1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
QB「ソウルジェム内五重のリング3階、杏子はパトリシアと対戦」
QB「パトリシアの委員長戦法の前に苦戦する杏子……それを救ったのはさやかの声と父親の教えだった」
QB「なんとか委員長戦法を克服した杏子の前に、必殺技が襲いくる。その名はパトリシアバスター!」
QB「まどかの身を挺した行動で一命をとりとめた杏子……しかし、パトリシアにはまだ隠された能力があった!」
QB「校則地獄の真髄とは!? マミやまどかたちの運命は!?」
QB「女房を質に入れてでも見ないといけないね。きゅっぷい!」
ソウルジェム「タスケテクレー」
※dat落ちした マミ「ウギャア 鹿目さーん!!」 の続きです。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:38:55.90 ID:/uEc7lYi0
ヽ / / / ( )`ヽ
ヽ / / / /`='ヽ .l
ヽ / / l ゝ== ' l
/ .l ヽ ノ
/ ,l _ ` ー― '
/ | ,r'´ ,´`ヽヽ
/ | / rヽ--{ i
/ | l l ゝ __ノ l
/ | ヽ ゙、 / /
_____ / | ` ―― ´ /
ー―、ヽ' 、 ノ <
/ 、 r― --- ' `ヽ
/ 、 、 ノ
/ ヽ  ̄
/ ヽ ,.
|\ ,.イ
ヽ / `ヽ、 ,. - ' /
、 ヽ ./ ` ー 、 _____ , - ' /
..ヽ ヽ ,〈 /
ヽ ヽ ∧ヽ /
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:40:27.30 ID:VupHpvd20
杏子「あたしの生き方をおちょくって……まどかまで……!」
杏子「絶対に許さねえッ!」
パトリシア「ククク……カーッカッカッカ!! それで? パトリシアバスターがあなたにかわせるのかしら?」
杏子「あたしの槍を舐めるなよ……掴まれさえしなけりゃ、そんな攻撃!」
パトリシア「あら怖い……じゃあ、もう一つの能力を使わせてもらおうかしら」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:40:48.77 ID:hFYecQZHi
お、きたか
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:42:51.91 ID:VupHpvd20
パトリシア「ねえ、どうして私がこんなにたくさんの腕を持ってるか、わかる?」
パトリシア「本当はね……もともと私自身の腕は一本もないの」
パトリシア「校則違反をした悪い子の腕をね、『没収』してるのよ」ズズズ
ほむら「あ……あれは、エルザマリアの腕!」
さやか「エリーの腕まで……!」
パトリシア「あの二人は、あなたたちに負けたわ。リングという神聖な場所で、魔法少女に敗北する……これって校則違反よねえ?」
パトリシア「さて……あなたはいくつ校則を破ったかしら?」
杏子「ま、まさか……!?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:47:12.73 ID:VupHpvd20
パトリシア「校則地獄!!」ズズズ
ほむら「新しく生えてきた2本の腕……あれは」
さやか「杏子の腕……!」
杏子「あ、ああ〜〜〜ッ、あたしの腕が、消える……!?」
スウッ ガランガラン
パトリシア「さあ、これで自慢の槍も使えなくなったわねえ?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:50:17.38 ID:VupHpvd20
杏子「うっ……くっ……!」タタッ
パトリシア「あらあら、狭いのリングの中、どこに逃げようというのかしら?」
パトリシア「大人しく、罰を受けることね……!」ガシッ
杏子「う、うあ……!」
パトリシア「今まで二度パトリシアバスターを受けて、生きていた魔法少女はいないわ!」ダンッ
杏子「うわあああああッ!」
パトリシア「パトリシアバスターッ!!」
しえん
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:54:27.82 ID:VupHpvd20
ズガアアアアアンッ!!
杏子「クハッ……」
杏子(全身が、砕ける……ッ!)
杏子(でも、まだ生きてる……?)
