1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
〜学校・人けの無い場所〜
恒一「こんなところに呼び出して……何か用かな?」
小椋「よくも……よくも兄貴をっ!」ブンッ
綾野「由美、だめぇっ!」ガシッ
小椋「彩、離してっ! こいつの、こいつのせいで兄貴が!」
小椋「それに彩だってご両親が亡くなったんでしょ!?」
綾野「そ、それはそうだけど……だからと言ってこういっちゃんが悪いわけじゃ、ないよ」
小椋「でも、こいつが来てから『現象』が……っ」
綾野「違うよ! ……見崎さんに聞いたんだ」
綾野「本当は彼女の双子のお姉さんが4月に亡くなってたんだ、って」
小椋「えっ……それじゃあ」
綾野「うん……こういっちゃんが来る前から、『現象』は始まってたんだ」
小椋「う……」
綾野「ごめんね、こういっちゃん? 気にしないで」
恒一「綾野さん……」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:36:09.00 ID:lyWPanif0
いいから続けてみなさい
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:38:34.54 ID:QVPAylO/0
恒一「……決めたよ、僕」
綾野「え?」
恒一「僕が……」
恒一「僕が、小椋さんのお兄ちゃんになるよ!」
恒一「さぁ小椋さん……いや由美! おいで!」
小椋「」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:38:53.22 ID:L/A6bqDbO
おぐにゃん!
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:42:30.87 ID:QVPAylO/0
小椋「っていやいやいやいや意味わかんないし」ブンブンブン
綾野「……こういっちゃん。実際に人が死んでるんだからそういう冗談はよくないと思うな」
恒一「冗談? 僕は本気だよ」キリッ
綾野「……」ジー
綾野「……はぁ」
綾野「あれは本気の眼だね。諦めて、由美」ヒソヒソ
小椋「えぇ〜……」
恒一「由美……よしよし」ギュッ ナデナデ
小椋「っ!?」カァ
小椋「やっ、やめてよねっ///」バッ
恒一「あ……」シュン
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:43:24.27 ID:jYvsoRdq0
おぐにゃん!
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:47:17.93 ID:jYvsoRdq0
はよ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:47:18.02 ID:QVPAylO/0
恒一「お兄ちゃんになるとは言っても家にまで行くことはできないから……学校でだけになっちゃうね」
恒一「でも、毎朝ちゃんと迎えに行くよ」
恒一「放課後も家まで送ってくからね」ニコッ
小椋「な、なんなのよ、もう……」
〜放課後〜
恒一「由美―、帰るよー」
小椋「なっ、名前で呼ぶなぁっ!///」
綾野「こういっちゃん、私もご一緒していい?」
恒一「もちろん!」
綾野「由美がまた包丁を持ちだしたりしないようにねー♪」
小椋「もうしないわよ……そんなこと」
………
……
…
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:49:46.57 ID:6xXbfH4X0
フェアじゃないね
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:52:56.31 ID:QVPAylO/0
小椋「わ、私の家ここだからもういいわよ」
恒一「そう? じゃあ……またね、由美」ニコッ
綾野「由美、またねー」フリフリ
小椋「あ、うん」
小椋「なんなのよもう……」
恒一『女の子一人じゃ危ないし綾野さんも送っていくよ』
綾野『こういっちゃんってここから家近いの?』
恒一『うーん、方向が違うからね。ちょっとかかるかな』
綾野『え、なら悪いよ』
恒一『いいよいいよ。気にしないで』
綾野『……じゃあ、お言葉に甘えて』
小椋「……なんなのよ、もう」
◇
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:54:49.10 ID:4GZvsDJW0
Anotherはもう廃れた
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:57:12.90 ID:QVPAylO/0
小椋母「由美、綾ちゃん来てるわよ」
小椋「今行くー」パタパタ
がちゃっ
小椋「おはよー、あ……や……」
綾野「おはよっ」
恒一「おはよう」
小椋「あ、ぅ……」
小椋(ね、寝癖はない………よね?)サッ サッ
恒一「じゃ、行こうか」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 18:57:15.88 ID:jYvsoRdq0
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:01:54.42 ID:QVPAylO/0
綾野「そう言えば昨日こういっちゃんがおススメしてた……」
恒一「あ、うん。見た?」
綾野「見た見た。あれさ、主人公が―――」
小椋(……あたしのお兄ちゃんになるとか言っておきながら)
小椋「……ばか」ボソッ
恒一「え? 由美、何か言った?」
小椋「別にっ。なーんにも!」プイ
恒一「うーん?」
綾野「……ふーむ?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:07:07.30 ID:QVPAylO/0
◇
綾野「今度の演劇発表に向けていい感じに仕上がってきたね」
小椋「でも疲れたー。彩、帰ろ」
綾野「あーごめん、この後ちょっと打ち合わせがあるんだ」
小椋「なら待ってるよ?」
綾野「ううん、どれくらいかかるかわからないから悪いよ。先に帰ってて」
小椋「そっか。じゃ、また明日! 打ち合わせ頑張ってね」
綾野「うん、またね」
小椋「彩も大変な立場になってきたんだなぁ……」
恒一「あ、お疲れ様」
小椋「あっ……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:11:48.89 ID:mleGaSx+0
しえん
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:12:31.04 ID:QVPAylO/0
小椋(すっかり忘れてた)
恒一「さ、帰ろうか」スッ
小椋「う、うん」テクテク
小椋「……」スタスタ
小椋(……あれ?)
