ジューシーのロクでもない幼なじみの話聞いて下さい貼り付けます
1 :
忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :
これはVIPの有名な固定ハンドルジューシーさんが書いた物です
とても感動したので貼ります
僕には幼なじみがいます。名前は菜穂。ほんと、ロクでもない女なんです。
色白で黒髪が似合い石原さとみに似てて可愛いけどロクでもないんです。
菜穂がいなければ僕の人生は全く違った物になってたと思います
頑張る意味も人を好きになる事も色んな事を教えてくれたけどロクでもないんです
何がロクでもないかを伝えるには一つ一つ書かないとイケないので聞いて下さい
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:07:35.56 ID:3LFE70iN0
幼なじみの菜穂のロクでもなさを覚えてる限り順番に書きます
1☆【物心ついた頃】
菜穂は僕の家の隣の隣の家に住む幼なじみの女の子。
僕より7ヶ月早く生まれた少しだけお姉さんな同級生。
思えばいつも菜穂が隣にいた、
僕が一番昔の記憶「物心がついた時」それを思い返してもそこには菜穂がいます。
僕の物心がつく以前、それこそ赤ちゃんの頃の写真だって
事あるごとにしっかり僕と一緒に菜穂が写ってる。
人の小さな頃の大切な写真にいつも一緒に写っていてくれるなんて
ほんとにロクでもないヤツだ。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:08:35.07 ID:3LFE70iN0
2☆【5歳くらいの時】
僕と菜穂は同じ幼稚園に通っていた。
僕より少しお姉さんな菜穂はこの頃からしっかりしていた
一方、僕はこの頃からいつも泣き虫でした。そんな僕は、毎朝、幼稚園に着いたらもう母ちゃんに会いたくなり
門の前でエーンエンと泣いていた、そんな時いつも決まって
菜穂が来てくれて手をつないで教室まで連れていってくれた。優しかったなぁ。
よくままごとをしてくれた。いや、してくれたというより
大のままごと好きの菜穂に付き合わされていた。
「はいご飯ですよ」って渡された泥だんごを食べてみたがまずかった
土はおいしくない、それを思い知らされた
記念すべき僕の「人生で初めての女の子の手料理」を泥団子にしてくれた
そんな菜穂なんてロクなヤツな訳がない
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:09:16.09 ID:3LFE70iN0
3☆【5歳くらいの時】
僕は菜穂の父ちゃんが大好きだった。
妹と弟がいる僕に比べ菜穂は一人ッ子なので
男の子が欲しかった菜穂の父ちゃんは僕を自分の息子の様に可愛がってくれた
「今日だけはうちの子な!!」っておもちゃ買って僕を家に泊め息子扱いしてくれた
だから、菜穂とはよく遊んだ、一緒にお風呂に入ったりもした
遊びはもっぱらままごとで、お帰りなさいにはキスをしたりもした
大好きって言い合ったりもした。その時は本当にお互いが大好きで
「おとなになったらけっこんしましょうね」って恥ずかしい約束もした
今考えるとロクでもない話だ
僕の大切なファーストキスを奪い
まだ判断能力が備わってない幼少の僕に結婚の約束を取り付ける女なんてロクなもんじゃない
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:10:00.85 ID:3LFE70iN0
4☆【小学校1年生の時】
事件が起こった。それは小さな僕にはあまりにも大きな事件でした。
菜穂が大好きだったんだ。だから学校に行く時も帰りもいつも手をつないで一緒だった。
ある日の帰り道、上級生にいじめられた。上級生は3人で
「いやぁいやぁい、女と手つないで歩いてらぁ」と僕達をからかった。
菜穂が泣き出した。もちろん泣き虫の僕が泣かない訳がない。菜穂に続いて泣いた
次に上級生達は菜穂をからかって「こいつ泣いてらぁ」って菜穂をつついた。
…菜穂がやられる。泣いてる場合じゃない。
弱虫の僕はランドセルを振り回し、ありったけの力で戦った
ランドセルはボロボロになりドブに落ちて使い物にならなくなったけど、菜穂は助かった
泣き止まない菜穂を「泣いちゃダメだよ」って泣きながら家に連れて帰ったんだ
いつも手を引っ張られてる僕もこの時ばかりはしっかり菜穂の手を引いて。
「菜穂を守らなくちゃ」って。
無事、家にはついたけど、この日から「また菜穂がからかわれてイジめられちゃイケない」
と思い菜穂とは一緒に帰らない事にした
ランドセルはなくなり。僕は学年で一番早くランドセルがなくなった生徒になった
こんな不名誉な記録を樹立させ
大好きな菜穂と一緒に帰らないと僕に決断させた菜穂の存在なんてロクな物じゃない
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:10:39.80 ID:3LFE70iN0
5☆【小学校2年生の時】
菜穂とは一緒に帰らなくなったけど、とても思い出深い事がある
町内会で行ったホタル狩りだ。もみじ狩りとかホタル狩りとか
見に行くだけなのになんで狩りって言うの?
そんな事はお構い無しに楽しかった。バスの席で菜穂が隣に座ってくれたからだ。
「あぁこうやって菜穂が隣にいてくれるの久しぶりだなぁ」ってそれが嬉しくて。
バスの車内、菜穂はよく僕に腕組みをしてくれるから僕は嬉しくてはしゃいでた
帰りのバス、あまりにもはしゃいだ僕は菜穂の服に捕まえたカエルを入れたら
菜穂は怒って口を聞いてくれなくなった。何を言ってもだんまりしてるから
仕方なく反対隣に座ってた一年生のエミちゃんとはしゃいでいた
すると菜穂は急に「ねぇ、仲直りしようよ」って言ってくれて仲直りした。
今考えたらスネたりヤキモチやいたりとロクでもない女だ。
テス
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:11:28.89 ID:3LFE70iN0
6☆【小学校3年の時】
あぁ…また事件を起こしてしまった。
それは菜穂や他の友達と近くの川原でかくれんぼをした時の事。
僕は「誰にも見つけられない所に隠れてやろう」と、遠くの水門の裏に隠れた
誰も見つけに来ない…1時間しても…2時間しても…来ない…ヤバい
しばらく見てたら、騒ぎになってて、何故か出るに出れなくなった
そのうち大人達も出て来て大騒ぎの大捜索になっていて
母ちゃんも来てる、これはめちゃくちゃ怒られる。出る訳には行かない。
夜になるまで隠れてた。ようやく見つけた人がいた。菜穂だった
菜穂は泣いていた。もちろん僕も大泣きですよ。
僕が「怒られるの嫌だからもう一生ここで暮らすから帰って」と言うと
「大丈夫だよ、怒られないからおいで」って手を引いてくれた
菜穂は真っ先にうちの母ちゃんの所に向かい「絶対に怒ららないで」って言ってくれた
こんな時、母ちゃんは決まってめちゃくちゃ怒るのに
菜穂がそう言ってくれたので怒られなかった。菜穂のおかげで助かった。
ていうか、もっと早くに見つけてくれればよかったのに
ほんとロクでもない女だ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:12:22.92 ID:3LFE70iN0
7☆【小学校4年生の時】
菜穂とは1年から4年まで違うクラスだった。
4年生の林間学校、みんなで田舎に泊まった夜の事。
クラスの男子の一人が「みんなの好きな子言い合おうぜ」と言い出した。
Aくんが「え、俺、菜穂ちゃんが好き」と言った。
え!?…ヒヤッとした。じゃぁBくんも「あっ俺も菜穂ちゃんだ」と続いた
C「あっ俺も菜穂ちゃん」D「菜穂ちゃん」E「俺も」F「菜穂ちゃん」菜穂ちゃん菜穂ちゃん菜穂ちゃん………
おい…なんだこれは…みんな菜穂が…好きなんだ…
確かに、菜穂は勉強も運動もできて優等生。顔も可愛かったからモテるのは仕方ない
でも…まさかここまでとは…
誰かが僕にこういった「どうせお前が好きなのも菜穂ちゃんなんだろ?」
この言い方が気にいらなかった「どうせお前も」って
僕はみんなと同じ温度で菜穂を好きなんじゃない…大好きだ…
…そうとは言い出せなかった。
幼なじみの僕が菜穂を好きと名乗り出るとみんなにライバル視されるかな…恐いな
僕はこう言った「え…違うよ、俺が好きなのは、え、黒岩先生だし」
黒岩先生、それは、もう教頭先生になるんじゃないかと思うほどの熟女先生である
笑い声とともに誰かがこう言った「そうだな、お前には菜穂ちゃんは無理だな」
俺「あー、あはは、そうだね」ってただヘラヘラしてた。
まぁ何事も平和が一番だ。うん、平和主義が一番だ…うん…
ほんとはとても、とても悔しかったけどこの時の僕なんてこんなもんだ
こんな決断にさせた、菜穂なんてどうしようもなくロクでもない
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:13:19.68 ID:3LFE70iN0
8☆【小学校5年生の時】
小学校5、6年は初めて菜穂と同じクラスになれた
「やっと同じクラスになれたね」って言ってくれた菜穂は僕より背が高かった。
僕なんて背の順、前から3番目のチビ。菜穂には見下ろされていた
5年生の時は[小説を書きましょう]という課題で小説を書く事になった
大して書きたい事も浮かばない僕は菜穂に「俺、菜穂を主人公にして書くよ」って言ったら
菜穂「ほんとに!?うん、うん、書いて書いて」ってなんか喜んでるみたい。
早速小説を書いた。原稿用紙18枚。当時の僕からすれば超大作となった。
内容は恥ずかしいくらいひどかった。菜穂はどこかのお城のお姫様。
退屈な城を抜け出しモンスターを倒して行くみたいな
あからさまにゲームの影響を受けた内容。
菜穂は進む度に原稿をチェックしてくれてワクワクしてくれたが
大したオチも思い浮かばず飽き、そしてなんだか急に恥ずかしくもなったので
ストーリーとは全く関係なく突然「そして菜穂姫はロケットに繋がれて宇宙に飛ばされ星になりました、おしまい」
という一行を書いて物語をあまりにも突然に終了とし作者としての責任は放棄した
「もうちゃんと書いてよー」って菜穂はムッとしてたけど
最初の一行にかいた「菜穂姫は世界一可愛いお姫様」ってフレーズはずいぶん喜んでたみたい
どちらにしろ人の作品にケチをつけるなんてロクなヤツじゃない
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:13:55.72 ID:3LFE70iN0
9☆【小学校5年生の時】
夏休みの宿題なんてやった事なかった。
「やらなければ先生に怒られる。」みんなはこう考えるけど
