1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
たのむ
2 :
忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/06/13(月) 15:56:33.97 ID:3tsFlSsd0
ことわる
なんだことわるのか
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 15:58:54.83 ID:o4cAfDyT0
北斗『健介〜』
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:16:55.91 ID:n+5/S5ws0
「ほっほっほ。私の木にに勝てるとでも思っているのかい?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:23:04.25 ID:BavmDNww0
キョン「ダメだ、行くつもりはない」
佐々木「ずいぶんな言い草じゃないか、君と僕の間柄だろう?」
キョン「悪いが、そこまで付き合いきれないな」
佐々木「でももう我慢ができそうにもないんだ……」 モジモジ
キョン「眠いんだよ、一人で行ってくれ」
佐々木「くっくっくっ、君は本当にサディスティックだね」
キョン「ホラー映画みたくらいでトイレ同行を頼むな」
佐々木「しょうがない、ここで漏らそうか」 チョロ
佐々木の放尿 おわり
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:55:04.05 ID:J7NFImyA0
キョン「しかし驚いたな。突然佐々木の方から勉強会を開こうと誘われるなんて」
佐々木「僕達ももう受験生だからね」
キョン「ところで、何故俺の部屋なんだ?」
佐々木「何か問題でもあったかい?」
キョン「いや……そのな、俺の勝手なイメージで悪いんだが、勉強会と言えば図書館とかでやるんじゃないか?普通」
佐々木「そうかも知れないね」
キョン「行くか?ここじゃ集中できないだろ?」
佐々木「それは間違っているよ、キョン。僕にとってここより落ち着ける場所はないと言っても過言ではないからね」
キョン「……そんなに落ち着くか?この部屋」
佐々木「ああ、落ち着くね。しかし理由は聞かないで欲しい。僕も良く分からないんだ」
キョン「んー……じゃあまあ、いいか」
佐々木「気楽にいこう、キョン」
キョン「はいよ」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:56:21.99 ID:G9RbhlaB0
どうせ続かないと聞いて
本来なら
>>1と乗っ取った奴の2人がすいとんされてるスレ
なんだ続かないのか
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:58:14.66 ID:J7NFImyA0
佐々木「早速始めようか。キョン、まずはどの教科からとりかかるんだい?」
キョン「その前に、何か飲み物でも取ってくるよ。何も無しじゃさすがに、な」
佐々木「くっくっ……実に君らしい配慮だね。では、遠慮なくいただくとするよ」
キョン「何がいいとかあるか?」
佐々木「特に。君に任せるよ、キョン」
キョン「じゃあ、オレンジジュースでいいか?」
佐々木「構わないよ」
キョン「よし分かった。それじゃあ少し待っててくれ」
佐々木「はーい」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 16:59:05.96 ID:J7NFImyA0
え?SS書いたら水遁されるの?
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 17:02:11.67 ID:xGpdbE8a0
佐々木「なあキョム・・・・」
キョム「・・・・・」チリーン
乗っ取る奴がいるから立て逃げが減らないんだよって話
書きたいならSS速報にでも立ててそっちでやれ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 17:07:22.95 ID:J7NFImyA0
立て逃げがどうして駄目なのか
期待して開いたのに満足できないから?
無駄なスレ立てるなってんならそれはもう全てのスレに言えることだからな
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 17:08:52.54 ID:g8pg44wM0
水遁機能はひろゆきによって封印されたので存分に書いてください
佐々木「今更、俺の子じゃないなどと供述するのは卑怯だよキョン」
こういう感じかと思った
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 17:49:36.98 ID:8W1YMBmq0
俺はキョンが佐々木押し倒してから「やっぱりこんなの良くない」みたいな事言い出す感じかと
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 17:58:48.10 ID:UUvdL+0V0
え、なに?
書いちゃダメなの?
書けばいいさ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 18:12:35.43 ID:UUvdL+0V0
ではお言葉に甘えて
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 18:28:29.60 ID:UUvdL+0V0
「今それを言うのは卑怯だよキョン……」
と佐々木が言った。
「どの辺りが卑怯だったのか教えてくれ」
「全てさ。タイミングも、台詞回しも、それを宣う君の表情も、僕を苦衷に沈ませるには余りある」
時機は念入りに伺い、言葉は練りに練って、この上なく真剣な態度で臨んだつもりだったんだが。
佐々木のお気には召さなかったようだ。
「勘違いしないでくれたまえよ。
僕は何も君を非難しているわけじゃない。
これは言うなれば、そう……自己嫌悪さ。
君の演出にまんまと心動かされ、陶酔の念さえ懐いている自分自身に腹を立てているんだよ、僕は」
「なんだ、八つ当たりか。たまには素直になったらどうなんだ」
「僕はいつだって素直さ。
その証拠に、羞恥を忍んで現在の心境を包み隠さず吐露している」
「その割には、肝心なところを聞けていないような気がするんだがな」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 18:51:03.46 ID:UUvdL+0V0
佐々木は途端に黙りこくり、視線を俺に合わせるでもなく、水煙に霞む夜景に投げた。
雨音と遠雷の音以外、何も聞こえない時間がしばし流れた。
果たして先に痺れを切らせたのは、本来辛抱強くあるべき俺のほうだった。
「遅すぎたか?」
数拍おいて佐々木は言った。
「逆に尋ねるが、君は僕がその問いに、本気で首を横に振ると思っているのかい?」
