1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
話
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:21:47.66 ID:WPhn8Wta0
を
3 :
パスタ ◆Pasta/zb6. :2012/10/22(月) 00:21:58.51 ID:ubw7Pf4x0
聞
こ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:08.77 ID:c80NbPSq0
け
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:09.55 ID:uyZCyVpI0
か
し
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:18.80 ID:TOSWbWn40
その日自分は砂浜にいた
色の白い砂浜だった
近くを自転車で通りかかったとき、その色合いに引かれて立ち寄った
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:22.11 ID:MiZMH79x0
る
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:28.98 ID:Gh6Q4EB+P
コ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:22:53.05 ID:TOSWbWn40
砂浜に人はいなかった
人家からは離れたところにあったし、平日の昼間なので
それはそれでしかたがないのかなと思った
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:23:25.32 ID:TOSWbWn40
その日はよく晴れていた
雲ひとつない快晴だった
かといって日差しもそこまで強くなく
空の色は薄くて青というより水色に近かった
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:23:59.34 ID:Dzkft29v0
め
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:24:07.92 ID:TOSWbWn40
海の色はさすがにそれより青寄りだったけど
それでもどことなく水色の範疇な感じがあった
天気がいいからだろうと自分は思った
水平線の位置は茫洋としていた
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:24:33.97 ID:ao2ogNZt0
ラノベでやれ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:25:08.67 ID:TOSWbWn40
自分は少し疲れていたので
砂浜に座り込んで、水筒の水とかを飲んでいた
15分くらいは休もうと思って、しばらくぼんやりしていた
鳶みたいな鳥が一匹しきりに頭の上を周っているのが気になった
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:25:47.85 ID:TOSWbWn40
自分は少しうとうとした
ちょうど坂状にもりあがった砂の丘を背に力を抜いた
普通の服だったので、汚れるのが嫌だったのだけれども
最終的にはちょっとくらいならいいやという気になった
実際砂もそんなにチクチクはせず、いやな感じはしなかった
端的に言え
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:26:32.36 ID:TOSWbWn40
それから10分くらいは居眠りしたかと思う
正確なことはあまり覚えていないのだけれども
多分そのくらいだった
短い時間だったけど、それで体が楽になった気がしたから
いい休憩になったと、自分は少し愉快になって
ちょっと左の方向を見てみた
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:26:33.16 ID:Jw7LJgZM0
_ -─ ¬く  ̄ ‐- 、
/ _==-ミァ-─‐-、 \
/ , ‐''" \ \
/ / / | \ ヽ
/ / / / / || | i ヽ i
i / / / / / / || || |│ |ノス
|// / /___, -一ァ| /! |ト、|│ | | く」
|,-‐¬  ̄---┘'7 |! ハ! |,、-┼十|! | | |
, -‐ ''" し' '´_ /,ィ二l |ト、/!ヽト、\_ヽ!|!l | ハ |
,r/ __ ,イ|リ ヾハ! ヽ! ,ィ⌒ヾミリノ!/リ |
/ ||ヽ -' / ̄ )` __ |ヒノ:} '` ,イ/ | | アフィブログ管理人
,r ' ヾ、 ,-、____ , イ ̄,r==- ==-' レ' /| |
/ ヽ `ーソ ' | |ト、,ヘ ′"" "" / / || | スレ立て乙であります
. / \_ / | ハ ヽ`゙'ヘ ' '__. ィ / / | | |
/ / / | ヽ 川\ ヾ三ニ‐'′//! | | | |
/ / / 八 \川| |`ト- .. __ , イ‐ァヘ | | || |!
/ / / / \ \ 「`ー- 、 / .〉 ト、| ヽ、
,イ /-─=¬ニヘ、_ \ 厂\ 厂ヽ /!| | `ー=ヘ
-‐  ̄ /─ '  ̄ ├- ヽ\ \ノ\ \ 人 ハ!ヽ || |-┤ ヽ
/ /!‐-- | |\ ト、_`ヽ oヽ ト、! || |‐┤- ヽ
// 〉 __ / ├‐- || | 川-‐ | | 厂7! ハ! ├:┤  ̄ヽ
/ / ー ─  ̄ ├‐- リ || ハ!ヘ | | ト┤|/′ ヾ,┤ ゙i_
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:27:13.02 ID:TOSWbWn40
そこに何か、影があった
自分の座っているところから50メートルくらい離れていたけれど
そこそこ大きめで、砂浜に突っ立っていた
そんなものがそこにあることに、さっきまでの自分は気づいていなかったから
あれおかしいなと思ってなおなお見ていると、それはかすかに動いていた
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:27:26.38 ID:g1/f1jhj0
文章が創作くさい
オカ板に行って書き方を学んで来い
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:28:11.68 ID:TOSWbWn40
それの表面にある何かがはためいていて
多分布か何かだと思うんだけれども、そういう素材が外面に巻かれているらしく
それが風になびいているだけなのかなと
最初は思った
でもそうやって見ているうちに、今度はそいつは、体を左右にゆすらせた始めた
確かにゆっくりゆれていた
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:28:36.43 ID:6yKR0JduO
もう最後まで本題入らないで
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:29:07.80 ID:TOSWbWn40
