('A`)ドクオは人体実験の被験者にされたようです
1 :
代理:
2 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:34:46.19 ID:tdtQnDFV0
トンプソンを抱えた死神が、獲物を探し始めた。
第二十三話「ゲームの始まり」
3 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:36:39.09 ID:tdtQnDFV0
――23:19 オーシャン埠頭・第三倉庫――
落ちていた懐中電灯を拾い上げると、ミセリを探すために倉庫の中を歩き回った。
彼女はすぐに見つかった。
傷ついた腕を抱え、壁にもたれていた彼女は、ドクオが戻ってくると驚愕に目を見開いた。
ミセ;゚ー゚)リ「ドクオ! それどうしたんね!」
(メ゚A`)「それって……」
ミセ;゚ー゚)リ「傷だらけやん! はよ手当せんと!」
(メ゚A`)「ああ……そうだな」
4 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:40:36.63 ID:tdtQnDFV0
彼は上半身に何も身につけておらず、
露出した部分は肌色の方が少ないほど血にまみれていた。
ミセリはドクオから懐中電灯を奪い取ると、応急措置のための道具を探し始めた。
しかし適当なものが見つからず、ロッカーの中で見つけたほこりだらけのタオルで、
お互いの腕を縛って止血するのが限界だった。
(メ゚A`)「お前の腕、大丈夫か……?」
ミセ*゚−゚)リ「少なくともあんたよりは大丈夫」
傷は深いものの、一カ所からしか血が出ていないため、ミセリの止血は簡単だった。
ただしドクオの傷は体中のものであり、ちゃんとした手当のためには包帯が必要だ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:42:35.58 ID:v8LBJy6x0
支援
6 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:43:03.61 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚−゚)リ「襲ってきたやつ……どうなったん」
何となく勘づいていたものの、確認としてミセリは訊いた。
(メ゚A`)「死んだ」
ミセ*゚−゚)リ「そう……」
生気の無いドクオの表情は、流血のせいだけではないように見えた。
ミセリはそれ以上訊くのはやめておいた。
(メ゚A`)「それと……」
ミセ*゚−゚)リ「何?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:43:26.25 ID:XprUPtcB0
これは支援せざるをえない
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:43:41.18 ID:/c84voMR0
リアルタイム初遭遇支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:43:46.36 ID:UmwyXBPd0
,ーノ )ソノリ)-ノリ‐、 ,‐─、
/ミミ ノ ) ) ノ .\ | :|
i||||||||| . i| .| :|
i||||||||| iilllllii. oilllllii i|| | :|
||||||||| =・=- r ‐、 =・=-||| .|.... ^|
||||||||| i i : || |.肉 |
||||(6|し; ∵; ,|. : : 人 ∵ノ .| .|
, ヘ,_,, 川|| メ `''" `ー- '`.ー''||| | .|
_//\\ . ノリ川| 〈 、____, 〉||| | .|
//,.へ \\/\ \ヽ \+┼┼+/ |ヘ ..|~ .|
/// / /\ \ \ヽ、 `ー‐‐'´ /\\ウヘヘ〜.| |
'Z_,く / /\ ヽ,r‐-‐-‐/⌒ヽ __/ ||、 \\ | |
/\ ヽ/ |_,|_,|_,h( ̄.ノヽ/ || ||ヽ \\... | :|
\ ヽ、/ヽノ| `~`".`´ ´"⌒⌒) || ンヽ ヽ\\ | .:|
./\/ノ^ //人 入_ノ´~ ̄ ̄ ̄ } |  ̄ .| :|
( ヽヾ // ///:ビシッ.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:..} |. | :|
| # \`ニニ´r'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:.:.::.:.:.:}. | | :|
\ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:.::..:.:.:.::.:.:} |‐γ' ̄ア( ̄)
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:43:48.67 ID:XprUPtcB0
支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:44:09.63 ID:XprUPtcB0
支援
12 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:45:07.66 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「たぶん、首輪が手に入る。今はまだ無理だけど、次の避難時間に、
隣の倉庫に行けば回収できると思う。きっと、首輪だけ落ちてる」
ミセ;゚ー゚)リ「本当!?」
(メ゚A`)「お前が使え」
首輪だけが落ちているという状況の意味がよくわからなかったが、
窒息の恐怖から逃れられるというのは嬉しいことだ。
ただドクオの提案自体には面食らった。
ミセ;゚ー゚)リ「それ、私が使っていいん? 別にあんたが使ってもいいんよ」
壮絶な戦いがあったのはドクオの体を見ればわかるし、彼は自分を助けてくれた者でもある。
首輪を使える権利を持っているのはドクオだろうと思った。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:45:22.68 ID:XprUPtcB0
ぽんぽこぽまいら支援汁!!(`・ω・´)
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:46:10.63 ID:A3AdfUoJO
15 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:46:19.76 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「俺はいい」
ミセ;゚ー゚)リ「でも……どうして?」