怒られるのが得意な僕は「怒られるくらいでやらなくて済む」と考えてた
ただ5年の夏休みにはいい事を思いた。
勉強ができ真面目で宿題なんか簡単に済ませてる菜穂に見せてもらえばいいんだ
あとは見せてもらうだけ!シメシメと菜穂の家に行った
僕「菜穂、宿題という物をやりたくなったので答見せて!!」
菜穂「いやだよ、あのね、宿題は写しても意味ないんだよ?」
僕「わかった、じゃぁ別にやらないからいいや」
菜穂「それもダメだよ、教えてあげるから部屋においで!」ってやらされるハメに…
大きな家の菜穂の広い部屋でお勉強。
宿題だけでいいのに菜穂は俺は国語だけ他の教科よりできるとか言い出して
宿題とは別に国語だけみっちりやらされた
菜穂の家で二人っきりの時間。僕は宿題や国語はどうでもよかった、ただ
少し大人になった菜穂がブラジャーを付けていたのに気づいて
鼻血が出そうになった、この時生まれて初めて誰かに「女性」というものを意識した
それが菜穂でした。
毎日毎日勉強した夏休みの明けの国語のテストは人生で初めて100点取れた
やりたくない勉強させるとかロクでもないやつだ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:14:44.75 ID:3LFE70iN0
10☆【小学校6年生の時】
背が小さいのが悔しかった
中学校に入学した時は142cmのチビって覚えてるから6年生もチビだった。
そんな僕でも跳び箱は大の得意だった、身長のわりにはずいぶん高い段を跳べる
でも、背の高い人よりは高く跳べないのが悔しかった
「俺だって背が高ければ負けないのに」
だからバック転でもできるようになって見返してやりたかった
毎日昼休みこっそり抜け出して体育館で練習してた
でも段を使うとできるのに平たいマットの上じゃなかなかできずにいた
そんなある日、毎日こっそり抜け出す僕を不審に思った菜穂がこっそり体育館まで着いてきてた
菜穂「ねぇねぇ、いつも抜け出して何してんの?」俺「え?え?何もしてないよ」
出されてたマット見て。菜穂「何か練習してるの?」俺「あ、バック転だよ」
菜穂「え、やってよ!」俺「やだよ」菜穂「やってよ」俺「やだよ」菜穂「もぅ…」
俺「わかったわかった明日やるよ、明日」そう言った。
明日だ明日。
「明日菜穂に見せないとイケない」死ぬほど練習しました。何回も頭をぶつけながら
次の日、菜穂の前でやったら見事一回で成功しました。
菜穂「すごーい!!絶対運動神経いいと思ってたんだ。パチパチ」って拍手してくれた
無理な事だって菜穂の為にならできる気がしたんだ。
まぁ練習中ぶつけた頭は痛かった…菜穂なんてロクなもんじゃない
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:15:18.99 ID:3LFE70iN0
11☆【小学校6年生の時】
修学旅行の夜
Aくん「好きな子言い合おうぜ、俺は菜穂ちゃん」
Bくん「俺も菜穂ちゃん」Cくん「俺も」Dくん「菜穂ちゃん」E「菜穂ちゃん」…菜穂ちゃん菜穂ちゃん菜穂ちゃん…
「お前は?」
俺「く…黒岩先生」
林間学校の夜から一年たった黒岩先生は
一年前より熟女具合が進行していてますます教頭先生候補になってた
熟女具合がロクなもんじゃない
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:16:32.28 ID:jdfnXXFA0
さすがジューシーさん 気持ち悪いぜー
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:16:40.62 ID:3LFE70iN0
12☆【小学校6年生卒業式】
楽しかった小学校も終わり僕らは卒業式を迎えてた
菜穂は昔からピアノをやってたから卒業式はピアノを弾く係だった。
泣いてた。
みんな、同じ中学に行くのに何を泣く事があるんだろう。
俺は「なぁなんでみんな同じ中学なのに泣く事があんの?」って聞いたら
菜穂「なんか、わからないけど想い出が詰まっててジーンとくるんだよ」よくわからない
菜穂はなんでもよく泣くな、情に熱くて優しい子なんだね
でも、やっぱり同じ中学に行くのに泣きすぎだよ
菜穂「ねぇ、一緒に写真撮ろうよ」カシャ
写真の顔は笑ってた。
恥ずかしいそうな僕と笑顔の菜穂
また人の想い出の写真に入ってくるなんてロクでもないやつだ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:17:21.73 ID:3LFE70iN0
13☆【中学1年生の時】
菜穂とは別々のクラスで、隣のクラスでした
中学になると菜穂の人気も低迷すればいいと淡い期待を寄せてみたけど
その期待とは裏腹に菜穂の人気は以前にも増して上がっていきました
「へぇ人気者の菜穂か…みんなが好きなみんなの菜穂」菜穂がまた少し遠い人になった気がしていた
菜穂が好きだって人が増えるとその菜穂の幼なじみの僕はよく使いっパシリにされました
「菜穂へ手紙を渡して欲しい」と僕はよく男子に郵便配達員にされていた
手紙を持って行くと菜穂には微妙な顔された。時にはため息さえつかれた
そうだよな、人伝いにラブレター渡されてもこんな感じだろう
そのうちわざわざ渡しに行ってそんな顔されるのが嫌になったので
頼まれた手紙は受けとるだけ受け取って学校の掲示板に貼りに行ったりしてた
何やってんだか
幼なじみの郵便配達員をここまで暴走させた原因になる菜穂なんてロクなもんじゃない
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:18:02.37 ID:3LFE70iN0
14☆【中学1年生の時】
菜穂が人気者のせいで僕は相変わらずの使いっパシリでした
そんなある日同じクラスの友達に
「菜穂ちゃんの事好きだから菜穂ちゃんの好きな人を聞いて来てよ」と言われた。
僕「あぁ……いいよ」と隣のクラスへ
僕「菜穂ぉぉぉぉ」菜穂「なぁに?」僕「ちょっと来て!あらたまった話があるんだ」
離れた渡り廊下まで菜穂を連れだした、なんか菜穂ニコニコしてた
僕「何、ニコニコしてんの?」菜穂「こうやって誰もいない所で二人っきりとか久しぶりだね」
僕「そうだった?あ、そう聞きたい話だけど菜穂は好きな人いるの?」
菜穂「え!!!!??うん、うんいるよ!」僕「え!?誰?」菜穂「教えない」僕「ヒントヒント!?」
菜穂「ヒントねぇ、あなたがとてもよく知ってる人」僕「えっ?マジ?じゃ協力するよ」
菜穂「え?協力?協力はいいよ」俺「じゃぁ言わないから教えてよ」
菜穂「やだ」俺「じゃぁひょっとして俺と同じクラス?」菜穂「もぅ同じクラスに決まってるよ」
僕「やっぱりか!!やっぱりそうか、みなまで言うなじゃぁな」
すぐにクラスへ戻りその友達に「たぶんね、菜穂は君の事が好きなはずだ」と告げた
それを聞いた友達は早速、菜穂に告白して……フラれてた…僕はひっそり身を隠した
逃亡生活がツラかった。ロクなもんじゃない
菜穂はあれこれ告白されてたが全部断ってたみたい
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:18:49.32 ID:3LFE70iN0
15☆【中学2年生の時】
菜穂とはずいぶんクラスが離れた、僕が1組で菜穂が5組でした
恒例の男子と女子が一緒に走るマラソン大会があった。
菜穂はバレー部で走り速かったなぁ、学年で女子10位以内くらいだった
勉強は5位以内、どこまでも優等生な迷惑な幼なじみ
僕はビリじゃなければ満足です、最初だけ先頭集団に混じって目立ち
そろそろ手を抜こうとダラダラ走ってた時、菜穂が後ろから僕の隣に並んできた
菜穂「どうしちゃたの?ペース落ちてるよ?私に負けちゃうよ?」僕「えっ?いいよ別に」
菜穂「ダメだよ、負けたら嫌いになっちゃうよ?」
え?なんで?なんでだよ、なんで負けたら嫌いになられないとイケないんだ
ふざけんなああああ、菜穂に負けたくない!!負けたくない!!負けたくない!!
僕はその一心で思いっきり走った心臓が張り裂けそうになりながら
それでも思いっきり走ってゴールできた。菜穂に勝った。。
酸欠で目の前が真っ暗になり運動場に仰向けで倒れた
しばらくすると「おーい」って僕のほっぺたをポンポンする人が来た。菜穂だった
俺「菜穂か、俺は菜穂には負けないよ」菜穂「ほんとだね、すごーいよく頑張ったね」
菜穂「絶対運動神経いいと思ってた、私の負けだよ」とニコニコしてた
…うそつけ、手を抜いたクセに
菜穂なんてロクなもんじゃない
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:19:29.74 ID:3LFE70iN0
16☆【中学3年生の時】
菜穂と同じクラスになった。
文化祭の時。何かとみんなでワイワイするのが好きだった僕は
脚本を書く役を買って出た。どうせやるなら学校賞1位になりたかった
書いたのはとても変なお話だった。「鶴の恩返しが現代なら」
しがない一人ぼっちのサラリーマンが都会の川原で鶴を助けた
しばらくすると鶴のように色白で美しい女性「お鶴」が家を訪れる
二人は恋に落ち一緒に暮らし始めた。「なんか鶴の恩返しみたいだね…まさかね」
そんな事考えながらサラリーマンはお鶴と一緒に暮らす事で生きる喜びを知る
だけどある日、男はお鶴の浮気を疑って見ないでと言われてた携帯を見てしまう
それは、人が人を疑う事を嫌った神様から与えられた
お鶴が人間から鶴へ戻ってしまう条件でお鶴は鶴に戻り空に羽ばたいていきました
お鶴のイメージと口調がうまく書けなかったので菜穂のイメージで菜穂の口調にするとうまく書けた
物語に抱き合ったりする場面がいくつもあり先生は大反対した
ロクでもない先生だ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:20:14.32 ID:3LFE70iN0
17☆【中学3年生の時】
先生に反対されたけどみんなに脚本回すと「面白いからやりたい」との事で
これができる事になった。菜穂のイメージで書いたので
お鶴は菜穂にやって欲しいと頼み込んだら答えはOKだった
しかし、一つ条件が出た「相手役はあなたがやって欲しい」と
抱き合うシーンとかが他の男子じゃ嫌だし
僕なら家で練習もできるし、はかどる。そんな事を言われた
僕「やーだよ!俺は監督なの!!監督に徹するからやらない」
てか自分で脚本書いていいように人気者の菜穂だっこしてたら反感買うし。
それでも菜穂は徹底的に他の男子じゃ嫌がるから
「相手役は女の子にしてもらおう」で
菜穂は了承してくれた。なんか当初のイメージじゃなくて宝塚みたいになっちゃうよ?
