フレンダ「し、死にたくない……」QB「それが君の願いだね?」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
最近アイテムSS減りすぎ
フレンダは逃げ疲れていた。
壁に背を持たれて座り込み、息を荒く吐き出しているだけ。もう何もできなかった。
足はもう動かない。逃げて逃げて、逃げ続けて、もう心臓も足も、壊れそうなくらい疲労している。
どこかで爆音が響く。あのレベル5の、絶対的な力が脳裏を過ぎる。
そして、その力は、今は自分を殺すために向けられているのだとわかって、さらに体が震える。
怖い。怖ろしい。殺される。
フレンダ「嫌だ……嫌だ……死にたくない……」
絞り出すように、誰へとなんて意識せずに懇願する。また、爆音が響いた。
フレンダ「誰か……助けて……」
助けになんて、誰も来るはずがない。わかってる。でも、言わずにはいられない。爆音が響いた。
フレンダ「助けて……助けて……」
ただただ、壊れたレコードのように、同じ言葉を繰り返す。意味なんてないのはわかってた。
「呼んだかい?」
すると、その場に似合わない、明るい声が横から答えた。
フレンダ「ひっ……」
驚いたフレンダは横に転がるようにして、後ずさる。だが、すぐにそれは、フレンダの恐れてるモノではないとわかった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:20:23.34 ID:QOQonBMNO
誰だよそのオリキャラ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:21:05.75 ID:Faa9+hBp0
QB「残念だけど君の願いはエンドロピーを凌駕しなかった。君の願いは文字通り無理な願だよ」
フレンダ「」
「酷いなあ、これでも愛らしい姿をしていると自負しているんだけど」
それは白かった。真っ赤な目をした、ウサギのような、猫のような、少なくとも、フレンダの見たことのない生物であることは確かだった。
フレンダ「誰……?」
恐る恐る、聞いてみる。人語を話してるせいか、思わず、何、ではなく、誰と聞いてしまった。
QB「僕はキュゥべえ! 君のような素質のある女の子を探していたんだ」
果たして、それは正解だったらしい。それは、キュゥべえは確かに日本語で返答してきた。
フレンダ「素質……?」
QB「そう、素質。魔法少女の素質さ。僕は君たちと契約して魔法少女になってもらいたくて、ずっと素質のある女の子を探してるんだ」
QB「もちろん、ただで、とは言わないよ? 魔法少女になってくれたら、なんでも願いを一つ、叶えることができるのさ」
フレンダ「何でも……?」
思わず、フレンダは復唱した。その言葉は、酷く魅力的だった。
QB「そう、なんでもさ。大抵のことは可能だよ」
「フゥゥゥゥレェェェンンンダァァァァ? どぉーこに隠れちゃったのかにゃー?」
フレンダ「ひぃっ!」
その時、地獄の底から響くような、悪意と殺意と恐怖を練り固めたような声が響いた。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:22:32.77 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「し、死にたくない……」
反射的に、声が出る。
QB「それが君の願いだね?」
それに、キュゥべえが答えた。
フレンダ「死にたくない……死にたくない! 魔法少女でもなんでもいい、私は死にたくないっ!」
欲望を、感情を、願望を、フレンダは無表情のキュゥべえに向けて一気に吐き出す。
突拍子もない話なのに、信じたかった。もう藁にも縋る気持ちだった。
QB「よし、契約成立だ」
その気持ちにキュゥべえは快活に答えた。
キュゥべえの耳の辺りから伸びる触手のような器官が、フレンダの胸元へ伸びる。
すると、フレンダの胸元から光が溢れ、そこに球体が形成されようと――
フレンダ「えっ?」
その瞬間、真っ白の閃光がフレンダの視界を焼き尽くした。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:23:59.06 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「きゅ、キュゥべえ!?」
キュゥべえと名乗る最後の希望がその激しすぎる光に飲み込まれたという事実を遅れて認識し、遅れて慌てる。
だが、どこを見渡しても、キュゥべえの姿はない。
当然だ。あの光、粒子でも波形でもない曖昧な電子の奔流に飲み込まれて生きてるわけがない。跡形が残ってるわけがない。
見れば、フレンダが背中を預けていた壁、ビルに大きな穴が空いていた。つまり、ビルごと貫通した光が、キュゥべえを焼き尽くしたということになる。
こんなことができるのは、当然、一人しかいない。
「見ぃーつけた」
その一人が、白い光を纏った悪魔が、穴から顔を出した。
「ったく、手間かけさせやがって。さっさと殺されてろっての」
フレンダ「え……あ……」
もう逃げられない。腰が抜けて、立ち上がることすらできない。必死に、手だけで這って逃げようとするが、一歩で追いつかれた。
「でも、この私からここまで逃げたってことは評価してやろうかしらね。よし、提案。その小憎たらしい顔と、フレンダご自慢の脚線美の、どっちを吹き飛ばしてほしいか、選ばせてあげる」
悪魔がにこりと笑う。フレンダはそれだけで限界だった。
8 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/07/18(月) 19:25:35.50 ID:drg8u3fs0
ほ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:25:44.12 ID:dHe1WQqE0
「あーん? なんだなんだ、フレンダったら濡れ濡れじゃない。それじゃ決定ね。
そのビッチな下半身に『原子崩し』をプレゼントだ」
悪魔が手をかざす。意思一つで軍隊に匹敵する力を持った手をかざす。
フレンダ「ゆ、許して……」
「は……? アハハハハハハハハ!」
フレンダ「む、麦野……?」
突然笑い出した、仲間に、フレンダは少し安堵を覚えた。なんだかんだで、仲間なのだ。きっと、精一杯謝れば以前みたいに……
麦野「絶対に、許さない」
そんな淡い希望は一瞬で打ち砕かれた。
フレンダの記憶は、そこまでだった。
全力支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:27:23.57 ID:h6MsiGct0
爪弾くは荒ぶる調べ、キュアメルト!