(メ゚A`)「別にお前のためとか、格好つけてるとかじゃない。
ただ…………………使いたくないだけ」
ミセリの隣に腰を下ろし、うなだれたまま喋らなくなった。
彼の憔悴した様子は見ているだけで胸が痛んだ。
ミセ*゚−゚)リ「……ありがと」
(メ゚A`)「………………あと、思い出した」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:47:15.60 ID:XprUPtcB0
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:47:17.64 ID:Lt6KL7ne0
>>1 おまんこからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
おちんぽからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
おまんこからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
おちんぽからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
おまんこからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
おちんぽからおしるがびゅっびゅっびゅぅうう
びゅびゅぅ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:47:20.84 ID:LfAgC6u30
支援
19 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:48:38.81 ID:tdtQnDFV0
沈黙が続くかと思った瞬間ドクオは口を開いた。
(メ゚A`)「ニダーさんだ。あの人、ニダーさんっていう人だ」
それだけ喋ると、膝の間に顔をうずめ、また口をつぐんだ。
ミセリは彼の為に何かしてやりたくなったが、何も思いつかなかった。
暗闇の中、遠くでうなる爆音を聞きながら、無力な自分を恨んだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:49:51.24 ID:9bHuOTzg0
>18
゙'. '.;`i i、 ノ .、″
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、−´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬――'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、−‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
ドクオかっけぇ
ドクオ満身創痍だな…
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:52:15.32 ID:v8LBJy6x0
しえん
24 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:52:15.83 ID:tdtQnDFV0
――23:45 ロスフロアズ――
ドラッグストアの中で、セミオート拳銃Cz75を眺めているモララーがいた。
構えたときの具合を確かめたり、照準を定める振りなどして、来たるべく実戦に備えているように見える。
( ・∀・)(今更こんなもんあってもな……)
しかし心中はといえば、拳銃を手に入れたことに大した喜びはなかった。
しぃを使えば貴重なアイテムが手に入るという読みは当たっていたのだが、
何処か空虚な思いが心に広がっていた。
モララーさんがかませにしか見えない
26 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:54:19.83 ID:tdtQnDFV0
ドラッグストアの中にカウンターがあり、彼は背を預けて座り込んでいた。
隣にはしぃの小さな影もある。
(*- -)「うぅ……ん………」
( ・∀・)(ん…)
頭を大きく揺らしていた彼女は、力尽きるようにモララーの膝に崩れ落ちてきた。
彼女にとっては真夜中の時間帯、疲労も重なっていたことで睡魔に耐えきれなかったのだ。
叩き起こそうかと思ったモララーだったが、起きたら起きたで面倒だということに気づき、
膝の上ですやすやと寝息を立てている彼女は放っておくことにした。
( ・∀・)(実験をクリアさえすれば、次がある)
生き残りは、今10人…か?
28 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:56:40.35 ID:tdtQnDFV0
今まで上手く立ち回ってきたというのに、今回は色々と失敗続きである。
ブーンを追うのは半ば諦め、実験のクリアを目標としていた。
(*- -)「スゥ……む……ふぅ……………」
( ・∀・)(このガキがいれば重要アイテムは手に入る。あとは首輪の鍵だ。
もしも鍵が手に入るタイミングが無ければ、最終的にこいつの首輪を使えばいい。
クリアはたやすい。特に問題は無い)
モララーはしぃの首筋にそっと手を当てた。
やせ細った首は、片手でひねれば取れてしまいそうに見える。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:56:52.93 ID:+IKB9fzGO
きてたか
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:56:55.10 ID:v8LBJy6x0
支援
31 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:57:40.55 ID:tdtQnDFV0
( ・∀・)(何も問題は無い。何も……)
その時しぃが寝返りを打ち、首に触れていた手が彼女の頬に当たった。
生暖かく、柔らかい反発が指の腹をまさぐる。
起きるかと思ったが、しぃはもごもごと口を動かしただけで、覚醒する気配はなかった。
( ・∀・)(呑気な奴……)
(*- -)「……お……あさん………おと……さん……………」
ふと気がつけば、彼女の穏やかな表情に視線がいっていた。
あまりにもひ弱で、小さな生命が無防備に横たわっている。
呆れるほどに矮小なその存在から、どういう訳か目が離せなかった。
32 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 22:58:11.38 ID:tdtQnDFV0
――7月30日――
しぃは生き残ってほしいなあ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 22:58:54.02 ID:byvWQnW+O
おお!また来てる支援!