パトリシア「ああーっもう! 慣れない腕を一気に使いすぎたわ! 着地点がずれちゃったじゃない!」
杏子(この柔らかいの、マミのソウルジェムの一部か……)
杏子(助けにきたはずのマミにまで助けられちまって……)
その頃の外
マミ「……」ビクンビクンッ
QB「ソウルジェムの中で何が起きてるんだい? わけがわからないよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:56:51.33 ID:VupHpvd20
杏子(あたしが弱いから、まどかやマミが傷ついてく……)
杏子(このままじゃ……)
杏子(……)
杏子「オイ、委員長……パトリシアバスターできな……ッ!」
パトリシア「へえ……自分で死を選ぶとはね。それなら学友の誘いを受けておけばよかったのに」
杏子「何勘違いしてるんだ? あたしがそのヘッポコバスターを破ってやるって言ってるんだよ」
パトリシア「……面白い冗談ね」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 22:59:37.18 ID:VupHpvd20
パトリシア「まあいいわ……パトリシアバスターは完璧な技なんだから!」ガシッ
パトリシア「その身の程知らずな物言いを、あの世の教室の隅っこで悔いなさい!!」ダンッ
さやか「ねえ、転校生。杏子のバスター破りって、どんなのかな……?」
ほむら「……」
杏子「……」ジッ
ほむら「美樹さやか、よく見ておきなさい」
ほむら「あれは、私たちに後を託して死ぬつもりの目だわ」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:02:24.96 ID:VupHpvd20
4階
仁美「佐倉さん……!」
仁美「逝かせはしない! あなたを一人で逝かせはしません……!」
仁美「こうなれば、私もこのナイフで喉を一突きにして……」
ピカッ
仁美「!? ま、眩し……」ポロッ グサッ
仁美「あっ、キャンバスに刺さってしまいましたわ……」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:05:33.36 ID:VupHpvd20
外
QB「ふう……ようやくマミも落ち着いたようだね……」
ピカッ ゴロゴロ…
QB「天気もよくないなあ……嫌な感じだよ」
マミ「……」ムクリ
QB「きゅっぷい!?」ビクッ
マミ「……」スゥー…
QB「マミの腕が、消える……!?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:08:24.20 ID:LZz/3Rxp0
ニートくんポジションは
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:08:39.01 ID:VupHpvd20
3階
杏子(これで……これでよかったんだ)
杏子(あたしがこれ以上生き残っても、足手まといになるだけ)
杏子(ほむらは頭が切れるし、さやかは強い)
杏子(きっと、あたしの戦いから攻略の糸口を見つけてくれるさ……)
杏子(……)
杏子(……クソッ!)
杏子(せめてもう一撃……ッ! このままじゃ死んでも死にきれねえよ……!)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:12:48.90 ID:VupHpvd20
パトリシア「さあ、神様にお祈りは済んだかしら?」
パトリシア「パトリシアバスターッ! ……あ?」ガクンッ
杏子「えっ」
パトリシア「な、何……ッ!? どうして落下が止まるのよ!?」
ほむら「あの腕は……!」
ミシリ…
杏子(指2本だけで、ナイフの出っ張りを摘むだけで、あたしとパトリシアの体重を支えてやがる……)
杏子(この腕……)
杏子「マミの腕だ……ッ!」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:15:25.85 ID:VupHpvd20
さやか「何あれ……どういう指の力してんの?」
ほむら「あれは巴マミの指……だとすれば、納得がいくわ」
さやか「どういうこと?」
ほむら「同じ銃使いの私にはわかる……銃の引き金って案外重いものなのよ」
ほむら「魔女と戦うたびに何十、何百というマスケット銃を早撃ちする巴マミ……その指の力は計り知れないものがあるわ」
ほむら「彼女の指なら、あんな芸当ができても不思議ではない……!」
まどか(そんなの絶対おかしいよ……)ゼエゼエ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:17:20.63 ID:n7VZiNWl0
マミさんすげぇ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:20:04.61 ID:VupHpvd20
杏子「マミ……あんた、あたしを助けてくれるのか……?」
杏子「力を、貸してくれるのか……?」
パトリシア「まだよ! パトリシアバスターの体勢は崩れていない! このままマットに激突させれば、私の勝ちは揺るがない!」
杏子「クッ……支えてられるのも、もう限界か」グラッ
杏子(マミ……ッ)
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:24:20.55 ID:VupHpvd20
マミ『どうやら私の勝ちのようね』チャキッ
杏子『クソッ、なんで負けたんだ……仕方ねえ、殺せよ』
マミ『それを決めるのは勝者の権利よ』
マミ『そして、私はあなたを殺さない』
杏子『何ぃ……!?』
マミ『同じ魔法少女だもの……狩り場さえ守るのなら、敵対する必要はないわ』
杏子『その甘さ……いつか後悔するぜ?』
マミ『ええ、肝に銘じておくわ……それと』
マミ『最後の大振りで左手の握りが甘くなる癖、直した方がいいわよ』
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:28:00.01 ID:VupHpvd20
ズルッ ゴオッ
パトリシア「落下が始まった……! パトリシアバスターに敗北はないわ!」
杏子(……)
杏子(左手の握りが、甘くなる癖……)
杏子「ここだあッ!」スルッ!!
パトリシア「なッ!? 脚のクラッチが、外れ……!?」
ゴシャアッ!!
