俺の半生に土下座して去れ

まず、親父の話をしよう
片田舎で名の知れた料亭の長男として生まれるが家業に興味はなく、職場を転々とし
最後に公務職に就く。この頃に母と入籍するが俺が赤ん坊の頃、自尊心の高さ故に上司や担当市民の
方々と衝突し嫌気がさして辞め、１２年のニート生活をスタートさせた。
なんか司法書士になりたい的なことを言って勉学の集中力向上の為に
狭い借家の庭に小型仮設住宅を３００万で建てパソコンやソファーやテーブルを買い揃え
勉強部屋としたが、大体雑誌を読んだりパチンコに行ったりしていた。
長男として料亭のお手伝いさんに世話されながら育った為か我慢ができないタイプだった。

壁に向かって

スパーキン

神戸での貿易関係の仕事を辞めて片田舎へ嫁いだ母は慌てて俺達を育てるために働き始めた。
だが浪費家な父のお陰で加速して貧乏していた。料亭はしっかり者の次男が継ぎ
生活保護の案も出たが父のプライドと親戚の面子の為、全員に止められ廃案になった。

昭和の小説か？

住んでいた借家はボロく１０回に１回は玄関の木屑の棘が手に刺さる仕様で
庭には橙の木が一本生えていた。橙はポン酢の原料で食えたもんじゃないが
俺は空腹になると小石で橙を叩き落し、砂糖漬けにしておやつにしていた。
それを湯に浸しジュースにして啜るという方法等を近所のばあちゃんに教わった。
タダで栄養が取れるお得感。略して「タダ得」。いいねタダ得。大好きタダ得。
家の難点をもうひとつ挙げると猫サイズの鼠が現れキャベツをシャリシャリ一玉齧って
去っていく事だ。野良鼠はでかい。小さいのもいる。鼠の舌は灰紫色で細長い。
俺はそれを遠巻きに眺めてビビッていた。

長い、8文字で

そんな生活の中でも近所のダチ達とは仲がよく、よく忍者ごっこをしては
標的の電柱をボロボロにして遊んでいた。近所のダチは皆年下で、俺はいつの間にか
ガキ大将に祭り上げられ、調子に乗っていたがこの黄金期も小学二年までの話である
クラスでも生意気な口を叩いていた為、いつの間にかイジメの対象となってしまったのだ

それからの俺は物静かで極度のあがり症に出来上がってしまい
失せ物探し、細菌ごっこ、暴力、便所飯など基本と応用を踏んだ
一番記憶に残ってるのは林が居残りの自主中に俺の頭に大量の消しゴムのカスをふりかけた件だ。
林はそのまま帰ったが、俺は髪に絡まった消しカスを時間をかけて丁寧に取り、ゴミ箱に捨てよう
かとしたが思いとどまって林の机にとりあえず置いて返した。

そして教室を最後に退出した。

その翌日、教室に入るとζ┳┳λの感じで話し合ってる林と先生が見え
二人は俺が入室すると同時にと振り返り、先生は俺に近寄り
「お前がやったのかァ！！！」そう言いながら教員机をダンッ！！！ダンッ！！！した。
ついでに教卓を蹴って滑らしていた。何の件か知らないが俺は竦みあがった。
凄い勢いで怒鳴られている合間に何とか理由を聞き出すと消しカスの件だった
横には参謀のように立って俺を見つめる林。
林は、優等生だった。

「俺がやった」ことは事実だが「やったか」「やってないか」答えの経緯は必要とされていなかった
林はこんな理不尽なことがあってたまるか、そんな怒り顔をして真面目に憤っていたが
昨日林に扱かされて痣を作った膝、髪にホコリや消しカスを振りかけられていた行為
その事実よりもこの場では机に置いた一握りの消しカスが勝るのだ
たった一握りの消しカスが