自分はそれを、ぼうと見ていた
あそこまで動くのならば、あれはもう人間ではないのかと思った
自分は居眠りしていたのだけれど、それでも近くを通られたりしたら
多分気がつくはずだから、その人間?は自分からは離れた場所から砂浜に入ってきたようだった
少なくとも、さっきまではいなかった
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:29:37.56 ID:31S/UB1z0
村上春樹読んでそうだな
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:30:06.64 ID:TOSWbWn40
地元の人間かどうかが気に入った
何でも、よその者が入ったらいけない浜とかあるらしいし
そうでなくても平日の昼間から
浜辺で寝ている人間など奇異な目で見られるだろうから・・・
でも、そんなことは分かりようもなかった
自分はその相手を観察し続けた
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:30:49.62 ID:j6tNJcIBP
あふぃ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:31:19.36 ID:TOSWbWn40
それは、ひたすらゆれていた
ゆっくりではあるが、左右に10度ほどずつ同じペースで
メトロノームのように規則正しくゆれていた
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:32:03.43 ID:TOSWbWn40
それは自分が目を向け始めてから5分以上たっても止まる
気配がなかった
次第に自分には、それが本当に人間であるのか怪しく感じられてきた
見れば、人間にしてはやけに肩幅が広いし、頭の場所も明確でない
長方形にさえ見えてくる
太陽の位置関係によるものなのか、やや黒光りしているようだったが
それでもよく目を凝らせば、そいつはどうも水色の素材を身にまとっているようだった
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:33:08.80 ID:TOSWbWn40
もしかすると風で動く簡単な機械か何かなのではないかと自分は思った
案山子かなにかかもしれない
そうやって生きているように見せかけて、鳥か何かを追い払う仕組みになっている
のかもしれない。水色の素材はビニールシートか何かかもしれなかった
ただ、砂浜に案山子というのもそれはそれでおかしいような気がした
別に取られて困る農作物があるわけでもなかったから
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:34:14.06 ID:TOSWbWn40
そういえばさっきやけにうるさい鳶?がいたなと自分は思い出した
もしかするとあれ用の案山子なのかもしれない
近くに農地はないけれど、そうではなくて
たとえば魚介類を守るために突き立てられているのかもしれない
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:34:53.99 ID:g1/f1jhj0
お前くねくね読んだだろ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:35:19.57 ID:TOSWbWn40
鳶?なんかも海の魚を食べることはあるだろうから
そういう連中に漁場を荒らされないようにしているのかもしれない
というのはあくまでも妄想で、自分の中では納得はいっていなかった
魚用の案山子なんて聞いたことがなかったから
自分は空を見上げてみた
いつの間にか鳶?はいなくなっていた
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:36:16.59 ID:TOSWbWn40
そのうち自分は、急になんだかどうでもいいやという気持ちになってきた
その案山子?に興味が薄れたわけではなかったけど
そいつを凝視し続けた結果異様に強い倦怠感に襲われ始めたからだった
コントラストがいけなかった
透き通った水色の空と白い砂浜の組み合わせは、目にはきつかった
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:36:52.98 ID:f9/W9XaX0
うでうでw
37 :
パスタ ◆Pasta/zb6. :2012/10/22(月) 00:37:00.91 ID:ubw7Pf4x0
なんだか気持ち悪いので
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:37:31.52 ID:Pbn0B3WY0
もういいからjpgでくれ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:37:33.48 ID:uXtsMWIe0
あぁそれ海毛虫だよ
はい終了
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:37:33.93 ID:TOSWbWn40
自分は再びうとうとした
距離があるのと、もし案山子でなく人間だったた場合は気まずくなるから
そいつの正体を確認しに行くつもりにはならなかった
そして実際人間であった場合、向こうからもおそらく自分の姿は見えているだろうから
そのまま寝てしまうのもどうかと思ったけれど
どういうわけかその時はもういいやという気分になった
どうも体が疲れていた
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:38:33.18 ID:TOSWbWn40
自分はまた目を覚ました
今度は20分くらい立っていたかもしれない
それでも疲れはとれていなかった
空は水色だった
太陽は少し傾きだしている
場所を屋内に移して、本格的に休みを取ったほうがいいと思った
自分は先ほどの案山子?が気になった
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:39:24.28 ID:TOSWbWn40
案山子?はまったく同じ場所にいた
やはり滑稽なほど同じペースでゆれていた
ここまでくればあれはもう人間ではないなと自分は思った
人間ならここまで長時間同じ動きはできない
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:40:22.52 ID:TOSWbWn40
だが案山子?的なものにしても疑問は残った
その日はそこまで風は強くなかった
時折気持ちのいい海風が軽く通りすぎるくらいで
そんなものがあの案山子?を絶え間なく動かし続ける
動力源になりえるとは思えなかった
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:41:29.10 ID:5zJOprI60
いちいち鼻につく文章だな
確実に黒歴史になるぞ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:41:31.76 ID:TOSWbWn40
だとすると電動式なのかもしれないけど
それならそれで案山子?的なものの正体はさらに見当がつかなくなる
そいつに関して気づいたことは他にもあった
先ほどまでは見えなかったものなんだけれども