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:31:23.60 ID:VupHpvd20
ほむら「ほぼ同時に落ちたわ! ここしかない……!」
パトリシア「くっ……まさか、パトリシアバスターが外されるなんて……」
杏子「あたしの……いや、あたしたちの勝ちだ」チャキッ
パトリシア「!?」
さやか「マミさんの銃だ!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:34:42.34 ID:VupHpvd20
杏子「そうだよな、マミ……ソウルジェムの中いじくり回されて、頭にきてるよな」
杏子「いいぜ、あたしが今出せる魔力、全部くれてやる……ッ!」
ほむら「銃身が、どんどん成長していく……」
さやか「あれだ! あれをやる気だ!」
パトリシア「や、やめなさい! 危険物の持ち込みは校則違は……」
杏子「掟破りのッ! ティロ・フィナーレッ!!!」カッ
ゴオオオオオオオオオオッ!!!!
パトリシア「ああああーーーーーーーーーッ……」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:37:43.03 ID:VupHpvd20
シュウウ…プスプス…
ほむら「跡形も残らなかったわね……」
さやか「凄い威力……」
杏子「はあっ……はあっ……!」
杏子「……あ」
杏子「あたしの腕が、戻ってきた……」
杏子「……」ガクッ ドサッ
さやか「杏子!? ちょっと、大丈夫なの!? 杏子ーッ!」
ほむら「私が見るから、まどかの治療を続けなさい!」
杏子(ありがとう、マミ……)
○佐倉杏子 VS パトリシア●
(40分55秒 掟破りのティロ・フィナーレ)
パー速でやれゴミクズ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:38:51.20 ID:Rn7pA1PL0
さぁお楽しみの仁美…
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:44:25.11 ID:FMt7rBCL0
4階
仁美「どうやら、杏子さんは勝ったようですわね……」
仁美「これは、私だけ負けるわけにはいきません……!」
ゲルトルート「それはこちらも同じことよ」
仁美「ふふっ、なぜでしょうか……あなたと戦っていると、憎らしいという気持ちが起こりませんの」
ゲルトルート「奇遇ね……私も、できることなら時間の許す限りあなたと戦っていたいのに」
仁美「……」
ゲルトルート「……」
仁美「もっと違う場所で会っていたなら、私たち……いいお友達になれたかもしれませんわね」
ゲルトルート「……ええ、そうね」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:49:03.12 ID:FMt7rBCL0
まどか「仁美ちゃん……!」
さやか「ふう……まどかもようやく動けるようになったわ……クラクラする」
ほむら「志筑仁美……」
仁美「ふふっ、先輩たちの目の前とあれば、余計に負けられませんわ!」ガキンッ トントンッ
ほむら(ボクシングのステップ……武器は魔法のメリケンサック、ね……)
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:51:33.69 ID:FMt7rBCL0
ビッビビッ!
ほむら(飛び込んでから左右のジャブの牽制)
仁美「ふんっ!!」ドボオッ
ゲルトルート「……ッ!」メリ…
ほむら(そのまま懐に飛び込んでボディブローか……)
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/18(土) 23:57:22.84 ID:FMt7rBCL0
ゲルトルート「フ、フフ……やっぱり、やっぱり素晴らしい……!」
ゲルトルート「どこかの振り回すだけの単調な攻撃とは違う……狙いは単純でも洗練された動き」
ゲルトルート「美しいわ、志筑仁美……あなたの戦いを見ていると心が躍るの!」
仁美「そう……嗜み程度の拳闘ですけど、そう言っていただけると幸いですわ」タンッタンッ
さやか「ねえ、何か馬鹿にされたような気がしたんだけど」
ほむら「されてるわ」
さやか「やっぱり!? こんのー、言いたい放題言ってくれちゃってさあ!」
ほむら(……志筑仁美、やっぱりどこかおかしい)
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:05:16.02 ID:NohkoHpJ0
ゲルトルート「さあっ! 華麗なステップを見せて頂戴!」シュル…ピシイッパシイッ
仁美「クッ……ハッ……ふんっ!」ササッ ズンッ
ほむら(つるの鞭をかわしてステップイン、カウンター)
仁美「……っ」トーン…ササッ
ほむら(ここだわ! 一撃入れたらすぐに退がってしまう)
ほむら(一気に攻めるチャンスがありながら、わざとそれを逃してしまっているように見える)
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:10:34.05 ID:NohkoHpJ0
さやか「……なんかさ、地味だね。仁美の戦い方」
まどか「ちょっ……そういう言い方ってないよ!」
さやか「うーん……上手く言えないんだけどさ、なんか魔法少女らしくないっていうか」
まどか「……さやかちゃんもよっぽどだと思うけど」
さやか「だから上手く言えないんだってば!」
さやか「なんていうかさ、攻めても疲れてるのは仁美だけっていうか……」
ほむら「……!」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:15:06.25 ID:NohkoHpJ0
杏子「う……ここまできたか……」
さやか「杏子! 寝てなくて平気なの!?」
杏子「しんどいけどな……仲間の戦いで寝てなんかいられるかよ」
ほむら「志筑仁美……あなた、生身の人間なんじゃないの!?」
仁美「!?」
まどか・さやか・杏子「!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:16:17.24 ID:VmPg3B/e0
「○○の続きです」とか書いてると「へー。で? 死ねば?」と思うよね
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:19:54.68 ID:NohkoHpJ0
まどか「ほ……本当なの!?」
杏子「いや……確かに魔力は弱いけど、あの両手のメリケンサックは魔法で作られた物だよ」
さやか「じゃあ、転校生の勘違い? なーんだ、びっくりしたあ……」
ほむら「……」
仁美「……暁美さん」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:23:27.73 ID:aIifRE290
やはり契約してなかったか
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:24:35.56 ID:NohkoHpJ0
仁美「いくら私の魔力が弱いからといって、人間扱いはあんまりですわ!」タタンッ!!
