赤阪「末原をレギュラーに入れてみません?」善野「ありえん(笑)」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
善野「なんで末原なんぞを?」

赤阪「あの子は観察眼がとても優れてますし、それに素質があります。私にはわかります」

善野「素質ねえ、しかし素質なら他の子にもあるやろ。末原は覇気が無いからな」

赤阪「覇気……?」

善野「自分が絶対に勝つ! という気概が無いってことや」

赤阪「それは物事を冷静に見てるって事でしょう?」

善野「あの歳でそんな若年寄みたいな姿勢じゃあアカンわ。とにかく末原にレギュラーは与えられんよ、この先もな」

赤阪「え……監督、それって……」

善野「ああ、末原が3年になって今より多少上手くなったところでレギュラーは無理やな。……なんや君は前から妙に末原に入れ込んどるみたいやけど、そういうのほどほどにしとかんと問題になるぞ? なあ昔を思い出すやろ、ガハハハハハハ」

赤阪「!!!!!」
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:23:14.01 ID:Z094B+K90
 麻雀部部室

部員達「(ガヤガヤ)

赤阪「……末原ちゃん、今日も頑張ってるなあ」ヒョコ

末原「どうも、赤阪さん」

赤阪「(無言)

末原「?」

赤阪「ま、これからも頑張ってや…」スタスタ

末原「?? はい」

洋榎「なんや赤阪さん元気なかったな」

漫「え、そうですか?」

末原「……」


 翌日

絹恵「善野監督入院したんやって……お医者さんの話じゃ再起すら難しいって……」

由子「それじゃうちの部どうなるのよー?」

洋榎「当面は指導補佐の赤阪さんが監督代行に就任するって話やな」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:26:09.14 ID:sw3IftHd0
この発想はなかったわ
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:28:16.20 ID:zOsKep940
なるほどなるほど
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:29:12.07 ID:Z094B+K90
漫「赤阪さんあんな若いのに監督の仕事務まるんかいな…」

??「若い? 上重さん嬉しい事言ってくれるなあ〜」スッ

漫「! 赤阪さん、いや赤阪監督代行!」

赤阪「あはは、これからもよろしくな〜」フララ

一同「はっはい!」

末原「(あの笑顔…)」


由子「でもまあ恭子良かったのよー」

末原「……なにが?」

由子「あんた善野監督に疎まれてたみたいやし。赤阪さんならちゃんと評価してくれるんやない」

漫「というか先輩って赤阪さんのお気に入りですよね。前に先輩の評価の事で善野監督と揉めてるの見ましたよ」

洋榎「そうなんか」

漫「赤阪さんって善野監督の前では笑わないんですよ、知ってました?」

由子「なんかあるのかも知れんねー」

洋榎「まあ詮索しても仕方ないわいな……」

末原「(私は……私は贔屓されるのなんて望んでない)」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:31:43.86 ID:guqJcvCL0
疎まれてるのに良い人とかマジでありそうだな
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:32:08.55 ID:kAg/SzFZ0
はよはよ
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:34:14.64 ID:Z094B+K90
 別の日、部室へ続く廊下

赤阪「(末原ちゃんの才能を開花させるには……公式戦に出して強敵相手に経験を積ませるのが一番や)」ツカツカ

赤阪「(実戦中の観察と分析、決断のバランスは身体で覚える以外にない)」

赤阪「(レギュラー人事……中核に三年生3人を据えて、2枠……」

赤阪「(1枠は愛宕洋榎で決まってるようなもんやし、残りの1枠に末原ちゃんを)」ニコッ


 部室

赤阪「すっえっはっらちゃ〜ん、ちょっとええかなあ」ニコニコ

末原「はい(来たか……)」


 屋上

末原「なんですか代行…」

赤阪「やぁ〜んその『代行』ってのやめてや〜」フララ

末原「(相変わらずフワフワしてんなあこの人)」

赤阪「これでもちゃ〜んとした監督さんになろうとがんばってるんやから〜」

末原「(この人の笑顔見てると…胸が…締め付けられるように……むかつくわ)」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:36:35.69 ID:w6DaldWu0
なんじゃこりゃ、超期待
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:40:53.56 ID:Pa4yn9bI0
善野監督は始末されちゃったのかw
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:40:59.04 ID:rvcf0dAA0
C
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:41:42.00 ID:Z094B+K90
末原「…まだ善野監督が入院中やのに、少し不謹慎じゃありませんか、そーいうの(これ言うたら傷付くやろな)」