なんだかんだデレフラグだと信じる支援
36 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:00:25.25 ID:tdtQnDFV0
――0:01 オーシャン埠頭・第三倉庫――
(メ゚A`)「空爆が終わった」
無言のまま座り続けていたドクオが急に立ち上がった。
ミセ;゚ー゚)リ「本当に? もう少し様子見た方がいいんじゃない?」
(メ゚A`)「空爆の音が止んでから時間を数えてたんだ。
一分も止まってるなら、もう待機時間じゃないってことだ。時間が惜しい。
首輪を探そう」
有無も言わせない雰囲気があったので、ミセリは大人しく従った。
事実、ドクオの言う通りで、隣の第二倉庫に行ってもミサイルが飛んでくるようなことはなかった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:00:39.85 ID:epLXtwkQ0
とりあえず寝ちゃうからおれ水遁の準備しとけよ
支援
38 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:01:17.99 ID:tdtQnDFV0
懐中電灯を持っているドクオは、床に光を這わせて首輪を探した。
コンクリートの床が爆発によってえぐれており、血のついたガレキのクズが辺りに散乱している。
首輪は比較的すぐに見つかった。
砂と血がびっしりとついていて、保護色のようになっていたが、見逃すことはなかった。
(メ゚A`)「見つけた」
ミセ*゚ー゚)リ「やった」
(メ゚A`)「使え」
ミセ;゚ー゚)リ「本当にいいの?」
ドクオの決断力うpしてるな…
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:02:16.70 ID:epLXtwkQ0
うわぁ日本語でおkの文章になっちまった
水遁の用意しといてねってこと
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:02:32.15 ID:byvWQnW+O
ドクオがイケメンだ
42 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:03:09.95 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「じゃあ、言葉を変える。使ってくれ」
以前の彼とは違う迫力を感じた。
言うなれば、一種の覚悟が宿っているように見える。
ミセ*゚−゚)リ「ありがと……」
ドクオから手渡された首輪を使い、接合部に首輪のピンを刺した。
カチっとピンがはまった音がした後、カリカリカリという機械音が鳴る。
直後に首輪の重圧が完全に無くなるのを感じた。
首輪から手を離すと、繋がれたままの二つの首輪が足下に落ち、湿った金属音を鳴らした。
ドクオ…
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:04:20.04 ID:byvWQnW+O
支援支援
首輪
ちゃんと外れるんだよな…
罠とかないよな…
46 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:04:42.66 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「これはもう使えないだろうな」
落ちた首輪を拾い上げ、解錠されたままの形で自分の首輪に刺してみた。
はまることははまったが、ミセリのときのように機械音が鳴ることはなく、
死んだように無反応だった。
(メ゚A`)「第二倉庫に黒のハコがあると思う。探そう」
ミセ*゚−゚)リ「うん」
落胆する素振りすら見せずに、すぐさま次の行動に移ろうとするドクオに対し、
ミセリは素直に反応した。
彼に対しての信頼が確固たるものになり始めていた。
首輪は普通に外れるんだな
48 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:05:35.49 ID:tdtQnDFV0
ドクオの言う通り、第二倉庫には黒のハコが一つ置かれていた。
すでに開封された後のハコで、表示には「ククリナイフ」と出ていた。
(メ゚A`)「次の避難地点は海沿いの場所にしよう。あまり走り回りたくない」
ミセ*゚ー゚)リ「同感」
倉庫から外に出ようとした際に、ふらっとドクオがよろけた。
隣を歩いていたミセリはとっさに彼の肩を持ち、こけそうになるドクオを支えた。
少しの間そのままの姿勢で見つめ合っていた二人だったが、「行こう」というドクオの素っ気ない
一言の後、ようやく体が離れた。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:06:40.52 ID:byvWQnW+O
せっかく首輪外してあげたんだし、最後までミセリを守ってほしい
というかミセリには生き残ってほしい
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:06:53.92 ID:DD12Jd7F0
ドクオの達観ぶりが…
51 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:07:01.46 ID:tdtQnDFV0
――0:51 バインウッド・路地裏――
川゚д川「ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
道を塞ぐガレキの山の前で、発狂寸前の貞子が夜空に向かって吠え立てていた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:07:23.63 ID:/c84voMR0
ドックン覚醒したな…
これでもしミセリが死んだら首輪は…
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:07:28.16 ID:7gW7OFnYO
支援でござんす
55 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:08:10.54 ID:tdtQnDFV0
入り組んだ路地裏を走り回ったあげく、何度も袋小路にぶつかっていた。
このままでは避難地点にたどり着く前に空爆が始まってしまう。
爆死は何としても避けたかった。
川゚д川「クソがクソがクソがクソがーッ!!
