紫杏(……もうちょっとイチャイチャしたい)

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
紫杏(……むう)

荷田「パワポケくん、会長と2人っきりで何してるでやんすかぁ?」

パワポケ「な、何もしてないよ……なあ、神条」

紫杏「う、うむ……少しばかり、野球部についての話をしていただけだ」

荷田「……ホントでやんすかねぇ?」

パワポケ「ホントだってば」

紫杏「…………」



紫杏(……もうちょっとイチャイチャしたい)
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:16:41.78 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「ふう、やっと行ったか」

紫杏「全く……こうしてみると、この高校って結構窮屈ね」

パワポケ「あれ、珍しいな。紫杏がそんな風に愚痴言うなんて」

紫杏「あのね、あたしだってたまには愚痴ぐらい、言いたくなるのよ」

紫杏「特にあんたと付き合い始めてから、頻度が増した気がするわ」

パワポケ「ええ? 何だよそれ。俺と付き合うのが嫌ってことか?」

紫杏「あ……い、いや、そう言う訳じゃ……」

紫杏(あんたと付き合うのが嫌な訳無いじゃない)

紫杏(あんたと付き合い始めて、あたしが変わっちゃっただけよ、色々とね……)

パワポケ「ホントに嫌じゃない?」

紫杏「だから、嫌じゃないってば!」

パワポケ「お、おいおい、怒るなよ」

紫杏「……言っておくけど、本当に嫌じゃないから」

紫杏「こういう時、口下手なのって本当に困るわね……はあ」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:17:33.42 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「そ、そっか。じゃあいいや」

紫杏「分かったなら良いわ……とりあえず、そろそろ離れないと。他の人に見られると不味いし」

パワポケ「あ、ああ。それじゃあな、また後で」

紫杏「……ん、じゃあね」






紫杏「ふう……」

紫杏(……こういう感覚って初めて)

紫杏(恋なんて馬鹿らしいって思ってたけど、いざ自分がしてみると)

紫杏(……うん、悪くない。この胸がドキドキする感じは、悪くないかも)

紫杏「……ふふっ」

荷田「うわっ、会長が1人でニヤニヤしてるでやんす」

紫杏「うっ!? ……い、行ったんじゃなかったのか?」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:18:06.55 ID:BDZgRbeh0
スレタイでパワポケって分かるやつ少ないと思うぞ
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:18:46.14 ID:sfPT0aHx0
荷田「物陰に隠れてただけでやんすよ」

荷田「それにしてもさっきの謎の笑み……オイラの予想によると、多分パワポケ君が関係」

ドグシャアッ

朱里「紫杏、こいつあっちに捨ててくるね」

紫杏「む……頼んだ」

朱里「……あんまりアイツとベタベタし過ぎない方が良いんじゃない? 変な噂が立っちゃうわよ」

紫杏「うあ、いや、しかしだな?」

朱里「ま、気をつけて。付き合うのが悪いとは言わないから」

紫杏「う、うむ……」


紫杏(……ああ、もう。油断も隙もあったもんじゃない)

紫杏(あいつにちょっと会って、ちょっと話して、毎回それで終わり)

紫杏(そんなんじゃ物足りない。もっと濃い時間を過ごしたいのに……)

紫杏(……なんかイライラする。欲求不満って奴? あたしが……?)

紫杏(今すぐあいつに抱き付きたい。それで、それで……)

紫杏「…………」カーッ
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:19:39.37 ID:sfPT0aHx0
官取「お、会長。何でそんな顔真っ赤……あっ! もしかして」

ボグシャアッ

和那「ははは、ほんじゃウチ、こいつ捨ててくるわ。またなー」

紫杏「ああ、頼む」

官取(まだ何にも言ってねえのに……)




紫杏「…………」

紫杏「むう」

ムクッ

紫杏「眠れない……」

紫杏(あいつのせいだ。何もかも……)

紫杏(こうして寮に帰ってきたって、全然落ち着けやしないじゃない……)

紫杏(…………)

紫杏「……んぅ」スッ

紫杏(な……にしてんの、あたし……っ)
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:20:33.58 ID:sfPT0aHx0
紫杏(自分の、ここ……触ったりして……馬鹿みたい)

紫杏「ふ、ぁ……」クチュクチュ

紫杏(ああ、馬鹿、ほんっとに……馬鹿じゃないの、あたし)

紫杏(これじゃ、変態、みたい……あ、うっ)

紫杏「……っ」プルプル

紫杏(や、ば……声出ちゃう……だめ、だって……)

紫杏(なんで、指っ、止まらないの……よっ)クチュクチュ

紫杏「んっ……ふっ、あ」

紫杏(ダメ……ほんとにっ、このままじゃっ……!)

紫杏「う、あっ……!」ビクビクッ

紫杏(…………)

紫杏(……早過ぎでしょ。何? アイツの事想ってたから?)

