希望を抱くのが間違いだなんて言われたら

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(アニメの最終話に)希望を抱くのが間違いだなんて言われたら私、
そんなのは違うって、何度でもそう言い返せます。
きっといつまでも言い張れます。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:44:30.96 ID:ePEC2y7Z0
人の歩みを止めるのは絶望ではなく諦め
人の歩みを進めるのは希望ではなく意思
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:45:15.33 ID:KKuXT1zi0
とりあえずまどマギの11、12話がどんなだったら満足だったか自分なりに考えてみた。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:46:00.11 ID:KKuXT1zi0
■ 11話 「最後に残った道しるべ」

【まど部屋】

まどか「さやかちゃんも、杏子ちゃんも死んじゃった」

QB「意外な展開ではないよ」
QB「予兆はずいぶん前からあった」

まどか「全部私のせいよ」
まどか「私がウジウジしていたせいで、みんなに何もしてあげられなかったから」
まどか「私がみんなの本当の気持ちに気づかなかったから」
まどか「みんな死にたくは無かったはずなのに」
まどか「みんな本当の心を忘れて、迷子になってただけなの」
まどか「私が、そっちじゃないよって引き止めなきゃいけなかったの」
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:46:43.28 ID:KKuXT1zi0
QB「なぜまどかが自分を憎悪するんだい?」
QB「自分の判断ミスを後悔して他者を憎悪したりするかと思えば、他者の判断ミスを後悔して自分を憎悪する」
QB「まったく人間の価値基準というのは理解に苦しむよ」

まどか「価値基準とかどうでもいい!」
まどか「それが友達を思う気持ちなの!」

QB「それが感情ってやつかい?」

まどか「そうよ!当たり前じゃない」
まどか「ずっとあの子達を見守りながら、あなたは何も感じなかったの?」
まどか「みんながどんなに辛かったか、分かってあげようとしなかったの?」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:47:24.19 ID:KKuXT1zi0
QB「それが僕たちに理解できたなら、わざわざこんな星まで来なくても済んだんだけどね」
QB「僕たちの文明では感情という現象は極めて稀な精神疾患でしかなかった」
QB「だから君たち人類を発見したときは驚いたよ」
QB「全ての個体が別個に感情を持ちながら共存してる世界なんて、想像だにしなかったからね」

まどか「あなたちなんて、この星に来なければ良かったのよ」

QB「おいおい」
QB「前も言ったように、長い目で見ればこれは人類にとっても得になる取引だと思うんだけどなぁ」
QB「人類が将来宇宙に進出するとき、枯れた宇宙しか残ってなかったら困るだろう?」

まどか「勝手なこと言わないで」
まどか「宇宙をどうするかは、そのときまでに人類が考えるから」
まどか「あなたたちの勝手でこれ以上私たちをかき回さないで」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:48:14.02 ID:KKuXT1zi0
【ほむホーム】

ほむら「ごめんね、わけ分かんないよね」
ほむら「気持ち悪いよね」

ほむら「まどかにとっての私は、出会ってからまだ一ヶ月もたっていない転校生でしかないものね」
ほむら「だけど私は、私にとってのあなたは……」
ほむら「繰り返せば繰り返すほど、あなたと私が過ごした時間は、ずれていく」
ほむら「気持ちもずれていく。言葉も通じなくなっていく」
ほむら「たぶん私はとっくに迷子になっちゃってたんだと思う」
ほむら「あなたを救う、それが私の最初の気持ち」
ほむら「今となっては、たった一つだけ最後に残った道しるべ」
ほむら「分からなくてもいい」
ほむら「何も伝わらなくてもいい」
ほむら「それでもどうか、お願いだから、あなたを私に守らせて」
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:48:58.40 ID:KKuXT1zi0
まどか「ほむらちゃん!」
まどか「何も伝わらなくてもいいなんて、そんなの嘘だよ」
まどか「ほむらちゃんの言ってる事、全然分からないよ」
まどか「どうしてほむらちゃんはそこまで私のことを守りたいの?」
まどか「もっとほむらちゃんのことを教えてよ!」

ほむら「私はね」
ほむら「あなたを助けたいと願って魔法少女になったの」

まどか「え?」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:49:57.66 ID:KKuXT1zi0
まあ、とりあえずこんな感じで、けっこうもともとのセリフは流用してます(11話はとくに)

12話がまだ全部は完成してないので、飯でも食いながらちょっと書き溜めてきます
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:54:10.28 ID:KKuXT1zi0
まどか「もしほむらちゃんが、私だけ助かればそれでいいと」
まどか「今でもそう思ってるなら、ほむらちゃんの気持ちは受け取れない」
まどか「私は私だけ助かればいいなんて思わない」

ほむらは泣きながらその場に崩れ落ちた。

まどか「キツい言い方になっちゃってごめん」
まどか「ほむらちゃんとは本当の友達になりたいから」
まどか「だからこそ、私はほむらちゃんにちゃんと本当の気持ちを伝えたかったから」
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:54:53.35 ID:KKuXT1zi0
ほむらは泣きながらその場に崩れ落ちた。

まどか「キツい言い方になっちゃってごめん」
まどか「ほむらちゃんとは本当の友達になりたいから」
まどか「だからこそ、私はほむらちゃんにちゃんと本当の気持ちを伝えたかったから」

ほむら「ごめんなさい……」
ほむら「本当に、ごめんなさい……」
ほむら「私は何も分かってなかった」
ほむら「私はまどかを守りたかったんじゃなくて、まどかを守りたい私を守りたかったのよね」
ほむら「だから、まどかはもうこんな私のことは忘れて」

まどか「ほむらちゃん……」
まどか「私はほむらちゃんの気持ちは分かったよ」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:55:49.63 ID:KKuXT1zi0
ほむら「もういいの!放っといて!」

まどか「誰にも相談できなくて、たまたまちょっと遠回りしちゃっただけで」
まどか「ほむらちゃんは本当は私と友達になりたかったんだよね」

ほむら「もうやめてッッ!」

まどか「ほむら……ちゃん?」

ほむら「すぐにここから出てってッ!」
ほむら「もう二度と私の前に姿を現さないで」

まどか「…………」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:56:56.09 ID:KKuXT1zi0
【まど部屋】