幸い目撃者はいない
俺はシラを切り、この辺りから上手に嘘をつく経験を重ねていった

なんやかんやの日々で疲れた俺は腹いせに包丁を腹に刺し自決を計るが失敗に終わる
当り前だが掠り傷の段階でもう超痛かった。
心臓でもう一度トライしようと３時間ぐらい思い詰めたが結局は辞めた
当て付けにしたってその後を確認できる保証もない。俺を虐める際の満面の笑顔達を思い出した。
嫌やなヤツの為に自分の命を使ったってもったいないし腹が立つ。
死ぬぐらいなら逆になんだってできる。全力で逃げることも出来るし逆に殺してやることも可能だ。
でも嫌なヤツの為に刑務所入るのも馬鹿らしい。そしてやっぱり怖かった。理屈じゃない。
そんな開き直りが今日の俺を支え、以降どんな苦境でもバカげた考えは浮かばなくなった。
母に分からないよう父から八つ当たりの暴力も受けていたがこの辺で吹っ切れた
翌日から孤高の一匹狼にクラスチェンジし、スルーと暴力で解決していくと
周囲はあまり干渉しなくなった。変わらずにいじめはあったが
わりと静かに小学校生活が送れるようになった。
勉強には興味はなく図書室のイラスト歴史漫画本目当てに惰性で行っていた
あと俺が図書室にいくと誰も入ってこないので心安ぐ場所だった

ゆったりと過ごす小学校生活は快適だった。こっちの方が性に合っていたようだ。
しかし小３ぐらいから謎の貧血・眩暈・吐気で保健室のお世話になることが多くなった
先生には「またか…」と仮病扱いされながら保健室へ休憩に向かう日々だ。
このままでは日常生活が成り立たない。その原因をガキなりに考えに答えを見つけた

俺の通学路は片道２キロでそれを早起きして歩く。２キロ以上は自転車使用が許されるが
俺は徒歩組で一日往復４キロは歩いていた
朝食はめんどくさいから食べないよ派だったがそれは育ち盛りには足りないものだった
空腹で体調を悪くしていたのだ。俺は腹が減っても腹が鳴らない体質で胃に来ない。
試しに昼食のあまりをおかわりすると体調がいいように感じられた

母に朝食を食べなと気持ち悪くなるから飯くれと相談した
「そんなわけないじゃない」「…病院いってみる？」
母も朝食はめんどくさいから食べないよ派だった。それも筋金入りの。

説得して出してもらうようにした
以降、６年ぐらいワカメお握りを食い続け
それが原因で長年にわたりワカメが嫌いになった

なんかクセで今でもあんまり朝飯食ってないけど

中学校
長かったいじめは唐突に終わった。
近隣６校の小学校がミックスされ爆発的に新顔が増えたのだ
嫌々行っていたわりには小中と皆勤賞だったが…
元クラスメイトと会うことはもうなかった
この頃父が起業して、母が仕事を辞めたので生活がさらに苦しくなったが何とか
収入が得られるようになった。つか母が超頑張った。頭良くてよかった。
人に言うと恥ずかしいので言ってないが、この頃食卓で初めて肉を食べた。
父の食事と母と俺の食事は別メニューで作られており、父がステーキや刺身を食う横で
俺らはキャベツや薩摩芋（これが肉に相当し腹持ちが良い）なんかの野菜類を食べていた
芋は隣家でじいさんの話し相手をしていると家庭菜園用の余りの苗をもらったので
狭い裏庭潰して俺が作った。貰いもんで二毛作に三毛作とやっていった

俺は中学になっても勉強に興味がなかったし学校に通うことの意味が見出せなかった。
初めてクラスで友達が出来たりもした。何故かクラス一の堅物の秀才と話が合った。
そいつはよく小説を読んでいるみたいで本を色々布教してきた
俺は「小説」にまったく興味がなく一冊を読み切るのに三年はかかるだろうという感じだったが
断り切れずに三冊借りた。一週間ほど机の上に転がしたままでいたが
返す前に話し合わせにパラ読みを行ったら中々に面白いライトノベルで
堅苦しい「小説」という概念が崩れ文学への興味が始まった
こいつからトータル４００冊ぐらい借りた

そういえば林が俺の下駄箱とクラスで一番可愛い子の下駄箱にラブレターを置いて
お互いが出した風を装って中廊下へ行くように仕向けていたが
汚ねぇ字の手紙に中廊下に男が五、六人不自然に並んでニヤニヤしているのが遠めに分かったので
女が取る前に女分も俺が先回りして取り、二通とも教頭に渡しておいた
悲痛な顔をして嫌がらせに困っていると訴え、中廊下にいる人らを教えておいた
帰る頃には先生×３に尋問されている中廊下組が見えた
残念だったな底が浅すぎるだろ
クラス変わったのにたまにマメなことをするアイツに呆れた