ゲルトルート「……!!」ドゴオッ
ほむら(! 今度は退かない……!)
ドゴッ ドガッ ズンッ
仁美「ハッ……ハッ……」ゼエゼエ
ほむら(ペースを崩した……!? やっぱり、体力が続いていない!)
ゲルトルート「……醜い」
仁美「……っ」
しえん
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:32:55.80 ID:NohkoHpJ0
ゲルトルート「さっきまでの緻密な動きはどこへいったの……? そんな戦い方をされたら……」
ゲルトルート「つまらないじゃない!」グサグサッ!!
仁美「あぐ……ッ!?」
ゲルトルート「いいわ……あなたがもう美しく舞えないのなら、せめて綺麗に葬ってあげるから」サワサワ
まどか「何あれ……体から花びらが出てる」
ビュンッビュンッ ズバババババッ
仁美「あああああっ!?」
ゲルトルート「この花びらの一枚一枚が私の分身にして、鋭い刃……あなたの血を浴びて、深く赤く染まるの」
ゲルトルート「ここは地獄巡りナンバー6! 薔薇地獄!」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:36:46.91 ID:NohkoHpJ0
ほむら「いけない……!」
ほむら(彼女が人間だとしたら、もう血を流しすぎている……!)
仁美「待って!」
ほむら「!?」
仁美「魔法少女にとってこの程度、蚊に刺されたようなものですわ。いざとなったら、痛覚も遮断できる……そうでしょう?」
ほむら「……あなたは」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:43:40.21 ID:NohkoHpJ0
ゲルトルート「フフ、なかなかいいわ! 志筑仁美、動きは鈍ったけれど、血に染まるあなたは美しい!」
仁美「そう……なら今度は私がそのとろけた顔を整形して差し上げますわ!」
杏子「すげえ根性じゃねーか、さやか並みだな!」
ほむら(ええ……それでも)
仁美「……フッ! やあッ!」ブンブンッ
ゲルトルート「フフ、私の体は花びらの集合体……美しくないあなたの攻撃なんて、受けてあげる義理はないわ」スカッスカッ
仁美「く……ッ!」ブシュウウ…!
ほむら(相性が悪い……悪すぎる!)
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:49:07.60 ID:NohkoHpJ0
まどか「ねえ、なんとかならないの? このままじゃ仁美ちゃんの攻撃、ひとつも当たらないよ……!」
杏子「花びらか……なんとか固められたりするといいんだけど」
さやか「仁美はパンチ以外の魔法は使えないの!?」
まどか「仁美ちゃん! もう無理だよ、降参していいよ!」
仁美(まどかさん……残念ですけれど、それは聞けませんの!)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 00:56:38.68 ID:NohkoHpJ0
QB『……駄目だね、志筑仁美。君には才能がない。かなえられる願いも限定されるし、たいした魔法少女にはなれないだろう』
仁美『そ、そんな……!?』
仁美『それじゃあ、上条君の腕を治すことはできますの!?』
QB『君の素質では……無理だね』
仁美『……』
QB『志筑仁美……君程度の素質だと、こうして僕にたどり着いたことこそが奇跡さ』
QB『言ってしまえば、それ以上の奇跡が見込めないような一般人さ。それでも契約するのなら、僕は止めないけどね』
仁美『……』
仁美『それでも、私は……』
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:01:39.19 ID:NohkoHpJ0
仁美「……ふんっ!」ドスッ!!
ゲルトルート「うぐ……!?」メリ…ッ
さやか「当たった!」
仁美「お遊びが過ぎましたわね……私の血をたぷり吸って、花びらが固まってきましたわよ……!」ドゴッ ドカッ
ゲルトルード「この……調子にッ!」ザワッ
仁美「えええいッ!」ガコオンッ!!
