1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
初SS投稿
小説は一年前に捨てちまったし、最後はだれて文体に違和感あるだろうが脳内補完で
よろしく
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:21:04.51 ID:yXqlOBvH0
梅雨もあけ、そろそろ本格的に夏に入ろうとする蒸し暑い日のことだった。
事の発端は一本の電話からだった。
「もしもし? 小泉です。お久しぶりです。調子はどうですか?」
受話器の向こうからは嫌に演技がかった声が聞こえる。
とても懐かしい声だった。
俺は懐かしさに浸りながら冗談の一つでも言ってやろうと思った。
「俺の調子はあいつと結婚してから狂いっぱなしだよ」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:22:26.64 ID:yXqlOBvH0
・・・そう。俺は事もあろうに結婚しちまったのだ。
え?相手は誰だって?わざわざ言わなければならないのか?
・・・そうだよ。ご察しの通り、涼宮ハルヒだ。
ああ・・・もし過去に戻ることがが出来たなら当時の俺に言ってやりたい。
考え直せ、今お前はとんでもない過ちを犯そうとしているんだぞ、ってな。
しかしもう過去と今を行ったりきたりすることは出来ないし、勝手に世界が改変されることはないのだ。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:23:46.91 ID:yXqlOBvH0
「フフフ。幸せそうで何よりです。」
受話器越しでも小泉のうさんくさい笑顔が目に浮かんできやがる。
「ええい忌々しい!」
全く変わらないな、お前も。
「さて、積もる話はありますがそう悠長にしているわけにも行きません。これから会えますか?」
少し真面目な口調になって小泉が言う。
俺は高校時代、毎日のように感じていた嫌な予感を久々に感じた。
「な・・・なんだ?まさか・・・」
俺はそう呟いてかぶりをふった。
まさかそんな筈は無い。そんな筈は無いのだ・・・
「そのまさかですよ。困ったものです」
受話器越しに古泉の溜息が聞こえた。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:26:05.38 ID:yXqlOBvH0
今までのことを少し語ろう。
高校を卒業するとハルヒの能力は全て消えうせてしまった。
原因はわからない。
とにかく高校を卒業した途端に俺を困らしていたハルヒの能力はパッタリなくなってしまったのである。
そしてそれは同時にSOS団をバラバラにさせることを意味していた。
能力を失ったハルヒは全くの一般人となり、未来のお偉方にとっても、情報統合思念体にとっても、機関にとってもハルヒを観察することの意味は無くなってしまったらしい。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:27:52.82 ID:H2LOJ8vni
続けたまえ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:28:05.88 ID:yXqlOBvH0
だから長門はその存在を消し、朝比奈さんは元いた未来に戻り、古泉は超能力を失った。
俺は幸いにも大学に進学し、ハルヒと古泉もそれぞれ奴らに相応しい大学に進学する為にこの町を去って行ってしまった。
卒業して数年の間は3人でたまに集まったりしたが、大学を卒業し、それぞれ就職するとその集まりさえもぱったりと無くなってしまったのだった。
あんなにうるさかった毎日はとても輝かしい思い出となり、時々は懐かしんでまたSOS団の皆と会いたいなどと願ったこともあったが、新しい毎日もそれはそれで悪くないもので、俺はあの頃切に願った平穏な毎日を過ごしていた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:29:16.82 ID:yXqlOBvH0
そして高校を卒業して13年経った、つまり俺が31才の頃、そろそろ腰を落ち着かせねば、と俺は当時交際していた女性に結婚を申し込もうと思っていた。
それは実家に帰るたびに親が「早く孫の顔を見たい」などと、かなりありきたりなセリフを呟いて俺を焦らせたからでは決してない。
それにその問題はあの妹が、所謂出来ちゃった婚をしてしまったことにより解決してしまったのだ。
あの世間知らずで純粋無垢だった妹に赤ん坊が出来たと聞いたときには深く絶望したし、その後その相手の男の名前を聞いたときには温厚な俺も流石に切れてしまったものだった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:30:27.44 ID:yXqlOBvH0
いや、そんなことはどうでもいい。話を続けよう。
兎にも角にも、俺は職場で知り合った聖母のような優しい心を持ち、とことん俺に尽くしてくれる、誰かさんとは真反対の女性にプロポーズしようとした。
俺は当然のごとく良い返事を貰えるものだと思っていた。ああ、思っていたさ。
だってデートで、小さな子供連れの夫婦を見るたびに「子供って良いよね」とわざと俺に聞こえるように独り言を言ったり、俺の部屋にこれ見よがしにゼクシィを置いて帰ったりするんだぜ?