この時はそいつの頭の上で、何かとがったものが揺れていた
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:42:20.47 ID:f9/W9XaX0
伸びる…だと⁉
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:42:51.57 ID:TOSWbWn40
さらに観察を続けて分かったのだけど、その尖ったものは「頭の上」といっても
別に頭から生えているわけではなさそうだった
頭というか(それが頭であったらだけれども)
背中、もしくは頭の後ろの首の辺りから伸びてているように見えた
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:43:11.95 ID:GsIyCGr3O
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:43:52.22 ID:TOSWbWn40
それが、胴体の動きと同調して左右に振られるものだから
それはもう本当にメトロノームだった
もしかするとあれは巨大なメトロノームなのかもしれないと
自分は思ったりした
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:44:38.80 ID:f9/W9XaX0
そんな巨大なメトロドームあるわけない
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:45:06.18 ID:TOSWbWn40
そして、その尖ったものがその時になって見えた理由なんだけれども
その長方形をしたものが、ちょっとした前屈姿勢というか
お辞儀をするような格好になっていて
それで後ろの構造物が見えたようだった
その曲がった様子が、毛布か何かのように頼りなくて
なんだかそいつの胴体は、かなり薄っぺらなことになっているらしかった
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:46:02.24 ID:TOSWbWn40
さらにそいつは揺ら揺らしていた
元から左右にはゆれ続けていたのだけれど
そうではなくて、体全体が小刻みにぐにゃぐにゃ波打っていた
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:46:28.72 ID:b/+oj/Ky0
俺はそれを目撃したとき、年甲斐もなく漏らしてしまった。
血尿だった。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:46:57.21 ID:TOSWbWn40
自分は気分が悪くなってきていた
体温が急に下がって、体に力が入らなかった
相変わらず砂の坂に寝そべり続けているのだけど
背中がそこに張り付いてしまっていて
立ち上がるのが億劫だった
自分はしかたなく案山子的なものを見ていた
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:47:19.31 ID:GsIyCGr3O
水色のビニールシートっぽいのを巻きつけた何かがどうすれば黒光りするのか
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:47:46.61 ID:f9/W9XaX0
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:48:09.94 ID:TOSWbWn40
案山子的なものはぐにゃぐにゃしていた
日はかなり傾いてきていた
空の水色が暗くなっていた
どうもぐにゃぐにゃの原因は、蜃気楼的なものらしかった
そいつのまわりの空気自体が揺れていた
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:48:52.59 ID:TOSWbWn40
そのせいでそいつの足元は分かりにくくなっていた
幽霊みたいに足が消えて、宙に浮いているようにも見えた
自分はどうしようもなく体がだるいので
やはりそのまま寝てしまった
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:49:58.63 ID:TOSWbWn40
その後ちょっとした夢を見た
内容は覚えていないけれど違う夢を2つ位は見た
自分の場合、夢が2つになる場合は2時間以上は寝ていることが多いので
時間が心配になった
太陽はもう沈む手前だった
どういうわけか、夕焼けにはなっていなかった
空は暗くなっていたけど相変わらず水色のままで、太陽の周りも焼けてなかった
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:49:59.92 ID:UtlIQTc10
まとめ載りたいのかな坊や?
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:50:11.80 ID:b/+oj/Ky0
血尿とはなんだろう。どういう経路を辿り体外に排出されるのだろう。
俺はそれが気になって、仕方なく漏れてしまったそれを口に含んだ。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:50:47.45 ID:TOSWbWn40
おかしいなとは思ったけど、時間がなかったので
深くは考えずに帰ることにした
その時例の案山子的なもののことを思い出してチラリと振り返ったのだけれど
暗くなってしまっているせいでそいつの姿を浜の向こうに見つけ出すことはできなかった
でもそれはそれでまあどうでもいいやと思った
自分は自転車の止めてある道路に向かって急いだ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:51:57.71 ID:TOSWbWn40
泥棒だとか、役所の車にもって行かれていはしないかと心配になったのだけれど
自分の自転車は止めていた場所にきちんとあった
それにまたがって、5分くらい海沿いを走って、自分は急に寂しくなった
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:52:54.53 ID:f9/W9XaX0
んでんでwww
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:52:55.34 ID:TOSWbWn40
なにか、とほうもなく寂しくて
吐き気までしてきて、いても立ってもいられなくなって
浜に戻らなくてはならないと強く感じた
自分は自転車を止めて、なぜそんなことを考えてしまうのか
呼吸を整えて気持ちを整理しようとしたのだけれど
ますます喉元のあたりが重くなってくるばかりで
最終的に自分は、浜に向かって引き返した
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:53:28.84 ID:f9/W9XaX0
んでんでw
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:53:51.50 ID:DkaQQzet0
あーそれモンゴリアンデスワームだわ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:53:58.86 ID:TOSWbWn40