どうやって家まで帰りついたのか全く分からなかった。
気づいたらまどかは自分のベッドに突っ伏して、涙も枯れるまで泣きつくした。

まどか(私、ほむらちゃんにひどいこと言っちゃったかな)
まどか(でも、本当の気持ちを伝えずに終わるのだけは嫌だ)
まどか(これでよかったんだよね)

QB「つくづく人間の感情というのはわけが分からないよ」

まどか「また来たのね」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 11:57:48.41 ID:KKuXT1zi0
QB「君たちはしばしば、対話という名の情報の交換を相手に求めるけれど」
QB「求めておきながら、それはほぼ必ず決裂によって最後を迎える」
QB「情報の交換がそんなに都合の悪いことなのかい?」
QB「ましてや、今回は」
QB「まどかを守るために生きることを決心した暁美ほむらが、自分からまどかのことを拒絶するなんて」
QB「理解の範疇を全く超えているよ」

まどか「あなたには分からないでしょうね」
まどか「分かってもらいたくもないけど」

QB「暁美ほむらが今夜を乗り切れるかどうか、注目だね」
QB「彼女にとっての希望は、君を守ることそのものだ」
QB「彼女はその希望だけを頼りに戦い続けてきた」
QB「その彼女が、君を拒絶してしまったことで」
QB「それまでの全ての戦いが無意味だったと諦めてしまったら」
QB「暁美ほむらは絶望に負けて、グリーフシードへと変わるだろう」
QB「遅かれ早かれそうなるのさ」
QB「そのタイミングが少しばかり早まるかどうかでしかない」

まどか「……」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:01:31.50 ID:KKuXT1zi0
QB「明日、ワルプルギスの夜が来るよ」

まどか「!」

QB「その前に暁美ほむらが脱落する可能性が出てきたのは想定外だったけれどね」
QB「いずれにしても僕は君の活躍には期待しているよ」
QB「それじゃあまどか、また明日」

まどか(私、どうすればいいんだろう……)

(まど母「なら、間違えればいいさ」)
(まど母「正しすぎるその子の分まで」)
(まど母「誰かが間違えてあげればいい」)
(まど母「ずるい嘘ついたり」)
(まど母「怖いものから逃げ出したり」)
(まど母「でも、それが後になってみたら正解だったって分かることがある」)

まどか(私は今まで、友達の言うことを全部正しいと思って受け入れるのが、友達のためと思ってた)
まどか(でもそれじゃだめだったんだ)
まどか(どんな手を使ってでも、だめなものはだめと引き止めなきゃいけなかったんだ)
まどか(こんどこそ、私はほむらちゃんを止めなきゃいけない)
まどか(ほむらちゃんの前で魔法少女になってでも)
まどか(後になって、それが正解だったときっと分かってくれるはず)
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:04:36.07 ID:KKuXT1zi0
【まど部屋】

『コンコンコン』

まど母「まどか!起きろ!」
まど母「たった今、市から避難指示が発令されたわ」
まど母「詳細は良く分からないけど、巨大な竜巻が近づいてるらしい」
まど母「みんなで市立体育館へ避難するから、今すぐ準備しな!」

まどか(QBの言うとおり、とうとう来るんだ、ワルプルギスの夜……)
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:05:19.55 ID:KKuXT1zi0

【避難所】

避難所に着いてから、まどかはほとんど家族と話さず
何時間も一人で何かを考え込んでいた。

まど母「まどか、どうした?」
まど母「ずっと塞ぎ込んじゃって、大丈夫か?」
まど母「異常気象はたしかに怖いけど」
まど母「この市立体育館は最新の設備で災害対策も十分だって聞くし」
まど母「それにいざとなれば、私とパパが一緒だからな」
まど母「もっと元気出せって」
まどか「ママ……」

まどか(やっぱり、私ほむらちゃんのところに行かなきゃ)
まどか(ほむらちゃんは私のことを絶対に信じてくれる)
まどか(でもその前に、ちょっとトイレに……)

まどかはスッと立ち上がった。

まど母「ど、どうした?まどか?」
まどか「ちょ、ちょっとトイレに」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:06:13.90 ID:KKuXT1zi0

【踊り場】

トイレから戻る途中、まどかは階段の踊り場の手すりにキュウべぇがいるのに気づいた。

QB「暁美ほむらは一人でワルプルギスの夜と戦う決心をしたよ」
QB「まどかを拒絶した彼女がまた戦うことを決心したのは、正直予想外だったけどね」
まどか「ほむらちゃんが一人でも勝てるっていうのは本当?」
QB「それを否定したとして、君は僕の言葉を信じるかい?」
QB「今更言葉にして解くまでもない。君だって分かってるんだろう?」
QB「いざとなれば、この時間軸もまた無為にしてほむらは戦い続けるだろう」
QB「何度でも性懲りも無く、この無意味な連鎖を繰り返すんだろうね」
QB「もはや今の彼女にとって、立ち止まることと諦めることは同義だ」
QB「彼女自身も分かってるんだ」
QB「だから選択肢なんて無い」
QB「勝ち目のあるなしに関わらず、ほむらは戦うしかないんだよ」
まどか「希望を持つ限り救われない、と言いたいのね」
QB「そうさ」
QB「過去の全ての魔法少女と同じだよ」
まどか「いいえ、違うわ!」
まどか「私はほむらちゃんを絶望させない。絶対に助ける」
QB「それは、君が魔法少女になるということかい?」
まどか「そうよ」
まどか「だから、今からほむらちゃんの所へ行かなくちゃ」
まどか「だけど、その前に寄っておかなきゃいけないところがあるの」
まどか「ねぇ、キュウべぇ。少しだけ待って」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:07:04.47 ID:KKuXT1zi0
【避難所】

まどか「お父さん、お母さん」
まど父「……」
まど母「何だい?」
まどか「私、行かなくちゃいけないところがあるの」
まど母「こんな嵐の中、どこに行こうってんだい?」
まどか「私の大切な友達が、私の助けを必要としてるの」
まどか「だから助けに行かなくちゃ」
まど母「消防署にまかせろ。素人が手を出すな」
まどか「違うの!私だけしか助けられないの!」
まどか「今すぐ行かなきゃいけないの!」