紫杏(……寝よ。流石にもう寝られるでしょ、多分……)

紫杏(うえ……下着びしょ濡れで気持ち悪い……最悪)


紫杏(……気持ち悪くて最悪だけど、ちょっとすっきりした、かな……)
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:21:48.88 ID:sfPT0aHx0
紫杏(明日、あいつと何しよう)

紫杏(ちょっと……大胆になっても良いんじゃないかな、そろそろ)

紫杏(手繋いだりとか、多分それぐらいならセーフ、のはず)

紫杏(だってキスはもう済ませちゃったんだもん、それぐらい大丈夫よね)

紫杏(問題は周りの目だけど……何とかなるでしょ)

紫杏(ちょっとシチュエーション的にベタかもしれないけど、体育倉庫とか。運が良ければ屋上も……)

紫杏(上手くやれば夜中に侵入も出来るかもしれないし……試してみても良いかも)

紫杏(……あ、でも準備が必要だし。実行は明後日ぐらいでいっか)

紫杏(……早く、明後日にならないかな)
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:21:59.46 ID:5zcIG9mN0
パワポケは鬱ってこそ面白い
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:22:42.53 ID:lJvQfHL50
つづけろ
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:23:40.27 ID:sfPT0aHx0
紫杏「……」キョロキョロ

パワポケ「あ、しあ……神条、おはよう」

紫杏「……う、うむ。今日も元気そうだな」

紫杏「……ここは騒がしい。一旦屋上へ行かないか? 少し相談があるんだ」

パワポケ「え? なんの相談?」

紫杏「う……そ、それはだな……まあ、何でも良いだろう」

紫杏(……良いからとにかく来なさいよ、バカ)ボソッ

パワポケ(そ、そうか、ごめん)ボソボソ

紫杏(とりあえず詳しくは屋上で話すから。ほら、早く行こ)ボソボソボソ

パワポケ(分かった分かった)ボソッ

紫杏「早く行くぞ、ぐずぐずするな。私も時間がないんだ」

パワポケ「ああ、それじゃ行くか」

紫杏「うむ、では急ごう!」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:24:34.84 ID:sfPT0aHx0
荷田「……相変わらずこそこそしてるでやんす。あれで隠し切れてるとでも思ってるんでやんすかねえ?」

官取「ホントホント。じゃ、俺達はとっとと食堂行くか」

荷田「え? 追いかけないんでやんすか? オイラこうしてカメラもバッチリ……」

官取「……例の護衛2人に殺されたいっていうなら止めないぞ」

荷田「……分かったでやんす。今日は官取君がオイラにパンを奢る日でやんしたよね」

官取「げ……な、何のことだ?」

荷田「前にペラを貸した時の約束を忘れたとは言わせないでやんす」

荷田「オイラ金にはうるさいでやんすからねえ……せっかくだからペラじゃなくて現物で返して貰うでやんす」

官取「あーあー、分かったよ。じゃあ行くか」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:26:35.13 ID:sfPT0aHx0
紫杏「はー……よし、誰もいないわね」

パワポケ「お、ホントだ。今日は誰もいないな」

紫杏「……あんたバカでしょ……ぜっ、たいバカでしょ」

パワポケ「えっ? あ、うん、バカだけど」

紫杏「あんな人目に付く所でボソボソ喋らせないでよ、怪しまれるでしょ!?」

紫杏「素直に言う通りついて来れば、それで済むのに!」

パワポケ「ははは。今度から気を付けるから」

紫杏「くっ……まあいいわ。誰か来ないうちに……こっち座って」

パワポケ「ああ……で、話ってなんだ?」

紫杏「話っていうか……まあ話もあるけど、とりあえず、これ」

パワポケ「何だ……うわ、もしかして弁当か!?」

紫杏「昨日、高いペラ払って外出して色々買ってきて、朝作ったのよ……しかも2人分」

紫杏「ま、普段ペラなんてあんまり使わないし、消費する機会が出来て良かったわ」

パワポケ「ありがとう、彼女の手作り弁当って男の夢なんだよ……今それが叶った……うっうっ」

紫杏「ちょっ、何で泣いてんの……?」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:26:47.49 ID:czVP3JrN0
10かなつかしい
俺は五十鈴が好きです
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:27:46.46 ID:kkmaugWf0
パワポケSSきたか
しかも10とは、まさに俺得
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:28:17.69 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「余りに嬉しくて……ううっ」

紫杏「……さっさと食べなさいよ、これとは別に話もあるんだから」

パワポケ「うん……じゃあ、いっただっきまーす!」ガツガツ

紫杏(なんて言うか……喜び方もバカなのよね、やっぱり)

紫杏(ふふっ、でも作ったかいがあったわ……)

紫杏「……え、えっと。味、どう?」

パワポケ「んぐ……うまいよ、最高だよ」

紫杏「そ、そっか。良かった……ふうっ、ちょっと緊張したわ」

パワポケ「なんで?」

紫杏「バカの口に合うかどうか、分かんなかったからね」

パワポケ「なんだよそれ」

紫杏「そのままの意味よ……さて、と、じゃあ本題」

パワポケ「ん?」

紫杏「といっても簡単な話よ。夜、暇ある?」

パワポケ「夜? ……そりゃ、一応暇だけど」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:28:54.74 ID:sfPT0aHx0
紫杏「そ。じゃあ、体育倉庫に来てくれない?」

パワポケ「体育倉庫? でも先生に見つからないかな?」

紫杏「そこはあんたが何とかしてよ、体育倉庫のカギとかはあたしが何とかするから」

パワポケ「頑張ってみるけど……何するんだよ、体育倉庫で」

紫杏「……それ聞いちゃうんだ」

パワポケ「? あ、弁当ごちそうさま」

紫杏「早っ。も、もう食べたの……?」

パワポケ「だって美味かったし」

紫杏「……そう。で、さっきの約束、忘れないでよね、夜10時ぐらいに来てくれればいいから」

パワポケ「夜10時だな。オッケーだ、必ず行くよ」

紫杏「…………」

パワポケ「どうした?」

紫杏(……そうよ、あの夜に決めたじゃない。今日はちょっと大胆にって)

紫杏(言っちゃいなさいよ、神条紫杏……!)
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:29:22.95 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ね、ねえ!」