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:28:23.41 ID:dHe1WQqE0
――
フレンダ「……あれ?」
フレンダが目を覚ますと、そこは天井があった。つまり、屋内だった。
フレンダ「ここは……」
辺りを見渡す。現状確認をすると、自分はベッドに寝かされていたようだった。
真っ白なシーツに真っ白なベッド。そして、真っ白なカーテン。病院のようだった。
フレンダ「あれ……私ってば、どうしたんだっけ……」
記憶を掘り返す。フレンダは、垣根帝督に追い詰められて保身のために、仲間の、『アイテム』の情報を売った。
その場は逃がしてもらったのはよかったが、それが『アイテム』のリーダー、麦野にバレて、粛正を受けるところを逃げて。
そして、殺されたはずだった。
しかし、フレンダは、生きてる実感があった。
フレンダ「まさかここが天国ってわけ……?」
「いや、ここは僕の戦場であり、休息所だよ?」
ふと、呟くと、どこからともなく、答えが返ってきた。
「おはよう、気がついたようだね?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:29:30.50 ID:dHe1WQqE0
それは、医者だった。初老の男性で、白衣を着てるのだから、やはり医者だろう。
フレンダ「ゲコ太……」
思わず口走ってしまうくらいの、強烈な印象は、それだった。カエルのような顔をした医者だった。
「ん?」
フレンダ「な、なんでもないわけよ」
しかも聞こえていたらしい。失礼そうなので、フレンダは慌てて取り繕った。
「そうかい? しかし、驚いたよ? 君は腰から下がまるまる無くなっていたというのに、肉体的に生きてたんだ。しかも徐々に再生していってね?
君は『肉体再生』の能力者か何かかい?」
フレンダ「えっ……」
そんなはずはない。フレンダは、正真正銘の、正常の人間のはずだった。
「お陰で処置は簡単だったよ? ほとんど手を加える必要もなかったね?」
「それでも、体は回復しても、精神的なダメージが深刻なようでね……この一ヶ月、眠り続けていたんだよ?
まあ、あれでも生きてたってことは、下半身を生きたまま焼かれたということになるから当然だろうけどね?」
フレンダ「ひぅ……」
記憶が呼び覚まされる。あの電子に焼かれる悪夢のような記憶が。
「ああ、すまないね、辛いことを思い出させてしまったね?
でも大丈夫、目を覚ましたのなら、もう検査だけで、退院できると思うよ?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:30:14.78 ID:B40sT/C00
フレンダも能力者だろうし魔法は……なんでもない
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:30:48.10 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「生きてる……んだよね」
右手を見つめて、握って、開いて、握って。
結局、検査が終わった後、フレンダは退院した。今はとりあえず昼食を取ろうと、ファーストフード店に来ていたところだ。
学園都市はどうも慌ただしい。店内の会話に耳を傾ければ、何やら第三次世界大戦が終わったとかなんとか、そんな話を誰もがしていた。
どうやら眠っていた一ヶ月の間に色んなことがあったらしい。情報を入手する手段を持たないフレンダには、まるで異郷の地へと放り出されたような感覚だった。
護身のために一応武器は調達したが、暗部の方には連絡する気はない。生きてると麦野に知られれば、また粛正されようとするのは目に見えている。
フレンダ「はぁ……結局、これからどうすればいいってわけよ」
QB「魔法少女として戦うしかないんじゃないかな」
溜息を吐きながらフライドポテトを食べていると、不意に声を掛けられた。
QB「やぁフレンダ、目が覚めたんだね」
フレンダ「きゅ、キュゥべえ! 生きてたんだ!」
見ると、テーブルの上に、フレンダに取引を持ちかけた、あの白い生物キュゥべえがいるではないか。
フレンダにとって、これは僥倖だった。仲間も、知り合いからも断絶されたフレンダの、唯一の顔見知りとも言える相手だったからだ。
QB「く、苦しいよフレンダ」
フレンダ「あ、ごめん」
感激のあまり、思わずキュゥべえを抱きしめていたフレンダだったが、言われて解放する。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:30:57.48 ID:Q2KYwGhd0
固有能力はオールレンジ攻撃システムか
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:31:41.39 ID:dHe1WQqE0
QB「ふぅ、わけがわからないよ」
解放されたキュゥべえは毛繕いをするように前足で自分の顔を撫でる。
フレンダ「それで……結局、魔法少女ってどういうわけなのよ?」
QB「あの時は切羽詰まっていたみたいだからね、説明は省略したけども……君は生き残りたいと願って、その願いは叶った。その代償として君は魔法少女として魔女と戦う義務が課せられたんだ」
フレンダ「ちょ、ちょっと待って。願いってなんだったわけよ、魔女ってなによ」
QB「君は生き残りたいと願ったのだろう? だから本来は死ぬはずのあの怪我でも、生き残ることができたんだ。つまり、願いが叶ったってことだね」
QB「魔女は、人に呪いと災いをもたらす存在さ。そして、魔法少女が退治するべき敵でもある」
フレンダ「そんなファンタジックな……」
信じられない、そんなような口調で呟いて、フレンダはストローを咥える。
フレンダ「いや、私が今ここで生きてること自体がファンタジックか……」
しかし、すぐに思い直す。そう、思い返せば、あの状況から生き残れるわけがないのだ。
フレンダ「魔法、か……この科学の街でそんなものがあるなんてね」
QB「わかってもらえたなら助かるよ」
キュゥべえは毛繕いが終わったらしい。ポテトを勝手に食べ始めていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:32:37.99 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「それで、結局魔女と戦うってどうすればいいわけ?」
ファーストフード店で食事を終えた一人と一匹は、秋空の街を歩く。
QB「基本的に、ソウルジェムを使って探すって方針かな?」
フレンダ「ソウルジェム?」
QB「ほら、君の左手についてる指輪があるだろう?」
フレンダ「いつの間に……」
言われて気がついたが、よく見れば左手の中指にいつの間にか身に覚えのない指輪が嵌められていた。
QB「そこからソウルジェムを出すんだ。感覚としてわかってるはずだよ」
フレンダ「むむむ……こうかな?」
フレンダが軽く念じると、左手の中に何かが生まれた。
それは、卵のような形をした宝石らしきもの中心に埋め込まれ、その周囲を骨組みで囲われ、下を台座で支えられ、頂きにアクセントを添えられた外見をしていた。
宝石のように見える部分は仄かに黄色の光を放っている。
QB「それがソウルジェムさ」
フレンダ「へぇ……綺麗ね」
QB「大事にしておくれよ? それは君たちの分身と言っても過言じゃないくらい大切なものだからね」
すげえ読みづらい
文才ない奴が無理して地の文入れるとこうなる
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:34:08.05 ID:dHe1WQqE0
QB「さあ次はそれの光に注目するんだ」
QB「ほら、歩く度に光が強くなっているのがわかるだろう? ちょうどこの先に魔女がいるみたいだ。
魔女のような、魔力の強い存在がいると、それに反応してソウルジェムが光るのさ」
QB「基本的に、それを目印にして魔女を捜し出し、退治するっていうのが方針かな?」
フレンダ「……なんか、意外と地味」
QB「現実というのは往々にしてそんなものだよ、フレンダ」
フレンダ「魔法なんて言ってる時点で現実も糞もないと思うんだけどなあ」
QB「魔法も、魔術も、現実には確固として存在するものだよ」
フレンダ「まあ、だから結局私も生きてるってわけなんだけどね」
ふと、フレンダが立ち止まる。
QB「どうしたんだい?」
フレンダ「私ってば、本当は死んでたわけよね?」
QB「そうだね。あそこで僕と契約しなければ君は間違いなく、肉体的な死を迎えていただろうね」
フレンダ「つまり、これは私の第二の人生というわけね」