僕はどうも気の弱い監督らしいからこれ以上は言えなかった
学校賞1位だった。菜穂の演技は抜群に上手で菜穂のおかげだった
脚本書いた僕の名誉は全部持ってかれた気がした
ロクなもんじゃないよ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:20:58.66 ID:3LFE70iN0
18☆【中学3年生の時】
秋になりそろそろ進路がどうこうと言い出す頃
父ちゃんの体が悪くなり父ちゃん入院しちゃった
父ちゃんは元から体が強いほうじゃなかった。
才能ばかりある料理人で店でも立てれば行列できるほどの腕なのに
すぐ体壊してダメになる。入院も初めてではなかった。
当たり前のように進学校へ行く菜穂にこう言った
「俺、高校行くの辞めとくよ」
菜穂「何言ってるの!?」僕「父ちゃんが入院して母ちゃんが大変になるから働く」
菜穂「ダメだよそんなの!!投げやりになってるだけでしょ!!」
生まれて初めて菜穂に真剣に怒られた。こんなに怒った菜穂を見た事なかったからビックリした。
それに菜穂はめちゃくちゃ泣いてた。そして優しかった。
「私がちゃんと勉強教えるから、お父さんが元気に退院した時には
ちゃんとみんなみたいに笑って高校行ってる幸せなあなたでいてあげて
それが家族の為なんだよ!!」って
こんなに怒ってんのにとても菜穂が優しくて僕も泣いた
僕の泣き虫はあまり治ってなかったみたい
それから菜穂は毎日毎日勉強の猛特訓みたいに僕に勉強教えてくれました
菜穂も僕も志望校合格。ありがとう。でも僕は勉強が嫌いなんです
そんな嫌いな事させる菜穂なんてロクなもんじゃない
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:21:35.79 ID:3LFE70iN0
19☆【中学3年生の時】
卒業式。中学の卒業式でも菜穂は卒業生代表でピアノ担当だった。
菜穂はまた、お決まりのように泣いていた。
「また、泣いてるの?」ってからかいたかったけど今回は違う学校に行くからいいか。
僕も菜穂と同じ寂しい気持ちでいた
で、僕は自分で制服のボタンを引きちぎりゴミ箱に捨て
自作自演の「モテちゃってボタン完売しました。まいったなぁゴッコ」をしてた
するとまさかの菜穂に「ボタンちょうだい」と言われた
僕「遅かったね、僕モテちゃってさぁボタン売り切れだよ」菜穂「うそつき」って笑ってた
菜穂「あっ!腕のボタンなら売り切れじゃないね。腕のボタンでいいからちょうだい」
まぁいい、腕のボタンを引きちぎってあげた
菜穂「ねぇ写真撮ろうよ」
まーた人の思い出の写真に入ろうとする。まぁいいや。カシャッ
ボタンを引きちぎらせる菜穂なんてロクなまんじゃない
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:22:13.57 ID:3LFE70iN0
20☆【高校一年生の時】
進学校へ行った菜穂。普通の高校へ行った僕。別々の学校になった。
チビだった僕は中学でずいぶん身長がのび175cmになってた
そんな僕には高校に入ってすぐに彼女ができました。
黒髪のヤンキーさんでした。ヤンキーさんは茶髪だとわかりやすいけど
黒髪でヤンキーさんだからこの人がヤンキーさんとは気づかなかった
家の近くの自販機に行く時、二人で手をつないでたら前から菜穂が歩いてきた
「うわっ!!ヤベッ」あわてて手を離した。時すでに遅し
菜穂にはしっかり見られてて「プイッ」って顔をそむけられた。
あとから彼女とケンカした「なんで手をふりほどくの!?あれ誰?」
僕「いや、ご近所さんいや友達、友達じゃないか、えー…」
手をふりほどく理由はうまく答えられなかった
ケンカの原因になる菜穂なんてロクなもんじゃない
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:23:03.57 ID:3LFE70iN0
21☆【高校1年生の時】
その彼女はやっぱりヤンキーさんでした
付き合う友達が悪くなり彼女は学校を辞めて生活も荒れてたみたい
あれこれややこしい付き合いも増えて半年経つ頃には
新しい彼氏ができて僕はフラれちゃいました。ボクシングやってる先輩だってさ
何故かその先輩に呼び出されて、僕が彼女と付き合ってたからって言う理由で
稲妻のような強烈ボディブローをくらった。ボクシングなんて大嫌いだ
フラれてしょんぼりしてたら家の前で菜穂に会った
菜穂「あれれー?あの可愛い彼女さん最近見ませんね?」(可愛くはない)
うちの妹と仲がいい菜穂は全ての情報が行き届いてるんだどうせ。
僕「あ、諸事情がございましてフラれちゃいました(笑)」
菜穂「そうなの?落ち込んでんの?」
僕「いや、落ち込んでませんよ(笑)枕を涙でぬらす日々が続いてるだけですよ」
菜穂「あはは、ヘコんでんじゃん。なんなら私が付き合ってあげようか?」
ん!?
こいつ今何言った?…哀れみ…?
僕「いえ、僕は一生、彼女はいらないのでいいですよ。またボディブローくらいたくないので」
菜穂「へぇ、痛かったね。じゃぁご飯作ってあげようか?」僕「いらない」菜穂「…そぅ」
僕「あ、あの、明日のお弁当作ってください」菜穂「うん、いいよ」
次の日の朝、菜穂に渡された弁当はのりがドキンちゃんで
恥ずかしかったけど嬉しかった
高校生男子の弁当のノリをドキンちゃんにする女にロクなヤツはいない
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:23:43.79 ID:3LFE70iN0
22☆【高校1年生の時】
バレンタインデーの日
家に帰ったら菜穂がいた。うちの母ちゃんと妹と遊んでたらしい。
菜穂はうちの家族でも人気者で、母「菜穂ちゃんが子供だったらよかったのに」
妹「菜穂ちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しかった」という言葉がよく飛び交ってる
頼むから僕んちで僕より人気者にならないでほしい
僕にはチョコレートを持ってくれたらしい。
よくできたチョコレートでした。砕いたコーンフレークみたいなのが
入っててガリガリしておいしかった、コーンフレークかは知らないが
うまけりゃ何フレークでも構いやしない。キレイな紙みたいな物を
イカソーメンみたいに切って鳥の巣みたいにクッションにしてチョコレートを置いていた
この紙みたいな物を何本か食べたけど、これは…紙だった
幼稚園の時に続きまた食べれない物を食わされた
この時、実は紙の下に一通の手紙が入ってたらしいが気付かずに捨てた
手紙が入ってたなんて聞いたのはずっとずっとずっと後の話になります
気付かずにごめんなさい…
と謝らないといけない入れ方するようなヤツにロクなヤツはいない
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:24:49.22 ID:3LFE70iN0
23☆【高校2年生の冬】
この頃になるとようやく自分の携帯を持ち菜穂とよくメールした。
ある事、ない事、馬鹿な事。内容なんてどうでもよかった
ただメールがしたくて毎日爆撃のように、2件隣の家の菜穂に向けて大量送信してた
何をそんなにメールする事があるのだろうと言う程メールをやりとりしてた
1度、メールが返って来ないのでわざわざ2件隣に行って
「何してんの?メール遅いよ!返してよ」って催促に出掛けたら風呂上がりの菜穂がパジャマで
「ごめんね、お風呂入ってたんだ。メールすぐ返すね」って。
なんか…お風呂上がりの菜穂にドキッとして照れてしまったのをよく覚えてる
1月の僕の誕生日には呼び出された
菜穂「いつも寒そうなマフラーしてるから買ってきた」って
当時流行ってた長いマフラーくれた
今見ると毛布みたいだけど当時はカッコよくて自慢のマフラーだった
よく「巻き方がめちゃくちゃすぎるからちゃんと巻いて」と菜穂に指導を受けました
お返しはちょうど僕の家の仏壇に塩ようかんが備えてあったから
お返しとして菜穂にプレゼントしたが
微妙な顔をされた。ご先祖様にあげる物をあげて喜ばないとか
どうしようもなくロクでもないと思う
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:25:37.66 ID:3LFE70iN0
24☆【高校3年生の春】
父ちゃんが死にました。
突然でもなかった。もうみんながそれぞれに、そろそろって覚悟ができてたんだ。
学校から帰って、家にいると病院にいる妹から電話がかかってきた
「父ちゃん死んだよ、今、病院にいるから…」って。
僕は「行かない」って言った。父ちゃんが死んだのはわかったけど
どうしても受け入れたくなかった
誰にも悲しい顔なんて見せたくなかったんだ。一人、部屋にいた
父ちゃんが無言の帰宅をした時、菜穂の家族も家に来た
鍵を掛けてる二階の俺の部屋からも菜穂も菜穂の両親も泣いてるのがわかった
俺の親父が死んでそんなに悲しんでくれんだな。優しい人達だ
ありがとう
ただその時はそう言えるほど大人じゃなかった
ロクでもない気持ちでいっぱいだった。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:26:13.08 ID:Qg02/Wn9O
誰かすいとんしてやれよ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:26:33.32 ID:3LFE70iN0
25☆【高校3年生父ちゃんの葬式】
そうやって悲しい時には悲しい表情ができる素直な人達とは違い
当時の僕は部屋で一人「親父のバカバカ、クソ親父」ってつぶやきふてくされていた
母ちゃんが部屋の前に来て「今から近くの公民館で葬式だからスーツに着替えておいで」
僕「いやだ!俺は行かないよ」って意地を張った
母ちゃん「そう…今はそれでいいよ、だけどいつか必ず父ちゃんに手を合わせてあげて」
いつも怒ってる母ちゃんがこうして優しかったから涙が止まらなくなった
何も言い返さなかった。
みんながバタバタと家から出て行く中、一人だけ戻ってくる足音があった
すぐに誰だかわかった。菜穂だ。菜穂は僕の部屋の前に立ち泣きながらこう言った
菜穂「ねぇ聞いてる?あなたのお父さんは一人しかいないんだよ?
情けない長男だね!そんな一人しかいない大切なお父さんのお葬式に行かないでどうするの?
