咲（22）「そろそろ本気、出そうっかな……？」

咲「ううん……」
咲「……」

咲「YKKじゃなくて？　どこの会社のイニシャルなんだろう」

咲「……まあいいか」
咲「とりあえず取り次いで確認したいことは――」

咲「――ゆみさん」

加治木「ああ、どうした？」ｻｸ…ｻｸ

咲「お料理作ってるんですか？　ああ、あと今日は一晩ご迷惑になっても……？」

加治木「君が言っていただろう、酒はまだ呑んでないと。簡単なツマミくらいなら時間をかけずとも作れるさ」
加治木「それと、宿泊の件だが。明日は休日でこれといった予定も無い、遠慮せずに泊まっていくといい」

咲「っ、ありがとうございます！」
咲「(よかった……家に帰るとまたお父さんと喧嘩になるかもしれないし…)」

咲「(……でも明後日は外泊した事を聞かれるのかな…)」
咲「決断の先送り――かぁ」

加治木「どうした、悩みごとか？」ｺﾄｯ

咲「いえ……大したことじゃなくて…あっ、美味しそうな一本漬けですね」ﾆｺｯ

加治木「ああ、モモに教えてもらったんだ。ツマミとしては安パイだろう」ﾆｺ

期待

昔の女の匂いプンプンやなwww
支援

当然支援せねばなるまい

おおっ、かじゅ編か

支援せずにはいられないな

――…
TV＜『ﾄｩﾃﾞｲ麻雀＆ﾄｩﾓﾛｰの時間です』
咲「……」ﾎﾟﾘ

TV＜『アマチュアでありながらプロ混在の試合で――』
加治木「この大会か……たしか上半期と下半期の二回に分けた長いスパンで取り行われているものだな」ｺﾞｸ

咲「優勝賞金はいくらでしたか？」

加治木「両半期とも、トップに500万。年末にある、両半期の1、2位の四人で一夜打つ試合の賞金が…」
加治木「……トップは一千万だったか、うろ覚えですまないが」ｺﾞｸ

咲「半月で500万、年末の一試合で1000万。計1500万円ですか」ﾎﾟﾘ…ﾎﾟﾘ…

加治木「……君はプロになるつもりは無いんだよな」
咲「自給換算するとトップ以外の雀士は割りに合わなそうで」

加治木「金の話なら……たしかに、楽しいだけではやっていくことは難しいだろうことは想像に難くないが」

TV＜『一局勝負ではなく、半月に渡る今大会でようやく華が咲いたと言っても良いでしょう』
TV＜『アマプロの――原村和さん、どうぞ下半期トップのご感想を――…』

咲「っ」

加治木「ほう……やはりデータは長期スパンで考えると強いな」
加治木「……咲？」

咲「……」ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯ

ドリランド？

人んちで一体何をやってんだろ？

ほ

咲「……」

実況『おめでとうございます』
和『ありがとうございます』

実況『半年を振り返ってみて、如何でしたか？』
和『そうですね……"トップ数"ではなく、"持ち点の合算"だったおかげでの総合トップなので…』

実況『そうかしこまらずに』
実況『振込み回数が圧倒的に少ないのは流石というべきでしょうか』

和『いえ……データと基本をおさえる。それに付いてきた結果です』
和『ですが……とても、嬉しいです』ﾆｺ

実況『近年圧倒的に強い女流に、原村和棋士という新しい大渦が――…』

『――き―…』
咲「……」
加治木『咲っ』

咲「っ」
咲「あ、ああ……すみません…」
加治木「どうしたんだ。親しい友人がブラウン管に映って目が離せない気持ちはわかるが……」

咲「ちょっと、感傷的なっただけなので…」
咲「……あと」
加治木「？」

咲「ﾁｭｰﾅｰなんですね、ブラウン管式。久しぶりに見ました」
加治木「わるかったな、買い替える予定も無くてな」ﾑｩ

ほす

ほっしんぐ

咲「……」

加治木「……」
加治木「金が必要なのか？」

咲「……いえ」

加治木「なにに執着して金に固執するのかは知らないが、仮に大学を卒業してOLにでもなるとする」
加治木「毎日他人に気を使って……それでも原村の半年に届く年収にならないのが殆どだ」

