ケーキ屋半生

思い出しながら乱雑に書いた。
俺の生まれる少し前。まず、親父の話をしよう
片田舎で名の知れた料亭の長男として生まれるが家業に興味はなく、職場を転々とし最後に人脈を
使い公務職に就く。この頃に母と入籍するが俺が赤ん坊の頃、自尊心の高さ故に上司や担当市民の
方々と何かと衝突して嫌気がさしたので辞め、１０年〜のニート生活をスタートさせた。
なんか30過ぎたのに司法書士になりたい的なことを言って勉学の集中力向上の為に
狭い借家の庭に小型仮設住宅を３００万で建てパソコンやソファーやテーブルを買い揃え
勉強部屋としたが、大体雑誌を読んだりパチンコに行ったりしていた。
長男として料亭のお手伝いさんに世話されながら育った為か我慢ができないタイプだった。
結局、司法書士にはなれなくて別の類似職をやり始めたんだけどな。バカだな（　・ω・）、

一応スペック

中学2年生、男

髪は少し眺め、学校時はワックス使用

身長：普通　体重：普通

趣味：読書（電撃全般）

性格：他人に興味はない

>>2　歳とってから気づくけど夏休みはしっかり遊んだ方がいい


神戸での貿易関係の仕事を辞めて片田舎へ嫁いだ母は慌てて俺達を育てるために働き始めた。
だが浪費家な父のお陰で加速して貧乏していた。料亭はしっかり者の次男が継ぎ
生活保護の案も出たが父と親戚の面子の為、全員に止められダメになった。
父方は全員商売一族なんだ
特に援助ない

はよ

住んでいた借家はボロく１０回に１回は玄関の木屑の棘が手に刺さる仕様で
庭には橙の木が一本生えていた。橙はポン酢の原料で食えたもんじゃないが
俺は空腹になると小石で橙を叩き落し、砂糖漬けにしておやつにしていた。
それを湯に浸しジュースにして啜るという方法を近所のばあちゃんに教わった。
タダで栄養が取れるお得感。略して「タダ得」。いいねタダ得。大好きタダ得。
家の難点をもうひとつ挙げると猫サイズの鼠が現れキャベツをシャリシャリ一玉齧って
去っていく事だ。野良鼠はでかい。小さいのもいる。
鼠の舌は灰紫色で細長い。俺はそれを遠巻きに眺めてビビッていた。

そんな生活の中でも近所のダチ達とは仲がよく、よく忍者ごっこをしては
標的の電柱をボロボロにして遊んでいた。近所のダチは皆年下で、俺はいつの間にか
ガキ大将に祭り上げられ、調子に乗っていたがこの黄金期も小学二年までの短い話である。
クラスでも生意気な口を叩いていた為、いつの間にかイジメの対象となってしまったのだ

それからの俺は物静かで極度のあがり症という人間になってしまい
失せ物探し、細菌ごっこ、暴力、便所飯などの基本と応用を踏んだ
一番記憶に残ってるのは林が居残りの自主中に俺の頭に大量の消しゴムのカスをふりかけた件だ。
林はそのまま帰ったが、俺は髪に絡まった消しカスを取り、ゴミ箱に捨てよう
かとしたが、ふと思い直して林の机にとりあえず置いて返した。


そして教室を最後に退出した。

読み辛いから死ね

ためてないのかよ

その翌日、教室に入るとζ┳┳λの感じで話し合ってる林と先生が見え
二人は俺が入室すると同時にと振り返り、先生は俺に近寄り
「お前がやったのかァ！！！」そう言いながら教員机をダンッ！！！ダンッ！！！した。
ついでに教卓を蹴って滑らしていた。何の件か知らないが俺は竦みあがった。
凄い勢いで怒鳴られている合間に理由を聞き出すと消しカスの件だった。

そんなことで？！　そもそも林のゴミじゃんか…

横には参謀のように立って俺を見つめる林。
林は、優等生だった。

「俺がやった」ことは事実だが「やったか」「やってないか」答えの経緯は必要とされていなかった
林はこんな理不尽なことがあってたまるか、そんな怒り顔をして真面目に憤っていたが
昨日林に蹴られ、扱かされて痣を作った膝、髪にホコリや消しカスを振りかけられていた行為
その事実よりもこの場では机に置いた一握りの消しカスが勝るのだ
たった一握りのゴミが

そっか…俺、消しカスに負けたんだ…………。

幸い目撃者はいないし証拠もない
俺はシラを切り、この辺りから上手に嘘をつく経験を重ねていった

なんやかんやの日々で疲れた俺は腹いせに包丁を腹に刺し自決を計るが失敗に終わる
当り前だが掠り傷の段階でもう超痛かった。
心臓でもう一度トライしようと３時間ぐらい思い詰めたが結局はやめた。
当て付けにしたって死後を確認できる保証もない。俺を虐める奴らのニヤ顔を思い出した。
嫌やなヤツの為に自分の命を使ったってもったいないし腹が立つ。
死ぬぐらいなら逆になんだってできる。全力で逃げることも出来るし逆に殺してやることも可能だ。
でも嫌なヤツの為に刑務所入るのも馬鹿らしい。そしてやっぱり怖かった。理屈じゃない。
そんな開き直りが今日の俺を支え、以降どんな苦境でもバカげた考えは浮かばなくなった。
母に分からないようニートの父から八つ当たりの暴力も受けていたがこの辺で吹っ切れた
翌日から孤高の一匹狼にクラスチェンジし、スルーと暴力で解決していくと
周囲はあまり干渉しなくなった。口だけのチキンが多かったのだ。
変わらずにいじめはあったがわりと静かに小学校生活が送れるようになった。
勉強には興味はなく図書室のイラスト歴史漫画本目当てに惰性で行っていた
あと俺が図書室にいくと誰も入ってこないので心安ぐ場所だった

面白いじゃないか

ぼっちで過ごす小学校生活は快適だった。こっちの方が性に合っていたようだ。
しかし小３ぐらいから謎の貧血・眩暈・吐気で保健室のお世話になることが多くなった
先生には「またか…」「飯はしっかり食うクセに…」と仮病扱いされながら保健室へ休憩に向かう日々だ。
このままでは日常生活が成り立たない。その原因をガキなりに考えに答えを見つけた

俺の通学路は片道２キロぐらいでそれを早起きして歩く。２キロ以上は自転車使用が許されるが
俺は徒歩組で一日往復４キロ弱ぐらいは歩いていた
朝食はめんどくさいから食べない派だったがそれは育ち盛りには足りないものだった。
空腹で体調を悪くしていたのだ。

俺は腹が減っても腹が鳴らなず体調に変化が現れるタイプだった。
試しに昼食のあまりをおかわりすると体調がいいように感じられた。
そんなこんなで母に朝食を食べないと気持ち悪くなるから朝飯をくれと申し入れた。
母も朝食はめんどくさいから食べない派だった。それも筋金入りで。
悪気はないが失念していたのだ。以降、６年ぐらいワカメお握りを食い続け
それが原因で長年にわたりワカメが嫌いになった

なんかクセで今でもあんまり朝飯食ってない

学生時代ケーキ屋でバイトしてたが絶対この職には就きたくないと思ってた

中学校
長かったいじめは唐突に終わった。
近隣６校の小学校がミックスされ爆発的に新顔が増えたのだ
嫌々行っていたわりには小中と皆勤賞だったが…元クラスメイトと会うことはもうなかった。
今思えば教頭先生の配慮だったようにも思う。
この頃父が起業して、母が仕事を辞めたので生活がさらに苦しくなったが何とか
収入が得られるようになった。つか母が超頑張った。頭良くてよかった。
人に言うと恥ずかしいので言ってないが、この頃食卓で初めて肉を食べた。
父の食事と母と俺の食事は別メニューで作られており、父がステーキや刺身を食う横で
俺らはキャベツや薩摩芋（これが肉に相当し腹持ちが良い）なんかの野菜類を食べていた
芋は隣家でじいさんの話し相手をしていると家庭菜園用の余りの苗をもらったので
狭い裏庭潰して俺が作った。貰いもんで二毛作に三毛作とやっていった

俺は中学になっても勉強に興味がなかったし学校に通うことの意味が分からなかった。
何よりいじめから解放された清々しい気分を味わっていたかった。
初めてクラスで友達が出来たりもした。特にクラス一の秀才と話が合った。
そいつはよく小説を読んでいるみたいで本を色々と布教してきた。
ブックオフとかで半年〜一年も待てばワンコインで買える額になるんだと。
俺は「小説」にまったく興味がなく一冊を読み切るのに三年はかかるだろうという感じだったが
断り切れずに三冊借りた。一週間ほど机の上に転がしたままでいたが
返す前に話し合わせにパラ読みを行ったら中々に面白いライトノベルで
堅苦しい「小説」という概念が崩れ文学への興味が始まった。
こいつからトータル４００冊ぐらい借りた

おもしろいけど暗いわ

そういやこの頃、林が俺とクラスで一番人気の子の下駄箱にラブレターを置いて
お互いが出した風を装って中廊下へ行くように仕向けていたが
汚ねぇ字の手紙に中廊下に男が五、六人不自然に並んでニヤニヤしているのが遠めに分かったので
ピン！と来て相手が取る前に俺が相手分も先回りして奪い、二通とも教頭に渡しておいた
悲痛な顔をして嫌がらせに困っていると訴え、中廊下にいる人らを教えておくと
帰る頃には先生×３に尋問されている中廊下組が見えた
クラス変わったのにたまにマメなことをするアイツに呆れた
のちに林の子分の伊村という、学級委員や生徒会長を勤めた真面目な男が
順風満帆予定の人生をどっかで躓けたらしく実家に帰ってバイト君になり
ある日家族全員刺して家を放火し捕まったというのを新聞で知ることになるが
俺の人生には関わってこない。自己評価が高いと世間様で苦労するという話な。