『パシッ』

まど母「てめえ一人の命じゃねーんだ」
まど母「思い上がるのもいい加減にしろ」
まど母「そうやって何もできやしない子供が」
まど母「勝手やらかして周りがどれだk」

まどか「わかってる!」
まどか「私ね、昨日友達と喧嘩したの」
まどか「それでね、その友達が自暴自棄になっちゃって」
まどか「一人で嵐の中飛び出して行っちゃったの」
まどか「お互い本音をぶつけ合ったんだけど」
まどか「長らく心を閉ざしていたその子にはすぐに理解するのは難しかったみたいで」
まどか「だから今から助けに行かなきゃ」
まどか「私は今でも友達だよって言いに行かなきゃ」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:07:48.18 ID:KKuXT1zi0
まど母「それはまどかにしかできないのか?」

まどか「そうなの」
まどか「私の言うことしか聞き入れてくれないの、絶対」

まど母「その友達の居場所は分かってるのか?」

まどか「分かってる」
まどか「詳しくは言えないけど、絶対に分かるの」

まど母「詳しくは説明できないってか」
まど母「なら私も連れて行け」

まどか「だめ」
まどか「ママはパパとタツヤの傍にいて、二人を安心させて」

まど母「ッ!」

まどか「私だって、ママのこと、パパのこと大好きだから」
まどか「どんなに大切にしてもらってるか知ってるから」
まどか「自分を粗末にしちゃいけないの、分かる」
まどか「友達を説得して安全なところに連れ戻すだけだから」
まどか「私は絶対に無事に戻ってくる」

まど母「絶対に下手打ったりしないな」
まど母「携帯はちゃんと繋がるようにしておくこと」
まど母「ちゃんと定期的に電話すること」
まど母「ちょっとでも危なかったらすぐ引き返して戻って来ること」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:08:31.46 ID:KKuXT1zi0

【対ワルプル戦】

ほむら「何度やっても、あいつに勝てない!」

ほむらは時間操作の盾に手を伸ばした。

ほむら(ッ!)
ほむら(繰り返せば、それだけまどかの因果が増える)
ほむら(まどかの苦しみを増やし、友達を何度も見捨てて)
ほむら(結局私のやってきたことは、結局……)

ほむらは時間操作の盾から手を離した。
穢れが彼女のソウルジェムをどんどん支配していく。
ほむらが全てを諦めかけたとき、まどかがほむらの手を握った。

まどか「もういい、いいんだよ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか?」

まどかはほむらに向かってニコっと笑いかける。

ほむら「まどか、ごめんね」
ほむら「本当にごめんね」
ほむら「私のやってきたことは全て独りよがりだったの」
ほむら「私は結局何も守れなかった」
ほむら「でも、最後にまどかに謝ることだけでもできて本当に良かった……」
ほむら「まどか……」
ほむら「さようなら……」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:09:12.23 ID:KKuXT1zi0
まどか「それは違うよ、ほむらちゃん!」
まどか「ほむらちゃんは私の友達だよ」
まどか「その友達が死んじゃったら私が悲しむんだよ」
まどか「ほむらちゃんが諦めて死んじゃうなんて、そんなことは私が絶対に許さない」

まどかは立ち上がった。
ほむらがまどかの足元を見ると、キュウべぇがいた。

ほむら「まどか……?」
ほむら「まさか!」

まどかは振り返って言った。

まどか「私、魔法少女になる」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:10:27.42 ID:BZObntQz0
虚淵に失礼だろ
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:12:36.59 ID:KKuXT1zi0
まどか「私、魔法少女になる」

ほむら「そんな……」

まどか「私がやっと見つけ出した答えがあるの」
まどか「信じて」
まどか「絶対に今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」

ほむら「まどか…」

QB「数多の世界の運命を束ね、因果の特異点となった君なら」
QB「どんな途方も無い望みだろうと叶えられるだろう」

まどか「本当だね」

QB「さあ、鹿目まどか」
QB「その魂を対価にして君は何を願う?」

まどか「私……」

スゥーーー

まどか「全ての『奇跡』を、生まれる前に消し去りたい」
まどか「全ての宇宙、過去と未来にあなたたちによってもたらされた全ての奇跡とその代償を」
まどか「この手で!」
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:13:17.77 ID:KKuXT1zi0
QB「その祈りは、そんな祈りが叶うとすれば、それは時間干渉なんてレベルじゃない」
QB「因果律そのものに対する反逆だ!」

QB「ハッ……君は本当に神になるつもりかい!?」

まどか「神様でもなんでもない」
まどか「今日まで希望を信じて生きてきたみんなを、私は泣かせたくない」
まどか「最後まで笑顔でいてほしい。ただそれだけ」
まどか「それを邪魔するルールなんて、壊してみせる、変えてみせる」
まどか「これが私の祈り。私の願い」

まどか「さあ!叶えてよ、インキュベーター!」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:13:30.75 ID:chWp13a20
ふ→き→ん→し→ん 完成で最高に不謹慎なラスト
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:14:06.22 ID:KKuXT1zi0
【まどかが改変中の宇宙】

ほむら「ハッ……」

ほむら「ここは……?」

QB(まどかの願いによってもたらされた新しい『事実』に矛盾しないよう、宇宙が再編されているんだよ)
QB(そうか。君もまた、時間を越える魔法の使い手だったね)
QB(一緒に見届けようか。まどかの願いの結末を)

まどか(ほむらちゃん)

ほむら「まどか……?」
ほむら「その声はまどかなのね?どこにいるの?」

まどか(こんなところに居ちゃだめ。今すぐほむらちゃんは元の世界に戻って!)
まどか(もうすぐほむらちゃんは普通の女の子に戻る)
まどか(そのときにまだこの空間から抜けられてなかったら)
まどか(ほむらちゃんの存在は時空の狭間に消えてなくなっちゃうよ)

ほむら「でも、まどかは」
ほむら「まどかはどうなっちゃうの?」

まどか(私は大丈夫。新しい宇宙にも私は絶対にいるよ)
まどか(新しい宇宙でも私とほむらちゃんは絶対に友達だよ)

QB(戻ったところで、その先がどんな宇宙になっているかは分からないよ)
QB(僕たちが干渉して引き起こした奇跡が無かったら、人類の歴史がどのようなものになっているか)
QB(僕たちにもそれは予測できない)
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:15:52.37 ID:KKuXT1zi0
まどか(大丈夫だよ)
まどか(奇跡なんて無くても、絶対に、みんな絶対に幸せになれる)

ほむら「ウッ……グスン……」

まどか(ほむらちゃん!)
まどか(間に合わなくなってからじゃ遅いの!)
まどか(早く!!!)