「………いいや」
「でもね、キョン。僕は同時に、本気で首を縦に振ることもできないと自覚しているのさ。
今の今まで僕を待たせて、なんて酷いヤツなんだろう、と激しい怒りが沸き上がる一方で、
結局その激情は、僕が君を延々待ち続けていたことの何よりの証明でもあるんだからね」
相変わらず婉曲な物言いが好きだな、お前は。
俺としちゃ、さっさと答えを聞かせて欲しいのが正直なところだ。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:01:14.50 ID:UUvdL+0V0
「異性に対する男言葉と、回りくどくて冗長な語りは、
僕を僕たらしめている大切なファクターだ。
君は僕からアイデンティティのひとつを奪う気かい?」
「こら、話を逸らすな」
佐々木は俯き加減になると、ともすれば雨音にも掻き消されそうな声量で、
「……さっきのが答え、というのは認められないだろうか?」
「さっきの?」
「その……つまり……僕も君を待ち続けていたという……」
世にも珍しい凋萎した佐々木に、俺の中で、嗜虐心が鎌首をもたげる気配がする。
「ダメだ。はっきり答えを聞かせてくれ」
「うう」
別に乗っ取りで書いてもいいとは思う。
ただ、好きで乗っ取って書いてんだから、乗っ取りが嫌いな人も存分に叩いていいと思うよ。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:03:39.22 ID:8W1YMBmq0
みんなが楽しめる様にするのが正解だと思いますっ><
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:06:56.77 ID:J7NFImyA0
嗜虐心が鎌首を擡げちゃったか
あまり良い予感はしないな
それとも敢えて大袈裟な表現にしたのかな
とか言えるくらい語彙力が欲しいです
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:14:26.57 ID:twq8TIm6O
素晴らしい
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:14:39.09 ID:UUvdL+0V0
佐々木が呻吟する間に、熱帯地帯のスコールもかくやの局地的豪雨はここら一帯を通過し、
軒下から覗く夜空には星の瞬きさえ見て取れる。
あの日の雰囲気が失われてしまったことを嘆く一方で、俺は雨が止んでくれたことに感謝していた。
これで、おそらくは蚊の鳴き声よりも小さい返事を、聞き逃さずにすむ。
ごはんごはん
残ってますように
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:20:23.18 ID:TEvaEGLYO
佐々木はいらない子
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:25:40.99 ID:A8mapKRaP
何だ原作者か
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:31:00.42 ID:pPHanB49P
佐々木さんがかわいすぎて脱腸した
自家製オナホ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:36:27.26 ID:UUvdL+0V0
「今この時をもって、君と僕の友誼は解消だ。
これからは、その……俗な言葉で言うところの、恋人として……」
ひとつよろしく、と佐々木は言った。
いったいどこの世界に、交際の承諾に「ひとつよろしく」なんて文句を使うヤツがいるんだと思ったが、
考えれば考えるほどに、佐々木らしいなとしっくりくる。
それに俺は最初から、こいつの女らしい言葉遣いなど期待しちゃいなかった。
言外に匂う恥じらいを胸一杯に吸い込めただけで充分だ。
「む、なんだか意地の悪い顔をしているね。
君が望む限り最高の返事を耳にしたんだ、もう少し歓喜の色が見えても良さそうなものだが」
まさに意地の悪いことを考えていた、とは言えず、
「いや、感情が一巡りして、なんだか妙に落ち着いてるんだよ。
多分家に帰って、晩飯を食って、風呂から上がった頃になって、実感が沸いてくるんじゃねえかな」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:46:21.36 ID:gdxhX44A0
sien
ヒャッハー!雨が上がれば虹が架かるぜぇー
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 19:56:37.85 ID:UUvdL+0V0
「そういうものなのかい?
まあ、欣喜雀躍して君の家族に迷惑を掛けるようなことは慎みたまえよ」
「俺の妹なら一緒になって小躍りしてくれるだろうよ」
「ふふっ、違いない」
「……そういうお前はどうなんだ?」
「というと?」
「俺との関係が親友から恋人に変わって、どう思ってる?」
「嬉しいよ。嬉しいに決まっている。
僕は常日頃からプラスの感情もマイナスの感情も表に出さないよう意識しているが、
今ばかりは、情動のコントロールを失いそうになっている自分がいるんだ」
その割には声も態度も普段の佐々木と変わりないじゃないか、と隣を見ると、
自販機の蒼白い蛍光に照らされてなお、佐々木の鎖骨、項、頸筋にかけての朱は明らかで、
しかも上気した頬や微かに潤んだ目が、夏の熱気によるものでないことは最早疑うまでもなかった。
コントロールを失いそうになっている、とお前は言ったよな。
その言葉を俺は、誰かの働きかけ如何では、お前が簡単に感情の操縦桿を手放してしまう、と曲解するぜ。
「佐々木」
「なんだい」
ついと上げられた顎を優しく捕まえ、そっと唇を合わせる。
突然のキスに佐々木は声も上げられないどころか呼吸すら忘れた様子で、
一方の俺には、彼女の柔らかくふっくらした唇の感触を、丹念に味わう余裕があった。
これは期待以上につまんね
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:18:00.85 ID:UUvdL+0V0
「……っ……はぁ……」
佐々木の喘ぎに唇を離す。
至近距離で交わす吐息はどこまでも熱く、官能を煽った。
「キョン……キョン……」
と譫言のように俺の名を呼び、
背伸びして顔を近づけてくる佐々木は、まるで親鳥に餌を強請る雛鳥だった。
ならばその望み通りにしてやろう、と再び唇を合わせると、
佐々木は俺の比喩に準え、啄むようなキスを浴びせかけてくる。
ともすれば現実を疑いそうになる幸福感に酔いつつも、俺の脳裏を過ぎったのは、
波瀾に満ちた春が遠のき、その名残の如き一騒動も、記憶の彼方へ移ろいつつあった初夏のある日の記憶だった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:21:40.30 ID:eEWMgNe10
佐々木って誰?
