1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
私が初めてさやかちゃんに会ったのは、小学五年生の時でした
私は転校してきたばっかりで、しかもこんな性格だからクラスにもなかなか馴染めなくて、その日も一人で通学路を歩いていました
その時私は道に躓いて転んでしまって、そして鞄のランドセルの中身が外に散らばってしまいました
他の子供たちもたくさんいたけれど、私を見ても助け起こしてくれるわけじゃなくて……
擦りむいた膝が痛いのと、パパが作ってくれたお弁当を台無しにしちゃったのが悲しいのとで、私は泣きだしそうになりました
そんなとき
さやか「大丈夫?」
さやかちゃんが声をかけてくれました
さやかちゃんだけが私を助けてくれました
そして私は、そんなさやかちゃんのことを、かっこいい王子様みたいって思ったんです
もう許してやれよ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:15:55.26 ID:/NIVkluO0
悦に浸ってる文章
スレ主きっもー☆
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:15:55.65 ID:LthVPM/C0
さやか「まーどか!」
まどか「きゃっ!?」
さやかちゃんに背中から急に抱きつかれて、ボーっとしていた私はびっくりしてしまいました
さやか「きゃっ!?っだって。相変わらずまどかったらかわいいなあ」
まどか「もう、急にびっくりするよ」
さやか「ボーっとしてたまどかが悪い!」
確かに私も悪いかもしれないけど、でもさやかちゃん絶対びっくりさせようとしてたよね
さやか「何考えてたの?」
さやかちゃんは私に抱きついたまま聞いてきました
背中に感じるさやかちゃんの体温がとても心地よくて、私の心臓の鼓動は勝手に早くなってしまいます
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:19:13.34 ID:LthVPM/C0
まどか「ううん、なんでもないの。それより重いよさやかちゃん」
さやか「な!?女の子に向かって重いだなんて失礼な奴め。そんなこと言うやつにはこうだ!」
まどか「さ、さやかちゃん!やめ、きゃ、きゃははは」
さやかちゃんはそう言って私をしばらくくすぐったあと、私から離れました
本当はもっとくっついていて欲しかったけど、ずっとくっつかれてたら私が大変なことになってしまいそうだからこれくらいが限界です
それでもやっぱり、少し寂しいと思ってしまう私でした
仁美「お二人は相変わらず仲がよろしくてうらやましいですわ」
私たちのやりとりを見ていた仁美ちゃんがそう言いました
仁美ちゃんはかわいいし頭もいいし、しかもとってもいい子で私の自慢の友達です
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:19:49.44 ID:AYW1MEjx0
なにこれ速報のSS?
8 :
>>7速報と同時進行でやってきます:2012/09/29(土) 06:21:38.40 ID:LthVPM/C0
さやか「まあね。まどかはあたしの嫁だから」
まどか「もう、さやかちゃんはまたそんなことばっかり言って」
呆れたような私の口調も気にせず、さやかちゃんは笑います
さやかちゃんはよくこういう事を言います
その度に、私はとてもドキドキしてしまいます
さやかちゃんにとっては冗談だということは分かってるけど
だけど私は、さやかちゃんのその言葉がとても嬉しくて
そして、本当にさやかちゃんのお嫁さんになれればいいのにと、叶わない夢を見てしまうのです
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:22:15.57 ID:1tnHQpjQ0
なぜこんな朝から…支援したいがこっちも終わらせたばかり
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:25:55.57 ID:LthVPM/C0
まどか「おはよう、ほむらちゃん」
教室に着いた私は、すでに来ていたほむらちゃんに話しかけました
ほむらちゃんは、最近この見滝原中学に転校してきた転校生です
私も転校してきてなかなか馴染めなかった経験があるので、私はほむらちゃんに積極的に話しかけるようにしています
ほむらちゃんが一日でも早く学校に馴染んでほしいし、私がほむらちゃんと友達になりたいなって思っているからです
ほむら「おはよう」
まどか「ほむらちゃん、そろそろ学校には慣れた?」
ほむら「ええ、まあ」
まどか「よかった。でも、困ったことがあったら何でも言ってね?」
ほむら「ありがとう。でも大丈夫よ」
まどか「そ、そっか……」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:29:16.21 ID:LthVPM/C0
だけど、ほむらちゃんはまだあまり心を開いてくれていません
慣れない環境で緊張しているほむらちゃんの為に私が話を振らなきゃとは思うのに、私もあんまり自分から話すのは得意じゃなくて
私はそんな自分が嫌になってしまいます
さやか「ちょっと転校生!」
横で見ていたさやかちゃんが口を開きます
口調からはちょっと攻撃的な雰囲気が感じられました
さやか「せっかくまどかが話しかけてあげてるのになんなのあんたのその態度!」
まどか「さ、さやかちゃん」
ほむら「私は別に話しかけてほしいだなんて頼んだ覚えはないけれど」
さやか「はあ!?ホントムカつくやつ。あんたなんかそうやってずっと一人でいればいいよ。行こ、二人とも」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:32:19.43 ID:1tnHQpjQ0
最後のC
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:32:46.41 ID:LthVPM/C0
まどか「さ、さやかちゃん!あっ、またね、ほむらちゃん」
ほむら「……」
怒ったさやかちゃんのあとについて、私もほむらちゃんのもとを離れました
さやかちゃんはほむらちゃんのことがあんまり好きじゃないみたいです
でも私は、出来る事ならみんな仲良くなってくれればいいのにと思わずにはいられません
さやか「あームカつく!まどか、もうあいつに話しかけるのやめなよ」
まどか「でも……やっぱりほむらちゃんとも仲良くなりたいな」
仁美「まどかさんは優しいですね」
まどか「そんなんじゃないよ。私がほむらちゃんと友達になりたいだけなの」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:37:32.29 ID:LthVPM/C0
ほむらちゃんが転校してきた日
ほむらちゃんの事を初めて見たとき、どうしてかとても懐かしい気持ちになりました
まるで、昔からの友達だったかのような、そんな気がしたんです
だから私は、ほむらちゃんと友達になりたいなって、その時なんとなく思ったのでした
さやか「でも聞いたでしょ。転校生自身がああ言ってるだもん。どうしようもないでしょ」
まどか「うん、そうなんだけど……」
だけど私は、どうしてもほむらちゃんのその言葉が信じられませんでした
もしかしたら、私が自分の都合のいいようにそう思っているだけなのかもしれません
でも私には、ほむらちゃんの背中が、とても寂しそうに見えてしまうんです
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:39:31.41 ID:V2SiZQst0
死ね
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:41:37.13 ID:LthVPM/C0
さやか「よっしゃー終わった!」
放課後になりました
授業中は机に突っ伏して寝ていたさやかちゃんが、途端に元気を取り戻します
さやか「今日もいつものとこ寄って行くでしょ?」
まどか「うん」
仁美「お供しますわ」
私たちはたまに帰りに寄り道をしていきます
そこは見滝原中の生徒の行きつけのお店で、安くておいしいって大人気です
それでもお小遣いが限られてるから頻繁にいけるわけではないんだけど、そこで二人とおしゃべりをする時間が私は大好きです
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:46:02.16 ID:LthVPM/C0
私たちは、今日もそのお店に寄って行きました
私がジュースを飲んでいるときにさやかちゃんが笑わせてこようとするのをこらえるのが大変でした
私はさやかちゃんに怒るけど、さやかちゃんは笑っていて全然反省の色が見えません
でも私は、そんなさやかちゃんの笑顔が大好きで、怒るに怒れなくなってしまうのです
仁美「あら、もうこんな時間。お先に失礼しますね」
さやか「今日は何のお稽古?」
仁美「今日は華道ですわ」
まどか「またね、仁美ちゃん」
速報私物化すんな
こっちで書くなら速報のスレ削除依頼しとけや
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:50:28.98 ID:LthVPM/C0
仁美ちゃんが帰ってからも、私たちはおしゃべりを続けていました
でもしばらくして、さやかちゃんが言いました
さやか「さてと、今日はそろそろ帰ろうか」
まどか「……うん、そうだね」
いつもなら、まだ帰る時間ではありません
でも、わたしには分かっていました
さやかちゃんが早くに帰る時は、決まって行くところがあるんです
まどか「……今日も上条君の所?」
さやか「へへっ、まあね」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:54:23.41 ID:LthVPM/C0
上条君
上条恭介君
それがさやかちゃんの好きな人の名前
上条君はさやかちゃんの子供のころからの幼馴染です
私なんかよりもさやかちゃんとの付き合いが長くて、顔立ちも整ってて、そして男の子で
さやかちゃんが上条君の事を好きになるのは当然の事なんだと思います
まどか「上条君、もうすぐ退院なんだよね」
さやか「うん、恭介のやつすっごい喜んでた。最近あいつ前みたいに笑うようになったんだ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 06:59:25.60 ID:LthVPM/C0
まどか「よかったね、さやかちゃん」
さやか「……うん、よかった」
だから私は、さやかちゃんが上条君の為に願いを使った時も、驚きませんでした
ああやっぱりって、そう思いました
私はさやかちゃんが好きです
だから私は、さやかちゃんの恋を応援しています
本当はちょっとだけ悔しいけど、それでも私はさやかちゃんには幸せになってほしいんです。
そう、自分に言い聞かせているんです
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:03:42.06 ID:LthVPM/C0
ある日の放課後
私は一人で学校からの帰り道を歩きます
さやかちゃんと仁美ちゃんは二人とも今日は用事があって一緒には帰れません
さやかちゃんと帰れないのはやっぱり寂しいです
でも仕方ないんです
今日は、さやかちゃんにとってとても大事な日だから
なに?速報のスレの宣伝か何か?