ゲルトルード「……!!」ガクンッ
杏子「押してる! 押してるぞ!!」
しえん
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:09:39.49 ID:NohkoHpJ0
さやか『あー……ごめん、仁美! こっちの話』
まどか『う、うん! 全然、何でもないから!』
仁美『……変なお二人』
さやか『でさ、昨日のテレビがね』
まどか『さやかちゃん、ちょっと顔色悪いよ?』
さやか『え? や、やだなあ……疲れ溜まっちゃってるのかな?』
仁美『……』
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:13:32.64 ID:NohkoHpJ0
ほむら『○○△……』
杏子『×××△■!』
まどか『○○■△、○』
さやか『■■■、△○○!』
マミ『○○〜?』
仁美『……』
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:17:42.17 ID:NohkoHpJ0
仁美「ほら、どうしましたの? 攻撃の手が止まってるんじゃありませんこと?」パンッ ドゴッ
ゲルトルート「クッ……調子に乗ってえ……!」
さやか「なんか仁美、さきまでと比べて急に強くなってない?」
杏子「ああ……傷も治ってきてるな」
ほむら(思い過ごし、だったのかしら……?)
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:21:37.25 ID:NohkoHpJ0
マミ『魔力を込めてほしい?』
仁美『ええ……美樹さんの時は、それで魔法のバットを作ったとお聞きしました』
マミ『確かにそういう魔法は使えるけど……たいした武器にはならないわよ?』
マミ『もしそれで魔法少女のように戦おうというのなら、自殺行為よ。協力はできないわ』
仁美『大丈夫ですわ……私も、これでも魔法少女ですから』
マミ『えっ?』
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:25:53.17 ID:NohkoHpJ0
QB『君は一般人でいた方が幸せだと僕は思うんだけどね。僕がこんな忠告をするのは初めてのことだよ?』
QB『まあいいさ……志筑仁美。君はその魂と引き換えに、何を望むんだい?』
仁美『私は……』
仁美『一度だけの変身でいい。それっきりで、死んでしまっても構わない』
仁美『私に、みんなと並んで戦えるだけの力を持たせてください……!』
なにこの娘かっこいい
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:33:25.36 ID:NohkoHpJ0
ほむら(強い魔力を感じる……! これが、さっきの彼女と同一人物?)
ほむら(さっきまでの彼女はいったい何だったというのかしら)
ほむら(それに何か、ソウルジェムとは別の場所から魔力が出ているような……)
ゲルトルート「はあッ……! 何があったのか知らないけれど、さっきまでとは別人じゃない……!」
仁美「ふふっ、褒め言葉として受け取っておきますわ」
仁美(保って……あとどのくらいですの? 10分? 5分? もっと少ないのかしら)
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:42:50.17 ID:NohkoHpJ0
仁美(暁美さん……心配をかけてしまってごめんなさい)
仁美(佐倉さん……こんな私を何も言わずに戦力に数えてくれてありがとう)
仁美(マミさん……あなたともう一度会ってお礼が言えないのが残念……でも、あなたのために使えてよかった)
仁美(さやかさん……こんな戦いをいつも黙ってされてましたのね。尊敬しますわ……上条君によろしく)
仁美(まどかさん……私は、あなたが羨ましい)
仁美(まどかさんになりたかった……魔法少女じゃないのに、素質だけでみんなの中心にいるあなたが……眩しくて、憎かった)
仁美(でも、もうわかりました)
仁美(力になれないもどかしさ、悲しさ……よくわかりましたから。契約しないでいることが、守られるだけの立場でいることが、どれだけ辛いか)
仁美(今の私には、よくわかる)
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:48:17.64 ID:NohkoHpJ0
ゲルトルート「見せてあげるわ……薔薇地獄の真髄、その美しさを!!」ジャキンッ
杏子「あいつ、自分がデカい薔薇の花になりやがった!」
さやか「あの花びら、全部刃になってるよ!」
仁美「まあ、こわい……」
仁美(でも本当は……もう何も怖くない)
仁美(みんなが、私を応援してくださっている。見守ってくださっている)
仁美(それだけで、胸が一杯ですもの……!!)
しえん
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:53:44.05 ID:NohkoHpJ0
仁美「えええええいッ!!」
ドゴッ ザクザクザクッ!!