赤阪「ごめんね〜……で本題なんやけど…」ニコニコ

末原「(相変わらず笑ってるけど、今一瞬顔が強張ってたな…)」

赤阪「団体戦のレギュラーにあんたを入れようかな〜って!」ニッコリ

末原「(嬉しそうな顔して……これで私が喜ぶと思ってるんやろな、でも…)」

末原「(さっきのよりもっと傷付くやろなあ。ええわ、傷付け!)」

末原「辞退します」

赤阪「え ええ…!?」

末原「(情実人事でレギュラー入りなんて御免や!)」


 部室

洋榎「恭子、さっき赤阪さん物凄く落胆してたみたいやけど何かあったん?」

由子「え? いつも通りニコニコしてたけど…」

末原「別になんもない」

漫「でもわざわざ屋上に呼び出して何の話だったんですか?」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:44:55.18 ID:ddg8sGEK0
代行からほとばしる謎の黒幕臭
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:46:49.74 ID:Z094B+K90
末原「ああ、団体戦レギュラーのメンツについてちょっとな」

洋榎「レギュラー?! それでなんて?」

末原「あんたと漫ちゃんレギュラー入りや」

洋榎「!!!!」

漫「え?!!」

洋榎「そ、それホンマに!?」

末原「うん」

洋榎「……」フルフル

絹恵「お、お姉ちゃん……」フルフル

洋榎「きっ絹恵!! やったで絹恵!!」(抱擁)

絹恵「おめでとうお姉ちゃん!! おめでとう!!」(抱擁)

漫「私がレギュラー……!?」

由子「良かったなあ漫ちゃん……」

漫「ハ、ハイ! でもあのその新入生の私が先輩方を差し置いて……というか私なんかが何で……」

末原「あんたはいっつも極端なトップラス麻雀やけど、単純収支の累計では断トツやからな。代行はそこを評価したそうやで」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:55:08.87 ID:Z094B+K90
漫「そうなんですか! レギュラー……やった!!」

末原「(二人ともめっちゃ喜んでるな。当然か、姫松麻雀部のレギュラーに入れたら喜ぶわそりゃ。でも何で私は)」


 帰り道

末原「(何で私は辞退した? 赤阪代行の言動が気に入らなかった? 贔屓を嫌った?)」トボトボ

末原「(なら私が漫ちゃんを推薦したのは何? これも同じ事やないんか?)」

末原「(いや私は、私よりも漫ちゃんの方が上と思ったから推薦したんや。まだまだ粗いけど、私にはない才能がある、と思う)」

末原「(だから……これは贔屓やない。正当な評価。赤阪代行のそれとは違う……はず)」

末原「(赤阪代行は前々から私に目を掛けていた。他の部員の誰に対するよりも良く話しかけてきたし、私が打ってるといつも後ろで見てるのがわかった)」

末原「(善野監督の私への態度とは対照的やった。善野監督とは何度か面談をしたけど、どうもその受け答えが気に入られなかったらしい)」

末原「(ほとんど指導らしい指導をしてもらえへんかった。話しかけられる事すらほぼ無かった)」

末原「(……思えば、全中で大活躍して特待生で入部した洋榎もまた冷や飯を食わされてた)」

末原「(あんなに才能も実績もあって、性格も陽気で、しかも結構気の回るタイプやから団体戦に向かんなんて事は無いはずなのに)」

末原「(洋榎が私と親しいから? まさかとは思うが、それ以外に理由が考えられへん)」

末原「(善野監督が入院して……赤阪さんが監督代行になってすぐに洋榎は正当な評価を得た)」

末原「(洋榎に対する赤阪代行の目は確かやった。……なら私に対しては?)」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 00:58:42.33 ID:sNnm9IBa0
しえん
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:01:24.00 ID:Z094B+K90
 数ヶ月後

