1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
『私とっ!付き合ってくださいっ!』
京太郎「へえ?」
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授業が終わり、帰ろうと靴箱を開けると如何にもらしい手紙が一通あった
内容は…要約すると、「放課後屋上に来い」というものだった
大抵の場合、こういう手紙は悪戯か質の悪い嫌がらせ、最悪の場合不良達によるサンドバッグ体験の招待状
と、相場が決まっているが、この学校にはそれほどの不良は居ない
ならば、自動的に悪戯か質の悪い嫌がらせに絞られる訳で
どちらにせよ行かないのが一番の選択である
…しかし人生で初めての体験であるからして
どうもこの貴重なイベントを青春の1ページに埋めてみたいという
どうしようもなく幼稚で無鉄砲な願望が、屋上へ足を運ばせたのである
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:00:50.61 ID:m4N07Fr00
そして現状…まさかのまさかで自分に起こった出来事は
全くもって自分の予想遥かに超えた展開だった
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京太郎「え…えー…えーと………」
?「………」
目の前にいる女性、あの手紙の差出人は確実に彼女であろう
当の彼女は顔を俯かせ、恥じらい混じりに頬を血色に染めている
彼女は何も答えず、只々俺からの返信を待っているようだ
そうだ、何か言わなくては
京太郎「…好き…なんですか…? 俺のこと…」
あーもう何言ってるの俺 こんなん色々と勘違いされそうな返事じゃないか
それでも、彼女はなにも答えず、代わりに代弁するかのように頬が更に赤みを帯びた
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:01:38.63 ID:WjJNfUWe0
支援支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:02:09.56 ID:TBA/5eLG0
なんか見覚えあるんだが
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:02:09.69 ID:Gd4s/zzJ0
再放送か
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:03:00.62 ID:m4N07Fr00
前回は明日が仕事だってのに無計画に書いちゃいまして
申し訳ない
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:04:40.48 ID:m4N07Fr00
…意識していなかったが、よく見ると彼女はとても可愛いらしい
とても上から目線ではあるがそれでも美しく、可愛い
深みのある碧色のストレートで、ウェーブも何もかかっていない、真っ直ぐに整った艶めかしい髪、
そこから見え隠れしているとても大きく綺麗なつぶらな瞳がコントラストを創りだす
大人びた表情と少し幼さを残す身体の不安定さがなんとも言えない魅力を際立たせている
華やかなようで、慎ましいようで、
その相対した魅力はとてもじゃないが自分の目に及ばない
外見はともかくだ、年齢は…恐らく同級生では無い、きっと上級生でろう
面識も見覚えもない彼女だが、どうも見慣れてるような、親近感が湧くような、言葉に出来ない存在感がある
そんな、自分の身に余るような彼女に、自分は告白されたらしい
たった今冷静に考えて事の状況が理解できた
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:05:54.05 ID:m4N07Fr00
京太郎「………」
?「………」
?「………なーんて…嘘に決まっとろうが………」ボソッ
京太郎「先輩!!」
?「はいぃっ!?」ビクッ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:06:22.30 ID:4CYZJuOk0
最終的に咲ちゃんに刺されるところまで頼む
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:08:18.15 ID:m4N07Fr00
京太郎「とても…申し訳ないのですが…!」
京太郎「こんなっ!彼女が今まで出来た事のない童貞の魅力ゼロ野郎ですがっ!」
京太郎「とてもお美しい先輩の彼氏なんかに相応しくないような男ですがっ!!」
京太郎「以上のような不束者ですがっ!よろしくお願いします!!!」
ああ やっちまった これじゃあ完全に痛い奴じゃないですか
ごめんなさい先輩 自分はこんな男なんです
今ならどんな仕打ちも罵倒も蔑みの言葉も快く受け止めるつもりです
どうぞこんな男の縁など断ち切ってやってください
?「あっ…あ…えっ…え…」
京太郎「すみません…こんなん流石にドン引き…」
?「…えっ…わしが…? なんで………?」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:10:12.03 ID:TzGd0jmb0
し
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:10:18.68 ID:m4N07Fr00
京太郎「…はい…?」
?「あっ…えと…また同じ時間のこの場所で…!」ダッ
京太郎「あ…行ってしまった…」
京太郎「流石にドン引きだよな…あんな…」
京太郎「でも…同じ時間の同じ場所って…一応承諾…ってことなのか?」
京太郎「はぁー…なんか凄いやっちまった感が……」
京太郎「まあ…明日また会ってしっかり話すべきか」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:11:19.58 ID:angrH5QQ0
わし?
