1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
律「……という、ある女子高の軽音部を舞台にした麻雀ゲームがあるそうなんだ」
ttp://nyang.x.fc2.com/k-jan.html 紬「麻雀ってまさか……負けた女の子が脱いでいくというお約束の……」
律「いや詳しくは知らないんだけどさ、ぜんぜん知らないんだけどさ!!」
澪(いつの話だよ……)
唯(題材が古いなぁ……)
律「実在する軽音部の女子高生が出演しているいやらしいゲームらしいんだよ!」
紬「まあいやらしい!ねぇ澪ちゃん?」
澪「ハハハまったくだ」ズズズ
律「こういうのに出れる女子高生の神経がわからないよなあぁ!?」グイッ
唯「ハハハ……ホントあずにゃん遅いねぇ……」ギリギリギリ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 00:41:20.93 ID:+W2K+9A3Q
紬「出演したらどれくらい貰えるのかしら、こういうの」
律「私だったらいくら金を詰まれてもこんなの出れないけどな」
唯「それ以前にまず誘われな モゴモゴ
澪「そうだよな、本当に梓遅いよなぁ……」
紬「そうね、いま梓ちゃんは関係ないわよね?……まぁ関係あるんだけどね」ギロリ
― 部室前 ―
梓(いま部室に入るのは危険な気がする……今日は帰ろう)
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 00:45:42.14 ID:+W2K+9A3Q
梓(めんどくせえ、メールで……えーと、両親が……交通事故で……)カコカコ
澪「…………」
紬「ところで梓ちゃん遅いわねえぇえ!梓ちゃん!ねえ!」
律「そうだな!梓はまだかなぁあ!おい!」
梓(ちっ……さっさと帰るか……)
♪フワフワターイム〜 フワフワターイム〜 フワフワターイム〜♪
【 着信 澪先輩 】
梓「!? しまっ……」
澪「あ、もしかして梓か?遅かったな!」しれっ
梓(あのやろう……)
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 00:52:27.98 ID:7ZeD9ClA0
ちゃんと完結させろよ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 00:53:45.23 ID:+W2K+9A3Q
梓「ああどうも、お疲れ様でした」ガチャッ
律「え、なんかいま帰ろうとしてた?」ガシッ
梓「あー……ちょっと調子が悪くて…えー…と生理痛と……偏頭痛と……あとなんか風邪っぽい感じが
しないわけでもなくて……いえ、私は多少具合が悪くても練習する気力に満ち溢れているんですけど、
ここじゃどうせまともな練習なんかしないわけですし、大した話題もないのにくっちゃべって受験という
大事な時期を控えた敬愛すべき美しい先輩たちに私ごときの風邪なんかうつしたらもう一大事ですし、
今日はとっとと帰って精神的にも身体的にもゆっくり休んで風邪の諸症状を緩和させゴホゴホゲホッ
あーやばい頭痛いかも、やばい喉も痛くてちょっと発声もままならない状態になりつつありますよこれ
ひょっとしたら熱があるかもしれません、ああ無理、やばいこれは立っているのがやっとの有様です
今日はもう一目散に帰ってしばらく休養をとらなければ死ぬかもしれない……あ、ちょっとなんて顔して
見てるんですか、しょーもない部に唯一入部した愛くるしい後輩が死ぬほど苦しんでいるというのに、
早退すら許さないおつもりですか?まさか疑ってるわけじゃないですよね?苦しみながらも先輩を
気遣って断腸の思いで早退させて頂けませんかと直訴している気持ちくらいは理解してますよね?
ああ死ぬかもしれない、いえお気遣いは無用です一人で帰るだけの体力はギリギリ残ってますので、
えーと、今日のところは帰
律「ああそうか、ちょっとお茶でも飲んで休んでいけ。いいからちょっとこい」グイッ
紬「私もちょっと風邪気味だったからお薬あるのよ。はやくきなさい。ほら暴れないの」グイッ
梓「ここまでか……」ズルズル
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 00:58:09.00 ID:+W2K+9A3Q
紬「調子は大丈夫?お薬はいいの?」ニコニコ
梓「あっ大丈夫です。妙なクスリでも盛られたらたまりませんから」
紬「ちっ」
澪「持ってるのかよ」
律「で、梓はどう思う?」
梓「あー……ああいうのもある種の芸術作品でもあるわけですし」
律「ほう」
梓「私はこんな低俗な文化に興味ないですけど、出てる人にも事情もあるかもしれませんし……」
律「ああごめん、なんの話だか説明してなかったな。実はこういう低俗な芸術作品があって……」
梓「田井中っ……!」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:03:01.06 ID:+W2K+9A3Q
― 同級生とかがほぼ来ないファミレス的なところ ―
梓「どうするんですか!確実にバレてるじゃないですか!」
澪「どこから嗅ぎつけてきたんだろうな、あいつら……」ズズズ
梓「ずらかろうとしてたのに何巻き込んでくれてるんですか」
澪「いやちょっと携帯変えたからさ、発信テストをしてみようかと」
梓「それをなんであの絶妙なタイミングで私にかけてくるんですか!」
唯「そういえばあずにゃん着うた変えた?」
梓「そうなんですよ、なにしろ臨時収入があったんで、ダウンロードし放題で」
澪「そうそう、それで私も携帯買っちゃったんだよ、ようやくスマホに……」
梓「あっそうなんですか、私もその機種に目をつけてたんですよ。どれどれ……っておい乳牛」