由子「赤阪さん正式に監督になったそうなのよー」

洋榎「善野監督は結局再起不能らしいし」

赤阪「末原ちゃあーん、ちょっとええかなあ」ヒョコ

末原「はい」スタスタ

洋榎「また屋上やな」

漫「赤阪監督、末原先輩に意見を求める事が多いですねえ。もうすっかり参謀ですね」

洋榎「まぁ恭子はかしこいし冷静やし、良い参謀になるわ」


 屋上

赤阪「次の公式戦のことなんやけど〜」

末原「あのその前に……監督正式就任おめでとうございます」フカブカ

赤阪「…末原ちゃんからそんなことを言われるとは思ってなかったわ〜でもありがと〜」

末原「いえ……以前はすんませんでした」

赤阪「んっ何が?」

末原「いいんです。それで公式戦がどうしました?」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:01:46.48 ID:yP+wAIHGP
代恭イイゾ〜これ
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:02:10.79 ID:guqJcvCL0
しえん
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:03:04.22 ID:Mm5+bb/90
咲のキャラ魅力的なの多すぎだろ
末原を筆頭に
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:04:29.11 ID:TaF82BxE0
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:05:09.76 ID:rvcf0dAA0
しえ
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:06:54.33 ID:dSNUwkpk0
早くいくのんがどう末原を改造するのかみたい
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:07:58.81 ID:w6DaldWu0
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:08:40.89 ID:Z094B+K90
赤阪「そろそろあんたをレギュラーに入れよう思ってな〜」

末原「……」

赤阪「末原ちゃ〜ん、今度こそは『うん』と言って貰うで〜」

末原「なんで私なんですか?」

赤阪「なんでって…… このところ更に腕を上げてるし、公式戦のたびにいつも的確な分析してて私が付け加える事なんてないぐらいやった。立派なもんや」

赤阪「そんな部員をレギュラーに入れたらあかんの〜?」

末原「それは最近の事でしょう? 監督は前から私に…目を掛けてくれてらしたやないですか」

赤阪「ああ……」

末原「それがずっと気になっていたんです。なぜ私を?」

赤阪「末原ちゃんは潔癖なんやな〜…」

末原「潔癖? 違います、そんなんじゃない。ただ私は……私は」

赤阪「まあ、そんなに気にしてたんならホントのところを言おうか…」

末原「はい」ゴクリ
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:11:59.71 ID:Pa4yn9bI0
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:12:19.31 ID:ZIgRfzLO0
ゴクリ
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:12:49.96 ID:PsK2Ky+w0
ゴクリ
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:12:53.19 ID:SFkN+MIV0
メゲ子さんかわいい
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:13:22.07 ID:zOsKep940
ゴクリ
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:14:07.21 ID:Z094B+K90
赤阪「それはな……あんたには素質が……才能があるからや」

末原「?はぁ?! 才能??」

赤阪「……言うても信じへんのなら言わんかった方が良かったなあ」

末原「(うっ、真顔になった…今まで見た事もない顔)」

赤阪「ま、今のは忘れてええで。レギュラー入りの事は決定事項ということでええかな。さすがにここで辞退するようならもう次はないからな」

末原「……はい。私に務まるかわかりませんが」

赤阪「務まると思ったから入れるんやで。ホント私って信用ないのな〜」ニッコリ

末原「……すんません」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:15:19.94 ID:QlXYOIte0
-25,900
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:15:30.75 ID:hloigUFy0
それにしてもあなたはユリアに良く似ている…
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:21:14.78 ID:mHkWKZrg0
こーこちゃん
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:21:45.80 ID:Z094B+K90
インターハイ二回戦 先鋒戦終了後
姫松控え室

「すんませんでした!!」「いやーええよええよそういうもんやし」「気にせんでええよー」

末原「(ふん…でもやっぱ油性は可哀想やし忘れたって事にしとこ)あっれー油性持ってくんの忘れてたわーしゃあないなー水性にしとこかー」

漫「! ほんまですか?」

赤阪「あら〜 末原ちゃん油性ペンがいんの〜?」

末原「え」

赤阪「私 油性持ってきてたよ〜な気がする〜」

漫「(はい!?)」

末原「…!」

赤阪「はいこれ〜」ニッコリ

末原「……どうも(赤阪監督、相変わらず笑っとるけど……怒ってんのがわかる)」

末原「(そうやな、デコに油性と言うたんは私やし、漫ちゃんをレギュラーに推薦したのも先鋒に配置したのも私や)」

末原「(漫ちゃんに喝を入れる役目は監督やなくて私にある……それも、自分が前に言っておいた通りの罰で!)」

末原「さあ漫ちゃん、デコ出しい!」キュポン

漫「うっうっ…」
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:28:43.65 ID:Z094B+K90
大将戦決着
清澄・姫松が準決勝進出決定!