ゲルトルート「な……この花の中に、手を突っ込んでくるなんて……!?」
仁美「根競べを致しましょう? あなたの体と私の命、どちらが燃え尽きるのが先か……!」
ボッ ボゴゴゴゴッ
ゲルトルート「あ、熱い……ッ!? 体が、中から焼ける! 燃える……ッ!?」
仁美「これが、一般人の意地の一撃ですわ……ッ!!」ゴオオオッ
ゲルトルート「あ、あああ、ああッ……!!」ジュウウウウウ……
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 01:57:25.17 ID:NohkoHpJ0
さやか「凄い、魔女が焼け爛れてく……」
まどか「ね、みんな」
まどか「こんなこと言うの、なんだかおかしいんだけど」
まどか「血だらけで、あんなに痛そうなのに……」
まどか「今の仁美ちゃん、なんだかとっても綺麗だなって」
杏子「ああ……」
ほむら「そうね……」
ほむら(佐倉杏子も気付いたようね……おそらく、志筑仁美はもう……)
しえん
ジェロニモ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:04:35.37 ID:NohkoHpJ0
さやか「仁美ー! もう無茶ばっかりして! ほら、すぐに治療してあげるからね!」
仁美「さやかさんにだけは、言われたくありませんわ」イタタ…
まどか「でもよかった……仁美ちゃんが無事に帰ってきて! ね、みんな」
さやか「もっちろん!」
杏子・ほむら「……」
仁美「お二人とも、最後まで見守ってくださって、ありがとうございました」
杏子「おう……」
ほむら「……礼には及ばないわ」
仁美「ふふっ、種明かしはもう少し待ってくださいましね」
仁美「今はまだ、みなさんの隣にいたいんですもの……」
○志筑仁美 VS ゲルトルート●
(50分44秒 友情の涙雨)
しえん
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:09:52.88 ID:NohkoHpJ0
5階
まどか「ここが、リングの最上階……あれが、マミさんのソウルジェムの中枢なんだね」
さやか「ここまで来たのはいいけど……どうやって呼びかけるのかな?」
杏子「とりあえず、呼びかけてみたらどうだい?」
まどか「じゃあ……マミさ〜〜〜〜〜んっ!!!」
シーン…
さやか「マミさーーーーん!! 朝ですよーッ!!」
シーン…
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:12:50.97 ID:NohkoHpJ0
ほむら「これを使ってみたらどうかしら」
まどか「グリーフシード?」
ほむら「ソウルジェムに作用するものといったら、やっぱりこれを置いて他にないわ」
さやか「用意がいいじゃん」
ほむら「ここで倒した魔女たちのものよ」
杏子「あっ、どうも見つからないと思ったらてめえ!!」
ほむら「独占するつもりはないわ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:19:04.60 ID:NohkoHpJ0
まどか「じゃあ、これを……えいっ!!」ヒュンッ
プス
さやか「あ、刺さった」
…………
マミ≪イタタタタタタッ!?≫
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:20:22.33 ID:fp/m1RqQ0
完璧魔法少女のss思い出すなぁ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:21:26.75 ID:NohkoHpJ0
まどか「マミさん! よかった……」
マミ≪あら、あなたたち……地上ではもうそんなに時間が経ったの? あなたたちが円環の理に導かれるまで、どれだけの月日が経ったのかしら?≫
杏子「絶好調だな」
ほむら「ある意味で救われるわ」
さやか「マミさーん、あたしたちちゃんと生きてて、マミさんも生きてるんですよー!」
しえん
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:27:19.25 ID:NohkoHpJ0
マミ≪そう、そんな事情があったのね……まさか首がなくなっても生きてられるとは思わなかったわ≫
さやか「それはみんなだと思います」
ほむら「とにかくあなたは首の回復に専念しなさい」
マミ≪わかったわ≫
杏子「ところで、ここからはどうやって出るんだ?」
ほむら「おそらく、リサイクルゾーンに繋がる出口が……あったわ」
まどか「やっと帰れるんだね!」
さやか「ほら、仁美……立てる?」
仁美「ええ、すみません……肩、お借りしますわ……」
杏子「あれ? 出口に誰か立ってるな」
ほむほむ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:32:10.49 ID:NohkoHpJ0
QB「やあみんな、無事に魔女たちを倒してマミを起こすこともできたみたいだね! 素晴らしいよ!」
まどか「キュゥべえ!」
さやか「おー、出迎えとは気が利くねえ?」
杏子「なんかあんまり見たくねー顔と会っちまたなあ……ん? ほむら……どうした?」
ほむら「キュゥべえ……その隣にいるのは」
QB「彼女かい? 紹介するよ……彼女はね」
???「部下たちの不始末を片付けに来た」
まどか「部下……?」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:37:08.68 ID:NohkoHpJ0
???「そう……エルザマリア、エリー、パトリシア、ゲルトルートは私の部下だ」
まどか「え? じゃあ、この人は」
ほむら「まどか! 逃げてーーーッ!!」
まどか「えっ」
ドシュッ
まどか「え……」ブシュウウウ…
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:40:47.31 ID:NohkoHpJ0
まどか「こんな、え? お腹の中、手が通り抜けてるよ?」