咲「……さっき和ちゃ…原村さんが言っていました」
咲「"結果は付いてきただけ"だって」

咲「私がお金にこだわるのも同じなんです…」
咲「……目的じゃなくて、手段。…手段ともちがうか、役を完成させるのに必要な一つの牌みたいなものです」

加治木「……」ﾎﾟﾘ

咲「原村さんは、私と違っ　加治木「咲……」

咲「？」

加治木「君は、本当に綺麗になったな」ｽｯ

咲「ゆ、ゆみさん？　目が据わってますよ」ﾀﾗ

加治木「ｾﾐﾛﾝｸﾞは昔から好きなんだ……」ｻﾗ

咲「酔ってる。ポーカーフェイスだけどぜったい酔ってる」

致すのか

モモとの思い出が詰まったその部屋で

はよ

おいついた
前スレのスレタイ誰か教えてくれ

>>661
お前絶対読み飛ばしてるだろ

咲「近いですよ……」ｱｾ

加治木「近いのがわるいのか？」ｽﾞｲｯ

咲「わるくはないですけど、好ましくないといいますか…」

加治木「紅潮した頬、手足にみられる発汗、徐々に乱れる呼吸……」
加治木「私の読みが正しければ咲、君はいま、ひどく動揺している」ｽｯ…

咲「近いです近いです……あっゆみさん綺麗な二重…じゃなくっ、近いですって」

加治木「近づきすぎてわからなくなることだってあるんだ……」

咲「ゆみさん？」

加治木「私物は残してあるし、衣服もたまに洗濯している…」
加治木「たまに、どうして着るべき人間が帰ってこないのにこんなことをするのかと疑問に思うんだ……」

咲「……誰かの帰りを待ってるんですか？」

加治木「……」ｺｸ
加治木「……」ｺｸ、ｺｸ

咲「……ゆみさんも、そうなんですね」ｸｽ

加治木「なあ咲」
咲「？」

加治木「ブラウン管はやはり古いのだろうか……」
咲「なんの話ですかっ」ｱｾ

>>662
言われて見直したら>>34に貼られてたわ
ありがとう、ちゅ

ちゅ保守

　　　　　　　　　　　　　　 ,, -―-、　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　／　　　　 ヽ　　　
　　　　　　　／￣￣／　　／i⌒ヽ､|　　　　オエーー！！！！
　　　　　　/　　（゜）/　　 ／　/　　 　　　　　　　
　　　　　/　　　　 ト､.,../　,ー-､　　　　　 　
　　　　=彳　　　　　 ＼＼‘ﾟ。､｀ ヽ。、ｏ　 　
　　　　/ 　 　　　　　　　＼＼ﾟ。､。、ｏ
　　　/　　　　　　　　　/⌒ ヽ ヽU　　ｏ
　　 /　　　　　　　　　│　　　`ヽU　∴ｌ
　　│　　　　　　　　　│　　　　　U　：l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|：!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｕ

――…

加治木「私と目線が変わらないくらいに伸びたんだな、お姉さんに負けず劣らずの美貌だ」ｺﾞｸｯ

咲「ゆみさんの切れ長の目、本当に素敵だと思います」ｸﾞﾋﾞｯ

加治木「良い子だな〜咲は、だれだこんなに可愛い子を悲しませるやつわ。私がツモり上がってやる」ｺﾞｸｯｺﾞｸｯ

咲「ゆみさんみたいに頭も良くて綺麗な人の元を去るなんてどこのおサルさんですか私がカンヅモりんしゃんかいほーしてあげますっ」ｸﾞﾋﾞｯｸﾞﾋﾞｯ

加治木「今日は楽しいな……」ﾌﾟﾊｧｰ

咲「私も、久しぶりに心から笑えています」ﾆｺﾆｺ

加治木「……諦めるなよ、咲」

咲「……ゆみさんこそ、得意の一点読みでその人のハートもキャッチですよ」ﾆｺ

咲「ブラウン管はこの出っ張りが良いですね〜っ」ﾋｯｸ

加治木「無駄なボタンが無いこのリモコンがまた……」ﾋｯｸ…

―――
――
―
…

>>666
絶対来ると思ったｗｗ

イイネ〜

――…ﾁｭﾝﾁｭﾝ
咲「……」ﾊﾟﾁｯ
咲「……」ｷｮﾛ
咲「……ああ、そういえばゆみさんの家に泊まったんだ…」

咲「……」ﾁﾗ
加治木「……」ｽｩ

咲「(起こさずにいてあげよう……あとは置き手紙をして…)」

加治木「……？」ﾊﾟﾁ
咲「ああ、起きました？　おはようございます、ゆみさん」ﾆｺ

加治木「……」ｷｮﾛ
加治木「………………ああ、そうか…」

加治木「おはよう、清澄の。」
咲「呼び方、戻ってますよ」ｸｽ

加治木「……どうしてテレビのアンテナが君のブラをしているんだ？」

咲「えっ？」
咲「……本当だ。どうして…でも、よくすぐに私のだってわかりましたね」
加治木「まあな、私のはそれほどサイズは大きくないものでな」ﾌﾜｧ

咲「はあ……」
咲「……でも、昨夜の事が全く頭に無い…」

加治木「色々君の本音が聞けたからな、やはり腹を割るには酒が一番だな」ﾆｺ
咲「覚えてるんですか？　さすがですね……」ﾊﾊ

咲＞＞かじゅ＞越えられない壁＞＞＞＞＞＞ワハハ

ほ

――…
加治木「送っていかなくていいのか？」
咲「大丈夫です、泊めてくださっただけで十分すぎるくらいですから」

加治木「……すっきりした顔をしているな」
咲「そうですね……どうしてだろう？」

加治木「……咲、　咲「"諦めるな"ですよね、わかってます」ﾆｺ

加治木「……」ﾊﾟﾁｸﾘ
加治木「覚えているんじゃないか」ｼﾞﾄｰ

咲「これだけです」ｸｽ
咲「……ゆみさんも、ですよ」

加治木「……なんの話だ？」
咲「キャッチですよっ、ハートキャッチ！」ｱｾｯ

加治木「冗談だ。わかっている」ﾆｺ
咲「もう……かなわないなあ」ﾊｧ

加治木「それじゃあな、咲」
咲「はい、ありがとうございました」ﾍﾟｺｯ

――…
咲「……といっても」
ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

咲「無意識に雀荘へ足を運んでしまったのは悲しい習慣だなぁ」ﾊｧ
咲「あ、それロンです……ドラドラドラで」

ミス。ツモでしたー

ツモのみドラ３で満貫とかウザすぎるｗｗ

こっちの咲さんはまだ和を引きずってるのか

池田「一体お前はいくら巻き上げれば気が済むんだよ」

咲「池田さん、だって朝もやってる店って殆どなくて」

池田「良い迷惑だよ……私達姉弟を路頭に迷わせるつもりかぁ〜」
咲「混ざらなきゃ良いのに……」ﾊｧ

池田「そういえばさ、昨日ニュース見たか？」
ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

咲「ニュース？」
池田「お前んとこの原村だよ。次勝てばタイトルホルダーだろー」

咲「……ああ、原村さん」
咲「そうだね、すごいよね」

池田「お前の姉さんの方が凄いけどな。トッププロだ」

