ID:YbpcMhvwO
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:01:16.80 ID:m67iWov/0
/ .| | ,ィ | ',
_ノ´. l ! / | | ,
 ̄ , .-| | / ,' ,i .l | i
/ _ ! ! ./ !./| | | .| ! !
, .イ '´ i ,' /l`ヽ, | ' | ! ./|. i | |
─‐ '´ l .| ,' , '´ i ヽ リ i | / | | | .,'
', .ヽ,| !-‐ '´ ヽ、 ', .',| ./. | , l/
. ', |. | x==ニ≡ミ `‐ ' | / _| .! '/
、 ヽ_| .| /'ヽノ::テヾ | .// ! ,' i
、ヽ、 / /! | l:::::し'::/ ! ./ `─ '´|., ,'
. ヽ ` -‐/ ./i | | `-- ´ | /,.-テチヽ, / i / 皆様おはようございます。
、 `- '´ /_ノ ! ! ´/::¨´/ '´/ / ./ 今日もよろしくお願いします。
. ヽ、__ /'i. | | ¨ ´/ ./ ./i /
| .| | l , '´ / ./| ./, '
', | |、 - _ ´ / |,/ / '´
i ! | ヽ、 ` _ - ´| ' /
', |. ! ` ,_ _ , ' ´ | ,'
猿とかあるのかな
きたらごめんなさい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:04:11.04 ID:fRSZc6VS0
カオスの予感
梓「……」
一年前、先輩たちはこの桜の木をどんな風に見ていたんだろう
梓「さ、最近暖かくなったねー!」
トンちゃん「コポポ」
一人っきりの音楽室はちょっぴり寂しいです
梓「紅茶でも飲も…」
新歓ライブ当日、私は一人音楽室で出番を待っている
梓「……ズズ」
梓「苦い…」
梓「新歓ライブか…」
正直なところ最近やる気が起きない
新入部員を獲得することができるのか、という不安よりも
むしろその後、今までの日常のような毎日を送ることができるのかどうかの方が心配だ
梓「色んなことあったな…」
梓「……」
ガチャ
さわ子「どう?新入部員入ってくれそう?」
梓「何とも言えません…」
さわ子「もし誰も入らなかったら…」
梓「わかってます!」
さわ子「……」
梓「なんか最近自分がどうしたいのかよくわからなくて…」
梓「私…多分軽音部に居続けたのはギターを弾きたかったからじゃないんです」
梓「先輩たちと一緒に過ごす毎日がいつの間にか好きになってて…」
梓「だから新入部員なんて別に…」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:06:34.17 ID:FTleHTvB0
むぎゅがかわいいなら支援する
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:06:47.92 ID:uqrEROR+O
ほう
さわ子「あの梓ちゃんがそんなこと考えてるなんてね…」
さわ子「だいたいあなた約束したんじゃないの?」
さわ子「それにあの子たちだって新入部員を期待してると思うけどな」
梓「私は…」
さわ子「そうやって言い訳して、結局は逃げてるだけじゃなんじゃないの?」
梓「逃げてなんか……!」
さわ子「それに、そんな楽しい思い出もらっておいて恩返しもしないなんて…」
さわ子「過去にすがってばかりいたら自分をダメにしてしまうわよ!」
梓「ぶ、部長は私です!」
梓「だから部をどうしようと私の勝手じゃないですか!」
さわ子「勝手じゃないわよ!軽音部を廃部にしてあなた笑顔であの子たちに会える?」
梓「っ……」
さわ子「頑張って入ってくれないならまだしも、やる気がなくて入らなかったじゃ、あなた一生後悔するわよ?」
梓「ちょっと…」
梓「ちょっと一人にしてくれませんかね」
さわ子「はぁ……わかったわ」
バタン
梓「……」
梓「どうしてこんな風に考えるようになっちゃったのかな…」
梓「はぁ…」
梓「ずっとずっと、あの頃のまま笑っていれたらな…」
ずっとずっと…
何でこんな駄文投下しようと思ったの?面白いと思った?
ドンッ
梓「!」
唯「いてて…」
梓「ゆ、唯先輩!?」
唯「あー!」
唯「梓ちゃんだー!」
梓「へっ!?」
唯「その姿…そして桜…梓ちゃんもしかして高校三年生?」
梓「は…はいそうですけど…」
唯「やっと会えたー!」ムギュ
梓「ちょっ…」
唯「はぁ…」
唯「懐かしいなぁ…」
唯「この柔らかさ、匂い……はぁ」
梓「懐かしいって、まだ卒業してからあまり経ってませんよ?」
唯「あれ?今日まだ春休み?」
梓「新歓ライブ当日です」
唯「そそ、そうなの?」
唯「もしかして…一人で?」
梓「そうですよーっ!」
梓「……だからもう不安で」
唯「そういうこと…か」
梓「ていうか何しに来……」
あれ……?
唯先輩…大人びてない?
大学生になったせい?
いやいや髪も伸びてるし…
それに…
梓……ちゃん?
梓「もしかして…憂?」
梓「憂手伝いに来てくれたの?」
唯「私…憂じゃないよ?」
唯「どっから説明すればいいのかな…」
ドンドン
さわ子「梓ちゃん!?もう行かないと!」
唯「うわっ、でた!」
梓「あっ、じゃあ私…」
唯「待って」グイ
梓「ちょっ」
シュンッ
ガチャ
さわ子「もう梓ちゃ………ってあれ?いない…」
お前なんでさげるの
シュンッ
唯「どんな仕組みなんだろこれ…」
梓「ちょっと何するんですか…」
梓「ってあれ、ここは…?」
唯「うーん…未来…かなぁ」
梓「へーみなとみらいですか」
唯「違う違う!未来!Futureのほう!」
梓「ふゅーちゃー?」
梓「ん?」
梓「えっと…ん?」
梓「みらい…って未来?」
唯「そそ。未来」
梓「ふーん…」
梓「ふーん?」
梓「痛たたた」
唯「夢じゃないでしょ?」グイグイ
梓「つまりどういうことなんれしゅか?」
唯「ちょっと話が長くなるんだけど…」
紬「おまたせー」
唯「つむぎはーかせー!」
梓「博士?」
紬「……」
唯「ねーはかせはかせはかせー」
紬「……はぁ」
唯「ほら見て!ちゃんと連れてきたよ!」
紬「すごいすごい」
唯「えへへ」
紬「っていうか私は博士じゃないんだけど…」
梓「ムギ先輩どういうことなんですか?」
紬「まあまあ、落ち着いて?」コトッ
唯「ケーキは?」
紬「もう大人なんだからだーめ」
唯「大人だからダメなの!?」
紬「甘いものばっかり食べてると太るって言ってるの!」
紬「あなたもう十代じゃないのよ?」
唯「うー…」
梓「十代じゃない…?」
梓「すいませんお二人って今何歳なんですか?」
唯「えーと…にじゅう…」
紬「ダメよ!私たちは心は十代なんだから!」
唯「はっ…!そうだった…心はずっとあの頃のままだ!」
梓「でも確かにお二人とも綺麗ですね」
唯「またまた〜」
紬「本当に?」
梓「はい!」
梓「…ていうかすごいです」
梓「本当に未来ではタイムマシーンが使えたんですね!」
紬「誰でも使えるってわけじゃないんだけど…」
唯「ムギちゃんの会社の人たちがねー」
紬「ねー」
梓「それで、どうして私はこっちの時代に連れてこられたんでしょうか」
紬「……」
唯「……」コク
紬「そもそも、この時空間移動装置はあなたが原因で作られたものなの」
梓「わたしが…ですか?」
紬「…そう。あなたの過去…つまり未来を変えるため」
梓「私が何したんでしょうか」
紬「今梓ちゃん新歓ライブ当日だったと思うんだけど」
紬「……まあ結論から言うとね、誰も入部しないの」
梓「そんな…あはは…そんな訳ないですよ!」
紬「そしてそのまま軽音部は廃部」
唯「私たちが知った頃にはもう軽音部は無くなっていたんだよ」
紬「それから梓ちゃんも私たちと距離を取るようになって…」
梓「……」
梓「嘘ですよ!タイムマシーンの話は信じるとしてもそれは信じられません!」
唯「梓ちゃん…」
紬「いいえ。本当よ」
梓「そんなわけ…」
紬「嘘じゃない。私の眼を見て」
梓「う……」
唯「ムギちゃんね、梓ちゃんが距離を取ったのはずっと私たちに原因があったんじゃないかって思ってたの」
唯「ずっとだよ?今までずっと」
梓「じゃあどうすればいいんですか?」
紬「一緒にその原因を探しましょ?」
紬「そして未来を変えるの」
梓「そんなに簡単にいくでしょうか」
紬「やるしかないのよ」
唯「なんか映画みたいだねー」
紬「唯ちゃん!」
唯「すいませーん」
梓「未来を変えるって言ってもどうしたら…」
紬「まずは現実を確認しに行きましょ」
紬「あなたも証拠が見たいでしょ?」カチッ
梓「それは?」
紬「これがタイムマシーンよ」
梓「その腕時計みたいなのが?」
唯「でしょー!私も最初はドラえもんに出てくるようなの想像したんだよー」
梓「未来はすごいです…」
紬「……」カチカチ
紬「このタイムマシーンで時空間を移動できるのは二人までよ」
紬「今回は私と梓ちゃんね」
梓「はい!」
紬「じゃあ手を繋いで」
梓「……」ギュッ
シュンッ
新歓ライブから数日後…
シュンッ
紬「いい?こっちの世界でもう一人の自分に会っちゃダメよ?」
梓「どうしてですか?」
紬「パニックになっちゃうでしょ?」
紬「それこそタイムマシーンの存在が知れたらあなたもう元には戻れないわ」
梓「はい…」
梓「…でここは?」
紬「……」
紬「桜高の教室だわ…」
梓「これって場所は指定できないんですか?」
紬「まだ正確な場所ってのは無理かな」
紬「まだ未完成だからね」
梓「そうなんですか…」
紬「とりあえず音楽室行こう!」
梓「はい!」
ジャカジャカ
紬「音…聴こえるよね」
梓「はい…そうですね」
ガチッ
梓「!」
紬「カセットのスイッチじゃない?」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:26:30.44 ID:bLUT8n710
結構軽い理由でタイムスリップするんだなw
梓「ってことは…もしかして私カセットテープの音に合わせて一人で…」
紬「………」
梓『なんで…こんなことになっちゃったんだろ』
梓『ねぇトンちゃん?どうしてかなぁ…』
梓『ひとりぼっちは…寂しいよぉ』
梓「こんなの…あんまりですよ」
紬「これが現実」
紬「あなたが変えなくてはならない現実なのよ?」
梓『先輩に会わす顔もないや…あはは』
梓『……』
梓『……グスッ』
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:28:47.94 ID:J3d0EHU+0
地味にキツいな
梓「……」
梓「…わかりました」
梓「ムギ先輩が言っていたこと、全部信じます」
梓「一緒に変えましょう」
紬「うん、きっと変えられるわ」
シュンッ
唯「うわっ!」
紬「ただいまー」
梓「……」
唯「どうだった?」
梓「ムギ先輩の言っていたことは本当でした」
唯「そうなんだ…」
梓「でも私これで自覚しました」
梓「絶対変えてやるんだって」
唯「そっか…」
唯「梓ちゃんならできるよ!」
梓「そうですかね…」
紬「ただ…原因がわからないのよ」
紬「その年、軽音部に興味のある人がいなかっただけならどうしようもないんだけど…」
紬「それならまだ救いがあるんだけど…」
紬「問題はそれならどうしてすぐ相談してくれなかったのか…」
紬「そしてどうして私たちと距離を取ったのか」
梓「問題は私にあるということですか…」
タイムマシンに頼らずに唯達のほうが梓に歩み寄ればいいだけじゃないか
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:33:32.98 ID:Gq/J+T+40
. ´ ̄ ̄`
/ .: \
/)/ ,/l l、 ヽ \
///)/ 〃 | | ヽ ヽ
/,.=゙''"/ .′ 人> |∠ィ !l i
/ i f ,.r='"-‐'つ./ _ \ | ヽ | } 続けろ
/ / _,.-‐'~ | ,x=z-ミ `≦z=x | | |
/ ,i ,二ニ⊃VY'辷う 辷う^ヘ/ |_ !
/ ノ il゙フ{ | ::} ::::: , ::::: { | } |
,イ「ト、 ,!,!|い| ::{ } |ノ!
/ iトヾヽ_/ィ" l! ::::、 H /: l:.. ヽ
. / / ,′:l: r>、 .ィ::; ! ̄ヽ
/ 丶 | :l:| { >、 ..__.. ィ::八l/ l ヽ
紬「何か…心当たりない?」
梓「……」
唯「まあまあムギちゃん!」
唯「梓ちゃんもゆっくりでいいからね?」
梓「それ…貸してくれませんか?」
紬「タイムマシーン?」
梓「はい」
紬「何か心当たりがあるのね?」
梓「いや…そういう訳でもないんですが…」
紬「いいけど、これはまだ未完成だということを忘れないでね」
唯「健気だなぁ…シクシク」
紬「使い方は…」
梓「なんとなくわかるんでいいです」
紬「唯ちゃんなんか未だにわからないのにすごいね」
唯「ごめんなさいねっ!」
梓「じゃあ行ってきますね」
唯「梓ちゃん…頑張って」
紬「あなたならできるわよ」
梓「はいっ!」
シュンッ
シュンッ
梓「…とは言ったものの、何をしたらいいんだろう」
梓「…ってかここどこ?真っ暗なんだけど…」
ガチャ
唯「うわあーっ!」ドサッ
梓「へっ?」
唯「あああ、あえ?」
梓「ん?ああ掃除用具入れに着いちゃったのか…」
唯「あ、あずにゃん今日風邪でお休みじゃないの!?」
梓「風邪…?」
そういえば2日風邪で休んだ日があったような…
梓「いや…体調良くなったので午後から…」
梓「って今は?」
唯「今はちょうど掃除終わったとこ」
唯「それで片付けようとしたらこれだよ!」
唯「だいたいこんなとこに隠れるなんて卑怯だよ…」
唯「はぁ…」
唯「まあ部室行こっか」
梓「はい!」
テクテク
なんか久しぶりだから緊張するなぁ
唯「大丈夫?」
梓「はい?」
唯「いやさっきからぼーっとしてるから」
梓「すいません…」
唯「……?」
ガチャ
唯「あーお腹減ったー」
律「ここは定食屋かっつーのー!」
律「って梓いんじゃん!」
梓「律先輩…お久しぶりです!」
律「はぁ?昨日も会ってんだろ」
梓「そ、そうでしたねー」
澪「おー!唯、梓ー」
紬「やっときたのねー!」
唯「今日さーあずにゃん酷いんだよー!」
梓「………グスッ」
澪「梓……?」
梓「はっ…」
梓「すっ…すいません」フキフキ
梓「お茶でも飲みましょうか!」
紬「私入れるわねー!」
梓「いえ、今日は私が!」
そうそうこれだよこれ
音楽室に溢れる笑い声
紅茶とケーキのあまーい匂い
なんだか温かくなるこの感じ
梓「ふふ……」
澪「泣いたり笑ったり…大丈夫か?」
梓「大丈夫ですよー!」
ていうかずっとここにいればいいんじゃないか?
タイムマシンさえあれば何回でもこうやって先輩たちと放課後を過ごせる
紬「ダメよ」
梓「!」
紬「そんなにお砂糖入れちゃダメよ」
梓「す、すいません…あはは」
危ない危ない…
すっかり目的を忘れてた…
だけど…1日くらい、いいよね
梓「できましたよー」
律「サンキュー!」
澪「で梓に酷いことされたってのはー?」
唯「それがさーあずにゃんねー…」
シュンッ
唯「……zzz」
紬「おかえりー」
唯「ふぇっ……あぁ、梓ちゃん…おかえり」
唯「ねむっ…うああ…」
梓「正直これと言うものは…」
紬「まーそう簡単にはいかないよね」
唯「ふぁ〜…眠い」
唯「……ムニャムニャ」
唯「……」
唯「だったら私の入学式でも見に行く?」
梓「唯先輩の入学式…ですか?」
唯「梓ちゃんも見たくない?初々しい私たちの姿!」
梓「確かに面白そうですね」
唯「それに軽音部結成の時も!」
紬「遊びに使っちゃダメって言ってるでしょ?これは…」
唯「大丈夫!」
紬「……」
紬「まあいいわ」
紬「その代わり絶対壊したり無くしたりしないでよ?」
唯「はいはい」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:44:22.79 ID:4a9ea0jA0
支援
梓「ムギ先輩のおっとりはどこに…」
唯「最近やけにSっ気が増したんだよ…」
唯「きっと梓ちゃんの過去がうまい方向に転んだら優しいムギちゃんが帰ってくるはずだよ!」
紬「今でも十分優しいでしょ」
唯「えー」
紬「…でしょ?」ギリッ
唯「は…はいぃ」コクコク
梓「立派な主従関係が結ばれている…」
唯「じゃっ、気を取り直してー!」カチカチ
唯「準備はいい?」
梓「はい!」
唯「平沢唯、いっきまーす!」
シュンッ
シュンッ
ドンッ
唯「あいたた…」
梓「どうして着地に失敗するんですか!?」
唯「こっちが聞きたいよ…」
梓「…で、ここは?」
唯「あれ…真っ暗だ…ってか夜だ!」
梓「んー?」
梓「ってここ桜高の正面じゃないですか!」
唯「あ、ホントだ」
唯「!」
唯「入学式…あ、これって入学式前日じゃない?」
梓「確かにこの看板は…」
唯「……」
梓「……」
梓「…これからどうするんですか?」
唯「あはは…ね!」
梓「ね!じゃないですよ!」
唯「ちゃんと当日に設定したと思ったんだけどな…」
唯「来ちゃったものはしょうがない」
梓「どうするんですか?」
唯「私の家に行こう」
梓「大丈夫なんですか?」
唯「前日は確か、入学祝いに食事に出掛けたはず」
唯「つまり家には誰もいない」
梓「家に行ってどうするんですか?」
唯「そうだな…」
唯「最近帰ってないからな…」
梓「そういえば一人暮らしするって言ってましたもんね」
唯「まあ久しぶりの帰宅ってことで」
梓「は、はぁ」
ガチャ
唯「よかったー鍵持ってて」
梓「誰もいないみたいですね」
唯「懐かしい…この匂い…この感じ」
梓「電気電気…」
唯「ダメだよ電気着けちゃ!バレちゃうよ!」
梓「あ、そっか」
唯「私の部屋行こっか」
梓「はい」
ガチャ
唯「暗くてよくわかんないなぁ…」
梓「これ桜高の制服じゃないですか」
唯「本当だ…」
唯「着てみよっかな…」
梓「ここで?」
唯「うんしょ」ガサガサ
梓「……」
唯「どう?」
梓「!」
唯「なんかキツいなー」
唯「?」
唯「梓…ちゃん?」
『あずにゃーん』
『えー、なんでよーあずにゃん』
『あずにゃん!』
梓「そういえば…なんですけど、どうして私のこと梓ちゃんって呼ぶんですか?」
唯「どうしてって……」
唯「どうしてだろ……私も大人になったからかなぁ」
唯「あずにゃんの方がいいの?」
梓「い、いえ!そういうことではなくて…」
唯「あずにゃん」ムギュ
梓「!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 19:51:29.70 ID:uqrEROR+O
支援
梓「ちょ、ちょっと唯先輩?」
唯「懐かしいでしょ」
梓「……」
懐かしい…
いつもいつもこの制服で私は抱きつかれていたんだ
唯「本当はね、私だってずっとずっとこうしてたかったんだよ?」
唯「でも梓ちゃん……私のこと嫌いになっちゃって」
唯「ムギちゃんだけじゃない…私だってりっちゃんだって澪ちゃんだってずっとずっと……!」
梓「先輩……」
唯「ずっと梓ちゃんのこと考えてたんだよ……?」
唯「なのに会ってもくれないし連絡もくれないし…」
唯「梓ちゃん自分勝手過ぎるよ……そんなの」
梓「……」
唯「…ってこんなこと梓ちゃんに言ってもしょうがないよね?あはは…」
唯「…でも私、本当に大好きだったんだよ?梓ちゃんのこと」
梓「わ……」
梓「私も唯先輩のこと…」
ガチャ
唯「!」
梓「!」
唯『いやーもうお腹いっぱい!』
憂『ちゃんと明日の準備してねー!』
唯『ほーい!』
唯「帰ってきた…!」
梓「ど、どうするんですか?」
唯「どうしよ…」
梓「やばいやばい」ソワソワ
ガチャン
唯「!」
梓「時計落としちゃった…!」
唯『んー?』
梓「な、なにこれ」カチカチ
唯「ちょっと、何やってるの…?」
梓「いや、これ時間がめちゃくちゃで…」
唯「いいよ適当で……!」
梓「くっ……」カチカチ
唯「梓ちゃんこっち!」
バタン
唯『手を上げろーっ!』
唯「……」
梓「……っ」
唯『誰かいるのはわかってるんだぞーっ?』
唯『んー?』
唯『さーては布団の中だなー?』
唯「……!」
見つかる……!
唯『!』
唯『時計落ちて……あれ?これ電池切れてる…』
唯『憂ーっ!電池あるー?』トントン
梓「間一髪ってところですかね」
梓「っ!」
ち、近いな…
唯「?」
唯「よいしょっと」バサッ
唯「…ていうか私なんでタイムマシン使わなかったんだろ」
梓「あ、そうですよ!」
唯「よし、明日に行こう!」
梓「はい!」
梓「……って制服脱いで行ってくださいよ?」
唯「危ない危ない」ガサガサ
唯「よし!準備おっけー」
唯「平沢唯、いっきまーす!」
シュンッ
シュンッ
ドンッ
唯「もうやだ……なんなの?」
梓「逆にどうやったら着地に失敗するんですか?」
唯「はぁ……」
ガヤガヤ
唯「これ新入生じゃない?」
梓「そうみたいですね…」
唯「いつも思い出すのはここからだよね」
梓「?」
唯「ダ・カーポ」
梓「あー、確かにそうですね」
梓「入学式の日とか入部の日は覚えててもその次の日は覚えてないんですよね」
梓「……っていうかよく知ってますね、そんな記号」
唯「梓ちゃんが教えてくれたんだよ」
梓「そうでしたっけ?」
唯「この日から私の物語は始まったんだ」
唯「りっちゃんや澪ちゃんムギちゃんや和ちゃんもこの桜を見て、そしてこの桜を思い出す日が来るんだ」
唯「それはきっと梓ちゃんもだと思うけど」
「ちょっと、」
唯「?」
さわ子「三年生は明日から登校よ?」
梓「!」
唯「あっ、さわちゃ」
梓「あーー!そうでしたー!すいませーーん!」
梓「ほら行きますよーー!」
唯「え、あっ」
さわ子「まったく…」
さわ子「ってヤバい遅刻遅刻ー!」タッタッタ
唯「あぶなー」
梓「顔でも覚えられてたら大変なことになっていましたよ」
唯「次どうする?」
梓「唯先輩のドキドキの入部を見に行きましょう」
唯「別にそんな楽しいものじゃないよ?」
梓「…ていうかどうやって学校入るんですか?」
唯「OBってことで…」
梓「ま、なんとかなりますよね」
唯「うん」カチカチ
唯「よーし!ごーごー!」
シュンッ
シュンッ
スタッ
唯「やっと成功だよー!」
梓「まーそこ車の上ですけどね」
唯「はっ……もういいや…うん無理なんだな」
梓「じゃ、行きましょうか」
唯「はい…」
スタスタ
唯「時間も日にちもぴったりぐらいだと思うんだけどなー」
梓「そうなんですか?」
唯「4月の終わり一週間前くらいだからねー」
唯「…にしても私もOBなのか…」
唯「感慨深いよ…まったく」
梓「そういえば何の仕事してるんですか?」
唯「秘密だよ」
梓「いいじゃないですか、教えてくれたって」
唯「笑うもーん」
梓「笑わないですよ!」
唯「……」
唯「……先生」
梓「え、唯先輩がですか?」
唯「さわちゃんの後輩です」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 20:04:26.14 ID:e5Vkap+N0
期待
梓「桜高で教えてるんですか?」
唯「そうだよ」
梓「……プッ」
唯「ほら笑ってるじゃん!」
唯「梓ちゃん昔からそういうとこあるよー」
梓「あの唯先輩が生徒に何か教えてるなんて……むしろ教わる側の人間でしょ!」
唯「そこまで言うなんて……」
唯「まあ実際教わることもあるんだけどね」
唯「きっとそれはさわちゃんも一緒だったと思うけど」
唯「だからさ、余計に気になるんだよ」
唯「誰もいない音楽室がさ…」
唯「目を閉じるとあの頃の光景がはっと浮かぶんだ」
唯「紅茶の甘い匂いとか、みんなの笑い声とかね」
唯「それに私の人生は軽音部が変えてくれたから」
唯「だからそのきっかけとなった軽音部をもう一度復活させたかったの」
唯「そしてそれが軽音に対する恩返しにもなると思ったんだ」
唯「だから梓ちゃん!決してあきらめないで」
唯「今度は君が誰かの人生を変える番なんだよ!」
梓「私が……誰かの人生を変える?」
唯「そう!梓ちゃんが!」
唯『ひいぃっ…』フラフラ
唯「隠れて」
梓「……」サッ
唯『怖いよぉ…』フラフラ
梓「なんかすごいふらふらしてますね」
唯「あの頃は軽音部なんて全然わかんなかったからね」
唯『……ゴクリ』テクテク
唯「もしここで私が逃げ出していたら、今の私はない」
唯「勇気ある一歩を踏み出したから私はあんなに幸せな毎日を送れたんだよ、きっと」
梓「……」
唯「梓ちゃんに何があったか知らないけど、立ち止まっちゃいけないんだよ!」
唯「そりゃその先は必ず成功するとは言えないけど、進まなきゃ何も得られないんだよ?」
梓「……なんか本当に先生、って感じですね」
唯「いやいや本当に先生なんだけどな…」
梓「過去に戻るのは次で最後にします」
唯「そっか…」
梓「私がしなくちゃいけないこと、わかった気がするんです」
唯「本当に?」
梓「もちろん、それで成功するとは言えませんけど、なんていうか……ですね」
唯「ん?」
梓「平沢先生に触発されちゃったかなーって」
唯「そんなぁ…えへへ」
唯「まー私も言われたことなんだけどね」
梓「誰からですか?」
唯「さー、誰でしょう」
梓「何となく察しがつくのでいいです」
唯「じゃとりあえずムギちゃんのところに戻ろうか」
梓「そうですね」
シュンッ
ごめん…なんかつまんないわ
話に進展が無さ過ぎる気がする
シュンッ
ガッチャーン
紬「もう唯ちゃん!」
唯「う……うぅ」
梓「ムギ先輩、私にもう一度だけ一人で行かせてくれませんか?」
紬「もう一度だけ…って」
梓「けじめをつけたいんです」
梓「今までの…私と」
紬「未来を変えるチャンスなんてめったにないんだからもっと遠慮なく…」
唯「ムギちゃん」
紬「わかったわ…」
梓「ありがとうございます」
シュンッ
唯「きっと…もうすぐ未来は変わる」
紬「ただ…過去をいい方向に変えても未来がいい方向に進む訳じゃない」
紬「それなりにリスクがあることなのよ」
唯「でもそれが本当の人生なんだよ」
唯「何が起こるかわからない毎日がね」
唯「軽音が私に教えてくれたみたいに、自分が変われば世界も変わるんだってこと」
唯「きっと梓ちゃんもそれにはもう気がついてる」
唯「だから信じよ。梓ちゃんを」
紬「……」
紬「ていうか、あなた本当に"大人"になったのね」
唯「まーあの頃描いていた大人とはちょっと違うけどね」
紬「本当にタイムマシンができるなんてね」
唯「そしてまさか後輩をそれで助けようとする、なんてね」
唯「どうせなら自分たちの未来も見に行けば良かったね」
紬「あなた見たいの?」
紬「これから私たちどんどんおばさんになって…」
唯「あーごめんごめん!」
唯「実際明日何があるかわからないから楽しいんだよね」
唯「はいここマーカーで線引いてー!」
紬「先生!もう教科書がマーカーでぐちゃぐちゃです!」
紬「…って最近よくそれ言うけど笑ってくれるの憂ちゃんだけよね」
唯「ムギちゃんだって最初笑ってたじゃん!」
唯「ってかりっちゃんと澪ちゃんはー?」
紬「もうすぐ来るんじゃない?」
唯「あ、そうだ!桜高の桜見に行こうよ!」
紬「あーいいわね」
唯「きっとりっちゃんも澪ちゃんも思い出すんだろうな」
紬「そうね…全てが始まったあの春の日のことを…」
唯「また…あの桜を五人で見られる日が来るのかなあ」
紬「来るわよ…」
紬「……きっと」
シュンッ
梓「私が風邪で休んだ二日目到着…っと」
梓「時間は放課後…よし!」
正真正銘、先輩たちと過ごす最後の放課後だ
バタン
梓「こんにち……ってあれ誰もいない」
梓「ってあれ…これ元に戻って来ちゃったんじゃ」
「あーずにゃん」
梓「あ、唯先輩」
梓「ちょうど私も今来たところで…」
唯「……」
梓「……?」
律「ちーっす!」
澪「あー今日も疲れたー」
紬「すぐお茶入れるわねー」
梓「唯せんぱ…」
唯「私も疲れちゃったな〜」
梓「……」
澪「どうしたー梓」
梓「いっ、いえなんでも…」
唯先輩…どうしたのかな
律「そしたら澪がさー、」
これが最後だと思えば思うほど自然に笑えない
卒業式でちゃんとお別れしたはずなのに…
頑張りますって言ったはずなのに…
全部そこで止まってる
唯「演奏…しない?」
律「お前……どうかしたのか?」
唯「いやいや、なんかギター弾きたいなーって」
澪「っていうかそれが在るべき姿なんだけどな」
唯「あずにゃんもしよ?」
梓「は、はい!」
なんでだろ…
もうこんな風な日常を送れない気がする
そっか…きっとそうなんだ
わたしいつの間にか、ギター弾くことよりも先輩たちとお茶飲んだりお菓子食べたり
他愛のない話で盛り上がる
…そんな日常が大好きになっていたんだ
先輩たちのいない音楽室には何の楽しみも何の幸せもない
……だけどそんなことわかってたじゃない
わかってたはずなのに…それを受け入れられない自分がいる
きっと私は先輩たちとの約束を裏切って逃げた……最低な人間
だったら始めからこんな部活……!
唯「やろうよ」
梓「え?」
唯「演奏、しようよ!」
梓「す、すいません」
ジャカジャカ
ジャーン…
澪「ってもうこんな時間じゃないか!」
唯「帰ろ帰ろー」
伝えなきゃ…
私の気持ち…!
梓「ゆ、唯先輩!」
唯「ん?」
梓「ちょっと話が…」
律「おぉーっ!?ついに愛の告白かー?」
梓「ちっ、違いますよ」
唯「ごめん、先に行っててー!」
律「ちぇーっ…」
バタン
唯「なに?」
梓「あ…あの」
う、うわぁ…何だこの雰囲気…
唯「…おっきくなったね」
梓「え?」
唯「身長、ちょっと伸びたんじゃない?」
梓「そ、そうですかね…」
梓「……」
梓「あ、」
唯「?」
梓「あの!」
梓「今まで…ありがとうございました……!」
唯「いきなりどしたの?」
梓「いや、今のうちに伝えておこうかなって……あはは」
唯「こちらこそ素敵な思い出をありがとう」
唯「来年楽しみだなぁ…」
唯「あずにゃんの軽音部」
梓「もし…誰も入ってくれなかったらどうしますか?」
唯「それは残念だよー」
唯「でも別にそれでもいいや」
唯「あずにゃん誰かに取られたりしないもん」
梓「……」
唯「な、なんてねっ!あはは」
唯「その時はその時だよ!別に怒ったりしないよー」
梓「そうですか…」
梓「でも私、本当は不安なんです」
梓「逃げ出したくなるんです」
梓「本当はずっとずっと先輩たちとこうしてたいんです!」
唯「それは…私も一緒だった」
梓「唯先輩も…?」
唯「…うん」
唯「こんな日常がずっとずっと続けばなー、なんて…」
唯「でもさ、違ったんだ」
唯「日常は終わらないんだ」
唯「ずっとずっと続いていくんだよ!」
唯「いいじゃん、またそうすれば」
梓「?」
唯「またここで皆でお茶したりお菓子食べたりすればいいんだよ!」
唯「それに困ったこととかわからないことあったらもっと頼っていいんだよ?」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 20:28:50.26 ID:FsEChlkY0
投下ペースすげぇ
唯「わたし、こんなのでもあずにゃんの先輩だもん!」
唯「って…あはは、ちょっとカッコよすぎたかな……」
梓「………グスッ」ギュッ
唯「………」
梓「また…先輩たちと笑える日が来るんでしょうか…」
梓「また…放課後が待ち遠しくなる日が来るんでしょうか……」
唯「大丈夫だよ、あずにゃん」ナデナデ
梓「……ヒグッ」
唯「一人じゃないもん」
唯「きっときっと、素敵な未来が待ってるよ!」
唯「でもそのためには未来に行かなきゃ!」
唯「きっと虹色の日常が待ってるはずだから!」
梓「ふふ…虹色の日常ですか……グスッ」
唯「お、可笑しい?」
梓「はい……とっても……!」
梓「…信じますよ?」
梓「唯先輩の言葉」
唯「うん!」
梓「……ってなんかすいません」フキフキ
梓「あはは…」
唯「あずにゃん」ナデナデ
唯「わたし、待ってるからね」
唯「だから頑張るんだよ、部長さん!」
梓「はいっ!」
梓「あっ、あともう1つ」
唯「ん?」
梓「私のことはずっとずっと"あずにゃん"って呼んでくれませんか?」
唯「言われなくてもそんなことわかってるよ」
唯「何歳になってもあずにゃんはあずにゃんだもん!」
梓「ふふ……よろしくお願いします」
梓「あっ、ちょっとトイレに…」
唯「じゃあ電気消してくねー」
カチッ
唯「鍵も閉めて、っと」
シュンッ
梓『……はぁはぁ』
唯「あ、あずにゃん!」
梓『いや、体調良くなったんで部室行こうとしたんですけど……もう遅かったみたいですね』
梓『ていうか、今誰と話してたんですか?』
唯「……クスッ」
唯「なーいしょ!」
梓『はぁ?』
唯「だって日常は虹色なんだもん!」
梓『意味がわからないんですけど…』
唯「ねぇ、あずにゃん。ちょっと提案があるんだけどね…」
梓『はい?』
シュンッ
紬「あ!」
唯「帰ってきた!」
紬「どうだった?」
梓「もう大丈夫です」
梓「だから約束通り元の時間に戻ります」
紬「…そう」
ミシッ
梓「…どうやらこれもあと一回くらいで壊れそうですしね」
唯「あーもう!行き忘れたバーゲンあったのになー」
紬「我慢しなさい」
唯「うぅ……」
唯「あの頃のムギちゃんの方がいいなぁ…」
梓「先輩、」ムギュ
唯「ちょっ、え?どうしたのあずにゃん」
梓「!」
唯「え?」
梓「……クスッ」
梓「いえ…なんでも!」
梓「じゃ、そろそろ行きますね」
梓「色々とお世話になりました!」
紬「いってらっしゃい」
唯「う〜あずにゃーん」
梓「はいはい、大好きですよ唯先輩!」
梓「じゃ!」
シュンッ
唯「えっ…えっ?」
唯「き、聞いた?今私のこと……!」
ガチャ
律「わるい!遅れたー!」
澪「お前が鍵なんか忘れるからー!」
唯「そしてなんというグッドタイミング…」
律「…で、梓は?」
紬「ふふ……」
紬「…もう行っちゃったわよ」
唯「あーそうだ。後で桜高の桜見に行こうよ!」
澪「お前毎日見てんだろ?」
唯「いいじゃん!それに皆で見たいの!」
律「ついでにさわちゃんにも会いに行くかーっ?」
紬「それいい!」
唯「なんで休みの日までさわちゃんに会わなきゃいけないの……」
紬「まあまあ」
ガチャ
唯「あ!」
シュンッ
梓「はっ…」
梓「……」キョロキョロ
梓「なんだ夢か……ってどんな夢なんだよー」
梓「いやいやさすがにねー、あはは」
梓「はぁ……ふふっ…」
梓「ふぅ……」
梓「……」
純「えぇ……」
梓「!」
純「梓…大丈夫?」
梓「へっ…」
憂「もうそろそろ時間なんだから準備しないとー」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 20:49:00.86 ID:uqrEROR+O
さる食らった?
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 20:58:47.27 ID:gNRLNj+M0
あと2分で解除
すいません猿くらってました
またくるかもしんないのでその時はすいません
梓「なに…してるの?」
純「はあ?」
憂「もー梓ちゃーん?」
梓「……変わって……る?」
純「だーめだ、こりゃ」
憂「梓ちゃんが誘ってきたんじゃーん」
梓「そ、そうだっけー?あはは…」
憂「お姉ちゃんにもずーっとお願いされたんだよ?」
梓「唯先輩にも?」
憂「うん、あずにゃんを助けてって」
梓「そうなんだ…」
憂「相談したんじゃなかったの?」
梓「えーと…」
純「まっ、まさかこの人本物の梓じゃないんじゃ…」
純「別の時空から来た梓とか!」
純「いや、梓を乗っ取った宇宙人だったりして!」
梓「は、はい?」
ガチャ
さわ子「そろそろ出番らしいわよー!」
純「あーっ、さわちゃん」
さわ子「あなたまでそうやって…」
梓「もうそんな時間か…」
憂「あーなんか緊張してきちゃったなー…」
純「憂緊張してんのかよー」
純「だ、大体こんなんで緊張するとかかかー?素人まままるだしでしょー!」ガクガク
梓「隠しきれてないし…」
さわ子「って本当にもう行かないと遅刻しちゃうわよ?」
梓「!」
梓「い、急げー!」タッタッタ
憂「おーっ!」タッタッタ
純「あ、待ってよー!」タッタッタ
さわ子「……クスッ」
さわ子「いってらっしゃい!」
あれは夢だったのかな…
だってタイムマシンなんて出来てたら今頃世界は未来人だらけにーなんてこともあり得る訳で
だとしたら今現在が在るべき姿と考える方がいいのかもしれない
あの夢はきっと過去ばっかり振り返って前に進もうとしない私への当て付けだったんだ
ただあれが夢だとしたら、私は夢でも現実でも誰かに助けられてることになる
私は一人じゃ何もできないのかな…
いや…確かにそうかもしれない
最初から一人じゃ何もできなかったんだ
そこに誰かが居てくれたから私は笑っていられたんだ
このタイムスリップはきっと未来を変えるためだったんじゃない
きっと私自身を変えるため
一人で何もかも背負いこむ私を
過去の思い出に浸ってばかりいる私を
私もきっと、唯先輩と一緒で軽音に人生を変えてもらった一人なんだ
それならこれからはちょっとずつでも恩返しをしていこう
私の人生を変えてくれた皆に
私を支えてくれる皆に
そして今度は私が誰かの人生を変えていく番なんだ
いつかまた誰かがこの桜を見て微笑むことができるように
始まりの日をいつまでも恋しく思ってくれるように
タッタッタ
梓「走れーっ!」
憂「おーっ!」
純「うおーっ、ってうわー転ぶー!」
そういえば唯先輩の言っていた虹色の日常ってなんだろう
……でもいつかきっとわかる日が来るよね
そしていつかきっと、またこの桜を皆で懐かしみながら見る日が来るんだ
一色だった私の未来は徐々に色づき始める
それはそれは綺麗な色に
行こう。
梓「せーのっ!」
君の待つ、
――――虹色の未来へ。
おしまい
読んでくれた方ありがとうございました!
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 21:13:45.79 ID:J3d0EHU+0
乙
地味にいい話って感じ
大体のテーマはまぁよかったと思うが
タイムトラベルという概念をあえて使う必要があったのかは疑問
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 21:16:41.17 ID:uqrEROR+O
乙!
良かったんだけど、もうちょいメリハリ欲しかったかも。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 21:20:45.59 ID:HG+JXIHA0
確かにタイムトラベルネタを使うまでもなさそうな話だな
律あたりが直接梓の所に殴り込めば解決しそうだし
ただまあ変に暗くならなくてかえってよかったとも言えなくもないかな
何にしても乙
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/15(金) 21:22:56.69 ID:Yc5kIxPj0
乙
伝わってくるものはあった
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
1おつ
この梓には未来からの支援が必要だったんだろう