「とりあえず、これから君の仲間は全て敵と説明しておくよ」
「仲間って……穂乃香や、かのんの事!?」
「それに、他にもたくさん居るだろう。その彼女達、全員だよ。……全てを清算して貰う必要がある」
「……違う。そんなの、私が望むハッピーエンドじゃない……!」
「それが、君自身の幸せに繋がるんだ。それとも、連鎖の果てに消えて無くなってしまうかい?」
「それでも、私は、みんなを……失うなんて」
「少しだけ時間をあげるよ。……次は、エリでは無くこの姿で会いに来る。それまで、考えていて欲しい」
私がそう願ったから、私が創り出した存在を消す? あの親友達を消すだなんて、出来ない。
その後、どうやって家に戻ったのかあまり覚えていない。ただ、必死に手段を探しては見つからず、足掻いていた。
気付けば朝を迎えていて、ベッドで制服のまま横になっていた私は、その陽射しに気付き窓に視線を向けた。
「もう、朝、か……」
もう此処に、男だった時の自分は居ない。厳密に言えば、その彼としての記憶が残っている。
そして、心の中に彼の名残だったモノが残っている。臆病で、妄想に逃げていた私自身が既に居なくなっていた。
再び膝を抱えて頭を悩ませる。次にアイツが来たら、私は返答しなければならない。そうしていると、優理が私を起こしにやってくる。
「お姉ちゃん、朝だよ! 朝ごはん一緒に……って、もう起きてる」
「……私、食欲、ない……」
「そうなんだ? でも、何か食べないと……って、俺って言ってない!?」
優理は私の様子に気付いたのか、
>>61
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:03:42.31 ID:SwF0Rp190
妙に機嫌がいい
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:04:13.69 ID:zBFSArxu0
そういうプレイで誘ってるんだと勝手に勘違い
優理は私の様子に気付いたのか、そういうプレイで誘ってるんだと勝手に勘違い。
そして、どうしてか彼女は意気揚々と寝間着を脱ぎだし、下着姿となってしまう。
「お姉ちゃん……、ついに、姉妹レズプレイが出来るんだね……!」
「優理、悪いんだけど、私気分も良くないし……」
「うんうん、分かってるよお姉ちゃん! だって、そういうプレイなんだもんね。妹のわたしが、優しく介抱するよぉ!」
「……どうして、そうなるの?」
「やだ……しおらしいお姉ちゃん、可愛い……もう抱きついちゃう!!」
そうして優理に抱きしめられて、呼吸がしづらい中、やはり頭の中では考えてしまう。
この妹の存在すら無くなってしまうんだ。今、こうして肌を合わせて、温もりを感じれている。これが、消えてしまう。
イヤだと素直に思ってみるも、じゃあどうすれば……と言われると、答えが出ない。
「……優理、生まれてきて、幸せ?」
「お、お姉ちゃん? ……割とシリアスな空気だね、もしかして、生理?」
「私、生理は軽い方だから」
「ええっ!? 初耳なんだけどぉ……。って、冗談抜きでマジレスしなきゃ駄目?」
「別にいいよ。……何となく、聞いてみたかっただけだから」
「……わたしは、生まれてきて幸せだよ? だって、お姉ちゃんとこうして居られるんだもん」
優理は、曇りの無い笑顔で、私の手を握ってそう答えた。
やっぱり消したくない。でも、そうしないと世界が完全に無くなって、ループすらしなくなる、そんな話なのだ。
じゃあ私はどうすれば良い。……どうも出来ないのだろうかと、優理の手を握り返してしまう。
「お姉ちゃん、なんで、泣いてるの……?」
優理は、私を慰めようと
>>64
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:12:18.57 ID:zBFSArxu0
あんな手やこんな手を使ってくるが効果なし
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:12:24.61 ID:qNUqjiw10
特製コーヒーを用意
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:14:49.58 ID:qNUqjiw10
