 ID:By2m2Zxc0
そしたら、
「あー危ういな」
そんなことをMは言った
何が?と僕が聞く前にMは袖をまくった
夥しい数の傷痕があった
手首から本当にそうでない場所が無いほど
幾つ筋も幾筋もリスカがあった
リスカを見たのは初めてのことだった
そんなことを思っている場合じゃない
場合じゃない
もっと他の何か
他の何か何か言えなかったこと
言葉を出さなくちゃ
初夏の日差しの中
長袖を着てきた女の子の目を僕は直視出来なかった
でも
69 :
P:2012/11/02(金) 02:20:47.10 ID:By2m2Zxc0
「ほら、あたしこんなんだからさ」
そう言って、袖を伸ばして傷痕をしまってしまった
僕はとても時間が掛かったけれど
途中で「もしかして、引いた?」
とか。聞かれたけれど
「触れみたい」
って声に出して言った
ゆっくり、本当にガラス細工に触れるように
僕はその再びさらされた左腕に触った
「見せてって言われたことはあったけれど
触りたいって言われたのは初めてかな」
「彼氏は?」
「見ないようにしてる」
そんな短い会話を交わした
70 :
P:2012/11/02(金) 02:22:05.21 ID:By2m2Zxc0
まぁ、その日はそのまま別れて
人生に何も目的もなかったら
このMをより良い方向へ導けたら
とか、そんなことを考えていた
日記はほとんど毎日書いた
毎日Mも読みに来ていた
すべての日記にコメントをくれたわけでもないけれど
時折コメントをくれたし
Mの日記も毎日読みに行っていた
生きる楽しみができた
世界は真っ暗から灰色ぐらいに回復した
71 :
P:2012/11/02(金) 02:23:06.84 ID:By2m2Zxc0
Mのスペック
■普通に可愛い
■メンヘラ
■娼婦
■おしゃれさん
■その子といろいろかぶるけれど別人
■トランジスタグラマー
■IQは高いが基本バカだ
■彼氏からDV
■両親からDV
■自分のしたことで唯一の親友と決別した過去
■多重人格性障害者
■自傷癖持ち
■劣等感の塊
■六つ下
もっといろいろあるけれどのちのち
72 :
P:2012/11/02(金) 02:24:15.37 ID:By2m2Zxc0
Mにはド本命の男が居て
でも、その男とあんまり上手くいっていなかったら
粉をかけてくる男のほとんどと遊んでいた
それ自体はまずくなかったんだけれど
突然、日記が途切れることになる
73 :
P:2012/11/02(金) 02:25:35.30 ID:By2m2Zxc0
不安になったけれど
距離もあったしあんまり気にしないことにしてた
唐突に「助けて」ってメールが来た
いそいで電話をかけた
ガン泣きしてて
話にならなかったけれど
ド本命の男といざこざがあったみたい
でも、なんとかなんとか宥めて
別に何も出来ないわけではないと
少しずつ話を聞いて
カウンセリングのように解きほぐしていった
少しずつ少しずつ慕われるようになっていった
別に男と女の関係ではなくて
普通に相談役だった
それだけ、僕も何かを求めているわけでもなかった
ただ、そうね、このMが僕の反対側の半分なんだって
本当は初めて逢った日に気がついた
でも、既に恋人が居たしMが幸せならばよい
そんなふうに考えていた
74 :
P:2012/11/02(金) 02:26:51.50 ID:By2m2Zxc0
だから、そうね
僕はあいも変わらず
自分の想いを悟られないように
Mの生きるヒントになるような日記を書き続けた
あくまでも僕の在りし日々の出来事を
積み上げてきた罪の記憶の一端でも
きっと役に立つと思って書き続けた
初めて逢った日から3ヶ月が経った
そんな、ある日のことだ
75 :
P:2012/11/02(金) 02:28:11.39 ID:By2m2Zxc0
Mが日記で妊娠を告知した
誰の子だろうと思ったが
まぁ、ド本命の男に間違いないみたいだった
けれど、その男は逃げてしまった
Mに言い寄っていた多くの男も逃げた
僕はMのことを好きな男はなんでもっと近くにいるのに
少なくとも何かできる立場にあったはずなのに何もしないのだろうか
疑問に思いつつ静観していた
結局、Mは周囲に押し切られる形で堕胎することになり
とても精神を病み
そのまま隣の県の山奥の精神病院に入院することになった
76 :
P:2012/11/02(金) 02:29:00.12 ID:By2m2Zxc0
まぁ、そこでMがゆっくり療養して心身ともに回復すればと
僕はまだどこか色んなことを楽観視していた
その子とMは別人であると確かめてあったし
友人にもある程度恵まれていた
ただ、M自身は薬漬けであり
薬が切れると自責の念で喚き散らし
夜になれば内緒で手に入れたお酒で薬と一緒にバッドトリップする
そして、そのへんにいる男に手を出して遊ぶという
療養とは全然真逆のことをしていた
当時のMはまだ19歳だった
77 :
P:2012/11/02(金) 02:29:47.54 ID:By2m2Zxc0
