(,,゚Д゚)ギコと从 ゚∀从ハインと学園都市のようです

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134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
イヤホンの中から伊藤さんの声が聞こえてくる。心配してくれていたことが、僕には嬉しい。

(´・ω・`)「いや……なんでもないです、ちょっと、ボーっとしていただけで」

僕は伊藤さんのことを、ほとんど何も知らない。顔も、年齢も、職業も、何もかも。
何せ、パソコンを使って通話をしたことしかないのだ。
女性だと言うことは辛うじて分かっているけど、それだって変声機を使っているのかもしれないし、
伊藤さんという名前だって、本物かどうかわからない。

便利なことに、最近ではインターネットを介した電話というものがある。
それを使えば、無料でいろんな人と通話をすることが出来るという按配だ。
しかも、インターネットで出会った見知らぬ人とでも気軽に会話することが出来る。

そして、僕の唯一の話し相手にしてまったくの他人であるのが、伊藤さんというわけだ。

『さっきの話、聞いてた?』

(´・ω・`)「いえ……すみません、聞いてなかったと思います」


9 名前: ◆CtyM0huFrQmy :2009/08/22(土) 21:26:46.07 ID:3QShVMvCP

『まあ、いいんだけどね。大した話じゃなかったから……』

普段から、特に決まった話題を話すわけじゃない。
大抵は雑談に終始するし、通話をつないだまま、一時間ほど互いに無言、ということもよくある。
ただ、そうした時間が紛れもなく、心地よいのだ。
僕の部屋は薄暗く、そして僕以外誰もいないけれど、
イヤホンの向こうから伊藤さんの発する声や動作に伴うノイズ、
そういった音を聞いているだけで、寂しさが払われ、