ほむら「まどかぁぁぁぁぁ!!!!」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:16:34.05 ID:KKuXT1zi0
【まど部屋】

よく晴れた心地よい朝。
まどか目を覚ました。

まどか「ふぇ?」
まどか「夢……?」

まどかの手の中にはソウルジェムがあった。


【まど家ダイニング】

まど母「おい、まどか。さっさと食べないと遅刻だぞ」

まどか「ウッ……ウッ……グスン……」

まど父「ま、不味かったかな?」

まどか「ううん、美味しいの。すごく美味しい」
まどか「生きてると、パパのご飯が、こんなに美味しい」

まど父「まどか、いきなりどうした?」

まど母「今朝からなんかおかしいのよ」
まど母「さっき私を起こしに来たときもいきなり抱きついてきて泣き出すし」

まどか「な、何でもないの。大丈夫」
まどか「ちょ、ちょっとね」
まどか「怖い夢見ちゃっただけ」
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:17:14.54 ID:KKuXT1zi0
【通学路】

まどか「おはよう〜」
まどか「さやかちゃん〜〜〜」

さやか「おいおい、いきなりどうした?」
さやか「ってかいきなり抱きつくなって」

まどか「さやかちゃん、会いたかったよ〜」 スリスリ

さやか「や、やめろよぉ」
さやか「今朝のまどか、ちょっと変だぞ」
さやか「そんないけない子にはこうだ〜」

コチョコチョコチョ

まどか「や、やめてよぉぉ」
まどか「ウェヒヒヒヒ」

仁美「お二人とも、さっきからどうしたんです?」
仁美「様子が変ですわ」
まどか「ま、まぁ、ちょっといろいろあって」
さやか「え?なんかあったか?」

仁美「まぁ!私が知らないうちにそこまで急接近だなんて」
仁美「でも、いけませんわお二方。女の子同士で」
仁美「それは禁断の恋の形ですのよおおぉぉぉ〜」


さやか「バッグ忘れてるよ〜」
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:17:56.49 ID:KKuXT1zi0

【教室】

先生「はい、あとそれから、今日は皆さんに転校生を紹介します」
さやか「そっちが後回しかよ」
先生「じゃあ、暁美さん、いらっしゃい」

バタン

先生「暁美さん?」
先生「暁美さん、大丈夫!?」

…………

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

ほむらはまどかにチラっと目配せした。

先生「暁美さんは心臓の病気でずっと入院してたの」
先生「緊張しすぎたり、激しい運動したりすると、さっきみたいに貧血になって倒れちゃうことがあるの」
先生「みんな助けてあげてね」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:18:37.73 ID:KKuXT1zi0
【校庭】

生徒A「登場早々、緊張しすぎて倒れちゃうってやばいよねぇ」
生徒B「でもさっきの数学の時間、みんなの前でスラスラ問題を解いたときは驚いたけどねぇ」
生徒C「メンタルが弱いのか強いのかどっちなんだよっていうねw」
生徒B「でも、やっぱり体育はだめみたいね」
生徒C「半年もずっと寝てたんだから仕方ないんじゃない?」
生徒A「まあ、体育は病院じゃ勉強できないもんね」
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:19:25.55 ID:KKuXT1zi0
【通路】

まどか「ほむらちゃん?」
まどか「私のこと覚えてるよね?」
ほむら「もちろんよ」
まどか「良かった〜」
まどか「見た目が全然変わっちゃったから、別人かと思っちゃったよ」
ほむら「前は魔法で肉体を強化してただけ」
ほむら「だから今は眼鏡も要るし、髪型もそれに合わせた」
まどか「こっちのほむらちゃんもすごく可愛いよ!」
ほむら「や、やめてよ///」
まどか「最初私に会ったときってこんな感じのほむらちゃんだったの?」
ほむら「ええ、そうよ。喋り方以外はね」
ほむら「喋り方だけはもうこっちのほうに慣れきっちゃったから」
まどか「そうなんだ〜」

まどか「ほむらちゃん、保健室ここだから」
まどか「って、知ってるよね。エヘヘ」
ほむら「昼休み、ちょっといいかしら。話がある」
まどか「もちろんだよ」
まどか「じゃあ、そろそろ私は校庭に戻るね。またあとでね」
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:20:10.64 ID:KKuXT1zi0
【屋上】

ほむら「教室でまどかの姿を見つけたとき、本当にうれしかった」
ほむら「うれしすぎて、全身の力が抜ちゃって、気づいたときには廊下で倒れてたようだけど」
まどか「それだけ私のことを心配しててくれたってことでしょ。ありがとう」
ほむら「い、いや、そんな///」
まどか「エヘヘ」
ほむら「それにしても……結果オーライとはいえ、本当に危なかったわ」
ほむら「全ての奇跡を消し去ったら、奇跡の結果、魔法少女になるあなたは存在できない」
ほむら「永遠に概念の領域に取り残される危険性もあった」
ほむら「この世界に戻って来られたのは奇跡としか思えない……」
まどか「奇跡、ね……」
まどか「私は、この私の手で全ての奇跡を消し去りたいって願ったの」
まどか「つまり、消し去る奇跡の中に、私が魔法少女になることだけは含まれていない!」
ほむら「!!」
ほむら「まさかそこまで考えてたとは……」
まどか「まあ、だから今でも私は魔法少女のままなんだけどね」
まどか「ほら、これが私のソウルジェム」
ほむら「え?」
ほむら「そんな……」
まどか「ほむらちゃん、大丈夫だよ」
まどか「今この世界には魔女もいないから、私が魔女に負けて命を落とす心配も無い」
まどか「あとは私が絶望しなければいいだけだよね」
ほむら「でも、身体を操作するだけでも、少しずつ魔力は消耗していくのよね」
まどか「そんなのは私ほどの魔力があれば無視できるレベルだよ」
まどか「なんてね、エヘヘ」
ほむら「そ、そうかもしれないけど……まどかはそれでいいの?」
まどか「いいよ。私は、人間でも魔法少女でも、どっちでもいいよ」
まどか「友達と、家族と、みんなと楽しく暮らせればそれだけで幸せかな、って」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:20:51.48 ID:KKuXT1zi0
【喫茶店】