 姫松控え室

末原「……なんか釈然としないんですよね」

赤阪「末原ちゃんおつかれ〜」フラリ

末原「……」

末原「(あ……)」

末原「まさか……」

洋榎「何? どーした?」

赤阪「個人戦の記録やろー?」

末原「(そう、宮永咲は地区大会の個人戦で連続プラマイゼロを披露していた。そしてさっきの大将戦でも……2連続プラマイゼロ、それでいて1位抜け)」

末原「(つまり私は自分の力で勝ったんじゃなくて……得点調整された結果二位になっただけ)」

末原「(私だけじゃない、宮永咲と卓を囲んだ三人全員が……手のひらで踊らされていた)」

由子「なんか恭子の様子がおかしいのよー……」

洋榎「……」

末原「(あの姉帯の大泣きも、岩戸の諦め顔も、そして私の苦闘と勝利の感動も……全てが操られた結果だった)」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:29:04.49 ID:Pa4yn9bI0
ラス転落・・・カタカタ
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:32:58.20 ID:RPqVqIYG0
もうめげたい投げたいつらいつらい
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:34:26.66 ID:Z094B+K90
末原「(その宮永咲と私は準決勝でまた戦わなきゃならん……一体どうやって? どんな顔をして卓を囲めばいい??)」

赤阪「末原ちゃん」

末原「!!」

赤阪「あの子より強くなりたい?」


末原「(ああ……結局こうなるんやな)」

末原「(意地を張って遠回りしてきたけど……)

末原「(今思えばなんて不必要な遠回りだったんやろ)

末原「(なんて頑固で身勝手な遠回り)

末原「(私は姫松の麻雀部員で、赤阪さんは指導者)」

末原「(指示に従うのは当然の事なのに、自分の代わりに入部したての一年をレギュラーにねじ込んだ挙げ句、結局は自分もレギュラーになった)」

末原「(その間ずっと赤阪監督はニコニコ笑ってたけど、たぶん心の中は曇ってた。私のせいで!)」

末原「(最初に言われた時にレギュラー入りして、少しでも多くの公式戦に出て場数を踏んでたら……)」

末原「(赤阪監督の指導を積極的に受けて、その経験に学んでたら……)」

末原「(能力者ともっと対局して、能力者相手の経験を積んでたら……)」

末原「(それでもあの宮永咲には太刀打ち出来んかったかも知れへんけど、最善を尽くしてさえいれば、少なくとも今こうして後悔することだけはなかった……!)」ポロポロ
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:38:22.59 ID:TGpHJ9Rr0
ロボ化くるでー
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:40:48.03 ID:guqJcvCL0
獣化くるでー
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:41:06.57 ID:Pa4yn9bI0
玄人化くるでー
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:42:02.96 ID:Z094B+K90
漫「す、末原先輩……」

由子「あっ あのー赤阪監督? 急に言われても恭子混乱すると思いますけど…」

赤阪「……」

末原「強くなりたいです」

由子・漫・絹恵「!?」

末原「赤阪監督、お願いです。私は強くなりたい!!」

赤阪「よしわかった! 付いてきなさいな」



赤阪「それじゃ後のことは主将よろしくな〜」

 ガチャ バタン

絹恵「お、お姉ちゃん……」

洋榎「……赤阪監督に任せとけば大丈夫や」

絹恵「なんでそう思うのー?」

洋榎「3年間恭子を見詰め続けてきた人や、悪いようにはせんやろ」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:48:23.05 ID:lv9ffFCm0
しえ
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:50:18.30 ID:Z094B+K90
 廊下