誰がどう考えたってそれは俺のプロポーズ待ちだろう?異論は認めん。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:31:43.51 ID:yXqlOBvH0
そんな傲慢な考えを抱いていた俺はロマンチックなシチュエーションを演出しようとしてプロポーズの日を七夕に決めたのだった。
七夕当日、俺は星空がよく見える丘の上に立ち「俺とお前はさながら彦星と織姫のようだ」と言って彼女を苦笑いさせた。
そしてプロポーズした。「結婚してください」と。
しかし彼女の返事はNOだった。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:33:03.28 ID:yXqlOBvH0
俺は唖然とした。断られるなどとは一ミリも考えていなかったのだ。
俺は情けなくも取り乱し必死に彼女に迫って理由を問いただした。
彼女はただ「ごめんなさい」としか言わなかった。そして彼女は足早にその場を去っていってしまった。
残された俺は呆然として空を見上げた。
俺を嘲笑うかのように天の川が夜空を爛々と輝いていたのを今でもハッキリ覚えている。
それからだ、俺と、涼宮ハルヒが十数年ぶりに再会したのは。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:34:55.18 ID:yXqlOBvH0
彼女に振られ、傷心した俺はその日のうちに高速をぶっ飛ばして実家に帰った。
何故だか無性に車を飛ばして、実家に行きたくなったのだ。
「キョンくんお帰りー!」
玄関のドアを開けると懐かしい声が聞こえてきた。
それはすっかり大人になった妹だった。
「その名前で呼ぶな」
そんな俺の忠告は華麗にスルーされ、代わりに妹は満面の笑みを俺に向けていた。
「やれやれ・・・」
呆れた振りをしながらも少し喜んでいたのは秘密である。
しかし俺のそんなささやかな幸せはすぐに崩れ去ってしまう。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:36:10.58 ID:yXqlOBvH0
「あ、キョンwwwwチーッスwwww」
声がする方を見るとリビングの方から出てきたのは若い男だった。
男は長い髪を茶色に染めて、髭をだらしなく生やして、両耳にはピアスを何個も空けていた。
そしてよく見るとそいつは谷口だった。
「・・・うぐぅ・・・」
何度見ても、俺は言葉に詰まってしまう。
こいつは、つまり、俺の義理の弟になってしまったのだ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:37:56.35 ID:yXqlOBvH0
谷口は俺に近づいてくる。その腕には玉のように可愛らしい赤ん坊を抱いていた。
俺は弟を見て、また赤ん坊を見て首を振った。
そうだ、赤ん坊には罪はないのだ。
「キョンwwww抱いてやってよwwww」
差し出された赤ん坊を俺は受け取る。
赤ん坊は俺に抱かれた瞬間に大声を上げて泣き出した。
「ちょwwwwキョンwww乃亜(のあ)泣かせんなよwwww」
そう言って男は俺の腕から乃亜(のあ)をひったくる。
「・・・うぐぅ・・・」
「アレー?キョン君どこ行くのー?」
「散歩だ!」
俺はそう怒鳴ると息を荒げながら再び家を出た。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:40:25.02 ID:yXqlOBvH0
「ええい忌々しい忌々しい・・・」
当ても無く俺は歩き続ける。
それはイライラしていたからじゃない。
理不尽に彼女に振られたこと、妹が土方の谷口と出来婚をしたこと、姪がドキュンネームをつけられたこと。
そんなことは最早どうでもいい。
その時俺は何故か歩かなければならないような気がしていたのだ。
そして気付くと俺はある場所に辿り着いていた。
そしてある人物を見つける。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:44:06.76 ID:yXqlOBvH0
強烈なデジャブに襲われる。
全く同じ光景を俺は丁度15年前の今日に見た。
しかしそれは、本当は18年前の今日の出来事なんだけどな。
「ハ・・・ハハ・・・かわんねえな・・・お前も・・・」
溜息がこぼれる。
俺は少し涙ぐんでいた。
かわらねえな。全然変わってねえよ。
良かった・・・。変わってなくて、良かった・・・。
なぁ、ハルヒよ・・・。
そこには東中の校門によじ登るハルヒの姿があった。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 14:51:59.22 ID:hA1nVeAUO
没^13
18 :
忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/08/15(月) 15:08:16.20 ID:24FAa+UK0
中途半端だなおい
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:09:06.91 ID:yXqlOBvH0
いやレスがないからやる気うせただけだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:10:48.44 ID:TUc9F9VZO
SSって時点で気持ち悪い
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:12:03.28 ID:yXqlOBvH0
嫌なら見るなよ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:20:42.92 ID:C5YOdmJd0