中学二年もそろそろ終わりの頃
「受験」シーズンでみんなそわそわしてくる。どうするどうする？そんな話題がちらほらあり
緊迫したみんなの声に後押しされるように、やっと前を向けるようになった。
いじめ期間が長かった為、解放された自由を満喫していたのだ。
勉強に興味がなさすぎて「受験」の意味すら知らなかった。
秀才君に受験→入学に到る色んなプロセスを聞いた
まずどこに行きたいかよりどこに入れるか、だ。選択肢もしょぼ過ぎて泣けた。
どこにも入れずに二次、三次追加補欠入学すら望みが薄い
英語５点、数学１０点、国語３０点とかの最悪な状態から小学校の教科書も引っ張り出して
俺は今までを取り戻すかのように猛烈に勉強する勢いでちょっとだけ頑張った。
だが、全てが遅かった…

俺は自力で打破できないと悟ると近状を両親に相談
いくらなんでも高校ぐらいでないと不味い
俺の知識にない自己推薦なりなんなり他の方法があったらそれを教えてくれと頼んだ
後日、父が俺に冊子を手渡してきた。県内高校全てをコンパクトに纏めた冊子だ。
学校とかで無料で配布してるようなやつ。
有力者に頼んだからこの中から好きなのを選べという。マジか？！
半信半疑ながらも中の上、とても評判のいい高校を受験した。超々頑張れば学力が追いつけるだろう。
イジメがあった事を誰も知らない地で一から人生をやり直したいと思った。
関係ないが後にこの学校は県内外に知られる名門高校になった。
ちょっと鼻が高い。
一時期本気で殺してやろうかなみたいなこと思った父に感謝した
きっとこの時の為だろうと

電車で片道４５分。金持ちに混じっての高校生活がスタートした
紳士淑女が多いおっとりした学校の中、俺は異色でもの珍しい人間だったらしく
あっという間に人気者になった
だが栄光からの長い転落時を知っている俺はあくまで謙虚に行動した
この頃が一番楽しかった
前回の反省を活かしカンペと自力を駆使しながら推薦をかけた

中略〜社会人編
開き直って面接を受けると割とすぐ採用された。頭の良いヤツ真面目なヤツは星の数ほどいるので
ペーパーは兎も角もう最後は個性で勝負しかないと、ガチに心を込めて、与作を熱唱。
ダチに学んだ横回転でくるくるしながら。そう、俺は音楽の点がとても良かったのだ。
それがお偉いさんの目に留まり採用される。
何か必死だった。
ひとつの事を真面目にするのが好きな性格で仕事が非常に楽しく感じた。
が、同僚の横領が発覚し連鎖責任で首を切られる。
本当の原因は社長さんの息子さんの使い込みだったが、まあ仕方ない。
超勤多くても、やり甲斐があった。一生会社に仕えるつもりだったぜよ…

使途不明金は1800万。ウチはフリーな下請けで…会社と社員を思って捻り出されたものだった。
どこも生残るのに必死な御時勢、よくある話だ。それがターンを確約するものではないんだけどさ。
この辺はね、分が低い賭け。完全癒着とかじゃないし。
「いつか自分に還って来る」と思っていたらしいがその後、某社からターンはなかったらしい。
世知辛いな。

退社１ヶ月前。事情を知った社長さんが息子を連れてアパートまで謝りに来た。
社長は真面目・誠実を絵に描いたようなやり手で、何らかの方法で俺らの事情を知り
息子をボッコボコにして俺のボロアパートの前で土下座させた。
平社員の俺に、青痣だらけの顔で嗚咽と謝罪を繰り返す息子さん。
でもさ、俺はコイツが社員の為に凄く心を砕いてたことは知ってる。
そして片棒を担いでた同僚は息子を庇って泥を被った。飛沫が俺にも飛んだけど（　・Д・）ｵｰｲ!
ちょっと前、息子さんの知り合いの会社に一緒行ったら夫婦が倉庫の天井にぶら下がっていた
事があった。あれも息子さんを追い詰めたのかもしれない。
ウチは社長の手腕で順調に黒字なんだけど、先の事までは分からんし。

一通り謝罪が終わると、今度は退職の取り消しの話が出たが……
とはいえ、もう全社員が「俺と同僚が横領した」という話を知ってるし息子さんは社長候補だ。
職員の横領扱いにした方が全てがうまく回る。立派になれよ。
そのかわり俺と同僚の退職金を×３倍に上乗せしてくれるように頼んだ。
俺はともかく同僚は妻子持ちだ。
肩身の狭い思いをするだろうし金はあった方が良い。俺も欲しい。
この頃、母から電話がかかってくる「調子はどう？御飯しっかり食べてる？」とか
そんな他愛もない話だ。あと一ヶ月で退社だった俺はちょっと言いづらく、見栄を張って
適当に大丈夫だと答えた

世の中に「もし」っていう言葉がある
もしこうしていれば
もしこうだったら

後悔は意味のないことだ

全ては過去で、回想に浸る時間は現在の自分に対する甘やかしだ
過去から未来は生まれない
どんなにいい過去も悪い過去も取り戻しにいくことはできない
現在の足を引っ張って未来を潰していくことしかできない
ならば過去ってのは肥しにするべきだろう
だがふとした瞬間、俺はこの電話のことを思い出してしまう

いよいよ退社した
いいお肉を手土産に実家に帰って少しゆっくりするつもりがレオパレス２１が立っていて驚く。
家がない…
親に電話をかけるが繋がらず、通りすがりの人に聞くと、どうも父が相当な借金作って
夜逃げしたらしい

実家跡地のご近所さんにもし両親の行方が分かったら、もしくは訪ねてきたらと
俺の連絡先と迷惑料に肉と近所のスーパーの商品券を買って渡し
何か分かったら電話をしてくれるように言った
よっぽどの事情があったんだろうな…
跡地の小石ひとつ拾ってその場は去った

ちょっと胃が痛いわ流石に…と思い拾った石に＾ー＾とか書いて誤魔化してみたけど
なんか本気で痛くなったので病院に行くとあと５年と余命宣告された。
ま、俺の人生こんなもんだろ。
しばらくして住処を空気が綺麗な田舎の方面住居を移す。家賃が１万五千と激安だからだ。
俺はそこで話好きのじいさんばあさんに処世術を植えつけられながら
山菜やきのこ採ったりカブトムシ売ったりでかい庭潰してサツマイモ植えたり
轢かれた猪なんかを持って帰ったり釣したりとお小遣いを稼ぎながら生活をする
あと普通の時間帯は事務職などをしていた
空気と水と御飯が美味しく、適度な運動のせいか前より体が楽に思えた

今思えばこの辺からが人生のターニングポイントだった

両親に置いてけぼりを喰らい「役に立てなくても荷物運びぐらい手伝えたのに」と不服を感じつつ
住民票の附表とか戸籍辿れば移動先が分かったりしないかと思い調べてみると
それは分からなかったが自分が養子だったと分かった。少し納得してすっきりする。ほろ苦いな。
ついでに親父も養子だった。その弟が実子で随分と歳が離れている。
子どもができずに養子を入れたが、あとから次男ができしかも器量のよいしっかりものだった。
まあ、そういうことだ。
毎日がそれなりに充実していてもう充分だが、欲を言えばもう一度会いたい。
最後まで馬鹿息子だったが、食うに困っていたら芋ぐらい送ってやりたいと思って。
近所から話を聞いた両親が家に転がり込んできた時、あったかい味噌汁の一杯でもって
ちょっと良い味噌を冷蔵庫に入れてたりしてな。
ちょっとした、未練だな。恥ずかしいから言わせんな。

俺の移動先は独居老人率がそこそこ高い町で申し出たら社協さんなんかが定期見回りを
してくれている。介護相談やらなんやらの世間話ついでの安否確認ってヤツだ。
朝はジョギングなんかするほど元気だが一応申し込んだ。
たまに貰いもんの菓子分けてもらえたりするし
葬式・無縁墓石代も無料でやってもらえて寺にぶち込んでもらえる。有難い話だ。
どうせ葬式に何百万とかけても５０〜年後には大概みんな墓を世話する家系が途絶えたり
なんやかんやでその他大勢とミックスで無縁仏組だ。合同でいいよ合同で。
坊主にとっちゃ墓スペも貴重だ。
俺はこの住みやすい生活にとても満足していた

あとちょっと夜が暇なので素人ながら通販サイトを立ち上げた。
俺の収入源は田舎の司法書士さんの事務と山菜系と弱小通販サイトだ
特に司法書士業は細々とした仕事が多く遣り甲斐があった
依頼人のじいさんばあさんの受けがよかった俺は重宝がられた