QB「うーん、ずっと生きてるから第一も第二もないと思うのだけど、君たちがそう思うならそうなんだろうね。君たち人間の考えることはよくわからないや」
フレンダ「……よし、決めた!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:35:50.82 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「人に災いと呪いをもたらす魔女? そんなブッソーなもんはこのフレンダちゃんがぶっ倒してやるってわけよ!」
フレンダ「暗部で働いてたのも今は昔! 心を入れ替えて、正義の魔法少女として頑張っちゃうわけよ!」
フレンダ「誰もが小さい頃から憧れる魔法少女……それが私ならやらない理由はないっしょ!」
おー、とフレンダはソウルジェムを握った右手を強く天に突き出す。
QB「……一応補足しておくけど、僕は普通の人には見えないから、今のフレンダはとても奇妙な人として注目されてるんじゃないかな?」
フレンダ「えっ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:37:11.11 ID:dHe1WQqE0
――
フレンダ「ここが魔女の根城ってわけね……」
スキルアウトが闊歩していそうな、裏路地を進むこと十数分、フレンダは一際ソウルジェムが反応する場所に辿り着いた。
そこは人気のない倉庫だった。窓は割れて荒れ放題、壁には恐らくスキルアウトがしたであろう落書きで満載。
明らかに使われていない、廃倉庫のようであった。
フレンダ「さて、突入と」
QB「その前に変身しておいた方がいいんじゃないかな?」
フレンダ「へ、変身?」
QB「魔法少女としての戦闘モードに切り替えることだよ。そのまま戦うのは些か面倒だからね」
フレンダ「変身まであるなんて……いよいよ魔法少女ってわけね……!」
フレンダがソウルジェムを握って、変身後の自分をイメージする。誰に教えられたわけでもないが、変身の方法はなぜか理解していた。
フレンダ「おおっ! 本当に変身できた!」
変身した自分の全身を確認して、興奮するフレンダ。
フレンダ「すごいすごい! 本当に魔法少女ってわけよ!」
QB「喜ぶのはいいけど、まずは魔女退治が先決じゃないかな?」
フレンダ「わかってるってわけよ。それじゃ、とつにゅー!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:37:13.54 ID:k9F+BV1h0
僕の絹旗ちゃんは出ますか?
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:38:16.15 ID:dHe1WQqE0
倉庫へ入ると、そこは異世界のような空間が広がっていた。
倉庫に入ったはずなのに、そこは倉庫ではまるでなく、奥に扉の鎮座する、子供の部屋のよう。
そして中空を舞う人形、人形。そして人形。しかもそれらはだまし絵のような形をして、現実では絶対にあり得ない形をしていた。
フレンダが入ったことに人形たちは気付く。動かないはずの顔が動き、全員が全員、笑ったような顔になる。
フレンダ「うぇっ……なんだこれ」
あまりの壮絶な非現実感に、フレンダは苦い顔をした。
QB「これは使い魔だね。魔女の手下さ。本体の魔女はこの奥にいるんじゃないかな」
フレンダ「そういう意味じゃないんだけどね……よっしゃ、じゃあいっそやりますか!」
QB「じゃあまずは魔法少女としての武器を――」
キュゥべえの言葉を最後まで聞かずに、フレンダは使い魔の群れへと突っ込む。
QB「ああ、もう」
説明を聞かずに飛び出したフレンダに、キュゥべえは溜息を吐いた。
当然だ。さすがに魔法少女として身体能力は強化されていても、それだけでは魔法少女になったばかりの少女が使い魔には勝てるわけがなかったのだ。
だが、キュゥべえの予想は外れる。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:38:36.54 ID:dHe1WQqE0
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:39:34.88 ID:BiGbjSHa0
俺の一方さんは出ますよね
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:39:54.67 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「ひゃっほう!」
銃声が何発も響き、人形たちの体が砕かれていく。
フレンダの両手には拳銃が握られていた。そこから吐き出される銃弾は寸分違わず、全て人形に命中している。
とても人間業ではなかった。
フレンダ「体軽っ! これが魔法少女パワーってわけ!? すごい!」
銃の反動など、存在しないように玩具の人形を撃ち抜くその銃こそ、玩具のように見えるほど。
弾倉が空になると、フレンダはマガジンを捨て、服の中からさらにマガジンを取り出し、弾を補充する。
さらに撃ち抜かれること数体、小さな人形では歯が立たないことを使い魔たちが理解したのか、十数体の人形が一つに集まる。
するとそれらはまるで粘土のように混ざり合い、一つの巨大な人形へと変貌する。
しかしフレンダは焦ることはない。銃を躊躇いもなく捨て、服の中から、手品のように新たな武器を取り出す。小型ミサイルだ。
発射されたそれは巨大な人形という巨大な的に見事、命中し、爆発。
二分も掛からない内に、夥しい量の人形たちは全て撃墜され、跡形もなく消え去っていた。
QB「僕の話をもう少しゆっくり聞いてくれると嬉しいんだけどな」
フレンダ「結局、使い慣れた武器が一番ってわけよ」
フレンダ「さてと、次行くわけよ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:40:20.56 ID:iKgqesII0
モアイとかイースター島に篭ってろよwww
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:40:50.96 ID:dHe1WQqE0
その後もフレンダの快進撃は続いた。
扉を開けると同じような子供部屋がその奥に続いており、さらに人形が同じように存在する。
しかしフレンダの相手にはならなかった。
その人形たち、つまりは使い魔たちは全て近代兵器の前にひれ伏し、誰もフレンダを止めることはできなかった。
かと、思われた。
フレンダ「はぁはぁ……どこまで続いてるわけよこれ……」
もうどれだけ進んだだろうか。どんなに進んでも、一向に目的の魔女にはたどり着けない。
フレンダの装備はもちろん有限で、もう拳銃のマガジン一つしか残っていなかった。
フレンダ「やばっ……弾切れ……」
そして、それも尽きる。
人形が、三日月のように裂けた口を大きく開けて、武器の尽きたフレンダを食らわんと肉薄する。
それに反応してフレンダは靴の踵からナイフを出す。そのまま踵落としを食らわせ、人形は沈黙。塵になる。
QB「フレンダ!」
その時、キュゥべえが叫んだ。
見上げるとそこには、天井に蜘蛛の巣を張り、その中央に座した巨大な蜘蛛の怪物のようなモノがいた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:42:06.22 ID:dHe1WQqE0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:43:00.80 ID:Obnly9EG0
最愛なんて名前なのに捨て子
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:43:08.01 ID:dHe1WQqE0
QB「あれが魔女だ!」
フレンダ「くっ……!」
キュゥべえが二言目を叫ぶと同時に、その蜘蛛は極太の糸を吐き出す。間一髪、フレンダはそれを避ける。
フレンダ「なるほどね、獲物が弱るのを待ってたってわけ……!」
二撃目、三撃目と続いて、極太の糸が吐き出される。フレンダは必死に避ける。
だが、すぐにフレンダは気がついた。避けて避けて、避ける先には子供部屋の角があることに。
つまり、誘導されていたのだ。
そしてそれに気がついて、気がついたからこそ、動揺し、反応が遅れる。
今度の糸は、避けられなかった。
フレンダ「あうっ!」
その糸はやはりというか、粘着性を持っているらしく、思わず左腕で防いだはいいが、そのまま一本釣りのように引っ張られる。
フレンダ(結局、私はこうなる運命ってわけ……!?)