パワポケ「何?」

紫杏「……ご、ご飯食べたら眠くならない?」

パワポケ「うーん? 別に今はそうでもないぞ」

紫杏「……鈍っ」

パワポケ「何が?」

紫杏「眠くなるでしょ! 食後は!」

パワポケ「え、あー……そ、そうだな(何で怒ってるんだよ……)」

紫杏「……ここ、枕に使って良いから」ポンポン

パワポケ「そ、それって……つまり、膝枕?」

紫杏「……うん」

パワポケ「何だよ。今日のお前、何かおかしいぞ。嬉しいけど」

紫杏「た、たまには良いでしょ?」

パワポケ「……そうだな。じゃあ、お言葉に甘えて」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:30:09.65 ID:sfPT0aHx0
ぽふっ

パワポケ「すっげー柔らかい」

紫杏「固い訳無いでしょ」

パワポケ「まあそうなんだけど、紫杏にこうしてもらえるとは思ってなかったから……」

パワポケ「驚いたけど凄い嬉しいなぁ……そうだよな、彼氏彼女の関係ってこうでなくちゃ」

紫杏「……正直言うと、あたしもちょっと物足りないって思ってたのよね、今の関係」

紫杏「その、もう一歩、進んだ関係になっても良いんじゃない? って」

パワポケ「……? おい紫杏、それって……」

紫杏「……何でもない」ナデナデ

パワポケ「……何か俺、子供みたいだな」

紫杏「そうかもね」ナデナデ

パワポケ「何か眠くなってきた……」

紫杏「……寝ちゃえば? ちょっとなら大丈夫よ、多分」

パワポケ「zzz」

紫杏「……ホント、バカ」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:30:36.59 ID:sfPT0aHx0
紫杏「でも……」

紫杏(こ……これって、チャンス、よね……完全に無防備だし)

紫杏(あの時の感触を、もう一回……)ゴクリ

紫杏(ダメ、この姿勢じゃ……ちょっと頭持ち上げるぐらいなら大丈夫かな……)

パワポケ「んんー……」

紫杏(……もう、ちょっと……んっ)

ちゅっ

紫杏(……や、った……ほっぺだけど……)

紫杏「……ふふ♪」

パワポケ「ぐーぐー」

紫杏「……幸せそうに寝ちゃって……」

紫杏「……あたしも幸せよ、バカ」チュッ
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:31:12.24 ID:sfPT0aHx0
和那「うっわー……」

朱里「…………」

和那「あれ紫杏? 中身だけ別人とちゃうん?」

朱里「……そうかも」

和那「あー、アッツいわー。アツ過ぎて死ぬわーもー」

朱里「…………」

和那「……何をまじまじと見てんねん」

朱里「……別に、そんなことないけど」

和那「ははぁん? 羨ましいんやろ、ああいう関係。もしくは紫杏取られて嫉妬しとるとか」

朱里「……それ以上言ったら、殺すわよ」

和那「おー怖っ、はいはい、お喋りはここまでにしときますわ」

朱里「……全く」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:31:51.00 ID:sfPT0aHx0
紫杏「起きなさい……こら、起きろってば」

パワポケ「……んあ、い、今何時……?」

紫杏「もう昼休み終わるわよ」

パワポケ「そんなに寝てたのか……」

紫杏「じゃ、あたし行くから。また夜にね」

パワポケ「ああ。……夜か、上手く抜け出せるかな」

パワポケ「失敗したらアイツに絶対怒られるな、それと先生にも」

パワポケ「……でも、体育倉庫で何するんだろう?」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:33:30.74 ID:sfPT0aHx0
ギイッ

パワポケ「うわ、鍵開いてる。ってことは……」

パワポケ「おーい、紫杏。いるのか?」

パワポケ「……おい、返事しろよ。いるんだろ」

パワポケ「……」

紫杏「……後ろ」

ぎゅっ

パワポケ「うおっ!?」

紫杏「…………」

パワポケ「あのー……何で抱き付いていらっしゃるんですか?」

紫杏「こうしたかったから」

パワポケ「えっ……」

紫杏「ずっと、こうしたかったから……」

パワポケ(うわあ……胸柔らかい)

パワポケ(何だか背中のあたりがとても幸せなことになってるぞ……)
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:34:07.33 ID:sfPT0aHx0
紫杏「屋上と違って、ここなら絶対、絶対に誰も来ないから」

紫杏「本当に2人っきり……」

パワポケ(誰か来るかもしれないじゃないか、先生とか……とは言えないな)

紫杏「くすっ。何か、嬉しい」スリスリ

パワポケ「お、おい、紫杏?」

紫杏「……襲っても良いよ」

パワポケ「そんなケダモノみたいなこと、する訳無いだろ!」

紫杏「……そんな事言ってるけど」

紫杏「彼女と、体育倉庫で2人っきりよ」

紫杏「ホントは……あるんじゃないの、したいこと……」
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:35:14.74 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「はい」

紫杏「……素直過ぎ」

パワポケ「……マジで? 夢じゃないよな?」

紫杏「頬つねってあげる」ギューッ

パワポケ「いってぇ! 夢じゃない……」

紫杏「どう? あたしはこのまま、普通にイチャイチャしてても良いけど」

紫杏「あんたはともかく、あたしはそれだけで満足できるから」

パワポケ「…………」

紫杏「…………」ドキドキ


パワポケ「……初めてですが、よろしくお願いします」

紫杏「……ああ、安心して、初めてなのはあたしもだから」




和那(…………)
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:35:57.52 ID:sfPT0aHx0
和那(やっばー……これ、始まるん? やっぱり今から始まるん?)