サイトの方の内容は…あーはいはいといった内容だ
俺は昔から皮膚が弱くよく紫外線やらなんやかんやにダメージを受けていたが
庭にたまたま生えていたどくだみがよく効いたのだ。母が庭から摘んで精製してた。
アトピー持ちなんかにはどくだみの効能は有名で、これを飲んだり塗ったりしていた…臭うけど。
このことからヒントを得て、どくだみエキスと地元の天然水を取り入れた飲料水と
オマケに園芸用の種をつけた。いや、ほら。緑の少ない県ほど園芸するじゃん。
あと、とれたて野菜とかそんな感じ。庭で物珍しいマイナーな野菜を育てて送ってた。
この頃園芸の知識を深めようと検索をかけるうちに2hcの野菜板へ辿り着いた
あまりの過疎ぶりに騙されスレで釣を始め
爆釣りだったVIPを覗き見るようになる。ノリがいい板だ。
のちに月に何度動くかどうかのこのサイトにスーパーミラクルハイパー転機が訪れる

関係ないけどこの頃御祓いに行って１６万ほど払った。
近所の住職筋から本物を紹介してもらい知り合い依頼で格安で受けれた。
人生後半戦へ本気出す前に実力不足以外の他の不覚があるならと半信半疑ながら。
坊主３人に出迎えられ気の陰り？とやらをお清めされた。
笑っちゃいけないと思うんだが、坊主３人がこっちを向いて真顔で汗だくになっていくので
もう最後は目を閉じて無心の努力をした。
というのも昔から微妙〜な第六感があった。どっちかっていうと啓示みたいな。
トラック倒れてたり舞ちゃんいたり半額セールあったり。何もなかったり。

田舎について少し触れよう。山が多いがどの県の田舎も奥に入りゃこんなもので年金暮らしの
じいさんばあさんが山下付近に入って山菜を採ったり、海沿いの岩場で
魚や貝やワカメをとってはドライブスルー型？っぽいの商店に小額で買い取ってもらい
小遣い稼ぎや自分のご飯の一品にという感じの生活をしている
猪やタヌキなんかが轢かれて道路脇に落ちてたりなんかすると見つけた者勝ちの戦利品だ
前、早朝の六時に道路歩いてると何が起きたのかタヌキ２０体ほど道路に散らばっていたので
６：４の分け前で隣のじいさんに捌いてもらった。俺は切れない。
環境保健所？そりゃ犬猫クマだけのお呼び出しだ。でもクマはどっちかって言うと警察呼ぶ。
話がそれたが田舎には田舎の暗黙のテリトリーと言うものがある。
ココは××さんが採るところでココは▲▲さんの採るところ…といった具合だ
この均衡が崩れると誰かの収入が減り誰かが増えるので領域を侵した者は袋叩きになる
そもそもそれが県や市の管轄する土地であっても、だ。

みてるよー

俺は事務職で働いていたが暇な時に普通に採取もしていた。
みんなやってるからじゃあ俺も…みたいな。とれたて美味しいです。
だが新参者がタダ得できるのは皆のテリトリーから大分外れた場所や少し危ない場所だった
その日は土曜日で特にすることもなかったが、朝５時に起きてしまったので散歩がてら
味噌汁に入れる鴉貝やワカメ目当てにビニールをポケットに入れて海沿いの岩場に行った。
俺の海のテリトリーは少し外れている崖の所だった。見た目はザバァァァン！！！シャー〜だが
実はあんまり高くないし、よく見ると階段のようにデコボコしているところがあり、ある程度
下に降りれて濡れない。寝スタイルで手を伸ばせは貝やワカメが取れる。
お気に入りのテリトリーだった。
そこでザバァァァン！！！シャー〜をじっと立ち見している女の子がいた
確かにココから見る朝焼けは綺麗だが場所がハズレ過ぎてる
なんとなく独特の雰囲気でピン！と来た
ここから二キロ先の崖で有名な自殺の名所がある
彼女は場所を間違えたのだ

俺はどう声をかけようか迷った。彼女は知らないだろうがこの場所は地元高校の水泳部の方々が
たまに飛び込みの練習をしているような場所で、高いのは高いし上から見ると波こそ派手だが
下手な飛び方をしても腹を海面に強く打つぐらいで死にはしない
３０メートルぐらい泳いだ先では海に面したカフェテラスが見えてくるだろう
このカフェはコーヒー通に好評でいつも人が沢山いる。
朝焼けと一緒にコーヒーをってヤツ…丸見えだ。
そんなことを言っても彼女が恥を掻くし意固地になってもあれなんで
本当にどうしようかと思いながら彼女に分からないように岩のデコボコを下り
普段はあんまりしないが海に入って泳ぎながらカラス貝を沢山採ってビニールに詰めまくった
車のキーで貝の根元をガンガンくるくるして
本当はもっとヘラっぽいＶ型のがいいんだけど
濡れ濡れだ

そして今海から出てきた風を装って正面から声をかけた。
顔を見ると１４歳〜？ぐらいの若い子に見えた
あれ〜あんたも貝採りにきたの？ここミネラルが豊富で旨みが凄いよね〜
そんな事を話しかけたと思う。ミネラルが何たるかも知りはしないが
実際、春・夏シーズンは素人さんの面白半分の乱獲で、地元徒歩民の海岸での
摂取量は減っていた。
俺は何も気づいてない風を装って彼女の立ってる横に少し距離を置いて座り、
ビニールから弁当のように貝を取り出して、ポケットに入れていた車の鍵で
強引に貝殻をパカパカ開けて彼女に勧めた。彼女はドン引きして怪しい目で俺を見た。
想定内だ
俺はとれたて貝を朝焼けを見ながらその場で食べる地元人というよく分からない設定の奇人を装った。
奇人だからこんなところにいる彼女に話しかけてもいいのだ。
彼女は最初、断っていたり何かを誤魔化す風だったが俺が朝焼けを見ながら
黙々と貝を食べ、たまに話しかけて腰掛けていくように勧めるうちに彼女も
ついに折れ、一緒に朝食を食べることになった…手掴みだったので濡れたタオルを貸した

俺は舞ちゃん(仮)を引止める材料になるかと上記の半生を思い出話として語って聴かせた。
そして彼女の話を聞きだした。
高校受験の第一次志望に落ちた舞ちゃんは親に暴力を振るわれ第一以外は金銭的援助をしないと
家を追い出されたらしい。それ一本だけだったらしい。腕と首に酷い痣があった。
そこそこの家らしく、東京の有名高校に落ちた娘は恥晒しだから死んでくれと罵られたんだと。
そして此処に来た、と。神妙な顔で相槌を打ちながら俺はこう思った。
おいおい高校一個落ちたぐらいで死なんにゃならんのか！？武士か！東京怖ぇぇ！！！！！！

この理屈で行くと俺を含めた周囲２０県ぐらいの県民の99.999％はそれこそ二キロ先の崖から
海に沈まなきゃいけない。なんともバカにした話だ。
出身学校なんぞ首都圏を離れれば離れるほどフーン扱いで相手にされないし
そもそも聞かれる機会も一生ないと言っていいんだが
郷に入っては郷に従えみたいな首都近辺の根強い風土だな。

親から心配の電話が鳴ったら必ず取ること、を条件に俺は舞ちゃんと三ヶ月過ごすことになる。
はじめこそコタツでごろ寝して、そのままテレビを観ながら料理食べたり、オレンジ食べたり、
物思いに耽ったりしていたが、用事を少しずつお願いしていくとちょっとずつ人間らしい動きを
してきて、控えめな笑顔が可愛い子なっていった。女の子は笑顔が一番だね。
舞ちゃんはホムペを小奇麗にしてくれたり、簡単ながらも料理をしてくれたりと色々と助かった。
特に通販面で助かったので、少ないけどお小遣いあげてた。部屋も綺麗にしてもらえたし
たまにお昼のお弁当も作ってもらえた。これは憧れだったのでちょっと嬉しかった。
舞ちゃんは褒めて伸びるタイプの子だ。
最初、こんな良い子なら１週間とかからず心配の電話をしてくるだろうと思っていたが
…電話は、鳴らなかった。
一度こっそり携帯を借りて親御さんにかけたら着信拒否にされてた。
子に親は選べないもんな…何もないけど今はゆっくりさせてあげたかった。
妹がいたらこんな感じかな？と思い一杯甘やかした。
あと、最近のしまむらは安くて超可愛い服がすげー多いよ。バカにできない。

みてるよー

何だかんだしている内についにやってきた3.11の地震。
俺の県は地震も津波も放射能も見事に外れた地域だった。ピクリともしなかった。
帰宅後、衝撃の津波映像を長時間見ていたから海水に流される夢まで見たがなんもなかった。
舞ちゃんの家族も無事だったらしい。親戚に安否確認していた。
そんなことより、いざという時になっても解かれない家族の着信拒否に俺は大いに失望した。
若干、期待していたのだ。体面重視な為に感情に任せて首を絞めたり殴ったりの暴力を振るって
しまったが娘だが心配になり電話する父とか優しい言葉をかける母とか。
今この瞬間以上の「いざ」はない。対する拒絶はそれが答えにも思えた。
この辺はどっちにしろ時間が必要だな。
とりあえず簡単に貴重品をまとめ、浮輪を一個膨らませ舞ちゃんの枕元に置いておいてみたりした。

震災映像も最初の三日を過ぎれば、あとは使い回しの見飽きたリプレイだ。
夕食後、連ドラもお笑いもないし飽きたのでレンタルショップでDVDでも借りようかと
行ってみるものの同じ事を考えている人が多く全部空だった。
探しに探して唯一見れそうな陰陽師１野村萬斎のヤツを二人で見た。
陰陽師を停止したところでまた津波映像が始まる…あと火事
雨降ったら黒い雨が降りそう…黒い雨降ったら近場の野菜や飲み水に影響がでるだろうな…
そんなことを思いネット検索をかけると「原発やべぇ！」の一色だった。

