1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
夏の日。
僕は軽トラックの荷台に寝転がりながら、眠っていた。
濃い緑のシートを被され、知らない道を走るトラックにずっと。
今この車がどこに向かってるのか、僕にはわからなかった。
一度だけ、トラックのブレーキがキキイッ、と鳴った。
シートの隙間から見ている景色に……頭が一つ、僕のことを覗いて来る。
「お前、当たりかもな」
僕「?」
紫のシャツを着た男が僕にそう言ったかと思うと……トラックはまた走り出す。
僕もまた、不思議なくらいの眠気に誘われ意識を落としていった。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:12:33.89 ID:mvrKejuy0
ワカラン
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:13:23.12 ID:QcofwBlk0
なんか始まった
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:13:23.90 ID:Pi33vyWAO
なるほど
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:14:44.74 ID:zGmpVheB0
わからん
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:15:27.42 ID:XVrIaLvL0
ジョニーは戦場へ行ったスレか
トラックが走るスレでは??
なんか恥ずかしい
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:19:33.99 ID:RLD3D6Yv0
ウウー……。
僕「う……ん」
どこかでサイレンの音が鳴っている。
眠気がと意識が蘇り……。
それと同時に背中の感触が、やわらかくて暖かいと脳が感じ取る。
僕(ん……ここは?)
目を開けると、僕は畑に横たわっていた。
土が適度に耕され、雑草も少なくよく整備されたような……ただの畑に。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:20:35.75 ID:KiiXDtNB0
なるほどわからん
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:25:20.10 ID:6wDKEnDWi
ほう…それで?
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:26:02.31 ID:RLD3D6Yv0
僕「……んっ」
体を起こして、辺りを見回す。
民家などは見当たらない。
僕(畑……? なんで、僕はこんなとこに?)
僕(確か今日は家にいて……ずっと寝ていて)
僕(出かけた記憶なんてないよなぁ)
僕(昨日は夏休みが始まるからってちょっと夜更かししちゃったけど……でも)
僕(僕はこんな場所、知らないし……)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:27:10.77 ID:Ni+Vgq3eO
まるでホラー映画のヒロインみたいに
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:29:18.03 ID:Wv1ii/ClO
スレタイで金田一かと思った
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:30:24.49 ID:RLD3D6Yv0
僕(おばあちゃんの実家とも違うし……ううーん)
周りを見ても、辺りは木々に囲われていて見通しも悪い。
僕が確認出来るのは、頭の上に見える青空だけだった。
夏の日射しと空気が、僕を穏やかな気持ちにさせている……。
僕(土の匂い、いいなぁ)
僕(もうしばらく、ここで座っててもいいかも)
僕(でも、今何時くらいかな?)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:34:43.49 ID:RLD3D6Yv0
僕(お昼までには帰らないと。お母さんが心配するし、ご飯だって……)
帰らなければいけない気持ちと、のんびりここに留まりたい気持ちがそのまま頭に浮かぶ。
それでも風は、相変わらず穏やかに流れて僕を爽やかな気分にさせてくれている。
僕(……でも、まあ、いっか)
僕は地面の暖かさをもうしばらく楽しむことにした。
……ガサリ。
僕「ん?」
僕の背後、木々の間で何かの音がした。
少女「……」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:39:59.43 ID:RLD3D6Yv0
僕(女の……子?)
僕はちょっとドキリとした。
少女「……」
少女はフラフラと僕の方に向かって来るようだった。
まだ少し距離が遠いのでよくは見えないけれど……。
少女の足元から伸びている、元気な夏草を一歩、また一歩と掻き分けながら。
僕「……こ、こんにちはー」
少女「……」
挨拶は返っては来なかった。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:44:14.96 ID:RLD3D6Yv0
僕「え、えっと……」
僕は思わず萎縮してしまった。
挨拶を無視されたからじゃない……。
少女「……」
近付いてくる少女の顔が、とても強張っていて……。
まるで、何か獲物を捕らえる動物みたいな顔で僕を見つめながら。
少女「……」
ザッ。
少女「……」
ザッ、と草木を分けて僕の元に近付いて来る。
僕「……!」
そして、その右手には……大きな大きな刃物が握られていた。
僕(包……丁?)
19 :
忍法帖【Lv=25,xxxPT】 :2011/07/04(月) 03:45:59.56 ID:Y2Rg+1Kw0
ほう
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:52:27.38 ID:RLD3D6Yv0
僕「うわっ!」
それを見つけて、僕は反射的に足腰を上げやや後ろに飛び退いた。
勢いをつけて地面を踏んだせいか、畑のやわらかい土がスニーカーにちょっと飛び込んできたのがわかる……。
少女「……」
それでも少女は、僕の動きに関係なくこちらに向かって来ている。
ガササッ。
夏草の囲いから抜け出した女の子の全身が、僕の目に映る。
少女「……」
間違いなく、彼女は刃物を持ちながら僕の方を向いていた。
真っ白いワンピースから伸びた、華奢な生足が……とても怖いものに見えた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:56:29.78 ID:fSo8HuaYP
構わん続けろ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:58:35.25 ID:RLD3D6Yv0
僕「ね、ねえ! 待って、待ってよ!」
少女「……」
ガサッ。
僕「そんな物持つのやめてよ、ねえ!」
少女「……」
ガサッ。
僕「やめてよ! やめて!」
少女「……」
ザッ。
混乱からか、僕はさっきからやめての言葉だけを必死に叫んでいる。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 03:59:15.05 ID:jUozxtV9O
っC
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:04:24.07 ID:RLD3D6Yv0
こんな言葉しかでてこない。
だって……!
少女「……」
僕「ねえ! 僕の話を聞いてよ! ねえってば」
少女「……」
その子はまるで、何も聞こえていかないみたいに……。
真っ直ぐ僕の立っている場所へと……。
僕(に、逃げなきゃ……!)
僕は彼女に危険を感じた。
そう思い、振り向き走り去ろうとした瞬間……!
少女「……!」
少女は一気に僕の元へと走り寄ってきたんだ!
僕「うわああぁぁ!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:05:58.22 ID:W+pb4xpYO
何かと思ったらあれだ
女の五体がラストシューティング時のガンダムだ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:06:24.13 ID:jkQCbx6G0
首がないだと…
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:10:07.72 ID:RLD3D6Yv0
僕「うわあぁぁっ!」
情けない叫び声を、僕は何度もあげた。
包丁を持った少女の足跡が、畑の土に深い窪みつけている……。
先ほどまでのフラフラした動きとは違い、強く、そして素早く。
僕目掛けて、その恐怖が近付いてきている……。
僕「に、逃げ……」
勇気を振り絞り、僕は立ち上がろうとした。
下半身はガクガクと震えている……。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:13:05.10 ID:tkmqeEj30
>>25 おめーのせいでガンダムにしか変換できなくなっただろうが
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:13:55.18 ID:APH+KNvl0
wktk
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:13:58.30 ID:GnW7leu4O
カスタムロボか
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:14:10.88 ID:RLD3D6Yv0
しかし……。
少女「……!」
僕(あ……)
ペタン、と。
少女との距離が近くなったある一瞬で……僕の腰はまた地面に吸い込まれてしまうように、砕けた。
僕(み、み、みみが……)
少女「……!」
耳。
僕(この子には耳が……無い……)
さっきまでは見えていたはずの両耳が、今は僕の視界と彼女の身体からザックリと消えていた。
そして……その場所から大量に出血したであろう痕跡も、白いワンピースの上半身を真っ赤に染めていた。
僕「あ、あ……」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:15:11.71 ID:tGdpefc+P
::::. ;,:. |:.| .::::;,:::
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::: ;,::..レuソi::::.″::::
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i ̄lj
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l ,,ヾ≧llヾ=,、
ト、_入__,,斗、_ノ
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/ }|di{{i
/\/}dl{i人
/ ./ i`¨¨´ ヽ \
く廴厶__ } { ヽ .>
 ̄∨¨>/〜弋¨¨iムノ
/‐-y" ̄~イ--'i
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//// i, | l,|
λ// |ヽ/i
/::::::/' i;:::::l
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,,勹 / i:_厂弋
,--"~ _ j l _ '''ー┐
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:19:18.98 ID:RLD3D6Yv0
僕はその場にへたりこんでしまった。
もう立てない……動けない。
頭の中で、完全に思考がストップしてしまった……。
僕の目の前にいるのは、まるで……赤いちゃんちゃんこを着た口裂け女のような……。
心底から震え上がる、恐怖の対象。
僕「……」
少女「……!」
少女は何の迷いもない様子で、走りながら包丁を振り上げている。
走った勢いのまま、僕を切り殺すつもりだろう……。
僕「……」
僕はもう何も考えないで、ただ目の前の少女を見つめていた……。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:23:57.91 ID:/YFTqiksO
今北
もう首取れた?
35 :
忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/07/04(月) 04:25:29.85 ID:3L6JeqVWi
かまわん続けろ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:25:33.19 ID:RLD3D6Yv0
女「……!」
ヒュッ。
ガツッ!
僕「!!」
大きな包丁が振り下ろされてから、僕の身体に刃が食い込むまでの一瞬……。
僕の頭の上を何かがかすめ、包丁少女の顔面にぶつかったのが見えた。
それと同時に、顔に生温さを感じる……。
少女「……っ」
少女はよろめき、膝をついた。
顔面を抑えた手のひらから、血液が垂れていたのが確認出来た。
僕(顔についたこれは……血……ハッ!)
僕は朦朧とした意識の中から、復活した。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:30:50.29 ID:RLD3D6Yv0
少女「っ……」
包丁少女の足元には、鉄パイプが転がっていた。
所々錆び付いている、無骨な物だった。
「逃げて!」
僕「!?」
「こっち、早く!」
僕の後ろ……鉄パイプが飛んできた方だろうか。
女の声がした。
僕は思わずそっちを振り返った。
「こっち!」
見ると、確かに女の子が木の陰から僕を手招きし呼んでいる。
僕は……。
とにかくこの場から逃げるのが先だと思い、その女の子の元へ走った!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:33:24.02 ID:fSo8HuaYP
アニメ化決定
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:36:30.26 ID:RLD3D6Yv0
少女「……っ!」
ヒュッ!
僕の横を、大きな包丁が追い越していった。
僕「わあああ……!」
女「当たらないから大丈夫! こっち!」
僕は必死に走った。
土が耕された畑から、無造作に木々や夏草が伸びる森の中へと……。
女「ついてきて、逃げるよ!」
僕が森に踏み込んだのと一緒に彼女もスタートをきった。
僕は言葉のままに彼女についていくしか出来なかった……。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:42:46.88 ID:RLD3D6Yv0
背中が、怖い。
いつまた少女が走って追いかけて来るか。
いつ、あの大きな包丁が僕の背中に突き刺さるのか……。
僕はただそれだけの恐れを抱きながら、ひたすらに森の中を走った。
女「……この先に山小屋があるから。そこまで行くよ」
目の前を走る子が、そんな事を言っているのが聞こえた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:45:15.71 ID:RLD3D6Yv0
少女「……」
グッ。
ザクッ。
少女「……ニィィィ」
僕は返事をする余裕もなく……夢中で。
Tシャツのせいで露になっている両腕が木々に擦り切れながら、怪我をするのも気にせず……ただひたすら。
数十メートル後ろで、地面に刺さった包丁を引き抜き不気味に笑っている少女の事など知らずに……。
木と、血の匂いが混じった森の中を……走っていた。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:47:32.85 ID:9/jij2tLO
ラノベみたいだ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:50:16.12 ID:RLD3D6Yv0
そこは山小屋と言うよりは納屋のようだった。
あまり日が射さない、木造の小屋の中には農具やトラクターが所狭しと並んでいた。
僕「……」
僕は車両の陰に隠れるように座り込んでいた。
走ったせいか、心臓がドキドキと激しくうっている……。
呼吸がうまく出来ないくらいだった。
女「……ん。誰もいない、大丈夫そうだよ」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:55:23.28 ID:RLD3D6Yv0
見回りをしていた、彼女がヒョコッと顔を覗かせた。
僕は彼女の姿を確認する気もなく……顔を落としていた。
女「……大丈夫?」
僕「……」
女「どこか、怪我してない?」
僕「……」
女「返り血だけかな?」
僕「……うん」
女「そう、よかった」
サスリ、サスリ。
そう言いながら、彼女は僕の背中を擦ってくれた。
僕「……君、誰?」
それでも僕の態度は、彼女を疑っている。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 04:59:34.84 ID:xEMEkOKL0
見てるぜ
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:02:37.00 ID:RLD3D6Yv0
疑っているのに、その手を払い除ける事は出来ない。
僕にはもうそんな元気はなかったから……話を聞きながら、警戒する。
それだけだった。
女「んー……誰って言われても。一応君の敵じゃあないよ」
僕「敵……」
女「あ、でも、みんなが敵ってわけじゃないんだけどね……その、成り行き上っていうか」
僕「……?」
僕「何を、言ってるの?」
女「何って……私は君を狙わない。そういう事だよ」
僕「だから……狙わないとか敵とか、なんだよそれ!」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:02:58.82 ID:judVVeK40
脱獄少女Lie思い出した
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:08:56.98 ID:RLD3D6Yv0
女「……」
僕「それに、さっきの女の子……なんで包丁なんか持って! し、しかも耳まで……」
僕「……もう、恐くて恐くて……」
僕「頼むから……ここから帰してよ……」
僕「あんな目に合うのは悪ふざけだってもう嫌だよ……う、ううっ……」
女「……」
僕の目から、自然と涙がこぼれていた。
恐怖から逃れた安心感と、本音を叫んだ事による感情の開放感とが合わさって僕は泣いていた。
見知らぬ女の子の前で、恥ずかしげもなく必死に。
女「……悪いけど」
女「もしかしたら君は、もうお家に帰れないかもしれないよ」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:13:29.13 ID:RLD3D6Yv0
僕「え……」
帰れ……ない?
僕「ど、どうして!」
女「どうしてって……ねえ、まさか君さ知らないの?」
僕「知らない! 何が……!」
涙声混じり怒号が、山小屋に響いた。
目の前の彼女はそれに反応する様子もなく淡々と話を続けた。
まるで、全てを分かっているかのように。
女「……ふう」
女「そっか、君は何も知らないんだね。ここの掟の事」
僕「……」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:18:48.11 ID:RLD3D6Yv0
掟……?
一体何が、と僕が問い詰める前に彼女が口を開いた。
女「ねえ君、説明のメモは持ってないの? みんなに配られるはずだけど?」
僕「メモ……?」
女「……覚えがない、って顔してるね。ポケットの中とかは?」
僕「……何も無いよ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:20:07.84 ID:sVUGsBrIO
今気付いたけど、スレタイは少女じゃなくて女なのか
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:22:52.06 ID:RLD3D6Yv0
女「そう……。じゃあ、えっと」
ガサガサ。
女「はい、これ。読んでみて」
彼女がポケットから取り出したのは、綺麗に折り畳まれた何かの用紙だった。
僕「これが……メモ?」
女「そ。この村に来る前に配られるはずの、ね」
女「……とにかく読んで。話はそれから」
僕「ん」
僕は丁寧にたたまれたメモを開き、内容に目を通した。
『この村から生きて出るには』
『この先生きのこるには』
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:30:05.33 ID:RLD3D6Yv0
『はじめに』
『君はこの村に迷い込んだ一人の少年、少女だ』
『周りには、学校は違うけれど君と同じ年齢の子がたくさんいる』
『もちろん、みんな目的は一緒だ。生きてこの村から脱出する事』
『出口はたった一つ、みんなの頭でそれを探しだして欲しい』
『もちろん、それまでには様々な困難が君たちを待ち受けているだろう』
『でもそこは一人、あるいはお友達と協力して、是非この問題を解いて欲しい』
『では次に、詳しいルールを説明します。二枚目を見て下さい』
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:34:43.03 ID:RLD3D6Yv0
『実施場所:山奥の小さな村(村の外には野生動物多数、よって逃亡は不可)』
『食料:各自用意』
『宿泊場所:各自用意』
『武器:各自用意』
『日程:不明(脱出者が出るか全員死亡まで)』
『参加人数:不明(各自の判断による)』
『その他:筆記用具持参、雨天決行』
僕「……まるで遠足のお知らせみたいだね」
女「……物凄く趣味の悪い遠足だけどね」
不親切たっぷりのチュートリアルだなw
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:38:58.89 ID:RLD3D6Yv0
僕「……結局これは何なのさ」
女「とりあえずそこに書いてある通り、目的はこの村から脱出する事」
僕「……」
女「そのために出口を探さないといけない。これだけ……」
僕「……でも、それならどうして。あの包丁を持った子は僕に襲いかかって来たの?」
僕「それに……あったと思ってた耳が無くなってたり……っ……」
あの姿を思い出してしまい、僕は少し吐き気を催した。
胃が、とてつもなく気持ち悪い……。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:39:31.31 ID:EJ9rPYy+0
しえ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:39:50.09 ID:fSo8HuaYP
シークレットゲーム思い出した
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:43:38.15 ID:RLD3D6Yv0
女「……殺す目的、ね」
女「その辺りは、三枚目四枚目に書いてあるわ」
女「生き残りに関する事だから、ちゃんと読んでいた方がいいよ……」
僕「三枚目?」
ペラッと、僕は紙の束を捲った。
なるほど、確かにまだ紙がある。
僕は言われた通り、新しいページに目を通した。
『戦闘の仕方』
『殺した人数、パーツについて(景品交換、場所)』
……ガタッ。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:51:00.13 ID:RLD3D6Yv0
その二行を目視した瞬間、山小屋の扉が決まり悪そうに音を鳴らした。
女「……!」
女(頭伏せて!)
僕(わっ!)
耳元で、彼女が僕に呟いた。
僕もそれに釣られて、小さく驚きながら声をあげた。
女(……誰か、来たみたい)
僕(え……!)
少女「……」
明かりの射す方に目をやると、先ほど僕に襲いかかって来た少女が小屋の入り口に立っていた。
少女「……ニィイ」
手元には銀色に輝く包丁を持ちながら……。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:53:00.29 ID:APH+KNvl0
支援
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:54:31.25 ID:RLD3D6Yv0
女(……マズイ。追いかけて来たね)
僕(に、に、逃げる?)
女(……今はダメ。出入り口はあそこだけだもの)
僕(で、で、でも! ほっといたらこっち来るよ!)
女(……慌てないの。今飛び出したら出口塞がれちゃうよ。ここは……)
少女「……」
フラフラと、少女は奥に向かって歩き出した。
僕たちのいる方へ……近付いて来る。
女(ここは、少し引き付けてから一気に逃げるよ。そっちのがまだ安全)
自分のパーツでも交換ありなんかね、耳奪う程の状況から仕留め損なうとは思えんし
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 05:59:40.18 ID:RLD3D6Yv0
僕(……)
少女「……」
山小屋が、ガタガタと揺れている。
入り口の方から向かって、人の隠れられそうな置物の陰や棚の後ろなど……。
少女はそこらを念入りに探りながら、こちらに向かって来るからだ。
バタン、バタンと聞いた事のないような乱暴な音が、僕の心臓をまた刺激する。
僕(…………)
ドクン、ドクンと心臓大きく鳴る。
僕の体内だけで鳴るのこの音や、押さえた口の隙間から漏れる吐息の全てが少女に聞こえてしまいそうで……。
少女「……」
少女「……ニィイ」
僕「!」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:02:42.41 ID:fSo8HuaYP
―SSスレにありがちなこと―
・書き手の体調が良くなる、急に用事ができてもSSは続行
・SS終了とともに姿を消す
・誰も見てなくても書き続ける
・なぜかかなり上から目線の書き手だが他のスレじゃ親切なツンデレ
・エロは臨機応変に
・オリジナリティのあるキャラなので各々の頭の中にキャラが創造される
・批判されてもそれを糧にし、次に生かそうとする向上心がある
・例え初めてのSSだとしても「初めてだからうまくいかないかも」などと言い訳や保険を掛けることは無い
・量産される良SS
・立て逃げなどせず、一度始めたSSは最後まで書き抜く
・安価などは始めず、自分の書きたいことを書く
・書き手は最後までスレに居続ける
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:04:41.12 ID:RLD3D6Yv0
僕(わ……笑ってるよ)
女(シッ! 静かに)
僕(だ、だって……)
女(『まだ』喋っちゃダメ。私に考えがあるから……それまで静かにしてて!)
僕(……そ、そんな事言われたって……)
女「……」
ザッ。
ザッ。
僕「う……」
近付いて来る。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:09:10.45 ID:RLD3D6Yv0
どんどん、どんどん僕の心臓へと。
女(あと、三……ニ……)
少女「……」
女(い)
僕「うっ……!」
少女「……ピクッ」
僕「わああああっ!」
僕は恐怖の余り、トラクターの陰から飛び出してしまった!
僕「わああああっ!」
女「バカっ! 今飛び出したら……!」
少女「……!」
ズズッ。
僕「!!」
走り出した僕が横目に見たのは、満足な少女の顔が醜悪に変わる瞬間だった。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:16:24.68 ID:RLD3D6Yv0
さっき畑で見たように、両耳はもげいつの間にかワンピースが赤に染まり……そして。
鉄パイプが直撃した少女の顔面は、ぐちゃぐちゃに歪んでいた。
少女「……ニィイ」
僕はそれだけを見ると、夢中で出口に向かって走っいた。
狭く、物が溢れる山小屋で身体をぶつけそうになりながら……。
僕「あ、あ……」
足取りはおぼつかない。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:20:01.22 ID:RLD3D6Yv0
涙で視界がぼやけ、耳がツーンとする。
いつ背中からまた包丁が来るか……。
僕「ハァ、ハァ」
……それでも、僕が何とか出口にたどり着く事が出来たのは……彼女のおかげだった。
少女「……キャアアア!!」
僕「!」
悲鳴……振り返ると、僕は驚いた。
先ほどまで一緒に隠れていた彼女が、今度は右手に巨大な鍬を持ち……それを、包丁少女の右肩に食い込ませていたからだ。
女「逃げて!」
71 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/07/04(月) 06:28:55.70 ID:MKROt2Pf0
しえん
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:31:12.31 ID:RLD3D6Yv0
僕「っ!」
僕は彼女の声に圧されるよう、山小屋を飛び出した。
出口の前には開けた道と、先ほどまで僕たちが走り回っていた森がそれぞれ広がっている。
僕は……。
知らない道を行くのは不安だったので、また森の中に逃げ込む事にした。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:34:14.97 ID:xEMEkOKL0
支援
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:34:53.05 ID:RLD3D6Yv0
僕「ハァ、ハァ……」
どれだけ森の中を走っただろう。
自分がどの方向に向かっているのかも分からない。
同じような木々の間を何度も抜け、僕は。
少し開けた場所へと出た。
僕「ハァ……ハァ……」
足がガタガタしている。
幸い、座るのにちょうど良いと思われる幹だって転がっている……。
僕は、そこに腰を下ろした。
75 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/04(月) 06:37:03.36 ID:v4Z5GXJy0
支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:38:49.37 ID:RLD3D6Yv0
僕「……ふぅ」
呼吸を整え、僕はさっきの出来事を思い返した。
気になっていた事があるからだ。
僕「……」
僕「山小屋に隠れていたら、あの包丁を持った子が現れて……僕たちを探し始めた」
……今考えると、その時点では確かに包丁少女のワンピースは白のままだった。
僕「顔も……よくは見えなかったけど。耳もあった……気がする」
僕(……問題はその後)
僕が隠れていた場所から飛び出して、彼女を見てからだ。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:43:28.71 ID:CWBygYva0
ほう
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:43:34.50 ID:fSo8HuaYP
妄想オチじゃないよな
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:43:46.24 ID:RLD3D6Yv0
少女『ニィイ……』
僕「……」
僕(みるみるワンピースは赤く染まり、耳も無くなっていた……さっきの畑でもそうだ)
僕(これは一体、どういう事だろう?)
僕(……あ、もしかしたらさっきのメモに何か!)
ガサガサ。
僕「……あれ? 無い?」
僕「ポケットしまってなかったか……あの小屋に落として来たのかな?」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:46:52.22 ID:RLD3D6Yv0
僕(まあ、いいや。あの子ともう一度会って話を聞けば……)
僕(あの子は色々知っていたみたいだし……うん)
僕(……そろそろ、戻っても大丈夫かな? 鍬を振り回してたのには驚いたけど……)
僕(あれだけの傷なら、彼女が負けるわけないよね)
僕(……)
僕(あの包丁の子、殺されちゃったのかな)
僕(殺さないと……脱出って出来ないのかなあ?)
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:51:14.29 ID:RLD3D6Yv0
僕「……頭の中ごちゃごちゃだ」
僕「とにかく、一旦戻ろう。あの子に会わないと……」
僕「……」
……薄暗い山小屋で、耳の無い少女が右肩に鍬を食い込ませていた、あの瞬間。
僕は見てしまっていたような気がした。
鍬を降る彼女の右腕……その反対、左腕。
彼女にはその左腕が、見当たらなかった……気がした。
僕「……」
僕「気のせい、だよね」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:53:18.69 ID:APH+KNvl0
支援。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:55:12.25 ID:RLD3D6Yv0
僕「細かい事は彼女にまた聞けばいい」
僕「……うん」
よしっ、と僕が立ち上がりその場から去ろうと思った瞬間……。
ガサリ。
後ろの方で、誰かが僕を見つけた音がした。
きっと、彼女に違いない。
包丁少女を倒し、僕を追いかけてここまで来たんだ。
僕の胸の中にはそんなビジョンが勝手に描かれていた。
僕「あ、追いかけてき…………!」
少女「……ニィイ」
背中に立っていたのは、包丁を持ったあの少女だった。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 06:58:37.11 ID:RLD3D6Yv0
僕「わああああぁっ!!」
僕はまた叫んだ。
少女の肩には、鍬で出来た傷が生々しく血を吹き出し、ワンピースを更に赤に染めている。
もう、上半身はほとんどワインに浸けたように真っ赤になってしまっている……。
僕「き、きみは……」
少女「……」
僕「わ、あ、あ……」
もう舌が回らない。
足腰も、立たない。
僕は完全に、生きる事を諦めてしまったくらいだ……。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:01:25.95 ID:RLD3D6Yv0
だって……。
少女「……ニィイ」
スッ。
右手には相変わらず大きな包丁が。
そして左手には……さっきまで山小屋にいた、彼女首が……。
生首が、包丁少女の左手に首吊り死体のようにぶら下がっていたのが見えてしまったから。
僕「あ……あ……」
女「……」
少女「……ニィイ」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:01:30.94 ID:fSo8HuaYP
おいマジかよ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:04:28.64 ID:V4G4ycfR0
怖え
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:06:12.43 ID:RLD3D6Yv0
僕が彼女の首を確認すると、包丁少女はボロボロの顔でまた、笑った。
僕「……」
女「……」
僕も彼女も、もう喋る事は無かった。
少女「ニィイ」
その場にいる誰もが、黙ったまま。
僕の頭に包丁が振り下ろされた。
僕「……」
僕はガタガタと震え、涙を流しながらも目を見開き……赤く光る包丁を見つめていた。
きっと、彼女の首を切り取った後なのだろう。
包丁からは、冷たい水滴が僕の顔に降りかかっていた……。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:08:51.64 ID:90PVi9jU0
つC
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:10:25.36 ID:CtlPqCmF0
続きが凄く気になるな
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:12:09.28 ID:RLD3D6Yv0
ヒュッ。
僕「……!」
僕が死を覚悟した、その時だった。
少女「ギャアアアア!!」
悲痛な叫び。
握り潰したような声が、僕の耳に入り込んできた。
僕「……!」
それは、信じられない光景だった。
女「……っ゛!」
少女「ぅ……ぁ……!」
包丁少女が持っていたはずの首が……いつの間にか手を離れ、喉仏に噛みついていた。
女「……!」
女は閉じていた瞳をカッと見開きながら、少女の首に食らい付いている。
少女「ヒュー……ヒュー……」
少女の喉元からは息が漏れ、呼吸が死んでいた。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:13:17.74 ID:RbkroYtAO
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:13:44.49 ID:CWBygYva0
ほうほう
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:13:56.14 ID:RbkroYtAO
断トツで支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:16:11.06 ID:mHmV+W+10
首だけで動くとは大した根性だと将門公がお褒めでいらっしゃいます
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:16:19.47 ID:yZ/XPhBh0
支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:18:01.12 ID:RLD3D6Yv0
女「……!」
ギッ、と包丁少女を睨み付けたまま。
彼女の首は少女を離さない。
少女「ヒュ……ー……」
少女「ュー……」
少女「……ー……」
少女「……」
やがて、少女の喉元から音が消え包丁が右手から滑るように……地面に刺さり、落ちていった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:18:56.43 ID:RLD3D6Yv0
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:21:59.09 ID:RLD3D6Yv0
包丁少女はもう力の入らない身体を大地に寝かせ……静かに息を引き取った。
喉から大量の血を噴き出し、全身にその血を浴びた少女は……。
最期は真っ赤なワンピースを着ながら、死んだ。
僕「……」
女「……はぁ。危なかったね」
僕「く、首だけなんて……そんな……」
女「……」
僕「な、何だよ君。も、もしかして、死なない身体とか……え? え?」
女「……違うよ。死ぬ、死ぬよ」
女「でも……今はまだ死んでいないの」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:27:05.05 ID:m/BN1zyz0
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:27:33.73 ID:fSo8HuaYP
昔死んだ妹が平然と喋るSSもあったな
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:29:19.27 ID:RLD3D6Yv0
僕「だ、だ、だって首だけで……!」
女「……一つずつ、説明するから」
女「まず、これを見て。いい? 驚いちゃダメだよ」
僕「……?」
ガサ、ガサッ。
そう言い、森の茂みから歩いて来るそれは……見覚えのある身体だ。
「……」
でもその身体の上半身は血まみれで……何も言わず、ただそこに立ち尽くしていた。
首の周りには、噴出して間もないくらいに鮮明で、痛々しい赤が残っていた。
そして何より。
その身体には、左腕と頭がついていなかった……。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:29:45.07 ID:tzPd94TGO
支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:29:53.94 ID:DVHMchYp0
モロめ・・・首だけで動きおった
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:34:31.41 ID:RLD3D6Yv0
僕「……ね、ねえ。もしかしてこの身体は……君の」
女「そう、これは私の身体よ。さっきまでは首も繋がっていたけど……この子に切られちゃったから、今はこの状態」
女「もっとも、そのお陰で不意討ち出来て彼女を倒せたんだけど……ね」
僕「そのお陰って……首が取れたら普通死んじゃうんじゃないの?」
女「もちろん、本当の首が落とされたら死んじゃうよ? でも……この状態だと、首は無くても大丈夫な状態、なの」
僕「……全然分からないよ。不死身な子がいるとしか思えない……」
女「……こういう事」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:36:04.59 ID:CWBygYva0
しょうゆこと!