いや 見てるぞ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:23:50.25 ID:yXqlOBvH0
>>22 最後まで見てくれるといってくれるならお前のためだけに全部書ききる
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:28:09.89 ID:r6L2xvilO
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 15:28:59.76 ID:yXqlOBvH0
まぁ落ちたも同然のスレなんだしほっとけよ
26 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/08/15(月) 15:50:57.23 ID:V0I1JTFB0
待ってるのにちっとも進まない
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:09:19.44 ID:yXqlOBvH0
再開するお
いたいこと言ってすまんお
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:10:22.35 ID:yXqlOBvH0
「何よ、バカキョン。アホ面下げて突っ立ってないで手伝いなさいよ。じゃないと通報するわよ」
校門によじ登りながら顔をこっちに向けてハルヒは言った。
薄暗くて良く見えなかったがハルヒ30才を過ぎてるのに全然若々しかった。
20才前半と言っても通用するぐらいだった。
しかしその顔は丁度ここで出会った幼いハルヒの、つまりSOS団を作る前の時のような不機嫌な顔をしていた。
ショートパンツにTシャツとあの時と同じような服装で、変わっていたのは背が伸びたことぐらいだった。
「通報されるのはお前の方だ」
溜息混じりに言うこんな突っ込みもとても懐かしい。
俺は自然に笑みがこぼれてしまったのを必死に隠した。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:12:19.02 ID:yXqlOBvH0
なんとか不法侵入を成功すると俺とハルヒは校庭の脇にある階段に並んで座った。
「全く・・・16年前と全く同じことやるなんて何がしたいんだお前は・・・」
ハルヒは訝しげに俺を見た。
「なんであんた知っているのよ? それに私がここに忍び込んだのは19年前よ」
「・・・!」
心臓が一瞬飛び出そうになった。
とっさに言い訳を考える。
だが一方で考える。
もうハルヒに変な力が無いのだからネタバレしてもいいのではないだろうか?
>>16 16年前と19年前に訂正
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:13:34.43 ID:yXqlOBvH0
俺はせっせと思考を張り巡らせたがそれは意味が無かった。
ハルヒは俺の顔をジーっと見るのを止め「まさかね」と溜息をついてそれ以上詮索することはしなかった。
俺がジョン・スミスだってことを言う必要はもうないようだった。
俺は安心する一方少し寂しさを感じていた。
少しの沈黙を置いて俺は口を開く。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:15:02.32 ID:yXqlOBvH0
「今日は書かないのか?」
「・・・」
ハルヒは何も答えなかった。
「ライン引き、持ってきてやろうか?」
「・・・いい」
「何でだよ」
「・・・もうそんな年じゃないわ。今あんなことやったら本当に捕まっちゃうわよ」
「不法侵入してる時点で捕まるがな」
「・・・」
またハルヒは押し黙った。
空気がとても重かった。
32 :
忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/08/15(月) 16:15:13.44 ID:24FAa+UK0
中途半端にしないなら支援しようじゃないか
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:16:23.52 ID:yXqlOBvH0
「本当はそんなこと気にしてないんだろ?さぁ俺が書いてやるから指示してくれよ。」
俺はそう言って体育倉庫の方へ向かおうとしたが腕を捕まれて止まる。
「いいってば!」
「ハルヒ・・・」
「いいのよ・・・もう・・・。そんなことしても意味無いわ・・・」
「意味無い?」
「願いなんて・・・願いなんてどこにも届かないのよ!」
ハルヒは俺に向かって叫んだ。
その目はとても悲しそうな目だった。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:17:49.10 ID:yXqlOBvH0
俺は思った。
やっぱりお前、何にも変わってねえな・・・。
不思議とか特別なことを望んでいるけど、でも心の中でそんなのありっこないって思っている。
そんなジレンマにまだ悩んでいるんだろ・・・?
俺はやはりジョン・スミスの名を告げてやろうかと思ったが、やっぱりやめた。
例え告げたとしてもそれは過去のことだ。
「今」の特別なことを求めているハルヒを救うことにはならないと思ったからだ。
「本当にそう思っているのか?」
俺は勤めて冷静に話す。
>>32 すまんお。
黙々と書き込み続けるから見てってくれお
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:19:24.62 ID:yXqlOBvH0
「・・・ええ!思ってるわ!」
「じゃあ・・・じゃあ、あの時俺たちが短冊に吊るした願いはどうなるんだよ?」
俺は自分で言って気付いた。
そうだ!そうじゃないか!