それよりそろそろ皆既月食だよ満月さん
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:18:37.40 ID:3VceEjL90
優理は、私を慰めようと特製コーヒーを用意してくれた。
そして、私の様子が変だと言う事を、同居しているカナに漏らしたのだろう。彼女もまた部屋に顔を見せる。
「大丈夫……? 風邪なら、学校休むとか。ボクが説明しておくよ」
「とりあえず、このコーヒー飲んでみてよ。きっと元気が出るから。お姉ちゃんコーヒー好きでしょ?」
カナが心配した様子を見せる中、優理が強引に私にコーヒーを飲ませようとするものだから、
仕方なくとそれを口にする。流石に、穂乃香程美味なコーヒーを淹れられる訳ではないようだが、
それでも私にとっては凄く美味しく感じられた。そして、また泣き出してしまう。
「わ、わ、お姉ちゃん!? いくら美味しかったからって、そんなに感動しなくっても……」
「う、ぅぅ……やだよ、やっぱり、出来ないよぉ……」
「優理、優希は調子悪そうだから……学校休ませた方が」
「そうだね……。お姉ちゃん、今日はお休みして、一日ちゃんと寝ててね?」
「……学校、行く」
「え、何で!? お姉ちゃん、調子悪いんじゃ……」
「みんなに、会いたいの……」
二人は首を傾げてこちらを見ていた。やはり、今の私は彼女達には不思議に見えるのだろう。
それでも、もう元には戻れない。荒療治にも程があったけれど、私は本来を取り戻してしまったのだ。
もう、何も隠す事は無い。弱いけれど、情けないけれど、強く在りたいという私の姿を見て欲しい。
そうして私は二人に心配かけまいと、
>>68
ひゃぁぁ、皆既日食で隠れちゃう、隠れちゃうよぉぉ!! らめぇぇぇ!!
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:25:37.52 ID:SwF0Rp190
物凄く面白い皆が大爆笑必至の一発ギャグを披露した
そうして私は二人に心配かけまいと、物凄く面白い皆が大爆笑必至の一発ギャグを披露した。
それは逆にネタとなり、学園でわざわざ私の教室にまでついてきた優理がそれを透子の前で口にする。
「月食があったそうじゃなイカ? そんな訳ないでげっしょく!」
「……優理ちゃん、それは一体?」
「お姉ちゃんが今朝やった一発ギャグ」
「……本当かい、ユウ」
「……知らない、私、してないもん……」
「なんか、ユウの様子がちょっと変だね。……ギャグの内容はいつもの事だけど」
「そうなんですよ、なんかお姉ちゃん朝からちょっぴりおセンチみたいで」
「おセンチじゃないもん! お煎餅だもん!!」
「……ね、あんな調子です」
「うぅん、何か嫌な事でもあったのかな?」
教室で優理と透子がそんな話を私の目の前でするものだから、私は必死でギャグを繰り返す。
その度に白い目で見られ、それはクラスメイト全員に、そして、学園中に広まる事となる。
結局、私は放課後、部室に逃げ込む事になるのだが、そこに居た穂乃香達も既に噂を聞きつけており……。
「月食があったそうじゃなイカ? そんな訳ないでげっしょく……ゲソに無理があるでゲソですよ」
「穂乃香、酷いよ、私そういうつもりで言ったんじゃ……」
「ゲソとげっしょく……これは苦しい」
「かのんまで……、私、泣いちゃうんだから……」
「……かのん、思ったんですが、優希さん頭でも打ったんでしょうか」
「様子がおかしい。というより、まるで女の子……」
二人は私に近寄り、熱でもあるのかと手を添えるものだから、
>>72
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:34:42.60 ID:3VceEjL90
もうね、ぷんすこぷんすこなのです
頑張って男言葉を使うが明らかにオカマでしかない
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:35:16.37 ID:zBFSArxu0
”俺”っぽく振舞ってかえってちぐはぐに