実は俺、原発のことをよく知らなかった。もちろん原発と放射線の関連性など知る由もなかった。
一般的な電気は電力会社から来てるのは知ってるが、「原発」は大規模工場用の特別な電力の送電
システムぐらいに思っていた。シーベルトを聞いて真っ先に音楽家を思い浮かべる有様だ。
しかしこんな大事になるんなら学校で学んだはずなんだろうけど一切記憶にない。
ウチの町は太陽電気が大変盛んな土地である。トータル的に安いし補助金出る件。
つかもう越した時から借家の屋根に付いてた。先住者の忘れ物だ。
（・ω・）太陽電気いいよ…

原発→その近辺のみんなの電気。但しケース破れると被爆有り。
を理解した俺は地震四日目にして早急に田舎の百円均一等を巡りまくり乾電池系を全て買占めた。
今日本は津波一色で物的・人的被害は甚大だ。同時進行で原発処理とか日本政府じゃ(ヾﾉ･∀･`)ﾑﾘﾑﾘ
安全な方法が云々言ってる間に爆発する。固唾を呑んで見守る前に逃げた方がいい。
そうすると必要になってくるのは電気系統。手頃で言うと消費が激しいけどカン電池系他。
これを支援者が送る→Ｋ、Ｓ運送が物理的に行いけない・届けない→大量にどっかの倉庫に余る
→届いた形跡がない映像→さらに支援者が送る→在庫零→メーカーフル稼働とういう名の死亡
→俺のサイトとか近所の活気のないスーパーさんとかにも御零れの需要が出るかもの構図
そういや総理も菅だったな。あのぼっちゃんじゃダメだな。
爆発規模は知らないが木っ端微塵であればあるほど修復、もしくは代用に時間かかる。
もっと言うと自家発電機が注目されるかもだが…こっちの方は高いから俺は押さえられない。
注目されないかもしれない。急に量産できるもんでもないし。
雨が降らない日はないから、汚染混じりの雨が染みた大地へ水の需要も出てくるかも知れないが
これは…どうだろ

後日俺の予想は大体当たった。大手がフル稼働(仮死亡)したある日を境に
一件で２リットル100本とかわけの分からん注文が続々と現れ即死した。
どくだみ入れないで水くれとか言われたから途中から水に切り替えた。
綺麗で汚染の可能性がない天然水は、地元人も飲んでるちょっと甘味がある
円やかなものだ。これ田舎の強みになるだろうと思ってた…だが……
ぶっちゃけ水は潤沢にあるのに何故俺が即死したかというと、ペットボトルが手に入らなかったんだ。
「密閉空間に入れられた綺麗なペット水」これが消費者が求めるもんだと思う。
対して俺サ、もしくは地域限定で売られている〜水、〜ジュースってヤツは
そんなに売れないからペットを大量注文できない。
型が時々違ったりもするんだが、ラベル貼前の大手既製品の余りをいる時にいる分
少ない個数で譲ってもらってた。それがいつも頼んでるとこに今回ペットを売れないって言われた。
大手の中身生産が間に合ってないけどペットだけを一旦差し押さえされた状態なんだそうだ。
加えて各方面からキチガイなノルマが課されてキープ出来なければ今後はお取引しないと
強気に出られてるらしく必死の思いで飲料ペット用の原材料確保に奔走してた。
小さいとこなんだが猫の手も借りたいみたいな勢いで。大手が飲料市場をストップさせやがった…
趣味でやってるような月１０件程度の俺サの入る余地などまったくなかった。
商店街の人も近所の市場の人も断られてた。
…こんなに綺麗な水が沢山あるのに。

新潟か山形かな？

帰り際、たまたま会った市場の店長ともらえないモンは仕方ないね、そんな会話をしながら
帰ろうとしていたらＣ社の人が玄関口から入ってきて通りすがりにチラッと俺達を見て
（ ´,_ゝ｀）ﾌﾟｯして去ったので頭にきて市場の店長と一緒に道の自販機に蹴りを入れて帰った。
帰ったら舞ちゃんからある分での発送は全部終わったとの報告があったので我に返った。
手際が良すぎて気持ちいい…

実は言うと俺はこの頃から身体に少々不自由を感じていた。
この時点で医者に宣告された余命を３、４年踏み倒していたのだ。短く見積もったのかな。
だがこんな所でくたばってこの一生に一度あるかないかの
巨大マーケットの震災特需を逃してなるかと頭を捻った。
おそらくこのマーケットは２、３ヶ月で崩壊する。
日本人ってのは熱しやすく飽きやすい。
時期が過ぎれば少々なにか混ざっていようが普通に飲み始めるだろう。
大手も起き始める。その頃には過剰に余った在庫の叩き売りが始まるはずだ。
３ヶ月目はちょっとターンが厳しいかもしれない。

みてるよ

小学生の頃の夢がケーキ屋さんで
いま全然違うことしてるけど
未だにケーキ屋さんなりたい

舞ちゃんとは当然えっちなことしてるんだろうな
そこハッキリしろ

俺らに既製ペットは入手できないが…それは横において
「ペットボトル飲料水」という概念を捨てよう
ようは「清潔な水」これが揃っていればいい訳だ。
ペットとは若干違う容器なら需要はこれほどじゃないはず！
俺個人の量と初期投資できる資産力じゃなんともならんから市場の店長を口説き落として
型にハマらない方向で詰め替え用洗剤(大)のキャップ付きのヤツとか
醤油ボトルとかキュピー用他色々問い合わせてその殆どがｏｋで拍子抜けした。
大手にデメリットがあるとしたら規格外の容器には入れられないとこだろう。
振るいにかけて３、４種類の小〜大の入れ物に搾った。
あと舞さんに容器に貼り付けるほのぼので受けのいいデザイン考案、自宅で大量刷りを頼んだ

だがココで一つ障害というか条件があった。

これは店長からの条件で、協力前に実績を見せろと言ったものだ。
ノリノリだったと思われた店長が途中で離反してしまった。
店内の水は売れるのには売れたけど、言うほどの大袈裟なもんかと。
小綺麗に纏めた領主の控えや出荷票なんかを見せたが納得はしなかった。半信半疑なのだ。
市役所一押しの受けが悪そうな商品も店頭に並べているところだ。
障害者施設作の埃を被った売れない動物の木彫りもある。良くも悪くも地域密着型。
行政・福祉ちょっと絡んでる分、他の店よりも責任は重く下手な行動はできないんだろう。
この店長の市場はというと、だだ広〜い駐車場に頑丈そうな街案内風の建物が入っていて
この中にテナントが３つほどあるといった感じだ。
昔はもっとあったらしい名残のスペースが見え隠れするところで今はクリーニング屋と喫茶兼軽食屋と
店長の海産物・地域の特産・お土産もの・野菜を扱う店(大きめのコンビニ程度のスペースだ)しかない
ココに俺含む高齢者やらが山菜果実魚他を持ち込んで小額で買い取ってもらっている。
それをドライブスルーで立ち寄る人達が買い取っていくという形だ。
隣にキャンプ場があるぐらいの場所でやってて、たまに駐車場借りて学生さんがバザーしたりする。

俺は店長の店の入り口横の駐車スペースを借りて廃校から貰った古びたテントを張った。運動会のな。
人通りはほぼ皆無。たまに車が通って店長の店に入るぐらいの場所だけど、それでも
土日はちょっと活気がある。

雨が降らなきゃいいなとか思いながら会議用の余った茶長のテーブル二つにパイプ椅子を出した。
切り札にオリジナルロゴ入り水ペット(超々大量)と電池類…と要領の良い舞ちゃんだ！
震災しえん村とかそんな感じのロゴをテントにペイントして下地は黄色に染めてやった。

まあ、しょぼいんだ。本当。今思い出してもちょっと泣ける。だが気持ちはすげぇ熱かった。
二人で作戦会議を色々した。
初期費用はやっぱいるから緊急時のヤツをつぎ込んだ。
金ないから田舎引っ込んだんだが…

ならもう店長要らないし自分だけの出来る範囲でやってもいいかみたいな気になるけど
通り過ぎる特需が俺一人じゃ余りすぎるしデカ過ぎる。手に負えないしもったいない。
これに続いてもらえれば辛酸舐めてる街にも臨時ボーナスが発生するハズなんだ。
俺はもう自分の気持ちに正直になろうと街ぐるみでの販売を決めた。

そしてひな壇風に水を積み上げて置いた。ひと目でインパクトのある水の壁だ。
これで街中の噂になるだろう。だったらいいなと。
積み上げの段階で舞ちゃんより先に体力が尽きそうになったので、学生バイトさん３人と
他何人かの暇してる人に手伝ってもらい遂に設置が完成。残りは空のテナントにぶち込んだ。
まだ何もしてないのに成し遂げた感を全員が味わいながらの開始である。

やってみて気づく事もある。
これが太陽の陽射しを浴びて凄いキラキラして目立ったのだ。
予想以上に眩しい。凄い眩しい。半端じゃない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜市場店の入り口｜　　　　｜喫茶口｜
　　　　　水水水水水水水水水水
　　　　水水水水水水水水水水水水　　　　
　　　水水水水水水水水水水水水水水
　　水水水水水水水水水水水水水水水水　
　水水水水水水水水水水水水水水水水水水
水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水

