72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:32:11.25 ID:X8i2eBuB0
さやさやしてきたな
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:36:48.43 ID:X7GsDobq0
でも悔しいことに、ここでいくら私が恭介に想いを伝えたところで、
本物の私が言ったことにはならない。
結局恭介には伝わらないんだ。
いっそのこと、全てネタバレして玉砕してみようか。
でもそんなことしたら、恭介は私の告白よりも、そっちに気が囚われてうまく伝えられる自信がないよ。
恭介「僕のことが……?」
さやか「……」
さやか「……なんでもないよ」
なんでもなくなんてない。
恭介のことが好き……
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:40:50.34 ID:J5kzJz+D0
さやさや……
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:41:08.14 ID:h8cUWUm0P
さやっさやっ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:41:40.44 ID:X7GsDobq0
〜さやか〜
今から恭介に電話をかけてみようか。
ゲーム楽しんでる?なんて白々しく声をかけて、みるのもいいかも。
ここまで見てるかぎり、恭介も少しは楽しんでくれてるみたいだし、会話だって弾むかもしれない。
うまく行けば、私の気持ちだって……
何より私の顔だけが恭介から一方的に見られているって言うのが恥ずかしい。
早くこの不毛な状況から逃げ出して、楽になりたい。
ポケットの携帯に手をかけたところで、それを抑制した。
……しまった、恭介がゲームをしてる時に電話なんかしたら、バレちゃうじゃん。
危ないところだった。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:48:15.41 ID:X7GsDobq0
恭介「もう一つ聞いてもいいかい?」
さやか「な、何かな?」
恭介「さやかには好きな子がいるみたいだけど、どうしてその子のことが好きになったの?」
さやか「それは……」
ど、どうしよう。
誤魔化すこともできるけど……
でも恭介がこの質問をするってことは、恭介が私の好きな人に興味があるってことだよね?
それってつまり……
支援
79 :
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ストロング山根 ◆STRONG.Sgc :2012/04/25(水) 22:51:53.72 ID:WwZ0Iviz0
ほほほ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:55:50.36 ID:X7GsDobq0
私は恭介に想いを伝えたいという誘惑に勝てなかった。
恭介も私のことを好きだって思うと嬉しくて、胸の奥が熱くなってたまらなかった。
私は私が好きな人の話をした。
人を惹きつける、感動させる力を持った才能に魅力を感じたこと。
幼い頃から自分と一緒にいてくれたこと。
思いやりがあって、いつも他人を気遣ってくれる優しさ。
恭介の名前は出さなかったけれど、恭介にはそれが誰のことかわかったはずだ。
私の言葉が止まった時には、このゲームの終わりを覚悟した。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:58:06.13 ID:Fl+WWPSmO
俺というものがありながら……
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 22:59:00.55 ID:u0BlCxDL0
むむむ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:03:17.96 ID:X7GsDobq0
話してる途中、私はなんて馬鹿なんだろうと思った。
恭介が私のことを好きだという可能性があるだけで、勘違いだってことも十分ありえる。
一方的な暴露話をしている気がしてならなかった。
恥ずかしくて涙が出そうになったのに……
だけど、不思議なことに私の言葉はとまらなかった。
語彙も貧相で日本語としても未熟な青臭いばかりの言葉が瀑布のように流れていく。
自分でも驚いた。
これだけたくさんの言葉が自分の口から出ていくことに。
私が普段意識していなかったようなことさえ漏れていく。
ちょっぴり感動した。
私がこんなに恭介のことを好きだったことに。
そして素直な気持ちで言葉に出せたことが何より嬉しかった。
自分が大好きなものの話を、一番伝えたい人に話せたことが嬉しかった。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:04:53.75 ID:mDQIwyJP0
恋っていいねぇ……
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:07:59.90 ID:kIB790T/0
>>84 外に出な。刺激的な世界が待ってるぜきっと。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:11:21.71 ID:ua9NLICh0
このさやかは可愛い
恭介しね
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:11:23.59 ID:8wsGMdNv0
こんな機械があれば俺も....
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:12:32.57 ID:X7GsDobq0
〜恭介〜
さやか……
なんでそんな話を僕にするんだよ?
ゲームキャラクターを演じなきゃいけない君が、僕しか知らない思い出を知ってたら、おかしいじゃないか。
君は僕を陥れることを考えていたんじゃないのかい?
僕を笑いものにするために、こんなことを仕組んだんじゃなかったのか?