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:40:38.68 ID:3VceEjL90
二人は私に近寄り、熱でもあるのかと手を添えるものだから、頑張って男言葉を使うが明らかにオカマでしかない。
「だから、オレは何時もと変わらないんだよ? みんなバカにするんだから、もう!」
「……何この新しい設定は」
「きっと、そういうプレイなのでしょう」
「あれ、三人とも何を話をしてるのですか? 混ぜてくださいなのですよー」
「あ、茉莉さん。……優希さんとお話してみてください」
「え、あの一発ギャグの話なのですか? ……げっしょくとゲソと掛けたなんて、幼稚にも程があるのですよ」
「だ、だからぁ、オレはそんなつもりで言ったんじゃないんだってばぁ!!」
「……優希がおかしいですよ。オカマ……オナベみたいなのですよ」
「きっとそういうプレイなのでしょ? ねぇ、優希」
「瑞樹まで、そんなの酷いよ、オレはそんなつもりじゃないんだってばぁ!!」
……どうやら無理らしい。今ではオナベプレイの真っ最中だと皆に思われてしまう羽目に。
ただ、皆に心配掛けたくないと、元の自分を演じてみてるのに、どうしても自分が出てしまうようだ。
もう一度都合良く戻れないかな、と思ってみるものの、やはり変化は起きない。
そんな困った時は、コアに頼んで何とかしてもらおうと電源を入れてみるのだが……。
「コア、最近居ないのかな? 出てこないよね」
「……なんのお話でしょう、コアって何ですか?」
「優希は時々変な事言うから……いつもの事だと思う」
穂乃香も、かのんも不思議そうに私を見る。あれ、何でコアの事を知らないのだろう。
そう疑問に思っていると、
>>76
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:42:26.83 ID:3VceEjL90
これは……奴等の陰謀だ……!!
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:45:08.83 ID:qNUqjiw10
まさか、すでに消滅している…?
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:45:24.65 ID:zBFSArxu0
「コアは前の世界に取り残されているでち!」と声が
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:51:42.41 ID:3VceEjL90
そう疑問に思っていると、ある答えに行き着くことになる。
まさか、すでに消滅している…? だとすれば、最早コアの力を借りる事は出来ないと言うことになる。
それに、話も出来ないのでは、後は宮坂誠治にしか頼れる存在が居ないのだ。
いっそ、エリのままでずっと居てくれたのならどれだけ気が楽だっただろう。
これでは、例の解決策すら相談が出来ない。……それに、私とコアは常に出会い、傍に居て、契約を交わしていたハズなのに。
「あ、分かりました。コアって、CPUの話じゃないですか?」
「私、この前corei7を詰んだパソコン買ってみた。快適」
「パソコンの話はさっぱりなのですよ。瑞樹は分かるですか?」
「何となくは分かるけど、興味ないわね。それより、仕事、仕事っと……」
そして、訪れるいつもの光景。しかし、ここにコアという存在は皆の記憶から抜け落ちている。
どういう事なのだろうと見えない恐怖を感じていると、関西弁で私の発した一発ギャグを言う女が現れた。
「月食があったそうじゃないか! そんな訳ないでげっしょく! ってなぁ……アハハハハ」
「……千依じゃない。どうしたの、部室に来るなんて珍しいね」
「だって、ウチ、これ阿呆過ぎて面白くて、つい優希ちゃんに会いとうなってね……って、うん?」
「なに? どうかした?」
「……渡瀬サンデスヨネ?」
「なんでカタコトに……そうだよ、私だよ」
「こわっ! なんか知らないけど、こわっ!!」
何で様子が悟られちゃうんだろう。げんなりする私に、千依が肩をぽんぽんと叩き、
>>80
雛もいっとったが…この状況なんかおかしない?