色々と考えた事があるんでしょうけど、今はそんな事全部我慢して行ってあげなよ」って
菜穂は泣いてたけど僕なんかもっと泣いていた
ロクでもない状況だ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:27:12.28 ID:3LFE70iN0
26☆【高校3年生父ちゃんのお葬式】
だから、菜穂には泣いてるってバレないように精一杯明るい声で
「あ…あーわかってるよ、今、行こうと思ってたんだよ
すぐに行くから先に行ってぇ」って言った。
さぁ泣いたってバレないように、顔洗って行かないと
菜穂なんて…菜穂なんて…
人んちに勝手にあがって来るし、そして母ちゃんより
僕の事わかってるし、僕がひねくれても簡単に説得できてしまう、優しいしいい子だし
ほんとロクでもないヤツだ。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:27:46.78 ID:3LFE70iN0
27☆【高校3年生父ちゃんの葬式】
葬式場に行く事にはなったが喪服はしめっぽくて着るのが嫌だった
ジーパンにシャツに帽子深かぶりで行った。何もかも受け入れ難くて今考えるととても恥ずかしい。
葬式場につくと目一杯明るい声で
「ちわーすっ!!遅れてすみませーん」って泣いてたのがバレないように明るく言った
「親父なんかドライアイス詰められてシューアイスみたいだね」とか言って明るさを装った
こんなにもふざけてると菜穂の父ちゃんにぶん殴られるかと思ったけど
この日はこんな僕に何も言わないでいてくれた。
菜穂が優しいのは両親ゆずりなんだな。
菜穂はずっとずっと僕の隣にいてくれた。
こんな優しい菜穂なんてロクなもんじゃない
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:28:40.04 ID:3LFE70iN0
28☆【高校3年生父ちゃんの葬式】
しかし、そうやって明るく装うのもすぐに間がもたなくなった
たまらず退席して一人で裏の公園に行きで泣いていた
「バカ親父!バカ親父!バカ親父!また体良くして店やるって約束したじゃないか!
嘘つき!嘘つき!病院で一人、一生懸命料理のレシピ書いてたじゃん
そんな物、全部無駄になっただろ!嘘つき!嘘つき!嘘つき!バカ親父!」って泣いていた。
すると菜穂が来た。僕は泣いてるのが恥ずかしくて逃げようとした
じゃぁ「待って」そういって菜穂が駆け寄って来てくれた。
菜穂は何も言わなかった。ただただ泣きながら僕の服の袖をギュって掴んでいてくれた
俺「親父、もっと生きるって約束したのに嘘つきなんだ!嘘つきなんだ!」ってすごい泣いた
菜穂「…うん、うん、悲しいね、悲しいね」菜穂もすごく泣いた
菜穂「でもね…こうして2人で泣いてたらお父さんに笑われちゃうんだよ
だから、負けちゃダメなんだよ。お父さんがいなくてもね、立派になるんだよ
負けちゃダメなんだよ、ね。」って言ってくれた。その言葉はすごくひねくれていた僕の心に真っ直ぐに響いた
菜穂は同級生。いつも菜穂ばかりがしっかりしてちゃいけないよ。
そんなのカッコ悪い。僕だって…
涙を拭いて、僕は「うん。わかった、俺父ちゃんが死んだ事にも
父ちゃんにだって負けたくない。だから頑張って勉強して大学行きたい
だからよかったら勉強教えて欲しい」と言った。
菜穂「うん、えらいえらい初めて自分から勉強頑張るって言えたね、頑張ろうね」
ってボロボロに泣きながら菜穂が笑顔で僕の頭をよしよししたから
ボロボロに泣きながら僕も笑顔になったんだ。
同級生をよしよしするヤツなんてロクなヤツじゃない
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:29:27.54 ID:3LFE70iN0
29☆【高校3年生父ちゃんの葬式】
父ちゃんは1日家で寝て、次の日には灰になりました。
父ちゃんがいなくなって1番悲しいのも1番大変なのも母ちゃんだ
もう僕がいつまでもスネていられない。次の日僕はちゃんと喪服を着て火葬場に行った
一通り行事が終わったあと、みんなに集まってもらった。
こんなダメな長男だけどちゃんと挨拶がしたくて。
「皆様、今日は父ちゃんの為に集まって頂いてありがとうございました。
父ちゃんは若くしてなくなってしまい。大変な人生でしたが
生前、これだけ多くの人達に囲まれて幸せだったと思います
それも、皆様一人一人のおかげだったと思います。皆様どうもありがとうございました」って
菜穂の父ちゃんは挨拶を聞いて泣いてくれた
「こんな立派な息子を持ってお父さん喜んでるよ」って。
昨日あんな態度だった僕にこんな優しい言葉かけてくれて嬉しかった
菜穂は少しだけニコニコして小さく小さく僕だけにわかるように
パチパチパチと指先だけで拍手してくれた。
葬式の挨拶で拍手は間違ってない?菜穂。礼儀作法を間違えるヤツなんてロクでもない
でも菜穂のその笑顔が一番安らいだんだ、本当に大好きだ菜穂
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:29:52.03 ID:3LFE70iN0
30☆【高校3年生の夏】
それは夏休みが始まって間もない7月だった。菜穂から電話が掛かって来た
僕「何??」菜穂「何?じゃないんですけど?え?何?ってなんですか?」
僕「え?何?ってなんですかってなんですか?」
菜穂「何?ってなんですか?ってなんですかってなんですか?」僕「いや、何ってなん…(略)」
菜穂「何?じゃないよ、勉強!!一緒に勉強するよ」僕「えー勉強?やだ!!」
菜穂「やだじゃないの!!約束したじゃない!!もぅ…いいから」
と言って勝手に電話をブチ切りしたかと思えば次は勝手に家に来た
僕の部屋のドアの向こうに立つ菜穂に僕は「え!?何?」と言った
菜穂「今から学校の教科書とノート全部まとめてうちに来て今日から勉強だよ」
僕「だからやだって」菜穂「やだじゃないよ、そんな事言ってると勝手に部屋に入るよ?」
僕「やだやだやだ、それはもっとやだ」菜穂「じゃぁ言う通りにして」
僕「かぁちゃぁぁぁん!!人さらいが来ましたよぉぉ!たすけてくださぁぁぁぁい」すかさず菜穂が
菜穂「おばさぁぁん大切な息子さんお借りしますねぇぇ!!」
母ちゃん「ハイハイどうぞどうぞ、別に返さなくていいので持っていって下さい」
しぶしぶ用意を始める。人の母ちゃんまで味方につけるなんてロクでもない
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:30:35.13 ID:3LFE70iN0
31☆【高校3年生の夏】
言われた通り学校の教科書とノートを全部持って菜穂の部屋に。
俺の狭い部屋とは違い菜穂の部屋は広くて快適空間でとても落ち着いた
そんな中、菜穂は僕の教科書とノートをチェックしていた。
ノートを持って来たはいいがノートなんて落書きしか書いてない
菜穂「ねぇ?なんなのこれ、落書きしか書いてないんだけど?」
僕「うん、そうだよ、俺は適当にアドリブでなんとかなっちゃうからノート取らなくていいんだ」
菜穂「もぅ、大学受験なんて適当じゃ無理だよ?大学行くって約束したよね?」僕「はい」
菜穂に新しいノートを買わされる。
こうして毎日毎日毎日毎日朝から晩まで勉強の夏休みが始まった
夏休みは勉強しなくていいから夏休みって言うのに
勉強ばっかりって…夏休みの意味がわかってない菜穂はロクでもないヤツだ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:30:54.38 ID:3KMD2ko20
ラーメンスレにする準備できてるから早く貼り終われよゴミ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:31:10.57 ID:3LFE70iN0
32☆【高校3年生の夏】
小学校の時に菜穂に国語を教えてもらったなごりで国語だけめっぽう強かった
菜穂はそれを利用して、また足りない所は補い、志望校や試験対策を作ってくれた
僕の受験なのに菜穂のほうが楽しそうでうらやましかった。
毎日毎日朝から晩まで2人で机に並んで勉強。わからない所があれば菜穂に聞く
菜穂は何回同じような事聞いても覚えが悪くても怒る事はなかった。
こうやって優しくされれば、次は聞かなくていいように覚えようって気持ちが芽生えた
勉強ばかりだと息が詰まるのでたまに話していい時間も作ってくれたけど
その時間が短いように感じて仕方なかった。またすぐに勉強。
たまに寝るとほっぺたツンツンされて起こされるそれでも起きなかったら揺り起こされる
その何回かに一回は起こさずに寝たままにしてくれた。起きたら体にタオルケットがかかってた
タオルケットはすごくいい匂いがしたけど、あれが菜穂の匂いか
でも寝ていい時の条件とダメな条件がまずわからなかった
明確な基準を知らせない菜穂はロクでもないヤツだ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:31:58.32 ID:3LFE70iN0
33☆【高校3年生の夏】
たった一度だけ菜穂が寝ちゃった事があった。
菜穂は僕が帰ってからも勉強してたみたいだし。疲れてたんだろう
机で寝てる(笑)。。
というか、あれ?か、可愛い。。菜穂の寝顔見た事なかったっけ。とんでもなく可愛かった。
なんか、おっぱいもまたデカくなってるか。。何を考えてる俺。
……よし、そうだキスをしてやろう(笑)(笑)…起きるかな、バレるかな。
そうか、バレるとか関係ない、この場合、起きたら起きたで
「寝てるからキスをして起こしたまでです。起こしたまでです!!」と言えばいいから
僕は悪くないです。寝てる菜穂が悪いです。決まりです!!
そして少し顔を菜穂に近づけた、うわっ!!ダメだ!!可愛い、可愛いすぎてダメだ!!照れる!!
何回かチャレンジしたあげく…どうしていいかわからなくなった。
どうにもできず、とにかくここにいたら気がおかしくなるだけなので
菜穂にそっとタオルケットをかけてそっと部屋から逃亡して家で高校野球を見ていた
しばらくしたら菜穂からお怒りの電話が掛かってきた。
菜穂「どうしていなくなってるの!!!!!」
いやあのね、菜穂の寝顔が可愛くてキスしようと思ったけど可愛いからビビって逃げた
とは言えやしない「勉強飽きたから甲子園だよ」菜穂「ダメ!!すぐ帰ってきて!!」僕「はい」
それから菜穂は寝るとまた僕が逃亡するからと寝なくなった
こんな猛勉強のかいもあって菜穂は公立大、僕は普通の大学に無事合格できた
寝たチャンスは一回だけなんて菜穂はロクでもない
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:33:11.59 ID:3LFE70iN0
34☆【高校3年生の冬】
母ちゃんに「大学に合格できたのは菜穂ちゃんのおかげだからご飯ご馳走しておいで」
ってお金を渡され「それもそうだね」とすぐに菜穂にメールした
「大学合格の感謝とお祝いを込めまして菜穂と今からご飯に行く予定だけどあなたは来ますか?」
とどこかトボけたメールを送ったけどすぐに菜穂から「うん、行く」って返事が返って来ました。
家から歩いて3分の普通のスパゲティ屋さんに二人で出掛けると
菜穂がヤケにニコニコしてるから
僕「ねぇ、なんでそんなニコニコしてんの?こっちにまでうつるんだけど?」と言うと
菜穂「こうやって男の子と二人でご飯屋さん来るの初めてで嬉しくて」
僕「男の子って幼なじみじゃん」菜穂「うん、男の子じゃん」
僕「あれ?菜穂は高校の時は彼氏いなかったの?」菜穂「いません」
僕「あれ?高校でも中学の時みたいに告白されなかったの?」
菜穂「された事もあるけどお断りしました」僕「え〜っ。なんで?」
菜穂「他に好きな人がいるから。」僕「おっ!!好きな人はいるんだ。どんな人?」
菜穂「え、言えないよ」僕「言えない人とか(笑)不倫とかしちゃダメなんだよ?」
菜穂「そんなんじゃないし………バカ」僕「どんな人?じゃぁヒントヒント」
菜穂「うーん…あなたがよく知ってる人」僕「?????」…まあいっか
僕「それでは、勉強教えてくれてありがとうございました!!」
菜穂「はい、合格おめでとうございます」
ブドウジュースでカンパーイ!!