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:38:43.58 ID:RLD3D6Yv0
女「いい? 今から『変わるから』ね?」
僕「変わる……一体何を?」
女「……んっ」
それは本当に一瞬の出来事だった。
彼女が一呼吸整えただけで……彼女の身体はまるで何事も無かったかのように。
僕の前に完全な形として、そこに立っていた。
僕「!?」
女「……えっと、とにかく説明するね。これが、私の……ううん。みんな共通で『普通』の状態」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:39:47.06 ID:fmZDPuCN0
なん・・だと・・
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:40:50.19 ID:AUzktVWMO
What the hell...!
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:43:32.63 ID:RLD3D6Yv0
女「……そしてこっちが」
ボトッ。
僕「!!」
女の首が、斜めの切り口を残し地面に転がった……。
嫌音が足元に響いたが、更にその足元から彼女の声がしているのだ。
僕の身体はまたゾッとなった。
女「……さっき、女の子に首を切られた状態がこっち。ちゃんと傷もある、不死身とかじゃないでしょ?」
僕「で、でも切られて生きてるなんて……」
女「……さっきのメモにあったでしょ。戦闘の仕方、って」
女「一応、掟でちゃんと決まってる事なんだよ」
僕「……」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:49:06.09 ID:mHmV+W+10
だんだん気になってきた支援
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:51:30.76 ID:9y5B30p70
なんでこの手の話の主人公って、みんな一様にヘタレなんだろ?
殺されそうだってのに、簡単に諦めすぎだろ
人はそんな弱くねぇよ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:51:57.56 ID:RLD3D6Yv0
女が説明してくれた内容はこうだった。
私たちには二つの状態が用意されている、と。
一つは生物として、極めて当たり前の状態。
肉がえぐられ、骨を折られれば痛みを感じる。
感覚の全てが生き、人として行動している『普通の状態』
そしてもう一つは……。
女「……どんなに、肉体が傷付いてもね。自分の意志で動き回れる事が出来る」
女「それが例え、私みたいに首だけになったとしても……」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 07:57:35.25 ID:RLD3D6Yv0
僕「……そっか。だからあの子は耳が無くても、鍬が刺さっても大丈夫だったんだ」
僕「……あれ? でもさ、首を噛まれたら死んじゃった、よね?」
僕「まさかまだ生きてるとか……」
女「ううん、どうやら人によって急所が違うみたいなの。単純に、頭とか胸が弱点の場合もあるし……」
女「中には頭を潰しても大丈夫な時もあるみたいね」
僕「……それはパッと見で判断出来ないの?」
女「……今のところは、無理みたい。気になる箇所は全部潰すしか」
僕「……」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:01:18.44 ID:RLD3D6Yv0
女「さっき首を切られてさ、死んだフリしてたの。そこが急所だって思わせるためにね」
僕「……大丈夫だったの?」
女「うん、うまく騙されてくれたみたい。身体を滅多刺しにされてたら危なかったかもだけど……」
女「まあ、それから私の首を持ったまま君を追いかけ出したから……平気かな、とは思ったけど」
僕「……」
僕「ね、ねえ。その状態ってさ、どうやって切り替えるの?」
女「ん? これはね……」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:07:50.88 ID:fSo8HuaYP
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:08:13.96 ID:RLD3D6Yv0
女「これもあのメモに書いてあった事なんだけど……」
女「とにかく相手を見て、戦うって意識すればいいみたい。そうすると、戦闘状態になるって……」
女「使うと分かるけど、自分の周りの空気が変わるんだよ。だから、自分が知らない間に発動していた、とかは無いかな」
僕「……自分の意識」
女「うん。離れすぎてない距離……四メートルくらいかなあ。それ以上遠くだと、どんなに頑張っても変わってくれないみたい」
僕「ふーん……」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:11:47.21 ID:V4G4ycfR0
面白い
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:13:47.71 ID:RLD3D6Yv0
僕「そ、それを回避する方法ってないの?」
女「……離れる、だけかな。その状態の相手が範囲にいると、戦う意思が無くても強制的にこっちもそう変わっちゃう、ってあったから」
僕「……逃げるしかないのか」
女「一応、直接身体が傷付くわけじゃないから……でも、下手したら一ヶ所切られただけで死んじゃうからね」
僕「死んじゃう……この場合の死んじゃうは……」
女「……うん。本当の、死んじゃう」
女「村から脱出出来なかった子は……この村で死ぬんだよ」
女「こんな名前も分からない、寂しい村で……ね」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:21:44.16 ID:RLD3D6Yv0
僕「生きて村から出るしか、無いんだね」
女「……何人の子が、ここにいるかは分からないけど。でもみんな思ってる事、目的はきっと同じ」
女「ここで倒れているこの子も……」
少女「……」
僕「……」
地面に倒れている少女は、とても綺麗な顔立ちをしている。
肩まで伸びた黒髪と、真っ白なワンピース……そして幼く見えるほどに可愛らしい寝顔。
傷一つ無い身体、でも少女はもう動かない。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:26:15.26 ID:RLD3D6Yv0
僕の見せられていた世界では、耳が無く顔面が血だらけになっていた少女も……。
今はこんなにも、穏やかな顔をしている。
僕「……ねえ、この子もさ」
女「んっ?」
僕「村から生きて帰りたかったんだろうね」
僕「僕と同じ歳の女の子が……何を思って包丁なんか振り回してたんだろう、って思って」
女「……この子はきっと、早くに狙われたんだよ」
女「両耳を誰かに切り取られて、それからきっと……包丁を手にさっきまで生きていたんだろう、ね」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:30:27.19 ID:RLD3D6Yv0
僕「……僕さ、何度か彼女に呼び掛けたんだ。待って、やめてって」
女「うん、声のする方に向かったらさ、君と彼女がいたんだ。聞こえたよ」
僕「……その、戦う状態になる前のさ。耳がある時に話していたはずなのに」
僕「この子、まるで何も聞こえてない風に僕の元に歩いて来たんだ」
女「……」
僕「耳は聞こえていたのかもしれないけど、止まってくれなくて」
女「それは、君を刺すために……」
僕「……」
僕「状態が変わる前さ、彼女怯えてたみたいだった」
女「え?」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:34:46.52 ID:RLD3D6Yv0
僕「気が動転してあまり覚えてないけど……とても寂しそうな顔をしてた、ように見えたんだ」
女「……」
僕「気のせいかもしれないけどね」
僕「本当は彼女……誰かと一緒にいたかったんじゃないかなあ、って……」
僕「一人はやっぱり、不安だから」
女「……それは」
僕「まあ、近付いたら耳が見えなくなって襲われちゃったけど」
僕「……」
女「……」
それは多分、耳を切られたのが『変わった状態の彼女だった』から……。
自分をこんな姿にした誰かに怯え、自分を守るために包丁を振り回していた。
僕にはそんな風に、思えてしまった。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:38:53.72 ID:RLD3D6Yv0
僕「……」
女「?」
僕「ううん、何でも。もういいんだ」
女「……そう」
僕「ん」
僕はそれを、彼女に言わなかった。
理由は自分でも分からないけど……なんだか。
少女「……」
眠っている彼女に、悪い気がして。
女「……君?」
僕「ん?」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:45:22.24 ID:RLD3D6Yv0
女「そう言えば、名前。まだ聞いてなかったから」
女「自己紹介しようよ」
僕「ん、そうだね。僕は……」
……。
自己紹介を終えた僕たちは、足元に眠る彼女に小さく手を合わせその場を去った。
少女「……」
白いワンピースに蝉が止まる。
この夏いっぱい、森には蝉の鳴き声が響き渡る事だろう。
もうこの子には夏休みが来る事はずっとない……。
白いワンピースの傍らで、夏の象徴はいつまでも鳴き声をあげていた。
……。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:54:15.95 ID:v4Z5GXJy0
支援
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 08:54:28.59 ID:RLD3D6Yv0
僕たちは来た道を再び引き返し、先ほどの山小屋がある場所まで来ていた。
僕「戻って来たね。これから……どうするの?」
女「そうだね、村の方におりておきたい、かな」
僕「村? ここはまだ村じゃないの?」
女「ああ、えっとね。正確には建物がある場所……かな」
ガサガサ。
女「はい、これが地図」
僕は手渡された一枚の用紙に目を落とした。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:01:59.88 ID:RLD3D6Yv0
女「今私たちがいるのが……この外れの森の辺り。分かるかな?」
僕「……うん。村は森とは反対の方なんだね?」
女「そ。さっき畑にいたよね? あれがこの地図で言う……一番北側」
女「あそこから先はもう険しい山と樹海みたいでさ、多分人が踏み込まないであろう場所なの」
僕「……獣も出るらしいし、ね」
女「うん。だから、大抵の子は村の中心……人が集まる場所」
女「ここにみんな大体潜んでいるんだよ」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:03:46.17 ID:6ZfHPptT0
いいな支援
夜にまとめて読ませていただこう
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:15:47.47 ID:xOOnml590
シェーン
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:16:52.57 ID:RLD3D6Yv0
僕「中心? 確かに、地図にはちょこっと住宅みたいなマークもいくつか書いてあるけど……」
僕「そんなトコに集まって、大丈夫なの? 一斉に攻撃されたりしそうで……」
女「呼び方は村、ってくくりだけどさ。中心には結構お家があるんだよ」
僕「へえ……そうなの?」
女「うん。私が実際に見てきたんだから……それは間違いないよ」
僕「そっ、か。それなら隠れる場所くらい何とかありそうだね」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:22:00.06 ID:RLD3D6Yv0
女「それに、そこから更に南に行くと……ほら、これ見て」
僕「……この建物の絵、マンション?」
女「ううん、団地。その周りには運動公園や小さなスーパー……みたいだね」
僕「……意外と人はいるみたいだね」
女「南は本当に人が集まる、って感じだね。逆に北に行くほど人がいない……過疎地帯みたい」
僕「逃げたり隠れたりするなら……この辺のがいいみたいだね」
女「ね。まあ、これからどうなるか分からないんだからさ……」
女「とにかく今は村に行って食料とかが欲しいなあって思って」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:24:24.89 ID:fmZDPuCN0
長編になりそうだな
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:25:27.55 ID:RLD3D6Yv0
僕「食料……そう言えば、さっきから何も食べてないや」
女「水もこの辺りには無いみたいだから……ちょっと攻撃される危険はあっても一回村に、ね」
僕「……そうだね。じゃあまずは村の方に行こうか」
女「うん!」
女「道は、とりあえずここを真っ直ぐだよ。一本道」
僕「……よし、分かった」
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:30:20.70 ID:RLD3D6Yv0
僕たちは村の中心に向かって歩き始めた。
道は整備されておらず、砂利や小石が散らかる埃っぽい道だったが……。
視界の両隣には木々が生い茂る林道の中を僕たちは二人で……ゆっくりと歩いていた。
女「〜♪」
僕「……そう言えばさ、女ちゃんって何か。余裕だよね?」
女「えっ?」
僕「その……ほら。小屋の中でも普通に武器とか振り回してたし、血を見てもあまり驚いてないみたいだったし……」
僕「すごいなあ、って」
女「……」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:32:20.96 ID:tkmqeEj30
少女の最後の沈黙が気になる
こいつも死んだフリか
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:34:31.01 ID:RLD3D6Yv0
女「……慣れた、って言うのかな。まだ半日もこの環境にはいないけれど」
女「慣れないと、私が死んじゃうのかなあって思うと……何とかね」
女「あ、もちろん血見て大丈夫とかは無いからね? 戦う状態の時は、害が無いから慣れる事が出来て……」
女「きっと、本当の身体を切ったり切られたりしてたら間違いなく大泣きしちゃうよ、あははっ」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:41:11.77 ID:RLD3D6Yv0
僕「……それでも、やっぱり強いねって思うよ。僕なんか何度も叫んじゃって……情けない」
女「ううん、最初は私もあんな感じだったもん……」
僕「え、嘘?」
女「本当だよっ! いくらメモで説明されててもさ、実際に起こるまでは信じたり出来ないでしょ?」
僕「……まあ、それは確かに」
女「だから、最初は戦い方も分かんなくてさ……逃げてただけだったの」
僕「……ん、ちょっと待って。それって、いつの出来事?」
女「いつって?」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:45:44.69 ID:RLD3D6Yv0
女「どういう事かな?」
僕「最初は逃げ回っていたんだよね? そこから慣れて……その、人を倒す事が出来るようになったのって、いつかなって思って」
女「……全部今日の事だよ。今日が一日目なんだもん……当たり前じゃん」
僕「一日……(それくらいで、慣れちゃうもんなのかな?)」
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:47:55.92 ID:RLD3D6Yv0
僕はなんだか、人間というものが恐くなってしまった……。
女「……」
ガサッ。
女「ん……?」
それでも僕は彼女にもっと話を聞きたいと思った。
今後の行動の参考にするためだ。
僕「……あ、あのさ女ちゃん」
女「……しっ。静かにして」
僕の言葉は抑えされてしまう。
女「……今、何か茂みの方から音がしなかった?」
僕「茂み?」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:52:46.68 ID:RLD3D6Yv0
……ガサッ。
ガサッ。
僕「確かに、する」
僕「敵……かな?」
女「さあ。ただ誰かが隠れてるだけって事もあるから……」
僕「ど、どうする? やっぱり敵は倒さないといけないのかな?」
女「……」
女「あのね、また後で説明するけど、敵イコール倒せばいいってルールじゃないんだんだからね」
僕「……え?」
女「でも、みんなが殺し合いをしてるのも事実……それにはちゃんと理由があるの」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:55:37.23 ID:xOOnml590
支援
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 09:55:48.96 ID:fSo8HuaYP
頑張れ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:00:04.88 ID:RLD3D6Yv0
僕「そ、それはどうして!?」
女「……」
ガサッ。
女「続きは音の正体調べてからね。無視してもいいけど、見逃して背中からブスリ、じゃあシャレにならないから……」
僕「……う、うん」
女「警戒しておくにこした事は無い、って意味でね」
女「……じゃあ調べるわよ。僕ちゃんも手伝って」
僕「わ、分かったよ」
女「……とりあえず、急所になってそうな部分だけ注意しててね。あと、目とか耳とかの失ったら不利になる場所」
女「分かった?」
僕「う、うん。大丈夫」
145 :
忍法帖【Lv=28,xxxPT】 :2011/07/04(月) 10:05:18.87 ID:Rbzkftjq0
おもしろい
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:07:20.15 ID:RLD3D6Yv0
女「じゃあ、行くよ……えいっ」
ガサガサ。
僕「ん……」
茂みを掻き分けると、そこに立っていたのは……。
僕「うっ……」
女「……」
腰から上が丸ごと切り取られたかのように無くなっている、ただの下半身がそこにあった。
ジーンズのベルト付近は血で赤黒く変色し、膝の辺りまでそれは滲んでいる。
それが立っていると言う事は……。
僕「……まだ、あれでも死んでないんだね?」
女「……うん。頭も胸も、お腹も無いけれど。ちゃんと生きてる、生かされてる……」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:11:29.37 ID:RLD3D6Yv0
半身「……」
僕「こ、ここまでやったらいっそ殺した方が……」
女「こっちの状態的には、こんな姿だけどさ……戦闘状態じゃ無くなれば、普通の身体なんだよこの人も」
僕「……」
女「だから、こんな姿でも生きてるって希望は持ってもいい……だって死んでないんですもの」
僕「……そんな」
半身「……」
女「……行こう。僕ちゃん、もうすぐ日が暮れちゃう、急ごう」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:13:19.25 ID:6KDZ3YWT0
試演
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:18:05.88 ID:tkmqeEj30
意識的にゾンビになれるって解釈でいいのか
んでゾンビ状態で傷ついても人間モードは傷つかないと
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:22:13.67 ID:RLD3D6Yv0
半身「……」
僕「……ん」
立ち尽くす下半身を背中に、僕たちは元の道に向かい歩き出した。
僕(……確かに。あの身体は戦う状態でああなったんだ)
僕(普段の状態は何も変わっていない、それならそれでいいんじゃ……)
僕「……」
僕「普段の……状態?」
半身「……クスッ」
しまった!
僕「女!! 逃げるぞ!!」
女「えっ……?」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:26:47.55 ID:RLD3D6Yv0
僕は叫んだ。
女は僕の言葉に反応した、しかし、その場から動く事までは出来なかった。
半身「……もう、遅いよバーカ」
背中からくぐもった女性の声がして……そして。
ガブッ!
僕「っっあ!!」
僕の左足に、激痛が走った。
女「僕ちゃん!」
僕「ぐっ……っ」
痛んだ場所に目をやると、女性の生首が僕の左脛をガッツリと噛みついていた。
歯はふくらはぎと骨に食い込み、ゴリゴリと臼をひくような音でもたてている……。
その度に、僕の足は狂おしい程の痛みに襲われた。
狂おしいほどの痛み 支援
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:32:25.72 ID:RLD3D6Yv0
半身「……フフッ。まだ無傷なんだ、ムカつく。ムカつくねー」
半身「私の上半身が無くなっちゃったっていうのに……ああ、ウザイ」
半身「……みんなそうだ。珍しそうに身体をジロジロ見ては、哀れんだ目で去っていく」
言葉の度に口元が絞まる。
しかし声は身体のあった場所からちゃんと聞こえている……。
僕「ぐ……ああっ!」
半身「このまま、全身の骨をズタズタにしてドコにも歩けない身体にしてあげるよ……」
半身「他の奴らみたいに不様な姿にしてやる!」
しえんだ!
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:39:23.62 ID:RLD3D6Yv0
僕「ほ、他の……!?」
女「ま、待っててね僕ちゃん。このっ、その首……離しなさい!」
いつの間装備したのか、彼女は包丁少女が持っていたあの巨大な包丁を振りかぶっていた。
半身「はっ、そんな物振り回したらこいつの足も一緒にスパッと行くんだよ」
女「あっ……」
確かにそれは困るが……彼女はそれを躊躇してくれた。
しかし、僕の脛はまた更に悲鳴をあげ、骨の軋みを感じさせていた。
僕「う……ぐっっ!!」
この痛みから解放されるなら、足くらい……そう思っていた程だった……。
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:41:04.51 ID:u1LWbisE0
感想はいいから僕も反撃しろよwww
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:42:55.45 ID:xOOnml590
スタンド的な感じかな?
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:46:04.84 ID:RLD3D6Yv0
女「くっ……でもこのまま、何もしないわけにはっ!」
そう言うと彼女は包丁の刃を返し、背中の部分で僕の足に噛みついている首を狙い、振りかぶった。
僕「ま、待て……周りに気を……」
半身「……ふん。うるさい女」
半身「めぐみ! ゆりな! 女を食うんだよ!」
女「え……!」
ヒュッ。
ヒュッ。
首が名前を呼ぶと、どこからともなく彼女たちが現れて……女の頸動脈と左わき腹の辺りに噛みついた!
めぐみ「……」
ゆりな「……」
噛みつく、と言ったからには当然、彼女らも生首のまま……僕たちの前に姿を現したんだ。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:50:07.04 ID:xOOnml590
ピンチ
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:50:11.95 ID:RLD3D6Yv0
半身「可愛い子たちでしょー。私をバカにしたから、首だけになってもらったのー」
めぐみ「……がる」
ゆりな「……がう」
女「ぐっ……っ。離して……!」
半身「んー、でも噛みつきが甘いなー。ほら、もっと私みたいに……」
ゴリッ、ガリッ、ガキッ。
僕「うわああぁぁあっ!!」
半身「……ちゃんと骨を削らないと、ね」
めぐみ「……」
ゆりな「……」
ガリッ!
ガリッ!
女「あうっ……!」
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 10:56:19.09 ID:RLD3D6Yv0
半身「いい音ー」
僕「ぐっ……このっ……!!」
僕は右手を振り上げ、まとわりつく首を引き抜こうとした……。
しかし……痛みのせいで腕に全く力が入らない……。
半身「あれー、そんなに強く噛んで欲しいんだ。クスッ……!」
半身「えいっ」
ゴリッ、ゴリッ、ゴリッ!
僕「があ……あ……」
半身「……何だか食感手羽先みたい。生っぽいけど、骨の堅さが癖になりそー」
半身「なんてねー。きゃははっ」
僕(こいつは……明らかにこの狂行を楽しんでいる……)
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:01:26.53 ID:RLD3D6Yv0
半身「あー楽しいー」
僕(これが、一日目の反応なのかよ……何があったか分からないけど、上半身が無くなってこんなにも……)
半身「ゆりな、そっちの子はどう? 美味しい?」
ゆりな「……がう」
女「……」
半身「あはは、もう左腕の辺りなんて真っ赤っかじゃん。え、骨をかじってたらこうなったって?」
めぐみ「……がる」
半身「そっかそっか、めぐみも頑張ったんだね。じゃあ……もうそっちはいいや」
僕(……こいつらは、危な過ぎる)
僕(まだ脳があるのに、心があるのに、こんなにも……)
半身「ほら、こっちおいで。みんなで食べようよ」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:05:04.38 ID:fmZDPuCN0
kannivalism・・・
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:06:40.78 ID:RLD3D6Yv0
女「……」
女は片膝をつき、その場で息を荒くしていた。
そして、その足元には先ほど手から滑り落ちた……包丁が。
僕(ぐっ……せめて、あの包丁さえ手に出来ればまだ!)
半身「さ、おいで〜」
ゆりな「が〜う」
めぐみ「……がぁ」
半身「ん、どうしたのめぐみ? 早くこっちに来て一緒に骨と肉を……」
めぐみ「……パクッ」
ポイッ。
僕「!!」
めぐみと呼ばれた生首は、その落ちていた包丁をくわえたかと思うと……茂みの中へと投げ込んでしまった。
半身「……あら、用心したのねめぐみ。偉いわよー」
めぐみ「……がう」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:11:11.37 ID:RLD3D6Yv0
僕「ぐっ……まだっ!」
僕は最後の力を振り絞り、その茂みの方へ向かおうとした。
這いつくばってでも、武器を……この手に……。
半身「……ダメだってば。そんなに暴れちゃ……男なんだから」
めぐみ「がう」
パクッ。
ゆりな「がる」
パクッ。
僕「ぐっ……は、離せ、離せよ……!」
半身「男なんだから、いざきよく……」
めぐみ「……死んで」
ゆりな「死んで下さい」
半身「……死ね」
僕「!!」
僕に食いついている三つの顎に……凄まじい力がかかるのが分かった。
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:14:56.42 ID:RLD3D6Yv0
僕「!!!」
痛みが……声にならない。
痛みのあまり、気を失いそうだった……が、意識は途切れてくれなかった。
激しい痛みを感じながら、それでいて頭の中はグワングワンと揺れている……最高に気持ちが悪い……。
僕(死ぬ……)
僕(死んだ方が楽だ……)
ググッ、ググッ、ググッ。
もっと、もっと力を入れて僕をちぎってくれ。
その方が楽になるんだから……さあ、早く……。
ググッ、ググッ、ググッ。
ああ、そうだ。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:15:37.66 ID:K7oTiW/T0
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:17:27.03 ID:xOOnml590
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:19:38.27 ID:RLD3D6Yv0
ググッ、ググッ、ググッ。
ようやく意識が飛んできた、これでやっと……。
ググッ、ググッ、ググッ。
僕(……)
僕「……」
僕がさよならを願おうとした次の瞬間……もう一度、力強い三つの負荷が加わる。
これには耐えられそうに無い……僕は全てを覚悟し目を閉じた……。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:23:29.77 ID:RLD3D6Yv0
ググッ。
一回。
ググッ。
二回……。
グサッ!
……?
僕(グサッ……?)
ゆりな「あああああ゛ぁああっ!!」
僕「!!」
僕の耳元で、悲鳴が聞こえた。
耳をつんざく程の、叫び。
それはゆりなと呼ばれていた首から発せられたものだった。
ゆりな「ああああああ! ああああぁぁ!」
女「……」
グイッ。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:23:37.31 ID:1xg6H+8K0
背筋がぞわぞわするけど面白いな
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:25:59.84 ID:RLD3D6Yv0
僕「女……ちゃん?」
顔を上げるとそこには……。
左腕にゆりなの頭を持つ、女の姿があった。
僕(左腕……嘘だ! だって左腕は無いって、彼女自身が言って……)
女「……骨」
半身「んー?」
僕「……あっ!!」
女「骨、削ってくれてありがとう」
めぐみ「……」
ゆりな「あぁぁあ……あっ……」
半身「なんだよ、ありがとうなんて……あまりの痛さでバカになったのかい?」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:32:09.74 ID:RLD3D6Yv0
骨、その言葉を聞き彼女の左腕をもう一度見つめてみた。
七分袖に隠れている彼女の左腕に、確かにゆりなの首が持たれているように最初は見えた……が、違う。
僕(よく見ると、違うんだ……)
女「……抜くの面倒だから、このまま」
めぐみ「ぬ……ぬ?」
ゆりな「あ……あ……」
僕(あれは首を持ってなんかいるんじゃない……)
女「……次はめぐみちゃん」
スッ……ザッ!
めぐみ「ぁ」
僕「……腕の骨に、首を刺して連ねているんだ……」
僕「生首を串にでも刺すみたいに、自分の腕の骨に……」
女「……ふたーつ」
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:36:34.30 ID:RLD3D6Yv0
ゆりな「……」
めぐみ「……ブラン、ブラン」
半身「ひっ……!」
生首が二つ、風鈴のように彼女の左腕の『中』で揺れている。
揺れてはいるが、抜け落ちるような様子はなく、肩の辺りまでグッサリと二つの首が並んで貫かれている。
女「切るんじゃなく……刺すのなら外さない」
半身「……ひ、ひいっ! 離す! もう離すから! だから許して!」
女「……」
半身「ね? ね? もう頭を二つも取ったんだから、それでいいでしょ?」
女「頭……確かに、貴重なパーツ、よね」
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:39:41.47 ID:RLD3D6Yv0
半身「そ、そうでしょ? 交換にだって使えるし、何より価値が高いからきっと……」
僕(……何を言ってるんだ、こいつは)
女「……そう、ね」
僕には言葉の意味は分からなかったけれど、女ちゃんにはそれが理解出来ていたらしい。
僕(また、メモに書いてあった掟か……)
後でまた女ちゃんの世話にならなければ……。
僕は話の続きに耳を傾けた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:47:58.16 ID:FyOAlxG60
支援
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:57:57.88 ID:FzXX97+r0
いいね
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 11:59:45.13 ID:XqTY6Tcs0
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:01:21.84 ID:RLD3D6Yv0
半身「だからね、ここは見逃して? お願い……」
女「……見逃すって、あなたの首を? 私たちを噛み殺す気で奇襲までして来たのに?」
半身「……お願い、お願いだからあ……」
女「……」
女「この子たちはどうするの?」
めぐみ「助けて……」
ゆりな「助けて……」
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:04:48.67 ID:RLD3D6Yv0
半身「あ、あげる! あなたにあげるから! 後で交換に行こうとしたけど……もういいの!」
女「……そう」
めぐみ「……」
ゆりな「……」
女「じゃあ遠慮なく、頭は貰っていくわね」
半身「う、うん……へ、えへへっ……よかった、あなたが理解してくれる人で」
女「……とんでもない。じゃあ、約束通り」
半身「うん、じゃ私はこれ……」
女「あらどこに行くの?」
半身「え……だ、だってもう用件は終わって……ね?」
女「何言ってるの。私は頭を貰うって言ったじゃない」
女「まだ一つ、ここに残っているでしょう!」
半身「……!!」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:12:11.01 ID:9HDNGdXU0
支援
コイツぁとんだとっつぁんぼうやだぜ!