「おいハルヒ!俺たちが高校1年の七夕から今日で何年目だ!?」
俺は興奮してハルヒの肩を掴む。
「な・・・何?今まで気付いてなかったの・・・?」
そう言うとハルヒは何だか寂しそうな顔をした。
俺は興奮してハルヒの肩をゆする。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:22:15.08 ID:yXqlOBvH0
「ちょっと・・・やめなさいよ」
ハルヒが弱弱しい声で抵抗するのも構わず俺は言う。
「なぁ!答えてくれよ!あの時ベガとアルタイルに2つの願い事を願ってから何年経ったんだよ!?」
「・・・16年よ・・・」
ハルヒは顔をそらして呟いた。
「そうだ!16年経ったんだよ!お前があの時憂鬱そうに呟いてたけど、その長い年月がもう経ったんだよ!」
俺は狂喜乱舞して叫んだ。
しかしハルヒが「だから何よ」と冷めたように呟くのを聞いて俺は何も言えなくなった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:24:14.40 ID:yXqlOBvH0
・・・そうだ、何で俺こんなにテンション上げてんだ・・・。
ただ偶然に、あの時から16年後の七夕の日に、ハルヒと出会っただけだ。
何をそんなにはしゃぐ必要があるだろうか・・・。
俺は力なくうなだれた。
「・・・それでも俺は思うんだ。」
「何がよ・・・?」
それでも俺は、ハルヒが、あのハルヒがこんな悲しい目をしているのは耐えられなかった・・・。
もう一度、あのSOS団団長だったハルヒのように輝いていて欲しかった・・・!
何もそれは難しいことじゃない。
(本当は俺の身の回りには掃いて捨てるほどあったが)別に不思議や秘密が無くたってハルヒはあんなにも楽しそうだったのだから!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:25:21.62 ID:yXqlOBvH0
俺は再び元気を取り戻して言う。
「だから何だと?言いだしっぺのお前がなんてことを言いやがるんだ!願いが叶うんだよ!半額サマーバーゲンだろう!?16年てことは・・・ベガか!ベガがお前の願いをかなえてくれるんだよ!お前の願いは―」
そこで言葉が詰まる。
ハルヒの願いを俺は思い出せなかった。
もとより自分の願いすら思い出せなかった。
あんなもん適当に書いただけだったから。
「なぁ、お前の願いなんだっけ?」
「・・・何でもいいでしょ・・・」
「まぁいいけど・・・――とにかく!その願いが今日叶うんだよ!ワクワクするだろ!?」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:25:24.62 ID:nj6nXydK0
でちゃうのおおぉぉぉ…
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:27:04.84 ID:yXqlOBvH0
再び俺は空元気を振り絞る。
「叶わないわ」
「叶うさ!」
「叶わないわ!」
「叶うさ!!」
俺達は互いに譲らなかった。
そして沈黙が流れたあとハルヒは呟いた。
「じゃぁあんたが私のそばにいてくれるの・・・?」
俺は思い出した。
そうだ、こいつの願いの一つは『世界があたしを中心に回るようにせよ』だ。
やれやれ全く・・・
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:27:51.81 ID:yXqlOBvH0
とまぁこんな感じでハルヒと再会を果たした俺はなんだかよくわからない間にハルヒと付き合い、プロポーズをした。
ハルヒの返事は「遅いのよ!どれだけ私が待ってたと思ってんのよ!」といつも通りの口調だった。やれやれだぜ・・・。
俺とハルヒの夫婦生活はハルヒの願いどおりにハルヒ中心に回っていき、俺は四六時中ハルヒに振り回されていた。
ま、それも悪くは無いんだけどな。
そしてハルヒと俺が再会してから九年後の七夕の日に古泉から電話がかかってきたのだった。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 16:28:44.45 ID:yXqlOBvH0
カランコロン
俺は高校時代お馴染みだった喫茶店に入ってキョロキョロと辺りを見回す。
すると二十数年前と全く変わらないスマイルをこちらに向ける古泉がいた。
もうお互いに40才なのに、古泉は全く老けていなかった。高校の頃に比べところどころ少しシワが入った程度に老いたぐらいだった。
くそっ、俺は既に禿げてきてるってのに!
俺はそんなルサンチマンを押さえ込んで席に着く。
「待たせたな」
「いえいえ、僕も今来たところですよ。本当に久しぶりですね」
「ああ、俺の結婚式以来か。」
とりあえず俺はアイスコーヒーを頼む。
43 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :
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