小椋(これって……もしかして、下校デート、みたいな)
小椋「っ///」カァ
恒一「おーい、由美―?」
小椋「な、なんでもない!」
恒一「え?」
小椋「え?」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:13:53.01 ID:fRl8aeLr0
おぐにゃんにゃん!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:17:07.88 ID:akDkI+BI0
モブのくせに可愛いやつか
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:18:56.14 ID:QVPAylO/0
恒一「さっきから話しかけてもだんまりだったからさ……着いたよ?」
小椋「あっ……」
小椋(ほんとだ、いつの間に)
恒一「ごめんね、最初の方は楽しく話せてたから続けていいのかと思ったけど……やっぱり迷惑だよね……」
小椋「そ、そんなことないっ!」
小椋「……だ、だから明日もちゃんと迎えに来てよね……バカ兄貴」
小椋「じゃ、じゃあね!」バタン
恒一「由美……」
恒一「……明日―――」
恒一「―――日曜日だよ……」
小椋「あーもう、なんであんなこと言っちゃったんだろう」バタバタ
小椋「……」ピタッ
小椋「兄貴……ううん……『恒一お兄ちゃん』」ボソッ
小椋「っ! 〜〜〜っ!」バタバタバタバタ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:20:26.06 ID:U3qBCFIT0
月曜日
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:21:10.05 ID:hFbQLWdp0
おうはよ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:21:32.31 ID:mleGaSx+0
別に日曜だからって兄が妹に会うのはおかしなことじゃない
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:22:06.13 ID:QVPAylO/0
由美「行ってきまーす」ガチャッ
恒一「おはよう」ニコッ
由美「……おはよ、兄貴っ」
恒一「あ……」
由美「何してんの? 置いてっちゃうよー」
恒一「あ、うん……今行くよっ」
綾野「あ、2人ともおはよー」
由美「おはよー、彩」
恒一「おはよう、綾野さん」
綾野「……あれ?」
綾野(雰囲気、柔らかくなってる……?)
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:27:55.36 ID:cidFxdbY0
しえ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:29:24.03 ID:QVPAylO/0
由美「彩、帰ろー」
綾野「うん〜」
恒一「演劇って初めて見たけど、大変なんだねぇ」
由美「あたりまえじゃん。台詞は覚えなきゃならないし、人が見いるような感情表現とかいろいろあんの」
由美「ま、兄貴じゃ無理だろーねー」
恒一「言ったね? 僕、結構演技派だよ?」
由美「えー? どうかなー」
恒一「主役なんて余裕だね。うん、余裕」
由美「あ、それ部長に言っとく。次回から主役だねっ♪」
恒一「ごめんなさい調子に乗りすぎました」
由美「わかればよろしい」エッヘン
綾野(本当の兄妹みたいになってきたね。由美、こういっちゃん)
綾野(……でも、由美)
綾野(アナタの前にいるのは兄? それとも―――)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:35:54.60 ID:QVPAylO/0
由美「どうしたの? こんなところに呼び出して」
由美「言われた通り兄貴は教室に待たせてきたけど……」
綾野「ね、由美。こういっちゃんとうまくいってる?」
由美「え? ……ま、まぁ? うまくいってるんじゃない?///」
綾野「それはこういっちゃんが言ってた通り『お兄さん』として?」
由美「えっ……?」
綾野「はっきり言うと私、こういっちゃんのことが好き」
綾野「だから由美がこういっちゃんのことをお兄さんと重ねて見てるなら告白してもいいよね?」
綾野「由美にとってはあくまで『お兄さん』なわけだし」
由美「あ、彩……」
綾野「……今からこういっちゃんのところに告白しに行くね」
綾野「話はそれだけ。……止めるなら、今のうちだよ?」ボソッ
由美「……」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:37:31.83 ID:mleGaSx+0
赤沢さん死んでんの?