需要ないから帰れよ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:07:53.65 ID:LthVPM/C0
ふと前を見ると、私の知ってる後ろ姿が見えました
私はその人に駆け寄って声をかけます
まどか「ほむらちゃーん」
私の声に、ほむらちゃんが振り返りました
まどか「ほむらちゃんも帰るところ?その、一緒に帰ってもいいかな?」
ほむら「……別にかまわないわ」
ほむらちゃんはそれだけ言うとまた歩き始めました
私はそんなほむらちゃんの一歩後ろをついていきます
それから私達は、ぽつぽつと会話をしながら歩きました
私は相変わらず自分から話すのが上手じゃないけれど、それでもこうしてほむらちゃんとお話出来る事を嬉しく思いました
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:11:19.62 ID:LthVPM/C0
ほむら「……ところで、今日は美樹さやかは一緒じゃないのね」
まどか「うん……。今日はね、さやかちゃんとっても大事な用があるから」
ほむら「ああ、そういえば今日は確か上条京介の退院の日だったわね」
まどか「あれ?ほむらちゃん上条君の事知ってるの?」
ほむら「……噂で聞いたわ。美樹さやかの友達の男の子が入院してるって」
まどか「あ、そうなんだ。うん、そうなの。さやかちゃんったら今日は朝からずっとそわそわしてたんだよ」
ほむら「そう」
まどか「でも、さやかちゃん嬉しそうだった。ホントに良かったよ」
ほむら「そのわりには、あなたは少し元気がないように見えたけど」
まどか「え?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:15:12.46 ID:LthVPM/C0
予想外の言葉に私はびっくりしてしまいます
まどか「そんな事ないよ。どうして?」
ほむら「勘違いならごめんなさい。でも今日のあなた、たまに暗い顔をしているような気がしたから」
そんなに暗い顔してたのかな、私
そんなつもり、なかったんだけどな
そんな顔、絶対にしたらいけないのに
さやかちゃんの事、笑って応援してあげなくちゃいけないのに
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:17:42.93 ID:LthVPM/C0
仁美「私、上条恭介君の事をお慕いしてましたの」
昨日、さやかちゃんに大事な話があるという仁美ちゃんに誘われて、いつものお店に行きました
私は行かない方がいいんじゃないかって思ったんだけど、私にも聞いてほしいという仁美ちゃんの目はとても真剣そうで、それを断ることなんて私には出来ませんでした
さやか「へ、へー。仁美がねー。あいつも隅に置けないなー」
突然の仁美ちゃんの告白に、私もさやかちゃんもとても驚きました
さやかちゃんの声が、少し震えているような気がします
仁美「私は明日、上条君に告白します。あなたはどうしますか?」
さやか「あ、あたしは……」
仁美「どうか後悔なさらないようお願いします」
そう言って仁美ちゃんは席をたちました
そして私は、沈痛な面持ちで黙り込んでいるさやかちゃんに対して、どんな言葉をかけてあげたらいいのかすらわからないのでした
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:21:58.56 ID:V2SiZQst0
さやか「あたし、どうしたらいいのかな……?」
お店を出てしばらくして、それまでずっと黙って歩いていたさやかちゃんが口を開きました
さやか「仁美は可愛いし、すっごいいい子だし。正直さ、あたしなんかよりよっぽど恭介の事を幸せにしてくれんじゃないかなって思うんだ」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「だからさ、私はこのまま身を引いた方がいいのかな、なんて思ったり……」
もし、仁美ちゃんが上条君と付き合うことになったら、さやかちゃんはどうするんだろ
さやかちゃんは、ちゃんと上条君を諦めることができるのかな
そしたら、もしかしたら私にも……
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:22:07.59 ID:LthVPM/C0
さやか「あたし、どうしたらいいのかな……?」
お店を出てしばらくして、それまでずっと黙って歩いていたさやかちゃんが口を開きました
さやか「仁美は可愛いし、すっごいいい子だし。正直さ、あたしなんかよりよっぽど恭介の事を幸せにしてくれんじゃないかなって思うんだ」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「だからさ、私はこのまま身を引いた方がいいのかな、なんて思ったり……」
もし、仁美ちゃんが上条君と付き合うことになったら、さやかちゃんはどうするんだろう
さやかちゃんは、ちゃんと上条君を諦めることができるのかな
そしたら、もしかしたら私にも……
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:22:29.63 ID:V2SiZQst0
そんな考えが頭をよぎってしまいました
私はそんな自分の考えに首を振ります
まどか「さやかちゃんはそれでいいの?」
さやかちゃんが幸せになってくれれば、私も幸せです
だから私は、さやかちゃんに向かって言います
まどか「仁美ちゃんに恭介君をとられても、さやかちゃんは後悔しない?」
さやか「それは……」
まどか「私はさやかちゃんに後悔してほしくない。それにね、さやかちゃんだって仁美ちゃんに負けないくらい素敵な女の子だもん。私は、上条君とさやかちゃんはお似合いのカップルだって思うな」
さやか「まどか……」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:23:03.56 ID:V2SiZQst0
大丈夫だったかな……
私の声、震えたりしてなかったかな……
私はちゃんと、さやかちゃんを後押しする事が、出来てたかな……
さやか「ありがとう、まどか」
ずっと暗い顔をしていたさやかちゃんが、ようやく笑ってくれました
さやか「まどかのおかげで決心がついたよ。私も、恭介にちゃんと告白してくる」
まどか「うん」
さやか「よーし、やるぞー」
まどか「頑張ってさやかちゃん」
さやか「おう!まどかも応援しててね」
まどか「もろちんだよ」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:23:53.14 ID:V2SiZQst0
これでいいんです
こうするしかないんです
私は女の子で
さやかちゃんも女の子で
さやかちゃんは上条君が好きで
まどか「私はさやかちゃんの事、応援するから」
そして私は、嘘つきでした
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:24:46.53 ID:LthVPM/C0
そんな考えが頭をよぎってしまいました
私はそんな自分の考えに首を振ります
まどか「さやかちゃんはそれでいいの?」
さやかちゃんが幸せになってくれれば、私も幸せです
だから私は、さやかちゃんに向かって言います
まどか「仁美ちゃんに恭介君をとられても、さやかちゃんは後悔しない?」
さやか「それは……」
まどか「私はさやかちゃんに後悔してほしくない。それにね、さやかちゃんだって仁美ちゃんに負けないくらい素敵な女の子だもん。私は、上条君とさやかちゃんはお似合いのカップルだって思うな」
さやか「まどか……」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:26:21.42 ID:V2SiZQst0
知久「おかえりまどか」
ほむらちゃんと別れて、家についた私をパパが出迎えてくれました
知久「ちょっとクッキーを焼いてみたんだけど、食べるかい?」
まどか「……ごめんパパ、今はいらない」
パパの作ってくれるお菓子はとても美味しくて大好きです
でも今は、どうしてもそんな気分になれませんでした
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:26:52.35 ID:V2SiZQst0
いつもとは違う様子の私にパパは心配そうな顔を向けてくれます
そんなパパの目から逃げるように私はすぐに自分の部屋に行き、そして制服も脱がずにベッドに倒れ込みました
まどか「さやかちゃん……」
今頃さやかちゃんはどうしてるかな
もう上条君に告白したのかな
返事はどうだったのかな
そんな事ばかりが頭の中をぐるぐるとまわっています
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:27:12.35 ID:LthVPM/C0
大丈夫だったかな……
私の声、震えたりしてなかったかな……
私はちゃんと、さやかちゃんを後押しする事が、出来てたかな……
さやか「ありがとう、まどか」
ずっと暗い顔をしていたさやかちゃんが、ようやく笑ってくれました
さやか「まどかのおかげで決心がついたよ。私も、恭介にちゃんと告白してくる」
まどか「うん」
さやか「よーし、やるぞー」
まどか「頑張ってさやかちゃん」
さやか「おう!まどかも応援しててね」
まどか「もちろんだよ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:27:40.98 ID:V2SiZQst0
どれくらいの時間がたったのかわかりません
いつの間にか、窓の外は暗くなっていて
そして私の携帯電話から、着信を知らせる明るい歌が流れはじめました
画面を見なくてもわかります
この着信音はさやかちゃんです
ちょっと前に、さやかちゃんが好きだと教えてくれたデスメタル
私は携帯を手に取ります
自分の心臓が、とてもうるさく感じられます
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:28:16.78 ID:V2SiZQst0
もし、さやかちゃんの告白が成功していたら
その時は、笑っておめでとうを言おう
そして、この恋をちゃんと終わりにしよう
終わりにしなくちゃ、いけないんです
でも、もし……
もし、さやかちゃんの告白が失敗していたら
その時は、私は……
私は震える指を必死に抑えて、携帯の通話ボタンを押しました
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:28:42.12 ID:LthVPM/C0
これでいいんです
こうするしかないんです
私は女の子で
さやかちゃんも女の子で
さやかちゃんは上条君が好きで
まどか「私はさやかちゃんの事、応援するから」
そして私は、嘘つきでした
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:29:16.99 ID:V2SiZQst0
次の日の朝
窓から入ってくる光で、私は目を覚ましました
ベッドから出て、大きく伸びをします
空は気持ちのいいくらいに晴れ渡っていました
まどか「おはよう、パパ」
知久「おはよう、まどか」
一階に降りると、すでに起きていたパパは家庭菜園の手入れをしていました
知久「悪いんだけどママのこと起こしてきてくれるかい?」
まどか「はーい」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:30:28.70 ID:LthVPM/C0
智久「おかえりまどか」
ほむらちゃんと別れて、家についた私をパパが出迎えてくれました
智久「ちょっとクッキーを焼いてみたんだけど、食べるかい?」
まどか「……ごめんパパ、今はいらない」
パパの作ってくれるお菓子はとても美味しくて大好きです
でも今は、どうしてもそんな気分になれませんでした
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:32:00.79 ID:LthVPM/C0
いつもとは違う様子の私にパパは心配そうな顔を向けてくれます
そんなパパの目から逃げるように私はすぐに自分の部屋に行き、そして制服も脱がずにベッドに倒れ込みました
まどか「さやかちゃん……」
今頃さやかちゃんはどうしてるかな
もう上条君に告白したのかな
返事はどうだったのかな
そんな事ばかりが頭の中をぐるぐるとまわっています
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:35:26.68 ID:yneXNN0H0
クッキー☆
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:35:28.87 ID:LthVPM/C0
どれくらいの時間がたったのかわかりません
いつの間にか、窓の外は暗くなっていて
そして私の携帯電話から、着信を知らせる明るい歌が流れはじめました
画面を見なくてもわかります
この着信音はさやかちゃんです
ちょっと前に、さやかちゃんが好きだと教えてくれたラブソング
私は携帯を手に取ります
自分の心臓が、とてもうるさく感じられます
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:37:11.88 ID:LthVPM/C0
もし、さやかちゃんの告白が成功していたら
その時は、笑っておめでとうを言おう
そして、この恋をちゃんと終わりにしよう
終わりにしなくちゃ、いけないんです
でも、もし……
もし、さやかちゃんの告白が失敗していたら
その時は、私は……
私は震える指を必死に抑えて、携帯の通話ボタンを押しました
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:39:38.28 ID:LthVPM/C0
次の日の朝
窓から入ってくる光で、私は目を覚ましました
ベッドから出て、大きく伸びをします
空は気持ちのいいくらいに晴れ渡っていました
まどか「おはよう、パパ」
智久「おはよう、まどか」
一階に降りると、すでに起きていたパパは家庭菜園の手入れをしていました
智久「悪いんだけどママのこと起こしてきてくれるかい?」
まどか「はーい」
もういいから落とせよ
巣があるんだからそっちに篭ってろ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:42:25.57 ID:LthVPM/C0
そして私はいつものようにママを起こしに向かいます
いつもお仕事を遅くまで頑張っているせいか、ママは朝がちょっとだけ苦手なんです
タツヤ「ママー、起きてー」
まどか「起きろー!」
絢子「うわあああ!」
ママを起こした後は、顔を洗って、制服に着替えて、パパの作ってくれた朝ご飯をみんなで食べます
今日の朝ご飯は目玉焼きと野菜サラダでした
パパの作ってくれるご飯は美味しいんだけど、そのせいでついつい食べ過ぎちゃうのが少し悩みだったりします
何で同時進行でやってんの?