まぁあれですね、ブドウジュースで乾杯するタイプの人にロクなヤツはいません
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:33:37.76 ID:3LFE70iN0
35☆【大学1回生の時】
大学生活初めは、あれこれと環境の変化に追われ大変忙しい物でした
服屋でバイトをする事になりました。父ちゃんが死んで一番苦労したのは母ちゃん
そんな母ちゃんをできるだけ助けようと。服屋で働けば服に困らずちょうどよかった
ただ悠々自適に親のお金で遊べる人達が少しだけうらやましかったです。
クリスマスが近付く頃。バイト先にとてもキレイなマフラーが入ってきた。
紺色の上品なマフラーでアルパカの毛を使用したサラサラでいて暖かい。なんとフランス製!!
「これ菜穂に似合うだろうなぁ」菜穂の色白でキメが細かい肌にはこういうマフラーはピッタリだ
定価21000円也。…高い。バイトの給料が5万ぽっちの僕には
バイトの社割効かせても16000円というのは血が出るほど高い。
でもどうしても菜穂に巻いて欲しいという衝動は抑えられなかったので買いました
菜穂の家に行ったが急に恥ずかしくなり。「はい、これ拾ったからあげる」って渡した
菜穂「ん?何これ?」僕「拾ったからしらない、開けて見れば?」菜穂は袋を開け
「うわぁマフラーだ素敵」と、プレゼントカードを見て僕に「ありがとう」って言った
僕「え、俺に言われてもしらないよ」菜穂「あっそう、じゃぁこのカードに
[Merry X'mas菜穂]って書いた人にありがとうとお伝え下さい」とニコニコしてた
そしてマフラーをとびきり可愛い巻き方で巻いてあげた。高校2年生の時には
マフラーの巻き方が悪いと指摘されてた僕でも
菜穂にちゃんとマフラーを巻いてあげれようになってたんだ
すごく似合ってて可愛かった。あんなマフラーが似合う女にロクなヤツはいない
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:33:58.55 ID:3LFE70iN0
36☆【大学2回生の時】
とは言えども菜穂と恋愛関係になる事もありませんでした。
まぁ幼なじみだしね、あちらはよくおモテになる方、
僕には縁遠い人なのでしょう。違う彼女ができました。
彼女は誰に似ていたかと聞かれれば、ダンゴ虫に似てました。
ダンゴ虫さんは奪い合うライバルがいなくていいですね。僕は満足でした。
自転車の後ろにダンゴ虫さんを乗せてると菜穂に遭遇して
また「プイッ」ってされました。一年くらいでフラれました。
新しい彼氏ができたらしいです。今度は柔道部の彼氏らしいです
以前ボクシングの彼氏にボディブローをくらったように
柔道部の彼氏には一本背負いをくらわなかっただけでも
僕は幸せだったと言えるでしょう。
マジ「プイッ」ってする菜穂なんてロクなもんじゃない
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:34:35.38 ID:3LFE70iN0
37☆【大学3回生の時】
ダンゴ虫さんにフラれ僕はダンゴ虫が転がり落ちたみたいな悲惨な顔をしてると菜穂に会った
菜穂「あれれー?最近、あの可愛い彼女さん見ませんね」(←ダンゴ虫が可愛い訳がない)
僕「フラれちゃいました(笑)また彼氏ができたらしいです(笑)(笑)」
菜穂「あららー、ヘコんでるの?」
僕「ヘコんでないですよ。ただ半年くらい部屋に引き込もってやろうかと考えてるくらいです」
菜穂「ヘコんでんじゃん。ご飯作ってあげようか?」僕「いらない」菜穂「あーそうですか」
僕「あの…よかったら明日のお弁当だけ作ってくれれば嬉しいです」
菜穂「うん、わかった。じゃぁ用意するね」
次の日の朝受け取った弁当はそぼろでピカチュウが書いていた
すごく恥ずかしかったけどおいしくて嬉しかった
こうやって女にフラれる度に菜穂の弁当が笑顔にしてくれた
まぁでもそぼろでピカチュウ書く女にはロクな人はいない
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:34:55.65 ID:3LFE70iN0
38☆【大学3回生の時】
その日は嫌な物を見てしまった。学校から帰ると菜穂の家の前に車が停まっていた
運転席には知らない男の人、そして助手席には菜穂が乗っていました。
なにやら話しているらしい。
僕と思いっきり目が合った菜穂は「アッ」って顔してたので思いっきり「プイッ」ってやってやった。
こうやって異性と一緒の時に幼なじみと会った時の焦りようを菜穂も思い知るがよい
もう一度チラッと見るとまた目が合ったので「プイッ」ってしてやった。
菜穂には2回「プイッ」をされてるのでこれで引き分けだ
はぁ…彼氏か…菜穂も彼氏ができたのかぁ。そだな、これも遅すぎたくらいか
車か、大学生になると車で遊ぶんだ。ただ車があるだけそれだけだったけど
車なんて買えない僕は相手がとてもレベルが高く輝いた人に見え少し悔しかったです
家に帰り洗面台の鏡に映ってる人に向かって
「ほらお前は身長が181だし!!いいぞ!!顔もカッコいいお前の勝ちだ」と励ましてやると
妹に「なに自分に話しかけてんの?気持ちわるーい」と言われた
妹に気持ちわるーい扱いされる原因になる菜穂なんてロクなヤツじゃない
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:35:23.58 ID:3LFE70iN0
39☆【大学3回生の時】
学祭に菜穂を呼びました。見せたい事があったのです。
あちらこちらのサークルを広く薄く転々と回ってたお調子者の僕には
バンドサークルの友達がいました。そんなバンドサークルの友達が
サプライズ演出をしようと言うのです。学祭のステージで
客席から僕が乱入して歌ってるヴォーカルを引きずりおろして歌う
今考えるとありがちな茶番演出でも当時の僕らはワクワクして仕方なかった
菜穂には知らせず見に行って用意してた席に座り、そして出番のタイミングが来た
僕「俺が歌ってくる!」菜穂「え!!!!?????」勢いよく飛び出し
予定通りヴォーカルからマイクを取ったがヴォーカルの演技が下手過ぎて
会場にはバレてた感じもしないでもない。そして歌った。
うーん…半分には受けてような半分はドン引きだったような。
歌が終わればすぐに「これは逃げたほうがいい」と察知した
一目散に菜穂のところに向かい「逃げるぞ!!」って手をつないで走って逃げた
僕「ハァハァハァ…ゴメン…ビックリした?」
菜穂「うん、ビックリした!!でもすごくカッコよかったよ!!」
僕「え?」そんな事言われて頭の中がお花畑になった
その後学祭を回り帰りの電車で「菜穂って彼氏いるの?」って聞いたら
菜穂「いないよ、いない。だから今日はすごく楽しかったありがとう」って
なんか喜んでもらえたみたいだ、菜穂が喜べばそれでいいか。
「菜穂と手繋いだのなんて幼稚園以来かな…女の子の手だったな」
その夜は、そんな事思い出してぼんやりしてなかなか寝付けなかった
寝付けなくさせるなんて菜穂はほんとロクでもない
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:35:43.99 ID:3LFE70iN0
40☆【大学3回生の時】
また彼女ができました。いえ、菜穂ではないです。
あちらが貴族のような身分ならこちらは庶民です。
庶民は庶民らしく庶民同士のお付き合いと言う事で
あちらこちらサークルを放浪していると一つの飲み会で彼女と知り合いました
同い年の彼女でこの子は明るくないけどなかなか可愛い子でした。
ただこの「明るくない」と言う性格が後に暗い事になって行くとはこの時は想像すらできなかった
菜穂には絶対に見せないようにした。耳には入るんだろうけど
目の前にしたらどうせまた「プイッ」ってされるんだから
こんな風にいつもどこかで存在を気にしてしまう菜穂なんてロクなもんではない
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:36:06.23 ID:3LFE70iN0
41☆【大学4回生の時】
幼なじみとは不思議な関係で、事あるごとにあれこれ報告しなくても
お互いの近況を把握できていたりする。
何かあれば言わないとイケない義務も必要もないが
相手の近況は確実に知っている。そんな関係。
来年から社会人の2人。優秀な菜穂は公務員の試験をパスし公務員になる
それを菜穂からじゃなく母ちゃんから聞いた。
僕はもっぱら面接だけは得意だったのと大学名が考慮されない大企業狙いで
まぐれで大企業に採用されてしまった。このニュースに母ちゃんが一番喜んだ
だから菜穂も喜んでくれてたんだろうなぁ。
菜穂に連絡しなかったのは彼女がとてもヤキモチ妬きで
菜穂に連絡するのはとても気が引けたからです。
でもこうやってどこか反応が気になってしまう菜穂なんてロクなもんじゃない
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:36:25.19 ID:3LFE70iN0
42☆【大学を卒業したての頃】
就職が決まって大学を卒業すれば家を出ると決めていた。
会社が遠い訳じゃなかったけど早く自立して苦労してる母ちゃんを安心させてやりたかった
だから、実家からたった4駅しか離れてない場所だけどマンションを借りた
彼女と一緒に暮らせばいい、だらしない自分でも彼女がいれば大丈夫だろう
そう、うまい計算をしたつもりの自分だったが
心の計算はうまく行かなかったのか少しだけ寂しさがありました
その計算外は菜穂とのお別れか…
引っ越しの全ての荷物を運び終え、あとは自転車に乗って新居に行く時の事
そんな時に菜穂に会った。
何も報告しなくていい、そんな関係。ただ全部知っているくらいはわかってる
こんなタイミングで会う菜穂なんてロクなもんじゃない
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:36:48.69 ID:3LFE70iN0
43☆【大学卒業したての時】
菜穂「…あっ…」僕「…うん…」
菜穂「今から出発するんだね…」僕「あぁ」
ダメだよ…菜穂…こんなタイミングに出ちゃダメだよ…
菜穂の顔を見たら色んな事を思い出して少し寂しくてじんわり涙が出て来た
大好きだったこの街。小さい頃菜穂とよくままごとした公園
菜穂と隠れんぼした汚い川のその川原。
部屋の電気さえ見ればお互いがいるかなんてすぐに確認できた近すぎる家
そして事あるごとにいつも僕のそばにいてくれた幼なじみの菜穂
この大好きだった街のそのほとんどが菜穂との大切で暖かい思い出だった
そして今、その全ての大好きが詰まった目の前に立っている菜穂とも
今日でお別れかと思うと急に寂しくなった。
僕「うん…行って…くるよ」って少し泣いた
菜穂「どうしたの(笑)そんな元気ない声で」菜穂も泣いていた