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:13:32.66 ID:RLD3D6Yv0
女「……さよなら」
半身「待っ……ひっ!」
ザクッ。
半身「ぎゃあああああっ!」
女「……」
めぐみ「いっしょ」
ゆりな「いっしょ」
女「……ふん」
女はムッとした顔付きのまま、左腕に刺さっている三つ首を抜き取るとそのまま地面に放り落とした。
僕はただ、その様子を言葉を失いながら見つめている事しか出来なかった……。
女「……可愛そうな人たち。ごめんね」
先ほどからの言動と、それと合わせて彼女たちに謝る女ちゃんの姿が、ちょっとだけ恐く思えてしまったから……。
僕「……」
僕はかける言葉も見つからないまま、地面に転がっている三人の少女を見つめているだけだった……。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:15:39.91 ID:FzXX97+r0
支援
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:21:23.54 ID:RLD3D6Yv0
女「……先を、急ごうか。もうすぐ日が暮れるから」
そうとだけ言い放つと、彼女は寂しそうな顔を見せながらまた村への道を歩き出した。
お互い、普通の状態はもちろん無傷だから進行に差し支えは無かったが……。
僕「……」
女「……」
歩いている最中の沈黙は、とても重かった。
結局、歩き始めてから村の入り口に着くまで……僕たちは終始無言だった。
冷酷な彼女の顔を見てしまったせいなのか、先ほどまで首が食いついていたふくらはぎに違和感を覚えているせいなのか……。
二人が気まずい理由は、僕にも彼女にも分からなかった。
そして、舞台は外れの森から村の中心へと移り変わって行く……。
……。
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:28:32.64 ID:ZqisQsSVO
支援
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:29:47.40 ID:uT2dVVrMO
こんなの初めて見た、本当に面白い
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:33:20.06 ID:W+pb4xpYO
だんご三s……
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:38:34.00 ID:iO/fdz/wO
ようやく追いついた
支援
しえーーん
こえーよ今日夜間の現場だよちくしょう
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 12:56:10.11 ID:p9JRg0hGO
1飯か
Sageとこうぜ
いつも荒らされるから
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 13:30:40.44 ID:Pi33vyWAO
落ちるぞ
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 13:32:09.31 ID:FzXX97+r0
まだプロローグっぽいな
>>1どこいった?
軽トラに乗せられて村に連れていかれたん?
ほす
これは面白い
200 :
忍法帖【Lv=16,xxxPT】 【東電 81.1 %】 :2011/07/04(月) 14:04:23.92 ID:NGvdNwYti
ほ
ほしゅ
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 14:18:04.54 ID:0W/u1Giei
書き溜め中かな?支援
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 14:19:37.63 ID:QCznJo1ri
サイレンのとこで屍人なゲームかと思ったよ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 14:35:00.50 ID:ObYtzyNdO
追いついた。支援
206 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/04(月) 14:45:59.39 ID:UPn9fTjf0
ほ
し
の
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:09:24.44 ID:Pi33vyWAO
あ
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:19:34.16 ID:0W/u1Giei
き
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:28:12.82 ID:FzXX97+r0
お
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:28:35.35 ID:0onQM6u10
し
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:29:00.84 ID:0W/u1Giei
お
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:30:00.06 ID:CtlPqCmF0
は
おばあちゃんの実家って
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 15:44:33.59 ID:iO/fdz/wO
ほす
ほ
ほ
219 :
忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2011/07/04(月) 16:00:06.85 ID:HISL3Lo10
メモが読みたい
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 16:11:22.63 ID:mHmV+W+10
ほすほす
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 16:32:27.98 ID:mBqHyO9P0
ほす
ニィィイイイイ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 16:53:21.93 ID:mBqHyO9P0
ニギギギギ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 17:00:50.90 ID:Pi33vyWAO
ギャッ
メモとか見たいよね…
SAIREN風にメモだけ投下とか嬉しいかもしれない
ほす
テスト
ほ
ninja
ほ
ほす
232 :
忍法帖【Lv=28,xxxPT】 :2011/07/04(月) 18:01:14.55 ID:yZ/XPhBh0
モウコナイノカネ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:10:54.71 ID:QC4vdHCk0
3時から昼過ぎまで頑張ってたっぽいし寝かせてあげて
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:13:47.03 ID:AN0kUC6+0
ほす
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:19:59.60 ID:RLD3D6Yv0
女「……見えて来たよ」
僕「……」
段々と森が開け、視界からは木々が消え出した。
景色開けた場所で僕が見たのは……。
僕「村、だね」
僕(田んぼに、畑に、少し古びた感じの住居……)
キタワァ
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:21:27.43 ID:Pi33vyWAO
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:24:12.59 ID:RLD3D6Yv0
夕暮れの光に照らされたその村に対して、僕はひどく不気味な印象を受けた。
僕「……人、いないの?」
女「どうしてそう思うの?」
僕「なんだか、嫌に寂しい雰囲気がして。恐いっていうかさ……」
女「……人はいるよ。私たちみたいに、これに参加した子供たちがいるはず」
僕「……」
僕「今思ったんだけど、そう言えば大人たちは?」
きてるー!
バイトが終わったら読みにくるわ!
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:33:34.53 ID:RLD3D6Yv0
女「大人……大人、ね」
女「ちょうど今から行く場所に一人いる、かな」
女「他は分かんないや」
僕「……そっか。もしかしたら、大人に助けてもらうって出来ないのかなって思ってさ」
女「……それは無理みたい。大人なんて全然見かけないんだもの」
僕「……」
女「行こう、僕ちゃん。人が見えたら注意だけしてね」
彼女はさっさと、村の中に入り込んでしまった。
僕もそれに続いて、砂利の道からアスファルトの道路へと一歩を踏み出した……。
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:42:34.86 ID:JcBmI0FE0
しえん
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:44:17.35 ID:RLD3D6Yv0
僕「人に会わないね」
女「……みんなお家に隠れてるんだよ。あまり外をうろうろしたりは、しないはず」
僕「殺し合いのせい、かな?」
女「……それもあるだろうけど、単純に恐いって子もいるでしょうね」
女「それに……みんながみんな、殺し合いをするとは限らないじゃない?」
僕「……そう、少しそれが気になっていたんだよ。その、他の人を攻撃するメリットって言うのかな?」
僕「そういうのも、やっぱりあるの……?」
女「メリット、あるよ」
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:44:50.48 ID:PINS/HjHO
もしもしの忍法帖はダメだね
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:48:20.20 ID:RLD3D6Yv0
僕「ああ、やっぱり」
僕「ねえ、それもメモに書いてある事だよね? よかったらまた後で見せてくれないかな。詳細が気になって……」
女「メモは、さっきの山小屋に捨ててきたわよ……」
僕「えっ! す、捨てたって!?」
女「……だって、私たちの血を浴びててさ。全然読めなくなっちゃったんだもの」
僕「それは、ちょっと困るな……」
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:52:25.78 ID:RLD3D6Yv0
女「……細かい部分は私が直接説明するよ。いざとなったら、誰か知り合った人に見せて貰ったり……ね?」
僕「う、うん。分かったよ」
僕「じ、じゃあさ。まず、さっき言ってた戦うメリットっていうのを教えて欲しいな?」
女「……」
女「それは駄菓子屋さんに行けば分かるよ」
女「そこで……ね」
僕「……」
女「……見える? あの看板」
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:53:13.41 ID:HX4IdGWW0
四円
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 18:56:49.69 ID:RLD3D6Yv0
女「あれが駄菓子屋。ちょうど村の真ん中にあるの、覚えておいてね」
僕「……遠目には普通の駄菓子屋、みたいだけど」
女「行けばわかるよ」
僕「……う、うん」
女「あ、そういうお金持ってる?」
僕「……ポケットに五百円なら。いつも持ってるんだ」
女「そう。私はいつも千円持ってるよ? まあ、買い物出来ないって事は無さそうだね、よかった」
僕は負けたような気がして、ちょっとムッとしてしまった。
249 :
sage:2011/07/04(月) 18:59:33.54 ID:v4Z5GXJy0
支援
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:06:02.95 ID:FzXX97+r0
女が詳しすぎるな
支援
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:10:27.33 ID:PINS/HjHO
最終的に生き残れるのは1人で女が僕を殺そうとするが
僕に恋愛感情をうんたらかんたら
話の展開の予想をすると展開が制限されることになるから禁止
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:15:26.93 ID:JcBmI0FE0
禁止()
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:19:03.47 ID:LkHlHpOK0
そりゃ書かないほうがいいわな
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:21:41.25 ID:PINS/HjHO
すいませんでしたSS初心者なもので
あまりに面白いものですからついレスしました。
ROMか支援にまわります
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:25:04.66 ID:8lnHSa73O
男って僕だけだよな
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:30:23.06 ID:RLD3D6Yv0
僕「……それで。そのお金で何を買うっていうのさ」
女「……」
女「くすっ」
僕「?」
険悪に話しかけた僕と、それを小さな笑いで受け止めた彼女……。
女「駄菓子屋さんで買う物なんて、決まってるじゃん」
女「お菓子……今日の晩ごはんだよー」
クルッ、と。
彼女は笑ったまま、無邪気に駄菓子屋の方に向かって駆け出していった。
僕「……」
僕(なんだよ、あいつ)
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:34:48.28 ID:RLD3D6Yv0
僕(……生意気に、ちょっと笑っちゃってさ。バカみたい)
僕(でも)
そのバカみたいな笑顔が、なんだか少し可愛く見えてしまって……僕は。
僕「……」
女「おーい、早く早くー」
明るい彼女と、冷酷な彼女。
そのどっちの姿も僕の頭にはまだ残っていたけれど……。
僕「今、行くよっ!」
女「えへへ、早くー」
今は明るいままの彼女を追いかける事にした。
僕の唯一の味方なのだから……そう、自分に無理やり納得させ、僕は赤い看板の駄菓子屋へと向かっていった。
C
これまとめてる管理人さん居ますかー?
仕事中に落ちたら嫌だな
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:38:11.94 ID:C1Q5nygp0
ID:PINS/HjHO
言っても無駄だと思うが糞アフィ転載すんなよ
C
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:41:01.91 ID:0W/u1Giei
俺が保守するから気にするな
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:45:07.64 ID:RLD3D6Yv0
そこは、まさに駄菓子屋だった。
開けた造りの構え、店の中に置かれている棚にはどこか懐かしい気のするようなお菓子の列がズラリと並んでいた。
おばあちゃん「おや、いらっしゃい。ゆっくり選んでいってくれ」
そう言って、腰の曲がったおばあちゃんが指した先には、五円チョコやガムが大量に入った箱。
ポテトスナックや、少し気味が悪いくらいの色をしたチューブのゼリーなど……駄菓子と呼ばれるような物ばかりが、やはり並んでいる。
僕「……本当に、駄菓子屋さんなんだね」
女「当たり前でしょ? だってそういうお店なんだから」
僕「それはそうだけど……」
嫌だよーたまにはレスしたぁいよー(笑)
ま今から仕事だし6時間持たせろよ自宅警備員ども
駄菓子屋さんって賞味期限が怪しいよね
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:49:37.13 ID:4qKd6i6v0
あぼーん
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:49:47.97 ID:RLD3D6Yv0
女「……それとも、さっきの話がやっぱり気になる?」
僕「そりゃあ、ね」
僕(僕が緊張しているのには、いくつか理由があった……)
僕(こんな時の駄菓子屋なんて、普通じゃない場所だと思っていたから……)
それが……。
女の子「あー、こっちのアイスも食べたいなー」
女の子「でもアイスは高いよー。明日まで我慢しようよ。ね?」
女の子「うーん……」
お店の中には僕たち以外にも、普通にお菓子を選んでいる子たちがいた。
その普通が、なんだか逆に恐くて……。
女「……そんなに、身構えなくても大丈夫だよ」
C
女の子ばっかだ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:55:07.59 ID:RLD3D6Yv0
緊張していた僕を見かねたのか、彼女が僕に耳打ちをしてきた。
女「……このお店はね、買い物が出来るだけじゃなくていわゆる休憩地点でもあるんだよ」
僕「休憩……どういう事?」
女「気付かない? さっきから、あの女の子たちが近くにいるのに……もう一つの状態に変わってないでしょ?」
僕「……それは、お互いに戦う意志がないからじゃないの?」
女「ううん、違うよ。ほら、あのおばあちゃんいるでしょ……」
おばあちゃん「……」
女「あのおばあちゃんが見てる前じゃあ、絶対に人は殺せないんだって。そう書いてあったの」
僕「……つまり、この駄菓子屋は安全地帯って事?」
面白い
C
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 19:59:08.98 ID:FzXX97+r0
気になってしょうがない
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:01:07.77 ID:Y2Rg+1Kw0
これは果てしない厨二
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:04:24.16 ID:RLD3D6Yv0
女「……そういう捉え方もあるでしょうね」
僕「それ以外に、何かあるの?」
女「……」
女の子「おばあちゃーん、これ下さい」
女の子「あ、あたしもー。イチゴアイスー」
おばあちゃん「はいよー」
女「……ちょうど、いいかもね」
僕「えっ?」
女(あの女の子たちを見ていて。あくまでも自然に、盗み見る程度に……ね)
僕「……?」
そういえば相手から奪った、だんご生首3兄弟どっやって持ち歩いてんだろ?
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:08:48.55 ID:52kwgn+70
乙一ワールド?
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:10:42.98 ID:RLD3D6Yv0
おばあちゃん「えーっと、そっちの子が百二十円。こっちの子が百四十円だね」
女の子たち「はーい」
おばあちゃん「はいはい。じゃあ……まずあんた。耳を貸して……」
女の子「?」
おばあちゃん「……ひそひそ」
女の子「えぇ〜?」
僕「?」
僕(何か……言われた?)
女(ほら。あんまり見ないで。あくまでチラ見チラ見)
僕(……気になるんだから、仕方ないじゃんか)
おばあちゃん「じゃあ次はそっちのあんた」
女の子「は、はい……?」
おばあちゃん「……ひそひそひそ」
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:16:59.16 ID:RLD3D6Yv0
女の子「……へえ。ふーん」
おばあちゃん「分かったかい? じゃあ、またおいでね」
女の子「はーい」
女の子「ばいばーい」
タタタタッ。
僕「……」
女(見た?)
僕(見た。何があったのか全然分からなかったけど……)
女(ここでお金を使うと、色々特典があるのよ。さっきのはその……一部かな)
女(何を言われたかは、本人にしか分からないけど。何かヒントになる事を言われたり……アドバイスがあったり)
僕(……あのおばあちゃんが、ね)
C
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:20:17.19 ID:RLD3D6Yv0
僕(もしかして……これが戦うメリット?)
僕(誰かを倒してお金を奪ってさ……そのお金で買い物して、ヒントをもらって)
僕(それでここを脱出出来るって……そういう事!?)
女(……)
女(半分くらいは正解だけど、でもそれは違うよ。私がさっき言ったメリットは、また別なの)
僕(……僕にはその辺の仕組みがよく分かってないからさ。一回ちゃんと説明してよ)
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:26:33.78 ID:RLD3D6Yv0
女(大丈夫、ちゃんと言うからさ。でもそれには、どこか隠れ場所を探さないと……)
女(誰にも盗み聞きされない場所をね。ちょっと、待っててね)
女(『交換』だけしたら、すぐに寝床を探しに行こうよ)
僕(交換って……一体?)
女(見てれば分かるよ。行ってくるね)
僕(あ、ちょっと)
ひそひそ話を止めると、彼女はおばあちゃんのいるレジの方に向かって歩き出した。
そして、レジにつくなりこう言ったんだ……。
女「すいません。頭二つと交換したいんですけど……」
支援んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:31:46.78 ID:RLD3D6Yv0
おばあちゃん「ああー、はいはい。頭二つでいいんだね?」
女「はい」
おばあちゃん「二つじゃあ……これくらいかねえ」
女「はい、それで結構です。じゃあこれで。ありがとうおばあちゃん」
おばあちゃん「はいよ、またおいで」
女「……」
レジから戻って来た彼女は、先ほど受け取ったばかりの大きな麻袋をこちらに見せつけて来た。
僕はそれを呆然と見つめながらも、外に出ようというジェスチャーを受け……慌てて店外へと飛び出した。
おばあちゃん「またいらっしゃい」
後ろで、優しい声がした。
外はもう段々と暗くなっていた……。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:35:12.70 ID:l9CmGDhv0
支援せざるを得ない、アニメ化期待
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:37:28.50 ID:8VBLrj3t0
夜勤明けまで残しとけよクソ虫ども
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:37:29.94 ID:RLD3D6Yv0
女「……ちゃんと戸締まり確認した?」
僕「うん、全部に鍵かけたよ」
女「……ふう。とりあえず今日はこれで安心かな、疲れちゃった」
僕「……」
大きな麻袋を、ドサリと置いた彼女はそのまま床に座り込んでしまった。
空いていた平屋の一室に……僕たちはいた。
ここが今日の寝床、というわけだ。
村の中央から、ちょっと森の方に戻る途中にあった小さな一軒家。
周りに建物は少ないが、森に近い分自然も多く、静かで落ち着いた場所だった。
支援
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:48:54.93 ID:RLD3D6Yv0
僕「でも、よくここが空いてるって分かったね?」
女「……大抵のお家は空いてるんだよ。私たちの宿泊場所のために、ね」
女「来る途中の家に電気がついてたでしょ? あれもみんな、私たちと一緒の……人たちだよ」
僕「……」
僕「やっぱり、他の人は誰もいないの?」
女「いないよ。少なくとも私はあの駄菓子屋のおばあちゃんしか……知らない」
僕「……」
もう、大人はあてには出来ないと僕は改めて思った。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:53:40.15 ID:FzXX97+r0
支援
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:53:56.89 ID:RLD3D6Yv0
女「……それで。早速本題なんだけどさ」
僕「本題?」
女「うん。さっきまでは外にいたから、誰に聞かれてるか不安で話せなかったけど……」
女「さっきの戦うメリットの話や、明日からの事。それと、メモに書いてあった事を少しでも細かく僕ちゃんに」
僕「……うん」
女「じゃあ、順番に話して行くからね。まず……」
……ヒッ、ヒック。
女「!?」
グッ、グスッ……。
僕「何か、聞こえる?」
女「しっ……」
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:54:40.16 ID:0W/u1Giei
僕ちゃん……だと!?
支援
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 20:58:37.49 ID:RLD3D6Yv0
グスッ、グスッ……。
僕「なに? 泣いて……いる?」
ヒッ、ヒッグスッ……。
女「……」
その声は、僕たちのいる居間の押し入れの中から聞こえているようだった。
女ちゃんはゆっくりと立ち上がり……勢いよく、その押し入れを開けた。
ガラッ。
「ヒ……ッ……ウ、ウワァァァアアン……!」
僕「っ!」
「グスッ、グスッ……ヒグッ……」
開けたと同時に、うるさいくらいの泣き声がした。
昼間聞いた、生首たちの叫び声とはまた違った不快感があった……。
「ううっ、ぐすっ……」
そして、押し入れを覗くとそこには……。
C
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:06:58.42 ID:5dTuBMOxi
/ ̄ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ ヽ
/ ( ●)(●) |
| (__人__) } うーっす
/、. ` ⌒´ ヽ
/ |
| | /
ヽ_| ┌──┐ |丿
| ├──┤ |
| ├──┤ |
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:10:52.36 ID:RLD3D6Yv0
気弱な女の子「う……うわああん……!」
明らかに気の弱そうな女の子が一人で、押し入れの中で泣いているのを見つけた。
たたまれた布団にしっかり抱きつきながら……いつまでもわんわんと泣いていた。
僕「……お、女の子? この子も、同じ?」
女「多分、この様子じゃあずっとここに隠れていたんでしょうね……」
女の子「ひっ、ひ……ぐすっ……」
僕「えっと君の名前は?」
女の子「……」
女の子「ぐすっ」
女の子「うわああんっ!」
僕「……ダメだね、これは。どうしよっか?」
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:16:07.82 ID:RLD3D6Yv0
女「……しばらく放っておこう。お互い危害を加えるつもりは無いみたいだし」
女の子「ひっ……ぐすん……?」
僕「それも、そうだね。しばらくすれば押し入れからも出てくる……よね?」
女の子「……ぐすっ」
女「とにかく……話を始めるわね。一つずつ、一つずつ」
女「明日からこの村で何が起こっていくのか……そしてこれからどうするべきかをね」
僕「この子に聞かれても大丈夫?」
女「害が無いって言ったでしょ。大丈夫よ……それに」
女「こういう子の事も、話すつもりだったし。都合がいいの」
C
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:22:22.06 ID:nRdI0uZL0
保守
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:24:01.64 ID:RLD3D6Yv0
僕「それは、どういう意味で?」
女「……」
彼女は目を閉じ、小さく深呼吸をする。
そして、低い声で淡々と話をし始めた……。
女「明日から、きっと状況は変わるよ……」
女「今日よりたくさん人が傷付いて、いなくなる人ももっと出てくる」
女「明日からは……そうなっちゃうの」
僕「……」
僕「それは、単純に日が進むから死ぬ人が増えるっていう事でいいの?」
女「……ちょっと違うよ」
女「人を殺せば殺すほど、メリットが出てくるんだってば……それがさっきの、駄菓子屋さん」
支援
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:31:47.58 ID:nRdI0uZL0
保守
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:34:02.06 ID:RLD3D6Yv0
彼女はメモの内容を思い出しながら、僕にこう語ってくれた……。
『殺した人数、パーツのついて(景品交換、場所)』
『殺した人数、奪い取った部位に関しては自動でカウントされる』
『部位をいちいち持って歩く必要は無し』
『村の中央にある駄菓子商店でそれを伝えると人数、奪った部位によって特典がもらえる』
『特典は固定では無いので、何度でも足を運んで欲しい』
『ただの買い物でも、特典やヒントあり(内容は違う)』
女「……こんな所かな。これがおよそ書いてあった事」
蠱毒と五徳って似てるよね
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:40:18.65 ID:RLD3D6Yv0
僕「……改めて聞くと嫌なもんだね」
女「ね、僕ちゃんはこれを初めて聞いて……どう思った?」
女「初日の今、僕ちゃんは人と戦って特典が欲しい?」
僕「……」
僕「正直、あんまり。特典も中身がよく分かってないし、何よりそんなすぐに人を殺すなんて僕には……」
女「……それが、この村に来た半分くらい子が今思ってる事だろうね」
女「でも僕ちゃん。君は見たよね? 耳が無くて、包丁を振り回して来るワンピースの女の子」
女「茂みから飛び出して来た三つの生首……いずれも、私たちを殺そうとした」
女「あんな姿になった子を見て……まだそんな事を言ってられる?」
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:46:33.21 ID:RLD3D6Yv0
僕「それを言われると、ちょっと迷うけど……」
女「迷う……よね。うん、大抵みんなそうだと思うんだ」
女「いくら戦い方がマニュアルになっていても、簡単に人を傷付けて……それでご褒美が貰えるって言っても、戸惑うよね」
女「少なくとも、襲われる人の少なそうな一日目、二日目は、ね」
僕はその言葉に少しだけドキリとした。
彼女は更に言葉を続けた。
C
誰か保守間隔plz
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:52:00.52 ID:3AHlGALE0
保守
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:53:59.37 ID:RLD3D6Yv0
女「最初から誰かを襲おうと考えてる人は少ないと思うよ。でも……もし今日みたいに、誰かに襲われたりでもしたら?」
僕「……逃げ出す」
女「武器もなくて、仕組みがよく分かってない時はそうかもね」
女「傷付いたって、致命傷以外は動けるから……襲われても生き延びれる可能性は比較的高いはずなんだよ」
女「それが、一日目。じゃあ二日目になったらその襲われた人は……戦う事に迷うかな?」
僕「……」
女「人は襲わないにしても、最低限の自衛はするために武器や警戒心は持つだろうね。最初に襲われたパターンなら、なおさらね」
僕「つまり明日からは……そういった人間が増える?」
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 21:54:04.11 ID:AN0kUC6+0
ほす
C
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:00:11.63 ID:FzXX97+r0
おもすれー
でもこれ1000までに終わらなくね?
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:01:17.05 ID:RLD3D6Yv0
女「増える……かもね。一日目の今日、誰がどういう行動をしてどんな出来事にあったか……それ次第で随分変わるからさ」
女「襲われた人もいるだろうし、わけも分からないまま逃げて隠れてた……こういう子だっているだろうし」
女の子「……」
女「私たちみたいに、誰かと協力して動く人も……とにかく色々なのよ。さっきの発言は、無難に考えた場合の事だよ」
女「もしかしたら、頭のいい人がすぐに出口を見つけるかもしれない」
女「もしかしたら、あまり戦いはなくって比較的平和なのかもしれない……そんな事もあり得るわけなのよ」
僕はそれを聞いて、ちょっとだけ安心をした。
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:01:22.67 ID:naaAixf40
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:02:43.26 ID:rUBmiF+80
今のうちに言っておくが雑談はやめとけよ
C
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:08:40.50 ID:RLD3D6Yv0
もしかしたら、このまま何もせずに生きているだけで……この村から脱出する事が出来るかもしれない。
僕はそんな楽観的な気持ちを一瞬だけ持った。
彼女の次の言葉を聞くまでは……。
女「でも……今回はちょっと危ないかもしれない」
女「多分、襲われた人多いから……明日から、大変になりそう」
僕「え……ど、どうして。だってさっきは何があるか分からないって言ってたのに……」
女「……それは、まだ姿を見てない人たちの話。会ってない人にはさっきの考えでもいいかもしれないけど」
女「……」
女「問題はね、今日接触した敵の数なんだよ……」
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:11:13.86 ID:F4wVZ6Sp0
・・・今回?
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:15:30.94 ID:q2HvtV7y0
C
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:16:41.95 ID:RLD3D6Yv0
僕「接触した……数?」
女「ねえ、僕ちゃん。今日戦って……怪我をしていたのは何人いたかな? 一応私も含めてね」
僕「えっと……それは」
僕「まずは耳がなくて、包丁を持った少女……」
僕「それで、次は山小屋で女ちゃんの怪我を確認して」
僕「……次は、あの半身の子。下半身と頭だけの女の子と」
僕「めぐみと、ゆりなって呼ばれた頭が二つ……」
僕「接触した数は五人、かな」
女「そうだね、その五人。今ここにいる私は除くとして……残りの四人の身体の状態」
女「それを見て……僕ちゃんはどう思った?」
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:19:55.97 ID:q2HvtV7y0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:22:22.87 ID:wVvg8fqt0
支援
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:22:41.15 ID:RLD3D6Yv0
僕「どうって……耳がなかったり上半身がなかったりさ……随分惨いなあって」
僕「……はっ」
女「そう、そんな惨い真似をした人間が『もう』いるって事なんだよ……朝からお昼過ぎまでの短い時間の間で」
僕「……」
女「さっき言った、他人を襲うかどうか躊躇している人間なんかに……上半身を丸ごと切り取る真似は出来ない」
女「一日目、まだスタートしたばかりの時間じゃあ、ね」
僕「……僕が女ちゃんと会ったのって何時くらいの事か分かる?」
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:25:10.99 ID:q2HvtV7y0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ミ ピャッ!
|
| シャッ
|≡≡≡C
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:28:16.67 ID:RLD3D6Yv0
女「お昼を二時間くらい過ぎた辺り……かな。つまり、それまでの時間で四人は耳を取られ上半身を切られ頭だけを……」
僕「……」
女「全体人数は分からないけど、最初で傷付いた子と、身体の損傷が大きい子の割合が……」
僕「……そう考えると、確かに異常だね」
僕「じゃあ、もう既に一日目の開始の時点で……」
女「明らかにあの四人を殺すつもりで動いてた人間がいる……ってわけよ」
女「それが私の、安心出来ない一番の理由」
331 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/04(月) 22:30:29.74 ID:yr25tUct0
C
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:30:59.42 ID:q2HvtV7y0
しえん
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:37:07.22 ID:Ovww/iKE0
支援
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:39:45.94 ID:RLD3D6Yv0
僕「っ……」
女「あの四人の損傷具合から、全員が同じ人に襲われた可能性は低い……どれだけの人間が襲うために動いてるのか……分からない」
僕「ね、ねえ。ちょっといいかな?」
女「んっ?」
僕「……そういう人は無差別で狙っているのかな? それとも、何か目的があって……」
女「……一番の目的は、パーツ。部位集めだと思う」
女「僕ちゃん、さっきの駄菓子屋でさ。私が頭を二つ交換した話、覚えている?」
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:44:42.34 ID:GS4pQY3i0
おもしれー
支援
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:47:21.59 ID:PINS/HjHO
おい!おまえらお店暇すぎて売り上げないから飲みに来い!