それをどうして知ることが出来たかというと
Mの入院していた精神病院には教養のパソコンがあり
そこからMは日常を日記につけていた
まるきり信じていたわけでもないけれど
ほとんどのことは真実であると僕は感じていた
それから1週間ほどしたら
メッセに入ってきた
少し文字チャットをした
お見舞いに遊びにきませんか?暇です。
ただ、精神病院なので
面会にはMの両親の了解が必要だった
まぁ、あまりの距離感の遠さに
もう少し近づいて話が出来たらとも思っていたので
うまく電話でMが口裏を合わせてくれたの
でM両親から面会の許可をもらうことが出来た
ただ、面会時間には1時間以内という制限が設けられていた
78 :
P:2012/11/02(金) 02:30:44.58 ID:By2m2Zxc0
何ができるだろう
何かしたい
でも、1時間で何ができる
そんなことを自問自答した
お見舞いに行く日までに3日ぐらいしかなかった
だから、手紙を渡そうと思った
別に恋文でなんでもない
もっと直接的な宛書きな何か
そう考えていたらふと
直しようがなければ
綺麗に徹底的に一片のカケラも残さず
壊してしまえばいいのかもしれない
そんなことを考えるようになった
どうせひまつぶしの延長線だった
自分で壊したものなら
きっと治せるだろうと
そんなことを考えていた
79 :
P:2012/11/02(金) 02:32:26.38 ID:By2m2Zxc0
自分でも気が狂っていたと思う
後悔はしていないが
やっぱりどこかその子とMを重ねて見てて
一発で何かを直撃させたら
自分もMも変われるかもしれないと
ひょっとしたら全部うまくいかもしれない
どうせ、死んだように生きているんだ
一石を投じてみようと
これまた、推敲に推敲を重ねて書いた
お見舞いに行く日も何度も何度も書き直して
当日の朝にプリントアウトして折りたたんで
別に飾らない手書きでも無い
ただの白い紙にフォントを打ち込んだものを折りたたんで持っていった
以下、手紙の中身
81 :
P:2012/11/02(金) 02:34:18.10 ID:By2m2Zxc0
『これはとある昔話です。
あるところに女の子が居ました。
女の子は家族が好きでした。
何よりも、家庭という言葉の意味するものが、
それがどういうことかもわからないうちから好きでした。
それ以外のことは、はっきり言ってどうでも良い女の子が居ました。
でも、家族の誰もがその女の子とは違う目で家庭、
いや、それぞれの形でそれぞれの家族を見てました。
やはり血なのでしょう、それでも家族はそれぞれ似ていました。
それは、女の子にとって希望であり、願いであり、そして、呪でもありました。
外界で起きている、つまり
家の外で起きている事象というものは、それ以前の問題であり。
どうでもいいことでした。
どんどんズレていきます。
家族の誰もが、女の子の望むような形で家族ではありませんでした。
そして、家族は女の子にそれぞれの望む役割を押し付けました。
まだ小さい女の子のは精一杯頑張りました。
自分の出来る、まだ小さい器を振り絞って。
それぞれの願いに沿うように、自分の願いに沿うように。
でも、叶わない願いは、どんどん重たくなります。
感じないように、見ないように、自分がそれに気がつかないようにするくらいに。
82 :
P:2012/11/02(金) 02:35:11.34 ID:By2m2Zxc0
それでも、年月は流れました。
流れる月日は否応がなく、人に成長を促します。
女の子も成長しました。
周りが見えるようになるくらいには。
女の子は気がつきます、すべてが既に瓦解していることに。
自分以外の家族も、自分に対してするのと同じように、自分以外の家族に対するのを。
そして、自分が理由になっていることもある、家族の不和が。
それが見えるようになっていました。
女の子は発狂しそうになりました。
ただ、女の子には救いがありました。
友達が出来ていたのです。
それは、はじめて女の子の話を聞いてくれる人でした。
女の子の言葉を理解してくれる人でした。
少なくとも女の子にはそう思える人でした。
だから、壊れることは免れました。
83 :
P:2012/11/02(金) 02:36:19.68 ID:By2m2Zxc0
いつしか、女の子はその子のことを好きになっていました。
しかし、困ったことにその子もまた、女の子だったのです。
それでも、その女の子はその思いを止めることは出来ませんでした。
そう、女の子はその友達を愛し始めてしまったのです。
その思いに気がつくころには、もう留まることは出来ないくらいに、
その思いは膨れ上がっていました。
耐えることでしか、自分の思いを伝えることを知らなかった女の子は、
その子にまっすぐ伝えることしか出来ませんでした。
その子はその女の子の思いを、普通にわかる、
普通に使われるの言葉でその女の子をやんわり遠ざけました。
でも、実はそれが女の子の初めて自分の願いを素直に形にした瞬間でもありました。