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:45:19.80 ID:LthVPM/C0
まどか「いってきまーす」
朝食を食べ終え、私は鞄を持って家を出ました
通いなれた通学路を私は歩きます
少し歩いたところで、私に向かって手を振る人影が見えました
私もその人に向かって大きく手を振り返します
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:47:56.65 ID:yneXNN0H0
思春期の心の揺らぎが友情と恋いを勘違いしているのかもしれない
52 :
>>49せっかく書いたし一人でも多くに読んでほしいと思って:2012/09/29(土) 07:48:26.30 ID:LthVPM/C0
まどか「さやかちゃーん」
さやか「おはよう、まどか」
さやかちゃんは照れくさそうに笑っていました
私はそんなさやかちゃんに駆け寄ります
まどか「おはよう。それと」
そして私は、出来る限り満面の笑顔で、こう言いました
まどか「おめでとう、さやかちゃん」
読んでないし読む気もないんだけど
最近VIPと速報に重複スレ立てて行き来するの流行ってんの?^^;
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:52:19.84 ID:LthVPM/C0
さやか「ありがとう、まどか。って、このやりとり昨日電話でもしたような」
まどか「そうだけど、でもやっぱり直接言いたかったから」
さやか「アハハ。な、なんていうか照れるね、やっぱ」
まどか「でも、良かったの?上条君と登校しなくて」
さやか「いいの。あたしはまどか達のことも大事だもん。彼氏が出来た途端に友達をないがしろにするようなさやかちゃんじゃあないよ」
まどか「えー、ホントかなあ?」
さやか「ホントだってば!」
私たちは笑い合いました
恋人が出来ても、やっぱりさやかちゃんはさやかちゃんでした
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:55:06.30 ID:LthVPM/C0
仁美「お二人共、おはようございます」
私たちがおしゃべりしていると、仁美ちゃんもやってきました
まどか「おはよう、仁美ちゃん」
さやか「お、おはよう」
仁美「それでは行きましょうか」
さやか「あ、あのさ、仁美。あたし……」
仁美「さやかさん」
さやかちゃんの言葉を仁美ちゃんが遮ります
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:58:07.89 ID:LthVPM/C0
仁美「もしかして、謝ろうなんて思ってるわけじゃありませんよね?」
さやか「え!?いや、だって……」
仁美「馬鹿にしないでくださいますか。私はあなたに負けた、ただそれだけです。さやかさんは堂々としていればいいんです」
まとか「仁美ちゃん……」
仁美「それとも私たちの友情は、このくらいで揺らいでしまう程度のものだったのでしょうか?」
さやか「……分かった。仁美の言うとおりだね。あたしは謝らないよ」
仁美「それでいいんです。言っておきますけど、私はまだ完全に諦めたわけではありませんので」
さやか「いいよ。仁美に恭介は渡さないから!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 07:59:35.85 ID:LthVPM/C0
良かった
今回の件で、私たちの関係がギクシャクしてしまうんじゃないかって心配してたけど、どうやら大丈夫だったみたいです
すごいと思いました
さやかちゃんも仁美ちゃんも、とても強くて
二人とも、私の自慢の友達です
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:00:15.09 ID:yneXNN0H0
失恋少女わかめ☆マギカ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:01:47.12 ID:LthVPM/C0
和子「今日は皆さんに重大なお話があります。心して聞くように」
朝のホームルームが始まりました
いつもならそのほとんどが先生ののろけ話なのですが、今日の先生はとても真面目な顔をしています
このパターンは、たぶん……
和子「味噌汁の具は、大根ですか?それともお豆腐ですか?はい、中沢君!」
中沢「え!?えーと、どっちでもいいかと……」
和子「その通り!どっちでもよろしい!」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:02:18.06 ID:V8YTCwTx0
今から読む
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:04:13.55 ID:LthVPM/C0
やっぱり今回も駄目だったみたいです
和子先生、美人だと思うのにどうして長続きしないのかなあ
先生はこんな男性は駄目だという事を一分くらい熱弁した後、一呼吸をおいて続けます
和子「はい、それともう一つ。今日は嬉しいニュースがあります。入ってきて」
先生が教室の外に向かって声をかけます
それを合図に、教室の入り口から一人の男の子が入ってきました
その男の子は教壇の横に立ち、クラスのみんなに向かって言いました
恭介「上条恭介です。昨日病院を退院して、今日からまた学校に通えることになりました。みんな、またどうかよろしくお願いします」
なんで速報に同じスレ立てたの?
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:06:24.48 ID:Ifxbt2VO0
これはVIP向けじゃないな
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:06:38.93 ID:V2SiZQst0
その途端教室から歓声があがりました
口笛を吹いて迎える男の子や、おかえりと声をかける女の子
クラス中のみんなが、上条君の退院をお祝いしていました
私はさやかちゃんの方をちらりと見ます
さやかちゃんは目に涙を湛えながら、それでも笑顔で上条君を見つめていました
顔を戻すと、ほむらちゃんが私の方を見ているのに気がつきました
だけど、すぐにほむらちゃんは正面に向き直ってしまいます
ちょっと気になったけど、それでも今は、私もみんなと一緒に上条君の退院をお祝いするのでした
なんで速報に同じスレ立てたの?
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:07:15.66 ID:V2SiZQst0
まどか「ごめん、さやかちゃん。私ちょっと先生に用事があるから、今日は先に帰っててくれるかな?」
放課後、いつものように声をかけてくれたさやかちゃんに私は言います
さやか「そうなの?いいよ、待ってるから」
まどか「でも、どのくらい時間かかるかわからないから。それより、せっかくなんだから今日は上条君と一緒に帰りなよ」
さやか「ええ!い、いいってそんな」
仁美「あら、いいじゃありませんか。今日くらい二人きりで帰ったらどうです?」
まどか「上条くーん!」
さやか「ちょ、まどか!?」
なんで速報に同じスレ立てたの?
68 :
>>62 2つ同時って駄目なのかな?ごめん知らなくて:2012/09/29(土) 08:07:48.90 ID:LthVPM/C0
その途端教室から歓声があがりました
口笛を吹いて迎える男の子や、おかえりと声をかける女の子
クラス中のみんなが、上条君の退院をお祝いしていました
私はさやかちゃんの方をちらりと見ます
さやかちゃんは目に涙を湛えながら、それでも笑顔で上条君を見つめていました
顔を戻すと、ほむらちゃんが私の方を見ているのに気がつきました
だけど、すぐにほむらちゃんは正面に向き直ってしまいます
ちょっと気になったけど、それでも今は、私もみんなと一緒に上条君の退院をお祝いするのでした
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:07:55.72 ID:V2SiZQst0
私は教室にいる上条君に声をかけました
恭介「なんだい、鹿目さん?」
まどか「私と仁美ちゃん、今日はさやかちゃんと一緒に帰れなくて。上条君、さやかちゃんをお家まで送っていってあげてくれないかな?」
恭介「もちろんいいよ。それじゃ帰ろうか、さやか」
さやか「えっ、でも……」
まどか「私たちの事は気にしなくていいから。ね?」
さやか「そうじゃなくて、あたしは」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:08:44.61 ID:V2SiZQst0
何かを言いかけたさやかちゃんは、私の方をじっと見つめて
だけど結局、その先を口はしませんでした
さやか「……わかった。じゃあたし達先に帰るから。帰ろ、恭介」
恭介「う、うん。じゃあまた明日、鹿目さん、志筑さん」
そう言って、二人は並んで教室から出ていきました
私たちは二人のことを手を振って見送ります
仁美「それでは私たちも帰りましょうか、まどかさん」
まどか「ごめん、仁美ちゃん。今日は先に帰ってもらってもいい?」
仁美「あら、もしかして本当に先生に用事があるのですか?てっきりさやかさん達を帰らせる口実かと思っていました」
まどか「アハハ、ごめんね」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:09:54.05 ID:LthVPM/C0
まどか「ごめん、さやかちゃん。私ちょっと先生に用事があるから、今日は先に帰っててくれるかな?」
放課後、いつものように声をかけてくれたさやかちゃんに私は言います
さやか「そうなの?いいよ、待ってるから」
まどか「でも、どのくらい時間かかるかわからないから。それより、せっかくなんだから今日は上条君と一緒に帰りなよ」
さやか「ええ!い、いいってそんな」
仁美「あら、いいじゃありませんか。今日くらい二人きりで帰ったらどうです?」
まどか「上条くーん!」
さやか「ちょ、まどか!?」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:11:44.13 ID:LthVPM/C0
私は教室にいる上条君に声をかけました
恭介「なんだい、鹿目さん?」
まどか「私と仁美ちゃん、今日はさやかちゃんと一緒に帰れなくて。上条君、さやかちゃんをお家まで送っていってあげてくれないかな?」
恭介「もちろんいいよ。それじゃ帰ろうか、さやか」
さやか「えっ、でも……」
まどか「私たちの事は気にしなくていいから。ね?」
さやか「そうじゃなくて、あたしは」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:13:01.23 ID:Ifxbt2VO0
こういう様に粘着が湧くから同時進行はやめとけ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:13:07.63 ID:V2SiZQst0
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/09/28(金) 20:00:17.86 ID:XhMR7CfB0 [1/1回発言]
需要ないってわかっただろ
さっさと落とせよ
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/09/28(金) 20:01:27.86 ID:acPMMSpa0 [10/10回発言]
はい、すいませんでした
落としてください
こうやって昨日落としたのにまたVIPでやるのって何なの?