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:44:30.21 ID:dHe1WQqE0
その時、フレンダの脳裏にキュゥべえの言葉が過ぎる。
フレンダ「そうだ、武器、武器!」
思い出して、イメージ。右手に何かが生まれた感触があった。
見ると、それはナイフだ。しかもただのナイフではなく、サバイバルナイフだ。
フレンダ「なるほど、生き残るだけにサバイバルナイフねー、ってこれでどうやって戦えっていうわけよー!」
そんなことをしてる間にも、さらに引っ張られる。物理的に考えれば、フレンダの体重からすればもう体が浮き始めているほどの力だったが、魔法パワーか、フレンダはまだ踏ん張ることができた。
フレンダ「こなくそっ!」
とりあえず、この糸を切らなければ状況は変わらない。
手にしたサバイバルナイフを思い切り糸に振り下ろすと、ブチブチという、まるで血管を人間の筋をまとめて切り裂くような、気持ち悪い手応えがあった。
糸は綺麗に切れたらしく、フレンダは自由を取り戻す。
フレンダ「切れ味はいいみたいだけど……こんなのじゃ攻撃できないってわけうわっと」
再び、糸による攻撃。今度は避ける。
フレンダ「……いや、もしかして」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:45:18.42 ID:Di96ILnz0
あれ?
僕のむぎのんの出番もう終わり?
セリフの前に名前いれるんじゃねえよ
でなければ地の文はいらない
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:45:29.82 ID:iKgqesII0
最愛とかwwwろくに愛されてないのにさいあいwww
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:45:55.84 ID:dHe1WQqE0
ふと、フレンダは思いついたように、意識を集中させる。そしてイメージする。
思い描くのは、大量の、ナイフ。
手応えは、確かにあった。
見れば両手にナイフが四本ずつ、計八本、指の間に出現していた。
フレンダ「なるほど、こういう使い方ってわけね!」
合点がいったように、フレンダはそれを投げる。
勢いは、人間のものではなかった。魔法によって強化された筋肉が、強力な投擲を可能にしていた。
ナイフは全て蜘蛛の魔女に命中した。蜘蛛の魔女がつんざくような悲鳴をあげる。
フレンダ「まだまだ、終わらないってわけよ!」
フレンダは構わず、ナイフをさらに手中に出現させると投げる。そしてさらに投げる。
目にも止まらぬスピードで大量のナイフを投げ続け、まるで機関銃のような威力を発揮した。
ほどなくして、魔女の体は崩壊する。異世界のような空間だった倉庫が、元の廃倉庫の景色へと戻る。
黒い何かが地面に落ち、コーンという、小気味の良い音を立てた。
フレンダ「た、倒した……?」
QB「危なかったね、冷や冷やしたよ」
フレンダ「ま、天才美少女魔法戦士フレンダちゃんにかかればこんなもんよ」
QB「魔法戦士じゃなくて魔法少女だけどね」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:46:53.18 ID:dHe1WQqE0
――
シャクシャクと、気味の良い音がする。林檎を囓る音だ。
QB「まさか君が来てくれるとはね。学園都市と言うだけで、ほとんどの魔法少女は近寄ろうとしないのに」
少女が、キュゥべえの隣で林檎を囓っていた。もう片手には、袋に一杯の林檎が詰め込まれている。
「当然じゃん? グリーフシードがたんまり手に入るって聞いて、来ないわけないっしょ」
その少女は芯だけ残すと、その芯をポイと投げ捨て、袋から新たに林檎を取り出す。
「ま、それに学園都市にはちょっと野暮用があるしね……」
言いながら、少女は手元にある林檎へと視線を落とした。
QB「野暮用?」
「アンタには関係ないことさ。
――食うかい?」
そう言って、少女はキュゥべえに林檎を差し出す。
QB「一つだけいただくよ、佐倉杏子」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:49:07.79 ID:dHe1WQqE0
書き溜め尽きた
ここから普通に書く
>>36 台詞の前に名前入れない方がいい?
こっちの方がとっつきやすそうだと思ったけど・・・
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:49:54.18 ID:k9F+BV1h0
あんこちゃんきたー!