どぉーしてあたしがこんな目に遭わなきゃいけないのよぉ!!」
幼い頃に出会った占い師から、聖戦士として生きることを命じられた彼女は、
どれだけ周りに否定されようが自らの運命を貫き通してきた。
六歳のとき、兄を失ってから茫然自失なまま生活していた彼女にとって、
占い師のお告げが唯一の心の拠り所だった。
失うべくして失ったのだから、兄の死は仕方なかったことなのよ、占い師はそう言った。
貞子は信じるしかなかった。
信じなければ壊れてしまいそうだった。
うんこ我慢しながら走ってたドクオの面影はどこに…
貞子もただのあれじゃなかったんだな
58 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:09:26.06 ID:tdtQnDFV0
占い師は貞子の前から消えるまで(詐欺師として逮捕されていた)、
様々なことを彼女に教え、彼女は全てを信じ込んだ。
また占い師がいなくなってから以降も、古今東西の怪しげな文献を読みあさり、
聖典、占い、呪い、黒魔術などから得た知識を用いて、空想の世界を徐々に広げていった。
いつしか彼女に寄りつく人間は誰もいなくなり、一人きりになった貞子はさらに暴走を始めた。
自分は超能力者、前世は悪魔の手から世界を救った戦乙女(名前はルナ・ファルジオン)、
現代でも悪魔信仰が続いており、政府直下の特務機関が自分を狙っている……と思っている。
川;д川(ここで私が死んだら、お兄ちゃんの遺志が無駄になる!)
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:09:48.34 ID:byvWQnW+O
>川゚д川「クソがクソがクソがクソがーッ!!
> どぉーしてあたしがこんな目に遭わなきゃいけないのよぉ!!」
ドクオの糞のせいだな
60 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:10:46.31 ID:tdtQnDFV0
彼女の兄もまた聖戦士の一人、という設定だ。
たった一人で悪魔と戦い、妹を護るために自らを犠牲にした……らしい。
事実をいうと、彼女の兄は十四年前の人体実験にて、命を落としている。
もちろん、彼女はそんなことは知らない。
川゚д川「痛っ…!」
疲労で足がもつれ、何もない場所で転んだ。
立ち上がろうとしたとき、膝に鋭い痛みを感じた。
手で触れるとぬるりと血の感触がし、流血しているのがわかるとさらに痛みが加速した。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:11:15.58 ID:1rFEMo5S0
ほんもの?
62 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:11:37.01 ID:tdtQnDFV0
怪我の手当をしている暇はない。
貞子は両の手のひらを膝に押し当て、精神を集中させた。
川д川「イグノペアの真理よ……理の中で浄化の道を示せ……はぁ!」
傷が塞がっているかどうかは、月明かりだけでは判別できなかったが、
少なくとも痛みは無くなった(気がする)ので、治療は成功したのだと考えた。
川;д川(もう、時間が……!)
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:12:19.41 ID:byvWQnW+O
気持ちの持ちようでなんとかなるのか
64 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:12:26.92 ID:tdtQnDFV0
正確な時間がわからなくとも、もうすぐ空爆が始まるというのは
夜空を飛ぶ戦闘機の慌ただしさを見てすぐにわかる。
とにかく一度大通りに出て現在地を確かめよう。
そう思って走り出したとき、何かを蹴った感触がして、足を止めた。
ガレキのクズやゴミではなく、もっと人工的で……丸い、何か。
川゚д川
雲に隠れていた月が偶然顔を出し、スポットライトのように貞子の周りを照らした。
神々しい光の中で、貞子は神のお告げを聞いた気がした。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:13:39.82 ID:mgz7NaCs0
支援
66 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:13:48.76 ID:tdtQnDFV0
川゚д川「く……びわ…?」
頭の中で聖歌隊が祝いの曲を歌っている。
狭い路地裏が、青白い光でぼうっと浮き上がってくると、さらにそれははっきりと見えた。
紛れもなく首輪であった。
まだ使用されていない状態で、彼女の前にぽつんと落ちているのだ。
川゚д川「……ああ……あああああああああああああ!!
私を……救って下さるというのですか……!?」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:14:39.14 ID:byvWQnW+O
ん……?誰のだ?
釣り…?
69 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:15:14.30 ID:tdtQnDFV0
その場で膝をつき、神に感謝の意を表した。
体から不思議な力がわき起こり、先ほどまで感じていた疲労も眠気も吹き飛んでいた。
川*д川「首輪! 私の首輪! 首輪首輪首輪!」
四つん這いの姿勢で首輪に飛びついた貞子は、震える手でピンを首輪に刺した。
短い機械音の後、繋がったままの首輪が地面に落ち、首輪の圧力から解放される。
川*д川「ああ……神よ! 感謝します!