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:14:13.57 ID:LthVPM/C0
何かを言いかけたさやかちゃんは、私の方をじっと見つめて
だけど結局、その先を口はしませんでした
さやか「……わかった。じゃあたし達先に帰るから。帰ろ、恭介」
恭介「う、うん。じゃあまた明日、鹿目さん、志筑さん」
そう言って、二人は並んで教室から出ていきました
私たちは二人のことを手を振って見送ります
仁美「それでは私たちも帰りましょうか、まどかさん」
まどか「ごめん、仁美ちゃん。今日は先に帰ってもらってもいい?」
仁美「あら、もしかして本当に先生に用事があるのですか?てっきりさやかさん達を帰らせる口実かと思っていました」
まどか「アハハ、ごめんね」
78 :
>>75じゃああっちはHTML化依頼した方がいいのかな?:2012/09/29(土) 08:16:59.80 ID:LthVPM/C0
仁美ちゃんも帰った後、私は一人で教室を出ました
行き先は職員室、ではありません
私は階段を上って、屋上のドアを開きます
思った通り、ここには誰もいません
私はフェンスに背中を預けて、なにをするでもなくボーッと空を見上げます
別に、屋上に用があったわけではありまけん
ただ、どこでもいいから、一人になれる場所に来たかったんです
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:18:39.09 ID:V2SiZQst0
こっち落として向こうに篭ってろよ
え?このままここで書くつもりなの?
どんだけツラの皮厚いんですか(苦笑)
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:21:27.30 ID:LthVPM/C0
ほむら「先生への用事とやらはもう済んだのかしら」
声のした方に顔を向けると、いつの間にか屋上にほむらちゃんが来ているのに気がつきました
ほむらちゃんはそのまま歩いてきて私のすぐそばまでやってきます
ほむら「ごめんなさい、あなたが屋上に上がるのが見えたから」
まどか「そっか。えへへ、見つかっちゃった」
私は出来る限りの笑顔でほむらちゃんに答えます
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:25:02.08 ID:LthVPM/C0
まどか「別になんでもないの。ただ今日はいいお天気だから、屋上で日向ぼっこでもしたいなーって思って」
ほむら「鹿目まどか」
私の言葉を、ほむらちゃんが遮ります
ほむら「お願いだから、無理して笑おうとしないで」
まどか「えっ?」
ほむら「そんなあなた、見ていられないわ」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:29:23.27 ID:LthVPM/C0
ほむらちゃんはそう言って私の方を心配そうに見つめます
その目は涙で潤んでいて、いつものクールなほむらちゃんとはまるで別人のような雰囲気でした
まどか「ほ、ほむらちゃん何言ってるの?私は別に」
ほむら「あなたはどうして、いつも自分のことをないがしろにするの。誰かの為にって、我慢して、自分に嘘をついて。
我慢なんてしなくていい。辛かったら辛いって言っていい。泣きたかったら、泣いたっていいのよ」
まどか「ほむら、ちゃん……」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:30:35.31 ID:UQzY76ey0
こんなマルチ染みたやり方でよく投稿する気になったなwwwwww
パースレですら叩かれるのに
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:33:39.00 ID:LthVPM/C0
その瞬間
私の心の中にあった檻が、音をたてて崩れていくような気がしました
それまで必死に閉じこめていたものが、次から次ぎへと溢れ出しきて
そしてそれは涙になって、私の頬を流れ落ちていきます
まどか「ぅ……ぁ……」
さやかちゃんが幸せになってくれるなら、それでいい
私は今まで、ずっとそう思ってきました
ううん、そう思いこもうとしてきました
だけど、気づいてしまいました
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:34:50.91 ID:V2SiZQst0
まどか「ぁ……ぁぁぁぁ……」
私は、さやかちゃんの告白が失敗してほしいと願っていました
さやかちゃんと上条君に恋人同士になってほしくありませんでした
さやかちゃんが上条君の事を口にする度に、私は上条君がいなければいいのにと思いました
さやかちゃんの好きな人が、私だったらいいのにと思っていました
さやかちゃんが幸せになった時、その隣にいるのが私であってほしいと、そう思わずにはいられませんでした
まどか「ぁあ……ぁああああ!」
涙が止まりません
ほむらちゃんが目の前にいるのに、私は叫ぶように泣き続けます
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:35:31.85 ID:V2SiZQst0
ねえ、さやかちゃん
私はやっぱり、あなたの事が大好きです
きっと、すぐに忘ることは出来ないと思います
でも、このままじゃいけないから
さやかちゃんのことを、もう自由にさせてあげなくちゃいけないから
だから私は、ほむらちゃんの事を好きになっていこうと思います
今まで私の事を守ってくれて、本当にありがとう
あなたを好きでいられて、私はとても幸せでした
おしまい
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:35:51.75 ID:LthVPM/C0
まどか「ぁ……ぁぁぁぁ……」
私は、さやかちゃんの告白が失敗してほしいと願っていました
さやかちゃんと上条君に恋人同士になってほしくありませんでした
さやかちゃんが上条君の事を口にする度に、私は上条君がいなければいいのにと思いました
さやかちゃんの好きな人が、私だったらいいのにと思っていました
さやかちゃんが幸せになった時、その隣にいるのが私であってほしいと、そう思わずにはいられませんでした
まどか「ぁあ……ぁああああ!」
涙が止まりません
ほむらちゃんが目の前にいるのに、私は叫ぶように泣き続けます
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:36:57.87 ID:LthVPM/C0
お願い、さやかちゃん
私の事だけを見て
私にだけ優しくして
私にだけ笑いかけて
私の事だけを、好きになってよ
マルチじみたって言うかまんまマルチじゃん
さっさと落とせよ気持ち悪いな
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:37:57.37 ID:yneXNN0H0
彼手ルネ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:39:19.52 ID:LthVPM/C0
ほむら「まどか」
大声で泣きじゃくっている私を、ほむらちゃんはそっと抱きしめます
ほむらちゃんの体温が、私の荒れた心を暖めてくれるようでした
ほむら「私は、卑怯者だわ。こんな状態のあなたを見ても、私は自分の事ばかり考えているの」
ううん、そんなことない
ほむらちゃんは優しいよ
それは、私が一番よく知っている
不思議だね、ほむらちゃんとそんなにお話したわけじゃないのに
だけど、それでも私は知ってるの
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:40:09.09 ID:LthVPM/C0
ほむら「私は、絶対にあなたを泣かせたりしない。あなたの事は、私が必ず守ってみせるわ。まどか、私はあなたの事が……」
そっか、そうだったんだ
ありがとう、ほむらちゃん
あなたの気持ち、すごく嬉しいです
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:42:17.51 ID:LthVPM/C0
さやか『まどかをいじめるなー!』
さやか『大丈夫、まどか?』
さやか『安心して。まどかはあたしが守ってあげるから』
さやか『だからまどかも、絶対あたしの側から離れちゃ駄目だよ』
小学生の時
クラスメイトにからかわれていた私を、さやかちゃんが助けてくれたことがありました
きっとさやかちゃんはもう覚えてないだろうけど、それでも私は、さやかちゃんのその言葉がとても嬉しかった
そしてその言葉の通り、さやかちゃんはずっと私を守ってくれました
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:44:59.20 ID:LthVPM/C0
ねえ、さやかちゃん
私はやっぱり、あなたの事が大好きです
きっと、すぐに忘ることは出来ないと思います
でも、このままじゃいけないから
さやかちゃんのことを、もう自由にさせてあげなくちゃいけないから
だから私は、ほむらちゃんの事を好きになっていこうと思います
今まで私の事を守ってくれて、本当にありがとう
あなたを好きでいられて、私はとても幸せでした
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:47:42.96 ID:LthVPM/C0
あたしが初めてまどかに会ったのは、小学五年生の時だった
あたしのクラスに転校してきたまどかは、おとなしくて、いつもおどおどしていて、クラスにもあまり馴染めていなかった
ある日、いつも通り学校へ向っている途中、まどかが道に倒れているところに遭遇した
きっと転んだかなにかしたのだろう、あのどんくさそうな転校生ならありそうだって思った
人が転んでいるのに周りの人たちが見て見ぬふりをして素通りしていくの見て、あたしは少しムカついた
だから私は、まどかに声をかけた
まどかは今にも泣き出しそうな顔をしてたけど、私が助けてあげたあとようやく少し笑ってくれた
どうしてかあたしは、そうやって笑っているまどかのことを、すごい可愛いと思った
そしてあたしはその時、そんなまどかのことを、絶対に守ってあげたいって思ったんだ
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:51:54.03 ID:LthVPM/C0
さやか「え?」
あたしは自分の耳を疑った
まどかの口から出た言葉が、あまりにも信じられないものだったから
さやか「い、いやーびっくりした。まさかまどかがそういう冗談言うとは思わなかったわ」
まどか「ううん、冗談じゃないの」
真剣なまどかの表情
とても冗談を言っているようには見えない
そしてまどかはもう一度、同じ言葉を口にする
まどか「私ね、ほむらちゃんとお付き合いすることになったんだ」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:56:24.33 ID:LthVPM/C0
さやか「……本気で言ってんの?」
まどか「うん」
さやか「いや、そもそもあんたら二人とも女じゃん」
まどか「うん、ごめんねさやかちゃん。気持ち悪いって思うかもしれないけど、それでもさやかちゃんにはちゃんと言わなきゃって思ったの」
気持ち悪くなんてない
あたしがまどかの事を、気持ち悪いなんて思うわけがない
なのに、あたしの心はすごい動揺していて
あたしは、その動揺をまどかに悟られないようにするのに必死に平静を装う
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 08:59:36.23 ID:LthVPM/C0
さやか「へ、へー。まさかまどかと転校生がねえ。あんた達いつの間にそんなに仲良くなってたのよ」
まどか「さやかちゃん、気持ち悪いって思わないの?」
さやか「ないないそんなこと。そ、そりゃ、びっくりはしたけどさ。あたしはまどかのこと、応援するよ」
まどか「……ありがとう、さやかちゃん」
そうだよ
まどかが勇気を出して言ってくれたんだ
それなのに、親友のあたしが応援してあげなくてどうすんのさ
あたしはなにがあっての、まどかの味方でいてあげなくちゃ
まどかは絶対、あたしが守ってあげるんだから
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:02:19.46 ID:LthVPM/C0
さやか「今日も一日終了!二人とも帰ろうぜ」
学校の授業が終わり、あたしは二人に声をかけた
今日も、あたしは二人と一緒にいつもの店に寄り道して行くつもりだった