それは、二人にしかわからない涙だった
僕「いや、元気あるよ」菜穂「うん、家も近いんだし寂しくなったらいつでも戻って来ればいいんだよ」って笑顔
こんな優しくしてくれるもんだからまたボロボロ泣いた
菜穂「もう(笑)ほんと泣き虫な所は治らないね」僕「菜穂だって泣いてるじゃん」
菜穂「あなたが泣くからだよ(笑)」僕「じゃぁ行ってきます」菜穂「はい、いってらっしゃい」
自転車で出発した僕を菜穂はいつまでもいつまでも小さくなるまで見送ってくれた
菜穂のその姿が小さくなっても僕の中ではとてもとても大きな存在だった
さよなら菜穂って言いたくなかった菜穂はロクなもんじゃなかった
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:38:18.08 ID:3LFE70iN0
44☆【22歳社会人1年生の時】
晴れて社会人になった僕は彼女と二人暮らしを初めました。
順風満帆な社会人生活。そんな事を夢見てたけど想像してたようにうまくは行かなかった。
彼女が思うよりヤキモチやきで会社に入るとあれこれと知り合う人も現れ
業務連絡も兼ね女の子と些細なメールくらいはした。何一つやましい事もないので
「会社の女子社員とメールしてる」と言うとそれが気に要らないらしくキレ出した。
「え?何考えてんの?そんなメールする必要あんの?すぐ辞めて」と言った
僕は言われるまま辞めるようにした。
それが「男とメールするのも浮気の原因になるからダメ」
会社帰りの付き合いもダメとダメダメ尽くしになって自由がなくなってた
「友達ができないどうしよう」と焦りながらも「うん」って僕は言う事を聞いた
それでも気に入らない事が多いらしく彼女は暴れるようになってた。
ガラスが割れ、ドアが壊れ時にはカッターナイフを持って暴れ殴られもした
どうしようもなく閉鎖的でそばにいるのに心が通ってなかったから寂しかった。
こんな大変な毎日を送ってる時に菜穂は華の公務員生活か
ほんとロクでもない
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:38:38.39 ID:3LFE70iN0
45☆【22歳社会人1年生の時】
休みの日が来たら退屈で、でもメールもできない、じゃぁ友達もできない。
やる事もなく休みの日には一人ショピングモールや公園を散歩して仕事の企画書ばかり書いていた
企画書はまず最初に自分が考える事を書いてもいいから仕事してる時だけ自由を感じてた
職場の勤務時間は楽しくて終われば暗い顔して帰る。そんな毎日だった
彼女は相変わらず暴れた。僕は殴られはしたが殴り返す事はなかった
「女には優しくしろ」これが死んだ父ちゃんの遺言だったから
彼女には「殴り返す根性もないんだね」と馬鹿にされたけどそれでよかった
その頃、菜穂はいい子だから友達いっぱいできてただろう
ほんとロクでもない
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:38:59.54 ID:3LFE70iN0
46☆【22歳社会人1年生】
生活に疲れてきた。学生時代いつもヘラヘラしすぎで怒られて来た僕も
この頃は家であまり笑わなくなってた。仕事の時だけ目一杯明るかった
彼女に1番勘弁して欲しい事があった。それは夜中に怒って大声で叫ぶ事
これをすれば近所からの苦情が不動産会社に行きそれが保証人の実家に行く
実際にそういう経路で実家に苦情が入り母ちゃんから
「女の人の叫び声がするって不動産屋さんから苦情の電話があったんだけど」って言われた。
でも「それ俺んちじゃないから心配いらないよ」と言った
母ちゃんに苦労掛けない為に出て来た俺が心配を掛けてどうする?
それを彼女に一生懸命説明したが聞いてはくれなかった
明日会社なのに彼女は深夜激怒してパジャマのまま出て行き
彼女になんかあってはイケないので朝まで町中探したり。
相手の親には「彼女を大切にします」と約束したので
自分が我慢すればいいと思ったけど気付けば我慢ばかりで疲れてた
菜穂と暮らせればこうはならなかったのにね…会いたい。
何言ってんだかロクでもない
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:39:19.53 ID:3LFE70iN0
47☆【23歳社会人2年生】
1年が経つ頃ついにこんな生活に疲れて「別れよう」と切り出したが
「いや、別れるんだったら死ぬから」そう言われて何も返せなかった
その頃わずかながらになってしまった友人に連絡して一人の女の子と出会った
僕と同じように彼氏と同棲して悩んでる子です
ただ傷を舐め合うような腐った関係だったけどそれでよくなってた
そして浮気した。彼女にバレれてしまえばいいんだよ、そうやって別れればいい
そしてまた違う人と浮気した。僕は腐って行ってしまった
どうすればいいのか?そうやって考える気力すらなくなってた。
そんな時、菜穂から一通のメールが来たんだ。
それが実家を離れてから初めてのメールでした
こんな時にメール送ってくるなんてロクでもないヤツだ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:39:43.83 ID:3LFE70iN0
48☆【23歳の時】
菜穂からのメールはとてもとても短い文章だった
「頑張ってね…このメールは消しておくんだよ」
こんな短いメールは僕と菜穂にしかわからない内容だけど全てがわかった僕は
どんな長文のメールより心を打たれて涙が止まらなかった
菜穂は母ちゃんに苦情の話聞いて全て理解してたんだろう
大ゲンカして僕が苦しがってるのも、彼女がヤキモチ焼きって事も
どうしていいかわからなくなってる事もわかってたんだと思う
だから「このメール消しておくんだよ」と付けてまで
「頑張るんだよ」ってメッセージで僕を励ましたかったんだと思う。
菜穂はどこまで可愛いんだ、どこまで僕の事を心配してくれるんだ。こんな可愛いヤツいやしない。
すぐにでも「会いたい」って送り返したかったけど
こんな腐ってしまった僕の人間関係の中に可愛い菜穂を巻き込む訳にはいかないね
「僕は返事を送る資格はない人」
せめてもの返信の言葉すらも思い浮かばず、ただ台所で一人きり体育座りでメールを見つめ
「どうしてこんな風に…ごめんね、菜穂、心配させてごめんね。
ごめんなさい…ごめんなさい菜穂」って泣いていた
また泣き虫だって笑われるね
こんな可愛い女はたった一通のメールでもロクでもないくらい可愛いかった
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:40:02.21 ID:3LFE70iN0
49☆【24歳】
あれこれと、こんがらがってしまった人間関係がうまく行くはずもなかった
あの人に別れを告げられた、そして違う人にもフラれた
僕が悪いんだしそれでよかった。ただ別れを受け入れて行くしかなく
また一人減り二人減り最後に彼女一人だけになった
そして「浮気なんてこりごりだ、寂しいだけだった
これからは真面目になるから、一緒にいよう」と言ったら
彼女「ううん、私もダメだった。でも別れるよ、このままだともう二人にとってよくないよ」とフラれた
僕「わかった」と彼女に新しい暮らしを始めるお金だけはもらってもらって別れた
俺は人に金払ってんのに自分の為にだけ金使ってるはずの菜穂はロクでもない
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:40:23.84 ID:3LFE70iN0
50☆【24歳】
ついに一人になってしまいました。まがいながらにもあれこれと賑やかだったから
急に一人になると寂しくて寂しくて仕方なかった
会社に入り人付き合い禁止令を受けてた僕がそこから友達作るのはなかなか大変な物だった
寂しい部屋で気がおかしくなりそうだけど誰もいない
ご飯も上手に作れないからあまり食べず、寂しくて苦しくて何もないから
せめて寝たいのに寂しくて寝れないそんな最悪の中にいた
「負けて帰って来ました」なんて言って実家に帰る事もできず一人。
そんな「ダメになっていく寂しい生活」の中でただ一つの答えに気付いた
「そうだ、負けでいいんだ、俺は負けたんだ」だからこれを認めよう。
「変な意地張っても仕方ない」認めないと進まない
自分の失敗や不甲斐なさを認めてから、頼れる人に頼ってもやり直せばいい
だから母ちゃんに電話した「今のままじゃダメになるから1ヶ月だけ帰りたい
1ヶ月したらまた笑って暮らすから今は助けて欲しい」って
母ちゃんは厳しい人だけど「1ヶ月してまたちゃんと頑張れるなら帰って来ていいよ」って言ってくれた。
菜穂お嬢様はずっと実家暮らしだロクなもんじゃない
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:40:42.97 ID:3LFE70iN0
51☆【24歳】
実家に帰ってきた。失態帰りでカッコ悪い帰り方になったけど母ちゃんのご飯は
今まで母ちゃんに反抗した事がある全ての事を反省しないといけないくらいうまくて
そしてありがたい物だと実家を離れてみて初めて知った
菜穂には、というと、しばらく連絡は取らなかったけど
隣の隣に住んでいて意識しない訳がない。
あれ?今、帰って来た物音菜穂かな?今、隣の隣の家で菜穂何してんのかな…
そんな事考えて目一杯意識してしまっているけど
「メールか…一通目はなんて送れば…直接か…なんて言えばいい
菜穂は何を知ってるのか何からどう話せばいいのか」
そんな事ばかり考えて連絡はできずにいた。
こんな風に僕を悩ませる菜穂はロクなもんじゃない
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:41:04.13 ID:3LFE70iN0
52☆【24歳】
そうは行っても家は隣の隣。会わない訳がない
ついに菜穂に会う瞬間が訪れた
僕が実家に帰ってから一週間ほど経った会社の帰りの家の前だった。
家の前に自転車を止めようとすると菜穂が出て来たんだ
それは2年半ぶりの再会だった。菜穂「ねぇ?」2年半ぶりに見た菜穂は
やっぱり可愛いかった。いやもっと可愛くなってたかな。…可愛い
菜穂だぁ。そう、倒れるほど可愛かった。
またおっぱいがでかくなったか。どこまででかくなるんだ。
恥ずかしいのであぁ菜穂?そんなヤツいたなぁみたいな感じで「よぅ!!」って言った
でも隠しても顔はニコニコして仕方なかったと思う
こんな照れたリアクションをさせる菜穂はロクなもんじゃない
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:41:22.49 ID:3LFE70iN0
53☆【24歳】
菜穂もニコニコして小走りて近づいてきた。僕はもっとニコニコしてただろう
菜穂「ねぇ?」僕「ん?」菜穂「あのー帰って来てるのはわかってるんですけど?