もうだめだとわかっていても、女の子の思いは止まりませんでした。
しだいに、というより慣れていない、というよりも
そういうことを考えていなかった友達は、もう、すぐにいっぱい、になります。
そして、女の子は聞くことになりました。
絶望の言葉を。
絶対に聞きたくなかった、
その辺にあるものを遠ざけるときに使うような、
はっきりとした拒絶の言葉を。
女の子は壊れました。
84 :
P:2012/11/02(金) 02:37:37.91 ID:By2m2Zxc0
いや、まだ壊れていなかったのかもしれません。
そこから、女の子のとる行動は、まさに自衛のためのものとしかいえないのですから。
女の子は忘れようとしました。
ズレは加速し始めます。
欲しいものは欲しいといってはいけない。
好きなものを好きだといってはいけない。
自分を好きだといってくれるものを好きになろう。
自分があの時出来なかったことをしよう。
かわりかわりかわりかわりかわり。
でも、何も見えません。
闇です。
目の前にあるものがすべてになりました。
でも、自分の好きだったものを否定するものに、
女の子は激しく牙を爪を立てました。
その瞬間だけに思い出す過去への思いに。
そんな生き方に女の子は疲れてきます。
当然です。
なにも女の子は好きなことをしてきていないのですから。
今していることも、すべては目の前のことが維持されるため。
自分の今の思いが本当であるため。
忘れていることを思い出さないため。
自分が嫌いでもいい。
自分が既に崩れていることを見ないために。
そんな自分では何も叶わないこと自分の好きなことは何も出来ないことは知っていたのです。
逃げることを目的にしている人間には、逃げることも叶わないのです。
でも、そんなことをわかっていても、見ることは出来ません。
普段、日常を維持すること、それがもう女の子の全てでした。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:38:03.30 ID:00uApMm40
スレタイ無視パターン?
86 :
P:2012/11/02(金) 02:38:48.70 ID:By2m2Zxc0
そうだ、これを本当の望みにしてしまえばいいんだ。
そう思うこともなく、ただ、純然たる作業のように
自分の思いを次々に作り変えていきました。
代償行為。
これをすれば、あれが贖われる。
そんなことは考えもしません、考えたらお終いですから。
全ての物事が、上に上に浮上してきます、
そして、位相が変化します。
それより下のことを考えないように済むように。
わからない、すべてはわからない。
知らない、すべては知らなかったことに。
思い出すとこの無いように夜は嫌い、
だから眠るのも嫌。
夢を見れば悪夢だから。
思い出す自分も嫌。
だから、自分が嫌い。
目に見える赤だけが、落ち着く。
それにしても、冷静な周りに反吐が出ます。
情熱的な振りが出来るくらいに冷静な周りに反吐が出ます。
そして、何も感じないでただ純粋に情熱を持てる人にも反吐が出ます。
ただ、それが自分に向けられるとき…
結局冷静な自分に、反吐が出た。
そして、何とか女の子は生きてきました。
忘れたくないという思いが、形となって、同時に女の子を蝕みました。
捨てることも、持ち続けることも。
女の子には出来ませんでした。
いつしか、本当に、女の子は、決断というものを決して出来なくなりました。
87 :
P:2012/11/02(金) 02:40:07.07 ID:By2m2Zxc0
物語を欲します。
幸せな結末を。
自分の頭では考えられないから。
自分で考えても無駄だから。
物語を欲します。
ハッピーエンドを。
三流でも。
でも、そこに行き着くまでに幸せを感じることは許せません。
物語を欲します。
今の自分と過去の自分は違うから。
今の自分と過去の自分は同じだから。
全ての差異を許します、でも許しません。
物語を欲します。
読み終わることが、終わりだから。
お終いはいつも、めでたしめでたしだから。
』
この物語を手にお見舞いに行きました。
>>80 いえ、僕は男です。
88 :
P:2012/11/02(金) 02:41:52.33 ID:By2m2Zxc0
2chに乗せるには想像以上に長い手紙だったな。まぁいいか。
Mは初めて会った日から
半年が経っていましたが
少し痩せたぐらいで
そのままのMがいました
どこか、思い過ぎてて
頭の中で美化し過ぎていたのが
功を奏したのか
冷静に話をすることが出来ました
話は面会室でしました
手紙を渡してしまったら
読んで欲しかった
「え、あとで読むよ、それよりお話しよ♪」
と、僕からすれば予想外の展開で
その爆弾を仕舞いこむ?抱え込む?のかと少々焦りましたが
「丑三つ時に読んでくれ、で、感想を頂戴」
と、そんな当たり障りのない話をして
その日を終えました
そうね、本当にただ僕はその子の話を
想像上のMに重ねて過去にむけて
練り上げたその手紙を渡しました
反応が楽しみでした