赤阪「不安?」

末原「いえ、不安はありません」

赤阪「少し自棄になってるん? あの大将戦は酷かったからなあ」

末原「いえ、自棄になってはいません。ただ後悔してるんです、もっと早くに……」

赤阪「……」

末原「あなたの言う事を聞いていれば……」

赤阪「泣かないで末原ちゃん、せめてここでは。私が泣かせてるみたいやないの」

末原「すっすんません…!」グス

赤阪「屋上いこか、私らが話をするなら屋上やろ?」


 屋上

赤阪「末原ちゃん、あんたが考えてたことは大体わかる。私が依怙贔屓であんたを優遇しようとしてると感じて、それに反発してたんやね」

末原「はい…その通りです。意地を張って馬鹿みたいでした。あなたは私たち部員を正当に評価してくれていたのに」

赤阪「いや、末原ちゃん、それは少し違うんやで〜」

末原「え……?」
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:51:45.66 ID:ZIgRfzLO0
ん?
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 01:57:26.19 ID:Z094B+K90
赤阪「私はな、あんたを育てて連れて行こう思うてたんや。最初からな」

末原「連れて行く?? それに最初からって…?」

赤阪「麻雀の競技スタイルも色々あるけど、私は2vs2、タッグ戦が好きなんよ」

末原「……」

赤阪「信頼出来る相手と同じ卓を囲んで協力して打ってるとな、本当に心が繋がるんやで」

赤阪「タッグ戦でなくても状況によって一時的に他家と協力する事はあるけど、結局はどのタイミングで協力相手を出し抜くかって勝負になる。それがええって人もいるけどな……」

赤阪「私は……気が弱いからな、そういうのは向いてないんや」

末原「気が弱い?! 赤阪監督が??」

赤阪「そうなんよ〜気が弱いんやで私は。そんな私が……私…」

末原「?(言い淀むなんて珍しい)」

赤阪「……まあとにかく、私はパートナーを探してたんや。姫松の麻雀部で指導する事にしたのも、若い子の中から素質のある子を見つけて、自分の経験を注ぎ込んで磨き上げようと思うてのことなんよ。……末原ちゃん、軽蔑した?」

末原「……もっと先を聞かせて下さい。その目論見は上手く行ったんですか?」

赤阪「まあ知っての通り、どこで間違えたのか末原ちゃんには嫌われてしまって、あまり上手くいかんかったなあ。けど末原ちゃんは私が磨かなくても立派に成長した」

末原「……」
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:03:24.37 ID:sNnm9IBa0
しえん
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:05:18.90 ID:Z094B+K90
赤阪「3年間見てて、末原ちゃんの考え方も感じ方も、手に取るように判るようになった。常に客観的で冷静な判断に徹しようと努めながら、内心ではとても喜怒哀楽が激しくて情熱的で、友達想いで後輩想いの可愛らしい子」

末原「……」カァァ

赤阪「これなら一緒にやれるかも知れないと思えるところまで来た。ただ……」

末原「あまりにも一方通行ですよね」

赤阪「そう、精々頑張ったんやけどな〜 まあこれが私の限界ってところやね、私いつもヘラヘラしてるでしょう?」

末原「はい、正直最初はあなたの笑顔が嫌いでした」

赤阪「そうやろな〜、これやってるとなあ、他人がどんな風にモノを考えるのかがよく判るんや。あまり他人を気にしない人とはヘラヘラしてればそれなりに付き合えるし、鈍い人ならすぐ親しくなれる」

赤阪「そして末原ちゃんのような賢い人なら……何を考えてるのか判らないから信用出来ない、警戒しようってなる」

末原「だったら……赤阪監督はパートナーを探していたんでしょう? それなのに警戒されるようじゃあ駄目やないですか」

赤阪「駄目やね。でも私が素を出したらもっと駄目かも知れんよ〜?」

末原「素のあなたはどんなんですか……」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:13:50.63 ID:Z094B+K90
赤阪「それにな、警戒されるならそれはそれで良いんや。それってマイナスにしても私の事を気に留めてるいう事やろ? それなら後で評価が反転するかもわからんやろ?」

末原「……」

赤阪「ま、長い事末原ちゃんには嫌われてたけど、宮永咲よりも強くなりたいかと尋ねて本心の答えを引き出すくらいには信用された。これで監督としての勤めは果たせるやろ」

末原「監督…としての」

赤阪「これからあの宮永咲に対抗し得る手段をあんたに与えようと思う。あの子は確かに強大な異能を持っとるが、所詮は高一の女子。私の経験に照らして見れば付け入る隙はいくつもある」

