恒一「折角の合宿なんだし、怖い話でもしようよ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
風見「えっ」

勅使「お、いいな!」ワクワク

望月「いいね、夏だもんね」ワクワク

辻井「山の中の古めかしい洋館、外は雷雨…如何にも怪談日和だね」ワクワク

前島「風見、もしかしてビビってるのか?」

風見「そ…そそそそんなことないよ」

風見「和久井くんこそ大丈夫なのかな?」キリッ

和久井「だ、大丈夫さ」キリッ

川堀「わッ!!!」ドンッ

風見「」ビクッ

和久井「」ビクッ

川堀「ビビってやんのwwwwww」

望月「やめたげてよぉ!」
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:00:52.34 ID:rC/CDrZp0
猿田「ところで、何でわしら枕寄せて寝てるぞな?部屋割りは…」

恒一「もしかして猿田くんってキャラブックの百合百合パジャマピンナップでも同じこと考えてた人?」

猿田「え、いや…」

王子「いいじゃない、細かいことは。せっかくの合宿最後の夜なんだし、楽しもうよ」

勅使「わッ!!!」ドンッ

王子「」ビクッ

猿田「やめたげてぞなぁ!」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:01:31.76 ID:rC/CDrZp0
勅使「うーし!トップバッターは俺な!」

勅使「うちの学校に昔から伝わってる話なんだけどな…」

勅使「今から26年前の3年3組に、ミサキって生徒がいたんだってよ」

勅使「そいつがまた顔がよくて性格もよくて、勉強も運動もセンスもよくて、そりゃあ絵に描いたような奴だったらしい」

猿田「ちょっと王子みたいなぞな」

王子「や、やめてよ!」///

望月(このホモ共めが)

勅使「…話を戻すぞ」

勅使「まあ、そんな奴だから生徒からも教師からも好かれてて、人気者だったんだとさ」

前島(眠くなってきた…)

勅使「そんなミサキがな、3年に上がってすぐ、死んじまったんだ…」

勅使「…事故だったとか、火事だったとか、色々説は有るんだが…まあいいか」

勅使「みんな悲しんださ。まさかあいつがって。信じられないって…」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:02:34.48 ID:rC/CDrZp0
勅使「そんな時、ふいに誰かが言い出したんだ」

勅使「ミサキは死んじゃいない!ミサキは生きてる!」バンッ

勅使「今もほら、そこに座ってるじゃないか…。って、ミサキが使ってた机を指差したんだ…」

和久井「俗に言う『見える人』ってやつかな?」ヒソヒソ

川堀「違うと思うぞ」ヒソヒソ

勅使「もちろんそこには誰もいない。でもみんなそれに触発されて、次々と言い出した」

勅使「ミサキは死んでなんかない!ミサキは生きてる、ここにいるじゃないかって…」

勅使「みんなミサキの死を信じたくなかったんだな。結局、クラスみんなで『ミサキは生きている』ことにしたんだ」

勅使「ミサキに話しかけたり、遊んだり、一緒に帰ったり…」

勅使「もちろん全部『ふり』だ。死んだはずのミサキがそこにいる『ふり』」

勅使「担任もそれに協力して、それは卒業まで続いたんだ。卒業式には校長の計らいでミサキの席も用意された」

恒一「…いい話っぽいね。ちょっと不気味だけど」

勅使「おっと。話はそれで終わらないぜ」

勅使「卒業式の後、クラスみんなで写真を撮ったんだが…それに写ってたんだよ…ミサキが」

勅使「いるはずのない、死んだはずのミサキが、青い白い顔をしてさ、みんなと同じように笑ってたんだってさ…」
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:02:43.56 ID:oDsyD9Yd0
久々のanother SS
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:04:26.11 ID:rC/CDrZp0
望月「…」