　_____日除けtento__________
｜ 　　俺　　　　舞　　　　｜ 　【ラジオ】
　 　 □□□□電池□□


※↑五千本。減ったら追々増加

※三回崩れた

田舎のネットワークは口コミ。ネットより口コミ。これによって潰れたり生かされたりする。
だから店長のやってることも正しいっちゃ正しいんだ。
初日、客足はぽつりぽつりとしかなく、それも皆店長の店に花や和菓子なんかを買いにくるだけの
ものでこっちの売場にはこなかった。ほぼ机の上でお握り食べただけで終わった。
ちなみに鮭と卵焼きな。飲み物はもちろん水。
…来なかったがこっちを見てビクッとしたり「オォ〜？」と言わせたり目を釘付けにさせてやったぜ。
徐々に忙しくなって来たのは３日目を過ぎた辺りからである。

早朝、ちょっと焦った印象のおっさんが「（個数）制限ありますか？」と水壁を指差した。
ないないないない凄い売れ残ってるから沢山持ってって！そんな会話をしながら渡した。
その人が皮切りとなり、ぽつりぽつりと人が訪れるようになった。これからが勝負な感じだった。
ついでに店長の店から一夜干しなんかを少し買って七輪で焼いて食べた。
メジャーな魚ではないが身が厚く脂が乗っていて、熱を加えるととても柔らかくなり箸を通すと
汁がじゅわっと溢れ出す。ちょっと硬いけどそのままでも齧れるし数ヶ月ぐらい保存ができる。
そして美味い。こういうご飯に手間がかからんもんって電気止まったりした人らにも役立つんじゃね？
ダンボールに一緒に詰めてもベリーグットだよと
自分用と横の市場宣伝用に集まった人に試食してもらってた。
この美味しそうな匂いも拍車をかけ、一夜干し系他は徐々に売れ始め
俺の水部門も段々と忙しくなり始めた。ていうかいつの間にか水専門になってた。
もう「実績を見せろ」云々の話は流れていた。

買う人の大部分は遠方へ送る為のものだ。
丁度店長の店はＫ運送のお立寄り場所になっていたので、そのまま持って行って貰える
都合のいい環境になっていた。だがここに来て一つ問題が発生した…
来るお客さんの殆どはお財布や鞄一つで現れ、お買い物をして段ボールへ詰めて行くのだが
その余ったダンボールが足りなくなってきたのだ
こんな田んぼと山が多めの道路沿いで、すぐさまダンボールが確保できる要素はない。
目を細めて遠めに見ないと次の建物が見えてこないような位置だ。
スーパーもあるにはあるけど空のダンボールそんなにないし、どうすっかなー…
そう思って思案していた俺に道路向かいの信号一つ先…Ｙ局が目に入った。
確か大・中・小のダンボと便箋まで売ってたように思う。こりゃちょうどいい。
ココは田舎には不似合いな立派な建物で、対して客は日に何人か程度…夏ごろ行ったらお婆さんが
一人椅子に腰掛けて何をするわけでもなく涼んで職員と世間話をしていた。まあそんな所だ。
暇してるだろう。

結果、ダメだった。在庫は２０個しかなく注文してこの局に届くのが来週になるし
確固とした売れる根拠がないと多めの注文もできないし現場を動くことになるから
出張販売もできないんだと。俺は餞別にもらった金利〜％のチラシ入りポケットテッシュ×４で
鼻を押さえた。そう。俺は花粉症歴２５年。毎年２〜５月は生きた心地がしないのにこの年は
極端に酷かった。コンタックとアルガードＥＸがなければ呼吸するのもままならん。
そして金利云々のフレーズが俺を憂鬱にさせた。両親等の行方が未だに掴めない…
しょんぼりしながら帰るとちょうどＫ運送が市場から荷物をトラックに積んでいた。
思いついて、Ｋ運送でも売ってないかなと聞いてみたら普通に売っていた。
Ｋさんに頼んだら、日に二回来るし、とりあえず300個持ってくるので
足りんかったらその都度言って下さい。との心強い言葉がもらえた。
結局Ｙ局には鼻を噛みに行っただけだった。最初からＫさんに頼めばよかったのだ。

さあダンボは揃った！いつでも手ぶらでかかってコイやッ！
俺達は加速的に増え始めたお客さんを捌いていった。流れを見ると俺のとこで箱に飲料詰めて
仮テーブルに（役場でもう二つ借りた。どんな小さな用でも借りれる誕生日会とか）一旦置いて
箱に名前を書いてもらい、店長の所で食料品をもらって一緒に入れて封して配送で終了みたいな感じ。
俺と店長の黄金タッグだ。このまま爆進かと思いきや
ここにきてまた問題が…今度は店長側で起こった。
余るほど在庫があったはずの一夜干しなんかが余裕で間に合わないそうだ…
現在、店内ではこれが大ヒット商品なんだが需要の多さに対して作り手の人数と都合が
合わず生産が間に合わなくなってきた。他の商品も悪くはないけどヒットと言うにはう〜ん…という
ものだ。まずい、双璧が崩れるぞ…

これらヒット商品を持って来るのはお年寄り達だ。
ビニール袋ひとつ持って来て、もうちょっといりそう〜？とかのんびり聞いてくる御年寄りに
もっと！もっと要るんだ！あせってくれ！の現状を理解してもらう為に発破をかけまくった。

生産人員が適当に集まって何か聞いてくるたびにボードを使いながら簡単に講義した。
「海産物」「たくさん」二単語しか書いてない。雰囲気な。

俺らが日本全国に自販機置こうとしたら何百年掛かると思ってんだ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
アッチは食っちゃ寝するだけで自販・コンビニでチャリーンチャリーン言ってんだぞ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
今の内に売りに売りまくって大手の在庫腐らしてヒーヒー言わせろや(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
他県のゴミを被災者に食わせんな(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
俺らには他が欲しくて堪らん無限の資源があるんだ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
こっちの方が美味いもん一杯あるのに悔しいじゃねぇか(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
この街のが日本一うまいんじゃ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
俺達が被災地に送ってんだぞ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
待ってるヤツらが沢山いるんだ(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！
ここで助けてやらんにゃ人の道に外れるだろうが(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ！

みんなを煽りに煽り続けると
ついに籠を背負って往復し、大量に持ってくるようになってくれた！

閑散としたとした田舎だったが、この時には籠や物を持った人の頭がわらわらと遠くに見え
こんなに人がいたんだ…と感じ入るものがあった。
段々とやる気に満ちてきたみんなは、そわそわとした雰囲気で仕事を始めた。
自分が持ってきたものがいつもより桁違いに多く売れて、お小遣いが増える。
そしてそれが被災地や首都近辺へ届けられ活躍するのだ。誰も悪い気はしない。
みんな少し、誇らしげでもあった。

このイベント初期、半日だけ舞ちゃんが休んだ日があった。
忙しかったのでとても困った。彼女は主要メンバーであり、優秀なので色々と甘えてしまったが、
いざ抜けると俺の負担の倍増具合が半端ではなかった。彼女の有難味が骨身に染みる一件だ。
発端はイベント経費と疎遠にしてい俺の定期健診の話だったように思う。鋭い指摘と推理を連打され
言い逃れできずにいざという時の入院費諸々も水へぶち込んで全財産５万ですというのがバレた。
事実を認め、これから頑張っていこうハハハで綺麗に話をまとめたつもりだった俺の腹に
目覚ましが飛んできた。他色々飛んできた。「バカじゃないの！？」と怒鳴り
「どれだけ心配してると思ってるの！」と後半は言葉を途切れさせながら泣いていた。
別に貧乏して定期健診をサボっていたわけじゃない。だが人の話を聞きやしねぇ。大泣きだった。
タオルを渡すと顔面に投げ、触ると平手打ちされもう手がつけられなかった。
頭の端で人間ってこんなに涙が出せるもんなんだなと妙に感心しながら
誰かに心配して泣かれたことがなかった俺は慌てた。悪いことをした気はなかったのだが
心配かけてすいません。ごめんね。ありがとう。許してくださいを繰り返し
とにかく背筋を正し真面目に謝り説得した。
思えばこの時から舞ちゃんに若干の違和感を感じていた。

すげえな

こんなことをしていたが俺の本業は司法書士さんとこの事務で月〜金勤務。
戸籍や財産分与に関する担当をしていた。
これがやり始めると変則的なルービックキューブのようでなかなか奥深い。
職場の人間にもそこそこ恵まれていたし、この仕事がとても好きだった。
だが俺の今回の活動は、通常クビになる我侭だ。

退職をした。他にも理由はあるが全部一身上の理由だ。
迷惑をかけてまでやるからには真剣にしたい。
この時、所長の名刺を400枚もらい貰い受けた。
テレビで震災を見て人は何を思うだろう。
被災地周囲８県ぐらいは明日は我が身かと慄くだろう
周囲１４県ぐらいは募金活動・ボランティア活動が最も活発だったりするかもしれない
２、３０県ぐらい離れると他者を見て我が人生を振り返り
土地やわずかばかりの財産はあるけど息子や娘が遠くに居てね。などの遠回しにしていた問題で
井戸端会議をしたりしている風景がよく見られる。イベントの休憩時間とかに
市場の休憩室や簡易ベンチ等、人がに集まりやすそうな所で少しだけ営業をしようと思ったのだ
相談料はタダだしお茶でも飲みにあったまりにきて下さいね〜っていう軽い宣伝だ
俺は先生にお世話になった恩返しをさせてくれといい、もらった名刺をちょいちょい手渡した。
割愛するが本当に色々とあった。先生に身体のことがバレてクビになるかと思って怯えていたら
「できるとこまでやってみなさい」そう言って、皆には黙って職場に置いてくれたり。
俺には勿体ない職場だったよ。
後日、お客さんが２倍に増えたそうな…震災効果すげぇ。　何とか恩は返せただろうか