そして三人でいつもみたいに楽しくおしゃべりして、それから帰ろうと思っていた
まどか「ごめんさやかちゃん。私、今日はほむらちゃんと帰るね」
だからあたしはまどかのその言葉に驚いた
いや、そりゃ転校生と付き合ってるって話は聞いたけどさ
だけどそれでもまどかは、当然あたしと一緒にいるものだと思ってたから
さやか「え、転校生と帰るの?」
まどか「う、うん。ホントにごめんねさやかちゃん。でもほむらちゃんと約束してたから」
さやか「い、いや別にいいって。まあしょうがないか。あんま公衆の面前でイチャイチャすんなよー」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:05:54.65 ID:LthVPM/C0
まどか「も、もうさやかちゃんったら。しないよそんなこと」
まどかはあたし達にさよならを言うと、教室の入り口で待っていた転校生の所に向かい、二人一緒に帰って行った
残されたあたしと仁美も、すぐに教室をあとにする
仁美「今日はお店に寄って行きますか?」
仁美があたしに聞いてくる
数分前までは、当然そのつもりだったはずなのに
さやか「……ううん、今日はいいや」
いつの間にかあたしの気持ちは、すっかり萎えてしまっていた
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:10:33.15 ID:LthVPM/C0
仁美「それにしても、まさかまどかさんと暁美さんがお付き合いすることになったなんて驚きましたわ」
帰り道、仁美がそう口にする
当然仁美も、まどかが転校生と付き合うという話は聞いていた
さやか「まーね。確かに驚いたよ。でもさ、まあたぶんいろいろ思うことはあるだろうけど、それでも仁美もあの二人を応援してあげてくれないかな」
仁美「当たり前です。まどかさんは私の大切なお友達ですもの。誰がなんと言おうと、私はまどかさん達の味方です」
さやか「ありがとう、仁美」
やっぱり仁美はいい子だなってつくづく思う
恭介のことだってそう
恭介と付き合うことになったあたしに対して、仁美は今までと変わらずに接してくれる
あたしがその立場だったら、どうだっただろうか
きっと、すごい嫉妬して、仁美を憎んで、今まで通りなんてとても無理だったと思う
仁美「ところで、さやかさんの方はその後上条君とはいかがですか?」
さやか「あたし?あたしはまあ、それなりかな」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:14:01.66 ID:LthVPM/C0
仁美「本当ですか?さやかさん、私たちに気をつかってあまり上条君と一緒に帰ろうとなさらないから」
さやか「そんなんじゃないって。別に気なんかつかってないよ」
もちろん、恭介と一緒に帰りたくないと言えば嘘になる
でもあたしは、恭介と同じくらいにまどかも仁美のことも大切で
恋人が出来たからって、その友達をないがしろにするようなことはしたくなかった
ああ、そっか
だからあたしは、まどかが転校生を優先したことに少し驚いたんだ
まあ別に、まどかにあたしの考えをおしつけるつもりはないけどさ
でもなんか、やっぱりほんのちょっとだけ寂しかった
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:16:00.12 ID:LthVPM/C0
次の日の昼休み、あたしは屋上で一人でお弁当を食べていた
この屋上はいつも他に人がいなくて、あたしたちのお気に入りの場所になっている
さやか「つまんないなー」
つい、思ったことが口から出てしまう
お昼を一人で食べるなんて、あたしにとっては滅多にないことだった
仁美は、お昼は委員会の仕事があることが多くて、一緒に食べられないときもある
でも、どんな時でもまどかはいつも一緒だったから
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:19:54.98 ID:LthVPM/C0
さやか「それなのに、恋人が出来た途端にこれだよ」
でも仕方ないのかなあ
恋人が出来て浮かれちゃう気持ちも、まあ分からないでもないし
だけどさあ、それにしたって……
さやか「はあ。こんなことなら恭介でも誘えばよかったよ」
そしてあたしは、また一人で黙々とお弁当を食べ進める
なんだか、あんまりおいしくないなあ
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:22:03.70 ID:LthVPM/C0
さやか「じゃあまた明日学校でね、恭介」
恭介との通話を終えたあたしは、そのままベッドに倒れこむ
付き合い始めてから、あたしと恭介はほぼ毎日こうして電話をしていた
恭介と話すのは楽しいし、ずっと電話してても会話が途切れることはない
学校に行けば顔だって見れるし、そして今度の休日はデートの約束もしている
うん、あたしたちは今、それなりにうまくやっていると思う
それなのに、あたしの心はどこかもやもやしていて
あたしは再び携帯を手に取ると、電話帳からまどかの番号を呼び出して電話をかけた
だけど、受話口からは聞き慣れたまどかの声ではなく、通話中を知らせる音声が聞こえてくる
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:24:40.88 ID:LthVPM/C0
さやか「なんだよ、まどかのやつ」
携帯を閉じて、あたしは独りごちる
あたしは携帯を机の上に乱暴に抛って、部屋の電気を消してふとんをかぶった
大丈夫
あたしは自分にそう言い聞かせる
まどかがあたしのもとから離れるなんて、あるわけない
まどかは、あたしがいないと駄目なんだから
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:27:17.61 ID:LthVPM/C0
杏子「あんたさ、なにイライラしてんの?」
魔女との戦いを終え、あたしと杏子とマミさんは帰り道を一緒に歩く
もう太陽も沈んでしまっていて、あたりはすっかり暗くなっていた
さやか「イライラなんてしてない」
杏子「してんじゃん」
さやか「してないったら!」
杏子「おお、こわ」
マミ「まあまあ、落ち着いて美樹さん」
マミさんはあたしと杏子の間に入ってあたしをなだめる
あたしは別にイライラなんてしていない
的外れなことを杏子に言われたから、すこしムカついただけだ
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:29:28.88 ID:LthVPM/C0
杏子「そういえば、今日はあいつはどうしたんだよ」
杏子が挑発的な口調であたしに言う
杏子「なんて言ったっけ?あのいっつもあんたにくっついてる金魚の糞みたいなやつ」
さやか「……おい、今何て言った?」
杏子の言葉に、あたしは足を止めて杏子を睨んだ
さやか「まどかの事を言ってんのか!?」
杏子「そうそうまどかだまどか。さやかちゃんさやかちゃんっていつもあんたの後ろにくっついてさ。金魚の糞そっくりじゃねーか」
さやか「あんた!」
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:56:35.50 ID:+HYpddN4O
豆腐メンタルじゃないなw
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 09:56:36.16 ID:Ifxbt2VO0
さるか
構って欲しくてマルチまでしたのにあまりにもレスがつかないもんだからヤケクソになってる感
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:01:18.27 ID:LthVPM/C0
マミ「いい加減にしなさい!」
あたしは今にも杏子に掴みかかろうとしていた
だけど、初めて聞いたマミさんのその怒ったような声に、あたしと杏子は固まってしまう
マミ「佐倉さん、今のはあなたが悪いわ。謝りなさい」
杏子「なんでだよ。今日のさやかの様子がなんか見ててムカついたから、ちょっとからかってやっただけだって」
マミ「謝りなさい」
杏子「……ちっ、わかったよ。悪かった。これでいいだろ」
書けば書くほど傷が広がるね(ニッコリ)
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:04:45.06 ID:McGlxfOb0
書いてる方も書いてる方だけどここでID真っ赤にして批判してるやつはなさけない
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:05:24.58 ID:LthVPM/C0
マミ「美樹さんもよ」
マミさんは今度はあたしに向かって言う
マミ「さっきのは確かに佐倉さんが悪かったけど、美樹さんの今日の態度が目に余ったのも事実よ。
戦いにも集中出来てなかったし、そんなんじゃいつか大怪我することになるわ」
さやか「……すいません」
あたしは下を向いて唇をかみしめる
あたし、なにやってるんだろう
勝手にいらついて、戦いにも集中できず、マミさんにも迷惑かけて
悔しくて涙が出そうになるのを、あたしは必死にこらえる
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:05:35.66 ID:/aF7cBj00
vipでやってたスレが落ちたからSS速報でやるならわかるけど
SS速報に投下してて同じスレをvipでもやるのは意味がわからない
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:06:48.65 ID:f3dOrWlL0
しえん
ID真っ赤なの作者様(笑)だけじゃないの
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:09:55.30 ID:LthVPM/C0
マミさんは、そんなあたしの肩にそっと手をのせた
マミ「私たちだって人間だもの。落ち込んだり、調子が悪かったりする時だってあるわ。だからね美樹さん。
もしなにか悩みでもあるのなら、なんでも言って。相談にのってあげるくらいなら、私にもできると思うから」
さやか「……別に、悩みってほどじゃあないんですけど」
マミさんの言葉が嬉しかった
そして気付いたら、あたしはマミさんにあたしのもやもやの原因についてを話していた
さやか「最近、まどかとちょっとうまくいってないような気がして」
マミ「あら、そうなの?あなたたち普段はとっても仲良しなのに、喧嘩でもした?」
さやか「いや、喧嘩したとかそういうわけじゃないんです……」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:14:27.80 ID:LthVPM/C0
別にあたしたちは喧嘩をしたわけじゃない
というか、うまくいってないっていうのも、きっとあたしが勝手に思ってるだけなんだと思う
まどかがあたしに対して冷たくなったなんて事はないし、会話だっていつも通り普通にする
ただ、それでもまどかは今までに比べて、あたしと一緒にいる事が少なくなった
そして、その分をあの転校生と過ごすことが多くなっている
あたしは、それがどうしようもなく気に入らなかったんだ
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:17:33.69 ID:LthVPM/C0
マミ「そうなの。今日は鹿目さんは?」
さやか「まどかは、たぶん転校生と一緒にいると思います」
杏子「なんだ。つまりさやかがあいつに見捨てられたってことか」
さやか「違う!」
マミ「佐倉さん」
マミさんは杏子を一睨みした後、再び私に向き直る
マミ「そうね。やっぱり美樹さんと鹿目さんでちゃんと話してみるしかないんじゃないかしら」
さやか「話、ですか」
マミ「ええ。美樹さんが思ってる事を、ちゃんと鹿目さんに伝えるの。親友同士のあなた達だもの、それだけできっとすぐに仲直りできるわよ」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:21:32.56 ID:LthVPM/C0
思ってる事を伝える、か
たしかにこのまま黙っていたら、まどかがどんどんあたしから離れていってしまうような気がする
あたしは、それがすごい怖かった
……うん、そうだね
だったらとりあえず、まどかと話をしてみよう
それになにもしないなんて、そんなのあたしらしくない
さやか「ありがとうございます、マミさん」
マミ「うん、頑張ってね」
杏子「次も今日みたいな調子だったらぶっとばすからな」
よーしと、あたしは心の中で気合を入れる
頑張るぞ、あたし!