聖戦士、貞子の名に恥じぬ努力によって、このご恩、必ずお返しします!」
自由になった彼女は歓喜の咆吼をあげた。
地団駄を踏んで狂喜に踊る彼女を、月が優しい光を発しながら見守っていた。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:16:55.29 ID:DD12Jd7F0
しえんしえんしえん
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:17:26.98 ID:v8LBJy6x0
支援
72 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:17:31.15 ID:tdtQnDFV0
川゚д川「はっ……あれは……?」
しばらくの間踊り続けていた貞子は、夜空に白い光が飛んでいるのを見つけた。
月の光よりもずっと明るく、真っ直ぐ貞子に向かって飛んできているようだった。
川゚д川「まさか、私を迎えに来てくれたというの…?」
貞子には以前から予感があった。
生まれ変わった聖戦士の自分を、聖地へと連れて行ってくれる存在が
いつか自分の元へやってくるという期待に等しいものだ。
落ちているはずのない首輪があったということ、そして自分を目指してくる白い光、
まさしくこれらは神の使いの仕業だと思った。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:18:07.89 ID:byvWQnW+O
支援!
逃げてー!!!
これは…
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:18:46.14 ID:mgz7NaCs0
これは……
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:18:47.28 ID:DD12Jd7F0
貞子ェ…
78 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:19:16.08 ID:tdtQnDFV0
川д川「神の使いよ! 私はここにいる!」
白い光はなおも速度を上げてこちらに向かっている。
川д川(随分と長かったけど、これでやっと私がいるべき場所に行けるのね……)
聖地とはどういう場所か、いつも彼女は空想していた。
少なくとも、事情を知らない人間がいることは無いので、もう陰口をたたかれたり、
後ろ指を指されるようなことはない、天国のような場所―――。
光はさらに加速し、貞子の頭上に迫っていた。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:19:46.39 ID:byvWQnW+O
罠だったか……
80 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:20:09.95 ID:tdtQnDFV0
川゚д川「神よ! 私の名は貞子! さあ、我が身を聖なる地へ――――――」
貞子の手足がはじけ飛び、血肉が空中で爆ぜたとき、月は既に雲の影に隠れていた。
結局彼女は、すぐ傍のガレキの裏で横たわっていた、デミタスの死体には気がつかなかった。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:21:20.83 ID:C5RpQD9R0
貴重な首輪が・・・支援
嘘だろ…
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:21:59.20 ID:byvWQnW+O
貞子……
84 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:22:21.64 ID:tdtQnDFV0
――1:05 エルコローナ――
製鉄所の倉庫はオーシャン埠頭の倉庫よりもずっと狭く、
この場所で襲われたら逃げ場は無いように思えた。
早くにたどり着いていたドクオたちは、襲撃者を警戒して倉庫の中で隠れていた。
空爆が始まるまで誰も来なかったので、現在は隠れていた掃除用具入れから這い出て、
二人並んで座っている。
倉庫の中は空気が冷えていて、汗をかいた体には心地よかった。
しかし窓が少ないからか、空気が若干よどんでいて、長居はしたくならない場所だ。
(メ゚A`)「じゃあ、そろそろ食うか」
あれ?残りの首輪はいくつだ?
86 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:23:16.00 ID:tdtQnDFV0
さらに幸運だったのは、開封していない黒のハコがあったということだ。
めぼしいアイテムが無かったので、ドクオたちは再び食料を選択した。
空腹で困っているというほどではなかったが、喉の渇きは苦痛だったので、
水が手に入ったのは嬉しかった。
ミセ*゚−゚)リ「あんまり食欲無い」
(メ゚A`)「俺もだけど、持ち歩くのは面倒だから今の内に食べないと」
ミセ*゚−゚)リ「せやね……」
ドクオの血はもう大分止まっていたが、肉がえぐられた部分は痛々しく、見ていられないほどだ。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:24:26.24 ID:byvWQnW+O
そういやドクオってかなり重傷だったよな……
88 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:24:38.33 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「そういえば、忘れてた」
(メ゚A`)「何が?」
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとう。助けてくれて」
(メ゚A`)「あ……ああ」
ニダーに襲われたとき、逃げることも出来たドクオが、結果的にミセリを救った。
勇気や優しさではなく、自分に対しての嫌悪感から取った行動ではあるものの、
命を賭して彼女を護ったことに変わりない。
(メ゚A`)「別に……なんか、うん……どういたしまして」
ミセ*゚ー゚)リ「……ふふ」
そういやハインの首輪…
ドクオフラグ立ってんぞ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:25:15.71 ID:byvWQnW+O
フラグ
支援支援支援
続きが読めるなんて嬉しすぎんだよ
94 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:26:07.50 ID:tdtQnDFV0
照れくさそうに頭をかくドクオを見て、自然と笑みが漏れた。
褒められたり、感謝されたりすることに慣れていないのが見て取れる。
ミセ*゚ー゚)リ「あんた、学生?」
(メ゚A`)「え?」
ミセ*゚ー゚)リ「ねえ」
肩が当たる距離で、お互いが顔を見合わせるというのは、
人と会話することが少なかったドクオにとって気恥ずかしい行為だった。
(メ゚A`)「うん、一応」
ミセ*゚ー゚)リ「大学生?」
ドクオも重傷だけど