前島「…」

勅使「…」ドヤァ

風見「…ねぇ、その話みんな知ってると思うんだけど」

勅使「あ、やっぱり?」

風見「この話を知らないのは多分榊原くんぐらいだよ。敢えてこの話をチョイスするのは馬鹿しかいないと思うんだけど」

勅使「馬鹿言うなばーか!」

川堀「…畜生、ネタ被った」

前島「委員長ー!馬鹿がもう一人いまーす!」

恒一「そういえば、26年前の3年3組…と言ったら、うちの母さんがそうだったはずだけど」

猿田「マジ?」

恒一「うん。今度電話掛かって来た時に確認してみるよ」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:05:54.43 ID:rC/CDrZp0
川堀「あーあ、被っちまった」

勅使「悪い悪いw早いもん勝ちだ」

猿田「喜べ川堀、この話してたら今頃お前さんが馬鹿扱いぞな」

川堀「こんな時水野が居たらなぁ。ねーちゃん仕込みのホラーネタいっぱい持ってるだろうに」

恒一「あの人そう言うネタ好きだからなぁ」

前島「水野はバスケの練習があるから来ねえし、米村も夏風こじらせて来ねえし」

恒一「中尾くんは今朝階段から落ちて骨折って、急遽キャンセルだって」

和久井「何も怪談話してる時に階段から落ちた話しなくても…」

辻井「おい」

王子「高林くんも来てないよね。やっぱり病気のことかな?」

望月「ああ、それもあると思うけど…。ここの管理人さんね、高林くんのお祖父さんとお祖母さんなんだって」

風見「えっ、あの人達?そうなんだ…」

望月「それでお祖母ちゃんが凄い孫バカで、だから恥ずかしいから絶対行きたくない!って…」

恒一「あはは、あの人の良さそうなおばさんが孫を猫可愛がりしてる図が簡単に想像出来るよ」

勅使「そして無言で助けを求める高林も、な」
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:06:56.58 ID:rC/CDrZp0
風見「じゃあ次は僕が行こうかな」

勅使「おぉ、ビビり自ら何を語るか」

風見「うるさい」

風見「そうだね、勅使河原が定番ネタだったから、僕も定番ネタで行こうかな」

風見「七不思議の蓮の池の話はみんな知ってるよね?」

恒一「僕が転校して来た時に言ってた話だよね。血まみれの手が…って」

勅使「そんなら俺のと大して変わんねーじゃん」ブーブー

風見「馬鹿は黙ってて」

勅使「」


風見「昔…いつの話か分からないんだけど、とりあえずここが夜見山って地名になるよりも、ずっと前の話になるのかな」

風見「この辺りに有った集落にとある因習があってね、それが……」

風見「数年に一度、若い娘を山の祠に生け贄に捧げるって言うものだったんだ」

勅使「分かった!その生け贄がその手の正体か!」

風見「馬鹿は黙っててくれないかな」

勅使「」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:08:14.23 ID:rC/CDrZp0
風見「…そしてある年、ひとりの娘が生け贄に選ばれた」

風見「娘には婚約者がいてね。猛反対したんだ。2人も、2人の両親も。でも決まったことを覆すことは出来なかった」

風見「婚約者の男は、その娘を連れて逃げた。でもすぐにその事は知られてしまって、追っ手が来た」

辻井(柿沼さん、こう言う話好きそうだな…)

風見「残念ながら2人は逃げられなかった。捕まっちゃったんだ」

風見「娘は予定通り生け贄にされたよ。祠の地下に生き埋めにされて、ね」

風見「男の方は見せしめとして殺されたんだ。袋叩きにされて、そして生きたまま池に沈められた」

風見「…でもその後祟りみたいな事があったらしくてね、何年かしてから男の死体は引き上げられたんだ」

風見「死体はもう骨になってしまっていたんだけど、その引き上げられた骨を見て、誰かが気付いたんだ」

風見「…腕が無かったんだ。腕の骨が丸ごと、ね」

風見「男の骨は丁重に奉られて、祟りは収まったらしいんだけど、結局腕は見つからなくて、今もまだ池のどこかにあるらしいんだ」

風見「その池が、あの蓮の池さ」

望月「……」枕ギュッ
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:10:29.95 ID:rC/CDrZp0
風見「そして娘が生け贄にされた山の祠って言うのが…」