和那(今からウチの目の前で、紫杏とアイツが……かーっ!)

和那(たまらんわー、見てられんわー……あ?)

朱里「…………」ジーッ

和那「…………」

朱里「…………」

和那「なあ」

朱里「何」

和那「朱里って、案外ウブなんやな」

パシッ!

和那「……いきなり殴らんといてーな」

朱里「うるさい」

和那「あいたた……手でばっちり受け止めたのに痛いー……」

朱里「ふん……」
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:35:58.09 ID:kkmaugWf0
><○
○@@○
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:37:04.63 ID:sfPT0aHx0
※性的描写は省略されました

――――――――


紫杏「…………」

紫杏(…………)

紫杏(うわー……うわあ、ホントに……あたし……)

紫杏「」ゴロゴロゴロゴロ

紫杏「あー……あー……」

女子A(何で神条さんはベッドの上でゴロゴロ転がってるんだろう……)

女子B(顔赤いね)

女子A(うん……)
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:37:45.34 ID:sfPT0aHx0
紫杏(……でも何か、色々吹っ切れちゃった感じ)

紫杏(決めた。明日からもっとイチャイチャする)

紫杏(当然周りの目は気にしなきゃいけないけど……全く2人きりになれないって訳じゃないんだから)

紫杏(もっと、もっと、べたべた引っ付いちゃおう……ふふっ)

紫杏「ふふふ」ニヤニヤ

女子A「…………」

女子B「…………」

紫杏「……コホン」

紫杏「寝よう」

女子A(可愛い)

女子B(可愛い)
30 忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/07/31(日) 20:38:10.78 ID:XpdU4ky30
パワポケSSきたああああ
C
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:40:01.28 ID:sfPT0aHx0
紫杏「パワポケ!」

パワポケ「よう、神条。何だ、また俺に用か?」

紫杏「ああ、そうだ。と言う訳で、こっちに来い」

パワポケ「ひ、引っ張るなよ……(怪しまれるだろ)」ボソッ

紫杏「急ぎの用なのだ、いつも通りな(うるさいバカ)」ボソッ

パワポケ「い、痛い痛い! 肩が! 肩が!(バカってなんだよ!)」ボソボソッ

紫杏「少し引っ張ったぐらいでこれか? 随分と身体が弱いんだな(バカはバカでしょバカ)」ボソボソッ

パワポケ「いや、少しかこれ? 結構無理に引っ張られてるぞ(おい、周りの奴らが見てるじゃないか!)」ボソボソボソッ

紫杏「グチグチ言わずに、付いて来ればいいんだ(だからさっさと来なさいよバカ)」ボソボソボソッ

パワポケ「ちょっと待って、肩が外れ……うわああああい……」ズルズルズル


生徒A(何だあのバカップル)
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:43:41.19 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「……何だこの教室。黒板の前に机や椅子がごちゃごちゃ積み上げられてるぞ」

紫杏「普段は使われていない教室だ、まず人は来ない」

パワポケ「ああ、そう(……あれ、口調が変わってない?)」

紫杏「……盗み見は感心しないな、そこの2人」

和那(げっ)

朱里「……こう言う真似はやめようって言ったんだけどね、あたしは」

和那「ってコラ、全部ウチに責任被せんなや。……あちゃー、やっぱバレてた?」

紫杏「……昨日も居ただろう、離れておけと言ったのに、全く……」

和那「ははは……じゃ、おジャマ虫は退散するとしまひょ」

朱里「……紫杏」

紫杏「何だ」

朱里「紫杏って案外情熱的なのね」

紫杏「余計な御世話ださっさと出てけぇ!」

ピシャンッ
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:44:20.86 ID:qV17CUPq0
おかめ
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:47:06.35 ID:sfPT0aHx0
紫杏「はーっ……はーっ……」

パワポケ「……おーい、大丈夫か?」

紫杏「あの2人、護衛役なのには間違いないけど……」

紫杏「反面、あたしのストーカーとも言えるわね、全く……」

パワポケ「しかしまあ、いっつも思うんだけど」

紫杏「……何よ」

パワポケ「一定のスペースに男女が2人きり、これって規則違反なんだよな、一応」

紫杏「そうね、だから?」

パワポケ「……お前、ルールとか平然と破るような奴じゃなかったような」

紫杏「全部あんたの所為」

パワポケ「……はぁ? お、俺の?」

紫杏「あたしがこうなったのはあんたの所為なの、昨日の事もそうだけどさ」

パワポケ「そうなのか……でも、何で?」

紫杏「……あんたのことが好きだから」


このままだとすぐ書き溜め切れるからペース落とす
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:50:56.58 ID:DbwpmgWNO
桜空マダー?
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:51:33.50 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「……」

紫杏「……好きで好きでたまらないの」

紫杏「あたしがこういう気持ちを抱くことになるなんて、思ってもみなかったけど」

紫杏「……うん、改めて言うね。あたし、パワポケの事、好きなの」

パワポケ「……知ってるよ」

紫杏「……クスッ、やっぱり?」

パワポケ「好きでもない奴にするはずのないこと、いくつもやって貰ったからな」

パワポケ「俺も改めて言うけど、紫杏の事、好きだぞ」

紫杏「……ひあっ」カァッ

パワポケ「なんだよ、急に変な声出して」

紫杏「い、いざそう言うこと言われると、恥ずかしくて……」

パワポケ「意外と照れやすいよな、紫杏」

紫杏「う、うるさい」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:51:33.94 ID:LKt3cT8qO
結局、シアンの本当の人格は「あたし」じゃなくて「わたし」
このSSは間違い
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:52:09.03 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「もっと恥ずかしいことを昨日やったじゃないか」

紫杏「アレは……なんか夢中だったし」

紫杏「……でも、あたしね、時々自分が分からなくなるの」

パワポケ「?」

紫杏「もしかしたら、今のこのあたしも、あたしがいくつも持ってる仮面の一つなんじゃないかって」

紫杏「ホントは……ただ恋する乙女を演じてるだけなんじゃないかって、不安になるのよ」

パワポケ「……気にするなよ、そんなこと」

紫杏「…………」

パワポケ「とにかく、俺を好きな紫杏がここに居るのは確かだろ」

パワポケ「安心しろよ。例えそれが演技でも、俺がいつか本当にしてやるからな」

紫杏「……そう言うセリフ、言ってて恥ずかしくないの?」

パワポケ「……いや、結構恥ずかしい」
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:54:40.43 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ぷっ……じゃあ、言わなきゃいいのに」

パワポケ「男はカッコ付けたりしたいもんなんだよ」

紫杏「……問題。今あたしがしたいことって、何だと思う?」

パワポケ「へ? ……紫杏もカッコ付けたいのか?」

紫杏「バカ。はい、不正解。正解はね」

ぎゅっ

紫杏「……こうやって、あんたに甘えたかったの」

パワポケ「うわっ」

紫杏「ん……あったかい」

パワポケ「紫杏もな」

紫杏「大好き」

パワポケ「俺もだ」

紫杏「あたしも」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 20:59:46.25 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ね、キスして良い?」

ちゅっ

パワポケ「……答える前にやるなよ」

紫杏「えへへ」

パワポケ(……ま、可愛いから良いか)

紫杏「今度、2人で外出しない?」

パワポケ「ああ……でも今持ち合わせがないぞ」

紫杏「外出券はあたしが2枚調達しておくわ」

パワポケ「……そっか、じゃあ頼むよ」

紫杏「……ふふ、初めてのデート、楽しみにしてるから」

紫杏「ちゃんと楽しませてよね、彼氏らしく」

パワポケ「はは、分かってるよ。それより昼休み、もう終わるぞ」

紫杏「うん、それじゃあね」
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:01:37.56 ID:sfPT0aHx0
和那「……今の話、聞いたな?」コソコソ

朱里「まあね」

和那「……ちっ、とっととウチらも外出券の用意せんと」

朱里「それには及ばないわよ」

ピラッ

和那「うわっ、何でお前もう2枚持ってんねん!?」

朱里「備えあれば憂いなし。こういう言葉、知らないの?」

和那「……まあええわ、とにかく明日や、明日は気合入れて尾行するで!」

ガラッ

紫杏「…………」

和那「あ゛」

朱里「…………」
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:01:41.19 ID:kkmaugWf0
>>37
プロフィールなどの公式正史(らしきもの)を貫徹しようとするのはただの伝統的理解
それだけが正解じゃない
現在は紫杏BADに代表される「あたし」人格を再評価する動きも有力だよ
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:02:59.87 ID:sfPT0aHx0
パシッ

紫杏「……ふむ。私の為に外出券を用意してくれるとは。感謝するぞ、カズ、朱里」

和那「…………」

朱里「…………」

紫杏「それでは、また会おう」スタスタ

パワポケ「あれ、お前らまだいたのか。もう昼休み終わるから、早く教室戻れよ」スタスタ



和那「……行ってしもた」

朱里「…………」

和那「……予備は?」

朱里「…………」

和那「…………」

朱里「…………」スタスタ

和那「帰んなや!」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:08:40.74 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ふう」

紫杏「2人一緒に外に出る所見られると不味いからって、バス停の前で待ち合わせにしたけど」

紫杏「……遅い」

パワポケ「おーい」

紫杏「……5分遅刻」

パワポケ「ちょっと荷田君に捕まっちゃったんだ。どこ行くんでやんす、って」

紫杏「まあ、いいわ……それより、どこ行くか決めてるの?」

パワポケ「え」

紫杏「…………」

ポカッ

パワポケ「……無難にショッピングとか良いんじゃないかな」
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:11:56.02 ID:sfPT0aHx0
紫杏「お金あるの?」

パワポケ「一応……ペラじゃなくて現金ならそこそこはあるよ」

紫杏「そうなの? 何か意外……」

パワポケ「ははは、言われると思った」

紫杏「そうねえ、じゃ、そこのデパートにでも」

パワポケ「オッケー」


紫杏「ねえ……パワポケ」

パワポケ「ん?」

紫杏「あたしって、メガネとか似合うと思う?」

パワポケ「……普段の会長口調なら、似合うかもな」

パワポケ「あ、そうだ。あたし口調のままでも、ギャップが良い感じだと思うぞ」

紫杏「ふーん……買ってみようかな、伊達だけど」

パワポケ「良いんじゃない? これとか似合いそうだな」

紫杏「…………」

パワポケ「……分かったよ。俺が金払うよ、とほほ……」
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:17:37.09 ID:sfPT0aHx0
店員「お買い上げあざーっす」

パワポケ「早速財布が軽くなっちゃった」

紫杏「ありがと、でもこれ、学校じゃ付けないわよ」

パワポケ「……恥ずかしいのか?」

紫杏「いきなりメガネかけてたら、一体どうしたのかと思われるじゃない」

紫杏「……っていうのもあるけど、これはあんたの前でだけ付けてたいから」

パワポケ「……俺って幸せ者だなぁ」

紫杏「ほら、ボーっとしてないで、メガネかけてよ」

パワポケ「あれ、俺がやるの!?」

紫杏「こういうの、彼氏にやってもらいたかったの」

パワポケ「…………」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:21:46.48 ID:sfPT0aHx0
紫杏「……ん。どうかな」

パワポケ「グッド」

紫杏「ふふ……今日はしばらく、このまま過ごそうかな」

紫杏「せっかくあんたが買ってくれたんだし……」

パワポケ「何か頭良さそうに見えるぞ」

紫杏「……普段は頭が悪いように見えるの?」

パワポケ「い、いや、いつもよりもっと、ってことだよ」

紫杏「ふん、言い訳が下手だな、パワポケ」

紫杏「私ならもっと、上手くやるのだが」

パワポケ「……何か、凄い様になってるな」

紫杏「お褒めの言葉ありがと、じゃ、次行きましょうか」

紫杏「……デートで寄る場所の王道という王道を制覇したいわね、せっかくだし」

パワポケ「じゃあ次はカフェだな、カフェ」

紫杏「ああ、良いわね。時間がもったいないし、急がないと」

パワポケ「おいおい、走るなよ(紫杏ってあんな元気な奴だっけ?)」
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:25:08.33 ID:Qyi/R9Or0
11の裏サクのグルグル眼鏡想像してしまった
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:28:56.79 ID:O8+hByVe0
最近紫杏似の子にフラれた俺には辛いwww
紫杏画像で我慢するか。

支援
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:30:04.11 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「何頼むんだ? やっぱりパフェ?」

紫杏「あ……パフェ、ね。うん……」

パワポケ「嫌いか?」

紫杏「いや……ちょっとあたしには似合わないかなって」

パワポケ「そんなことないと思うけど」

紫杏「サンドイッチが良いな、あたし」

パワポケ「……そうだな、紫杏が言うなら、そうするか」

紫杏「ごめんね」

パワポケ「何謝ってるんだよ。頼むものは自由だろ?」

紫杏「……うん。飲み物はコーヒーが良いかな」

パワポケ「俺はメロンソーダにしよう」

紫杏「……メロンソーダって、あんた」

パワポケ「何だよ、何頼もうと自由だろ!」

紫杏「……そうね、そうだった。子供っぽ過ぎるとか、そう言うのは気にしないであげる」

パワポケ「大体高校生でメロンソーダ飲んだって何にも変じゃな……」
紫杏「もう分かったから良いってば」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:37:48.40 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「えーと、ハムに卵に……割と普通だな」

紫杏「普通のサンドイッチ頼んだんだから、当たり前でしょ」

パワポケ「俺ハムが良い!」

紫杏「好きな物食べて良いわよ、あたし、具は何でも良いし」

紫杏「でも、そうね……あ、パワポケ」

パワポケ「むぐ、何だ?」

紫杏「食べさせて」

パワポケ「……薄々、言うとは思ってたよ」

紫杏「ほら、早く口に入れてよ……」

パワポケ「はい、じゃあ、あーん」

パクッ

紫杏「あむ……ん、はぁ、おいし」

パワポケ「確かに結構美味いよな、コレ」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:38:53.79 ID:sfPT0aHx0
紫杏「当たりだったわね、この店……あーん」

パワポケ「次は俺が食べさせられる番か……」

紫杏「ふふっ、こう言う時は食べさせ合うもんでしょ、恋人同士なんだから」

パワポケ「……あーん」

パクッ

パワポケ「……彼女に食べさせて貰うと、自分で食べるより美味いな」

紫杏「愛が隠し味ってワケね」

パワポケ「……お前、今のセリフはかなり恥ずかしいぞ」

紫杏「……うん、言ってすぐ後悔した」

パワポケ「……はは」

紫杏「……ふふっ」

店員(小隕石落ちて来ねえかなあ)



書き溜め完全終了
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:43:52.77 ID:Qyi/R9Or0
俺(飛行城落ちて来ねえかなぁ)
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:48:28.66 ID:kkmaugWf0
さるった?
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:51:13.52 ID:sfPT0aHx0
紫杏「デパートにカフェと来て……次、どうしよ?」

パワポケ「何だかんだで、まだ昼だしな……時間は余裕あるし、遊園地だろ」

紫杏「まあ、王道中の王道、ってとこね」

紫杏「どうせ、観覧車の中でいかがわしいこと、しようとしてるんでしょ」

パワポケ「誰がするかよ!」

紫杏「どうだか……」

紫杏「いきなり襲いかかってくるとか、やめてよ? 公共の場なんだから」

パワポケ「行ったらすぐにジェットコースター乗ろう」

紫杏「……え」

パワポケ「苦手か?」ニマァ

紫杏「……そんな訳無いでしょ、乗るわよ」
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:56:21.59 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「くっそ……遊園地って金かかるんだな……」

紫杏「あたしの財布もかなり打撃を受けたわ……」

パワポケ「ええい、俺達は金を払ってるんだ! 目一杯遊ぶぞ!」

紫杏「はいはい」

パワポケ「頼むから乗ってくれよ……」

紫杏「乗るわよ。ジェットコースターにね」

パワポケ「……本当に大丈夫か? やせ我慢してない?」

紫杏「してないわよ。……多分」

パワポケ「確信はないのか……」

紫杏「だって初めてだし……」

パワポケ「ここのは凄いらしいけどな、もう見るからに上級者向けっぽい感じだし」

紫杏「……おっきいわね」

パワポケ「ぐるぐる凄いスピードで回ることになるから、吐いたりするなよ?」

紫杏「そんな軟弱じゃないわ。……きっと」

パワポケ「濁さずにきちんと言い切ってくれ……」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:57:15.98 ID:O8+hByVe0
ホテルPawa
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 21:58:07.50 ID:Qyi/R9Or0
しあーんのセリフだけ見るとエロい不思議支援
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:05:29.57 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「……動き出したぞ。もう逃げられないからな」

紫杏「逃げるつもりなんて……ないわよ」

パワポケ「声震えてない?」

紫杏「気の、せいよ」

パワポケ(どう考えても気の所為じゃないんだけど)

パワポケ(こうやって強がってる紫杏を見るのも良いな)

ガタン

パワポケ「……あ」

紫杏「……う」

パワポケ「……上がってるな。すこぶる順調に」

紫杏「…………」

パワポケ「頂上まで来たか。……? おい紫杏、何かしゃべ――」

ガクン

――――――――
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:13:49.28 ID:sfPT0aHx0
紫杏「…………うえ」フラフラ

パワポケ「……凄まじかったな」

紫杏「…………」

パワポケ「……俺も、アレは相当キツかった」

紫杏「…………んぶ」フラフラボソボソ

パワポケ「声小さ過ぎて聞こえないんだけど……」

紫杏「おんぶ」

パワポケ「……さ、肩貸してやるから、あっちのベンチで休もうか」

紫杏「良いでしょ」

パワポケ「良かないよ。なんでこんな人の多い所でおんぶしなきゃなんないんだよ!」

紫杏「…………」グスッ

パワポケ「……分かったから、泣くのはやめてくれ。周りの目が痛い」

紫杏「……♪」

パワポケ(演技だって分かってるのに……分かってるのに……)
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:19:24.40 ID:Qyi/R9Or0
支援
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:19:42.57 ID:O8+hByVe0
しえん
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:22:07.19 ID:sfPT0aHx0
ヒソヒソ

一般人A「あれはないわ」

一般人B「遠まわしに喧嘩売ってんだろ」

パワポケ「…………」

紫杏「」スリスリ

パワポケ「紫杏」

紫杏「ん」

パワポケ「ベンチに座ろう」

紫杏「分かった」

ひょいっ

パワポケ「……お前の所為で俺は今、視線で殺される所だったぞ」

紫杏「ははは。そんなまさか、視線で死ぬなんてことあるわけないじゃない」

パワポケ「あるんだよ!」

紫杏「まあ……悪かったわ。ちょっと無理させちゃったかも」

パワポケ「チョットジャナイヨ? ダイブダヨ?」
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:22:34.85 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ふー……飲み物買お。楽しかったけど、疲れたわ」

パワポケ「まだ乗り物一つしか乗ってないのに、随分消耗しちゃったな」

紫杏「……初っ端にアレは失敗だったわ」

パワポケ「同感だ。飲み物に加えてソフトクリームでも買うか?」

紫杏「うん。また、食べさせ合ったりしてみよっか」

パワポケ「……今度こそ本当に周りの人に殺されかねないからやめてくれ」
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:31:11.66 ID:O8+hByVe0
シアン
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:32:37.57 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ねえ、ねえ」ペロッ

パワポケ「どうした」ペロッ

紫杏「こっちがチョコ味で、そっちがバニラでしょ。ん」ペロッ

パワポケ「そうなるな」ペロッ

紫杏「ちょっと交換しよ」

パワポケ「そう来たか……」

紫杏「ふふっ、ほら、早く」パッ

パワポケ「こら、勝手に取るなよ!」

紫杏「はむっ」パク

パワポケ「あ……」

紫杏「んぅ……はぁ、御馳走様。あ、はい、チョコ味あげる」

パワポケ「……はぁ」パク

紫杏「一口……大胆ねー」

パワポケ「お前に言われたかないよ!」
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:35:30.65 ID:Qyi/R9Or0
今俺のやる気が激しく下がってる支援
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:37:35.03 ID:sfPT0aHx0
紫杏「ちょっと、ドキドキした。……ふふ」

パワポケ「……正直、俺もちょっとだけ」

紫杏「パワポケ」

ちゅっ

パワポケ「……!?」

紫杏「唇……チョコとバニラの味」

パワポケ「……ビックリした」

紫杏「すっかり元気になっちゃったことだし、他の乗り物、乗りにいこ」

パワポケ「あ、ああ」
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:45:27.84 ID:sfPT0aHx0
紫杏「コーヒーカップって、結構早く回るのね」

パワポケ「もっと早くしようと思えば出来るぞ、その逆も」

紫杏「ううん、このままが良い。このスピードが丁度良い」

パワポケ「そっか」

紫杏「……手、貸して」

ぎゅ

パワポケ「……」

紫杏「こうやって、ずっと回ってても良いかもね。2人一緒にさ」

パワポケ「……俺もそう思うよ」

紫杏「パワポケ、この後は……もう、観覧車乗っちゃう?」

紫杏「それとも、その前にどこかに寄ろうか」

パワポケ「もうちょっとで夕日が見れるから、どこかに寄ろう」

紫杏「了解、で、どこに?」

パワポケ「……お化け屋敷」ニヤァ

紫杏「…………」
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:51:49.15 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「…………」

紫杏「ふん」

パワポケ(何故だ……怖がらないぞ、紫杏の奴)

紫杏「……何、残念そうな顔してるのよ」

パワポケ「い、いや、何でもない」

紫杏「あたしが怖がって、あんたの腕に」

ぎゅむっ

紫杏「……こうやってくれるの、期待してた?」

パワポケ「……はい」

紫杏「残念だけど、お化け屋敷とかは別に大丈夫だから」

紫杏「でも、これはサービスね。ふふふっ」ギュウッ

パワポケ(腕が胸に沈んでいく……)

紫杏「暑いなら、離れるけど」

パワポケ「もうしばらくこのままでお願いします」

紫杏「……はいはい♪」
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 22:57:01.02 ID:XpdU4ky30
C
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:04:35.64 ID:O8+hByVe0
ふう…
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:07:47.93 ID:kkmaugWf0
しえ
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:10:10.32 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「いよいよというか、何と言うか」

紫杏「……滅茶苦茶並んでるじゃない」

パワポケ「これぐらいの方が、時間的に丁度良いよ」

パワポケ「乗れる頃には夕日が一番綺麗な時間になる……と思うんだけど」

紫杏「日没まで乗れなかったりしないわよね」

パワポケ「それはないって」

―――――――――


紫杏「……」フラッ

パワポケ「足がパンパンだ……1時間近く立ちっぱなしだったし」

パワポケ(紫杏もなかなか辛そうだな)

紫杏「……やっと?」

パワポケ「ああ、乗れるよ」

紫杏「早く座りたい……もう、立ってるのが嫌になったわ」
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:15:14.99 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「……観覧車の中で脚マッサージしてやるよ」

紫杏「うん、お願い……」

パワポケ「えっ。断らないの?」

紫杏「?」

パワポケ「…………」



パワポケ(まさか本当にさせられるとは)

もみもみ

紫杏「ん……ぁ」

パワポケ(……綺麗だな、脚。柔らかいし)

パワポケ「大丈夫か?」

紫杏「うん、気持ちい……あ、ぅ」

パワポケ「……綺麗だなー、夕日。 ……あ、もう良いよな? 紫杏」

紫杏「……うん。大分マシになったかな、ありがと」
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:23:47.53 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「…………」

紫杏「……もうすぐ、てっぺん」

パワポケ「一番高い所まで来たらキスすると色々良いらしいぞ。何かこういうのって一種のロマンだよな」

紫杏「…………」

パワポケ(あれ? 無反応かよ……)

紫杏「ロマンかぁ」

紫杏「……こんなに良い言葉だって、感じたことないかも」

紫杏「ロマンね、確かに良い言葉かも」

パワポケ「…………」

紫杏「このデートの締めくくりは、最高にロマンチックに締めたいよね」

紫杏「だから……その……ちょっと、ディープ気味に……」

パワポケ「……ああ。良いよ、紫杏」
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:26:32.93 ID:Qyi/R9Or0
ロマンか…懐かしい単語だ
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:30:03.87 ID:sfPT0aHx0
ちゅうっ

紫杏「ん、ふ……む、あむ」チュパッ

パワポケ(俺の口内に紫杏の舌が入ってくる)

パワポケ(……一応、これで2回目だけど)

パワポケ(何度やっても、ドキドキするな……これ)

紫杏「ぷは……あ」

パワポケ「……今まで見たどの夕日より綺麗だな、ははは」

紫杏「……でも、多分理由は観覧車の一番高い所から見てるから、じゃないわね」

パワポケ「え?」

紫杏「きっと、あんたと……パワポケと一緒だからだと思う」

パワポケ「……だから、恥ずかしいこと言うなって」

紫杏「お互い様でしょ、バカ」

紫杏「……また、来れるよね。この一番高い場所に」

パワポケ「……来れるさ。何度でも」

紫杏「……うん♪」
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:36:05.91 ID:O8+hByVe0
なんかの作品で観覧車一周の間までに
フィニッシュまで行ったのあったなぁ…何だったっけか。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:40:03.91 ID:ig2BbAJM0
やはりパワポケはしあんが最高や
しえん
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:47:34.83 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「楽しかったよな、紫杏」

紫杏「もちろん、当たり前じゃない」

パワポケ「……ちょっと、最後に寄ってくところがあるんだけど」

パワポケ「付いてきてくれるか?」

紫杏「……どこへだって、付いてくわよ」

パワポケ「……そっか。ありがとう」



パワポケ「……ここだここ」

紫杏「へえ……良い場所ね」

パワポケ「1回外出した時に道に迷ってさ。その時にここ見つけたんだ」

紫杏「……こんな町はずれの丘まで、どうやったら迷えるのよ」

パワポケ「お前も良く言ってるじゃないか。俺は……」

紫杏「クスッ。……バカ、だったわね。そういえば」

パワポケ「忘れるなよ」
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:47:49.50 ID:XpdU4ky30
しあんssをしえん
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:52:21.28 ID:+P3QjilX0
紫杏は死んだ!何故だ!
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:53:17.83 ID:sfPT0aHx0
パワポケ「星多いなあ」

紫杏「……何か、この地球にあたしたち2人だけみたいね」

パワポケ「だなあ……」

紫杏「……ん。パワポケ、肩、良い?」

ぽふ

パワポケ「紫杏?(俺の肩に紫杏が頭を乗せてきた訳だけど)」

パワポケ(……良い匂いがする)

紫杏「こうやってもたれかかってると、安心する」

紫杏「あんたの匂いとか、温もりとか……そういうの」

紫杏「……幸せ。あたし、幸せ」

パワポケ「……流れ星、見えないかな」

紫杏「……来るかもね」

紫杏「あの崖で、あんたが来てくれたみたいに」

パワポケ「アレはギリギリだったな、今じゃいい思い出だよ」

紫杏「……あの時あんたが来てくれなかったら、あたしは今頃外国のどこかよ」
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/31(日) 23:56:10.56 ID:q3T2OCqY0
真琴ちゃんのもかいてください
おねがいします
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
Badなんてなかった