もちろん俺のおごりだ
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:50:07.51 ID:WRhQ+0qT0
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:51:17.07 ID:RLD3D6Yv0
僕「あ……うん。それでこの、ちょっとした袋を貰ってた……だよね?」
女「うん。一応私はあの時点で女の子たちの首を三つ、包丁少女の右肩をパーツとして持っていたわけだけど……」
女「これは交換せずに残しておいてあるの。どうしてだか、分かる?」
僕「うーん……」
僕は少し考え込んでみたが、よく分からなかった。
僕「……何回かに分けて交換する事で、安定して物が貰えるから、かな?」
僕「ストックって言うか……取っておく、みたいな感じでさ」
女「ううーん。そういう考えもあるかな、確かに部位は多いにこした事はないけど」
女「でも私が頭と右肩を残した理由は、それじゃないんだよね」
支援
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:56:05.50 ID:TVf30UEj0
C
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 22:57:40.76 ID:RLD3D6Yv0
僕「他に理由があるの?」
女「うん、あるよ」
僕「ええっと、メモメモと……」
さっき話を聞いてまとめた、メモのメモを僕は見直してみた。
しかしすかさず彼女から一言が飛び出した。
女「ああ、メモには書いて無かった事だから見直しても無駄だよ」
僕「ええっ、そんなのじゃあ分かるはずないじゃない……」
女「……考え方一つだよ。じゃあちょっとヒント出すよ」
僕「ヒントって……クイズじゃないんだからさ」
女「……大事な考えなんだから、こうして話しているんでしょ。暇潰しってわけじゃないんだから……ね?」
僕「……ん」
女「じゃあ、ヒントね」
女「例えば僕ちゃんがナイフを持っていてさ……」
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:00:10.49 ID:6nQiESK30
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:03:17.12 ID:3wsny8pdO
女はこの脱出ゲームを何度か経験してる
何ヶ所かでこのゲームが一斉開催されていて
各ゲームの生き残りが集められてまた新たにゲームを始める
そう、最後の一人になるまで…
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:04:07.08 ID:RLD3D6Yv0
女「相手も同じように、ナイフを持って睨み合っているとするよね」
僕「……うん」
女「ナイフはそこまで大きいわけじゃない物で、切れ味も普通」
女「じゃあ僕ちゃん、その状態で……相手から一番手に入れやすい部位はどこだと思う?」
僕「えっ……」
女「相手と戦っているんだよ。さ、どこ?」
僕「手に入れやすい部位……つまり、パーツか」
僕「うーん、その話だったら指とか、かなあ」
女「……指の骨って意外と硬いんだよ。それに戦いが終わったならともかく最中なら……手に入れやすいとはあまり思えないかなあ」
僕「……じゃあ、まずは心臓を一突きだ」
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:04:26.77 ID:X2fPJixo0
山田悠助のダスト思い出した……
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:05:08.91 ID:k/89ocwq0
>>344 分かったからそういうのはチラシ裏にでも書いとけ
ID:3wsny8pdOといいID:PINS/HjHOといい予想厨うぜえ
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:08:56.92 ID:MuGgUFXa0
流石もしもし
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:09:59.38 ID:RLD3D6Yv0
女「その人の心臓は急所じゃないかもよ?」
僕「え、あ……そっか。そういうルールだったっけか」
僕「うーん、となると……ん、あれ?」
僕「なんか、手に入れやすい部位なんて無いような気がしてきたよ……」
女「ふふっ、結構それで正解。お互いただの子供が刃物なんか持って喧嘩しても……ただ倒すだけならともかく」
女「意図的にどこかを狙ってその部分を奪うなんて……よく考えたら、難しい事だよね?」
僕「……それと、さっきのクイズとどう関係が?」
女「パーツを集めるのは難しい。だからそのパーツを大量に集めて交換すれば……何かある、かも」
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:12:40.94 ID:HX4IdGWW0
ダブりを売ったってわけか
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:13:44.67 ID:PINS/HjHO
もしもし
携帯馬鹿にする人って結局ひきこもりなんだよね
がちゃ
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:14:57.13 ID:w8ulmKGj0
※展開予想はやめましょう他人の迷惑になります
C
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:15:26.90 ID:GVszLw7p0
私怨
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:19:30.13 ID:RLD3D6Yv0
僕「かも? かもって事は……」
女「……確信なんてないよ。言ったでしょ、メモには書かれて無い事なんだってば」
僕「……それは、ルールとは違う事なら効果は無いんじゃないの?」
女「ローカルルールっていうもあるんだよ。これは私が勝手に考えているローカルだから……いいの」
僕「……そっ、か」
女の子「……ぁ、ぁの」
女「勝手な思い込みだよ。あまり気にしないで。でもきっとこういう風に生きるんだよ……今は」
僕「……」
女の子「ぁ、ぁの!」
押し入れの中から、可愛らしい声が聞こえる……。
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:19:38.19 ID:JcBmI0FE0
ID:PINS/HjHO
ここまで頭の悪いもしもしを見たことが無い 新参は失せろよ
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:20:56.99 ID:7wLTBJoJ0
構ったりしないでNGにしておけ
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:22:27.79 ID:4ewr0ChAO
支援
頑張って下さい
>>354 スマホのIDは末尾0なんだよー
賢くなったねー
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:25:16.93 ID:l7mRY5HQ0
C
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:27:27.22 ID:RLD3D6Yv0
僕「え……あ?」
女の子「……」
ヒョコッと顔を出した女の子。
既に顔に涙は無く、僕たちの事をじっと見つめて来た。
女「えっと、どうかしたの?」
女の子「……さっきの」
僕「さっきの?」
女の子「クイズの……答え」
女「聞いてたんだ。でも私の答えはもう言っちゃった後だから、今言っても別に……」
女の子「ロ、ローカル! ローカルだから! ね」
クスッ、と僕は思わず笑ってしまった。
女ちゃんもそれに釣られて、くすくすと笑っていたのが見えた。
なんだか笑ったのはとても久しぶりのように思えた……。
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:27:42.19 ID:ldSW2jc50
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:28:05.74 ID:GVszLw7p0
あぼんしろ
支援
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:28:36.46 ID:mHmV+W+10
先の展開の予想どころか
「おーすげぇ、女頭いい」とか思っちゃってる俺頭わりー
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:29:03.01 ID:PINS/HjHO
新参だけど嬉しいわぁ
こんなにレスついて♪
あと少しでID代わるしおじさん頑張るぞぉ
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:32:09.32 ID:3WvnwBn70
追いついた支援
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:32:12.56 ID:RLD3D6Yv0
女「はいはい、じゃあ……いいわよ。あなたはどんな答えを考えたの?」
女の子「えっと……ねえ」
女の子「人の身体って、集めるの大変だよね?」
女の子「だから、それを全部集めたら……すっごい景品が貰えるのかなーって」
女の子「私はローカルそう思ったの」
女「……」
ピクッ。
僕「……全部? 全部って、全身って事?」
女の子「うん。だって、指だけでもとるの大変なんでしょー?」
女の子「私は……喧嘩した事なんて無いから分からないけど」
女の子「でも話を聞いてて、全身を集めるのが一番大変かなーって。思ったの」
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:34:14.98 ID:PINS/HjHO
私怨
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:39:08.89 ID:4ewr0ChAO
ほし
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:43:23.29 ID:RLD3D6Yv0
僕「んー、そういう考えもあるんだ」
僕「女ちゃんは……どう思った?」
女「……」
彼女は居間の床を見つめたまま、ボーッとそこに座り込んでいた。
僕の言葉には反応を全く示さなかった。
僕「女……ちゃん?」
女「……はっ、え?」
僕「いや、さっきの答えをどうって聞いただけだけど……」
女の子「どうかなー?」
女「あ、うん。そう……ね。全身集めるのが一番難しいのかも、ね。じゃあ正解」
女の子「やったー」
女「ええ、うふふ」
僕「……?」
僕はその空気に、なんだか違和感を覚えた……。
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:43:23.88 ID:judVVeK40
ストーリーも読ませるけど
「☆ありがとー」や「寝ます、○時頃投下予定」
等自分語りを一切しないこの
>>1の毅然とした姿勢が好きだ
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:45:38.63 ID:+/2f7MbL0
>>1が本当に一時離脱するときには書いてくれたほうがうれすい
ホラーなバトルロワイアルみたいだな
女が川田みたいで頼もしい
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:47:12.01 ID:tS3YFz+i0
こういうのは女が本当に味方なのかどうなのかわからなくてあーだこーだ考えてる時が一番楽しい
381 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/04(月) 23:48:04.42 ID:51nKg2KDi
殺し合うより協力した方がはやいよな
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:49:26.37 ID:Ot864Ma20
遺体を全部集めてナプキンを最初に取る者になるんだな
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:52:26.25 ID:TRbdXXja0
wktk
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:53:59.33 ID:4ewr0ChAO
戸梶圭太のレイミって小説思い出した
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:55:03.12 ID:3KdqYTil0
こわいなこれ
生首モグモグは興奮したけど
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:55:14.75 ID:RLD3D6Yv0
女「そう言えば、あなたの名前は?」
女の子「……私、ハクっていうの」
女「ハクちゃん、ね。ずっとこのお家にいたの?」
ハク「気付いたら、このお家の中にいて……押し入れにずっと隠れていたら、二人が来て、それで……」
女「……そっか、大変だったねー。その様子じゃあ戦ってもいないのかな?」
ハク「……喧嘩? してないよ」
女「そう……なんだ」
C
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:57:12.26 ID:XP1vrDKY0
読ませるねえ
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:58:21.27 ID:APH+KNvl0
てか男が1人もいなくね?ハーレムじゃねーかクソ
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/04(月) 23:59:19.04 ID:ks70OQVY0
このハーレムは羨ましくないぞwwwwww
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:00:08.25 ID:bKGhZXQ20
自己紹介を口火に、彼女たちの会話が始まった。
なんだか、さっきまでの暗かった空気が嘘のようだ。
女「……うん、途中で首の人に襲われちゃってね」
ハク「わ、こわーい」
女「ハクちゃんも気をつけてね。どこから飛び出して来るか分からないんだから……」
ハク「うん、ありがとう女ちゃんー」
女「ええ、ふふっ」
僕「……」
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:01:29.92 ID:bKGhZXQ20
なんだか、女ちゃんがずいぶんハクちゃんを気にしている様子だったが。
姉御心でも芽生えたのだろうか?
色々と積極的に話しかける彼女を見て……僕は。
彼女もお喋りする相手が欲しかったのかなぁ、と勝手に思っていた。
僕はそんな事を、眠る直前まで考えていたんだ……。
今年で1番おもしろい。支援
一応さげとく
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:03:06.45 ID:g448BIji0
ID変わったせいで一瞬偽物かとおもた
支援
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:04:44.14 ID:sziCTXhTO
明日の朝まで残ってる事を祈りつつ………。
寝ます。
支援
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:07:18.30 ID:euMTDMRU0
ずっと隠れてたのにハクさん馴染んでますね^^
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:07:51.69 ID:bKGhZXQ20
僕(女の子、女の子同士ね……)
ハク「すぅ……すぅ」
女「……」
僕はそっと、窓に寄りかかっている女ちゃんの方に目をやった。
鍵をかけているとはいえ、夜襲はやはり恐い。
彼女と話し合い、交代で見張りをする約束だったが……今、彼女は起きているのだろうか?
女「……」
部屋が暗くて、そこまでの確認は出来なかった。
僕(……)
僕(……女ちゃん、あんなにお話する子なんだなあ)
僕(やっぱり同性の方が話も盛り上がる、のかな)
僕(同性……僕が今日会ったのは、女の子ばっかだな……)
期待
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:13:05.96 ID:bKGhZXQ20
僕(……僕ももしかしたら、こんな風に話が出来る友達を……)
僕(一緒に駄菓子屋さんに行ってさ、遊んでお菓子を買って食べて……)
僕(……でも、あの駄菓子屋)
僕(なんか、変だったんだよな……)
僕(違和感って言うか、駄菓子屋っぽくないって言うか……どうしてかな。パッと見変な場所なんて無いのに)
僕(……まあ、いい。明日はまた……)
僕「……」
僕「ぐう……」
真っ暗な部屋の中で、僕は眠りについた。
……。
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:13:48.53 ID:kf6YN+O20
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:13:49.92 ID:pjME1PZC0
C
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:15:05.89 ID:M3EuAmos0
C
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:17:49.18 ID:7JYR9tQs0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:18:05.69 ID:ZpGdA+f40
20円貯まったな
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:18:38.07 ID:wKvccz1U0
Cて支援の事か
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:19:17.24 ID:7JYR9tQs0
これで駄菓子買えるな
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:20:22.53 ID:rdUSgzw20
何買う?
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:21:20.06 ID:DaPJyxTs0
五円チョコ個買って4人で食べよう
411 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/05(火) 00:21:52.17 ID:rM042v8ei
武器あるなら野生動物倒せるじゃねーか
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:22:20.75 ID:bKGhZXQ20
少女「……」
僕「え……あれ? 君は確か……」
包丁少女「……ニィイ」
僕「!!」
包丁少女「……!」
ザクッ、グサッ。
わああぁああっ!!
……。
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:23:25.20 ID:Kg/wheyT0
>>411 ものすごく強いとか数が多いとかだったら・・・
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:23:25.59 ID:zP+qrQbZO
すまん、どんど焼き買ってしまった…
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:24:12.37 ID:SSk5KwF4O
>>411たしかにな戦闘体制に入れば急所以外は無敵状態なわけだから
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:25:21.94 ID:M3EuAmos0
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:26:16.70 ID:bKGhZXQ20
女「……僕ちゃん、僕ちゃん」
僕「ん……」
女「起きて。起きてよ」
僕「……ゆ、夢? よ、よかった、はぁ」
女「しっ! 静かに……」
ムグッ、と僕は口を彼女の手で軽く押さえつけられた。
ここまでされて、ようやく僕の意識はっきりとし始めた。
僕「……あれ? まだ外暗いよ。今何時くらい?」
女「午前四時……」
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:26:25.37 ID:HMJQ8UMZO
うわっ
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:31:18.27 ID:bKGhZXQ20
僕「四時!? ちょっと早すぎじゃ……あ、もしかして見張りの交代?」
女「違うって、とにかく静かにして! 私の話を聞いて」
僕「う、うん……」
女「……いい? すぐにこの家から出ていくよ。早く支度して」
女「なるべく物音たてないで……ね」
僕「え……い、いきなり? どうして!?」
女「理由は後で話すから、さ、早く!」
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:32:32.58 ID:HMJQ8UMZO
なんかSIRENみたい
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:34:49.18 ID:oC2MgZh+0
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:36:45.02 ID:bKGhZXQ20
僕「で、でも……」
僕はチラッと、ハクちゃんの眠る布団に目をやった。
ハク「……」
頭から毛布をすっぽりと被り、丸まりながら眠っているようだった。
想像すると、なんだか可愛らしい気さえした。
女「さ」
僕「わかったよ……。でもハクちゃんも起こすんでしょ? だったら僕が……」
女「……」
ガシッ、と、
僕の肩を強い力が襲った。
僕「!!」
思わず後ろを振り返ると……彼女が僕の肩を掴みながら、小刻みに首を振っていた。
その口から、もう言葉は出なかった……。
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:39:52.40 ID:t+FMYueC0
ハクたん・・・
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:41:49.83 ID:z2uLYZ9s0
()うほ
>>1 いくら軽トラでもキキイッって自転車みたには止まらないです><
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:43:30.42 ID:bKGhZXQ20
僕「ねえ、どうしてあの子を置いて逃げるのさ」
女「……」
まだ青黒さが残る空と、冷たい冷たい空気が流れる林道で、僕は叫んでいた。
僕「ねえってば。いい加減理由くらい説明してよ……」
女「……」
女「理由はね、あの子だよ」
僕「ハクちゃんが何だって言うんだよ……」
女「……昨日、駄菓子屋の交換について問題をやったでしょ」
女「あの答えに……私はゾクッとしたの」
僕「答えって」
女「……全身のパーツを集める、いわば一人の人間と交換する事。ハクはこんな感じの事を言ったわよね?」
僕「……それがどうしたのさ」
こんな時間に…
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:44:34.21 ID:euMTDMRU0
やはりか…
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:48:20.55 ID:qvS9lBtE0
明日の朝まで保守任せた
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:49:05.47 ID:c7p2WgiU0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:51:15.17 ID:HMJQ8UMZO
100円
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:51:27.59 ID:bKGhZXQ20
女「……もう一度、思い出してよ。昨日の首の二人を」
僕「……」
女「いい? 頭だけって事は、つまり首を切られたって事よね? 分かる?」
僕「……当たり前だよ。だから首だけが襲って来たんじゃないか」
女「私が言ってるのは、頭の事じゃないの。切られたその首から下の事よ……!」
僕「?」
女「本当に駆け足で説明するよ? 首が切られました、頭と身体は離ればなれになってます」
女「この時、首から下の身体を見れば……頭をつけただけで人間の形の完成。これは分かるよね!?」
僕「……そりゃあ。切られたなら想像は出来るさ」
僕「それは分かったから、だからどう関係があるのかを説明……」
周りは敵だらけww
頼れるのはやっぱ自分だな
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:54:21.52 ID:y5ZgJ2de0
「僕」の理解力に泣いた
SIMフリーの携帯とSIMカードみたいなもんか
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:57:28.58 ID:HMJQ8UMZO
じれったい
だがそれがいい
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:58:32.90 ID:ZBGKgbf40
説明が入って分かりやすいからおk
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:58:40.58 ID:bKGhZXQ20
女「この時点で分かってないなら、分かってないって事なの!」
僕「!!」
あまりの剣幕に、僕は……半分びっくりしながらも、気持ちが殴られた思いを感じた。
だから、何だって言うんだ!
そう怒鳴ろうとする前に、彼女は僕に向かって……こう言い放った。
女「あの子はバラバラのパーツだけを想像して、一体の人間作るって言ってたんだよ!」
女「怯えて隠れてた子に、そんな考え出来るわけないでしょ!!」
僕「……っ」
女「……」
女「分かってくれた? 私があの場所から逃げ出した理由……」
僕「……」
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:59:31.74 ID:M3EuAmos0
まさか…
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 00:59:56.04 ID:mtdSbxbN0
6:00まで保守をお前らにまかせた
ニィィイイイイ
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:01:59.40 ID:xxFXkugu0
期待支援
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:03:21.86 ID:DkKA/17Y0
女と僕のIQは絶対に50差以上ある
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:04:24.06 ID:bKGhZXQ20
僕「……女ちゃんは、こう言うんだ。あんなに、泣いて怯えて子が本当殺人鬼で僕たちを狙う……って」
女「可能性はあると思うよ。本当はすぐに逃げたかったけど……さすがに深夜は出歩けないから」
僕「じゃあ……あえて麻袋を開けなかったのもハクちゃんがいたから?」
女「うん……さすがに気付くよね。袋の中を見られたくなかったし……何か取られたら嫌だったから」
僕「……」
女「……とにかく、何もなくてよかったよ。さ、とにかく村の方に出よう。すぐに明るくなって……」
僕「……」
女「僕……ちゃん? どうしたの?」
んー、まとめブログに乗るかな
俺は小文字で頼む
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:07:15.48 ID:4wnvoRL60
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:08:53.96 ID:8tKBCO/s0
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:10:51.19 ID:DkKA/17Y0
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:11:04.38 ID:gp675xl20
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:12:51.23 ID:bKGhZXQ20
僕はここまでの彼女の話を聞いて……ある仮説を思い付いた。
考えてみれば、昨日のうちにヒントはたくさん出ていたのかもしれない。
一日目のお昼、僕と出会う前に無くなっていた左腕……。
初日なのに落ち着いた物腰、言動……。
先ほどのハクちゃんに対する疑問の持ちかけ方……。
そして、何より彼女自身が殺人鬼だと思っているハクちゃんと同じ考えが出来るその思考回路……。
女「……」
つまり、彼女こそが本当の……。
僕(殺し回っていた人間……なのか?)
女「んっ?」
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:16:43.30 ID:bKGhZXQ20
女「ほら、もう分かってくれたでしょ。行こうよ……ね」
彼女が殺人鬼。
そう思った瞬間、僕の心は……無意識に彼女を警戒し、疑い始めた。
僕(……い、嫌だ)
女「さ、ね?」
一日一緒に行動をして、殺気を全く感じなかったのも、何かと僕を助けてくれたのも……よくわかる。
それでも、一度疑いを持ってしまった僕の足は……素直に彼女について行こうとはしない。
部位コンプ全て一人の人間のパーツでもOKならハクちゃん既に…
漏らしちゃいました…
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:20:31.16 ID:bKGhZXQ20
僕(どうしよう……どうする!?)
このまま彼女についていっていいものか……僕は完全に迷っていた。
彼女が殺人鬼でないという保証は、どこにもない。
僕(どこにも……?)
僕(かもしれない、あんな考えをしたから、危なく感じて逃げた)
ああ、全部が憶測ばかりだ。
僕(……か、考えてみれば。全部彼女の話している口車に乗っているだけだよな)
そう考えると……僕はまた、一通りの考えを見つけた。
457 :
忍法帖【Lv=16,xxxPT】 【東電 67.8 %】 :2011/07/05(火) 01:23:42.81 ID:cRhsBqa/0
面白すぎる
是非完結まで見たい
僕うぜぇwww
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:25:57.34 ID:bKGhZXQ20
僕(き、昨日の答えで女ちゃん……ううん、女はハクが怪しいと睨んだ)
僕(それはハクが自分と同じ考えを持っていたからという理由だ)
僕(でもそれが……本当にただの、クイズの答えだったとしたら?)
僕(に、人間をバラバラにしてくっ付けるなんて発想が、すごい珍しい考え方ってわけじゃないんだから……)
僕(ハクも、そういう考えが出来る普通の人だとしたら……!)
僕(そうだよ、彼女たちに敵意は全く感じられなかったんだ)
疑う心を無理やり黙り過ごさせると、僕はここまで彼女たちを信じる事も出来る。
じゃあ……次はどっちの気持ちを信じればいいのか……。
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:27:36.96 ID:3QmkZVWP0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
「僕」が殺人鬼
「僕」は男ではなく女←参加者が全員女。女からの呼び名「僕ちゃん」から
「僕」は記憶喪失もしくは多重人格
包丁少女はは「僕」に攻撃された?
使えそうな仮説はこんなもんか
これはやばい。
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:29:46.28 ID:euMTDMRU0
SS自体は凄く面白いのに外野がしょっぱい
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:31:04.90 ID:HMJQ8UMZO
予想はいいよ
外野はどうのと言い出す信者が現れたSSスレは……
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:33:01.70 ID:TyXkk2Xi0
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:39:26.66 ID:HMJQ8UMZO
5円
Z武さんのローリングアタックを喰らって生き残った者は居ない
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:43:20.75 ID:euMTDMRU0
いかん眠くなってきた
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:44:13.15 ID:7JYR9tQs0
電池が…
保守頼んだ
473 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/05(火) 01:44:13.49 ID:CQTmTXZa0
出口ってどうやって見分けるの?
パンツ洗って寝るおやすみ
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:48:06.93 ID:bKGhZXQ20
女「……ねえ、聞いてる?」
僕「……」
悩んだ末、僕は……来た道を戻り、ハクがいる一軒家へと向かう事にした!
女「あ、ちょ、ちょっと! そっちは危ないってば……」
僕「……!」
僕は結局、彼女とハクを信じてみる事にした。
そして、僕は今……一人ぼっちになってしまったハクの元へと駆け出していた。
ヒック……ヒック。
……押し入れで聞いたあの泣き声が、どうしても耳から離れないんだ。
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:49:22.04 ID:euMTDMRU0
やっときたぁぁぁぁ
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:50:29.92 ID:rdUSgzw20
>>473 [ブラジル→]って看板に書いてあるよきっと
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:51:36.82 ID:uR8Kyoga0
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:52:11.24 ID:wsnrswdiO
外野もうちょい自重しねえか
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:52:20.69 ID:bKGhZXQ20
寂しそう、寂しいハクの顔と、押し入れから顔を出して安堵した表情を見せてくれたあの瞬間の事を……僕は嘘だとは思えなかった。
僕(ハクを迎えに行って、それから……三人で脱出方法を探せばいいじゃないか)
僕(……僕は、そう信じたい)
しばらく走ると、見慣れた家が見えてくる。
さっきより少し明るくなったとはいえ、まだ目に映る色は夜明け前の青ばかりだった。
僕(……)
僕は、静かにドアノブを回した。
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 01:58:50.80 ID:bKGhZXQ20
小さな玄関を抜け、居間へと向かう。
襖は開いていて、布団も僕たちが飛び出したままの状態だった。
ハクの布団も、相変わらず全身を毛布ですっぽり覆いながら変わらない盛り上がりを見せている。
僕「……ハク?」
僕は、近くに膝をつき彼女に声をかけた。
ハク「……」
彼女の返事はない。
僕は……そっと毛布を取り、彼女の頭を覗いてみた。
ハク「……」
彼女は確かにそこに眠っていた……。
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:03:08.48 ID:bKGhZXQ20
……ガチャッ。
ハクの顔を確認すると同時に、玄関が開いた音がした。
女「おーい、僕ちゃんてば!」
僕「……しっ。ハクが寝てるんだからさ」
女「寝てるって……僕ちゃん。その子を信じるの?」
僕「……」
僕「僕は、女もハクも両方信じるよ」
女「両方……」
僕「女は僕に色んな事を教えてくれたし、助けてもくれた……だから、信じてる」
女「……でも、ハクちゃん殺人鬼説は信じてないんでしょ?」
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:06:21.60 ID:bKGhZXQ20
僕「……そこは、ハクの態度を信じたよ。あの顔が嘘とは思えないし」
女「……」
僕「結局、今どっちかを信じなかったらみんな一人になっちゃうから……それはやっぱり、不安だからさ」
女「……殺されるよりも?」
僕「殺されそうになったら、逃げるよ。でもそうなるまでは……僕は二人の事信じる、そう思ったんだ」
女「……」
女「……まあ、別に何でもいいんだけどさ。ハクちゃんも」
僕「?」
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:09:17.02 ID:bKGhZXQ20
女「ハクちゃんも、私たちを追いかけたりしてないって事は……まあ、殺人鬼じゃない可能性もあるって意味だしね」
僕「女……」
女「か、彼女が起きたらさ。またお話すればいいかなって……そう、思っただけだから」
女「ち、ちょっとだけ。私も二人を信じるのもいいかな、って……ね」
僕「……うん!」
女「……ふんっ」
さるよけ、心臓バクバクする
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:11:22.55 ID:MyRfXDaa0
起きるまで残っててくれ
寝る前最後のC
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:13:04.59 ID:bKGhZXQ20
ハク「……」
僕は改めて、ハクの寝顔を見つめた。
これだけうるさくして目を覚まさないのは……僕たちを信頼して深い眠りに入っているのか。
それとも、ただ起きない体質なだけなのか。
今の僕にはどっちでもよかった。
ただ、三人で並んでまた会話出来る事を嬉しく感じ……僕はまた、ハクの顔をしみじみと見つめていたんだ。
ハク「……」
女「ん? あれ、もしかして……」
見つめていたんだ、彼女が僕にそれを気付かせるまで……。
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:16:07.08 ID:JMP2OdlnO
やっと追い付いた
追いついたとか感想とか支援とかどうでもいい
他のスレみたいに埋め立てて次スレをSS速報に移して作者いなくなって終了にしたいんじゃなけりゃレスしなくていい
俺のレスに対するお前もな、もいらない
猿避けも3レスに1レスで十分
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:26:04.04 ID:bKGhZXQ20
僕の「!」
僕の後ろで、ズッ、と彼女が例の世界を広げた。
背中から、ザワザワと虫が這うみたいな空気が……僕の身体を包み込んでいたように思えた。
女「ああ……やっぱり」
やっぱり、と彼女はそう言っていた。
彼女には分かっていたのだろうか。
この、真っ赤になったシーツと毛布の中で眠るハクの姿が……。
右肩から斜めに、腰の辺りまでをバッサリと切られ静かに横たわるハクの姿を……。
彼女は、予想できていたのだろうか……。
だとしたら……彼女は本当に……。
ハク「……」
毛布にくるまれたハクは、眠ったまままるで朝日が出るのを待っているようだった。
自分の手を小さな枕にしながら……ただ幸せそうな寝顔で起きるのを待っているだけ。
僕にはハクの寝顔が、そういう風にしか見えなかった……。
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:30:59.64 ID:bKGhZXQ20
僕「……」
女「ねえ、そろそろ行こうよ。もう七時過ぎたんだよ」
僕「……もう少し」
女「それでもう二時間もここにいるじゃん。分かってる? 私たちが出ていった直後、ハクは誰かに襲われたんだよ!?」
女「……しかも切り口から見て、部位集めの奴だろうし」
僕「……分かってるよ、そんな事くらい」
女「……」
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:36:45.55 ID:bKGhZXQ20
僕は、ハクの首の辺りを触ってみた。
顔にかけた白い布を落とさぬよう、軽く……そっと脈に指を触れてみる。
指先は震えず、毛布にくるまっていたはずの首筋はなぜか生温さを感じさせていた。
女「……無理だよ。向こうで動けないなら、彼女はもう……」
僕「……」
僕「……」
彼女は、もう?