辻井「!?…まさか、」

風見「そう…。今日僕たちが行った、夜見山神社だよ」

王子「…」トリハダー

川堀「マジ…かよ…」トリハダー

辻井「もともと夜見山は昔は黄泉の国の黄泉で『黄泉山』って名前だったらしいんだ」

辻井「黄泉は地下に有ると考えられていてね、死の神を時に豊穣の神として崇めることもあるんだ」

辻井「地下を統べるんだから土も司ってるだろうって」

辻井「だから、豊作を願って黄泉に近い所に生け贄を捧げたんだろうね」

風見「流石は辻井くん、博識だね」

風見「…まあ、この話が事実かどうかは僕は知らないんだけど、こんな話もあるんだよって話…」

風見「どうだったかな?」眼鏡クイッ

勅使「お…おう(風見のクセにやるじゃねぇか…)」ビクブル

猿田「神社オチは無ぇぞな…」ビクブル

前島(後で誰かにトイレ着いてきてもらおう…)
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:11:20.82 ID:rC/CDrZp0
和久井「じゃあ、次僕が行ってもいいかな?風見君のに比べたら大したことないかもしれないけど…」

王子「うん…頼むよ…」ビクビク

和久井「僕、去年発作を起こして少し入院してたんだけどね、そこでの話なんだ」

川堀「病院モノ…」ゴクリ

和久井「僕が直接体験した訳じゃなくて、伝え聞いた話なんだけど」

和久井「ある患者さんが、夜中にトイレだか、飲み物を買いにだったかで病室を出たんだ」

和久井「それでまあ用事を済ませて、自分の部屋に帰ろうとした」

和久井「でも何だか変な…嫌な感じがして、恐る恐る振り返ってしまった…。するとね、」

和久井「手が…真っ白い手が、伸びてたんだって…」

和久井「エレベーターが開いてて、そこから無数の真っ白い手が伸びて、手招きするようにゆらめいていたんだって…」

王子「…ッ」枕ギュッ

猿田(想像したらエノキダケ…)
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:12:53.89 ID:rC/CDrZp0
和久井「…僕が聞いたのはそこまで。その後、その患者さんがどうなったかどうかは知らないんだ。ごめん、大したことない話で」

風見「いや…エレベーター怖くなってきた…。これから当分は階段を使おうと思う…」

和久井「病院の階段に女の子の霊が出るって話もあるけど」

風見「ヤメテ!!!」

和久井「僕としては話の内容自体より、頼んでもないのにこの話を嬉々として話してくれた若い看護婦さんの方が怖かったよ…」

川堀(水野のねーちゃんだ)

前島(水野の姉さんだ)

恒一(絶対水野さんだ)
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:13:16.87 ID:Uq4miggk0
Another久々だな
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:13:47.98 ID:rC/CDrZp0
王子「じゃあ、次は僕が行かせて貰うね」

王子「僕が小学生の時の話なんだけど、家族で旅行に行った帰りに台風が予定よりも早く近づいちゃって、飛行機が飛ばなくなっちゃったんだ」

王子「幸い直撃はしなかったから、一晩過ごせば通り過ぎるみたいだったから次の日の朝早くに飛行機を取り直して、その日は近くのホテルに泊まったんだ」

勅使「ホ…ホテル…」///ゴクリ

王子「ビ ジ ネ ス ホ テ ル だ よ ?」

風見「これだから馬鹿は…」

王子「…こじんまりとしたホテルでね、まあ新しそうで綺麗なホテルだったんだけど、何だか薄暗くて嫌な感じがしたんだ」

王子「その上、父さんが何か知ってるような感じで『そう言えばこのホテルって…』みたいな感じで言ってくるもんだからさ、もう怖くて怖くて…」

王子「もちろん必死に止めたさ。僕も母さんも、そう言う話苦手だから。それでその夜なんだけど、案の定眠れないんだよね。怖いし、外は今日みたいな嵐だし、怖いし」

恒一(二回言った)