大忙しになった俺のご飯は、朝方準備したおにぎりをラップに包んだものだった
具に鮭や沢庵、梅干などを入れたが本当は味噌汁も欲しい(*´･д･)(･д･｀*)ﾈｰと話していた。
忙しいとこぼして汚すし場所を取るのでそれが出来ずにいた。
するといつの間にか近所のおばさんが大量の握り飯を持って来て働く人へ配り始め
婆ちゃん達が肉じゃがなんかのおかずを分けに現れ、しばらくすると野外に巨大鍋が登場し
味噌汁を来る人全員に大盤振る舞いし始めた。芋や白菜やシラスの。
興味なさそうだけど親に連れられてお子さんもくるので安い駄菓子も多めに置いて…
４．５年前に去ったタコ焼屋が唐突に現れ…
障害者施設の方がパンを売り始め…
気づいたら祭りのような感じになっていた。
途中、ペットを売っている所が大手から離反し容器を譲ってくれるようになり。
駐車場が満車で空車待ちをしている車まで現れ、なかなかの大盛況だった。
このイベントは成功したのだ！
もう一度言う。このイベントは成功したのだ！！

フォレストガンプみたいだな
おもしろい

全てが終わったあとは、仕事もないので一日中ごろごろしたり意味もなく町並みや
自然の風景を楽しんで瞑想するという贅沢な時間を味わっていた。庭に落ちている葉っぱ一枚一枚
は同じ木から落ちても形や線の入り方が全部異なっていたりする。そういったのを眺めたりして。
俺は幼少の頃、玩具を持ったこともなくダチも殆どいなかったのでこんなことをよくしていた。
趣味とも言えない趣味だ。
昔はあんまり美味しくない橙を齧っていた為、何かに対抗するように庭に柚子を植えたりもした。
柚子があるだけで気品がある家に思えてくるから困まる。平安貴族の屋敷みたいな。
その内、親の借金取りが来たので全額払った。ちょいリッチマンになった俺なら何とか可能な額だが
聞いた瞬間気が遠くなった。ヴィ？とかヴォ？とか変な声がでた。どうも正規の金貸屋じゃなかった。
こりゃ自己破産も意味がなかったなと。だがこれで親が追跡される怖れはなくなった。
イベント活動の目的のひとつではあったが…

そんな時、舞ちゃんから衝撃の告白を受けることになる。
好きだから恋人として付き合って欲しいといったものだ。彼女の眼は真剣だった。
俺は思うに距離感を間違えた。
彼女のことは可愛い妹、もしくは娘のように思っていた。それでいて何でも話せる友人のような。
俺はこう切り出した。舞ちゃんを大切に思ってるのは変わらないけど何分若い。半分位歳が離れてる。
７年後、その時までに気持ちが変わらなかったら、もう一度告白してくれ。
お互い良いパートナーに巡り会えてなかったら、残りモン同士でお付き合いしょうと。泣くかと
思った彼女はあっさりとＯＫし、七年後に再トライすると言った。答えを分かっていた風でもあった。
彼女はこれからどんどん良い女性として磨きが入り、理解し支えてくれる人が現れるだろう。
昔こんなことがあったんだよねって素敵な旦那さんに話すかもしれない。俺の名前を出して
照れの回想もするだろう。
ひょっとしたら、運がよければ一度ぐらいはこの地に来てくれるかもしれない。
退屈そうな子どもを連れてさ。そう考えるだけでちょっと幸せ気分だ。

出会った当初に伝えなかったことがいくつかある。
余命宣告を受けたのはもう随分も前のことだ。今じゃない。でもそう言わないと彼女は
家に来ないんじゃないかなと思った。余命ぶっちぎったヤツの家なんか逆の立場だったら行かない。
自棄になって何されるか分からんから怖いよ。いくらコタツがあるし冷凍肉まんチンするから
ちゃんとした朝飯一緒に食おうよ。食器も全部リラックマだよっていってもさ。
残金は３００円。最終電車から５時間は立ってた。夜が明けて俺が来るまで何を思ってたんだろう。
思い詰めたというよりも傷ついた顔をしていた。だからまだ間に合うと思った。
本当に覚悟を決めたヤツは誰であっても止められないしこんな場所までこない。
あと少し足りない勇気を景観の綺麗さに後押ししてもらう必要もないのだ。
彼女が迷った５時間か６時間は、もうそれがそのまま答えだといっていい。
だからこそ俺が入る隙があった。

彼女も気に入った蜂蜜馬油の石けんはもちもち肌になっていい香りがするけど、本来俺の
病人特有の生臭さを隠す為のものだ。これがもう誤魔化し切れない段階まできていた
目覚まし時計を投げつけられた腹の痣はなかなか消えなかった
睡眠時間は徐々に長くなっていていくら寝ても寝たりなく思う。
お肉で腹を下すようになった。自分の事は自分が良く分かる。もう一年もたないよ。
俺は勝ち逃げする気満々でいたし、その前にどうにか穏便に舞ちゃんを家から出そうと考えていた。
俺はこれからどんどん惨めな醜態を晒していくだろう。
多感な時期のこの子に暴言を吐くこともあるかもしれない。
他にも彼女を不安にさせ傷付けることが沢山あるかもしれない。
でもそういう生々しいのはダメだ。もっと大人になってから色々味わうもんじゃんか。
いや、考えないでもなかったよ？
若い子が俺の手を握って看取ってくれるってさ、単純に嬉しいじゃん。
でもさ、どんなトラウマよそれ。
やっぱりまだ子供だし、若い子にはカッコつけたい。
おっさんに恋したとか言われたら尚更さ。ちょっと照れるね

ある朝のぽやっとした時間（ ・ω・）〜゜縁側に座り山に掛かる霧を遠目に観賞していた。
縁側からみるとミニチュアの世界だが実際に入ると遭難どころの話じゃない凍死する。
水がない国は、こういった小さな水粒をネットのような網目の細かいもので捕らえて
生活水にしているんだとテレビでやっていたのを思い出していた。雲とか。
霧…網………紗々。　そうだ、そろそろお菓子を買いに行こう。

そう思い立って舞ちゃんと近場までお菓子を買いに行くことにした。
２キロ行った先にローソンと大型スーパーがあるのだ。
初めの頃、舞ちゃんへ自転車があるから好きな時間にお出かけしておいでよと任せていたが
１キロを過ぎた辺りからヘルプの連絡を受け迎えに行って以来、時々車を出すようにしている。
どうも通称「鬼殺しの坂」を初回は越えられなかったようだった。
よく見ると足首の骨格が細いから味噌汁は極力炒り子から出汁を取るようにした。
成長期に良い骨格作らないと大人になってからじゃ増えないんだよな…

目当てのオロナミンＣがなかったので鍵を舞ちゃんに渡してスーパーに置き
横のローソンへ行くことにした。
俺は酒に弱いが風呂上りの一杯のぷはーっ！をやりたくてたまに買っていた。色も似てるし雰囲気で。
後にこの飲めない酒のせいで人生がひっくり返ることになる。もう一生禁酒。
ローソンに行くとＣの前の配置にコーピー機があり学生さんがとても焦った表情で何かしていた。
課題の提出期限でも近いのかな？と思って近付くと知り合いだった。知り合いと言ってもこの間の
イベントのお手伝いさんというだけだが…
ちょっと変に思ったのは卒業している筈のコイツがまだ前の制服を着ているということだ。
事情を聞くと今時珍しい大家族の６男だったか７男ぐらいの生まれで学校行く金がなかったんだと。
父ちゃんも運悪く入院中で、コツコツ貯めた貯金＋バイト三昧でなんとか目標金額に達したらしい。
もう学校に縁がない俺は高校って無償化したんじゃなかったっけ？他にまだ金いるの？ぐらいに
しか思わなかったが、もうすぐ入学試験だという。
コイツやたら張り切って残業するなとは思っていた。
福祉的な奉仕活動も単位にプラスされるんだとか。
考えたもんだなぁ

だが待って欲しい。桜も終わった季節に……

オチに期待

言ってしまえば震災関連と学校側の不手際がＷ原因だった。関東なら訴訟レベル
枠は少ないが、一般学生と同じ月の処理にしてもらえるらしい
他にも不憫な理由の子をついでに受けさせてくれたりしているみたいだった
チャンスは三校だけだが、どれも名の知れた評判のよい学校だ。好感度も高い。
他にも宣伝してなくてもやってくれてるところがあるかもしれない
まだやり直せるかもしれない…
たとえいらん世話でもさ、選択肢があるなら教えとかなきゃな。
もう太鼓の達人全国大会予選出場の応援している場合じゃなかった。

でも都会っこってピントがズレてるように思う。
希望校の為なら二浪五浪は当たり前、気まで狂うらしいじゃん。人生のほんの数年なのにね。
他、田舎民の都会人への心象といえばあんまり芳しくない。
概ね使えねぇ、高飛車、病的神経質というもので東大行ってターンでもしようものなら
都落ちｗｗ人が溢れかえってんのにそれでも相手にされないってｗｗｗこの無能ｗｗｗｗｗ
と一生馬鹿にされ就職では圧倒的に不利になる。
毛色の違いから目に付きやすく、前任者の悪い面が印象に残りやすいんだと思う。よく聞く話だ。
もちろんこれは逆の場合も当てはまる。