『このゲームは私と恭介が仲良くなることを目的として作られてるの』
ごめん、疑ってしまって。
最初から君の言葉を信じていたら、もう少し長くゲームを楽しめていたのにね。
いくらイタズラ好きな君でも、そんな悪趣味なことをするはずがなかったのに……
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:13:11.23 ID:J5kzJz+D0
かみかみ
90 :
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ストロング山根 ◆STRONG.Sgc :2012/04/25(水) 23:16:21.30 ID:WwZ0Iviz0
さやさや
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:18:31.73 ID:kIB790T/0
かやかや
どうした少年
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:19:47.17 ID:X7GsDobq0
〜仁美〜
じょ、浄化されそうですわ。
早くどちらでもいいからさっさと終わらせてしまってくださいな。
もう出番とかいいんで、ホント早く…早く。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:21:53.19 ID:u0BlCxDL0
ひとひと…
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:27:00.40 ID:vXyps2qCi
普段明るいのに豆腐メンタルなさやか守りた過ぎワロタ
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:27:42.28 ID:X7GsDobq0
〜恭介〜
僕はさやプラスの電源を切って、部屋を出た。
さやかにはどんな言葉をかけていいか、どうやって謝ればいいのかわからなかった。
今もさやかはカメラの前で僕の言葉を待っているのだろうか?
あるいは、僕が電源を落としたことに気づいて、宿題を始めているのかもしれない。
僕はさやかに何を謝ればいいのだろうか?
初めからさやか本人が出演していることに気づいてたのに、黙ってたことだろうか。
さやかの気持ちに気づかず、僕が変なことを言ってしまったことだろうか。
さやかの言葉が信じれず、最後の最後まで疑ってしまったことだろうか……
それとも……
くるか
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:30:50.33 ID:Fl+WWPSmO
俺「ああもう!もう!」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:33:36.85 ID:X7GsDobq0
防音室につくとバイオリンケースを手にとった。
ケースの端に、幾粒かの雫が滴る。
中から靭やかな光を放つバイオリンを取り出して、じっと見つめた。
今一番、演奏を聞かせたい人の顔が浮かんだ。
ごめんね、さやか。
いきなりゲームのスイッチを切ってしまって。
君は恥ずかしいのを我慢して、最後まで僕のことを好きだと言ってくれたのに…
だけど僕はあれ以上、君とお喋りすることはできなかったんだ。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:35:15.47 ID:uMN4rRZ90
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:40:12.13 ID:X7GsDobq0
このバイオリンとはさやか以上に長い付き合いになる。
褒められたり、他の子より綺麗な音が出せるのが嬉しくて始めた。
今では音楽が好きだから、もっと上手くなりたくて続けてるけれど……
『恭介のバイオリンを聞いてると幸せな気持ちになるんだ』
初めてそういってくれたのは、さやかだったかな…
褒められることはあっても、人の気持ちを動かしたり、感動させられる力が、自分にあるなんて思わなかった。
人を喜ばせられることが、笑顔にできる力が僕にあるんだって。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:41:42.39 ID:kIB790T/0
支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:44:32.44 ID:J5kzJz+D0
かみかみ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:44:36.54 ID:N/PcB8x5i
うわぁ、ここで追いついた…
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:48:31.29 ID:caeDDWNrP
出だしのコメディノリは何だったのかww
甘酸っぺえよコンチクショー
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:48:44.59 ID:X7GsDobq0
これから先、多くの人に演奏を聞いてもらうことかもしれない。
その人達の支えや、安らぎになれるなんておこがましいことは言わない。
だけど僕のバイオリンが大好きだと言ってくれる人。
その人たちに聞いてもらうためだけに……
とりわけ僕のことをよく知っていて、
演奏だけじゃなくてこんな僕を好きでい続けてくれる幼馴染には
飽きないでいつまでも聞いてもらえると嬉しい。
涙が止まったら、会いに行ってそれを伝えたい。
画面の中にいたあの子に会いに行ってまずは謝りたい。
おしまい。
どうなっちまうかオラわくわくすっぞ!!
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:51:35.84 ID:kIB790T/0
HAHAHA。中々面白いジョークだ。いいセンスしてるぜ旦那。
乙。さて、続きはよ。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:51:57.35 ID:K2a4r6S50
Oh…
乙
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:52:46.13 ID:caeDDWNrP
なんてところで終わりやがる
でも素晴らしい余韻だ
兎にも角にも乙!
イイハナシダナー
甘酸っぱくていい感じだたよ、乙。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:53:31.00 ID:27wBddOl0
ああこの
>>1は本当に文章巧いって感じた
乙
そして後日談はよはよバンバン
乙。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:55:05.44 ID:/TBiQBDq0
ほ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:56:50.54 ID:J5kzJz+D0
乙乙乙
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 23:59:05.34 ID:X7GsDobq0
これ以上は蛇足でござるよ。
支援してくれた人ありがとう。
まどか「初めまして転校生の鹿目まどかです」
もよろしく。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/26(木) 00:00:03.66 ID:1zz7XtUp0
>>117 貴様だったか…おのれこんなとこで止めやがって…ありがとうございました!
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/26(木) 00:02:11.65 ID:lU8j6DKy0
>>117 ちょっと拍子抜けだったが乙。
ところで再会編見たんだが
VIPはきついというのはわかるが
SS速報等で書かなかったのは
どうしてなのかな?
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/26(木) 00:02:27.52 ID:Jj//n082O
うおー乙
恭さやあまり読まないけど最後まで読んでしまった
いいすごくいい
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