王子「…嫌な感じがしてさ、とりあえず何かを見ちゃわないように布団被ってたよ。そしたら…」

王子「ガチャガチャガチャガチャ!」

望月「!?」ビクッ
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:15:15.44 ID:rC/CDrZp0
王子「…って、ドアを回す音がして、そのうちドンドンドンドン!!!!ってドアを叩く音までしだして…もう気が気じゃ無かったよ」

王子「朝が早いのがせめてもの救いだったね。朝までそのまま布団被ってやり過ごしたよ。気が付いたら、音は消えてた…」

川堀「…」

王子「次の日父さんに聞いたんだけどね、何年か前にそのホテルで火事があって、人が1人亡くなったんだって」

王子「その人、逃げ遅れて部屋の中で亡くなったんだって。パニックに陥ったんだろうね、ドアを開けられなかったみたいで」

王子「建物はその後で建て直されたんだけどね、その人の亡くなった部屋が、丁度僕らが泊まってた部屋だったみたいなんだ」

王子「それ聞いてほっとしたよ。音に慌ててドア開けたりしたくて良かったーって…」

恒一「…」

恒一「ねえ」

王子「ん、どうしたの?」

恒一「その人、部屋の中で亡くなったんだよね?…ってことは…」

和久井「…」

辻井「…」

王子「…えっ?」


一同「「………」」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:16:28.95 ID:rC/CDrZp0
前島「…じゃ、じゃあ次俺な」

前島「とある若い夫婦が、マイホームを買ったんだ」

前島「家は建て売りの中古だったんだけど、新築同然で綺麗でおまけに格安価格で、夫婦は気に入って買ったらしい」

前島「夫婦がその家に入居してすぐの事なんだが、ふと家に入ると、玄関に赤いクレヨンが落ちてたんだ」

前島「それからも、家の中に赤いクレヨンが落ちていることが、多々あったんだ」

前島「夫婦に子供はいない。もちろん赤いクレヨンなんて心当たりがない。誰かが侵入した痕跡もない」

恒一(あ、この話前にテレビで見たかも)

前島「この中古物件には一つだけ、不審な点が有ったんだ。家の奥に、本来なら部屋があるべき空間が有ったんだ」

和久井「開かずの間…?」

前島「まあ、そんなところだな。気味が悪くなった夫婦は、その部屋のあるべき場所の壁紙をひっ剥がした。すると釘打ちされたドアが有ったんだよ」

前島「んで、それを開くと部屋の壁に、赤いクレヨンでびっしりと、こう書いてあったんだ」

前島「」スゥッ


前島「おかあさんごめんなさい!ここからだして!おかあさんごめんなさい!ここからだして!おかあさんごめんなさい!ここからだして!おかあさんごめんなさい!ここからだして!」

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

一同「「!!!?」」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:17:34.90 ID:rC/CDrZp0
風見「うわあああ!!」布団ガバッ

望月「え、何?ドア?」

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

勅使「お…おいおい、何の冗談だよ…」

ドンドンドンドンドンドンドンドンバンバンバンバン

川堀「お…おい前島、お前が妙な話するから変なの来ちまったじゃねえか!」(震え声)

前島「俺かよ!…いや、王子だろ!このドアガチャガチャドンドンは!」(震え声)

王子「僕!?そ、そもそも責任の発端は榊原くんに有るんじゃないかな?ほら、みんなでこういう話すると色々寄ってくるって言うし…」(震え声)

勅使「お前らもうやめろ!お前らが怖ぇこと言うから風見が泡吹いてるじゃねえか!」

風見「」

和久井「風見くーーんっ!」ユッサユッサ

望月「誰か…見に行った方がいいんじゃないかな?」



一同「…」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:18:36.19 ID:rC/CDrZp0
川堀「最初はグー!ジャンケン」


恒一 勅使 風見 望月 王子 猿田 前島 川堀 和久井 辻井
パー パー    パー パー パー パー グー  パー グー


辻井「」

川堀「チクショウ!!!」ダンッ

恒一「ほ…ほら、行ってらっしゃい」

前島「頑張れよ」つモップ

辻井(これでどうしろって言うんだよ…)