ミセリも片腕がもう…
ブーンとツンの関係に似てる
97 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:27:36.36 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「違う。夜間で、まだ高校生」
ミセ*゚−゚)リ「ふうん……」
ミセリのぱっちり開いた目から逃れるように視線を外したドクオに、
何か事情がありそうだと感じたミセリは質問を変える。
ミセ*゚ー゚)リ「高校出たら、どうする?」
(メ゚A`)「……決めてない。大学行くかも」
生きて帰れる保証がない状況で、高校を出たらどうするかという話は、
夢みたく現実感が無かった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:27:46.40 ID:byvWQnW+O
99 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:28:43.89 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「いいじゃん。大学。私も一度行ってみたかった」
(メ゚A`)「あ…そうか。アイドルになったのって、高校出てからだっけ」
ミセ*゚ー゚)リ「違うよ。高校は中退してる」
(メ゚A`)「中退? ああ、仕事が忙しかったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「いじめられてたんよ」
会話が止まった。
恐る恐るミセリの表情を伺ったが、彼女はいつもと変わらない様子だった。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:29:00.50 ID:dEkMIwBTI
うおおおお支援だ!!
102 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:30:10.13 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「何か、私って敵作るタイプだったっぽくて、それで嫌になってやめちゃった。
やめるときはもうアイドルだったし、別にいっかって思って」
(メ゚A`)「……そうなんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「別に、よくある話じゃん? でもむかついてさ。
だからアイドル一筋になったら、絶対成り上がってやるっち決めとったんよ」
(メ゚A`)「成り上がれたじゃん」
ミセ*゚ー゚)リ「うん……成功したって思ってたんやけど……」
ミセリが何を言いたいかは明白だった。
この人体実験に参加させられたのは、彼女にとってあまりにもイレギュラーだった。
夢を叶えた途端の絶望は彼女の心を大きく蝕んだ。
なんだろ…嫌な予感しかしない
104 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:31:02.85 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「でも、絶対に諦めんけん。ほら、アイドルって奇跡起こすらしいし?」
(メ゚A`)「…ははは。そういえばあの人、そんなこと言ってたな」
ミセ*゚ー゚)リ「初めて聞いたけどさ、そんなこと。それに、アイドルってそんないいもんじゃないし……。
ねえ」
(メ゚A`)「ん?」
ミセ*゚ー゚)リ「あんた夢とかってある?」
不意の質問に心臓が跳ねた。
ある意味では一番訊かれたくないことだ。
(メ゚A`)「いや……その」
ミセ*゚ー゚)リ「あるんや!? 何それ、聞かせて?」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:31:03.92 ID:byvWQnW+O
もうアイドルできないだろうからなぁ……
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:31:38.79 ID:/c84voMR0
支援
その台詞はらめえええええええ
108 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:32:24.00 ID:tdtQnDFV0
(メ;゚A`)「そっ、いやっ、大したもんじゃないんだけど」
身を乗り出しそうな勢いで迫ってくるミセリにドクオは気圧されていた。
苦難に遭いながらも立派に夢を叶えたミセリの前で、
童貞を捨てたいなどと口が裂けても言えない。
(メ゚A`)「お、女の子と、付き合えたらなあって…」
ミセ*゚−゚)リ「は?」
せめて結婚が夢だと言っておけば良かったと、ドクオは後悔した。
これでは女性経験が無いのがばればれだ。
ドクオはやっぱりドクオだなww
110 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:33:09.56 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚−゚)リ「付き合うだけ? じゃあ今まで付き合ったことないん?」
(メ゚A`)「それは……ない……けど」
ミセ*゚ー゚)リ「うわっ、信じらんねー」
(メ゚A`)「お、俺はお前みたく、顔がいいとかじゃねえし、仕方ねえだろ」
ミセ*゚ー゚)リ「顔とか問題じゃねえし」
(メ゚A`)「じゃあ俺みたいなのでも好きになれるのかよ」
ミセ*゚ー゚)リ「結構好きだよ。あんたのこと」
(メ゚A`)「そっ……え?」
奇跡とかいうなよ被るだろ
(;゚A゚)「おっぱいを生で見たいんだよ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:33:42.89 ID:byvWQnW+O
このドクオならミセリを守りきってくれるきっとそうだ間違いない
支援
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:34:34.28 ID:zrZhQzUu0
グッドが見えない
116 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:34:47.61 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「飾らない所とか、結構頼もしい所とか」
茶化しているようには見えなかったが、今までの経験があるから
ドクオには到底信じられなかった。
疑いの眼差しで見るドクオに、ミセリはさらに顔を近づけた。
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあキスしたことも無いんだ」
(メ;゚A`)「ない……けど」
ミセ*゚ー゚)リ「せっかくだし、キスの経験くらいやっとけよ」
(メ;゚A`)「え!?」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:34:58.73 ID:DD12Jd7F0
ちゅーう!ちゅーう!
な!?
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:35:21.91 ID:byvWQnW+O
おいドクオそれはダメだ
120 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:35:33.02 ID:tdtQnDFV0
ミセ* ー )リ「ほら、目瞑れって」
(メ;゚A`)「ちょっ……ちょっと……え?」
ドクオの目の前に座ったミセリは、手をついて顔をドクオに近づけてきた。
人間の顔をこんなに間近で見たことは無かった。
視界いっぱいにミセリの顔があり、何処を見ていいかわからない。
唇にミセリの吐息がかかり、鼻と鼻が触れあう。
ドクオは肩を強ばらせ、固く目を瞑り、時が過ぎるのを待った。
濡れた唇の感触が数秒間続く。
思っていた以上に柔らかく、案外冷たかった。
ドクオてめえこんちくしょー
ん…?
123 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:36:22.57 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「……………」
ミセ*゚ー゚)リ「……どう?」
唇を離したあと、放心しているドクオにミセリが声をかける。
(メ゚A`)「よかった」
素直な感想であった。
緊張はまだ解けず、心臓が不規則に鼓動していた。
お…おおお…
冷たい…まさかな
126 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:37:15.98 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「これで自信ついたらいいね」
(メ゚A`)「うん」
ミセ* ー )リ「だけんさ」
黙り込んだミセリの表情は、若干俯いていたことで影になってわからなかった。
肩が小さく奮えているのだけは、はっきりと見えた。
ミセ* − )リ「もう、危ないことせんでよ。誰かが死ぬって、凄く嫌なんよ」
あの日、突然いなくなった妹がどうなったか、ミセリはこの瞬間に悟った。
大切な人が消える喪失、心に重大な傷を負ったあの事件から、
ミセリは人を寄せ付けない雰囲気を持つようになった。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:37:32.73 ID:9v1lWr/+0
たった
ミセりイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:38:13.64 ID:+IKB9fzGO
おれも次の人体実験に参加する
ミセリィイ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:38:19.26 ID:byvWQnW+O
ドクオてめぇちゃんとミセリ守れんかったらモララーさんに殴られろ
132 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:38:26.13 ID:tdtQnDFV0
(メ゚A`)「……うん、わかった」
ミセ*゚ー゚)リ「約束やけん」
アイドルは天職だと信じていた。
誰も自分を理解しない代わりに、いつでも誰かが傍にいる。
孤独を癒せる人こそいないが、集団の中にいれば孤独は紛れた。
それこそが本当の孤独だと気がついたのは、この事件が始まるほんの少し前である。
(メ゚A`)「……あのさ、もっかいだけキスしていい?」
ミセ*゚−゚)リ「やっぱ死ね」
(メ;゚A`)「うっ…ごめん」
最後の最後で失敗するのは、生まれ持った才能かもしれない。
それでこそドクオ
さすが童貞wwwwww
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:39:51.77 ID:C5RpQD9R0
ドクオといったらこうでないと
ドクオさん流石っす!
137 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:40:09.19 ID:tdtQnDFV0
――2:51 ロデオ――
ミセ*゚−゚)リ「この家!?」
(メ゚A`)「ちょっと待って! 隣に薬局があるはず」
ミセ*゚ー゚)リ「あった!」
(メ゚A`)「じゃあこの家が避難地帯だ。入ろう」
あやうく四度目の空爆で間に合わない所であったが、
何とか時間内に安全地帯に避難することが出来た。
安全地帯にこの民家を選んだのは、うまくいけば
包帯などの治療器具が手に入るかもしれないという算段があったからだ。
しえん
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:40:54.48 ID:byvWQnW+O
しえんえん
140 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:40:55.24 ID:tdtQnDFV0
ミセ*゚ー゚)リ「間に合ってよかった」
(メ゚A`)「ああ。これで安心だ」
民家の玄関は外れていて、辺りにはガラス扉の残骸が散らばっていた。
(メ゚A`)(靴を拾っておいて助かった)
ニダーから逃げるとき靴を脱ぎ捨てていたが、代わりに倉庫にあった
作業用靴を履いていた。
裸足だったらガラスが刺さっていたかもしれない。
ミセ*゚ー゚)リ「使えるもん無いか探してくる」
しえ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:41:38.48 ID:byvWQnW+O
ミセリを1人にすんなよ……?
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:41:42.91 ID:OKLyg2AA0
マジで?
1人はあかん!
145 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:42:08.79 ID:tdtQnDFV0
(メ;゚A`)「おい、ちょっと待てって!」
歩き回っている間に傷が開き、また少しずつ血が流れ始めていた。
やはり手当をしなければ血は止まりそうにない。
動かずにいればいずれ止まるだろうが、避難訓練中に動かずにいるというのは無理がある。
(メ゚A`)「ミセリ。何処だ?」
先に中に入ったミセリに声をかけたが、聞こえていないのか、返事はなかった。
(メ゚A`)「ミセリ?」
民家の中は、入ってすぐ左に台所と居間があった。
そこにミセリはいないようだ。
おい
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:42:26.10 ID:CYk7W2x30
フラグビンビン……
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:42:34.23 ID:byvWQnW+O
おい
キスしたのか……うらやまけしからん
150 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:43:12.67 ID:tdtQnDFV0
右の廊下を進むと、右手側に部屋への入口があった。
開いていたドアから中を覗き、居間よりも少し広いくらいの部屋だとわかった。
かなり損傷が激しく、元々何の部屋だったかわからないが、
これくらい広ければパーティでもやれそうだ。
ミセリは懐中電灯を持って行ったが、その部屋の床に懐中電灯が転がっていた。
床に落ちていた懐中電灯が照らしていたものは、棒立ちで固まるミセリの姿だった。
(メ゚A`)「ど……どうした?」
やはり返事をしない。
不審に思ったドクオは彼女に近寄り、そしてようやく、彼女が直面している事態を把握した。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:43:13.53 ID:zrZhQzUu0
こらこらこら
おいおい
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:43:37.26 ID:byvWQnW+O
何がでる
おい…
おいいいぃ!
155 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:44:04.64 ID:tdtQnDFV0
(´・ω・`)「やあ。いらっしゃい」
ミセリの数メートル奥に、トンプソンを構えたショボンが立っていた。
ミセ;゚ー゚)リ「ドクオ……どうしよう?」
ドクオに答えられるはずがなかった。
トンプソンの他に、ショボンは二丁の拳銃を腰に差していた。
ショボンだと…?
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:44:44.67 ID:/c84voMR0
おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:44:45.62 ID:zrZhQzUu0
バーボンハウスなら安心か……?
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:45:06.36 ID:byvWQnW+O
大丈夫……ショボンさんなら……ショボンさんならなんとかしてくれる……
160 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:45:53.84 ID:tdtQnDFV0
(メ;゚A゚)「ぐっ……」
(´・ω・`)「動くな。動くと殺す。いやあ、何ともいい組み合わせだ。
本当はレモナさんたちを探していたんだが、これはこれで面白いよ」
ミセ;゚ー゚)リ「ショボン…さん、どうしちゃったの? なんで銃をこっちに向けるの?」
(´・ω・`)「ん〜気になるよね。それはそうか。しかしまあ、それは追々、ね。
とにかく今は馬鹿みたいにこっちの指示に従って欲しい。
弾の無駄遣いはしたくないんだ」
ドクオはぞっとした。
薄暗い中でも、彼がどういう表情をしているかよくわかった。
例えればそれは、親からもらったプレゼントの箱を開けようとする子供の表情―――。
ただし彼の顔には、満面の狂気が満ちていた。
(´・ω・`)「さあ、ゲームを始めようか。ルールは簡単さ。
この中の誰か一人が必ず死ぬ、ただそれだけのゲームだ」
第二十四話「自殺ルーレット」へ続く
ショボンは何がしたいんだ…?
なんという!!
乙!!
なんてこった…
乙!!!
乙
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:46:43.36 ID:zrZhQzUu0
それでいいんか
166 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:46:55.11 ID:tdtQnDFV0
終わりです!遅くまで支援ありがとうございました!
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:47:07.46 ID:byvWQnW+O
何のつもりだろ……先が見えねえ……
乙でした!次も楽しみにしてる!!
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:47:26.32 ID:v8LBJy6x0
乙
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:48:19.95 ID:taaJJI4IO
乙!
ずっと待ってて良かった…!
もうすぐ終わっちゃうのがさみしい
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:48:21.04 ID:dEkMIwBTI
乙
やばい安心できない展開ばかりだ
皆生き残って欲しいけどな…
171 :
◆qnsLPQlGqytQ :2011/10/24(月) 23:48:58.88 ID:tdtQnDFV0
ますます先が見えなくなって楽しすぎる
反乱軍みたいな人たちの動向も気になるなー
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:50:27.66 ID:+IKB9fzGO
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/24(月) 23:50:55.05 ID:iyodzF9g0
乙!!
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>171 乙です
ここも見てるけどここでも書いてるんですか?