彼女の視点から見たこの県の有名校ってどうだろう。
えぇ〜ココの？プッｗ一年後にまたあっちで受けますしｗｗｗｗｗとか言われたらどうしよう
恥ずい

普通に一年お休み期間を設けてもいいけどね
このまま行くと１回や２回は俺のケツウンチの世話とかするハメになったりするんだろ。
…重い。重いわぁ。100年の恋も冷めるわボケ

だが彼女は超乗気になっていた。
こうして舞ちゃんの受験が急遽決定した。残り６日だけどなんとかなればいいなと。
嘘、本当は俺がもじもじしている間に２日分余計に過ぎた(ﾉω`*)ﾉ
ま、こういうのって積み重ねた知識だから６日だけ勉強したって仕方ないんだろうけど
脳の活性化とモチべーションな

こんなこんなで舞ちゃんが必要品を取りに昼間を狙って一旦実家に帰ることになった。
両親と和解・喧嘩が拗れて帰ってこないことも予想したが母さんと少し話してターンしてきた。
必要なら誓約書の身元保証人は俺が引き受ける形でもいけるだろう
代筆だろうがなんでもいい。入ったもん勝ちだ。どっちにしろもう数日しかないんだと

電話で合格の結果が届き、通知も送られてきた。土壇場でやってみるもんだな。
そんなこんなで彼女は出て行くことになった。稼いだお給料もあるしね。志も渡しといた。
多分足りないからあとは稼がないといけないけど。捨てるはずの命だったんだ
なら今度は好きに使ったらいいんだよ。人生は一回ぽっきりの大事なもんだ
ほらよくいうじゃん。泣いても一生、笑っても一生分ってさ。
どこの立ち位置にいようが笑って過ごせればそれ以上の贅沢な過ごし方はない。
上手に使い切ろうぜ。
そうして俺は気ままな生活に戻った

ちなみに舞ちゃんの移動先は学生寮で風呂は共同の月１万８千ぐらいだったと思う。
食堂のご飯も学割価格で、自炊とかもできるしわりと良心的。

だが出て行ってすぐ警察がやってきた。舞さん関連だった。
若い子、同棲、大金、そしてお母さんの妄言…いくらでも誤解できる状況だった。
俺は３日ほど警察に通い、狭い部屋のお世話になった。もうほぼ泊まり。
初期段階で誤解は解けたけど税務関係でお叱りを受けた。
だが少し舞さんと家族に歩み寄りがあったようだ。いいことではある…かな？
警察に行ってみて分かることもある。飯代は自腹でご近所の出前だということ。
カツ丼だろうがなんだろうが自腹。

警察から戻ってた俺の田舎生活は一転した。
色んな噂が出回っていたのだ。「元々万引きの常習犯だった」から始まり
気づくと某国でドナー品を売買する闇のブローカーにまで祭り上げられていたのだ。
危険な臭いがする人物に対して町は排他的になる

ほー

この辺り深く書いたけど全部消した。俺が消える。まあ、某国がよく来て海の幸荒らしたり
海上の養殖盗ったり、激怒した組合員を刺して逃げたり追突して逃げたりするんだわ。
援助要請の回答はいつも「近寄らないでください」で動かないし。
証拠撮っても没収死蔵だし。この辺はこの県に限った話じゃないけど困りものだね。
知ってるだけで４，５県はあるわ…
ほぼ月２ペースで現れて目視できる距離の岩場や海上でなにやら獲って帰って行ってる
「海辺に上陸していた」という近所民の目撃情報まであったりする
最近こそテレビで話題になっているが、それももう何十年も前からの話だ
増加の一途、今いるからみんな気をつけろ！の組合放送流れたらいつもとょっと怖いです。
テレビで「冷静に（優越笑）」と、なんとか精神面だけでも日本が優位に見えるよう
国民を誘導する負け犬達のパフーマンスを見るたびに
なんの力もないちっぽけな群島でしかないのだと思い知らされ、俺らを惨めにさせる
もうとっくの昔に彼らにプレゼントされた触ったら日本政府に怒られる場所ってヤツだ
そんな地点が日本には数多く存在する

そしてこの町には不自然な家出人が何人かいた。ただの突発的な家出かもしれない。
でも、家出人に対してみんなは一つの回答を得ているようだった。

それに関与していると疑われ始めたことにゾッとした。
俺のギリギリまで働いてのんびり楽隠居計画に陰りが見え始めたのだ
陰りじゃない。もうね、闇。
闇の覇者となった俺はこの国を闇の力で支配するために隣県へと本拠地を即行で移動した。
でも俺はこういう人間臭い奴らが嫌いじゃなかったりする

ある日、両親の夢を見た。
場所は今の家。俺はコタツに入っていたが暑がりだからちょっと汗を掻いていた。
着ていたセーターが余計だな感じていた。だが座るところはココしかない。
正面には寒がりの母が両手足を入れて温まっていた。
母は俺を見て大丈夫かと聞いてハンカチで額を拭く。薄紫の四隅に小さい葡萄が付いているヤツ。
俺はそれを受け取って本格的に拭きセーターを脱いでまた温もる。
そのうち父が母を呼ぶ。渡り廊下のトイレ辺りだろうか。紙でもないような呼び方だ。
俺は聞き流していたが母は立ち上がり行こうとする。それを引き止めて冷え性なんだから入っとけよ
と言って俺が行こうとすると、いいからしっかり温まっときなさいと言われコタツに戻される。
母は少し心配性だった。
二人はなかなか帰ってこない。
テレビを見るともなしに見ているとそわそわしてくる。そのテレビは何か気味が悪く
モノクロで頭巾を被った侍が刀（多分木刀）を「エイ！エイ！」と言ってずっと振っている。
ずっとそのリプレイ。
違和感を覚え言いようのない不安になる。

はんなま

そこらへんで目が覚めた。ずっと電話が鳴っていてこれに起こされたようだった。
半端な時間に起こされ吐き気がして気持ちが悪かった。
風邪気味かもしれないな、そんなことを思いながら慌てて電話に出たら
両親が見つかったというので急いで現地へ向かい火葬して持ち帰った。
暫く海に居たせいで元の顔の形が掴み辛かった。遺書はなく結婚指輪で身元が割れた。
少しだけ、こうなるんじゃないかなと覚悟もしていた。当たらなければよかった。
人は死んだら肉と骨の固まりになる。そこに二人はいない。
でもポケットに入っていたという物の中にハンカチを見た時、俺は泣いてしまった。
夢で見たのと同じ薄紫のハンカチだった。

もし俺が実子だったら、僅かな垣根もなく相談してくれただろうか
もしあの時、会社の不正に巻き込まれてクビになるって正直に言えたら何か変わっただろうか
なにも死ぬことはなかったんじゃないか
両親は追っ手を振って逃げ切っていた。その追っ手は俺が解散させあとで倒産もした。
最後は印刷会社を手伝っていて、職を手にしていた。借金完済の件も知っていた。
ご近所付き合いも悪くなかったようだった。
それでも死ぬ必要があったのなら、きっと消し切れなかった惨めさと心弱さに負けたのだ
いつか気まずそうに俺のもとを尋ねたりしてくれるのかな？そう思っていたよ
苦労したねって声をかけて肩を撫でたり
ひとこと言ってくれりゃあって愚痴の一つでも言うつもりだった
それもまた今度ってヤツだ

隣県へ移動した俺は釣にハマった。
前よりも都会だが、鮎が釣れる川が家から近いとこにあると
最近友人になった薫さん（仮）に聞いてちょくちょく出かけた。

水の匂いや音が安らぐし少し肌寒いぐらいの気温が気に入った。
長時間立つと腰にクルので椅子に座りながら足で水遊びしたりうたた寝したりひとカラしたりの
スタイルなので熱心な釣好きが見たら激怒するかもしれないが俺なりに楽しんでいた。

近所の食堂のオヤジさんもたまに釣にきているような場所だ。日替わりメニュー用なんだとか。
知らなかったが鮎の釣りたては骨ごとブツ切ってお刺身にして食べてもとても柔らかいのだ。
この頃、食生活が乱れて困りものだったがここの鮎はもりもり食べることができ重宝した。
普通に近くで売ってるけど。
この薫さんは前の町で知合った人だが住処はこっち側にあり、頑張って長距離通勤していた。
これはあとになって知ったが、元彼の家族と揉めてこの通勤になったらしい。

その薫さんが話があるから家に来てくれと言っていたが、嫌な予感がして避け続けた。
会う予定を何度も潰し、居留守を使い…でも結局、罪悪感に駆られて行った。
どうも俺の子を妊娠したらしいということだった
心当たりは２、３あった。どれも飲めない酒を飲んでのことで記憶があんまりない。
少し飲んだらすごく眠くなるタイプだったし。
ちょっと好意的な縁の薄い友人ぐらいにしか思っていなかった…
それから心の整理があるからしばらく色々と考えさせてくれと時間を作り
どうしていいか色々考えた。考えはしたが途中から考えるのが面倒くさくなり
怠惰モードに入った。俺の事情を知ってる薫さんが急かさないタイプだったのも理由かもしれない
ゲーム、釣、家庭菜園、ぼーっと、これを繰り返していた。
正直このまま平穏に人生が過ごせればいいと思っていた

