代理 ID:10mKoBRk0
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 15:47:18.08 ID:lvXqWboa0
NTRか
しかもレズか
しかも弟がショックでホモになるんだろ?
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 15:50:31.91 ID:10mKoBRk0
ノックもせずに部屋に入ってきた姉の第一声。
私はノートに字を書き連ねる手を一度止めると、「あっそ」
姉「それだけ!?」
妹「うん」
姉「なんで!」
妹「いつものことでしょ、お姉ちゃんが告白されるのなんて」
姉「うん」
妹「否定しようよ」
姉「でも、友達だよ?」
ずずいっ。
姉が低姿勢になって詰め寄ってくる。
甘い香水の匂いが、強くなる。
妹「友達に告白されるったってお姉ちゃん、友達多いんでしょ。今までの人だって友達だったんじゃないの?」
姉「うん」
妹「じゃあ今更何。モテない私への宛て付けですか」
姉「違うんだってば」
妹「じゃあなんなのよ」
姉「だって、友達だよ?」
妹「わかってるって」
姉「……女の子だよ?」
―――――
―――――
カチ、カチ、カチ。
さっきから一向に筆が進まない。
せっかくうるさい姉を追い出したというのに、姉の残した爆弾のせいでとてもじゃないが
ノートに集中できない。
妹「……」
シャーペンを放り出すと、私は大きく息を吐いた。
いつのまにか手に力を込めてしまっていたらしい。指の関節がきしきしと痛かった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 16:00:15.48 ID:41GB5w10O
支援爆弾
二つ年上の姉とは、年齢が上がるにつれてあまり話さなくなっていた。
姉のほうは逆につきまとってくるようになったわけだけど。
何でも完璧にこなす姉の影に、何でも平均的な私。
それが嫌だった。何より、そんな姉に対しての自分の気持ちが。
だから私は姉からは鳴れていった。
いつからそんなふうになってしまったのか、今じゃ思い出せないけど。
「あっそ」が口癖になり、人懐っこくしつこい姉を追い払う術を見につけた。
家に帰っても一人で部屋にこもるようになったし、学校でも姉の存在はひた隠しにした。
姉の色々な噂だって聞き流して周囲のクラスメートたちが盛り上がっていも知らない振り。
それがよかったのかどうかはわからない。
私が高校に入学した頃から、もう殆ど話さなくなっていた。
なのに。
11 :
ミス:2011/05/07(土) 16:02:35.33 ID:10mKoBRk0
>>10 二つ年上の姉とは、年齢が上がるにつれてあまり話さなくなっていた。
姉のほうは逆につきまとってくるようになったわけだけど。
何でも完璧にこなす姉の影に、何でも平均的な私。
それが嫌だった。何より、そんな姉に対しての自分の気持ちが。
だから私は姉から離れていった。
いつからそんなふうになってしまったのか、今じゃ思い出せないけど。
「あっそ」が口癖になり、人懐っこくしつこい姉を追い払う術を見につけた。
家に帰っても一人で部屋にこもるようになったし、学校でも姉の存在はひた隠しにした。
姉の色々な噂だって聞き流して周囲のクラスメートたちが盛り上がっていも知らない振り。
それがよかったのかどうかはわからない。
私が高校に入学した頃から、もう殆ど話さなくなっていた。
なのに。
告白された?女の子に?
どうして今になって私にそんなことを言いに来たのか、どうしてそれをわざわざ私に……。
頭の整理が追いつかない。
『どうすればいい?』
今にも泣き出してしまいそうに不安げな姉の表情を思い出す。
「知らないよ」と冷たく突き放したものの、心臓が変にバクバクといっていた。
まさかバレてるわけない。
バレていたらバレていたで、いくら姉でもわざわざ来るはずないし、何よりあの気持ちは
長い年月をかけて風化してきたはずなのだ。
このまま何事もなくいつものように過ごしていれば、完全に断ち切ってしまえる。
妹「……寝てしまおう」
私はもう一度、ふっと息を吐くとスタンドの電源に手を伸ばした。
――――― ――
「……〜〜……」
「〜〜……っ」
妹「……ん、?」
隣の部屋から漏れてくる声に、私は目を覚ました。
どうせ姉のことだから、誰かに電話でもしているんだろう。
私に相談を持ちかけるまでもない。姉には相談する人だって沢山いるのだから。
ごそっ。
起き上がると、ベッドの淵に飾ってあった時計が鈍い音を立てて落ちてしまった。
それを拾い上げながら、そういえば、と思い出す。この時計は確か、小学校の頃に姉が
修学旅行のお土産に買ってきてくれたのだった。そう思うと、もう何年もこの時計を使っていることになる。
思えばこの部屋のどこかしこにも姉に貰ったものが沢山。
捨てられないんだよなあ……。
捨てたいのに捨てられない。
だから私はだめなんだ、と自分を叱りたくなる。だから今でもまだおかしな想いが胸のうちに
燻っている。
14 :
ミス:2011/05/07(土) 16:17:44.28 ID:10mKoBRk0
>>13 ――――― ――
「……〜〜……」
「〜〜……っ」
妹「……ん、?」
隣の部屋から漏れてくる声に、私は目を覚ました。
どうせ姉のことだから、誰かに電話でもしているんだろう。
私に相談を持ちかけるまでもない。姉には相談する人だって沢山いるのだから。
ごそっ。
起き上がると、ベッドの淵に飾ってあった時計が鈍い音を立てて落ちてしまった。
それを拾い上げながら、そういえば、と思い出す。この時計は確か、小学校の頃に姉が
修学旅行のお土産に買ってきてくれたのだった。そう思うと、もう何年もこの時計を使っていることになる。
思えばこの部屋のどこかしこにも姉に貰ったものが沢山。
捨てられないんだよなあ……。
捨てたいのに捨てられない。
だから私はだめなんだ、と自分を叱りたくなる。だから今でもまだおかしな想いが胸のうちに
燻っていて、私はうじうじと悩んで成長しない。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 16:23:51.82 ID:10mKoBRk0
チッ、チッ、チッ......