帰って来たら普通あなたから私に連絡くれるよね?」
僕「あー、そうそう今日!今日連絡しようと思ってた」
菜穂「もぅ。せっかく帰って来たんだからうちでご飯食べて行きなよ」僕「あ…うん」
そうか菜穂に何も気を使う事もなかったんだ、それでよかったんだ
こんな風に帰省した僕に気さくに声掛けてくれる優しい
菜穂なんてロクなもんじゃない
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:41:34.26 ID:oFsHqLck0
なんでこいつ水遁されねーんだよ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:41:41.33 ID:3LFE70iN0
54☆【24歳の時】
菜穂の家でご飯を食べました。
菜穂の両親とも久しぶりでワイワイと楽しかったです
菜穂の父ちゃんに「カッコよくなったな」って言われ
菜穂にも「うん、またカッコよくなったね」って言われた
そういえばスーツ姿見るの初めて?カッコいいのはスーツの事…だよね?
いや、菜穂はもっと可愛くなったけどそれは恥ずかしいので言いませんでした。
仕事の話はしたけど、彼女との暮らしの事は聞かれなかった
気のせいかどことなく家族で気を使ってくれてるのかな?と言う感じがした
菜穂はニコニコニコニコして楽しそうで、可愛かった。
こんな風に優しい家族を持ち笑顔が可愛いなんてロクなヤツじゃない
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:42:05.74 ID:3LFE70iN0
55☆【24歳の時】
ご飯を食べ終わる頃、菜穂が「部屋に行こうよ」って誘ってくれた
僕「わかった!ゲームしようよ!」って実家弟の部屋からゲームを持ってきた
菜穂の部屋かぁ懐かしい。この広い部屋で勉強したっけ。
僕がゲームを取りに行ってた間菜穂は着替えていてタンクトップだった
おっぱいがめちゃデカかった。菜穂その格好急にどうした?何があった?
すごい事になってるんだけど?気になる気になる気になる
特に僕は昔から菜穂の女性っぽい所はとことん打たれ弱いフシがある
こんなに気になるなんて菜穂はロクでもないやつだ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:42:27.00 ID:3LFE70iN0
56☆【24歳】
菜穂はやっぱり僕が幼なじみだから警戒はしてないんだな…
ソファーに二人並んでゲームした。菜穂はスト2が下手で
手を抜いてないフリしながらも絶妙に負けてあげるのに苦労しました
やたらボディタッチが多くポンポン人の腕を叩いてくるので
嬉しくなってポンポンポンポンとやり返した時。
おっぱいが大きくて視界に入って色っぽいので
できるだけ見ないようにした。久しぶりに楽しくて楽しくて楽しかった。
昔の思い出話したり。「菜穂彼氏いるの?」菜穂「いません。」こんな話もした
こちらもあれこれ聞かれると困るからこういう話はこのへんにと思った
こんな風に気を使わせる菜穂なんてロクなもんじゃない。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:42:49.70 ID:3LFE70iN0
56☆【24歳】
菜穂はやっぱり僕が幼なじみだから警戒はしてないんだな…
ソファーに二人並んでゲームした。菜穂はスト2が下手で
手を抜いてないフリしながらも絶妙に負けてあげるのに苦労しました
やたらボディタッチが多くポンポン人の腕を叩いてくるので
嬉しくなってポンポンポンポンとやり返した時。
おっぱいが大きくて視界に入って色っぽいので
できるだけ見ないようにした。久しぶりに楽しくて楽しくて楽しかった。
昔の思い出話したり。「菜穂彼氏いるの?」菜穂「いません。」こんな話もした
こちらもあれこれ聞かれると困るからこういう話はこのへんにと思った
こんな風に気を使わせる菜穂なんてロクなもんじゃない。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:43:08.66 ID:m2APVXOU0
ジューシー久しぶり
何時間使って書き溜めしたんだ?
なにこれこわい
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:43:55.42 ID:3LFE70iN0
57☆【24歳の時】
遅い時間までワイワイと遊んだ、童心に帰れたような時間で
ツラかった僕にはいい時間でした。菜穂が「あー眠たい」と言い出した
菜穂「あー眠たい…寝るよ?」俺「??」…寝るよ??もしかして「一緒に寝るよ?」って…事?
ん?
でもここで「なんだよ、一緒に寝る訳ないよ」みたいなリアクション取ったら
余計恥ずかしがりみたいになるのが恥ずかしくて「あ、あぁ、寝よう、うん寝よう」と
菜穂がベッドに行くのに着いて行く僕。
菜穂は掛け布団をめくり中にチョコンと座っている
僕もベッドに入り座ってる菜穂を横から抱きかかえベッドに倒し菜穂を腕枕した
え?これどんな展開?菜穂を抱っこしてる。いや。幼なじみだよ。え?菜穂だよ
菜穂は白くて細くて柔らかくていい匂いがした。
そして僕の体にピッタリですごく落ち着いた
何かあるのかと言う期待?とは裏腹に菜穂はすぐに寝てしまった
こんなに抱き心地がいい女にはロクな女がいない
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:44:50.90 ID:3LFE70iN0
58☆【24歳の時】
菜穂寝ちゃったかぁ。何かする訳じゃないんだな。そりゃ…そうか…そだね
でも…菜穂の寝顔、可愛いなぁ、キスしたい。この大きな胸に触りた…
いやダメだ。菜穂は幼なじみだからどこか懐かしくてこうしてるかもしれない
相手に何も思われてないのに自分だけ発情してどうする。
落ち着いて落ち着いて邪心を捨て修行僧のように寝よう。
…眠れない。当たり前だ寝れる訳がない。寝たのかなんなのか浅い睡眠だった
2時間くらい経った頃だろうか。異変が起こったんだ。
突然、菜穂が「うーん」って動いて僕の上に乗っかってきた
そして僕のほっぺに手を当て…そして口にキスをしてきた。…な!なにこれ!?…マジで!?
菜穂とキス?菜穂だよ!?え!!!!!というかシャレにならない!!
…くらいに可愛い
突然の事に戸惑いながら一生懸命キスのお返しをして頭をよしよしした。
おっぱい触りたかったのにおしりを触っていた
要するにテンパっていた。菜穂は次に僕の下のほうをゴソゴソしてきた
いや、僕がさせたのか?いや焦りすぎてもう覚えてない
え?これ始まっちゃうの?
僕を戸惑わせるなんて菜穂はロクでもない
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:45:10.92 ID:3LFE70iN0
59☆【24歳の時】
そんな行為のあと菜穂はすっと布団に潜った。
僕が潜らせたのか?いや焦りすぎてもう覚えてない
え…な、め、た?
その時、何かハッとしたんだ…。「これは止めないと」って…
「俺、こんな可愛い菜穂に何させてんだ」って
家を出てクズになってしまった自分じゃ菜穂に申し訳ないって。
菜穂は何も知らないかも知れないのに。
菜穂みたいな子を僕みたいなクズに引きずり込む訳には行かない。
それと…もぅ女の子が怖くなっていたという理由もあるかもしれない…。
そして、菜穂をそっと引き上げた。
「もう寝るよ」と一言、言って菜穂の頭をよしよしってした
僕が見たあれは気のせいじゃなかったなぁ、うん…菜穂は泣いていたんだ
それは見ないフリした。なんで泣いたんだろう。そんな事考え少し眠ると朝6時だった
菜穂が寝たままこっそりと着替えて家を出て仕事に向かった
どこか悲しい朝を迎えた。こんな風に迎えた朝はロクなもんじゃなかった。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:45:33.94 ID:3LFE70iN0
60☆【24歳の時】
仕事に出掛けたが仕事は珍しく手につかなかった。1日中ぼんやりしてた。
何回も怒られたが怒られた事すら上の空。菜穂の事ばかり考えていた
「どうして泣いたんだろう…」家に帰っても考え12時を越え深夜4時になっても考えてた
そんな時、もしかしてって言う一つの答えに当たった
「菜穂はもしかして俺の事が好きかもしれない。だからあんな風にしたかもしれない」
これは大きな勘違いなのか?
だって菜穂が好きでもない人にそんな事する子って到底思えない
好きでもないのにあんな事する子って思うのは菜穂に失礼すぎる。
菜穂は絶対にそんな子じゃない
でも、それ以上にわかった答えがあった。僕だ。僕はずっと菜穂が大好きだったんだって事
小学校の時はみんなに菜穂が大好きだと言ってやりたかった
小説もバック転も菜穂が好きだったから。
中学校の時も菜穂が大好きだから一生懸命マラソン走った
勉強は嫌いだったけど大好きな菜穂といれる空間が大好きだった
高校の時には菜穂が大好きだから勉強中にキスしようとしたじゃないか
大学の時には少ないバイト代崩してマフラーをあげたかった人は大好きな菜穂だった
それどころか彼女がいてもいつも意識ばかりしてたのが大好きな菜穂一人だけだった
他にあれもこれも思い出しても菜穂が大好きで大好きでいっぱいの思い出ばかりだった
それなのに自分では認めてなかっただけだった。
「うん、もう、今からでいいからメールしよう」午前4時だった
こんな大好きで大切な気持ちに気付かせる引き金を引いた菜穂なんてロクでもない
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:45:56.10 ID:3LFE70iN0
61☆【24歳の時】
とりあえず心配で仕方なかったし。謝ろう。あわてずにしっかり送ればいい
核心的な事はとても言えないのでとりあえず
「こんな朝方にごめんなさい。昨日は一緒に寝てくれたのに
何も言わずに帰ってごめんなさい。また起きたらメールください」
って送った。返事はいつ返るのか…もう返って来ないかもしれない
そんな事を考えてたらすぐにメールが返ってきたんだ
菜穂もか…
菜穂も同じようなモヤモヤした気持ちで眠れずに起きてたんだ…
メールは「ねぇ?なんで起きてるの?明日。ってか今日仕事だよね
女の子にフラれて情けなく帰って来るような人がなにを人の心配してるの?