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:54:56.85 ID:CLkBK6SZ0
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:55:58.31 ID:dHe1WQqE0
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:56:55.78 ID:dHe1WQqE0
――
フレンダ「これで、とどめ!」
フレンダがナイフを投げる。するとそれは足の付いた蛇のようなモノ、魔女に直撃。
魔女はほどなくして姿を維持できなくなり、崩壊した。
フレンダ「ふぅ……」
結界も崩壊し、通常の風景、病院に戻ってフレンダは安堵の息を吐く。
QB「大分手慣れてきたね。あのクラスの魔女も簡単に倒せるなんて、凄い成長スピードだよ」
どこからともなく現れたキュゥべえがフレンダの肩に乗る。
フレンダ「何をっ! 私は最初から強いってわけよ」
QB「最初は危なっかしくて見てられなかったけどね」
フレンダ「結局、最初は慣れてなかっただけってわけよ」
QB「だからそう言ってるじゃないか」
フレンダ「むぅ……」
言い返せなくなって、フレンダは視線を落とす。
すると、ソウルジェムが反応を示していることに気がついた。
QB「どうやら、また魔女が出現したようだね」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 19:59:44.08 ID:sk9KvEzT0
今日の夢俺が魔法少女になる夢だった…
正直楽しかった…
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:02:10.07 ID:dHe1WQqE0
QB「これは、割と遠いね」
すたっと地面に降りて、ソウルジェムの点滅を見上げて、キュゥべえが言う。
フレンダ「でも、魔女がいるなら行くしかないってわけよ。それが私の使命っ!」
QB「いや多分、そっちの方面は大じょ……ああ、行っちゃった」
すぐさま魔法少女に変身したフレンダは、強化された身体能力でキュゥべえの言葉を聞かずに飛び出していく。
キュゥべえは軽く溜息を吐くと、ゆっくりと、そのフレンダの後を追っていった。
「あれは……フレンダなのか……?」
それを、物陰から見ている人間がいたことには、二人とも、気がつかなかった。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:05:58.84 ID:3MAK0b930
公開オナニーなら許されるが
この手の悪質な公害オナニーは許されない
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:07:57.13 ID:dHe1WQqE0
杏子「鬱陶しい!」
佐倉杏子が槍を大きく振るう。すると蛾のように杏子の周りに集まっていた蝶の姿をした使い魔が蜘蛛の子を散らすように、散開した。
魔女は目前。繭に籠もった姿をした魔女で、どうやらあれが本体らしい。
近づくと先ほどの蝶の使い魔が大量に押し寄せて、近づけない。
杏子の武器は槍であるため、戦いづらいことこの上ない。
恐らく、魔女側も、それを見抜いてこその作戦なのだろう。
杏子「だけど、甘いんだよな」
にやりと杏子は笑う。
槍を握る手に力を籠める。
イメージする、槍の変形する姿を。多節棍としての槍を。
そして、それを振るおうと、その時になって、
フレンダ「せいやっ!」
数えるのも億劫なほどの大量のナイフが繭の魔女に降り注いだ。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:16:22.13 ID:dHe1WQqE0
杏子「……は?」
魔女は悲鳴をあげる暇すらなく、崩壊する。結界も次いで崩壊する。
フレンダ「いやー、私ってばやっぱり才能あるじゃないかな。大丈夫?」
呑気な声と共に、闖入者が姿を現した。フレンダだ。
杏子「何しやがんだおい」
剣呑な空気を漂わせて、睨み、杏子は言う。
フレンダ「えっ……なんかちょうどいい位置にいたからやっちゃおうかなっと」
怒られたのが意外な風にフレンダは答えた。
杏子「そういうことじゃねえよ。あたしが戦ってるのが見えなかったのか?」
カシャリと、杏子は槍を持ち上げて、穂先をフレンダへと突き付ける。
フレンダ「そ、そんなに怒らなくてもっ……どうせ魔女を倒すならお互い倒せる時に倒した方がいいってわけよ。
それで助かる人は変わらないんだからさ」
慌てて、フレンダは弁解する。
しえ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:26:17.19 ID:dHe1WQqE0
杏子「何を寝ぼけたことを言ってやがる。
……いや、なるほど。あんた新人か」
杏子の声が若干、穏やかになるのをフレンダは感じた。
フレンダ「新人は新人でも、期待の天才新人ってわけよ」
空気が落ち着いたところで、ふふんと自慢げにない胸を反らすフレンダ。
杏子「何か勘違いしてるようだけどな……」
呆れた風に言いながら、杏子は槍を下ろす。
杏子「魔法少女ってのは慈善事業じゃあないんだ。生きるために必要なグリーフシードを集めるために戦ってるに過ぎないんだよ。
そこで、実力もないくせに変なお節介なんて焼いてると後悔するのはあんただよ」
フレンダ「何をぅ……」
杏子「人助けのために魔女を倒す? 努力目標としては結構結構。だけどな、そんな甘ったれた気持ちで、子供の夢物語みたいなことやってたら――
いつか死ぬぞ?」
杏子「食物連鎖って知ってるか? 学校で、小学生でも習う簡単な自然の摂理さ。
弱い人間を魔女が、使い魔が食う。成長した使い魔や、魔女を食べて、あたしたちがいる。ただそれだけのことさ」
52 :
忍法帖【Lv=30,xxxPT】 :2011/07/18(月) 20:28:46.02 ID:LyL4pwwy0
四円
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:31:28.01 ID:w6/oBW7Y0
あんこちゃんかわいい
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:31:57.08 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「まさか……アンタ、グリーフシードのためだけに戦って、グリーフシードのためにならないことはするなって言いたいわけ?