ドア「」ドンドンドンドンバンバンバンバン

川堀「…あ、開けるぞ」

辻井「…あぁ」モップギュッ

一同「…」ゴクリ

ドア「」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

川堀「!」ガチャッ

辻井「!」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:19:45.64 ID:rC/CDrZp0
??「もう!人がトイレ行ってる隙に鍵閉めるとかマジ止めてよバカ!」

??「…って、あれ?」

辻井「…え?」

川堀「…小椋?」

小椋「辻井…と川堀?」

小椋「え、なんでアンタ達がいんの?」

川堀「えっ」
小椋「えっ」

辻井「………小椋さん、部屋間違えてない?」

小椋「え、マジ?」

小椋「…ありゃ、ほんとだ…」

小椋「ごめんごめん、お騒がせしちゃった。じゃあアンタ達は猥談でも続けといてー」ヒラヒラ


パタン
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:21:35.95 ID:rC/CDrZp0
辻井「…」

川堀「…」

望月「猥談じゃなくて、怪談なんだけどね」

勅使「あーもう!小椋のやつ驚かせやがって!」ホッ

猿田「心臓止まるかと思ったぞな…」ホッ

前島「アナザーならちびってた」

和久井「く、薬…」ガサゴソ

王子「おーい風見くーん。戻っておいでー」ユッサユッサ

風見「」

風見「!!」ハッ
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:23:24.24 ID:rC/CDrZp0
辻井「…川堀は何かネタ思い付いた?」

川堀「いや、全然…。メリーさんの羊ぐらいしか思いつかねえ」

猿田「それ別物ぞな!」ビシッ

辻井「じゃあ、僕が行っちゃおうかな?」

望月「どうぞー」ワクワク

和久井(この男の娘…タフだ…)
22>>21失敗した:2012/09/08(土) 14:25:42.00 ID:rC/CDrZp0
辻井「…川堀は何かネタ思い付いた?」

川堀「いや、全然…。メリーさんの羊ぐらいしか思いつかねえ」

猿田「それ別物ぞな!」ビシッ

辻井「じゃあ、僕が行っちゃおうかな?」

望月「どうぞー」ワクワク

和久井(この男の娘…タフだ…)





辻井「ある侍が家に帰る途中、茶屋に寄った。そこで茶を飲んでいると、茶碗の中に若い侍の顔が浮かんでいたんだ」

辻井「あ、因みにその若侍はイケメンだったらしいよ」キラン

川堀「知らねえよ」

辻井「もちろん後ろにそんな人はいない。君が悪くなって中の茶を捨てて違う茶碗に入れ替えても、茶碗の中の顔は消えない」

辻井「そんなもんだから、侍は「えいっ!」とそのお茶を飲み干した」

勅使「飲んじゃったのかよ!」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:26:32.02 ID:rC/CDrZp0
辻井「家に返ると、門の前に見知らぬ2人の若侍がいた。2人は侍に飲み込まれた男に仕えている者だと言う」

辻井「そして『主人の仇ィ!』と、侍に斬り掛かってきた。侍にはそんな覚えは無かったし、その2人を斬り捨てた。すると」

辻井「2人の若侍は、霧か靄のように、ふわっと消えてしまった…」

辻井「侍は、その夜夢を見た。茶碗の中にいたあの若侍が、侍の家の塀の上に乗って、こう言った」

辻井「私は貴方に殺された。だから、私も無念を晴らす」

辻井「そして、彼は塀を飛び越えて……」


恒一「…」

望月「…」

辻井「…」

和久井「…で?」

辻井「?」

和久井「続きは…?」

辻井「続きは、ないよ」

和久井「えっ」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:27:37.21 ID:rC/CDrZp0
辻井「話はそこで終わり。茶碗の中って話なんだけど、未完でそこで唐突に終わってるんだ。」

辻井「その後侍がどうなったのか、作者の身に何が有ったのか、全ては闇の中…さ」

恒一「なるほど、そう言う話か…」

勅使「おーい、全然怖い話じゃねえじゃん」

風見「いや…これは後から思い出してじわじわ怖くなるタイプの話だよ…。部屋で一人になった時とか、お風呂に入ってる時とか…」

望月「そう言えば頭を洗ってる時にだるまさn」
風見「やめて!」

前島「後ろに気配を感じて振り返っても誰もいないことってあるだろ?あれって後ろじゃなくて上に」
風見「だからもうやめてぇっ!!」(涙声)
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:28:46.19 ID:rC/CDrZp0
望月「じゃあ僕が行っちゃうね」