澪「どうしたまな板、今日はずいぶんカリカリしてるな」
唯「生理なの?」
澪「発育は残念なくせに、一丁前に生理痛か……」
梓「あぁそうですよ!」イライラ
澪「そうなのかよ!」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:12:17.39 ID:+W2K+9A3Q
唯「同人ゲームなんて腐るほど出てるのに、なんで今さらアレに目をつけたんだろ」
梓「微妙に古いですよねアレ」
澪「3人だけピックアップされてるからな、いじりやすい題材だったんだろう」
梓「あの2人は勧誘すらされなかったからひがんでるって設定ですね」
澪「設定とか言うな。ムギは違う意味で怒ってるような気もしたけどな」
唯「あずにゃんが一番乗り気だったのに……」ボソッ
梓「はぁ!?真っ先に出演OKしたのは唯先輩じゃないですか!」
澪「なんか猫耳までつけちゃって……」ボソッ
梓「澪先輩はあからさまに羽振りが良くなりましたよね?大人のおもちゃでも買ったんですか?」
澪「携帯買った」
梓「じゃあ携帯変えたのだいぶ前だったんじゃないですか!」
澪「唯は当然ムギにギター代とかメンテナンス代とか、返したんだろうな?」
唯「えっ」
澪「えっ」
ninja
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:16:14.95 ID:+W2K+9A3Q
唯「だってあんな大金、私が急に返したらあからさまに怪しいでしょ?」
梓「ムギ先輩からしたらはした金ですし、きっと忘れてますよ。巨乳は総じて頭が弱いんです」
唯「そもそも貸してなんて言ってないし」
梓「うわぁ……」
澪「ちょっと臨時収入があったからって金銭感覚が変わりすぎだろ……梓はちょっと表に出ろ」
唯「私から言わせれば2人とも急に羽振りがよくなりすぎなんだよ」
梓「私はそんな……唐突に最新の携帯に買い変えたりとか軽率な行動はとってませんから」
唯「そんなとこからりっちゃんが金の匂いを嗅ぎ付けてきたのかもね」
澪「よしわかった、今日は私がおごろう」
唯「ゴチです」
梓「あっ、これ追加で注文してもいいですか?」
澪「死ね」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:18:50.56 ID:+W2K+9A3Q
― 翌日 ―
律「それで例の下品極まりないある種の芸術作品についてなんだけど」
澪「まだ掘り下げるか」
梓「軽音と麻雀なんてぜんぜん共通点ないのに、これに出てる人は本当に女子高生なんですかね?」
律「いまや軽音部の女子高生ってだけで食いつく連中が結構多いからな」
唯「えっ黒タイツが女子高生に流行ってるのってやっぱりそうなの?」
梓「ほんと、三次元のツインテールは向き不向きがあるんですよね、みっともない」
澪「弾けもしないレフティモデルのベースを買うマヌケもいるしな」
律「ハハハうぬぼれんなビッチども。いいか、軽音部の女子高生が主演しているという事はだな」
唯「という事は?」
梓「えっいまなんか言いました?」
律「もしかしたら私達5人が誘われたかもしれないんだ。私達5人が。5人全員が!」
唯「誘われないから大丈夫だって」
梓(ちょっ、そういうのは思ってても口に出さないで下さい!)ヒソヒソ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:21:02.41 ID:+W2K+9A3Q
澪「なんだよ、律もこういうのに出たかったのか?」
律「律 『も』 か……」
紬「出た 『かった』 ねぇ……」
澪「…………」
梓(アホ……)
紬「今日のおやつはみんなの……3人の大好きなチョコバナナよ」
律「お前ら好きそうだから早くしゃぶ……食えよ」
紬「あと今日は紅茶じゃなくてミルクね。苦くないから大丈夫よ」
澪「…………」
梓「…………」
唯「…………」ムシャムシャ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:24:34.34 ID:+W2K+9A3Q
梓「律先輩、そもそも麻雀なんかやるんですか?」
律「まったくわからん。ルールは少し調べた」
紬「おかげさまで基本的なルールは覚えたわ」
唯「麻雀ってよくわかんないんだけど、その架空の女子高生は麻雀できるんだね」
梓(しらじらと……)
律「ああ、この実在する女子高生と何の前触れもなく2人麻雀が始まるんだ」
唯「えーと、その架空の軽音部員に勝つと脱いだりいろいろしちゃうわけ?」
紬「ええ、この実在する軽音部員たちは唐突に始まった麻雀に負けた程度で脱いじゃうの」
澪「で、最終的にその自称女子高生風のキャラがおっぱじめてしまうと」
律「この現役女子高生たちが半ば強制的におっぱじめてしまうという設定だ」
梓「ああ、設定上女子高生っていうわけですね。どうりでこんな……」
律「女子高生のわりに発育の残念な子が一人混ざってるけどな」
梓「あ?」
律「えwww?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:35:14.89 ID:kJFu/NZS0
続けたまへ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:35:29.07 ID:+W2K+9A3Q
― 喫茶店的なところ ―
澪「しかしよくもまぁあんな貧相な胸を人前に晒せたよな……」
梓「ああいうニーズもあるんです」
唯「澪ちゃんは言うほど巨乳ってわけでもないのにパイズリなんかしちゃって」
澪「私が巨乳じゃないなら唯も標準以下ってことになるぞ、なぁ梓」
梓「私に振らないで下さい」イラッ