一期と映画しか見てないからわからん
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:30:00.28 ID:8W1YMBmq0
佐々木かわええ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:36:46.77 ID:UUvdL+0V0
◇◆◇◆
「キョン、今度の日曜日空いてる?」
と国木田から電話がかかってきたのは、俺が中間考査の出来高をお袋に報告し、
さて改めてハルヒに感謝のメールでも送ろうかと携帯を取った折だった。
空いてることには空いてるが、何の用件か気になるな。
その旨を伝えると、国木田は「そんなに警戒しなくていいよ」と前置きし、
「同窓会をやるんだ」
「この時機にか?早すぎる気がするんだが」
「逆に僕は、高校二年の今こそがベストだと思うけどね。
近況を報告したり、中学時代の思い出を語らうのにぴったりじゃないか。
一年は新しい環境に慣れるので、三年は受験勉強で忙しいし、
大学に卒業すると、県外に進学したり就職したりするヤツが出てくるよ」
「そう言われてみればそうだな」
「それで、返事は?」
「いいぜ。別に何の予定も無かったしな」
44 :
忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/06/13(月) 20:37:00.83 ID:Lik1f6r40
C
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:47:02.47 ID:UUvdL+0V0
>>43 × 大学に卒業すると、県外に進学したり就職したりするヤツが出てくるよ」
○ 高校を卒業したらしたで、県外に進学したり就職したりするヤツが出てきて、途端に集まりにくくなる」
「涼宮さんの家庭教師も、テストが終わったから暫くお休みかな?」
からかうような響きには触れずに、
「あいつが万が一にも、期末考査の対策を今から始めるなんてトチ狂ったことを言い出したら、
その時は是が非でも、特別休暇を申請するさ。
流石のあいつも、俺を机に縛り付けるような真似はしないだろうけどな」
「どうかな、有り得るかもしれないよ。
こと最近の涼宮さんの力の入れようには、目を瞠るものがあるからね」
そうなのだ。
国木田の言うとおり、終礼後、掃除当番の環視に晒されながらの勉強会は、
いつしかハルヒが俺の家に押し掛けての家庭教師にまで発展し、
末恐ろしいのはあいつの目的が『俺にテストを乗り切らせる』ことではなく、
『俺をそこそこ良い大学に進学させる』ことに切り替わりつつある点である。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 20:54:37.70 ID:twq8TIm6O
佐々木さん召喚!
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:03:33.00 ID:UUvdL+0V0
親身になって勉強を教えてくれるのはありがたいが、
なぜ無償でこんなことをしてくれるのだ、と尋ねたところ、
あんたがくだらない大学に進学したり、ましてや進学に失敗したりしたらSOS団の恥だから、
と素気なく言い返された記憶が蘇る。
まったく、いつからハルヒは学歴至上主義者になったんだろうね……と愚痴を零すと、国木田は
「彼女も彼女なりに必死なんだよ」
となにやら意味深なことを言った。
「それに、別段気に病むことでもないと思うけどなあ。
逆に羨ましいよ。キョンだって涼宮さんに教授してもらうことは、吝かではないんだろう?」
「もともと成績上位者のお前に羨まれても説得力がねえよ。
まあ、確かにあいつのおかげで成績が上がってるのも、
お袋の機嫌取りが楽になったのも事実だけどな」
「素直じゃないね、キョンは。僕は君個人の感想を聞いてるのに」
俺は急に国木田との会話が面倒になり、適当な別れ文句を口にした。
「あっ、ちょっと待って。大事なことを言い忘れてた」
「何だ?」
「同窓会の招待には、彼女も快諾したそうだよ」
それまでの会話の流れから『彼女』をハルヒの代名詞として受け取った俺は、
「どうしてハルヒが俺たちの同窓会に来るんだよ」
と言い、期待していた反応を聞けなかったらしい国木田は、溜息と共にこう答えた。
「何を言っているんだい、キョン。彼女といったら、君の親友――佐々木さん――に決まっているじゃないか」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:18:20.75 ID:UUvdL+0V0
翌日。
初夏の湿気を孕んだ空気と、朝っぱらから容赦のない日差しに当てられて、
地獄坂の様相を呈していた通学路を踏破した俺を待ち受けていたのは、
まさに第二の太陽とも言うべき満開の笑顔を浮かべたSOS団団長その人であった。
「朝から元気ないわねえ。しゃきっとしなさい、しゃきっと!」
俺は体内で核融合してるお前とは違うんだよ。
あと顔を寄せるな、暑苦しい。
「あんたねえ、六月の終わり頃でへばっちゃってどうするのよ。
これからもっと暑くなるんだからね。
あたしにとっちゃこれくらいの気温、肌に涼しいくらいよ」
そうかい。
力なく椅子に座り込み、タイを緩めて教室の天井を仰ぎ見た俺の頸筋に、涼やかな風が送られてくる。
顔を向ければ下敷きを動かしているハルヒがいて、
その心遣いに感動したのも束の間、送風は二扇ぎにて終了した。
「もう終わりかよ」
「あんたは平団員なのよ。
目上の団長にこれ以上の奉仕を求めるなんて、烏滸がましいにも程があるわよ」
じゃあ奉仕なんて大袈裟なモンは要らないから、
せめてちょっと物憂げな顔で、窓の外に視線を投げていてくれないか。
それだけで俺は手っ取り早く涼が取れるんだがな。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:27:29.25 ID:/TAgEqCj0
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:28:54.56 ID:UUvdL+0V0