中学二年もそろそろ終わりの頃
「受験」シーズンでみんなそわそわしてくる。どうするどうする？そんな話題がちらほらあり
緊迫したみんなの声に後押しされるように、やっと前を向けるようになった。
勉強に興味がなさすぎて「受験」の意味すら知らなかった。
秀才君に受験→入学に到る色んなプロセスを聞きいた
まずどこに行きたいかよりどこに入れるか、だ。選択権もしょぼ過ぎて泣けた。
どこにも入れずに二次、三次追加補欠入学すら望みが薄い
英語５点、数学１０点、国語３０点とかの最悪な状態から小学校の教科書も引っ張り出して
俺は今までを取り戻すかのように猛烈に勉強した。
だが、全てが遅かった…

俺は自力で打破できないと悟ると近状を両親に相談
いくらなんでも高校ぐらいでないと不味い
俺の知識にない自己推薦なりなんなり他の方法があったらそれを教えてくれと頼んだ
後日、父が俺に冊子を手渡した。県内高校全てをコンパクトに纏めた冊子だ。
学校とかで無料で配布してるようなやつ。
有力議員に頼んだからこの中から好きなのを選べという。マジか？！
半信半疑ながらも中の上、とても評判のいい高校を受験した。超頑張れば学力が追いつける程度の。
イジメがあった事を誰も知らない地で一から人生をやり直したいと思った。
関係ないが後にこの学校への入学の倍率が跳ね上がり県内外に知られる名門高校になった。
ちょっと鼻が高い。
一時期本気で殺してやろうかなみたいなこと思った父に感謝した
きっとこの時の為だろうと

sienn

読んでるぞ

金持ちに混じっての高校生活がスタートした
紳士淑女が多いおっとりした学校の中、俺は異色でもの珍しい性格だったらしい
あっという間に人気者になった
だが栄光からの長い転落時を知っている俺はあくまで謙虚に行動した
この頃が一番楽しかった
前回の反省を活かしカンペと自力を駆使しながら推薦をかけた

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　　／j　　　　 R|ｲ ｰ-ｧ､.　　Yﾞ　　どうかどうか、このとおりです。
　　{　[`ュﾊﾊﾊｒ''~]￣ _＿＿ノ　　ホントお願いします。

中略〜社会人編
開き直って面接を受けると一発で採用された。頭の良いヤツ真面目なヤツは星の数ほどいるので
ペーパーは兎も角もう最後は個性で勝負しかないと、ガチに心を込めて、与作を熱唱。
ダチに学んだ横回転でくるくるしながら。それが重役さんの目に留まり採用される。
何か必死だった。
ひとつの事を真面目にするのが好きな性格で仕事が非常に楽しく感じた。
が、同僚の横領が発覚し連鎖責任で首を切られる。
本当の原因は社長さんの息子さんの使い込みだったが、まあ仕方ない。
超勤多くても、やり甲斐があったんだ。一生会社に仕えるつもりだったぜよ…

退社１ヶ月前。事情を知った社長さんが謝りに来て退職の取り消しの話も出たが…
とはいえ、もう全社員が俺と同僚が横領したという話を知ってるし
息子さんは社長候補だ
職員の横領扱いにした方が全てがうまく回る
そのかわり俺と同僚の退職金を×３倍に上乗せしてくれるように頼んだ
俺はともかく同僚は妻子持ちだ
肩身の狭い思いをするだろうし金はあった方が良い
この頃、母から電話がかかってくる「調子はどう？御飯しっかり食べてる？」とか
そんな他愛もない話だ。あと一ヶ月で退社だった俺はちょっと言いづらく、見栄を張って
適当に大丈夫だと答えた

世の中に「もし」っていう言葉がある
もしこうしていれば
もしこうだったら

後悔は意味のないことだ

全ては過去で、夢想も過ぎれば現在の自分に対する甘やかしだ
過去から未来は生まれない
どんないい過去も悪い過去も
現在の足を引っ張って未来を潰していくことしかできない
ならば過去ってのは肥しにするべきだろう
だがふとした瞬間、俺はよくこの電話のことを思い出す

もし

いよいよ退社した
いいお肉を手土産に実家に帰って少しゆっくりするつもりがレオパレス２１が立っていて驚く
家がない…
親に電話をかけるが繋がらず、通りすがりの人に聞くと、どうも父が相当な借金作って
夜逃げしたらしい

実家跡地のご近所さんにもし両親の行方が分かったら、もしくは訪ねてきたらと
俺の連絡先と迷惑料に肉と近所のスーパーの商品券を買って渡し
何か分かったら電話してくれるように言った
よっぽどの事情があったんだろうな…
跡地の小石ひとつ拾ってその場は去った

oh...