>>89
oh…

まあ舞ちゃんも当然美味しくいただいてたんだろうな

その日は朝から揚げたてのポテトチップが猛烈に食べたくなり庭で芋掘りをしていた
思いのほか気が乗り大量に掘ってしまったので段ボール入れて薫さんの家へ御裾分けをしに行った。
すると玄関口にスポーツカー系の車があり、薫さんと元彼が言い争っていた。
薫さんは関わることを嫌がっており、元彼さんは口汚く彼女を罵っているようで
時々手を出していた。理由はよく分からないが叩くのはよくないよね。暴力だし。
頭に血がイッてるようなので距離を取りながら肩をポンポンして注意すると
太腿を蹴られ扱かされた。関係ないけどブーツ系は硬いから痛い（；ω；）
さらに下ネタ満載で罵って、彼女に暴力を振るおうとしていた元彼の目を覚まさせようと
顔パンチの拳を振るうと肩に当たり（指折れた）激怒した元彼が家の横に
置いてあった朽ちた角材もどきを手に持ったので即行で逃げようとした。
だが逃げ中に敷居に置いてた芋が眼に入ったのでこれで応戦。避けたり投げたり喰らったりの死闘を
繰り返し途中から加わった薫さんと２方向から芋で応戦した。量だけはあったので助かった。
俺の方に向かうと薫さんが頭部を狙い、俺は避けて距離を取りながら芋投げ。
薫さんの方へ向かうと膝カックンのところを狙いキック。あと永遠と拾っては投げ拾っては投げ…
観念した屑彼が帰って行く時、腹いせに車を急バックさせ彼女を轢く素振を見せ
驚いた彼女を見て下品な笑いをして帰っていった

世の中色んな人間がいるんだな、とは思うけど
流石にこんな屑彼に比べりゃ俺でも彼女を幸せにできるだろみたいなセリフを吐いたら
一気に結婚前提のお付き合いモードに突入した。
一気過ぎた。取り消しができない勢いで親族もきた。
当然難色もあるようだが、屑彼が屑過ぎて彼女と縁が切れることを喜んでいるようでもあった
でも俺はこの頃、寝ることが多く一日の睡眠時間が１４時間を突破していた。
にも関わらずなんだよこの流れ…彼女はいい人で楽しいけど…………………




もう流れに身を任せた

俺の出生について少し

どうも議員さんの奥さんと病院のお偉いさんが不倫してできた捨て子だったみたい
役所の前に捨てられていたそうで
この奥さんが高校の時に世話になった人の娘さんだった
遺産相続で揉めてて前の職場ルートから分かった
俺と同じ病気でこの親族が３人ほど早死にしてるので気になったのが始まり。
日本に１００人もいないって聞いてたから。
じいさんの葬式挙げてる最中に一般参列者に混じって実母チラ見に行ったら即気づいて
裏口へ連れて行かれて１２万６千円で叩かれて罵られた。まあそれでご縁は終わりでした。
どうせ縁が切れるんなら、もったいないからお金拾って薫さんと温泉旅行した。
広い風呂に入った。庭の景観も綺麗で超楽しかった〜

段々と早寝しても午前中に起きれなくなったのを心配した義理のお兄さんがダチから紹介された
名医に会いに行こうと言いだした。キューブラさんの否定怒り取引鬱受容ってヤツだ。
第三者にも当てはまるらしい。腕がいいとか悪いとかの話じゃないけど心の整理があるだろうし
健診を何年か行ってなかったので行くことにした。
体内時間を調整する為、新幹線で着くまで寝ようとすると横でお兄さんが「医療の最先端だから！」
を連呼し話しかけてくるので頑張って起きていたが
どうにも限界が来たので寝たら病院の予約時間を過ぎてしまい、予約を翌日に回されてしまった…
ついでに観光でもしたい気持ちをぐっと抑えてホテルを予約したら廊下でさかな君に会った。
都会のホテルだからそんなこともあるんだろうけど、超不機嫌な顔で横に御付をつけていて
感じがとても悪かった。テレビ裏はこんなもんだろうな。兄さんは少し感動していたけど
どうせなら香川照之や大島優子、柴咲コウかテツ＆トモが泊まればいいのに(´･ω･)

面白いからはよ

気を取り直して翌日話を聞きに行くと、別の病院を紹介された。
こりゃタライ回しコースだと思い拒否ると「治るかもしれないから！」と説得され他に移動した。
結論から言うと半死だった俺は末期過ぎてちょっと５ヵ所ほど器官を削ったり繋げたりするけど
不治の余命宣告病人がタダの病気に弱い人間になった。やや不便ではあるが今後も健康に気をつけて
暮らせば、そこそこ長く生きられるだそうだ。嘘だろ？！医者に３度は聞いた。
ガンを治す過程で生まれた治療法で（ガンもわりと消えるっぽい？注意書きあった）
巨大な三重の輪の機械で光線みたいなの当てられた　※保険適応外　綺麗な中古住宅買える額…
これが三年前までだと対処法が確立されてなくて助からなかったそうだ。
俺は余命宣告を意地で踏み倒し続け、やってココに辿り着いたんだ
無一文になってしまったが震災パワーと薫さんの力でなんとか治療を乗り切った
これで息子の顔が見れると思うと涙止まらんかった

ああ関東には２〜３つしかない放射線治療のできる病院ね
でも300万〜からで済むイメージだったけど

たまに入る>>1の名言に泣ける

治療を受ける前、俺は薫さんと席を入れたが新生活がスタートしてスピード離婚した。
今にして思えばもう少し結婚を待てばよかったんだが…兄さんに超ゴリ押された…

薄々感じていた疑念が当たってしまっていたのだ。お腹の子の親は屑彼だった。
よくよく考えたらお酒飲んだら爆睡だし、何も起きるはずがなかった。はい。
彼女は屑彼への未練を振り切りたくて俺を掴んでしまったらしい。屑だもんな。
彼女は生まれてくる子どもには「本当の父親」が必要だという思考にハマって謝罪してきた。
でもさ、実の親子でも憎しみ合ったり殺し合ったり虐待したり、色々あるじゃん。
結局は血の流れ云々より、時間によって培われる愛情が大切だと思うんだよ。
夫婦だって所詮は他人だ。ずっと一緒にいようねっていうお約束が結婚届けじゃない
家族っていうのはお互いの愛情を持って作っていくもんだよ
と説得したが聞かずに本当の父親に固執してお別れになった
ひょっとしたらまだ好きだったのが子どもの件で揺らいで傾いたのかもしれん
屑彼が父親になるのを期に更生するのを祈るばかりだ
こうして急速に彼女への愛情が冷めてしまった。
でも可哀想で不器用な女性だった。難儀な性格じゃ…

息子とキャッチボールとか公園でお弁当とか潮干狩りとか
キャッキャウフフしようと思ってたのにチッ（・ω・）

舞ちゃんと実現させろ

ケーキ屋はよ

もうちょっと人生を謳歌できるぜ！と得した気分でいたが
無一文になっていた俺はしばらく夜間バイトして、小遣いをもらいながら
次はどこに住もうかなと考えていた。できれば気分新たに誰も知らない地がいい。
そこで俺は所さんのダーツの旅を思い出しダーツで決めることにした。
だけど昨今ダーツするヤツってあんまりいないよね。投げて刺すだけで楽しくないし。
ピンを売ってるところがなかったのだ。
地図を壁に貼ったままダーツのピンが見つからず何ヶ月か過ぎ
飯を食べている時に名案を思いついた。もうぷちトマトでもよくない？というものだ。
早速実行するとぷちトマトは岡山県にぶち当たった。だが種は島根県にへばり付いていた。
こういった場合、やはり種が本命だろうか？
そう遠くもないし、よーし行っちゃうか。
特に特産は思いつかないがゴボウとか美味しそうな県名だと思い移動した。

そうそう、舞ちゃんとはメル友になった。
たまに相談に乗ったりするぐらいだけどその内に好青年を捕まえて
おっさんはポイされるんだろうな。
嫁を出す全国の父親やお兄さんはこんな気分なんだろうかと思ったりする
今さらちょっびっと寂しい。

前からケーキ作りの趣味があった俺はＭｙケーキサンプル片手に求人に挑み
めちゃケーキが美味しい行列店に雇用されることになった。技術職は年齢に煩くないし。
最近は店長の黄金の腕前を盗みながら(*´∀｀*)顔の女性達を眺められる
って嬉しいなぁと思ってる。いつかはお店を出したいものだ
ケーキを作るだけならできるけど美味しいものってなかなか難しいんだよね
飽きられてもいけないし常に創作テスト。でも楽しい

もし島根県人さんがチョコチップケーキを食べることがあったら
それが美味しく感じられるものであるといいな

それ、俺が作ったチョコケーキ
卵とお水と腕がいいから美味いよ（ ・ω・）b



おわり


読んでくれた人、マジ長いのにお疲れさんでした。
ありがとう。

おつ

おつ

まさかオチがないとは想定してなかった
ところどころ小説風になるのが冷めたけど
それだけ余裕を持てるようになったということだろう まあ乙

乙

おつ

乙
長生きしてまた半生書き込め

乙

ケーキ食べたくなった

規制中だからレス代行頼みました
ずっとリロって読んでます
島根、俺の故郷なんよ
というわけで、わっふるわっふる

人生色々だな
おつ