妹「……あれ?」
落とした時計を元の場所に戻そうとすると、突然、時計の針が動き出した。
そういえばいつからか止まっていたのだった。電池を換えようとするたびに忘れてしまい
結局動かないままで。
なのに、落とした衝撃がいい方向に繋がったとでもいうのだろうか。
妹「……ま、いいか」
どうせすぐに止まるだろう。
私はそう思いながら時計を置くと、立ち上がった。
寝る前にトイレに行かなかったためにお腹の辺りが変な感じだった。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 16:35:30.06 ID:10mKoBRk0
ガチャっとドアを開け、階下の様子を窺う。
両親はもう眠ってしまったみたいだった。今何時なのか、確かめてから出ればよかったな。
そう思いながら廊下に出る。姉の部屋からはまだぼそぼそと声が聞こえてくる。
相手も迷惑だろうにな。
そんなことを考えながらトイレに行こうと姉の部屋の前を通る。
姉「……うん、……うん」
ぐすっぐすっと。
姉特有の泣き声が聞こえ。私は思わず立ち止まった。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 16:42:02.34 ID:AyehXFBSO
C
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:08:50.43 ID:+ocSx/TW0
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:10:03.12 ID:10mKoBRk0
扉に耳を寄せて姉の声に耳を傾ける。
けれど普段とは違い低い声と、扉一枚分が邪魔でよく聞こえない。
姉「……ごめん」
妹「!?」
びくっと。
肩を震わせた。姉があんな声で謝るところなんて、聞いたことがない。
いつも何があってもへらへらと笑っているような人だったのに。
それとも――私がただ知らなかっただけなのか。姉と離れていた、あの期間のせいで。
無性に腹が立った。
自分に対しても、姉に対しても。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:12:43.98 ID:10mKoBRk0
だから私はつい、
妹「うるさい」
ぶっきらぼうな声で。
部屋の扉をがたりと大きな音を立てて開けてしまった。
姉「……」
妹「……」
姉「ごめんね、妹ちゃん」
へらり。
見慣れた笑顔で姉は言った。その瞬間、私は確信した。
ハメられた――
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:18:01.64 ID:N/zj/RGf0
hayaku
俺達、2ちゃん戦隊 糞スレンジャー!!
____ __ ____ __
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/__/ / / ヽ‐" / / /. /....| |
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\ |_/ i_/ |/ \ノ |__./ /
〜。 人 〜。. 人 人
〜゜. (__) . (__) 〜.。 (__) 〜゜
.。 /)__) (__) (___(\ 〜。
| | *゚ー゚) ◯ヽ,・∀・/◯ (・ω・´| | .。。
〜゜ ( 糞丿 . \ ス / ヾ レ / 〜,
。 : / /) ) |⌒I │ 〜゜ ( (\ \ 。 。
〜 (__) (__)〜。. (_) ノ (__).(__) 〜'゜
/ し'
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// \ / | ̄|/ / .│ |_____\ \ \
/ / \| \_/ |____| \ \ \ \
リーダー(中央) 糞ス レッド.(赤色うんこ)
女隊員. (左側) 糞ス レスカ(桃色うんこ)
男隊員. (右側) 糞ス レトロ.(黄色うんこ)
この糞スレの平和は、俺達が命を懸けて守っていくぜ!!
よい子のみんな、応援してくれよな!!