まどか「血が、血がこんなに……!」
まどか「やだ、死なないで……ッ、仁美ちゃん!!」
仁美「はあっ……はあっ……」
QB「うーん、残念。君がこんなに邪魔してくれるとは思わなかったよ……仁美」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:50:28.28 ID:NohkoHpJ0
まどか「何これ……どういうことなの? おかしいよ……!」
ほむら「説明してもらおうかしら、インキュベーター」ジャコッ
QB「そうだね……この戦いは、魔女と魔法少女の戦力バランスのテストだったのさ」
QB「魔女と魔法少女の戦力は拮抗していた方が望ましい。どちらかに偏りすぎるとエネルギーの回収効率がひどく悪くなってしまうんだ」
QB「だから、今回のケースでは魔女と魔法少女の勝ち負けは半々になってもらうのが理想だった」
QB「ところが君たちは実力差をひっくり返して全勝してしまった……これは危険なんだ」
QB「そうだろう? 格上に勝ってしまうんじゃ勝敗の予想がつきづらい。君たちは実力以上に勝ちすぎ、生き残りすぎた」
QB「だからね、そういう不確定要素の強い危険分子は排除しておこうってことなんだ」
しえん
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:52:24.42 ID:ZWhulTA70
支援
76 :
忍法帖【Lv=12,xxxPT】 :2011/06/19(日) 02:52:46.56 ID:4XGWVCbd0
なんぞこれ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 02:56:45.08 ID:NohkoHpJ0
ほむら「まどかも排除の対象だというの……!?」
QB「むしろ最優先のターゲットさ。確かに鹿目まどかの魔力は魅力だが、あまりにも大きすぎる。まどかからエネルギーを採取したが最後、その宇宙は永遠に不毛の地になるだろう」
QB「それに、まどかの周りには君たちのような強い魔法少女が集まる……」
QB「人間でも魔法少女でも都合が悪いなら、処分するしかないじゃないか」
杏子「てめえ、どこまで腐ってやがる……!」
し
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:03:45.64 ID:NohkoHpJ0
QB「なあに、順番の違いだよ。まどか以外もみんな排除対象さ。だからここで待ってたんだ……仁美以外をね」
さやか「え……?」
QB「こんな計画、魔法少女側に協力者がいないと思ったかい?」
QB「仁美は弱い。そして素質のあるまどかを羨み、憎んでいた。だから見滝原エリアの次期担当者の地位を約束して、計画に参加してもらったんだ」
QB「ずいぶん派手に裏切ってくれたけどね。やっぱり感情は不確かなものだ。わけがわからないよ」
まどか「ひ、仁美ちゃん……?」
仁美「ええ、本当のことですのよ……」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:11:18.91 ID:NohkoHpJ0
仁美「まどかさん……私、あなたのことが大嫌いでしたの」
仁美「素質があるのに魔法少女にならず、そのくせみんなの中心にいて……」
仁美「けれど、愚かだったのは私の方」
仁美「みなさんと対等になりたいと願っていたのに、いざ駆けつけた私を見下す人なんて、一人もいない」
仁美「私が勝手に、みなさんから離れていただけでしたのにね」
仁美「だから……ここにインキュベーターたちが来てくれたのは幸運でした……私にもう一度、償いの機会を与えてくれたのだから……!!」ボッ
え
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:19:18.47 ID:NohkoHpJ0
仁美「友情の涙雨ーーーッ!!!」ザクッ!! ゴオオオッ
QB「ああ、彼女の紹介がまだだったね。彼女は……」
???「こんなチンケな技で、この私を倒そうとするとは……10年早い」ガシッ
ブンッ ブンッ ブーン ブーンッ
まどか「仁美ちゃんの体が、まっすぐに伸びてく……」
さやか「あいつの足、歯車みたいな……!」
ブンッ!!! ダンッ
杏子「放り投げた体の首に、歯車がの足が……!!」
???「ワルプルギスの断頭台ーーーッ!!!」ドゴオオオオオンッ
まどか「仁美ちゃーーーーーんッ!!」
QB「彼女こそ最強の魔女にして計画の統括者、『ワルプルギスの夜』だよ」
ん
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:26:25.92 ID:NohkoHpJ0
ワルプルギスの夜「魔法少女どもよ、この私直々に処刑される栄誉をやろう。有難く思うがいい」
QB「ん……マミが治療を終えそうだね。ここもいづらくなる」
QB「処刑の日取りは改めて教えてあげるよ。楽しみに待っているといい」タタタッ
ワルプルギスの夜「今のうちに、せいぜい生を謳歌しておくがいい」ズズズ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:31:03.72 ID:NohkoHpJ0
外
仁美「……」
まどか「仁美ちゃん……」
仁美「みなさん、そこにいらっしゃるんですの……? もう、よく見えなくて」
まどか「……」
まどか「そうだ、グリーフシード! 魔法少女だもん! ありったけのグリーフシードがあったら、元気になるよね? ね?」
さやか「……ッ」
ほむら「……まどか、残念だけど、もう」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:33:41.86 ID:NohkoHpJ0
まどか「ほむらちゃん、持ってるでしょ! 貸して!」バッ
ほむら「あっ……」
まどか「ほら、仁美ちゃんグリーフシードだよ! ソウルジェム出して! ねえ!」
仁美「ふふっ……そんなもの、ないんですよ」
仁美「だって私、人間ですもの……」