あの案山子のようなものがいけないのだろうと自分は思った
あの存在をいい加減な形で放っておいたものだから
理由は分からないけれども、心の奥に奇怪な引っ掛かりができてしまったのだろうという気がした
とりあえずあいつの姿を確認しさえすれば、その妙な寂寥感からも
解放されるはずだと考えた
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:55:10.88 ID:TOSWbWn40
浜はかなり暗くなっていた
自分は早足で案山子的なものがいた地点まで進んだ
かなり近くまで行ってもその姿は見えなかったので
もしかするとあれは人で、もう帰ってしまったのではないか
などと考えたりもしたけれど、問題のポイントまで大体あと
5メートルほどまで接近したところで
ようやく人間サイズの影が見えてきた
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:56:18.56 ID:TOSWbWn40
それは木の幹だった
幹といってもそこから生えているわけではなくて
どうやら潮に流され浜までたどり着いてきたものが
そのまま砂の層に突き刺さり固定されてしまっているようだった
それを見た最初の段階では、ああ、これだったんだなと
案山子的なものが立っていた場所にそれは突き刺さっていたものだから
ああ、これだったのかなと自分は思った
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:56:57.39 ID:T6R0J88P0
i`i
| .|
| .|_,.、/'i
ノ'" ニヽイ
ノ'" ニヽイ
r〈 くン
ト-'r、ィ-へ7
| |/: : : : : : : : : : : `丶、
| :l/: /: / : /: : : : :|: : : : :\
| :| :│/:/i |: : |: : :|: : : : : : :ヽ
/| │ 」_l-: L| : 」: :‐|- :}: :リ : iハ
/ | :|: :| __、 _ ̄ ̄∨: : i :|
| /|, l∨~ ̄`` -==ミ/: : : |: |
l/|/| l八 _' 厶|/:/i イ なんか笑えてくるwwwww
/ : :l ハ : ヽ { ::::::\7 /)|i/: i :|
./: : : :l ∧: ハ 、::: _ノ .イ: :i : : i八 こいつがカワイソウすぎてww
i: :/!: : | ∧: :ト ._ イ: :i : : : : |: : ヽ
|: | |: : :| 〉 | /: : :i :リ: :.i:|: : : :i 不憫すぎてww
V八: : | ∧:.|\ ∧\j:/: : :jノ: : :i |
\ \| / l人 マニニ| / : / : : /jノ なんて世界のシステムだwwww
∧ くト=ヘ. ト∨∠/∨|:/
│ ∨ | |\∨/>| | j∨
| ∨ \.ニ>く二/∨ ,ハ_
\ ∨ /○\. ∨ }
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:57:43.20 ID:TOSWbWn40
でも、やっぱりおかしかった
木の幹が長方形に見えるわけはないし、砂の地面に捕まえられているものが
あんなふうに左右に揺れ動けるわけもなかった
でも、たしかにその辺が案山子的なもののいた地点だったし
逆に先ほど50メートル彼方で休んでいたときは、ここら一帯に案山子的なもの
以外目立った物は見られなかったから
案山子的なもの=木の幹
としていいのかいけないのかさっぱり分からなくなり
自分はしばらく?????という感じで、その場に棒立ちになっていた
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:58:18.03 ID:TOSWbWn40
それで、「へんだな」だとか「しょうがないな」だとか
意味のない独り言を呟いたりして、さらに意味もなく頭をぐるぐる
周囲を見回したりしていたのだけれど、そのうち自分は空に
鳥が一羽浮いているのに気がついた
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:58:31.19 ID:f9/W9XaX0
?????
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:59:06.26 ID:TOSWbWn40
最初は、鳥だなと、さっきの鳶なのかなと、そう思った
それは翼を持っていて、それを大きく左右に広げて空に漂っていた
だけれどだんだん、自分にはそれが鳥ではないように感じられていった
それは、鳥にしてはやけに大きかった(人間くらいのサイズはある)し
全体的なシルエットも、なんというか平べったくて角ばっていて
どうも鳥らしくはなかった
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 00:59:07.94 ID:DkaQQzet0
三 ̄ ̄ ̄\
三 ⌒ ⌒ ヽ ,rっっ
三 ( ●)(●) | .i゙)' 'ィ´
三 (__人__) } { ) 丿 うーっす
三. ` ⌒´ ヽ/'ニ7
三"⌒ ヽ /
三 /
三 ィ二 ___|__ ___ _____
三::.:::三::三ンィ⌒ ̄" ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ニ≡─‐ー-,!
三::.::.三 三/ ≡''=三≡ ;;;;(( 三iiii_iiiiiii)))))i..-
三::::.三 三 _____=≒=ー────;‐‐ ̄  ̄  ̄" ̄`'
>>1 ''三三 三、 ー ィ⌒/ ;;;;;;:: :゛;.・:゛∴;.゛;.
ヽ ̄ ̄ ̄;`∵: ;`;.: ;
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ヽ_| ┌──┐ |丿
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77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:00:00.58 ID:TOSWbWn40
翼があって、空に浮いているから鳥かと思ったわけだけれども
それはむしろ、例えるなら「やっこ凧」に近かった
やっこ凧的なものは頭上15メートル辺りのところを
頭を左へ右へ振りつつ浮遊していた
その、頭を揺らす様子に思うところがあり、自分は少しぎくりとした
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:00:50.35 ID:TOSWbWn40
またそいつはどうも水色の布のようなものを身に着けているようだった
空はもうかなり暗くなっていて、しかも深い水色をしているものだから
地上から見上げる分には判別するのが難しいのだけれども
やっぱりそいつは水色をしているように見えた
あ、あれだ、と
あの案山子的なものだ、と自分は思った
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:01:28.35 ID:g1/f1jhj0
それナイトレーベンだわ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:01:31.01 ID:f9/W9XaX0
あんやまし?
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:01:46.09 ID:TOSWbWn40
案山子的なものが今度は空を飛んでいるわけだから
自分はさらにぎくりとなった
案山子的なものは凧だったのかな?などと思いもしたけれど
周りに凧揚げをしている人の姿は見当たらなかった
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:02:10.20 ID:xhXCarap0
読みにくいから詠んでないわwww
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:02:41.13 ID:TOSWbWn40
水色の凧的なものは、ゆっくり頭を振りながら空に弧を描いていた
その点ではさっきの鳶と一緒だった
それも、例の幹が刺さっている地点を中心に輪を描いていて
自分はその幹の脇に立っているわけだから
当然その円の中にすっぽりと納まる形になってしまった
自分は大変気持ちの悪い思いをした
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:03:44.11 ID:TOSWbWn40
いやなものを見たと思った
これは見なかったことにして帰ったほうがいいなと考えて
引き返そうとしたけど、なぜだかそれはできなかった
なんだかよく分からないけど、水色の凧が描く輪の外に出るといけないような
それをすると大変なことになってしまうような気がした
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:04:41.01 ID:TOSWbWn40
それでどうしようもなく、水色の凧を見上げ続けた
凧が纏っている水色の布は、どうも服的なものらしくて
腕と足の先端部分からは、赤茶けた鋭い爪のような
そいつの本体?がのぞいていた
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:05:30.74 ID:TOSWbWn40
それは羽ばたきもせず、すっすっーと空を漂っていた
漂うというより滑っていた
なんであんなに何もせずに、空にいることができるのかなとぼんやり考えていると
自分はそいつと目が合った
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:06:13.16 ID:k+cRYhZO0
カツオノエボシかと思ったのに
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:06:18.81 ID:TOSWbWn40
そいつには二つ目のようなものがあった
頭の部分(胴体にかなりめり込んでいる)にちゃんとそれはついていた
目も水色だった
脊椎動物のものというよりは昆虫か何かの系統の目で
感情がこもっていなかった
自分は体がしびれて動けなくなった
89 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2012/10/22(月) 01:06:20.63 ID:3ivugQqU0
マト風呂さーんwwww
俺は緑でおなしゃすwwwwwwwwwwwww
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:07:22.10 ID:TOSWbWn40
それは自分のことを見下ろしていた
円を描いて位置は変わるんだけれど、視線は自分に注がれたままになっていた(ような気がした)
自分は鷹に狙われる蛙のような気分になって
ただただ恐ろしくて仕方がなかった
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:08:17.24 ID:TOSWbWn40
恐ろしいといっても、殺されたりはしないだろうかだとかいうのとはまた違って
見てはいけないものを見てしまったなと
これ以上あんなものを見ていては、何か取り返しのつかないことになるのではないかという
そういう感覚だった
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:09:02.04 ID:TOSWbWn40
それでも目をそらすことはできなかった
いい加減こんなことを続けていてはいけない
もうはやくこの場を離れなくてはという気は強くするのだけれども
何か得たいの知れない力が自分を捕まえて話さなかった
自分とその水色凧は数分見つめあった
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:09:54.51 ID:f9/W9XaX0
ごめん、それ俺だはwwwwwww
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:10:00.11 ID:TOSWbWn40
そいつに表情はなかった
瞬きひとつしない水色の目で自分を見下ろしているだけだった
でも次第に自分には、そいつが笑っているように見えてきた
根拠はないけれども、そういう気がしてならなかった
そう思うと、自分はなんだか腹が立ってきた
95 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(-1+0:15) :2012/10/22(月) 01:10:33.60 ID:xHS0TUff0
無駄な描写が多すぎて全然進まないな
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:11:02.06 ID:TOSWbWn40
(なんで笑うの)
と自分は腹の中で問いかけた
そいつは何も答えなかった
まあ答えるはずはないし、そもそも伝わるわけもないのだけれども
だから自分は別に返答に期待しているわけではなく
ただ内心の憤りを解消するために
そいつに向かって問いかけていた
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:11:53.66 ID:TOSWbWn40
(なんで笑うの)
そいつは答えなかった
ただ宙を舞っていた
(なんで笑うの)
自分は意味もなく同じ言葉を念じた
その瞬間その水色の凧は、急に羽(というか腕)をたたみ、元の
長方形に戻ると、すっとこちらへ向けて降下してきた
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:12:07.03 ID:GsIyCGr3O
日が沈んで地面が暗く空が明るいという逆光の中どうすれば上空を飛んでいるものの色がわかるのか
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:12:50.27 ID:TOSWbWn40
自分はあ、と思った
あまり突然であったために身動きがとれなかった
そいつはまっすぐ自分を目指してきた
目の前が水色になった
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:12:54.91 ID:g1/f1jhj0
やべえ
きめえ
文章が
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:13:30.89 ID:TOSWbWn40
自分はしばらく意識を失っていた(と思う)
気づいたとき、どれくらいの時間がたっていたのかは具体的には分からなかった
感覚的にはもう夜になっているはずなのだけど
空は相変わらず暗い水色のままで、周りの風景もある程度は判別できたから
実際気絶していたのは数分間くらいで、日はまだ沈んでいないのかなとも思った
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:14:34.53 ID:TOSWbWn40
自分はとりあえず上を見上げた
頭上に凧はいなかった
すこしほっとして、早く帰ろうとしたところ、服の背中の部分が何かに引っかかって
進むことができなかった
振り返るとシャツがさっきの木の幹から生えた枝に絡まっていた
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:15:16.17 ID:TOSWbWn40
自分は木の幹にもたれかかるような形で木を失っていたらしく
それがいけなかったのか幹の枝のあちこちがシャツに引っかかって
ひどく面倒なことになっているらしかった
自分はしばらくもがいたけれども枝の構造がじゃまをして手もろくにとどかないし
かえってこんがらがっていくばかりだった
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:16:02.58 ID:TOSWbWn40
シャツを脱ぎ捨てて帰ろうかなとも思ったけれども
その考えが頭をよぎり始めたときにはシャツの大部分が枝に巻き取られていて
体に食い込み引き剥がすこともできなくなっていた
自分は木の幹に捕らえられた格好で
泣きそうになりながら視線を漂わせるしかなかった
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:16:44.90 ID:k+cRYhZO0
> (なんで笑うの)
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:16:55.24 ID:TOSWbWn40
水色の月があがっていた
円形の内部にきちんと「月のうさぎ」的な独特の影が入っていたから
太陽ではなく月だったと思うのだけれど
とにかく水色の光を発するそれが浮かんでいた
そのせいなのか、決して強い光ではないのだけれど
空も、砂浜も、暗く柔らかな水色に染まっていた
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:17:49.84 ID:TOSWbWn40
自分はこれはいったいどういうことなのだろうと
呆然と突っ立っていた
やはりあの凧みたいなものを見たのが悪かったのだと、猛烈に後悔もした
でもあの凧はいなくなったのだから、もう開放されてはいいのではないかと
期待もしたのだけれど水色の月が黄色になることはなかったし
シャツも幹の枝に食いつかれたままだった
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:19:01.20 ID:TOSWbWn40
そうしてしばらくたつうちに、自分は暗い水色の空を移動する何かを見つけた
あがっている月と同じ、明るい水色をしていた
自分からは50メートルほど離れた海上を
水平線に向かって飛行していた
あの凧だなと自分は確信した
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:19:08.95 ID:f9/W9XaX0
全然わかんない
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:19:49.87 ID:GsIyCGr3O
砂浜で流木にシャツ絡まったまま立ってるおっさん見て笑わないわけがない
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:19:53.14 ID:TOSWbWn40
凧はまだいなくなったわけではなかった
はやく海の向こうに消えてしまえばいいのにと自分は強く念じた
しかしそいつはなぜ浮いていられるのか疑問に感じられるほどの
ゆったりとしたペースで、のろのろと遠ざかっていくばかりだった
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:20:56.15 ID:TOSWbWn40
凧が通った後には水色の粒子が撒き散らされており
飛行機雲のようなものが出来上がっていた
あの凧が零したものなのかなと思ったけれども、よく見ると違って
それは凧の「脚」元にある何かから発せられていた
水色をした塊が、凧の鋭い足の爪に捕らえられていた
なんで笑うの
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:21:47.32 ID:TOSWbWn40
それを見た自分は
「あ、かわいそうに」
と感じた
その塊は凧に連れて行かれる途中なのだろうと思った
あんなものに攫われてしまっては、もう帰ってはこれないだろうし
ろくな終わり方もしないことだろうから、自分はただもうせめて楽になってほしいと
そう願うしかなかった
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:22:47.75 ID:TOSWbWn40
凧は気持ちの悪いほどのろのろ進んだ
一時間たっても二時間たっても数メートルほどしか前進しなかった
塊は水色の粒子をこぼし続けていた
自分にはそれが悲鳴にも涙にも見えた
いずれにせよそんなことがいつまでも続くものだから
自分は次第に精神をやられ始めた
116 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(-1+0:15) :2012/10/22(月) 01:23:35.82 ID:xHS0TUff0
進行遅すぎ
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:23:42.76 ID:TOSWbWn40
それからまた少し気を失った
寝ていただけかもしれなかった
目を覚ましたとき、感覚としては数時間はたっていたけれども
水色凧はさっきから10メートルほど沖に進んでいただけだった
凧に捕まえられた塊は相変わらずほろほろ泣いていた
月は少し動いていた
カシパンとかブンブクチャガマだと思ったのにこれまマジキチ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:24:23.04 ID:b/+oj/Ky0
そして自分は血尿を流した
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:24:40.01 ID:TOSWbWn40
自分は再び意識を失った
目を覚ますと今度は昼になっていた
水色の空に水色の太陽が上がっていた
水色凧は20メートルほど進んでいた
塊はほろほろ泣いていた
自分は意識を失った
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:25:50.54 ID:TOSWbWn40
それから昼と夜とが何度か繰り返された
水色凧はなかなか遠ざからなかった
まともに耐えしのいでいたらたぶん発狂していたのだろうけど
目を覚ますたびに気絶をすることを繰り返していたので
まだ何とか持ちこたえることができた
時々ここまで長時間のまず食わずでいたら死んでしまうのではないかという
危機感を催したりもしたけれど、不思議と命に別状はなく
10回以上太陽と月とが入れ替わったあたりから
その不安はどうでもよくなっていった
意識失いすぎてて笑った
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:26:54.09 ID:TOSWbWn40
結局水色の太陽と水色の月とは数十回交換された
普通に考えれば数十日経過したことになるわけだけど
いろいろ普通でないことが多すぎるので実際のところはよく分からない
この段階になると非常に腹立たしいことに、水色の凧は海の上でほとんど動かなくなっていた
自分から1キロほど離れた海の沖合いでぴたりと静止し
宙に固定されたようにその場に留まっていた
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:27:09.26 ID:GsIyCGr3O
意識飛びまくりというわかりやすいボケにはつっこまへんで!
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:27:30.44 ID:g1/f1jhj0
うんお前もう死んでるわ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:27:51.97 ID:TOSWbWn40
さすがに距離があるのでやつの姿はほとんど水色の点にしか見えず
したがってやつに捕らえられた塊がどうなっているのかは知れなかった
それにこちらもそれどころではなかった
このまま水色凧が海の向こうに消えていくことだけを唯一の希望としていた自分にとっては
やつが停滞しているその現状は拷問にも等しかった
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:28:49.03 ID:TOSWbWn40
そしてまた何日かたった
自分も相変わらず気絶を繰り返しており
体感的にはそこまで長く感じなかったのだけれども
これが実際の時間だとすれば自分はものすごい勢いで時を奪われていることになるので
だんだんそのことも気にかかり始めていた
自分については失踪届けが出されているかもしれないし、死んだと思われているかもしれない
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:29:05.86 ID:1FinYd4HO
お前らこれ読んでるの
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:29:41.22 ID:b/+oj/Ky0
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:29:52.67 ID:TOSWbWn40
そんなある夜?目を覚ました自分は、海上にこれまで見たことのない影を認めた
それは船であった
海軍の駆逐艦?のようなシルエットをした船が、確かにそこにあった
それはあまりにも突然現れたものだから、少し驚きもしたのだけれど
よく考えれば自分が気を失ってから目を覚ますまでの間に昼と夜とが引っくり返っているわけだから
気づかぬうちにそんな船が現れていたところでおかしいことは何もなかった
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:30:19.30 ID:GsIyCGr3O
もう変な生き物を見た話じゃなくて、異世界に行った話にタイトル変えたほうがいいのでは?
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:30:59.36 ID:TOSWbWn40
そしてその船は、水色凧のちょうど真下辺りにいた
しばらく見ている限りでは、船は停止しているようであった
自分は危ないから早く離れればいいのにだとか、あの船の乗組員が
浜で幹につかまっている自分のことに気づいてはくれないだろうかだとか
色々なことを考えたりした
そうしている最中、これまで十数日にわたり身動きひとつ取らなかった
水色凧が、急にすーっと降下し始めた
まっすぐ船を目指していた
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:31:36.85 ID:GsIyCGr3O
日本に軍隊は(ry
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:32:18.18 ID:TOSWbWn40
自分はあと思った
何が起こるのか大変気になった
その上で、ここでまた気絶したらどうしようということも心配になったけれど
幸か不幸か不思議とその気配はなかった
自分はただ食い入るように見守っていた
水色凧は船の中に入っていった
船の甲板に降りただけなのか、より内部にまで侵入していったのかについてまでは分からなかった
ただ、あんな得体の知れないものに襲われたにもかかわらず、船はやはり微動だにしなかった
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:32:46.47 ID:StMDstBb0
つまらん。
もっとスペースとか改行考えて全体の構成練り直してから投下しろ!
こ の ス レ 糸 冬 了
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:33:30.51 ID:oNWS60Dk0
なんもおもんない
かなり期待して読んでたけどダメだわ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:33:33.63 ID:TOSWbWn40
しばらくすると船に明かりがともった
赤黒いあかりだった
明かりは船のあちこちから焚かれ、見る見るうちに大きくなっていった
自分はあれあれと思った
もしかするとあれが中で暴れて、火災が発生したのではないかと思った
明かりはどんどん膨らんでいき、とうとう船をまるごとのみこんだ
船全体が赤黒く輝いていた
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:34:35.40 ID:TOSWbWn40
明かりはどんどん広がっていた
とうとう周辺の海と
水平線に接した空まで赤黒く焦がした
あの凧が核実験を起こしたのかな?と自分は思った
それくらい海と空は赤黒かった
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:34:46.17 ID:l7izXyLj0
すげー読み辛い
ったって書きすぎ
日本語練習中の外人?
