1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
男「なんだよ委員長、ポジティブなことくらい叫ばせてくれてもいいだろ」
委員長「叫ぶんだったら外で叫びなさい。他の人の迷惑でしょ」
友「いや、だって外寒いし…」
委員長「だから?」
男「さすが委員長、相変わらずクールだぜ…」
ID:xC6GcOeq0
2 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:37:13.00 ID:xC6GcOeq0
3 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:39:27.05 ID:xC6GcOeq0
2月21日(月) 昼休み
2-A
男「おーい、幼馴染、いるか?」
幼馴染「あ、男」
男「昼一緒に食おうぜ。いいか?」
幼馴染「ん」コク
男「よし、んじゃ行くか」
――バレンタインから1週間が経った月曜日、今日も俺は幼馴染を昼飯に誘う。
バレンタインの1週間前に疎遠だった幼馴染と復縁して以来、こいつとはほぼ毎日昼飯を一緒に取っていた。
…復縁というには、以前より関係が深まっている気もするが。
4 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:42:19.83 ID:xC6GcOeq0
食堂
男「いただきます」
幼馴染「いただきます」
男「今日はなんだ?」
幼馴染「ピーチ&グレープミックス」
男「へえ、美味いのか?」
幼馴染「それなりに」
男「へえ…」
――他愛もない話をしながら、少し前…バレンタインとその1週間前、友とバレンタインのチョコを貰うため奔走していた日々を思い出す。
思えばあいつと一緒に真面目な努力をしたのは初めてだったかもしれない。
その努力の結果、友と俺は互いに3つづつバレンタインチョコを貰うことができた。
そのうちの一つ…というより1杯をくれたのが、目の前にいる幼馴染だ。
…本命、しかもほっぺにキスまでついた文字通り『熱い』ホットチョコレートを。
5 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:46:18.29 ID:xC6GcOeq0
幼馴染とは、小学校の時に別のクラスになって以来、一度も同じクラスになることもなく接点のないままだった。
それが2週間前に俺が話しかけたことをきっかけに、またこいつと話せるようになった。
最初はこいつの興味のある飲み物の話題だけだったけど、そこから少しづつ色んな話題を話せるようになって…
そしてある日の放課後、立ち寄った公園でこいつの本当の思いを聞いて、それをきっかけにこいつとしっかり向き合おうと決め、
バレンタインにほとんど告白に近いチョコとキスのプレゼントを貰って…それでも、俺はまだ幼馴染の想いには応えていない。
俺はまだこいつを本気で好きになれてないから。もっとしっかり幼馴染と向き合って、ちゃんとこいつを心の底から大事だと思えるようになったら…
そのときは、俺から告白しようと思っている。
幼馴染「…どうしたの?」
6 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:48:21.33 ID:xC6GcOeq0
男「へ?あ、ああ、いや、ちょっと考え事をしててさ」
幼馴染「そう」
男(うーん…でも、このままじゃ駄目だよなあ。ずるずるとこんな関係続けてたら、幼馴染に対して失礼だし、
かといってこいつと離れるってのもなんか違うし…なんか、俺たちの関係を一気に変えるなんかがありゃあなあ…)
男(…そういや、友のほうはどうなったんだろ。確かあいつは…)
7 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:50:28.33 ID:xC6GcOeq0
数分前 2-B
友「おーい、風紀ー」
風紀「…!」
友「なあ、一緒に昼食わないか?男は別の子と食ってるから、俺一人なんだ」
風紀「へっ!?な、なんだって?」
友「いや、だから一緒に昼を…」
風紀「あ、ああ、昼食か!いいぞ、私たちは友人だからな、うん」
友「…何焦ってるんだ?」
風紀「あ、焦ってなんかない!行くぞ!」
友「あ、うん」
――あれから1週間、なんだか風紀の様子がおかしい。
そりゃ、バレンタイン以前はこっちから話しかけるなんてなかったけど、話すようになってもう2週間経つのに、
どうしてこんな反応をされるんだろう。…なんか悪いことした覚えもないし…ここ2週間は。
うーん…分からない。
8 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:53:00.46 ID:xC6GcOeq0
食堂
友「いだたきまーす」
風紀「い、いただきます」
こいつと昼を一緒に食う仲に…友人になって、もうすぐ2週間だ。
最初はこれまで男と一緒に散々迷惑をかけてきたせいもあってとげとげしかったけど、向こうから友人になると宣言されてからは普通に食事したり、話ができるようになった。
でも、バレンタインにこいつから本人いわく哀れみの板チョコを貰った次の日から、今日までどうも反応が変だ。
声をかけたら慌てだすし、なかなか目を合わせてくれないし…もしかして…
9 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:55:14.50 ID:xC6GcOeq0
友「…風紀、もしかしてやっぱりまだ俺のこと嫌い?」
風紀「は、はあ!?」
友「いや、だってなんかここ最近様子が変だし…俺といるの嫌なのかなって」
風紀「な、何言ってる!そうじゃない!」
友「じゃあ何でなんだ?」
風紀「なんでって…その、なんだ…」
友「…?」
風紀(そんなの、自分でも分からないのに言えるわけがない…)
10 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:57:25.54 ID:xC6GcOeq0
放課後
男「どうよ、調子は」
友「調子って、なんの?」
男「バレンタインから誰かと進展はあったかって訊いてるんだよ。やっぱ風紀と仲良くなってんのか?」
友「いや、それがさ…」
・
・
・
友「…ってわけなんだけど」
男「ふーん…なるほどなぁ…」
(どっちも鈍感…ってことかねぇ。なんともまあ…)
「じゃあ、家庭部のほうは?今日も後で会いに行くんだろ?」
友「いや、家庭部はなんていうか、友達というか…そういう関係じゃないよ」
男「なんだ、そうなのか。ま、そのほうがいいか、お前に二股なんて無理だろうし」
友「あれ、今俺バカにされた?」
11 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 21:59:30.49 ID:xC6GcOeq0
友「そういうそっちはどうなんだよ。そっちは会長と幼馴染の二股できてるとか言うのか?」
男「…馬鹿言うなよ。そんなこと俺はできないだろうし、するつもりもねーよ」
友「じゃあ幼馴染一筋か?」
男「…そうだな。今日もこれから一緒に帰る予定だし」
友「ふーん…そういや俺、幼馴染のことよく知らないんだよな。どんな子なんだ?」
男「そうだな、寡黙というか、静かというか…ちっちゃくて大人しめな感じかな」
友「へー…今度紹介してくれよ。お前の幼馴染がどんな子かってのは興味あるし」
男「いいけど、あいつちゃんと話できるかな…ま、機会があったらな」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:01:34.11 ID:VhsRvGes0
支援
13 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:02:28.02 ID:xC6GcOeq0
男「っと、そろそろ幼馴染を迎えに行くか。じゃ、また明日な」
友「おう、また明日。そんじゃ俺は、家庭部が終わるまで風紀の手伝いでもしてるかな…」
・
・
・
午後5時35分 家庭科室
友「家庭部、いる?」
家庭部「あ、友さん。お待ちしてました」
友「それで、今日も貰っちゃっていいの?」
家庭部「ええ、もちろんです。そのために残しておいたんですから、むしろ食べてもらわないと困っちゃいます」
友「そっか。それじゃ、遠慮なく貰おうかな…」
14 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:04:43.44 ID:xC6GcOeq0
――家庭部は、バレンタインにチョコをくれた子のうちの一人だ。この子からは当日に家庭部で作ったチョコクッキーと、手作りのチョコを貰っている。
それからというもの、家庭部のある日は終わった後に作った料理を貰うようになっている。
学校が終わって小腹がすいている時に食い物をもらえるのは非常にありがたい。ホント、家庭部には感謝だ。