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:38:57.53 ID:jpSVLa850
鳴ちゃんはよ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:40:45.86 ID:QVPAylO/0
由美(ど、どうしよう……)
由美(好意的だとは思ってたけど、彩が兄貴のこと好きだって……)
由美(で、でも今は兄貴の代わりとして接してるって言っても元は他人なわけだし)
由美(え? あたし、アイツのこと『兄貴』として好きなの?)
由美(わかんない、わかんないよ)
由美(……彩の告白が成功したら)
由美(二人でデートして……キスも、して……)
由美「――――――っ!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:46:07.73 ID:QVPAylO/0
綾野「お待たせっ」
恒一「あ。綾野さん」
恒一「あれ? 由美は?」
綾野「由美にはちょっと外してもらったよ。少しこういっちゃんにお話があるんだ」ニコッ
恒一「僕に?」
綾野「そ。……由美のこと、どう思ってる?」
恒一「え? うーん、大雑把なとこもあって、でも演劇に真剣に打ち込んでる姿はかっこよくて」
恒一「ちょっとやんちゃな可愛い妹………かな?」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:51:04.70 ID:QVPAylO/0
綾野「それだけ?」
恒一「それだけ、って?」
綾野「ほんとは赤の他人の女の子。それにこういっちゃんが言った通り見た目だって中身だって可愛い」
綾野「毎日一緒にいて、何も感じなかった?」
恒一「そ、れは……」
綾野「……こういっちゃん。あたしってこういっちゃんにとって魅力……ある……?」
恒一「あ、綾野さん?」
綾野「私、こういっちゃんのことが好き」
綾野「私じゃダメかな……?」スッ
恒一(あ、綾野さんの唇が近づいて―――)
し
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:54:49.71 ID:QVPAylO/0
由美「――――――ダメえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:55:34.57 ID:QVPAylO/0
恒一「由美……?」
由美「あ、兄貴は……お兄ちゃんは私のなのっ!」ウルウル
由美「だ………から、ひぐっ、とっちゃ、ぐすっ……だめっ……」ポロ…ポロ…
綾野「それは、どっちとして?」
由美「……っ、……りょう、ほうっ」
綾野「……そっか」
綾野「……と、言うわけで」
恒一「え?」
綾野「やー、由美が素直になってよかったねぇこういっちゃん!」
由美「ふぇ……?」グスッグスッ
綾野「よっ、この色男!」
恒一「え? え?」
綾野「あ、でも私がこういっちゃんのことを好きだっていうのは本当だよ?」
恒一「ええっ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:58:01.47 ID:mleGaSx+0
ふむ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:59:19.09 ID:QVPAylO/0
綾野「私と由美は同じ演劇部だし、仲いいし……」
綾野「自分で言うのもあれだけど両手に花だよ? うりうり」グリグリ
恒一「何が何やら……」
綾野「由美。私と一緒にこういっちゃんを『共有』しない?」
由美「共有……」
由美「……彩なら、良い」
綾野「というわけで由美からのお許しが出ましたっ」
綾野「あとはこういっちゃん次第………かな」ニコッ
恒一「あ、えと、はぁ……」
恒一「よ、よろしくお願いします?」
綾野「やったー♪ これから私のこともちゃんと名前で呼んでね、こういっちゃん!」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 19:59:44.19 ID:NjLSaZEXO
思った程薄い本が出なかったんだよなぁ…
訴訟
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 20:00:00.88 ID:o296h1yw0
Fooooooおぐにゃあああ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 20:02:17.65 ID:QVPAylO/0
彩「由美、ちょっとくっつきすぎじゃない?」
由美「何言ってんのよ。彩だって似たようなもんじゃない」
恒一「あはは……」
恒一(む、胸が……腕を組まれると胸が腕にっ)
由美「ま。兄貴はモテるから許してあげる」
彩「『お兄ちゃん』じゃないの?」ニヤニヤ
由美「あ、あれは……///」
彩「いずれ、ね。それはともかく」
彩「……2人とも大事にしてね、こういっちゃん」チュッ
由美「彩も、もちろんあたしも……悲しませたら許さないんだからねっ」チュ
おわり
41 :
【東北電 91.0 %】 ◆193get.ksk :2012/09/16(日) 20:03:17.66 ID:dKaTfGKp0
イイハナシダナー
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/16(日) 20:05:36.19 ID:jpSVLa850
おつぬ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
綾野さんが一番可愛いと思うんだ
あともっと薄い本出ろ
じゃあの