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_, ,_ そっちか
( ・∀・)
( ∪ ∪
と__)__)旦~~
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:21:57.46 ID:10mKoBRk0
姉「とりあえず、はい」
妹「……」
姉「そうぶすっとしてないで座って?」
こうなるともう、暫くは自分の部屋に帰してもらえないだろう。
トイレ行きたいと言って(実際本当なわけだし)部屋を出ようか、どうしようか。
そんなことを考える間も、姉に無理矢理椅子に座らせられた。
妹「……」
ありえない。
本当にありえない。きっとこの人は知っていてわざとやったんだ。
私が、この人の泣き声に弱いこと――
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:22:58.53 ID:+ocSx/TW0
この姉こわい
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:28:36.87 ID:10mKoBRk0
妹「……なんで」
姉「ん?」
妹「……何でもない」
わざわざ私を釣った理由。
姉にしてみればまじだったのかも知れないけれど、この表情を見る限り今まで泣いていたなんて
思えないし、電話だってすぐに切ってしまったところを見ればあまり大切な用件ではなかったのだろう。
泣き声は中学時代入っていた演劇部の成果かも知れない。
姉「……最近、ちゃんと妹ちゃんと話してないなって思って」
不意に姉が呟くように言った。
今更気が付くなんて遅すぎる。もちろん、もっと早くに気が付いて居たって私は
きっとこうして姉の真正面に座ることなんてなかっただろうけど。
ヨネさんこんばんは
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:33:36.53 ID:10mKoBRk0
妹「だからさっきもわざわざ私に変な報告しにきたわけ?」
姉「……変な報告って、本当のことで……」
妹「けど私に言いに来ることないでしょ」
自然と声が尖ってしまう。
眠いのとトイレに行きたいのと、なのに心が躍りかけてる自分が嫌なのと、全部ひっくるめて
機嫌が悪い。最悪の気分だ。
妹「ほかの人に言えばよかったんじゃん」
姉「そんなのほかの人になんて相談できない……」
妹「私ならいいっての?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:37:02.48 ID:10mKoBRk0
一体私という存在はどんなふうに見られているのか。
こういうとき、素直に「私って特別なんだ!」みたいに思えたら私はもっと別の明るい人生を
歩んでいたのかも知れないけど、そんなことを考えられるほど私の頭はハッピーじゃない。
姉「妹ちゃんなら良かったっていうか……妹ちゃんが良かったっていうか……」
妹「意味わかんない」
姉「……もう、わかってよう」
妹「わかんない」
姉「妹ちゃんと話す口実もあるの……」
妹「……」
32 :
ミス:2011/05/07(土) 17:37:50.65 ID:10mKoBRk0
>>31 一体私という存在はどんなふうに見られているのか。
こういうとき、素直に「私って特別なんだ!」みたいに思えたら私はもっと別の明るい人生を
歩んでいたのかも知れないけど、そんなことを考えられるほど私の頭はハッピーじゃない。
姉「妹ちゃんなら良かったっていうか……妹ちゃんが良かったっていうか……」
妹「意味わかんない」
姉「……もう、わかってよう」
妹「わかんない」
姉「妹ちゃんと話す口実でもあるの……」
妹「……」
糞すれ
しえn
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:49:42.04 ID:10mKoBRk0
だから、どうして今更そんなこと。
バカじゃないの、と吐き捨てたくなる。そのくせ少し嬉しいと感じてしまうなんて。
妹「……あっそ」
姉「ん……でも本当に、どうしようっていうのも本当で……」
妹「……」
日本語がおかしい。
いつでもこの人はおかしいけれど今日はもっと。よっぽど動揺している証拠だ。
けれど私だって、人の恋路になんて何も言えないし、どうすることもできないのだ。
特に、この人に告白したのが私と同じ女の子なのなら――
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:52:13.64 ID:x2Fs8xbm0
とりあえず落ち着け
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:53:12.53 ID:10mKoBRk0
どうすることもできないんじゃなく、どうしたくもない。
吐き気がする。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い……。
いっそ姉もそう言ってくれれば私は少しでも楽になれるのに。
妹「そんなに悩むんなら断ればいいじゃん。どうせ向こうは本気じゃないでしょ?」
姉「……」
妹「……友達だっけ、その人」
姉「うん……」
姉に告白したのが姉の友達だとしたら、よけいに冗談として済ませばいいのに。
変なところで不器用なのだ、この人は。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/07(土) 17:57:58.62 ID:10mKoBRk0
妹「……いっそ付き合っちゃえばいいのかもね」
姉の様子に、いらっとする。
どうして迷うんだろう。誰から告白されたってその場で「ごめんなさい」と言ってる癖に。
どうして今回に限ってそんなに迷う必要があるんだろう。
姉「付き合う……?」
妹「告白って、そういうことでしょ」
姉「……それはそうだけど」
しえ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
困惑気味の姉の声。
いつも自信満々なのに、時々見せるこの表情が下級生から上級生までを虜にする――
なんて誰かが言っていた気がする。
妹「だいたい、相手友達……しかも女」
姉「うん」
妹「それに抵抗、ないの?」
ずぐり。
心臓の辺りを鷲掴みされるような、この鈍い痛みを久しぶりに感じながら私は出来るだけ
静かに訊ねた。
ここで声を荒げたりしちゃだめだ。静かに、静かに。
姉「……」
妹「ねえ」
姉「……わかんない」