望月「みんなはさっちゃんの歌って知ってるよね?」

前島「さっちゃんはねー♪ってやつだよな」

川堀「お、懐かしいな。小学生の頃よくその歌で中島からかってたわ」

恒一「サカキバラ事件ネタでからかわれ続けてストレスで肺に穴開けた僕に謝れ」

望月「さっちゃんの歌の一番って歌える?」

勅使「さっちゃんはねー、さちこって言うんだホントはねー♪
   だけどちっさいかーら自分のことさっちゃんて呼ぶんだよ、おかしいね、さっちゃん♪」

望月「うん。じゃあ二番は知ってるかな」

和久井「えーっと…うろ覚えだけど、確かバナナが好きだけど小さいから半分しか食べられない、みたいなやつだよね?」

望月「正解!じゃあ三番は?」
恒一「んー、えっと…」

王子「さっちゃんがね、遠くに行っちゃうってホントかな♪ってやつだよね?小さいから僕のことを忘れてしまうんだろうなって」

望月「正解。じゃあ4番は…誰か知ってる?」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:29:40.05 ID:rC/CDrZp0
猿田「」フルフル

川堀「」フルフル

風見「」フルフルフルフルフルフル

望月「さっちゃんの歌詞にはね、実は4番があるんだって…」

望月「色々説があってね、これで合ってるかわからないからリズムを取って歌えないんだけど、とりあえず聞いて」

望月「さっちゃんはね、電車に跳ねられて死んじゃったんだ。それで、さっちゃんの顔は遠くに飛んで行って、顔がなくなっちゃったんだって」

望月「さっちゃんは今も探してるの。その飛んでいった自分の顔を。そして、自分の背中を押して殺した犯人を…ね」

川堀(今度中島にジャンピング土下座で謝っておこう…)

望月「でね、ここからが問題なんだけどね、さっちゃんは犯人を殺すつもりなんだ。でも、さっちゃんは小さいから犯人が分からない」

望月「だからね、この話を聞いたら、さっちゃんに殺されちゃうんだって」

望月「今夜はお前だよ…」

勅使「もうやめて!風見が息してない!」

風見「」

川堀「風見ィっ!!!」ユッサユッサ
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:33:43.22 ID:NhkCO1KI0
もうやめて!風見君のHPは0よ!!
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:34:29.85 ID:rC/CDrZp0
望月「大丈夫、さっちゃんはバナナが好きだから、枕元にバナナを置いておけばそっちに気をとられて何もしてこないんだって」

和久井「…バナナ」

辻井「有るかよそんなもん…」

王子「詰んだね」ハハハ



猿田「こんな事もあろうかと…」ガサゴソ

猿田「バナナー!」テッテレー

川堀「うおおぉぉおお!!!!!」

前島「でかした猿田!」

和久井「て言うか何で持ってるの!?」

猿田「バナナはおやつにはいるぞな」ドヤァ

王子「猿田愛してる超愛してる」

恒一「王子君が言うとガチっぽいから怖い」

王子「失敬な!誰が初代ホモ担当だって!?」

恒一「言ってないよ!」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:39:32.26 ID:rC/CDrZp0
勅使「風見!バナナだ!バナナが手に入ったぞ!!これでみんな助かるんだ!!」ユッサユッサ

風見「」

風見「!」ハッ


望月(これデマでさっちゃんのモデルの人も存命中なんだけど…面白いから黙っておこう)
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:40:05.19 ID:RVfJapEO0
支援
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:40:43.60 ID:0UmJ0ChN0
おもしろいぞな
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:40:45.68 ID:sPzmQ3q50
さるにきをつけたまえ
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:42:14.38 ID:rC/CDrZp0
猿田「じゃあ、次はわしが行くぞなー」