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:24:17.33 ID:LthVPM/C0
さやか「まどか、今日久しぶりにいつもの店に寄ってかない?」
次の日の放課後、あたしは帰りにまどかを誘う
仁美はお稽古があって今日は先に帰っていた
まどか「ごめんね、さやかちゃん。今日もほむらちゃんと帰る約束をしてて」
やっぱりまどかは転校生と帰るつもりだったらしい
だけど、今日のあたしはそれくらいじゃ引き下がらないよ
さやか「もう、まどか最近ずっとそうじゃん。たまにはあたしに付き合ってくれたっていいんじゃない?」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:27:27.61 ID:LthVPM/C0
まどか「でも……」
まどかは少し迷うような表情を浮かべる
まどか「そうだ。だったらほむらちゃんも一緒にいいかな?」
さやか「えー……」
まどかの提案に、あたしは戸惑ってしまう
出来ることなら、あたしはまどかと二人で話をしたいと思っていた
だけどここであたしが拒否したら、きっとまどかも来てくれないんだろう
ホントは嫌だけど、でもまどかと話をするためにはしょうがない
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:32:36.98 ID:LthVPM/C0
さやか「……わかった。転校生も一緒でいいよ」
まどか「ありがとう、さやかちゃん。私ちょっとほむらちゃんに伝えてくるね」
まどかはそう言って転校生のもとへと向かう
まどかと転校生が話しているのを見ながら、あたしは心の中で舌をうつ
まどかは、あの転校生のどこがいいんだろうか
無愛想だし、性格も悪いし、絶対あいつなんかといるよりあたしといた方が楽しいのに
なんでまどかは、あんな奴と付き合ってるんだよ
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 10:34:49.20 ID:LthVPM/C0
さやか「……」
ほむら「……」
まどか「……あぅ」
いつものお店のいつもの席
あたし達三人はそこに座って、くだらない話に花を咲かせ、てはいなかった
周りはみんな楽しそうにおしゃべりしている中、あたし達の席だけまるで違う世界であるかのようにぴりぴりとした空気が流れている
これ忘れた頃にうっかり読み返して枕に顔埋めてバタバタするタイプのスレだわ
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:00:17.83 ID:LthVPM/C0
さやか「まどか、これ食べる?」
まどか「あ、ありがとう。あの、出来ればほむらちゃんにも……」
ほむら「まどか、今日は帰りに私の家に寄って行かない?宿題をみてあげるわ」
まどか「う、うん。さ、さやかちゃんも一緒にどうかな?」
さやか「……」
ほむら「……」
まどか「あ、あはは……」
険悪な雰囲気のあたしと転校生のことを、まどかは必死に繋いでくれようとしている
だけどあたしも転校生も、まどかとは会話をするけれど、お互いほとんど口をきかなかった
相変わらずムカつくやつ
そっちがそういう態度なら、あたしだって絶対にあんたとなんか話さない
再放送すらされないかな
内容次第だろうが
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:05:18.84 ID:LthVPM/C0
さやか「ねえ、まどか」
あたしは転校生の事を無視して、まどかに話しかける
さやか「最近さ、あたし達一緒にいる事がだんだん少なくなってきてるよね」
まどか「そ、そうかな?」
さやか「そうだよ。前はあたし達いつも一緒にいたのにさ、近頃は休み時間もお昼も転校生と一緒じゃん」
まどか「う、うん……」
さやか「そりゃね、二人は恋人同士だし一緒にいたいって気持ちもわかるけどさ。でも、まどかがあたしからどんどん離れていっちゃうような気がして、やっぱり少し寂しいなあ、なんて」
まどか「さやかちゃん……」
あたし、なんかすごい自分勝手なこと言ってるなー
だってこれって、暗に恋人よりもあたしを優先しろって言ってるのと同じ事だよね
自分でも、何言ってんだって思うけど
でも、これがあたしの正直な気持ちだった
まどかには、転校生よりあたしと一緒にいてほしいんだ
まどか「あのね、さやかちゃん」
あたしの話を聞いたあと、まどかが口を開いた
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:10:31.35 ID:LthVPM/C0
まどか「さやかちゃんの言うとおり、私とさやかちゃんは今までいつも一緒だったよね。さやかちゃんは、いつも私の事を守ってくれてたよね」
まどかはゆっくりと、でもとても強い決意を持って言葉を紡ぐ
まどか「私はずっと、そんなさやかちゃんに頼って過ごしてきたの。私はさやかちゃんがいないとなんにも出来なくて。
きっとさやかちゃんには、すごい迷惑をかけてきたと思う」
さやか「そんなことないって!」
まどかの言葉を、あたしはすぐに否定する
さやか「まどかを迷惑だと思った事なんて、今まで一回だってないよ!」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:16:07.79 ID:LthVPM/C0
むしろ、あたしは嬉しかったんだ
まどかがあたしを頼ってくれる事が
あたしがまどかを守ってあげられる事が
まどか「ありがとう。やっぱりさやかちゃんは優しいね」
でもね、とまどかは続ける
まどか「さやかちゃんが上条君と付き合うことになって、このままじゃいけないって思ったの。さやかちゃんは優しいから、きっと私の為に上条君との時間を犠牲にしちゃうんじゃないかって」
いいんだよそんなの
あたしは、恭介と同じくらいまどかのことも大切なんだから
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:21:28.12 ID:LthVPM/C0
まどか「だから私は、さやかちゃんに頼るのはやめようって決めたの。さやかちゃんに甘えないで、自分の足で歩けるようにならなくちゃって」
まどか、やめてよ
そんな悲しくなること、言わないで
まどか「だからね、さやかちゃん。もう私は大丈夫だから。私のことは気にしないで、さやかちゃんは上条君と過ごしてもいいんだよ」
さやか「そんなの気にしないでいいったら!」
あたしはつい大きな声を出してしまう
周りに見られているような気がするけど、そんなのどうでもいい
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:26:11.53 ID:LthVPM/C0
さやか「まどかはそんなこと気にしないで、どんどんあたしに頼ってくれていいの!恭介の事なら大丈夫だよ。
まどかに心配されなくても、あたし達はちゃんとうまくいってるから。だから」
ほむら「あなたって本当に自分勝手ね、美樹さやか」
今まで黙っていた転校生が、突然口を開く
私に向けて、とても冷たい目線を向けてくる
ほむら「まどかがどんな気持ちでその決心をしたのか、あなたにはわからないの?」
さやか「どういう意味だよ」
ほむら「わからないならそれでもいいわ。とにかくまどかは、あなたから離れる事を決めた。あなたに依存している自分から卒業しようと決心したのよ。それを邪魔する権利が、あなたにあるのかしら?」
さやか「っ……!」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:31:22.62 ID:LthVPM/C0
ほむら「行きましょう、まどか。美樹さやかの話はもう済んだみたいだから」
まどか「えっ、ちょっとほむらちゃん!」
転校生はそう言うと、そのまま店から出ていってしまった
まどかはあたし達の間でおろおろしてたけど、すまなそうな顔をしながら席を立つ
まどか「ごめんね、さやかちゃん……。でもね、私は今でもさやかちゃんのことは一番の親友だって思ってるから」
やだよまどか、行かないで
転校生なんか気にしないで、あたしと一緒にいてよ
そう思うのに、あたしはそれを口にすることはできなくて
そうしてまどかは、そのまま転校生の後を追っていった
残されたあたしは、店から出ていくまどかの後ろ姿を、ただ見ていることしかできなかった
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:36:11.58 ID:LthVPM/C0
恭介「あそこのアクションシーンはすごかったね。僕もう見てるだけですごいドキドキしちゃったよ。さやかはどうだった?」
さやか「……」
恭介「さやか?」
さやか「うえ!?な、なに恭介?」
恭介「ごめん、映画つまらなかったかな?」
さやか「ううん、そんなことない!超面白かったって!」
恭介「そう?だったらよかったけど」
今日は恭介とのデートの日
約束した時はすごい楽しみにしてて、今日という日は気合いを入れて臨むつもりだったのに
昨日あんなことがあったせいか、あたしは全然恭介とのデートを楽しむ事が出来ていなかった
さっき見た映画も、正直ほとんど頭に入っていない
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:40:43.07 ID:LthVPM/C0
それでもせっかくのデートを台無しにしたくなくて、それからあたしは精一杯楽しもうと努力した
映画の後のお昼も、その後のショッピングも、出来る限りの笑顔を作って無理矢理テンションをあげた
だけど
恭介「さやか、今日はもう帰ろうか」
さやか「え、なんでよ?まだ早くない?」
恭介「だってさやか、今日はなんだか無理してるように見えるから」
だけど、やっぱり駄目だった
あたしって、そんなにわかりやすいのかな
この間もマミさんに叱られたばっかりだっていうのに、また同じことを繰り返してる
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:44:45.35 ID:levKtqCt0
まどさや派だけどちょっと擁護し辛い
内容はともかく
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 11:46:15.41 ID:LthVPM/C0
恭介「なにかあったの?」