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:12:09.42 ID:TzGd0jmb0
し
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:12:15.52 ID:q/xPgJ2G0
こないだの続きかあ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:15:35.42 ID:m4N07Fr00
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放課後
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今日も昨日の約束通り屋上へ向かった
着いてみると、昨日よりは落ち着いた趣で先輩は待ち惚けていた
?「………あっ」
京太郎「どうも、昨日ぶり…ですね」
変に気取ったような挨拶を交わし、すぐ近くにあるコンクリート製の出っ張った物体を椅子の代わりにする
今回も昨日のような互いの思考を衝突させたような沈黙が訪れる
それでも、彼女の、先輩の真意を聞き出すのに無言を貫く訳にはいかない
京太郎「あの…なんで俺が好きなんですか…?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:17:20.58 ID:wtRfPayTO
…わかめ?
咲「何アピールだよ、好きにしろ」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:21:46.89 ID:ohy6e1qR0
お、ワカメゥー!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:22:07.05 ID:m4N07Fr00
あかん 単刀直入過ぎた 相手の気持ちへの考慮も糞もない投げやりな質問である
昨日の失敗を自分は全く学習出来ていないようだった
多少の恥じらいはあるようだが、それでも先輩は俺の質問に何の迷いも躊躇いもYESの意思を明かしてくれた
これに続いて先輩は自分への好意について色々と語ってくれた
まず、彼女こと先輩だが、推測通り2年生の上級生だったようで、見覚えが無いのは納得がいく
先輩が自分への告白まで至ったのは、どうやら自分の部活での女子部員達への振る舞いが起因する
どうやら、何人もの女子部員に囲まれているのに関わらず、誰一人と疎外感の無さに驚いた、とのこと
そして、そんな自分の異質さに惹かれ、少なくとも早い段階で俺への興味は一方的な好意に変わった、らしい
察するに彼女には自分が女性にも好かれ、かつ、大事にしているような優しい紳士にでも見えたのだろう
しかし、それは全くの見当違いなのだ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:23:59.00 ID:Ihyv1Sm50
ありそうで無かった組合せ
アリか無しかで言えば……
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:24:45.72 ID:TzGd0jmb0
しえしえ
わかぁめぇ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:29:18.11 ID:m4N07Fr00
部員、女子部員5名と自分はとてもじゃないが異性同士意識するような関係ではない
まず、咲は自分の幼馴染で、良い関係ではあるが、異性としての関係は築いてはいない
和は一方的にこっちからセクハラ紛いの行為で印象はあまりよくないだろう しかも咲にゾッコンのようだ
優希は自分の事を使いようの良い雑用係としか思っていない、部長もまた然り
染谷先輩は…とてもじゃないが異性と関係が築けるかも疑わしいものである
以上のように、皆友人の如く自分は女性陣と関わってきたつもりだ
行う行動にしても、彼女らには最低限の考慮しかしていない
このように自分と彼女らとの関わり方は全くもって評価出来るものではないのだ
まるで好意をもって自分に接してるようにされている彼女らにしてもいい迷惑である
そう伝えてやりたいが、流石に先輩からの好意に傷を付けるようなことは絶対にしてはいけない
自分は、ただ、素直に、先輩からの純粋なご好意を受け入れるべきなのだ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:29:36.09 ID:DqF2Lhlv0
支援する!
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:34:16.85 ID:TzGd0jmb0
し
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:34:22.51 ID:m4N07Fr00
そんな自問の無い自答だけを頭の中で繰り返しながら、先輩からの告白もとい、独白を聞き続けた
暫くし、彼女の話が完結したところで、ある一つの疑問が浮かび上がった
疑問というかなんというか先輩との関係を築くに、重点とも言える要素であろう
京太郎「あの…そういえばまだお名前をお聞きしていなかったような…」
そう聞いて少し焦った様子になった彼女は咄嗟に即興な自己紹介を行った
?「……やまこ…じゃなくて…! えーと…まや…『まや』って呼んでください!」
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こうして 彼女こと、先輩こと、『まや』さんとの関係が始まったのである
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:40:01.29 ID:DqF2Lhlv0
ふぅーむなるほどなるほどー
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:42:06.51 ID:ohy6e1qR0
ふぅ〜む成歩堂成歩堂
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:43:42.61 ID:TzGd0jmb0
まこまこ!!
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:43:53.75 ID:m4N07Fr00
申し訳ないがもう私には書けそうにないです
やっぱり染谷先輩はそのままの姿がいいんであって
自分が歪曲し創りだした染谷先輩になんか全く価値も存在理由など無いのです
そんな理由もあって度々申し訳ないですが、
自分の中の先輩像を歪ませるというのは苦痛であり、自らへの被虐であり、
人々が作り上げた存在、定義そのものへの冒涜だと思うのです
またかよ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:45:48.51 ID:UnGCbcb50
葛藤の末に待つものは…
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:46:28.02 ID:ohy6e1qR0
性格崩壊など今に始まった話ではなかろうに……
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/17(月) 23:48:29.05 ID:mi7sqkAo0
誰か続きはよ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
くたばれ