勅使「よっ!バナナ大明神!」

猿田「わしが中1の時だったかのぅ、友達と2人でショッピングモールに買い物に行ったぞな」

勅使「ああ、あそこのかー。あそこは遊べるよな!ゲーセン入ってるし!」

猿田「目当ての買い物済ませてブラブラしてた時に、何か絵の特別展をやってるのを見つけての。無料だったし、特に考えも無しに『入ってみようか』ってなったぞな」

猿田「中は回廊になってたんだが、それがまた奇妙でのぅ、何だか不気味な絵なんだ」

猿田「大半が人物画だったんだが、やたら歪んでるっつーか、ぐにゃぐにゃっつーか」

猿田「手足が不自然だったり、絵自体が歪んでるのかの?それが芸術っつわれたらそうなのかも知れんが、わしも連れもよぅ分からんし」

望月「芸術だよ」キリッ

猿田「なのかもしれんが、兎に角ムンクとかよりもっと気味悪ぃんぞな…」

猿田「しかも、途中で気付いたんだが、その中には何故かわしと連れだけで、他のお客も、警備員の姿も見えんかった」

猿田「その奥の方でよ、長い髪の女の人の絵がこっちを睨んで来んだ。そりゃもうすげぇ形相でのぉ」

猿田「絵からあんな殺意みたいなの感じたの、後にも先にも無かったぞな…」

望月(なにそれ見たい)
34 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/09/08(土) 14:43:23.70 ID:jGLaGOGS0
支援
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:46:24.34 ID:rC/CDrZp0
猿田「もう気味悪さが頂点に達して、そっからはわしも連れも早足でその個展から出てったぞな」

猿田「…で、その後フードコートで昼飯食ってたんだけど、そしたらそいつ、『さっきのもう一回行ってみない?』とか言い出すんだ」

猿田「もうな、アホかと。何であんな気味悪いとこにもう一回行きたいのかと。まあ行ったんだけど」

風見「行っちゃったのかよ!」

猿田「でも…それさ、探してもどこにも無かったんだよ」

猿田「おかしいなって思ってガイドの姉ちゃんに聞いてみたんだけど、そんなのやってないって…」

猿田「だから、あの時わしらが迷い込んだあそこはいったい何だったのかのぅって…」

和久井「…」

猿田「その後、一月後ぐらいだったかのぅ、そのことを連れに言ったらよ…」

猿田「『何のこと?』って…。覚えてねぇんだ」

王子「…」

猿田「なあ王子、本当に覚えてねえ?」

王子「えっ」

王子「えっ…、え?え?」青ざめー

猿田(後で王子には嘘だってバラとしこう…)
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:47:43.03 ID:rC/CDrZp0
恒一「後は僕と川堀君だけになったわけだけど…。どうかな?ネタの方、何か思い付いた?」

川堀「あぁ…いや、全然。先行ってくれ」

前島「えー?嫌だぞ、お前がトリでショボい話聞かされんの」

勅使「まあ、そん時はホラー大好きサカキ大先生の怖い話アンコールでも期待しようぜ!」

恒一「何その大先生って…」

恒一「で、僕が先に行っちゃっていいのかな?」

川堀「おぅ、頼む」

恒一「じゃあ話すね。『くねくね』って話なんだけど」

猿田「」ブフッw

王子「何故そこで笑った」

猿田「だってくねくねってwwwくねくねってwww」クネクネ

恒一「まあくねくねだもんね。まあ、くねくねするのは今は止めてて」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:52:57.73 ID:rC/CDrZp0
恒一「とある兄弟が2人で田舎のお祖母ちゃん家に泊まりに来たんだ。…小学校低学年と高学年くらいかな?」