例えば、使い魔に人が襲われても、見殺しにするとか、そういうわけ?」
杏子「理解が早いじゃないか。当然っしょ。誰でも得にならないことはしないしない」
フレンダ「……どうやら私とアンタは気が合わないみたいね」
フレンダの手の中で、金属音がした。ナイフを生み出す音だ。
杏子「お、やるってのかい?」
それに敏感に反応した杏子が再び穂先を上げる。
フレンダはそれを鋭く睨むと、即座に行動できるよう、重心を落とした。
杏子「やるってんなら、いいぜ。
――その代わし、あたしは強いよ?」
杏子も両手で槍を握り、臨戦態勢を整える。
フレンダ「上等!」
答えと共に、フレンダは手の中に生まれたナイフを投げつけた。
QB「ああもう、困ったな……」
その二人を眺めていたキュゥべえが、独りごちる。
QB「こんなことをしてる場合じゃないってのに……仕方ない、彼女を呼んでこよう」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:39:35.64 ID:dHe1WQqE0
フレンダが投げつけたナイフが目視するのが難しいほどの速度で杏子に迫る。
これに対し杏子は正確に、かつ迅速に、全てのナイフを難なく槍で叩き落とす。
さらに間を開けずに、矢のような速度でフレンダに接近。槍を思い切り叩き付ける。
ゴバッという凄まじい音が響いた。
しかし、手応えはなかった。
杏子「避けたか」
まるで爆撃があったかのように大穴が空いたコンクリートにフレンダの姿はなかった。
自分の威力を誇ることもなく、即座に杏子は槍を振るいながら、半回転。
ナイフが、背後に迫っていたが、全て叩き落とされる。
フレンダ「うへっ……背中に目でもついてんの!?」
見ればフレンダは壁にナイフを突き刺し、足場にしながら高い位置に立っていた。
杏子「新人がやろうとすることくらいわかってるさ」
杏子はその場で槍を振るう。同時に、槍はただの槍から多節棍へと変化し、フレンダの位置まで伸びた。
フレンダ「げっ!」
慌てて飛んで、フレンダは避ける。
壁は大きく抉れ、コンクリート片が辺りに撒き散らされた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:43:25.62 ID:B40sT/C00
いつフレ/ンダになるのか楽しみだ
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:49:14.37 ID:dHe1WQqE0
杏子「新人は、魔法少女になる前の感覚が残ってるんだよな。
だから、攻撃も、一般人に有効なものばかりやりたがる」
空中に逃げたフレンダを目で追いながら、杏子は言う。
フレンダ「食らえっ!」
そんな余裕綽々の杏子にフレンダはナイフを投げつけるが、やはりそれは軽々と弾かれる。
杏子「ダメなんだよ、それじゃ。魔法少女相手に、そんな常識的な戦い方をしちゃダメだ」
杏子が獲物を狙うような目で、フレンダを睨み付ける。
フレンダはぎょっとして、さらにナイフを投げつけるが、やはり弾かれる。
杏子「そして、急に超人的な身体能力を手に入れたから、新人はそうやってすぐに空を飛びたがる」
再び、杏子は両手で槍を握る。
杏子「煙となんとやらは高いところが好きってな。空中は逃げ場がないってのは、バトル漫画の定石っしょ」
そうして、多節棍となり、伸びた槍がフレンダに叩き付けられた。
当然、杏子の言う通り、フレンダに避ける術はなかった。
フレンダもただ受けるだけではない。かろうじて、ナイフを両手に生み出し、それを盾にすることはできた。
だが、もちろん、空中で踏ん張りが効くはずもない。
鈍い音が響いて、フレンダはコンクリートの地面に激しく叩き付けられた。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 20:57:32.71 ID:dHe1WQqE0
杏子「ま、こんなもんか」
ふぅ、と軽く息を吐いて、杏子は槍を背負う。
だがすぐに杏子は軽く首を傾ける。杏子の顔があった場所をナイフが勢いよく通り抜けた。
杏子「おっかしいな、今のが直撃してたら全治半年は堅いはずだったのに」
見れば、フレンダはまだ健在だった。
両足でしっかり地面を掴み、両手にナイフを持って直立していた。
杏子「回復系の魔法か、面倒だ」
杏子はそれを見て笑う。
フレンダ「終わったと勘違いするのは、まだ早いってわけよ!」
言葉と同時、フレンダは大量のナイフを投げつける。
数えるのは到底間に合わない。機関銃のようなナイフの連射だった。
杏子「今度は数ってか!」
だが、杏子が多節棍モードの槍を大きく振るうと、それらは全て叩き落とされる。
どんなに投げても、結局、杏子に一本も届かないどころか、傷一つ付けられなかった。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:02:50.58 ID:9T41CLlgO
C
フレ/ンダが弾切れしてなかったらあんこ瞬殺だよな
手榴弾ごときで拘束解いて逃げるぐらいなわけだし
運のいい奴だ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:06:43.79 ID:dHe1WQqE0
フレンダは、それに一切動揺しなかった。
それどころか、それを確認するより早く、フレンダは駆け出す。
杏子の速度には及ばないが、それでもフレンダの速度は常人を遥かに超えていた。
杏子「何っ!」
杏子が槍を戻すより早く、フレンダは杏子の懐へと潜り込み、ナイフで直接切りつける。
かろうじて杏子は槍の柄で受け止めた。
フレンダ「ふふん、リーチの差は重々理解してるってわけよ。だから、懐に入っちゃえば、槍よりナイフの方が有利!」
フレンダはナイフに力を籠め、杏子は槍に力を籠める。ギリギリと、小競り合いとなる。
杏子「回復系の魔法と言っても、あれだけのダメージを受けた直後に、こんな素早い反応はできないはず……!?」
初めて、杏子の表情が焦りへと変貌する。
その様子ににやりと、フレンダは笑った。
フレンダ「結局、詰めが甘いってわけよ!」
受け止められたナイフとは別に、もう片手にナイフを生み出し、フレンダは切りかかる。
金髪魔法少女とかマミさんと被(ry
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:15:01.24 ID:dHe1WQqE0
杏子「――なんて言うと思ったか?」
フレンダ「えっ」
ナイフを振り下ろしたはずのフレンダは、手応えがなくなったのを感じた。
いや、手応えがなくなったのではない。
手が、肩から先が、丸々なくなっていた。
杏子「こっちだって武器くらいいくらでも作れるっての。そして、こいつは伸縮自在だ」
杏子の手には、もう一本、槍が握られていた。
柄が片手で持てるくらいの、最早槍というより、短剣に近いような槍だった。
それで、腕を切り落とされたと、フレンダは遅れて認識する。
杏子「あんたこそ、甘かったな」
その事実に動揺するフレンダ。その隙をついて、もう片手も切り飛ばされる。
フレンダ「あぐっ!」
さらに追撃。杏子はフレンダの文字通りがら空きとなった脇腹を回し蹴りで思い切り蹴飛ばした。
フレンダは吹き飛ばされ、ノーバウンドで壁に叩き付けられた。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:16:00.34 ID:5AK2b8Jq0
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
フ/レン/ダになったのか