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:54:58.33 ID:zBFSArxu0
イメチェンは一日にしてならず、や
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:03:07.57 ID:QZ47XvTq0
保守↓
何で様子が悟られちゃうんだろう。げんなりする私に、千依が肩をぽんぽんと叩き、「イメチェンは一日にしてならず、や」と言うのだ。
イメチェンじゃなくて、本来の私で、それがおかしいと言うから、元を演じて……もうどうでもいいや。
どうせ、今の私はおかしいですよーだ、なんて思ってしまう。その後、千依はすっかり部室で寛ぎ、穂乃香達と談話する。
「で、優希ちゃんがイメチェンした原因って、失恋でもしたん?」
「それが分からないんです。案外、何かあったのかもしれません。妙な事言ってますし」
「妙な事って?」
「コアがどうとか……」
「コア? ……なんやろ。似たような名前の娘なら、最近学園に転校して来てるらしいけどなぁ」
「似たような名前? 千依、それ、教えて!!」
「ちょ、優希ちゃ、そんな掴まれたら痛いってぇ!!」
私はそこで、千依から有力情報を得ることになる。何でも、コアの名を反転させた少女が学園に通ってるらしい。
宮坂亜子、そう、あの男の苗字を取り、妹という事でこの学園に通っている。
何故、突然パソコンから抜けだし、実体化して宮坂姓を名乗り、普通に女子生徒として過ごしているのだろう。
「ねぇ、それ、何処にいるか教えて!!」
「一年やったかなぁ。うん、実はよく知らんねん。ごめんね?」
「……ちょっと私、出てくるっ!!」
「なんか慌しいなぁ……。また、新しい娘に手ぇ出すんやろうか……」
「多分、そうなると思う」
千依とかのんが好き勝手言っては、穂乃香が苦笑いしていた。しかし、今は構っていられないと、一年の教室を総当り。
しかし、何処へ行っても彼女の手掛かりは得られない。そして後に得られた情報は、彼女は欠席というオチであった。
「宮坂亜子……。それが、今のコア……。でも、どうして」
私が屋上に出てそう考え事をしていると、ツインテ幼馴染とお団子雛が私の背後に忍び寄り、
>>84という一発ギャグを吹っ掛けてきたのだ。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:05:33.97 ID:v2cTz2P10
ランプから魔人が出たんだって! それ、マジン!?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:07:32.30 ID:MKgVvE4M0
「パンツ破れちゃった」 「またかい」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:14:49.61 ID:v2cTz2P10
私が屋上に出てそう考え事をしていると、ツインテ幼馴染とお団子雛が私の背後に忍び寄り、
「パンツ破れちゃった」 「またかい」という一発ギャグを吹っ掛けてきたのだ。なんだと、私は振り返る。
恥ずかしそうにこちらを見る玲亜に、ドヤ顔の雛子が居る。何となく私は笑ってみる事に。
「あは、面白いねそのギャグ、あははっ」
「……優希が、ヘン……」
「そうだよね。何時もなら、何そのギャグ寒いわって突っ込んでくると思ったんだけど、ヒナがっかり〜」
「だって、パンツ破れて、またなんでしょ? また、股……くす、あはは!」
「というか、笑い方からして、女の子っぽいというか……」
「なんか雰囲気も違うよね。頭でも打ったのかなぁ?」
「ちょっと二人とも、さっきから酷いよ。……私は、私だもん」
「「何これ怖い」」
二人は必死に私から情報を得ようとする。一体何があったのか、そして、もしかして何かが関わっているんじゃないかと。
そんな疑いに呆れつつも、適当に何時も通りだとあしらうのだが、彼女達は一歩も引こうとしない。
私がまたまたげんなりしていれば、あの例のテーマが流れ、菫先輩が顔を出すのであった。
「何かお困りでしょう? 私が助けてあげるわ! ふふ、月食で困ってるのよね、分かる、私には分かるのよ!!」
「……違います。というか私、今後悔してますから」
「やだぁ、優希さんったらつれないわね。……って、確かに雰囲気がおかしいわ。楓、黒井グループの衛生兵を呼びなさい!」
「そんなもの居ません、姉様。……噂通り、心此処に在らず、といった感じですね」
どうやら私の変化まで噂になっているらしい。それを、菫先輩の後に現れた楓によって知らされる事に。
どれだけ噂を欲しがってるんだこの学園は、とまた溜息が漏れてしまう。