しえん
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:38:50.33 ID:NohkoHpJ0
まどか「え……?」
仁美「正確に言えば、人間の形をした抜け殻でしょうか」
仁美「契約の願いで……私のような素質でも戦えるようにしてもらう代わりの代償……一度でも変身したら、私のソウルジェムは消滅してしまうんです」
仁美「だから、今の私はエネルギーの燃えかすで動いているだけの、人間の抜け殻」
仁美「最初から、手遅れなんですのよ」
(´;ω;`)
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:44:32.38 ID:NohkoHpJ0
仁美「でもね、まどかさん……私、今幸せです……そんな権利、ないのにね……」
仁美「ね、まどかさん」
仁美「インキュベーターはね、契約を持ちかけられたら、拒否権を持ちません」
仁美「どうせ命を狙われるなら、インキュベーターを捕まえて契約してしまうんです」
仁美「そして……私の分まで存分に戦ってくれたら……」
仁美「それは……とても……嬉しいなって……」
仁美「……」
しえん
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:47:32.01 ID:NohkoHpJ0
まどか「みんな、準備はいい?」
ほむら「ええ、弾薬の手入れは万全よ」
マミ「照準のぶれはもうないわ」
さやか「あたしはいつでも準備万端!」
杏子「いつでもいけるよ、まどか」
まどか「……うん」
し
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:50:39.68 ID:NohkoHpJ0
まどか「みんな、協力してくれてありがとう」
まどか「何としてもキュゥべえを捕まえて、私は契約する」
まどか「そして……魔法少女も、魔女も……そんなもの存在しなかったことにしてやる」
まどか「この手で、絶対に」
まどか「みんな、私に力を貸してね!!」
「「「「おおおおッ!!!!」」」」
え
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 03:55:04.25 ID:NohkoHpJ0
……かくして。
魔女と魔法少女の長い戦いの歴史は終結し、
新しい真っ白な年表に取り替えられた。
まどかはもう存在しない。
彼女の存在は全ての時間に、空間に、因果に溶け、
いつでもそこにある。
新しい世界には魔女も魔法少女も存在しない。
代わりに、世界の中心にはリングがあった。
ん
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:00:34.40 ID:NohkoHpJ0
イッテ リング
マミ「故障してしまったのね……円環の理に導かれて……」
さやか「あはは……表現が壮大すぎて何が何だかわかりませんよ?」
杏子「しかし、さやかも引退か……膝の故障ってのはきついもんだな」
仁美「マットの上も寂しくなりますわね……」
さやか「ちょ……ちょっとちょっと! 何しんみりしてるかなあ!」
さやか「せっかくの引退式なんだからさ、パーッといかせてよ!」
さやか「そりゃプロの選手じゃなくなるけど、裏方とか、スパーリングパートナーくらいはやるんだからさ!」
しえん
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:08:10.61 ID:NohkoHpJ0
杏子「あれ、そうなのか? なーんだ、残念がって損したな。もうさやかのこと投げられないと思うと寂しくてさあ」
仁美「打撃パートナーとしても優秀ですのよ? 拳を押し返す筋肉と脂肪の張り……まだ味わえるんですのね」
マミ「膝の故障だから……腕とか、腰なら極めていいのよね? 首も大丈夫かしら」
さやか「……あんたたちの愛情はよーくわかりました。引退でまとまったお金が入ったから今日は奢ろうと思ったけどやーめたっ! もう1円も払わないっ」
杏子「げっ? 機嫌直してくれよさやかぁー」
マミ「今日は美樹さんをあてにしてきたのよー、ごめんなさいって!」
仁美「さやかさん、私に奢れる機会なんてそうそうありませんことよ? 後悔しますわよ?」
ほむら「……」
ほむら「……まどか」
し
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:11:37.70 ID:NohkoHpJ0
さやか「ほむら……今、なんて?」
ほむら「……? 私、何か言ったかしら」
仁美「ええ。確か『まどか』と。誰かしら……なんだか、懐かしいような」
杏子「んー、聞き覚えはあるんだよなあ」
リング
マミ「円環の神様の名前かしら?」
「「「「それはない」」」」
ほむほむ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:14:54.34 ID:NohkoHpJ0
まどか「……」
まどか「てぃひひっ」
まどか「案外間違ってなかったりして」
まどか「みんなの試合、いつも特等席で見てるよ。アリーナS席なんか目じゃないんだよ」
まどか「……」
まどか「リングの上にはね、奇跡も魔法も、あるんだよ?」
≪おしまい≫
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:16:16.22 ID:10gwnG6t0
乙
あんまりキン肉マン知らないけど面白かった
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/19(日) 04:20:44.47 ID:NohkoHpJ0
>>105 ID:10gwnG6t0
ずっと支援ありがとう。
後半は書き溜めなかったからもう思いつくままで、キン肉マンからは離れてる。
どっちつかずって言われそうだ。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙!