ケンシロウ「夏休みももう終わりか」

ラオウ「今年は特に暑かったな」

ケンシロウ「ラオウらしくないな。篝火に素手を突っ込んでも平気な癖に」

トキ「雨が少なかったからかな。川が干上がってしまうかと思ったよ」

ケンシロウ「盆明けは雨が少し続いたが、そのせいで蒸して仕方ないな」

ラオウ「それもあと半月足らずの話だ」

ケンシロウ「夏休みももう終わりか」



ジャギ「いや、お前らずっと休んでばっかだろ」

まるで興味がわかない

スイパラ行くやつか

トキ「家から出れない」

199X年　世界は核の炎に包まれた！

海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた

だが…



ケンシロウ「ジャギ、アイス買ってきてくれ」

ジャギ「お前さっきも食っただろ！　俺の分まで」

ケンシロウ「じゃあエアコンでもいいから」

ジャギ「もっと高いだろ！　そんなに欲しかったら自分で働いて買え！」

トキ「男四人が狭い茶の間に集まっているのだ。暑苦しくもなるさ」

ジャギ「とはいえ、一番風通しいいのはここだしな」

ケンシロウ「ラオウ、自室に帰る時がきたのだ！」ｸﾙｯ

ラオウ「あ゛あ゛ー」ﾌﾞｰﾝ

ケンシロウ「ｱﾀｯ」ﾋﾞｽｯ

ラオウ「ぬぅ!?」

ケンシロウ「扇風機独り占めしてんじゃねぇ」

ラオウ「扇風機はこのラオウがもらってやるわ！」

ケンシロウ「野望と共に、自室で眠るがいい！」

ジャギ「暑苦しいからやめて欲しいんだが」

ラオウ「ぬぅあ!!」ｺﾞｳｯ

ケンシロウ「無想転生」ｽｩ…

ラオウ「何!?」

ケンシロウ「もらったァ!!」ﾊﾞｯ

ラオウ「無想転生」ｽｩ…

扇風機「ばわっ」ﾊﾞｺﾞｫ


ラオウ「」

トキ「」

ジャギ「」

ケンシロウ「」

おいそこに座れ

ケンシロウ「そうだ、蝉の脱け殻集めないと」ｲｿｲｿ

ジャギ「おい、そこに座れ」

ケンシロウ「だって、ユリアが今日中に集めろって」

ジャギ「ユリアはそんな事言わない」

ケンシロウ（助けてくれトキ！）

トキ「なんだその目は」

やはりジャギ様は苦労人

……

ラオウ「うぬの所為で俺まで怒られたではないか」

ケンシロウ「ラオウが扇風機を独占しなければこんな事には」

ジャギ「お前ら」

ラオウ「」ﾋﾞｸｯ

ケンシロウ「」ﾋﾞｸｯ

ジャギ「お前らのやった事を言ってみろ」

ケンシロウ「僕達は大事な扇風機を壊しました……」

ラオウ「すまぬぅ……」

ワロス

俺は見てるぜ！

続けろ下さい

いいぞもっとやれ

ジャギ「俺は扇風機買いに行ってくるからな」ｶﾞﾗｯ

ケンシロウ「はい」

ジャギ「馬鹿すんじゃねーぞ」

ラオウ「うむ」

ﾋﾟｼｬﾝ

ケンシロウ「はぁ……大人しくP4Uでもして待ってるか」ｶﾞﾗｯ


トキ「み……水……」

ラオウ「!?　トキ！」

ケンシロウ「トキが熱中症で倒れた!?」

しえ

おわたぁ？

トキ「すまない、心配をかけた」

ラオウ「よもやあの短時間で脱水状態になるとは」

ケンシロウ「おのれジャギ……！」

トキ「……」


ラオウ「むぅ、しかし扇風機がないと、余計に暑く感じるな」

ケンシロウ「これでPS3を動かしたら死ねるな」

トキ「そうだ、川に涼みに行くのはどうだ？」

ラオウ「ぬ……川か」

支援

支援

ケンシロウ「そういえば、今年は川遊びしてないな」

トキ「ユリア達とのバーベキューも、うちの庭で済ませてしまったしな」

ラオウ「俺はちょくちょく釣りに行っていたぞ」

トキ「水くさいなラオウ、何故誘ってくれないんだ」

ラオウ「ケンシロウはともかくトキ、うぬはすぐ紫外線被爆するではないか」

トキ「」

ケンシロウ「海行った時なんかひどかったもんな」

にげられんぞ〜

トキひ弱すぎんだろｗｗｗ

さすが絶滅危惧種

トキ「ちょっとUVカットしてくる」

ケンシロウ「いや、手首足首まで隠れる水着じゃないと駄目じゃないか？」

トキ「ジャギに買ってきてもらおう」ﾋﾟｯ

ラオウ「どれだけ川遊びしたいのだ」




ｽﾀﾝﾀﾞｯﾄｩｰｻﾞｯ ﾋﾞｸﾄﾘｰ

ジャギ「どうした兄者」ﾋﾟｯ

ジャギ「川で泳ぐから水着？　いや、兄者じゃ水圧に負けるだろ。鼓膜破けてもしらんぞ」

……

ジャギ「という訳で、今日のところはこれで我慢しとけ」

トキ「これは……水鉄砲か」

ジャギ「玩具といえど最近のは馬鹿にできんぞ。圧縮した水が出るから、当たると結構痛い」

ラオウ「ふん、こんなやわな玩具ではこの体に傷一つつける事はできん！」

ジャギ「傷ついたら問題だろ」

ケンシロウ「お前は誰と戦ってんだ」

支援

始めてリアルタイムで見たわ
支援

支援

ケンシロウ「どれ、本当に痛いのかな」ﾋﾟｭｰ

ジャギ「ばわっ!?」ﾋﾞﾁｬｯ

ジャギ「ぷはっ！　顔を狙うなって説明書に書いてあったろ！」

ケンシロウ「いや、狙うならまず頭だろ。暗殺者だし」

ジャギ「く……死にやが……れ!?」ｸﾞｲｯ

ケンシロウ「腕の自由を奪う秘孔を突いておいた」

ジャギ「ぶべっ!?」ﾋﾞﾁｬｯ

ケンシロウ「ラオウも食らえ！」ﾋﾟｭｰ

ラオウ「ぬぅん！」ｶﾞｷｨﾝｯ

トキ「そらっ」ﾋﾟｭｰ

ラオウ「かぁッ！」ｶﾞｷｨﾝｯ


ラオウ「くふふ……効かぬな」

ケンシロウ「びしょ濡れで何威張ってんだよ」

ジャギ「どうせならチーム分けして対戦しようぜ」

トキ「そうだな。どうやって分けよう」

ジャギ「グッパーでいいんじゃないか」

ケンシロウ・ラオウ「こいつとは組みたくない」

ジャギ「よし、お前らチームな」

支援

ジャギ「じゃあヒットは自己申告、全滅するまでのサバイバルな」

ジャギ「用意、スタート！」


ラオウ「我に続けケンシロウ！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

ﾋﾟｭｰ　ﾋﾞﾁｬｯ

ケンシロウ「悪い、手が滑ったわ」

ラオウ「……！」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

ケンシロウ「……！」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

ジャギ「罰ゲームも決めるか」

支援

仕切り直し

トキ「ジャギ、戦いとは相手を倒す事より、如何に自分が負けないかが重要だ」

トキ「確実に一人ずつ倒すぞ」ｷﾘｯ

ジャギ「お、おう」

ジャギ（どんだけ罰ゲームが嫌なんだよ）

ﾊﾞｶﾗｯﾊﾞｶﾗｯﾊﾞｶﾗｯﾊﾞｶﾗｯ