「却下」
とハルヒは実に嬉しそうな声を響かせ、他愛もない話に花を咲かせ始めた。
が、岡部がHRを始める前に、聞いておかなければならないことがある。
「なあ、今度の日曜は団活も勉強会もなかったよな」
ハルヒは面食らったように目をぱちくりさせて、
「なかったけど、なんで?」
「同窓会があるんだよ。中学のな」
それは別段大した理由でも何でもなく、
「あっそ」の一言の下に流されて然るべき話題だった。
しかしハルヒは唇を真一文字に閉ざしたまま、数秒ほど言葉を見失い、
「楽しんでくれば」
とまるで感情のこもっていない声で言った。
その様に出会った頃の長門を連想し、直感的に
「本当にいいのか」
と尋ね直すと、ハルヒは人が変わったように「ふん」と鼻を鳴らし、
「それくらいの休暇を認める度量はあたしにもあるわよ。
考えてみれば、今の今まで、あんたの休日はほとんど全部SOS団のために捧げられてたもんね。
テストも終わったことだし、家庭教師もしばらく休止。同窓会、楽しんできなさい」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:31:23.38 ID:J7NFImyA0
なんか段々イライラしてきた
おこがましいとかいちいち漢字使うなよ
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:35:56.45 ID:pPHanB49P
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/: :.|i: : : i:. :.|: 孑七7 ̄`メ |/ .|: / xf禿笊沁ミx .: .:|: : : : : : : 八
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/: : : :八:.:.:从: |:.i: : xfe笊心 ノ:ソ : : .: .:| ) } : : : : : : : :ヽ
. /: : / : : : \|: :ヽ |i: :弌 { Yハ ゞ "i: : : : : ル ノ.: : : :i: : :i: : :}
/: : /: : : : : : : :i: : :从: : i. ノ:ソ |: : : : :.r介:.:/ : ハ: : :ハ 从
.: .:イ:. :. : : : : : :|i: : :. :.ゝ乂 `¨¨´ 、 /: /: : /: :ノ // ノイ }′
i:. :i |i : i: : : : : |‘,: :i: :i: : :ヽ 、_厶イ: : / : : /
|i: :|八: :.ト、 : : : :. Y: | : ト、::::.. ‐ ´ > ‐=彡'.:.:/
. 从 | ゝ乂\:. :.乂 \| : | \:≧。.. / |i: : .:/
ヽ `  ̄´ 人: ! \{\ト≧。. _ イ .!乂(
ヽ >―! iァ、 `ヽ
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_ ...-――-...... _/::/〈 ハハ /|::\
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53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:43:42.71 ID:UUvdL+0V0
話が落着する機を見計らったかのように岡部が教室に入ってきて、
そこでHR前の小話はお開きとなった。
◇◆◇◆
「参りました」
「やったあ。またわたしの勝ちですね」
放課後。部室の戸を開くと、そこには見慣れた光景が展開されている。
テーブルの中央には原点回帰でも志したのか将棋盤が置かれていて、
盤面の趨勢はルールを知らない素人目にも明らかなほど、朝比奈さんに傾いていた。
古泉、お前は本当にいつまで経っても進歩がないな。
「面目ありません」
「あっ、キョンくん、こんにちわ。今お茶を入れますね」
とMySweetAngel朝比奈さんが立ち上がる。
入れ替わるような形で古泉の対面に座った俺は、
ほぼ無意識に駒を並べなおしつつ、
「ハルヒは少し遅れるそうだ。教員室に用があるとか言っていた」
「そうですか。いやはや、新鮮ですね。
ここ最近は教室での勉強会の後、二人そろって部室に来られるのが当たり前になっていましたから」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:43:54.16 ID:g6vjwNWj0
>>52 ペロッ
安心しろみんな、これはおれの佐々木だ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:46:14.62 ID:8W1YMBmq0
にゃんにゃん
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:54:56.77 ID:UUvdL+0V0
「まあな」
俺は飛車を一歩前に進めつつ、ハルヒから話題を転換する。
「そういえば、お前に訊いておきたいことがあったのを思い出した」
「なんでしょう?」
「橘京子はあれから、どうしてる?」
角の進路を明けながら、古泉はいつもの爽やかスマイルで受け答えた。
「どうしている、とはアバウトな質問ですね。
具体性に富んだ訊き方をしてもらえると、答える側としては大いに助かるのですが」
「……佐々木に妙なことを吹き込んだり、馬鹿なことを考えたりはしてないか?」
「ありません。機関の調査員が持ち帰った情報を信ずるならば、
春の一件以来、彼女が表立って活動している気配は皆無です。
彼女の旗頭が折れた今となっては、
一介の女子高生として、青春を謳歌するつもりなのではないでしょうか」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 21:57:07.68 ID:11NJDItL0
マイスウィートエンジェル朝比奈さん!