ありがとう。
ちゃんと寝て仕事行っておばちゃん安心させてあげるんだよ。
メールいつでもしておいでね。てかするからね」って
メール見てまた泣いちゃった。
やっぱりフラれたって知ってて聞かないでいてくれたんだ。
眠れずに僕より菜穂のほうがたまらない気持ちでいたはずなのに
自分の事はそっちのけでこうやって自分より僕や母ちゃんの事を先に考えてくれる
菜穂が優しいからまた涙が止まらなかった
そんな優しい子だから僕は一番に菜穂の事を考えてあげたかった
菜穂は一つ一つが優しいから見逃さないようにしてあげないと。
大好きだ。「会いたい」とだけメールしてその日仕事が終わったら会う事になった
菜穂の家でご飯も用意してくれるって。
ロクでもないくらい優しかった
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:46:03.65 ID:TYcH2zfX0
あーこれどっかで読んだわ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:46:16.82 ID:3LFE70iN0
62☆【24歳の時】
菜穂に会う日。「菜穂の事が大好きなんだ」ただそれをちゃんと素直に伝えられればそれでよかった。
菜穂に言わせようとするんじゃなくて自分からちゃんと。
フラれたらもうちょっと離れた所で暮らせばいいか。そして相変わらずの毎日を過ごせばいい。
その日、仕事が終わると菜穂に会った。帰ると菜穂は家の近くの曲がり角で待っててくれた
「おーい」って手を振ってくれた。一昨日の事はまるで何もなかったように接してくれた
菜穂の家族とご飯を楽しく食べた、その時も菜穂はずっと明るくしてくれた。
ご飯が終わり菜穂の部屋で菜穂と並んでソファーに座り長い沈黙が続いた
僕は切り出した「昨日は…勝手に帰ってごめんね」
菜穂「うん…いいの」僕「うんごめん」菜穂「いいの…起きてたから」
起きてたんだ。起きてたのに声掛けられなかったんだ。
…切なかっただろうな
と、考えさせる菜穂はロクなもんじゃない
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:46:35.88 ID:3LFE70iN0
63☆【24歳の時】
菜穂は続いてこう言った「わかってないなぁ」って。
わかってない?菜穂の事はわかってない、そうやって言われても仕方ないかもしれない
でも僕がわかる事と言えば僕が菜穂の事が大好きだって事
だから「わかってるよ」って言った。菜穂「何をわかってるの?」
僕「俺は…菜穂が好きなんだ。大好きなんだ、それは自分でわかってる」
菜穂は信じてくれなかった。「何を言ってるの?からかってるの?」って。
そっか、僕が菜穂の事好きだなんて今さら気付いて口にしても信じてもらえないくらい
時間が経ってたんだね。少し残念な気持ちでいると。菜穂がこう言った
「あなたじゃなくて、ずっとずっと私のほうがあなたを好きだったんだよ」って。
え?今、聞き間違えたかな?え???
一瞬何を言われたかわからなかった程、衝撃の一言を放つ菜穂なんてロクでもない
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:46:57.04 ID:3LFE70iN0
64☆【24歳の時】
菜穂は泣きだしてた。でもはっきりした口調でちゃんと言った
「ずっと、ずっと好きだったんだよ!わかってるの?」って
でもそう言われてさっき菜穂が僕の言う事信じなかった気持ちがわかった
菜穂が俺をずっと?いや、え?ずっとではないよね?だから聞いたんだ
僕「でもさ、大学の時彼氏いたよね…」
菜穂「はぁ…いません。見た人の事でしょ?あの人はサークルの人
もぅ、絶対勘違いしたと思ってた、結局告白はされたけどお断りしました」
僕「え?じゃぁ高校の時は…俺を…好き…だったの?」菜穂「好きに決まってるよ、
学校違うのにマフラーあげたじゃん。なんでマフラーのお返しが塩ようかんなの?」
僕「あ…仏壇の前に置いていたので」
菜穂!!俺だってマフラーあげたじゃないか、
マフラーのお返しが塩ようかんだと思ってるとか言い訳はできないけど
こんなに泣いてる菜穂に言い訳はできなくてロクでもない。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:47:16.14 ID:3LFE70iN0
65☆【24歳の時】
ずっと…ずっと…彼氏もいなかった…あれ…ひょっとして…え?
僕「あれ?菜穂…変な事聞くよ…菜穂はキスした事ある?」
菜穂「うん、あるよ」僕「あぁまぁそれくらいはあるね、普通、うん」
菜穂「あなたとだけ」って指さされた
マジで?この子、初めてさん?
こんな可愛い、菜穂が、あんな人気者で告白ばっかりされてた
菜穂が初めてさん?
菜穂はヘナチョコの僕なんかが敵わないくらい意思が強くて偉大だった
可愛い過ぎてロクなもんじゃない
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:47:47.07 ID:3LFE70iN0
66☆【24歳の時】
菜穂はボロボロ泣きながら「ほんとにわかってくれてるの?
小さな頃から小学校の時も中学校の時も高校も大学も…今も大好きなんだよ!!」って言った
ただただ驚きと信じていいのやらで僕はどうやって答えたらいいかよくわからなくなってた。
すると菜穂は席を立って机の引き出しをあけて何かを取り出して僕に見せた
「はい、恥ずかしいから今日は隠してたけどいつもは飾ってる」ってそれを見せてくれた
それは僕と菜穂が5歳の時に撮った二人が手をつないでニコニコしてる写真だった
それを見た瞬間、涙が止まらなくなった。
5歳の仲良しの二人が手をつないでニコニコしている写真
その幼い二人はお互いの事を大好きだから当たり前みたいに大好きと言い合い一緒にいる
でも僕は大人になるにつれ小さな頃にはできたその「当たり前」をだんだんできなくなってた
菜穂の事をみんなが好きって言うから自分は遠慮しておこうとか
自分にはお高い人だとか勝手な言い訳を作って自分の気持ちに嘘ばっかりついてた
菜穂はあの頃と何も変わらず、ずっと真っ直ぐに想ってくれてたのに。
菜穂がよく言ってた「好きな人」「それはあなたがよく知ってる人」それは他の誰でもない僕だった
それなのに菜穂の事好きで好きで仕方なかったのに自分をごまかしては逃げてばかりで
僕ばっかりが曲がり続けて当たり前から目を反らしていた。
[好きだから好きと言って一緒にいる]そんな当たり前で純粋な事を
写真の中の幼い二人が大人になった僕に教えてくれた。
二人のその純粋さが伝わったから涙が止まらなくなってた
そして僕は菜穂の手を取り抱きしめてもう絶対に離さないようにして
「もぅね、ずっとずっと一緒にいるから僕の彼女になって下さい」ってカッコもつけず言ったら
菜穂は「…うん…じゃぁね、今日を二人の記念日にするんだよ」って言ってやっと笑ってくれた
そしてキスをした
僕を泣かせる名人の菜穂なんてロクなもんじゃない
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:48:10.28 ID:3LFE70iN0
67☆終【それからとこれから】
そして、ただの幼なじみだった僕と菜穂は彼氏と彼女になりました。
菜穂はちゃんと彼氏と彼女でいたいからと僕の事をダーリンって呼ぶ事に決めたみたいです。
早々に菜穂と菜穂の両親には結婚しますと伝えました。
菜穂だからもうちょっと落ち着いたお付き合いになるのかと思いきや。
毎日毎日大好きと言ってくれるので嬉しくて負けないように言い返すのが大変です
いつもしっかりしてたお姉ちゃんみたいだった菜穂ですが最近はちゃんと甘えてくれるから
ちょっと僕もお兄ちゃんになったのかなと調子に乗ってしまいます
今まで男の子とお付き合いした事ない菜穂だから学生時代なんかにできなかった事を
全て取り返してやろうと思い、遊園地にも水族館にもカラオケにも色んな所に行きました
書いてきたように菜穂はほんとロクでもないヤツです。
可愛くていい子で誰からも好かれて天使のような笑顔で
いつも僕の事を誰よりもわかってくれて誰よりも
優しくしてくれるロクでもないくらいイイ子なんです
僕にとっては世界中探してもこれ以上の人はいない、ロクでもないくらい大切な人だから
こうやってしてくれたロクでもない菜穂の素晴らしい仕打ちに対しては
一緒にいてちゃんと結婚してお嫁さんになってもらって一生をかけて
一番幸せにする事で仕返ししてやらないと、とてもとても気がすまないのです。
菜穂が僕の幼なじみに生まれて来てくれた事はほんとロクでもないくらい大切で幸せな宝物なんです
【終わり】
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:51:12.02 ID:4UeNdWUB0
イイハナシダナ〜
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:55:41.85 ID:kseG19iL0
ジューシーほんと、いい文書くんだよなぁ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:59:29.53 ID:HyTwDvZ/0
なんだよこれ…流し読みで三回泣いた
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 02:59:48.41 ID:Z7ZuREv50
いくらなんでもこれは長過ぎて読めない
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:03:51.58 ID:qtDFEg9n0
俺を泣かせるなんて、ほんとロクでもないな
、 l _,
ヽ/⌒ヘ~
., 't,_,ノ丶 ハ ∧
/ ! '` | :ヽ ヽ :\
|: : :ヽ | : :/
/,:. '/‐―イ:: : :} イェイ!!
| (・) (・) /
丶 ○ / これは格別にジューシー
! ヽ、,,,.ノ ノ
,-、 | |
||`:、 __ _ノ 丿
/ 'i、 ̄~~ ij 乙__,-、
|遅 |-ァ __,| .|
|刻 | i' 'l /いヽ
|_ | ! l | い |
~^''!, ,_ ,!_... | ち |
\ l,~^''‐--:.,,⊃| こ |) ) ) )
`'‐’ ~
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:09:46.01 ID:+XOZizvW0
これ実話?
自演って虚しくないの?
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:14:31.42 ID:o+jEFD/Y0
これ読む奴いんのかよ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:38:53.55 ID:qtDFEg9n0
ジューシーすげえ
ないた
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:43:55.67 ID:jyPPJynP0
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:44:46.31 ID:7P7ysutti
でも別れたんでしょ?
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 03:51:03.26 ID:+BraOOxF0
菜穂に、フェラされて、逃げ帰って
どうすればいいか、テンパって、
2ちゃんにスレ立てて爆伸びして
コテデビューして、話し合いに、行ったのがジューシーな
あの頃の、ジューシーは可愛かった
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 04:22:18.93 ID:/v/88bLp0
アンチにも飽きられたか。。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 04:31:41.69 ID:/v/88bLp0
哀れなジューシー
某所(mixi)で馬鹿にされてるよ(^^;;
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 04:41:19.83 ID:J+XaQ6mC0
またはじまったの?wwwwwwwwしねqwwwwwwwwwwwwww
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 04:45:14.75 ID:GUr+CC6pi
自演丸出し過ぎふいた
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 05:10:55.58 ID:kYUIm55ti
騙される人いないよね
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 05:12:37.14 ID:+XOZizvW0
>>96 メール送ったブスな女性が写メ交換した途端ジューシーから返事来なくなったってレス見た
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/23(土) 05:19:20.43 ID:oTbIJshdO
ジューシーの妄想力って凄いなwww
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
キチガイを装った釣りだとは思うが
画像まで用意して毎晩1年近くスレ立てまくってたのはやっぱりマジキチ