そして、屋上に集ったこの四人は、私を元気付けようと
>>87
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:16:41.06 ID:MKgVvE4M0
温泉に連れて行く
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:17:24.56 ID:QZ47XvTq0
マトリックスごっこ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:23:23.58 ID:v2cTz2P10
そして、屋上に集ったこの四人は、私を元気付けようと温泉に連れて行くのだ。
最初こそ拒んだが、菫先輩の強引な押しにより、結果的に私はあの温泉に浸かる事になる。
そして、バスタオルで身体を隠す私に、皆が何故か絶句している。
「ねぇ、ヒナ。……優希って、これ見よがしに身体を見せ付けるタイプよね?」
「あんな風に隠してる姿は、ヒナも始めてかも……」
「それに、何だかもじもじとしてますね」
「恥ずかしがる優希さんも、可愛らしいわ……お持ち帰りしてしまいたい……」
だって、普通隠すでしょ。恥ずかしいじゃない。しかし、思い返せば男の時の自分は、然程羞恥心を持ち合わせていなかった。
男の時に、隠すという行為を忘れてしまったのだ。別に女同士だから問題ないと思っていたのを思い出す。
それが、少なくとも玲亜には見せ付ける行為になっていたようだ。
「……で、ああやって隠されると、何だか逆にイラっと来るのよね」
「胸のサイズが負けてるからって、そんなムキになる事かなぁ」
「ヒナは黙ってて! むぅぅ……なんか、何時もより可愛く見える……」
「まぁまぁ、真田さん。今は優希さんの変化を楽しむものですよ、ねぇ、楓」
「そうですね。優希様は淑女として目覚めたのだと思われます。これで、晴れて私のお嫁に……」
「……楓、今なんて言ったのか、私に説明してくれる?」
「優希様を、お姉様には差し上げませんと言いました」
「ちょっと待ってよぉ、ユウちゃんはヒナの物なんだからぁ!!」
「こらぁ、ヒナ、勝手に優希をあんたの物にするなぁ!!」
また始まったよ、この喧嘩。四人はそれぞれいがみ合う中、やれやれとその光景を見つめて思うのだ。
これも、見れなくなっちゃうんだ。そして、この四人も居なくなっちゃう。消えちゃうんだと。
これ以上見続けていると涙が出てしまうと、ふと違う方を見れば……魔王様が
>>90してる。何だこれは。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:24:10.62 ID:v2cTz2P10
あ、安価勘違いしてた。すいませんです↓
三十路と科学爺と一緒に世界を救う計算
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:26:22.31 ID:MKgVvE4M0
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:31:53.82 ID:v2cTz2P10
これ以上見続けていると涙が出てしまうと、ふと違う方を見れば……魔王様が三十路と科学爺と一緒に世界を救う計算してる。何だこれは。
磯縁先生はともかく、魔王様……も良しとして、何故あのマッドサイエンティストが居るのだ。
「だから、きっとこうすればいいと思うの」
「でも、それは納得できないのよね。……そもそも、世界って何なのかしら、光蔵さん」
「ワシに尋ねられてものう、しかしこの娘の魔法、見たじゃろう。プラズマでは無かったんじゃよ」
「それで世界の危機を信じるとか……。そもそも、なのかさんと言いましたっけ」
「七瀬なのかだよ。……本当は、渡瀬なのか、なんだけど、これは秘密なの」
そう言えば、あの魔王少女は私の子供、という設定なんだっけ。
でも、自分の子供が未来からやって来て、それが魔王と名乗る魔法少女だなんて、過去に描いた自分の設定はぶっ飛びすぎだ。
とりあえず、恐る恐る私はこの集団に話しかけてみる事に。すると……。
「あら、月食ちゃんじゃないですか」
「磯縁先生まで、酷いです!」
「ごめんなさい、私はこれは面白いと思ったわよ?」
「あ、先生で通るんですね」
「結局見つかって、無理矢理現場復帰させられたの。人手が足りなくて、ヒトデになっちゃう!」
「……それは、寒いと思うの」
「なのかちゃんったら、そんなに褒めないでぇ……」
身を捩らせてなのかの台詞を受け止める先生は放っておいて……と、なのかを見れば、彼女もまたこちらを見つめていた。
何か言いたげな視線を感じた為、私は彼女と共に温泉の隅っこの方へ移動する。此処なら誰にも見られない。
そう、周囲を確認して思っていれば、なのかが、
>>94
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:34:06.49 ID:v2cTz2P10
ちっぱいを押し付けてきた。吸っちゃおう
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:35:24.38 ID:QZ47XvTq0
ドヤ顔
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:35:28.79 ID:MKgVvE4M0
そろそろタイムリミットなんだけど…
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:43:18.81 ID:v2cTz2P10
そう、周囲を確認して思っていれば、なのかが、何故かドヤ顔で居るのだ。
これに意味はあるのだろうかと眺めていれば、彼女は相変わらずの様相で私に言った。
「ママを、わたしが助けるの」
「……ママって、別に私は……それに、貴女は違う世界から来たんでしょう?」
「そうなの、一番珍しいパターンからやって来た、魔王少女だよ」
「その、一番珍しいパターンって……?」
「ママが、わたしを出産した事。わたしは、多分宮坂誠治との間に生まれた子供だって、ママの手紙に書かれてたの」
それは、思った以上に私にとっては重く圧し掛かってきた。どうせ、十二月二十四日から派生した未来での私は、ただ朽ちるだけだと思っていた。
しかし、こういったパターンも存在するらしい。しかし、結局私は十一月に戻されて、繰り返す。
だから、その先を私は一切知る手段が無い。大体は絶望して、苦しんでその日を迎えては終わるからだ。
「そっか、分岐した先でも、私は生きてる場合もあるんだ……」
「そうなの。わたしも、この力を手に入れて知る事が出来たの」
「この力って……、そういえば、魔法とか言ってたけど、それ?」
「そうなの。……わたしのお腹の中で、今も強く感じるの……」
彼女は、それを幸せの欠片と称した。何だろうそれはと、首を傾げてしまう。
それは、私が器に収めるべき欠片だと彼女は言う。どうやら、そんな事まで未来からやって来た娘は言うのだ。
「……これは、元々一つだったの。それが、ママの中に眠ってる。厳密に言えば、ある日に契約した際に生まれたのかな?
それを満たせば、きっと世界を、総てを救える奇跡が起きると思うの!」
彼女は力説した。そして、私に願う。その不思議な宝玉を満たし、奇跡を起こして欲しいと。
その為には、まず
>>98しないといけないようだ。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:45:29.34 ID:QZ47XvTq0
セーラームーンごっこ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:45:36.12 ID:MKgVvE4M0
マッドな博士に頼んで幸せの欠片レーダーを作成
自ら産み出して関わった面々にきちんと向き合い、幸せにする。但しいっぺんに
彼女は力説した。そして、私に願う。その不思議な宝玉を満たし、奇跡を起こして欲しいと。
その為には、まずマッドな博士に頼んで幸せの欠片レーダーを作成して貰わないといけないようだ。
って、それじゃドラ○ンレーダーみたいじゃないか。……そもそも、そんな事があの爺さんに出来るのだろうか。
なのかがそう説明する中、どうやらあのマッドなお爺様はなのかにめろめろなご様子で、
二つ返事でそれを引き受けていた。……引き受けても出来るかどうかは勿論別である。
「ママ、出来るって言ってるの。だからもう安心だよ!」
「……あのさ、ママって呼ばれるの、ちょっとこそばゆいかも……」
「でも、ママはママでしょ? 初めて会った時は、わたしに手紙しか残さなかったママを恨んで、意地悪しちゃったけど」
「だから、あの人とつるんで……?」
「でも、巨大化してびっくりしたの。ママも魔法が使えるんだって思って、わたし感動したんだ」
「……そういやそんな事もあったんだっけ、あまり覚えてないんだよね」
「とにかく、頑張ろ? 絶対奇跡は起きるって、信じてるの。ママ!」
「だから、ママは――まぁいいや」
娘が、私に最後の希望をくれた。それが、幸せの珠という可能性。
それがどうやって奇跡に繋がるのかは分からない。けど、未来からやって来たその私の娘の言葉を信じない訳にもいかない。
だから私は覚悟を決めた。皆を消さない、そして、総てが幸せであれるよう願う為に、私はその幸せの珠を満たすのだ。
でも、本当にこの身体の中に眠ってるのだろうか。それこそ、コアなら何かを知っているに違いない。
――幸せレーダーは二日で仕上がった。光蔵と呼ばれる爺さんは只者では無かったのだ。
そりゃ、一時巨大要塞で私達を苦しめた存在だ。それくらいは出来るかもしれないのだけれど。
「という訳で、使い方の説明じゃ。……このボタンを押すだけじゃ起動はせん。
>>101をする必要がある」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:55:19.17 ID:MKgVvE4M0
幸せな思い出をインプット
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:03:32.93 ID:QZ47XvTq0
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:04:29.75 ID:v2cTz2P10
「という訳で、使い方の説明じゃ。……このボタンを押すだけじゃ起動はせん。幸せな思い出をインプットをする必要がある」
「……あのぉ、その幸せな思い出って、何ですか?」
「要するに、誰かさんが幸せを感じた時に、このボタンを押せば、それに繋がる幸せの欠片が反応する訳じゃ。
ちなみに、なのかちゃんが言うには、実体は基本的に宝石のようだそうじゃが」
そんな謎極まったモノに対するレーダーを二日で仕上げたこの爺さん、私は考えを改めて、尊敬しよう。
その爺さんが手を振り、直後になのかの生写真を眺めてへらへら笑う中、私はレーダーを手に部室に戻る事になる。
部長として、皆にお願いしたいことがあると、穂乃香達、指導部員にそう言った。
「……私は、今までずっと繰り返してきたんだ。嫌な事があって、逃げて、そして逃げ場を創り出して、自分すら偽って。
でも、それももう止めにする。終わりにする。だから……皆に手伝って欲しいんだ」
「と、突然の告白ですねぇ……かのん、どうしましょう」
「黙って聞くが吉」
「ここに、私は宣言します。生活指導部は生まれ変わり、幸せの生活指導部と呼ばれるよう活動することを!」
「な、なんか部名すら変わったのですよ、瑞樹……」
「きっと、思惑があるんでしょう。奉仕活動としては中々良いんじゃない?」
「だから、その行動に皆さんに協力して欲しいんです。皆に、ずっと、居て欲しいから、だから……!!」
「お姉ちゃん、わたし、感動したよぉ……わたし、飛び級してきて、この部に入って良かったよぉ……!」
優理が妙な事を言い出したのはさておき、私はここで改めて皆に頭を下げるのだ。
それを黙って見つめる中、穂乃香とすっと私の前に出ては、「私達だけではありません」と後ろを指差す。
そこには、私にとって掛け替えのない仲間が居た。その皆にも、私は頭を下げるのだ。
「……顔を上げて。皆、貴女の味方」
今度はかのんがそう語りかける。私は、この時思ったのだ。この人達が居てくれて、私はそれだけでも幸せなんだと。
こうして、私達生活指導部は学園を、そして街を、国を駆け回る事となる。
――つづきます
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:05:43.53 ID:MKgVvE4M0
おつー!
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:07:47.80 ID:v2cTz2P10
以上で終わりますー。はい、予定通りでニヤリです。ウソデスゴメンナサイ。
今更タイトルに繋げて、どれだけやるんだよって話です。そもそもこれまでが無茶過ぎてもう(ry
でもまぁ、おかげでその4をだらだら仕上げることが出来そうです。年内に終わるんだろうか……。
ともあれ、お付き合いありがとうございましたー。
Xmas用の絵とかも描きたいんですよねぇ……今年はきっとむり小特別編もあるでしょうし。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:08:06.96 ID:QZ47XvTq0
乙
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 01:08:56.79 ID:atWrkd8d0
おつおつ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
【12/10 (土) 02:11時点でのタイムスケジュール】 :
ttp://kmix.dabits.net/ts/ 12/11 (日)
20:00〜21:50/名無し氏 - とらはぴっ!
22:00〜/(゚Д゚ili) ◆7Ij8L.dPpY氏 - スロー・アウェイ4 【第13話】 - 伝説の超嫉妬心 -
よいしょっと