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:05:03.04 ID:UUvdL+0V0
あいつも丸くなったもんだ。
朝比奈さんを拉致したり、佐々木を神だの何だのと崇め奉っていた頃が懐かしいね。
「ところで差し支えなければ、なぜあなたが橘京子の情報を知りたがったか、
お聞かせ願ってもよろしいでしょうか?」
「ん、それは……」
俺は返事代わりにと、歩を古泉の角の正面に打ち付ける。
「これはいけませんね」
と古泉はまるで弱ったふうもなく腕組みし、わざとらしい溜息を吐いた。
柔らかい空気の流れを感じて隣を向けば、俺専用の湯飲みを盆にのせた朝比奈さんがいて、
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
「隣、座ってもいいですか?」
どうぞどうぞ。
パイプ椅子を引くと朝比奈さんは天使の微笑みを浮かべてそこに腰掛け、
俺の方に体を寄せて、盤面の状況を確認する。
大きく開いたメイド服の胸元を、俺に盗み見られているとも知らずに。
眼福眼福。
「あはは、早速古泉くんの劣勢ですね。
そういえば、今は何のお話をしていたんですか?」
ほ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:23:04.46 ID:UUvdL+0V0
俺は朝比奈さんをちょっぴり萎縮させると知りつつも、
「橘京子の近況についてです」
と正直に答えた。
予想通り、天敵の気配を察知した小動物のように、身を竦ませる朝比奈さん。
橘に拉致された記憶は未だ新しいようだ。
俺は玉露を一口味わってから、
「実は、朝比奈さんにも訊きたいことがあったんです」
「わっ、わたしにも、ですか?」
「あれからもう一人の未来人、藤原がこの時空に干渉している痕跡はありますか?」
「ありません。少なくとも、わたしの確認している限りでは……。
これまでもそうでしたけど、わたしには、他の時間渡航者のTPDD発動を感知できないんです。
だから、もしもあの人以外の未来人がやってきたとしても、どうしても後手に回ることになると思います」
ごめんなさい、と頭を下げる朝比奈さんに、俺は慌てて両手を振った。
「分からないなら分からないでいいんです。
朝比奈さんが責任を感じる必要は一切ありませんから」
事実、朝比奈さんに尋ねても仕方ないだろう、という気はしていた。
それに朝比奈さん(大)の話を信じるなら、
ハルヒが春に生んだ新たな次元断層によって、
藤原のいる未来と現在の時間軸は完全に断たれている。
別の邪な考えを持つ未来人が現れないという保証はないが、
今しばらくは楽観的な構えをとっていてもいいような、根拠のない確信があった。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:34:38.33 ID:UUvdL+0V0
「長考か?」
「今しばらくお待ちを」
俺はいよいよ表情に真剣味を帯びさせてきた古泉から、
窓際で読書好きの物言わぬ貝を演じている長門に視線を移した。
「長門」
「…………なに?」
琥珀色の瞳と目が合う。
「いいや、なんでもねえ。読書の邪魔して悪かったな」
長門は無言でハードカバーに目線を落とした。
古泉、朝比奈さんに続いて、俺がこいつに尋ねようとしていたのは、
情報統合思念体に比肩するトンデモ宇宙組織『天蓋領域』のインターフェイス、周防九曜についてだ。
なぜ質問を思いとどまったかと言えば、
こいつが黙々と本の虫をやっているということは即ち、
あいつの行動に異常が見られないことの表れでもあり、
双方の組織のコミュニケーションが今のところ順調な印でもあるからだ。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:49:20.06 ID:24EH7NzA0
ほほ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 22:52:51.57 ID:UUvdL+0V0
「断腸の思いですが、致し方ありませんね」
古泉は角を犠牲にして、心機一転の手を差しつつ、
「先ほどの質問の答えを、まだ伺っていませんでした。
あなたが何故、僕たちと対成す勢力の動向について知りたがるのか」
「お前が気にするほどのことでもねえよ」
「まあ、そう仰らずに。ただの興味本位、というわけでもないのでしょう?」
それからも俺はのらりくらりと質問をかわし続けていたのだが、
終いに朝比奈さんも「教えて下さい。気になります」と追及の手を絡めてきたところで観念した。
「……今度の日曜に、同窓会があるんですよ。
当然そこには、佐々木もやってくる。
同窓会で会う以上は、春の一件は忘れて、純粋な昔馴染みとして話したいと思ったんです」
「なるほど。確かに思い出を語らう場に部外者が水を差しては、興醒めもいいところです。
あなたの心配にも納得がいきましたよ」
と古泉が頷く。
朝比奈さんは心底羨ましげな顔で、
「同窓会ですかぁ。いいなぁ。わたしの生まれた時代には――」
口パクが始まる。
禁則事項に触れると声帯の震えが止まる仕組みは、こんな雑談でもしっかりと効果を発揮しているようだ。
「――とにかく、わたしは同窓会というものを経験したことがないんです」
「高校を卒業されてしばらくすれば、経験する機会があるのではありませんか?」
と珍しく古泉が気の利いた台詞を言う。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:03:46.91 ID:UUvdL+0V0
「それもそうですね。みんなわたしのこと、誘ってくれるかなあ……」
「朝比奈さんを誘わずして誰を誘うんですか」
と俺が混ぜ返すと、朝比奈さんは衒いの無い笑顔を浮かべた。
この人は素で自分の天然記念物レベルの愛らしさを自覚していないから困る。
古泉は見る者に安心感を与える笑みを浮かべつつ、俺に向き直って言った。
「あなたの心配は杞憂に終わります。僕が保証しますよ。
どうぞ、今度の同窓会は、何の煩いなく楽しんできて下さい」
「一応言っとくが、余計な気遣いは無用だぜ」
「まさか機関が諜報員を差し向けるとでも?
いやだなあ。そんな無粋な真似はしませんよ」
「そうか。それを聞いて安心したよ」
心の荷が下りたような、スッキリした心境で俺は詰めの一手を指した。
おふろおふろ
残ってますように
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:06:28.06 ID:PQLR5ErOO
ほっほっほっ( ^ω^)
卑怯だよ藤木君
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:23:25.68 ID:24EH7NzA0
ほ?