ジャギ「ん……この音うわぢっ!?」ﾋﾞﾁｬｯ

トキ「たわばっ!?」ﾋﾞﾁｬｯ


ラオウ「うわっははは!!　貴様らなど黒王号の上で十分だ！」

ジャギ「よし、そこに座れ」

支援

ＰＯＷ！！！

トキ「追いつめたぞ、ケンシロウ」

ケンシロウ「……くっ」

ジャギ「どこへも逃げられんぞ〜」

ケンシロウ「……」

ジャギ「食らいやがれー！」ﾋﾟｭｰ

トキ「さらばケンシロウ！」ﾋﾟｭｰ


ケンシロウ「無想転生」ｽｩ…


ジャギ「お前らにはモラルってものがねぇのかよ！」

ジャギさんも大変だな

追加ルール

･黒王号禁止
･無想転生禁止
･地面をひっくり返して壁を作るの禁止
･天破活殺禁止
･剛掌波も禁止
･闘気を飛ばすな


ケンシロウ「じゃあどうやって戦えってんだよ」

ジャギ「普通に水鉄砲だけで戦えよ！」

ケンシロウ「まだそんな物に頼ってるのか」

ジャギ「お前こそただの遊びに奥義って恥ずかしくねーのカッ……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ！」

ケンシロウ「どうした」

ジャギ「喉痛めたかも……」

ほ

支援

ジャギ「わかった。もう日が暮れるし、泣いても笑ってもこれで最後な」

ラオウ「負けた方は潔く皿洗い、風呂掃除、洗濯を一週間する」

ケンシロウ「サボるなよ」

トキ「そっちこそ」



「用意、スタート！」



ジャギ「もう怒ったぞ。大人げないが、この水風船爆弾でケンシロウ達を……」

ﾋﾟｷｰﾝｯ

ジャギ「!?　水鉄砲が……」

トキ「まずい!?」


水鉄砲「あべしっ」ﾎﾞｼｭｯ

ジャギ「ぎゃ!?」ﾊﾞｼｬｯ

トキ「あろっ!?」ﾊﾞｼｬｯ

支援

どうなってんのかさっぱりわからんぞ

ジャギ「負けたよ。お前らの馬鹿さ加減には完敗だ」ｶﾞｸ

ケンシロウ「動いたら腹が減った。さっさとメシにしようぜ」

ジャギ「あー……はいはい」

……
…………

ジャギ「メシだぞー」

ラオウ「いい湯だったわい」ｶﾞﾗｯ

ジャギ「ありゃ、トキ兄者が風呂やってくれたのか？」

トキ「いや、ケンシロウ達が自分で洗って入った」

ケンシロウ「夕立来そうだったから洗濯物取り込んだぞ」ｶﾞﾗｯ

ジャギ「……」

支援

ラオウ「勘違いするな。俺はびしょ濡れで気持ちが悪いから、さっさと風呂に入りたかっただけだ」

ケンシロウ「俺も着替えを取り込むついでだ、ついで」

ジャギ「はいはい、わかってるよ」

トキ「素直じゃないな」

ラオウ「それより！　ジャギ、風呂上がりのビールだ」

ジャギ「あいよ」

こうして、四兄弟の水遊びは幕を閉じた

茹だるような蒸し暑い夏も、もうすぐ終わり秋が来る

ケンシロウ達は去りゆく夏を惜しみつつ、新しい扇風機で涼むのだった




ジャギ「あれ、食器洗いはやってくれないのか？」

ケンシロウ「え、なんで？」

ラオウ「うぬらが負けたのだ、サボるなよ」

ジャギ「……」



ジャギ「じゃあ来月の小遣いから扇風機台引くから」

ケンシロウ「兄さんは休んでて！」ﾊﾞｯ

ラオウ「毎日仕事に家事と大変であろう！　たまには兄を頼れ！」ｶﾞﾀｯ

ジャギ「……やれやれ」

支援

ごはん＆風呂

続き全然考えてないので落としてもらって大丈夫です

乙

おつ！