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:20:43.75 ID:PTeZZ4ht0
ノーバウンド来た
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:22:48.01 ID:h6MsiGct0
ノーバウンドいただきました
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:24:13.37 ID:dHe1WQqE0
その様子を見て、今度こそ杏子は終わった、と判断した。
杏子「安心しな。魔法少女ならゆっくりと治していけばその腕はくっつくさ。回復系のあんたなら尚更ね」
もう用はないと言わんばかりに、フレンダに背を向けて、立ち去ろうとする。
フレンダ「いいや、結局甘いのはそっちってわけよ」
だが、後ろからまだ声を投げかけられる。
杏子「はぁ……? いい加減に諦め――」
呆れたように溜息を吐き、振り向く杏子。
そして、フレンダの様子を見て、杏子は言葉を失った。
それはマラカスのような形をしていた。金属の棒に、先端に楕円形のものがくっついていた。
もちろん、そんな玩具などではないことは杏子でもすぐにわかった。
携帯型対戦車用ミサイルだった。
杏子「はぁっ!?」
杏子は今度こそ、本当に焦った顔をした。
それでも、もう遅かった。しゅぽっという気の抜けた音と共に、先端のミサイルは発射される。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:29:13.39 ID:dHe1WQqE0
>>69訂正
その様子を見て、今度こそ杏子は終わった、と判断した。
杏子「安心しな。魔法少女ならゆっくりと治していけばその腕はくっつくさ。回復系のあんたなら尚更ね」
もう用はないと言わんばかりに、フレンダに背を向けて、立ち去ろうとする。
フレンダ「いいや、結局甘いのはそっちってわけよ」
だが、後ろからまだ声を投げかけられる。
杏子「はぁ……? いい加減に諦め――」
呆れたように溜息を吐き、振り向く杏子。
そして、フレンダの様子を見て、杏子は言葉を失った。
フレンダは健在だった。切り落とされたはずの両腕は、既にくっついていた。
そして、その新しい両腕で何かを持っていた。
それはマラカスのような形をしていた。金属の棒に、先端に楕円形のものがくっついていた。
もちろん、そんな玩具などではないことは杏子でもすぐにわかった。
携帯型対戦車用ミサイルだった。
杏子「はぁっ!?」
杏子は今度こそ、本当に焦った顔をした。
それでも、もう遅かった。しゅぽっという気の抜けた音と共に、先端のミサイルは発射される。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:34:51.19 ID:S6KIOQaFi
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| 支 援 |
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ノム|::| | | |::ト、〉
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|八`゙/ミ ノ⌒ヽW
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72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:36:25.47 ID:dHe1WQqE0
避けても爆風が襲いかかり、防いでも爆風が襲いかかる。直撃なんて以ての外。
打つ手無しだ。
杏子(くそっ……!)
自分の甘さを嘆き、苦し紛れに結界を張ろうとする。
結界を張っても、防ぎきれるかどうかはわからない。それでも、そうする他なかった。
しかし、それは杏子に届くことはなかった。
銃声が響いて、ミサイルは空中で爆発する。
フレンダ・杏子「なっ……」
杏子は驚き、フレンダも予期してなかったのか、一緒に驚いた。
「まったく、佐倉さんは……また喧嘩しているの?」
落ち着いた声が、新たに加わった。
杏子「お前は……」
こつこつと、靴の硬い音が室内で反射する。
「今はそんなことをしてる場合じゃないでしょうに」
杏子「マミ……」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:45:25.63 ID:jHOQ8knB0
支援ぬ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 21:50:00.84 ID:dHe1WQqE0
――
QB「君たちには困ったよ。せっかく戦力を集めたのに仲間同士で戦っちゃ意味がないじゃないか」
ぶすっとした表情の杏子、同じくそっぽを向いてるフレンダ、そしてあきれ顔で紅茶を飲む金髪でドリルな少女、マミ。
ついでにキュゥべえ。
三人と一匹は揃ってファミレスに来ていた。
マミ「こらキュゥべえ。テーブルの上にあがっちゃダメっていつも言ってるでしょ」
そう言ってマミはテーブルの上のキュゥべえを抱え、膝に抱く。
フレンダ「戦力を集める? どういうわけよ」
QB「そういえばまだフレンダには言ってなかったね。この学園都市は、今、極めて異常な状態にあるんだ」
フレンダ「異常?」
QB「そう、異常さ。例えば、そうだね……この三日間、君たちが倒した魔女の数は何体だい?」
フレンダ「いち、にー、さん、よん、ご−、ろく、なな、はち……八体ね」
杏子「七体」
マミ「私は今日来たばかりだから三体よ」
フレンダ「それがどうしたっていうのよ」
QB「杏子、マミ、君たちならわかると思うけど、この街の魔女はいくらなんでも数が多すぎるんだ」
75 :
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2011/07/18(月) 21:57:05.36 ID:E1EbXE2s0
しえん
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:05:06.25 ID:dHe1WQqE0
QB「正直言って、これは自然発生のレベルじゃない。明らかに多すぎる」
フレンダ「確かにこんなに戦い続けてたら体が保たないなー、と思ってたけど、やっぱり多いだ」
マミ「普通、魔女ってのはそうそう毎日見つかるものじゃないわ。それが毎日、しかも一日に数体も出てくるなんて異常すぎる」
フレンダ「どうしてそんなに多いわけよ」
QB「わからない。ただ、僕はこれに人為的な、作為的な意図が絡んでると思ってるよ。だから君たちを呼んだのさ」
フレンダ「でもなんで外部から呼ぶ必要があるの?
学園都市に侵入するのは結構大変だし、学園都市なら少女はたくさんいるからみんな契約させればいいわけじゃない?」
QB「それがそうもいかないんだ。素質がある子は中々いないし、学園都市の少女と契約しても、戦力にならない場合がほとんどなのさ。フレンダは特別だけども」
フレンダ「どういうこと?」
QB「それが僕にもメカニズムはよくわからないんだよね」
杏子「そんなことよりだ、本当に魔女が人為的に増やされてるとして、一体誰が、何のためになんだ?」
シャクシャクと注文したシャーベットを潰しながら杏子が割り込む。
QB「まったく見当が付かないよ。僕の契約した少女の中でも、そんなことをする子の心当たりは今のところないんだよね。
そもそも、目的がわからない。魔女を増やしたって、人間にも、魔法少女にも、百害あって一利無しだろう?