さやか「あの転校生って、まどかの知り合い?」
まどか「え?なんで?」
さやか「いや、なんか自己紹介のとき、あいつまどかに目配せしてたし」
仁美「体育の途中で貧血になって保健室に行く途中も仲よさそうに話してらっしゃいましたわよね?」
まどか「常識的には初対面なんだけどね……」
さやか「何それ?非常識なところで心当たりがあると?」
まどか「い、いや、なんと言うか……別の世界で会ったことがある気がするというか……」
さやか・仁美「アハハハハハハ」
さやか「あ〜もう決まりだぁ、前世の因果だわ」
さやか「あんたたち、時空を超えて巡り会った運命の仲なんだわ」

まどか(冗談のつもりかもしれないけど、それ全然間違ってないよ)
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:21:34.16 ID:KKuXT1zi0
【CDショップの前の通り】

さやか「でさぁ〜恭介ったら」
まどか「うんうん」

キキキーーーーッ

まどか「あれ?」
さやか「大変!猫が自転車に轢かれて怪我してる」
まどか「この子、助けなきゃ……」

ほむら「近くに動物病院があるわ。すぐに連れて行きましょう」
さやか「あ、転校生!いつの間に」

マミ「あら、あなたたち、見滝原の生徒みたいね?」
マミ「どうかしたの?」

さやか「あの、さっき猫が自転車n」

マミ「あら!キュウちゃん!どうしちゃったの!?」

まどか「さっき自転車に轢かれちゃって怪我したみたいなんです」
ほむら「近くに動物病院があるので、すぐに連れて行きましょう」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:22:15.07 ID:KKuXT1zi0
【動物病院】

マミ「もう大丈夫みたい。2、3日入院すれば退院できるって」
マミ「キュウちゃんは私の大切な友達なの」
マミ「キュウちゃんを助けてくれてどうもありがとう」
さやか「いえいえ、私たちは何も」
マミ「そうそう、自己紹介しないとね」
マミ「私は巴マミ、あなたたちと同じ見滝原の三年生。あなたたちは二年生?」
まどか「はい、みんな同じクラスです。私は鹿目まどか」
さやか「私は美樹さやか」
ほむら「暁美ほむらです」
マミ「せっかくだから、続きは私の部屋でどう?何かお礼もしなくちゃいけないしね」
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:22:43.90 ID:H3QNcp37O
これが愛なんだな
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:22:57.39 ID:KKuXT1zi0
【マミ家】

まどか「マミさん、すごく美味しいです」
さやか「めっちゃうまいっすよ!」
ほむら「おいしい」
さやか「そういえば、マミさんってこんな素敵なお部屋に独りで住んでるんですか?」
まどか「さやか!」
まどか「すみません、失礼なことを聞いちゃって」
マミ「いえ、いいのよ」
マミ「私は小さいころ交通事故で両親を亡くしたの」
マミ「私も生死をさまようほどの重症だったんだけど、何とか助かったわ」
マミ「今は遠い親戚しか残ってなくて、一人でこの部屋に住んでるの」
マミ「だからキュウちゃんだけが私の心の支えだったわ」
マミ「今日は、トリマーさんのところに連れて行く途中」
マミ「ちょっと目を放した隙に、ケージから飛び出して行っちゃったみたいで」
マミ「いつもはおとなしい子なんだけどね」
さやか「失礼な聞いちゃってすみません……」
マミ「いいのよ、私はもう全然過去のことは気にしてないから」
マミ「それにね、私、今日からもう一人ぼっちじゃないもの」
マミ「私……三人の友達になってもいいよね?」(涙目)
まどか「わ、私たちなんかでよければ喜んで!」
さやか「お安い御用よ!」
ほむら「よろしくお願いします」
マミ「みんなありがとう!」
マミ「あ〜うれしくてなんだか体が軽い……」
マミ「こんな幸せな気持ちで紅茶を飲むなんて初めて」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:23:55.95 ID:KKuXT1zi0
【恭介の病室】
ガッシャーン

恭介「動かないんだ。もう痛みさえ感じない。こんな手なんて!」
さやか「大丈夫だよ、きっとなんとかなるよ」
さやか「諦めなければ、きっといつか」
恭介「諦めろって言われたのさ」
恭介「もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ、今の医学じゃ無理だって」
恭介「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもない限り治らない」
さやか「奇跡……魔法……?」
恭介「ああ、そうだよ。あるわけないだろ?奇跡も魔法も」
さやか「だからって、もう自分のことを傷つけないで」
さやか「私、恭介が傷つくところをもう見たくないの」
恭介「同情のつもりか?」
恭介「僕の体なんてどうでもいいんだよ!」
恭介「演奏できない僕なんか、生きてても何の価値も無いんだよッ!」

恭介はさやかを突き飛ばした

さやか「きょ、恭介……」

恭介「ハァ…………ハァ……ハァ」
恭介「正直、今まで迷惑だったんだ」
恭介「手足が自由に動かせる君にやさしくされると」
恭介「なんだか同情されてるみたいで惨めな気持ちになるんだよね」
恭介「自由に動き回れる君には、どうせ僕の気持ちなんて分からないんだろうね」

さやか「ち、違うの、恭介。私はただ恭介のことが」

恭介「うるさいな!もう僕に関わらないでくれ!もう二度と」
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:24:42.03 ID:KKuXT1zi0
【通学路】

仁美「今日はさやかさんはいらっしゃらないみたいですね。お休みなんでしょうか?」
まどか「う、うん、どうしたんだろうね」
ほむら「嫌な予感がするわね」

まどか(さやかちゃん、恭介君と何かあったのかな……)