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:35:12.57 ID:b/+oj/Ky0
それは自分の血尿だった
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:35:20.86 ID:TOSWbWn40
そのまましばらく船がいた海域の周辺は赤く燃えていた
自分は不思議と気を失わなかった
15分ほどたつと光は徐々に収束していった
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:35:45.24 ID:L8uZgtvoO
特技:気絶
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:36:12.36 ID:TOSWbWn40
光が完全に消えてなくなったとき
船はもうそこにいなかった
燃えてしまったのかもしれないし、気づかぬうちに去っていったのかもしれない
ただろくでもないことになっていることだけは間違いないだろうなと自分は思っていた
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:36:13.49 ID:o44rY3B8O
うんこしたいまで読んだ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:37:06.54 ID:TOSWbWn40
船がいたポイントには、点だけが残っていた
水色の点だった
自分は激しい吐き気を覚えた
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:37:39.91 ID:TOSWbWn40
水色の点は、2秒ほどで長方形になり、5秒後には自分の前にいた
水色凧は、数十日かけて自分から遠ざかって行った距離を
たったそれだけの時間で引き返してきていた
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:38:18.79 ID:GsIyCGr3O
色の表現がわかりやすい。神秘的で世界観は好きかも
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:38:19.38 ID:TOSWbWn40
目の前に水色凧の顔があった
それの顔をそんなに近くで見るのは初めてのことだった
恐ろしくてあまりまじまじと見つめることはできなかったが
それは水族館でエイを裏側から見たときにある
あの「顔」に似ていた
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:39:19.48 ID:TOSWbWn40
それに表情はなかった
水色の目で自分のことを見つめているだけだった
ただやはり自分にはそいつが笑っているように感じられた
(なんで笑うの)
と自分は再び念じた
やはり伝わることは期待していなかった
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:39:58.69 ID:TOSWbWn40
ヤッタヨネ
と声がした
機械が出すような妙な声だった
声は耳からではなく、直接脳に響いていた
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:40:36.79 ID:TOSWbWn40
ヤッタヨネ
とまた声がした
自分はそれが目の前の凧から発せられていることを悟った
それに表情はなかった
ヤッタヨネ
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:41:13.18 ID:GsIyCGr3O
(いつまでも絡まってるからじゃね?)
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:41:41.72 ID:TOSWbWn40
自分は俯くしかなかった
ヤッタヨネ
(やってないです)と自分は念じた
ハジメマシテ
とそれは言った
(やってないです)と自分は念じた
ヤッタヨネ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:42:32.40 ID:TOSWbWn40
(やってないです)と自分は繰り返した
シネヨ
とそれは言った
シネヨ
自分は俯くしかなかった
シネ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:43:24.00 ID:TOSWbWn40
キャキャキャキャ
と、それは突然けたたましく笑った
自分はびっくりしてそいつの顔を見つめた
そいつの顔に変化はなかった
ただ声だけが笑っていた
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:43:59.46 ID:qLFZOdgOO
うんこスレ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:44:10.64 ID:TOSWbWn40
自分は、やはりこいつは笑っていたのだなあと歯がゆく思った
そいつはキャキャキャキャと笑い続けながら上空へ飛び上がった
そのまま今度こそ沖合いに向かって消えていった
飛びながら水色凧は海面に何かを落としていった
ぼろぼろになった水色の布だった
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:45:12.16 ID:TOSWbWn40
ぼろぼろになった水色の布は波に乗って
海岸線沿いに浜の向こうへと流されていった
自分はその行方が気になった
その方角へ向けて首を伸ばそうとすると、どうしたわけかシャツが幹の枝からはずれた
自分はあっけないほど簡単に解放された
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:46:03.03 ID:TOSWbWn40
自分は歩いて布のあとを追った
布は海の上をなにか未確認生物のようにぬるぬる進んでいった
1キロ以上砂浜を歩いた
水色の月がのぼっていた
凧が消えても異変は継続されていた
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:46:54.61 ID:TOSWbWn40
布と自分はやがて浜を切断するように海に突き出した岬にぶつかった
それでも布は進んでいった
どうしたことかと後を追うと、岬には穴が開いていた
潮の通れる洞窟があった
布はその中に入っていった
自分も後を追った
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:47:42.44 ID:L8uZgtvoO
(いつ終わるんだろう…)
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:47:46.05 ID:lu15fZrr0
途中まで読んで気付いたら寝てたわ
起きてから読んでないけどまだ続いてんのこれ?
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:47:46.28 ID:TOSWbWn40
洞窟の向こうは断崖状の海岸になっていた
崖の上には草がおおいしげっていて景色がよかった
先ほどまでいた砂浜とは雰囲気がかなり変わっていた
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:48:35.95 ID:TOSWbWn40
布は崖と海面とが接する部分に形成された潮溜まりのようなところに閉じ込められていた
自分はそれをとろうと近づいた
崖の上に灯台が見えた
白く高い灯台で、少なくとも2つあった
もっとあるかもしれない
自分はその灯台群が気にかかった
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:49:28.72 ID:TOSWbWn40
灯台の先端付近に窓があった
窓からはチカチカ光が漏れていた
水色の光だった
不思議に思いつつも自分は布のほうに視線を戻した
そこには誰か人がいた
白い服をきたおじさんだった
自分はかなりびっくりしてその場に凍りついた
おじさんは水色のぼろ布を手に取りしげしげと見つめていた
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:50:27.89 ID:TOSWbWn40
「こんなにして」
とおじさんは言った
「人の、人間をこんなにしてね。人の痛みを何だと思ってる」
というようなことをおじさんは続けた
おじさんは怒っているようだった
「人間をなんでこんなふうにしたの?」
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:52:05.51 ID:TOSWbWn40
苦しい
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:53:19.53 ID:TOSWbWn40
このままいくと水色に殺されるんです
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:53:38.37 ID:GsIyCGr3O
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:54:54.83 ID:TOSWbWn40
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:56:26.78 ID:Os2hJq3R0
>>1 ∧_∧
(´・ω・`) n
 ̄ \ ( E)
フ アフィ /ヽ ヽ_/
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 01:57:11.00 ID:g1/f1jhj0
なあ
もう寝ていいのか?
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 02:01:36.69 ID:f7Eg4KknO
174 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(-1+0:15) :
終わりかよ