性同一性障害乙
90 :
P:2012/11/02(金) 02:42:57.42 ID:By2m2Zxc0
が。反応は薄かった
正当率は50%だったと聞きいた
でも、その日からMは
よくメッセに入るようになり
僕は仕事をあまりしていなかったので
昼に起きて、バイトに行くまでチャットをして
バイトから帰ってきたらMの病院の消灯までチャットをして
お互いに眠れぬ夜に日記を書き綴る日々を続けました
少しずつ少しずつ近づいていく予感がしました
まぁ、手紙の効果は少しはあったのかなとか
僕の欲しかった結果ではないけれど
壊れないままであるなら
それはまた、良し
僕はまだそんな甘いことを考えていました。
…本当に実体験なら、gdgdしてる間に少しはその手の病気の
勉強すりゃ良かったのに
創作なら良く出来てる
92 :
P:2012/11/02(金) 02:43:56.37 ID:By2m2Zxc0
Mが入院して1ヶ月になろうとしたとき
Mが日常復帰への一歩として
外泊許可が出て一時帰宅することになり
が、Mは自室に隠し持っていたお酒と薬で
また、バッドトリップした状態になり
そんな状態のMとチャットをする夜が訪れました
そこで、色んな独白を僕は聞くことになりました
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:45:37.10 ID:HKW1wTdk0
ご清聴ありがとうございました
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:46:36.10 ID:2pDQtsZ60
次回作にご期待ください
95 :
P:2012/11/02(金) 02:47:35.31 ID:By2m2Zxc0
>>91 独学だけでやりたかった部分もありました。そして、事実なんです。
Mが言うには
みんなあたしの左腕を見て悲しい顔をするばかりだったのに
貴方は見て触って「綺麗だね」って言ってくれた
(僕は覚えてなかった、不覚)
あの瞬間、恋とかそんな生ぬるい感情じゃないものに
あたしの心は落ちたんだ
貴方が好き、貴方が好き
そんなことを言われた
そして、
僕の日記にどれだけ救われているか
何度も「前に好きだって言ってた人のことだよな」って思ってても
あたしのことを書いているんじゃないかって思ってた
あたしはその人に嫉妬している
明日になったら忘れてね
でも、貴方が好き
あたしが落ちているぐらいの感情に落ちてよ
もしさ、あたし宛に書いてたのなら、もっときちんと宛書で書いてよ
本当にあたしに分かるように日記にして欲しいな
そんなことを願われたてから
ぶつりと、Mはメッセを落としてしまった
96 :
P:2012/11/02(金) 02:49:17.39 ID:By2m2Zxc0
次の日、ベロンベロンになってしまったMは病院に強制送還になった
そして、何も記憶していないかった
だから、僕は書こうかどうか迷いながら
でも、どんどん思いは膨らんでしまって
そうね、あと数日この気持ちが持続するなら
僕の中にある感情は本物かなと思って
文章を頭の中で紡いでいっていたら
Nの名前だったはずの名前が
大切な名前で一人を指す名前だったのに
いつの間にか、Mの名前が僕の中で生まれ
塗り変わっていることに気がついた
だから、僕は日記を書く事にしたんだ
97 :
P:2012/11/02(金) 02:51:12.47 ID:By2m2Zxc0
・・・途中ですが、今日はここまでで寝ます。
もし、残ってたら、また夜に書きに戻ります。
落ちてたら諦めますね。
いやもう新しくスレ立てて書き直せよ
叩かれたりするかも知れんけど
とりあえずおやすみ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:54:02.89 ID:hP+H4bPn0
やっと追いついたと思ったら
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:54:57.44 ID:eQkDkI0C0
100
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 02:56:11.30 ID:zIfu9KT40
おつ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 03:11:17.66 ID:2uLViLMM0
おつ、明日も楽しみにしてます
103 :
P:2012/11/02(金) 03:14:37.70 ID:By2m2Zxc0
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/02(金) 03:47:32.87 ID:QNMKecev0
文章がものすごく読みづらい
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
続きまち(´・ω・`)