………………

【さやかのマンション入り口】

まどか「え?今朝学校に行ったっきりまだ帰ってきてないんですか」
まどか「はい、えっと、わかりました」
まどか「はい、失礼します」

まどか「さやかちゃん、今朝学校に行くって出てったきり、帰ってないみたい」
ほむら「分かった。手分けして探しましょう」
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:25:23.46 ID:KKuXT1zi0
【繁華街】

まどか「ハァ……ハァ……ハァ」
まどか「さやかちゃん、どこ?」

ドン

杏子「ったく、どこ見て歩いてんだぁ?おい?」
まどか「きょ、杏子ちゃん……」
杏子「あん?あんた誰だ?なんでアタシの名前知ってんだよ?」
まどか「ごめん、今急いでるの」

ダッ

杏子「おい、待てったら!」

………………

杏子「で、その青い髪の子って、あんたと同じ制服の子?」
杏子「それらしい子なら、さっき電車で見たぜ」
まどか「電車……まさか!?」
まどか「それなら○○駅かもしれない!」
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:26:05.37 ID:KKuXT1zi0
【駅】
チンピラA「ったく、大人をなめんのもいい加減にしろよ!」 ドスッ
チンピラB「なぁにが『あんたを喜ばせたくてがんばってたんでしょ』だ?」 ボコッ
チンピラA「てめえみたいなガキが大人の世界に首突っ込んでんじゃねーよ!」 ドスッ

まどか「ぁあ!」
まどか「さ、さやかちゃん!」
杏子「おい、待てって」
まどか「でも、さやかちゃんを助けなきゃ」
杏子「あんたが行ったってどうしようもないだろ」
まどか「じゃ、じゃあ、今すぐ警察に電話しなきゃ」
杏子「その必要は無いぜ。アタシにまかせときな」

杏子「今すぐその子から離れなぁ」

チンピラA「はぁ?お前何?」
チンピラB「こいつの友達?」

杏子「聞こえなかったのかい?痛い目見たくないんだったら今すぐその子から離れなぁ」

チンピラA「やるってか?ガキ相手だからって手加減しねーぞ」
チンピラB「大人をなめんなよ!」

杏子「ったく、忠告はしたからな」
杏子「おらぁぁ」

ドスッ、ガキンッ、ボコッ

チンピラA「い、痛てぇ……」
チンピラB「に、逃げろ」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:26:46.37 ID:KKuXT1zi0
まどか「さ、さやかちゃん!!!」
さやか「ま…………、ま………ど……か……?」
まどか「大丈夫?今救急車を呼んでるからね」
さやか「わ……わた…し…」
まどか「しゃべらなくていい」
さやか「きょ…恭介…の…こ…と……ず…っ…と…傷…つ…け…て…た…み…た…い……」
まどか「それは後でいいから。どうか今は安静にしてて」
さやか「み…ん……迷惑…ばかり……て…ウザ……られ……たん……よね…」
さやか「こ…ん………私……こ…のま…死ん……っ…た…う…が…」

パシッ

まどか「そんなことない!」
まどか「私も、他の友達も、さやかちゃんの家族も、みんなさやかちゃんが死んだら悲しむんだよ」
まどか「だから自分の命を粗末にしないで。簡単に死ぬなんていわないで」
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:27:30.84 ID:KKuXT1zi0
【病院】

医者「全治二週間といったところですね。命に別状はありません」
医者「4,5日ほどは治療のため入院が必要でしょう。その後もしばらく通院してもらうことになります」
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:28:16.72 ID:KKuXT1zi0
【さやかの病室】

コンコン

まどか「さやかちゃん!まどかだよ」
ほむら「暁美です」
さやか「ああ、二人とも入って〜」

まどか「さやかちゃんが無事で本当に良かった」
さやか「一昨日は死んでもいいなんて言って本当にごめん」
さやか「あまりの自分勝手さに自己嫌悪だわ〜」
まどか「私も叩いたりなんかしてごめんね」
さやか「いいって、いいって。私が悪いんだから」
さやか「ほむらも、一緒に探してくれてたんだって?」
さやか「私の勝手でいろいろ迷惑かけちゃってごめん」
ほむら「いいの。当然のことをしたまで」
まどか「退院できるのはいつぐらいになりそう?」
さやか「ママが言うには、3日後には退院できるって」
さやか「学校も、二週間ぐらいすれば行けるようになるかな」
まどか「そっか。早く学校で会えるといいね」
まどか「そういえば、さやかに紹介したい人がいるの」
まどか「杏子ちゃん、入って」
杏子「や、やあ」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:28:38.25 ID:Z2vkTxRAO
しえん
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:28:58.11 ID:KKuXT1zi0




まどか「杏子ちゃんってすごく強いんだね」
杏子「まあね。あれぐらいじゃないとこの世の中、一人じゃ生き残れないっての」
さやか「一人?」
杏子「ああ、アタシの親父はまともな職に就けず飲んだくれてばっかでさ」
杏子「貧乏生活が嫌になって、家を飛び出したんだ」
杏子「それからアタシは保護施設を転々としながら好き勝手生きてんのさ」
杏子「いわゆるストリートチルドレンってやつ?」
杏子「時には盗みもするさ。決して褒められた生活じゃないよ」
さやか「そうなんだ、ごめん……」
杏子「いいっての。アタシは全然気にしてねーから」
杏子「それにしても、その恭介ってやつ」
杏子「暴言吐いた上に女の子に暴力を振るうなんて、とんでもねー男だな」
さやか「い、いや、私が悪いの」
杏子「恭介ってやつ、この病院にいんだろ?」
杏子「いっちょアタシがぶちのめしてきてやろうか?」
まどか「きょ、杏子ちゃん。そんなのはだめだよ」
杏子「ぶちのめすってのは冗談だけどさ、説教ぐらいはしてやんねーとな」
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:30:39.93 ID:KKuXT1zi0
【恭介の病室】