さやか「……ううん。ごめん、恭介」
恭介「……そっか、わかった。謝らないでいいよ。さやかが元気になったら、また来よう」
恭介はそう言ってくれた
やっぱり恭介は優しい
でも、なんでだろう
恭介の言葉が、あんまりあたしの心に響かなくなっているのは
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:01:31.04 ID:LthVPM/C0
あたし達二人はデートを中断し、帰り道を一緒に歩く
すると前方からも、女の人が二人並んで歩いてくるのに気付いた
一人の女の人の腕にもう一人の女の人が腕を絡めていて、楽しそうにおしゃべりをしている
あたしは、ついその二人のことをじっと目で追ってしまう
恭介「さやか。あんまりじろじろ見たら失礼だよ」
さやか「あ、ごめん」
その二人とすれ違った後、恭介があたしを注意する
あたしは謝りつつも、またちらりと後ろを振り返って見てしまう
あの二人、すごい仲良さそうだった
もしかして、あの二人もそういう仲なんだろうか
ちょっと前までは、女の人同士が仲良さそうにしてたってそんな風に思ったことなんてなかったのに
でも今は、あの二人にまどかと転校生の姿を重ねてしまう
まどかも、転校生とああいう風に腕を組んで歩いたりしてるんだろうか
まどかのそんな姿を想像して、あたしは胸が痛くなった
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:07:04.99 ID:+lheoG7a0
マミさんのデカパイ揉みたい
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:07:54.04 ID:LthVPM/C0
さやか「……恭介はさ、ああいうのどう思う?」
そして、あたしは恭介に質問していた
あの二人が、他の人の目にはどう映るのか気になったから
恭介「え?ああ、うんっと、どうだろう。本人達がいいならいいとは思うけど」
恭介は曖昧に言葉を濁す
さやか「じゃあさ、もし恭介が中沢とかから告白されたらどうする?」
恭介「ええ!?そ、それはちょっと困るかな……」
さやか「どうして?」
恭介「どうしてって……。だって男同士なんておかしいと思うし」
恭介は戸惑いながらもそう口にする
ようはさやかちゃんはあれもこれも欲張りすぎってことなんだろ
これでまたさやかが実はまどかが好きでしたって言ってまどかとくっついたら最悪だな
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:13:27.38 ID:LthVPM/C0
うん、やっぱりそうだよね
同性同士で付き合うなんて、普通の人から見ればおかしいし、気持ち悪いと思うものなんだ
別に恭介を悪く言うつもりなんてない
それが普通の意見だし、あたしだってまどかが当事者じゃなかったらどう思ってたか分からない
だけど他の人たちは、まどかのこともそういう風に見るのだろうか
まどかが転校生と付き合っている限り、まどかは奇異の目にさらされ続けるんじゃないか
そう思った時、あたしの頭にふと黒い考えが浮かんだ
そしてその考えは、すぐにあたしの心を支配する
そうだよ
まどかは弱い子だから、そんなの絶対に耐えられない
転校性と付き合ってたら、まどかはきっと辛い目に合い続ける
そんなの、絶対に駄目だ
まどかの為に、あたしがまどかを守ってあげなくちゃ
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:20:13.30 ID:LthVPM/C0
「大事な話がある。放課後屋上で待ってる。一人で来て」
あたしは今日の朝一番に、そう書いた手紙を転校生の下駄箱に入れておいた
メールが出来ればそれの方が確実で手っ取り早いけど、あいつのメアドなんて知らないし
まどかには知られたくなかったから、こんな古典的な方法しか思いつかなかった
そして今、あたしは屋上で転校生が来るのを待っている
ちゃんと来るか少し不安もあったけど、すぐにそれが杞憂だったとわかった
扉を開き、転校生が屋上にやってくる
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:27:08.86 ID:LthVPM/C0
さやか「悪かったね、呼び出したりして」
ほむら「人に手紙を書くときは、差出人の名前くらいちゃんと書きなさい」
さやか「あれ、書かなかったっけ?」
ほむら「まあ、十中八九あなただと思っていたけれど」
さやか「だったらいいじゃん」
ほむら「それで、話ってなんなのかしら。まどかを教室に待たせているから、早く終わらせてほしいのだけど」
さやか「そうだね。だったらまあ、単刀直入に言うけどさ」
あたしは転校生を見据える
そしてはっきりと、転校生に向かってその言葉を口にした
さやか「あんたさ、まどかと別れてくんない?」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:33:33.71 ID:LthVPM/C0
ほむら「……何を言い出すのかと思ったら。嫌よ。話はそれで終わりかしら?」
さやか「あんたと付き合ってたら、まどかはきっと不幸になる。あたしは、それをほっとく訳にはいかないの」
ほむら「意味がわからないわ」
さやか「女同士で付き合うなんておかしいって言ってんの。結婚だって出来ないし、周りの人達からだって祝福なんてされない。むしろ、おかしな奴らだって思われるんだよ」
ほむら「そんなの、そう思いたい人には思わせておけばいい。周りになんと言われようが、私達は気にしないわ」
さやか「あんたはそうでもね、まどかは違う。まどかは、そんなのに耐えられるほど強い子じゃないんだ」
ほむら「……あなたは、まどかのことを何もわかっていないのね。なんでまどかは、こんな人の事を……」
さやか「えっ?」
転校生の声が小さくて、後半はなにを言ったのか分からなかった
だけど転校生は、すぐにまた元通りの口調に戻る
ほむら「まどかは強いわ。少なくとも、あなたなんかよりはずっと」
さやか「なっ!」
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:39:34.38 ID:LthVPM/C0
ほむら「もっともらしい理由なんて並べてないで、はっきり言ったらどうなの。あなたはただ、私とまどかが付き合ってるのが気に入らないだけでしょう」
さやか「ち、違う!あたしはまどかの為に」
ほむら「まどかの為だなんて言って、あなたはいつまでまどかの保護者面をしてるつもりなの。この際だからはっきり言ってあげるわ。まどかはもう、あなたのことなんか必要としていない」
さやか「そんなわけない!嘘つくな!」
あたしは大声で転校生の言葉を否定する
聞きたくない
こんな奴の言うことなんか信じない
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:44:41.30 ID:LthVPM/C0
さやか「あんたなんかに何が分かるのよ!まどかはね、今までずっとあたしが守ってきたの。あたしがいなきゃ、あの子は何にも出来ないの。
だからまどかには、あたしが必要なんだよ!」
あたしはそう一気にまくしたてた
もう自分でも何をしゃべっているのか分からない
ただ心のままに言葉を吐き出していた
ほむら「……分からないわね」
転校生はあたしをしばらくじっと見つめた後、おもむろに口を開く
ほむら「私には、何故あなたがそこまでまどかに執着するのか分からない。あなたは上条恭介の事が好きなのではなかったの?」
さやか「は、はあ!?なんでここで恭介の名前が出てくんのよ。関係ないでしょ」
ほむら「……」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:51:25.42 ID:LthVPM/C0
たしの言葉にほむらは少し沈黙する
さやか「何よ。何とか言いなさいよ」
ほむら「……とにかく、あなたに何を言われようと私からまどかと別れたりなんてしないわ。これ以上は時間の無駄ね」
さやか「ま、待て!」
帰ろうとする転校生の肩をつかんで引き止める
だけど、どうする
きっともう何を言っても、転校生の気持ちは変わる事はないだろう
それなのに転校生を引き止めて、あたしは何を言えばいい
さやか「えっと、その……。だ、だいたいあんた、気持ち悪いのよ!」
そして、咄嗟にあたしの口から出たのは転校生に対する暴言
もうまどかもなにも関係ない
ただ転校生を貶める為だけの、子供が口にするような悪口だった
さやか「女のくせに女が好きなんて、頭おかしいんじゃないの?まどかはね、あんたと違って普通の子なの。まどかと付き合ってるのだって、どうせあんたがまどかに変なこと言ってたぶらかしたんでしょ!」
ほむら「……」
いきなり別れろって言われたら、そりゃ断るわ
もう少し冷静になれよ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:58:04.69 ID:Ifxbt2VO0
だよな
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 12:58:26.68 ID:LthVPM/C0
転校生が一瞬、とても悲しそうな顔をしたのがわかった
やめて
止まってよ、あたしの口
あたしは別に、こんなことが言いたいわけじゃない
こんなこと、あたしは思っていない
だけど、止まらない
止まってくれない
さやか「純粋なまどかの心につけ込むなんて、最低。あんたがレズで周りにキモがられるのは勝手だけどね、それにまどかを巻き込むな!」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:03:52.79 ID:LthVPM/C0
その時、屋上の扉の開く音が聞こえた
あたしは、その音のする方向に目を向ける
そこに立っていたのは、今絶対ここにいてはいけない人だった
さやか「まどか!?」
ほむら「まどか、あなたどうして」
まどか「……ごめんねほむらちゃん。待っててって言われてたけど、遅かったから様子を見に来ちゃった」
どうしよう
聞かれた?
ヤバイ
何か言わなきゃ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:08:07.01 ID:IOZ6Wf1Q0
なかなか面白い
もちろんほむまどエンドだよな?