もうっていつだ……いつ、ハクは死んでいたんだ?
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:46:03.49 ID:bKGhZXQ20
僕「……ねえ、女」
女「んー?」
僕は彼女に声をかけてから……言葉を飲んだ。
それは、先ほどの言葉と明らかに矛盾する考え、疑心暗鬼……。
僕(いるんだ、ある程度好きな時間にハクを殺せる人が一人だけ……)
女「おーい、なんか呼んだ?」
僕(……信じるなんて言った直後にこれだ)
僕(僕が寝ている間にハクが死んでいたとしたら?)
僕(殺したのは、女という事になる……)
wktk
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:50:52.65 ID:bKGhZXQ20
女「……」
女「疑ってるでしょ、私の事」
僕「……」
僕は何も答えなかったが、内心ではすごくドキッとした。
女「疑われても、仕方ないって思ってるよ。さっきから状況が状況だし……あ、違ったらごめんね。聞き流して」
僕「……」
女「……弁解するつもりじゃないけどさ。私の目的は、生きてこの村から脱出する事だけだからさ」
女「脱出……そのためには、戦わないといけない時もあるんだよ。昨日みたいに……ね」
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:55:05.02 ID:bKGhZXQ20
僕「……ずいぶん慣れた様子で戦ってたのが、印象的だったよ」
女「印象、印象的……ね。多分それがいけないのか」
女「例えばの話だけどさ……僕ちゃんが昨日の時点で誰かに襲われる事もなくて、私に出会ったとするでしょ?」
僕「……うん」
女「平和だからお互い仲良くなれて……もちろん相性とかもあるんだろうけど。仲間になって、協力する間柄になりました」
女「……この第一印象だったら、私を殺人鬼なんて思わないでしょ?」
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 02:56:01.70 ID:iv/3Nh/QO
首と左腕…
まさか、ガンダムか!?
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:00:15.28 ID:bKGhZXQ20
僕「……騙してる、可能性もあるかもしれない」
僕は疑惑を言葉に出した。
女「うん、それでもいいんだよ」
しかし、彼女はそれも当たり前のように受け、話を続けた。
女「状況が状況だから、人を疑うのだってよく分かるよ。でも、人を疑えない誰かだっているの……」
僕「疑えない……」
女「そういう人が一度疑心暗鬼になると、もう誰も信じないでしょうね。この先、日数が進めば進むほど余計に……」
女「私は、そういう人を一人にしたくないの。僕ちゃんや……ハクちゃんも。したく……なかったのよ」
僕「……」
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:05:42.65 ID:bKGhZXQ20
ここまで聞いて、僕は……やはり彼女が悪い人にどうしても思えなかったんだ。
僕(信じるとか、信じないじゃない……彼女は僕を助けてくれた。それだけで……)
女「……僕ちゃん」
だから。
僕「疑って……ごめん。女」
女「ううん、疑うのはかえって嬉しいんだよ。警戒してくれてるって事だから」
僕「……」
女「それに、その後で私を信じてくれた事のがもっと嬉しいもの」
僕「女。その事なんだけどさ、一回一緒に駄菓子屋に来てくれないかな?」
女「駄菓子屋? でいいの?」
僕「うん、お願い」
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:05:52.07 ID:GLEB7KnP0
ハク死んでるなら探ってメモ回収しろよ^p^
504 :
固定ハンドルネーム ◆OAlbYGERv2 :2011/07/05(火) 03:08:02.97 ID:OwoiRDTY0
ハクは急所突かれてたってこと?
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:13:24.76 ID:VOCJupZ60
ほ
支援
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:15:22.12 ID:bKGhZXQ20
……。
女「すいません、いいですか?」
おばあちゃん「はい、いらっしゃい。何の用だい?」
女「あ、あの。交換したいんですけど……」
おばあちゃん「はいよ。パーツはどうするんだい?」
僕「……」
女「はい。左斜めの上半身をお願いしたいんですけど……」
おばあちゃん「……んんん?」
>>490で支援も保守もいらないって言われてるのにほんとガキばっかりなんだな
ほら顔真っ赤にして俺にレス付けろよゆとり共
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:22:10.05 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「上半身? 肩じゃなくてえ?」
女「……はい」
おばあちゃん「悪いけど、そのパーツは扱ってないねえ……頭と右肩、それだけだよ」
女「……ホッ」
僕「分かりました、すいません。ありがとうございます」
おばあちゃん「はいよ、またおいで……」
……。
女「これで、分かってくれた?」
僕「うん、わざわざありがとう女」
女「……いいの。やっぱり信用して欲しいから」
僕「……うん」
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:22:50.13 ID:OoKxqGXl0
寝たか
男真に聞くべき内容を間違ってる
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:25:48.01 ID:VOCJupZ60
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:28:44.37 ID:xwcjAWDk0
ちんぽと何を交換してくれるんだろうな
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:30:38.70 ID:rdUSgzw20
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:32:54.94 ID:bKGhZXQ20
僕たちは、駄菓子屋の前のベンチで一息つく事にした。
午前中の涼しい風がとお店によって作られた日陰が暑さから僕たちを守っている。
「きゃっ、きゃ」
「わいわい」
店の前は子供たちで賑わいながらも、その子供たちだけしかいないという異様な風景がなんだか恐くて……。
僕は素直に、そこに座って安らぐ事が出来なかった。
僕「……」
女「結局、ハクちゃんを殺したのは誰なんだろう、ね」
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:40:34.77 ID:bKGhZXQ20
女が犯人でなかった以上、ハクを殺した人間は他にいる……。
女『私たちが家から出ていった数十分の間であれだけの事が出来たんだから……』
女『危ない子かも、ね』
僕がハクの隣で虚ろになっていた時、彼女はそう言っていた。
女『ハクが狙われていたのか、もしかしたら私たちが狙われていたのか……あるいは無差別か』
女『無差別ならタイミングがよすぎるけど……ね』
僕「……」
僕は彼女に再びこの話題を持ちかけてみた。
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:46:27.78 ID:nmZke7+b0
C
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:49:09.99 ID:bKGhZXQ20
女「ううーん……どうだろうね。考えても分かんないよ?」
女「何人ここにいて、どんな誰が何を考えて参加してるかも分からないんだし……犯人探しは無駄だと思うよ」
僕「……別に、犯人を探すつもりってわけじゃないんだけどさ。目処くらいは立てておきたいなって思って……」
女「ふうん? どういう意味で?」
彼女もちょっと、僕の言動に乗り気なのが伺えた。
僕は……その案を彼女に思い切り話してみたんだ。
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:51:07.50 ID:OUudzEv20
私怨
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 03:56:16.81 ID:bKGhZXQ20
僕が考えた事……それは。
女「人の集まる場所を探す?」
僕「うん、そうだよ」
僕「この村じゃあ味方は最初誰もいないから……まずは仲間を探すと思うんだ」
女「……空気が殺伐としない、最初辺りはね」
僕「でも、仲間が出来ない人や戦いが苦手な人もいる……後は、部位の奪い合いをしない人とか」
僕「そういった人間は、必ずこの安全地帯である駄菓子屋によく集まるようになると思うんだ」
女「!」
女「驚いた、そういう考えも出来るんだ?」
僕「……昨日話をしてからちょっと、ね。単純に考えただけだけど……」
女「ううん、それでそれで?」
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:00:47.46 ID:bKGhZXQ20
僕「で、逆に仲間をたくさん集めてたり、部位を多く取りたい人は……戦いたい人間が多い場所によく行くと思うんだ」
女「……そうなる、のかな」
僕「ハクを殺したり、最初にあった女の子たちを傷付けた人間がそこに集まってるとも限らないけれどさ……」
僕「ちょっと、探索場所を広げてみる必要もあるかなって……思ったから」
女「ふーん。確かにそうかもね。出口だって探さないとアレだし、ちょっと危険な穴に飛び込むのも必要……よね」
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:09:21.94 ID:bKGhZXQ20
僕「どうかな?」
女「うん、いいと思うよ。その考え、賛成」
女「じゃあ早速行こっか! ぐずぐずしてるとすぐ夜になっちゃうからね!」
僕「うんっ!」
女「……の前に。ジュースでも買っておこうかな。水分必要だもんね」
女「僕ちゃんの分も、奢ってあげる〜」
僕「い、いいよ。自分でそれくらいは出せるよ」
女「……いいの。私の方がお金持ってるんだし、遠慮しないっ!」
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:14:56.99 ID:PkThUEYqO
おはよう
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:21:51.69 ID:bKGhZXQ20
はいっ、と。
彼女の勢いに負けて返事をしている僕がいた。
女「ちょっと待っててね。すぐ行ってくるから」
そう言って、彼女は店の中へと消えてしまった。
チラと、中を覗いてみるとカウンターの奥に向かって何かを指差している女の姿が見えた。
女「おばあちゃん、アレとアレちょうだい。ブドウとオレンジ」
おばあちゃん「はいよ、二百円だからね。ちょいと待ってな。今取るから……」
おばあちゃんがクルッと後ろを向いたのが、見える。
支援
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:29:19.32 ID:bKGhZXQ20
女「……あっ」
彼女も僕が見ているのに気付いたらしい。
にいっ、とにっこり笑いながら僕にピースをする彼女。
僕「……ドキッ」
その一瞬が、とても可愛く見えてしまい……僕も思わず手を振り返してしまった。
女「……クスッ」
彼女が僕だけに微笑みを浮かべてくれたのと同時に……。
ズズッ。
僕「!」
僕の背後で……空間が広がった気配がした。
「い……いやあ゛ああああぁぁ!!」
僕「!」
女「!」
C
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:34:47.03 ID:bKGhZXQ20
叫び声がした方に目をやると、先ほどまでそこで遊んでいた女の子の一人が……右足を押さえながら、地面に崩れていた。
「あ、足が……足があぁぁぁ……」
見た目に変化は、無い。
もう、状態が解除されてしまっているのだろう……。
僕は自分の意志で、彼女の右足を見ようと考えた……赤黒い空間がまた広がっていく。
僕「っ!」
その女の子の右足……太ももの高い位置から下は、見当たらない。
足の血管から流れ出てる大量の血液が溜まりになって、女の子の足を浸していた。
僕は……すぐに辺りを見回した。
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:39:35.57 ID:bKGhZXQ20
「……ガヤガヤ」
周りにはさっきまで遊んでいた子たちが、動きを止めて女の子を見つめていた。
その手に足を持っている子は……いない。
僕「くっ……!」
僕はベンチから立ち上がり、すぐに通りを見渡した。
足を切った人間はどこだ……どこに行った……!
僕が通りで走り出してしまおうとした瞬間、お店の中にいた女が飛び出し、僕の手を掴んで来た!
女「追うんでしょ! こっち!」
僕「っと! わ、わかった」
突然の事で少しバランスを崩しながらも……僕は女と並んで、見えない犯人を追い出した。
ばあちゃんが後ろ向いたからか
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:50:24.17 ID:H1NPjdTl0
これは支援
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 04:50:49.05 ID:bKGhZXQ20
僕たちは、南の方へ向かう道を走っていた。
道を進むごとに住宅はだんだんと増えているのが分かる。
が、それでもまだどこか「下町」を感じさせるような家屋の造りが目の前にあった。
僕「は、犯人見たの!?」
女「チラッとだけど、なんとなくね。向こうもやっぱ怪我してたから……あいつで間違いないと思う」
僕「怪我って、よく見えたね」
女「本当に運がよかっただけだよ。僕ちゃんの方向いてなかったら分からなかっただろうし……」
女「でもまさか、あの場所でパーツを奪って行くなんてね……やられたと思ったわ」
僕「……あの駄菓子屋は安全地帯じゃないの? それなのにどうして」
女「正確には……あのおばあちゃんが見てる間だけ、戦いが出来ないみたい、ね」
ほほぅ…
C
完徹してまうぜ
C
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:00:27.94 ID:bKGhZXQ20
女「さっきは多分、おばあちゃんが外を見てなかったから、おそらくそれで……」
僕「無防備な相手を狙うなんて……許せないよ」
女「……そうだね。それに、そいつに接触してみて情報を探るのもいいかもね」
女「部位取りに関して言えば、初めて姿が見えた相手なんだから……」
僕「……」
女「……ん。待った、僕ちゃんストップ」
僕「ん?」
女「……見える? あの子、足を引きずって歩いてる……ほら」
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:05:46.07 ID:HMJQ8UMZO
ついに!
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:07:38.49 ID:bKGhZXQ20
「……」
僕「あの、ピンクのTシャツの子? 僕には普通に歩いてるようにしか見えないけど……」
女「もう……そっちで見るんじゃなくてさ」
僕「あ、う、うん」
そう言われ僕は慌てて、気持ちを切り替えた。
すると……。
ズッ……ズリッ。
僕「!」
ズリッ……ズリッ。
女「……ね」
地面には、その足から流れ出ている血液がまるで線のように道路に続いていた。
白線の上に血が重なり、まるで二色の注意線がアスファルトに塗られているようだった……。
足首を掴み、太ももを地面に擦りながら気だるそうに足を引きずっているその姿は……夕焼けの住宅地には異常な光景に見えて、仕方ない。
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:16:01.73 ID:VQSXpxih0
じゃあどうやって喋ってるんだよ
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:16:30.69 ID:933KHrJh0
支援
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:16:55.07 ID:bKGhZXQ20
僕「あいつだ!」
女「……どうする。捕まえる? それとも……倒しちゃう?」
女「右足を一瞬で切断したくらいだから、それなりの武器は持っていると思うけど……」
僕「……」
女「どうする、なんて聞いたけどさ。私は不意討ちでも何でもいいから……」
女「とにかく相手にダメージを与えるのが一番だと思うんだよ」
僕「……でもそれだとうっかり殺して、情報が聞けないかもしれないよ」
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:24:16.27 ID:bKGhZXQ20
女「……そうなったら、生き延びる事が出来てよかったって言えばいいじゃない」
女「危険な情報求めて、死んじゃうよりはずっといいよ……忘れないで、目的は戦う事じゃないんだから」
僕「……」
僕「そうだね、分かった」
女「うん。じゃあ決まり……」
女「合図したら一斉に飛び出して……とにかく相手が不便になりそうな部位を攻撃する事」
女「腕、足、頭……分かるよね?」
僕「ま、待った。僕たち何も武器を持ってないんじゃない?」
女「……武器はこの中にあるよ」
僕「これ……昨日貰った麻袋? 特典て、武器だったの?」
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:27:35.41 ID:4kQW1OzD0
「僕」もだんだん染まってきてるな
期待さるよけ
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:34:45.83 ID:bKGhZXQ20
女「武器も、入っていたの。僕ちゃんには、はい……これ」
そう言って手渡された物は、あの包丁少女が握っていた刃物によく似ていた気がした……。
僕「……」
女「私はこの小さい鉈で……いい? 行くよ?」
僕「わ……分かったよ。仕方ない……」
あまりいい気持ちはしなかったけれど、今はあまり時間をかけてもいられない。
僕は、包丁を強く握り……足を引きずる女の子に飛びかかる準備を整えた。
女(じゃあ、いくよ……三)
女(二……)
女(一……っ!)
僕は、勢いよく路地へと飛び出して行った!
しかしその時だった……。
ヒュッ!
僕の左腕に、激痛が走ったのは。
C
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:41:35.27 ID:bKGhZXQ20
僕「ぐっ……あっ!」
ズザァァ、と僕はアスファルトに身体を擦りながら前進していた。
女「僕ちゃん!」
僕「う……くうっ、い、痛い……」
女「落ち着いて。大丈夫、傷はすぐに痛くなくな……え?」
ヌチャッ、と傷口を押さえた彼女の手が音をたてた。
女「ち、血が……出てる?」
僕「ぐ……い、いつっ!」
女「これは本当の血……違う、あっちの身体の血じゃないよ! 僕ちゃん、本当に傷になっちゃってるよ!」
「くすくっ……当たり前だよー。実際の身体の方を狙ったんだから……アンタたち、バカー?」
僕「だ、誰だよアンタ……!」
C
547 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 05:49:25.98 ID:2Xr5Hcus0
C
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:49:43.44 ID:CKiYaHaKO
この緊張感
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 05:52:09.02 ID:bKGhZXQ20
「くすくっ、かなでは〜、かなでって言うんだよ」
かなでと名乗った少女の右手には、偉く巨大な鞭が握られている。
少女の身体が小さいせいでそう見えるのか、本当に鞭のサイズが大きいのか……。
生意気そうな顔をした、小悪魔のようなツインテールが……僕たちを見て嘲笑っていた。
かなで「もう〜、尾行してんのバレバレ。バカじゃないの〜」
かなで「でもよかった〜。ちゃんと私も付いてきといて」
かなで「ねっ?」
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:00:52.44 ID:bKGhZXQ20
後ろを振り返ると、今度は逆に……。
先ほどまで後を追っていた女の子が……手斧を構えながら、僕たちの方を睨んでいた。
女「っ……どうやら、罠にかけられてたみたいね」
かなで「ピンポ〜ン。後ろからいつビシッてやろうかって思ってたけど〜、ちゃんと我慢したよ、ってカンジ」
かなで「でもその甲斐あって、痛がってる顔見れてちょーラッキー……なんてね」
僕「っ……どうする女」
女「……とりあえず、どっちかを片付けましょう。ここ突破するには、二対一の状況にしないと……確実に」
女「私たちは殺されちゃう」
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:04:08.28 ID:Sk2CK372P
女可愛いな
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:10:51.24 ID:bKGhZXQ20
かなで「あははっ、そっちの女の子はよくわかってるね〜。ま、すぐにそっちが二対ゼロになっちゃうんだけどさ〜」
女「……うるさい子。いいからさっさと来なさいよ、日がくれちゃうでしょ」
かなで「む〜っ。かなであんたの事キラ〜イ」
かなで「戦うなら、そっちの子の方がいいなあ……ねえ、そこの君? かなでと楽しい事しようよ」
僕「ぐ……」
挑発、だと分かっている。
僕は内心怒りながらも、冷静さを失わないようにゆっくりと立ち上がった。
腕の傷はそこまで深くはない……大丈夫、行けるはずだ。
僕「……あの鞭少女は僕が倒す」
かなで「かなでだってば〜」
女「……大丈夫? 僕ちゃん」
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:20:33.20 ID:FjblhJhEO
ほ
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:24:32.25 ID:bKGhZXQ20
女「あの子ふざけた感じだけど……あの武器は厄介だよ」
かなで「じゃらじゃら〜」
僕「……」
ヒュン、ヒュッと少女がそれを一振りする度、空気が唸る。
それと同時に、鞭の所々に装飾された銀色の物体が、彼女の言葉通りにジャラジャラと不快な音をたてている。
かなで「ザクッと切って、引き裂いてあげちゃう、なんてね」
僕「……」
女「なんの刃かは知らないけど、あの鞭全体が刃物だと思った方がいいよ」
僕「……ああ、気を付ける。女も気をつけて……」
女「うん」
かなで「ブブ〜ッ、作戦タイム終了で〜す」
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:31:32.65 ID:qcpDOF/A0
こういう戦争中にハイテンションってポジションな奴、いつ見てもおっかねえ
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:33:05.35 ID:bKGhZXQ20
かなで「じゃあ、みさとちゃん。アンタはその手斧でそっちの子、切っちゃっててね」
みさと「……は、はいっ。分かりました……」
女「?」
かなで「くすくっ〜、そして私はこっちの……僕ちゃん」
僕「……勝手に呼ばないでよ」
かなで「や〜ん、反抗的な態度。かなで困っちゃう〜……なんてね」
かなで「じゃらじゃら、ちゃんとかわして……ねっ!!」
シュッ!
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:35:24.98 ID:bKGhZXQ20
僕「くっ!」
身体を大きく横に飛ばし、僕はそれをかわす……!
僕の代わりにそれを受けたアスファルトが、グスッと鳴りながら、削れてしまった。
みさと「ふ……」
それを合図に、手斧を構えていたみさとが女に向かって突っ込んで行く!
女「こ……のっ!」
小鉈と手斧がぶつかる金属音が……僕のすぐ背後で鳴った。
かなで「くすくっ」
僕は目の前でヒュンヒュン唸る獲物をしっかりと見つめながら……手に持った包丁に力を込めた。
僕(……落ち着け。まずは、戦う状態に持っていくんだ)
僕は気持ちを集中し、空間を広げ空気を変えた……。
……つもり、だった。
かなで「くすくっ、何やってるの、かな?」
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:37:44.68 ID:V6A/LHXt0
くすくっ
誤字だと思ったら誤字じゃないんだと今知った
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:42:02.22 ID:bKGhZXQ20
しかし、目の前の情景は何一つ変わらなかった。
あの、不愉快さが混じる赤黒い模様が広がる事もなく……。
かなでという少女は、相変わらず生意気そうな顔で……手元の鞭をヒュンヒュンと振り続けていた。
僕「な……なんで、どうして!?」
かなで「何が〜。何がかな〜、お姉さんにちょっと教えてよ僕ちゃん……ね?」
僕「っ……女の口癖、真似するなよ……!」
かなで「え〜、かなでそんなつもりなんてないのに。もう、傷付いちゃったなぁ、アタシ〜……」
かなで「だから……今度は僕ちゃん傷付けないと……ねえ!」
僕「ぐっ、また……!」
かなで「今度は、そっちに飛んじゃダ〜メ」
グイッ。
ヒュッ!
僕「うわあああぁぁあっ!!」
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:46:38.87 ID:sziCTXhTO
残ってた……! 今日も楽しませてもらいます。
レス追ってみたけと
>>1は寝てないのか………?
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:50:09.44 ID:bKGhZXQ20
女「僕! 大丈夫!」
背中で……彼女からの激が飛んだ。
僕はそれに返事をする事なく、すぐに立ち上がる。
ちょっと左足をえぐられただけだ……痛い、痛いけど、まだ傷は浅い。
僕「ううっ……」
傷は浅いけれども……これは、先ほどと同じ本当の肉体への攻撃だった。
痛みがよりリアルに続き、流れ出る血が余計に生々しさを演出する……これが本来のはずなのに。
僕の身体は、たったそれだけでひどく傷付き、また怯えているようだった……。
かなで「恋人さん、心配してくれてるよ〜。頑張って、僕ちゃん」
僕「くそっ……ちょっと、黙ってろって……」
かなで「黙ったら、僕ちゃんすぐ死んじゃうよ? いいの、それでも」
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:53:22.34 ID:HMJQ8UMZO
叩かれ覚悟で書かせてもらいます
長え
以下ROMってます
どこからが上半身でどこを基準に下半身と分けてるのかわかんねーとどっか抜けて完全な「全身」は揃わないんじゃねと思いました
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 06:58:21.29 ID:bKGhZXQ20
僕「くっ……」
かなで「そういう反抗的な態度、嫌いじゃないよ〜。君がやると、なんだか可愛いんですもの〜、くすくっ」
僕「……くっ!」
かなで「ん?」
僕は、思いきって彼女の心臓めがけ、包丁を突き刺した。
心臓までの距離はたった三メートルほど、全力で突っ込めば近距離には踏み込める……はずだ!
僕「このっ!」
かなで「くすくっ、私には分かってるよ僕ちゃん」
グサッ!
僕「ガ……ハッ……」
かなで「僕ちゃんが次にどこを狙ってくるかなんて……ね」
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:03:32.53 ID:euMTDMRU0
私怨
566 :
固定ハンドルネーム ◆OAlbYGERv2 :2011/07/05(火) 07:04:10.49 ID:OwoiRDTY0
500やそこらで長いわろち
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:06:55.21 ID:UKkFYSw80
くすくって何だよ
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:09:26.35 ID:bKGhZXQ20
僕の右胸に……彼女の足が突き立てられいる。
どこにでもあるような、ありふれたスニーカー……しかし、その先端からは確かに刃が飛び出しているのが見えた。
かなで「トラップ〜」
僕の包丁は、彼女心臓まであと数十センチという場所で止められていた。
いくら少女とはいえ、同年代の足のリーチには敵わなかった……結果、僕の右胸には今刃物がザックリと深く突き刺さっている。
僕「……!」
僕は痛みに耐える事が出来ず、地面に倒れこんでしまった……。
かなで「あらら、もう終わり? かなで、もうちょっと遊びたいな〜、って思うんだけど」
僕「……」
かなで「つまんないの。じゃあ、みさとちゃんと一緒に遊んでこよ〜っ……」
ガシッ。
かなで「え……」
僕は……必死に彼女の足首を、精一杯の力で掴んだ。
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:11:07.66 ID:qPWAg5/8O
追いついたぁ〜私怨
ずっといるけど読み応えがあるな
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:17:49.32 ID:bKGhZXQ20
僕「ま……だ……」
かなで「ええ〜、今立ち上がっちゃうの? かなで、もう行かないとなんだけど」
僕「……ぐっ」
僕は、痛みを堪えながら上体を起こした。
右胸が、脈に合わせてどくどくと鳴り、熱い血が流れ出ている……。
今は急所じゃないからこそ、僕はまだ立つ事が出来る……そう思っていた。
かなで「……はぁ。あんましつこいと、なぶり殺しにするよ〜?」
女の所には、行かせない。
僕「……!」
しかし……肝心の声が出ない。
痛みのショックで、喉が震え……呼吸すらもままならない。
それでも僕は、この手を簡単に離すわけにはいかなかった。
C
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:23:30.32 ID:ImsJeHum0
C
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:26:29.88 ID:QB0cnz4qO
長いつーかつまんね
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:28:35.56 ID:CqcXUCbbO
かなでちゃんかわいいよはぁはぁ
C
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:29:05.40 ID:bKGhZXQ20
かなで「……まあ、そんなに死にたいならいいけど。この位置じゃあ、頸動脈が一番楽かな?」
僕「……」
頭の上で、好き勝手に言ってやがる。
かなで「はい、ちょっとチクッてしますからね〜」
ヒュン、と上の方で嫌な音がした。
まだ恐怖があるだけ、意識はある……いっそ気絶してしまえたら、楽になるのだろうか。
僕「ぐ……」
でも、まだだ……僕はまだ死んでいない!
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:30:18.98 ID:bKGhZXQ20
かなで「動いちゃダメだからね? じゃあ……僕ちゃん」
かなで「バイバイっ!」
僕「まだ……っ!」
鞭がヒュッと空気を切る前に、僕は全力を振り絞って、片膝を立て……彼女の左腕の辺りを掴んだ!
かなで「!!??」
ただでは、死なない……最期の意地が僕を立たせ、彼女の腕を力強く握っていた。
僕(これで……もう、死んでも)
「ぎゃああああぁぁあああっ!!」
そう考えていた瞬間、鞭の刃が僕の頸動脈を貫いた……。
すぐに諦めてた僕が…成長したな
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:38:43.52 ID:bKGhZXQ20
……。
女「はっ!」
キィィン!
みさと「あうっ……」
小鉈と手斧、ぶつかり合った二つの金属音が再びその場に響いていた。
しかし、手斧は持ち主の元を離れ木造の塀に突き刺さり……小鉈はその、喉仏のすぐ側で刃を突き立てられていた。
女「……これで終わり、ね。怪我した身体じゃあ、私に勝てるわけないでしょ」
みさと「ご、ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」
女(この子、やっぱり怯えてる……)
女「ねえ、あなた、みさとちゃんって言ったわよね」
みさと「は、はい」
女「……あなた、かなでちゃんと仲間なの?」
みさと「仲間……です」
女「本当に? そういう関係には見えなかったけど? 今もそうだけど、なんだかひどく怯えてるみたいで……」
みさと「……!」
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:41:21.49 ID:uj2xv+960
ガンダム乙
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:44:20.63 ID:bKGhZXQ20
女「……ね。悪いようにはしないからさ、あなたが知ってる事を話してくれないかな?」
みさと「で、で、でも私……何も喋るなって言われて……」
女「!」
女「それは、一体誰に言われたの!?」
みさと「あ、あっ……あっ……」
みさと「……」
女(完全に怯えきっている)
女(……ここは、まずこの子を安心させないと、かな)
女「……あのね、みさとちゃん。信じられないかもしれないでしょうけど」
みさと「は、はい?」
女「私はね、実は……」
みさと「……」
女「……」
みさと「!?」
女「……ね? これで少しは信用してくれたかな?」
582 :
忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/07/05(火) 07:47:25.72 ID:wpiMz8lU0
わくわく仕事だから昼休みにまたまとめて読もう
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:49:29.55 ID:bKGhZXQ20
みさと「あ、あ、あのっ!」
女「ん? なに?」
みさと「お、おんなじです。それ」
女「同じ? 何がかな?」
みさと「わ、私の知ってる人も、同じ事言ってました……!」
女「……!」
女「それ、本当に!? 嘘じゃないわよね。どこ? どこにそいつはいるの……!」
みさと「ま、ま、待って……落ち着いて。苦しい……」
女「……同じ、確かにそう言ってたのね?」
みさと「は、はい……間違いないです」
女「……」
女(もしかしたら……あいつが……?)