唯「澪ちゃんはあれからすっかり恥ずかしがり克服したよね」
澪「お前の恥じらいがなさすぎるんだ」
唯「あずにゃんも猫耳に拒否反応なくなってつまんない」
梓「一応拒否しましたよ!むしろ拒否しながらだからいいんじゃないですか」
唯「ちょっと我慢するだけでお金もらえるんだからいいよね」
梓「……なんなんですかその手慣れた感じの発言は」
唯「そういえばみんな処女って設定だったけどよかったのかな」
梓「えっ」
澪「えっ」
唯「えっ」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:38:36.69 ID:+W2K+9A3Q
澪「もういっそぶっちゃけて話していくらか渡そうか」
梓「ひた隠しにしてましたからね、デコにいくらせしめられるかわかりませんよ」
唯「りっちゃんはともかく、ムギちゃんはお金で解決できないよ」
梓「あの様子じゃ当面バナナ系の食べ物を出されますよ」
澪「食べてる間あんなに凝視されるとは思わなかったな」
梓「中学生男子並みにニヤつきながら見てましたね」
唯「私は毎日バナナでも我慢して食べるよ」
澪「お前はもっと恥じらいを持って食べてくれ」
梓「この期に及んで天然ぶっても無駄なんですよ」
唯「あのチューチュー吸うアイスでもフランクフルトでもどんとこいだよ」
梓「正式には 『ポリジュース』 っていうらしいですよ、あのアイス」
澪「そこに突っ込むか」
唯「え?どこに突っ込むって?」ニヤニヤ
梓「また猥談ですか、いい加減にして下さい」
澪「…………」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:41:05.26 ID:+W2K+9A3Q
唯「そもそもお金の問題じゃないんだってば。少しはりっちゃんの気持ちも考えなよ」
梓「本当ですよ、金を握らせて解決しようとするなんて見損ないました」
澪「え?何を握らせるって?」ヘラヘラ
唯「そういうのはもういいから」
梓「欲求不満なんですか?とにかくいい加減にして下さい」
澪「…………」
唯「幼馴染の親友が何の相談もなくあんなのに出てて、りっちゃん可愛そう……」
梓「巨乳は淫乱って本当だったんですね……」
唯「なに黙っちゃってるの?ちゃんと反省してるの?聞こえてる?」
梓「ミエナイキコエナイwwww ミエナイキコエナイwwww」
澪「お前それ二度と言うなよ?」イラッ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:43:28.97 ID:+W2K+9A3Q
― また翌日 ―
律「それで実際いくらもらえたんだ」
唯「えっなに?ゴメンいま練習に集中してるからぜんぜん聞こえない、無理」ジャカジャカ
梓「またえらいど真ん中に直球を投げ込んできましたね」ジャカジャン
澪「ゲーム脳っていうやつだな。現実と虚構の区別がつかなくなっているんだ、可愛そうに……」ジャラン
紬「よりによって3人とはねぇ……5人総出演ならまだしも」
梓「え?新しい戦隊ものの話かなにかですか?」
澪「海賊戦隊ってもう何でもアリだよな、個性がなくなってるよ」
梓「ゴーカイシルバーのデザインは狂気さえ感じますよね」
唯「ムギちゃん、もう東京ばな奈は飽きたよ……」
紬「あらそう?明日からは何バナナがいい?」
唯「バナナから離れてよ」
紬「え?何ソーセージがいいって?」
梓「そもそもレジェンド大戦とかいう設定に無理があって……」
澪「完全に出オチだよな、あれ」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:45:17.74 ID:+W2K+9A3Q
― 喫茶店的なところ ―
澪「まず情報の流出経路を辿る必要があると思うんだ」
唯「どうせ2人とも無意識に羽振りよくなってたんでしょ?なんか心当たりないの?」
梓「純と憂になんかおごってやったような気がします」
澪「律には一切おごってないぞ」
梓「それはそれで疑惑の原因なんじゃ……」
唯「急に携帯変えたり服買ったりして調子のってたんでしょ?」
澪「なんかおごっておけばよかったかな」
梓「おごっててもどっちみち疑われてますよ、それ……」
澪「あいつは勘がするどいからな」
唯「そうじゃなくてさ……」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:47:36.55 ID:+W2K+9A3Q
澪「さわ子先生にはバレてないよな?遠まわしに嫌味言われるどころじゃ済まないし」
唯「そもそもみんな思いっきり顔出てるし、バレないほうがおかしいんじゃ……」
澪「何言ってんだ、ちゃんと顔は隠れてるよ」
唯「え…でもこれ……」
ttp://nyang.x.fc2.com/k-jan.html 澪「いや大丈夫、隠れてる隠れてる」
梓「絵柄も微妙に似てないから大丈夫です」
唯「えっ いいの?それでいくの?本当に大丈夫なの?」
梓「そもそもビッチ設定のSSは不評だから大丈夫です」
澪「求められてるのは百合要素なのにな」
唯「全然大丈夫じゃないじゃん、ただでさえ人気が下火になってきてるのに……」
澪「言うな」
21 :
忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/06/20(月) 01:47:47.73 ID:LEemdE8EI
面白い
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:50:24.99 ID:+W2K+9A3Q
唯「あ〜もういいよめんどくさい……この話、設定も前提もグダグダなんだもん……」
梓「もっと危機感を持って下さい!下手したら退学ですよ!場合によってはとっ捕まりますよ!」