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:08:18.28 ID:hMtU2fns0
投下おせえ
素直にSS速報でやればいいのに
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:09:21.26 ID:LthVPM/C0
さやか「ま、まどか。聞いて、違うの」
まどかはあたしに向かって歩き出す
まどかは下を向いていて、表情はよく見えないけれど
あたしはまどかに、見苦しい言い訳をし続ける
さやか「まどかは騙されてるんだよ。こいつに変なこと吹き込まれて、好きだって勘違いしちゃってるだけ。
あたしはまどかがそんな子じゃないって分かってる。だからあたしは、そんなまどかを助けたくて。あたしはまどかの為に」
あたしの前に立つまどか
相変わらずその表情は見えない
さやか「まどか?」
そして
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:12:13.99 ID:IOZ6Wf1Q0
C
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:14:11.90 ID:LthVPM/C0
次の瞬間、あたしの左の頬を衝撃が襲った
その場所が熱い
だけどすぐに、その熱さは痛みで、あたしはまどかにはたかれたのだと理解する
まどか「ひどいよ、さやかちゃん……」
まどかは、泣いていた
まどか「どうしてほむらちゃんにそんなひどいこと言うの?ほむらちゃんは、さやかちゃんが思ってるような子じゃないのに」
守るべきはずのまどかを、あたしが泣かせてしまった
まどか「私ね、さやかちゃんの事が好きだったの。ずっとずっと大好きだったのに……」
突然のまどかの告白に驚く余裕も、今のあたしにはなくなっていて
まどか「こんなさやかちゃん、見たくなかったよ……」
その言葉を最後に、まどかは転校生と一緒に屋上から出ていった
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:16:41.26 ID:LthVPM/C0
他に誰もいなくなった屋上に、あたしは一人ぽつんと立ちつくしていた
こんなつもりじゃなかった
こんなことになるはずじゃなかった
まどかを悲しませるつもりなんて、これっぽっちもなかったのに
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:18:31.64 ID:IOZ6Wf1Q0
C
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:19:55.64 ID:LthVPM/C0
まどかは、あたしが好きだったと言っていた
ずっと好きだったって言ってくれた
だけどあたしは、そんなまどかに今まで何をしてきただろう
あたしが恭介の事を好きだと知った時
あたしが恭介の事を楽しそうに話していた時
あたしが恭介の事を相談した時
まどかはどんな気持ちだったんだろう
あたしは今まで、知らないうちにずっとまどかの事を苦しめ続けていたんだ
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:23:46.05 ID:LthVPM/C0
ごめん、まどか
気付いてあげられなくて、ごめん
そして、今さらになってもう一つ気付く
あたしも、まどかの事が好きだった
まどかの笑った顔が大好きだった
だけど、女のあたしが女のまどかを好きになるなんて、やっぱりおかしい事だから
だからあたしは知らないうちに、自分の気持ちに蓋をしていたんだ
そして、一番身近な男子だった恭介の事を好きだと思いこんだ
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:24:40.15 ID:CKeqEPCL0
>そして、一番身近な男子だった恭介の事を好きだと思いこんだ
うわぁ…
恭介と仁美不憫過ぎるだろ…
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:27:25.15 ID:IOZ6Wf1Q0
まどハーとは新しい
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:27:51.09 ID:LthVPM/C0
あたしが魔法少女になったのだってそう
恭介の怪我を治すために、あたしは魔法少女になったんだって思っていたけど
でも本当は違った
初めて魔女の話を聞いた時、あたしは真っ先にまどかの心配をした
そんな化物がいたら、いつかまどかも危ない目にあうんじゃないかって思った
だからあたしは魔法少女になった
願いなんて本当は何でもよかった
あたしはただ、まどかを守れるようになりたかったんだ
だけど、もう遅かった
あたしが自分の気持ちに気付いたのは、なにもかも終わってしまった後だった
あたしはきっと、まどかに嫌われた
あたしが、まどかを泣かせてしまった
まどかを苦しめているのは、転校生じゃなくてあたしだった
転校生の言うとおり、あたしはもうまどかに必要じゃなくなったんだ
全方位に土下座ものやで
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:32:09.59 ID:LthVPM/C0
あたしは地べたに座り込む
あたしの目からは、いつの間にか涙があふれてきていた
その涙は、頬をつたって流れ落ちる
まどかに叩かれた左の頬が、まだちょっと痛くて
だからあたしは、誰もいない屋上で、大声をあげて泣いた
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:33:31.85 ID:CKeqEPCL0
こっからまどさやになったら糞SS
恭介が一番じゃないさやかちゃんなんて
まどかが一番じゃないほむらちゃんのようなものじゃないか
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:35:33.92 ID:IOZ6Wf1Q0
まじでまどさやエンドだけはやめろよ
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:35:53.84 ID:LthVPM/C0
携帯に着信を知らせる音楽が流れる
最近のあたしのお気に入りの、J-POPのラブソング
そういえば少し前、まどかと一緒にCDを買いに行ったこともあったっけ
だけど今は、静かな部屋に響き渡るその音楽がとても不快だった
うるさいな、静かにしてよ
もう、放っておいて
その曲はしばらくの間流れ続けた後、諦めたようにようやく鳴りやむ
174 :
ごめん、普通にまどさやだよ……:2012/09/29(土) 13:39:42.79 ID:LthVPM/C0
あれから、何日たったかな
時間の感覚が曖昧で、もうずいぶん長い間外に出てない気がするけど
あたしは携帯を手にとって開く
液晶に表示される日時から、あの日から一週間程たっているのだとわかる
携帯の液晶には日時のほかに、メールや着信が多数あることを知らせる表示が出ていたけど、あたしはそれを無視して再び携帯を閉じた
今の状態が駄目だっていうのはあたしにだって分かってる
こんなことしてたって意味なんかない
それは分かってるのに、あたしにはもうなんのやる気が起きてこない
学校にだって行きたくない
学校に行ったらまどかがいる
もし、そこでまどかに冷たい目線を向けられるようなことがあったら
きっとあたしは耐えられない
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:40:27.60 ID:IOZ6Wf1Q0
解散
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:41:30.99 ID:0NenehdPO
まどさやさやさやか
あんなに想っていた恭介を「身近な男子」で済ましてしまうのか
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:43:13.85 ID:LthVPM/C0
杏子『いるんだろさやか。顔出しな』
突然、あたしの頭の中に声が響く
あたしは驚いてつい周りを見渡すが、ここはあたしの部屋なんだから誰もいるはずがない
あたしは部屋のカーテンを開けて外を見た
そこに、どこから盗ってきたのかわからない林檎を食べながら、足を組んで座っている杏子がいた
杏子『この間は悩んでたと思ったら今度は引きこもりかよ。ホントどうしようもないな』
さやか『……うるさいな。だったら放っておいてよ』
杏子『まあそう連れないこと言うなって。せっかく来たんだから、とりあえずあがらせろよ』
さやか『嫌に決まってんでしょ。帰って』
杏子『ふーん、あっそ。まああたしは別にドアとかぶち破って入ってもいいんだけど』
さやか『はあ!?』
これでさやまどになったらさやかの告白を受けて恋人になった上条はさやかに裏切られるわ
大好きな上条へのを告白をさやかに先に譲ったうえ付き合いだしても友達いつづけた仁美は浮かばれんわ
結局ほむらは大好きなまどかを取られるのか
最悪だな
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:47:01.32 ID:LthVPM/C0
杏子がなんでもないような口調で言う
こいつなら本当にやりかねないのが怖い
あたしは仕方なく、杏子を家に招き入れる
杏子「へえ、さやかの部屋にしては意外に片付いてんじゃん」
さやか「……そりゃどーも。てかあんたその林檎」
杏子「なんだよ、勘違いすんな。これはちゃんと金を払って買ったやつだ。
最近あたしバイト始めたんだよ。いつまでもマミの世話になるわけにはいかないからな」
さやか「へえ……。で、何しに来たの?出来れば早く帰ってほしいんだけど」
杏子「はぁ……。何があったか知んないけどさ、あんたいつまでそうやってるつもりだよ」
さやか「あんたには関係ないでしょ。なに?もしかしてあたしの事が心配で来たの?」
杏子「あたしじゃねえ、マミが心配してんだよ。あんた最近学校にも全然行ってないらしいじゃん。ま、これはあたしが言えたことじゃねーけど」
さやか「……」
杏子「電話も出ねえ、メールも返ってこねえって言ってたぜ?せめてさ、それくらい返してやりなよ」
さやか「……だから、放っておいてったら」
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:50:31.85 ID:LthVPM/C0
杏子「……おい、いい加減にしとけよ」
杏子があたしの胸ぐらを掴む
杏子「あたしこの前言ったよな。次に会った時もそんなだったらぶっ飛ばすって」
さやか「……好きにしなよ。殴りたければ殴ればいい。そのかわり、それが終わったら帰って」
杏子「こいつ!」
杏子は左であたしの胸ぐらを掴みながら右手を振りかぶる
あたしは、反射的に目を瞑った
だけど、いつまでたっても杏子の拳はとんでは来なかった
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:53:03.12 ID:dv6XeBvJ0
これでまどさやは後味悪すぎるからやめろマジで
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 13:55:33.80 ID:LthVPM/C0
杏子「……どうしちまったんだよさやか」
杏子はあたしを掴んでいた手を乱暴に離す
その衝撃にあたしはよろけて尻餅をついてしまう
杏子「そんなの全然さやからしくねーだろ。いつもみたいにあたしに突っかかってこいよ!」
いつも突っかかってくるのはあんたでしょーが
そう言い返してやりたいけど、今のあたしにはそんな気力はなくて
さやか「……ごめん、杏子」
あたしは杏子に謝ることしかできない
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 14:00:32.52 ID:LthVPM/C0
さやか「心配してくれてありがと。でも、どうしても駄目なの。ちゃんとしなきゃって思うのに、全然体が言うこと聞いてくれないの」
杏子「もしかして、まどかとなんかあったのか?」
あたしは無言で答える
それを肯定だと受け取った杏子は呆れたようにため息をついた
杏子「なんだよまたかよ。だけどそれにしたって落ち込みすぎだろ」
杏子は、あたしとまどかがただ喧嘩したくらいに思っているんだろう
あたしがまどかの事を好きだなんてきっと想像もしてないはずだ
杏子「まああれだ。そういう時はさ、とりあえず彼氏にでも慰めてもらえよ。そしたら少しは元気出るんじゃねーか?」
さやか「……恭介とは別れたよ」
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 14:03:50.60 ID:LthVPM/C0
杏子「はあ!?」
杏子が驚いて声をあげる
あの日の夜、恭介に電話をしてあたしから別れを告げた
最低だよ、あたし
自分から告白したくせに、すぐに別れようなんて
仁美にもなんて言ったらいいか分からない
でも、自分の気持ちに気付いてしまったから
もう恭介と付き合い続けるなんて出来ない
こんな風になるんだったら、自分の気持ちなんて気付かないでいた方が幸せだったよ
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 14:14:21.84 ID:Ifxbt2VO0
だめだこりゃ
187 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】(1+0:15) :2012/09/29(土) 14:16:30.07 ID:UOyw08V90
4
188 :
さるってばっか:
杏子「なんでさ?好きだったんじゃねーのかよ」
さやか「それさ、なんか勘違いだったみたい」
あたしは自嘲気味に笑う
さやか「ねえ、杏子。おかしなこと言ってもいい?」
杏子「なんだよ、言ってみな」
もう、いいか
一人で抱え込むのも疲れちゃった
ここで杏子に吐き出したら、少しは楽になれるかな
気持ち悪いって思われるかもしれないけど、なんかもうどうでもいいや
さやか「あたしね、まどかの事が好きなんだよ」
杏子「はあ?え、なに?好きってまさか」
さやか「そう。友達としてじゃなくて、一人の女の子としてまどかが好きなの」
杏子「……」