「ぎゃああああぁぁあああ!!」
女「!」
みさと「!」
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:51:47.75 ID:V6A/LHXt0
みさと死なないで
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 07:53:04.07 ID:bKGhZXQ20
女「あの悲鳴……くっ!」
みさと「今の……」
女「ねえ、みさとちゃん。ここで待っていてね? 向こうを助けたら、すぐに戻って来るから!」
みさと「で、でも、私……あなたにひどい事を……」
女「大丈夫、気にしてないから。それに、さっきの話後で詳しく聞かせて、お願いね!」
みさと「あ、あの……」
女「じゃあここで待っててね!」
タタタタッ。
みさと「……」
みさと(……ごめん、なさい)
みさと(でも、すぐ戻って来ますから……)
みさと(……うん)
タタタタッ。
しえん
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:02:39.91 ID:bKGhZXQ20
みさと「はぁ、はぁ、はぁ……」
みさと(身体は痛くない、疲れてはいるけど……平気。走れる)
みさと(女の人があの人と一緒なら……戦うより、協力した方が絶対いい……うん)
みさと(だから、一緒に!)
みさと「はぁ、はぁ……」
少女は夕焼けの下町を走る。
先ほどの路地からほんの少しの距離、あまり遠くない場所。
みさと「はぁ、はぁ……あっ!」
「……」
その男は、そこにいた。
夕焼けを背中に浴びながら、静かに彼女を待っていた……。
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:08:26.09 ID:r7t/GHEOO
支援
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:11:08.75 ID:bKGhZXQ20
みさと「あ、あのっ! 言われてた人たちに会ってきました」
「……」
みさと「負けちゃいましたけど、でも……あの女の人、男さんと同じだって言ってたから……」
「へぇ、俺と。何が同じだって?」
みさと「ほら……昨日、聞いた話ですよ」
その言葉の直後、キラリと、夕焼けの赤に銀が混ざる……。
みさと「男さんが……」
そして、それが一瞬夕焼けの中で揺らめいたかと思うと……。
みさと「去年に行われたこれの参
少女の身体は一瞬で崩れ落ち、アスファルトにその塊を無惨に……ぶちまけた。
「くくくっ、知ってるよ。そんな事」
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:13:01.60 ID:Ss4GpbVqO
僕ちゃん…駄菓子…
まさかお前は…
これは確実に神スレ
592 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 08:15:02.44 ID:2Xr5Hcus0
C
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:17:12.89 ID:bKGhZXQ20
「お前らに、そんな話聞かせるためにけしかけたわけじゃねえんだけどなあ……」
「あの女がいて、俺がいる。そんなの当たり前……わかってるんだよ」
みさと「……」
「あ、かなでの事聞くの忘れたわ。おーい、まだ生きてるかー?」
シーン。
「……くくくっ。聞こえるわけねえよなあ。弱点すっぱり、だもんな」
「あ〜あっ、やっぱりこんな使えねえ友達は持つもんじゃないよなあ……」
男「お前、ハズレだよ」
みさと「……」
……。
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:20:01.47 ID:Sk2CK372P
ラスボスやっと出たか
男登場か
596 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 08:23:49.32 ID:2Xr5Hcus0
私怨
こういう敵が出てくると一気に萎えるよね
その後主人公覚醒まで既定路線でさらに萎える
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:26:04.79 ID:bKGhZXQ20
……。
女「僕……ちゃんっ!」
通りを一本抜け、表からは少し隠れた位置にある通路に……私は勢いよく飛び込んだ。
戦っているうちに、どうやらそこまで離れてしまっていたらしい。
みさとという女の子を置いてきぼりにしながらも、悲鳴がした場所へと大急ぎで駆けつけた。
そして、そこに倒れ込んでいたのは……。
女「!」
かなで「やだ……痛い……痛いよっ……」
先ほどまで、生意気な態度で私と会話をしていた少女が……。
今は、両腕を胸中に抱え込みながら小さく丸まり……子犬のように、すくみ震えていた。
女「こ、これは……」
僕が勝ったのだろうか。
私は、彼の姿を探すためすぐに辺りを見回した。
同年代なのに精神年齢低すぎなキャラ多いな
>>597 何で読んでるの?
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:29:48.79 ID:Sk2CK372P
勝ってたのか!僕つえええ
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:37:06.25 ID:bKGhZXQ20
僕「はぁ、はぁ……」
彼はすぐに見つかった。
電柱の陰に、身を隠すように座り込んでいた。
私は少女の身体を避け、警戒しながら彼の元へ歩み寄った……。
女「僕ちゃん、大丈夫……? ひどい、ずいぶん怪我をして……しかも全部生身の身体に」
僕「う、うぅ……」
かなで「あ、あっ……」
女「……?」
私は二人の状態を見比べて疑問を抱いた。
女(僕ちゃんは傷だらけ、お互いに傷付けあいながら戦っていたならそれもわかるけれど……)
かなで「あ……あっ……」
女(彼女の身体には、傷どころか攻撃が当たった様子も全くない)
女(それなのにどうして彼女は……こんなに弱り、怯えているの?)
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:42:11.31 ID:bKGhZXQ20
女「……」
ズッ。
私は試しに、空間状態で二人の身体を見比べてみた。
僕「……」
僕ちゃんには、何ヵ所か噛まれた跡はあるものの……それは昨日ついた傷であると確認出来る。
あの、おどろおどろしい形をした鞭でついたと思われる傷は……私の目には全く見えなかった。
女(終始、生身の身体に攻撃を受けていたの? じゃあ、彼女は……)
そう思いながら、私は彼女の方に目を向けた。
ズッ。
赤黒い空気が彼女を包み、その姿が見えて……。
女(見えて……来ない!?)
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:46:48.10 ID:EPvBw0qq0
ない!
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:48:18.21 ID:bKGhZXQ20
かなで「はぁ……あぐっ……」
その空間の中に……彼女がいない。
女(どういう事! 身体が完全に消滅してるなら生きている事なんて無理なはず……)
かなで「っ……う」
女(……? あら、よく見ると……)
彼女の左腕が、あったと思われる場所に浮かぶ物体が一つ。
空中を漂うように見えるそれは、間違いなく彼女の荒い呼吸と連動していたのが確認出来た。
女(あれ……だけなの?)
女「……もしかして、あれが彼女に残された、最後の弱点?」
僕「……みたい、だね」
女「僕ちゃん? 身体は平気?」
僕「なんとか……それより、今はあの子が」
かなで「はぁ、はぁ……嫌だよ……」
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:55:40.62 ID:bKGhZXQ20
……。
女「……落ち着いた? かなでちゃん」
かなで「……」
僕「……」
僕たちは夜が迫る路地に座り込みながら、かなでちゃんに話を聞こうとしていた。
女「……ねえかなでちゃん。誰に指示されて、あの駄菓子屋さんにいたの?」
かなで「……」
それに関しては、女の方に心当たりがあるらしく……僕は質問する内容を任せきりにしていた。
聞きたい事が出来たら、その時に話せばいい。
かなで「……言えない」
女「言ったら殺されちゃう、から?」
かなで「うん……かなで、喋れない」
女「でも、みさとちゃんはちゃんと話してくれたよ?」
かなで「え! み、みさとが? 何を……何を話したの!?」
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 08:58:52.49 ID:u2REA0rmi
は?
C
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:06:15.48 ID:bKGhZXQ20
女「……色々。あの人の事とか、これからの事とか」
僕(あの人……?)
思わず口を挟みたくなったが、僕は様子を見守った。
女「みさとちゃんは、分かってくれたみたい……だよ?」
かなで「……」
かなで「やっぱり、ダメ。かなで、死にたくないもん」
かなで「死にたくないから……この姿で頑張っているんだもん……」
僕「この姿って、さっき見えた左腕一本だけの?」
かなで「……」
女「……可愛そうに。あの男にやられたんでしょ?」
かなで「っ……!」
かなでちゃんは、またガタガタとその場で震え出すとみるみるうちに冷や汗をかいていた。
ゴスロリで、フリルが付いたスカートが……いつまでも不安そうに震えている……。
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:12:16.41 ID:bKGhZXQ20
女「どっちみち今の状態であいつの元に戻ったら……いつかは殺されちゃうよ!?」
かなで「……かなで、死にたくない。どうすればいいの……かなで」
女「……」
女「私たちと、一緒に行きましょう。三人……ううん、みさとちゃんと四人で出口を探すのよ」
かなで「四人で……私も、いいの?」
かなで「でも、やっぱり殺されちゃうから……」
女「大丈夫、そこは私たちがちゃんと守るから! そうでしょ、僕ちゃん?」
僕「……正直、話はまだよく分からないけどさ。でも、やっぱりみんなで生きて帰る方が絶対いいと思うんだ」
僕「殺し合うのが、絶対の掟じゃないならさ……一緒に協力して、ゴールを目指そうよ」
かなで「……」
女「ねっ? かなでちゃん」
かなで「……うん」
かなで「ありがとう……僕ちゃん。女ちゃん」
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:17:56.11 ID:bKGhZXQ20
女「どうやら、分かってくれたみたいね」
かなで「うん……」
女「よしっ、そうと決まったら早速、みさとちゃんを呼んでくるよ」
女「向こうで待っててもらってるんだー」
かなで「か、かなではもう少し休んでたいよ〜……」
僕「じゃあ、僕もここで待機してるよ。あまり動き回れない身体だし……」
女「じゃあちょっと行ってくね。留守番よろしくー」
……。
僕「行っちゃったね」
かなで「うん……」
僕「ああ、えっと。さっきはごめん……ね」
僕「かなでちゃんの、その、左腕掴んじゃって……本当にごめん」
かなで「……」
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:23:38.76 ID:Sk2CK372P
かなでちゃんは死んでほしくない
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:26:34.48 ID:bKGhZXQ20
かなで「……いいの。かなでが勝手に恐がってただけだもん」
僕「……」
あの瞬間、唯一残った弱点の箇所を僕は、無我夢中で握りしめていた。
弱点を守ろうとする彼女の気持ちは……僕の空間を広げる力よりも相当強かったらしく、僕にはその、残された弱点というのを見る事が出来ないでいたんだ。
僕(弱点が関係無い生身の状態でも、あんなに恐がっていたんだ……)
僕(もし、それが無かったら僕は……完全に負けていた)
僕「……」
かなで「……ねえねえ、僕ちゃん」
僕「んっ?」
少し落ち込んでいた僕の隣に……ズイッと、彼女が近付いて来た。
女の子独特の甘い匂いが、僕の鼻をくすぐる……。
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:30:25.28 ID:jllj0H440
C
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:34:54.80 ID:TLN3saVR0
ドキドキC
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
C
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:40:56.01 ID:bKGhZXQ20
かなで「あのね、私、今日だけで僕ちゃんの事が……!」
僕「……」
かなで「僕ちゃんの事が、すごい信用出来るみたいになっちゃったの。だから、かなでの話を聞いて欲しいの」
かなで「お願い……」
僕「……も、もちろんいいよ。何でも話してくれて」
かなで「わあい、ありがとう僕ちゃん」
言葉の流れ調子のまま、期待した通りの告白ではなかった事が少し残念だけど……。
さっきまで敵だった彼女が、僕にそんな言葉をくれた……そう思うだけでも、僕は十分に嬉しかった。
かなで「あのね……かなでは、知らないお家の中でみさとちゃんと隠れていてね……」
……。
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:42:51.14 ID:6TEdAVf30
かなでちゃんかわいいよかなでちゃん
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:48:00.69 ID:bKGhZXQ20
かなで「それで、一緒にチョコレートを買いに行ったの! でも、いつもの当たりクジ付きのがないから、仕方なく麦チョコを買って……」
僕「ははっ、二人とも仲がいいんだ。知り合ったばかりなんでしょ?」
かなで「……うん。でも、みさとちゃんはかなでのお洋服笑わなかったの。だから、好き」
僕「ふーん、そうなんだ」
かなで「……あの人も、笑わないで可愛いって言ってくれた。だから……嫌いじゃない」
僕「あの人って、さっきのあの人?」
かなで「うん、その人。でも、かなでを切ったから、そこは嫌い。大嫌い!」
僕「切ったって……生身の状態じゃない方を? かなでの身体を切ったのは、その人なの?」
かなで「……そうだよー。かなで、すごい痛かった。何度も何度も切られながら死んじゃうんだって、ずっと考えてた」
かなで「でもかなで、死ななかった……」
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:54:09.63 ID:bKGhZXQ20
かなで「痛い痛いってずっと泣いていたら……じゃあ助けてあげようかって言われて、それで」
僕「……」
かなで「……」
僕「話してくれて、ありがとうね」
かなで「……」
僕「もう辛い事なんてないから。大丈夫だから」
かなで「……」
僕「だから……もう泣かないでよ、かなでちゃん」
かなで「うんっ……うん……グスッ」
僕「ほら、よしよし……」
かなで「うっ……ううっ……うわあぁあん……!」
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 09:55:50.15 ID:TLN3saVR0
フラグしかたってない件・・・・
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:01:18.56 ID:bKGhZXQ20
彼女がどうして泣いていたのか……自分にはよく分かった。
味方がいない寂しさ、何かに脅かされながら生活する圧迫感……。
かなで「ううっ……うう……」
今、僕の首に腕を回しながら、必死で泣いている彼女は……それらから解放されたために、泣いているんだろう。
僕「……」
僕は何も言わず、ただ少女の頭を撫でていた。
真っ黒で、艶やかな髪を僕は何度も、何度も優しく触り続けていた。
……ヒュッ!
かなで「……!!」
ビクッ!
それは、彼女の呼吸が止まり脈が動かなくなってからも……。
僕は、少女を抱きしめたままの格好でずっと。
最期にやっと信頼出来る誰かを見つけられた少女の髪を、ずっと。
慰めるように、僕はかなでの頭を撫で続けていた……。
…!
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:06:30.18 ID:TLN3saVR0
な、なんだってー!!!犯人は・・・・僕だ!!
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:09:12.09 ID:bKGhZXQ20
……。
女「みさと……ちゃん……」
みさと「……」
女「どうして……こんな事に?」
約束していた場所、確かにそこにみさとはいた。
開いた口をそのままパックリと真一文字に切られ、私の足元には切り落とされた顎と舌が転がっていた。
女「……」
女「……出てきなさいよ。アンタの仕業でしょ?」
……。
男「くくくっ、そいつがだからいけないんだぜ?」
路地裏から顔を出したのは……紫色のシャツと黒いジーンズを身に付けている少年だった。
女(私は……こいつをよく知っている)
男「お久しぶり。またここで会えて嬉しいよ」
女「……みさとは、ただの女の子だったでしょ。どうして?」
男「くくくっ、別に。理由なんか無いよ、二人くっついていた……ただ、それだけの事」
626 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 10:12:35.55 ID:2Xr5Hcus0
八時間連投なわけだが
無理せず休めよ
C
4円
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:15:30.09 ID:bKGhZXQ20
女「二人……やっぱりかなでちゃんもアンタが!」
男「悪いのはアイツだぜ? ちょっといい武器拾ったからって、俺に喧嘩仕掛けてくるんだもんよ……」
男「あの返り討ちにした時の顔、最高だったさ……くくっ」
女「……」
男「いいね、切っても死なないっていうのは。楽しいもんさ」
女「……相変わらず、最低だよね」
男「なあに、今年はまだ出口は見付けてないんだ……そんなに人だって殺しちゃいないよ」
女「……」
男「くくっ、やっぱり聞きたそうな目をしてるね。いいよ、教えてやるさ。そこに転がってるので、十四人目だよ」
女「っ!!」
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:19:38.33 ID:Sk2CK372P
まじかよ…
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:23:00.32 ID:bKGhZXQ20
男「おっ、と。今やり合うのは無しだ。俺も疲れているから、ね」
女「だったら余計に今ここでアンタを止めないと……!」
男「俺はただ、出口で待つだけさ。ちなみに……俺はもうすぐそこに着く」
女「……出口を探し当てたっていうの!?」
男「くくくっ、今年のは簡単。一目見ただけですぐに気付いたよ」
女「くっ……」
男「まあ、明日にでも俺は出口にたどり着くだろうさ。そしたら……そこで俺は待っているよ」
男「女と……あいつの到着を、首を長くしながら、ね」
631 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/05(火) 10:24:03.60 ID:0te+QrvI0
長い
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:28:35.54 ID:bKGhZXQ20
女「……」
男「ああ、こんな話をしに来たんじゃないんだ。あくまでも、その死体を運んで来てやっただけだから……」
男「俺はこれで失敬するよ」
女「わざわざ、そんな事のためだけに……!」
男「探す手間が省けたろ? 綺麗に切れたから、ぜひ君に見て欲しかったんだ」
女「この……っ!」
男「……ああ、それともう一つ。十五人目の所に、早く行ってあげた方がいいんじゃないかなあ?」
女「十五人目……?」
女「……まさかっ!」
男「ラブロマンスを邪魔するのもアレだったからね……それだけで、帰って来ちゃったよ。くくくっ」
女「っ……くそっ!」
……。
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:32:35.94 ID:euMTDMRU0
安定した投下
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:33:07.38 ID:SSk5KwF4O
支援
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:35:30.59 ID:Sk2CK372P
もう限界だ頼むから次のゲストキャラは死なせないでくれ!マジたのむから!!!
おもしろーい
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:41:31.78 ID:bKGhZXQ20
男「……今日はもう日が落ちる」
女「ど、どいてよ! 早く二人の元に……」
男「慌てなくても、もう誰も死にやしないさ」
女「……アンタが誰も殺さなければ、それでいいんだ。早く出口でも何でも見付けて……ここからいなくなればいいのよ!」
男「くくくっ、それじゃあ大多数が生き残って、面白くない」
男「それに……すぐに出口を探したいとこだが、今日はもう……」
女「今日……?」
男「あ、いや。疲れているってだけの話さ、くくっ」
女「……」
男「……」
……。
4円
男と女から邪鬼眼の臭いがする
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:46:47.95 ID:bKGhZXQ20
僕「……」
かなで「……」
かなでの左腕には、美しく宝飾された短剣が、深々と突き刺さっていた。
彼女の唯一の生きていた部位である、左腕に……。
血はほとんど流れていなかった。
剣を抜いてみても、そこから血液が噴き出す事はなかった。
僕(血が無くなるほど、たくさん切られていたのかな……)
僕(かなで)
僕は、手に取った短剣を……そのまま空中に思い切り投げ捨てた!
4円
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 10:47:46.69 ID:bKGhZXQ20
僕「……」
太陽がもうほとんど沈んでいたので、ゴテゴテと短剣全体に纏った宝石は光を反射する事もなく……空の向こうへ消えていった。
僕は、いつまでも暗くなった空を見ていた……。
彼女の方を向くと、涙がかなでの顔にかかってしまうから、僕は必死に……。
真っ暗になりはじめた空を、ただ見ていたんだ。
……。
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:02:12.91 ID:bLvMBuhQO
落ちたか?
保守
4円
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:13:20.35 ID:TLN3saVR0
オチてない!オチさせない!
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:14:28.80 ID:jllj0H440
ほしゅ
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:19:08.90 ID:bKGhZXQ20
僕「……ほら、ついたよかなで」
女「みさとちゃん、ゆっくり眠ってね」
僕「それと……ハクも」
ハク「……」
みさと「……」
かなで「……」
僕たちはあれから、二人の身体を最初に泊まった一軒家……ハクが眠っているこの場所まで運んで来た。
女『せめてみんな寂しくないように……』
彼女の提案に賛成し、僕たちは再びここに帰って来たのだった。
648 :
忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2011/07/05(火) 11:19:13.36 ID:FfSGNDoQ0
かなでたん
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:23:53.67 ID:Sk2CK372P
ほしゅ
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:24:07.78 ID:+frRoh0Z0
保守
651 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/07/05(火) 11:24:22.55 ID:0te+QrvI0
あきた
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:33:19.01 ID:KVJi/YYp0
もう少し待ってからスレを立てるべきだったとは思う
653 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/05(火) 11:33:30.04 ID:1dALnchu0
sien
ほしゅ
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:34:46.08 ID:W+w98Awf0
四円
保守
657 :
忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2011/07/05(火) 11:50:10.28 ID:sE30YV4V0
保守
寝落ちたかな
4円
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:56:24.32 ID:ZBGKgbf40
保守
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 11:58:30.77 ID:6OO1gmc/O
めっちゃ面白いな
脂塩
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:03:16.49 ID:ZzSmFJLci
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:03:43.57 ID:b2FrgBQVi
支援
663 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:07:33.69 ID:euMTDMRU0
ほ
む
665 :
忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/07/05(火) 12:18:25.94 ID:of1i42x50
ら
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:22:04.14 ID:Sk2CK372P
ま
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:29:57.51 ID:euMTDMRU0
ぎ
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:33:13.95 ID:ko7WfIkX0
キャストどうする?女=キタエリとかでいい?
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:37:33.86 ID:TLN3saVR0
じゃあ僕は入野自由さんで
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:39:22.85 ID:bcYGlglU0
スレタイを見た瞬間、ラストシューティングスレだと思ったのに
再生厨・展開予想厨・イメージ厨は黙りましょう
保守
ホ
モ
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 12:55:37.20 ID:CKiYaHaKO
凄ぇ面白いけどこれ、このスレで終わるかな。
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 13:04:49.65 ID:6OO1gmc/O
続き読みてぇ…
脂塩
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 13:06:15.38 ID:tVnlHulmP
4円ほ
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 13:11:18.85 ID:fixLTQo50
ほ
お前らもう少し保守間隔考えてくれないか?
これじゃあ
>>1が戻ってくる前に埋まる
保守
679 :
忍法帖【Lv=25,xxxPT】 【東電 82.4 %】 :2011/07/05(火) 13:18:08.83 ID:caKNJrtr0
保守
680 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 13:27:29.35 ID:2Xr5Hcus0
ホッシュート
681 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/07/05(火) 13:37:39.00 ID:8K9QsOIs0
ほす
ほ
保守
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 13:58:03.83 ID:4ZVWLnqQ0
ぽす
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 14:11:36.71 ID:VQeskgOwO
ほ
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 14:17:55.13 ID:2odOCnzm0
ほ
ほ
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 14:35:42.14 ID:6Y67e6Oi0
ほ
689 :
忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2011/07/05(火) 14:42:23.18 ID:oLwckmiu0
ほ
これは完結してほしゅ
ほ
692 :
忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2011/07/05(火) 15:04:43.37 ID:FcwOahdz0
ほ
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 15:06:39.69 ID:VlF3gaKtO
間隔みじけーって言ってるだろ盲野郎
ほ
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 15:24:27.81 ID:owyTj/CK0
ほす
696 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 15:26:15.27 ID:hAMNKe7w0
とことこ
へ
ん
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 15:39:27.72 ID:Ss4GpbVqO
今の時間なら1、2時間は余裕だろ
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:03:01.60 ID:zIjvwc/e0
ほ
い
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:07:35.11 ID:TEFZwSKj0
ほ
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:19:27.24 ID:qWjs4foF0
ho
shu
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:31:20.98 ID:Cds/BNO30
わくわく
っC
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:38:41.65 ID:euMTDMRU0
四円
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:49:17.72 ID:nYXPRiy10
ほ
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:49:21.75 ID:+ok7VALe0
C
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:49:56.30 ID:r+0da2oV0
保守間隔がわからない
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 16:53:18.59 ID:v0RfjzZ40
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 17:05:18.34 ID:euMTDMRU0
ほ
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 17:14:26.60 ID:iqdWUf480
ワカラナーイ
ほ
ほしゅ
ほしゅ
716 :
忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2011/07/05(火) 17:42:22.07 ID:wpiMz8lU0
おもすれー今晩当直しながら続き読も
ほ
む
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:12:38.45 ID:L8Bbwy2b0
1が帰ってくる前に埋まりそう・・・
個人的に今年一番の神スレなのに!
720 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/07/05(火) 18:16:25.34 ID:2Xr5Hcus0
うっ、、 、うまっちゃう、、
埋まるのが嫌なら保守間隔に気を付けて無駄なレスをしないようにしましょう
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:24:42.51 ID:iqdWUf480
理解
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:32:08.14 ID:KVJi/YYp0
まだー?
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:33:02.84 ID:JFEWO7IQ0
SS速報で
ume
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:41:40.64 ID:kWQg6aaq0
お前ら本当は埋めたいだけだろwwww
にしても
>>1が帰ってくるまではここを残しておかないと
728 :
忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/07/05(火) 18:45:22.86 ID:WWur19sAI
ほす
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:45:43.90 ID:bKGhZXQ20
彼女たちを奥の部屋に移動させ……僕たちはその一軒家を後にした。
これも女の提案だった。
僕も、そのまま彼女たちの近くにいるのは逆に悲しい気がしたので……その提案を受け入れた。
僕「ねえ、今日はどこに泊まろうか?」
女「……」
女「ちょっと……話しておきたい事があるの」
僕「ん……」
女「僕ちゃんの身体が傷だらけで、歩くのもずいぶん辛いと思うけど……少しだけ、付き合って欲しいの」
僕「……ん」
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:46:14.63 ID:A+LP1K5X0
あ
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:46:44.97 ID:6+bMTwVv0
きた
まってたよ!
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:51:51.06 ID:bKGhZXQ20
僕「あ、でもさ。まずは落ち着ける場所を探さない? 今日はもう出歩く用も無いし」
女「……ああ、えっとね」
僕「?」
女「一ヶ所だけ調べておきたい場所があったんだけどね……あ、もちろん出かける前に寝床は探していくよ?」
女「僕ちゃんの傷も心配だから……あまり連れ回すわけにいかないってのは、ちゃんと考えてたよ? 本当だよ」
僕「……」
彼女は、なんだか動揺しているようだった。
話したい内容のせいか、今から彼女が向かおうしている場所への緊張感からなのかは……分からないけど。
彼女の様子は、明らかに焦っていた。
>>1のせいで同じ生活リズムになったじゃないか
どうしてくれる
たった7時間の間に80レスも付けるとか頭沸いてるんじゃねwwwwwwwwwwwwwwww
20レスで十分なのにそんなに埋め立てたいんすかwwwwwwwwww
なんなら埋め立ててやろうか?wwwwwwwwwwwwww
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 18:56:23.27 ID:ZBGKgbf40
ノ´⌒`\ ∩___∩ ━┓ /
γ⌒´ \ | ノ\ ヽ. ┏┛ /
.// ""´ ⌒\ \ / ●゛ ● | ・ /. ___ ━┓
.i / \ ,_ i )\ | ∪ ( _●_) ミ / / ― \ ┏┛
i (・ )゛ ´( ・) i,/ \ 彡、 |∪| | / / (●) \ヽ ・
l u (__人_). | . \ / ∩ノ ⊃ ヽ / / (⌒ (●) /
_\ ∩ノ ⊃ / ━┓\ ∧∧∧∧∧∧∧/ /  ̄ヽ__) /
( \ / _ノ | |. ┏┛ \< > /´ ___/
.\ “ /__| | ・ < ━┓ > | \
―――――――――――――<. ┏┛ >―――――――――――――
___ ━┓ < ・ >. ____ ━┓
/ ―\ ┏┛ < > / ― \ ┏┛
/ノ (●)\ ・ /∨∨∨∨∨∨\ /ノ ( ●) \ ・
. | (●) ⌒)\ / \ | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ | / / ̄ ̄ヽ ━┓ \ | (__ノ ̄ /
\ / / / (●) ..(● ┏┛ \ | /
\ _ノ / | 'ー=‐' i ・ \ \_ ⊂ヽ∩\
/´ `\/ > く \ /´ (,_ \.\
| / _/ ,/⌒)、,ヽ_ \ | / \_ノ
| / ヽ、_/~ヽ、__) \ \
終わらなさそうな気がするけどその場合には次スレどこにたてるの?
やっぱりSS速報?
むしろ何故VIPで立てたのかというペース
739 :
忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/07/05(火) 19:02:02.97 ID:WWur19sAI
このスレはVIPの誇り
減速
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:04:35.50 ID:6+bMTwVv0
SSに移るのか
ラノベ出せ
埋めてSS速報移動からの
>>1逃亡エンドがお望みっすかwwwwwwwwwwwwwwwww
a
b
c
d
e
f
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:08:22.77 ID:pjME1PZC0
753 :
忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/07/05(火) 19:08:33.22 ID:WWur19sAI
おい、やめろ。
てか死ね
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:11:08.75 ID:bKGhZXQ20
開けた住宅街への道を、僕らは歩いている。
僕「様子が変だよ、女?」
女「ん……ごめん、ちょっと落ち着けなくて」
僕「かなでとみさとの事?」
女「それにも、ちょっと関係あるかな。かなでちゃんの話……覚えてる?」
僕「……」
僕「あの、人?」
女「……うん」
僕は、彼女の事を知りたかった。
女「……」
僕は質問を続けようと口を開いたが……。
女「……今日はここに泊まろっか」
彼女がそれを制してしまった。
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:13:29.17 ID:p1UlrcVH0
途中でやめるなよ
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:13:50.05 ID:p1UlrcVH0
埋めたいやつばっかりなんだから責任持って最後まで埋めろよ
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:14:01.36 ID:p1UlrcVH0
g
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:15:00.87 ID:p1UlrcVH0
h
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:15:16.33 ID:p1UlrcVH0
i
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:16:49.20 ID:p1UlrcVH0
j
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:17:02.12 ID:p1UlrcVH0
k
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:18:02.63 ID:euMTDMRU0
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:18:18.36 ID:p1UlrcVH0
l
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:18:36.83 ID:p1UlrcVH0
m
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:19:10.38 ID:p1UlrcVH0
n
そうだな
>>1はどうしたいんだ?
返事してくれると嬉しい
768 :
忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/07/05(火) 19:28:09.54 ID:WWur19sAI
とにかく埋めるのはやめようぜ
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:29:35.47 ID:bKGhZXQ20
僕「……そりゃあ、まあどこでもいいけどさ」
落ち着いてから、話つもりだったのだろうか。
僕は促されるままに、指定された家に入ろうとした。
女「……」
しかし、女だけはその場所から動かない。
僕だけが家に入るのを見届けるかのように……そのまま、夜の道路に立っていた。
僕「女? 入らないの?」
女「私は……まだ」
女「まだ、調べておきたい場所があるから」
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:30:33.46 ID:NIdrUMCBO
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:31:51.38 ID:bKGhZXQ20
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:35:12.14 ID:M3EuAmos0
まじかよ
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:35:48.47 ID:bKGhZXQ20
僕「こんな夜に?」
女「まだ九時前だよ……」
僕「でも、夜に出歩くのは危ないよ。それに、どこに行こうっていうのさ?」
女「……出口」
僕「えっ!?」
女「村を出口を……探しに行くつもり」
僕「脱出の目処がたったの?」
女「……」
僕「……っていうわけじゃ、ないんだね?」
女「うん、でも探さないといけないから」
僕「……今日じゃなきゃダメ?」
女「僕ちゃんは休んでいて。大丈夫、行き先はちゃんと伝えるし遠い場所でもないから、ね」
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:39:40.91 ID:bKGhZXQ20
僕「……それはどこ?」
女「南にあった、スーパー覚えてる? あそこだよ。十時まではお店が開いてるみたいだから……」
僕「ん、駄菓子屋さんみたいに誰か大人がいるの?」
女「……初日にチラッと覗いたら時は誰もいなかったから、恐らくは……」
僕「……」
女「心配しないで。ご飯とかも持ってくるし、早めに帰って来るからさ」
僕「……僕も行く」
女「そう言うと思った。でも、いいよ大丈夫」
女「私一人で大丈夫だから……」
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:45:10.37 ID:bKGhZXQ20
僕「……いいから、ほら。行くよ」
女「あっ……」
開きかけた玄関をバタンと閉め、僕は強引に彼女の左手を掴んでそのまま歩き出した。
女「ちょ、ちょっと待ってよ……」
僕「行くなら早くしようよ。それに、二人で行った方が絶対安全だよ」
女「で、でも僕ちゃんは怪我が……」
僕「それに、僕も動いていた方が今は不安にならないから……」
女「あ……」
僕「だから、一緒に行こう。二人で」
女「……」
女「クスッ」
僕「?」
女「変わったね、僕ちゃん」
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:47:20.30 ID:MAVqpa/w0
支援
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:47:51.25 ID:S+2hok0S0
脱いだ
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:51:13.90 ID:GLEB7KnP0
乳首と左胸の無い身体。それが私
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:52:56.78 ID:bKGhZXQ20
女「変わったね、僕ちゃん」
二人並んで歩きながら、彼女はもう一度そう言った。
女「最初に会った時とは大違い……ふふっ、さっきもちょっとびっくりしちゃったよ」
僕「……あれは、女を一人で行かせるのが不安だったから」
女「そう思ってくれるだけで、嬉しいよ。ありがとう僕ちゃん」
僕「な……慣れてきたから、ね」
素直に僕を誉めてくれた彼女の言葉に、僕はおおいに照れた。
やっぱり心臓がドキドキする……この二日間だけで、僕はこの胸が飛び出そうな緊張感を何度も味わってきた。
それが、僕を成長させてくれたのだと、信じたい。
女「……慣れ、ね」
しかし隣の彼女は一転、落ち込んだ様子に変わってしまった。
いいぞもっとやれ
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:56:13.48 ID:LdrH/c2l0
このスレ内で納まるのか・・・?
とりあえずレスやめてROMっとくわ
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 19:59:13.97 ID:bKGhZXQ20
女「僕ちゃんみたいに早いペースじゃないにしろ……日にちが経てばこの環境に慣れて来る子がいっぱい出てくるのよね」
僕「そう……だね」
女「ちゃんと出口を探し出すよう立ち上がる子もいれば、戦いのコツを掴む子だっている……」
女「誰か一人でも戦う人がいる以上、それは避けられない……」
女「……悲しい事よね」
僕「そのどっちも出来ない子は……逃げて生き延びるしかないんだね」
女「……でも、いつまでもは逃げられないよ。安全地帯の駄菓子屋さんだって、今日みたいな事が起こるかもしれないし」
女「それにほら……」
スッと彼女が指差した先には、いつもの駄菓子屋があった。
電気はすっかり消え、入り口はしっかりと施錠され閉じられているのが見えた。
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:05:14.79 ID:bKGhZXQ20
僕「……夜は閉まるんだ、あのお店」
女「そう。だから夜になれば、安全地帯にいるだけの子は無力……時間が経てば経つほど、殺される可能性が高くなるの」
僕「……」
女「この辺りの家に隠れてる子ばっかでしょうね……朝になったら、すぐにお店に逃げ込んで」
女「お店が閉まれば、また震えながら一夜を過ごすの」
僕「……」
女「誰が悪いんじゃない。殺らなきゃ殺られるっていうのも分かってる……」
僕「……」
僕らは駄菓子屋の横を過ぎ、住宅地の方へと向かった。
地図で見たスーパーはここから少しの距離のはずだ……。
女は声を震わしながら、更に話を続けた。
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:10:30.93 ID:bKGhZXQ20
女「でもアイツだけは……」
女「殺すためだけにみんなを殺しているアイツだけは……許したくない」
僕「……アイツ」
僕は、アイツと呼ばれた人物を知らない。
それでも、女の様子から何か因縁があるというのは簡単に想像が出来る。
僕「女が話したいって言ってたのは……それ?」
女「……」
女は足を止め、その場で僕を見つめ出した。
その瞳は、真っ直ぐながらもやはりどこか迷っているような……。
何かに怯えた目をしていた。
女「……実は私、ね」
女「去年もこのイベントに……いたの」
彼女の目が、怯えたまま僕を捉えた。
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:11:13.97 ID:aWLKwiaa0
バトロワてきな
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:17:50.96 ID:bKGhZXQ20
僕「去年……も?」
女「……」
女「私、去年が初参加だった。ルールは同じようだけど、場所は違うし……」
女「……私も、毎日逃げて隠れてた」
僕「だから、色々詳しかったんだ……」
女「隠すつもりも、騙すつもりもなかったんだけどね。最初は襲われ続きだったから、話す機会もなくて……」
僕「それは別にいいけど……逆にちょっと疑っちゃった時もあったよ」
女「あはは、ごめんね。ごめん……」
女「ハクちゃんと過ごした時もさ、疑心暗鬼になりすぎてあんな事になっちゃったり……本当、ごめん」
僕「……」
ライアーゲーム的な
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:22:51.33 ID:bKGhZXQ20
今ならなんとなく分かる。
彼女がいてくれたお陰で、僕は今日まで生きる事が出来たんだと。
僕(……死にそうな機会は何回もあっからなあ)
よく考えると、背中が冷たく気がした。
僕は彼女に、大丈夫だよ、といった内容を言葉で伝えた。
女「……ん」
僕「言いたい事は、ちゃんと分かったからさ。続きは歩きながらにしようよ」
僕「あまり外にいるのもね……?」
女「そう、ね」
そう言って僕たちは、道の続きを歩いた。
スーパーまではもうすぐ……何か食べ物があるという期待だけで。
僕の気持ちは、ちょっとだけ嬉しくなった……。
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:24:27.21 ID:7JYR9tQs0
おぉまだあった
C
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:29:21.35 ID:bKGhZXQ20
……。
僕と彼女の手には、それぞれ中くらいの大きさビニール袋が握られていた。
中にはスーパーから持ってきた、食料や水分が入っている。
先ほど通った道を、僕たちはまた歩いていた。
僕「スーパー、ずいぶん荒れてたね……」
女「……仕方ないよ。駄菓子屋さんみたいに誰もいないんじゃあ、ああなっちゃうよ」
僕「……人もいっぱいいたね。あれもまだ戦ってない子かな」
女「多分ね。お店や光のある場所に集まっちゃうんでしょ……でもあの子たちはまだ協力して行きそうな雰囲気があるから、大丈夫よ」
女「問題は……今どこかに一人で膝を抱えている子だよ」
僕「……」
僕「ねえ、女もさ。一年前は一人だったって言ったよね」
女「……」
僕「どんな様子だったか、聞かせてくれないかな。知りたいよ、僕」
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:31:07.04 ID:iYhrcYQa0
wktl
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:34:19.13 ID:bKGhZXQ20
女「……」
女「……」
僕「女?」
女「ごめんなさい……思い出すと、ちょっと辛くて」
僕「あ……そ、そっか。ごめん」
女「ううん。でも、大まかな全体の流れくらいなら……ちゃんと話せるから。それでもいい?」
僕「全体のって事は……」
女「参加した子たちの、行動流れ行き。大体は私が話してきた内容をなぞる感じになっちゃうけど」
僕「……構わない。聞きたい」
女「うん……分かった」
女「最初の数日は、やっぱりみんな思い思いに過ごしていた、みたい」
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:40:04.91 ID:bKGhZXQ20
女「みんなが目に見えて動き出したのは……四日目くらい、かな」
女「一年前はね、戦いもあまり無かったみたいなんだ。私の周りでもいなくなった人とか襲われた人はあまり聞かなかったから……」
僕「ん……四日目くらいにはもう仲間が出来ていたの?」
女「うん。みんなに比べればちょっと遅い参加だったけど……一人で泣いてても仕方ないって思って……」
僕「そっか。孤独じゃないならよかった……って、事実生きて帰って来てるんだもんな」
僕「仲間は何人くらい?」
女「……私たちの周りには二十人くらい。他にもいくつかグループはあったみたいだけど」
僕「グループ間で潰しあいとかは……?」
女「……」
彼女は首を横に振る。
女「みんなで……一緒に出口を探していたの」
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:44:41.43 ID:iYhrcYQa0
さるよけ支援
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:47:23.32 ID:bKGhZXQ20
僕「……なんだ、その様子じゃあ、結構生き残れた人多かったみたいだね」
僕「みんなで協力出来たなら、去年はきっと……それで、出口は見つかったの?」
女「見つかったよ。私はあまり謎解きには貢献出来なかったけど……グループのうちの、誰かが見つけたんだと思う」
僕「……出口、ね」
僕「それでみんな、一斉に脱出、か」
女「ううん……」
僕「?」
女「違うの……」
僕「違う? 何が?」
女「私たちは、村から脱出出来なかったの……」
僕「はあ? だって出口を見つけて、あとはそこに向かうだけじゃないか。どうして……」
女「村の出口に……あの男が立っていたの」
女「足元に、別行動をしていた他のグループの死体を転がしながら……笑ってたの」
僕「!?」
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 20:53:17.56 ID:bKGhZXQ20
……。
女「!?」
男「やあ、いらっしゃい」
「……だ、誰だお前」
男「待ちくたびれたよ。今年の逃亡者がたった数人かと落ち込んでいたら……よかった、団体さんだ」
「だ、大丈夫かみんな……!!」
男「ああ、無駄だよ。その状態で見れば、しっかり殺しちゃってるから……ね」
女「!!」
「くっ……どうしてこんな事するんだよ! あとは脱出して終わりじゃないかよ!」
男「そうだ。それがつまらないから、俺はずっとここにいるんだよ」
「……っ!」
男「ああ、俺を倒したらいくらでも自由に通ればいいさ。もっとも、この数日戦いをして来なかった君たちじゃあ……ね」
「くっ!!」
797 :
忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/07/05(火) 20:53:24.06 ID:WWur19sAI
いいね、これいいよ…っ!
でろおおおおおおおおおおおガンダああああああああああああム!!
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:00:36.90 ID:T3DRtXZy0
支援
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:03:52.01 ID:bKGhZXQ20
男「それとも、君たちも俺と一緒に門番やらないかい? パーツだけ狩ってりゃあ毎日好きに暮らせるよ」
「この……うるさいんだよっ!」
男の一人が、彼に飛びかかった。
右手にはやや大きくて、尖った石がいつの間にか握られている。
男「残念だ……」
女「!!」
「ぎゃぁぁぁ!」
男「……さ、次は?」
私は、見た。
正確に、左わき腹をえぐった彼のナイフの動きを……。
赤黒い血が、生身ではない身体からドクドクと流れていたのを……私は。
「こ、こいつ!!」
男「……ニィイ」
彼の身体が、ニヤリと笑った。
……。
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:07:52.55 ID:rjtntZFS0
支援
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:10:30.98 ID:bKGhZXQ20
抵抗した人間が全て切られてから分かった事だが。
震えていた人たち全員には、男の刃によって、状態の身体が何十にも切られる様子が見えていたという事だ。
それを、見ようとした人間は生き残り、何も見ず男だけに向かっていった人たちはみんな……。
僕「……」
女「……」
女「結局、生き残ったのはその場にいた私とアイツを含めての八人と……村に隠れていて、無事に生きてた人間だけって事になるかな」
僕「……なんだよ、そいつがいなければ一年前はもっと早く終わっていたんじゃないか!」
女「それを終わらせないためにアイツはいたんだもの……」
僕「くっ……!」
女「みさとちゃんとかなでちゃんを仕掛けたのも奴だよ……。今日、私に接触してきた」
僕「……奴はなんて?」
女「……」
また、今年も出口で待ってるよ、って。
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:15:53.09 ID:bKGhZXQ20
女「アイツ、また去年と同じ事を」
僕「……」
僕「出口、そこに奴がいるんだね」
女「うん……まだ、見つけてはいないって言ってたけど。でも近いうちにきっと……」
僕「近いうちなら……僕が先に見つけてやる」
僕「こんな無駄な戦い、終わらせてやる!」
女「……うん、そうだね。でもそのためにはまず出口を探さないと……」
僕「それなら……大丈夫」
女「えっ?」
僕「僕にも一ヶ所だけ、心当たりがあるんだ」
女「ほ、本当なの!?」
僕「……確信はないけれど突っついてみる価値はあると思うよ」
女「ね、ねえ。じゃあご飯食べたらすぐにそこに向かわない?」
女「深夜になっちゃうけど、調べるなら早い方が……」
804 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/07/05(火) 21:16:51.78 ID:W+w98Awf0
しえん
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:23:10.05 ID:bKGhZXQ20
僕「残念だけど」
女「?」
僕「今日は、もう調べられないんだ。仕方ないけど」
女「そ……そう。ごめんね先走っちゃって。確かに疲れとかもあるもんね、うん」
僕「本当は、すぐにでも出掛けたいけど……時間がね」
女「?」
僕「明日……大丈夫、明日になれば僕はきっと出口にたどり着けるよ」
女「!!」
僕「……行こう。夏とはいえ身体が冷えちゃうよ」
僕は、黙って道を歩き出した。
彼女は後ろで、呆然と僕の背中を見つめているようだった。
女「明日って」
女「僕ちゃん、アイツと同じ事言った……」
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:25:53.94 ID:bKGhZXQ20
女「……」
女「本当に、明日になればここから出られるの?」
女「それとも、今度もまた私は……アイツと」
女「男……」
頭上に星がキラリと流れ……夜はふけていく。
彼女のため息も、夏の涼しい夜風に、消えていき……。
運命の、三日目がやってきた。
……。
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:27:50.84 ID:iHdDkPpU0
夜じゃ行っても意味ないもんな
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:36:20.26 ID:bKGhZXQ20
女「ねえ、こんな朝からどこに行くの?」
僕「……」
女「いい加減教えてよ、お願いー」
僕「すぐ近くだから、教えなくてもわかるよ」
女「……それにしても無視はひどいよー。今日は朝から口数少ないみたいだし」
僕「……」
僕「なんか、無性に心臓がドキドキして。今日は何かがありそうな予感がして、それで……」
女「……!」
僕「ははっ、まあ。とにかく……今日で絶対出口を見つける、それだけだよ」
女「うん……」
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:37:27.74 ID:CY6yZqIci
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:39:00.21 ID:S+2hok0S0
事後か
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:44:13.02 ID:bKGhZXQ20
女「で、僕ちゃんの調べたい場所って……どこ?」
僕「ん、ここだよ」
女「ここって……駄菓子屋さん?」
僕「うん」
女「……ここに出口への手がかりがあるの?」
僕「……」
僕「あるのかどうかは、分からない。本当にそれが出口に向かっているのかも……」
僕「でも、ヒントくらいは掴めると思うんだ。僕の勘が正しければ……」
女「……私は、謎解きって苦手だからさ。僕ちゃんに任せるよ」
僕「うん。もしヒントが見つかったら……その時は、かなでに感謝だ」
女「えっ? かなでちゃん……どうして?」
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:46:18.25 ID:iHdDkPpU0
ばーちゃんの目塞いでたら戦闘とかしても大丈夫なのかな
813 :
忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/07/05(火) 21:47:38.18 ID:k3G/Gf6b0
おれの尊敬する小林泰三先生のようだ
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:49:01.00 ID:zxKhXv/gO
紫煙
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:51:08.26 ID:bKGhZXQ20
僕「そのどうしてを探るために、今から……さ」
女「う、うん」
僕「……おはようございまーす」
僕たちは、敷居を跨ぎお店の中に入っていった。
朝の十時前だというのに、お店の中は既に数人の子供で賑わっているのが見えた。
この子たちが、戦えない子か……と内心に思いながら。
僕は、僕の出した答えを確かめるため……おばあちゃんのいるカウンターへと向かった。
おばあちゃん「おはよう、いらっしゃい。何か買うのかい?」
僕「……」
僕「おばあちゃん、このお店って……」
僕「『当たり』のある品物、何も置いてませんよね?」
おばあちゃん「……」
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 21:55:55.58 ID:ZABdTVbhi
おお!?
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:00:14.42 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「変な事を言う子だね、一体何の事だい?」
僕「……僕は最初このお店に入った時、確かに懐かしい感覚に襲われました」
僕「お店の雰囲気はイメージとして描いている駄菓子屋、そのものだった」
おばあちゃん「ほっほ、そりゃあそういうお店だからね。当たり前だよボウヤ」
女「……」
僕「でも、店の中を一目見て、僕はなぜか違和感を覚えました。それがなんなのか、一日目には分からなかったけど……」
僕「でも、ある女の子の言葉を聞いて、僕はその違和感の正体に少しずつ気付いていきました」
僕「そして今、お店を見回すと確かに見つけられない物がある……」
僕「それが……当たり付き商品の存在です」
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:02:56.77 ID:iSO/WVrX0
C
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:07:17.42 ID:bKGhZXQ20
かなで『一緒にチョコレートを買いに行ったの! でも、いつもの当たりクジ付きのがないから、仕方なく麦チョコを買って……』
女「……そんな会話してたんだ」
僕「かなでは、すごく嬉しそうに僕と話してくれていた」
僕「……一緒にそのチョコレートでも探してあげよう、って、そんな事も考えていたけど」
僕「……うん、考えたからこそ、僕の胸に小さな疑問が浮かんだんだ。それが……」
女「当たり付き……」
おばあちゃん「……」
僕「どう……ですか?」
おばあちゃん「なるほど、確かに当たり付きのお菓子はここには置いてないよ」
おばあちゃん「……でも、だからなんだって言うんだい?」
僕「……」
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:11:51.35 ID:KfKS4x6M0
ほ
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:13:43.78 ID:bKGhZXQ20
女「そ、そうだね……そういったお菓子が無いだけで出口への謎解きとはあんまり……」
おばあちゃん「ほっほ、それなら何かお菓子を買ってくれればええ。パーツの交換でも、何かいいものが貰えるかもしれんよ?」
僕「……それもカムフラージュのためですか?」
おばあちゃん「あぁん?」
僕「交換、特典……買い物で与えられるヒント。今思えば、それがこの駄菓子屋のおまけ、当たりだと思っていた」
おばあちゃん「ほっほ」
僕「お菓子を買って、プラスアルファのドキドキが貰える……それはまさに駄菓子屋の魅力と言えるでしょう」
僕「でも、そこまでにこだわっているからこそ……僕は変だと思ったんです。そういった商品が全く見当たら無いというのは」
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:14:33.62 ID:Ehg8G2x60
おいついた
三行で
>>822 謎解きの
クライマックス
ROMってろ
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:15:55.92 ID:wsnrswdiO
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:20:15.77 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「……ふう、強情な子だねえ。分かった、負けた、負けたよ」
女「!?」
おばあちゃん「実はね、そういったお菓子もちゃんとは用意してあるんだよ」
おばあちゃん「いやあ、よく気付いたねえボウヤ」
僕「……どうも」
おばあちゃん「よっ……と」
ポンポンと、お菓子の入っている何種類かの箱がカウンターの上に置かれた。
きな粉棒、アンズ飴……そして十円ガムの箱など。
そして、かなでの話に出てきた当たり付きのチョコレートも……そこにあった。
おばあちゃん「さ、この中から。好きなお菓子を選んでいいよ」
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:25:50.74 ID:8JJy5JV30
ほ
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:26:33.76 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「これらは全部当たり付きのお菓子だよ」
おばあちゃん「ただし!」
僕「……」
おばあちゃん「選べるのは、この中からどれか一種類のお菓子だけだよ。それ以上の買い物は、禁止」
女「ええっ、な、何ですかそれ!」
おばあちゃん「嫌なら、どれも買わないでいいんだよ」
女「……僕ちゃん」
女が不安そうに、僕を見つめている。
それとは逆に……僕の気持ちは高ぶっていた。
僕(こういう条件が出るという事は……近付いたって証拠だ)
いける、僕は強くそう思った。
おばあちゃん「ほ、ほっほ、さあどれが食べたいんだい? 何でも選ぶといいよ」
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:31:26.04 ID:8JJy5JV30
ほ
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:31:44.91 ID:bKGhZXQ20
女「うう〜ん……あ、あの。私も一種類選んでいいですか? 彼とは違うやつを」
おばあちゃん「……ほほ、構わないよ。なんだって」
女「だって、僕ちゃん!」
僕「……」
女「ん〜……じゃあ私は、きな粉棒にする!」
おばあちゃん「はいよ。一本二十円だよ。爪楊枝の先が赤く塗ってあったら当たり、もう一本だよ」
女「はーい。よーし……どれにしよう……」
おばあちゃん「ほっ、ほ」
僕(……ずいぶんニヤニヤと笑うもんだ)
と、僕は心の中で悪態をついた。
僕(だからこそ、きっと……この中には当たりなんか無い!)
女「……あ、赤い。当たったよおばあちゃん」
おばあちゃん「おやおや、おめでとう。はい、もう一本選んでいいよ」
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:36:20.44 ID:bKGhZXQ20
女「じゃあ次は……これ!」
女「ぱくっ……あ、ハズレた……」
おばあちゃん「おや残念。また挑戦してね」
女「はーい」
女「……あ、あれ?」
おばあちゃん「どうしたんだい? きな粉棒はそこまでだよ? ほっほ」
女「そ、そうだよね。お菓子買って当たっても、もう一本が貰えるだけで……」
女「ひ、ヒントなんか何でも無いじゃんかー……」
おばあちゃん「ほっほ。まだお菓子はあるよ、さ、どれに当たりが入ってるかな」
女「僕ちゃん……ごめんね、お菓子当てられなくて」
僕「ううん、ありがとう」
女「え!?」
僕「女のお陰で、当たりが見えたよ」
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:37:09.79 ID:MAVqpa/w0
僕かっこいい…
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:39:00.23 ID:v0RfjzZ40
かっこいい
僕の鼻とアゴがどんどん尖っていく・・・っ!
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:41:12.43 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「ほっほ、じゃあ早く選びなさい。ほら」
僕「……おばあちゃん。まだありますよね、本当は」
おばあちゃん「えっ、な、なに……」
僕「当たり付きの……商品ですよ。お菓子だけじゃない、むしろここにお菓子しか並べないようなその態度が……」
女「え、え? まだお菓子の種類があるっていうの?」
僕「違うよ女。僕が買いたいのはお菓子じゃない」
僕「当たり付きで、でもお菓子とは違う物……。僕が欲しいのは……スピードくじだ」
おばあちゃん「ぐっ……!」
女「く、くじ? た、確かにそういうのもあった気はしたけどさ……くじ?」
僕「……」
835 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:44:11.82 ID:Ehg8G2x60
なるほどそれをこうすれば・・・
ククク・・
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:45:03.07 ID:H0ucYRRP0
ティッシュくじ?
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:46:26.31 ID:bKGhZXQ20
僕「……僕の通っていた駄菓子屋では、くじを引いて当てるとそのお店、独自のお金が貰えました」
僕「その店だけで使える、お菓子の商品券みたいな物を……ね」
おばあちゃん「ぐぐっ……」
僕「もちろんお店によってシステムは違うんでしょう。直接現金に変えるお店もあれば、お菓子と交換出来るお店……」
僕「この店では、その『当たり』を何と『交換』してくれるんですかね?」
おばあちゃん「……」
おばあちゃん「……」
おばあちゃん「……」
おばあちゃん「当たれば……出口の場所くらいは簡単に教えてやるさ」
女「!!」
僕「……よし!」
おばあちゃん「その言葉で押されたら、出さないわけにはいかないねえ……よいしょっ……と」
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:51:55.28 ID:bKGhZXQ20
大きな壁紙のような物が、カウンターの下から取り出された。
おばあちゃん「一枚五十円。一枚につき捲る箇所が四つあるから……そのうちの一つにでも印がついてれば、当たりだよ」
おばあちゃん「印が多いほど特典は豪華になるけど……まあ、それは当たってからだね」
僕「……」
女「僕ちゃん。お金いくら持ってる?」
僕「は……残り三百」
女「私はあと七百円。二人でちょうど千円だから……全部使えば二十枚はひけるよ!」
女「ここまで来たんだもん、二人で協力して頑張ろうよ!」
僕「女……」
女「さ、引くよ! おばちゃん、スピードくじ千円分ね!」
おばあちゃん「はいはい、はいよ」
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:52:19.42 ID:bs4IxXaw0
お前らのせいで僕の声がカイジで再生されるじゃねえか
口調は違うけど
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:52:44.56 ID:iSO/WVrX0
wktk
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:56:01.60 ID:iHdDkPpU0
>>839 ‐=;;;::::::- 、
_,,......,,,;;;;;;;::::::ヽ
,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::ヽ-::::'''"ニ=-
 ̄二ニ=‐:::::::: ::::::::::::::::≦-、,,
,. '"::::::::::::::::: ..::::::::::.... ::::::>
/:: ,, ::::::::::::::::.... ::::::ゝ
/-'''/:: ::::::::::::::::::::::::::::......................::::::|
/:::;;:-,: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
/::::/,:::............./,/!::/!::::: ::l
// /:::::/:::∠メ、 .|//ヽN-....::::: l
. /::;//:::ム、,,_'N. iレ;;''二、‐|:r‐、:::::|
i/ i::/ i!,, (..リ) <. !..ソノ゙!:ト.)/:::|
. V .| ^>' ij~ ゙ " ||フ/:::::|
|ヽ、 u .!-':::: l
ヽ -――‐- / ヽ |
ヽ == / ヽ:::::l
\ / ,,. -ヘ::::ヽ
.ヽ- ヘ.-''" _,..,\:ヽ
r''" ,..:''"::::::::::::ヾ、
| /:::::::::::::::::::::::::ヽ
きれいなカイジこと零が脳裏を過ぎる
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:56:18.97 ID:cNjnVTRLO
メロンにハチミツでキュウリだよな
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:57:49.51 ID:bKGhZXQ20
ペリッ。
僕「……ハズレ」
女「私の方もだよ。さっきから全然当たりなんて出ないよ……」
僕「こんなに当たる確率悪かったっけか……もう十五枚も捲っているのに、印が出ない……」
おばちゃん(一応、この駄菓子屋の中じゃあ最後の仕掛けだからねえ。当たりにくくはなってるんだよ、ほっほ)
女「……わ、またハズレだよ!」
僕「こっちも。これで残りは……」
女「あと一枚……」
僕「……」
ゴクリと喉が震えた。これをハズしたら確実に時間のロスが増えてしまう……。
僕「くっ!」
意をけっして、くじに手を伸ばそうとした瞬間……。
チリーン、と。
カウンターの上を五十円玉が跳ね、一瞬だけ時を止めた。
男「くくくっ……俺にも一枚」
ちょっとみんな雑談やめようか
スレの残りも少ないんだから
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:59:06.74 ID:ko7WfIkX0
じゃんけん!……ズコー下がりすぎ
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 22:59:45.86 ID:GLEB7KnP0
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:00:17.61 ID:mA5HOo2K0
ざわ・・・ざわ・・・
848 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:01:26.38 ID:7p0UC1pH0
奇形乙とか思ってスレ開いたらなんか始まってた
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:04:16.66 ID:bKGhZXQ20
後ろで、嫌な声がした。
反射的、本能的に十分過ぎるほどの敵意を僕は感じ取った。
ゆっくりと後ろを振り向くと……そこには。
男「よっ、久しぶりだな」
紫色のシャツを着た男が、そこに立っていた……。
久しぶり、という挨拶は明らかに僕の方にされているような角度だった。
僕は、彼を無視する事にした。
スッと、カウンターの上にあるくじ一枚に手を伸ばす。
男「……俺も」
いつの間に横に来ていたのか、その男も僕がくじを掴むと同時に……別のくじを選び、そして掴んでいた。
男「当たりだといいよなあ、俺もお前もさ」
僕「……」
男「くく、じゃあな」
じゃあな……?
彼はくじを開けないまま、店の外へと向かっていった。
箱の側面の継ぎ目に当たりが
いや、二つ折りか
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:09:03.07 ID:zxKhXv/gO
いつからカイジスレになったんだ
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:09:43.21 ID:bKGhZXQ20
おばあちゃん「おや……くじを確認出来ないんじゃあ、当たっても特典とは交換出来んというのに」
僕「……」
おばあちゃん「どれ、ボウヤのくじは……」
女「あ!」
女「あ、当たってるよ僕ちゃん! それも三つも印がある!」
僕「え、あ、うん。よかった」
おばあちゃん「ほっほ、おめでとうおめでとう。じゃあ約束通り……出口の場所と他の特典をあげようかね」
おばあちゃん「まず出口の場所じゃが……」
……。
女「へええ〜、団地の一番奥にある門がそうなんだ……」
おばあちゃん「次に、特典じゃが……くじを当てたボウヤ。耳を貸してごらん」
僕「えっ? 別にここで言えばいいんじゃないんですか?」
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:15:48.73 ID:Ehg8G2x60
はやくかぜひく
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:16:01.40 ID:bKGhZXQ20
女「あ、それはここじゃあ本人しか聞けないんだよ。例えば、自分の弱点とかを教えて貰えたりするとさ……それが周りにバレたりとかするでしょ?」
おばあちゃん「そうじゃよ。だから知らせるのは厳密にはボウヤ一人じゃ。手に入れた情報をどう使うかは自由だがの……」
おばあちゃん「どれ。まずボウヤはね……」
僕「……」
僕「……えっ。そんな事が出来るんですか?」
女「?」
おばあちゃん「ほっほ、最後のくじの当たりじゃからの……それくらいは出来るわい」
僕「は、はい」
おばあちゃん「さ、もうここには用は無いはずだよ。早く出口に向かいなさいな」
僕「……」
僕「行こう、女」
女「うん!」
女「あの、ありがとうございました」
僕たちは……最後の場所へと、向かって行った。
どんだけ埋め立てたいんだよゆとり共
黙ってみてろカス
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:18:09.19 ID:zjlA6x4s0
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:19:03.18 ID:Ehg8G2x60
おばあちゃん×僕………!!!
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:23:28.00 ID:bKGhZXQ20
団地までは少し距離があった。
地図でいう所の最南端、ここに出口がある。
僕たちは、脱出のため、そして最後に起こりうるであろう戦いに向けて……道を歩いていた。
女「……ね、さっきの特典でさ。何を貰ったの?」
僕「……武器をいくつかと、あとは弱点を教えて貰ったよ」
女「弱点を……!?」
僕「うん。少し恐いから場所までは話したくないけど……とにかく、ガードする場所は分かったよ」
女「……」
僕「……顔色悪いね、どうかした?」
女「お願い、だからさ」
女「アイツと戦っても……死なないでね、僕ちゃん」
僕「う、うん? 大丈夫だよ、きっと」
女「でも恐いんだよ私。だってアイツ」
僕「弱点を見る事が出来る……そうでしょう?」
女「!」
部位コンプの特典スキルか?
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:30:03.55 ID:bKGhZXQ20
女「気付いて……いたの? いつから?」
僕「……かなでの身体を見た時にさ。左腕だけちゃんと残してあったでしょ?」
僕「あんなの、その部分がわかってなきゃ出来ない切り方だったもの……」
女「……気付いたんだね。やっぱり僕ちゃんは凄いよ」
僕「ハクだって……」
女「えっ?」
僕「今考えればハクだって、奴のせいかもしれない……!」
女「……確かに、あんな切り口なかなか見ないもんね」
僕「……」
女「ねえ僕ちゃん。もし……アイツが出口で待っていたらさ」
女「僕ちゃんは……どうするの?」
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:30:17.27 ID:ON1TgUTk0
朝まで残って…るわけないか…orz
雑談・予想などの無意味な埋め行為はやめてくれ
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:35:04.00 ID:bKGhZXQ20
僕「……」
女「あ、ま、待ってよ僕ちゃん。置いていかないでよ!」
僕は……彼女の問いに何も答えずに足を早めた。
奴はきっと、その先にいる……!
あの、人を殺す事を何とも思っていないような殺人鬼が……僕たちを待っている。
そう考えても、僕の心臓はもうドキドキと揺れる事はなかった。
ただ、落ち着いた呼吸で一歩を踏み出し……僕は。
……僕たちはここから解放されるために、今そこに向かって歩いている。
ちょうど、太陽が一番高い位置にのぼった……暑い暑い、夏の正午の事だった。
……。
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:35:41.43 ID:fNJmNDpJ0
もうなにいっても無駄だということに気づいた方がいい
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:41:27.27 ID:v0RfjzZ40
わくわく
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:42:38.16 ID:bKGhZXQ20
連なった団地はまるでお城のように、僕たちの前に立ちはだかり進む道を塞いでいた。
昼間でも生活間が溢れてきそうな部屋のどこもが、窓を締め切り厚いカーテンをしていたのが見えた。
女「……静かだね」
僕「……」
女「本当にここでいいのかな?」
僕「行けば、分かるよ」
僕はまた早足になった。
目的の箇所までは……まだ少し、広い団地の敷地を歩かなければならない。
僕「……」
女「……」
僕と彼女は、無言のまま歩いていった。
やがて……一番奥の棟を抜けたかと思うと、急に開けた場所へと出た。
道は広く、周りには木々や夏草が生え……そして。
女「あ……門、だよね。あれって」
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:44:40.60 ID:HQWLQgwN0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
870 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:50:44.17 ID:bKGhZXQ20
赤い、レンガで作られたような二本の柱が……僕たちの十メートルほど先に立っていた。
僕「あれが……ここの」
女「……思い出した。確か去年もあんな感じの門だったから、間違いないよ!」
僕「……」
女「早く、早くあそこから出ようよ。そうすれば……この戦いはおしまい。生きてる人はみんな帰れるんだよ!」
僕「……」
女「僕……ちゃん?」
僕「出てこいよ、いるんだろ」
……シュッ!
女「きゃっ!」
その声をきっかけにしたかのように、僕の足元にナイフが投げつけられた。
アスファルトで固められていない地面に、ナイフは勢いよく刺さりそこに根を張ったようにピーンとした様子を見せている。
男「くくくっ……もう少しこっち来れば届いたんだがなあ」
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:55:42.28 ID:6XGPh/Tpi
眠気が
麻雀で勝負するんだな
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/05(火) 23:59:02.52 ID:bKGhZXQ20
木々の陰から、ゆっくりと男が現れた。
そのまま門の方まで歩き、片方の柱にもたれ掛かりながら……ナイフの腹で手のひらを遊ばせている。
その度に、ピタ、ピタッという音がした。
男「……遅かったな。くじなんて引いてるからさ」
女「な……なんで。なんでアンタがいるのよ! くじの当たり、おばちゃんに確認しなかったじゃない!」
男「くくくっ、別に駄菓子屋だけが出口を教えてくれるわけじゃないさ。他にも道はたくさんある」
僕「くじを引いたのは……遊びってとこかな」
男「お前、ハズレだよ」
男「こんなのただの記念……さ」
男の手には、先ほどのスピードくじが握られていた。
誇らしげにこちらに見せつけられたそのくじには、当たりの印が四つ、綺麗に印刷されていた……。
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:00:36.34 ID:0hZxK3uOi
ドヤ顏でくじ見せる姿想像してわらた
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:05:15.00 ID:rqMSLQg70
男「さて、今年はまず二人か……」
持っていたくじを無造作にポケットにしまった男は……ナイフを構えながらこちらに向かって来る。
男「っ!」
僕は、先ほどお店で貰ったサバイバルナイフを手に持ち身構えた。
女「……」
男「へえ、カッコいいね。どうだい、足元のそれと交換しないかい?」
僕「……」
僕は、下に刺さったままのナイフを見るため……視線を落としてしまった!
女「僕っ!」
僕「っ! はっ!」
男「……まずはどこがいい」
男は一瞬で僕の前に現れ……赤黒い空間の中で、僕の左腕を奪って行った……。
血が、土に染み込む。
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:08:53.37 ID:IZ2z2ASd0
支援
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:09:50.06 ID:y9Jtyqfj0
ほ
878 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:10:36.74 ID:y9Jtyqfj0
ほ
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:10:46.24 ID:y9Jtyqfj0
ほ
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:10:56.25 ID:y9Jtyqfj0
ほ
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:12:03.33 ID:Ag0GhsMo0
ポ
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:12:06.66 ID:rqMSLQg70
僕「つぅっ!」
痛い……!
けど、僕は叫ばない。
必死で歯を食いしばり、ナイフを持ったままの右手を奴に向かって振りかざした!
僕「このっ……!」
男「ふ……」
僕の刃は空を切り、身体は隙だけを晒している。
男「くくくっ、そんなすぐには切らんさ」
男は僕の一撃をかわすと、そのままやや後ろに飛び退いた。
お互いの攻撃が届かない、半端な位置だ……。
僕は、腕の痛みを我慢しながらキッと奴を睨み付けていた……。
男「そんな恐くするなよ。まあ、落ち着いて。どうだい、一緒にここで……来る人間を狩らないか」
しえーん
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:12:32.61 ID:y9Jtyqfj0
ほ
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:12:55.21 ID:y9Jtyqfj0
ほ
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:14:10.67 ID:TRmNZvMk0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
CC
CCC
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
CC
CCC
| ミ ピャッ!()
| C
CC
CCC
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:14:20.55 ID:3FOfmkxW0
埋めてるニコ厨タヒね
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:14:52.22 ID:4SzjuRYb0
水遁
書いてる最中に保守はいらねぇよ
ID:y9Jtyqfj0
890 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:15:13.03 ID:FOpnQCjz0
埋めようとしてるとしか思えない保守間隔
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:17:09.38 ID:lMa0Vq4NO
連レスしてるのもうざいが
>>886みたいのも死んで欲しい
お前らのその発言も埋めにつながるんだよ
俺もROMるからみんなもROMろうか
893 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:18:58.69 ID:rqMSLQg70
僕「狩る……それは、去年の時みたいにか!」
男「あ、知ってたんだ。女から聞いたのかな? まあ当然だよね、僕たちは今年のエースなんだから」
僕「エース……な、何がだよ」
男「くくくっ、エースってのは俺が勝手に呼んでるだけだけど、ね」
男「この集まりで成績がいい者は……また来年の同じ時期、これに参加する事が出来る。それを勝手にエースと呼んでいるだけさ」
女「……!」
男「くくくっ、俺も女も去年はたくさん人を倒したからなあ……お互い、今年も呼ばれてよかった」
男「なあ、女あ」
女「や……やめてよ……そんな昔の話をするのは」
男「去年は楽しかったよ。二人で協力して……村の出口を塞いでたんだもんなあ」
女「し、仕方ないでしょ。そうしないと……私が……死」
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:19:10.94 ID:ZrjvcxbZ0
ワザとしてんだろ
>>1の文章がそれなりに上手いからって嫉妬してんだろ
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:20:08.44 ID:7jwMGRrA0
俺からしたら、「連投保守」も「連投うぜぇ」変わんねぇ
897 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:21:01.77 ID:O5gkf1Hb0
あ、ごめんれすしちゃった
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:21:45.71 ID:8p78h07M0
うざいわーレスまじうざいわー
俺が一番初めにうざいと思ったわー
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:22:16.52 ID:3FOfmkxW0
精神年齢の低い人たちの集まりですね
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:24:02.63 ID:rqMSLQg70
男「死ぬ? 君が……誰に殺されるって?」
女「あ……あなたに、決まってるじゃない!」
男「くくくっ、奴、とかあなたとか。どうも他人行儀だな、女」
男「昔みたいに俺の名前を呼んでくれよ。恋人同士、生きていたみたいにさ」
僕「!!」
僕「二人が……恋……人?」
女「くっ……! そ、そんなの昔の事よ……!」
女「村を脱出してからはまた別れ別れ……また一年もすれば忘れて! そんなの、恋愛であるわけないじゃない……!」
男「くくくっ、それがまたこうして会えたんだ。もう一度、どうだい女」
男「もう一度俺と付き合って……一緒にここにいないか。女?」
女「!?」
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:24:09.82 ID:8p78h07M0
ここVIPだしな
903 :
忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2011/07/06(水) 00:24:45.37 ID:ZlK1g/bS0
すういう展開か
シャツが紫色の人はちょっと…
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:26:09.14 ID:7ylrUP1z0
保守
906 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:26:26.08 ID:3BqHhf8c0
このスレ内で完結出来ないに100ぺリカ
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:26:37.64 ID:YEGyJj9q0
完全に七夜にしか見えない
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:26:46.09 ID:7ylrUP1z0
保守するお!
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:27:05.32 ID:0hZxK3uOi
私は5ペソを
910 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:27:59.66 ID:7ylrUP1z0
保守保守
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:28:55.16 ID:4smnsufn0
ID:7ylrUP1z0
埋めんなks
保守の意味を調べ直してこい
913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:29:29.48 ID:rqMSLQg70
男「んー、どうだ女?」
僕「……!」
僕は、視線が彼女の方に向いた瞬間……奴に飛びかかろうと足に力を込めた!
男「……くくくっ。今いいとこなんだ、邪魔するなよ僕ちゃん」
ピタリ、とナイフをこちらに向けられてしまう。
僕(やっぱりこいつ……隙が無い……!)
僕はその場に動けないまま、二人の様子をただ見ているしか無かった……。
僕(今は、まだ)
女「……」
女「もう一度、ここにいて」
女「私に人を殺せっていうの?」
僕「女……」
男「別に殺さなくてもいいさ。ただ、脱出を諦めてここにいてくれれば……」
男「俺が飽きたら、また終わらせるさ。去年みたいに……一歩、俺が出口から足を踏み出してさ。くくくっ」
女「……」
914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:29:34.88 ID:4smnsufn0
916 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:30:44.47 ID:CU3T19Dj0
埋まりそうだしいいんじゃね別に
917 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:31:12.59 ID:YEGyJj9q0
>>914 なんで勝手に次スレ立ててんの?
シネよ
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:32:00.24 ID:CU3T19Dj0
次スレいくのが嫌なら必死に書けやwww
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:32:53.15 ID:O5gkf1Hb0
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:34:42.99 ID:CU3T19Dj0
こうして着実に埋まっていくスレ
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:34:53.44 ID:rqMSLQg70
女「ねえ、一つだけお願いしていい?」
男「恋人の頼みなら、なんでも聞くさ」
女「……うん」
女「ねえ、じゃあ、今すぐ。今すぐにこの村から一歩を踏み出してよ」
男「……あぁ?」
僕「女……」
女「私、もう去年みたいに人がたくさん死ぬのを見るの嫌だよ……確かに、私も殺したけどさ」
女「でも、あのままじゃいけないって思ったから。だから、また今年もここに来れて嬉しいって思った」
女「……今年は一人でも多くの人と生き残るんだ、って」
女「だから……」
男「ああ、はいはい。わかったわかった」
男「じゃあそのお願い通り、二人とも殺してから……外にほおり出してやるよ」
女「男……っ!」
男「やっと、名前を呼んでくれたね」
男「そして、バイバイだ女」
922 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:35:01.56 ID:YEGyJj9q0
最近勝手に次スレ立てるゴミ増えたな
923 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:35:03.90 ID:3FOfmkxW0
埋めんなカスども
924 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:35:24.06 ID:CU3T19Dj0
925 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:35:43.71 ID:x5+BDbNt0
長い遅い
926 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:37:11.94 ID:tP4bMbgZ0
>>729 明日から読む
オートリロードーーーーーー
てかスクロールできないオートリロードはないのかしら
927 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:37:46.10 ID:CU3T19Dj0
928 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:37:59.41 ID:3FOfmkxW0
929 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:38:27.32 ID:CU3T19Dj0
930 :
忍法帖【Lv=29,xxxPT】 :2011/07/06(水) 00:38:47.86 ID:7f4H4cHh0
はよ埋めて次スレいけ眠い
931 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:39:17.38 ID:CU3T19Dj0
じゃあ埋めで(´・ω・`)
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:39:23.24 ID:rqMSLQg70
女「!!」
僕「……!!」
僕は、女と男の間に飛び込んだ。
男「じゃあ、こっちか」
女に向けてへのナイフの軌道は、簡単に僕の方に変えられた。
切られるのは覚悟だ、こいつは僕の弱点を絶対にまだ突いてはこない……。
女「僕!」
そう、いくら太ももにナイフを刺され、両わき腹がえぐられて、左目が奪われようとも……。
僕は……。
男「くくくっ、そろそろ、か?」
933 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:39:26.46 ID:vngeCvMY0
ほ
934 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:39:34.99 ID:CU3T19Dj0
うめよか
935 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:39:49.04 ID:vngeCvMY0
ほ
936 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:40:05.63 ID:vngeCvMY0
ほ
937 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:40:26.25 ID:vngeCvMY0
めんどくさくなった
埋めんのやめよ
938 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:41:24.74 ID:x5+BDbNt0
マジで長すぎ
面白いからたちが悪い
もっと書きためとけ
939 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:42:13.73 ID:CU3T19Dj0
埋まっちゃっても仕方ないよね
VIPだし仕方ないよね
ガキはVIPから出て行けよ
ゆとり.馴れ合い速報
精神年齢が幼い大人って醜いよね^^;
942 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:43:02.96 ID:CU3T19Dj0
うめ
943 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:43:46.12 ID:dULGFaO20
ぼしゅ
944 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:44:01.56 ID:rqMSLQg70
僕は……地面に倒れていた。
情けないくらいに、敵に背中を向けながら。
片膝でたっているように見せかけるので精一杯だった……。
男「……なあ、このままじゃつまんないからさ。ハンデやるよ」
男「お前は……俺の右胸にナイフを刺せれば、それで勝ちだ」
僕(くっ……弱点を教えるなんて……余裕……)
男「くくくっ。立てよ。次は俺もお前の弱点を狙うぜ……?」
男「そして、その一撃で最後だ……」
僕は……身体を振り向かせゆっくりと立ち上がった。
男「……死ね」
男が、僕の弱点……心臓に向かってナイフを突き刺した……。
945 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:44:12.49 ID:CU3T19Dj0
あ、埋めじゃなかったwwwwほしゅ
946 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:45:58.69 ID:e8MUA6rL0
ぽしゅ
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:47:09.80 ID:ca2/zaMTi
ああ、いつも通りのVIPだ
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:48:15.19 ID:LW4thYqD0
マジレスして欲しいんだけど、埋めんなとかいうやつらって何考えてんの?
ここをどこだと思ってんの?
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:48:47.02 ID:rqMSLQg70
女「僕!!」
僕「……!」
男「……ぐっ!」
僕の心臓には、確かにナイフが突き刺さっている。
しかし、男の弱点である右胸にもまた……僕の。
いつか、かなでに刺された方法と同じ……靴に仕込んだ鋭利な刃物が、男を貫いていた。
男「な……がっ……がぁ……!」
僕「……そう来ると思ったよ」
意識が……飛ぶ。
僕の弱点を狙う最後の刃は……僕にとっては簡単に予測が出来る、いわば的。
僕(かなでに感謝しないとな……)
女「……!」
遠くで、女が何かを叫んでいた。
しかし、男が僕の目の前に倒れたのを確認すると……僕は……。
全ての役目を終えたように、眠りについた……。
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:50:51.62 ID:ZS/y0PIf0
保守
951 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:51:22.58 ID:rqMSLQg70
……。
夏の日。
僕は、また緑のシートにくるまれながら、軽トラックの荷台に乗っていた。
意識ははっきりと、夏の空を見ている。
ゆっくり、ゆっくりと動く雲と景色を眺めながら……僕は。
また、今年もここにやってきた。
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:51:42.34 ID:ca2/zaMTi
僕は死にませーん!
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:52:04.44 ID:ZS/y0PIf0
101回目の保守
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:53:10.20 ID:eOcpIpVwO
一応聞きたかったこと
つかまえての人か?
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:53:43.55 ID:7z4FFYL+i
男がチートだった理由は?
956 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:54:10.21 ID:x5+BDbNt0
終わり?
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:54:37.22 ID:cQ+RKbp90
つかまえてって、小学校とメールのやつか
似てないとは思うが
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:55:06.18 ID:rqMSLQg70
僕(……一人でも多くの子を助ける)
それが僕の目的だった。
一年前の戦いから、また……季節が一周した今。
僕は、またここに……。
そして……。
男「……よお」
僕「!」
トラックが止まった先には、あの男も……いた。
僕「……どうして」
確かに、生きている。
男「くくくっ、どうしてはお互い様だろ。お前は弱点突かれて死んだと思ってたよ」
男「……それがまさか、弱点の心臓が無かったなんて、なあ」
959 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:55:09.10 ID:3BqHhf8c0
この地の文の書き方はこの間のクレヨンしんちゃん書いてた
>>1だろ
960 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:55:21.04 ID:75G7eFAs0
乙!おもしろかったー
おばあちゃんがこっそり教えてくれた特典ってなんだったんだ?
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:55:55.37 ID:75G7eFAs0
終わってなかったwww
962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:55:57.94 ID:3pQwRP3w0
おつ
あとはうめか
963 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:56:29.01 ID:x5+BDbNt0
まだやんのかよ
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:56:29.47 ID:3pQwRP3w0
うめ
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:56:49.60 ID:3pQwRP3w0
ん?もう終わったんだろ?
うめ
966 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:57:18.38 ID:eOcpIpVwO
>>957 僕ちゃん、駄菓子
作風は大分違うけど、近いものを感じた
967 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:57:42.73 ID:/YmJcfg/0
おわりでおk?
968 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:57:59.15 ID:mT44dagJ0
969 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:58:00.41 ID:3pQwRP3w0
早漏が多いな
971 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:58:36.12 ID:kL8YkWx/0
うめ
972 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 00:59:34.91 ID:kL8YkWx/0
うめ
973 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:00:09.95 ID:rqMSLQg70
男「よかったな、駄菓子屋で当たり引いといてさ。くくくっ」
僕「……お前こそ、右胸が弱点なんて嘘を」
男「嘘じゃないさ。あそこを突き刺したから、お前の勝ち……去年はそれでおしまい」
僕「男……!!」
男「くくくっ、まあお互い頑張って脱出しような。さて、今年は何日で見つけられるか……」
僕「……」
男「お前が俺を殺さない限り、この夏はずっとやってくる、楽しみだよ」
ミーン、ミーンと蝉が遠くの森で鳴いている。
空の高い場所にある入道雲、今にも夕立が降りだしそうな、真っ黒い西の空……。
男「くくくっ……」
男「お前、当たりかもな」
今年こそ、この夏を終わらせる。
僕は胸の中で眠っている少女たちに……そう誓った。
終
974 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:04.36 ID:5w4FNb/h0
乙
975 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:07.02 ID:xETICXOc0
よし、これで寝れる
976 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:07.18 ID:Ki/q1I/9O
お疲れ様です!
乙!
最初から見てたよ
面白かった
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:15.92 ID:kL8YkWx/0
長いだけで内容薄くてつまらなかったよ
おつ
これなら埋まってもよかったかもな
おつ
980 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:41.20 ID:SilIf3sV0
乙
981 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:55.08 ID:bX6IC71f0
乙!楽しかった。
982 :
忍法帖【Lv=31,xxxPT】 :2011/07/06(水) 01:01:56.35 ID:2NJjzl570
乙
やっと寝れる
楽しかった!!
983 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:01:56.08 ID:HarWSuYt0
よく終わらせた、乙
984 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:00.28 ID:rMvBt7NeO
途中からずっとROMってた
1乙
985 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:06.24 ID:rqMSLQg70
終わりです。
保守、読んでいただきありがとうございました。
たまの冒険物でした。
次はまた、いつものつかまえてスレでよろしくお願いします。
986 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:07.38 ID:aEWMby6a0
うわぁ・・・埋めを恐れて尻すぼみとか最低
やるならちゃんと最後までやれよ死ね
>>1
987 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:13.08 ID:mT44dagJ0
乙
女はどうなった?
続きが気になる
988 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:16.70 ID:dULGFaO20
つまりはどういう事?
頭の悪い俺にも分かるように教えて〜
989 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:02:17.56 ID:+kgnnaR/0
お疲れ
ksが居なければ女も絡んだ最後になったのかな
十分良かったけど
僕や女てどれくらいの年齢だったんだろ、乙
このスレだけで終わらせるって言ってどんどん埋まるから焦って
内容が薄くなったとかねぇよな?
とにかく楽しめた
乙
乙
995 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:03:26.54 ID:aEWMby6a0
>>993 どうみたって最後急ぎすぎだろ
急に薄っぺらくなったwwwwねぇわ
996 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:03:35.49 ID:E0jV3qlAi
楽しかったよー
997 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:03:50.79 ID:0hZxK3uOi
おつかれ 面白かった
998 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:03:55.25 ID:6kixMZi0O
乙!面白かった!!
記念パピコ
999 :
忍法帖【Lv=29,xxxPT】 :2011/07/06(水) 01:04:03.13 ID:7f4H4cHh0
1000
1000 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 01:04:03.99 ID:UaKHHHdH0
今から読む
1001 :
1001:
16歳♀暇だから全レスします☆ こちらスネーク 1990年生まれ集まれ〜☆ 安価でお絵描き
中学生 遊戯王 新ジャンル VIPで本格的にRPG作ろうぜ XBOX360
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こ さみしい・・・誰かかまって 425はどこも変えてなかった ピカ厨 自 す
う 時代の流れ デブきめぇんだよ 捨てアド晒してメル友 メンヘラ 殺 た
い VIPヌクモリティ 顔晒し 馴れ合いスレ 「〜だお」 コテ雑 し
き 今のVIPが嫌ならVIPから出てけww A雑 大阪VIPPER集まれ!!☆ ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール VIPでMMO ネタにマジレスの嵐 す
く 隠れオタ skype パートスレ Skype mp3垂れ流し
な 住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン 二番煎じ
い 空気読め リア充 ニコニコ動画
>>1 そっヵ、残念やわ(´・ω・`)
お 付き合ってくだしあ>< 今から元カノに痛メする
>>3 ウチは高校生だぉ☆
>>9 うはwwこれがVIPクオリティw
∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !! V∩
>>2 自重しろwwwww Be
ハ (7ヌ) (/ /
>>7 ブラウザゲーやらないか?
ル / / ∧_∧ || モリタポ
ヒ / / ∧_∧ ∧_∧ _( ゚ω゚ ) ∧_∧ || 埼
>>5 2chって有料なんですか?
\ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄ ⌒ヽ( ゚ω゚ ) // 玉
>>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
\ /⌒ ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒ ⌒ / O
>>8 お母さんに何て言えば
| |ー、 / ̄| //`i構って女/ F 安価で絵描くお
低 | 恋愛 | | 厨房 / (ミ ミ) | | F 14歳♀中学生処女だけど質問ある? ハ
年 | | | | / \ | | ム
齢 | | ) / /\ \| ヽ PCに詳しい人ちょっときて!!! イ ス
化 / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | 電車男 ミ タ
| | | / /| / レ \`ー ' | | / サーセンwwwwwwwwwwwwwww フ |
ニュー速VIP
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