咲「お姉ちゃんが強いのはわかってるから……」ﾊﾊ
咲「あっ、それカン」

池田「カンは禁止だ、お前アガっちゃうだろ〜」
咲「しりません。ﾘﾝｽｬﾝｶｲﾎｰ池田さん、トビです」

池田「あ〜っ最悪だしっ！」ｸｼｬｸｼｬ
池田「……ああ」

池田「そういえば昨日、お前のとこのチビ女に会ったぞ」

咲「チビ女……って…？」

はーとキャッチぷりきゅあ

いｗｗｗｗｗけｗｗｗｗｗだｗｗｗｗｗｗｗｗ

池田「タコス娘だよ」

咲「優希……ちゃん？」

池田「違ったか、今はイカ娘だった」
咲「イカ娘？」

池田「知らないのか？　今はどっかの水産加工だかで働いてるって」
咲「優希ちゃんが……」

池田「信じらんないよなーアイツが働いてる姿なんて想像がつかないよ」
池田「……泣きの一局、どうだ？」

咲「……いいよ」ﾊｧ
咲「(優希ちゃんか……なんだか昔の友達に会いたくなっちゃったな)」
咲「(優希ちゃんは和ちゃんと仲が良かったし……もしかしたら色々聞いてるかもしれないけど…)」

咲「ツモ。ドラドラドラ」

池田「にゃあぁああぁあああああ！！」

池田「鬼だし……悪魔だし…………」

咲「ああ、この局のお金はいいよ」

池田「本当かっ？」ﾊﾟｧｯ

咲「優希ちゃんのアドレスか電話番号、聞いてない？」

――…

プロから海産物に転職とは

京太郎の話がなかったことになってるｗ

書き手かわってるからな
設定も踏襲されてないよ

続きが読めるなら設定の違いとかは別に構わんよ

咲「……」

『咲ちゃーんっ！！』
ﾀｯﾀｯﾀ

咲「っ」

優希『お待たせだじぇー！』ﾆｶｰｯ
咲「久しぶりだね、優希ちゃん」

優希「咲ちゃんのアドレスと電話番号、変わっていたから今まで連絡つかなかったんだじぇ……」ｼｭﾝ
咲「ああ……ちょっと理由があってね、ごめんね？」

優希「でもこうして連絡くれたんだからオールオッケー今夜は飲み明かすじぇー！！」

ﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙ
ﾋﾟｯ

優希『はい、片岡です』
優希『あ、はい……あーそうですか。わかりました……はい、はい……』

咲「……」
優希『…………はい、はいっ、では……はいはい〜』
ﾋﾟｯ

優希「でねっ！今夜は美味しい居酒屋さんが〜　咲「ちょっとスルー出来ないよ……」

優希「なにかおかしかった？　早く行こうじぇー」

咲「あーうん……じゃあお酒の席で聞こうかな……うん…いまの……」

――…
ﾜｲﾜｲ

咲「賑やかなお店だね」ｷｮﾛ

優希「ここにはうちの会社が直接イカを卸してるから鮮度は保証するじぇっ」ﾆｺｯ

咲「優希ちゃん、少しだけ背が伸びたね」

優希「うん少しだけっ！」
優希「そう言う咲ちゃんはすごくお姉さんになったじぇ……はじめ見たときどこの女優さんかと思ったじぇ」

咲「そうかなぁ」ﾎﾟﾘ
咲「お通しも美味しいね」ﾆｺ

咲『とりあえず生２つで』

優希『あとタコス〜っ！』

咲「優希ちゃん、タコスはさすがに……」

優希「あるよ？　常連だから特別メニューだじぇっ」ﾋﾞｼｯ

咲「はは……さすが優希ちゃん…元気印は変わってないね」

優希「タコス♪　タコス♪」

しえん

咲「……美味しい」

優希「さすが三陸沖産はちがうじぇ……」

咲「あの……いまの仕事の事とか聞いてもいいのかな？」

優希「？　全然オッケーだよ？？」
優希「今はプロになった時のためにお金を貯めてるんだじぇ」ｱﾑｯ

咲「プロ？　優希ちゃんプロ目指してるの？？」

優希「登録すれば誰でも名ばかりプロにはなれるみたいなんだけど……プロ入りですぐには賞金をアテに出来ないからー」ﾊﾟｸｯ
優希「プロになった時のために当面の生活費を稼ぐんだじぇっ目指せ300万円だじぇっ！」