杏子「あんたさぁ?」
杏子「さやかに、同情されてるみたいで惨めだとか言ったんだって?」
杏子「ああ、惨めだね。すごく惨めだね」
まどか「きょ、杏子ちゃん。ここ病室だからね、もうちょっと静かにね、ね」
杏子「アタシから見りゃ、恵まれた家庭があって、何不自由ない生活ができるのに」
杏子「片手が満足に動かないぐらいでクヨクヨしてるアンタみたいなやつ」
杏子「すごく腹が立つんだよね。ウゼェっての!」
恭介「初対面の君に何がわかるってんだよ」
杏子「じゃあアンタはさやかの何が分かるってんだい?」
杏子「さやかはさ、心からあんたのことを励まそうとして毎日のようにここに通ってたんだよ」
杏子「あんたにはそれが同情にしかみえないわけ?」
杏子「思い上がんのもいい加減にしな!」
杏子「もし、さやかにひどい事言って申し訳ないって反省する気持ちがあるなら」
杏子「同じ病院にいるんだから、お見舞いぐらい行って謝罪してきてやりな」
恭介「え?同じ病院って何のことだ?」
杏子「別にあんたのせいでさやかがケガしたなんて言うつもりはないけどさ」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:31:43.34 ID:KKuXT1zi0
【さやかの病室】

コンコン
仁美「仁美です」
さやか「入って〜」

仁美「怪我のほうは大丈夫ですの?」
さやか「ありがとう。おかげさまでもう全然大丈夫!」
仁美「無事で本当に良かったですわ」
さやか「おうよ」
仁美「あ、あの……」
仁美「さやかさん!私一人で来たのには理由があります」
仁美「実は、さやかさんに大事な話があるんです!」
さやか「大事な話って?」





仁美「あなたは私の大切なお友達ですわ」
仁美「だから、抜け駆けも横取りするようなこともしたくないんですの」
仁美「上条君のことを見つめていた時間は、私よりさやかさんの方が上ですわ」
仁美「だから、あなたには私の先を越す権利があるべきです」
仁美「私、明日の夕方上条君に告白します」
仁美「丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めてください。
仁美「上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:32:28.54 ID:KKuXT1zi0
【さやかの病室】

コンコン

恭介「恭介だけど、ちょっといいかな」
さやか「は、はい、もちろん」

恭介「この前は本当にごめん」
恭介「さやかの気持ちを全然考えないであんなこと言っちゃって」
さやか「大丈夫、もう全然気にしてないから」
恭介「おまけに怪我まで……」
さやか「いいのいいの、怪我は恭介のせいじゃないって。私がバカだっただけ」

恭介「……」
さやか「……」

恭介・さやか「あの……」

恭介「……」
さやか「……」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:33:10.88 ID:KKuXT1zi0
恭介「さ、さやかが先に」

さやか「も、もし迷惑じゃなかったら」
さやか「また恭介のお見舞いに行っていいかな?」
さやか「CDを届けるのは迷惑なんだよね、顔を見て話すだけでいいからさ」
さやか「私、また恭介と楽しく話がしたいんだ。また恭介の笑顔が見たいんだ」

恭介「迷惑なんてとんでもないよ」
恭介「僕こそ、迷惑じゃなかったらまた一緒にCDを聞きに来てくれないかな、って言おうと思ってたんだ」
恭介「あんな事言っちゃったからさ、もう二度とさやかは来ないのかと思ったら」
恭介「とたんに、さやかとの楽しかった日々を思い出しちゃってさ」
恭介「夕方に来たあの赤い髪の子、杏子さんっていうんだっけ」
恭介「あの子が、さやかがここにいる事を教えてくれて本当に良かった」
恭介「何度も謝ろうと思ってたんだけど、さやかの家まで行く勇気がなくて」
恭介「ハハハ、俺って本当意気地なしだな」

さやか「恭介、あのね」
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:33:52.44 ID:KKuXT1zi0
二週間後

【通学路】

まどか「おはよう〜ほむらちゃん!」
ほむら「おはよう、まどか。今日は仁美さんは一緒じゃないの?」
まどか「あ、実はね、杏子ちゃんの転入って今日からでしょ?」
まどか「それで少し早めに家を出て、迎えに行くことになってるの」
まどか「あ、それと、昨日メールがあったんだけど、さやかちゃんも今日から学校に来るみたいだよ」
まどか「えっと……確かこのあたりで待ち合わせだったはずなんだけど」

QB「やあ、はじめまして。鹿目まどか、暁美ほむら」

ほむら「キュ、キュウべぇ!?」

QB「いきなりの登場で驚かせちゃったかな」
QB「実は君たちに話したいことがあるんだ」
QB「鹿目まどか、君のソウルジェムはもうじき消滅するよ」

ほむら「!?」
まどか「え?」

QB「もっとも、君のソウルジェムが僕たちの設計したものと同一のものと仮定したとしたら、だけどね」

ほむら「ど、どういうことよ?」
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:34:34.42 ID:KKuXT1zi0
QB「君たちは僕たちのことをよく知っているようだから、詳しい説明は省くけど」
QB「僕たちは第二次性徴期の少女持つ希望が絶望へと変化するときのエネルギーを得るための研究をしていたのは知ってるね」
QB「鹿目まどか、君はもう希望と絶望をコントロールする術を身につけようとしている」
QB「つまり、分かりやすく言えば、少女から大人になるということだ」
QB「こうなっては僕らはお手上げだ。相転移のエネルギーを得る可能性は無くなる」
QB「そういうときのために、無意味になったソウルジェムは消滅するようになってるんだ」
QB「大人の魔法少女、という言葉が適切なのかどうかわからないが」
QB「とにかく大人の魔法少女に魔女をどんどん倒されると」
QB「それだけ魔法『少女』からエネルギーを得られるチャンスが減るってことだからね」
QB「そういう風に僕たちはソウルジェムを設計した」

まどか「まだキュウべぇはこの地球で少女を魔法少女にして回ってるの?」
ほむら「そんな……」

ほむらはあまりの衝撃に、自分の血の気が引いていくのが分かった。
倒れそうになるほむらをまどかが抱き支えた。
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:35:16.77 ID:KKuXT1zi0
QB「それは不可能だ」
QB「不可能だと知らされた、というほうが正確かな」