友「…うん、ご馳走様でした。美味かったよ、家庭部」
家庭部「本当ですか!ありがとうございます」
友「お礼を言うのはこっちだって。こんな美味いものタダで貰ってさ」
家庭部「いいんですよ別に、友さんは大事なお友達なんですから」
15 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 はつらいよ:2011/04/17(日) 22:07:05.28 ID:xC6GcOeq0
友「それじゃ、今日も駐車場まで送るよ。待ってて、荷物取ってくるから」
家庭部「ええ、それじゃ校門で」
家庭部はいわゆるお嬢様で、学校へは途中の駐車場まで車で送ってもらっている。
本当は普通に歩いて通いたいらしいけど、家から学校まで遠い上に使える交通機関も近くにないから、仕方なく車で送ってもらってるらしい。
…まあ、車っていっても別にリムジンみたいな高そうな車じゃなく、普通の乗用車なんだけど。
駐車場
家庭部「お母さーん」
家庭部母「お、来た来た。あら、友君も一緒かい」
友「あ、こんばんわ」
16 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:09:15.63 ID:xC6GcOeq0
家庭部母「いやー、いつもすまないね。あたしも家庭部のある日は遅くなるから心配でさ、ホント助かるよ」
友「いえいえ、そんな大したことじゃないですし」
家庭部母「そんなことないって。申し出るだけでも中々できないし、この子のことだから、また送るの断ろうとしたんだろ?」
友「いえ、別にそんなことはなかったですよ」
家庭部母「!へえ…」
友「どうかしたんですか?」
家庭部母「…いや、なんでもないよ。それじゃあね友君。また遊びにおいで」
友「ははは…まあ、機会があったら。それじゃ、さようなら」
家庭部「友さん、また明日」
友「うん、また明日」
17 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:11:35.08 ID:xC6GcOeq0
その夜
男「…幼馴染かぁ…どうしたもんかな…」
男(このままの関係も悪くはないんだけど、それじゃあいつの気持ちをないがしろにすることになっちまう…
でもなあ…別に嫌いってわけじゃない、むしろ結構あいつのこと好きなんだけど、恋愛感情に至ってないっていうか…
自分の心が思い通りになるなら、こんな悩みはないんだろうな…)
男「…心が思い通りにならないといえば、風紀と友はどうなるんだろう。多分風紀は友のこと好きなんだろうけど、
友はおろか風紀も自分の心に気づいてないみたいだしな…困ったやつらだ」
18 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:13:37.84 ID:xC6GcOeq0
男(…いや、もしかしたら気づいていても認めたくないってことかもしれないか。なんせ俺と友はずっとあいつに迷惑かけっぱなしだったし…
これが友以外だったら素直になれてたのかも……。…でも、友以外だったらそもそもそういう関係に至ってなかったかもな。
なかなか風紀はガード固いし。二重の意味で。友が風紀に好かれたのは、元々風紀の中で強い印象を持ってたのが、
友の積極的な行動でプラスに向かった…って感じなんだろうな)
男「…ま、いいやー。今日はもう寝よ、めちゃくちゃ眠い…」
カチッ カチッ
19 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:15:41.22 ID:xC6GcOeq0
※分岐 友・風紀ルート
2月22日(火) 朝
2-B
友「男、おはよー」
男「おう、おはよう」
友「いやー、なんか最近は平和だなー」
男「そうだな。特に騒動も起こしてないし、あのバレンタイン前の日々に比べたら穏やかなもんだな」
友「バレンタイン…それはすでに遠い思い出のよう…」
男「こらこら、まだ1週間しか経ってないだろ」
友「でもさ、なんだかあれから随分経ったように感じないか?」
男「それはまあ、確かに。本当に密度の濃い毎日だったからな…」
20 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:17:45.88 ID:xC6GcOeq0
男「しかし、こう平和だとなんか面白くないな…」
友「そうだな…なんか面白い出来事でも起きればなあ…」
男「…いっそ起こしちまうか?」
友「え?」
男「向こうから来るのを待つより、こっちから迎えに行くほうが手っ取り早いだろ?
俺たちはいつだってそうしてきたじゃないか、忘れたか?」
友「…そうだ、すっかり忘れてたよ。やはり平和な日々というのは牙をあっさりと抜いていくものなんだな…」
男「それじゃ、いっちょ考えてみるか?」
友「おう、そうするか!」
風紀「何を考えるって?」
男・友『うげ…』
21 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:19:47.72 ID:xC6GcOeq0
風紀「しばらく大人しくしていたと思ったらこれだ…いい加減大人になれ、お前たち」
男「なんだよ、いいじゃないか!校訓にもあるだろ、常に挑戦を怠らない人間であることって!」
風紀「それで人に迷惑をかけなければな。私も毎回毎回いい加減疲れるんだ」
友「いや、そりゃ悪いとは思うよ。でも俺たちはそうしないと生きていけないんだよ」
風紀「…バカなことを言うな。そんなことで人が死ぬか」
男「残念ながら死ぬんだよ、脳がだんだん腐っていくんだ」
風紀「そうか、ならちょっとショック療法で治してみるか」ス…
友「ちょ、ストップストップ!」ガシッ
風紀「うひゃあ!?」ビクッ
友「え…」
22 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:21:57.70 ID:xC6GcOeq0
風紀「な、何するんだいきなり!?」
友「何って、ちょっと腕掴んだだけじゃ…」
風紀「い、いきなりそんなことするなんて…!」
友「そんなことって大げさな、俺とお前は握手だってしたことあるんだし…」
風紀「そ、そういう問題じゃ…と、とにかく断りもなしにいきなり人の腕を掴んだりするな!」
友「断りもなしに人を殴るのはどうなんだ…」
風紀「う、うるさい!早く席につけ!」
友「なんだよ、横暴だな…」
男「…友、助かったぜ」
友「へ?何が?」
23 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:24:58.66 ID:xC6GcOeq0
休み時間 2年廊下
男「さて、さっきは命拾いしたし、また風紀が来ないうちに話し合おうか」
友「そうだな。で、何をやるんだ?」
男「そうだな…もうすぐ卒業シーズンだし、それに絡めた何かをやりたいところだな」
友「卒業か…早いものだな、もうそんな時期なんだな…」
男「まあ、俺たちはもう1年先だけどな。さて、テーマは卒業だ。なんか面白そうなこと思いついたか?」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:26:34.52 ID:5WR2b3CP0
さるよけ
25 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:27:11.20 ID:xC6GcOeq0
友「うーん…桜の木に派手な飾り付けをするのは去年失敗したし…」
男「あれは量が多すぎて持ってくるとき一発で風紀にばれたからな…」
友「今度は量を減らして再挑戦するか?」
男「いや、一度失敗した案だし別にいいだろ。でも桜に関係する何かってのはいいヒントかもな…」
友「うーん…桜かあ…」
生徒A「おい、またあの二人変な相談してるぞ」
生徒B「ほっとけよ、どうせまた風紀にのされて終わるだけだろ」
生徒A「それもそうだな。あの捕り物はなかなかいい見世物だし」
26 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:29:18.30 ID:xC6GcOeq0
男「桜…さくら…さーくーらー…さーくーらー…」
友「…なんか歌になってるぞ」
男「ああ、知ってる」
友「桜の歌って結構あるよな…」
男「ああ、定番だしな。…そうだ!」
友「お、なんか考え付いたか?」
男「おう、桜ソングの全校放送だ!」
友「…なんか普通じゃないか?」
男「なーに言ってんだ、全校放送っていっても放送室からじゃない。俺たちがラジカセを担いで直接聴かせるんだよ」
友「ラジカセ…」
27 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:31:22.08 ID:xC6GcOeq0
男「おう、ラジカセで桜ソングを俺たちの歌と一緒に流しながら校内を練り歩いて、全校生徒に桜ソングの素晴らしさを強制的に教え込んでやるのさ。
直接聴かせるから、放送のスイッチを切っても絶対に耳に届くぜ」
友「な、なるほど…でも俺も歌うの?俺歌苦手なんだけど…」
男「上手い下手は関係ない、大事なのは魂さ!」
友「た、魂…!」
男「魂を乗せた歌なら、きっとみんなに伝わる!たとえそれが嫌がらせに近い聴かせ方でも!!」
友「お、おお…!!」
28 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:33:24.84 ID:xC6GcOeq0
男「どうやら、乗り気になったようだな」
友「おう!日本の魂、全校生徒に思い出させてやるぜ!」
男「よしきた!それじゃ早速今日の放課後、流す歌のCDを探しに行くぞ!」
友「了解!燃えてきたぜっ!!」
男「やるぞーっ!!」
友「おーーっ!!」
ガラッ
委員長「うるさい!叫び声が教室まで聞こえてくるんだけど!」
男「あ、すいません」
男「…というわけで、放課後は空けておけよ」
友「ああ、そっちもな」
男「それじゃ、そろそろ授業の用意しなきゃな」
友「ああ、また後で」
29 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:35:27.65 ID:xC6GcOeq0
友「さーて、楽しくなってきたぞ…」
風紀「何がだ?」
友「うおっ、風紀!」
風紀「内容まではわからんが、どうせまたくだらない企みでも話してたんだろう?」
友「く、くだらなくない!これは愛国心からくる…」
風紀「はぁ…友人に負担をかけないようにしようとか思わないのか、お前は」
友「いや、そりゃ悪いとは思うけどさ、なんていうかじっとしていられないんだよ、俺と男は」
風紀「だったら迷惑のかからないようにやってくれ…。…なんでこんなやつを…」ボソッ
友「ん?なんだって?」
風紀「…なんでもない。とにかく、騒動を起こすなら覚悟しろよ」
30 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:37:28.54 ID:xC6GcOeq0
昼休み
男「よし友、今日は一緒に食おうぜ」
友「あ、幼馴染とは食わないんだ」
男「そうしたいのはやまやまだが…お前、俺がいないと風紀と食うだろ?」
友「…それは確かに」
男「だから話し合いも兼ねて今日はお前とだ」
友「分かった。それじゃ行くか」
31 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:39:30.87 ID:xC6GcOeq0
食堂
男「いただきます」
友「いただきまーす」
男「…さて、今のうちに流す曲の候補を決めておくか」
友「そうだな、あんまり難しい曲は勘弁してくれよ」
男「ああ、なるべく歌いやすい曲だな。まずメジャーなとこだと、森山直太郎とかだな…」
友「ああ、いーまーさーきーほーこーるーってやつ?」
男「そうそうそれそれ」
友「桜ソングって実際いい曲多いよな。やっぱ分かりやすいテーマだからかな」
男「さあ、作曲者に訊いたら作りやすさとかは聞けるかもしれんが」
32 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:41:31.56 ID:xC6GcOeq0
男「…こんなとこか」
友「うん、なかなかいい選曲だな」
男「そんじゃ、あとは放課後だな。つーわけで、今はこれで解散。んじゃ、俺先に戻ってるからな」
友「おう。俺はどうしようかな…ん?」
(あれは風紀…なんか急いでるみたいだな。風紀委員の集会とかかな?今は声をかけないほうがよさそうだな)
友「…しばらく適当にぶらついてるかな」
33 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:43:33.60 ID:xC6GcOeq0
放課後 レンタルCD屋
男「えっと、桜、桜…お、こりゃいい。桜ソングのアルバムだってよ」
友「へえ、そういうのもあるんだ。だったらこれ1枚で事足りるな」
男「おう。そんじゃ、これ借りようぜ。ちゃんと金半分出せよ」
友「分かってるって」
男「…じゃあ、ラジカセは任せた」
友「おう、CD持ってくるの忘れるなよ」
男「分かってる分かってる。ちゃんとバッグに入れっぱなしにするって」
友「また明日、がんばろうな」
男「おうよ、また明日」
友「…う〜ん、わくわくしてきたな…あれ?」
(風紀…帰りかな?いや、制服だけど荷物持ってない…どうしたんだろう。
…あ、文房具屋に入っていった。追いかけてみるかな)
34 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:45:33.86 ID:xC6GcOeq0
文房具屋
風紀「ふむ…」
友「おーい、風紀ー」
風紀「へっ!?と、友!?なんで!?」
友「なんでって、帰る途中に風紀を見かけたから。そっちこそ、なんで荷物持たないで文房具屋に?」
風紀「あ、ああ…いや、先生にお使いを頼まれてな。職員室の備え付けの生徒用のボールペンが全部駄目になったから、
また1ダースセットの安いやつを買ってきてくれと」
友「へえ。でもそういうのって、お使いするにしても生徒会とかじゃ…」
風紀「ちょうど風紀委員の仕事をやろうとして、ボールペンを取りに行ったところだったからな。
ちょうどよかったということで、私が頼まれたんだ」
友「なるほど。信頼されてるんだな」
風紀「信頼?」
35 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:47:57.53 ID:xC6GcOeq0
友「そんな風に簡単にお使いを頼めるほど、しっかりしたやつだと思われてるってことだろ?俺なんか、絶対先生に頼まれごとなんかされないだろうし、
たとえお前以外の風紀委員でもそんな気軽にお使いなんて頼まないって」
風紀「そうか?」
友「そうだよ。やっぱ風紀はしっかりしてるんだな。すごいと思うよ」
風紀「なぁっ…そ、そんなことは…っ…は、恥ずかしいことを言うな!」
友「え、ご、ゴメン…」
36 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:50:00.08 ID:xC6GcOeq0
風紀「と、とにかく、私はボールペンを買って学校に戻る。お前は寄り道しないでまっすぐ帰れ」
友「いや、俺も風紀と一緒に行くよ」
風紀「…なんだって?」
友「ここで会ったのも何かの縁だし。せっかくだし、俺がそのボールペン持って一緒に行ってやるよ」
風紀「べ、別にそんな…」
友「いいから。これもいつもの手伝いの一環だと思ってさ」
風紀「…わ、分かった。だったらお願いする」
友「よし、決まりだな」
バレンタインがうんたらかんたらの人か
38 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/17(日) 22:52:39.67 ID:xC6GcOeq0
学校までの道中
風紀「…全く、そうやっていつも他人への気遣いを心がけてくれたら、私に迷惑がかかることもなくなるのかもしれないが…」
友「いや、だって俺と男が騒ぐのは、ほとんどライフワークみたいなものだし」
風紀「お前たち二人というやつは…大体、なんでそんな騒ぎを起こそうと思うんだ?」
友「なんでって…面白いからかな」
風紀「お前たちの楽しみのために私はいつも疲れさせられているのか…」
39 :
>>37 オー、イエス:2011/04/17(日) 22:54:46.94 ID:xC6GcOeq0
友「全部の騒ぎがそうじゃないだろ?俺たちが予想もしないようなトラブルが起きることだってあるしさ」
風紀「それは仕方ないとしてもだ、お前たちが積極的に行動を起こしさえしなければ、私は楽ができるというのに…」
友「そんな真面目にならなくてもいいじゃないか。どうせお前が止めなくても、いずれ先生が止めにくるわけだし」
風紀「…そういうわけにもいかないんだ」
友「え?何で?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:57:06.32 ID:xC6GcOeq0
風紀「…もちろん、私が自分の役割を果たすことに真面目に取り組んでいるからというのもある。だが、一番の理由は別にある」
友「一番の理由?それって?」
風紀「…あれは3回目にお前たちを捕まえたすぐ後の集会のことだ。その日の話題に、お前たちのことが上がったんだ」
友「え…」
風紀「ただの問題児なら今までいくらでもいた。だがお前たちは、問題児の中でも格が違ったからな。
入学式にはお前は遅刻して入場し、男は寝ぼけて何度も合図もないのに起立するというとんでもない高校デビューを果たし、
4月が終わる頃には要注意生徒に挙げられたほどだ」
友「え、そんな早い時期に要注意認定されてたの!?」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:57:12.37 ID:HWpF6VgW0
これの前になんかあったの?
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:59:19.33 ID:xC6GcOeq0
>>41 >>2にこれの1週間前の話のURLがあるのでそっちをどうぞ
風紀「当然と言えば当然だな。そしてさっき言ったその集会で、私がお前たちの奇行を取り返しがつかなくなる前に
3度食い止めたということを評価され、クラスが同じということもあって風紀委員内で私はバカコンビ担当となってしまったのだ」
友「そ、そんなことが…」
風紀「クラスが変わるまでと言われ、高校3年間風紀委員を続けるつもりだった私がどれだけクラス替えでお前たちと離れることを願ったかわかるか?
結局またお前たちと同じクラスにされ、私は継続してバカコンビ担当…最悪の気分だった」
友(…何も言えない)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:01:20.19 ID:xC6GcOeq0
風紀「ああ、思い出したら腹が立ってきた…今すぐお前を殴りつけてやりたい気分だ」
友「わ、わ、ちょっと落ち着けって!まさかそんなことになってるとは知らなかったし…」
風紀「知らなければいいという問題ではない」
友「いや、そりゃそうだけど…ホントに悪かったよ」
風紀「そう思うなら、今あいつと企んでいることをやめて、金輪際騒ぎを起こさないことだ」
友「いや、それは…」
風紀「…そうか。まあいい、いつものことだ、私もほとんど諦めている。その代わり、私の苦労を知っても騒ぎを起こそうというんだから、
いつも以上に覚悟はしておけよ?」
友「……はい」
(ラジカセは仕方ないとして、どうにかレンタルのCDだけは守らないと…)
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:03:53.42 ID:xC6GcOeq0
校門前
風紀「ここまででいい。それじゃ、ボールペンを渡してくれ」
友「ん、わかった。はい」
風紀「よし。それじゃ、もう帰れ。寄り道するなよ」
友「分かってるって。また明日」
風紀「ああ。またな」
友「…驚愕の新事実発覚ってとこか…。風紀、思ってた以上に苦労してたんだな…。
でも、もうCDも借りちゃってるんだし、引き返すことなんてできないよな…よし、明日はできるだけ安全装備で学校に行こう」
友「…ラジカセ壊したら、また母さんに怒られるんだろうなあ…」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:06:26.06 ID:xC6GcOeq0
2月23日(水) 朝
2-B
男「よっ」
友「お、おはよう」
男「用意はできてるか?」
友「ああ。ちゃんと持ってきたよ」
男「こっちも抜かりないぜ。それじゃ決行は昼休み、食堂でだな」
友「ああ。でもその前に…」
男「ん、どうした?」
友「殿。一つお耳に入れておきたいお話が…」
男「…言うてみい」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:08:41.42 ID:xC6GcOeq0
男「…マジかよ…そりゃ目の敵にされるわ…」
友「そういうわけだから、いつでも全力で逃げられる用意はしておこう。でないと今回は本気で命が危ない」
男「…そうだな。とりあえずお前がラジカセな」
友「いやいやいやいや、それはひどくないか!?」
男「お前、自分のラジカセ他人に預けて不安にならないのか?」
友「そりゃなるけど…」
男「だったらお前が持っとけ。持ち主の方が壊さないようにするって意識も強いだろ」
友「…分かったよ」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:10:45.36 ID:xC6GcOeq0
昼休み 2-B
男「よし、行くか」
友「おう。…って、そのマイクなんだよ」
男「なんだよって、放送前の演説と歌用に決まってるだろ。1本しかないから二人で共用な」
友「共用って、どうやるんだよ」
男「こう、デュエットするみたいに肩組んで、どっちもマイクに声が届くように…」
友「ええー、嫌だよ気持ち悪い。男同士でそんなこと…」
男「俺だって嫌だよ。でも1本しかないんだからしょうがないだろ」
友「だったら俺歌わなくていいよ…」
男「仕方ないな。分かったよ、お前音楽担当、俺歌担当な」
友「ああ、それで頼む」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:13:12.82 ID:xC6GcOeq0
食堂
男「よし、それじゃ行くぜ」
友「ああ」
男『…食堂にお集まりの皆さん、こんにちわ!わたくし2年B組の男と申します!!』
生徒A「な、なんだ?」
生徒B「あれって、あの有名なバカコンビじゃ…何やってんだ?」
男『えー、本日皆さんに集まってもらったのは他でもありません。今日はわたくしども、皆さんにお聞かせしたいものがございます』
生徒C「別にお前のために集まってるわけじゃねえよ…」
男『皆さんご存知だとは思いますが、もうすぐ卒業シーズンです。冷たさの残る風、優しい日差し、
そして咲き誇る桜…しかぁし!皆さんそんなもの全く気にせずただ卒業だけを惜しみ祝福していらっしゃる!
なんと嘆かわしいことでしょう!』
生徒D「知らないわよ…」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:15:23.90 ID:xC6GcOeq0
男『そこでわたくしどもは考えました!皆さんにこの素晴らしさを理解してもらうにはどうすればいいかを!
そしてたどり着いた結論が、桜ソングだったのです!』
生徒A「…桜ソング?」
男『皆さんのほとんどがご存知だったり、またマイナーだったりもする桜を題材にした歌を今一度皆さんにお聞かせすることで、
桜の素晴らしさを理解していただこう!そう考えての行動なのです!!』
生徒C「単にてめえが騒ぎてえだけだろ…」
男『今日のこの歌で、皆さんの桜を愛でる気持ちを呼び起こすことができたなら幸いです!!
それでは早速行きましょう!1曲目は…』
友「お、男!」
男「なんだよ、これからって時に…」
友「あ、あれ…」
男「あれ?」
風紀「……」ポキポキッ ポキポキッ
男「………」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:17:31.02 ID:xC6GcOeq0
男『…えー、皆さん、大変不本意ではございますが、どうやらわたくしどもは役目を果たすことが出来ずに退場することになりそうです!
楽しみにしていただいた皆さん、本当に申し訳ございません!それでは命の危険が迫っておりますので、これにてさいなら、さいなら、さいな…』
…ダッ!
男『うわあああああきたあああああああ!!!』
友「逃げろおおおおおおおおおおお!!!」
ダダダダダダダ……
生徒A「…ありゃ終わったな」
生徒B「パターンだけどな」
生徒A「ははは、違いない」
生徒E(…ちょっと聴いてみたかったな)
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:19:34.22 ID:xC6GcOeq0
友「うわあああ、ヤバイヤバイヤバイ!まさかこんなに早いなんて思ってなかった!」
男「チクショーッ、1曲くらい歌わせろよ!」
友「ああーラジカセ重いーーー!!」
男「とにかく二手に別れるぞ!俺は左、お前は右な!」
友「わ、分かった!どっちに来ても恨みっこなしな!!」
男「それじゃできれば生きて会おうぜ!」
友「おう!うおおおお!!」
グイッ
友「……ああああああこっち来たああああああ!!助けてええええええ!!」
風紀「逃がすかあああ!止まれええ!」
友「嫌だ!止まったら今日こそ殺されるううううう!!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:21:40.25 ID:xC6GcOeq0
男「…はあ、はあ……。ど、どうやら向こうに行ったみたいだな…。すまん、友よ。化けて出るなよ」
委員長「…男君」
男「え?あ、委員長?なんでここ…」
バッ!
男「あ、ちょ、返して俺のマイク…」
グイッ
委員長『うるっさいっっ!!!』
キィィィィィィン!!
男「うひいいいいぃぃぃぃ!!?」
委員長「…ふん」ポイッ ゴトッ
男「…い、委員長…怒らすとこええ…」バタッ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:24:15.64 ID:xC6GcOeq0
友「あああああああ!!」
(ヤバイ、本気でヤバイ!ラジカセがある分、こっちの方が遅いからただ走ってたらそのうち追いつかれる…逃走経路は…階段を使うか!?
いや、でもそれは最善とは言えないんじゃ…最善はラジカセを捨てることだけど、それは抵抗が…)
風紀「待てえええええ!!」
友「あああ追いつかれるぅぅー!くっそおおおぉーーーーー!」
(こうなったら階段を一気に駆け上がって、逃げた方向を分からなくさせて…!)
ダッ
風紀「そうはさせるかぁっ!」ガシッ
友「へっ!?ちょ、バランスが…うああああ!!」
風紀「え、うわあああっ!?」
ドサッ!
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:26:20.87 ID:xC6GcOeq0
友「ってて…」
風紀「っく…って、なあっ!?」
友(か、顔近っ…)
「だ、大丈夫か風…」
友(…あれ、ラジカセがない…バッグに入れて左手で持ってたはずなのに、どこに…)
ヒュウウ…ガッ!
友「ぐむっ!?」
風紀「ん――――!!?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:28:23.21 ID:xC6GcOeq0
――友が風紀に引っ張られバランスを崩し、風紀の上に倒れこむと同時にラジカセが上空に飛ぶところから始まり、
友が風紀の顔を認識すると同時に、ラジカセの入ったバッグの端が照明にひっかかるまで2秒。
友が風紀を気遣う言葉をかけようとした時、バッグがないことに気づくと同時に、端だけひっかかったバッグが友の頭めがけて落ち始めるまでで合計3秒。
そしてそこから1秒とかからずにバッグは友の頭に落ち、その衝撃で友の頭は風紀の顔まで下がり――
友「―――」
(ど、どうしよう…これ、キスしちゃってるよな…)
風紀「――――」
友(…って、ボーっとしてる場合じゃないって!離れないと!!)
「――っは!」
風紀「――は――」
友「だ、大丈夫か、風紀…?」
風紀「……あ……」
友「ふ、風紀…?」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:30:44.93 ID:xC6GcOeq0
風紀「…あ…あ…ああああっ…!」カアアァァッ
友「あの、だいじょ…」
風紀「キャアアアアアアッ!!」
ブンッ メコッ
友「びゅふぇええええっ!!」
フワァッ ドシャアアアアッ
風紀「ああ、ああっ…いやあああっ!!」
ダダダダダ…
友「ほ、本気パンチ…肺に響いたよ…」ガクッ
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:32:46.79 ID:xC6GcOeq0
保健室
男「……大丈夫だったか」
友「……そっちこそ。っていうかなんでここにいるんだ」
男「委員長渾身の叫びを聞いてな。委員長のメロメロボイスに、俺の頭はクラクラよ」
友「…あっそ」
男「お前はまた本気パンチ食らったんだって?」
友「ああ、肺が痛いよ…」
男「一体何やったんだよ?あいつそう簡単に本気で殴らないだろ?」
友「実はさ…」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:35:11.79 ID:5WR2b3CP0
支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:35:19.19 ID:xC6GcOeq0
男「そっかー…そら殴られても仕方ないな…」
友「だよな…事故とはいえキスだもんな…」
男「とりあえず、後で謝ったほうがいいな…」
友「分かってるって。さすがにこれは…」
男「ああ…でもひょっとしたら避けられるかもな…」
友「そしたらどうしよう…」
男「それでもなんとか謝るしかないだろ。ほっとくわけにはいかないだろ?」
友「…頑張るよ」
前回分はここまで こっから遅くなるし後で風呂入ったりするけど勘弁してね
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:38:23.17 ID:xC6GcOeq0
休み時間 指導室
男「失礼しましたー…」
友「失礼しました…ってて」
男「全く、回復してすぐ説教とか、生徒への配慮が足りねーぜ」
友「まあいいじゃん、授業がひとつつぶれたと思えば」
男「その分嫌な思いしたけどな。さて、それじゃ教室戻るか。お前はちゃんと風紀に謝らないといけないし」
友「うう、大丈夫かな…」
男「大丈夫もへったくれもないって。ほら、行こうぜ」
友「ああ…」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:40:53.83 ID:xC6GcOeq0
2-B
友「…おーい、風紀ー…ってあれ、いない…」
男「何だって?どういう事だ?」
委員長「風紀さんなら昼休みからずっと帰ってきてないわよ」
友「え、ええ!?」
委員長「一体どうしたのかしら、風紀さんが授業をさぼるなんて…」
友「……」
男「…こりゃ本格的にまずいかもな…」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:43:32.49 ID:xC6GcOeq0
放課後
友「…結局風紀戻って来なかったな…」
男「ああ、どうすんだ?」
友「どうすんだって言われても…」
ガラッ!
友「あ!」
風紀「っ…!」
サッ ガシッ ダッ
友「あ、荷物持って出てった!」
男「帰るつもりみたいだな」
友「お、俺、追いかけてくる!」
男「おう、行って来い」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:46:09.44 ID:xC6GcOeq0
廊下
風紀「……っ」タタタ…
友「ふ、風紀、待てって!」
風紀「……!」ダッ
友「あ、ちょ、くそっ!」
昇降口
風紀「……」ガチャ
友「なあ、頼むから待ってくれよ!」ガシッ
風紀「っ!は、離せ!」
友「離したらお前帰っちゃうだろ!お前に謝りたいんだよ!」
風紀「そんなの…っ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:49:00.90 ID:xC6GcOeq0
友「なあ、悪かったよ。事故だったって言っても納得してくれないだろうけど、俺だってあんなことするつもりなかったし…」
風紀「…嫌なのか?」
友「え?」
風紀「お前は、私と…キスして、嫌だったのか…?」
友「いや、嫌とかそういうのは…っていうか、なんでそんなこと聞くんだよ?」
風紀「…分からない…分からないんだっ!」
友「風紀…?」
風紀「分からない…こんなの、私…知らない、分からないんだよぅ…」ポロッ
友「え、ちょ、なんで泣いて…」
風紀「う…ひぐっ…」
友「え、えーっと…」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:51:46.76 ID:xC6GcOeq0
ギュッ
風紀「え…」
友「…えっと、なんていうか、大丈夫だから。僕がこうしててやるから、とりあえず落ち着きなよ」
風紀「友…?」
友「まあ、なんていうか…僕の胸ならいつでも貸すぞってやつ?いや、違うか…ああ、とにかく、いったん泣きやみなよ。
それまで一緒にいるから」
風紀「…うん、分かった…」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:52:50.05 ID:2cDuZv8YO
バレンタインのやつ書いてた人?
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:55:28.48 ID:xC6GcOeq0
友「…落ち着いた?」
風紀「…うん」
友「そっか。…ごめん、風紀。不可抗力とはいえあんなこと…」
風紀「…いや、いい。いいんだ」
友「でも、さっきあんなに泣いてたし、嫌だったんじゃ…」
風紀「だからいいんだ。…落ち着いて、よく分かったから」
友「分かったって…何が?」
風紀「…それは言わない。流石にまだ口には出せないから…いずれ、勇気が出たら言うよ」
友「…そっか。それじゃ、とりあえず移動しようか。ここだと周りの目が…」
風紀「えっ?」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:58:48.90 ID:xC6GcOeq0
>>66 ソウダヨ
生徒A「なに、風紀さんと友くんってそういう関係?」
生徒B「なるほど、いつも目の敵にしてるのは愛情の裏返しか…」
風紀「…っ!な、なんてことしたんだこんなところで!」
友「な、そっちこそ思いっきり泣いてたじゃないか!」
風紀「そ、それは…ああ、とにかく早く移動するぞ!」
友「それ僕…じゃなくて俺が提案したこと…」
風紀「ええい、いいから行くぞ!」
友「あ、ちょ、引っ張るなよ!」ズルズル
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:02:30.21 ID:ISjqv34c0
2-B
ガラッ
男「お、戻ってきた」
風紀「はあっ、はあっ…」
友「た、ただいま…」
男「ちゃんと謝ったか…って、そうじゃなきゃ一緒に戻ってきたりしないか」
友「うん、まあ」
風紀「…帰るぞ、友」
友「え、なんで?」
風紀「いいから。ほら、支度しろ」
友「わ、分かったよ。それじゃ、そういうことみたいだから」
男「おう、怒らせるなよ」
友「し、しないって」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:07:08.00 ID:ISjqv34c0
通学路
友「教室に戻ったかと思えばいきなり帰ろうなんて、ずいぶん強引だな」
風紀「別にいいだろう。そっちは強引にあんなことしたわけだし」
友「だ、だからあれは事故だって!」
風紀「分かってる。言ってみただけだ」
友「言ってみただけって…」
風紀「ところでだ…さっきお前、自分のこと僕って…」
友「…ああ、あれ?」
風紀「いきなり僕だなんて、どうしたんだ?」
友「いや、なんていうか、いつもは背伸びしてるっていうか…まあ、素はあれなんだよ」
風紀「ふうん…」
友「わ、悪いか?」
風紀「いや、そんなことはない。ただ意外だったからな」
友「そっか、意外か…」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:09:52.79 ID:6ctrfpsAO
イイネ
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:15:26.78 ID:ISjqv34c0
友「で、なんで強引に帰ろうなんて言ったんだよ」
風紀「ああ、今の質問をしたかったのと、純粋にお前と帰りたかったからだな」
友「それだけにしてはずいぶん強引だったような気が…」
風紀「本当にそれだけだよ。それだけで十分だろう?」
友「そうか?お前がそういうならそうなんだろうけど…。そういえば、さっきの風紀の泣きはびっくりしたなあ」
風紀「な、なんでだ。私が泣いたら変か?」
友「そうじゃないけどさ、あんな風に泣くとは思わなかったし」
風紀「じゃあなんだ、お前は私が笑いながら大粒の涙を流して泣くとでも思っていたのか?」
友「いや、それは気持ち悪いだろ…」
風紀「…そうだな。想像したら寒気がした」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:19:40.31 ID:ISjqv34c0
友「まあ冗談抜きで言うと、お前は泣くとしても人前じゃなくて一人になったときに声を殺して泣くタイプだと思ってたから」
風紀「いや、昔から泣くときは人目も気にせず思いっきり泣いていたな。多分父の影響だろう。
最近は泣くこともなくなっていたしな…」
友「へー…ちょっと意外だ」
風紀「そうか、意外か…」
友「…さっきのお返しみたいになっちゃったな」
風紀「ふふっ、そうだな」
友(…良かった、どうやらちゃんと仲直りできたみたいだ…)
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:23:16.51 ID:ISjqv34c0
風紀「…ここまででいい」
友「ん、分かった。じゃあな、また明日」
風紀「ああ。…なあ友」
友「ん?」
風紀「その……。…やっぱりいい。また明日」
友「?そっか。じゃあな」
風紀「…これからも仲良くしてくれ…今まで以上に…なんてな」
どうせまた落ちる
76 :
忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/18(月) 00:30:50.15 ID:ISjqv34c0
その夜
友「…で、結局今回の計画は失敗だったな」
男『そうだな。ま、いいじゃねーか。まだまだチャンスはいくらでもあるしな』
友「そうだな」
男『それに、今回は別の成果も出たみたいだしな』
友「へ?なんの話だ?」
男『お前の話だ。ま、詳細は言ってやらないけどな』
友「な、なんで?」
男『自分で気づけ、鈍感男。そんじゃ、また明日な』ブツッ ツーツーツー
友「あ、ちょ…なんだよ、よく分からないな…」
友(…ま、いっか。そのうち分かるだろうし。それと風紀、あの反応見る限りだと今日のことは尾を引かずに済みそうだな。
うん、後は僕が気にしなきゃいい話ってわけだな)
友「さて、それじゃ寝ようかな…」
カチッ カチッ
77 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 00:41:06.15 ID:ISjqv34c0
風紀の部屋
風紀「……」
風紀(友とキスしてしまった…バレンタイン前なら本気で嫌だったんだろうが、今はむしろ…)
風紀「…参った…まさか自分がこんなことになるとは…」
風紀(これがいわゆる『恋する乙女』という状態なのだろうか…うわぁ、なんだか信じられない…というか、
絶対私に似合わない単語だろう、これは…)
風紀(…友、か…不思議だな、あいつのことを好きになってしまうとは…でも、悪くはない。…うん、悪くない)
風紀「…早く寝よう。そうすれば友に少しでも早く会える…」
風紀「……」
風紀(…じ、自分で言っておいてなんだが、似合わないなぁ…な、なんて恥ずかしい生物なんだ私は)
風紀「え、ええい、もういい。お休みっ!」
カチッ カチッ
78 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 やった!レベルが上がったよ!:2011/04/18(月) 00:46:37.20 ID:ISjqv34c0
2月24日(木) 朝
校門
友「ふわ…今週ここまで遅刻なしか…じゃあ多分明日は遅刻だな…」
風紀「おはよう、友」
友「え?あ、おはよう風紀。立ち番以外で朝に会うなんて珍しいな」
風紀「そうだな。いつも朝に会う時は決まって私が立ち番でお前が遅刻だからな」
友「ははは…面目ない」
風紀「まあいい、それじゃ一緒に教室に行こうか」
友「ん、そうだな」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:47:57.32 ID:MP3CPxthi
支援
80 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 00:51:20.11 ID:ISjqv34c0
2-B
友「おはよう」
男「おう、おは…おうっ」
友「なんだよ、変な声出して」
男「いや、まさか風紀と一緒に登校してくるとは思わなかったからな」
風紀「なんだ、悪いか?」
男「いや、悪くはないけど…ずいぶん仲良くなってるな、と」
友「そうかな?一緒に登校って言っても、校門で偶然会っただけだし…」
男「ま、仲良きことはよきことかな。そんじゃ席着こうぜ」
友「ん、そうだな」
81 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 00:54:29.30 ID:ISjqv34c0
昼休み
友「そんじゃ風紀を昼に誘おうかな…」
風紀「友」
友「え?」
風紀「一緒に昼を食おう」
友「あ、うん、いいけど」
風紀「よし。それじゃ行こうか」
友(まさか風紀から誘われるとは…ちょっとびっくりだな)
82 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 00:59:32.69 ID:ISjqv34c0
食堂
友「なあ、なんで今日はお前から食事に誘ってきたんだ?」
風紀「嫌だったか?」
友「いや、嫌じゃないけどさ」
風紀「ならいいじゃないか。今までお前から誘っていたのが、私からになっただけだろう」
友「うーん、それもそうか。ちょっと嬉しいしな」
風紀「そうか、嬉しいか。それは嬉しいな」
友「へ?どゆこと?」
風紀「今は気にするな」
友「う、うん」
83 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:04:21.33 ID:ISjqv34c0
風紀「そうだ、友。今日も一緒に帰らないか?」
友「え、今日も?」
風紀「ああ、駄目か?」
友「うーん…今日は駄目なんだよ。ちょっと用事があって」
風紀「む、そうか…」
友「でも明日だったら大丈夫だから、明日は一緒に帰ろう」
風紀「…分かった。約束だからな」
友「ああ」
84 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:08:43.19 ID:ISjqv34c0
2-B
男「…なんだって?」
友「いや、だから風紀に今日一緒に帰ろうって誘われたけど、今日は家庭部に料理のあまりを貰いに行くから…」
男「…友」
友「うん?」
男「イエス・キリストは言いました。『四の五の言わずに今すぐ右の頬を差し出せ』と」
友「え、何の話…」
男「ぅえやっ!」バシッ!
友「ぶへっ!」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:09:27.94 ID:MP3CPxthi
友死亡√だな
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:14:03.65 ID:/JlbEh7K0
しえん
87 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:19:20.35 ID:ISjqv34c0
友「な、何すんだよ!」
男「何すんだよ、じゃない。せっかくのチャンスを無駄にするようなことを…」
友「は?チャンス?」
男「いいか、何事も中途半端は良くない。そういう態度だと、気がついた時には取り返しのつかないことになってるぞ」
友「な、何の話か全然分からないんだけど…」
男「いいか、後悔したくなかったら次の休み時間に家庭部のところに行って、余りを貰うのを断って来い」
友「え、なんでだよ!」
男「いいから。それとこれからも家庭部より風紀を優先するようにしろ」
友「はあ?ますます分からない…」
男「お前はあくまで友達として見ているのかもしれないが、そうだとしてもそうやって平等に接することがいつも正しいとは限らないって言ってんだ」
友「はあ…」
男「とにかくだ、ちゃんとお前の中で誰を優先すべきか決めとけ。どっちつかずは一番ひどいぞ」
友「うん…じゃあ後で家庭部に断ってくる…」
88 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:23:35.25 ID:ISjqv34c0
休み時間
2-D
友「…それじゃ、そういうわけで今日は俺の分は残さなくていいから。
あと、これから余りを貰いたいときは当日に言うようにするから」
家庭部「…そうですか、分かりました。それじゃ今日からは以前と同じ量に戻すことにしますね」
友「うん。悪いね、食べてあげられなくて」
家庭部「いえ、いいんです。今までが特別だったんですから」
友「それじゃ、またね」
家庭部「はい、また」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:27:55.13 ID:P7Cfg+frO
バレンタインの時は落ちたスレ含めて全部読んだぜ
久しぶりにこの作品が読めるのが楽しみだわ
90 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:28:07.49 ID:ISjqv34c0
2-B
友「行ってきたけど…」
男「よし。それじゃ後は風紀と帰る約束だな」
友「う、うん。にしてもどうしていきなり俺のスケジュールを決めるようなこと…」
男「そうでもしないと、お前は絶対後で痛い目見るからな。安心しろ、ここまでするのは今日くらいだ」
友「そ、そっか。んじゃ、言ってくる。…おーい、風紀ー」
風紀「ん、なんだ?」
友「いや、今日の用事なくなったからさ。後で一緒に帰ろうって…」
風紀「…!そうか、分かった。それじゃ約束だからな」
友「あ、うん。それじゃそれ言いにきただけだから、それじゃ」
風紀「ああ、後でな」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:29:20.65 ID:MP3CPxthi
さるよけ
92 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:31:05.34 ID:ISjqv34c0
放課後
男「さて、それじゃ俺は幼馴染を誘うか。お前は風紀と仲良く帰れよ」
友「分かってるって。それじゃまた明日」
男「おう、また明日」
友「よし…おーい、風紀ー。帰ろうぜー」
風紀「ん、分かった。ちょっと待っててくれ、このプリントだけ提出してくるから」
友「分かった。じゃ、校門で待ってるな」
風紀「ああ、悪いな」
93 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:37:12.19 ID:ISjqv34c0
通学路
風紀「そういえばもうすぐ2月も終わりだな…」
友「ああ、そうだな。いやー、あっという間だなー…」
風紀「色々あった2月だったな…」
友「ああ、お前と友達になったり、チョコ貰ったり、一緒に出かけたり…」
風紀「なんだかすでに懐かしいな…」
友「…なあ、また一緒に出かけるか?」
風紀「え?」
友「色々あった2月の終わりに、最後の思い出って意味でさ。今度は遊園地以外で、どっか遊べるところにでも」
風紀「ふむ…なるほど、それも悪くないな」
友「そっか。それじゃ今週の日曜にでもどっか行くか」
風紀「ああ、そうしよう」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:37:27.53 ID:/JlbEh7K0
今更だが会長編も見てみたかったな
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 01:45:26.43 ID:MP3CPxthi
支援
96 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:45:44.38 ID:ISjqv34c0
友「それじゃ、どこ行こうかな…風紀はどっかリクエストある?」
風紀「リクエストか…いや、特にはないな」
友「そっか。じゃあ…映画でも見に行こうか?」
風紀「映画か…あまり見たことがないな」
友「へえ、そうなんだ」
風紀「ああ、テレビがほとんどで、後は小さい頃に母に連れられてコメディ映画を1つ。タイトルは忘れてしまったが」
友「それじゃそれ以来久しぶりのスクリーンだ」
風紀「そうなるな。うん、ちょっと楽しみだ」
友「それは良かった。それじゃ、待ち合わせは…11時に駅前でいいか?」
風紀「ああ、遊園地の時と同じか。それでいいぞ」
友「決まりだな。それじゃそういうことで」
97 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:49:05.23 ID:ISjqv34c0
風紀「…ここまででいい。それじゃ、また明日な」
友「ああ、また明日」
風紀「映画、楽しみにしてるぞ」
友「おう、俺もだよ」
風紀「それじゃ、ちゃんと明日も遅刻せずに来いよ」
友「…保障はできないな」
風紀「体に刻み込んでおいてやろうか?」
友「え、遠慮します」
風紀「ふふっ、そうか。じゃあな」
友「ああ」
98 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 01:51:30.25 ID:ISjqv34c0
…次の日、友は男と一緒にきっちり遅刻してきた。
その日の立ち番は風紀だったので、二人は揃って風紀に絞られたのだった。
そんなこんなであっという間に金、土曜と過ぎ…
…とここで風呂入ってくる
見てたよ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 02:00:40.37 ID:/JlbEh7K0
眠いがしえんだ
久しぶりの支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 02:15:15.84 ID:pxouCdL10
下げてしまってた
103 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 02:34:52.60 ID:ISjqv34c0
ただいま
2月27日(日) 午前10時50分
駅前
友「…あ、いたいた。おーい、風紀ー」
風紀「む、来たか」
友「ごめん、待ったか?」
風紀「いや、別に構わないさ。待ち合わせの時間より早いし、私の方がちょっと早く着いただけだしな」
友「そっか。それじゃ行こっか。って言っても、こっから歩いて10分もかからないとこだけど」
風紀「なんだ、そうなのか。それじゃ行くか」
104 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 02:41:37.20 ID:ISjqv34c0
友「今日も髪型ポニテにしてるんだな」
風紀「む、そうだな」
友「なんでいつもそうしないんだ?」
風紀「いや、あくまで気分転換の意味でやっているだけだからな…毎日この髪型にしようとは考えたこともないな」
友「ふーん、似合ってるんだけどなぁ…」
風紀「!そ、そうか?」
友「ああ。どっちかっていうと、こっちの髪型の方が俺は好きだな」
風紀「な、なるほど、そうなのか…」
友「あ、見えてきた。ほら、あの建物の3階だよ」
風紀「え?あ、ああ、あれか…」
105 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 02:46:49.65 ID:ISjqv34c0
映画館
風紀「で、どれを見るんだ?」
友「そうだな…とりあえず1時くらいの回のチケットを買って、先に昼食おうと思ってたからな…実はまだ決めてないんだ。
何かこの中で見たいものとかあるか?」
風紀「いや、特にはないな。友の見たいやつでいい」
友「そっか。じゃあ…あのアクションものにしようかな。CM見て面白そうと思ったんだ」
風紀「それじゃ決まりだな。さっさとチケットを買ってしまおう」
友「ああ、そしたらちょっと早めだけどここのフードコートで昼食っちゃおう」
106 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 02:50:30.87 ID:ISjqv34c0
午後1時12分 映画館4番シアター
友「楽しみだな…」
風紀「そうだな。面白いといいな」
友「どうだろうな。CMだと面白そうなのに、実際見ると微妙な出来の映画って結構あるからな」
風紀「…見る前にそういうことを言うな…」
友「…ゴメン」
ブーーーッ
友「お、始まるな」
・
・
・
107 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 02:56:48.65 ID:ISjqv34c0
友「…いやー、思ってたよりずっと面白かったよ。これは傑作と言ってもいいな。風紀もそう思う…」
風紀「…ぐずっ…」
友「え、ちょ、風紀?ラストは俺も感動したけど、何もそんな顔ぐしゃぐしゃにして泣かなくても…」
風紀「だ、だって、あれじゃ、あれじゃあ主人公がかわいそうじゃないかあっ!うああああああん!!」
友「ちょ、風紀!そんな大泣きするなよ…ひ、人の目が…」
(ホントに堂々と泣くんだな…これは一緒にいてすごく恥ずかしい…)
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 03:02:00.16 ID:825IitpJ0
谷
109 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:03:55.97 ID:ISjqv34c0
午後3時57分 映画館前ベンチ
風紀「うっ…ぐすっ…」
友「ああ、いい加減泣きやめって…」
(これだと周りから変な誤解を受けそうだよ…)
風紀「ん…もう大丈夫だ、ごめん…」
友「いや、大丈夫だけど…しかし、喧嘩っ早くて涙もろいって、お前は江戸っ子か?」
風紀「別に喧嘩っ早くも涙もろくもない…」
友「これで涙もろくないって言われても説得力ないだろ…まあ、喧嘩っ早いは俺たちのせいだけど」
風紀「…それで、これからどうするんだ?まだ時間は余裕があるだろう?」
友「そうだな…ちょっとこの辺見て回るか」
風紀「ん、そうだな。それじゃ行こうか」
友「その前に顔洗ってこいよ。ちょっとみっともないぞ」
風紀「…ん、分かった。行ってくる」
110 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:08:07.99 ID:ISjqv34c0
友「お、ゲームセンター」
風紀「へえ、ここが…結構うるさいんだな」
友「まあな。ちょっと何かやってくか」
風紀「ああ、そうだな」
友「どれにしよう…あ、これなんかいいな」
風紀「太鼓?」
友「ああ、リズムに合わせて太鼓を叩くゲームなんだよ。これなら二人でできるしちょうどいいだろ」
風紀「へえ…だったらこれにしよう」
友「よし、決まり。曲はそっちが決めていいぞ」
風紀「いいのか?それじゃ…」
111 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:13:25.18 ID:ISjqv34c0
風紀「…つまらん」
友「そりゃこれはテンポ遅い曲だしなぁ…」
風紀「他の曲はもっと面白いのか?」
友「まあ、それなりに早ければ」
風紀「だったら今度はお前が決めてくれ。私が分からない曲でも構わない」
友「いいのか?それじゃ…」
・
・
・
風紀「うん、これはなかなか手ごたえがあって面白かったな」
友「そっか、それは良かった。…あ、もうそろそろ帰らないとな」
風紀「え?あ、もうこんな時間か…それじゃ行くか」
友「ああ、送ってくよ」
112 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:21:13.37 ID:ISjqv34c0
帰り道
風紀「うん、今日は満足だ」
友「そう言ってもらえると、提案したかいがあったってものだな」
風紀「…また一緒に出かけたいな」
友「ん、俺もだ」
風紀「今度はどこがいいかな…」
友「結構どこに行っても楽しめる気がするけどな」
風紀「…そうだな。ああ、ここまででいい」
友「分かった、それじゃまた明日な」
風紀「ああ。…今日のデート、楽しかったぞ」
友「えっ?」
風紀「ふふっ、また明日!」タッ…
友「あ…行っちゃった」
友(デートって言ったよな、今…じゃあ風紀は、今日一日そういうつもりで過ごしてたってことか…?)
友「…いや、まさか。さ、俺も帰ろう…」
113 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:25:39.27 ID:ISjqv34c0
…パッ
使用人「どーもー、おひさー!」
委員長「…おひさー…」
使用人「いやー、友・風紀ルート、いい感じに二人の関係が進展してますねー。風紀ちゃんがかわいいのなんのって!
あ、あたしほどじゃないけど」
委員長「…ハイハイ。それでは、今日の本編進行はここで終了し、インターバルに入らせていただきます。
どうか皆様もごゆっくりおくつろぎください」
使用人「それでは、お相手は年下大好き使用人ちゃんと…」
委員長「おなじみ委員長でお送りします」
おつかれー
115 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:30:28.72 ID:ISjqv34c0
委員長「前回のスレを見てくださった方はご存知かもしれませんが、この書き手は本当は自分でスレを立てられるようになるまで
この話を書くのは我慢するつもりでした。しかし一昨日突然レベル8まで上がった忍法帖が消えてしまい、
一気に我慢の糸が切れ今日に至ったわけです」
使用人「だからどうか『お前自分の言ったことはきちんと守れよ』とか言わないでくださいね。ガチで落ち込んでたみたいなんで」
116 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:37:37.98 ID:ISjqv34c0
委員長「どうやらあれから1ヶ月経っているにもかかわらず、覚えてくれている方が結構いらっしゃるようで。
いやはや、嬉しい限りです」
使用人「あたしたちもまた皆さんの前に姿を現せる日を楽しみにしてました…会えて嬉しいです、皆さん!」
委員長「…まあ、本当はこの書き手これとは別のSSを書き溜めしていて、そちらを仕上げるのを優先するか迷っていたのですけど」
117 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:45:11.25 ID:ISjqv34c0
>>94 委員長「やはり人気ですね、会長。もっと分かりやすいルートの入り方にしておけばよかったでしょうか」
使用人「まあ仕方ないんじゃない?キャラがキャラだし。それに、もし予定の話を全部書き終わって余裕があったら、そっちも書けるかもだし」
委員長「そうですね。ああ、それで思い出しました。今回このスレで書く予定の話とその順番は、
友・風紀ルート→友・家庭部ルート→男・幼馴染ルート
となっております。現在は友・風紀ルートの折り返しあたりでしょうか」
使用人「もし早めに終わったら、他のなんかやるかもしれないんで期待しててくださいねー!」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 03:56:53.50 ID:KvpuRbHs0
ずっと前から見てるけど、キャラが好きなんで面白く読んでます。
いつも期待しております
119 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 03:56:59.66 ID:ISjqv34c0
委員長「…書き手が大分お疲れです。今日はこの辺で失礼させていただきましょうか」
使用人「そだねー。それじゃ今日はこの辺で。お相手はわたくし使用人と…」
委員長「委員長でお送りしました」
使用人「それじゃみんなおやすみー!書き手、挨拶よろしく!」
120 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/18(月) 04:03:09.74 ID:ISjqv34c0
というわけで寝かせてもらいます。明日は大体夜8〜9時くらいに来れるかな。
ってか基本的に日曜以外はそのくらいに帰ってくるんで、どうかそれまでスレ残してくれるとありがたい。
落ちたら…すぐかはわからないけど必ずスレ立てて戻ってくるよ。
なんか質問あったらレスの頭に委員長さんか使用人さんの答えてほしいほうをつけて質問してね。
今回はルート終了後と寝る30分前くらいにインターバルに入るから、そのときに答えてくよ。
それではお休み
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 04:32:28.87 ID:pxouCdL10
乙でした
保守
バレンタイン嫌いの人か、久しぶり〜
保守、頑張れ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 06:43:53.12 ID:LkDEejkJ0
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´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 07:34:12.26 ID:gD7D0IbiO
ほ
ほ
まさかな
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 08:14:50.76 ID:yTMVP2isO
ほ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 08:47:31.25 ID:P7Cfg+frO
ほうほう
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 09:04:03.15 ID:pxouCdL10
ほ
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 09:32:37.34 ID:gD7D0IbiO
まだまだ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 10:16:34.18 ID:JHzpPR5Q0
ほう
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 11:11:22.40 ID:gD7D0IbiO
もういっかい
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 11:40:11.76 ID:gD7D0IbiO
まさかの俺だけ?
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 12:20:05.19 ID:gD7D0IbiO
ふん
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 12:39:39.16 ID:pDyxnLP/0
ナイス保守だ。
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 13:14:16.87 ID:gD7D0IbiO
ほ
137 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/04/18(月) 13:33:18.68 ID:Lx1BAEtF0
保守
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 13:47:24.28 ID:6ctrfpsAO
は
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 14:02:27.28 ID:/JlbEh7K0
ひ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 14:17:01.28 ID:gD7D0IbiO
うりゃ
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 14:36:31.04 ID:gD7D0IbiO
ほ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 15:00:02.59 ID:gD7D0IbiO
ふっ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 15:20:03.59 ID:gD7D0IbiO
保守
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 15:41:02.75 ID:gD7D0IbiO
どう考えても俺だけ
145 :
忍法帖【Lv=21,xxxPT】 :2011/04/18(月) 16:01:35.28 ID:jJ0BjpSz0
あ
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 16:26:59.92 ID:jJ0BjpSz0
い
147 :
忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/04/18(月) 16:45:02.03 ID:cLqHytNp0
た
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 17:08:31.72 ID:pDyxnLP/0
ー
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 17:08:46.02 ID:jJ0BjpSz0
か
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ほ