卑怯だよ徳川くん
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:28:19.14 ID:twq8TIm6O
すっきり佐々キョンで終われますように
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:40:17.50 ID:UUvdL+0V0
時は流れて同窓会当日。
我が家の引っ付き虫こと妹を自転車から引き剥がし、
待ち合わせ場所の駅前に来てみれば、既に同窓の奴らが何人か集まっていた。
「感じ変わったな」だの「最近どうだ」だのの決まり文句に付き合っていると、国木田が近づいてきて、
「遅かったね、キョン。君で最後だったんだよ」
「妹を説得するのに手間取っててな」
俺は辺りを見渡し、
「ところで、今日集まったのはこれだけか?」
佐々木は……と言いかけて自重する。
国木田を筆頭に俺の中学時代を知るヤツは、
どうにも俺と佐々木の間柄を色眼鏡で見たくて仕方ないらしく、
少しでも油断を見せるとからかいの種になるのが常だった。
「待ち人来たらず、というような顔をしているね」
「別に」
「そう肩を落とす必要はないよ。
最終的には、街の方で現地集合するみたいだから」
ほ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/13(月) 23:55:26.92 ID:UUvdL+0V0
「みたい、ってお前が幹事なんじゃなかったのか?」
「まさか。そんな甲斐性は僕にはないよ。
今回の同窓会を企画したのは彼らさ」
国木田の目線が指し示す先には、
中学時代もクラスの中心的立ち位置にいた男子どもがいた。
古泉には遠く及ばないものの、整髪と洒落た服のせいで、
当時のルックスにさらに磨きがかかり、女子どもを沸かせている。
いや、嫉妬してるわけじゃねえけどさ。
「彼らの目的は十中八九、岡本さんだろうね」
と、国木田はある種の同情を込めた声で言う。
岡本とは中学時代もっとも男子のリビドーのこもった視線を浴びたと言っても過言ではない、
端的に言うならば物凄い美少女である。
美人特有の外連味がないことも相俟って、女子からの人気も厚かったと記憶している。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:15:13.80 ID:QojkVH/wO
IDてす兼ほ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:17:08.98 ID:IY9J48jW0
「俺も岡本に会うのは楽しみだな」
「キョンも彼らの同類なのかい?」
「他の奴らに会うのと同じ意味で、だ。
そういう国木田はどうなんだ。
岡本に会うのが楽しみじゃないのかよ」
「僕も君と同意見だよ。
ただ、今日の同窓会以前に彼女と会ったことのある僕からしてみれば、
あわよくば岡本さんと付き合いたがっている彼らが哀れで哀れで仕方なくてね」
その言葉の真意を確かめる前に、
幹事と思しき男子が招集をかけ、俺たちは駅構内に移動した。
電車に運ばれ向かった先は、俺が何度かハルヒと不思議探索に繰り出した場所で、
結局映画を観るかゲーセンで遊ぶかファストフードで空腹を満たすかの三択しかなかった繁華街である。
駅から歩くこと十数分、到着した割烹店の前には、小さな人集りが出来ていていた。
そのうち誰もが見知った顔という事実に、まず安堵し、次に気分が高揚してくる。
どうやら俺たちのグループが最後だったようだ。
「よう、キョン、久しぶり!」
「変わってないねえ、キョンくん」
旧友と言葉を交わしつつ店内へ。
適当に席につき、幹事の音頭を聞いている間、俺はずっと、佐々木の姿を探していた。
……いた。マドンナ岡本と並ぶようにして中心の席を宛がわれ、男どもに囲まれている。
「ま、そりゃそうだよな」
客観的に見れば、佐々木だって岡本に負けず劣らずの、超がつくほどの美人だ。
男に対しては男言葉を使ったり、話に興味のない相手に遠慮無く長広舌を揮ったりと、
いささか変、いや、個性的な部分もあるが、それを差し置いても佐々木は魅力的な女の子なんだ。
って、俺はいったい何を言っているんだろうね。
ほ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:24:25.40 ID:ioX/bK550
やべえつまんね
俺は寝るけどがんばってね
明日残ってたら読むわ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:38:31.65 ID:IY9J48jW0
あちらこちらで歓談の輪が出来上がり、
各人が好き勝手に輪から輪へ移動している中、
俺は最初の位置から動かずに、中学時代懇意にしていた奴らと思い出話に耽っていた。
佐々木の隣はがっちりと男子が固めていて、付け入る隙は微塵もなさそうだった。
さて、未成年の分際でアルコールを隠し持ってきたヤツがいたらしく、
酔いの回った馬鹿が大馬鹿をやらかしたのは、宴が酣を迎えた頃の話だ。
「岡本さんっ、俺、ずっと岡本さんのことが好きでしたぁあぁっ!」
呂律の回らない告白に対する岡本の反応は、
「無理。わたし彼氏いるもん」
という完膚無きまでの拒絶で、多くの男子が悲嘆に暮れる中、
国木田だけが憐れむような視線をフラれた男子に向けていた。
「お前、知ってたのか」
「まあね。以前岡本さんに会った時に、教えてもらったんだ」
なら予めあの男子に教えておいてやれよ、と思ったが、
流石にこの場で告白をやらかすとは予想できないよな、と思い直した。
哀れ、あの男子は末永く今夜のネタで苛まれることだろう。
「佐々木さんは?」
と誰かが言った。
「佐々木さんは彼氏、いないの?」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:45:19.85 ID:QojkVH/wO
これで、分かるな……
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:53:50.30 ID:IY9J48jW0
一瞬、水を打ったような静寂が広がり、
その波紋の中心部たる佐々木が、ゆったりと首を横に振る。
が、しかし、ドッと沸いた男子を諫めるように、佐々木はこう釘を刺した。
「けれど今の僕には、とても気になっている人がいるんだ。
そして残念ながらその人は、この中にはいない」
途端に上がる落胆の声。