咲「300万円……」
咲「それっていつくらいに貯まる予定なの？」

優希「５年くらいかな〜」

咲「５年……」
咲「(私が賭け麻雀で数ヶ月かかって手に入れた額が300万円ちょっと…)」

咲「……優希ちゃん、本気なの？」

優希「本気も本気っ私はいつもタコスにかけて本気だじぇえっ！」ﾊﾑｯ
優希「それに、龍門渕の男女の繋がりで龍門渕透華が仕事を斡旋してくれるっていうから３年くらいで300万円貯金出来るかもしれないじぇ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

咲「龍門渕さんが……？」

優希「そういえばあのちんまい……衣も咲ちゃんに会いたがってたじぇ」

咲「衣ちゃんが？」

優希「そう、良かったらアドレス教えておくじぇ」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

咲「あ、うん。ありがとう」ﾆｺ

優希「それに咲ちゃんをこの店に呼んだのは他でもない理由があるのだっ！」

咲「？」

『さぁ〜っ東風戦４名募集ーっ！！』

咲「っ？」

優希「最近店内で麻雀が打てる店が増えてきてるよね？　この店もごたぶんに漏れず、だじぇ」ﾆｯ

咲「レートは……？」

優希「レート？　なにを言っているのだ咲ちゃんは？　遊びだからゼロだじぇゼロっ」

咲「レート…ゼロ……」

優希「はいは〜いっ！ここ２名参加だじぇーっ！！」

咲「何ヶ月ぶりだろう……遊びで麻雀打つの…」

支援

――…
優希『ツモっ！　七対子！！　ドラ１』

優希『ツモっ！　一気通貫！！　ドラ２！』

優希『ツモっ！　三暗子！！　ドラ３だじぇえっ！！』

咲「……久しぶりだからスピードに対応出来てないな…」
咲「これ以上は捲れなくなるから……」ｽｩｯ

咲「……リーチ」

――…

優希「さぁ咲ちゃんこれでアガれば咲ちゃんの勝ちアガらなきゃ私の勝ちだじぇえ！」

咲「(最低でも満貫――川を見るかぎり優希ちゃんが萬子で染めてるのは見え見え……)」ﾜｸ
咲「(あれ、なんだろう……今の)」

優希「さあ楽しくなってきたじぇ〜っ！」ﾆｺﾆｺ

咲「楽しい？　……そっか」
咲「楽しい……楽しいよっ優希ちゃんっ！」ﾆｺ

優希「私もだじぇっさぁかかってこい咲ちゃん！！」ｷﾗﾝｯ

咲「いくよっ！」ﾜｸｯ
咲「――――ッカンっ！――…」

――…

ノーレートでもやる気があるって凄いわ

咲「…………」ﾊｧｯ ﾊｧｯ

優希「うへぇ〜〜やられたじぇー……」ｸﾞｯﾀﾘ

咲「……ふふ」ｸｽ

優希「んー？」

咲「なんか、久しぶりに高校生の時の気持ちを味わえたよ、優希ちゃん」ﾆｺ

優希「……私も、高校ぶりに咲ちゃんのﾘﾝｼｬﾝにやられたじぇーっ」ﾆｶｯ

咲「最近、悩んでたりしたんだけどね……」
咲「同時にみんなと会って話す機会があって、色々教えられちゃった」

優希「……」

咲「ありがとう、優希ちゃん」ﾆｺｯ

優希「……お役に立てたのなら私も嬉しいよ。いや、嬉しいじぇっ！！」
優希「さあもう一局！」ﾆｨｯ

咲「うんっ！」ﾆｺ

店員『お客さん方、他のお客さんが勝てなくて可哀想なんでほどほどに……』

――…
『……清澄の、宮永さんと……ですの？』

友達とならむしろレート有りのほうがイザコザ起こるわ