赤阪「二日後にはもう準決勝やから、今日これから、そして明日は丸一日、朝から晩まで付き合うて貰うで。私の麻雀技術の精髄を持って磨き上げたる」

末原「はい! よろしくお願い致します」

赤阪「それで準決勝が終わったら……その結果がどうあれ、あんたに大事な話を伝える」

末原「えっ何ですって?(今までの話よりも大事な話……?)」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:13:51.18 ID:M65k7oocO
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:15:01.32 ID:lv9ffFCm0
咲でトップクラスに嫌いだったはずの代行が可愛く見えてきた
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:21:27.98 ID:Z094B+K90
赤阪「私にはな、末原ちゃんに言わなきゃならない事があと二つあるんよ」

末原「(しかも二つ)」

赤阪「聞いたら私とはもう縁を切りたくなるかもしらん、でも言わないわけにはいかん。ごめんなあ隠し事ばかりで」

末原「いいんです。私にもありますから」

赤阪「? なにが?」

末原「あなたに言わなければならない事がです」

赤阪「え? じゃあそれ聞かせて」

末原「駄目です。準決勝の後にお伝えします。それと、その時に返事もしますから」

赤阪「返事って何の…」

末原「パートナーのお話です。それじゃあそろそろ行きましょうか」スタスタ

赤阪「あ、あ……そやね」フワフワ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:21:30.31 ID:guqJcvCL0
代行は見た目は咲キャラトップクラスの可愛さだと思う
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:24:56.28 ID:uNz2ARs9P
すこやんと言い咏ちゃんと言い咲の年増は可愛い子が多い
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:28:14.54 ID:SFkN+MIV0
>>55
咏ちゃんは年増じゃねえよ
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:30:35.96 ID:sw3IftHd0
伝説やかつ丼みたいな外れもいるけどな
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:32:23.20 ID:Z094B+K90
末原「(赤阪監督の話を聞いていてはっきり判った。私が最初反発していた理由)」

末原「(贔屓であれなんであれ、指導者に気に入られて目を掛けられるってのは競技者にとって歓迎すべき事やのに、今思うと奇妙なぐらい反発心を燃やしてた)」

末原「(その理由がわかった。私は、この人と対等の立場になりたかったんや)」

末原「(どうして年上の指導者と対等の立場になりたいのか? それは、私が、この人の事を……きっと初めて会った時から)」

赤阪「末原ちゃん? どうしたの急に立ち止まって…」

末原「赤阪監督、お願いがあるんですが」

赤阪「…何でも言ってみなさいな」

末原「私の事は下の名前で呼んで頂けますか。それから、私にも下の名前で呼ばせて下さい、郁乃さん」


    赤阪「末原をレギュラーに入れてみません?」善野「ありえん(笑)」 完
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:34:26.26 ID:VQP15syk0
え……終わりなの?咲さんぼこぼこにしたってもええんやで?
とりあえず乙
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:37:19.74 ID:Jawha1Pk0
おつ!

つづき…まってる!
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:39:38.70 ID:guqJcvCL0
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:39:51.14 ID:zOsKep940
おつおつ
善野監督は代行に消されてまったん?(´・ω・`) 代行かわいい
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:46:17.93 ID:U0iqyjlJ0
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:49:33.62 ID:6UM/tjEx0
乙乙
保守すればええんか?
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:54:32.45 ID:Z094B+K90
読んでくれた皆さん、支援してくれた皆さんに感謝

今回の話は一応、原作がこれまでに描いた事と描いていない事から導き出せる可能性の一つを書いてみたものなので、
極端な話にはしなかった(これでも)

原作が赤阪ちゃんと末原の関係を描く前に完成させたかったが、どうも100話に間に合わないことでお蔵入りする予定だったところ
休載によって余裕が出来て上げる事が出来た

>>62
赤阪ちゃんが言うところの「末原に言わなきゃならない事」のひとつが善野監督を始末した件です

>>64
続きを書くとしても多少時間が掛かると思うので、このスレはこの話で終了という事で
続きが出来たらまたスレを建てます
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:55:14.12 ID:lv9ffFCm0
乙乙
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:55:43.60 ID:K+aIYD6ui
>赤阪ちゃんが言うところの「末原に言わなきゃならない事」のひとつが善野監督を始末した件です

なんてことだ…なんてことだ…
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 02:56:35.84 ID:guqJcvCL0
照と咲が仲違いした過程のSS思い出した
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>67
始末と言ってもまだ生きてるよ
ただし再起不能