恒一「兄弟が田舎道を散策していると、向こうの田んぼに、何か白いものがクネクネ動いてるのを見たんだ」

恒一「案山子じゃないし、動物でも無さそうだし、でも明らかに普通の人の動きじゃない…。」

恒一「『あれ、何かな?』指を差した弟。兄も気になって、首から下げていた双眼鏡を覗きこんだ。」

恒一「すると兄の様子がおかしくなった。青ざめた顔で冷や汗をだくだくかいて、ついには双眼鏡を落とした」

恒一「兄は聞いたこともないような低い声で『お前は見ない方がいい』と呟いた。それと『今日はもう帰る』って。」

恒一「弟は兄だけがくねくねの正体見て自分が知らないままなのが納得いかなかったけど、少し怖くなったのでその日は祖母の家に帰った」

恒一「でもその夜、嫌でも思い知ることになるんだ…」

和久井「…」ゴクリ

恒一「兄は発狂した。ゲラゲラと嗤いながらクネクネと狂ったように体をくねらせ踊る姿は、まるであの時見た、白いくねくねのようだった。いや、それ以上の恐怖を感じた」

恒一「何が有ったのか問い詰める祖父に今日有った事を正直に話す」

恒一「祖父は血相を変えて『くねくねだ、くねくねを見てしもうたんだ…』と、力無く呟いた」

恒一「兄は何を見てしまったのか…弟は祖父に訊ねることは出来なかったけど、幼心に理解した」

恒一「兄は見てはいけないものを見てしまったのだと…」
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:55:13.44 ID:rC/CDrZp0
恒一「お兄ちゃんの方は家に置いておこう。狭い都会の家より、こっちの方がやりやすかろう。世間様のことも有るだろうし」

恒一「こっちに何年か置いた後、畑に放してやるのが一番いいだろう…」

恒一「弟はその晩のうちに、車で家に帰されることになった」

恒一「心配そうに見送る祖母の傍らには、笑いながらくねくねと踊り狂う兄」

恒一「兄は狂ったように笑いながら、泣いていた。弟も泣いた」

恒一「走り出す車。遠くなって行く兄の姿を、弟はいつまでも見ていた」

恒一「いつか、元に戻るよね…?そう信じてふと窓の外に目をやると」

恒一「そこにはくねくねが…」

望月「ひっ!」ビクッ
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 14:59:21.35 ID:rC/CDrZp0
恒一「…話はそれで終わり、なんだけどさ。このあたりも田んぼとか畑、多いよね」ニヤァ…

前島「…おい、やめ」

恒一「もしクネクネした白い何かを見かけても、それを見ちゃわないように…気をつけてね…?」

風見「」パタンキュー

恒一「ごめんごめん、ちょっと悪ノリしすぎちゃったかな?」てへぺろ

猿田「悪ノリってレベルじゃねえぞな!」

勅使「風見ぃぃぃぃいっ!!!」ユッサユッサ

川堀「やめろよ…俺んちの裏、田んぼなんだよ…」

王子(住宅街でよかった…)

望月(描きたい…くねくね描きたい…)

辻井(望月君…笑ってる!?)ビクビク
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:02:11.99 ID:rC/CDrZp0
恒一「さて、僕の話も終わったことだし、次は川堀くんだね」

勅使「ネタは思い付いたのかぁ?まだならもう一周行っちまうか」

風見「やめて!」ガバッ

前島「あ、生き返った」

川堀「ネタは有るっちゃ有んだけどよ…。あのネタはあんまり使いたくねぇんだよなぁ」

辻井「出し惜しみは良くないよ、牛の首でも無ければね」

川堀「牛…?」

恒一「本当にヤバいから話しちゃいけないってやつだよね」

川堀「?…まぁいいや。そこまで言うんなら…仕方ねえか」
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:04:06.70 ID:rC/CDrZp0
川堀「実は俺…










   ホモなんだ」


一同「「 」」





その日は、怖くて眠れませんでした



おわり
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:05:01.21 ID:oDsyD9Yd0
はい
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:08:16.72 ID:0UmJ0ChN0
うむ
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:08:46.65 ID:nT/5XOZJ0
この中に一人、ホモがいる
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:10:52.41 ID:rC/CDrZp0
こないだは落としちゃったけど、何とか書ききれたんだぜ
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/08(土) 15:15:56.42 ID:x783cNbd0
乙だぜ
面白かったぜ
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
やっぱりホモじゃないか!(歓喜)