ほむら「え…?」

QB「僕たちはエネルギーを得るために地球へやってきた」
QB「だけど、何度やっても、奇跡は起こらなかったし、少女が魔法少女になることもなかった」
QB「僕たちの研究では、理論上はそれが可能という結論に至ったんだが」
QB「実際にはどうしてもうまくいかなかったんだ」
QB「奇跡なんて起こらないじゃないか、と何度も少女たちに罵倒されたよ」
QB「そんな中、鹿目まどかという存在を発見した。そのときは本当に驚いたよ」
QB「僕たちは何度やっても少女を魔法少女にすることができなかったのに」
QB「僕たちの計算したとおりの、想定したとおりの魔法少女がそこにいたんだから」
QB「鹿目まどか、暁美ほむら、君たちの意識と会話から、すぐに驚くべき仮説が導き出されたよ」
QB「鹿目まどかの手によって、奇跡が起こらないように宇宙のルールが書き換えられていた、とね」

ほむら「仮説じゃなくて、本当のことよ」

QB「だとしても、証明しようがないよ」
QB「君たちが言うように、宇宙のルールが書き換えられてしまったのだとすれば」
QB「今の僕らにそれを確かめる手段はないわけだし、君たちだけがその記憶を持ち越しているのだとしても」
QB「それは、君たちの頭の中にしかない夢物語と区別がつかない」

QB「まあ確かに、理論上は可能なはずの相転移が実際にはなぜ起こらないのか」
QB「また、鹿目まどかのソウルジェムがどのように生み出されたものなのか」
QB「その原理は僕たちにも解明できてない」
QB「その点君たちの考える宇宙改変の概念は、なかなか興味深くはある」
QB「それが事実だとすれば、僕たちはたった人類一個体を説得できなかったばかりに」
QB「簡単に解決できたはずのエネルギー問題に悩まされ続けることになったというわけだ」
QB「もしそうなら、今の僕たちならもう少しうまくやれたとおもうんだけどなぁ」
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:35:59.90 ID:KKuXT1zi0
ほむら「それはどうかしらね」
ほむら「種全体の損得や合理性だけじゃ説明できないのが人間の感情」
ほむら「それを理解できないあなたたちとの関係だって、かなり険悪だったし」

QB「ふうん」
QB「やっぱり理解できないなあ、人間の価値観は」

まどか「やっぱりキュウべぇはキュウべぇのままだぁ」
ほむら「クスクス」

QB「そういうわけで、そろそろ僕たちはこの星を去るよ」
QB「短い間だったけど、ありがとう」
QB「君たちと話せて非常に楽しかったよ、鹿目まどか、暁美ほむら」

さやか「お〜い、まどかぁ〜、ほむらぁ〜」
さやか「二人で何楽しそうにしてんのさ?」
マミ「そうですわ、面白い話なら私にも聞かせて下さるかしら?」
まどか「さやかちゃん、マミさん、急にびっくりした〜」
まどか「い、いや、大した話じゃないんだけどね……」
まどか「あれ、仁美ちゃんは一緒じゃないの?」
さやか「ああ、仁美なら今日は日直当番だから先に行くって」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:36:40.76 ID:KKuXT1zi0
杏子「よう!」
まどか「あら、杏子ちゃん」
杏子「今日から見滝原中に編入だ、よろしく」
杏子「なんかさ、ここ数ヶ月、親父が必死でアタシの居場所を探してたみたいで」
杏子「何だと思って会ってみたら、初心に戻ってまじめに働くから、戻ってきてくれないかって」
杏子「まあ、アタシとしても、根っから親父のこと嫌いだったわけじゃねーし」
杏子「今はまだ仕事探し中で、生活保護頼りだから、相変わらずの貧乏生活だけどな」
杏子「だから、アタシも心を入れ替えて、学校にも行って普通の生活を送ることに決めたよ」
まどか「よかったね、家族全員でそろって暮らせるのが一番だよ」
杏子「それにしてもあたいが制服着て、通学かぁ〜」
杏子「小学校以来、ずっと学校なんか行ってなかったから、なんか緊張すんな」
杏子「勉強とかついていけるかなぁ」
マミ「大丈夫よ、分からないところがあれば私が教えてあげるわ」
杏子「そういやさやか、あれから恭介とはどうなったんだよ?」
さやか「ま、まあ一応両思いになれたみたい?な感じ?」
杏子「なんだよそれ、どんな感じか全くわかんねーよ」
まどか「そうだ、杏子ちゃんの歓迎会と、さやかちゃんの告白成功祝いを兼ねて」
まどか「放課後、仁美ちゃんも誘ってマミさんの部屋でみんなでお茶会はどうかな?」
ほ・マ・杏・さ「賛成〜!」
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:37:25.85 ID:KKuXT1zi0
まどか「あ、もうこんな時間だ。急がないと遅刻しちゃう!」

そう言ってまどかは走り出した。

さやか「お〜い、待てったら〜!」
マミ「鹿目さんには負けないわよ〜」
杏子「おい、こら!不慣れな転校生を置いてけぼりなんてひどいぞ〜」
ほむら「ちょ、ちょっと。私の体、あんまり丈夫じゃないの知ってるでしょ〜」

まどか(エヘヘ、みんな私の最高の友達だよ)
まどか(この幸せがいつまでも続くといいな)
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:38:07.30 ID:KKuXT1zi0
60 :2011/05/05(木) 12:38:22.23 ID:8ydIegAcO
さるになる
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:38:54.46 ID:KKuXT1zi0
とまあ、こんな感じなんだけど、
あのラストの絵を持ってくるなら、こんな感じのハッピーエンドにしないとだめだろJK
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:40:16.40 ID:KKuXT1zi0
>>60

評判悪いから、その設定はなかった事に。
だから、11話冒頭のQBの話でその部分は省いた。

実は、QBの奇跡なんて無くても、文明は変わらずに存在してたって設定。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 12:57:12.57 ID:GkWypqJWI
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=18564848

この二次ルートは、巴マミ死亡後、志筑仁美が
壊れていくさやかを見て、QBと契約して、緑の魔法少女になる
ルート、この後、暁美ほむら、鹿目まどか、佐倉杏子、
それから美崎さやかは魔女化を免れるか、魔女化して
仁美と対決か、ワルプリギスの夜はどうなるか仮定を頼む。
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/05(木) 13:20:49.15 ID:YEKZuJpo0
1行づつ空けて書いてくれ。見づらい。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
それはすまんかった。
SSとか書いたことなかったから、作法とか良く分からず。

もし次に書くことがあったら気をつけます。