その後は女子たちによる追及が佐々木に集中し、脇を固めていた男子は蚊帳の外、
同窓会は終わりの際に来てようやく、正常な空気に立ち戻ったと言えた。
「やっぱり同窓会に色恋の話題は持ち込んで欲しくないのが、僕の本音だよ」
と国木田が言う。
「そういうのは会がお開きになった後で、ひっそりやればいい」
「大恥もかかずに済むしな」
国木田は俺の相槌に大きく頷き、
「その点、佐々木さんの対応は実に模範的だよね。
恋人の存在を否定しながら、端から恋愛目的の男子を、綺麗さっぱり切り捨てた。
ところでキョン、佐々木さんの言う思い人に、心当たりは?」
「どうして俺に聞くんだよ」
「君に聞かずして誰に聞くのさ。それで、どうなんだい」
「知らん」
「ふうん。じゃあ、あれは彼女なりの方便か」
しえん
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 00:57:38.08 ID:QojkVH/wO
やっぱり(´;ω;`)ハルヒ赦すまじ
どゆことーん
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:04:46.77 ID:IY9J48jW0
「はあ?」
なぜ佐々木の言葉が嘘と分かる。
「もしも佐々木さんが本当に恋煩いしているなら、キョン、君に相談しているに違いないからさ。
君たちは常々言っていたよね。俺たち、僕たちは親友だって。何でも相談しあえるのが親友だろう?」
「う……」
心当たりがまったくないわけではなかった。
『二週間ほど前の話になる。僕は告白された』
春の一件が終息してから数日経ったある日、駅前公園で佐々木が口にした台詞。
相手は同じ学校の男で、返事は保留にしたそうだ。
結局、佐々木はそれからどんな選択肢を取ったか明言しなかった。
他人の機微に聡い佐々木のことだ、まさか今の今まで保留にし続けていることは有り得るまい。
イエスかノー。いずれかの返答をしたはずだ。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:07:24.41 ID:IY9J48jW0
いちおう言っておくと
冒頭の数レスは未来の話の一部
>>40の
>俺の脳裏を過ぎったのは、
>波瀾に満ちた春が遠のき、その名残の如き一騒動も、記憶の彼方へ移ろいつつあった初夏のある日の記憶だった。
これ以降は全て回想です
わかりにくくてすみません
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:12:23.92 ID:QojkVH/wO
>>87 うん、
>>86読んでもしかしたらって思ったら直後にww
がむばれー
しかし眠ひ……
89 :
忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/06/14(火) 01:12:50.52 ID:EfqVZGWf0
今北きたい
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:21:46.88 ID:IY9J48jW0
そして先ほどの佐々木の発言を鑑みた上で、辻褄の合うストーリーはこうだ。
告白してきた男と佐々木はそれなりに仲が良く、
佐々木は交際の申し込みを受けてもいいと考えていた。
しかし進学校に在籍する佐々木の本分は勉学である。
そこで佐々木は、大学に無事進学できた暁には、交際を正式に始めることにし、
相手の男もそれで納得した。めでたしめでたし。
『今現在恋人はいない、だが気になっている人がいる』
という今し方の発言にも矛盾無く整合するし、文句なしの仮説じゃないか?と言うと、
国木田は軽く一笑に付して、
「それはないよ」
と断言した。俺がその自信の在処を質す前に国木田は言った。
「確かにキョンの話は驚きだし、その仮説にも光るところはあるけれど、
それじゃあ、佐々木さんが思い人の存在を明らかにしたとき、
君のほうをじっと見つめていたことへの説明がつかないな。
ああ、君が何か怖いものから目を逸らすみたいに、黙々と焼き鳥を胃袋に運んでいたときの話さ。
君が彼女の視線に気づいていないのも無理はないよ」
91 :
忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/06/14(火) 01:23:54.20 ID:2KNNELOyO
むきょおおおおおお!
キョン死ね!!!
かむばれ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:36:09.49 ID:IY9J48jW0
◇◆◇◆
二次会に繰り出した何人かを除く大半は、同じ駅で降車した。
食事の席の熱気も今や霧散し、名残惜しむ言葉と再会を誓う言葉を交わしつつ、
一人、また一人と帰路につき、駅前の人集りは徐々に小さくなっていく。
佐々木は迎えの車を待つのだろうか。
そんなことをボンヤリ考えつつ、足を駐輪場に向けたところで、
「ちょっと待った」
国木田に服の裾を掴まれた。
「ここで黙って帰るようなら、僕はキョンのことを見損なうよ。少なからずね」
「お前は俺に何を期待しているんだよ」
と言いつつも、内心、引き留めてくれた国木田に感謝している俺だった。
男が廃る、なんて錆び付いた言葉を使うつもりはないが、
ここで知らんぷりを決め込みフェードアウトするのは、
佐々木の親友を自負する身として、許されないような気がしていたのさ。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:42:30.74 ID:ZfVRuV8D0
ふむおもしろいつーか
文章が本格的だな
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 01:42:49.63 ID:QojkVH/wO
ないすくにきだ
96 :
【平将門】:2011/06/14(火) 02:06:22.48 ID:KNY1SHYm0
しえ
寝る前に期待保守
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:08:00.33 ID:IY9J48jW0
「おーい、佐々木」
と思い切って呼びかけると、奇しくもあちらも俺に視線を寄越していたようで、
どちらかともなく歩き出すや、モーゼを前にした紅海のように人波が割れた。
感動の再会場面でもあるまいに、演出過剰の気がするのは俺だけか?
「こんばんは、キョン。
僕たちはそう離れていない場所で数時間の時を共有したはずだが、
なぜだろう、今夜初めて君と出会ったような気がしてならないんだ」
「同感だ。お前、帰りは車か?」
「いいや」
佐々木は悪戯っぽく笑んで、
「母には君の迎えの車に同乗させてもらえることになった、と連絡してある」
「あー、ちなみに俺の親に車を出す気が毛頭なくて、
帰りの手段が二輪車しかないのは承知済みか?」
「もちろんさ。齢十五を超えた身として、君が原動機付き二輪車の運転免許を取得している可能性は睨んでいるがね」
「残念だが、バイクの免許は持ってない」
「自転車があるなら重畳さ。原動機の有る無しは大した問題じゃない」
暗号めいた会話の流れから、辛うじて俺と佐々木が一緒に帰ると察したんだろう、
男子の一人がカラオケに誘ってきたが、俺は丁重に断った。
その後、その男子は「空気を読め」と他の男子に小突かれていたが、理由は定かではなく、
立ち去ろうとした俺たちを、国木田を初めとする同窓全員が生暖かい視線で見送ってくれた理由も謎に包まれたままである……。
とまあ、鈍いフリをしてみたところで意味はなく、
結局あいつらは、俺たちが色恋沙汰に陥っていると妄想して楽しんでいるだけなのだ。
中学生の時から何も変わっていない。
ま、これから条例違反を犯そうとしている俺たちが言えた台詞じゃないけどさ。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:09:49.13 ID:IY9J48jW0
ねむねむ
残ってますようにと切に願いながら寝る
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:14:11.18 ID:qZ/dawFe0
布団から・・・支援・・・zzzz
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:21:52.71 ID:KNY1SHYm0
しえんしえん
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:41:06.83 ID:cSeZj1H40
しえ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 02:41:26.30 ID:A6Sj+u63i
ねるほ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 03:04:17.60 ID:QB2802vA0
ほっほー
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 03:46:29.92 ID:x3SrVZrX0
む
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 04:18:42.09 ID:zdJ8OFAo0
面白くてクオリティが高い
これを落としたらvipのssは廃れちまうっつの
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 04:48:40.84 ID:7aXQfl6/i
しえんぬ
ほ
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 05:39:22.15 ID:QojkVH/wO
起きた
けどまだまだ眠ひ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 05:44:50.11 ID:7aXQfl6/i
夜勤組がいる限りこのスレは落ちない
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 05:44:52.31 ID:QojkVH/wO
モーゼすげぇ!
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 06:12:08.94 ID:7aXQfl6/i
最近また落ちるまでの時間変わったよな?
誰か知ってるやついるか?
教えてくれください
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 06:14:29.32 ID:Ew/M+bmdO
薮崎喜義
キョンの本
面白かった!期待保守
ほ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 06:35:20.70 ID:6NmYasRG0
ほ
ほ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 06:54:12.47 ID:DJIdaomz0
ほしゅ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 07:00:32.07 ID:7aXQfl6/i
バイトも終わった
帰ろう
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 07:23:11.21 ID:vjRFBfgI0
ほ
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 07:43:24.94 ID:jCCr3F+Q0
これは保守せざるをえなり
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 07:48:07.92 ID:boaq3p4HP
語彙つか文章全体が半端ない あと国木田いいやつすぎ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 08:04:32.79 ID:QojkVH/wO
夕方まで残ってますようにノシ
これは良作になる予感
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 08:51:23.05 ID:hj1OkNfP0
結局今の保守目安はどのくらいだ?30分もつみたいだが
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 08:56:25.93 ID:JbHSHea30
また!ninjaリセットされそうだな
レベルあげめんどいのに
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 09:00:13.10 ID:z8+NYvGc0
みくるかわいいよみくる
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 09:08:42.64 ID:jCCr3F+Q0
え、また忍者リセットくるの?
旧式Janeだとini書き換えめんどいんだけどな・・・
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 09:15:53.12 ID:XwlGsMX4O
忍者リセットまたくる
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 09:16:53.31 ID:mg0oRFZ4O
追いついたぁ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 09:36:01.53 ID:DJIdaomz0
ほ
実際、佐々木って結構な中二だよね。国木田をして変な女と言わしめるだけあるよ。
134 :
忍法帖【Lv=3,xxxP】 :2011/06/14(火) 09:51:23.37 ID:2zV0bvqOi
てす兼ほ
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 10:22:45.73 ID:jCCr3F+Q0
それを言ったらSOS団も佐々木団もみんなそうじゃね?
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 10:55:13.87 ID:DJIdaomz0
ほ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 11:28:56.41 ID:cSeZj1H40
ほ
ほ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 11:51:21.83 ID:hgzFzWg2O
なんか喋れや( ^ω^)
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/14(火) 12:11:33.16 ID:hj1OkNfP0
中学高校は厨二なくらいで丁度良い。
大学社会人になってから発症してしまった者ときたら…
でも超絶美少女で厨二病て性格に相当問題抱えてそう
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
保守