唯「生徒会長とかを丸め込めば大丈夫だって」
梓「いくら幼馴染だからってそんな、どうにかなるもんじゃ……」
澪「なにか弱みでも握ってれば別だけど……な……」
唯「…………」ニヤリ
梓「な、なんですか!? なんなんですか!? どんなネタですか!?」
澪「何系!?何系!?」
唯「あー喉渇いた」
梓「うわぁ超うぜぇ…………」
澪(いたなぁ、こういう先輩……)
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:54:56.31 ID:+W2K+9A3Q
梓「で、生徒会長のいけない秘め事ってなんなんですか」
唯「なんかやっすいAVのタイトルみたいになってる」ゴクゴク
澪「どうせ大したネタじゃないんだろ?うんこする時全裸になるとかそんなんだろ?」
唯「えっ澪ちゃんそうなの?」
梓「 『そんなこと言ってないだろ!』 」キリッ
唯「似てる似てるwwwww」
梓「 『りっちゃんの代わりはいません!』 」キリッ
澪「やめろ、本編の数少ないシリアスな場面を汚すな」
梓「なんであの時あんなキレてたんですか、みっともない」
唯「生理だったの?」
梓「デコなんか適当にあしらっておけばいいんですよ」
唯「生理?ねぇ生理だったの?」
澪「生理生理いうな!和の話はどうなったんだ」イライラ
唯(生理だ……)
梓(絶対生理だ……)
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 01:57:33.05 ID:+W2K+9A3Q
澪「だいたい私は唯にそそのかされて出たようなもんだし」
唯「まぁ最終的には本人の意思だし」
梓「いつまで人のせいにしてるつもりなんですか?可愛そうな律先輩……」
澪「田井中だのデコ助だのカチューシャ補正だの好き放題言ってやがったくせに……」
唯「あっ! りっちゃん?」
澪「!?」バッ
梓「ウソだよ乳牛wwww」
唯「wwwwwwww」
澪「あ……う……憂ちゃん……」
唯「え?wwwなんてwww?」
梓「二番煎じwww芸なさすぎwwww ドゴォッ メリメリメリ ゴシュッ ブシュゥゥゥゥ
憂「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」ポタポタ
唯「ハイ、今スグ帰リマス」
梓「 」プスプス
澪「wwwwwwwww」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:00:19.03 ID:+W2K+9A3Q
― また翌日 ―
憂「いくら身体に聞いてもお姉ちゃんが口を割らない」
梓「はぁそうですか、下の口はすぐ開くのに……」ボソッ
憂「そういえば梓ちゃん、麻雀できたんだって?」
梓「えっなに?ヴァージン?うん、まだ大丈夫だよ」
憂「お姉ちゃんに麻雀教えてくれてたんだって?」
梓「ほんとに純は遅いよねぇ……また遅刻かな……」
憂「ねぇ聞いてるよね?」グイッ
梓「はい調子こいてました月々いくら払えばいいですか」
憂「梓ちゃんはともかく澪さんまで一緒になって……」ギチギチギチギチ
梓「あばばばばばちょっと待って、ちょっとだけ待ってみて、ハゲるハゲる」
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーンー
憂「ち……鐘に救われたね」ニコッ
純「やっばー!ギリギリ間に合った!」バタバタ
梓「遅ぇんだよクズ!!」
純「うん……えぇ!?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:03:10.01 ID:+W2K+9A3Q
― 昼休み ―
和「唯、ちょっと話があるんだけど」
唯「ごめん、ちょっといま要らなくなった古い携帯の待受画像をチョイスするのに忙しくて」
和「この上なくヒマそうなんだけど」
唯「やっぱり大好きな和ちゃんの写真が一番いいかなぁ」チラッ
和「見えすいたご機嫌取りはいいから。憂から相談を受けて……」
唯「蚊に血を吸われる瞬間にグッッて力を込めると蚊が爆発するって本当かな」
和「知るか!それよりあなたまた変なバイトを……」
唯「メントス食べた後にうっかりコーラを飲んじゃったらどうしよう」
和「吐きなさい」
唯「おっ、うまくかけたね」
和「やかましい!ああぁ、また休み時間終わっちゃったじゃないの!」
唯「和ちゃん……生理なの?」
和「イライラしてる子が生理だと決め付けるのはいいかげんにやめなさい」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:06:22.09 ID:+W2K+9A3Q
律「部室の掃除でもしようと思うんだ」 ペッ ビチャッ
澪「うん、ちょっと盛大にツバが飛びすぎかな」
梓「部室に入るや否や顔面に雑巾を渡して頂いてありがとうございます」
律「大分乱れて……汚れてしまったみたいだからな。部長が知らないところで」
紬「そうね、下のほうが大分汚れてしまったみたいだから……あ、床の話ね?」
澪「なにこのバケツの汚水をぶっかけられそうな雰囲気」
唯「ひとまずそのモップを下ろして、安全な場所に置いてよ」
律「梓は水槽のお掃除でも頼むよ。好きなんだろ?あの生臭い亀が。亀の頭部が」
紬「トンちゃんに固執する理由がわかった気がするわ……」ボソッ
梓「言いがかりはやめて下さい。あの亀の頭に目を付けたのは唯先輩です」
唯「ああそうだ、亀頭で思い出したけど和ちゃんに呼び出されてたんだった」スタコラ
梓「ちょっ、逃げないで下さいよー」スタスタ ガラッ ピシャッ
律「さすがにいい根性してるな」
紬「2人ともカバン持ってったわね」
澪「なん……だと……」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:08:03.18 ID:+W2K+9A3Q
和「唯いるかな」
澪「えっ?和に呼び出されてたって出ていったぞ」
和「そう……行き違いかな?ちょっと待たせてもらっていい?」
澪「ああどうぞ、ちょっと掃除中だけどな」
律「あーだりぃぃー」
和(なんで澪だけ掃除してるのかしら……)
唯「アイスうめぇwww」
梓「なんか携帯鳴ってますよ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:09:19.52 ID:6Dmuto/J0
─ \\ ─ _/ ─
─ / / | _|__ /
/  ̄| /  ̄| ̄ ̄ |/ /
_/ __|_ _/ / | _/
, -―‐- 、
__|ヽ. ィ": /: : : : : : : : `ヽ、ィ‐- 、_
_>//: : : l: : : : : :!: : :!: : : !: : : : : 〈
く//: !: /: :l:!: : : : !|: : :|: :::|:{: : : : : : :\
l: : !:l: |: |: : |:!: : : :Л: :|: :|入: : : : : : :ノ +
(.`ヽ(`> 、 !ィ: !:|: !: |!: ハト、: :/ !_ /|: : |: 八 : : ノレ′
`'<`ゝr'フ\ + └ 、:ハ: !r'ぅ、 `´ チぅ¬! :/: : !ハ/
⊂コ二Lフ^´ ノ, /⌒) レ^'~! じ 弋ノ V`}/
⊂l二L7_ / -ゝ-') + .| '' ' '' _'ノ +
\_ 、__,.イ\ + 丶、 O イ +
(T__ノ Tヽ , -r'⌒! `"::: 7`- </\
ヽ¬. / ノ`ー-、ヘ<ー1´| ヽ | :::::::::::::ト、 \ ./ヽ
\l__,./ i l.ヽ! | .| ::::::::::::::l ヽ `ー‐'´ |\-、
___________________________ __
│一│二│三│一│二│三│一│二│三│一│一│一│九│|九|
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│筒│|筒|
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:10:30.27 ID:+W2K+9A3Q
― 憂に知られていないファミレス的なところ ―
唯「今のところうまくかわしてるけど、いい加減しんどいね」
梓「デコが憂と真鍋先輩にリークしたんでしょう?朝っぱらから気を抜けなくなりました」
澪「どこがうまくかわせてるんだよ!結局私一人で部室の大掃除だよ!」
梓「唯先輩、憂に毎晩なにをされてるんですか」ワクテカ
唯「えぇ〜?愛にはいろいろな形があって……」デレッ
澪「聞けよ」
梓「ネチネチ嫌味言われてるうちはまだいいですけど、学校側にチクられたら厄介ですよ」
唯「和ちゃんにタレ込まれた以上、どうやってシラを切り通すかだね……」
澪「丸め込むんじゃなかったのか」
唯「じゃあ私が和ちゃんをなんとかするから、澪ちゃんはりっちゃんをなんとかしてよ」
梓「憂はどうするんですか」
唯「なんとかする」
澪「作戦というのはもっと具体的にだな」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:13:03.93 ID:+W2K+9A3Q
澪「ムギはどうするんだ」
梓「えっと、唯先輩は真鍋先輩と憂をなんとかするんですよね?」
唯「たぶん」
梓「澪先輩はデコとムギ先輩をなんとかすると。2人づつでちょうどいいじゃないですか。お疲れ様でした」
澪「ああそうだな、お疲れ……っておい待て後輩」ガシッ
梓「だって私とムギ先輩は接点ないし、同級生のほうが色々都合がいいじゃないですか」
澪「部活の先輩に向かって接点ないとか言い切るな」
梓「大体なんとかするって具体的にどうするんですか。無計画極まりない」
澪「こっちが聞きたいわ!」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:15:03.64 ID:+W2K+9A3Q
梓「デコは澪先輩に気があるんですから、えーと……まぁわかりますよね?」
澪「もうどうにでもなれ」
梓「まあその汚れきってしまった身体で誘惑できるかどうかは五分五分ですが」
澪「貧相な身体に比べれば魅力充分だ」
梓「はいはい。じゃあその勢いでムギ先輩もお願いします。ご馳走様でした」
澪「どんだけ帰りたいんだお前は」ガシッ
梓「え、ちょっと見たいテレビがあるんですけど」バタバタ
澪「せめて自分の分くらい払っていけ!人が減量中なのを知っててバカ食いしやがって」
梓「あぁ、私たちあんまり太らない体質なんで……」ゲフッ
澪「そうだな、身体の一部に栄養が行き届いてないみたいだしな、可愛そうに」
梓「可愛そうと言えば、全体的にふくよかな方が勘違いして巨乳を気取ってるのが気の毒で……」
澪「そう言うな、いくらなんでもムギが可愛そうだろう」
梓「うわぁ……」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:17:57.82 ID:+W2K+9A3Q
澪「考えてみろ、うまくムギに取り入ればこの件を揉み消すどころか、この間以上の報酬も……」
梓「ムギ先輩は私のものです」キリッ
澪「もう嫌だこんな欲望にまみれた人間関係」
梓「自分からけしかけといて何を言い出すんですかこの乳女は」
澪「二言目にはスレンダーとか言い張る幼児体型には荷が重過ぎるかもな」
梓「えっデコの事ですか?それよりムギ先輩は絶対渡しませんからね」
澪「あああちょっと待て、そこ、歩いてるの……まさか……」サッ
梓「ちっ……憂ですね……どこまで勘が鋭い子なんでしょう」サッ
澪「おい唯、どうするつもりなん……なんだこの書き置き」
― 急病なので帰ります。 探さないで下さい。 唯 ―
梓「野郎、どこ行きやがった!?」ダッ
澪「うおおおいちょっと待て! せめて2人で割り勘に……手持ちが!手持ちがっっ!!」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:20:13.56 ID:+W2K+9A3Q
― 数日後 ―
梓「という事で、ムギ様のペットになる事で手を打ってもらいました」
唯「うわぁ、なんてベタな事に」
梓「法的に通用する書類も着々と準備しているそうです」
唯「ムギちゃんがそこまでしてくれるなら、逆に安全になったのかな?」
澪「どういう交渉の果てにそんな結末が」
梓「あの2人はどうなってもいいから私だけは見逃して下さい、みたいな事を」
澪「よし、よく言った。表に出ろ。あと金返せ」
梓「あっ、たぶん気のせいですけど向こうにSPの影が見えた気が」
唯「ああ、可愛かった私の後輩はどこに行ったのかしら」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:22:02.86 ID:+W2K+9A3Q
澪「私たちの安全は保障されていないわけだな」
唯「んでさ、こんなとこでだべってて大丈夫なの?」
梓「男性とは極力会話をしないように言われました」
澪「同級生がそこまで筋金入りのアレだったとは……」
店員(男)「こちらお下げして宜しいでしょうかー」
梓「あ、はいどうぞぉぉぉんっっ!!ぃいぃぃぃっ!!」 ヴィィィィィィィィィィィン
澪「 」
唯「 」
店員「 」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:24:03.42 ID:+W2K+9A3Q
店員「お、お客様!?どこか具合でも……」
唯「大丈夫です、見なかったことにしてあげて下さい」
澪「ネットで晒してやって下さい」
唯「それ男の人の声に反応するの?遠隔操作なの?」
梓「どこかで、見られて、いるのかも、しれませ……んっ!」ハァハァ
澪「ずっとつけさせられてるのか?またベタな展開に……」
唯「自分で外せないの?」
梓「そういう契約ですから」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:26:15.45 ID:+W2K+9A3Q
澪「トイレとかどうしてるんだ」
梓「そこは可愛らしく恥じらいながらおねだりするわけですよ、そして目の前で……」
唯「え、でもウチに帰ってからは外してるんでしょ?」
梓「なに言ってるんですか、ご主人様と離れて暮らすペットがいますか」
澪「もう何も聞かないでおこう」
唯「さよなら、私のあずにゃん……」
梓「そこまでドン引きされると思っっひぃぃぃぃぃんっ!!」ヴヴヴヴヴヴヴヴ
唯「えろい」 パシャッ
澪「しばらく様子を見よう」 カシャッ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:27:45.03 ID:+W2K+9A3Q
澪「和と憂ちゃんはどうしたんだ?」
唯「たぶん今ごろ解決したんじゃないかな」
梓「ちょっ……人がイきかけてるのにっ!普通に会話しないで下さいっ……!」ヴィィィィィン
唯「いやー、なんか2人で決闘するとかなんとか……」
澪「えーと、もう一回言ってくれ。決闘とか聞こえたけどなんかの聞き違いか?」
唯「なんか私を賭けて勝負するんだって」
梓「ぁ……ダ…メ!……イっちゃう……!」プシャァァァァァ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:30:07.57 ID:+W2K+9A3Q
澪「それはあれか、どっちかが死……負けるから解決するって事か」
唯「いやーさすがに殺しはしないでしょ、わかんないけど」ヘラヘラ
梓「その死合の原因を作った張本人がファミレスでだべり中ですか……」ヴィィィィィン
唯「それ電池切れないの?声も音もうるさいんだけど」
梓「私……がっ……聞きたいです……っっ!」ハァハァ
澪「そんなことより実の妹と幼なじみだぞ?止めに行ったりしないのか?」
唯「しばらく様子を見ようかと……」
澪「梓の様子を見ててどうする」
梓「あっ、またイっちゃいました」 ビクビクンッ
店員(だめだ、なにひとつ状況がつかめない……)
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:31:41.52 ID:+W2K+9A3Q
梓が3度目の絶頂を迎えた、そのころ……
和「もうあきらめなさい、見苦しい」
憂「まだ……まだ負けてないっ!!」ゼェゼェ
和「あなたが甘やかしすぎたせいで唯に変な癖がついてしまったのよ」
憂「お姉ちゃんは絶対……絶対渡さない……」
和「唯は私が面倒見てあげるから、あなたの分も」
憂「絶対に……あきらめないから……!」 ドドドドドドド
和「あなたはもう充分頑張ったわ……もう休みなさい」 ゴゴゴゴゴ
憂「ドロー! 『岩石の巨兵』 を生贄に 『デーモンの召喚』 を……」
和「罠カード 『落とし穴』 発動! 『デーモンの召喚』 破壊!」 バシュゥゥゥ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:33:55.28 ID:+W2K+9A3Q
憂「っ……!カードを2枚伏せてターンエンド!」
和「ドロー! カードを1枚伏せて 『ブラック・マジシャン』 の攻撃……」
憂「く…… 『攻撃の無力化』 発動!」 ドギュルルル
和「ターンエンド……ふふ、最後まで防戦一方だったわね」
憂「いま……笑ったね?最後まで笑っちゃいけないんだよ、勝負っていうのは……」
和「あきらめたらそこで試合終了、って?これ以上笑わせないでちょうだい」
憂「……私のターン、ドロー! 『打ち出の小槌』 発動!手札を2枚捨て、デッキから2枚ドロー!」
和「打ち出の小槌……まさか……」
憂「人が最も油断するのは、勝利を確信した時なんだよ……さよなら、和ちゃん」 ゴゴゴゴゴゴ
和「まさか……あんなクソみたいなデッキで……私に気付かれずにアレを揃えたというの!?」
憂「死ね! 『怒りの業火! エグゾード・フレイム!!』 」 ゴォォォォォォォッ
和「いやああああっ! 唯ぃぃぃぃっ!!」 バシュゥゥゥゥゥゥゥゥ
憂「ヴァルハラで懺悔しな」 ドン☆
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:36:12.55 ID:+W2K+9A3Q
梓「そんな決闘のくだりはどうでもいいんですけど、憂と真鍋先輩のどっちが大事なんですか」
澪「唯梓に次いで唯憂と唯和が多いからな、実際どうなんだ」
唯「そんな事言われても……どっちも変換しづらい名前だし」
澪「よそのSSのネタを使うな」
梓「じゃあ例えば憂と真鍋先輩がガケから落ちそうになっていたとしましょう」
唯「うわぁ、きたよめんどくさい質問……」
梓「どちらかを助けに行くと、もう一人は助かりません。さぁ、どっちを助けにいきますか」
唯「めんどくさいけど一応どっちも助けに行くよ」
梓「1人しか助けられないとして、どちらを選びますか」
唯「先に落ちたほうは仕方ないとして、めんどくさいけど残ったほうをなんとか……」
梓「どっちに助かって欲しいですか」
唯「めんどくさいからいっそ私も一緒に死ぬよ」ヘラヘラ
梓「じゃあどっちと一緒に死にたいんですか」イライラ
澪「ちょっといろいろ待て、お前ら」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:39:16.70 ID:+W2K+9A3Q
梓「じゃあ軽音部の連中が揃いも揃って絶体絶命だったとしましょう」
唯「ずいぶん大雑把になったね」
梓「誰を一番先に助けますか」
唯「いや、状況が何一つわかんないし」
梓「じゃあ全員ガケから落ちそうになってて、一人しか助けられません」
澪「それはそれで状況がよくわからない」
唯「誰か一人しか助けられないなら、落ちないで最後に残った一人かな」
澪「お前……」
梓「一人ずつ見捨てていくわけですね?じゃあ誰を先に見捨てますか」
唯「ムギちゃんは力持ちだからそう簡単に落ちないと思うんだよね」
梓「なるほど、自重を支えて余りある腕力があると」
唯「りっちゃんも澪ちゃんもそこそこ運動神経いいから持ちこたえると思う」
梓「で?」
唯「え、言っていいの?あずにゃんが一番最初に落ち……」
梓「なるほど、私は一番体重が軽いから最後に残るだろうと」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:41:30.44 ID:+W2K+9A3Q
唯「ああもう!じゃあ何て答えて欲しいのか言ってよ、めんどくさい……」イライラ
梓「だいたい唯先輩の腕力でムギ先輩…とかを持ち上げられるわけないじゃないですか!」
澪「よく言いとどまったな」パキパキ
唯「りっちゃんなら大丈夫そうだけど」
梓「デコと可愛い後輩なら答えは決まりきってるでしょう!?」
唯「いやコレそういう流れの話じゃないから。もう唯梓はおなかいっぱい」
澪「無理に百合方面に持っていこうとするな。梓の立ち位置がよくわからなくなってきた」
梓「じゃあ憂と私が川に流されていたとしてですね……」
唯「そんなの私も溺れるっつーの。あと不謹慎な例えはやめなさい」キリッ
梓「なっ……! ぐっ……!」
澪(もっともだ……)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:43:41.12 ID:+W2K+9A3Q
澪「話を戻そう」
梓「ああ忘れてました。どうしたんですか、あのデコ」
唯「なんて言ったの?口封じに殺したの?」
梓「武力行使は最終手段だってあれほど言ったのに」
唯「どうしよう、部活動停止になっちゃうよ」
梓「マスコミが嗅ぎつけてきたら厄介ですよ、校門で待ち伏せされたりして」
唯「動機を追及されたら今までの苦労が水の泡だよ、ちゃんと黙秘を貫いてよね」
梓「ああもう、私の人生設計に傷がついたらどうしてくれるんですか」
唯「死体は!?死体はどこに隠したの!?」
梓「まず口裏を合わせておきましょう。物的証拠は残してないでしょうね?」
唯「さよなら、我が軽音部の部長……」ウルッ
梓「なにも殺すことなかったのに……」グスッ
澪「ああ、ツッコミ役が足りない……」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:46:12.93 ID:+W2K+9A3Q
澪「ちゃんと洗いざらい話して納得してもらったわ!欲望の権化どもめ」
梓「うわっ、バカ正直に全部話したんですか?なに考えてんですか」
澪「こういう時は正直に話したほうが効果的なんだよ、幼馴染なめんな」
唯「……ほんとに話したの?」
澪「えっ」ギクリ
唯「いつ?なんて切り出したの?りっちゃんはなんて言ってたの?」
澪「き、昨日……の夜にだな、その…」
唯「さっきりっちゃんと話してきたんだけど」
澪「 」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:49:50.49 ID:+W2K+9A3Q
唯「りっちゃん、泣いてたよ?ああ見えても、やきもち妬いちゃうような普通の女の子なんだよ?」
梓(おぉ、自分は何もしてないくせに高圧的だ……)
唯「バカ正直なところも含めて澪ちゃんなんだから、誰になんて言われても話してきなよ」
梓「………」
唯「いろいろ嫌味も言っちゃったけど、澪ちゃんから話してくれるのを待ってるって言ってたよ」
澪「り…つ……」
梓「律先輩……こんな酷い仕打ちを受けても、やっぱり澪先輩を……」
唯「まあ全部ウソなんだけど」
澪「待てゴルァァァァァァ!!」 バタバタ ドンガラガッシャーン
店員「お、お客様っ!?」
支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:52:33.47 ID:+W2K+9A3Q
唯「そんなわけで追い出されました」
梓「もうあの店行けなくなっちゃったじゃないですか!」
澪「どう考えてもお前のせいだからな」
唯「必死に店員さんを説得してあげたのに」
澪「ああ、ありがとうな」 ゲシッ
唯「澪ちゃんに蹴られたー」
梓「いぃっ!いまはちょっ……と……んんっ!!」ヴヴヴヴヴヴヴ
唯「そう言えばあずにゃん、ご主人様(笑)のとこに帰らなくていいの?」
梓「は……早く帰ってこいって、いぃっ!いう、信号だとぉぉっ!お、思います」ビクビク
唯「ああもう、汚ないなぁ……」
澪「ヨゴレめ」
律「あっ」
紬「あっ」
憂「あっ」
梓「あっ!」プシャァァァァ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:54:44.77 ID:+W2K+9A3Q
紬「ウチのペットがなかなか帰って来なくて探してたの、偶然ね」ニヤニヤ
梓「ああそうすか、奇遇な、事も、あるもんですね……っっ!」ヒィヒィ
紬「ホントおとなしそうに見えて地味に反抗的で、しつけ甲斐があるわ……」
梓「いえそんなああああっ!んんっ!あひぃぃぃんっ!!」 ヴィィィィィィン
紬「何回イったのかしらこの子は……今からそんなんじゃ今晩持たないわよ?」
梓「 」 ビクビクッ
唯「本当にベタな事になってる」
澪「動画でも撮っておこう」パシャッ
律「………??」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 02:56:51.17 ID:+W2K+9A3Q
憂「どこほっつき歩いてたの!探したんだからね!」
唯「あれ、和ちゃんは?」
憂「…………」
唯「なんで目をそらすのさ」
憂「いい?お姉ちゃんには幼馴染なんていなかったの」
唯「なんて強引な説得」
憂「和ちゃんて誰だっけ?マドカちゃんなら昨日久しぶりに……」
唯「それこそ誰なのさ!数少ないメガネキャラだったのに」
憂「山中先生がいるじゃない、一応軽音部の関係者だし」
唯「あの人は年増……教師兼年上枠だし」
憂「わかったよ、メガネの新入部員を勧誘すればいいんでしょ?メガネフェチ」
唯「なに言ってんの、メガネそのものじゃなくて、外した時のギャップが……」
憂「ほとぼりが冷めた後でお線香くらいはあげに行こうね」
唯「ダメだよ、闇のゲームに負けた者の魂は永遠に彷徨い続けるんだよ」
憂「!?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:00:35.38 ID:+W2K+9A3Q
律「結局、お前は何も話してくれなかったな」
澪「2人で乗り越えて行こう、ジュリエット」ガバッ
律「触んな、お前は本っ当に昔から空気読めないよな」
澪「ちが…違うんだ!どうしても…お金が必要で…」
律「私は相談すらして貰えなかったんだな」
澪「律が…欲しいって言ってた…新しいドラムセット…どうしてもプレゼントしてあげたくて……」
律「………」
澪「律の誕生日までにどうしてもお金が必要で…あんな…あんな……」
律「澪………」
澪「律………」
律「私の誕生日は先週だっ!!死ねっ!!」バチーン
澪「へぶっ!!」ビッターン
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:14:46.11 ID:t20CddYqO
続きは?
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:18:15.27 ID:+W2K+9A3Q
― 翌日 ―
律「始めるぞー」
澪「あ、あぁ」
梓「……まさか演奏中はスイッチ入れないですよね……」
紬「うふふふふふ」
梓「聞いてます?練習中はともかく、本番は絶対に……」
紬「うふふふふふ 来年の新歓ライブが楽しみ……」
梓「…………」
純「気軽に見学に来てみたはずなのに、なぜか空気が重い」
憂「そう?」ニコニコ
律「たまには真剣に練習しないとな」
梓「なんでまた急にやる気を……」
唯「あれ、りっちゃんのドラム新しくなってる」ジャラン
おわり
いい雰囲気だったので是非また読みたいぜ
乙
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:20:06.78 ID:q2bvdsMY0
おつおつ
適度な毒だった
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:27:34.77 ID:t20CddYqO
乙
実際唯澪梓でつるんで律ムギハブにしてるイメージが強いんでとても良かった
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/20(月) 03:46:05.83 ID:kJFu/NZS0
おつ。
ところどころ笑わせてもらったぜ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
素晴らしい