千葉県・房総半島で「磁気異常」という不可思議な現象が発生している。
この事実に最初に気づいたのは、房総半島南端の野島崎で10年以上前から魚介類調査を続けてきた海洋学者の辻維周氏。
辻氏によれば、太平洋に突き出た野島崎では5〜6年前から10度ほどコンパスの針がフラつく現象が始まっていたが、
2009年に入って狂いが極端になり、日によっては南北逆転や180度以上の誤差が生じたという。
そこで2009年には、調査班が辻氏とともに房総半島の海岸線を調査。
すると、犬吠埼(いぬぼうさき)と約2キロメートル南の長崎鼻では磁針が完全に南北逆転し、フラフラと定まらなかった。
九十九里浜を南下するといったん正常に戻ったが、再び中間部の大網白里からは大きな狂い(東へ118度)が現れた。
さらに御宿海岸からは西へ15〜40度の誤差が続き、野島崎で東へ45度、西端の洲崎灯台で東へ90度のズレが確認できたという。
このときの調査では、磁気異常は太平洋に面する外房〜南房地域だけで発生し、
東京湾側の内房と、神奈川県川崎から富津をつなぐアクアライン「海ほたる」ではまったく観測されていない。
しかし、今年の4月23日に実施した調査によると、前回は異常がなかった「海ほたる」と市川PAで、初めて西へ15〜30度の誤差が見られた。
同じく、前回は異常がなかった房総半島北部でも、大栄PAで東へ140度の誤差が生じたほか、酒々井PAではついに南北が逆転するという大きな狂いが確認された。
さらに、これまで異常が観測された地域では倍以上のズレを観測するなど、今年に入ってから房総半島周辺の異常は、より深刻化している。
こうした磁気異常は、果たして何を意味しているのだろうか?
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/05/26/4835