例え魔女の作り方を考案できた魔法少女がいても、自分で魔女を作ってグリーフシードを集めるより、自然発生する魔女を倒した方が効率的だしね」
フレンダ「……学園都市なら、ありえるわよ」
ぽつりと、フレンダが言った。
>>1は渾身のssを書いてるつもりなんだろうけど
総レス数の半分以上が自レスという地点で……ねぇ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:13:16.24 ID:jHOQ8knB0
俺は好きだが
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:14:21.78 ID:WV5Cz46X0
俺も好きだぞ
まぎまど見てないからちょっと苦労してるが
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:14:41.87 ID:1DNz2sjw0
俺も
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:15:57.92 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「魔法、魔女なんて、普通の人間からしたら未知の存在。
学園都市の研究者が見つけたら研究しないわけがないってわけよ」
マミ「でもそんなものを研究して何の意味があるの? 魔女は人に災いをもたらす、邪悪と災害が顕現したような存在よ」
ショートケーキを食べていたマミが言う。
フレンダ「そう、普通に考えて、魔女は害しか生まない。でも、もしそれが敵対する国に発生したら?」
杏子「まさか……学園都市は魔女を兵器として利用しようって言うのか?」
フレンダ「その可能性は大いにあり得るわけよ。だって、証拠は残らない、因果性もわからないなんて、これほどテロにぴったりな兵器はそうそう存在しないわよ」
フレンダ「昔、ロシアの巨大なショッピングセンターで孵化の時間を人工的にコントロールしたベニオオアシグンタイアリっていう人食い蟻を使ったテロ事件もあったわけだしね」
マミ「そんなこと……できるの?」
チョコレートケーキを食べ終えて、苦々しそうになったマミが言った。
QB「不可能だね。グリーフシードの孵化タイミングはそうそうコントロールできるものではないし、そもそも普通の人間は魔女を認知することすらできない。
しかもこれだけの量だ。恐らく、使い魔を成長させたものだと考えるのが妥当だろう。そうしたら、さらにコントロールは困難だ」
フレンダ「この学園都市で不可能なんて、あり得ない。魔法、魔女、そんなオカルトも、きっと学園都市が研究すればすぐに解明できちゃう。
……昔、そういう実験も聞いたことあるしね」
QB「……まったく、人間の考えることはわけがわからないよ。兵器ならもっと効率の良いものがあると思うけどね」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:19:17.93 ID:C7RaOenKO
面白い支援
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:23:43.86 ID:dHe1WQqE0
マミ「ともかく、佐倉さんも、貴方も、喧嘩してる場合じゃないのはわかってもらえたかしら?」
杏子「あたしは別に戦わないってなら、わざわざ戦う気なんかないけどな」
フレンダ「うっ……でも……」
杏子「まあ、その信念を曲げたくないなら強くなればいいさ。そこのマミみたいにな」
マミ「あら、佐倉さんがそんなこと言うなんて珍しいわね」
杏子「うるせー」
マミ「まあまあ、いいじゃない。今はみんな仲良く、ね?」
フレンダ「仲良く、かあ……」
杏子「はぁ……わかってるよ。ただし、仲良くじゃなくて、共同戦線だ」
杏子「自己紹介が遅れたな、あたしは佐倉杏子だ」
マミ「巴マミよ」
フレンダ「私はフレンダ・セイヴェルンよ。よろしくね」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:25:26.80 ID:dHe1WQqE0
疲れたから少し休憩してもいい?
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:28:50.68 ID:WV5Cz46X0
なるべくはやくな
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:36:46.95 ID:J74Fp37L0
保守
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:44:12.84 ID:nJ9hJ3QxO
FFT的な展開を期待したんだが
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:46:44.76 ID:edY4+YZY0
ほ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:54:00.90 ID:Q6pdhbjH0
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:54:10.12 ID:dHe1WQqE0
続き書く
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 22:55:07.84 ID:dHe1WQqE0
フレンダ「それで、この後どうするの?」
ファミレスから外を見れば、既に日は傾いていた。
フレンダ「学園都市の夜は早いわよ。完全下校時刻になればバスとかほとんど止まっちゃうから動くなら早くの方がいいわね」
フレンダが時計を見て、言う。
マミ「そうね……まずは拠点ね。雨風凌げる場所が欲しいわ」
チーズケーキを食べ終えたマミが提案した。
杏子「それなら適当なホテルがちょうどいいな」
マミ「そうね。ねえセイヴェルンさん、どこかいいホテルを案内してくれないかしら?」
フレンダ「学園都市のホテルは選り取り見取りよ。この時期に観光客なんてほとんどいないから、どこでもすぐに部屋を取れちゃうってわけ」
杏子「そうか、そりゃ都合がいい。適当なところを勝手に使わせてもらうとするか」
マミ「ダメよ、佐倉さん。そんなことしたらお店の人に迷惑がかかるでしょ」
杏子「そんなこと言っても金ねーぞ」
マミ「いいわよそれくらい、私が出しておいてあげるわ。緊急事態だしね」
杏子「ま、タダで泊まれるならあたしはいいけどさ……」
魔法少女のむぎのんはまだですか
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 23:01:47.74 ID:iYQGng6C0
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 23:06:15.37 ID:dHe1WQqE0
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路線バスを乗り継いで十数分、三人と一匹は第三学区に到着した。
杏子「おいおい……大丈夫なのかよここ……めちゃくちゃ高級っぽいぞ……」
フレンダ「第三学区には外部からの客が比較的多いからもし、二人の侵入がバレたとしても誤魔化しやすいってわけよ」
杏子「それにしたってなあ……」
杏子は乱立する見上げると首が痛くなるほどの高層ビル群を見て、辟易する。
それらは外装から綺麗な状態が保たれていて、金をぼったくっても文句を言わせないぞと言わんばかりだった。
フレンダ「あ、前に麦野たちと泊まった時にサービスがいいところみっけ」
その内、一際大きなホテルにフレンダはずかずかと入っていく。入り口にはガードマンが張り立ちっぱなしになっており、警備はいかにも頑丈そうだ。
それに続いて、マミも入る。
杏子「うへえ……」
遅れて杏子もついて行く。
杏子「無理矢理侵入しようとしなくてよかったな、こりゃ……」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 23:08:25.05 ID:J5Mudq+R0
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 23:09:40.71 ID:edY4+YZY0
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/18(月) 23:10:15.02 ID:J74Fp37L0
誰かプリキュア麦野を貼るんだ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
チェックインし、バイキングへ。
バイキングと言っても、さすがは高級ホテルと言うべきか、杏子には全ての料理が輝いてるように見えた。
杏子「おいっ、これ本当にいくらでも食べていいのか!?」
目を輝かせて杏子が聞く。
フレンダ「ま、まあ、バイキングだし……」
戦闘時のイメージがついていたので、あまりの豹変ぶりにフレンダは困惑する。
杏子「よっしゃ、たくさん取ってくるからな!」
マミ「食べきれる量だけ取ってくるのよ」
杏子「わかってる!」
子供のようにはしゃぎながら、料理へと向かう杏子。
杏子「やべえ、これかなり美味いぞマミ、フレンダ!」
そしてすぐに杏子の大声が聞こえてきた。