ちょっと胃が痛いわ流石に…と思いなんか本気で痛くなったので病院に行くと長めに余命宣告された。
ま、俺の人生こんなもんだろ。
しばらくして住処を空気が綺麗など田舎の方面住居を移す。家賃が１万五千と激安だからだ。
俺はそこで話好きのじいさんばあさんに処世術を植えつけられながら
山菜やきのこ採ったりカブトムシ売ったりでかい庭潰してサツマイモ植えたり
轢かれた猪なんかを持って帰ったり釣したりと小金を稼ぎながら自給自足の生活をする
あと普通の時間帯は事務職などをしていた
空気と水と御飯が美味しく、適度な運動のせいか前より体が楽に思えた

両親に置いてけぼりを喰らい「役に立てなくても荷物運びぐらい手伝えたのに」と若干不服を感じつつ
住民票の附表とか戸籍辿れば移動先が分かったりしないかと思い調べてみると
それは分からなかったが自分が養子だったと分かった。少し納得してすっきりする。ほろ苦いな。
毎日がそれなりに充実していてもう充分だが、欲を言えばもう一度会いたいなと思い野菜を作っていた。
最後まで馬鹿息子だったが、食うに困っていたら芋ぐらい送ってやりたいと思って。
近所から話を聞いた両親が家に転がり込んできた時、あったかい味噌汁の一杯でも…って
ちょっと見栄張って良い味噌なんか買って冷蔵庫に入れてたりしてな。
ちょっとした、未練だな。恥ずかしいから言わせんな。

長い

俺の移動先は独居老人率が高い町で申し出たら社協さんなんかが定期見回りをしてくれている
たまに貰いもんの菓子分けてもらえたりするし
葬式・無縁墓石代も無料でやってもらえて寺にぶち込んでもらえる。有難い話だ。
どうせ葬式に何百万とかけても１００年２００年後には大概みんな墓を世話する家系が途絶えたり
なんやかんやでその他大勢とミックスで無縁仏組だ。合同でいいよ合同で。

俺はこの住みやすい生活にとても満足していた

長い産業で

長い、1バイトで

しょうもない半生だな
俺の人生には全く関係無いしゲザれないな

あとちょっと夜が暇なので素人ながら通販サイトを立ち上げた。
俺の収入源は前記した山菜系と弱小通販サイトと田舎の司法書士さんの事務だった
特に司法書士業は細々とした仕事が多く遣り甲斐があった
依頼人のじいさんばあさんの受けがよかった俺は重宝がられた

サイトの方の内容は…あーはいはいといった内容だ
俺は昔から皮膚が弱くよく紫外線やなんやかんやらにダメージを受けていたが
庭にたまたま生えていたどくだみがよく効いたのだ。アトピー持ちなんかには
どくだみの効能は有名で、これを飲んだり塗ったりしていた。臭うけど。
このことからヒントを得て、どくだみエキスと地元の天然水を取り入れた飲料水と
オマケに園芸用の種をつけた。いや、ほら。緑の少ない県ほど園芸するじゃん。
あと、とれたて野菜とかそんな感じ。庭で物珍しいマイナーな野菜育てて送ってた。
この頃園芸の知識を深めようと検索をかけるうちに2hcの野菜板へ辿り着いた
あまりの過疎ぶりに騙されスレで釣を始め
りんご4tを盗んだ男、逮捕「ジャムにして食べた」→本当に食べていた事が判明（ ﾟдﾟ）
とかで爆釣りだったVIPを覗き見るようになる。ノリがいい板だ。
のちに月に何度動くかどうかのこのサイトにスパーミラクルハイパー転機が訪れる

田舎について少し触れよう。山が多いがどこも田舎はこんなもので年金暮らしの
じいさんばあさんが山下付近に入って山菜を採ったり、海沿いの岩場で
魚や貝やワカメをとっては道の駅風の店に小額で買い取ってもらい
小遣い稼ぎや自分のご飯の一品にという感じだ
猪やタヌキなんかが轢かれて道路脇に落ちてたりなんかすると見つけた者勝ちの戦利品だ
前、早朝の六時に道路歩いてると何が起きたのがタヌキ２０体ほど道路に散らばっていたので
６：４の分け前で隣のじいさんに捌いてもらった。俺は切れない。
話がそれたが田舎には田舎の暗黙のテリトリーと言うのがある。
ココは××さんが採るところでココは▲▲さんの採るところ…といった具合だ
この均衡が崩れると誰かの収入が減り誰かが増えるので領域を侵した者は袋叩きになる
そもそもそれが県や市の管轄する土地であっても、だ。

ただのグズが他人様に土下座させようなんてあつかましい
まだ素直に「同情してくだちゃ〜い」って言ってる方が遥かにマシ

どうぞ、続けてください

俺は事務職でぼちぼち働いていたが普通に採取もしていた。
だが新参者の俺がタダ得できるのは皆のテリトリー外でやや外れた場所や少し危ない場所だった
その日は土曜日で特にすることもなかったが、朝５時に起きてしまったので散歩がてら
味噌汁に入れる鴉貝やワカメ目当てにビニールをポケットに入れて海沿いの岩場に行った
俺の海のテリトリーは少し外れている崖の所だった。見た目はザバァァァン！！！シャー〜だが
実はあんまり高くないし、よく見ると階段のようにデコボコしているところがあり下に降りれて
濡れない。俺のお気に入りのテリトリーだった。
そこでザバァァァン！！！シャー〜をじっと立ち見している女の子がいた
確かにココから見る朝焼けは綺麗だが場所がハズレ過ぎてる
なんとなく独特の雰囲気でピンと来た
ここから二キロ先の崖に有名な自殺の名所がある
彼女は場所を間違えたのだ

俺はどう声をかけようか迷った。彼女は知らないだろうがこの場所は地元高校の水泳部の方々が
たまに飛び込みの練習をしているような場所で、高いのは高いし上から見ると波こそ派手だが
下手な飛び方をしても腹を海面に強く打つぐらいで死にはしない
７メートル泳いだ先では海に面したカフェテラスが見えてくるだろう
このカフェは中々の好評でいつも人が沢山いる。丸見えだ
そんなことを言っても恥を掻くし意固地になってもあれなんで
俺は本当にどうしようかと思いながら彼女に分からないように階段を下り
普段はあんまりしないが海に入ってカラス貝を沢山採ってビニールに詰めまくった
濡れ濡れだ

みてるからがんばれ

文章に吸い込まれる

そして今海から出てきた風を装って声をかけた。顔を見ると１５歳ぐらいの若い子だった
あれ〜あんたも貝採りにきたの？ここミネラルが豊富で旨みが凄いよね〜
そんな事を話しかけたと思う
実際、春・夏シーズンは面白半分の素人さんの乱獲で、地元徒歩民の海岸での
摂取量は減っていた
俺は何も気づいてない風を装って彼女の立ってる横に少し距離を置いて座り、
ビニールから弁当のように貝を取り出して、またまポケットに入れていた車の鍵で
貝殻をパカパカ開けて彼女に勧めた。彼女はドン引きして怪しい目で俺を見た
想定内だ
彼女は始め断っていたり何かを誤魔化す風だったが朝焼けを見ながら
黙々と貝を食べ、たまに話しかけて腰掛けていくように勧めるうちに彼女も
ついに折れ、一緒に朝食を食べることになった…手掴みで
タオルは貸した

高校受験の第一次志望に落ちた舞ちゃん(仮)は親に暴力を振るわれ金銭的援助をしないと
家を追い出されたらしい。腕と首に痣があった。そこそこの家らしく、恥晒しだと罵られたんだと。
親から心配の電話が鳴ったら取ること、を条件に俺は舞いちゃんと三ヶ月過ごすことになる。
電話は、鳴らなかった。
一度こっそり電話を借りてかけたら着信拒否にされてた。
妹がいたらこんな感じかな？と思い一杯甘やかした

あと収集つかないから箇条書きな
・3.11のお陰で小金持ちになった
・コ○コーラと○藤園町巻き込んで敵に回して勝った。ボロボロにした。生産ルートも破壊した
・○藤園関係者にタイヤの空気抜かれてショックを受ける
・レオパレス２１の近隣から俺の居場所聞きだした借金取りが来たからチャラにした
・コ○コーラと○藤園ボコボコにした際のお給料貰って、ひと段落ついたすっきり顔の舞ちゃん帰った
・舞ちゃんの家族に誤解受けて留置所に三日宿泊した。でも家族仲は戻ったようだと安心した
・留置所の飯代は自宅に請求書きます。近所の天丼と親子丼の選択肢しかなくて思い切って天丼上頼んだ
・海際に打ち上げられた両親と対面。結婚指輪で身元が割れた
・コ○コーラと○藤園ボコった時に手伝ってくれた役所の女の子に飲めないのに酒飲まされてやられた
・子供出来たけど成長全部見れないよ…言うも口説かれ迷う。優しくていい人…だが…
・彼女の家に芋持って遊びに行ったら暴力家な前彼がきて酷いこと吼えてから殴ったら指骨折した
こんな屑より彼女を幸せに出来る…！その場の勢いでそんなこと言って気づいたら結婚してた

打ち上げられてたって…

・高校入れてくれた議員の娘が不倫して捨てた子だった俺。じいさん本人知らなかったみたいだが
俺の勤め先の司法書士さんの仕事ルートでたまたま発覚した。
しかも内娘３人が俺と同じ病気で早死にしてた。
どうもじいさん死んで遺産争いしてるみたいで（じいさん立派な人格者で慕われてたのに…）
一族総出なら居るだろうし、世話になった一般客に紛れてちょっと顔覗けて母親の顔だけ拝んでくるか…
テレビがやるような感動の再開みたいな都合のいいファンタジーは信じてなかったが
玄関口で気づいた母に１２万６千円で叩かれて罵られた。
元気いいし長生きしそうな感じでよかったよ。変だけどちょっと安心したんだ
俺は折角だから奥さんに温泉旅行チケットを買ってあげた

・余命ぶっちぎっていた俺は段々と睡魔に勝てず寝る日が多くなった
俺は夜中に呻き声をあげて泣くことが多くなった
幸せの出涸らしみたいな薄いものでも充分満足できてた安い男だったのに
人並みの幸せを知って今さら怖くなったんだ。息子が生まれるのに！息子が生まれるのに！！
そんなことばかり思ってた
奥さんの兄さんのダチに名医紹介されて、兄さんと半寝しながら新幹線に乗った
変なとこケチな俺は夜行バスに目覚まし積んで一人で行くよってポロっと言ったらパーで叩かれた

お前これ何度目だよ
いい加減にしろ

51 え？ 詳しく

医療の「最先端」そんな言葉はどこにでもある
俺は期待せずに、でも本当は縋って結果を待ってた
結論から言うと半死だった俺は末期過ぎてちょと器官を削るけど
不治の余命宣告がタダの難病持ちになった。やや不便ではあるが今後も健康に気をつけて
暮らせば、そこそこ生きられるだそうだ。嘘だろ？！医者に３度聞いた。
三年前だと助からなかったそうだ。俺は宣告を４年踏み倒してやったんだ
ここぞとばかりに小金を使いまくってやった
涙止まらんかった
でもこどもと奥さんの為のお金減る…ったらしょぼくれたら奥さんにすげぇ怒鳴られた

※これは奥さんのコピペです
本人は１年前に亡くなっています

御冥福をお祈りします

>>51
寝落ちしたら続き書けいわれた



もし俺があの時田舎に引っ込んでなかったら。奥さんと結婚してなかったら。
色々あるけど、どれかひとつでも外してたら死んでた。

まあ、この辺で俺の半生終わりです
暗くてすいません。偶然読んでしまって気分害したらごめんな。


俺らってさ、今生きてるだけでもう勝ち組だろ？

いや、負け組です
皆辛い思いばっかしてよく生きてるよなって思う
昨日仕事休んだ
何もしたくない

生きていても辛いだけ

不細工高卒ヒキニートで福島住み
どうみても充分負け組の部類です
ありがとうございました